JP7360307B2 - 希土類鉄系リング磁石及びその製造方法 - Google Patents
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Description
実施形態に係る希土類鉄系リング磁石の製造方法は、後述する工程(a)~(d)を含む。図1は、実施形態に係る希土類鉄系リング磁石の製造方法を具体的に説明するための図である。
上記工程(b)は、上記希土類鉄系磁石粉末と、ポリスチレンと、さらに滑剤とを混合してコンパウンドを作製する工程であってもよく、上記工程(b)において、上記滑剤は、上記希土類鉄系磁石粉末及びポリスチレンの合計100wt%に対して、0.2wt%以下の量で混合してもよい。また、上記滑剤は、上記希土類鉄系磁石粉末及びポリスチレンの合計100wt%に対して、0.05wt%以上0.2wt%以下の量で混合することがより好ましい。滑剤を用いると、工程(c)における充填性をさらに向上できる。上記量が0.2wt%を超えると、工程(d)でカーバイドを生成して、希土類鉄系リング磁石における残存炭素の量が多くなり、磁気特性の低下や、強度の低下を引き起こす場合がある。また、上記量が0.05wt%未満であると、工程(c)におけるさらなる充填性の向上が不十分な場合がある。
実施形態に係る希土類鉄系リング磁石は、希土類鉄系磁石粉末を放電プラズマ焼結した希土類鉄系リング磁石であって、上記希土類鉄系磁石粉末は、磁気的に等方性の超急冷粉であり、希土類元素を13at%以上19at%以下の量で含み、保磁力が1500kA/m以上である。また、上記希土類鉄系リング磁石は、炭素量が2000ppm以下であり、平均結晶粒径が200nm未満である。ここで、平均結晶粒径は、SEMやTEMで磁石組織を観察しその画像から個々の結晶粒径を求め、その平均値である。
[実施例1-1]
自由粉砕機(形式M-2、株式会社奈良機械製作所製)を用いて、Nd-Fe-B系磁石粉末(希土類元素の量:13.8at%、保磁力:1500kA/m以上、超急冷粉)を粉砕し、53μm~150μmの範囲に分級した。
分級した上記磁石粉末200gに、予め、メチルエチルケトン(MEK)20gに溶解したポリスチレン4gを加え、ドラフトチャンバー内で排気を行いながら、ラボミルで15分間混錬し混練物を得た。
上記混練物を80℃に加熱したオーブンに投入し、30分間乾燥させ、MEKを揮発させた。MEKを揮発させた粉末を乳鉢で解砕し、乾式ふるいにて75μm~355μmに分級し、コンパウンドを得た。
厚さが16.2mm、外径が12mmであるリング状の金型に上記コンパウンドを充填し、500MPaの圧力を印加して粉末圧縮成型を行い、グリーン体を成型した。成形したグリーン体をセラミックスと超硬合金とを組み合わせた複合金型に挿入し、放電プラズマ焼結(SPS)装置にて、ロータリーポンプで10-3Torr程度まで真空引きしながら、減圧下でパルス通電焼結を行った。具体的には、120MPaの圧力を印加しながら、室温から700℃付近まで昇温して加熱することにより、脱脂及び焼結を行った。
冷却後、離型し、希土類鉄系リング磁石を得た。
実施例1-1と同様に作製したコンパウンド200gに、ステアリン酸カルシウムの粉末を0.1g加え、乳鉢で混合し、コンパウンドを得た。
実施例1-1と同様に作製したコンパウンド200gに、ステアリン酸カルシウムの粉末を0.4g加え、乳鉢で混合し、コンパウンドを得た。
自由粉砕機(形式M-2、株式会社奈良機械製作所製)を用いて、Nd-Fe-B系磁石粉末(希土類元素の量:13.8at%、保磁力:1500kA/m以上、超急冷粉)を粉砕し、53μm~150μmの範囲に分級した。上記磁石粉末をコンパウンド化せずそのまま用いた。
自由粉砕機(形式M-2、株式会社奈良機械製作所製)を用いて、Nd-Fe-B系磁石粉末(希土類元素の量:13.8at%、保磁力:1500kA/m以上、超急冷粉)を粉砕し、53μm~150μmの範囲に分級した。
分級した上記磁石粉末200gに、予め、メチルエチルケトン(MEK)20gに溶解した酢酸セルロース4gを加え、ドラフトチャンバー内で排気を行いながら、ラボミルで15分間混錬し混練物を得た。
上記混練物を80℃に加熱したオーブンに投入し、30分間乾燥させ、MEKを揮発させた。MEKを揮発させた粉末を乳鉢で解砕し、乾式ふるいにて75μm~355μmに分級し、コンパウンドを得た。
上記コンパウンドを用いた他は、実施例1-1と同様にして、希土類鉄系リング磁石を得た。
比較例1-2と同様に作製したコンパウンド200gに、ステアリン酸カルシウムの粉末を0.1g加え、乳鉢で混合し、コンパウンドを得た。
比較例1-2と同様に作製したコンパウンド200gに、ステアリン酸カルシウムの粉末を0.4g加え、乳鉢で混合し、コンパウンドを得た。
上記磁石粉末200gに、予め、MEK5gに溶解した酢酸セルロース1gを加えた以外は、比較例1-2と同様にして、コンパウンドを得た。
上記コンパウンドを用いた他は、実施例1-1と同様にして、希土類鉄系リング磁石を得た。
比較例1-5と同様に作製したコンパウンド200gに、ステアリン酸カルシウムの粉末を0.1g加え、乳鉢で混合し、コンパウンドを得た。
比較例1-5と同様に作製したコンパウンド200gに、ステアリン酸カルシウムの粉末を0.4g加え、乳鉢で混合し、コンパウンドを得た。
上記手順で作製したコンパウンドに対し、JISZ-2502に基づき、オリフィス径Φ2.5mmで流動度を測定した。表1に結果を示す。
実施例1-1、比較例1-2、1-5で作製した希土類鉄系リング磁石について、相対密度及び磁気特性を測定した。表2に結果を示す。また、図4は、磁化曲線を示す図である。なお、磁化曲線は、B-Hカーブトレーサーで測定した。
Nd-Fe-B系磁石粉末(希土類元素の量:14.5at%、保磁力:1500kA/m以上、超急冷粉)を用いた他は、実施例1-1と同様にして、コンパウンド及び希土類鉄系リング磁石を得た。
Nd-Fe-B系磁石粉末(希土類元素の量:19.0at%、添加元素(Nb、Cu、Ga)の量:各0.5at%、保磁力:1500kA/m以上、超急冷粉)を用いた他は、実施例1-1と同様にして、コンパウンド及び希土類鉄系リング磁石を得た。
Nd-Fe-B系磁石粉末(希土類元素の量:12.8at%、保磁力:1500kA/m以上、超急冷粉)を用いた他は、実施例1-1と同様にして、コンパウンド及び希土類鉄系リング磁石を得た。
上記手順で作製した希土類鉄系リング磁石について、磁気特性を測定した。図5は、減磁曲線を示す図である。図6は、試験温度に対する初期減磁の変化を示す図である。また、図7は、希土類元素の量に対する保磁力の比の変化を示す図である。なお、初期減磁は、120℃で1時間の環境に曝す前後で磁束量を測定し、試験温度暴露前の磁束量を100として何%減磁したかを計算している。また、150℃、180℃及び200℃においても同様に測定した。
実施例で得られた希土類鉄系リング磁石について、炭素量及び平均結晶粒径を測定した。いずれの希土類鉄系リング磁石も、炭素量は2000ppm以下であり、平均結晶粒径は200nm未満であった。なお、炭素量は、CSアナライザーを用いて燃焼法により測定した。
Claims (5)
- (a)超急冷法によって作製された磁気的に等方性の希土類鉄系磁石薄帯を粉砕して、希土類鉄系磁石粉末を得る工程と、
(b)前記希土類鉄系磁石粉末と、ポリスチレンとを混合してコンパウンドを作製する工程と、
(c)前記コンパウンドを金型に充填し加圧して、グリーン体を成形する工程と、
(d)前記グリーン体を複合金型に挿入し、該複合金型を放電プラズマ焼結(SPS)装置にセットし、次いで、減圧下で、前記グリーン体を加圧しながら加熱して、前記グリーン体の脱脂及び焼結を行い、希土類鉄系リング磁石を得る工程と、を含み、
前記希土類鉄系磁石粉末は、希土類元素を13at%以上19at%以下の量で含む、
希土類鉄系リング磁石の製造方法。 - 前記工程(b)において、作製された前記コンパウンドは、75μm以上355μm以下の範囲に分級され、前記工程(c)において、前記工程(b)で分級されたコンパウンドを金型に充填する、
請求項1に記載の希土類鉄系リング磁石の製造方法。 - 前記希土類鉄系磁石粉末は、前記希土類元素として少なくともNdを含む、
請求項1又は2に記載の希土類鉄系リング磁石の製造方法。 - 前記工程(b)において、前記ポリスチレンは、前記希土類鉄系磁石粉末100wt%に対して、2wt%以下の量で混合する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の希土類鉄系リング磁石の製造方法。 - 前記工程(b)は、前記希土類鉄系磁石粉末と、前記ポリスチレンと、さらに滑剤とを混合してコンパウンドを作製する工程であり、
前記工程(b)において、前記滑剤は、前記希土類鉄系磁石粉末及び前記ポリスチレンの合計100wt%に対して、0.2wt%以下の量で混合する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の希土類鉄系リング磁石の製造方法。
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