JP7357299B2 - ハロゲン化物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ハロゲン化物の製造方法に関する。
特許文献1には、ハロゲン化物固体電解質の製造方法が開示されている。
国際公開第2018/025582号
従来の技術においては、工業的に生産性の高い方法で、ハロゲン化物を製造することが望まれる。
本開示の一様態におけるハロゲン化物の製造方法は、LiClとYClとが混合された材料である混合材料を、不活性ガス雰囲気下で、焼成する焼成工程、を包含し、前記焼成工程においては、前記混合材料は、200℃以上かつ650℃以下で、焼成される。
本開示によれば、工業的に生産性の高い方法で、ハロゲン化物を製造することができる。
実施の形態1における製造方法の一例を示すフローチャートである。 実施の形態1における製造方法の一例を示すフローチャートである。 実施の形態1における製造方法の一例を示すフローチャートである。 イオン伝導度の評価方法を示す模式図である。 ACインピーダンス測定によるイオン伝導度の評価結果を示すグラフである。
以下、実施の形態が、図面を参照しながら、説明される。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における製造方法の一例を示すフローチャートである。
実施の形態1における製造方法は、焼成工程S1000を包含する。
焼成工程S1000は、混合材料を、不活性ガス雰囲気下で、焼成する工程である。ここで、焼成工程S1000で焼成される混合材料は、LiCl(すなわち、塩化リチウム)とYCl(すなわち、塩化イットリウム)とが混合された材料である。焼成工程S1000においては、混合材料は、200℃以上かつ650℃以下で、焼成される。
以上の構成によれば、工業的に生産性の高い方法(例えば、低コストで大量に生産できる方法)で、ハロゲン化物を製造することができる。すなわち、真空封管および遊星型ボールミルを使用すること無く、簡便な製造方法(すなわち、不活性ガス雰囲気下での焼成)により、Li(すなわち、リチウム)とY(すなわち、イットリウム)とを含む塩化物を製造することができる。
焼成工程S1000においては、例えば、混合材料の粉末が、容器(例えば、るつぼ)に入れられて、加熱炉内で焼成されてもよい。このとき、不活性ガス雰囲気中で混合材料が「200℃以上かつ650℃以下」まで昇温された状態が、所定時間以上、保持されてもよい。なお、焼成時間は、ハロゲン化物の揮発などに起因する焼成物の組成ずれを生じさせない(すなわち、焼成物のイオン伝導度を損なわない)程度の長さの時間であってもよい。
なお、不活性ガスとしては、ヘリウム、窒素、アルゴン、など、が用いられうる。
なお、焼成工程S1000の後に、焼成物が、容器(例えば、るつぼ)から取り出されて、粉砕されてもよい。このとき、焼成物は、粉砕器具(例えば、乳鉢、ミキサ、など)により、粉砕されてもよい。
なお、本開示における混合材料とは、LiClとYClとの2種の材料のみが混合された材料であってもよい。もしくは、本開示における混合材料とは、LiClとYClに加えて、LiClとYClとは異なる他の材料が、さらに混合された材料であってもよい。
なお、本開示においては、混合材料は、さらに、Mαβが混合された材料であってもよい。ここで、Mは、Na、K、Ca、Mg、Sr、Ba、Zn、In、Sn、Bi、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびLuからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む。また、Aは、Cl、Br、およびIからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。また、α>0、かつ、β>0、が満たされる。
以上の構成によれば、本開示の製造方法により製造されるハロゲン化物の特性(例えば、イオン伝導性、など)を改善することができる。
なお、「α=1」であるときに、「2≦β≦5」が満たされてもよい。
なお、本開示においては、混合材料は、さらに、LiFとYFとのうちの少なくとも1種が混合された材料であってもよい。
以上の構成によれば、本開示の製造方法により製造されるハロゲン化物の特性(例えば、イオン伝導性、など)を改善することができる。
なお、本開示においては、混合材料は、LiClにおけるLiの一部(または、YClにおけるYの一部)が、置換カチオン種(例えば、上述のM)で置換された材料が混合された材料であってもよい。また、混合材料は、LiClにおけるClの一部(または、YClにおけるClの一部)が、F(すなわち、フッ素)で置換された材料が混合された材料であってもよい。
図2は、実施の形態1における製造方法の一例を示すフローチャートである。図2に示されるように、実施の形態1における製造方法は、混合工程S1100を、さらに包含してもよい。
混合工程S1100は、焼成工程S1000よりも前に、実行される工程である。
混合工程S1100は、原料となるLiClとYClとが混合されることで、混合材料(すなわち、焼成工程S1000において焼成される材料)が得られる工程である。
なお、混合工程S1100においては、LiClとYClとが、所望のモル比となるように秤量されて、混合されてもよい。原料の混合方法としては、一般に公知の混合器具(例えば、乳鉢、ブレンダー、ボールミル、など)を用いる方法であってもよい。例えば、混合工程S1100においては、それぞれの原料の粉末が調整されて混合されてもよい。このとき、焼成工程S1000においては、粉末状の混合材料が焼成されてもよい。なお、混合工程S1100において得られた粉末状の混合材料が一軸加圧によりペレット状に成形されてもよい。このとき、焼成工程S1000においては、ペレット状の混合材料が焼成されることで、ハロゲン化物が製造されてもよい。
なお、混合工程S1100においては、LiClとYClとに加えて、LiClとYClとは異なる他の原料(例えば、上述のMαβ、LiF、YF、など)がさらに混合されることで、混合材料が得られてもよい。
なお、混合工程S1100においては、「LiClを主成分とする原料」と「YClを主成分とする原料」が混合されることで、混合材料が得られてもよい。
図3は、実施の形態1における製造方法の一例を示すフローチャートである。図3に示されるように、実施の形態1における製造方法は、準備工程S1200を、さらに包含してもよい。
準備工程S1200は、混合工程S1100よりも前に、実行される工程である。
準備工程S1200は、LiClおよびYClなどの原料(すなわち、混合工程S1100において混合される材料)が準備される工程である。
なお、準備工程S1200においては、材料合成を実施することで、LiClおよびYClなどの原料が得られてもよい。もしくは、準備工程S1200においては、一般に公知の市販品(例えば、純度99%以上の材料)が用いられてもよい。なお、原料としては、乾燥した材料が用いられてもよい。また、原料としては、結晶状、塊状、フレーク状、粉末状、など、の原料が用いられてもよい。準備工程S1200において、結晶状または塊状またはフレーク状の原料が粉砕されることで、粉末状の原料が得られてもよい。
なお、準備工程S1200においては、Mαβ(ここで、Mは、Na、K、Ca、Mg、Sr、Ba、Zn、In、Sn、Bi、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびLuからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、Aは、Cl、Br、およびIからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、「α=1」であるときに「2≦β≦5」が満たされる)、LiF、YFのうちのいずれか1種または複数が添加されてもよい。これにより、本開示の製造方法により得られるハロゲン化物の特性(例えば、イオン伝導性、など)を改善することができる。
なお、準備工程S1200においては、LiClにおけるLiの一部(または、YClにおけるYの一部)が、置換カチオン種(例えば、上述のM)で置換された原料が準備されてもよい。また、準備工程S1200においては、LiClにおけるClの一部(または、YClにおけるClの一部)が、F(すなわち、フッ素)で置換された原料が準備されてもよい。
なお、本開示の製造方法により製造されたハロゲン化物は、固体電解質材料として、用いられうる。このとき、当該固体電解質材料は、例えば、リチウムイオン伝導性の固体電解質であってもよい。このとき、当該固体電解質材料は、例えば、全固体リチウム二次電池に用いられる固体電解質材料などとして、用いられうる。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2が説明される。上述の実施の形態1と重複する説明は、適宜、省略される。
実施の形態2における製造方法は、上述の実施の形態1における製造方法の特徴に加えて、下記の特徴をさらに備える。
実施の形態2における製造方法の焼成工程S1000においては、LiClとYClとが混合された混合材料は、400℃以上かつ650℃以下で、焼成される。
以上の構成によれば、工業的に生産性の高い方法で、高いイオン伝導度を有する塩化物を製造することができる。すなわち、焼成温度を400℃以上とすることで、LiClとYClとを十分に反応させることができる。さらに、焼成温度を650℃以下とすることで、固相反応により生成した塩化物の熱分解を抑制できる。これらにより、焼成物である塩化物のイオン伝導度を高めることができる。すなわち、例えば、良質な塩化物の固体電解質を得ることができる。
なお、実施の形態2における製造方法の焼成工程S1000においては、混合材料は、480℃以上(例えば、480℃以上かつ650℃以下)で、焼成されてもよい。
以上の構成によれば、工業的に生産性の高い方法で、より高いイオン伝導度を有する塩化物を製造することができる。すなわち、焼成温度を480℃以上とすることで、焼成物である塩化物の結晶性を、より高くできる。これにより、焼成物である塩化物のイオン伝導度を、より高めることができる。すなわち、例えば、より良質な塩化物の固体電解質を得ることができる。
なお、実施の形態2における製造方法の焼成工程S1000においては、混合材料は、600℃以下(例えば、400℃以上かつ600℃以下、または、480℃以上かつ600℃以下)で、焼成されてもよい。
以上の構成によれば、工業的に生産性の高い方法で、より高いイオン伝導度を有する塩化物を製造することができる。すなわち、焼成温度を600℃以下とすることで、LiClの融点(すなわち、605℃)よりも低い温度で焼成でき、LiClの分解を抑制できる(なお、YClの融点は720℃程度であり、YClの分解も抑制できる)。これにより、焼成物である塩化物のイオン伝導度を、より高めることができる。すなわち、例えば、より良質な塩化物の固体電解質を得ることができる。
なお、実施の形態2における製造方法の焼成工程S1000においては、混合材料は、1時間以上かつ24時間以下、焼成されてもよい。
以上の構成によれば、工業的に生産性の高い方法で、より高いイオン伝導度を有する塩化物を製造することができる。すなわち、焼成時間を1時間以上とすることで、LiClとYClとを十分に反応させることができる。さらに、焼成時間を24時間以下とすることで、焼成物である塩化物の揮発を抑制でき、所望の構成元素の組成比を有する塩化物を得ることができる(すなわち、組成ずれを抑制できる)。これらにより、焼成物である塩化物のイオン伝導度を、より高めることができる。すなわち、例えば、より良質な塩化物の固体電解質を得ることができる。
なお、実施の形態2における製造方法の焼成工程S1000においては、混合材料は、10時間以下(例えば、1時間以上かつ10時間以下)、焼成されてもよい。
以上の構成によれば、焼成時間を10時間以下とすることで、焼成物である塩化物の揮発をさらに抑制でき、所望の構成元素の組成比を有する塩化物を得ることができる(すなわち、組成ずれを抑制できる)。これにより、組成ずれに起因する、焼成物である塩化物のイオン伝導度の低下を、さらに抑制できる。
なお、実施の形態2における製造方法の混合工程S1100において、LiClとYClとが所望のモル比となるように秤量されて混合されることで、LiClとYClとの混合モル比が調整されてもよい。
例えば、実施の形態2においては、LiClとYClとは、LiCl:YCl=「4.2:0.6」~「2.4:1.2」のモル比で、混合されてもよい。もしくは、LiClとYClとは、LiCl:YCl=「3:1」~「2.7:1.1」のモル比で、混合されてもよい。
なお、実施の形態2における製造方法の混合工程S1100においては、LiClとYClとに加えて、MαClβ(すなわち、上述の実施の形態1におけるMαβの「A」がClである化合物)が、さらに混合されることで、混合材料が得られてもよい。このとき、実施の形態2における製造方法の準備工程S1200においては、当該MαClβが、原料の1つとして、準備されてもよい。
(実施例)
以下、実施例および参考例を用いて、本開示の詳細が説明される。これらは例示であって、本開示を制限するものではない。
なお、以下の例示においては、本開示の製造方法により製造されるハロゲン化物は、固体電解質材料として製造され、評価されている。
<実施例1>
(固体電解質材料の作製)
露点-60℃以下のアルゴン雰囲気で、LiClとYClとを、モル比でLiCl:YCl=3:1となるように、秤量した。これらをメノウ製乳鉢で粉砕して混合した。その後、アルミナ製るつぼに入れて、アルゴン雰囲気中で500℃まで昇温し、1時間保持した。焼成後、メノウ製乳鉢により粉砕し、実施例1の固体電解質材料を作製した。
実施例1の固体電解質材料全体における単位重量あたりのLiの含有量を原子吸光分析法で測定し、Yの含有量をICP発光分光分析法で測定し、Li:Yの含有量をモル比に換算した。Li:Yの比は、仕込み通り、3:1であった。
(イオン伝導度の評価)
図4は、イオン伝導度の評価方法を示す模式図である。
加圧成形用ダイス200は、電子的に絶縁性のポリカーボネート製の枠型201と、電子伝導性のステンレス製のパンチ上部203およびパンチ下部202とから構成される。
図4に示す構成を用いて、下記の方法にて、イオン伝導度の評価を行った。
露点-60℃以下のドライ雰囲気で、実施例1の固体電解質材料の粉末である固体電解質粉末100を加圧成形用ダイス200に充填し、300MPaで一軸加圧し、実施例1の伝導度測定セルを作製した。
加圧状態のまま、パンチ上部203とパンチ下部202のそれぞれから導線を取り回し、周波数応答アナライザを搭載したポテンショスタット(Princeton Applied Research社 VersaSTAT4)に接続し、電気化学的インピーダンス測定法により、室温におけるイオン伝導度の測定を行った。
図5は、ACインピーダンス測定によるイオン伝導度の評価結果を示すグラフである。インピーダンス測定結果のCole-Cole線図が、図5に示される。
図5において、複素インピーダンスの位相の絶対値が最も小さい測定点(図5中の矢印)のインピーダンスの実部の値を実施例1の固体電解質のイオン伝導に対する抵抗値とみなした。電解質の抵抗値を用いて、下記式(1)より、イオン伝導度を算出した。
σ=(RSE×S/t)-1 ・・・・ (1)
ここで、σはイオン伝導度、Sは電解質面積(図4中、枠型201の内径)、RSEは上記のインピーダンス測定における固体電解質の抵抗値、tは電解質の厚み(図4中、固体電解質粉末100の厚み)である。
22℃で測定された、実施例1の固体電解質材料のイオン伝導度は、1.5×10-4S/cmであった。
<実施例2~30>
(固体電解質材料の作製)
実施例2~30においては、実施例1と同様に、露点-60℃以下のアルゴン雰囲気で、LiClとYClとを、モル比でLiCl:YCl=6-3x:xとなるように、秤量した。ここで、各実施例における「xの値」は、後述の表1に示される。
これらをメノウ乳鉢で粉砕して混合した。その後、アルミナ製るつぼに入れ、アルゴン雰囲気中で400~650℃まで昇温し、1~24時間保持した。ここで、各実施例における「焼成温度」と「焼成時間」については、後述の表1に示される。
各焼成条件にて焼成後、メノウ製乳鉢で粉砕し、実施例2~30のそれぞれの固体電解質材料を作製した。
(イオン伝導度の評価)
上記の実施例1と同様の方法で、実施例2~30のそれぞれの伝導度測定セルを作製し、イオン伝導度の測定を実施した。
<参考例1および2>
(固体電解質材料の作製)
参考例1においては、露点-60℃以下のアルゴン雰囲気下で、LiClとYClとをモル比でLiCl:YCl=3:1となるように秤量した。参考例2においては、露点-60℃以下のアルゴン雰囲気下で、LiClとYClとをモル比でLiCl:YCl=2.7:1.1となるように秤量した。これらをメノウ製乳鉢で粉砕して混合した。その後、アルミナ製るつぼに入れ、アルゴン雰囲気中で300℃まで昇温し、1時間保持した。
焼成後、メノウ製乳鉢により粉砕し、参考例1および2のそれぞれの固体電解質材料を作製した。
(イオン伝導度の評価)
上記の実施例1と同様の方法で、参考例1および2のそれぞれの伝導度測定セルを作製し、イオン伝導度の測定を実施した。
<参考例3および4>
参考例3においては、露点-60℃以下のアルゴン雰囲気下で、LiClとYClとをモル比でLiCl:YCl=3:1となるように秤量した。参考例4においては、露点-60℃以下のアルゴン雰囲気下で、LiClとYClとをモル比でLiCl:YCl=2.7:1.1となるように秤量した。これらをメノウ製乳鉢で粉砕して混合した。その後、アルミナ製るつぼに入れ、アルゴン雰囲気中で500℃まで昇温し、60時間保持した。
焼成後、メノウ製乳鉢により粉砕し、参考例3および4のそれぞれの固体電解質材料を作製した。
(イオン伝導度の評価)
上記の実施例1と同様の方法で、参考例3および4のそれぞれの伝導度測定セルを作製し、イオン伝導度の測定を実施した。
上述の実施例1~30および参考例1~4における各構成と各評価結果とが、表1に示される。
Figure 0007357299000001
<考察>
参考例1および2のように、焼成温度が300℃の場合においては、室温付近において、10-7S/cmオーダーの低いイオン伝導性を示す。参考例3および4のように、焼成時間が60時間と長い場合では、10-9~10-8S/cmの低いイオン伝導性を示す。これらに対して、実施例1~30は、室温近傍において、1×10-6S/cm以上の高いイオン伝導性を示すことがわかる。これは、焼成温度が300℃の場合では、固相反応が不十分であるためと考えられる。また、焼成時間が60時間と長い場合では、ハロゲン化物が揮発し、組成ずれ等が起こっている可能性があるためと考えられる。
焼成温度が480~600℃の範囲の場合に、より高いイオン伝導性を示す。これは、高い結晶性の固体電解質が実現できているためと考えられる。例えば、同じ原料混合比と焼成時間で比較すると、焼成温度が450℃である実施例4では、イオン伝導度が6.8×10-6S/cmであるのに対し、焼成温度が480℃である実施例5では、イオン伝導度は1.4×10-4S/cmである。また、焼成温度が600℃である実施例9では、イオン伝導度が8.5×10-5S/cmであるのに対し、焼成温度が650℃である実施例10では、イオン伝導度が4.0×10-5S/cmである。これは、LiClの融点よりも高い温度で焼成しているため、YClとの反応が完了する前に、LiClが分解していることに起因していると考えられる。
以上により、本開示の製造方法により合成した固体電解質材料は、高いリチウムイオン伝導性を示すことがわかる。また、本開示の製造方法は、簡便な方法であり、工業的に生産性の高い方法である。
本開示の製造方法は、例えば、固体電解質材料の製造方法として、利用されうる。また、本開示の製造方法により製造された固体電解質材料は、例えば、全固体リチウム二次電池などとして、利用されうる。
100 固体電解質粉末
200 加圧成形用ダイス
201 枠型
202 パンチ下部
203 パンチ上部

Claims (10)

  1. LiClとYClとが混合された材料である混合材料を、不活性ガス雰囲気下で、焼成する焼成工程、を包含し、
    前記焼成工程においては、前記混合材料は、200℃以上かつ650℃以下で、焼成される、ハロゲン化物の製造方法。
  2. 前記焼成工程においては、前記混合材料は、400℃以上かつ650℃以下で、焼成される、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記焼成工程においては、前記混合材料は、480℃以上で、焼成される、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記焼成工程においては、前記混合材料は、600℃以下で、焼成される、請求項2または3に記載の製造方法。
  5. 前記焼成工程においては、前記混合材料は、24時間以下、焼成される、請求項2から4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記焼成工程においては、前記混合材料は、1時間以上かつ24時間以下、焼成される、請求項1からのいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記焼成工程においては、前記混合材料は、10時間以下、焼成される、請求項に記載の製造方法。
  8. 前記混合材料は、さらに、Mαβが混合された材料であり、
    前記Mは、Na、K、Ca、Mg、Sr、Ba、Zn、In、Sn、Bi、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびLuからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含み、
    前記Aは、Cl、Br、およびIからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
    α>0、かつ、β>0、が満たされる、請求項1からのいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 前記混合材料は、さらに、LiFとYFとのうちの少なくとも1種が混合された材料である、請求項1からのいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 前記混合材料は、ボールミルを使用することなく混合されている、請求項1からのいずれか1項に記載の製造方法。
JP2020562318A 2018-12-26 2019-06-26 ハロゲン化物の製造方法 Active JP7357299B2 (ja)

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