JP7359088B2 - 真空ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、真空ポンプに関する。
真空ポンプのポンプロータを回転駆動するモータとしては、例えば、回転子に永久磁石を備えた永久磁石同期モータが用いられる。永久磁石同期モータでは、マグネットトルクを利用して回転力を得ているため、固定子コイルに適切なタイミングで電流を流して回転磁界を生成する必要がある。適切なタイミングを得るために、従来はホール素子などの回転位置センサを用いてタイミングを生成している。しかし、最近ではコスト面への配慮から、特許文献1に記載のような回転位置センサを省略したセンサレスの3相ブラシレスモータが提案されている。
センサレスのブラシレスモータでは、固定子コイルに発生する誘起電圧を用いて磁極位置を推定している。そのため、回転子が停止した状態においては誘起電圧が発生せず、磁極位置の推定ができないが、非特許文献1には、回転子が停止した状態において磁極位置を推定する技術が開示されている。
山本修,荒隆裕,"パルス電圧を用いた表面磁石同期モータの初期磁極位置推定法", 電気学会論文誌D,2005,125巻,3号,p.253-258
非特許文献1に記載の磁極位置推定では、各巻線間にパルス電圧を印加した時の電圧および電流からフーリエ変換によって自己インダクタンスを求め、これにより磁極位置を推定している。極性の判別では、推定した磁極軸に最も近い方向の二巻線間に磁気飽和現象が現れる大きさの試験電流を流し、このときの電圧および電流から上記と同様の方法によりインダクタンスを求め、これらの大小関係により極性判別を行っているの。そのため、複雑な演算が必要とされ、演算負荷が重くなってしまうという問題があった。
本発明の態様による真空ポンプは、ポンプロータと、モータロータに永久磁石が設けられ、前記ポンプロータを回転駆動する同期モータと、複数のスイッチング素子を備え、前記同期モータの各相に電圧を印加して通電するインバータ回路と、前記同期モータの各相の電流値を計測する計測部と、前記計測部による計測値に基づいて前記インバータ回路による通電を制御し、前記同期モータをセンサレス駆動する制御部と、を備え、前記制御部は、前記インバータ回路によりステップ状の電圧を印加し、かつ、電圧印加から所定時間経過時に前記計測部により計測される電流値を取得する処理を、前記同期モータの各相に対して順に行い、最も小さな電流値が計測された相に始動電流を流して前記同期モータを始動する、または、取得された電流値に基づき算出される各相のインダクタンス相当量の内で、最も大きなインダクタンス相当量の相に始動電流を流して前記同期モータを始動する。
本発明によれば、少ない演算負荷で始動電流を流す相を決定することができる。
図1は、真空ポンプの概略構成を示す断面図である。 図2は、コントローラの概略構成を示すブロック図である。 図3は、モータ駆動制御系を示すブロック図である。 図4は、磁極位置とインダクタンスとの関係を説明する図である。 図5(a)は第1の電流パターンを、図5(b)は第2の電流パターンを、図5(c)は第3の電流パターンを示す図である。 図6は、始動電流を流す相の推定手順を示すフローチャートである。 図7は、始動電流を流す相の推定における、スイッチング素子のオンオフタイミングを示すタイミングチャートである。 図8は、変形例1における電流パターンを示す図である。 図9は、変形例2における電流パターンを示す図である。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。図1は、真空ポンプの概略構成を説明する図である。図1に示す真空ポンプはターボ分子ポンプ1であり、真空排気を行うポンプ本体1aと、ポンプ本体1aを制御するコントローラ1bとを備えている。図1に示すターボ分子ポンプ1は磁気浮上式ターボ分子ポンプであるが、本発明は、磁気浮上式ターボ分子ポンプに限らず、磁気浮上式でないターボ分子ポンプ、さらには、ポンプロータを高速回転する構成の真空ポンプにも適用することができる。
ポンプ本体1aには、シャフト5に締結されたポンプロータ4と、シャフト5を磁気浮上支持する磁気軸受67,68,69と、シャフト5を回転駆動するモータMとが設けられている。なお、磁気軸受67,68,69が作動していない状態では、シャフト5はメカニカルベアリング66a,66bによって支持される。モータMはセンサレスの永久磁石同期モータであって、モータロータ11には永久磁石が設けられている。モータMのモータステータ10および磁気軸受67~69は、ベース6に設けられている。
ポンプロータ4には、複数段の回転翼4aと一つの円筒部4bとが形成されている。複数段の回転翼4aは、ポンプケーシング61内に設けられた複数段の固定翼62と共にターボポンプ段を構成している。複数段の回転翼4aに対して軸方向に交互に設けられた複数段の固定翼62は、複数のスペーサリング63によって位置決めされている。円筒部4bは、ベース6に固定されたポンプステータ64と共にドラッグポンプ段(ネジ溝ポンプ)を構成している。ここではポンプステータ64側にネジ溝が形成されているが、円筒部4b側にネジ溝を形成しても構わない。ベース6に形成された排気口60aには排気ポート65が設けられ、この排気ポート65に補助ポンプが接続される。
図2は、コントローラ1bの概略構成を示す機能ブロック図である。外部からのAC入力は、コントローラ1bに設けられたAC/DCコンバータ40によってDC出力(DC電圧)に変換される。AC/DCコンバータ40から出力されたDC電圧はDC/DCコンバータ41に入力され、DC/DCコンバータ41によって、モータM用のDC電圧と磁気軸受用のDC電圧とが生成される。
モータM用のDC電圧はインバータ43に入力される。磁気軸受用のDC電圧は磁気軸受用のDC電源42に入力される。磁気軸受67~69は図1に示すように5軸磁気軸受を構成しており、ラジアル側の磁気軸受67,68は各々2対の電磁石46を有し、アキシャル側の磁気軸受69は1対の電磁石46を有している。5対の電磁石46、すなわち10個の電磁石46には、それぞれに対して設けられた10個の励磁アンプ45から個別に電流が供給される。
制御部44はモータおよび磁気軸受の制御を行うデジタル演算器であり、例えば、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び入出力インタフェース( I/O インタフェース)を備えたマイクロコンピュータやFPGA(Field Programmable Gate Array)等で構成される。制御部44は、インバータ43に対しては、インバータ43に含まれる複数のスイッチング素子をオンオフ制御するための制御信号441を出力し、各励磁アンプ45に対しては、各励磁アンプ45に含まれるスイッチング素子をオンオフ制御するための制御信号442をそれぞれ出力する。また、制御部44には、後述するようにモータMに関する信号(相電圧や相電流に関する信号)443が入力されると共に、磁気軸受に関する信号(励磁電流信号や変位信号)444が入力される。
図3は、モータMに関するモータ駆動制御系を示す図である。モータ駆動制御系は、インバータ43、制御部44に設けられたモータ制御部440および電圧検出部50を備えている。インバータ43は、複数のスイッチング素子SW1~SW6と、スイッチング素子SW1~SW6をオンオフ駆動するための駆動回路430と、シャント抵抗51~53とを備えている。シャント抵抗51~53の両端電圧はモータ制御部440に入力される。スイッチング素子SW1~SW6には、MOSFET やIGBT などのパワー半導体素子が用いられる。なお、スイッチング素子SW1~SW6の各々には、環流ダイオードD1~D6が並列接続されている。
モータ制御部440は、シャント抵抗51~53の両端電圧から、モータステータ10のU,V,W相の各コイルCu,Cv,Cwを流れる電流値を計測することができる。また各コイルCu,Cv,Cwの各端子および中性点のグランド電位からの電圧は電圧検出部50によって検出され、電圧検出信号はモータ制御部440に入力される。モータ制御部440は、取得された電流値および電圧値に基づいて、スイッチング素子SW1~SW6をオンオフ制御するためのオンオフ信号を生成する。
(始動制御の説明)
次に、本実施の形態における、モータ始動時の始動電流を流す相の推定方法について説明する。磁極位置センサを備えていないセンサレス同期モータを停止状態から回転始動を行う場合、一般に、予め決められた固定磁極位相でq軸電流Iqを流し、モータロータ11が回り始めるきっかけを与えるようにしている。モータロータ11が回転を始めたならば、モータ制御部440は一般のセンサレスの同期モータと同様に、固定子コイルに発生する誘起電圧を用いて磁極位置を推定し、モータ回転をセンサレス駆動する。
本実施の形態では、一定電圧のステップ状電圧をモータMのU相,V相およびW相の各コイルの各々に印加し、印加開始から所定時間Δt経過後の各コイルの電流値を計測する。そして、計測された電流値の大小関係に基づいて始動電流を流す相を推定する。具体的には、時間幅Δtのパルス電圧を印加し、印加から所定時間Δtが経過したスイッチオフ(電圧オフ)のタイミングで電流値を計測する。そして、始動時には、推定された相に始動電流を流して回転始動する。
(磁極位置と電流計測値との関係)
ところで、抵抗値R、インダクタンスLのコイルに電圧値V0のステップ状電圧が印加されると、コイルに流れる電流の過渡的な変化は次式(1)で表される。式(1)において、tは電圧印加開始からの時間である。電圧値V0はインバータ電圧のため固定値(120Vなど)である。
I=(V0/R)×{1-exp(-Rt/L)} …(1)
式(1)から分かるように、電流値Iの変化は、コイルのインダクタンスLと抵抗値Rとに依存している。式(1)をt=0の近傍で一次近似すると、電流値Iは次式(2)で表される。すなわち、コイルに流れる電流の大きさは、コイルのインダクタンスLに反比例することが分かる。
I=(V0/R)×(R/L)t=(V0/L)t …(2)
永久磁石が設けられたモータロータ11が回転すると、永久磁石の磁極(N極およびS極)がコイルCu,Cv,Cwに対して近づいたり遠ざかったりする。モータロータ11において永久磁石の部分は比透磁率が1に近く、永久磁石が設けられていないケイ素鋼板の部分は比透磁率が大きい。そのため、モータロータ11の磁極がコイルに近づくとそのコイルのインダクタンスが小さくなり、逆に、磁極が遠ざかってケイ素鋼板の部分がコイルに近づくとそのコイルのインダクタンスが小さくなる。そのため、モータロータ11が停止しているときの磁極位置に応じて、コイルCu~Cwのインダクタンスが変化する。コイルCu~Cwのインダクタンス変化は、式(2)から分かるように、コイルCu~Cwを流れる電流値の変化として計測することができる。
(磁極位置とインダクタンス)
図4は、磁極位置とコイルCu~CwのインダクタンスLu,Lv,Lwとの関係を説明する図である。図4(a)は、モータロータ11の永久磁石の磁極(N極)がU相のコイルCuと対向する位置(磁極位置=0degとする)に停止している場合を示す。図4(b)は、図4(a)に示す状態から、N極が右回りに45degだけ回転した状態を示す。同様に、図4(c)はN極が右回りに60degだけ回転した状態を示し、図4(d)はN極が右回りに90degだけ回転した状態を示す。
なお、図4(a)~図4(d)においてN極とS極を入れ替えた場合についても、インダクタンスへの影響は同じである。例えば、図4(a)のようにコイルCvにN極が対向している場合(磁極位置=0deg)と、S極が対向している場合(磁極位置=180deg)とは、インダクタンスへの影響が同じである。図4(b)~図4(d)も同様である。図4(a)~図4(d)では、モータロータ11の永久磁石だけを実線で示した。以下のインダクタンスの説明では、インダクタンスの計算を簡単にするために、コイルCu~Cwのインダクタンスへの影響として、永久磁石のみを考えることとする。
以下では、一例として、永久磁石が無い場合のコイルCu~CwのインダクタンスLu,Lv,Lwを1000μHと設定し、図4(a)のコイルCuのように永久磁石の磁極(S極またはN極)と対向している場合のインダクタンスの減少が200μHであると仮定して、説明を行う。また、対向位置からの角度がαの場合のインダクタンスの減少量は、説明が簡単になるようにcos(α)に比例すると仮定する。もちろん、角度αの場合のインダクタンスの減少量がcos(α)に比例する場合以外であっても、以下の説明は同様に成り立つ。
図4(a)のような磁極位置でモータロータ11が停止している場合には、コイルCuはN極と対向しているので、Lu=800μHである。一方、コイルCv,CwとS極との角度αは60degなので、Lv=Lw=1000-200×cos(60deg)=900μHとなる。
図4(b)のような磁極位置でモータロータ11が停止している場合には、コイルCuとN極との角度αは45degなので、Lu=1000-200×cos(45deg) ≒859μHとなる。コイルCvとS極との角度αは15degなので、Lv=1000-200×cos(15deg) ≒807μHとなる。コイルCwとN極との角度αは75degなので、Lv=1000-200×cos(75deg) ≒948μHとなる。
図4(c)のような磁極位置でモータロータ11が停止している場合には、コイルCuとN極との角度αは60degなので、Lu=1000-200×cos(60deg) =900μHとなる。コイルCvはS極と対向しているので、Lv=1000-200=800μHとなる。コイルCwとN極との角度αは60degなので、Lw=1000-200×cos(60deg) =900μHとなる。
図4(d)のような磁極位置でモータロータ11が停止している場合には、コイルCuとN極およびS極との角度αはそれぞれ90degなので、Lu=1000-200×cos(90deg) =1000μHとなる。コイルCvはS極との角度αが30degなので、Lv=1000-200×cos(30deg) ≒827μHとなる。コイルCwとN極との角度αは30degなので、Lv=1000-200×cos(30deg) ≒827μHとなる。
(始動電流を流す相の推定)
上述のように、コイルCu~Cwに対するモータロータ11の停止位置すなわち磁極位置が異なると、コイルCu~CwのインダクタンスLu~Lwの大きさが異なることになる。本実施の形態では、磁極位置の違いによるコイルCu~Cwのインダクタンス変化を利用して、始動電流を流す相を推定する。コイルCu~Cwのインダクタンスは、式(2)から分かるように、ステップ状の電圧を印加した時のコイルの電流値から判断することができる。
モータロータ11が無い場合には、コイルCu,Cv,CwのインダクタンスはLu=Lv=Lw=1000μHのように等しい。一方、図4(a)に示す磁極位置の場合には、上述したようにコイルCu,Cv,CwのインダクタンスLu,Lv,Lwは、それぞれLu=800μH、Lv=Lw=900μHになる。このようなインダクタンス状況において、コイルCu,Cv,Cwに図5(a)~図5(c)に示すような向きに電流を流した場合を考える。
図5(a)の電流パターンは、図3のスイッチング素子SW1~SW6のオンオフ状態を、スイッチング素子SW1,SW2,SW3,SW4,SW5,SW6の順にオフ、オン、オン、オン、オフ、オフと設定した場合に得られる。以下では、このようなスイッチング素子SW1~SW6のオンオフ状態を(オフ、オン、オン、オン、オフ、オフ)という表記で表し、これをスイッチングパターンと呼ぶことにする。すなわち、第1のスイッチングパターン=(オフ、オン、オン、オン、オフ、オフ)のときに図5(a)に示すような向きに電流が流れる。同様にして、図5(b)の電流パターンは、第2のスイッチングパターン=(オン、オフ、オン、オフ、オン、オフ)の場合に得られ、図5(c)の電流パターンは、第3のスイッチングパターン=(オン、オン、オフ、オフ、オフ、オン)の場合に得られる。
インダクタンスがLu=Lv=Lw=1000μHの場合、図5(a)~図5(c)のいずれの電流パターンにおいても、コイルCu,Cv,Cwから成る回路の合成インダクタンスはL=1500μHとなる。そのため、図5(a)におけるコイルCuの電流値Iuと、図5(b)におけるコイルCvの電流値Ivと、図5(c)におけるコイルCwの電流値Iwとは同一値となる。
一方、図4(a)のように磁極位置の場合には、Lu=800μH、Lv=Lw=900μHなので、図5(a)の場合にはL=800+1/(1/900+1/900)=1250μH、図5(b)および図5(c)の場合にはL=900+1/(1/800+1/900)≒1324μHとなる。そのため、図5(a)におけるコイルCuの電流値Iuと、図5(b)におけるコイルCvの電流値Ivと、図5(c)におけるコイルCwの電流値Iwとの比は、次式(3)のようになる。
Iu:Iv:Iw=1/1250:1/1324:1/1324
≒1.06:1:1 …(3)
このように、磁極から遠いコイルほど電流値が小さくなり、測定された電流値Iu、Iv、Iwが式(3)のような関係にある場合には、コイルCuは磁極に近く、コイルCv,CwはコイルCuの場合よりも磁極から同程度遠いと推定することができる。そのため、式(3)のような関係が取得された場合には、図4(a)のような磁極位置であると判断し、計測電流値が最も小さなV相のコイルCvまたはW相のコイルCwに電流を流すことで、始動を行うことができる。
図4(b)に示す磁極位置の場合には、Lu≒859μH、Lv≒807μH、Lw≒948μHなので、図5(a)の場合にはL=859+1/(1/807+1/948)≒1295μH、図5(b)の場合にはL=807+1/(1/859+1/948)≒1258μH、図5(c)の場合にはL=948+1/(1/859+1/807)≒1364μHとなる。そのため、図5(a)におけるコイルCuの電流値Iuと、図5(b)におけるコイルCvの電流値Ivと、図5(c)におけるコイルCwの電流値Iwとの比は、次式(4)のようになる。
Iu:Iv:Iw=1/1295:1/1258:1/1364
≒1.05:1.08:1 …(4)
そのため、計測された電流値Iu、Iv、Iwが式(4)のような関係にある場合には、図4(b)のような磁極位置であると判断し、計測電流値の最も小さなW相のコイルCwに電流を流すことで、始動を行うことができる。
図4(c)に示す磁極位置の場合には、Lu=900μH、Lv=800μH、Lw=900μHなので、図5(a)および図5(c)の場合にはL=900+1/(1/800+1/900)≒1324μH、図5(b)の場合にはL=800+1/(1/900+1/900)=1250μHとなる。そのため、図5(a)におけるコイルCuの電流値Iuと、図5(b)におけるコイルCvの電流値Ivと、図5(c)におけるコイルCwの電流値Iwとの比は、次式(5)のようになる。
Iu:Iv:Iw=1/1324:1/1250:1/1324
≒1:1.06:1 …(5)
そのため、計測された電流値Iu、Iv、Iwが式(5)のような関係にある場合には、図4(c)のような磁極位置であると判断し、計測電流値が最も小さなU相のコイルCuまたはW相のコイルCwに電流を流すことで、始動を行うことができる。
図4(d)に示す磁極位置の場合には、Lu=1000μH、Lv≒827μH、Lw≒827μHなので、図5(a)の場合にはL=1000+1/(1/827+1/827)≒1414μH、図5(b)および図5(c)の場合にはL=827+1/(1/1000+1/827)≒1324μHとなる。そのため、図5(a)におけるコイルCuの電流値Iuと、図5(b)におけるコイルCvの電流値Ivと、図5(c)におけるコイルCwの電流値Iwとの比は、次式(6)のようになる。
Iu:Iv:Iw=1/1414:1/1278:1/1278
≒0.904:1:1 …(6)
そのため、計測された電流値Iu、Iv、Iwが式(6)のような関係にある場合には、図4(d)のような磁極位置であると判断し、計測電流値が最も小さなV相のコイルCvまたはW相のコイルCwに電流を流すことで、始動を行うことができる。
(始動電流を流す相の推定手順)
次に、始動電流を流す相の推定手順について説明する。図6は、制御部44で実行される推定演算処理の処理手順を示すフローチャートである。図6のフローチャートは、ポンプ回転を開始する指令、すなわち、モータ回転始動の指令を受けると、処理が開始される。図7は、始動電流を流す相の推定における、図3に示すスイッチング素子SW1~SW6のオンオフタイミングを示すタイミングチャートである。
図7も参照して図6の処理手順を説明する。図6のステップS10では、第1のスイッチングパターン=(オフ、オン、オン、オン、オフ、オフ)に基づいてスイッチング素子SW2,SW3,SW4をオンして、コイルCv,Cwにステップ状の電圧V0を印加する(図7の時刻t=t1)。その結果、V相およびW相のコイルCv,Cwが電源プラス側に接続され、U相のコイルCuが電源グランド側に接続され、各コイルCu,Cv,Cwには図5(a)に示す向きに電流が流れる。
ステップS12では、t=t1から所定時間Δtが経過したt=t2において、すなわち、スイッチSW4がオフになる直前のタイミングにおいて、シャント抵抗51によりU相のコイルCuの電流値Iuを計測する。ステップS14では、コイルCuとコイルCvおよびCwとを短絡する。具体的には、t=t2において、スイッチング素子SW2、SW3はオン状態のまま、スイッチング素子SW4をオフしてスイッチング素子SW1をオンする。そして、時刻t2から所定期間Δtが経過したならば、スイッチング素子SW1,SW2、SW3の全てをオフする。t=t2にスイッチング素子SW1,SW2、SW3の全てがオン状態とされると、自己誘導により、電流がコイルCu,Cv,Cwを循環するように図5(a)の向きに流れ続け、時間の経過とともに電流値が低下する。
なお、所定期間Δtは、上述した式(2)の近似式が十分に成り立つ範囲の時間であって、かつ、電圧印加によりポンプロータ4が回転方向に位置ずれしない程度の時間に設定される。位置ずれしない程度の時間はポンプロータ4の重量によって異なるが、所定時間Δtとしては0.1msec程度に設定される。なお、所定時間Δtは、FPGAやマイコンのタイマなどで固定値として制御する。
次いで、ステップS16では残留磁気をキャンセルする処理を行う。この処理では、図7のt=t3から所定期間Δtだけスイッチング素子SW1,SW5,SW6をオン状態とし、t=t3から所定期間Δtが経過したt=t4にスイッチング素子SW1をオフし、かつ、スイッチング素子SW4をオンすることで、スイッチング素子SW4,SW5,SW6をオン状態とする。そして、t=t4から所定期間Δtが経過したら、スイッチング素子SW4,SW5,SW6をオフ状態とする。
残留磁気キャンセル処理の完了後、ステップS20では、第2のスイッチングパターン=(オン、オフ、オン、オフ、オン、オフ)に基づいてスイッチング素子SW1,SW3,SW5をオンする(図7の時刻t=t5)。その結果、U相およびW相のコイルCu,Cwが電源プラス側に接続され、V相のコイルCvが電源グランド側に接続され、各コイルCu,Cv,Cwには図5(b)に示す向きに電流が流れる。
ステップS22では、t=t5から所定時間Δtが経過したt=t6において、すなわち、スイッチSW5がオフになる直前のタイミングにおいて、シャント抵抗52によりV相のコイルCvの電流値Ivを計測する。ステップS24では、コイルCuとコイルCvおよびCwとを短絡する。具体的には、t=t6において、スイッチング素子SW1、SW3はオン状態のまま、スイッチング素子SW5をオフしてスイッチング素子SW2をオンする。そして、時刻t6から所定期間Δtが経過したならば、スイッチング素子SW1,SW2、SW3の全てをオフする。t=t6にスイッチング素子SW1,SW2、SW3の全てがオン状態とされると、自己誘導により、電流がコイルCu,Cv,Cwを循環するように図5(b)の向きに流れ続け、時間の経過とともに電流値が低下する。
次いで、ステップS26では残留磁気をキャンセルする処理を行う。この処理では、図7のt=t7から所定期間Δtだけスイッチング素子SW2,SW4,SW6をオン状態とし、t=t7から所定期間Δtが経過したt=t8にスイッチング素子SW2をオフし、かつ、スイッチング素子SW5をオンすることで、スイッチング素子SW4,SW5,SW6をオン状態とする。そして、t=t8から所定期間Δtが経過したら、スイッチング素子SW4,SW5,SW6をオフ状態とする。
残留磁気キャンセル処理の完了後、ステップS30では、第3のスイッチングパターン=(オン、オン、オフ、オフ、オフ、オン)に基づいてスイッチング素子SW1,SW2,SW6をオンする(t=t9)。その結果、U相およびV相のコイルCu,Cvが電源プラス側に接続され、W相のコイルCwが電源グランド側に接続され、各コイルCu,Cv,Cwには図5(c)に示す向きに電流が流れる。
ステップS32では、t=t9から所定時間Δtが経過したt=t10において、すなわち、スイッチSW6がオフになる直前のタイミングにおいて、シャント抵抗53によりW相のコイルCwの電流値Iwを計測する。ステップS34では、コイルCuとコイルCvおよびCwとを短絡する。具体的には、t=t10において、スイッチング素子SW1、SW2はオン状態のまま、スイッチング素子SW6をオフしてスイッチング素子SW3をオンする。そして、時刻t10から所定期間Δtが経過したならば、スイッチング素子SW1,SW2、SW3の全てをオフする。t=t10にスイッチング素子SW1,SW2、SW3の全てがオン状態とされると、自己誘導により、電流がコイルCu,Cv,Cwを循環するように図5(c)の向きに流れ続け、時間の経過とともに電流値が低下する。
次いで、ステップS36では残留磁気をキャンセルする処理を行う。この処理では、図7のt=t11から所定期間Δtだけスイッチング素子SW3,SW4,SW5をオン状態とし、t=t11から所定期間Δtが経過したt=t12にスイッチング素子SW3をオフし、かつ、スイッチング素子SW6をオンすることで、スイッチング素子SW4,SW5,SW6をオン状態とする。そして、t=t12から所定期間Δtが経過したら、スイッチング素子SW4,SW5,SW6をオフ状態とする。
ステップS40では、ステップS12で計測された電流値Iu、ステップS22で計測された電流値IvおよびステップS32で計測された電流値Iwの内の、いずれが最も小さいかを判定する。そして、最も小さいと判定された電流値の相を、始動電流を流す相とする。なお、最も小さな電流値として、Iu,IvおよびIwの内の2つが検出誤差範囲内でほぼ等しいと判定された場合には、2つの相の内の一方の相を、始動電流を流す相と判定する。
前述した、非特許文献1に記載の技術では、各巻線間にパルス電圧を印加した時の電圧および電流からフーリエ変換によって自己インダクタンスを求め、これにより磁極位置を推定し、その後に、試験電流を流して極性の判別を行っている。一方、本実施の形態では、シャント抵抗51~53により計測される電流値Iu,Iv,Iwの大小関係により、始動電流を流す相を決定しているので、非特許文献1に記載の磁極位置を推定する方法に比べて、FPGAやマイコンにおける演算負荷の低減を図ることができる。
(変形例1)
上述した実施の形態では、図5(a)~図5(c)に示すように、2つの相のコイルに電流が流入し、残りの1つの相のコイルから電流が流出するような電流パターンにおいて、電流値Iu,Iv,Iwを計測した。しかし、電流パターンとしてはこれに限らず、例えば、図8(a)~8(c)に示すように、1つの相のコイルに電流が流入に、残りの2つの相のコイルから電流が流出するような電流パターンにおいて電流計測を行っても良い。その場合、上アームにシャント抵抗を設けて、電流値Iu,Iv,Iwを計測しても良いし、下アームのシャント抵抗で計測された電流流出側の2つのコイルの電流値から電流流入側のコイルの電流値を計算するようにしても良い。ただし、上アームにシャント抵抗を設ける場合は、電圧の差動回路や安全上高電圧回路の絶縁も必要になり、コストアップを招くという欠点がある。
図3のスイッチング素子SW1,SW5,SW6をオンすると、図8(a)に示す向きに電流が流れ、電流値Iuを計測する。スイッチング素子SW2,SW4,SW6をオンすると、図8(b)に示す向きに電流が流れ、電流値Ivを計測する。スイッチング素子SW3,SW4,SW5をオンすると、図8(c)に示す向きに電流が流れ、電流値Iwを計測する。例えば、磁極位置が図4(a)の場合、電流値の比=Iu:Iv:Iwは上述した実施の形態の場合と同一となる。磁磁極位置が図4(b)~図4(d)の場合も、比=Iu:Iv:Iwは上述した実施の形態の場合と同一となる。
(変形例2)
変形例2では、電流値計測時の電流パターンを、図9(a)~図9(c)に示すような電流パターンとした。図3のスイッチング素子SW2,SW4をオンすると、図9(a)に示す向きに電流が流れ、シャント抵抗51により電流値Iuを計測する。スイッチング素子SW3,SW5をオンすると、図9(b)に示す向きに電流が流れ、シャント抵抗52により電流値Ivを計測する。スイッチング素子SW1,SW6をオンすると、図9(c)に示す向きに電流が流れ、シャント抵抗53により電流値Iwを計測する。
磁極位置が、例えば、図4(a)であった場合には、図9(a)の電流パターンのときに計測される電流値Iuの逆数は、次式(7)で表される。同様に、図9(b)の電流パターンのときに計測される電流値Ivの逆数は次式(8)で表され、図9(c)の電流パターンのときに計測される電流値Iwの逆数は次式(9)で表される。Lu,Lv,Lwは各コイルCu,Cv,Cwのインダクタンスである。
1/Iu=(Lu+Lv)/(V0・Δt) …(7)
1/Iv=(Lv+Lw)/(V0・Δt) …(8)
1/Iw=(Lw+Lu)/(V0・Δt) …(9)
変形例2の場合、始動電流を流す相の決定は、計測された電流値Iu,Iv,Iwの大小関係から行うのではなく、計測された電流値Iu,Iv,Iwから算出される各コイルCu,Cv,Cwのインダクタンス相当量の大小に基づいて行われる。コイルCuのインダクタンス相当量2Lu/(V0・t)は次式(10)で算出され、コイルCvのインダクタンス相当量2Lv/(V0・t)は次式(11)で算出され、コイルCuのインダクタンス相当量2Lw/(V0・t)は次式(12)で算出される。
2Lu/(V0・t)=(1/Iu+1/Iv+1/Iw)-2(1/Iv) …(10)
2Lv/(V0・t)=(1/Iu+1/Iv+1/Iw)-2(1/Iw) …(11)
2Lw/(V0・t)=(1/Iu+1/Iv+1/Iw)-2(1/Iu) …(12)
そして、3つのインダクタンス相当量2Lu/(V0・t),2Lv/(V0・t),2Lw/(V0・t)の内で、インダクタンス相当量の値が最も大きなコイルに始動電流を流せば良い。変形例3の場合には、式(10)~(12)の演算を必要とするので、上述した実施の形態や変形例2に比べて演算負荷が増すが、非特許文献1のような複雑な演算ではないので、非特許文献1と比較すると演算負荷の低減を図ることができる。
なお、図9(a)~図9(c)では、V相→U相、W相→V相、U相→W相のように電流を流したが、U相→V相、V相→W相、W相→U相のように逆向きに電流を流して計測される電流値Iv、Iw,Iuを用いても良い。U相→V相の場合、コイルCvの電流値IvとコイルCuの電流値とは等しいのでIvの代わりにIuを用いると、式(7)が得られる。V相→W相およびW相→U相の場合も同様で、それぞれから式(8)、(9)が得られる。
上述した例示的な実施の形態および変形例は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
[1]一態様に係る真空ポンプは、ポンプロータと、モータロータに永久磁石が設けられ、前記ポンプロータを回転駆動する同期モータと、複数のスイッチング素子を備え、前記同期モータの各相に電圧を印加して通電するインバータ回路と、前記同期モータの各相の電流値を計測する計測部と、前記計測部による計測値に基づいて前記インバータ回路による通電を制御し、前記同期モータをセンサレス駆動する制御部と、を備え、前記制御部は、前記インバータ回路によりステップ状の電圧を印加し、かつ、電圧印加から所定時間経過時に前記計測部により計測される電流値を取得する処理を、前記同期モータの各相に対して順に行い、最も小さな電流値が計測された相に始動電流を流して前記同期モータを始動する、または、取得された電流値に基づき算出される各相のインダクタンス相当量の内で、最も大きなインダクタンス相当量の相に始動電流を流して前記同期モータを始動する。一般に、センサレスの同期モータでは、固定子コイルに発生する誘起電圧を用いて磁極位置を推定してモータ回転を制御するセンサレス駆動が行われる。
計測部としてのシャント抵抗51~53により計測される電流値Iu,Iv,Iwの大小関係により始動電流を流す相を決定している。具体的には、最も小さな電流値が計測された相に始動電流を流してモータMを始動するので、非特許文献1に記載の磁極位置を推定する方法に比べて、FPGAやマイコンにおける演算負荷の低減を図ることができる。また、変形例2のように、取得された電流値Iu,Iv,Iwに基づき算出される各相のインダクタンス相当量の内で、最も大きなインダクタンス相当量の相に始動電流を流してモータMを始動することで、演算負荷を抑えることができ、始動時における演算負荷を、非特許文献1に記載の磁極位置を推定する方法に比べて小さくすることができる。
[2]上記[1]に記載の真空ポンプにおいて、前記制御部は、(a)第1および第2の相に電流が流入し第3の相から電流が流出するように、前記インバータ回路によりステップ状の電圧を印加する処理と、(b)電圧印加から所定時間経過時に前記計測部により計測される第3の相の電流値を取得する処理とを、前記同期モータの3つの相に対して順に行い、最も小さな電流値が計測された相に始動電流を流して前記同期モータを始動する。
図5(a)~図5(c)に示す電流パターンのように、第1および第2の相に電流が流入し第3の相から電流が流出するようにスイッチング素子SW1~SW6をオンオフ制御し、各電流パターンにおいて計測される電流値Iu,Iv,Iwの内で、最も小さな電流値が計測された相を、始動電流を流す相とする。その結果、モータロータ11がどのような磁極位置で停止していても、少ない演算負荷で始動電流を流す相を推定し、モータMを始動することが可能となる。
[3]上記[1]に記載の真空ポンプにおいて、前記制御部は、(a)第1の相に電流が流入し第2および第3の相から電流が流出するように、前記インバータ回路によりステップ状の電圧を印加する処理と、(b)電圧印加から所定時間経過時に前記計測部により計測される第1の相の電流値を取得する処理とを、前記同期モータの3つの相に対して順に行い、最も小さな電流値が計測された相に始動電流を流して前記同期モータを始動する。
図8(a)~図8(c)に示す電流パターンのように、第1の相に電流が流入し第2および第3の相から電流が流出するようにスイッチング素子SW1~SW6をオンオフ制御し、各電流パターンにおいて計測される電流値Iu,Iv,Iwの内で、最も小さな電流値が計測された相を、始動電流を流す相とする。その結果、モータロータ11がどのような磁極位置で停止していても、少ない演算負荷で始動電流を流す相を推定し、モータMを始動することが可能となる。
[4]上記[1]に記載の真空ポンプにおいて、前記制御部は、取得された電流値に基づき算出される各相のインダクタンス相当量の内で、最も大きなインダクタンス相当量の相に始動電流を流して前記同期モータを始動し、前記計測部により計測される各相の電流値をIu,Iv,Iwとしたとき、各相の前記インダクタンス相当量は、「(1/Iu+1/Iv+1/Iw)-2(1/Iv)」、「(1/Iu+1/Iv+1/Iw)-2(1/Iw)」、「(1/Iu+1/Iv+1/Iw)-2(1/Iu)」で算出される。
例えば、図9(a)~図9(c)に示す電流パターンにおいて電流値Iu,Iv,Iwを計測する場合には、相のインダクタンス相当量を、「(1/Iu+1/Iv+1/Iw)-2(1/Iv)」、「(1/Iu+1/Iv+1/Iw)-2(1/Iw)」、「(1/Iu+1/Iv+1/Iw)-2(1/Iu)」のように計算し、最も大きなインダクタンス相当量の相に始動電流を流すことで、少ない演算負荷で始動電流を流す相を推定し、モータMを始動することが可能となる。
[5]上記[1]から[4]までのいずれかに記載の真空ポンプにおいて、前記ステップ状の電圧として、1msec未満の時間幅を有するパルス電圧を印加する。それにより、電圧印加によりポンプロータ4が回転方向に位置ずれするのを、防止することができる。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
1…ターボ分子ポンプ、1a…ポンプ本体、1b…コントローラ、4…ポンプロータ、10…モータステータ、11…モータロータ、43…インバータ、44…制御部、51~53…シャント抵抗、440…モータ制御部、Cu,Cv,Cw…コイル、Lu,Lv,Lw…インダクタンス、M…モータ、SW1~SW6…スイッチング素子

Claims (5)

  1. ポンプロータと、
    モータロータに永久磁石が設けられ、前記ポンプロータを回転駆動する同期モータと、
    複数のスイッチング素子を備え、前記同期モータの各相に電圧を印加して通電するインバータ回路と、
    前記同期モータの各相の電流値を計測する計測部と、
    前記計測部による計測値に基づいて前記インバータ回路による通電を制御し、前記同期モータをセンサレス駆動する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記インバータ回路によりステップ状の電圧を印加し、かつ、電圧印加から所定時間経過時に前記計測部により計測される電流値を取得する処理を、前記同期モータの各相に対して順に行い、
    最も小さな電流値が計測された相に始動電流を流して前記同期モータを始動する、または、取得された電流値に基づき算出される各相のインダクタンス相当量の内で、最も大きなインダクタンス相当量の相に始動電流を流して前記同期モータを始動する、真空ポンプ。
  2. 請求項1に記載の真空ポンプにおいて、
    前記制御部は、(a)第1および第2の相に電流が流入し第3の相から電流が流出するように、前記インバータ回路によりステップ状の電圧を印加する処理と、(b)電圧印加から所定時間経過時に前記計測部により計測される第3の相の電流値を取得する処理とを、前記同期モータの3つの相に対して順に行い、最も小さな電流値が計測された相に始動電流を流して前記同期モータを始動する、真空ポンプ。
  3. 請求項1に記載の真空ポンプにおいて、
    前記制御部は、(a)第1の相に電流が流入し第2および第3の相から電流が流出するように、前記インバータ回路によりステップ状の電圧を印加する処理と、(b)電圧印加から所定時間経過時に前記計測部により計測される第1の相の電流値を取得する処理とを、前記同期モータの3つの相に対して順に行い、最も小さな電流値が計測された相に始動電流を流して前記同期モータを始動する、真空ポンプ。
  4. 請求項1に記載の真空ポンプにおいて、
    前記制御部は、取得された電流値に基づき算出される各相のインダクタンス相当量の内で、最も大きなインダクタンス相当量の相に始動電流を流して前記同期モータを始動し、
    前記計測部により計測される各相の電流値をIu,Iv,Iwとしたとき、各相の前記インダクタンス相当量は、「(1/Iu+1/Iv+1/Iw)-2(1/Iv)」、「(1/Iu+1/Iv+1/Iw)-2(1/Iw)」、「(1/Iu+1/Iv+1/Iw)-2(1/Iu)」で算出される、真空ポンプ。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の真空ポンプにおいて、
    前記ステップ状の電圧として、1msec未満の時間幅を有するパルス電圧を印加する、真空ポンプ。
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