以下に、本発明の一実施形態に係る箱供給システムについて説明する。
なお、以下で説明する実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
また、以下の説明において、位置関係や向きを説明するため、便宜上、上、下、前(正面)、後(背面)、左、右等の表現を使う場合がある。これらの表現の示す方向は、特記無き場合図中に示した矢印の方向に従う。
また、以下の説明において、平行、直交、垂直、水平、鉛直等の表現を用いる場合があるが、これらの表現は、厳密な意味で平行、直交、垂直、水平、鉛直等の関係にある場合に限定されず、実質的に平行、直交、垂直、水平、鉛直等の関係にある場合を含む。
(1)全体構成
本発明の箱供給システムの一実施形態に係る箱供給サブシステム100を含む、箱詰システム1の全体概要を、図1~図3を参照しながら説明する。図1は、箱詰システム1のブロック図である。図2は、箱詰システム1の概略斜視図である。図3は、箱詰システム1内でのダンボールシートS/ダンボール箱B及び物品Gの動きを概略的に示す図である。
概説すると、箱詰システム1は、ダンボールシートSを開いてダンボール箱Bを製函し、製函したダンボール箱Bに物品Gを詰め、物品Gの充填されたダンボール箱Bを送り出すシステムである。
本箱詰システム1で利用されるダンボール箱B(ダンボールシートS)には、未利用の新品のダンボール箱Bに加え、再利用のダンボール箱Bを含む。
本実施形態では、物品Gは、スナック菓子等の入っている袋である。ただし、物品Gは、袋で包装された食品に限定されず、包装用の箱に入れられた食品であってもよい。また、物品Gは(包装に入れられている内容物)は、食品に限定されるものではなく、食品以外であってもよい。
箱詰システム1は、図1及び図2に示すように、第1ハンドリング領域HA1と、第2ハンドリング領域HA2と、を有する。本実施形態では、図2に示すように、箱詰システム1の前方側に第1ハンドリング領域HA1が配置され、箱詰システム1の後方側に第2ハンドリング領域HA2が配置されている。第1ハンドリング領域HA1には、図1及び図2に示すように、箱供給サブシステム100及び箱保持/封函サブシステム300が配置される。箱供給サブシステム100は、図2に示すように、箱保持/封函サブシステム300の上方に配置される。第2ハンドリング領域HA2には、図1及び図2に示すように、物品供給サブシステム200が配置される。箱詰システム1は、図2に示すようにフレーム10を有する。フレーム10は、箱供給サブシステム100、物品供給サブシステム200、及び箱保持/封函サブシステム300を支持している。
箱詰システム1では、箱供給サブシステム100、物品供給サブシステム200、及び箱保持/封函サブシステム300が連携して動作して、全体として箱詰システム1として機能する。箱供給サブシステム100、物品供給サブシステム200、及び箱保持/封函サブシステム300の各部の動作は、コントローラ400により制御される(図1参照)。コントローラ400は、例えば、CPUや記憶装置を有するコンピュータである。コントローラ400は、通信可能に接続される複数のコンピュータを含んでいてもよい。コントローラ400では、CPUが記憶装置に記憶されている箱詰システム1の制御用プログラムを実行して、箱供給サブシステム100、物品供給サブシステム200、及び箱保持/封函サブシステム300の各部の動作を制御する。なお、箱詰システム1の動作を制御するコントローラ400は、ソフトウェアで実現されなくてもよく、ハードウェアで実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアが協働することで実現されてもよい。
なお、ここでは、箱詰システム1が、箱供給サブシステム100、箱保持/封函サブシステム300、及び物品供給サブシステム200の3つのサブシステムを含むとして説明を行うが、各サブシステムは更に細かな機能ブロックに分割されていてもよい。
箱供給サブシステム100、物品供給サブシステム200、及び箱保持/封函サブシステム300の機能について概説する。
箱供給サブシステム100は、ダンボール箱Bを製函して箱保持/封函サブシステム300に供給する。具体的には、箱供給サブシステム100は、折り畳まれているダンボールシートSを一対の開口が上下に配置される状態で開函し、底蓋BC(後述する底蓋側フラップF2で形成される蓋)を有するダンボール箱Bに組み立てる。箱供給サブシステム100は、底蓋BCを有するダンボール箱Bを、箱保持/封函サブシステム300内の箱詰位置へと搬送する。
なお、ここで、ダンボールシートSを開函するとは、折り畳まれているダンボールシートSを開いて、両端が開口したダンボール箱Bに成形する動作を意味する。また、以下では、ダンボール箱Bを製函するという用語を用いる場合がある。ここでは、ダンボール箱Bを製函するとは、折り畳まれているダンボールシートSを開函して両端が開口したダンボール箱Bに成形し、更にダンボール箱Bに底蓋BCを形成して、底蓋BCを有するダンボール箱Bに組み立てる一連の動作を意味する。また、ここで、箱詰位置とは、製函されたダンボール箱Bに物品Gが充填される位置を意味する。
箱供給サブシステム100より開かれたダンボールシートSの一対の開口には、第1開口OP1と、第2開口OP2と、を含む。第1開口OP1は、箱詰位置において、ダンボール箱Bの内部に物品Gを入れるための開口である。第2開口OP2は、底蓋BCで閉鎖されている開口である。第2開口OP2は、箱詰位置でダンボール箱Bの内部に物品Gを詰める際には、底蓋BCで閉鎖されている。箱供給サブシステム100は、開函時には上方に配置されている第1開口OP1が、側方(図2及び図3では後方)を向くようにダンボール箱Bを回転させ、回転後のダンボール箱Bを箱保持/封函サブシステム300に供給する。
物品供給サブシステム200は、箱詰位置に物品Gを供給するシステムである。具体的には、物品供給サブシステム200は、上流側の工程から供給される物品Gを所定位置に搬送し、所定の個数の一群の物品Gを隣接する物品G同士がお互いに一部重なるように整列させ、箱詰位置で保持されているダンボール箱Bに一群の物品Gを押し込む。
箱保持/封函サブシステム300は、箱詰位置においてダンボール箱Bを保持し、物品Gがダンボール箱Bに所定量だけ充填されると、ダンボール箱Bの上蓋を閉めて封函し、封函されたダンボール箱Bを送り出すシステムである。具体的には、箱保持/封函サブシステム300は、物品供給サブシステム200が所定量の物品Gをダンボール箱Bに箱詰めする際、箱供給サブシステム100が供給する第1開口OP1を側方に向けているダンボール箱Bを保持する。そして、箱保持/封函サブシステム300は、ダンボール箱Bへの所定量の物品Gの箱詰め完了後に、第1開口OP1が上方を向くようにダンボール箱Bを回転させる。さらに、箱保持/封函サブシステム300は、ダンボール箱Bを搬送しながら第1開口OP1を上蓋UC(後述する上蓋側フラップF1で形成される蓋)で閉じ、上蓋UCで第1開口OP1を閉じたダンボール箱Bを箱詰システム1外へと排出する。
(2)ダンボールシート/ダンボール箱の詳細
以下に、折り畳まれているダンボールシートS(開函前のダンボール箱)と、箱供給サブシステム100において開函されたダンボール箱Bと、について、図4~図6を参照して説明する。
図4は、一対の開口(第1開口OP1及び第2開口OP2)が開いた状態のダンボール箱Bの斜視図である。具体的には、図4は、図2の箱詰システム1において、箱供給サブシステム100の後述する製函部120において開函されたダンボールシートSを左前方側から見た概略斜視図である。なお、後述のように、本箱供給サブシステム100では、ダンボールシートSの開函時にガイド140によりフラップF14が内側に倒されるが、図4にはこの状態を反映して描画していない。
図5は、折り畳まれた状態のダンボールシートSを一方側から見た図である。図6は、折り畳まれた状態のダンボールシートSを図5とは反対側から見た図である。具体的には、図5は、図2の箱詰システム1において、箱供給サブシステム100の後述するシート供給部110から製函部120へと供給されるダンボールシートSを前方側から見た概略正面図である。図6は、図2の箱詰システム1において、箱供給サブシステム100のシート供給部110から製函部120へと供給されるダンボールシートSを後方側から見た概略背面図である。
(2-1)ダンボール箱
ダンボール箱B(開函されたダンボールシートS)は、図4に示すように、側面部Tと、上蓋側フラップF1と、底蓋側フラップF2と、を主に有する。
側面部Tは、一対の開口(第1開口OP1及び第2開口OP2)を有する四角筒状の部分である。側面部Tは、ダンボール箱Bの側面を構成する。側面部Tは、図4に示すように、第1側面T1、第2側面T2、第3側面T3、及び第4側面T4を含む。第1側面T1、第2側面T2、第3側面T3、及び第4側面T4は、この順番にループ上に連なっている(図4参照)。要するに、第1側面T1は第2側面T2と接続され、第2側面T2は第3側面T3と接続され、第3側面T3は第4側面T4と接続され、第4側面T4は第1側面T1と接続されている。ダンボール箱Bの側面部Tの隣接する2つの側面、言い換えれば互いに接続されている2つの側面は直交している。また、ダンボール箱Bの側面部Tでは、第1側面T1と第3側面T3とは平行で、第2側面T2と第4側面T4とは平行である。
上蓋側フラップF1は、側面部Tの第1開口OP1側の縁部に接続されている。上蓋側フラップF1は、第1開口OP1を覆うように折られて、第1開口OP1を閉じるダンボール箱Bの上蓋となる。上蓋側フラップF1は、図4に示すように、フラップF11、フラップF12、フラップF13、及びフラップF14を含む。フラップF11、フラップF12、フラップF13、及びフラップF14は、それぞれ、長方形形状の平板状部材である。フラップF11は、第1側面T1との接続部分F11aから、接続部分F11aに直交する方向(第1側面T1から離れる方向)に縁部F11bまで延びる。フラップF12は、第2側面T2との接続部分F12aから、接続部分F12aと直交する方向に縁部F12bまで延びる。フラップF13は、第3側面T3との接続部分F13aから、接続部分F13aと直交する方向に縁部F13bまで延びる。フラップF14は、第4側面T4との接続部分F14aから、接続部分F14aと直交する方向に縁部F14bまで延びる。
本実施形態では、上蓋側フラップF1のうち、フラップF11及びフラップF13はメジャーフラップで、フラップF12及びフラップF14はマイナーフラップである。メジャーフラップとは、マイナーフラップより長さが長いフラップである。各フラップの長さは、そのフラップが接続されている側面との接続部分の長さに概ね等しい。例えば、メジャーフラップの長さは、フラップF11と第1側面T1との接続部分F11aの長さに概ね等しい。また、マイナーフラップの長さは、フラップF12と第2側面T2との接続部分F12aの長さに概ね等しい。
本実施形態では、一対のメジャーフラップF11,F13が第1開口OP1を覆うように倒されると、第1開口OP1はメジャーフラップF11,F13で概ね覆われた状態(実質的に閉じられた状態)となる。また、本実施形態では、一対のマイナーフラップF12,F14が第1開口OP1を覆うように倒されても、フラップF12とフラップF14間に隙間が形成され、第1開口OP1はマイナーフラップF12,F14で閉じられた状態にはならない。
底蓋側フラップF2は、側面部Tの第2開口OP2側の縁部に配置されている。底蓋側フラップF2は、第2開口OP2を覆うように折られて、第2開口OP2を閉じるダンボール箱Bの底蓋BCとなる。底蓋側フラップF2は、図4に示すように、フラップF21、フラップF22、フラップF23、及びフラップF24を含む。フラップF21、フラップF22、フラップF23、及びフラップF24は、それぞれ、長方形形状の平板状部材である。フラップF21~フラップF24のそれぞれは、側面部Tの第1開口OP1側の縁部ではなく、側面部Tの第2開口OP2側の縁部に配置される以外は、フラップF11~フラップF14と同様であるので、記載の重複を避けるためここでは説明を省略する。
(2-2)ダンボールシート
ダンボールシートSは、ダンボール箱Bが、平面状に折り畳まれたものである。ダンボールシートSでは、ダンボール箱Bでは四角筒状の側面部Tが、平面状に折り畳まれている。ダンボールシートSは、上蓋側フラップF1と、側面部Tと、底蓋側フラップF2と、が概ね同一仮想平面に配置される平板状となった状態で、後述する箱供給サブシステム100のシート供給部110のシート貯留部112に貯留されている。
具体的には、ダンボールシートSは、第1側面T1と第2側面T2との境界部分の折り目と、第3側面T3と第4側面T4との境界部分の折り目と、に沿って折り曲げられた状態にある。ダンボールシートSでは、第1側面T1の内面と第2側面T2の内面とによって形成される角度が、実質的に0°になるように折り曲げられている。また、ダンボールシートSでは、第3側面T3の内面と第4側面T4の内面とによって形成される角度が、実質的に0°になるように折り曲げられている。言い換えれば、ダンボールシートSは、第1側面T1の内面と第2側面T2の内面とが近接し、第3側面T3の内面と第4側面T4の内面とが近接するように折り畳まれている。また、ダンボールシートSでは、第1側面T1の内面と第4側面T4の内面とが実質的に約180°離れた状態になり、第2側面T2の内面と第3側面T3の内面とが実質的に約180°離れた状態になるように折り畳まれている。
(3)箱詰システムの詳細構成
以下に、箱詰システム1の箱供給サブシステム100、物品供給サブシステム200、及び箱保持/封函サブシステム300について詳細を説明する。
(3-1)箱供給サブシステム
箱供給サブシステム100は、シート供給部110、製函部120、第1姿勢変更部160及び箱供給部170を主に含む。(図1~図3参照)。
シート供給部110は、ダンボールシートSを貯留し、ダンボールシートSを製函部120に供給する。製函部120は、ダンボールシートSを開函し、底蓋BCを形成してダンボール箱Bを製函する。第1姿勢変更部160は、上向きに開口している第1開口OP1が、側方(後方)を向くようにダンボール箱Bの姿勢を変更する。箱供給部170は、第1姿勢変更部160が姿勢を変更した、第1開口OPを側方に向けたダンボール箱Bを箱保持/封函サブシステム300に供給する。
以下に、シート供給部110、製函部120、第1姿勢変更部160及び箱供給部170について詳細を説明する。
(3-1-1)シート供給部
シート供給部110は、図2及び図3に示すように、シート貯留部112と、シート昇降機構114と、を主に含む。
シート貯留部112には、図2に示すように、ダンボールシートSが貯留されている。シート貯留部112には、図3に示すように、上蓋側フラップF1が上側に、底蓋側フラップF2が下側に配置されるように、ダンボールシートSが立てられた状態で貯留されている。また、シート貯留部112には、前方側から見て、第3側面T3が右側に、第2側面T2が左側に配置されるような姿勢で、ダンボールシートSが貯留されている。シート貯留部112には、図2及び図3に示すように、隣接するダンボールシートSが重なり合うように、ダンボールシートSが前後方向に並べて貯留されている。
シート昇降機構114は、シート貯留部112に配置されているダンボールシートSのうち、先頭の(最も後方側の)ダンボールシートSを1枚ずつ保持して上部後方に位置する製函部120へと搬送する。シート昇降機構114は、シート貯留部112に貯留されているダンボールシートSの姿勢を特に変更することなく、ダンボールシートSを製函部120へと搬送する。
(3-1-2)製函部
製函部120は、図1~図3に示すように、開函機構130と、ガイド140と、底蓋形成機構150と、を主に含む。
概説すると、開函機構130は、シート昇降機構114が供給するダンボールシートSを受け取り、ダンボールシートSを開いて、四角筒状のダンボール箱Bに変形させる。具体的には、開函機構130は、シート昇降機構114が供給するダンボールシートSを受け取り、開函して、第1開口OP1が上方に、第2開口OP2が下方に配置される状態でダンボール箱Bを形成する。なお、本実施形態では、開函機構130は、シート昇降機構114が鉛直方向に対して傾いている状態で供給するダンボールシートSを受け取る際に、側面部Tが鉛直方向に延びるように姿勢変更する。そして、開函機構130は、ダンボールシートSを鉛直方向に立てた状態で、ダンボールシートSを開函する。
ガイド140は、開函機構130によるダンボールシートSの開函中に、第1開口OP1に配置されるダンボールシートSのフラップの1つの外面に接触して、そのフラップを内側に倒す。本実施形態では、ガイド140は、開函機構130によるダンボールシートSの開函中に、第1開口OP1に配置されるダンボールシートSのフラップF14の外面F14oに接触して、フラップF14を内側に倒す。
底蓋形成機構150は、開函機構130が開函したダンボールシートSの底蓋側フラップF2を閉じて底蓋BCを形成する。
以下に、開函機構130、ガイド140、及び底蓋形成機構150について詳細を説明する。
(3-1-2-1)開函機構
開函機構130について、図1~図6に加えて、図7~図9を参照して説明する。図7は、箱詰システム1において、開函機構130がシート供給部110から供給されたダンボールシートS(開函前のダンボールシートS)を受け取った状態を上方側から見た概略平面図である。図8は、箱詰システム1において、開函機構130がダンボールシートSを開函し終えた状態を上方側から見た概略平面図である。なお、図7及び図8では、図面が煩雑になるのを避けるため、ダンボールシートSの上蓋側フラップF1及び底蓋側フラップF2の描画は省略している。図9は、製函部120の開函機構130のブロック図である。
開函機構130は、第1吸盤131と、第2吸盤132と、第1吸引駆動部131aと、第2吸引駆動部132aと、第1支持部材133と、第2支持部材134と、支持部材駆動部135と、を主に有する(図7~図9参照)。
第1吸盤131は、第1保持部の一例である。第1吸盤131は、ダンボールシートSの隣接する第1側面T1及び第2側面T2のうち、第1側面T1を保持する。具体的には、第1吸盤131は、ダンボールシートSの第1側面T1に吸着して、第1側面T1を保持する。第1吸盤131は、第1支持部材133に取り付けられ、第1支持部材133により支持されている。第1支持部材133は、形状を限定するものではないが、アーム状の部材である。第2吸盤132は、第2保持部の一例である。第2吸盤132は、ダンボールシートSの隣接する第1側面T1及び第2側面T2のうち、第2側面T2を保持する。具体的には、第2吸盤132は、ダンボールシートSの第2側面T2に吸着して、第2側面T2を保持する。第2吸盤132は、第2支持部材134に取り付けられ、第2支持部材134により支持されている。第2支持部材134は、形状を限定するものではないが、アーム状の部材である。なお、図7及び図8では、第1吸盤131及び第2吸盤132をそれぞれ2つずつ描画しているが、第1吸盤131及び第2吸盤132の数は図示された個数に限定されるものではなく、適宜決定されればよい。
第1吸引駆動部131aは、第1吸盤131がダンボールシートSの第1側面T1に吸い付くように、第1吸盤131の吸盤の吸着面とダンボールシートSとの間に存在する空気を吸引する真空発生器である。第2吸引駆動部132aは、第2吸盤132がダンボールシートSの第2側面T2に吸い付くように、第2吸盤132の吸盤の吸着面とダンボールシートSとの間に存在する空気を吸引する真空発生器である。限定するものではないが、第1吸引駆動部131a及び第2吸引駆動部132aは、真空ポンプである。
支持部材駆動部135は、第1吸盤131と第2吸盤132とを相対移動させる駆動部の一例である。支持部材駆動部135は、限定するものではないが、エアシリンダや、モータである。本実施形態では、支持部材駆動部135は、第1吸盤131の取り付けられた第1支持部材133を所定の回転軸O(図3参照)周りで旋回させることで、第1吸盤131を第2吸盤132に対して移動させる。ここでは、回転軸Oは、鉛直方向に延びる。なお、第1吸盤131と第2吸盤132とを相対移動させる駆動部は、第1吸盤131を移動させる代わりに、第2支持部材134を所定の回転軸(図示せず)周りで旋回させることで、第2吸盤132を第1吸盤131に対して移動させてもよい。また、第1吸盤131と第2吸盤132とを相対移動させる駆動部は、第1支持部材133及び第2支持部材134の両方を旋回させて、第1吸盤131と第2吸盤132とを相対移動させてもよい。さらに、第1吸盤131と第2吸盤132とを相対移動させる駆動部は、第1支持部材133を所定の回転軸O周りに旋回させる代わりに、図示しないリンク機構等を用いて、第1支持部材133を所定の軌道で移動させてもよい。
なお、支持部材駆動部135は、第1吸盤131が仮想直線Aを回転中心として回転するような軌道で第1支持部材133を移動させるように設計されていることが好ましい(図4~図8参照)。なお、仮想直線Aは、第1側面T1と第2側面T2との連結部分に沿って延びる仮想直線、又は、第1側面T1と第2側面T2との連結部分に平行に延びる、連結部分の近傍を通過する仮想直線である。なお、支持部材駆動部が、第2吸盤132を移動させる場合には、支持部材駆動部は、第2吸盤132が仮想直線Aを回転中心として回転するような軌道で第2支持部材134を移動させるように設計されていることが好ましい。
開函機構130は、折り畳まれているダンボールシートSの第1側面T1を保持している第1吸盤131と、折り畳まれているダンボールシートSの第2側面T2を保持している第2吸盤132と、を支持部材駆動部135で相対移動させて、第1開口OP1が上方に配置され第2開口OP2が下方に配置される状態でダンボール箱Bを開く(図7及び図8参照)。具体的には、支持部材駆動部135は、第1側面T1の内面と第2側面T2の内面とのなす角度αが概ね0°から90°に変化するように、第1吸盤131を第2吸盤132に対して相対移動させる(図7及び図8参照)。なお、本実施形態では、開函機構130は、ダンボールシートSを鉛直方向に立てた状態でダンボールシートSを開函する。そのため、ダンボールシートSの開函完了時には、ダンボール箱Bの第1開口OP1の直下にダンボール箱Bの第2開口OP2が配置される。
(3-1-2-2)ガイド
ガイド140について、図10~図12を参照して説明する。図10は、箱詰システム1に取り付けられているガイド140の概略斜視図である。なお、図10では、シート供給部110や開函機構130の各種構成の描画を省略している。図11A~図11Dは、ガイド140及び開函機構130により開かれるダンボールシートSを上方から見た模式図である。図11A~図11Dは、ダンボールシートSが、折り畳まれた状態(図11A参照)から、開かれた状態(図11D参照)になるまでを、段階的に示した図である。なお、図11A~図11Dでは、第1吸盤131及び第2吸盤132以外の、開函機構130の構成部材の描画を省略している。また、図11A~図11Dでは、図面が煩雑になるのを避けるため、ダンボールシートSのフラップF1,F2の描画は省略し側面部Tだけを描画している。また、図11A~図11Dでは、箱詰システム1のフレーム10や、フレーム10に取り付けられている、後述する上部部材156の描画を省略している。図12は、ガイド140及び開函機構130により保持されている折り畳まれた状態のダンボールシートSを、後方側から見た概略背面図である。なお、図12では、第1吸盤131及び第1支持部材133以外の開函機構130の構成部材の描画を省略している。また、図12では、箱詰システム1のフレーム10や、フレーム10に取り付けられている上部部材156の描画を省略している。
ガイド140は、開函機構130によるダンボールシートSの開函中に、第1開口OP1に配置されるダンボールシートSのフラップF14の外面F14oに接触して、フラップF14を内側に倒す部材である。言い換えれば、ガイド140は、開函機構130によるダンボールシートSの開函中に、ダンボールシートSのフラップF14が通過する経路内に配置され、外面F14oに接触して、フラップF14を内側に倒す部材である。
ガイド140は、例えば図10に示されているような平板状の部材である。ただし、ガイド140の形状は、平板状に限定されるものではなく、適宜選択されればよい。ガイド140は、例えば、金属製であってもよいし、樹脂製やゴム製であってもよい。
ガイド140は、例えば上部部材156に取り付けられている。ただし、ガイド140は、上部部材156を介して間接的にフレーム10に固定されるものではなくてもよく、直接的にフレーム10に固定されてもよい。
上部部材156は、箱詰システム1のフレーム10に取り付けられている部材である。上部部材156は、後述する底蓋形成機構150がダンボール箱Bに底蓋BCを形成する際、底蓋側フラップF2が底蓋形成機構150を構成する部材により押されて、ダンボール箱Bが上方に移動することを抑制する部材である。具体的には、上部部材156は、ダンボール箱Bの底蓋BCの形成時に、ダンボール箱Bの上方への移動をその底面で規制する部材である。
なお、上部部材156は、箱供給サブシステム100が取り扱うダンボールシートSのサイズの違いに対応できるよう高さ位置が調整可能であることが好ましい。ここでのダンボールシートSのサイズの違いとは、上蓋側フラップF1の縁部から底蓋側フラップF2の縁部までの長さの違いを意味する。言い換えれば、箱供給サブシステム100は、上部部材156の高さ位置(特には、底蓋BCの形成時にダンボール箱Bに対向する上部部材156の底面の高さ位置)を調整する位置調整機構158を備えることが好ましい(図10参照)。位置調整機構158は、例えば、ボールねじやシリンダ等を利用して、上部部材156をフレーム10に対して上下に移動させることが可能な機構である。ただし、位置調整機構158は、上部部材156の高さ位置を調整可能な機構であれば、特定種類の機構に限定されない。また、位置調整機構158は、モータや空気圧を利用して上部部材156の高さ位置を調整可能な機構でもよいし、手動で上部部材156の高さ位置を調整可能な機構(上部部材156をフレーム10に対して異なる高さ位置で固定可能な機構)でもよい。
ガイド140は、前述のように上部部材156に取り付けられている。そのため、位置調整機構158は、ガイド140の高さ位置を調整する位置調整機構としても機能する。要するに、位置調整機構158が存在することで、ガイド140のフレーム10に対する高さ位置を調整することが可能である。そして、ガイド140のフレーム10に対する高さ位置が位置調整機構158により調整可能であることで、ダンボールシートSの大きさや、後述するようなガイド140の使用の要/不要に応じて、ガイド140の高さ位置も調整することができる。
また、ガイド140は、上部部材156に対して高さ位置を調整可能であることが好ましい。言い換えれば、ガイド140は、上部部材156に対して高さ位置を調整する位置調整機構142を備えることが好ましい。例えば、位置調整機構142はヒンジを含む。ガイド140が位置調整機構142のヒンジを介して上部部材156に接続され、ガイド140がヒンジにより回動することで、ガイド140の上部部材156に対する高さ位置を変更可能である。ただし、位置調整機構142は、ヒンジを含まなくてもよく、ガイド140の上部部材156に対する高さ位置を調整可能な機構であれば、特定の種類の機構に限定されない。また、位置調整機構142は、モータや空気圧を利用してガイド140の高さ位置を調整可能な機構でもよいし、手動でガイド140の高さ位置を調整可能な機構(ガイド140を上部部材156に対して異なる高さ位置で固定可能な機構)でもよい。
ガイド140の高さ位置が位置調整機構142により調整可能であることで、ガイド140がフラップF14に接触する高さ位置を調整可能である。また、ガイド140の高さ位置が位置調整機構142により調整可能であることで、後述するようなガイド140の使用の要/不要に応じて、ガイド140をフラップF14に接触させるか否かを変更できる。
ガイド140が、開函機構130によるダンボールシートSの開函中に、ダンボールシートSにどのように接触するかについて図11A~図11Dを参照しながら説明する。
なお、ここでは、ガイド140は、ダンボールシートSのフラップF14に接触可能な高さ位置(図12中の実線で示したガイド140参照)に配置されているものとする。開函機構130によるダンボールシートSの開函中に、ガイド140の位置は変化しない。言い換えれば、ガイド140は、開函機構130によるダンボールシートSの開函中は不動の部材である。
開函機構130によるダンボールシートSの開函の開始前には、ガイド140は、図12に実線で描画しているように、ダンボールシートSの第1開口OP1に配置されるフラップF14の後方に配置されている。第1開口OP1は、ダンボールシートSが開函機構130により開函された時に上方に配置される。フラップF14は、前述のようにマイナーフラップである。この状態で、開函機構130は、折り畳まれているダンボールシートSの開函を開始する。具体的には、支持部材駆動部135が、上面視において、ダンボールシートSの第1側面T1を保持している第1吸盤131を、ダンボールシートSの第2側面T2を保持している第2吸盤132に対し移動させる。第1吸盤131は、好ましくは、前述の仮想直線Aを回転中心として回転する。
第1吸盤131が仮想直線Aを回転中心としてある角度だけ回転すると、ガイド140は、フラップF14の外面F14o(図12参照)に接触する。第1吸盤131が仮想直線Aを回転中心として更に回転すると、ガイド140は、フラップF14の外面F14oを押して、フラップF14を内側に倒す(図11B参照)。要するに、ガイド140は、開函機構130による開函中に、ダンボールシートSのフラップF14の外面F14oに接触して内側に倒す。なお、フラップF14が、ダンボールシートSの第1開口OP1にフラップF14に隣接して配置されるフラップF11,F13より先に内側に倒れることで、以下の効果が得られる。フラップF11,F13は、例えば重力等の影響によって内側に傾くおそれがある。しかし、フラップF11,F13の内側には、先に倒されているフラップF14が存在するため、内側に倒れるフラップF11の内面やフラップF13の内面F13i(図2及び図3参照)には、フラップF14が接触する。そのため、フラップF11,F13はそれ以上倒れず、ダンボールシートSが開函される時に、ダンボールシートの側面部Tの内部にフラップF11やフラップF13が入り込んだ状態になることが抑制されやすい。
開函機構130によるダンボールシートSの開函時の説明に戻る。第1吸盤131が仮想直線Aを回転中心として、図11Bの状態からある角度だけ回転すると、ガイド140は、ダンボールシートSの第1開口OP1にフラップF14に隣接して配置される、ダンボールシートSのフラップF13の内面F13iに接触する。第1吸盤131が仮想直線Aを回転中心として更に回転すると、ガイド140は、フラップF13の内面F13iを押して、フラップF13を外側に倒す(図11C参照)。要するに、ガイド140は、開函機構130による開函中に、ダンボールシートSのフラップF13の内面F13iに接触して外側に倒す。
開函機構130は、支持部材駆動部135が、第1吸盤131を、ダンボールシートSの開函の開始時点から、仮想直線Aを回転中心として約90°回転させると、開函動作を完了する。開函機構130による開函完了時には、第1側面T1の内面と第2側面T2の内面とのなす角度αは概ね90°である。開函機構130による開函完了時には、ガイド140は、開函されたダンボールシートS(ダンボール箱B)により囲まれた領域の外側に配置される。
さて、上述のようにしてガイド140がフラップF14を内側に倒す主な目的は、フラップF14に隣接するフラップF11,F13がダンボールシートSの側面部Tの内部に入り込んだ状態になることが抑制することにある。フラップF11,F13がダンボールシートSの側面部Tの内部に入り込んだ状態は、ダンボールシートSが再利用品である時に特に発生しやすい。
一方で、ダンボールシートSが未利用品(新品)である時には、フラップF1は側面部Tに対して未だ折られていない(折り目がついていない)ため、フラップF11,F13がダンボールシートSの側面部Tの内部に入り込んだ状態は生じにくい。また、ダンボールシートSが未利用品である場合には、フラップF1が側面部Tに対して未だ折られていないため、ガイド140がフラップF14の外面F14oに接触すると、フラップF14が第4側面T4との接続部分でうまく折れずに変形する恐れがある。そのため、例えばダンボールシートSが未利用品である場合には、ガイド140を利用しない方がよい場合もある。
そこで、ガイド140が不要な場合には、位置調整機構158や位置調整機構142によりガイド140の高さ位置を調整することで、ガイド140が、図12に破線で示すようなフラップF14,F13とは接触しない高さ位置に位置調整されることが好ましい。
(3-1-2-3)底蓋形成機構
底蓋形成機構150は、開函機構130が開函したダンボールシートS(第1開口OP1及び第2開口OP2が開いているダンボール箱B)の底蓋側フラップF2に図示しない閉鎖用部材を接触させて底蓋側フラップF2を閉める。言い換えれば、底蓋形成機構150は、開函機構130により開函されたダンボールシートSの第2開口OP2に配置される底蓋側フラップF2を閉じて底蓋BCを形成し、底蓋BCを有するダンボール箱Bを製函する。具体的には、底蓋形成機構150は、図示しない閉鎖部材で、フラップF21の外面にフラップF22の一部が、フラップF22の外面にフラップF23の一部が、フラップF23の外面にフラップF24の一部が、フラップF24の外面にフラップF21の一部が、それぞれ重なるように底蓋側フラップF2を折り込み、底蓋BCを形成する。言い換えれば、底蓋形成機構150は、底蓋側フラップF2をいわゆる卍折りする。
なお、上記の底蓋BCの形成方法は一例にすぎない。例えば、底蓋形成機構150は、フラップF22及びフラップF24が内側に、フラップF21及びフラップF23が外側に配置されるように底蓋側フラップF2を折り込んでもよい。そして、底蓋形成機構150は、図示しないテープ貼付機構で、第4側面T4と、フラップF21及びフラップF23の境界部分と、第2側面T2と、に順にテープ(図示せず)を貼付し、ダンボール箱Bの底蓋BCを形成してもよい。
なお、底蓋形成機構150が底蓋側フラップF2に接触した時に、ダンボール箱Bが上方へと位置ずれすることを抑制するために、底蓋形成機構150で形成されるダンボール箱Bの上方には、上述の上部部材156が配置されることが好ましい。上部部材156は、その底面の少なくとも一部が、底蓋形成機構150により底蓋BCが形成されるダンボール箱Bの上蓋側フラップF1の端部近傍上方に配置されていることが好ましい。
底蓋形成機構150が底蓋BCを形成したダンボール箱Bは、図示しない移動機構により、第1姿勢変更部160へと後方に搬送される。
(3-1-2-4)第1姿勢変更部
第1姿勢変更部160は、回転機構の一例である。第1姿勢変更部160は、製函部120の後方に配置されている。第1姿勢変更部160は、底蓋形成機構150により底蓋BCが形成されたダンボール箱Bを、第1開口OP1が側方を向くように回転させる。具体的には、第1姿勢変更部160は、底蓋形成機構150による底蓋BCの形成後に後方へと搬送されてくるダンボール箱Bを、搬送方向に概ね90°回転させる。言い換えると、第1姿勢変更部160は、ダンボール箱Bの上方に配置されている第1開口OP1が後方を向くように、左右方向に延びる水平軸周りに90°回転させる。
さて、上述のようにガイド140により内側に倒されているフラップF14は、第1姿勢変更部160による回転前にはダンボール箱Bの上部後方に配置され、第1姿勢変更部160による90°回転後にはダンボール箱Bの下部後方に配置される。言い換えれば、第1姿勢変更部160は、第1開口OP1が側方を向くようにダンボール箱Bを回転された後に、第1開口OP1の下方にフラップF14が配置されるように、ダンボール箱Bを回転させる。第1姿勢変更部160がここで説明するようにダンボール箱Bを回転させるとき、フラップF14が外向きに開く方向とダンボール箱Bの回転方向とは一致する。そのため、第1姿勢変更部160がダンボール箱Bを回転させると、内側に倒れていたフラップF14に外向きに開く方向に遠心力が付与される。したがって、第1姿勢変更部160がダンボール箱Bを回転させた時にフラップF14は、外側に倒れた状態や、概ね水平な状態になりやすい。
なお、メジャーフラップであるフラップF11,F13は、重力等の影響で、開函後に内向きに倒れる可能性も考えられる。しかし、フラップF11,F13が仮に内向きに倒れていたとしても、上述したようにガイド140により内側に倒されるフラップF14はフラップF11,F13の内側に存在する。そのため、第1姿勢変更部160がダンボール箱Bを回転させると、フラップF11,F13の内面が、遠心力で外向きに開く方向に付勢されるフラップF14により押され、フラップF11,F13は外向きに開く方向に付勢される。
このように、本実施形態の箱供給サブシステム100では、フラップF14やフラップF11,F12が、ダンボール箱Bの内部側に倒れた状態になりにくい。そのため、後述するフラップ開き機構190に比較的単純な構造を採用しても、上蓋側フラップF1を外向きに開くことが容易で、箱詰システム1のコストが低減されやすい。また、本実施形態の箱供給サブシステム100では、後述するフラップ開き機構190に比較的単純な構造を採用可能であるため、箱詰システム1のコンパクト化も図られやすい。
第1姿勢変更部160により回転させられたダンボール箱Bは、図示しない移動機構により、箱供給部170へと後方へと搬送される。
(3-1-2-5)箱供給部
箱供給部170は、第1姿勢変更部160の後方に配置されている。箱供給部170は、第1姿勢変更部160により第1開口OP1が後方に向けられたダンボール箱Bを箱保持/封函サブシステム300に供給する。箱供給部170は、搬送部180と、フラップ開き機構190と、を主に有する。
箱供給部170について、主に図13~図17を参照しながら説明する。
図13Aは、箱供給部170の搬送部180を前方側から見た概略正面図であり、搬送部180が第1姿勢変更部160側から供給されるダンボール箱Bを受け取る時の状態を描画している。図13Bは、箱供給部170の搬送部180を前方側から見た概略正面図であり、搬送部180が受け取ったダンボール箱Bを後述する搬送ベルト182aで挟んで保持している状態を描画している。図14は、搬送部180が搬送するダンボール箱Bの上面の位置が、搬送部180の搬送ベルト182aの上端高さより高い場合に、ダンボール箱Bに起こり得る状態を説明するための模式的な図である。図14も、図13A及び図13Bと同様に、箱供給部170の搬送部180を前方側から見た概略正面図である。図15は、箱供給部170のフラップ開き機構190を右前方から見た概略斜視図である。図16は、フラップ開き機構190のブロック図である。図17A~図17Eは、箱供給部170のフラップ開き機構190を右方から見た概略側面図であり、フラップ開き機構190が、上蓋側フラップF1を開く動作を説明するための図である。
搬送部180は、第1姿勢変更部160により回転させられた後、図示しない移動機構により搬送されてくるダンボール箱Bを受け取り、下方の箱詰位置へと搬送する機構である。箱詰位置は、箱保持/封函サブシステム300において、ダンボール箱Bに物品Gが箱詰めされる位置である。フラップ開き機構190は、搬送部180の後方に配置されている。フラップ開き機構190は、搬送部180が受け取ったダンボール箱Bの上蓋側フラップF1を外側に開く機構である。フラップ開き機構190を用いることで、ダンボール箱Bは、上蓋側フラップF1が外向きに開かれた状態で下方の箱詰位置へと搬送される。搬送部180及びフラップ開き機構190について詳細を説明する。
(A)搬送部
搬送部180は、一対の搬送ベルト機構182と、各搬送ベルト機構182の搬送ベルト182aに設けられた突起部184と、突起部184を検出する光電センサ186と、を含む(図13A参照)。なお、図13Aでは、各搬送ベルト182aに突起部184が1つだけ設けられた態様を描画しているが、突起部184は各搬送ベルト182aに複数設けられてもよい。また、図13Aでは、光電センサ186は、搬送ベルト機構182の上方に配置されているが、光電センサ186の設置位置は描画された位置に限定されるものではなく、突起部184の位置を把握することが可能であれば他の位置に適宜変更されてもよい。
一対の搬送ベルト機構182のそれぞれは、左右に間隔を開けて、略左右対称に並べて配置されている。各搬送ベルト機構182は、搬送ベルト182aと、複数のローラ182bを含むローラ群と、ローラ182bの少なくとも一部に接続され、接続されたローラ182bを回転させるローラ駆動部(図示せず)と、を主に含む。搬送ベルト182aは、材質を限定するものではないが、例えばゴム製である。各搬送ベルト機構182のローラ群のローラ182bには、搬送ベルト182aが掛け回されている。ローラ駆動部は、駆動部の種類を限定するものではないが、例えばモータである。
一対の搬送ベルト機構182は、互いに接近するように、また、互いに離反するように、図示しない移動装置を用いて移動可能に構成されている。本実施形態では、搬送ベルト182aは、移動装置により左右方向に移動可能に構成されている。機構移動装置は、その種類を限定するものではないが、例えば、空気圧を利用したシリンダや、モータを利用することができる。一対の搬送ベルト機構182は、前方から搬送されてくる第1開口OP1を後方に向けたダンボール箱Bを受け取る際には、一対の搬送ベルト機構182の間にダンボール箱Bが進入可能なように、一対の搬送ベルト機構182はダンボール箱Bの左右方向の幅より離れた状態で待機している(図13A参照)。具体的には、前方から搬送されてくるダンボール箱Bを受け取る際には、一方の搬送ベルト機構182の搬送ベルト182aの保持面182a1と、他方の搬送ベルト機構182の搬送ベルト182aの保持面182a1とは、ダンボール箱Bの左右方向の幅より離れた状態にある。搬送ベルト182aの保持面182a1は、搬送ベルト機構182はでダンボール箱Bを保持する際に、ダンボール箱Bの側面部Tに接触する面である。上述のコントローラ400は、例えば図示しない光電センサにより一対の搬送ベルト機構182の間にダンボール箱Bが供給されたことを検出すると、一対の搬送ベルト機構182を互いに接近させる(図13B参照)。そして、搬送部180は、一方の搬送ベルト機構182の搬送ベルト182aの保持面182a1と、他方の搬送ベルト機構182の搬送ベルト182aの保持面182a1との間で、ダンボール箱Bの側面部Tを挟み込んで保持する。具体的には、搬送部180は、一方の搬送ベルト機構182の搬送ベルト182aの保持面182a1を第3側面T3に、他方の搬送ベルト機構182の搬送ベルト182aの保持面182a1を第1側面T1に接触させて、ダンボール箱Bを挟み込み、ダンボール箱Bを保持する。一対の搬送ベルト182aの間にダンボール箱Bが挟み込まれた状態でローラ駆動部が駆動されると、搬送ベルト182aが回転する。具体的には、ローラ駆動部が駆動されると、前方側から見て、右側に配置された搬送ベルト182aは反時計方向に、左側に配置された搬送ベルト182aは時計方向に回転する。このように、搬送ベルト182aが回転する結果、搬送ベルト182aの回転に伴い搬送ベルト182a間に挟まれたダンボール箱Bが下方へと搬送される。
なお、好ましくは、搬送部180は、搬送ベルト機構182の搬送ベルト182aの保持面182a1の上端位置H1が、搬送部180の搬送するダンボール箱Bの上面BT(本実施形態では第2側面T2)の位置より高くなるように設計される(図13A参照)。また、ダンボール箱Bのサイズが変わっても、保持面182a1の上端位置H1が搬送部180の搬送するダンボール箱Bの上面BTの位置より高くなるように、搬送ベルト機構182の高さ位置は調整可能であることがより好ましい。
搬送ベルト機構182の搬送ベルト182aの保持面182a1の上端位置H1が、搬送部180の搬送するダンボール箱Bの上面BTの位置より高いことにより得られる利点について説明する。
まず、図14のように、搬送ベルト182aの保持面182a1の上端位置H1が、搬送部180の搬送するダンボール箱Bの上面BTの位置より低い場合を仮定する。この場合には、一方の搬送ベルト機構182の搬送ベルト182aの保持面182a1と、他方の搬送ベルト機構182の搬送ベルト182aの保持面182a1との間で挟み込んでダンボール箱Bを保持した際に、ダンボール箱Bが変形する可能性がある。その理由は、ダンボール箱Bの上部側の比較的強度の高いダンボール箱Bの角部B1が、搬送ベルト182aの保持面182a1の上端位置H1より高い位置に配置され、保持面182a1がダンボール箱Bの比較的強度の低い部分を挟持することになるためである。ダンボール箱Bが変形した場合には、搬送ベルト182aの保持面182a1間でダンボール箱Bをしっかりとグリップできず、搬送ベルト182aでダンボール箱Bを所定位置まで搬送できない等の不具合が発生する可能性がある。
これに対し、図13Bに示した本実施形態の搬送部180のように、保持面182a1の上端位置H1が搬送部180の搬送するダンボール箱Bの上面BTの位置より高い場合には、図14のような態様のダンボール箱Bの変形は発生しにくい。そのため、搬送ベルト182aの保持面182a1間でダンボール箱Bをしっかりとグリップできず、搬送ベルト182aでダンボール箱Bを所定位置まで搬送できない等の不具合の発生は抑制されやすい。
また、本実施形態では、図13Bに示すように、搬送ベルト182aの保持面182a1に、保持面182a1から突出する突起部184が設けられている。そして、前述のコントローラ400は、搬送部180がダンボール箱Bの搬送を開始する際に、搬送ベルト182aの搬送方向において、ダンボール箱Bよりも上流側に突起部184が配置されるように搬送ベルト機構182(特にローラ駆動部)の動作を制御する。また、コントローラ400は、搬送部180がダンボール箱Bの搬送を開始する際に、突起部184が左右対称な位置に配置されるよう、搬送ベルト機構182(特にローラ駆動部)の動作を制御する。なお、コントローラ400は、光電センサ186による突起部184の検知結果に基づき、突起部184の位置を把握する。突起部184が保持面182a1に配置され、搬送ベルト機構182が上述のように制御されることで、ダンボール箱Bの搬送時に、搬送ベルト182aの保持面182a1とダンボール箱Bの側面部Tとの間で滑りが発生した場合でも、突起部184でダンボール箱Bの上面BTを押し下げて、ダンボール箱Bを箱詰位置まで搬送することができる。なお、搬送ベルト182aの保持面182a1とダンボール箱Bの側面部Tとの間で滑りが発生しない場合には、搬送部180によるダンボール箱Bの搬送時に突起部184はダンボール箱Bに接触しない。
(B)フラップ開き機構
フラップ開き機構190は、図16のように、第1アーム191、第2アーム192、第3アーム193、第4アーム194、エアノズル195、第1アーム駆動部191a、第2アーム駆動部192a、第3アーム駆動部193a、第4アーム駆動部194a、及び遮断弁195aを含む。
第1アーム駆動部191a、第2アーム駆動部192a、第3アーム駆動部193a、及び第4アーム駆動部194aは、それぞれ、第1アーム191、第2アーム192、第3アーム193、及び第4アーム194に対応している。第1アーム駆動部191a、第2アーム駆動部192a、第3アーム駆動部193a、及び第4アーム駆動部194aのそれぞれは、対応するアームに後述させるような動作を実行させる駆動部である。駆動部の種類を限定するものではないが、アーム駆動部191a~194aは、たとえばエアシリンダである。エアノズル195は、圧縮空気を送る図示しないチューブと連通している。チューブには遮断弁195aが設けられており、遮断弁195aが開いている時には、エアノズル195から圧縮空気が噴き出す。遮断弁195aが閉じられている時には、エアノズル195からは圧縮空気は噴き出さない。
第1アーム191、第2アーム192、第3アーム193、第4アーム194、及びエアノズル195の機能について説明する。
第1アーム191は、フラップF11を開くためのアームである。第1アーム191は、所定のタイミングで第1アーム駆動部191aにより動かされ、フラップF11が外側に倒れるように、フラップF11の内面を外向きに押す。
第2アーム192は、フラップF12を開くためのアームである。第2アーム192は、所定のタイミングで第2アーム駆動部192aにより動かされ、フラップF12が外側に倒れるように、フラップF12の内面を外向きに押す。第2アーム192は、フラップF12が外側に倒れるように、フラップF12の内面を上向きに押す。なお、第2アーム192には、図15のように、エアノズル195が設けられている。エアノズル195は、左方向及び右方向に空気を吹き出す。
第3アーム193は、フラップF13を開くためのアームである。第3アーム193は、所定のタイミングで第3アーム駆動部193aにより動かされ、フラップF13が外側に倒れるように、フラップF13の内面を外向きに押す。
第4アーム194は、フラップF14を開くためのアームである。第4アーム194は、所定のタイミングで第4アーム駆動部194aにより動かされ、フラップF14が外側に倒れるように、フラップF14の内面を外向きに押す。第4アーム194は、フラップF14が外側に倒れるように、フラップF14の内面を下向きに押す。
次に、第1アーム191、第2アーム192、第3アーム193、第4アーム194の動作、及び、エアノズル195の空気の噴き出しのタイミングについて説明する。
搬送部180がダンボール箱Bを受け取り、搬送部180が一対の搬送ベルト182aでダンボール箱Bを挟み込んで保持すると、コントローラ400は、以下の順序でアーム191~194、及びエアノズル195を動作させる。
なお、前提として、フラップ開き機構190が上蓋側フラップF1を開く動作を開始する前には、アーム191~194は、図17Aで示すような待機位置で待機している。待機位置で待機しているアーム191~194は、上蓋側フラップF1には通常接触していない。また、フラップ開き機構190が上蓋側フラップF1を開く動作を開始する前には、遮断弁195aは閉じられており、エアノズル195からは空気が吹き出していない。フラップ開き機構190が上蓋側フラップF1を開く動作を開始する前には、上方に配置されるフラップF12は、第1姿勢変更部160によるダンボール箱Bの回転に伴う遠心力と、重力との影響により、一般に内側に倒れた状態になっている場合が多い(図17A参照)。一方、下方に配置されるフラップF14は、第1姿勢変更部160によるダンボール箱Bの回転に伴う遠心力と、重力との影響により、一般に外側に倒れた状態になっている場合が多い(図17A参照)。
さて、コントローラ400は、初めに、図17Bのように、第2アーム192がフラップF12を上方に開くように第2アーム駆動部192aを制御する。また、このタイミングで、コントローラ400は、閉じられていた遮断弁195aを開き、エアノズル195から左右方向に(言い換えれば、メジャーフラップF11,F13に向かって)空気を吹き出させる。このようにエアノズル195から吹き出す空気をメジャーフラップF11,F13の内面に当たることで、第2アーム192が動作してフラップF12が図17Aのように内側に倒れた状態ではなくなっても、メジャーフラップF11,F13が内側に倒れにくい。
次に、コントローラ400は、図17Cのように、第1アーム191がフラップF11を左方に開き、第3アーム193がフラップF13を右方に開くように、第1アーム駆動部191a及び第3アーム駆動部193aを制御する。コントローラ400は、第1アーム191がフラップF11を左方に開き、第3アーム193がフラップF13を右方に開くと、遮断弁195aを閉じてエアノズル195からのエアの吹き出しを停止する。
次に、コントローラ400は、図17Dのように、第4アーム194がフラップF14を下方に開くように、第4アーム駆動部194aを制御する。
搬送部180は、以上のようなアーム191~194の動作により上蓋側フラップF1が開かれると、図17Eのように、その状態を維持したまま、ダンボール箱Bを下方の箱詰位置へと搬送する。
(3-2)物品供給サブシステム
物品供給サブシステム200は、物品搬入部210と、物品整列部220と、物品押込部230と、を主に含む(図1~図3参照)。
物品搬入部210は、上流側の工程から供給された物品Gの供給を受けて物品整列部220まで搬送する。物品整列部220は、物品Gを集積しながら所定位置まで搬送する。物品押込部230は、物品整列部220で整列された物品Gを、箱保持/封函サブシステム300内の箱詰位置に置かれているダンボール箱B内に押し込んで箱詰めする。
以下に、物品搬入部210、物品整列部220、及び物品押込部230について詳細を説明する。
(3-2-1)物品搬入部
物品搬入部210は、図2に示すように、物品導入コンベア211と搬入コンベア212とを有する。物品導入コンベア211及び搬入コンベア212は、物品Gを搬送するコンベアである。コンベアのタイプを限定するものではないが、物品導入コンベア211及び搬入コンベア212は、例えばベルトコンベアである。
物品導入コンベア211は、上流側の工程(例えば、物品Gに関する各種検査)を経て箱詰システム1へと送られてくる物品Gの供給を受け、受け取った物品Gを搬入コンベア212へと導く。
搬入コンベア212は、物品導入コンベア211から搬送されてくる物品Gを受け、受け取った物品Gを物品整列部220へと搬送する。
(3-2-2)物品整列部
物品整列部220は、図3に示すように、複数の整列コンベア222,223を有する。物品整列部220は、物品Gに対して集積動作を行いながら物品押込部230まで物品Gを搬送する。
(3-2-3)物品押込部
物品押込部230について、図3に加え、図18~図21を参照しながら説明する。図18は、物品押込部230を後方側から見た概略背面図である。図19Aは、物品押込部230を上方側から見た概略平面図であり、物品押込部230が一群の物品Gをダンボール箱Bに押し込む前の状態を描画している。図19Bは、物品押込部230を上方側から見た概略平面図であり、物品押込部230が一群の物品Gをダンボール箱Bへの押し込み中の物品押込部230の状態を描画している。図20は、物品押込部230を右方から見た概略側面図であり、一群の物品Gのダンボール箱Bへの押し込み中の物品押込部230の状態を模式的に描画している。
物品押込部230は、物品整列部220の整列コンベア223で一列に整列した一群の物品Gをダンボール箱B内に詰め込む。
物品押込部230は、起立コンベア231と、第1ガイド232と、第2ガイド233と、シャッタ234と、押し込み部材235と、を主に有している。
起立コンベア231は、整列コンベア223の下流端に設けられ、列をなして搬送されてくる物品Gの、整列コンベア223の搬送方向の移動を規制する。また、起立コンベア231は、搬送面を鉛直上方へと移動させることで、特に先頭の物品G(一群の物品Gのうち、整列コンベア223の搬送方向における最下流側の物品G)を、図3に描画されているような倒れた状態ではなく、図18のように立てられた状態に導く。整列コンベア223では、一群の物品Gが立てられた状態で集積される。なお、図18~図19では、6個の物品を一群の物品Gとして描画しているが、一群の物品Gに含まれる物品Gの個数は、適宜決定されればよい。さらに、起立コンベア231は、押し込み部材235を用いて一群の物品Gをダンボール箱Bに押し込む際に、一群の物品Gの移動を右方側でガイドする。
第1ガイド232及び第2ガイド233は、整列コンベア223の上流端に設けられ、押し込み部材235を用いて一群の物品Gをダンボール箱Bに押し込む際に、一群の物品Gの移動を左方側でガイドする部材である。第1ガイド232及び第2ガイド233は、例えば平板状の部材である。第1ガイド232は、整列コンベア223に物品Gを集積する際には、図18及び図19Aに描画されているように、物品Gの移動を妨げないよう、整列コンベア223の搬送方向に平行な状態で整列コンベア223の前端側に配置されている。第2ガイド233は、整列コンベア223に物品Gを集積する際には、図18及び図19Aに描画されているように、物品Gの移動を妨げないよう、整列コンベア223の搬送方向に平行な状態で整列コンベア223の後端側に配置されている。
整列コンベア223に一群の物品Gが集積されると、第1ガイド232は、鉛直方向を回転軸方向として、整列コンベア222の搬送路上に第1ガイド232が張り出すように(上方から見て時計回りに)約90°回転する(図18及び図19に実線で描画されている第1ガイド232を参照)。また、整列コンベア223に一群の物品Gが集積されると、第2ガイド233は、鉛直方向を回転軸方向として、整列コンベア223の搬送路上に第2ガイド233が張り出すように(上方から見て反時計回りに)約90°回転する(図18及び図19に実線で描画されている第2ガイド233を参照)。
なお、本実施形態では、図19Aに描画されているように、第1ガイド232及び第2ガイド233が鉛直方向を回転軸方向として回転し、互いに整列コンベア223の搬送路上に張り出した状態になっている時であっても、第1ガイド232と第2ガイド233との間には隙間が空いた状態にある。このような状態で押し込み部材235によりダンボール箱Bにより一群の物品Gを押し込むと、第1ガイド232と第2ガイド233との隙間に物品Gが引っかかり、物品Gの包装用の袋が破袋するなどの不具合が発生する恐れがある。したがって、このような隙間はできるだけ小さいことが好ましい。
このような隙間は、例えば、第1ガイド232及び第2ガイド233の長さを長くすれば無くすことができる。しかし、第1ガイド232及び第2ガイド233の長さを単に長くした場合には、第1ガイド232及び第2ガイド233を整列コンベア223の搬送方向に平行な状態とした時に、第1ガイド232及び第2ガイド233は水平方向に対して傾いている整列コンベア222に接触してしまう。このような事態を避けるためには、整列コンベア223の長さを長くすることが必要になり、物品供給サブシステム200の大型化という別の問題が生じる。
そこで、好ましくは、本実施形態のように、第2ガイド233は、押し込み部材235が物品Gをダンボール箱Bに押し込むために前方に動くのと連動して、図示しない駆動部(例えばシリンダ)により前方に動かされることが好ましい。このように構成されることで、押し込み部材235による物品Gの押し込み時に、第1ガイド232と第2ガイド233との間の隙間を無くす、あるいは、隙間を小さくすることが可能となる。その結果、物品供給サブシステム200の大型化は避けつつ、第1ガイド232と第2ガイド233との間に大きな隙間が存在することに伴う不具合の発生を抑制することができる。
シャッタ234は、押し込み部材235により一群の物品Gをダンボール箱Bに押し込む際に、ダンボール箱Bの内部に挿入される物品Gの移動を下方側でガイドする平板状の部材である。シャッタ234の上面(ガイド面)は、好ましくは概ね水平な面である。シャッタ234は、図示しないシャッタ駆動部により駆動されて、前後方向に移動可能に構成されている。駆動部の種類を限定するものではないが、シャッタ駆動部は、例えばエアシリンダやモータである。
シャッタ234は、押し込み部材235が一群の物品Gをダンボール箱Bに押し込む際に、図示しないシャッタ駆動部により駆動されて前進し、図20のようにダンボール箱Bの底蓋BC周辺まで挿入される。そして、押し込み部材235による一群の物品Gの押し込みが完了すると、シャッタ駆動部により駆動されて後退し、ダンボール箱Bの外部へと移動する。
押し込み部材235は、第1開口OP1を側方(後方)に向けているダンボール箱Bに、整列コンベア222上の一群の物品Gを押し込むための部材である。押し込み部材235は、図示しない押し込み板駆動部により動かされて、前後方向に移動可能に構成されている。押し込み部材235は、例えば、平板状の部材である。押し込み部材235の押し込み面(物品Gに接触する面)は、鉛直面である。押し込み板駆動部は、駆動部の種類を限定するものではないが、例えばエアシリンダである。
押し込み部材235は、整列コンベア223上の一群の物品Gに対して、起立コンベア231が右側に配置され、第1ガイド232及び第2ガイド233が左側に配置され、シャッタ234がダンボール箱B内に挿入された状態で、物品Gを後方から前方へと押し、押し込み部材235の前方で保持されているダンボール箱B内に物品Gを押し込む。
(3-3)箱保持/封函サブシステム
箱保持/封函サブシステム300は、箱保持部310と、第2姿勢変更部320と、封函部330と、を主に含む(図1~図3参照)。
箱保持部310は、箱供給サブシステム100の供給する第1開口OP1を後方に向けたダンボール箱Bを受け取り、物品供給サブシステム200が所定数の物品Gをダンボール箱Bに詰め込む際、ダンボール箱Bを保持する。第2姿勢変更部320は、ダンボール箱Bに対する物品Gの箱詰めが完了した後に、ダンボール箱Bの第1開口OP1が上を向くように姿勢を変換する。封函部330は、第2姿勢変更部320が姿勢を変更したダンボール箱Bを搬送しながら、ダンボール箱Bの第1開口OP1のフラップF1を閉じて上蓋UCを形成する。
以下に、箱保持部310、第2姿勢変更部320、及び封函部330について詳細を説明する。
(3-3-1)箱保持部
箱保持部310は、後方に第1開口OP1を向けているダンボール箱Bを、保持機構312により保持する(図20参照)。
保持機構312は、右側面視において、L字状に形成されている部材である。保持機構312は、図示しない吸盤を有する。保持機構312は、L字状の部材でダンボール箱Bを支持しながら、吸盤でダンボール箱Bの外面を保持する。具体的には、保持機構312は、後方に第1開口OP1を向けているダンボール箱Bの下方に配置される側板(ここでは第4側面T4)を下方から支持するとともに吸盤で保持する。また、保持機構312は、後方に第1開口OP1を向けているダンボール箱Bの下方に配置される底蓋BCを前方から支持するとともに吸盤で保持する。保持機構312は、ダンボール箱Bの第1開口OP1が、物品押込部230の押し込み部材235に対向するようにダンボール箱Bを保持する。物品押込部230は、1回に所定の個数の一群の物品Gを、第1開口OP1からダンボール箱Bに押し込む。
ダンボール箱Bには、物品押込部230により1回だけ、所定の個数の一群の物品Gが押し込まれてもよい。また、ダンボール箱Bには、例えば図20に示すように、物品押込部230により所定の個数の一群の物品Gが複数回押し込まれてもよい。1つのダンボール箱Bに物品押込部230が、複数回、所定の個数の一群の物品Gを押し込む場合には、第1開口OP1を側方に向けているダンボール箱Bに上下方向に複数段に(図20では3段に)物品Gが箱詰めされる。なお、物品押込部230が、複数回、1つのダンボール箱Bに一群の物品Gを押し込む際には、物品押込部230は、図示しない昇降機構を用いて保持機構312の高さ位置を調整することが好ましい。昇降機構は、例えばエアシリンダやモータである。昇降機構は、押し込み部材235の高さ位置が、ダンボール箱Bに物品Gを押し込むための高さ位置と一致するように、保持機構312により保持されるダンボール箱Bの高さ位置を変更する。図20を用いて具体的に説明すると、第1層目(下段)の所定数の一群の物品Gがダンボール箱Bに挿入されると、昇降機構は、ダンボール箱Bに入れられている第1層目の物品Gの上端の高さが、シャッタ234の高さ位置と概ね等しくなるように、保持機構312を所定距離だけ降下させる。この状態で、保持機構312の保持するダンボール箱Bには、シャッタ234が挿入され、次に押し込み部材235により所定の個数の一群の物品Gが押し込まれる。第2層目(中段)の一群の物品Gがダンボール箱Bに挿入されると、昇降機構は、ダンボール箱Bに入れられている第2層目の物品Gの上端の高さが、シャッタ234の高さ位置と概ね等しくなるように、保持機構312を所定距離だけ降下させる。この状態で、保持機構312の保持するダンボール箱Bには、シャッタ234が挿入され、次に押し込み部材235により所定の個数の一群の物品Gが押し込まれる。ここではダンボール箱Bに3段に物品Gが入れられる場合を例に説明したが、ダンボール箱Bに2段もしくは4段以上の物品Gが入れられる場合にも、同様の箱詰動作が実行されればよい。
(3-3-2)第2姿勢変更部
第2姿勢変更部320について、図21を参照しながら説明する。図21は、第2姿勢変更部320の周辺を右方から見た概略側面図であり、ダンボール箱Bを回転中の第2姿勢変更部320及び物品押込部230のシャッタ234の状態を模式的に描画している。
図21に示すように、第2姿勢変更部320は、箱保持部310の保持機構312を支持する支持部材322を有する。第2姿勢変更部320は、図示しない駆動部により支持部材322を、左右方向に水平に延びる回転軸O2周りに(右側面視において反時計方向に)90°回転させる。この結果、支持部材322が支持している保持機構312も、左右方向に水平に延びる回転軸O2周りに(右側面視において反時計方向に)90°回転する。このようにして、第2姿勢変更部320は、保持機構312を回転させて、物品Gの詰められたダンボール箱Bの姿勢を、第1開口OP1を後方に向けた状態から上方に向けた状態へと変更する。
なお、第2姿勢変更部320がダンボール箱Bを回転させる際、慣性の影響で、ダンボール箱B内の物品Gが外に飛び出すおそれがある。特に、支持部材322の回動中心からから離れた最上段の物品Gは、慣性の影響で、ダンボール箱B内の物品Gが外に飛び出しやすい。そこで、本実施形態の箱詰システム1では、第2姿勢変更部320によるダンボール箱Bの回転に合わせて、シャッタ234を前方側に突出させて物品Gを後方から押し、物品Gのダンボール箱Bからの飛び出しを抑制する。例えば、箱詰システム1において、ダンボール箱Bの回転角加速度からダンボール箱Bの位置を推定し、これに合わせてシャッタ234の動作加速度及び速度を設定するようにすれば、ダンボール箱B内の物品Gを追いかけるようにシャッタ234で物品Gを押さえることができる。シャッタ234は、好ましくは、ダンボール箱B内の最上段の物品Gを後方から押さえる。
(3-3-3)封函部
封函部330は、図3のように、ダンボール箱Bを搬送して箱詰システム1から排出する排出コンベア332と、上蓋形成機構334とを含む。
上蓋形成機構334は、排出コンベア332により搬送されていくダンボール箱Bの上蓋側フラップF1を、フラップF12及びフラップF14が内側に、フラップF11及びフラップF13が外側に配置されるように折る。そして、上蓋形成機構334は、図示しないテープ貼付機構で、第2側面T2と、フラップF11及びフラップF13の境界部分と、第4側面T4と、に順にテープ(図示せず)を貼付し、ダンボール箱Bの上蓋UCを形成する。
ただし、上記の上蓋UCの形成方法は一例に過ぎない。上蓋形成機構334は、底蓋形成機構150と同様に、フラップF11の外面にフラップF12の一部が、フラップF12の外面にフラップF13の一部が、フラップF13の外面にフラップF14の一部が、フラップF14の外面にフラップF11の一部が、それぞれ重なるように上蓋側フラップF1を折り込み、上蓋UCを形成してもよい。
(4)特徴
(4-1)
本実施形態の箱供給サブシステム100は、箱供給システムの一例である。箱供給サブシステム100は、開函機構130を備える。開函機構130は、第1保持器の一例としての第1吸盤131と、第2保持器の一例としての第2吸盤132と、駆動部の一例としての支持部材駆動部135と、を含む。第1吸盤131は、ダンボールシートSの隣接する第1側面T1及び第2側面T2のうち、第1側面T1を保持する。第2吸盤132は、第2側面T2を保持する。支持部材駆動部135は、第1吸盤131と第2吸盤132とを相対移動させる。開函機構130は、折り畳まれているダンボールシートSの第1側面T1を保持している第1吸盤131と、折り畳まれているダンボールシートSの第2側面T2を保持している第2吸盤132と、を支持部材駆動部135で相対移動させて、一対の開口(第1開口OP1及び第2開口OP2)が上下に配置される状態でダンボールシートSを開く。箱供給サブシステム100は、ガイド140を備える。ガイド140は、開函機構130による開函中に、ダンボールシートSの開口の一方である第1開口OP1に配置されるダンボールシートSのフラップF14の外面F14oに接触して、フラップF14を内側に倒す。
本実施形態の箱供給サブシステム100では、ダンボールシートSの開函中にガイド140でフラップF14を内側に倒れた状態とすることで、フラップF14を倒れ抑制部として機能させる。倒れ抑制部としてのフラップF14は、フラップF14に隣接するフラップF11,F13の内側への過度の倒れを抑制する。したがって、この箱供給サブシステム100では、フラップF11,F13が意図せず過度に内側に倒れた状態となる不具合の発生を抑制できる。
なお、本実施形態では、フラップF14はマイナーフラップである。フラップF11,F13は、マイナーフラップより長さの長い、メジャーフラップである。
(4-2)
本実施形態の箱供給サブシステム100では、ガイド140は、開函機構130による開函中に、ダンボールシートSのフラップF13の内面F13iに接触して外側に倒す。フラップF13は、ダンボールシートSの第1開口OP1にフラップF14に隣接して配置される。
本実施形態の箱供給サブシステム100では、ガイド140がフラップF13を外側に倒すため、フラップF13が内側に倒れて第1開口OP1が塞がれた状態となることが抑制されやすい。
(4-3)
本実施形態の箱供給サブシステム100では、ガイド140は、開函機構130による開函完了時に、開函されたダンボールシートSの外側に配置される。
本実施形態の箱供給サブシステム100では、開函完了時には開函されたダンボールシートSの外側にガイド140が配置されるので、ガイド140が開函されたダンボールシートSの搬送に悪影響を与えることがない。
(4-4)
本実施形態の箱供給サブシステム100では、第1開口OP1は、ダンボールシートSが開函機構130により開函された時に上方に配置される。
本実施形態の箱供給サブシステム100では、重力により内側に倒れた状態になりやすい第1開口OP1側のフラップF11,F13の過度の倒れを、フラップF14により抑制できる。
(4-5)
本実施形態の箱供給サブシステム100は、フラップ開き機構190を備える。フラップ開き機構190は、第1部材の一例としての第1アーム191及び第3アーム193を含む。第1アーム191は、ダンボールシートSのフラップF11に接触して外側に開く。第3アーム193は、ダンボールシートSのフラップF13に接触して外側に開く。フラップF11,F13は、ダンボールシートSの第1開口OP1にフラップF14に隣接して配置される。
本実施形態の箱供給サブシステム100では、ガイド140が存在することで、フラップ開き機構190でフラップF11,F13が開けない状態となり、第1開口OP1がフラップF11,F13で意図せず閉じられた状態となる不具合の発生を抑制できる。
(4-6)
本実施形態の箱供給サブシステム100は、底蓋形成機構150と、回転機構の一例としての第1姿勢変更部160と、を備える。底蓋形成機構150は、開函機構130により開函されたダンボールシートSの第1開口OP1とは異なる第2開口OP2に配置される底蓋側フラップF2を閉じて底蓋BCを形成し、底蓋BCを有するダンボール箱Bを製函する。第1姿勢変更部160は、第1開口OP1が側方を向くように底蓋BCを有するダンボール箱Bを回転させる。フラップ開き機構190の第1アーム191は、第1姿勢変更部160による回転後のダンボール箱BのフラップF11に接触してフラップF11を外側に開く。フラップ開き機構190の第3アーム193は、第1姿勢変更部160による回転後のダンボール箱BのF13に接触してフラップF13を外側に開く。
(4-7)
本実施形態の箱供給サブシステム100では、第1姿勢変更部160は、第1開口OP1の下方にフラップF14が配置されるようにダンボール箱Bを回転させる。
本実施形態の箱供給サブシステム100では、ガイド140により内側に倒れていたフラップF14に対し、外側に開く向きに回転による遠心力が作用する。そのため、この箱供給サブシステム100では、内側に倒れているフラップF14に被さるようにフラップF11,F13が内側に倒れているとしても、フラップ開き機構190でフラップF11,F13を開く前に、フラップF14で予めフラップF11,F13を外向きに押すことができる。したがって、この箱供給サブシステム100では、フラップ開き機構190でフラップF11,F13を開くことのできない不具合の発生が特に抑制されやすい。
(4-8)
本実施形態の箱供給サブシステム100では、フラップ開き機構190は、フラップF14を外側に開く第2部材の一例としての第4アーム194を含む。
本実施形態の箱供給サブシステム100では、フラップF14も第4アーム194で外側に開かれるので、意図していないにも関わらず第1開口OP1が上蓋側フラップF1で閉じられた状態となる不具合の発生を抑制できる。
(4-9)
本実施形態の箱供給サブシステム100は、ガイド140の高さ位置を調整する位置調節機構の一例としての、位置調整機構158を備える。また、本実施形態の箱供給サブシステム100は、ガイド140の高さ位置を調整する位置調節機構の一例としての、位置調整機構142を備える。
本実施形態の箱供給サブシステム100では、ダンボールシートSの大きさや、ガイドの要/不要等に応じてガイド140の高さ位置を変更できるため、システムの汎用性が高い。
(5)変形例
以下に、上記実施形態の変形例を示す。なお、以下で示す各変形例の一部又は全部の構成は、互いに矛盾しない限り、他の各変形例の一部又は全部の構成と任意に組み合わされてもよい。
(5-1)変形例A
上記実施形態では、開函機構130が、折り畳まれているダンボールシートSを、第1開口OP1と第2開口OP2とが鉛直方向に並ぶ状態で開函する場合を例に箱供給サブシステム100の説明を行っている。言い換えれば、上記実施形態では、開函機構130が、折り畳まれているダンボールシートSを、側面部Tを鉛直方向に立てた状態で開函する場合を例に箱供給サブシステム100の説明を行っている。
ただし、本開示の箱供給システムは、このような態様に限定されるものではない。例えば、箱供給サブシステム100は、開函機構130が、折り畳まれているダンボールシートSを、側面部Tを鉛直方向に対し傾けた状態(例えば30°以下の角度だけ傾けた状態)で開函するものであってもよい。このように構成される場合にも、ガイド140でフラップF14を内側に倒すことで、上記実施形態と同様の効果が得られる。
(5-2)変形例B
上記実施形態では、ガイド140を、マイナーフラップであるフラップF14を内側に倒す部材として説明している。ただし、ガイドは、マイナーフラップを倒す部材に限定されるものではない。例えば、マイナーフラップが内側に倒れることを抑制したい場合であれば、ガイドは、メジャーフラップの1つを内側に倒し、内側に倒したメジャーフラップを利用して、このメジャーフラップに隣接するマイナーフラップの内側への倒れを抑制してもよい。また、フラップの長さが全て同じ場合にも(つまり、フラップにマイナーフラップとメジャーフラップとの区別が無い場合にも)、上記実施形態と同様にフラップの1つを内側に倒し、このフラップに隣接するフラップの内側への倒れを抑制してもよい。
(5-3)変形例C
上記実施形態では、ガイド140は、ダンボールシートSの開函時に上方側に配置される第1開口OP1に隣接するフラップを倒すために用いられるが、これに限定されるものではない。必要に応じて、ガイドは、ダンボールシートSの開函時に下方側に配置される開口に隣接するフラップを倒すために用いられてもよい。
(5-4)変形例D
上記実施形態では、箱供給サブシステム100が供給するダンボール箱Bは、上蓋側フラップF1のフラップF11~F14が全て長方形形状を有するタイプのダンボール箱である。ただし、箱供給サブシステム100が供給するダンボール箱は、上蓋側フラップF1のフラップF11~F14の少なくとも一部が長方形形状を有しないダンボール箱であってもよい。
例えば、箱供給サブシステム100が供給するダンボール箱Baは、上蓋側フラップ1F1が、図22及び図23に示すような形状のフラップ1F11~1F14を有するダンボール箱であってもよい。
図22は、上蓋側フラップ1F1を折り込む前のダンボール箱Baの斜視図である。また、図23は、図22のダンボール箱Baにおいて、上蓋側フラップ1F1を折り込んでいく過程を3段階で描画した斜視図である。
上蓋側フラップ1F1は、互いに向かい合う一対のメジャーフラップ1F11,1F13と、互いに向かい合う一対のマイナーフラップ1F12,1F14と、を含んでいる。メジャーフラップ1F11,1F13の長さは、マイナーフラップ1F12,1F14の長さよりも長い。
メジャーフラップ1F13には、山状に折り曲げた際に山の頂上となる部分に予め折り曲げラインLが設けられている。メジャーフラップ1F13のうち折り曲げラインLよりも自由端寄りの面を第1面X1、折り曲げラインLよりも固定端寄りの面を第2面X2と呼ぶ。マイナーフラップ1F12,1F14には、メジャーフラップ1F13が挿入されるスリットが形成されている。マイナーフラップ1F12側のスリットをスリット1F12a、マイナーフラップ1F14側のスリットをスリット1F14aと呼ぶ。スリット1F12a,1F14aは、L字形状である。
上蓋側フラップ1F1は、図23に示されるように、最初にメジャーフラップ1F11が折り込まれ、次にマイナーフラップ1F12,1F14が折り込まれ、最後にメジャーフラップ1F13が折り込まれる。メジャーフラップ1F13を折り込むときは、メジャーフラップ1F13が折り曲げラインLが頂上となるように山状に折り曲げられ、スリット1F12a,1F14aにメジャーフラップ1F13の先端を挿入してから伸ばすことによって、メジャーフラップ1F13がスリット1F12a,1F14aからメジャーフラップ1F11の下面に滑り込み、上蓋が完成する。
このようなダンボール箱Baが用いられる場合、例えば、箱供給サブシステム100の開函機構130は、折り畳まれているダンボールシートSの第1側面T1を保持している第1吸盤131と、折り畳まれているダンボールシートSの第2側面T2を保持している第2吸盤132と、を支持部材駆動部135で相対移動させて、一対の開口が上下に配置される状態でダンボールシートSを開く。この時、例えば、ガイド140は、開函機構130による開函中に、ダンボールシートSの開口の一方である第1開口OP1に配置されるダンボールシートSのフラップ1F14の外面1F14oに接触して、フラップ1F14を内側に倒す。
また、例えば、箱供給サブシステム100が供給するダンボール箱Bbは、上蓋側フラップ2F1が、図24及び図25に示すような形状のフラップ2F11~2F14を有するダンボール箱であってもよい。
図24は、上蓋側フラップ2F1を折り込む前のダンボール箱Bbの斜視図である。また、図25は、図24のダンボール箱Bbにおいて、上蓋側フラップ2F1を折り込んでいく過程を3段階で表示した斜視図である。
本ダンボール箱Bbでは、上蓋側フラップ2F1は、互いに向かい合う一対のメジャーフラップ2F11、2F13と、互いに向かい合う一対のマイナーフラップ2F12、2F14と、を含んでいる(図24参照)。なお、メジャーフラップ2F11、2F13の長さは、マイナーフラップ2F12、2F14よりも長い。
一対のメジャーフラップ2F11、2F13のうち一方のメジャーフラップ2F11には、図24のように、凹状の切り欠き2F11aが設けられ、他方のメジャーフラップ2F13は凸状の突出片2F13aが設けられている。
上蓋側フラップ2F1は、図25のような順序で折り込まれる。まず、最初にメジャーフラップ2F11が折り込まれ、次に一対のマイナーフラップ2F12、2F14が折り込まれ、最後にメジャーフラップ2F13が折り込まれる。このとき、メジャーフラップ2F13はダンボール箱Bの中まで押し込まれ、凸状の突出片2F13aがメジャーフラップ2F11の凹状の切り欠き2F11aを超えて、メジャーフラップ2F11の内側面に当たって停止する。これによって、4つの上蓋側フラップ2F1が互いに干渉しあってロックされる。
このようなダンボール箱Bbが用いられる場合、例えば、箱供給サブシステム100の開函機構130は、折り畳まれているダンボールシートSの第1側面T1を保持している第1吸盤131と、折り畳まれているダンボールシートSの第2側面T2を保持している第2吸盤132と、を支持部材駆動部135で相対移動させて、一対の開口が上下に配置される状態でダンボールシートSを開く。この時、例えば、ガイド140は、開函機構130による開函中に、ダンボールシートSの開口の一方である第1開口OP1に配置されるダンボールシートSのフラップ2F14の外面2F14oに接触して、フラップ1F14を内側に倒す。
(5-5)変形例E
上記実施形態の箱供給サブシステム100では、底蓋形成機構150が底蓋BCを形成した後に、第1姿勢変更部160がダンボール箱Bを回転させるが、箱供給サブシステムはこのような態様に限定されるものではない。例えば、箱供給サブシステムは、第1開口OP1が側方を向くように第1姿勢変更部がダンボール箱Bを回転させた後に、底蓋形成機構が底蓋BCを形成するように構成されてもよい。
(5-6)変形例F
上記実施形態の箱供給サブシステム100では、第1姿勢変更部160がダンボール箱Bを90°回転させるが、第1姿勢変更部160はこのような構成に限定されるものではない。第1姿勢変更部160がダンボール箱Bを回転させる角度は、姿勢変更前のダンボール箱Bの姿勢と、姿勢変更後に求められるダンボール箱Bの姿勢とに応じて、適宜決定されればよい。
(5-7)変形例G
上記実施形態の箱供給サブシステム100では、第1姿勢変更部160が、上方を向いている第1開口OP1が側方を向くようにダンボール箱Bを回転させるが、箱供給サブシステム100はこのような構成に限定されるものではない。例えば、箱詰システム1が、箱詰位置において、上向きに開口するダンボール箱Bに物品Gを入れるように構成されている場合、箱供給サブシステム100は、第1姿勢変更部160を有さなくてもよい。
(5-8)変形例H
上記実施形態の箱供給サブシステム100では、ガイド140は、第1姿勢変更部160による回転後に第1開口OP1の下方に配置されるフラップF14を内側に倒す。言い換えれば、上記実施形態の箱供給サブシステム100では、ガイド140は、第1姿勢変更部160によるダンボール箱Bの回転方向における第1開口OP1の下流側に、第1開口OP1に隣接して配置されているフラップF14を内側に倒す。さらに言い換えれば、上記実施形態の箱供給サブシステム100では、ガイド140は、内側に倒れていたフラップを外側へと倒す際のフラップの回転方向が、第1姿勢変更部160によるダンボール箱Bの回転方向と一致するフラップF14を内側に倒す。このように構成されることで、第1姿勢変更部160による回転時に、ガイドが内側に倒したフラップに対し、外側へと開く遠心力を作用させやすい。
ただし、ガイド140が内側に倒すフラップは、第1姿勢変更部160による回転後に第1開口OP1の下方に配置される位置に配置されていなくてもよい。例えば、ガイド140は、上記実施形態におけるフラップF11の位置に配置されるフラップ(つまり、第1姿勢変更部160による回転後に第1開口OP1の側方に配置されるフラップ)を内側に倒す部材であってもよい。なお、ここで、ガイド140が倒す、フラップF11の位置に配置されるフラップは、上記実施形態のフラップF11のようにメジャーフラップであってもよい。また、ガイド140が倒すフラップF11の位置に配置されるフラップが上記実施形態のフラップF14のようにマイナーフラップとなるように、開函機構130が適宜設計されてもよい。
(5-9)変形例I
上記実施形態では、ガイド140は、開函機構130によるダンボールシートSの開函中の所定期間だけフラップF14の外面F14oに接触してフラップF14を内側に倒すが、ガイド140はより長い期間、フラップF14の外面F14oに接触してもよい。例えば、ガイド140は、開函されたダンボール箱Bの搬送経路に沿って延びるレール状に形成され、開函中の所定の時点から、第1姿勢変更部160によりダンボール箱Bが回転させられる直前までフラップF14の外面F14oに接触するよう構成されてもよい。