JP7355284B1 - データ収集装置、データ収集方法、データ収集プログラム、切削工具、およびデータ収集システム - Google Patents

データ収集装置、データ収集方法、データ収集プログラム、切削工具、およびデータ収集システム Download PDF

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Abstract

データ収集装置は、複数の切削工具を装着可能な複数の装着部を持ち、前記複数の切削工具を切替えてワークの加工に使用する工作機械から、工作機械が使用している切削工具が装着された装着部を特定する情報を取得する情報取得部と、第1切削工具が装着されている装着部に関する情報を格納する情報格納部とを含み、第1切削工具は、当該第1切削工具の状態を検出するセンサと、当該センサの出力するデータを出力する出力部とを持ち、さらに、情報取得部により得られた情報が、第1切削工具が装着されている装着部に関する情報と一致しているか否かに従って、第1切削工具からのデータの受信を実行または停止するデータ受信部を含む。

Description

この開示は、データ収集装置、データ収集方法、データ収集プログラム、切削工具、およびデータ収集システムに関する。
切削工具を使用する工作機械において、切削工具の状態をモニタするために、切削工具にセンサを設けることが提案されている(特許文献1)。センサからは無線によりデータ収集装置にセンサデータを送る。データ収集装置はこのセンサデータを蓄積し、随時に画面に表示する。利用者は、こうして得られたワークの加工状態の測定結果に基づいて、加工条件を設定したり、切削工具の異常監視を行ったりする。
切削工具はタレットと呼ばれる装置に着脱して用いられることが多い。そのため切削工具のセンサおよび無線送信モジュールなどの電源としては、切削工具本体内に設けられた電池が用いられる。
国際公開第2021/251072号
この開示のある局面に係るデータ収集装置は、複数の切削工具を装着可能な複数の装着部を持ち、前記複数の切削工具を切替えてワークの加工に使用する工作機械から、前記工作機械が使用している切削工具が装着された装着部を特定する情報を取得する情報取得部と、第1切削工具が装着されている前記装着部に関する前記情報を格納する情報格納部とを含み、前記第1切削工具は、当該第1切削工具の状態を検出するセンサと、当該センサの出力するデータを出力する出力部とを持ち、さらに、前記情報取得部により得られた前記情報が、前記第1切削工具が装着されている前記装着部に関する前記情報と一致しているか否かに従って、前記第1切削工具からの前記データの受信を実行または停止するデータ受信部を含む。この構成により、工作機械において使用される切削工具が変更されると、新たな切削工具との通信が可能なら新たな切削工具からセンサの出力するデータをデータ収集装置が収集できる。また、新たな切削工具との通信ができないなら、データ収集を停止できる。工作機械において第1切削工具が加工に使用されていないときには、第1切削工具においてセンサ出力を調べたり、センサ出力を外部に送信したりすることが不要になる。その結果、サンプリングレートが高いことにより生ずる問題を解決するデータ収集装置が提供できる。
この発明は、このような特徴的な処理部を備えるデータ収集装置として実現できるだけでなく、係る特徴的な処理をステップとするデータ収集方法として実現したり、係るステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現したりできる。また、データ収集装置の一部または全部を実現する半導体集積回路として実現したり、データ収集装置を含むデータ収集システムとして実現したりできる。
図1は、この開示に係る工作機械システム10の概略の機能的構成を示す図である。 図2は、この開示の第1実施形態に係る工作機械システムの概略構成を示す図である。 図3は、この開示の第1実施形態に係る工作機械システムにおいて使用する切削工具の構成を示す斜視図である。 図4は、図3に示す切削工具に用いられるデータ送信機の構成を示すブロック図である。 図5は、図2に示す制御部の概略構成を示すブロック図である。 図6は、図5に示す加工部において使用されるタレットの概略を示す図である。 図7は、図5に示す制御部のプロセッサの概略構成を示すブロック図である。 図8は、図2に示すデータ収集装置の構成を示すブロック図である。 図9は、図8に示すRAM(Random Access Memory)内の記憶領域の概略構成を示す図である。 図10は、図2に示すデータ収集装置が実行する、切削工具からデータを収集するための操作アプリケーションを構成するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図11は、図10に示すアプリケーションにおいて、切削工具の識別名とそのタレット番号との対応関係を入力する画面構成を示す図である。 図12は、図10に示すプログラムによりデータ収集装置において起動されるデータ収集処理を実現するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図13は、図3に示す切削工具が実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図14は、この開示の第1実施形態において、図5に示すプロセッサが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図15は、この開示の第2実施形態において、図5に示すプロセッサが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図16は、この開示の第2実施形態において、データ収集装置が実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図17は、この開示の第3実施形態において切削工具が実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図18は、この開示の第3実施形態において、データ収集装置が実行するプログラムの制御構図を示すブロック図である。 図19は、図5に示す制御部の変形例の構成を示すブロック図である。
[この開示が解決しようとする課題]
切削工具は、高速に回転する転削工具、および高速に回転するワークに対する処理を行う旋削工具などを含む。そのため切削工具の状態を適切に監視するためには高いサンプリングレートによりデータをサンプリングし、データ収集装置に送信することとなる。その結果、電池からの電力消費が多くなり、切削工具のメンテナンス頻度が高くなる。また、サンプリングレートが高いとデータ量が多くなり、データ収集装置において必要となる記憶媒体の容量が大きくなる。
この開示は、サンプリングレートが高いことにより生ずる問題を解決するデータ収集装置、データ収集方法、データ収集プログラム、切削工具、およびデータ収集システムを提供することを目的とする。
[この開示の効果]
以上のようにこの開示によると、サンプリングレートが高いことにより生ずる問題を解決するデータ収集装置、データ収集方法、データ収集プログラム、切削工具、およびデータ収集システムを提供できる。
[本開示の実施形態の説明]
以下の説明および図面では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。なお、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組合わせてもよい。
(1)この開示の第1の局面に係るデータ収集装置は、複数の切削工具を装着可能な複数の装着部を持ち、前記複数の切削工具を切替えてワークの加工に使用する工作機械から、前記工作機械が使用している切削工具が装着された装着部を特定する情報を取得する情報取得部と、第1切削工具が装着されている前記装着部に関する前記情報を格納する情報格納部とを含み、前記第1切削工具は、当該第1切削工具の状態を検出するセンサと、当該センサの出力するデータを出力する出力部とを持ち、さらに、前記情報取得部により得られた前記情報が、前記第1切削工具が装着されている前記装着部に関する前記情報と一致しているか否かに従って、前記第1切削工具からの前記データの受信を実行または停止するデータ受信部を含む。この構成により、工作機械において使用される切削工具が変更されると、新たな切削工具との通信が可能なら新たな切削工具からセンサの出力するデータをデータ収集装置が収集できる。また、新たな切削工具との通信ができないなら、データ収集を停止できる。工作機械において第1切削工具が加工に使用されていないときには、第1切削工具においてセンサ出力を調べたり、センサ出力を外部に送信したりすることが不要になる。その結果、サンプリングレートが高いことにより生ずる問題を解決するデータ収集装置が提供できる。
(2)上記(1)において、前記データ受信部は無線通信機を介して前記第1切削工具からの前記データの受信を実行してもよい。この構成により、第1切削工具とデータ受信部との間を有線により結合する必要がなく、工作機械において使用される第1切削工具からのセンサデータの受信が容易になる。
(3)上記(2)において、前記データ受信部は、前記第1切削工具からの前記データの受信を停止しているときにも、前記第1切削工具との前記無線通信による接続を維持してもよい。この構成により、第1切削工具からデータ受信部がデータを受信していないときにおいても互いの接続は維持される。次に第1切削工具とデータ受信部とのデータ通信が必要となったときにすぐに通信が開始でき、データの先頭を受信しそこなう可能性を小さくできる。
(4)上記(3)において、データ収集装置は、さらに、前記情報取得部により得られた前記情報が、前記第1切削工具が装着されている前記装着部に関する前記情報と一致した状態から、一致していない状態に変化したことに応答して、前記センサによる前記状態の検出を停止させるための停止指示を前記第1切削工具に送信する停止制御部と、前記情報取得部により得られた前記情報が、前記第1切削工具が装着されている前記装着部に関する前記情報と一致していない状態から、一致した状態に変化したことに応答して、前記センサによる前記状態の検出を開始させるための開始指示を前記第1切削工具に送信する開始制御部とを含んでもよい。この構成により、第1切削工具からデータ収集装置へのデータの送信が不要なときには、第1切削工具においてセンサ出力を測定する必要がなくなる。その結果、第1切削工具における電力消費を抑えることができ、メンテナンス間隔を長くできる。
(5)上記(1)から上記(4)のいずれか1つにおいて、前記情報取得部は、前記工作機械が前記切削工具の交代を開始してから終了するまでに要する時間より短い時間間隔により、繰り返し前記情報を取得してもよい。情報取得部は、工作機械が切削工具の交代を開始してから終了するまでに要する時間より短い時間間隔によって、第1切削工具が使用されるようになったか否か、それまで使用されていた第1切削工具から別の切削工具に切削工具が変更されたかを知ることができる。次の作業において切削工具が加工に使用されるに先立って、データ収集装置が確実に切削工具の交代を知ることができる。
(6)上記(1)から上記(4)のいずれか1つにおいて、前記工作機械は、前記工作機械が使用している切削工具を切替えたときに、当該切削工具を特定する前記情報を出力する機能を持ち、前記情報取得部は、前記工作機械から、前記工作機械が使用している切削工具を切替えたときに、前記工作機械から前記情報を取得してもよい。工作機械が使用している切削工具を切替えたときに、情報取得が交換後の切削工具に関する情報を知ることができる。そのため、切削工具が交換されるときに、データ収集装置が確実に切削工具の交換を知ることができ、データ収集の停止および開始を確実に行える。工作機械が使用している切削工具を知るために常に工作機械に対して使用中の切削工具を照会する必要がなくなり、処理を簡単にできる。
(7)上記(1)から上記(4)のいずれか1つにおいて、前記第1切削工具の前記センサは、少なくとも加速度センサを含んでもよく、前記第1切削工具は、前記加速度センサの出力に基づいて、前記工作機械において切削工具の切替えが生じたことを検出して、前記出力部を介して切替検出信号を前記データ収集装置に出力する機能を持ち、前記情報取得部は、前記第1切削工具から前記切替検出信号を受信したことに応答して、前記工作機械から、前記工作機械が使用している切削工具が装着された前記装着部を特定する情報を取得してもよい。
工作機械において切削工具を交換するときには、その装着部を持つ機械部分が機械的に移動させる。そのため、切削工具に加速度センサが備えられているときには、加速度センサによりその機械の動作を検出することによって、工作機械において使用する切削工具が交換される可能性がある時間を特定できる。そのタイミングを第1切削工具からデータ収集装置に送信することにより、データ収集装置は、切削工具が交換される可能性のある時間帯に限って工作機械に対して使用中の切削工具を特定する情報を要求できる。常にそうした情報を要求する必要がなくなり、データ収集装置および工作機械において実行される処理を簡略化できる。
(8)この開示の第2の局面に係るデータ収集方法は、コンピュータが、複数の切削工具を装着可能な複数の装着部を持ち、前記複数の切削工具を切替えてワークの加工に使用する工作機械から、前記工作機械が使用している切削工具が装着された装着部を特定する情報を取得するステップと、コンピュータが、第1切削工具が装着されている前記装着部に関する前記情報を記憶装置に記憶するステップとを含み、前記第1切削工具は、当該第1切削工具の状態を検出するセンサと、当該センサの出力するデータを出力する出力部とを持ち、さらに、前記情報を取得する前記ステップにおいて得られた前記情報が、前記第1切削工具が装着されている前記装着部に関する前記情報と一致しているか否かに従って、前記第1切削工具からの前記データの受信を実行または停止するステップを含む。この構成により、工作機械において使用されている切削工具が変更されると、新たな切削工具との通信が可能なら新たな切削工具からセンサの出力するデータを収集できる。また、新たな切削工具との通信ができないなら、データ収集を停止できる。工作機械において第1切削工具が加工に使用されていないときには、第1切削工具においてセンサ出力を調べたり、センサ出力を外部に送信したりすることが不要になる。その結果、サンプリングレートが高いことにより生ずる問題を解決できる。
(9)この開示の第3の局面に係るデータ収集プログラムは、コンピュータを、複数の切削工具を装着可能な複数の装着部を持ち、前記複数の切削工具を切替えてワークの加工に使用する工作機械から、前記工作機械が使用している切削工具が装着された装着部を特定する情報を取得する情報取得部と、第1切削工具が装着されている前記装着部に関する前記情報を格納する情報格納部として機能させるコンピュータプログラムであって、前記第1切削工具は、当該第1切削工具の状態を検出するセンサと、当該センサの出力するデータを出力する出力部とを持ち、前記コンピュータプログラムはさらに、コンピュータを、前記情報取得部により得られた前記情報が、前記第1切削工具が装着されている前記装着部に関する前記情報と一致しているか否かに従って、前記第1切削工具からの前記データの受信を実行または停止するデータ受信部として機能させる。この構成により、工作機械において使用されている切削工具が変更されると、新たな切削工具との通信が可能なら新たな切削工具からセンサの出力するデータを収集できる。また、新たな切削工具との通信ができないなら、データ収集を停止できる。工作機械が第1切削工具を加工に使用していないときには、第1切削工具においてセンサ出力を調べたり、センサ出力を外部に送信したりすることが不要になる。その結果、サンプリングレートが高いことにより生ずる問題を解決できる。
(10)この開示の第4の局面に係る切削工具は、無線通信部と、切削加工用インサートを保持するホルダと、前記ホルダに設けられたセンサと、前記ホルダに備えられ、前記センサの出力を測定し、前記無線通信部を介して無線通信により外部に送信するデータ送信部と、前記無線通信部を介して外部から第1指示を、または前記第1指示と異なる第2指示を受信したことに応答して、それぞれ前記データ送信部に前記センサの出力の測定を開始させ、または停止させるセンサ制御部とを含む。この構成により、工作機械において切削工具が使用されるときには第1指示を切削工具に送信することにより、データ収集装置が切削工具からのセンサデータを収集できる。使用される切削工具が変更され、切削工具が使用されなくなると、第2指示を切削工具に送信することにより、切削工具においてセンサ出力を測定したり、外部に送信したりする処理を休止できる。その結果、切削工具からデータを収集するときには切削工具を休止させることにより消費電力を抑えることが可能となり、サンプリングレートが高いことにより生ずる問題を解決できる。
(11)この開示の第5の局面に係るデータ収集システムは、センサを備え、当該センサの検出したデータを外部に送信する機能を持つ切削工具と、前記切削工具からの前記データを収集するデータ収集装置とを含むデータ収集システムであって、前記データ収集装置は、複数の切削工具を装着可能な複数の装着部を持ち、前記複数の切削工具を切替えてワークの加工に使用する工作機械から、前記工作機械が使用している切削工具が装着された装着部を特定する情報を取得する情報取得部と、前記切削工具が装着されている前記装着部に関する前記情報を格納する情報格納部と、前記情報取得部により取得された前記情報が、前記切削工具が装着されている前記装着部に関する前記情報と一致しているか否かに従って、前記切削工具からの前記データの受信を実行または停止するデータ受信部と、前記情報取得部により得られた前記情報が、前記切削工具が装着されている前記装着部に関する前記情報と一致した状態から、一致していない状態に変化したことに応答して、前記センサによる前記状態の検出を停止させるための第1指示を前記切削工具に送信する停止制御部と、前記情報取得部により得られた前記情報が、前記切削工具が装着されている前記装着部に関する前記情報と一致していない状態から、一致した状態に変化したことに応答して、前記センサによる前記状態の検出を開始させるための第2指示を前記切削工具に送信する開始制御部とを含み、前記切削工具は、無線通信部と、前記センサが取付けられ、切削加工用インサートを保持するホルダと、前記ホルダに備えられ、前記センサの出力を測定し、前記無線通信部を介して無線通信により前記データ収集装置に送信するデータ送信部と、前記無線通信部を介して前記データ収集装置から前記第1指示を、または前記第2指示を受信したことに応答して、それぞれ前記データ送信部に前記センサの出力の測定を開始させ、または停止させるセンサ制御部とを含む。この構成により、工作機械において使用される切削工具が変更されると、新たな切削工具との通信が可能なら新たな切削工具からセンサの出力するデータをデータ収集装置が収集できる。また、新たな切削工具との通信ができないなら、その切削工具からのデータ収集を停止できる。工作機械において第1切削工具が加工に使用されていないときには、第1切削工具においてセンサ出力を調べたり、センサ出力を外部に送信したりする処理を休止できる。その結果、サンプリングレートが高いことにより生ずる問題を解決するデータ収集装置が提供できる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態に係るデータ収集装置、データ収集方法、データ収集プログラム、切削工具、およびデータ収集システムの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1.基本的構成
図1に、この開示に係る工作機械システム10の基本的構成を示す。図1を参照して、工作機械システム10は、切削工具16と、切削工具16のような切削工具を複数、切替えて使用する工作機械14と、切削工具16に備えられたセンサからセンサデータを収集し、表示するデータ収集部12とを含む。なお、以下の記載において使用する切削工具16は、転削工具でもよいし旋削工具でもよい。
切削工具16は、切削工具16の状態を検出するセンサ48と、センサ48の出力するデータを受信し出力する出力部46と、出力部46の出力するセンサデータを無線通信によりデータ収集部12に送信する無線通信モジュール44とを持つ。
工作機械14は、無線通信機36と、複数の切削工具が装着される装着部を持つ図示しないタレットと、加工のスケジュールに従ってタレットを回転することにより、加工に使用する切削工具を選択するタレット制御部42と、タレット制御部42により、工作機械14が加工に使用している切削工具が装着されている装着部を示すタレット番号を記憶するタレット番号記憶部40と、タレット番号記憶部40に記憶されたタレット番号を、相手からの要求に応じて、またはタレット番号が変更されたことに応答して、無線通信機36を介してデータ収集部12に送信するための無線通信機36とを含む。なお、ここにいう「タレット番号が変更された」とは、今まで使用していた切削工具による加工が終わり、タレット番号記憶部40に記憶されているタレット番号が、次に使用する切削工具が装着された装着部のタレット番号に切り替えられたことを意味する。そして、またこの明細書において、工作機械がある切削工具を「使用している」期間とは、タレット番号がその切削工具が装着されている装着部のタレット番号に切り替えられてから、その切削工具による加工が終了し、タレット番号記憶部40の記憶内容が、次に使用する切削工具が装着されている装着部のタレット番号により書き換えられるまでの期間のことをいう。なお、この明細書においては、工作機械14が加工に使用している切削工具が装着されている装着部を特定する情報を「タレット番号」と呼ぶが、使用する切削工具が装着されている装着部を特定することができる情報であれば、タレット番号に限らず他の情報(例えばタレットの回転角度(0度から360度の範囲)、または装着部を示す識別子など)でもよい。
データ収集部12は、工作機械14および切削工具16からの無線送信を受信する無線受信機34を含む。この実施形態においては、データ収集部12は、工作機械14および切削工具16からの情報を全て、無線受信機34を介して受信する。
データ収集部12はさらに、機械加工に使用する工作機械14から、工作機械14が使用している切削工具16が装着された装着部を特定する情報を取得する情報取得部22と、第1切削工具が装着されている装着部に関する情報を図示しない記憶装置に格納する情報格納部24とを含む。工作機械システム10はさらに、情報取得部22により得られた情報が、情報格納部24に記憶された、切削工具16が装着されている装着部に関する情報と一致しているか否かに従って、切削工具16に対してセンサデータの送信を開始する指示またはセンサデータの送信を停止する指示を、無線受信機34を介して切削工具16に送信する開始制御部26と、開始制御部26からのデータ送信の指示に応答して、切削工具16が送信するセンサデータを、無線受信機34を介して受信するデータ受信部28とを含む。
データ収集部12はさらに、データ受信部28が受信したセンサデータを蓄積するデータ蓄積部30と、データ蓄積部30が蓄積したデータに対する所定のデータ処理を行って、切削工具16の状態を示すデータ表示を、図示しないモニタを使用して行うためのデータ表示部32と、データ収集部12の各部の制御を行うためのメイン制御部20とを含む。
2.第1実施形態
A.構成
A1.全体構成
図2を参照して、第1実施形態に係る具体的な工作機械システム50は、工作機械64と、工作機械64の内部にある切削工具のデータ送信機72、データ送信機74、およびデータ送信機76と、これらデータ送信機などから無線通信によりセンサ情報を収集して蓄積し、リアルタイムにデータの時系列表示を行うデータ収集システム52とを含む。
工作機械64は加工処理に関する全般の制御を行う制御部70を含む。工作機械64、データ送信機、およびデータ収集システム52の詳細については後述する。
A2.切削工具100
図3はデータ送信機72を有する切削工具100の構成を示す。図3を参照して、切削工具100は、切削インサート116が固定されるヘッド部112と、ヘッド部112の、切削インサート116が固定された端部と反対側に固定されたホルダ部110とを含む。切削工具100は旋削工具である。切削インサート116は、その先端に切刃118を持ち、固定用部材114によってヘッド部112に着脱可能に固定される。図3において、ホルダ部110は、上面124、底面128、前面120、背面126、および端面122を持つ。
この実施形態における切削工具100はさらに、ホルダ部110の内部に設けられた熱センサ134、加速度センサ136、ならびにホルダ部110の外部に設けられたひずみセンサ130およびひずみセンサ132などのセンサモジュールを含む。熱センサ134はホルダ部110の内部のヘッド部112に近い位置に固定される。ひずみセンサ130はホルダ部110の前面120に固定される。ひずみセンサ132は底面128に固定される。
切削工具100はさらに、ホルダ部110の内部に、各センサモジュールからのセンサ出力を受けるように設けられ、それら出力センサをサンプリングしデジタル化してデータ収集システム52に送信する処理を行うための、図2に示したデータ送信機72を含む。
図4を参照して、データ送信機72は、上記した各センサモジュールからのセンサ出力をサンプリングしデジタル化するA/D変換部150と、A/D変換部150が出力するデジタルデータを受信するように接続されたCPU(Central Processing Unit)152と、CPU152に接続された不揮発性メモリ156と、不揮発性メモリ156によって処理され送信のためにパケット化されたセンサデータを無線通信によりデータ収集システム52に送信するための無線通信モジュール154とを含む。制御部70にはさらに、A/D変換部150、CPU152、無線通信モジュール154および不揮発性メモリ156に対して電力を供給する電源158が設けられる。この実施形態においては、電源158は電池である。電源158は充電式の電池でもよいし、乾電池でもよい。
A3.工作機械64
図5を参照して、工作機械64の制御部70は、各々に切削工具が装着できる複数の装着部を持つタレット210を備え、加工のスケジュールに従ってタレット210を回転させて選択した切削工具を使用してワークに対する加工を行うための加工部200と、所定のプログラムに従って加工部200を制御するためのプロセッサ202と、プロセッサ202に接続され、プロセッサ202が外部と通信を行う際に使用する無線通信機204とを含む。
図6を参照して、タレット210は、扁平な円柱形をしており中心軸220の周りに45度を単位として回転可能である。タレット210の側面には、時計方向に、各々が図3に示す切削工具100のような切削工具を装着可能な8個の装着部、すなわち装着部230、装着部232、装着部234、装着部236、装着部238、装着部240、装着部242および装着部244が設けられている。図6に示す例においては、装着部230には切削工具100が、装着部244には切削工具102が、装着部242には切削工具104が、それぞれ装着されている。それ以外の装着部232、装着部234、装着部236、装着部238、および装着部240には切削工具は装着されていない。なお、この実施形態においてタレットには最大8個の切削工具が装着可能である。しかしこの開示はそのような実施形態に限定されない。装着可能な切削工具の最大数が7個以下、または9個以上の場合にもこの開示を適用できる。さらに、各々が複数個の切削工具を切り替えることが可能な複数個のタレットを持ち、タレットおよび切削工具を切り替えて作業を行う工作機械も考えられる。そのような場合には、タレット番号だけでなく、タレット自体の識別子をタレット番号と組み合わせるようにすればよい。
図7に、プロセッサ202を実現するコンピュータ300のハードウェア構成の1例を示す。
図7を参照して、このコンピュータ300は、CPU320と、CPU320に接続されたバス328と、バス328に接続され、コンピュータ300のブートアッププログラムなどを記憶するROM(Read-Only Memory)322と、バス328に接続され、実行時のプログラムを構成する命令、システムプログラム、システム状態、および作業データなどを記憶するRAM324と、バス328に接続された不揮発性メモリであるSSD(Solid State Drive)326とを含む。SSD326は、CPU320が実行するプログラム、およびCPU320が実行するプログラムが使用するデータなどを記憶するためのものである。コンピュータ300はさらに、いずれもバス328に接続され、周辺機器が接続される入出力I/F(Interface)330と、他端末との通信を可能とするネットワーク304への接続を提供するネットワークI/F334と、USB(Universal Serial Bus)メモリ302が着脱可能であり、USBメモリ302とコンピュータ300内の各部との通信を提供するUSBポート332とを含む。
この実施形態においては、プロセッサ202が実行するプログラムなどは、いずれも例えば図7に示すSSD326、RAM324、またはUSBメモリ302、もしくはネットワークI/F334およびネットワーク304を介してバス328に接続された図示しない外部装置の記憶媒体などに格納される。典型的には、これらのデータおよびパラメータなどは、例えば外部からSSD326に書込まれコンピュータ300による実行時にはRAM324にロードされる。なお、プロセッサ202は、加工部200を制御してタレット210により使用する切削工具を選択して加工処理を行う。このとき、加工部200が加工に使用している切削工具が装着されている装着部のタレット番号が図5に示すようにプロセッサ202内のタレット番号記憶部212と呼ばれる記憶領域に記憶される。タレット番号記憶部212は、例えば図7のRAM324の内部に設けられる。
プロセッサ202が実行するプログラムは、例えばUSBメモリ302に記憶されており、USBメモリ302をUSBポート332に装着した状態において、SSD326に転送され記憶される。または、このプログラムはネットワーク304およびネットワークI/F334を通じてコンピュータ300に送信されSSD326に記憶されてもよい。
プログラムは実行のときにRAM324にロードされる。もちろん、図示しないキーボード、モニタおよびマウスなどを入出力I/F330に接続し、これらを用いてソースプログラムを入力してもよい。このソースプログラムをコンパイルした後のオブジェクトプログラムをSSD326に格納すればよい。スクリプト言語の場合には、キーボードなどを用いて入力したスクリプトをSSD326に格納してもよい。仮想マシン上で動作するプログラムの場合には、仮想マシンとして機能するプログラムを予めコンピュータ300にインストールしておく必要がある。
CPU320は、その内部のプログラムカウンタと呼ばれるレジスタ(図示せず)により示されるアドレスに従ってRAM324からプログラムを読み出して命令を解釈し、命令の実行に必要なデータを命令により指定されるアドレスに従ってRAM324、SSD326またはそれ以外の機器から読み出して命令により指定される処理を実行する。CPU320は、実行結果のデータを、RAM324、SSD326、CPU320内のレジスタなど、プログラムにより指定されるアドレスに格納する。このとき、プログラムカウンタの値もプログラムによって更新される。コンピュータプログラムは、USBメモリ302から、またはネットワーク304およびネットワークI/F334を介して、RAM324に直接にロードしてもよい。
コンピュータ300との協働によりこの開示の各実施形態に係る制御部70の各部の機能を実現するプログラムの構成については後述する。それらプログラムは、各機能を実現するようコンピュータ300を動作させるように記述され配列された複数の命令を含む。この命令を実行するのに必要な基本的機能のいくつかはコンピュータ300上で動作するオペレーティングシステム(OS(Operating System))もしくはサードパーティのプログラム、またはコンピュータ300にインストールされる各種ツールキットのモジュールにより提供される。したがって、このプログラムはこの実施形態のシステムおよび方法を実現するのに必要な機能全てを必ずしも含まなくてよい。このプログラムは、命令の中において、所望の結果が得られるように制御されたやり方で適切な機能または「プログラミング・ツール・キット」の機能を静的にリンクすることにより、またはプログラムの実行時に動的にそれら機能にリンクすることにより、上記した各装置およびその構成要素としての動作を実行する命令のみを含んでいればよい。そのためのコンピュータ300の動作方法は周知である。したがって、ここでは繰返さない。
コンピュータの動作に関する上記記載は、この開示における他のコンピュータについても同様である。したがって、以後にこの開示の各実施形態において使用されるコンピュータの一般的動作については繰り返さない。
A4.データ収集システム52
再び図2を参照して、データ収集システム52は、工作機械64の内部のタレット210に装着された切削工具に設けられた無線通信モジュール154(図4を参照)と無線通信を行い、主として各データ送信機からのセンサデータを受信するための無線通信機62と無線通信機62が受信したセンサデータを蓄積し、センサデータの時系列を各旋削工具と対応付けて表示する処理を行うデータ収集装置60とを含む。
図8は、データ収集装置60を実現するコンピュータ350のハードウェア構成の1例を示すブロック図である。図8を参照して、このコンピュータ350は、いずれもコンピュータ350の筐体に設けられた、ユーザと対話するためのキーボード356、タッチパッド354、およびモニタ352を含む。もちろんこれらはユーザ対話が必要となったときのための構成の一例であって、ユーザ対話に利用できる一般のハードウェアおよびソフトウェア(例えばマウス、音声入力、ポインティングデバイス一般)であればどのようなものも利用できる。
図18を参照して、コンピュータ350は、CPU370と、CPU370に接続されたバス378と、バス378に接続され、コンピュータ350のブートアッププログラムなどを記憶するROM372と、バス378に接続され、実行時のプログラムを構成する命令、システムプログラム、システム状態、および作業データなどを記憶するRAM374と、バス378に接続された不揮発性メモリであるSSD376とを含む。SSD376は、CPU370が実行するプログラム、およびCPU370が実行するプログラムが使用するデータなどを記憶するためのものである。コンピュータ350はさらに、いずれもバス378に接続され、周辺機器が接続される入出力I/F382と、他端末との通信を可能とするネットワーク360への接続を提供するネットワークI/F386と、USBメモリ358が着脱可能であり、USBメモリ358とコンピュータ350内の各部との通信を提供するUSBポート384とを含む。
図9に、この実施形態においてCPU370が使用する主な変数の、RAM374の内部の記憶領域を示す。すなわち、RAM374は、加工部200が使用している切削工具が装着された装着部の番号を格納する現タレット番号記憶領域392と、タレットが切替えられたときに、新たに使用されることになる切削工具が装着されている装着部のタレット番号を格納する新タレット番号記憶領域390とを含む。RAM374はさらに、各タレット番号と、それらタレット番号に対応する装着部に装着されている切削工具の識別子との対応関係を示すタレット番号/切削工具識別子対応テーブルを記憶するための対応テーブル記憶領域394とを含む。
A5.プログラム構成(データ収集装置60)
図10に図2に示すデータ収集装置60が工作機械64からのデータ収集を行うために利用者が起動する操作アプリケーションの制御構造をフローチャート形式により示す。このアプリケーションは、基本的に対話形式により利用者の指示を受けて動作する。
図10を参照して、このプログラムは、起動された直後に、プログラムが使用する記憶領域の確保、その値の初期化、周辺機器との接続の確認および初期化、初期画面の表示などの初期設定を行うステップ410と、利用者により入力される指示または外部機器からの入力がどのようなものかを判定して、制御の流れを分岐させるステップ412とを含む。
この実施形態においては、初期画面には、対象となる切削工具とそれら切削工具が装着された装着部のタレット番号との入力を選択する第1ボタン、工作機械64からデータ収集を行うための第2ボタン、それ以外の処理を実行するための第3ボタン、およびプログラムの実行を終了するための第4ボタンが表示されるものとする。
このプログラムは、ステップ412において第1ボタンが押されたときに実行され、対象切削工具のタレット番号の入力処理を行った後、制御をステップ412に戻すステップ414と、ステップ412において第2ボタンが押されたときに実行され、工作機械64からのデータ収集を開始する処理を起動し、処理の終了後に制御をステップ412に戻すステップ416とを含む。このプログラムはさらに、ステップ412において第3ボタンが押されたときに実行され、その他の所定の処理を実行した後に制御をステップ412に戻すステップ418と、ステップ414において第4ボタンが押されたことに応答して、このプログラムの実行を終了するステップ420とを含む。
図11に、図10のステップ414においてモニタ352に表示される画面430の例を示す。図11を参照して、画面430には、1から8までの8個のタレット番号と、各タレット番号の装着部に装着された切削工具の識別名を入力するための8個のフィールド列440とが表示される。特定の装着部に切削工具100と同様の機能を持つ切削工具を装着したときには、その装着部のタレット番号に対応するフィールド列440に、その切削工具の識別名を装着する。なおここにいう切削工具の識別名とは、例えば各切削工具が持つ無線通信モジュールに割当てられたMacアドレスでもよいし、切削工具の生産時にその切削工具に割当てられた識別子でもよいし、事後的に切削工具の利用者が他の切削工具と区別しやすいようにその切削工具に割当てた名前でもよい。フィールド列440に入力された切削工具の識別名は、そのフィールドに対応するタレット番号と対応付けて図9に示す対応テーブル記憶領域394に格納される。フィールド列440に入力がなかった場合、そのフィールド列に対応するタレット番号に対応する切削工具識別子は空白となる。
画面430にはさらに、切削工具識別名とタレット番号との対応関係の設定をキャンセル時に使用するキャンセルボタン442と、画面430において入力された切削工具識別名とタレット番号との対応関係を図9の対応テーブル記憶領域394に記憶させることを指示するときに使用する設定ボタン444とが表示される。
図12に、この開示において、図10に示すステップ416が選択され、その後に表示される画面においてデータ収集の開始が指示されたことに応答して、図8に示すコンピュータ350が実行するプログラムの制御構造をフローチャート形式により示す。
図12を参照して、このプログラム450は、図9に示す対応テーブル記憶領域394を参照して、タレット210に装着された切削工具の中において、データ収集装置60との無線通信が可能な切削工具の各々の無線通信モジュールとの接続を確立するステップ452と、このプログラムに入力として与えられるメッセージが、プログラムの実行の終了指示か否かに応じて制御の流れを分岐させるステップ454とを含む。ステップ452においてはまた、初期処理として、後述するデータ収集フラグがリセットされ、現タレット番号が1から8のいずれでもない特定の値(例えば0)に設定される。新タレット番号については、1から8のいずれでもなく現タレット番号とも異なる値(例えば9)に設定することが望ましい。なお、現タレット番号と新タレット番号とを格納する変数のデータ型は、ステップ458における比較が正しく行えるなら、数値型(例えば整数型)でもよいし、文字列型であってもよい。
このプログラムはさらに、ステップ454における判定が否定的なときに、加工部200(図5を参照)において使用中の切削工具のタレット番号を取得するステップ456と、ステップ456において取得されたタレット番号が、前回のステップ456の実行時に取得されたタレット番号から変化しているか否かに従って制御の流れを分岐させるステップ458とを含む。ステップ458において、タレット番号が変化していると判定されたとき、直前のタレット番号を「現タレット番号」とよび、変化後のタレット番号を「新タレット番号」と呼ぶ。これらタレット番号は、この実施形態においてはそれらの名称に対応した記憶領域(図9に示す新タレット番号記憶領域390および現タレット番号記憶領域392)に格納される。
この実施形態においては、ステップ456におけるタレット番号の取得をするためには、工作機械64において、外部からのタレット番号の要求に応じて、加工に使用しているタレット番号を出力する機能があることを想定している。加工をするためには、制御部70は使用している切削工具に対応するタレット番号を保持しておく必要がある。したがって、この情報を外部に提供することは特に困難なく行える。
このプログラムはさらに、ステップ458における判定が肯定的なときに、現在、切削工具からセンサデータを収集中か否かに従って制御の流れを分岐させるステップ460と、ステップ460における判定が肯定的なときに、現タレット番号に対応の切削工具に対して、センサによる測定を休止するよう指示を送信するステップ462と、ステップ462に続き、それまでにその切削工具から受信し蓄積していたデータをファイルとしてSSD376(図8を参照)に保存するステップ464とを含む。データ収集中か否かについては、後述するデータ収集フラグがセットされているか否かに従って判定できる。なおこの実施形態においては、測定の休止時にデータをファイルに保存している。しかしこの開示はそのような実施形態には限定されない。例えば受信したデータを常時ファイルに保存したり、所定回数のデータの受信が完了するたびにデータをファイルに保存したりしてもよい。また同一の切削工具から受信したデータは同一ファイルに追加するようにしてもよいし、同一の切削工具から受信したデータであっても、所定の単位(例えば所要時間、データ量など)により分割して複数のファイルに保存したりしてもよい。さらに、異なる切削工具から受信したデータを、切削工具が区別できるようにして同じファイルに保存するようにしてもよい。
このプログラムはさらに、ステップ460における判定が否定的なとき、およびステップ460における判定が肯定的であり、かつステップ462およびステップ464における処理が終了したときに、新タレット番号に対応する工作機械システムの識別名が対応テーブル記憶領域394に格納されているか否かに従って制御の流れを分岐させるステップ468と、ステップ468における判定が肯定的なときに、新タレット番号に対応する切削工具に、センサデータの測定を開始するよう指示を送信するステップ470と、ステップ470に続き、データ収集フラグをセットするステップ472とを含む。データ収集フラグがセットされていれば、現在、制御部70からデータを収集中であり、データ収集フラグがリセットされていれば、制御部70からのデータ収集は実行されていないことが分かる。
このプログラムはさらに、ステップ468における判定が否定であることに応答して、データ収集フラグをリセットするステップ474と、ステップ468における判定が肯定的であって、かつステップ470およびステップ472の実行が終了したとき、およびステップ468における判定が否定的であって、かつステップ474の実行が終了したときに、新タレット場号を現タレット番号に格納するステップ478と、これまでに収集したデータの最新の所定時間分の時系列データにより、モニタ352の表示を更新し、制御をステップ454に戻すステップ480とを含む。
このプログラムはさらに、ステップ458における判定が否定的なときに、現在制御部70により加工に使用されている切削工具からのデータ収集中か否かに従って制御の流れを分岐させるステップ482と、ステップ482における判定が肯定的なときに、図9に示す対応テーブル記憶領域394に従い、現タレット番号に対応する切削工具からデータを受信するステップ484と、ステップ484において受信したデータをメモリに蓄積するステップ486と、ステップ486において蓄積されたデータを用いて、モニタ352の表示を、最新のデータの時系列を用いて更新し、制御をステップ454に戻すステップ488とを含む。ステップ482における判定が否定的なときには、制御はステップ454に戻る。
このプログラムはさらに、ステップ454における判定が肯定的なときに、現在、各切削工具からセンサデータを収集中か否かに従って制御の流れを分岐させるステップ490と、ステップ490における判定が肯定のときに、現タレット番号に対応の切削工具に対してセンサによる測定を休止させる指示を送信するステップ492と、ステップ492に続き、これまでに各切削工具から受信し蓄積していたセンサデータを、切削工具ごとにファイルとして保存するステップ494とを含む。
このプログラムはさらに、ステップ490における判定が否定のとき、およびステップ490における判定が肯定であり、かつステップ492およびステップ494が完了したときに、各切削工具の無線通信モジュール154との接続を終了し、このプログラム450の実行を終了するステップ496とを含む。
A6.プログラム構成(切削工具100)
図13に、例えば図4のCPU152が実行する切削工具側処理のプログラムの制御構造を示す。図13を参照して、このプログラム500は、データ送信機72の各部を初期化するステップ510と、ステップ510に続き、外部(この実施形態においては無線通信機62を介して接続されているデータ収集装置60)から何らかの指示を受信したか否かに従って制御の流れを分岐させるステップ512と、ステップ512における判定が肯定的なときに、ステップ512において受信した指示がセンサデータの測定処理を開始する指示(測定開始指示)か否かに従って制御の流れを分岐させるステップ522とを含む。
このプログラムはさらに、ステップ522における判定が否定的なときに、ステップ512において受けた指示がセンサデータの測定を休止する指示(測定休止指示)か否かに従って、制御の流れを分岐させるステップ526と、ステップ526における判定が肯定的なときに、測定フラグ(後述)をリセットして制御をステップ512に戻すステップ528と、ステップ526における判定が否定的なときに、ステップ512において受信された指示に従った処理(センサデータの送信とは別の処理)を実行し、制御の流れをステップ512に戻すステップ530とを含む。
ステップ528においてリセットされる測定フラグとは、切削工具がセンサの出力の測定を実行中か否かを判定するためにCPU152が使用するフラグである。測定フラグがセットされていれば切削工具がセンサ出力を測定中でありデータ収集装置60に送信中であること、すなわちデータ収集装置60がセンサデータを受信中であることを示す。測定フラグがリセットされていれば、切削工具がセンサ出力の測定を行っておらず(休止中であり)、データの送信も行っていないこと、すなわちデータ収集装置60がセンサデータを受信中ではないことを示す。切削工具がセンサデータの測定を行っていない場合、CPU152(図4を参照)は実質的な処理を行っておらず、CPU152の消費電力は小さく抑えられる。
プログラム500はさらに、ステップ512における判定が否定的なときに、測定フラグがセットされているか否かに従って制御の流れを分岐させるステップ514と、ステップ514における判定が肯定的なときに、切削工具に接続されている各センサの出力を、無線通信モジュール154を介してデータ収集装置60に送信し、制御をステップ512に戻すステップ518と、ステップ514における判定が否定的なときに、ステップ512の動作を所定時間休止し、その後に制御をステップ512に戻すステップ520とを含む。なお、ステップ518において実行される送信処理は、実際には無線通信モジュール154にデータを渡す処理であり、CPU152がデータ収集装置60との通信を直接制御するわけではない。無線通信モジュール154が、CPU152から受けたデータからパケットを順次に成形してそれぞれ無線通信機62に送信する。
A7.プログラム構成(工作機械64)
図14に、工作機械64のプロセッサ202(図7を参照)が実行するプログラムの制御構造をフローチャート形式により示す。
図14を参照して、このプログラムは、プログラムが起動された直後に、ハードウェアの各部を初期化する初期処理を実行するステップ560と、外部から何らかの入力があったか否かに従って制御の流れを分岐させるステップ562とを含む。ステップ562における判定が否定的なら制御はステップ562に戻り、外部からの入力があるまで待機する。外部からの入力としては、図5に示す無線通信機204を介して外部(例えばデータ収集装置60)から受信する指示、利用者が操作パネル306を使用して入力する指示、および加工部200が加工の経過に伴って出力する何らかの通知などがある。以下においては、データ収集装置60がステップ456において行う、タレット番号の問い合わせ処理を受けた場合にデータ収集装置60が実行する処理を中心にプログラム構成を説明する。
このプログラムはさらに、ステップ562における判定が肯定的なときに、その指示が加工処理の開始の指示か否かを判定し、その結果に従って制御の流れを分岐させるステップ564と、ステップ564における判定が肯定的なときに、処理中フラグをセットするステップ566と、ステップ566に続き、加工部200を起動し所定の加工プログラムを実行させて制御をステップ562に戻すステップ568とを含む。
このプログラムはさらに、ステップ564における判定が否定的なときに、指示が加工の終了を示す指示か否かに従って制御の流れを分岐させるステップ570と、ステップ570における判定が肯定的なときに、処理中フラグをオフするステップ572と、加工部200を停止させて制御をステップ562に戻すステップ574とを含む。
このプログラムはさらに、ステップ564における判定が否定的なときに、ステップ562において受けた入力が、データ収集装置60からタレット番号の問い合わせか否かに従って制御の流れを分岐させるステップ576と、ステップ576における判定が肯定的なときに、使用されている切削工具が装着されている装着部の番号であるタレット番号を図5に示すタレット番号記憶部212(実質的には図7に示すRAM324)から読み出すステップ578と、ステップ578において読み出されたタレット番号をデータ収集装置60に対して無線通信により返信し、制御をステップ562に戻すステップ580と、ステップ576における判定が否定的なときに、ステップ562において入力を受けた指示に従って、何らかの処理を実行し制御をステップ562に戻すステップ582とを含む。
B.動作
以上に構造を説明した工作機械システム50(図2を参照)は、以下のように動作する。例えば、利用者は、最初にデータ収集装置60において図10に示すプログラム400を起動する。そして、第1ボタンを操作する。第1ボタンが操作されると図11に示される画面430がモニタ352に表示される。利用者は、この画面430を使用して、タレット210の各装着部のうちのいずれかに、切削工具100と同様の機能を持つ切削工具が装着されていれば、その装着部のタレット番号に対応する識別子として、その切削工具の識別名をフィールド列440の対応するフィールドに入力する。使用する切削工具の全てについて識別名をフィールド列440に入力した後、利用者が設定ボタン444を押すことにより、データ収集の対象となると切削工具の識別名が、その切削工具が装着される装着部のタレット番号に対応して対応テーブル記憶領域394(図9を参照)に記憶される。この結果、制御部70における加工処理の開始が可能になる。
次に利用者は、工作機械64のタレット210の装着部のうち、図11に示す画面430において設定したタレット番号に対応する装着部に、画面430において設定した識別名に対応する切削工具を装着する。利用者は、ワークに対して実行する処理に基づき、加工に必要な他の切削工具についてもそれぞれ所定の装着部に装着する。タレット210に、必要な切削工具が全て装着されると、加工処理の開始とデータの収集処理とが開始できる。ここにおいては、図6に示すように装着部230(タレット番号=0)には切削工具100が、装着部244には切削工具102が、装着部242には切削工具104が、それぞれ装着されたものとする。これらの切削工具は、いずれもデータ収集装置60に対してセンサデータを送信する機能を備えている。また他の装着部には切削工具は装着されないものとする。また、タレット210は、工作機械64の起動時においては、装着部230(タレット番号=1)が使用される位置にあるとする。
したがって、プログラム400の起動時には図9の対応テーブル記憶領域394には、タレット番号1、タレット番号7、およびタレット番号8の装着部と、切削工具100、切削工具104、および切削工具102がそれぞれ対応付けて記憶されている。
切削工具100、切削工具102、および切削工具104の各々においては、図13に示すプログラムが起動され、ステップ510が実行された後、ステップ512における判定は、測定開始の指示を受信するまで、制御はステップ512→ステップ514→ステップ520という経路をたどり、切削工具は指示待ち状態となっている。すなわち、データ収集装置60からの測定開始の指示を受けるまでの間、これら切削工具はいずれも実質的に待ち状態にある。
データ収集装置60においては、最初にプログラム400のステップ416の処理が開始され、データ収集が開始される。さらに、工作機械64における加工処理も開始されたものとする。この場合、図12においてステップ452→ステップ454→ステップ456という処理が実行される。ステップ456においてデータ収集装置60は、工作機械64に対してタレット番号の通知を要求する。これに対して工作機械64のプロセッサ202は、図14に制御構造を示すプログラムにおいて、ステップ562、ステップ564、ステップ570、ステップ576という経路を経てステップ578およびステップ580を実行する。この結果、図5に示すタレット番号記憶部212に記録された、加工に使用されている切削工具が装着されている装着部を示すタレット番号が工作機械64からデータ収集装置60に送信される。
ステップ456において取得されるタレット番号(新タレット番号)は1である。ステップ458における判定は、現タレット番号が0であるため、必ず否定的となり、制御はステップ460に進む。まだデータ収集処理は開始されておらず、ステップ460の判定は否定的となり、制御はステップ468に進む。ステップ468においては、ステップ458において取得されたタレット番号(=1)が、図9に示す対応テーブル記憶領域394にあるか否かが判定される。ここにおける判定は肯定的である。すると、制御はステップ470に進む。ステップ470において新タレット番号(=1)に対応する切削工具100に、測定開始の指示が送信される。
この結果、切削工具100において実行中の、図13に示すプログラムにおいて、制御がステップ512→ステップ522→ステップ524と進む。ステップ524において測定フラグがオンとなり、制御はステップ512に戻る。この後のサイクルからは、制御はステップ512→ステップ514→ステップ516→ステップ518と進む。その結果、切削工具100におけるCPU152は、ステップ516において各センサの出力を読み(測定し)、ステップ518においてそのセンサデータをデータ収集装置60に送信する。
一方、図12を参照して、データ収集装置60においては、ステップ470において測定開始の指示を切削工具100に送信した後、ステップ472においてデータ収集フラグがセットされる。その後、新タレット番号(=1)が現タレット番号に記憶される。この結果、現タレット番号の値は1となる。さらにステップ480において、切削工具100から受信したデータがあればその結果を用いてモニタ352の表示を更新する。最初のサイクルにおいては切削工具100からデータ受信はまだない。したがってモニタ352においては何もデータがない状態がモニタ352に表示される。
この後、制御はステップ454に戻る。終了指示がされていないとすれば、ステップ454における判定は否定的となり、制御はステップ456に進む。通常、2番目のサイクルにおいてはタレット番号の変化はない。したがって、ステップ458の判定は否定的となる。制御はステップ482に進む。ステップ482における判定は肯定的となる。制御はステップ484、ステップ486およびステップ488という経路を進み、データ収集装置60は切削工具100からのセンサデータの受信、その蓄積、および表示の更新を行う。制御はステップ660に戻る。
こうして工作機械64が切削工具100を使用した加工処理を実行している間、切削工具100からのセンサデータをデータ収集装置60に送信する処理が繰り返し実行される。ある時間の経過後、プロセッサ202による加工部200の制御により、タレット番号8に対応する装着部244を使用するよう、タレット210が回転されたものとする。この結果、タレット番号記憶部212に保持される値は1から8に変化する。この場合、データ収集装置60および切削工具100は以下のように動作する。
図12を参照して、ステップ456において、新たなタレット番号、すなわち新タレット番号(=8)が取得される。一方、使用されている切削工具が装着されている装着部のタレット番号、すなわち現タレット番号は1である。この結果、ステップ458における判定が肯定となり、制御はステップ460に進む。データ収集フラグはステップ472においてセットされている。したがって、ステップ460における判定は肯定となり、ステップ462においてタレット番号1に装着されている切削工具100に対してセンサデータの送信を休止するように指示が送信される。続くステップ464において、切削工具100からそれまでに受信したデータをまとめてファイルに保存する処理が行われる。
次に、ステップ468において、タレット番号(=8)が対応テーブル記憶領域394に記憶されているか否かが判定される。タレット番号8は、図6に示すとおり切削工具102と対応付けて対応テーブル記憶領域394に記憶されている。したがってステップ468における判定は肯定となり、ステップ470において切削工具102に対してセンサ出力の測定を開始する指示が送信される。ステップ472においてデータ収集フラグがセットされる。さらにステップ478において新タレット番号(=8)が現タレット番号に記憶される。ステップ480において、切削工具100から収集したデータに基づいてデータ表示が更新され、制御はステップ454に戻る。こうして、切削工具100からのセンサデータの受信が終了し、切削工具102からのセンサデータの送信が開始される。以後、こうした処理が繰り返し実行される。
なお、図6に示す例においては、切削工具100、切削工具102および切削工具104以外の切削工具はタレット210に装着されていない。しかし、例えば切削工具100と同様の機能を備えていない切削工具、すなわちセンサデータの送信機能を持たない切削工具がタレット210に装着される場合には、上記と異なる場合が発生する。以下その場合の工作機械システム50の動作について説明する。
以下の説明において、6番目の装着部240に、センサデータの送信機能を持たない切削工具が装着されているものとする。この場合、この装着部に対応するタレット番号6は図9に示す対応テーブル記憶領域394には格納されない。
仮に、直前に切削工具104が加工処理に使用されており、その加工が終了し、タレット210が回転して装着部240に装着された切削工具が使用されることになったとする。この場合、図12のステップ456において取得される新タレット番号の値は6となる。これに対し、現タレット番号記憶領域392に記憶されている現タレット番号は7である。したがってステップ458における判定が肯定となる。ステップ462において切削工具104に対してセンサデータの送信を休止する指示が送信される。ステップ464において、切削工具104から受信したセンサデータがファイルに保存される。
続くステップ468における判定は否定的となる。したがって制御はステップ474に進み、ステップ474においてデータ収集フラグがクリアされる。ステップ478において新タレット番号(=6)が現タレット番号に記憶される。ステップ480において、ステップ464までの処理により収集されたデータに基づいて、データ表示が更新され、制御はステップ454に戻る。
装着部240に装着されている切削工具が使用されている間、ステップ456において取得されるタレット番号は6のままである。したがってステップ458における判定は否定的となる。データ収集フラグはステップ474においてクリアされている。したがってステップ482における判定は否定的となり制御はステップ474に戻る。すなわち、切削工具が新たなものに変更されない限り、切削工具からのセンサデータの収集は実行されない。
利用者がデータ収集の処理を収集する指示を行ったものとする。この場合、ステップ454における判定が肯定となる。ステップ490において、データ収集処理が実行中か否かが判定される。この判定は、データ収集フラグがセットされているかリセットされているかにより行われる。データ収集フラグがセットされている場合、ステップ492において現タレット番号に対応する切削工具に対して、センサデータの送信を休止する指示が出される。ステップ494において、それまでに受信したセンサデータがファイルとして保存される。ステップ496において、センサデータの送信機能を持つ全ての切削工具に対して、接続の終了が指示され、プログラム450の実行が終了される。この結果、各切削工具も機能を停止する。
ステップ490において、データ収集フラグがリセットされている場合には、直ちに各切削工具に対して接続の終了が指示され、プログラム450の実行が終了される。この場合も、各切削工具は機能を停止する。
以上のようにこの実施形態によれば、センサデータの送信機能を持つ切削工具が工作機械64において加工に使用されている場合には切削工具はセンサデータの送信を実行し、データ収集装置60は各切削工具からのセンタデータの受信を実行する。そのような切削工具が加工に使用されていない場合には、切削工具はセンサデータの送信を実行せず、データ収集装置60もセンサデータの受信を実行しない。この結果、切削工具において使用する電力が節約できる。そのため、電池を交換する期間も長くなる。その結果、サンプリングレートが高いことにより生ずる問題を解決できる。また、各切削工具とデータ収集装置60との間の接続は、データ収集装置60に対してデータ収集処理の開始が指示されてから、終了が指示されるまでの間にわたり維持される。特定の切削工具からデータ収集が開始されるときに、切削工具とデータ収集装置60とが新たに接続を確立する必要はない。その結果、切削工具が切替えられるときにも、切削工具から最初に送信されるセンサデータをデータ収集装置60が受信しそこなう可能性を小さくできる。
3.第2実施形態
A.構成
上記第1実施形態においては、データ収集装置60が図12のプログラム450を実行するにあたり、ステップ456を繰り返し実行することにより、加工に使用されている切削工具が変更されたことを検出している。しかし、この開示はそのような実施形態に限定されない。この第2実施形態においては、工作機械が、タレットを回転させて新たな切削工具による加工を開始したときに、その切削工具が装着されている装着に対応するタレット番号をデータ収集装置に送信する。この実施形態においては、データ収集装置60は、工作機械から新たなタレット番号の受信を行ったときに、通信相手となる切削工具を切替える。
この第2実施形態において使用されるデータ収集装置、工作機械、および切削工具などのハードウェア構成は第1実施形態と同じである。したがってそれらに関する詳細な説明は繰り返さない。
この第2実施形態においては、工作機械64のプロセッサ202(図7)が図15に制御構造を示すプログラム600を実行し、データ収集装置60のコンピュータ350(図8)が図16に制御構造を示すプログラム650を実行する。
図15を参照して、プログラム600が図14に示す第1実施形態のものと異なるのは、図14におけるステップ576、ステップ578およびステップ580に代えて、ステップ562において受信した入力が、加工部200(図5を参照)から受信した、タレット番号が変化したことを示す通知か否かに従って制御の流れを分岐させるステップ610と、ステップ610における判定が肯定的なときに、変更後のタレット番号をタレット番号記憶部212(図5を参照)から読み出すステップ612と、ステップ612において読み出されたタレット番号をデータ収集装置60に対して通知して制御をステップ562に戻すステップ614とを含む点である。
すなわち、この実施形態においては、工作機械64は、データ収集装置60からの要求に応じてタレット番号をデータ収集装置60に対して通知するのではなく、加工部200(図5)が使用する切削工具を切替えたことに応答して、新たな切削工具が装着されている装着部に対応するタレット番号をデータ収集装置60に通知する。このような構成によっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
この第2実施形態において、図2に示すデータ収集装置60のコンピュータ350(図8)が実行するプログラム650の制御構成を図16に示す。このプログラム650が図12に制御構造を示すプログラム450と異なるのは、図12のステップ456に代えて、ステップ454における判定が否定的なときに、ステップ660において受信した指示が工作機械64からのタレット番号の通知か否かに従って制御の流れを分岐させるステップ662を含む点である。ステップ662における判定が肯定的ならば制御はステップ458に進む。ステップ662における判定が否定的ならば制御はステップ482に進む。
他の点においては、プログラム650は図12に示すプログラム450と同じである。
B.動作
この第2実施形態において、工作機械64の加工部200(図5)は、動作中にタレット210を回転させると、新たなタレット番号をプロセッサ202(図5)に通知する。プロセッサ202は、この通知を受信すると、図15に制御構造を示すプログラムにおいて、ステップ562、ステップ564、ステップ570およびステップ610という経路を経て、ステップ612において通知されたタレット番号をタレット番号記憶部212(図5を参照)から読み出す。プロセッサ202は、このタレット番号をデータ収集装置60に対して無線通信により通知する。
一方、この第2実施形態に係る工作機械システム50におけるデータ収集装置60の動作はほぼ第1実施形態のときと同様である。異なるのは、ステップ454において工作機械64からのタレット番号の通知の入力があったときに、図16に示すステップ454、ステップ662という経路を経てステップ458を実行する点である。それ以外の点においてこの第2実施形態に係る工作機械システム50は第1実施形態の場合と同様である。
以上のようにこの第2実施形態によっても、センサデータの送信機能を持つ切削工具が工作機械64において加工に使用されている場合には切削工具はセンサデータの送信を実行し、データ収集装置60は各切削工具からのセンタデータの受信を実行する。そのような切削工具が加工に使用されていない場合には、切削工具はセンサデータの送信を実行せず、データ収集装置60もセンサデータの受信を実行しない。したがって、切削工具において使用する電力が節約できる。電池を交換する期間も長くなる。その結果、サンプリングレートが高いことにより生ずる問題を解決できる。また、各切削工具とデータ収集装置60との間の接続は、データ収集装置60に対してデータ収集処理の開始が指示されてから、終了が指示されるまでの間にわたり維持される。したがって、特定の切削工具からデータ収集が開始されるときに、切削工具とデータ収集装置60とが新たに接続を確立する必要はない。切削工具が切替えられるときにも、切削工具から最初に送信されるセンサデータをデータ収集装置60が受信しそこなう可能性を小さくできる。さらに、この第2実施形態においては、データ収集装置60から繰り返し工作機械64に対してタレット番号を問い合わせる必要がない。その結果、データ収集装置60および工作機械64における処理が簡略化できる。なお、各切削工具とデータ収集装置60との間の接続は、上記したように基本的に常時維持される。しかし、通信距離の変動および遮蔽物の影響等により両者の間の接続が一時的にできなくなることもあり得る。そうした場合には、切削工具にデータを一時保存し、同時に再接続のリトライを繰り返して、再接続できたときに、保存していたデータをまとめてデータ収集装置60に送信すればよい。
4.第3実施形態
A.構成
上記第2実施形態においては、第1実施形態と異なり、工作機械64において使用中の切削工具に対応するタレット番号に変更があったときには、工作機械64からデータ収集装置60に対してタレット番号が通知される。しかし、この開示はそのような実施形態に限定されるわけではない。この第3実施形態においては、切削工具100が備えた加速度センサの出力を用いて、タレット210が回転されたか否かを判定し、タレット210が回転されたと判定されたときにその情報をデータ収集装置60に通知する。データ収集装置60は、切削工具100からこの通知を受けたときに、工作機械64に対してタレット番号の問い合わせを行う。
この実施形態において、工作機械64が実行するプログラムの制御構造は図15に示す第3実施形態のものと同様である。
一方、例えば切削工具100においては図17に制御構造を示すプログラム700が実行される。プログラム700は、プログラムの起動時にハードウェアの各部を初期化する初期処理のステップ710と、図3に示す加速度センサ136の出力を読むステップ712と、ステップ712において得られた加速度センサ136の出力に基づいて計算される加速度の値が所定の第1しきい値より大きいか否かに従って制御の流れを分岐させるステップ714と、ステップ714における判定が肯定のときに、加速度センサ136の出力に基づいて計算される速度の値が所定の第2しきい値より大きいか否かに従って制御の流れを分岐させるステップ716と、ステップ716における判定が肯定のときに、タレット番号の読み取りタイミングであることを示す通知をデータ収集装置60に対して送信し、制御をステップ712に戻すステップ718とを含む。
ステップ714における判定が否定的なとき、およびステップ716における判定が否定的なときは、いずれも制御はステップ712に戻る。すなわち、この場合にはステップ718のようにタレット番号読み取りタイミングを示す通知が送信されることはない。
一方、この実施形態においては、データ収集装置60は図18に制御構造を示すプログラム750を実行する。プログラム750が図12に制御構造を示すプログラム450と異なるのは、図12に示すステップ454における判定が否定的なときに、ステップ454において受けた入力が、切削工具100などからの、タレット番号の読み取りタイミングであることを示す通知か否かに従って制御の流れを分岐させるステップ760を含む点である。ステップ760における判定が肯定的ならば制御はステップ456に進む。ステップ760における判定が否定的ならば制御はステップ482に進む。
その他の点においてプログラム750の制御構造は、図16に示すプログラム650のそれと同じである。
B.動作
この第3実施形態において特徴的なのは、切削工具100などが、タレット210(図5および図6)が回転したか否かを加速度センサ136の出力から検出し、タレット210が回転したと判定されたときのみにタレット番号の読み取りタイミングを示す通知をデータ収集装置60に送信しない点である。この結果、データ収集装置60は、切削工具100などからタレット番号の読み取りタイミングを示す通知を受信しない限り、工作機械64(図2)に対してタレット番号の送信要求を送らない。特にタレット210の回転開始時と回転終了時とに、切削工具100などが検出する加速度の絶対値は所定のしきい値より大きくなる。また回転開始時および回転終了時の一部の期間において、切削工具100などの速さの絶対値は所定のしきい値より大きくなる。したがって、データ収集装置60がタレット番号の送信要求を工作機械64に送信するのは、実際にタレット210が回転を開始したとき、および回転を終了したときのみとなる。第1実施形態におけるようにデータ収集装置60が短い周期により繰り返し工作機械64に対してタレット番号の送信要求を出すことがなくなる。その結果、この第3実施形態によれば、データ収集装置60の処理および工作機械64の処理の一部が軽減されるという効果がある。切削工具100がタレット番号の読み出し通知を送信するのは、タレット210が回転を開始したときと回転を終了したときのみである。そのため、切削工具100などの電力の消費が大きくなることを避けることができる。
したがって、第1実施形態および第2実施形態と同様、この第3実施形態によっても、サンプリングレートが高いことにより生ずる問題を解決できる。また、各切削工具とデータ収集装置60との間の接続は、データ収集装置60に対してデータ収集処理の開始が指示されてから、終了が指示されるまでの間にわたり維持される。その結果、特定の切削工具からデータ収集が開始されるときに、切削工具とデータ収集装置60とが新たに接続を確立する必要はない。したがって、切削工具が切替えられるときにも、切削工具から最初に送信されるセンサデータをデータ収集装置60が受信しそこなう可能性を小さくできる。さらに、この第3実施形態においても、第2実施形態と同様にデータ収集装置60から繰り返し工作機械64に対してタレット番号を問い合わせる必要がない。その結果、データ収集装置60および工作機械64における処理が簡略化できる。
5.制御部70の変形例
上記実施形態において使用される工作機械64は、図5に示すような、無線通信機204を持つ制御部70を用いている。しかしこの開示はそのような実施形態に限定される訳ではない。工作機械64が、制御部70に代えて、図19に示す制御部800を用いるようにしてもよい。
図19を参照して、制御部800が図5に示す制御部70と異なるのは、図5に示す無線通信機204に代えて、ケーブルなどの通信線によりネットワークに接続される有線通信機810を含む点である。それ以外の点において制御部800は制御部70と同一である。無線通信ではなく有線の通信を用いることにより、加工現場などの電気的な雑音が多い環境においても、工作機械64がデータ収集装置60と安定した通信を行うことができる。なお図19においては有線通信機810は通信線によりネットワークに接続され、ネットワークを経由して外部との通信を行うが、この開示はそのような実施形態に限定されるわけではない。たとえば有線通信機810を通信線によりデータ収集装置60と直接に接続してもよい。
6.処理回路による実現
上述の実施形態の各処理(各機能)は、1または複数のプロセッサを含む処理回路(Circuitry)により実現される。上記処理回路は、上記1または複数のプロセッサに加え、1または複数のメモリ、各種アナログ回路、各種デジタル回路が組み合わされた集積回路などで構成されてもよい。上記1または複数のメモリは、上記各処理を上記1または複数のプロセッサに実行させるプログラム(命令)を格納する。上記1または複数のプロセッサは、上記1または複数のメモリから読み出した上記プログラムに従い上記各処理を実行してもよいし、予め上記各処理を実行するように設計された論理回路に従って上記各処理を実行してもよい。上記プロセッサは、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)など、コンピュータの制御に適合する種々のプロセッサであってよい。なお物理的に分離した上記複数のプロセッサが互いに協働して上記各処理を実行してもよい。例えば物理的に分離した複数のコンピュータのそれぞれに搭載された上記プロセッサがLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどのネットワークを介して互いに協働して上記各処理を実行してもよい。上記プログラムは、外部のサーバ装置などから上記ネットワークを介して上記メモリにインストールされてもよいし、CD-ROM(Compact Disc Read-Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read-Only Memory)、半導体メモリなどの記録媒体に格納された状態で流通し、上記記録媒体から上記メモリにインストールされてもよい。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、開示の詳細な説明の記載により示されるわけではなく、請求の範囲の各請求項によって示され、請求の範囲の文言と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
10、50 工作機械システム
12 データ収集部
14、64 工作機械
16、100、102、104 切削工具
20 メイン制御部
22 情報取得部
24 情報格納部
26 開始制御部
28 データ受信部
30 データ蓄積部
32 データ表示部
34 無線受信機
36、62、204 無線通信機
40、212 タレット番号記憶部
42 タレット制御部
44、154 無線通信モジュール
46 出力部
48、130 センサ
52 データ収集システム
60 データ収集装置
70、800 制御部
72、74、76 データ送信機
110 ホルダ部
112 ヘッド部
114 固定用部材
116 切削インサート
118 切刃
120 前面
122 端面
124 上面
126 背面
128 底面
132 ひずみセンサ
134 熱センサ
136 加速度センサ
150 A/D変換部
152、320、370 CPU
156 不揮発性メモリ
158 電源
200 加工部
202 プロセッサ
210 タレット
220 中心軸
230、232、234、236、238、240、242、244 装着部
300、350 コンピュータ
302、358 USBメモリ
304、360 ネットワーク
306 操作パネル
322、372 ROM
324、374 RAM
326、376 SSD
328、378 バス
330、382 入出力I/F
332、384 USBポート
334、386 ネットワークI/F
352 モニタ
354 タッチパッド
356 キーボード
390 新タレット番号記憶領域
392 現タレット番号記憶領域
394 対応テーブル記憶領域
430 画面
440 フィールド列
442 キャンセルボタン
444 設定ボタン
810 有線通信機

Claims (11)

  1. 複数の切削工具を装着可能な複数の装着部を持ち、前記複数の切削工具を切替えてワークの加工に使用する工作機械から、前記工作機械が使用している切削工具が装着された装着部を特定する第1情報を取得する情報取得部と、
    第1切削工具が装着されている前記装着部に関する第2情報を格納する情報格納部とを含み、前記第1切削工具は、当該第1切削工具の状態を検出するセンサと、当該センサの出力するデータを出力する出力部とを持ち、
    さらに、前記第1情報が、前記第2情報と一致しているか否かに従って、前記第1切削工具からの前記データの受信を実行または停止するデータ受信部を含む、データ収集装置。
  2. 前記データ受信部は無線通信機を介して前記第1切削工具からの前記データの受信を実行する、請求項1に記載のデータ収集装置。
  3. 前記データ受信部は、前記第1切削工具からの前記データの受信を停止しているときにも、前記切削工具との前記無線通信による接続を維持する、請求項2に記載のデータ収集装置。
  4. さらに、前記第1情報が、前記第2情報と一致した状態から、一致していない状態に変化したことに応答して、前記センサによる前記状態の検出を停止させるための停止指示を前記第1切削工具に送信する停止制御部と、
    前記第1情報が、前記第2情報と一致していない状態から、一致した状態に変化したことに応答して、前記センサによる前記状態の検出を開始させるための開始指示を前記第1切削工具に送信する開始制御部とを含む、請求項3に記載のデータ収集装置。
  5. 前記情報取得部は、前記工作機械が前記切削工具の交代を開始してから終了するまでに要する時間より短い時間間隔により、繰り返し前記第1情報を取得する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のデータ収集装置。
  6. 前記工作機械は、前記工作機械が使用している切削工具を切替えたときに、当該切削工具を特定する前記第1情報を出力する機能を持ち、
    前記情報取得部は、前記工作機械から、前記工作機械が使用している切削工具を切替えたときに、前記工作機械から前記第1情報を取得する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のデータ収集装置。
  7. 前記第1切削工具の前記センサは、少なくとも加速度センサを含み、
    前記第1切削工具は、前記加速度センサの出力に基づいて、前記工作機械において切削工具の切替えが生じたことを検出して、前記出力部を介して切替検出信号を前記データ収集装置に出力する機能を持ち、
    前記情報取得部は、前記第1切削工具から前記切替検出信号を受信したことに応答して、前記工作機械から、前記第1情報を取得する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のデータ収集装置。
  8. コンピュータが、複数の切削工具を装着可能な複数の装着部を持ち、前記複数の切削工具を切替えてワークの加工に使用する工作機械から、前記工作機械が使用している切削工具が装着された装着部を特定する第1情報を取得するステップと、
    コンピュータが、第1切削工具が装着されている前記装着部に関する第2情報を記憶装置に格納するステップとを含み、前記第1切削工具は、当該第1切削工具の状態を検出するセンサと、当該センサの出力するデータを出力する出力部とを持ち、
    さらに、コンピューターが、前記第1情報が、前記第2情報と一致しているか否かに従って、前記第1切削工具からの前記データの受信を実行または停止するステップを含む、データ収集方法。
  9. コンピュータを、
    複数の切削工具を装着可能な複数の装着部を持ち、前記複数の切削工具を切替えてワークの加工に使用する工作機械から、前記工作機械が使用している切削工具が装着された装着部を特定する第1情報を取得する情報取得部と、
    第1切削工具が装着されている前記装着部に関する第2情報を格納する情報格納部として機能させるコンピュータプログラムであって、前記第1切削工具は、当該第1切削工具の状態を検出するセンサと、当該センサの出力するデータを出力する出力部とを持ち、
    前記コンピュータプログラムはさらに、コンピュータを、前記第1情報が、前記第2情報と一致しているか否かに従って、前記第1切削工具からの前記データの受信を実行または停止するデータ受信部として機能させる、データ収集プログラム。
  10. 無線通信部と、
    切削加工用インサートを保持するホルダと、
    前記ホルダに設けられたセンサと、
    前記ホルダに備えられ、前記センサの出力を測定し、前記無線通信部を介して無線通信により外部に送信するデータ送信部と、
    前記無線通信部を介して外部から第1指示を、または前記第1指示と異なる第2指示を受信したことに応答して、それぞれ前記データ送信部に前記センサの出力の測定を開始させ、または停止させるセンサ制御部とを含
    前記第1指示は、複数の切削工具が装着可能な工作機械に装着され使用されるときに切削工具に送信され、センサ出力の測定開始を指示し、
    前記第2指示は、前記工作機械に装着されている他の切削工具に使用が切り替えられることにより前記工作機械における使用が終了した前記切削工具に送信され、センサ出力の測定停止を指示する、切削工具。
  11. センサを備え、当該センサの検出したデータを外部に送信する機能を持つ切削工具と、
    前記切削工具からの前記データを収集するデータ収集装置とを含むデータ収集システムであって、
    前記データ収集装置は、
    複数の切削工具を装着可能な複数の装着部を持ち、前記複数の切削工具を切替えてワークの加工に使用する工作機械から、前記工作機械が使用している切削工具が装着された装着部を特定する第1情報を取得する情報取得部と、
    前記切削工具が装着されている前記装着部に関する第2情報を格納する情報格納部と、
    前記第1情報が、前記第2情報と一致しているか否かに従って、前記切削工具からの前記データの受信を実行または停止するデータ受信部と、
    前記第1情報が、前記第2情報と一致した状態から、一致していない状態に変化したことに応答して、前記センサによる前記状態の検出を停止させるための第1指示を前記切削工具に送信する停止制御部と、
    前記第1情報が、前記第2情報と一致していない状態から、一致した状態に変化したことに応答して、前記センサによる前記状態の検出を開始させるための第2指示を前記切削工具に送信する開始制御部とを含み、
    前記切削工具は、
    無線通信部と、
    前記センサが取付けられ、切削加工用インサートを保持するホルダと、
    前記ホルダに備えられ、前記センサの出力を測定し、前記無線通信部を介して無線通信により前記データ収集装置に送信するデータ送信部と、
    前記無線通信部を介して前記データ収集装置から前記第1指示を、または前記第2指示を受信したことに応答して、それぞれ前記データ送信部に前記センサの出力の測定を開始させ、または停止させるセンサ制御部とを含む、
    データ収集システム。
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