JP7355862B2 - マルチパス符号化周波数押し出しのための方法及びシステム - Google Patents

マルチパス符号化周波数押し出しのための方法及びシステム Download PDF

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Description

(関連出願の相互参照)
このPCT出願は、2019年7月12日に出願された米国仮特許出願第62/873,381号に対する優先権を主張するものであり、同仮出願の開示は本願の開示の一部と見なされ、これによりその全体が参照によって組み入れられる。
この開示は、質量分光分析の分野に関し、より具体的には、延長された飛行経路を有する飛行時間型質量分析計の質量分解度、感度、ダイナミックレンジ、及び質量範囲を同時に改善する方法に関する。
分析化学では様々な混合物の同定及び定量分析のために飛行時間型質量分析計(TOF MS)が広く使用されている。TOF MSの質量分解度を高めるために、米国特許第5,017,780号は、折り返し経路多重反射飛行時間型質量分析計(MR-TOF MS)を開示している。MSの質量分解度は、感度とダイナミックレンジが比例的に低下することを代償に改善される(即ち、質量分解度の2倍の改善は、感度の50%の低下を伴う)。
MR-TOF MSの質量分解度は、イオンがイオン検出器に到着する前に分析部を通って2回のパスを取るように導かれることによって延長された飛行経路を有するというモード(マルチパスモード)で質量分析部を動作させることによって更に改善される可能性がある。飛行時間を2倍にすることによって、質量分解度は大凡2倍化されるが、一方、マルチパスモードで動作することによって感度とダイナミックレンジは2倍減少する。加えて、マルチパスモードで動作することは、質量分析部を通るダブルパスのせいで、質量範囲が4対1範囲(即ち、質量100-400)に絞られることを余儀なくされ、マルチパスモードで動作することの有用性が限定されることになる。
これによりその全体が本明細書に参考文献として援用される2016年8月1日出願の米国特許第9,984,862号は、固有のパルス対間間隔を有する既定のパルスシーケンスを使用してイオン源を高速にパルス化し、結果として生じる重複したスペクトルを取得し、データの論理的分析をパルス間隔の情報と併用してスペクトルを復号することによって、MR-TOF MSの感度及びダイナミックレンジを改善するというスキームを開示している。実施され得るデコーダの例が、2015年5月15日にPCT出願第PCT/US2015/031173号として出願された米国特許第9,786,484号に記載されており、その開示はこれにより本明細書に参考文献としてその全体が援用される。しかしながら、この技法、例えばこのデコーダを使用した技法は、MR-TOF MSを通常モードで動作させることに適用できるだけで、マルチパスモードで動作させることには適用できない。
米国特許第5,017,780号 米国特許第9,984,862号 米国特許第9,786,484号 米国特許第7,385,187号 米国特許第9,406,493号
質量分析機器は或る特定の観点では適格であるとはいえ、一部の特定の機器――特にMR-TOF MS機器――の感度と質量範囲は改善される余地がある。
開示の1つの態様は、質量分析部、イオン押し出しデバイス、フィルタリングデバイス、マルチパス反射器、検出器、及びデコーダを備える飛行時間型質量分析計(TOF MS)を提供している。イオン押し出しデバイスは、イオンを質量分析部の中へ押し出すように配置される。フィルタリングデバイスは、イオンの質量範囲に基づいてイオンの一部をフィルタリングするように配置される。マルチパス反射器は、質量分析部を通る更なるパスのためにイオンを選択的に反射するように配置される。検出器はイオンを受け取るように配置される。デコーダは、イオンの全質量範囲のマススペクトルを再構築するように配置される。
開示の諸実施形は、以下の特徴の1つ又はそれ以上を含み得る。幾つかの実施形では、TOF MSは、飛行時間と質量分解度を高めるためにイオンが質量分析部を通って2回以上のパスを取るというマルチパスモードで動作している。
フィルタリングデバイスは、関心のある質量範囲ウインドーの外のイオンを除去するように配置されることができる。フィルタリングデバイスは、イオンがイオン押し出しデバイスによって押し出された後にイオンの一部を除去するように配置される偏向パルサー(deflect pulser)を含んでいてもよい。偏向パルサーは、イオンのその後の押し出し中にパスウインドーを漸進的に変化させて、イオンのうちの、関心のある移動質量範囲ウインドーの外の1つ又はそれ以上を選択的に拒絶するように配置されることができる。
フィルタリングデバイスは、イオンがイオン押し出しデバイスによって押し出される前にイオンの一部を除去するように配置される四重極を含んでいてもよい。四重極は、イオンのその後の押し出し中にパスウインドーを漸進的に変化させて、イオンのうちの、関心のある移動質量範囲ウインドーの外の1つ又はそれ以上を選択的に拒絶するように配置されることができる。
イオン押し出しデバイスは、イオンのための押し出し間隔のタイミングを定義する符号化パターンを実施するように配置されることができる。符号化パターンは、実質的にランダムであってもよいし、又は符号化パターンは繰り返し干渉を最小化するように計算されてもよい。
開示の別の態様は、飛行時間型質量分析計(TOF MS)を動作させるための方法を提供している。方法は、イオン押し出しデバイスを介し、イオンをTOF MSの質量分析部の中へ押し出す工程を含む。方法は、フィルタリングデバイスを介し、イオンの質量範囲に基づいてイオンの一部をフィルタリングする工程を含む。方法は、マルチパス反射器を介し、質量分析部を通る更なるパスのためにイオンを反射する工程を含む。方法は、検出器を介しイオンを受け取る工程を含む。方法は、デコーダを介し、イオンの全質量範囲のマススペクトルを再構築する工程を含む。
開示の諸実施形は、以下の特徴の1つ又はそれ以上を含み得る。幾つかの実施形では、TOF MSは、飛行時間と質量分解度を高めるために、イオンが質量分析部を通って2回以上のパスを取るというマルチパスモードで動作している。
フィルタリングデバイスは、関心のある質量範囲ウインドーの外のイオンを除去するように配置されることができる。フィルタリングデバイスは、イオンがイオン押し出しデバイスによって押し出された後にイオンの一部を除去するように配置される偏向パルサーを含んでいてもよい。偏向パルサーは、イオンのその後の押し出し中にパスウインドーを漸進的に変化させて、イオンのうちの、関心のある移動質量範囲ウインドーの外の1つ又はそれ以上を選択的に拒絶するように配置されることができる。
フィルタリングデバイスは、イオンがイオン押し出しデバイスによって押し出される前にイオンの一部を除去するように配置される四重極を含んでいてもよい。四重極は、イオンのその後の押し出し中にパスウインドーを漸進的に変化させて、イオンのうちの、関心のある移動質量範囲ウインドーの外の1つ又はそれ以上を選択的に拒絶するように配置されることができる。
イオン押し出しデバイスは、イオンのための押し出し間隔のタイミングを定義する符号化パターンを実施するように配置されることができる。符号化パターンは、実質的にランダムであってもよいし、又は符号化パターンは繰り返し干渉を最小化するように計算されてもよい。
開示の1つ又はそれ以上の実施形の詳細事項は、添付図面及び以下の説明に示されている。他の態様、特徴、及び利点は、説明及び図面並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
本開示の原理に従ってマルチパスモードで動作しているMR-TOF質量分析計の概略図である。 或る例示としてのMP-EFP動作のタイミングを例示しているMR-TOF質量分析計の概略図である。 関心のある最も重いイオンの出射、反射、及び到着を例示しているMR-TOF質量分析計の概略図である。 関心のある最も軽いイオンの出射、反射、及び到着を例示しているMR-TOF質量分析計の概略図である。 早期シングルパス干渉イオンの経路を例示しているMR-TOF質量分析計の概略図である。 後期シングルパス干渉イオンの経路を例示しているMR-TOF質量分析計の概略図である。 シングルパスエイリアシングイオンの経路を例示しているMR-TOF質量分析計の概略図である。 マルチパスエイリアシングイオンの経路を例示しているMR-TOF質量分析計の概略図である。 質量分析計を通る2回目のパスを受けることになる各押し出しからの最も低い質量及び最も高い質量を例示しているグラフである。 質量分析計を通る2回目のパスを受けることになる各押し出しからの最も低い質量及び最も高い質量と、500の質量を有する押し出しのスパンと、を例示しているグラフである。 質量分析計を通る2回目のパスを受けることになる、各押し出しからの最低質量及び最高質量と、50の質量を有する押し出しのスパンと、を例示しているグラフである。 EFPゲイン対イオンの質量を例示しているグラフである。 本開示の原理に従って質量分析計を動作させるための方法を例示しているフローチャートである。
様々な図面の同様の参照記号は同様の要素を表す。
様々な実施形態の以下の説明は、本質的には例示にすぎず、発明、その適用、又はその使用を制限することを一切意図していない。簡潔さを期し、本明細書の開示は、様々な例示としての実施形態における多重反射飛行時間型質量分析計(MR-TOF MS)システムを描き、記述しているが、概して、任意の適切な質量分析システムが利用され得るものと理解されたい。以上に基づき、概して理解されるべきこととして、本明細書で使用される命名法は単に便宜上のものであり、発明を説明するために使用される用語は、当業者によって最も広範な意味を与えられるべきである。
本明細書に記載のシステム及び方法は、2004年6月18日にPCT出願第PCT/US2004/019593号として出願された米国特許第7,385,187号に記載されている様なMR-TOF質量分析計を参照しており、また本明細書に記載のシステム及び方法は、2014年10月3日に出願された米国特許第9,406,493号に記載されている様な符号化頻回パルス(EFP:Encoded Frequent Pulses)を実施することができ、上記各特許の開示はこれにより本明細書に参考文献としてその全体が援用される。EFPは符号化頻回押し出し(Encoded Frequent Pushing)を指すこともある。
MR-TOF質量分析計は、適度な機器サイズを維持しつつ質量分解度を改善する可能性がある。しかしながら、高い質量分解度は、長い飛行時間によってMR-TOF質量分析計への低デューティサイクルイオン導入を余儀なくされるせいで感度の低下を招きかねない。EFPの実施は、固有の押し出し間隔を有する押し出しパルスの符号化されたパターンと、符号化されたパターンを使用する信号を復号する数値的手段と、を用いてデューティサイクルを増加させることによって、質量分析計で失われる感度の一部を埋め合わせることができるだろう。
質量分析計は、更に、質量分解度を改善するためにイオンが質量分析計を2回以上横断するいわゆるマルチパスモード(又はズームモード)で動作され得る。マルチパスモードは、活動時にはイオンを方向転換させて質量分析計をもう1回通過させようとし不活動時にはイオンが検出器へ到達するのを許容しようとする制御可能な反射を、長い飛行経路の終端に採用することによって(例えば、マルチパス反射器を使用することによって)成し遂げられる。質量分析計を通るパスの数が増えるほど質量分解度は改善される一方で、感度は低下し、質量電荷(MZ)比範囲はパス毎により深刻に絞られることになるだろう。例えば、質量分析計を通るパスを2回にして動作されるMR-TOF質量分析計は、質量分解度の大凡2倍の改善(即ち、比例的な改善)を実現するかもしれないが、それにはイオン感度の損失が2倍になること及び質量範囲が4:1(即ち、100MZ-400MZ)に絞られることが付きまとう。
質量範囲の絞りはマルチパス反射器の動作が原因であり得る。イオンは質量分析計を通るシングルパスを経たらそれらの質量電荷比に基づいて分離されている。反射器は、関心のある最も軽いイオンを2回目のパスのために反射するべく適時に活動化するように構成されることができる。反射器は、次いで、最も軽いイオンがそれらの2回目のパス後に検出部に到達するために適時に非活動化するように構成されることができる。そして、より重いイオンは、2回目のパスのために反射されるべく、反射器が非活動化する前に反射器に到達することになる。その結果、最も重いイオンのシングルパス飛行時間は、最も軽いイオンのダブルパス飛行時間に大凡等しくなるだろう。
典型的なTOF機器内のイオンは、それらの飛行時間がそれらの質量電荷比の平方根に大凡比例するという関係を有し得る。
Figure 0007355862000001
ここに、TOFは飛行時間、kは非ゼロの正の数である比例定数、MZは質量電荷比である。
2パスのマルチパスモードについて、最も重いイオンの飛行時間は最も軽いイオンの飛行時間の大凡2倍であり、したがって質量範囲は以下の方程式に示されている様に概ね4:1になるだろう。
Figure 0007355862000002
Figure 0007355862000003
ここに、TOFHeavyは最も重いイオンの飛行時間、TOFLightは最も軽いイオンの飛行時間、MZHeavyは最も重いイオンの質量電荷比、及びMZLightは最も軽いイオンの質量電荷比である。
最も軽いイオンがそれらの1回目のパスを経て反射器に到達する前に反射器は十分に活動化し、最も軽いイオンがそれらの2回目のパスを経て到着する前に反射器は再び非活動化するので、質量範囲は約3.5:1に絞られる可能性がある。マルチパスモード特有の質量範囲の絞り及び感度低下は、実践的用途におけるマルチパスモードの有用性を制限しかねない。図1は、マルチパスモード動作のタイミングを例示している。
したがって、MR-TOF質量分析計の感度、ダイナミックレンジ、及び質量範囲は、以下によって改善され、即ち、(i)少なくとも部分的に固有の押し出し間隔を有する一連の重複する符号化された押し出しを導入すること、(ii)エイリアシングを回避するために符号化された押し出しのそれぞれからのイオンの質量範囲を絞ること、(iii)複数の押し出しからの複数の質量範囲を通すようにマルチパス反射器のタイミングを操作すること、及び(iv)高分解度マススペクトルを再構築するために、押し出しシーケンス、反射器タイミング、及びイオン飛行時間の知識を有する数値的なデコーダを配備すること、によって改善される可能性がある。
マルチパス符号化周波数押し出し(MP-EFP:Multi-pass encoded frequency pushing)は、拡張された質量範囲と高い感度を享受しつつ、質量分析がマルチパスモードの強化された質量分解度からの恩恵を得ることを可能にするだろう。その様な構成は、適切な動作を確約するための、イオン押し出しデバイスとマルチパス反射器とエンコーダとデコーダの間の精密で詳細な相互作用を含むことができる。これらの構成要素がマルチパスモード中に一体となって協働することが、これまでの質量分析計システムを凌ぐ有意な改善である。
例えば、MR-TOF質量分析計は、多くの実験にとって実践的な範囲とされ得る10:1の質量範囲と共にダブルパスのマルチパスモードで動作しているとしてもよい。最も重いイオンと最も軽いイオンの飛行時間は、以下に示されている様に大凡3.16の比を有しているとしてもよい。
Figure 0007355862000004
この比は、押し出し期間対反射期間の比を定義するのに使用されることができる。
或る例示としてのMP-EFP動作のタイミングを例示する図2を参照して、1つのサイクルからの押し出し期間は、前のサイクルからの取得期間と同じであるとしてもよい。押し出し期間の持続時間は、大凡、関心のある最も重いイオンのシングルパス飛行時間の持続時間であるとしてもよい。反射期間の持続時間は、関心のある最も軽いイオンのシングルパス飛行時間の2倍以下であるとしてもよい。
押し出し期間中、符号化された一連の押し出しパルスがイオンをMR-TOF質量分析計の質量分析部の中へ導入し、その結果、重複するマススペクトルがもたらされることになる。押し出し及び反射のタイミングは、押し出しのそれぞれから異なる質量範囲のイオンが反射されるのを可能にするよう設計されることができる。例えば、図3は、関心のある最も重いイオンの出射、反射、及び到着を例示している。関心のある最も重いイオンは、すべてが、押し出しのうちの最も早期の1/3.16=31.6%によって対応されることになる。
図4は、関心のある最も軽いイオンの出射、反射、及び到着を例示している。関心のある最も軽いイオンは、すべてが、押し出しのうちの最も後期の1/3.16=31.6%によって対応されることになる。同様に、最も軽いイオンの質量と最も重いイオンの質量の間の質量を有するイオンは、すべてが、押し出しのうちの約31.6%によって表されることになる。上述されている様に、1つのサイクルの押し出し期間は前のサイクルの取得期間と一致し得る。
幾つかの実施形では、MR-TOF MS質量分析部の中へイオンを導入するためにイオン押し出しデバイス(例えば、直交加速器)が使用されており、その場合、直交加速器の平均充填時間、並びに加速領域からイオンを一掃するのに要する時間は、最短の実践的押し出し間隔を制限する可能性がある。関心のあるイオン当たり平均押し出し数は、反射期間の持続時間を平均押し出し間隔で割ったものに等しくなるだろう。例えば、240μsの反射期間及び6μsの平均押し出し期間は、各質量について240/6=40押し出しという平均値を現出させ、それはEFPなしのマルチパスモードに比較して40xの感度増加をもたらすことができる。
イオンの31.6%のみが2回目のパスのために反射されるので、他の68.4%のイオンは質量分析部を通るシングルパスを経ただけで又は3+パス後に検出器に到着することになる。これらの余分のイオン信号は4つのグループ、即ち、(1)早期シングルパス干渉イオン、(2)後期シングルパス干渉イオン、(3)シングルパスエイリアシングイオン、及び(4)マルチパスエイリアシングイオンに分けられる。図5は、グループ1:シングルパスイオンが前のサイクルからのダブルパスイオンに干渉していることを例示している。図6は、グループ2:シングルパスイオンが同じサイクルからのダブルパスイオンに干渉していることを例示している。図7は、グループ3:検出器に到着するシングルパスイオンが2回のパスを経て到着した後のより低い質量のイオンと厳密に一致する(即ち、エイリアスを生じる)質量を有していることを例示している。これらのイオン信号は、それらが押し出しパルスの同じセットから来ているのでエイリアスを生じる。図8は、グループ4:3回以上のパスを取るイオンがダブルパスイオンとのエイリアスを生じさせていることを例示している。これらのイオン信号は、それらが押し出しパルスの同じセットから来ているのでエイリアスを生じる。
余分のイオンは、検出器の寿命を縮める働きをする可能性がある。エイリアシングイオン(グループ3及びグループ4)は最も深刻であり、精確なスペクトル復号を妨げかねない。干渉イオン(グループ1及びグループ2)は、スペクトルポピュレーションを増加させ、復号されたスペクトルの品質を劣化させかねない。図9Aは、質量分析部を通る2回目のパスを受けることになる各押し出しからの最も低い質量及び最も高い質量を例示している。この範囲の外の質量は、各押し出しから偏向され又はフィルタリングされ得る余分のイオンを表す。幾つかの実施形では、エイリアシングイオンのみが各押し出しから除去され、干渉イオンは除去されない。
各押し出しからの所望の質量範囲の外にあるイオンを拒絶するのに幾つかの実現性、例えばフィルタリングデバイス、がある。1つの例として、不要なイオンをそれらが押し出された後に但しそれらが質量分析部の主要部分に進入する前に拒絶するべく偏向パルサーが使用されてもよい。偏向パルサーのタイミングは、毎押し出しからの異なる質量範囲を偏向させるようにプログラムされることができる。偏向パルサーは、イオンのうちの、関心のある移動質量範囲ウインドーの外の1つ又はそれ以上を選択的に拒絶するためにイオンのその後の押し出し中にパスウインドーを漸進的に変化させるようになっていてもよい。別の例として、イオンのうちの、関心のある移動質量範囲ウインドーの外の1つ又はそれ以上を選択的に拒絶するために、四重極が、その後の押し出し中にパスウインドーを漸進的に変化させることによる可変質量フィルタとして使用されてもよい。四重極は、イオンがイオン押し出しデバイスによって押し出される前及びイオンが質量分析部に進入する前にイオンをフィルタリングしてもよい。更に別の例として、偏向(例えば、偏向パルサーを使用すること)とフィルタリング(例えば、四重極を使用すること)の組合せが、毎押し出しについてイオンの質量範囲を絞るための任意の他の適切な手段と併せて使用されることもできるだろう。例えば、四重極が低い質量のイオンをフィルタリングし、偏向パルサーが高い質量のイオンをフィルタリングすることもできる。
図9Bを参照すると、図9Aのプロットが、500の質量を有する押し出しのスパンを例示するボックスと共に示されている。つまり、これらの押し出しは質量500を通そうとする。合計114の押し出しのうち、これは押し出し1から37又は押し出しのうちの約32%を含んでいる。
図9Cを参照すると、図9Aのプロットが、50の質量を有する押し出しのスパンを例示するボックスと共に示されている。つまり、これらの押し出しは質量50を通そうとする。合計114の押し出しのうち、これは押し出し79から114又は押し出しのうちの約32%を含んでいる。したがって、この例では、50と500の間の質量はすべて押し出しのうちの大凡32%によって表されることができる。これは、10:1質量範囲についての完全感度の質量範囲であり得る。
引き続きこの例に関し、一部の実施形では、50-500の質量範囲の外の押し出し、例えば30と700が含まれることがある。質量30については、押し出し95から114又は押し出しのうちの約17%が含まれるだろう。その様な分析は、完全感度の大凡53%の低いゲインをもたらすことになる(即ち、17/32=53%)。質量700については、押し出し1から17又は押し出しの約15%が含まれるだろう。その様な分析は、完全感度の大凡47%の低いゲインをもたらすことになる(即ち、15/32=47%)。
関心のある最も軽いイオンより下のイオン及び関心のある最も重いイオンより上のイオンは復号されることはできるが、EFPゲインは漸進的に少なくなってゆき、つまり、寄与する押し出しが少ないほどイオンの質量は当初に意図された質量範囲からより遠ざかる。例えば、図10に描かれている様に、関心のある最も低い質量の約4分の1の質量は、最大EFPゲインの2分の1のゲインで復号されるだろう。例えば、以上に説明されている様に、50-500の範囲より上及び下の質量は復号されることはできるが、それらは結果的により低いゲインをもたらすだろう。例えば、質量範囲は30-700又は23:1ということもある。一部の実施形では、完全な感度範囲の外の質量についてはゲインのロールオフについて強度を補正するためにデジタルゲインが足されてもよい。
押し出し間隔のタイミングを定義するために、様々な符号化パターンが使用されてもよい。一部の符号化パターンが擬似ランダム又はランダムである一方、他の符号化パターンは繰り返し干渉を最小化するように計算されてもよい。一部の符号化パターンが押し出しそれぞれについて固有の間隔を強制する一方、他の符号化パターンはイオン到着時間の領域特質のせいで押し出し間隔のサブセットが固有であることを要件とするだけであってもよい。
MP-EFPデコーダは、符号化された押し出しタイミング、反射タイミング、及び様々なイオンの飛行時間の知識を使用して、全質量範囲のマススペクトルをデコンボリューションし再構築することができる。質量フィルタリングを使用してもなお、重複するスペクトルのせいで避けられない質量干渉が存在する可能性がある。したがって、デコーダは、これらの干渉を拒絶し確実なデータのみを考慮するために数値的方法及び統計学的方法を用いることができる。加えて、スペクトルのポピュレーションは、デコーダの動作において、より高密集にポピュレートされているスペクトルについてより高度の信号確証を要求することによって一役果たすことができる。一部のデコーダは、様々なイオンがそれらの再構築において同じデータ点を使用するはずとの知識を用いて、干渉をより高精度に予測し、復号されたスペクトルの品質を改善することができるだろう。例えば、米国特許第9,786,484号に記載のデコーダが、マルチパスモードに存在する関心のある移動質量範囲ウインドーに対応するように修正されてもよい。
種々の化合物のマススペクトルは、質量範囲の高い方の端よりも質量範囲の低い方の端がより高密集にポピュレートされる可能性がある。様々な質量範囲からのイオンは取得期間の異なる領域に着陸しようとすることが理由で、そしてまたスペクトルの可変質量依存的ポピュレーションのせいで、デコーダの確証要件は、異なる質量間隔に応じて変わってもよい。
図11を参照すると、MR-TOF質量分析計を動作させるための方法1100が概括的に示されている。工程1102にて、質量範囲を画定している複数のイオンがイオン押し出しデバイスを介して押し出される。押し出しは、MP-EFPを実施している。工程1104にて、複数のイオンの一部が、フィルタリングデバイス(例えば、偏向パルサー、四重極など)を介し、質量範囲に基づいてフィルタリングされる。工程1106にて、複数のイオンは少なくとも1つの反射器を介して反射される。幾つかの実施形では、複数のイオンの一部は、イオン押し出しデバイスを介して押し出される前及び質量分析部に進入する前に(例えば、四重極を使用して)フィルタリングされる。他の実施形では、複数のイオンの一部は、それらが押し出された後に、但しそれらが質量分析部主要部に進入する前に(例えば、偏向パルサーを使用して)フィルタリングされる。工程1108にて、複数のイオンは検出器を介して受け取られる。工程1110にて、複数のイオンの全質量範囲のマススペクトルがデコーダを介して再構築される。ここに説明されている方法1100は、より少ない工程、追加の工程、及び/又は異なる工程を含む余地があり、それらの工程は任意の適切な順序で遂行され得るものと理解されたい。
本願発明の実施例は、例えば、次のとおりである。
[実施例1]
飛行時間型質量分析計(TOF MS)であって、
質量分析部と、
イオンを前記質量分析部の中へ押し出すように配置されるイオン押し出しデバイスと、
前記イオンの質量範囲に基づいて前記イオンの一部をフィルタリングするように配置されるフィルタリングデバイスと、
前記質量分析部を通る更なるパスのために前記イオンを選択的に反射するように配置されるマルチパス反射器と、
前記イオンを受け取るように配置される検出器と、
前記イオンの全質量範囲のマススペクトルを再構築するように配置されるデコーダと、を備えているTOF MS。
[実施例2]
前記TOF MSが、飛行時間と質量分解度を高めるために前記イオンが前記質量分析部を通って2回以上のパスを取るというマルチパスモードで動作している、実施例1に記載のTOF MS。
[実施例3]
前記フィルタリングデバイスは、関心のある質量範囲ウインドーの外のイオンを除去するように配置される、実施例1に記載のTOF MS。
[実施例4]
前記フィルタリングデバイスは、前記イオンが前記イオン押し出しデバイスによって押し出された後に前記イオンの一部を除去するように配置される偏向パルサー(deflect pulser)を含んでいる、実施例1に記載のTOF MS。
[実施例5]
前記偏向パルサーは、前記イオンのその後の押し出し中にパスウインドーを漸進的に変化させて、前記イオンのうちの、関心のある移動質量範囲ウインドーの外の1つ又はそれ以上を選択的に拒絶するように配置される、実施例4に記載のTOF MS。
[実施例6]
前記フィルタリングデバイスは、前記イオンが前記イオン押し出しデバイスによって押し出される前に前記イオンの一部を除去するように配置される四重極を含んでいる、実施例1に記載のTOF MS。
[実施例7]
前記四重極は、前記イオンのその後の押し出し中にパスウインドーを漸進的に変化させて、前記イオンのうちの、関心のある移動質量範囲ウインドーの外の1つ又はそれ以上を選択的に拒絶するように配置される、実施例6に記載のTOF MS。
[実施例8]
前記イオン押し出しデバイスは、前記イオンのための押し出し間隔のタイミングを定義する符号化パターンを実施するように配置される、実施例1に記載のTOF MS。
[実施例9]
前記符号化パターンは実質的にランダムである、実施例8に記載のTOF MS。
[実施例10]
前記符号化パターンは繰り返し干渉を最小化するように計算される、実施例8に記載のTOF MS。
[実施例11]
飛行時間型質量分析計(TOF MS)を動作させるための方法であって、
イオン押し出しデバイスを介し、イオンを前記TOF MSの質量分析部の中へ押し出す工程と、
フィルタリングデバイスを介し、前記イオンの質量範囲に基づいて前記イオンの一部をフィルタリングする工程と、
マルチパス反射器を介し、前記質量分析部を通る更なるパスのために前記イオンを反射する工程と、
検出器を介し前記イオンを受け取る工程と、
デコーダを介し、前記イオンの全質量範囲のマススペクトルを再構築する工程と、を備えている方法。
[実施例12]
前記TOF MSは、飛行時間と質量分解度を高めるために、前記イオンが前記質量分析部を通って2回以上のパスを取るというマルチパスモードで動作している、実施例11に記載の方法。
[実施例13]
前記フィルタリングデバイスは、関心のある質量範囲ウインドーの外のイオンを除去する、実施例11に記載の方法。
[実施例14]
前記フィルタリングデバイスは、前記イオンが前記イオン押し出しデバイスによって押し出された後に前記イオンの一部を除去するように配置される偏向パルサーを含んでいる、実施例11に記載の方法。
[実施例15]
前記偏向パルサーは、前記イオンのその後の押し出し中にパスウインドーを漸進的に変化させて、前記イオンのうちの、関心のある移動質量範囲ウインドーの外の1つ又はそれ以上を選択的に拒絶するように配置される、実施例14に記載の方法。
[実施例16]
前記フィルタリングデバイスは、前記イオンが前記イオン押し出しデバイスによって押し出される前に前記イオンの一部を除去するように配置される四重極を含んでいる、実施例11に記載の方法。
[実施例17]
前記四重極は、前記イオンのその後の押し出し中にパスウインドーを漸進的に変化させて、前記イオンのうちの、関心のある移動質量範囲ウインドーの外の1つ又はそれ以上を選択的に拒絶するように配置される、実施例16に記載の方法。
[実施例18]
前記イオン押し出しデバイスは、前記イオンのための押し出し間隔のタイミングを定義する符号化パターンを実施するように配置される、実施例11に記載の方法。
[実施例19]
前記符号化パターンは実質的にランダムである、実施例18に記載の方法。
[実施例20]
前記符号化パターンは繰り返し干渉を最小化するように計算される、実施例18に記載の方法。
本願明細書では多数の実施形が説明されている。とはいえ、開示の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な修正がなされ得ることが理解されるだろう。したがって、他の実施形も付随の特許請求の範囲の範囲内である。

Claims (16)

  1. 飛行時間型質量分析計(TOF MS)であって、
    質量分析部と、
    イオンを前記質量分析部の中へ押し出すように配置されるイオン押し出しデバイスと、
    前記イオンの質量範囲に基づいて前記イオンの一部をフィルタリングするように配置されるフィルタリングデバイスであって、前記フィルタリングデバイスは前記イオンの一部を除去するように配置されて、前記イオンのその後の押し出し中にパスウインドーを漸進的に変化させ、前記イオンのうちの、関心のある移動質量範囲ウインドーの外の1つ又はそれ以上を選択的に拒絶する、前記フィルタリングデバイスと、
    前記質量分析部を通る更なるパスのために前記イオンを選択的に反射するように配置されるマルチパス反射器と、
    前記イオンを受け取るように配置される検出器と、
    前記イオンの全質量範囲のマススペクトルを再構築するように配置されるデコーダと、を備えているTOF MS。
  2. 前記TOF MSが、飛行時間と質量分解度を高めるために前記イオンが前記質量分析部を通って2回以上のパスを取るというマルチパスモードで動作している、請求項1に記載のTOF MS。
  3. 前記フィルタリングデバイスは、前記関心のある移動質量範囲ウインドーの外のイオンを除去するように配置される、請求項1に記載のTOF MS。
  4. 前記フィルタリングデバイスは、前記イオンが前記イオン押し出しデバイスによって押し出された後に前記イオンの前記一部を除去するように配置される偏向パルサー(deflect pulser)を含んでいる、請求項1に記載のTOF MS。
  5. 前記フィルタリングデバイスは、前記イオンが前記イオン押し出しデバイスによって押し出される前に前記イオンの前記一部を除去するように配置される四重極を含んでいる、請求項1に記載のTOF MS。
  6. 前記イオン押し出しデバイスは、前記イオンのための押し出し間隔のタイミングを定義する符号化パターンを実施するように配置される、請求項1に記載のTOF MS。
  7. 前記符号化パターンは実質的にランダムである、請求項6に記載のTOF MS。
  8. 前記符号化パターンは繰り返し干渉を最小化するように計算される、請求項6に記載のTOF MS。
  9. 飛行時間型質量分析計(TOF MS)を動作させるための方法であって、
    イオン押し出しデバイスを介し、イオンを前記TOF MSの質量分析部の中へ押し出す工程と、
    フィルタリングデバイスを介し、前記イオンの質量範囲に基づいて前記イオンの一部をフィルタリングする工程であって、前記フィルタリングデバイスが前記イオンの一部を除去するように配置されて、前記イオンのその後の押し出し中にパスウインドーを漸進的に変化させ、前記イオンのうちの、関心のある移動質量範囲ウインドーの外の1つ又はそれ以上を選択的に拒絶する、フィルタリングする工程と、
    マルチパス反射器を介し、前記質量分析部を通る更なるパスのために前記イオンを反射する工程と、
    検出器を介し前記イオンを受け取る工程と、
    デコーダを介し、前記イオンの全質量範囲のマススペクトルを再構築する工程と、を備えている方法。
  10. 前記TOF MSは、飛行時間と質量分解度を高めるために、前記イオンが前記質量分析部を通って2回以上のパスを取るというマルチパスモードで動作している、請求項9に記載の方法。
  11. 前記フィルタリングデバイスは、前記関心のある移動質量範囲ウインドーの外のイオンを除去する、請求項9に記載の方法。
  12. 前記フィルタリングデバイスは、前記イオンが前記イオン押し出しデバイスによって押し出された後に前記イオンの前記一部を除去するように配置される偏向パルサーを含んでいる、請求項9に記載の方法。
  13. 前記フィルタリングデバイスは、前記イオンが前記イオン押し出しデバイスによって押し出される前に前記イオンの前記一部を除去するように配置される四重極を含んでいる、請求項9に記載の方法。
  14. 前記イオン押し出しデバイスは、前記イオンのための押し出し間隔のタイミングを定義する符号化パターンを実施するように配置される、請求項9に記載の方法。
  15. 前記符号化パターンは実質的にランダムである、請求項14に記載の方法。
  16. 前記符号化パターンは繰り返し干渉を最小化するように計算される、請求項14に記載の方法。
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