JP7359506B1 - 木構造耐力壁、木構造耐力壁の施工方法、木構造耐力壁の壁倍率増大方法、及び、石膏系耐力面材 - Google Patents
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Abstract
Description
前記耐力面材は、板状の石膏硬化体からなる主材又は芯材と、該主材又は芯材の少なくとも表裏面を被覆する紙部材とから構成され、
前記耐力面材は、壁面の単位面積当りの質量として特定される該耐力面材の面密度又は面重量として、6.5~8.9kg/m2の範囲内の面密度又は面重量を有するとともに、500N以上の釘側面抵抗を発揮し、且つ、少なくとも6.5N/mm2以上の圧縮強度を保有しており、
前記留め具は、頭部及び胴部を有し、頭部の面積/胴部の断面積の面積比を6~13の範囲内の値に設定した金属製の釘からなり、
壁の長さ1.82mの耐力壁試験体を用いた面内せん断試験によって測定される前記耐力壁の終局変位として、20×10-3radよりも大きい値の終局変位(δu)を有することを特徴とする、木構造耐力壁を提供する。
板状の石膏硬化体からなる主材又は芯材と、該主材又は芯材の少なくとも表裏面を被覆する紙部材とから構成される石膏系耐力面材であって、壁面の単位面積当りの質量として特定される面密度又は面重量として、6.5~8.9kg/m2の範囲内の面密度又は面重量を有するとともに、500N以上の釘側面抵抗を発揮し且つ少なくとも6.5N/mm2以上の圧縮強度を有する石膏系耐力面材を前記木構造壁下地に対して留め具によって留付け、該留め具として、頭部の面積/胴部の断面積の面積比を6~13の範囲内の値に設定した金属製の釘を使用し、
壁の長さ1.82mの耐力壁試験体を用いた面内せん断試験によって測定される前記耐力壁の終局変位(δu)として、20×10-3radよりも大きい値の終局変位を発揮する木構造耐力壁を構築することを特徴とする、木構造耐力壁の施工方法を提供する。
板状の石膏硬化体からなる主材又は芯材と、該主材又は芯材の少なくとも表裏面を被覆する紙部材とから前記耐力面材を構成し、
壁面の単位面積当りの質量として特定される前記耐力面材の面密度又は面重量を6.5~8.9kg/m2に低減するとともに、前記耐力面材が500N以上の釘側面抵抗及び6.5N/mm2以上の圧縮強度を発揮するように、前記主材又は前記芯材の石膏硬化体の配合を設定し、
前記留め具として、頭部の面積/胴部の断面積の面積比を6~13の範囲内の値に設定した金属製の釘を使用して、パンチングシェア現象を抑制し又はパンチングアウト破壊の作用を軽減し、
壁の長さ1.82mの耐力壁試験体を用いた面内せん断試験によって測定される前記耐力壁の終局変位(δu)として、20×10-3radよりも大きい値の終局変位を得ることを特徴とする、木構造耐力壁の壁倍率増大方法を提供する。
500N以上の釘側面抵抗を発揮し且つ少なくとも6.5N/mm2以上の圧縮強度を保有するとともに、6.5~8.9kg/m2の範囲内の面密度又は面重量を有し、
前記留め具と協働して、壁の長さ1.82mの耐力壁試験体を用いた面内せん断試験によって測定される前記耐力壁の終局変位(δu)を20×10-3radよりも大きい値に増大せしめることを特徴とする、石膏系耐力面材を提供する。
図1は、本開示の好適な実施形態に係る木構造建築物の耐力壁の構成を概略的に示す正面図である。また、図2の(A)及び(B)はそれぞれ、図1に示す耐力壁に関し、釘によって石膏系耐力面材を木造軸組に固定した耐力壁の部分を部分拡大して示す耐力壁の部分断面図及び部分破断斜視図である。
構造用石膏ボード(B種) 1.2
強化石膏ボード 0.9
(普通)石膏ボード 0.9
構造用石膏ボード(B種) 1.5
強化石膏ボード 1.3
(普通)石膏ボード 1.0
図3は、図1に示す耐力壁構造体に関する面内せん断試験において使用された耐力壁試験体の構成を示す正面図、横断面図及び側面図である。
図4は、任意の石膏系耐力面材を用いた面内せん断試験の試験結果を参考として示す説明用の図表及び線図であり、図4には、面内せん断試験によって一般に得られる荷重-変形角曲線が包絡線(実線で示す)として表示されている。図4を参照して、木構造耐力壁の面内せん断試験について説明するとともに、木構造耐力壁の短期許容せん断耐力及び壁倍率の求め方について説明する。
(2)塑性率(μ)に基づいて補正された終局耐力(Pu)の値(以下、「終局耐力(補正値)(Pu')」という。)
(3)最大耐力(Pmax)の2/3の値
(4)せん断変形角=1/120radの時の耐力(無載荷式又は載荷式の場合)
P0=β×Pu'
石膏系耐力面材を木構造の軸組又は枠組に固定してなる従来の木造耐力壁においては、一般に、石膏系耐力面材は、NZ50釘(めっき鉄丸釘:JIS A 5508)によって軸組又は枠組に固定されてきた。NZ50釘は、頭径6.6mm、胴径2.75mm及び釘の長さ50mmの寸法(JIS A 5508)を有し、頭面積/胴断面積の比ηは、5.76である。このような釘によって低密度石膏系耐力面材を木構造の軸組又は枠組に固定してなる木造耐力壁の試験体を用いた面内せん断試験においては、特許文献3に記載したとおり、終局変位(δu)が増大し、この結果、終局耐力(補正値)(Pu')、短期基準せん断耐力(P0)及び壁倍率が増大する。しかしながら、この面内せん断試験においては、試験体に作用する繰り返し加力によって釘穴が破壊してパンチングシェア現象が発生し、これに伴う石膏系耐力面材のパンチングアウト破壊によって試験体の耐力が急激にPu=0.8Pmaxに低下し、これにより、面内せん断試験が終了するという特性ないし特徴が認められた。従って、釘打ち部分の破壊又は破断を抑制し、石膏系耐力面材のパンチングアウト破壊を抑制しない限り、短期許容せん断耐力(Pa)及び壁倍率を更に増大させ難いと考えられる。尚、特許文献1に記載された面材補強方法の如く、金属板等の補強材又は補剛材を釘打ち部分に配設することによってパンチングアウト破壊を抑制又は軽減することも可能であるかもしれないが、このような補強材又は補剛材の付設又は配設は、前述のとおり、石膏系面材の製造プロセスの煩雑化や、建設工事の作業性の悪化を招く要因となる。
(2)パンチングシェア現象を抑制してパンチングアウト破壊の作用を軽減すべく、頭径Dを6mm以上、好適には、6.8mm以上に設定する。
(3)面材10が釘打ち時に釘の貫入作用によって割れる現象を抑制するとともに、面内せん断試験時に面材の縁切れ現象が発生するのを抑制すべく、胴径dを5mm以下、好ましくは、4.2mm以下に設定する。
(4)過大な釘の曲げ変形が面内せん断試験時に発生するのを抑制すべく、胴径dを2mm以上、好ましくは、2.2mm以上に設定する。
(5)首部23の強度が極端に低下するのを抑制すべく、頭面積/胴断面積の比ηを13以下、好ましくは、11以下に設定する。
(6)パンチングシェア現象を抑制する効果を確保すべく、頭面積/胴断面積の比ηを6以上、好ましくは、7以上に設定する。
本発明者は、上記の如く特定の寸法及び形状を有する釘20を使用して、圧縮強度及び釘側面抵抗を増大した低密度の耐力面材10を木構造の軸組又は枠組に固定することにより、耐力壁1の短期許容せん断耐力Pa及び壁倍率を増大し得ることを認識したが、本発明者は更に、圧縮強度の増大に伴って面材の初期剛性が増大することによっても、耐力壁1の短期許容せん断耐力Pa及び壁倍率が更に増大し得ることを認識した。即ち、特定の寸法及び形状を有する上記釘20と、圧縮強度及び釘側面抵抗が増大した低密度の耐力面材10とを用いることにより、パンチングシェア現象を抑制又は軽減し得るだけではなく、面材の初期剛性を増大させて塑性率μを増大させることができ、両者の相乗効果として、短期許容せん断耐力Pa及び壁倍率を効果的又は効率的に増大させることが可能になる。以下、圧縮強度の増大に伴う耐力面材10の初期剛性増大の作用と、これに起因した短期許容せん断耐力Pa及び壁倍率の増大について説明する。
図10には、石膏系耐力面材の圧縮強度測定方法が概略的に示されている。
前述のとおり、終局耐力(補正値)Pu'は、終局耐力Puを塑性率μに基づいて補正した値であり、短期許容せん断耐力Paは、終局耐力(補正値)Pu'に対して所定の低減係数α及びばらつき係数βを乗じた値であり、壁倍率は、短期許容せん断耐力Paを所定の耐力基準値(L×1.96)で除した値である。従って、壁倍率及び短期許容せん断耐力Paは、終局耐力Puの値に比例するとともに、塑性率μの増大に伴って増大する。塑性率μは、終局変位δuと比例し、降伏点変位δvに反比例する値であり、従って、終局変位δuを増大させ、或いは、降伏点変位δvを低減させることにより、壁倍率及び短期許容せん断耐力Paを増大させることができる。
(1)耐力面材10は、500N以上の釘側面抵抗を発揮し且つ6.5N/mm2以上の圧縮強度を保有するように無機質繊維及び有機系強度向上材を配合した板状の石膏硬化体からなる主材又は芯材と、主材又は芯材の少なくとも表裏面を被覆する紙部材とから構成される。壁面の単位面積当りの質量として特定される耐力面材10の面密度は、6.5~8.9kg/m2の範囲内の値に設定される。このように圧縮強度及び釘側面抵抗を増大した低密度の石膏系耐力面材10を用いた耐力壁1においては、頭径Dを6.0~10.0mmの範囲内、胴径dを2.0~5.0mmの範囲内、頭面積/胴断面積の比ηを6~13の範囲内の値に設定することにより、頭部21が面材10にめり込むのを抑制し、パンチングシェア現象を抑制又は低減するとともに、釘打ち時に生じ得る面材10の割れを抑制し、しかも、耐力壁1の短期許容せん断耐力Paを効果的に増大させる(従って、壁倍率を効果的に増大させる)ことができる。
(2)上記の如く圧縮強度及び釘側面抵抗を増大した低密度の石膏系耐力面材10を用いた耐力壁1においては、その終局変位δuは、例えば、28.09×10-3~34.98×10-3radに増大し、従って、従来の石膏系耐力面材(例えば、特許文献4に記載された石膏系耐力面材)を用いた耐力壁の終局変位δuが20×10-3rad程度の値であったことと対比すると、耐力壁1の終局変位δuは、顕著に増大する。
(3)上記の如く圧縮強度及び釘側面抵抗を増大した低密度の石膏系耐力面材10を用いた耐力壁1においては、参考例1~4(図8及び図9)に係る耐力壁1の降伏点変位δv1~δv4として説明した如く、初期剛性Kの増大に伴って、6.04×10-3~6.80×10-3radに低下しており、この値は、比較例4に係る耐力壁の降伏点変位δv5=7.26×10-3radと比べ、顕著に低下した値である。即ち、上記参考例1~4として説明した耐力面材10は、耐力壁1の終局変位δu1~δu4を増大して塑性率μを増大するだけではなく、耐力壁1の降伏点変位δv1~δv4の低下によっても塑性率μを増大するので、壁倍率及び短期許容せん断耐力Paを比較的大きく増大することができる。
2 土台
3 柱
4 間柱
4’ 継手間柱
5 横架材(梁、胴差、軒桁、妻桁)
5’ 胴つなぎ
10、10a、10b 石膏系耐力面材
11 平板状石膏コア(石膏芯材)
12 石膏ボード用原紙(紙部材)
20 釘(留め具)
21 頭部
21a 頂面
21b 着座面
22 胴部
23 首部
24 先端部
D 頭径
d 胴径
L 長さ
η 頭面積/胴断面積の面積比
Claims (31)
- 石膏系耐力面材を木造軸組工法又は木造枠組壁工法の木構造壁下地に対して留め具によって留付けた構造を有する木構造耐力壁において、
前記耐力面材は、板状の石膏硬化体からなる主材又は芯材と、該主材又は芯材の少なくとも表裏面を被覆する紙部材とから構成され、
前記耐力面材は、壁面の単位面積当りの質量として特定される該耐力面材の面密度又は面重量として、6.5~8.9kg/m2の範囲内の面密度又は面重量を有するとともに、500N以上の釘側面抵抗を発揮し、且つ、少なくとも6.5N/mm2以上の圧縮強度を保有しており、
前記留め具は、頭部及び胴部を有し、頭部の面積/胴部の断面積の面積比を6~13の範囲内の値に設定した金属製の釘からなり、
壁の長さ1.82mの耐力壁試験体を用いた面内せん断試験によって測定される前記耐力壁の終局変位として、20×10-3radよりも大きい値の終局変位(δu)を有することを特徴とする、木構造耐力壁。 - 請求項1に記載された木構造耐力壁において、
前記釘の胴部は、均一な円形横断面を有するストレート・スムース形の胴部であり、尖塔形の先端部を備えており、前記釘の頭部は、頂面視円形輪郭を有する平頭フラット形又は平頭網目付き形の頭部であることを特徴とする、木構造耐力壁。 - 請求項1に記載された木構造耐力壁において、
前記釘は、釘打ち作業によって前記耐力面材の外面に着座する環状且つ平坦な着座面と、前記耐力面材の外面が構成する壁面と実質的に同じ面内に釘打ち後に位置するように施工される平坦な頂面とを有することを特徴する、木構造耐力壁。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載された木構造耐力壁において、
前記耐力面材は、前記面内せん断試験によって測定される前記耐力壁の初期剛性(K)として2.2kN/10-3rad以上の値を確保すべく、7.5N/mm2以上の前記圧縮強度を保有することを特徴とする、木構造耐力壁。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載された木構造耐力壁において、
前記面内せん断試験によって測定される前記耐力壁の物性として、
(1)7.2×10-3rad以下の降伏点変位(δv)、
(2)4.2以上の塑性率(μ)、
(3)7.7kN以上の終局耐力(Pu)の補正値(Pu')、及び
(4)7.7kN以上の値であって、前記終局耐力(Pu)の補正値(Pu')よりも大きい降伏耐力(Py)、
より構成される諸物性のうちの少なくとも1つの物性が、前記面密度又は面重量及び前記釘側面抵抗の設定と、パンチングシェア現象を抑制し又はパンチングアウト破壊の作用を軽減すべく設定された前記釘の頭径、胴径、及び頭部の面積/胴部の断面積の面積比の設定と、によって確保されることを特徴とする、木構造耐力壁。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載された木構造耐力壁において、
前記耐力面材は、12mm未満の板厚、及び/又は、0.96以下の比重を有することを特徴とする、木構造耐力壁。 - 請求項1に記載された木構造耐力壁において、
前記耐力面材の前記主材又は前記芯材には、無機質繊維及び/又は有機系強度向上材が配合されていることを特徴とする、木構造耐力壁。 - 請求項1又は7に記載された木構造耐力壁において、
前記石膏系耐力面材の主材又は芯材には、オルガノポリシロキサン化合物が配合されていることを特徴とする、木構造耐力壁。 - 石膏系耐力面材を木造軸組工法又は木造枠組壁工法の木構造壁下地に固定する木構造耐力壁の施工方法において、
板状の石膏硬化体からなる主材又は芯材と、該主材又は芯材の少なくとも表裏面を被覆する紙部材とから構成される石膏系耐力面材であって、壁面の単位面積当りの質量として特定される面密度又は面重量として、6.5~8.9kg/m2の範囲内の面密度又は面重量を有するとともに、500N以上の釘側面抵抗を発揮し且つ少なくとも6.5N/mm2以上の圧縮強度を有する石膏系耐力面材を前記木構造壁下地に対して留め具によって留付け、該留め具として、頭部の面積/胴部の断面積の面積比を6~13の範囲内の値に設定した金属製の釘を使用し、
壁の長さ1.82mの耐力壁試験体を用いた面内せん断試験によって測定される前記耐力壁の終局変位(δu)として、20×10-3radよりも大きい値の終局変位を発揮する木構造耐力壁を構築することを特徴とする、木構造耐力壁の施工方法。 - 請求項9に記載された木構造耐力壁の施工方法において、
前記釘の胴部は、均一な円形横断面を有するストレート・スムース形の胴部であり、尖塔形の先端部を備えており、前記釘の頭部は、頂面視円形輪郭を有する平頭フラット形又は平頭網目付き形の頭部であることを特徴とする、木構造耐力壁の施工方法。 - 請求項9に記載された木構造耐力壁の施工方法において、
前記釘は、釘打ち作業によって前記耐力面材の外面に着座する環状且つ平坦な着座面と、前記耐力面材の外面が構成する壁面と実質的に同じ面内に釘打ち後に位置するように施工される平坦な頂面とを有することを特徴する、木構造耐力壁の施工方法。 - 請求項9乃至11のいずれか1項に記載された木構造耐力壁の施工方法において、
前記耐力面材は、前記面内せん断試験によって測定される前記耐力壁の初期剛性(K)として2.2kN/10-3rad以上の値を確保すべく、7.5N/mm2以上の前記圧縮強度を保有することを特徴とする、木構造耐力壁の施工方法。 - 請求項9乃至11のいずれか1項に記載された木構造耐力壁の施工方法において、
前記面内せん断試験によって測定される前記耐力壁の物性として、
(1)7.2×10-3rad以下の降伏点変位(δv)、
(2)4.2以上の塑性率(μ)、
(3)7.7kN以上の終局耐力(Pu)の補正値(Pu')、及び
(4)7.7kN以上の値であって、前記終局耐力(Pu)の補正値(Pu')よりも大きい降伏耐力(Py)、
より構成される諸物性のうちの少なくとも1つの物性が、前記面密度又は面重量及び前記釘側面抵抗の設定と、パンチングシェア現象を抑制し又はパンチングアウト破壊の作用を軽減すべく設定された前記釘の頭径、胴径、及び頭部の面積/胴部の断面積の面積比の設定と、によって確保されることを特徴とする、木構造耐力壁の施工方法。 - 請求項9乃至11のいずれか1項に記載された木構造耐力壁の施工方法において、
前記耐力面材は、12mm未満の板厚、及び/又は、0.96以下の比重を有することを特徴とする、木構造耐力壁の施工方法。 - 請求項9に記載された木構造耐力壁の施工方法において、
前記耐力面材の前記主材又は前記芯材には、無機質繊維及び/又は有機系強度向上材が配合されていることを特徴とする、木構造耐力壁の施工方法。 - 請求項9又は15に記載された木構造耐力壁の施工方法において、
前記石膏系耐力面材の主材又は芯材には、オルガノポリシロキサン化合物が配合されていることを特徴とする木構造耐力壁の施工方法。 - 石膏系耐力面材を木造軸組工法又は木造枠組壁工法の木構造壁下地に対して留め具によって留付けることにより施工される、木構造耐力壁の壁倍率増大方法において、
板状の石膏硬化体からなる主材又は芯材と、該主材又は芯材の少なくとも表裏面を被覆する紙部材とから前記耐力面材を構成し、
壁面の単位面積当りの質量として特定される前記耐力面材の面密度又は面重量を6.5~8.9kg/m2に低減するとともに、前記耐力面材が500N以上の釘側面抵抗及び6.5N/mm2以上の圧縮強度を発揮するように、前記主材又は前記芯材の石膏硬化体の配合を設定し、
前記留め具として、頭部の面積/胴部の断面積の面積比を6~13の範囲内の値に設定した金属製の釘を使用して、パンチングシェア現象を抑制し又はパンチングアウト破壊の作用を軽減し、
壁の長さ1.82mの耐力壁試験体を用いた面内せん断試験によって測定される前記耐力壁の終局変位(δu)として、20×10-3radよりも大きい値の終局変位を得ることを特徴とする、木構造耐力壁の壁倍率増大方法。 - 請求項17に記載された木構造耐力壁の壁倍率増大方法において、
前記釘の胴部は、均一な円形横断面を有するストレート・スムース形の胴部であり、尖塔形の先端部を備えており、前記釘の頭部は、頂面視円形輪郭を有する平頭フラット形又は平頭網目付き形の頭部であることを特徴とする、木構造耐力壁の壁倍率増大方法。 - 請求項17に記載された木構造耐力壁の壁倍率増大方法において、
前記釘は、釘打ち作業によって前記耐力面材の外面に着座する環状且つ平坦な着座面と、前記耐力面材の外面が構成する壁面と実質的に同じ面内に釘打ち後に位置するように施工される平坦な頂面とを有することを特徴する、木構造耐力壁の壁倍率増大方法。 - 請求項17乃至19のいずれか1項に記載された木構造耐力壁の壁倍率増大方法において、
前記面内せん断試験によって測定される前記耐力壁の初期剛性(K)として2.2kN/10-3rad以上の値を確保すべく、7.5N/mm2以上の前記圧縮強度を前記耐力面材に保有せしめることを特徴とする、木構造耐力壁の壁倍率増大方法。 - 請求項17乃至19のいずれか1項に記載された木構造耐力壁の壁倍率増大方法において、
前記面内せん断試験によって測定される前耐力壁の物性として、
(1)7.2×10-3rad以下の降伏点変位(δv)、
(2)4.2以上の塑性率(μ)、
(3)7.7kN以上の終局耐力(Pu)の補正値(Pu')、及び
(4)7.7kN以上の値であって、前記終局耐力(Pu)の補正値(Pu')よりも大きい降伏耐力(Py)、
より構成される諸物性のうち少なくとも1つの物性が、前記面密度又は面重量及び前記釘側面抵抗の設定と、パンチングシェア現象を抑制し又はパンチングアウト破壊の作用を軽減すべく設定された前記釘の頭径、胴径、及び頭部の面積/胴部の断面積の面積比の設定と、によって確保されることを特徴とする、木構造耐力壁の壁倍率増大方法。 - 請求項17乃至19のいずれか1項に記載された木構造耐力壁の壁倍率増大方法において、
前記耐力面材は、12mm未満の板厚、及び/又は、0.96以下の比重を有することを特徴とする、木構造耐力壁の壁倍率増大方法。 - 請求項17に記載された木構造耐力壁の壁倍率増大方法において、
前記耐力面材の前記主材又は前記芯材には、無機質繊維及び/又は有機系強度向上材が配合されていることを特徴とする、木構造耐力壁の壁倍率増大方法。 - 請求項17又は23に記載された木構造耐力壁の壁倍率増大方法において、
前記石膏系耐力面材の主材又は芯材には、オルガノポリシロキサン化合物が配合されていることを特徴とする、木構造耐力壁の壁倍率増大方法。 - 請求項9に記載された木構造耐力壁の施工方法において使用され、或いは、請求項17に記載された木構造耐力壁の壁倍率増大方法において使用され、木造軸組工法又は木造枠組壁工法の木構造壁下地に対して前記留め具によって留付けられる、木構造耐力壁用の石膏系耐力面材であって、
500N以上の釘側面抵抗を発揮し且つ少なくとも6.5N/mm2以上の圧縮強度を保有するとともに、6.5~8.9kg/m2の範囲内の面密度又は面重量を有し、
前記留め具と協働して、壁の長さ1.82mの耐力壁試験体を用いた面内せん断試験によって測定される前記耐力壁の終局変位(δu)を20×10-3radよりも大きい値に増大せしめることを特徴とする、石膏系耐力面材。 - 請求項25に記載された石膏系耐力面材において、
前記耐力面材は、12mm未満の板厚、及び/又は、0.96以下の比重を有することを特徴とする、石膏系耐力面材。 - 請求項25に記載された石膏系耐力面材において、
前記面内せん断試験によって測定される前記耐力壁の初期剛性(K)として2.2kN/10-3rad以上の値を確保すべく、7.5N/mm2以上の前記圧縮強度を保有することを特徴とする、石膏系耐力面材。 - 請求項25に記載された石膏系耐力面材において、
前記面内せん断試験によって測定される前記耐力壁の物性として、
(1)7.2×10-3rad以下の降伏点変位(δv)、
(2)4.2以上の塑性率(μ)、
(3)7.7kN以上の終局耐力(Pu)の補正値(Pu')、及び
(4)7.7kN以上の値であって、前記終局耐力(Pu)の補正値(Pu')よりも大きい降伏耐力(Py)、
より構成される諸物性のうち少なくとも1つの物性が、前記面密度又は面重量及び前記釘側面抵抗の設定と、パンチングシェア現象を抑制し又はパンチングアウト破壊を低減すべく設定された前記釘の頭径、胴径、及び頭部の面積/胴部の断面積の面積比の設定と、によって確保されることを特徴とする、石膏系耐力面材。 - 請求項25に記載された石膏系耐力面材において、
前記石膏系耐力面材は、980N以下の釘側面抵抗を有することを特徴とする、石膏系耐力面材。 - 請求項25に記載された石膏系耐力面材において、
前記耐力面材の前記主材又は前記芯材には、無機質繊維及び/又は有機系強度向上材が配合されていることを特徴とする、石膏系耐力面材。 - 請求項25に記載された石膏系耐力面材において、
前記石膏系耐力面材の主材又は芯材には、オルガノポリシロキサン化合物が配合されていることを特徴とする、石膏系耐力面材。
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