JP7354898B2 - 排ガス処理方法および炭化珪素多結晶ウエハの製造方法 - Google Patents
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図1に、本発明の排ガス処理方法および炭化珪素多結晶ウエハの製造方法に用いることのできる、炭化珪素多結晶ウエハの製造装置の一実施形態として、製造装置1000の上面からみた断面を示す概略図を示す。製造装置1000は、成膜室100と、混合ガス噴出口200と、混合ガス排出口300と、ヒータ400と、基板ホルダー500と、排ガス処理装置900を備える。
成膜室100は、第1面110と、第1面110と対向する第2面120と、第1面110と第2面120とをつなぐ4つの側面130からなる直方体状の内形を有する。直方体状の内形とすることで、複数の基板600を成膜室100に設置した場合において、基板と基板との間の隙間と基板と側面130との間の隙間の形状が同一または近似とすることができる。そのため、基板と基板との間を流れる混合ガスと同様に、側面130と基板との間を流れる混合ガスも、混合ガス噴出口200から混合ガス排出口300へ向かって均一に流すことができる。その結果として、基板に対して均一でばらつきの少ない膜を成膜することができる。
混合ガス噴出口200は、成膜室100の第1面110またはその近傍にあり、原料ガスおよびキャリアガスを含む混合ガスを前記成膜室100に噴出する。混合ガス噴出口200は複数あることが好ましいが、1つであってもよい。混合ガス噴出口200が複数あることにより、1つのみの場合と比べて成膜室100へ混合ガスをより均一に噴出することができる。混合ガス噴出口200の一例としては、混合ガスが流通する混合ガス導入管210において、混合ガスが噴出される開口端部に相当する。そして、混合ガス噴出口200は、第1面110にあってもよく、図1に示すように第1面110の近傍であって、成膜室100の内部側や、混合ガスのガス漏れが無いことを前提として成膜室100の外部にあってもよい。近傍は、例えば第1面110から20mm程度が目安となる。なお、混合ガス噴出口200の温度を制御できるよう、混合ガス導入管210を適宜加熱できるヒータや冷却できるクーラー等の温度制御手段を備えてもよい。
混合ガス排出口300は、成膜室100の第2面120またはその近傍にあり、混合ガスを成膜室100から排出する。混合ガス排出口300の一例としては、混合ガスが成膜室100の外部へ排出されるために流通する混合ガス排出管310において、混合ガスが排出される開口端部に相当する。そして、混合ガス排出口300は、第2面120にあってもよく、図1に示すように第2面120の近傍であって、成膜室100の内部側や、混合ガスのガス漏れが無いことを前提として成膜室100の外部にあってもよい。近傍は、例えば第2面120から20mm程度が目安となる。なお、炭化珪素等が混合ガス排出口300や混合ガス排出管310において析出しないよう、混合ガス排出口300や混合ガス排出管310を温度制御するべく、適宜加熱できるヒータや冷却できるクーラー等の温度制御手段を備えてもよい。
ヒータ400は、成膜室100の4つの側面130を囲み、成膜室100を加熱する。ヒータ400を制御することによって、成膜室100の温度を基板に膜を成膜させるのに適した温度に制御することができる。ヒータ400としては、熱CVD法に有用なヒータを用いることができ、例えば筒状のカーボンヒータやカンタルヒータを用いることができる。
図4に基板ホルダー500の模式図を示す。図4(a)が基板600を保持した基板ホルダー500の側面図であり、図4(b)が成膜室100の内部において第1面110側から見た基板ホルダー500の正面図である。基板ホルダー500は、複数の基板600を、基板600同士を非接触で等間隔に積層して保持可能であり、成膜室100の第1面110と第2面120との間において、基板600の成膜対象面610を成膜室100の側面130と平行に設置可能である。
図5に、混合ガスの噴出について説明する模式図を示す。混合ガスにおける分子同士の衝突を無視した場合の混合ガスの広がりを模式的に示したものであり、混合ガスに加圧等せずに第1面の混合ガス噴出口200から自然に拡散する場合の拡散速度をVd、混合ガスを加圧等して混合ガス噴出口200から噴出する場合の噴出速度をVgとする。
排ガス処理装置900は、成膜室100から排出される排ガスを処理する装置であり、具体的には、成膜室100の下流に配置され、排ガス処理装置900内で排ガス中の塩素含有珪素源ガスと炭素とを反応させて、炭化珪素を析出させる装置である。排ガス処理装置900内で排ガス中の珪素を炭化珪素として回収することにより、排ガス中の珪素を希釈することができる。そのため、排気配管350等の、排ガス処理装置900の下流にあり、排ガス処理装置900から排出される排気ガスを製造装置1000の外部へ排出する設備に高次のクロロシランポリマーが析出することを防止し、設備の内部が閉塞することを抑制することができる。
図6に、排ガス処理装置900a、900bの上面からみた断面を示す概略図を示す。図6(a)には、排ガス処理装置900の一態様として排ガス処理装置900aを示し、図6(b)には、排ガス処理装置900aとは異なる態様の排ガス処理装置900bを示す。
また、図1の製造装置1000では、成膜室100に隣接する箱状の筐体910aを有する排ガス処理装置900について例示したが、これに限定されず、箱状の排ガス処理装置900を設置する場所が無い場合には、例えば、製造装置の空いた空間に対応する形状に排ガス処理装置900を設けてもよい。
図9に炭化珪素析出板943の模式図を示す。図9(a)は、炭化珪素析出板943の側面断面図であり、図9(b)は、炭化珪素析出板943の斜視図である。また、図10に、排ガス処理装置900d、900eの上面からみた断面を示す概略図を示す。
炭化珪素析出板943は、炭素粒子10が充填された中空の内部空間943aと、排ガスが流通する方向D1において内部空間943aよりも上流にあり、排ガスが流通する方向D1と交差するおもて面943bと、排ガスが流通する方向D1において内部空間943aよりも下流にあり、排ガスが流通する方向D1と交差するうら面943cを備える。そして、おもて面943bには、排ガスを内部空間943aへ導入する導入口943dが設けられており、うら面943cには、排ガスを内部空間943aから排出する排出口943eが設けられている。
炭素粒子10の平均粒径(D50)は、1mm以上10mm以下が好ましい。平均粒径が1mm以上10mm以下であれば、内部空間943aにある炭素粒子10に炭化珪素を効率よく析出させることができる。平均粒径が1mmより小さい場合は、排ガスの流れることによる抵抗(流体抵抗)が大きくなりすぎて炭化珪素の析出する効率が低下する場合があり、平均粒径10mmより大きい場合、炭素粒子10の表面積として炭化珪素の析出に必要な表面積が十分確保できないことで、炭化珪素の析出が不十分であることにより、高次のクロロシランポリマーが排気配管等に析出することを防止できず、排気配管等が閉塞することを抑制できないおそれがある。
本発明の一実施形態の製造装置1000は、上記の構成の他、更なる構成を備えていてもよい。例えば、図1に示すように、成膜室100が内部に挿入された、例えばカーボン製の円筒状の外筒1100、外筒1100の内部において成膜室100を第1面110の外部から固定する保持治具1200、外筒1100が内部に挿入され、外筒1100との間にArガス等の不活性ガスを流通させるセラミック炉芯管1300、外筒1100およびセラミック炉芯管1300をそれらの両端において固定する固定フランジ1400、成膜室100を外筒1100およびセラミック炉芯管1300と共に内部に収める筐体1500を備えてもよい。また、未図示ではあるが、成膜室100の室内の温度や第1面100の温度、混合ガス噴出口200の温度を測定することのできる温度計等の温度測定手段、ヒータ400の発熱を制御するスイッチ等の制御手段や発熱させるための電源等を備えることができる。
次に、本発明の排ガス処理方法の一例として、製造装置1000を用いる排ガス処理方法について説明する。本発明の排ガス処理方法は、以下に説明する排ガス導入工程と、モル比制御工程と、炭化珪素析出工程と、を含む。
本工程は、化学蒸着により炭化珪素多結晶を成膜する成膜室100から排出される、塩素含有珪素源ガスを含有する排ガスを、複数の炭化珪素析出板を備える、室内温度が1400K~1800Kの排ガス処理室(製造装置1000においては排ガス処理装置900)へ導入する工程である。
塩素含有珪素源ガスとしては、熱CVD法による炭化珪素のCVD成長に用いられるものであれば、特に制限はない。例えば、クロロシランガスとして、SiH3Cl、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合したものを好適に用いることができる。また、これらのクロロシランの単量体のみならず、2量体のガスを用いることもできる。
炭素源ガスとしては、塩素含有珪素源ガスと同様に公知のものを用いることができ、一般的には炭化水素ガスを使用することができる。例えば、常温付近でガス状態であってハンドリングする上で好都合であることから、炭素数が5以下の飽和炭化水素、又は、炭素数が5以下の不飽和炭化水素からなる炭素源ガスであるのがよく、これらの1種又は2種以上を混合したものを好適に用いることができる。特に、炭素数が5以下の炭化水素から選ばれた1種または2種以上であり、メタン、エタン、プロパン、ブタンやこれらに類似する炭化水素ガスを、適宜炭素源ガスとして用いることができる。また、芳香族炭化水素等のガスも使用可能ではあるが、一般に分解速度が遅く、カーボンの凝集体を作りやすいので注意が必要である。また、炭素源ガスのキャリアガスとしては、ガス同士の反応を抑えることができることから、水素を用いるのが好ましい。
排ガス処理室の室内温度は1400K~1800Kとすることで、排ガス中の塩素含有珪素源ガスを効果的に炭化珪素へ変換することができる。室内温度が1400K未満の場合には、炭化珪素への変換が不十分となり、高次のクロロシランポリマーが排気配管350等に析出することで、排気配管350等が閉塞するおそれがある。また、室内温度が1800Kより高いと、炭化珪素の化学蒸着に好適な温度よりも高くなってしまうことにより、炭化珪素への変換量が低下するおそれがある。なお、排ガス処理室の室内温度は、ヒータ400を用いて制御することができる。
本工程は、炭化珪素析出板へ接触する前の排ガス中の炭素と珪素のモル比C:Siを、1.1~2.0:1に制御する工程である。炭化珪素析出板940a、940bや、炭化珪素析出板943の内部にある炭素粒子10等の固体表面に吸着する速度は、塩素含有珪素源ガスの方が炭素源ガスよりも早く、特にCH4ガスは吸着速度が遅い。そのため、排ガス中の炭素の量が珪素の量よりも多い方が、炭化珪素の生成量が多くなる。その一方で、排ガス処理室の室内温度が1000℃(1273.15K)以上の温度の場合には、塩素含有珪素源ガスの蒸気圧が無視できなくなり、成膜室100の原料ガス組成として塩素含有珪素源ガスよりも炭素源ガスを過剰にすると、炭化珪素多結晶膜の組成比として炭素が過剰になるため、成膜室100内において炭素量を過剰にすることは難しい。ただし、排ガス処理室内では、塩素含有珪素源ガスが炭化珪素に変換されればよいので、排ガス中のガス組成として炭素源ガスを塩素含有珪素源ガスよりも過剰にすることができる。
なお、炭素源ガスとしては、上記の炭素源ガスの項目で説明したガスを使用することができる。また、炭素源ガスを導入することによって排ガス処理室の室内温度が1400K未満に低下しないよう、排ガス処理室へ導入する前の炭素源ガスを温めておくことができる。例えば、ヒータ400を用いて炭素源ガス導入管950aを加熱することにより、炭素源ガスを温めることができる。
本工程は、モル比制御工程後の排ガスを、炭化珪素析出板で反応させて、炭化珪素を析出させる工程である。例えば、排ガスを炭化珪素析出板940a、940b等へ衝突させて、炭化珪素析出板940a、940b等の表面に炭化珪素を析出させることができる。また、排ガスを炭化珪素析出板943の内部にある炭素粒子10へ衝突させて、炭素粒子10の表面に炭化珪素を析出させることができる。炭化珪素を析出させた結果として、高次のクロロシランポリマーが排気配管350等に析出することを防止し、排気配管350等が閉塞することを抑制できる。
本発明の排ガス処理方法は上記の工程以外にも、他の工程を含むことができる。例えば、排ガスを排ガス処理室から排気配管350へ排出する工程や、上記した排ガス処理室へ導入する前の炭素源ガスを温める工程が挙げられる。
次に、本発明の炭化珪素多結晶ウエハの製造方法について説明する。本発明の炭化珪素多結晶ウエハの製造方法は、本発明の排ガス処理方法を含む。排ガス処理方法については上記したとおりであり、説明は省略する。
成膜工程は、成膜室100において、基板ホルダー500に基板600同士を非接触で等間隔に積層され、かつ、成膜対象面610を側面130と平行に設置された複数の基板600に対し、複数の混合ガス噴出口200から混合ガス810を成膜室100に噴出すると共に、混合ガス排出口300から混合ガス810を成膜室100から排出して、混合ガス810を成膜対象面610と平行な方向に流通させて、基板600に膜を成膜する工程である。このように成膜すれば、基板間や同一成膜対象面において、厚みのバラツキの少ない膜を成膜することができる。
本発明の炭化珪素多結晶ウエハの製造方法は、上記した成膜工程や排ガス処理方法以外にも、他の工程を含むことができる。例えば、基板ホルダー500に基板600同士を非接触で等間隔に積層して、基板600を基板ホルダー500に設置する工程や、基板600を設置した基板ホルダー500を成膜室100に設置する工程、製造装置1000を成膜できる状態に立ち上げる工程、成膜工程後に成膜室100を冷却する工程、成膜後の基板を成膜室100から取り出す工程等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は以下の内容に制限されるものではない。
基板600として、直径4インチ(100mm)、厚み1mmの炭素基板を9枚用意した。図1に示す炭化珪素多結晶ウエハの製造装置1000を用いて、熱CVD法により、基板600の成膜対象面610となる両面に炭化珪素多結晶膜を成膜し、炭化珪素多結晶ウエハを製造した。炭化珪素多結晶ウエハを製造後、排ガス処理装置900の下流に配置された排気配管350の内部を観察し、高次のクロロシランポリマー等の排ガス中の塩素含有珪素源ガスに起因する付着物の有無を確認した。
外筒1100は黒鉛製の両端坩堝から形成された筒状の形状であり、セラミック炉芯管1300に挿入されたものである。セラミック炉芯管1300および外筒1100の両端は金属製の固定フランジ1400で密閉され、黒鉛材料の酸化防止のために、内部にArガスが導入されている。そして、外筒1100の内部に成膜室100が保持冶具1200で固定されている。黒鉛製の混合ガス導入管210は、成膜室100の内部に混合ガス噴出口200が位置するように、保持治具1200および第1面100に挿入されて設置される。そして、黒鉛製の混合ガス排出管310は、成膜室100の内部に混合ガス排出口300が位置するように、第2面120に挿入されて設置される。成膜室100から排出される排ガスは、混合ガス排出管310を介して排ガス導入口920aより筐体910aの内部へ導入され、筐体910aの内部から排ガス排出口930aを介して排気配管350へ排出される。また、セラミック炉芯管1300を囲む円筒状の黒鉛製ヒータ400が設置されており、さらに、成膜室100および排ガス処理装置900aを外筒1100およびセラミック炉芯管1300と共に内部に収める筐体1500を備える。そして、成膜室100に供給された混合ガス810は、排気配管350に接続された未図示の真空ポンプを用いて製造装置1000から外部へ排出可能である。
図2に示すように、第1面110に内径が12mmの混合ガス噴出口200が1列に4個配置されている。4つの混合ガス噴出口200は、管中心で22mmの等間隔に配置されている。また、混合ガス噴出口200の列は、第1面110における幅方向(列と直交する方向)の中央部に配置されている。
実施例1では、排ガス処理装置として図6(a)に示す黒鉛製の排ガス処理装置900aを使用した。排ガス処理装置900aは、筐体910aの外形が118mm角で長さが320mmの直方体状であり、内形が110mm角で長さが312mmの直方体状であり、厚みは均一である。また、筐体910a内部の中央に並列して等間隔に3枚設置された板状の炭化珪素析出板941aは縦110mm、横90mmであり、厚みは4mmで均一である。そして、筐体910aの内壁より突出するように等間隔で形成され、炭化珪素析出板941aの間に配置された板状の炭化珪素析出板942aは、縦110mm、横45mmであり、厚みは4mmで均一である。また、排ガス導入口920aおよび排ガス排出口930aの開口径は56mmであり、混合ガス排出管310および排気配管350の内径と同一である。なお、炭素源ガス導入管950aの内径は10mmとした。
図4に示す態様のように、9枚の基板600を基板ホルダー500に設置した。基板600は、溝511および溝521によって基板ホルダー500に固定された状態で、成膜室100に設置した。図4(b)に示す態様のように、基板ホルダー500の上保持棒510は、上側面130aとの間に混合ガス810が侵入しないように上側面130aと密接させ、下保持棒520は、下側面130bとの間に混合ガス810が侵入しないように下側面130bと密接させた。基板600の成膜対象面610と左側面130cとの隙間の幅700、右側面130dとの隙間の幅710および、等間隔に積層した基板600間のそれぞれの隙間の幅720と同一とし、それぞれ10mmとした。なお、混合ガス噴出口200と基板ホルダー500との最短距離は、150mmとした。
黒鉛材料の酸化防止のために、外筒1100およびセラミック炉芯管1300との間、および筐体1500内にArガスを流した。そして、未図示の真空ポンプによって成膜室100内を真空排気した後、混合ガス導入管210を使って水素ガスを毎分200cm3の流量で成膜室100へ導入しながら、成膜室100内の圧力を大気圧(101,325Pa)に調整した。その後、圧力を一定に保ちながら、第1面110の温度を1100K以下、および混合ガス噴出口200の温度を1200K以下に維持しつつ、成膜室100内の温度を1550Kまで上げた。そして、成膜室100へ導入する水素ガスの流量を毎分3.0リットルまで増加させた。その状態を3分間保持した後、この水素ガスへSiCl4ガスを毎分0.3リットル、CH4ガスを毎分0.3リットル、窒素ガスを毎分1.0リットル、水素ガスを毎分1.0リットル混合して混合ガス810とし、Vg>Vdの状態で基板600へ炭化珪素多結晶膜の熱CVDによる成膜を開始した。
排ガス処理装置900aに代えて排ガス処理装置900dを使用した他は、実施例1と同様に炭化珪素多結晶ウエハの製造装置1000を使用し、同様の方法および条件で成膜処理を行って成膜後の排気配管350の内部を観察した。
実施例2では、排ガス処理装置として図10(a)に示す黒鉛製の排ガス処理装置900dを使用した。排ガス処理装置900dは、筐体910aの外径が176mmで長さが320mmの円柱体状であり、内径が168mmで長さが312mmの円柱体状であり、厚みは均一である。炭化珪素析出板943は筐体910aの内壁に密接して固定されており、筐体943fの外径が168mmで高さ58mm、内部空間943aの半径Rは80mm、高さ50mmである。内部空間943aには炭素粒子10として活性炭(大阪ガス株式会社製球状白鷺X7000H-3(粒径0.500~2.360mm)を使用した。活性炭の粒径2.3mm、内部空間943aに充填された活性炭の充填率を50体積%とすると、充填された活性炭の表面積の合計は3.15m2となり、おもて面943bの面積(0.08m×0.08m×π=0.2m2)の2倍以上となり、炭素粒子10の比表面積はおもて面943bの面積より十分大きい。なお、導入口943dおよび排出口943eは円形であり、活性炭が通過できないよう直径0.5mm未満とした。
原料ガス中のSiCl4ガスの導入量を毎分0.4リットルとし、炭素源ガス導入管950aより排ガス処理装置900aへCH4ガスを導入しない以外は、実施例1と同様の方法で成膜処理を行って成膜後の排気配管350の内部を観察した。炭化珪素析出板941aおよび炭化珪素析出板942aへ接触する排ガス中の炭素と珪素のモル比C:Siは、1:1であった。炭化珪素は正常に成膜され、成膜に問題はなかったものの、原料の塩素含有珪素源ガスに起因する付着物が排気配管350の内部に約50g付着していた。なお、排気配管350の内部におけるススの付着は認められなかった。
原料ガス中のSiCl4ガスの導入量を毎分0.4リットルとし、炭素源ガス導入管950aより排ガス処理装置900dへCH4ガスを導入しない以外は、実施例2と同様の方法で成膜処理を行って成膜後の排気配管350の内部を観察した。炭素粒子10へ接触する排ガス中の炭素と珪素のモル比C:Siは、1:1であった。炭化珪素は正常に成膜され、成膜に問題はなかったものの、原料の塩素含有珪素源ガスに起因する付着物が排気配管350の内部に約2g付着していた。なお、排気配管350の内部におけるススの付着は認められなかった。
排ガス処理装置900を備えておらず、排ガスが混合ガス排出管310より製造装置の外部へ排出される他は、製造装置1000と同構成である炭化珪素多結晶ウエハの製造装置3000(図8)を使用し、実施例と同様の条件で成膜処理を行って、成膜後の混合ガス排出管310の内部を観察した。炭化珪素は正常に成膜され、成膜に問題はなかったものの、原料の塩素含有珪素源ガスに起因する付着物が混合ガス排出管310の内部に約110g付着していた。また、排気配管350の内部には、多量のススの付着も認められた。
以上、実施例において示したように、本発明の排ガス処理方法および炭化珪素多結晶ウエハの製造方法であれば、炭化珪素多結晶ウエハを問題なく製造しつつ、高次のクロロシランポリマーが排気配管等に析出することを防止し、排気配管等の閉塞を抑制できることが確認できた。
11 領域
100 成膜室
110 第1面
120 第2面
130 側面
130a 上側面
130b 下側面
130c 左側面
130d 右側面
200 混合ガス噴出口
210 混合ガス導入管
300 混合ガス排出口
310 混合ガス排出管
350 排気配管
400 ヒータ
500 基板ホルダー
510 上保持棒
511 溝
520 下保持棒
521 溝
600 基板
610 成膜対象面
800 混合ガス
810 混合ガス
900 排ガス処理装置
900a 排ガス処理装置
900b 排ガス処理装置
900c 排ガス処理装置
900d 排ガス処理装置
900e 排ガス処理装置
910a 筐体
920a 排ガス導入口
930a 排ガス排出口
940a 炭化珪素析出板
940b 炭化珪素析出板
941a 炭化珪素析出板
941b 炭化珪素析出板
942a 炭化珪素析出板
942b 炭化珪素析出板
943 炭化珪素析出板
943a 内部空間
943b おもて面
943c うら面
943a 内部空間
943d 導入口
943c うら面
943a 内部空間
943e 排出口
943f 筐体
943g 表面
950a 炭素源ガス導入管
960 空間
970a 壁
970b 壁
980a 通過口
980b 通過口
1000 製造装置
1100 外筒
1200 保持治具
1300 セラミック炉芯管
1400 固定フランジ
1500 筐体
2000 製造装置
3000 製造装置
D1 方向
H 高さ
R 半径
Vg 噴出速度
Vd 拡散速度
Claims (6)
- 化学蒸着により炭化珪素多結晶を成膜する成膜室から排出される、塩素含有珪素源ガスを含有する排ガスを、炭化珪素析出板を備える、室内温度が1400K~1800Kの排ガス処理室へ導入する排ガス導入工程と、
前記炭化珪素析出板へ接触する前記排ガス中の炭素と珪素のモル比C:Siを、1.1~2.0:1に制御するモル比制御工程と、
前記モル比制御工程後の前記排ガスを、前記炭化珪素析出板で反応させて、炭化珪素を析出させる炭化珪素析出工程と、
を含む、排ガス処理方法。 - 前記炭化珪素析出工程は、前記排ガスを前記炭化珪素析出板へ衝突させて、当該炭化珪素析出板の表面に炭化珪素を析出させる工程である、請求項1に記載の排ガス処理方法。
- 前記炭化珪素析出板は、
炭素粒子が充填された中空の内部空間と、
前記排ガスが流通する方向において前記内部空間よりも上流にあり、前記排ガスが流通する方向と交差するおもて面と、
前記排ガスが流通する方向において前記内部空間よりも下流にあり、前記排ガスが流通する方向と交差するうら面と、
前記おもて面に設けられた前記排ガスを前記内部空間へ導入する導入口と、
前記うら面に設けられた前記排ガスを前記内部空間から排出する排出口を備え、
前記炭化珪素析出工程は、前記排ガスを前記炭素粒子へ衝突させて、当該炭素粒子の表面に炭化珪素を析出させる工程である、請求項1に記載の排ガス処理方法。 - 前記炭素粒子の比表面積は、前記おもて面の面積の2倍以上である、請求項3に記載の排ガス処理方法。
- 前記モル比制御工程において、前記炭化珪素析出板へ接触する前の前記排ガスに対し、炭素と珪素のモル比C:Siが1.1~2.0:1となるように、炭素源ガスを混合する、請求項1~4のいずれかに記載の排ガス処理方法。
- 請求項1~5のいずれかに記載の排ガス処理方法を含む、炭化珪素多結晶ウエハの製造方法。
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