以下、図面を参照して本開示の一実施形態であるゲームプログラム(具体的には、パズルゲームの画像制御のためのプログラム)について説明する。但し、本開示は、多くの異なる態様で実施することが可能である。すなわち、本開示は、以下に示す実施形態の記載内容に限定して解釈されない。本実施の形態で参照する図面において、同一部分または同様の機能を有する部分には、同一の符号または同一の符号の後にアルファベットを付した符号を用い、その繰り返しの説明は省略する。
本明細書および特許請求の範囲において、各用語は、次のように定義される。
「ゲーム画像」は、ディスプレイに表示されるゲームの進行状況を表す画像である。パズルゲームの場合、ディスプレイには、複数のパズル要素が配置されたパズル領域を含むゲーム画像が表示される。ゲームプレイヤ(以下、単に「プレイヤ」という)は、ゲーム画像の一部にタッチ操作を行うことによりゲーム操作を行うことができる。
「パズル領域」とは、ゲーム画像における複数のパズル要素が配置される領域である。プレイヤが、パズル領域に配置されたパズル要素にタッチ操作を行い、パズル要素の配置を変更したり、複数のパズル要素をなぞって繋げたりしてパズル要素の消去を行うことにより、パズルゲームが進行する。なお、「複数のパズル要素をなぞって繋げる」とは、所定の距離内で離隔して並ぶ複数のオブジェクトをタッチ操作でなぞることにより、視覚的又は仮想的に複数のオブジェクトを繋げることを指す。
「パズル要素」とは、パズルを構成する個々のピースとして機能するオブジェクト(具体的には、ゲーム画像に含まれる操作対象または処理対象の画像)を指す。パズル要素には、プレイヤが操作可能な「操作オブジェクト」と、プレイヤが操作不能な「非操作オブジェクト」が含まれる。なお、「操作可能」とは、プレイヤがタッチ操作によりオブジェクトを移動させたり、複数のオブジェクトをなぞって繋げたり、特殊効果を発動させたりできることをいう。「操作オブジェクト」には、「通常オブジェクト」及び「特殊オブジェクト」が含まれる。「非操作オブジェクト」には、パズル要素の移動を妨げる「妨害オブジェクト」、プレイヤの攻撃対象となる敵として機能する「敵オブジェクト」などが含まれ得る。
「通常オブジェクト」は、ゲーム進行中においてプレイヤが主に操作するパズル要素であり、特殊オブジェクト以外の操作オブジェクトである。パズル領域内には、複数種類(例えば、3~5種類)の通常オブジェクトが配置される。パズル領域内に配置される複数の通常オブジェクトは、色、形状、又は図柄によって複数種類に区別される。「特殊オブジェクト」は、ゲーム進行中にプレイヤが操作すると特殊な効果を発動するパズル要素である。「特殊な効果」には、例えば、複数個のパズル要素を一度に消去する効果、特定のスキルを発動する効果などが含まれ得る。
「通常オブジェクト」には、「セットオブジェクト」及び「非セットオブジェクト」が含まれる。「セットオブジェクト」とは、互いに所定の共通性を有する複数の通常オブジェクトの集合である。本実施形態において、セットオブジェクトを構成する個々の通常オブジェクトは、単独で使用されることはなく、常にセットで使用される。セットオブジェクトは、複数種類(例えば、3~5種類)の通常オブジェクトで構成される。「非セットオブジェクト」とは、通常オブジェクトのうちセットオブジェクト以外の通常オブジェクトである。すなわち、非セットオブジェクトは、セットオブジェクトを構成しない通常オブジェクトを指し、単独で使用可能である。
「通常オブジェクト」は、さらに「所持オブジェクト」及び「非所持オブジェクト」に分類することができる。「所持オブジェクト」とは、プレイヤが所持する通常オブジェクトであり、ガチャの報酬、又はイベントの報酬としてプレイヤに与えられる。「非所持オブジェクト」とは、通常オブジェクトのうち所持オブジェクト以外の通常オブジェクト(すなわち、プレイヤが所持していない通常オブジェクト)である。
「タッチ操作」とは、プレイヤが、タッチパネル等に対し、指又はスタイラスペン等(以下、「指示物」という)を接触させて行う操作を指す。「タップ操作」とは、指示物の接触の開始から解除までが短いタッチ操作を指す。「長押し操作」とは、指示物の接触の開始から解除までがタップ操作よりも長いタッチ操作を指す。「スライド操作」とは、指示物の接触状態を維持したまま接触点を移動させる操作(接触点の座標変化を伴う操作)を指す。スライド操作のうち、指示物の接触時間が長い操作は、スワイプ操作と呼ぶ場合がある。また、スライド操作のうち、指示物の接触時間が短い操作は、フリック操作と呼ばれる場合もある。
「プログラム」とは、プロセッサ及びメモリを備えたコンピュータにおいてプロセッサより実行される命令又は命令群を指す。「コンピュータ」は、プログラムの実行主体を指す総称である。例えば、サーバ(またはクライアント)によりプログラムが実行される場合、「コンピュータ」は、サーバ(またはクライアント)を指す。また、サーバとクライアントとの間の分散処理により「プログラム」が実行される場合、「コンピュータ」は、サーバおよびクライアントの両方を含む。この場合、「プログラム」は、「サーバで実行されるプログラム」および「クライアントで実行されるプログラム」を含む。「プログラム」が、複数のサーバ間で分散処理される場合も同様に、「コンピュータ」は、複数のサーバを含み、「プログラム」は、各サーバで実行される各プログラムを含む。
本明細書及び図面の説明において、同種の複数の要素(例えば、複数の通常オブジェクト)を個々に区別する必要があるときは、共通の符号(例えばNJ)の後に数字をつけて相互に区別する場合がある(例えばNJ1~NJ4)。ただし、説明中において特に個々に区別する必要がない場合は、共通の符号のみを用いて説明する場合がある。
<第1実施形態>
[通信システムの構成]
図1は、本開示の一実施形態における通信システム1000の構成を示すブロック図である。通信システム1000は、通信装置100およびサーバ500を有する。通信装置100およびサーバ500は、インターネット、通信回線などのネットワークNWに接続される。通信システム1000は、クライアントである通信装置100とサーバ500とで構成されるクライアントサーバシステムである。
通信装置100は、例えば、スマートフォンなどの携帯端末である。通信装置100は、ネットワークNWに接続することにより、サーバ500または他の通信装置と通信を行うことができる。通信装置100は、ゲームプログラムをインストールすることが可能である。通信装置100にインストールされたゲームプログラムを実行することにより、プレイヤの操作に応じてパズル領域内の操作オブジェクトを操作可能なパズルゲームが提供される。
ゲームプログラムは、サーバ500からネットワークNWを介して通信装置100にダウンロードされる。ただし、ゲームプログラムは、予め通信装置100にインストールされていてもよい。さらに、ゲームプログラムは、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録した状態で提供されてもよい。この場合、通信装置100は、記録媒体を読み取る装置を備えた情報処理装置であればよい。
ゲームプログラムの実行は、通信装置100が実行する場合、サーバ500が実行する場合、および通信装置100とサーバ500とで役割を分担して実行する場合(いわゆる分散処理を行う場合)のいずれの態様も採り得る。
サーバ500は、通信装置100に対して、ゲームプログラムを提供したり各種のサービスを提供したりする情報処理装置である。各種のサービスには、例えば、通信装置100においてオンラインゲームを実行する際におけるログイン処理、同期処理などのサービスが含まれる。そのほか、各種のサービスには、例えば、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)、課金処理などのサービスが含まれていてもよい。ゲームプログラムは、サーバ500に含まれる記憶装置、サーバ500が読み出し可能な記録媒体、またはサーバ500がネットワークNWを介して接続可能なデータベースに記録される。図1において、サーバ500は、単一の情報処理装置として図示されているが、複数の情報処理装置で構成されていてもよい。
[通信装置の構成]
図2は、本開示の一実施形態における通信装置100の構成を示すブロック図である。本実施形態の通信装置100は、制御部101、記憶部102、表示部103、操作部104、センサ部105、撮像部106、位置検出部107、通信部108、音入出力部109、および報知部110を含む。ただし、通信装置100は、これらの要素をすべて含むものに限定されない。
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ(演算処理装置)およびRAM等の記憶装置を備える。制御部101は、記憶部102に記憶されたプログラムをプロセッサにより実行して、各種機能を通信装置100において実現させる。通信装置100の各要素から出力される信号は、通信装置100において実現される各種機能によって使用される。
記憶部102は、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブなどの恒久的な情報保持および情報の書き換えが可能な記録装置(記録媒体)である。記憶部102は、プログラムおよび当該プログラムの実行に必要となるパラメータ等の情報を格納する。例えば、前述のゲームプログラムは、記憶部102に格納される。
表示部103は、制御部101の制御に応じて、各種の表示画像(例えば、ゲーム画像等)を表示する表示領域を有する。表示部103は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイなどの表示装置である。
操作部104は、プレイヤの操作に応じた信号(例えば、命令または情報を示す信号)を制御部101に出力する操作装置である。操作部104は、表示部103の表面に配置されたタッチセンサである。操作部104は、表示部103と組み合わせることによってタッチパネルを構成する。プレイヤの操作に応じた命令または情報は、プレイヤの指又はスタイラスペン等の指示物を用いて操作部104に接触することによって通信装置100へ入力される。ただし、操作部104は、通信装置100の筐体に配置されたスイッチを含んでもよい。
センサ部105は、通信装置100の動き、通信装置100の周囲の環境などに関する情報を収集して信号に変換する機能を備える装置である。本実施形態のセンサ部105は、例えば、加速度センサである。制御部101は、センサ部105の出力信号に基づいて、通信装置100の動き(例えば、傾き、振動など)に関する情報を取得する。ただし、この例に限らず、センサ部105は、照度センサ、温度センサ、磁気センサその他のセンサを含んでもよい。
撮像部106は、撮像対象の像を信号に変換する撮像装置(カメラ)である。通信装置100は、撮像部106から出力された撮像信号に基づいて画像ファイル(静止画ファイルおよび動画ファイルを含む)を生成する。撮像部106は、一次元コードまたは二次元コードなどの識別コードを読み取るスキャナとしても機能する。
位置検出部107は、位置情報に基づいて通信装置100の位置を検出する。本実施形態の位置検出部107は、GNSS(Global Navigation Satellite System)を用いて通信装置100の位置を検出する。
通信部108は、制御部101の制御により、ネットワークNWと接続して、ネットワークNWに接続されたサーバ500など、他の通信装置と情報の送信および受信を行う無線通信モジュールである。通信部108は、赤外線通信、近距離無線通信などを行う通信モジュールを含んでいてもよい。
音入出力部109は、音の入力及び出力を行う。例えば、音の入力は、音入出力部109のマイクにより行われる。音の出力は、音入出力部109のスピーカにより行われる。音入出力部109は、他の通信装置との通話のほか、外部音の収集またはゲーム進行に伴う音声または効果音等の出力に用いることもできる。
報知部110は、プレイヤに対し、視覚的、聴覚的または触覚的方法により通信装置100の状態を報知する。具体的には、報知部110は、プレイヤに対して光、音または振動を用いて通信装置100の状態を報知する。例えば、報知部110は、ランプを点滅させたり筐体全体を振動させたりすることにより、外部装置との通信の有無をプレイヤに報知することができる。筐体全体の振動は、報知部110のバイブレータにより行われる。また、報知部110は、ゲーム進行に伴うイベントの発生をプレイヤに報知することも可能である。例えば、報知部110は、パズル領域に配置されたパズル要素が所定の条件を満たしたことを、プレイヤに光、音又は振動を用いて報知することができる。
[サーバの構成]
図3は、本開示の一実施形態におけるサーバ500の構成を示すブロック図である。本実施形態のサーバ500は、制御部501、記憶部502および通信部503を含む。
制御部501は、CPUなどの演算処理回路(制御装置)およびRAM等の記憶装置を備える。制御部501は、記憶部502に記憶されたプログラムをCPUにより実行して、各種機能をサーバ500において実現させる。サーバ500の各要素から出力される信号は、サーバ500において実現される各種機能によって使用される。
記憶部502は、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブなどの恒久的な情報保持および情報の書き換えが可能な記録装置(記録媒体)である。記憶部502は、プログラムおよび当該プログラムの実行に必要となるパラメータ等の情報を格納する。例えば、前述のゲームプログラムは、記憶部502に格納される。また、記憶部502は、ネットワークNWを介して他の装置(例えば、通信装置100)から受信した各種情報を格納する。
通信部503は、制御部501の制御により、ネットワークNWと接続して、ネットワークNWに接続された通信装置100、他のサーバなど、他の装置と情報の送信および受信を行う無線通信モジュールである。他のサーバとしては、例えば、ゲームサーバ、SNSサーバ、メールサーバなどが例示できる。
[通信装置のゲーム処理機能]
通信装置100で実行されるゲーム処理機能について説明する。ゲーム処理機能は、通信装置100の制御部101がゲームプログラムを実行することによって実現される。以下に説明するゲーム処理機能を実現するための構成の一部または全部がハードウエアによって実現されてもよい。
図4は、本開示の一実施形態における通信装置100のゲーム処理機能10を示すブロック図である。ゲーム処理機能10は、ゲーム操作取得部11、設定データ受信部12、ゲームデータ記憶部13、ゲーム処理実行部14、ステータスデータ送信部15、表示データ生成部16、及び、表示データ出力部17を含む。ただし、図4に示すゲーム処理機能10は、一例に過ぎず、一部の機能が省略されたり他の機能が追加されたりしていてもよい。
ゲーム操作取得部11は、プレイヤによって操作部104に入力された操作のうち、ゲーム操作を取得する。ゲーム操作は、ゲームに関する操作であって、例えば、パズル要素(具体的には、操作オブジェクト)の移動の指示、パズル要素をなぞって繋げる指示などを含む。ゲーム操作は、操作部104に対するタッチ操作により行われる。
設定データ受信部12は、サーバ500から通信部108を介して設定データを受信する。設定データは、ゲーム進行に関する様々な設定パラメータ等を含むデータであり、サーバ500において生成される。設定データには、ゲーム制御に関する制御データが含まれていてもよい。
ゲームデータ記憶部13は、設定データ受信部12によって受信された設定データを記憶したり、ゲーム画像を表示するために必要なデータ(例えば、画像データ等)を記憶したりする。ゲームデータ記憶部13は、後述するステータスデータを記憶してもよい。
ゲーム処理実行部14は、ゲーム操作取得部11によって取得されたゲーム操作および設定データ受信部12によって受信された設定データに基づいて、ゲームの進行を制御するための処理(ゲーム進行処理)を実行する。ゲーム進行処理は、例えば、後述するパズル領域内に配置された複数のパズル要素の消去に伴う各種イベントの処理(パズル要素の再配置を含む)、各種イベントの処理に応じたステータスデータを生成するための処理、及び、ゲーム進行の状況に応じたゲーム画像を制御するための処理を含む。ステータスデータは、ゲーム進行の状態(各パズル要素の配置、イベント発生の有無、セットオブジェクトの使用の有無など)を表すデータである。ゲーム処理実行部14は、任意のタイミングでステータスデータを生成することができる。ゲーム進行処理の詳細な具体例については後述する。
ステータスデータ送信部15は、通信部108を介して、ゲーム処理実行部14によって生成されたステータスデータをサーバ500に送信する。ステータスデータ送信部15は、例えば、ゲーム終了時、イベント発生時など任意のタイミングでステータスデータを送信することができる。
表示データ生成部16は、ゲーム処理実行部14において制御されるゲームの進行に応じたゲーム画像を表示部103に表示するための表示データを生成する。表示データは、背景画像及びパズル要素等のオブジェクト画像を含む。
表示データ出力部17は、表示データ生成部16において生成された表示データを表示部103に出力する。表示データ出力部17は、例えば、表示画像の出力タイミングを制御する信号、表示部103の各ドライバ回路を制御する信号などを生成する。
[サーバのゲーム処理機能]
サーバ500で実行されるゲーム処理機能について説明する。ゲーム処理機能は、サーバ500の制御部501がゲームプログラムを実行することによって実現される。以下に説明するゲーム処理機能を実現するための構成の一部または全部がハードウエアによって実現されてもよい。
図5は、本開示の一実施形態におけるサーバ500のゲーム処理機能50を示すブロック図である。ゲーム処理機能50は、ステータスデータ受信部51、ゲームデータ記憶部52、ゲーム処理実行部53、及び、設定データ送信部54を含む。ただし、図5に示すゲーム処理機能50は、一例に過ぎず、一部の機能が省略されたり他の機能が追加されたりしていてもよい。
ステータスデータ受信部51は、通信装置100から通信部503を介してステータスデータを受信する。ステータスデータには、送信元の通信装置100を識別するための識別データが含まれていてもよい。
ゲームデータ記憶部52は、ステータスデータ受信部51によって受信されたステータスデータを記憶したり、ゲーム処理実行部53によって生成された設定データを記憶したりする。ステータスデータ及び設定データは、対応する通信装置100に関連付けられて記憶される。
ゲーム処理実行部53は、ステータスデータ受信部51によって受信されたステータスデータに基づいて、ゲームの進行状況を管理するための処理(ゲーム管理処理)を実行する。ゲーム管理処理は、例えば、各通信装置100に関連付けられたステータスデータを管理するための処理、各ゲームの進行状況に応じた設定データを生成するための処理、及び、各通信装置100のゲームへのログイン処理を含む。ゲーム管理処理は、各通信装置100の間におけるゲーム進行を同期させるための処理を含んでもよい。また、ゲーム処理実行部53は、この例に限らず、ゲーム管理処理に加えて、前述したゲーム進行処理の少なくとも一部を実行することも可能である。
設定データは、ゲーム進行の状態に応じた各パラメータを設定するためのデータである。例えば、設定データは、関連する通信装置100の識別データ、次のゲームステージの進行及び制御に関するパラメータ、更新された妨害オブジェクトのサイズの設定に関するパラメータなどを含む。ゲーム処理実行部53は、ステータスデータを受信したことに応じて、当該ステータスデータに対応する通信装置100に関連付けられた設定データを生成することができる。
設定データ送信部54は、通信部503を介して、ゲーム処理実行部53によって生成された設定データを、対応する通信装置100に送信する。設定データ送信部54は、例えば、イベント発生時、次のゲームステージへの移行時などのタイミングで設定データを送信することができる。設定データ送信部54は、設定データに加えて、現時点におけるステータスデータを通信装置100に送信してもよい。
[ゲーム画像の構成]
以下に説明するゲーム画像GIは、図2に示した通信装置100の制御部101(具体的には、制御部101が備えるプロセッサ)が、記憶部102から読み出したゲームプログラムを実行することにより表示部103に表示される。ただし、図3に示したサーバ500の制御部501(具体的には、制御部501が備えるプロセッサ)が、記憶部502に記憶されたゲームプログラムを実行して、通信装置100の表示部103にゲーム画像GIを表示する構成としてもよい。
図6は、本開示の一実施形態のゲームプログラムを実行した際におけるゲーム画像GIを示す図である。具体的には、図6は、ゲームプログラム実行中のパズルゲームの一場面を表している。通信装置100は、スマートフォン等の携帯端末である。ゲーム画像GIは、通信装置100の表示部103に表示されている。なお、図示は省略するが、表示部103とほぼ同じ領域に操作部104としてタッチセンサが配置される。
図6に示すゲーム画像GIは、パズル領域PA及び非パズル領域NPAを含む。パズル領域PAは、パズルゲームの操作を行うための領域であり、複数のパズル要素(パズルピース)が配置される。具体的には、パズル領域PAには仮想の重力場が設定されており、ゲームが開始されると、パズル領域PA内の上方から複数のパズル要素が落下する。パズル領域PA内に落下したパズル要素は、パズル領域PAの下部に重なるようにたまっていく。最終的には、図6に示すように、パズル領域PAの上部に空間を残しつつ、所定数のパズル要素がパズル領域PA内に配置された状態になる。
非パズル領域NPAは、ゲーム画像GIのうちパズル領域PA以外の領域である。非パズル領域NPAには、ゲーム進行中に使用する1つ又は複数のGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)が配置される。図6に示す例では、例えば、スキルを発動させるためのGUIであるスキルメータSM、ゲーム設定を調整するためのGUIであるゲーム設定スイッチGS、及び、ゲームスコアを表示するためのスコア表示エリアSDが配置される。ただし、非パズル領域NPAに配置可能な画像は、この例に限られるものではない。
パズル領域PA及び非パズル領域NPAの少なくとも一方には、所定の背景画像が表示されていてもよい。背景画像は、色彩のみの画像であってもよいし、何らかの絵柄、模様、キャラクタ等を表す画像であってもよい。背景画像は、実行するパズルゲームの内容(後述する「物語」の内容等)に応じて設定されてもよい。
図6に示す例では、パズル領域PA内に、複数のパズル要素として、通常オブジェクトNJ1~NJ4及び特殊オブジェクトSJが配置されている。通常オブジェクトNJ1~NJ4及び特殊オブジェクトSJは、操作オブジェクトの一例であり、プレイヤによって操作可能である。通常オブジェクトNJ1~NJ4は、それぞれ異なるキャラクタが設定されており、互いに区別可能になっている。本実施形態では、通常オブジェクトNJ1~NJ4は、それぞれ「犬」、「猿」、「雉」及び「鬼」のキャラクタに対応する画像が設定されている。特殊オブジェクトSJは、特殊な効果を発動するオブジェクトであり、例えばタッチ操作を行うと、周囲の複数の通常オブジェクトNJ1~NJ4を消去する効果を発動する。
図6に示す例では、通常オブジェクトNJとして、4種類のキャラクタによって区別可能な複数のオブジェクトを示したが、この例に限られるものではなく、通常オブジェクトNJは、2種類以上の任意の数に区別可能であればよい。また、本実施形態では、通常オブジェクトNJ1~NJ4が同じサイズである例を示したが、異なるサイズのオブジェクトが混在していてもよい。
[ゲーム進行の概略]
次に、本開示の一実施形態のゲームプログラムを実行することによりプレイヤに提供されるパズルゲームの進行の概要について説明する。
図7は、本開示の一実施形態のゲームプログラムを実行した際におけるゲーム画像GIを示す図である。具体的には、図7は、ゲーム画像GIとして、プレイヤに対して所持オブジェクトの中から任意の1つを選択させる選択画面SSを表示させた一例を示している。選択画面SSは、選択操作を行うためのインターフェース領域310、選択候補の所持オブジェクトの一覧を表示する選択領域320、及び選択された所持オブジェクトを確認するための確認領域330を含む。
インターフェース領域310には、選択操作のためのGUI311及び312が配置されている。例えば、GUI311及び312は、前の画面に戻るための「戻る」ボタンであったり、選択したオブジェクトを確定させるための「確定」ボタンであってもよい。ただし、この例に限らず、インターフェース領域310は、他のインターフェースを有していてもよい。
選択領域320には、プレイヤが所持する通常オブジェクト(所持オブジェクト)に関連する画像の一覧が表示される。図7に示す例では、所持オブジェクトに関連する画像として、「桃」、「豚」及び「猫」の3種類の図柄(キャラクタ)に対応する画像321~323が表示されている。選択された画像は、選択されたことを示す強調表示が行われる。図7では、選択された「桃」の画像321に対して、表示枠を二重にする強調表示が施されている。
本実施形態では、「桃」の画像321は、セットオブジェクトに関連する画像であり、「豚」及び「猫」に関連する画像322及び323は、非セットオブジェクトに関連する画像である。一点鎖線で示す空き領域324~326は、未取得の通常オブジェクトが配置される領域である。プレイヤがガチャもしくはイベントで新しい通常オブジェクトを取得すると、取得した通常オブジェクト(所持オブジェクト)に関連する新たな画像が空き領域324~326に表示される。
確認領域330には、選択領域320で選択された所持オブジェクトに関する情報が表示される。具体的には、確認領域330は、選択された画像を表示する選択画像表示領域331、及び選択された画像に関連付けられたオブジェクトの詳細を説明する説明領域332を含む。図7に示す例では、選択領域320において、セットオブジェクトに関連する画像である「桃」の画像321が選択されているため、説明領域332には、「桃」の画像321に関連付けられたセットオブジェクトに関する説明が表示される。
本実施形態では、説明領域332において、セットオブジェクトの名称を表示する領域332a(図7に示す例では「桃太郎セット」)と、「桃太郎セット」を構成する複数の通常オブジェクトNJの集合を示す領域332bとが表示される。図7に示す例では、「桃」の画像321にセットオブジェクトとして「桃太郎セット」が関連付けられ、当該セットオブジェクトが、物語「桃太郎」に登場する「犬」、「猿」、「雉」及び「鬼」の4種類のキャラクタに関連付けられた通常オブジェクトで構成されることが示されている。ただし、説明領域332の表示内容は、この例に限られるものではなく、他の説明(例えば、割り当てられたスキルの説明など)が含まれていてもよい。
図7に示す例において、「桃」の画像321は、「桃太郎セット」と名付けられたセットオブジェクトのシンボルとして使用されている。すなわち、パズル領域PAに現れる通常オブジェクトNJは、「犬」、「猿」、「雉」及び「鬼」の4種類の画像に関連付けられ、「桃」の画像が施された通常オブジェクトNJがパズル領域PAに現れるわけではない。
図8は、本開示の一実施形態のゲームプログラムを実行した際におけるゲーム画像GIを示す図である。具体的には、図8は、図7と同様に、ゲーム画像GIとして、プレイヤに対して所持オブジェクトの中から任意の1つを選択させる選択画面SSを表示させた一例を示している。ただし、図8に示す例では、選択領域320において、非セットオブジェクトに関連する画像である「猫」の画像323が選択されている点で図7に示す例とは異なる。
図8に示すように、選択領域320において非セットオブジェクトに関連する画像が選択されると、説明領域332には、非セットオブジェクトの名称を示す領域332c(図8に示す例では「トラ猫」)と、「トラ猫」に関連付けられた通常オブジェクトNJに設定されたスキルを説明する領域332dとが表示される。ただし、説明領域332の表示内容は、この例に限られるものではなく、他の説明(例えば、トラ猫に関する説明など)が含まれていてもよい。
以上のように、本実施形態では、パズルゲームを進行するに先立って、プレイヤが所持する所持オブジェクトの中から1つのオブジェクト(通常オブジェクト)を選択する。所持オブジェクトには、セットオブジェクト及び非セットオブジェクトの少なくとも一方が含まれており、図7及び図8に示したように、プレイヤは、任意にいずれかの所持オブジェクトを選択することができる。
ここで、本実施形態では、選択領域320において選択された画像がセットオブジェクトに関連する画像であるとき、パズル領域PA内に配置する通常オブジェクトNJを、選択された画像に関連付けられたセットオブジェクトを構成する通常オブジェクトNJに限定してパズルゲームを実行する。つまり、プレイヤがセットオブジェクトを選択した場合、パズルゲームで使用される操作オブジェクトがセットオブジェクトを構成する通常オブジェクト及び特殊オブジェクトSJに限定される。
他方、図8に示す例のように、選択画面SSにおいて選択された画像が非セットオブジェクトに関連する画像であるとき、パズル領域PA内に配置する通常オブジェクトNJとして、選択された画像に関連付けられた非セットオブジェクトに該当する通常オブジェクトNJ(図8に示す例では「トラ猫」の画像に関連付けられた通常オブジェクトNJ)に加えて、ランダムに選択された他の通常オブジェクトを用いてパズルゲームを実行することができる。他の通常オブジェクトは、コンピュータによって、所持オブジェクト又は非所持オブジェクトの中から2~3種類の通常オブジェクトがランダムに選択される。
図9は、本開示の一実施形態のゲームプログラムを実行した際におけるゲーム画像GIを示す図である。具体的には、図9は、選択画面SSにおいてセットオブジェクトが選択された場合のパズルゲームの例を示している。図7に示したように、本実施形態では、セットオブジェクトとして「桃太郎セット」が選択されたため、通常オブジェクトとして「犬」、「猿」、「雉」及び「鬼」の各キャラクタに設定された通常オブジェクトNJ1~NJ4のみが使用される。すなわち、パズル領域PA内には、操作オブジェクトとして、セットオブジェクトを構成する4種類の通常オブジェクトNJ1~NJ4と、特殊オブジェクトSJとが現れることになる。
パズルゲームが開始されると、プレイヤは、タッチ操作(例えばスライド操作)により同種の通常オブジェクトNJ(ここでは、通常オブジェクトNJ2)を3つ以上繋げて消去する。図9に示す例では、「猿」のキャラクタに設定された5つの通常オブジェクトNJ2が仮想的に繋げられ、消去される。5つの通常オブジェクトNJ2が消去されると、形成された空き領域を埋めるように上方から他の通常オブジェクトNJが落下する。さらに、新たな通常オブジェクト(通常オブジェクトNJ1~NJ4のいずれか)がパズル領域PAの上方から補充される。
また、本実施形態では、ゲーム進行中に特定の通常オブジェクトNJを消去すると、その個数等に応じてスキルポイントが付与される。以下、消去時にスキルポイントが付与される通常オブジェクトNJを「スキルオブジェクト」と呼ぶ。スキルオブジェクトの消去により付与されたスキルポイントは、累積的に蓄積され、スキルメータSMの外周部分(ポイントゲージPG)に表示される。すなわち、スキルポイントが付与されるごとに、ポイントゲージPGに表示されたスキルポイントの蓄積量が時計回りに増加する。図示は省略するが、ポイントゲージPGが満タンになると、スキルメータSMが強調表示され、スキルポイントが満タンになったことをプレイヤに報知する。スキルポイントが満タンになった状態でプレイヤがスキルメータSMに対してタッチ操作を行うと、所定のスキルが発動する。
上述のスキルオブジェクトは、プレイヤが所持オブジェクトの中から選択してもよい。例えば、図7に示した選択画面SSにおいて、プレイヤがセットオブジェクトを選択した場合、セットオブジェクトを構成する複数の通常オブジェクトNJのうちの1つを選択してスキルオブジェクトに設定してもよい。また、図8に示した選択画面SSにおいて、プレイヤが非セットオブジェクトを選択した場合、選択された非セットオブジェクトに対応する通常オブジェクトNJがスキルオブジェクトとして設定されてもよい。ただし、これらの例に限らず。スキルオブジェクトは、パズルゲームに使用される通常オブジェクトNJの中からコンピュータによってランダムに選択されてもよい。また、設定するスキルオブジェクトは、1つに限らず、複数であってもよい。複数のスキルオブジェクトを設定した場合、どれが消去されても同量のスキルポイントが付与されてもよいし、スキルオブジェクトごとにスキルポイントの増分を異ならせてもよい。さらに、セットオブジェクトを選択することにより、当該セットオブジェクトを構成する複数の通常オブジェクトすべてが自動的にスキルオブジェクトに設定されてもよい。
以上説明したとおり、本実施形態では、セットオブジェクトを選択することにより、互いに所定の共通性を有する複数の通常オブジェクトNJのみを用いてパズルゲームを行うことができる。具体的には、本実施形態では、セットオブジェクトを選択することにより、互いに同一の物語に登場するキャラクタに関連付けられた複数の通常オブジェクトNJのみを用いてパズルゲームを行うことができる。図7及び図9に示した例では、通常オブジェクトとして、「桃太郎」という同一の物語に登場するキャラクタに設定された複数の通常オブジェクトNJ1~NJ4のみがパズル領域PAに現れる。したがって、本実施形態によれば、パズルゲーム実行中の画面内の世界観を統一するという新しい機能を実現することができ、パズルゲームに対するプレイヤの没入感を高めることができる。
また、本実施形態によれば、選択画面SSにおいてセットオブジェクトを選択することにより、特定の通常オブジェクトNJを選択的に用いてパズルゲームを実行することができる。つまり、プレイヤは、特定の通常オブジェクトNJ(例えば、効果の高いスキルを備えた通常オブジェクト)のスキルレベルを効率よく上げることが可能となる。パズルゲームにおいて、特定の通常オブジェクトNJのスキルレベルを効率よく上げることは、大きな技術的意義を有する。
従来の一般的なパズルゲームにおいて、スキルレベルは、例えばゲームクリアの際に所定の経験値に達していたとき、ガチャで同一の通常オブジェクトを引いたとき、又は、スキルを上げるアイテムを使用したときなどに上がる。また、従来は、パズルゲームに使用される通常オブジェクトがランダムに選択されるため、パズルゲームに使用する通常オブジェクトを特定の通常オブジェクトに限定することはできなかった。したがって、スキルレベルを上げるためには、多大な時間の消費や課金が必要であり、それらを抑えるために、プレイヤには、効率よく特定の通常オブジェクトのスキルレベルを上げたいという要望があった。
この点について、本実施形態では、セットオブジェクトを選択すれば、パズルゲームに使用する通常オブジェクトが選択したセットオブジェクトを構成する通常オブジェクトに限定されるため、各通常オブジェクトに確実に経験値が貯まる。また、ガチャを引いた場合に、すでに所持しているセットオブジェクトと同じものを引いたときは、当該セットオブジェクトを構成する通常オブジェクトすべてのスキルレベルが上がるようにすることもできる。さらに、スキルレベルを上げるアイテムを使用する場合に、セットオブジェクトに対して使用したときは、当該セットオブジェクトを構成する通常オブジェクトすべてのスキルレベルが上がるようにしてもよい。なお、ここではスキルレベルを例示して説明したが、上述の経験値に到達度、ガチャの結果、又は、アイテムの使用に応じて、スキルレベルと同様に、通常オブジェクトに関連付けられたキャラクタのレベルも上がるような構成であってもよい。
以上のように、従来は、ランダムに選択された個々の通常オブジェクトのスキルレベルを上げていくしかなく、パズルゲームに使用される多くの通常オブジェクトのスキルレベルを平均的に上げることしかできなかった。これに対し、本実施形態によれば、プレイヤは、セットオブジェクトを選択することにより特定の通常オブジェクトNJに設定されたスキルレベルを重点的に上げることができ、時間やお金の浪費を抑えつつ、戦略的にゲームを有利に進めることができる。
<第2実施形態>
本実施形態では、選択画面SSにおいてセットオブジェクトが選択されたとき、選択されたセットオブジェクトに応じてパズルゲームの実行中における背景画像をさらに設定する例について説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる点に着目して説明を行い、第1実施形態と重複する説明は省略する。また、説明に用いる図面において、第1実施形態と同じ要素については、同じ符号を用いて説明を省略する。
図10は、本開示の一実施形態のゲームプログラムを実行した際におけるゲーム画像を示す図である。具体的には、図10は、ゲーム画像GIを構成する背景画像の一例を示す図である。図10に示す例では、パズル領域PA及び非パズル領域NPAに跨って、物語「桃太郎」の内容に合わせた背景画像が表示されている。具体的には、海上に現れた鬼の住処である「鬼が島」が表現されている。本実施形態では、第1実施形態で説明したように、選択画面SSにおいて、セットオブジェクトとして「桃太郎セット」が選択された場合の一例を示している。ただし、図10は、あくまで一例にすぎず、「桃太郎」に関連する背景画像であれば如何なる画像を用いてもよい。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、通常オブジェクトとして「桃太郎セット」に関連付けられた通常オブジェクトNJ1~NJ4のみを用い、かつ、背景画像として「桃太郎」セットに関連する背景画像を用いる。これにより、背景画像も含めてパズルゲーム実行中における画面内の世界観を統一することができ、パズルゲームに対するプレイヤの没入感を第1実施形態よりもさらに高めることができる。
また、選択画面SSにおいて非セットオブジェクトに関連する画像を選択した場合、統一感のない様々なキャラクタに設定された複数の通常オブジェクトNJがパズル領域PA内に登場することになる。この場合、どれか1つの通常オブジェクトNJと背景画像とが合っていたとしても、他の通常オブジェクトNJとの間でまったく合わないという状況もあり得る。これに対し、本実施形態は、選択画面SSにおいてセットオブジェクトを選択することにより、統一感のある複数の通常オブジェクトNJを用いてパズルゲームを実行することができるため、パズルゲームに使用する複数の通常オブジェクトNJすべてに背景画像を合わせやすいという利点を有する。
<第3実施形態>
第1実施形態では、選択画面SS(図7参照)に表示された「桃」の画像321は、あくまでセットオブジェクトのシンボルであり、「桃」の画像自体は、パズル領域PA内に配置される通常オブジェクトNJの図柄として使用されない例を示した。本実施形態では、第1実施形態と異なり、セットオブジェクトのシンボルである画像を図柄として用いた通常オブジェクトNJをパズル領域PA内で使用する例について説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる点に着目して説明を行い、第1実施形態と重複する説明は省略する。また、説明に用いる図面において、第1実施形態と同じ要素については、同じ符号を用いて説明を省略する。
図11は、本開示の一実施形態のゲームプログラムを実行した際におけるゲーム画像GIを示す図である。具体的には、図11は、ゲーム画像GIとして、プレイヤに対して所持オブジェクトの中から任意の1つを選択させる選択画面SSを表示させた一例を示している。図11において、上述した図7に示す例と異なる点は、セットオブジェクトである「桃太郎セット」を構成する通常オブジェクトNJが、「桃」、「犬」、「猿」及び「雉」の4種類の通常オブジェクトの集合で構成される点である。本実施形態では、選択領域320に表示されたセットオブジェクトに関連する画像である「桃」の画像321を図柄して用いた通常オブジェクトNJがパズル領域PA内に配置される。すなわち、本実施形態では、セットオブジェクトのシンボルとして使用された画像が、パズルゲームに使用される通常オブジェクトNJの画像として用いられる。
図12は、本開示の一実施形態のゲームプログラムを実行した際におけるゲーム画像GIを示す図である。図12に示すように、本実施形態では、「犬」、「猿」及び「雉」のキャラクタに設定された通常オブジェクトNJ1~NJ3に加えて、「桃」の画像が設定された通常オブジェクトNJ5が配置されている。通常オブジェクトNJ5について、プレイヤの操作によって3つ以上繋げられた場合に消去される点は、通常オブジェクトNJ1~NJ3と同様である。なお、本実施形態では、セットオブジェクトを4種類の通常オブジェクトNJで構成する例を示したが、この例に限らず、3種類又は5種類以上の通常オブジェクトNJで構成してもよい。
本実施形態では、第1実施形態で説明した「スキルオブジェクト」として通常オブジェクトNJ5を設定する。すなわち、本実施形態では、セットオブジェクトのシンボルとして使用された画像に関連付けられた通常オブジェクトNJ5をスキルオブジェクトとし、通常オブジェクトNJ5が消去された場合にスキルポイントが付与される。そのため、通常オブジェクトNJ5以外の通常オブジェクトNJ1~NJ3が消去されてもスキルポイントは付与されない。ただし、この例に限らず、通常オブジェクトNJ5だけでなく、他の通常オブジェクトNJ1~NJ3が消去された場合においてもスキルポイントが付与されるようにしてもよい。このとき、所定のプレイによってスキルポイントを付与する際に、通常オブジェクトNJ5に付与されるスキルポイントの量を、通常オブジェクトNJ1~NJ3に付与されるスキルポイントの量よりも相対的に大きく設定してもよい。
<第4実施形態>
本実施形態では、スキルの発動条件が第1実施形態と異なる例について説明する。具体的には、発動するスキルが多段階に変化する新しい機能をパズルゲームに搭載した例について説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる点に着目して説明を行い、第1実施形態と重複する説明は省略する。また、説明に用いる図面において、第1実施形態と同じ要素については、同じ符号を用いて説明を省略する。
本実施形態では、パズルゲームを開始するに当たり、パズルゲームに使用される複数種類の通常オブジェクトNJから、メインとなるスキル(以下「メインスキル」という)を発動する通常オブジェクト(以下「メインオブジェクト」という)を選択する。本実施形態では、メインオブジェクトの選択をプレイヤのタッチ操作により行うが、この例に限られるものではなく、メインオブジェクトの選択は、コンピュータ側で行うようにしてもよい。
本実施形態では、ゲーム進行中においてスキルが2段階で発動される。具体的には、メインスキルを発動するための条件が満たされたとき、メインスキルが発動され、その後、メインスキルが発動されている間にサブのスキル(以下「サブスキル」という)を発動するための条件が満たされたとき、メインスキルに並行してサブスキルが発動される。つまり、メインスキルによって生じる効果とサブスキルによって生じる効果とが重畳する。本実施形態において、メインスキルを発動するための条件とは、メインオブジェクトの消去により付与されるスキルポイントが満タンになったときであり、サブスキルを発動するための条件とは、メインオブジェクト以外の通常オブジェクトNJの消去により付与されるスキルポイントが満タンになったときである。
図13~図17は、本開示の一実施形態のゲームプログラムを実行した際におけるゲーム画像GIを示す図である。具体的には、図13~図17は、本実施形態におけるパズルゲームの画面遷移を説明するための図である。本実施形態では、第1実施形態で説明した「桃太郎セット」をセットオブジェクトとして選択した例について説明する。さらに、本実施形態では、メインオブジェクトして「猿」のキャラクタに関連付けられた通常オブジェクトNJ2を設定した例について説明する。
図13に示すように、ゲーム進行中において、メインオブジェクトである通常オブジェクトNJ2が消去されると、メインスキルのスキルポイントが付与され、スキルメータSMに反映される。具体的には、スキルメータSMのポイントゲージPGに表示されたスキルポイントの蓄積量が時計回りに増加する。スキルメータSMに蓄積されたスキルポイントが満タンになると、図14に示すように、スキルメータSMが強調表示される。強調表示としては、例えば、スキルメータSMが輝くような演出表示を行ったりスキルメータSMの点滅表示を行ったりすることができる。また、スキルメータSMの強調表示に加えて、通信装置100の報知部110(図2参照)を用いて音や振動等を用いた報知を行ってもよい。
次に、図15に示すように、スキルメータSMの強調表示が行われている間にプレイヤがスキルメータSMに対してタッチ操作を行うと、メインオブジェクト(本実施形態では、通常オブジェクトNJ2)に関連付けられたメインスキルが発動する。本実施形態では、メインスキルとして、一定期間の間、ゲーム内でプレイヤが獲得するスコアが30%増加する効果を生じるスキルが発動される。本実施形態では、スコア表示エリアSBに対して強調表示を行い、スコアアップのメインスキルが発動していることを報知する。このとき、図15に示すように、「30%up」等の文字表示を行い、視覚的にどのようなスキルが発動しているのかプレイヤが認識できるようにしてもよい。
メインスキルが発動している間、任意の通常オブジェクトNJが消去されると、サブスキルを発動するためのスキルポイントが蓄積される。すなわち、スキルメータSMのポイントゲージPGに表示されたスキルポイントの蓄積量が時計回りに増加する。このとき、メインオブジェクトである通常オブジェクトNJ2と他の通常オブジェクトNJ1、NJ3及びNJ4との間で付与されるスキルポイントを異ならせてもよい。本実施形態では、同じプレイに対して通常オブジェクトNJ2に付与されるスキルポイントを他の通常オブジェクトNJ1、NJ3及びNJ4に付与されるスキルポイントよりも高く設定している。さらに、付与されるスキルポイントは、メインオブジェクト以外の通常オブジェクトNJの間で異ならせてもよい。
メインスキルの発動中に、サブスキルを発動するためのスキルメータSMに蓄積されたスキルポイントが満タンになると、図16に示すように、再びスキルメータSMが強調表示される。この状態でプレイヤがスキルメータSMに対してタッチ操作を行うと、図17に示すように、所定のサブスキルが発動する。本実施形態では、サブスキルとして、パズル領域PA内の中央付近の通常オブジェクトNJを一斉に消去する効果を生じるスキルが発動される。このとき、本実施形態ではメインスキルが発動中であるため、サブスキルの発動によって獲得されたスコアも30%上乗せされる。なお、本実施形態において、サブスキルは、コンピュータ側で自動的に設定される。その際、サブスキルは、セットオブジェクトごとに異なるスキルであってもよい。具体的には、サブスキルは、メインスキルの内容に応じて設定されてもよい。例えば、サブスキルは、メインスキルの効果との相乗効果を得やすい効果を生じるスキルであることが望ましい。
以上のように、本実施形態では、ゲーム進行中にメインスキルが発動すると、メインスキルを発動したまま、別のスキルを発動するプロセスに自動的に切り替わる。すなわち、メインスキルの発動を条件の1つとして、サブスキルを発動するためのスキルポイントの獲得ステージに切り替わることになる。この場合において、メインスキルとサブスキルとを並行して発動することが可能であるため、メインスキルの効果とサブスキルの効果との相乗効果を得ることができる。このように、本実施形態によれば、複数のスキルを並行して発動するという新しい機能を提供することが可能となり、大幅なスコアの増加やスキルの発動に関する戦略性の向上を期待することができる。
本実施形態では、メインスキル及びサブスキルの2段階でスキルを発動する例について説明したが、この例に限られるものではなく、3段階以上でスキルを発動することも可能である。また、本実施形態では、サブスキルをコンピュータ側で自動的に設定する例について説明したが、この例に限られるものではなく、プレイヤがメインスキル及びサブスキルを選択できるようにしてもよい。これらの場合、複数のスキルの組み合わせによってゲーム進行を有利に進めることができるため、パズルゲームとしての戦略性を向上させることができる。
また、本実施形態では、メインオブジェクトである通常オブジェクトNJ2以外の他の通常オブジェクトNJ1、NJ3及びNJ4のいずれを消去してもサブスキルを発動するためのスキルポイントが付与される例を示したが、この例に限られるものではない。具体的には、プレイヤは、サブスキルを発動するための通常オブジェクトNJ(以下「サブオブジェクト」という)を設定してもよい。この場合、サブスキルは、サブオブジェクトである通常オブジェクトNJに関連付けられたスキルであってもよい。本実施形態の場合、メインオブジェクトが通常オブジェクトNJ2であるため、サブオブジェクトは、通常オブジェクトNJ1、NJ3及びNJ4の中から選択される。サブオブジェクトを選択した場合、メインスキルの発動中、選択されたサブオブジェクトに該当する通常オブジェクトNJが消去された場合にスキルポイントが付与される。
さらに、本実施形態において、メインスキルによって生じた効果をサブスキルの発動によって変化させることも可能である。例えば、メインスキルの発動によってセットオブジェクトを構成する任意の1つの通常オブジェクトNJが特殊オブジェクトに変化し、さらにサブスキルの発動によって特殊オブジェクトによる通常オブジェクトの消去範囲が拡大するような設定があり得る。また、逆に、サブスキルによって生じる効果が、発動中のメインスキルに応じて変化する構成としてもよい。例えば、通常であればスコアを30%上乗せするサブスキルが設定された場合において、特定のメインスキルが発動中であると、サブスキルの効果がスコアを70%上乗せする効果に変化するような設定があり得る。つまり、メインスキル及びサブスキルは、一方の与える効果が他方の発動によって変化する関係を有していてもよい。
<第5実施形態>
第4実施形態では、第1実施形態への適用を前提にして説明を行ったが、第3実施形態に適用することも可能である。本実施形態では、第3実施形態と第4実施形態とを組み合わせた例について説明する。
第3実施形態において、スキルを多段階で発動させる場合、例えば、メインオブジェクトは、セットオブジェクトのシンボルである「桃」の画像に関連付けられた通常オブジェクトNJ5に設定することができる。また、サブオブジェクトは、プレイヤ又はコンピュータが、残りの通常オブジェクトNJ1~NJ3の中から選択してもよい。この場合、通常オブジェクトNJ5に関連付けられたメインスキルの発動中に、サブオブジェクトとして選択された通常オブジェクトNJ1~NJ3のいずれかに関連付けられたサブスキルを発動することができる。
また、第4実施形態のように、特にサブオブジェクトを設定せず、メインオブジェクトのみを設定することも可能である。この場合、メインスキルの発動中に、メインオブジェクト以外の通常オブジェクトNJ1~NJ3のいずれが消去されても、サブスキルを発動するためのスキルポイントが付与される。このとき、付与されるスキルポイントは、メインオブジェクト以外の通常オブジェクトNJの間で異ならせてもよい。さらに、メインスキル発動中にメインオブジェクトである通常オブジェクトNJ5が消去された場合にもサブスキルを発動するためのスキルポイントが付与されてもよい。この場合において、付与されるスキルポイントは、通常オブジェクトNJ5の方が他の通常オブジェクトNJ1~NJ3よりも高めに設定されていてもよい。
さらに、選択画面SSにおいてセットオブジェクトが選択された場合、セットオブジェクトの画像に関連付けられた通常オブジェクト(例えば、「桃」の画像に関連付けられた通常オブジェクトNJ5)をメインオブジェクトに設定し、他の通常オブジェクト(例えば、「犬」、「猿」及び「雉」に設定された通常オブジェクトNJ1~NJ3)がすべてサブオブジェクトに設定されてもよい。このとき、サブスキルとして、通常オブジェクトNJ1~NJ3のそれぞれに関連付けられたスキルが、所定の順序にしたがって巡回的に設定されてもよい。この場合、あるサブスキルのためのスキルメータSMが満タンになって当該サブスキルが発動されると、次のサブスキルのためのスキルメータSMに切り替わることになる。もちろん、各サブスキルの切替順序は、所定の順次にしたがう場合に限られるものではなく、ランダムに各サブスキルが順次切り替わるようにしてもよい。
本実施形態によれば、第4実施形態と同様に、メインスキルとサブスキルとを重畳して発動することが可能であるため、メインスキルとサブスキルとの相乗効果を得ることができる。このように、本実施形態によれば、複数のスキルを並行して発動するという新しい機能を提供することが可能となり、大幅なスコアの増加やスキル効果の発動に関する戦略性の向上を期待することができる。
<第6実施形態>
第1実施形態では、パズルゲームを進行するに当たり、ゲーム進行処理を通信装置100の制御部101が実行する例について説明した。しかしながら、この例に限らず、ゲーム進行処理は、サーバ500の制御部501が実行してもよい。この場合、プレイヤによるゲーム操作の取得とゲーム画像GIの表示制御の実行とを通信装置100の制御部101が担い、それ以外の他のゲーム進行処理をサーバ500の制御部501が担う構成としてもよい。また、他の例として、ゲーム進行処理を通信装置100およびサーバ500の間の分散処理として実行することも可能である。
以上、本開示について図面を参照しながら説明したが、前述の各実施形態は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本開示の要旨を備えている限り、本開示の範囲に含まれる。さらに、前述した各実施形態は、相互に矛盾がない限り適宜組み合わせが可能であり、各実施形態に共通する技術事項については、明示の記載がなくても各実施形態に含まれる。
前述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本開示によりもたらされるものと解される。