JP7359179B2 - 自動車用部品 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用部品に関し、特に、樹脂を塗布又は貼付した自動車用部品に関する。
自動車産業においては、燃費向上及びCO2排出量削減のため、自動車車体の軽量化は非常に重要であり、骨格部品やパネル部品等の自動車用部品においては高強度な金属板(例えば、高張力鋼板)を用いた軽量化が進められている。
さらに、近年では電気自動車の開発が進んでおり、航続距離の延長が非常に重要であるため、自動車用部品の軽量化と合わせてバッテリーの高効率化が検討されている。その一方で、電気自動車では車内環境を一定に保つ目的で使用される空調システム(ヒーターやエアコン)の電力もバッテリーから供給されるため、これらによるバッテリー消費が航続距離を著しく低下させる。そのため、自動車用部品の軽量化とあいまって、強制的な空調に依存しにくい室内温度環境の維持を可能とすることが重要となる。
自動車の室内温度環境の維持を図るためには、パネル部品等の自動車用部品における断熱性や遮熱性を向上させることが有効である。そこで、自動車用部品の断熱性及び遮熱性を向上させる技術として、断熱材を使用する技術がいくつか提案されている。
例えば特許文献1には、ルーフから所定の距離に配置される内装部材と、外面に金属化複合材料シートを備えてルーフと内装部材との間の前記所定の距離内に配置されるシート部材と、金属化複合材料シートとルーフとの間の間隙と、を備えた構造にすることにより、放射エネルギーを反射させるとともに断熱性能を向上させる技術が開示されている。
また、特許文献2には、車両の内装材とルーフパネルとの間に配置され、複数の空気室層と、空気室層を上下から挟持する一対のアルミニウムシート層と、を備えることにより、断熱性能と熱反射性に効果を奏するルーフ断熱材が開示されている。
特開2016-222190号公報 特開2009-73458号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示されている技術は、ルーフ等のパネル部品と内装材との間の空間に間隙又は空気層を必要とするものであるため、パネル部品と内装材と間に大きな空間が必要であり、車両高さが一定の場合は車内居住空間に制限が生じてしまう。また、内装材との間に十分な空間がないパネル部品(例えば、ダッシュやフロア)に対しては、十分な断熱性や熱反射性(遮熱性)が得られないといった課題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、内装材との間に大きな空間を必要とせずに、断熱性と遮熱性とに優れた自動車用部品を提供することを目的とする。
本発明に係る自動車用部品は、金属製の板状部材を備えて構成されたものであって、
前記板状部材の内面に塗布又は貼付された樹脂層と、
該樹脂層における前記板状部材とは反対側に設けられた金属板製の遮熱促進部材と、を有し、
前記樹脂層は、厚みが15mm以下であり、
前記遮熱促進部材は、板厚が0.05mm以上1.8mm以下であることを特徴とするものである。
本発明においては、金属製の板状部材を備えて構成されたものであって、前記板状部材の内面に塗布又は貼付された樹脂層と、該樹脂層における前記板状部材とは反対側に設けられた金属板製の遮熱促進部材と、を有し、前記樹脂層は、厚みが15mm以下であり、前記遮熱促進部材は、板厚が0.05mm以上1.8mm以下であることにより、自動車の内装材との間に大きな空間を必要とせずに車外側と車内側との間の熱伝達を十分に抑制することができ、優れた断熱性及び遮熱性を得ることができる。
本発明の実施の形態に係る自動車用部品の構成を説明する図である((a)斜視図、(b)A-A断面図)。 実施例において、断熱性及び遮熱性を評価するための試験方法を説明する図である((a)板状部材側から加熱、(b)遮熱促進部材側から加熱)。
本発明の実施の形態では、図1に一例として示すような、自動車のフロア、ダッシュ、ルーフ、ドア及びトランクリッド等といったパネル部品を模擬した自動車用部品1について説明する。
本発明の実施の形態に係る自動車用部品1は、図1に一例として示すように、金属製の板状部材3を備えてなるものであって、板状部材3の表面に塗布された樹脂層5と、該樹脂層における前記板状部材とは反対側に樹脂層5を覆うように設けられた金属板製の遮熱促進部材7と、を有するものである。
図1に示す板状部材3は、自動車車体の外表面を形成するパネル面部3aと、パネル面部3aの外周縁から連続して屈曲した縦壁部3bと、縦壁部3bから連続する平面部3cを有してなるものであり、パネル面部3aの断面が一方向(図1(a)においてはY方向)に円弧状に湾曲したカマボコ型である。
板状部材3に用いられる金属板の種類としては、冷延鋼板、熱延鋼板、ステンレス鋼板、亜鉛系めっき鋼板、亜鉛合金系めっき鋼板、アルミ合金系めっき鋼板、アルミニウム合金板、が例示できる。そして、金属板として鋼板を用いた場合においては、高張力鋼板を用いて薄肉化をすることで、自動車用部品1を軽量化することができる。
樹脂層5は、厚みが15mm以下であり、板状部材3の内面に樹脂が塗布又は貼付されて接着されている。ここで、板状部材3の内面とは、自動車用部品1がパネル部品のアウタ部材である場合、実際の自動車に自動車用部品1が配設された状態において、車内側の表面のことをいう。
断熱性と遮熱性を向上させる、すなわち、車外側と車内側との間の熱伝達を抑制するためには、樹脂層5の厚みは厚いほど好ましい。しかしながら、樹脂層5の厚みが厚すぎると、自動車の内装材との間に十分な空間がないために自動車用部品1を設置することができない。また、仮に内装材との間に十分な空間があったとしても、樹脂層5の厚みの増加による熱伝達抑制への寄与が小さくなり、コストの観点から望ましくない。そこで、樹脂層5の厚みの上限は、熱伝達の抑制とコストの観点から、15mmとする。
また、樹脂層5の厚みの下限は、十分に熱伝達を抑制し、重量アップも最低限とすることが可能である1mm程度とする。
樹脂層5の樹脂の種類としては、熱可塑系、熱硬化系又はエラストマー系のものが挙げられる。
熱可塑系の樹脂としては、ビニル系(酢酸ビニル、塩化ビニル等)、アクリル系、ポリアミド系、ポリスチレン系、シアノアクリレート系のものが例示できる。
熱硬化系の樹脂としては、エポキシ系、ウレタン系、エステル系、フェノール系、メラミン系、ユリア系のものが例示できる。
エラストマー系の樹脂としては、ニトロゴム系、スチレンブタジエンゴム系、変性シリコン系、ブチルゴム系、ウレタンゴム系、アクリルゴム系のものが例示できる。
自動車用部品1の軽量化の観点からは、樹脂層5の樹脂としては発泡樹脂が好ましい。なお、樹脂として発泡樹脂を用いた場合、その発泡倍率は特に制限はない。
上記のとおり、本実施の形態に係る自動車用部品1は、板状部材3の内面に樹脂が塗布されたものを樹脂層5とするものであるが、本発明は、15mm以下の厚みの板状の樹脂を樹脂層5として板状部材3の内面に接着剤を用いて貼付したものであってもよい。
遮熱促進部材7は、図1に示すように、樹脂層5における板状部材3とは反対側に設けられた金属板製(例えば、鋼板製)である。そして、遮熱促進部材7の板厚は、断熱性及び遮熱性に対する影響も小さいので、自動車用部品1の軽量化及び製造コスト低減の観点から、0.05mm以上1.8mm以下が好ましく、0.05mm以上0.4mm以下がより好ましい。
遮熱促進部材7は、後述する理由により、高い熱反射の得られる金属板が好ましい。特に、亜鉛系めっき鋼板、亜鉛合金系めっき鋼板、アルミ合金系めっき鋼板、ステンレス鋼板、カラー鋼板(ホワイト)などは、耐表面酸化性を有するので好ましい。
遮熱促進部材7は、樹脂層5に接着して固定してもよいし、板状部材3に接合(例えば、スポット溶接等)して固定してもよい。
遮熱促進部材7を板状部材3に接合する場合にあっては、例えば、図1に示す自動車用部品1において、遮熱促進部材7の両端側を板状部材3の縦壁部3bに接触させて接合するとよい。もっとも、板状部材3における遮熱促進部材7を接合する位置については特に限定はなく、例えば、自動車用部品1の外観を損ねたり、他の自動車用部品と干渉しないよう、適宜決定するとよい。
本実施の形態に係る自動車用部品1が断熱性と遮熱性に優れている理由について、以下に説明する。
樹脂層5の樹脂は、熱伝導率が約0.1W/(m・K)と非常に小さいが、鉄及びアルミの熱伝導率はそれぞれ約80W/(m・K)及び240W/(m・K)であり、樹脂に比べておよそ100倍から2000倍以上大きい。
そのため、本実施の形態に係る自動車用部品1においては、車外側(板状部材3の外面)と車内側(遮熱促進部材7の内面)との間の熱伝導は樹脂層5で抑制することができる。
また、板状部材3や遮熱促進部材7に用いる金属(鉄やアルミ等)は、樹脂と比較して熱反射が大きい。
このように、本実施の形態に係る自動車用部品1においては、主に夏季における車外からの放射熱は板状部材3の外面で熱反射され、主に冬季における車内からの放射熱は遮熱促進部材7の表面で熱反射されるため、車内外からの熱を遮断することができる。
さらに、熱反射されなかった放射熱により樹脂層5の蓄熱が飽和しても、接触伝熱により樹脂層5から熱伝導率の高い遮熱促進部材7に抜熱されて拡散される。そして、樹脂と比較して金属の放射率は低いので、車内側(遮熱促進部材7の内面)への輻射熱も軽減できる。この点に関しては、後述する実施例にて実証する。
したがって、本実施の形態に係る自動車用部品1は、厚み15mm以下の樹脂層5であり、樹脂層5を覆うように厚みが0.05mm以上1.8mm以下の遮熱促進部材7が設けられたことにより、自動車の内装材との間に大きな空間を必要とせずに車外側と車内側との間の熱伝達を十分に抑制することができ、断熱性と遮熱性とに優れた効果が得られる。
なお、本発明に係る自動車用部品は、板状部材の内面の全面に樹脂を塗布又は貼付したものであるものに限定されず、断熱性や遮熱性の向上に対して必要な部位に樹脂が塗布又は貼付されたものとすることで、自動車用部品を設置する空間を確保し、さらには重量増加と製造コストの増加を抑制することが可能である。
また、本実施の形態に係る自動車用部品1は、図1に示すように、自動車のパネル部品を対象としたものであったが、本発明は、Aピラー、Bピラー等といった、車両側面において広い平坦面を有する骨格部品を対象としたものであってもよい。
これらの骨格部品であっても、板状部材と樹脂層と遮熱促進部材とを備えることで、断熱性と遮熱性に優れた効果を奏することができる。
なお、骨格部品においては、ハット断面形状、コ字断面形状又はZ断面形状の板状部材が多く用いられているが、板状部材に樹脂を塗布又は貼付する位置については特に限定はない。
ハット断面形状、コ字断面形状又はZ断面形状の板状部材の場合、車内外の熱伝達に寄与の大きい平坦面が多いので、樹脂層は、少なくともハット断面形状、コ字断面形状又はZ断面形状の天板部に塗布又は貼付するとよい。
なお、ハット断面形状、コ字断面形状又はZ断面形状の板状部材を用いた場合、樹脂が塗布される板状部材の内面とは、ハット断面形状、コ字断面形状又はZ断面形状の内面のことをいう。
さらに、骨格部品における板状部材を組み合わせて筒状のものとする場合、樹脂層の樹脂は、筒状の内面に塗布又は貼付すると、車体組み立て時に他の部品を接合する際の部品同士の干渉を防ぐことができてよい。
また、骨格部品を対象とする場合においても、遮熱促進部材は、樹脂層に塗布されて接着されたものに限らず、貼付して接着されたものであってもよい。あるいは、遮熱促進部材は、ハット断面形状、コ字断面形状又はZ断面形状の縦壁部に接合すると確実に固定できて好ましい。この場合、樹脂層に接着されていることを要するものではない。
本発明に係る自動車用部品の作用効果を検証するための試験を行ったので、その結果について以下に説明する。
本発明例では、図2に示すような、自動車用部品を模擬した試験体11を用い、断熱性と遮熱性とを評価する加熱試験を行った。
試験体11は、図2に示すように、平板状の板状部材13に樹脂層15を塗布し、樹脂層15における板状部材13と反対側に遮熱促進部材17を設け、遮熱促進部材17を樹脂層15に接着したものである。そして、樹脂層15の厚みと遮熱促進部材17の板厚が本発明の範囲内であるものを発明例1~6とした。
板状部材13には、引張強度270MPa級~1470MPa級、板厚1.0mmの鋼板を使用した。
樹脂層15は、板状部材13の内面に塗布した。ここで、樹脂層15の樹脂には、エポキシ又はウレタンを使用し、厚みが本発明の範囲内である1mm、3mm、8mm、14mm又は15mmとした。
遮熱促進部材17は、板状部材13の内面に塗布した樹脂層15に対して板状部材13とは反対側に設けた。ここで、遮熱促進部材17には、引張強度が270MPa、板厚が本発明の範囲内である0.05mm、0.15mm、又は0.4mmの鋼板を使用した。
加熱試験においては、夏季において直射日光や高い外気温により車外から熱が加わり、エアコンによりバッテリー消費量が航続距離を著しく低下させる場合を想定し、図2(a)に示すように、板状部材13の下面を支持する支持部材19により試験体11を水平に支持し、試験体11における板状部材13の上方に加熱用の加熱光源21を設置した(車外側から加熱)。また、試験体11における加熱光源21とは反対側となる遮熱促進部材17の表面に熱電対23を取り付けた。
次に、加熱光源21により試験体11を加熱し、加熱開始から120分経過後の遮熱促進部材17の表面温度の温度上昇量を熱電対23により測定した。ここで、加熱光源21には赤外線電球を用い、電力は250W一定とした。
図2(a)に示す加熱試験方法は、主に夏季における断熱性と遮熱性を評価するために行ったものであるが、本発明例では、主に冬季において、低い外気温により車内から熱が奪われ、ヒーターによるバッテリー消費が航続距離を著しく低下させる場合を想定し、車内の断熱性及び遮熱性についても検証するため、図2(b)に示すように、板状部材13の表面が下向きとなるように試験体11を支持し、遮熱促進部材17の上方に設置した加熱光源21により遮熱促進部材17側の表面から加熱する加熱試験を行った(車内側から加熱)。ここでは、試験体11における加熱光源21とは反対側となる板状部材13の表面に熱電対23を取り付けた。そして、加熱開始から120分経過後の板状部材13の表面温度の温度上昇量を熱電対23により測定した。
また、比較例として、板状部材13のみの試験体(図示なし)を用いたものを比較例1、樹脂層がなく板状部材13と遮熱促進部材17との間に空気層を設けた試験体(図示なし)を用いたものを比較例2、遮熱促進部材17がなく板状部材13と樹脂層15とからなる試験体(図示なし)を用いたものを比較例3及び比較例6、樹脂層15の樹脂に発泡ウレタンを用いてその厚みが本発明の範囲外である25mmであって遮熱促進部材17の代わりにアクリル樹脂製の内装材を設けた試験体(図示なし)を比較例4及び比較例7、並びに、板状部材13と樹脂層15と遮熱促進部材17とを有し樹脂層15の厚みが本発明の範囲外である16mmとした試験体11を比較例5とし、図2(a)又は図2(b)に示す加熱試験を行った。
なお、比較例1~比較例5においては、図2(a)に示すように、板状部材の表面が上向きとなるように試験体を支持し、試験体の上方に加熱光源21を設置するとともに(車外側から加熱)、試験体11の下面側に熱電対を取り付けた。そして、加熱光源21により試験体11の上面を加熱し、加熱開始から120分経過後の試験体11における下面側の温度上昇量を測定した。
また、比較例6及び比較例7においては、図2(b)に示すように、板状部材の表面が下向きとなるように試験体を支持し、試験体の上方に加熱光源21を設置するとともに(車内側から加熱)、試験体11の下面側に熱電対を取り付けた。そして、加熱光源21により試験体11の上面を加熱し、加熱開始から120分経過後の試験体11における下面側の温度上昇量を測定した。
表1に、発明例と比較例に係る試験体の構造と、加熱試験における温度上昇量の結果をまとめて示す。
Figure 0007359179000001
<車外側から加熱>
比較例1~5及び発明例1~5は、図2(a)に示す試験方法(車外側から加熱)により行った。
比較例1は、板状部材のみの試験体を用いたものであり、温度上昇量は27℃であった。
比較例2は、板状部材と遮熱促進部材との間に空気層を設けた試験体を用いたものであり、温度上昇量は20℃であった。
比較例3は、遮熱促進部材がない試験体を用いたものであり、温度上昇量は16℃であった。
比較例4は、樹脂層の樹脂に厚み25mmの発泡ウレタンを用いるとともに遮熱促進部材の代わりにアクリル樹脂製の内装材を設けた試験体を用いたものであり、温度上昇量は14℃であった。
発明例1及び発明例2は、樹脂層15の厚みがそれぞれ本発明の範囲内である1mm及び3mmの試験体11を用いたものである。温度上昇量はそれぞれ11℃及び8℃であり、比較例1~比較例4と比べて、温度上昇量は著しく低下した。
発明例1及び発明例2においては、板状部材13に用いた鋼板の引張強度はそれぞれ590MPa級及び1470MPa級と異なり、樹脂層15の樹脂もそれぞれウレタン及びエポキシで異なるものである。もっとも、鋼板の熱伝導率は鋼板の引張強度によっても変わらず、樹脂層15の熱伝導率も樹脂の種類によって大きく変わるものではない。そのため、発明例1及び発明例2の結果から、樹脂層15の厚みが厚くなるにつれて温度上昇量が低下したと考えられる。
また、厚み1mmの樹脂層15を用いた発明例1と、厚み1mmの空気層を設けた比較例2と、を比較すると、樹脂層15を設けた発明例1の方が温度上昇量は低くなり、良好であった。比較例2では空気層の中で、わずかだが対流が起きて伝熱しやすくなるが、発明例1ではそのようなことが生じないためである。その結果、発明例1と比較例2は、板状部材と遮熱促進部材に用いた鋼板の引張強度及び板厚が等しいため、板状部材と遮熱促進部材との間に樹脂を設けることで、断熱性が向上することが示された。
また、発明例2と比較例3とを比較すると、遮熱促進部材17が設けられている発明例2の方が遮熱促進部材17のない比較例3に比べて温度上昇量は大きく低下した。これは、発明例2では、熱伝導率の高い金属製の遮熱促進部材17が設けられていることにより、樹脂層15と遮熱促進部材17との接触界面を介した伝熱により、樹脂層15から遮熱促進部材17への抜熱が生じ、さらに遮熱促進部材17内での熱拡散が生じたためと考えられる。すなわち、遮熱促進部材17は樹脂層15の蓄熱が飽和した際には逆に放熱する機能も有し、樹脂層15の熱伝導率の低さとの相乗効果で遮熱促進部材17の無い比較例3よりも温度上昇が抑制されたものと考えられる。
発明例3から発明例5及び比較例5は、樹脂層15の厚みが発明例1及び発明例2よりも厚い8mm~16mmの試験体11を用いたものである。樹脂層15の厚みが厚くなるにつれて温度上昇量は5℃から3.8℃まで低下した。しかし、発明例4、発明例5及び比較例5まで、樹脂層15の厚みを1mmずつ増加させたが、温度上昇量は0.1℃ずつしか下がらなかった。
板状部材のみの試験体を用いた比較例1の結果に基づいて、発明例1~発明例5について、樹脂層15の厚み(樹脂厚)+1mm当たりの断熱効果、例えば、発明例1の+1mm当たりの断熱効果は、比較例1;樹脂厚0mm・温度上昇量27℃、発明例1;樹脂厚1mm・温度上昇量11℃、であるので、(27℃-11℃)÷(1mm-0mm)=16℃/mm、を算出して比較すると、樹脂層15が厚くなるに連れて、樹脂厚+1mm当たりの断熱効果は徐々に低下し、樹脂厚15mm以上では0.1mmと低く一定となった。これより、熱伝達の抑制(断熱効果)、コスト及び軽量化の観点から、樹脂層15の樹脂の厚みの上限を15mmとするのが好ましいことが示された。
<車内側から加熱>
比較例6、7及び発明例6は、図2(b)に示す試験方法(車内側から加熱)により行った。
比較例6は、遮熱促進部材がない試験体を用いたものであり、比較例3での試験体の配置を上下反転させて板状部材を下側に向けて、車内側の樹脂層(エポキシ)側から加熱した場合である。温度上昇量は比較例3(車外側から加熱)の16℃よりも高い20℃であった。樹脂は金属(鉄)と比較して熱反射が低く、車内側からの熱を遮断する効果が低いためである。
比較例7は、樹脂層の樹脂に厚み25mmの発泡ウレタンを用いるとともに遮熱促進部材の代わりにアクリル樹脂製の内装材を設けた試験体を用いたものであり、比較例4での試験体の配置を上下反転させて板状部材を下側に向けて、車内側のアクリル樹脂製の内装材側から加熱した場合である。温度上昇量は比較例4(車外側からの加熱)の14℃よりも高い18℃であった。
一方、発明例6は、図2(b)に示すように遮熱促進部材17側から加熱した場合であり、温度上昇量は11℃であった。発明例5に用いた試験体11を板状部材13側から加熱した発明例1と比較すると、車外側から加熱する場合(発明例1)と車内側から加熱する場合(発明例4)とで温度上昇量は等しい結果であった。
以上、本発明に係る自動車用部品によれば、発明例1~発明例5の結果から主に夏季における断熱性及び遮熱性と、発明例6の結果から主に冬季における車内の断熱性及び遮熱性と、のいずれについても優れた効果を奏することが実証された。
1 自動車用部品
3 板状部材
3a パネル面部
3b 縦壁部
3c 平面部
5 樹脂層
7 遮熱促進部材
11 試験体
13 板状部材
15 樹脂層
17 遮熱促進部材
19 支持部材
21 光源
23 熱電対

Claims (3)

  1. 自動車車体の外表面を形成するパネル面部を有する、鋼板又はアルミニウム合金板製の板状部材を備えて構成された自動車用部品であって、
    前記板状部材における車内側の表面に塗布又は貼付された熱可塑系、熱硬化系又はエラストマー系の樹脂層と、
    該樹脂層における前記板状部材とは反対側に設けられ、車内からの放射熱に対して熱反射し、前記樹脂層の蓄熱を抜熱して拡散する鋼板製の遮熱促進部材と、を有し、
    前記樹脂層は、厚みが8mm以上15mm以下であり、
    前記遮熱促進部材は、板厚が0.05mm以上0.4mm以下であることを特徴とする自動車用部品。
  2. 自動車車体の外表面を形成するパネル面部を有する、鋼板又はアルミニウム合金板製の板状部材を備えて構成された自動車用部品の断熱性及び遮熱性を向上する方法であって、
    前記板状部材における車内側の表面に熱可塑系、熱硬化系又はエラストマー系の樹脂を塗布又は貼付けて接着し、厚みが8mm以上15mm以下の樹脂層を形成し、
    板厚が0.05mm以上0.4mm以下の鋼板製の遮熱促進部材を、前記樹脂層に接着して固定するか、又は、前記板状部材に接合して固定すること、を特徴とする自動車用部品の断熱性及び遮熱性を向上する方法。
  3. 自動車車体の外表面を形成するパネル面部を有する、鋼板又はアルミニウム合金板製の板状部材を備えて構成された自動車用部品を製造する自動車部品の製造方法であって、
    前記板状部材における車内側の表面に熱可塑系、熱硬化系又はエラストマー系の樹脂を塗布又は貼付けて接着し、厚みが8mm以上15mm以下の樹脂層を形成し、
    板厚が0.05mm以上0.4mm以下の鋼板製の遮熱促進部材を、前記樹脂層に接着して固定するか、又は、前記板状部材に接合して固定すること、を特徴とする自動車用部品の製造方法。
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