JP7354615B2 - 眼鏡レンズ加工装置 - Google Patents

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Description

本開示は、眼鏡レンズの周縁を加工するための眼鏡レンズ加工装置に関する。
加工室に配置された加工具である砥石によりレンズチャック軸に保持された眼鏡レンズの周縁を加工する眼鏡レンズ加工装置が知られている。この種の装置では、眼鏡レンズの加工時に発生する熱の影響を低減するために、眼鏡レンズの加工部分に研削水を供給するための研削水供給手段が設けられている。また、砥石が回転されることによってレンズの加工屑が後方に飛散され、加工屑が加工室の後壁面に付着したり、加工室の底壁面に堆積する。このため、加工室の後壁面に向けて洗浄水を供給するための洗浄水供給手段が設けられている(特許文献1、2参照)。
特開2009-34798号公報 特開2002-224956号公報
近年では眼鏡レンズの周縁を加工するために、砥石以外にも種々の加工具が用いられるようになってきている。この場合、加工室の後壁面に限らず、多方向に飛散されることがある。例えば、カッターによってレンズを粗加工する場合、加工屑は加工室の複数の方向に飛散しやすい。また、砥石を用いる場合であっても、加工屑は加工室の後壁面以外にも飛散して付着する。このため、従来のような洗浄水の供給では各方向、あるいは広い領域に飛散した加工屑を流すことは困難であった。
本開示は、上記従来技術に鑑み、加工室内の加工屑を効率よく、容易に洗浄できる眼鏡レンズ加工装置を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本開示は以下のような構成を備えることを特徴とする。
本開示の態様に係る眼鏡レンズ加工装置は、眼鏡レンズの周縁を加工具によって加工する眼鏡レンズ加工装置であって、前記加工具によって眼鏡レンズを加工するための加工室と、前記加工具で眼鏡レンズの周縁が加工されることによって前記加工室内に飛散した加工屑を洗浄するための洗浄水を噴射する少なくとも一つの噴射口を持つ洗浄水供給手段と、前記噴射口からの洗浄水の噴射位置を変更する噴射位置変更手段と、を備え、前記噴射位置変更手段は、前記噴射口から噴射される洗浄水の噴射方向が変化するように前記噴射口を回転するための回転手段を有し、前記噴射口から洗浄水を噴射しつつ、前記噴射口を連続的に回転することで、前記噴射口からの洗浄水を前記加工室の複数の方向に位置する壁面に向けて噴射し、洗浄領域を順次変更することを特徴とする。

実施例1に係る眼鏡レンズ加工装置の外観略図である。 装置本体の加工室の内部とタンクの内部の構成を説明する図であり、加工室を正面(前側)から見た図である。 装置本体の加工室の内部を説明する図であり、装置本体の加工室を右側面から見た図である。 実施例1の加工装置の制御系ブロック図である。 回転手段の構成例を説明する図である。 レンズLEをカッターによって加工するときのカッターの相対的な移動を説明する図である。 砥石によるレンズLEの仕上げ加工時の様子を示す図である。 実施例2に係る眼鏡レンズ加工装置の加工室の様子を上から見た図である。 加工装置の加工室の様子を右側から見た図である。 実施例2の加工装置の制御系ブロック図である。 実施例2の加工装置における変容例を説明する図である。
以下、本実施形態を図面に基づいて説明する。図1~11は本実施形態に係る眼鏡レンズ加工装置の構成について説明する図である。
[概要]
本開示の実施形態に係る眼鏡レンズ加工装置(以下、「加工装置」と略す)の概要について説明する。なお、以下の概要の説明において、( )内の符号は、図1~11における構成要素の符号を示す。
<全体構成>
例えば、加工装置(1,101)は、加工具(32,132、37,137)によって眼鏡レンズの周縁を加工するための加工室(10,110)を備える。例えば、加工装置は、眼鏡レンズを保持して回転するためのレンズチャック軸(23F,123F、23R,123R)を備える。例えば、加工装置は、レンズチャック軸に保持された眼鏡レンズを回転するためのレンズ回転手段(20,120)を備える。例えば、加工装置は、眼鏡レンズと加工具との位置関係を相対的に変化させる加工移動手段(40,140)を備える。例えば、加工装置は、加工具が取り付けられた回転軸を回転させる加工具回転手段(30,130)を備える。例えば、加工装置は、加工具による眼鏡レンズの加工時に研削水を眼鏡レンズ付近に供給するための研削水供給手段(60,160)を備える。例えば、加工装置は、加工具で眼鏡レンズの周縁が加工されることによって加工室内に飛散した加工屑を洗浄するために、洗浄水を供給するための洗浄水供給手段(70,170)を備える。例えば、加工装置は、操作者が加工装置に種々の操作信号を入力するための入力手段(3,103)と備える。例えば、加工装置は、加工装置の各構成要素の駆動等を制御するための制御手段(50,150)を備える。
<加工具の構成>
例えば、加工装置は、加工具としての砥石とカッターの少なくとも何れかを備える。例えば、加工装置は、加工具としての砥石を備える。例えば、砥石は粗加工後の仕上げを行う仕上げ加工砥石(32a,132a)を含む。例えば、仕上げ加工砥石は、眼鏡レンズにヤゲン(眼鏡レンズを眼鏡フレームのリムの溝に保持させるためのもの)を形成するためのヤゲン溝を有していてもよい。また、砥石は生地レンズを粗加工するための粗加工砥石を含んでいてもよい。またさらに、砥石は仕上げ加工後の眼鏡レンズをさらに精密に仕上げるための鏡面仕上げ加工砥石(32b,132b)を含んでいてもよい。
例えば、加工装置は、加工具としてのカッター(37,137)を備えていてもよい。例えば、カッターは眼鏡レンズの粗加工に使用される。例えば、カッターは眼鏡レンズの仕上げ加工を兼ねるように使用してもよい。例えば、カッターは、眼鏡レンズにヤゲンを形成するためのヤゲン溝を有していてもよい。例えば、カッターは眼鏡レンズの周縁に溝を形成するための溝堀カッターを含んでいてもよい。例えば、加工具としてのカッターには、エンドミルが含まれていてもよい。エンドミルは眼鏡レンズの粗加工に使用される。
<レンズチャック軸、加工移動手段の構成>
例えば、レンズチャック軸は2つの第1チャック軸(23F,123F)と第2チャック軸(23R,123R)により構成され、眼鏡レンズは第1チャック軸と第2チャック軸とによって挟持される。
例えば、加工移動手段は、レンズチャック軸と加工具の回転軸との軸間距離を相対的に変換させる軸間距離変動手段(41,141)を備える。例えば、加工具である砥石及びカッターの回転軸を個別に有する場合には、軸間距離変動手段を各回転軸に応じて個別に有していてもよい。例えば、加工移動手段は、レンズチャック軸の軸方向におけるレンズと加工具との位置関係を相対的に変える軸方向移動手段(46,146)を備える。例えば、加工具である砥石及びカッターの回転軸を個別に有する場合には、軸方向移動手段を各回転軸に応じて個別に有していてもよい。
<加工室の構成>
例えば、加工室にはレンズチャック軸と加工具が配置されている。加工室は、加工具によって眼鏡レンズが加工されたときに発生する加工屑と、加工時に使用された水(研削水、洗浄水)が、加工装置内の電気部材及び機構部材に影響を及ぼさないように、それらの部材から加工具及び眼鏡レンズを隔離するための室である。例えば、加工室は、加工装置に対して操作者が位置する側を基準とした前壁面と、後壁面と、右壁面と、左壁面と、底併記面とを備える。また、加工室は、加工装置の設置を基準とした上方にある上壁面を備える。例えば、加工室は開閉窓を備え、開閉窓は前壁面の一部を兼ねることでもよい。例えば、開閉窓は、操作者が加工室の内部を見るために可視光を透過する部材で構成されている。また、例えば、前壁面は、手前が低くなるように傾斜している構成でもよい。例えば、操作者は、開閉窓を通して上側から加工室の内部を見ることができ、眼鏡レンズをレンズチャック軸に保持させることができる。例えば、加工室の底(底壁面)には排出口が設けられている。例えば、排出口は、加工屑、眼鏡レンズの加工用に使用された研削水(冷却水)及び加工室の洗浄に使用された洗浄水を流すために用いられる。
<研削水供給手段、洗浄水供給手段の構成>
例えば、研削水供給手段は、研削水を蓄えるタンク(5,105)を備える。例えば、タンクの研削水はポンプにより吸引され、加工室に配置された噴射口(62,162)に導かれる。例えば、噴射口は、加工具によって加工される眼鏡レンズの加工部分に噴射(射出)されるように配置されている。
例えば、洗浄水供給手段は洗浄水を貯えるタンク(5,105)を備える。洗浄水供給手段のタンクは、研削水供給手段のタンクと共用されてもよい。研削水と洗浄水は同じ水を使用することでもよい。例えば、洗浄水供給手段はタンクの洗浄水を吸引するポンプを備える。例えば、洗浄水供給手段は、加工室内に洗浄水を噴射(射出)するための噴射口(75,175)を少なくとも一つ備える。噴射口は複数であってもよい。例えば、噴射口はノズル(63,163)に設けられている。例えば、タンクの洗浄水はポンプによって吸引され、配管を通って噴射口に導かれ、噴射口から噴射される。
例えば、加工装置に供給された研削水及び洗浄水は、加工装置から排出され、タンクに戻された後、再び研削水及び洗浄水として繰り返し利用される。例えば、研削水供給手段及び洗浄水供給手段は、タンクに蓄えられた水を利用する代わりに、水道管から直接供給するタイプであってもよい。
例えば、洗浄水供給手段は、噴射口から噴射される洗浄水の噴射位置(洗浄領域)を変更する噴射位置変更手段(80,180)を備える。これにより、洗浄水を噴射する噴射口(ノズル)の数を増やすことなく、洗浄可能な領域を増やすことができる。例えば、噴射位置変更手段は、噴射位置を変更ができるように、噴射口を移動する噴射口移動手段であってもよい。例えば、噴射口移動手段は、噴射口から噴射される洗浄水の方向が変化するように噴射口を回転するための回転手段(80,180)を有する。これにより、簡単な構成で洗浄領域を順次変更でき、効率よく洗浄できる。例えば、噴射位置変更手段である噴射口移動手段による噴射口の移動は、回転に限られず、直線的に移動する手段であってもよい。あるいは、曲線的に移動する手段であってもよい。あるいは、回転、直線及び曲線の少なくとも2つの移動を組み合わせた手段であってもよい。また、噴射位置変更手段としては、噴射口の先に洗浄水の噴射方向を変えることが可能な部材を設けた手段であってもよい。例えば、噴射口の先に反射板を設け、反射板を回転(移動)することで洗浄水の噴射位置を変えることでもよい。
例えば、回転手段は、モータを利用する手段である。例えば、回転手段は、噴射口を回転可能に設け、洗浄水の噴射の推進力を用いて噴射口を回転する手段であってもよい。
また、噴射位置変更手段は上記に限られない。洗浄水を流す位置(領域)を変更できる手段であればよい。
例えば、噴射口は、眼鏡レンズ及び加工具より上方の位置(高い位置)に配置されている。例えば、噴射口は上下軸又は水平軸の軸回りに回転手段によって回転される。例えば、噴射口を上下軸の軸回りに連続的に回転すれば、加工室の前壁面、後壁面、右壁面及び左壁面を効率よく洗浄できる。例えば、回転手段による噴射口の回転は、正回転と逆回転を繰り返してもよい。
例えば、制御手段は、噴射位置変更手段を制御し、噴射口からの洗浄水の噴射位置を変更する速度(例えば、噴射口の移動速度)を変化させてもよい。これにより、加工屑が多く付着又は堆積する領域に洗浄水を増加させ(単位時間当たりの水量を増加)、効率よく洗浄することができる。また、加工室の底面の形状によって、加工屑が流れにくい領域がある場合には、その領域には単位時間当たりの水量を多くし、加工屑の堆積を効率よく防止できる。例えば、噴射位置の変更速度(移動速度)の変化としては、噴射口の移動を一時的に停止することも含んでもよい。あるいは、噴射口の移動方向の逆転を含んでいてもよいし、往復移動を含んでいてもよい。これにより、加工屑の堆積が多い場所に集中して洗浄水を流すことができる。
例えば、制御手段は、カッターによるレンズの加工段階と砥石によるレンズの加工段階とで、噴射口の移動速度が異なるように噴射位置変更手段を制御する。例えば、制御手段は、砥石によるレンズの加工段階では、レンズの回転方向に位置する後壁面領域に洗浄水を噴射するときには、他の領域より移動速度を遅くし、後壁面領域に流れる水量を多くする。これにより、砥石の加工によって後壁面領域に多く飛散されて加工屑を効率よく洗浄できる。例えば、カッターによるレンズの加工段階では、一定速度で噴射口を移動する。これにより、カッターによる加工で各方向の壁面に飛散された加工屑を効率よく洗浄できる。
例えば、洗浄水を噴射する噴射口は、複数であってもよい。例えば、制御手段は各噴射口の移動範囲が異なるように噴射位置変更手段を制御する。これにより、水の量を節約して効率よく洗浄を行うことができる。
[実施例1]
本開示の典型的な実施例の一つについて、図面を参照して説明する。図1は、実施例1に係る眼鏡レンズ加工装置1(以下、「加工装置1」と略す)の外観略図である。加工装置1は、装置本体1aと装置本体1aの下に配置されたタンク5を備える。装置本体1aの正面側(操作者が位置する側)に、加工室の窓2と、入力手段3としての操作パネル3aを備える。
図2は、装置本体1aの加工室10の内部とタンク5の内部の構成を説明する図であり、装置本体1aの加工室10を正面(前側)から見た図である。図3は、装置本体1aの加工室10の内部を説明する図であり、装置本体1aの加工室10を右側面から見た図である。図4は、加工装置1の制御系ブロック図である。なお、実施例1においては、加工装置1の左右方向をX方向とし、上下方向(鉛直方向)をY方向として説明する。
加工室10は、前壁面10aと、後壁面10bと、左壁面10cと、右壁面10dと、底壁面10eと、上壁面10fと、を備える。開閉窓2は前壁面10aの一部を構成する。底壁面10eは、装置本体1aの中央の排出口11に加工屑や洗浄水等が流れ込むように、中央が低くされたスロープが形成されている。
装置本体1aの後方側にキャリッジ21が配置されている。キャリッジ21の第1アーム22aにレンズ前面側のレンズチャック軸23F(第1チャック軸)が回転可能に保持されている。キャリッジ21の第2アーム22bにレンズ後面側のレンズチャック軸23R(第2チャック軸)が回転可能に保持されている。眼鏡レンズであるレンズLEは2つのレンズチャック軸23F、23Rによって保持(挟持)される。実施例1においては、レンズチャック軸23F、23Rは上下方向に配置されている。レンズチャック軸23F、23Rに保持されたレンズLEは、加工装置1が持つレンズ回転手段20(図4参照)によって回転される。例えば、レンズ回転手段20は、キャリッジ21に配置されたモータ24を備える。モータ24によってレンズチャック軸23F、23Rが同期して回転されることで、レンズLEが回転される。
加工室10の内部の左側に砥石回転軸31が配置されている。また、加工室10の内部の右側にカッター回転軸36が配置されている。実施例1では、砥石回転軸31及びカッター回転軸36はレンズチャック軸23F、23Rと同じく、上下方向に延びている。なお、カッター回転軸36はレンズチャック軸23F、23Rに対して傾斜していてもよい。レンズチャック軸23F、23Rは、砥石回転軸31とカッター回転軸36の間に位置するように配置されている。
砥石回転軸31には加工具である砥石32が取り付けられている。実施例1では、砥石32として、例えば、粗加工後のレンズLEを仕上げ加工するための仕上げ加工砥石32aと、仕上げ加工後のレンズLEをさらに精密に仕上げるための鏡面仕上げ加工砥石32bと、が設けられている。仕上げ加工砥石32a及び鏡面仕上げ加工砥石32bは、それぞれレンズLEにヤゲン(眼鏡レンズを眼鏡フレームのリムの溝に保持させるためのもの)を形成するためのヤゲン溝(符号の添付を略す)を有する。なお、砥石32として、生地のレンズLEを粗加工するための粗加工砥石を含んでいてもよい。砥石回転軸31は、加工具回転手段30(図4参照)であるモータ33aによって回転される。
カッター回転軸36には加工具であるカッター37が取り付けられている。カッター37はレンズLEの粗加工に用いられる。また、カッター37はレンズLEの仕上げ加工を兼ねるように用いてもよい。また、カッター37はレンズLEにヤゲンを形成するためのヤゲン溝(符号の添付を略す)を有していてもよい。また、カッター回転軸36には加工具である溝堀カッター38が取り付けられている。カッター回転軸36は加工具回転手段30(図4参照)であるモータ33bによって回転される。
加工装置1は、レンズLEと加工具との位置関係を相対的に変化させる加工移動手段40を備える。加工移動手段40は、レンズチャック軸23F、23Rと加工具の回転軸(31、36)との軸間距離を相対的に変化させる軸間距離変動手段41を備える。また、加工移動手段40は、レンズチャック軸23F、23Rの軸方向におけるレンズLEと加工具との位置関係を相対的に変える軸方向移動手段46を備える。
軸間距離変動手段41は、加工室10の後方にX移動ベース42と、モータ43(図4参照)を有する。X移動ベースはモータ43(図4参照)の駆動によってX方向に移動される。また、キャリッジ21がY方向に移動可能にX移動ベース42に搭載されている。軸方向移動手段46はモータ47を有し、モータ47の駆動によりキャリッジ21と共にレンズチャック軸23F、23RがY方向(上下方向)に移動される。そして、加工装置1が有する制御ユニット50がモータ43の駆動を制御することにより、X移動ベースに搭載されたキャリッジ21がX方向に移動され、レンズチャック軸23F、23RがX方向に移動される。すなわち、砥石32によるレンズLEの加工時には、レンズチャック軸23F、23Rと砥石回転軸31との軸間距離が変えられ、レンズLEが砥石32側に移動される。カッター37及び溝堀カッター38による加工時には、レンズLEがカッター回転軸36側に移動される。また、加工具に対するレンズLEのY方向の位置を変えるときにはモータ47が駆動される。
加工装置1は、レンズチャック軸23F、23Rに保持されたレンズLEの屈折面(前面及び後面)の形状を測定するためのレンズ形状測定手段55を備える。レンズ形状測定手段55の構成は周知の構成を採用できるので、その詳細は省略する。レンズ形状測定手段55は、非測定時には加工室10の右後方の退避位置に置かれ、測定時には退避位置から測定位置に移動されるようになっている。
加工装置1は、加工具によるレンズLEの加工時に研削水をレンズLE付近に供給するための研削水供給手段60を備える。研削水供給手段60を構成するタンク5に蓄えられた研削水は、ポンプ61によって吸引される。加工室10の内部には研削水を噴射する噴射口62を持つノズル63が配置されている。ポンプ61によって吸引された研削水は配管経路64及びノズル63を経て、噴射口62から噴射される。例えば、噴射口62は、砥石32によって加工されるレンズLEの加工部分に研削水を供給するように配置されている。砥石32によるレンズLEの加工時は、研削水はレンズLEの加工部分を冷却するために使用される。また、カッター37によるレンズLEの加工時にも、レンズLEの付近に研削水を供給するように噴射口62が配置されていてもよい。この場合、研削水の供給によってカッター37での加工時に発生する加工屑の飛散を抑えることができる。
加工装置1は、加工具でレンズLEの周縁が加工されることによって加工室内に飛散した加工屑を洗浄するために、洗浄水を供給する洗浄水供給手段70を備える。洗浄水供給手段70は、タンク5と、タンク5に蓄えられた水(洗浄水)を吸引するポンプ71と、加工室10の内部に配置された噴射口75を有するノズル74と、ポンプ71で吸引した洗浄水をノズル74に導く配管73と、を備える。
噴射口75は、レンズチャック軸23F、23Rに保持されたレンズLE及び加工具(砥石32、カッター37)より上方の位置(高い位置)に配置されている。実施例1では噴射口75は上壁面10fにノズル74を介して設けられている。ノズル74はL字状に形成されており、側方に延びたノズル74の先端に噴射口75が形成されている。噴射口75は、洗浄水を水平方向に向けて噴射するようにノズル174に形成されている。
また、洗浄水供給手段70は、噴射口75からの洗浄水の噴射の位置を変更(移動)する噴射位置変更手段としての回転手段80を備える。図1,2において、回転手段80は上壁面10fの上に配置されている。
図5は、回転手段80の構成例を説明する図である。ノズル74は、中心軸M1の軸回りに回転可能に保持部材82を介して装置本体1aに保持されている。実施例1では中心軸M1は、上下方向に延びており、レンズチャック軸23F、23Rと同一方向に延びている。回転手段80はモータ83を有し、モータ83の回転はギヤ等の回転伝達機構84を介してノズル74に伝達される。モータ83の回転によりノズル74と共に噴射口75が中心軸M1の軸回りに回転される。すなわち、噴射口から噴射される洗浄水の方向が変化するように噴射口75が中心軸M1の軸回りに回転される。
図2において、装置本体1aの底面に形成された排出口11には排出パイプ12が接続されている。排出パイプ12はタンク5に延び、排出パイプ12の先には加工屑を水(研削水、洗浄水)と分離するためのフィルタ13が接続されている。
以上のような構成を備える加工装置1の動作を説明する。レンズLEの加工にあたり、操作者は操作パネル3aによってレンズLEの玉型データ及び加工条件を入力する。玉形データは、例えば、メモリ52に予め記憶されたデータから呼び出される。加工条件としてはレンズLEの材質、レンズLEにヤゲン加工又は平加工を行うか、鏡面加工を行うか否か、レンズLEに溝掘り加工を行うか否か、等が入力される。以下では、レンズLEの材質がプラスチックレンズであり、粗加工後にヤゲン仕上げ加工を行い、その後にヤゲン鏡面仕上げ加工を行う場合を例にとって説明する。
操作者は、レンズLEをレンズチャック軸23F、23Rに保持させた後、操作パネル3aを操作して加工をスタートさせる。始めにレンズ形状測定装置55が駆動され、玉型に基づくレンズLEの形状が測定される。
レンズ形状の測定後、粗加工段階に移る。粗加工はカッター37によって行われる。制御ユニット50は、加工移動手段40を制御し、レンズチャック軸23F、23Rをカッター回転軸36側に移動させる。例えば、制御ユニット50は、図6に示すように、粗加工軌跡AN1に基づいてモータ43の駆動を制御する。図6は、レンズLEをカッター37によって加工するときのカッター37の相対的な移動を説明する図である。粗加工軌跡AN1は、入力手段3によって入力された玉型データに基づき、仕上げ加工代を考慮して制御ユニット50により求められる。制御ユニット50は、レンズLEに対してカッター37が相対的に粗加工軌跡AN1に沿って進むように軸間距離変動手段41を制御する。例えば、制御ユニット50は、粗加工軌跡AN1の0度の時は、レンズLEを回転させずに、カッター37が粗加工軌跡AN1に達するようにレンズLEを移動させる。粗加工軌跡AN1の180度の時は、粗加工軌跡AN1からカッター37が離れるようにレンズLEを移動させる。これにより、粗加工軌跡AN1より外側の半周分のレンズ部分が削り落とされる。残りの半周分は、同様なレンズのLEの回転と軸間距離変動手段41の制御により、粗加工軌跡AN1より外側のレンズ部分が削り落とされる。
この粗加工時には、制御ユニット50によってポンプ61が駆動され、ノズル63を介して噴射口62から研削水がレンズLEの加工部分に向けて噴射される。また、制御ユニット50によってポンプ71が駆動され、ノズル74を経て噴射口75から洗浄水が噴射される。そして、制御ユニット50によって回転手段80のモータ83が駆動されることにより、噴射口75が水平方向に回転され、噴射口75から噴射される洗浄水の方向が変えられる。
カッター37によるレンズLEの加工では、砥石による加工時とは異なり、加工屑は、加工室10の後壁面10bの他に前壁面10a、左壁面10c及び右壁面10dの領域にも飛散しやすい。このため、実施例1では噴射口75が水平方向に回転されることにより、洗浄水が前壁面10a、後壁面10b、左壁面10c及び右壁面10dの複数の方向に位置する領域の壁に洗浄水が流される。これにより、簡単な構成で洗浄領域を順次変更でき、各方向の壁に飛散した加工屑が効率よく洗浄される。すなわち、ノズルを四方の壁に向けて固定的に配置する場合に比べて、ノズル(噴射口)の数を増やすことなく、各壁に飛散し付着した加工屑及び底面に溜まった加工屑を効率よく流すことができる。また、時間的に噴射口75の方向が順次変わるため、各方向にノスル74及び噴射口75を四方の壁に向けて固定的に配置する場合に比べて、ポンプの能力を大きくせずに、各壁に飛散し付着した加工屑及び底面に溜まった加工屑を効率よく流すことができる。
粗加工が終了すると仕上げ加工段階に移る。仕上げ加工は、初めに仕上げ砥石32aによって行われる。図7は砥石32aによるレンズLEの仕上げ加工時の様子を示す図である。制御ユニット50は、レンズチャック軸23F、23Rを砥石回転軸31側に移動させ、仕上げ加工データに基づいてレンズ回転手段20及び加工移動手段40を制御し、仕上げ加工砥石32aによって粗加工後のレンズLEの周縁を仕上げ加工させる。加工データにヤゲン加工データが含まれるときは、仕上げ加工砥石32aのヤゲン溝によってレンズLEの周縁にヤゲンが形成されるように、レンズチャック軸23F、23Rの軸方向の位置が変化される。
鏡面加工の設定が有る場合には、制御ユニット50は、砥石32aによる仕上げ加工後に、鏡面仕上げ加工砥石32bの位置にレンズLEを移動し、レンズLEを回転しながらレンズ回転手段20及び加工移動手段40を制御し、砥石32bによってレンズLEの周縁を鏡面仕上げ加工させる。
砥石32(32a、32b)による加工時、制御ユニット50によってポンプ61が駆動され、ノズル63の噴射口62から研削水がレンズLEの加工部分に向けて噴射される。また、制御ユニット50によってポンプ71が駆動され、ノズル74の噴射口75から洗浄水が噴射される。また、回転手段80が制御され、噴射口75から噴射される洗浄水の方向が変えられる。これにより、簡単な構成で洗浄領域を順次変更でき、各方向の壁に飛散した加工屑を効率よく洗浄できる。
砥石32(32a、32b)による加工段階では、例えば、噴射口75の移動速度を一定とするのではなく、洗浄水を流す洗浄領域によって変化させてもよい。例えば、図7に示すように、仕上げ加工砥石32aが半時計回りに回転する構成においては、加工屑は砥石32aの回転方向に位置する後壁面10bの領域に飛散しやすい。このため、後壁面10bの領域に洗浄水を噴射するときには、他の領域の洗浄に対して噴射口75の回転速度(移動速度)を遅くする。これにより、加工屑が多く付着又は堆積する場所に洗浄水を増加させ(単位時間当たりの水量を増加)、効率よく洗浄することができる。また、実施例1では加工移動手段40の可動部(キャリッジ21、X移動ベース42等)が後壁面10b側に位置するので、その可動部に付着した加工屑を効率よく洗浄できる。
また、加工室10の構成によっては、後壁面10bと左壁面10cとの境界に近い底壁面10eの領域、あるいは後壁面10bと右壁面10dとの境界に近い底壁面10eの領域には、加工屑が堆積しやすいことがある。この場合、これらの領域に噴射口75から洗浄水を噴射するときには、噴射口75の移動速度を遅くする(単位時間当たりの水量を増加する)。これにより、加工屑の堆積が多い場所に集中して洗浄水を流すことができ、効率よく洗浄できる。
なお、噴射口75の移動速度の変化を制御する構成としては、噴射口75の移動を一時的に停止する場合も含まれる。例えば、特に加工屑が堆積しやすい領域に洗浄水を流すときには、噴射口75の移動を停止する。あるいは、噴射口75の移動方向を逆転させる構成を含んでいてもよい。これにより、例えば、限られた領域を往復移動して重点的で洗浄できる。
さらに、カッター37又は砥石32(32a、32b)による加工段階において、前壁面10aが位置する前側領域への加工屑の飛散が少ない場合は、後壁面10b側の領域を集中的に洗浄するように、噴射口75の回転範囲(移動範囲)を制限してもよい。例えば、レンズチャック軸23F、23Rより後方側の左壁面10c、右壁面10d及び後壁面10bの領域に集中的に洗浄水を流すように、中心軸M1の軸回りに回転する噴射口75の回転角度を制限する。この制限の角度で、制御ユニット50はモータ83(噴射口75)の正回転と逆回転を繰り返すように制御する。これにより、加工屑が飛散しやすい領域や加工屑の堆積が多く堆積する領域に集中して洗浄水を流すことができ、効率よく洗浄できる。
また、カッター37によるレンズLEの加工段階と砥石32によるレンズLEの加工段階とで、噴射口75の移動速度(回転速度)が異なるように噴射位置変更手段である回転手段80を制御してもよい。例えば、前述のように、砥石32による加工段階では、後壁面領域に洗浄水を噴射するときには他の領域より移動速度を遅くし、後壁面領域に流れる水量を多くする。一方、カッター37による加工段階では、例えば、等速で噴射口75を移動するように回転する。カッター37によるレンズLEの加工においては、各方向の壁面に飛散される場合があるので、加工室10の全体を効率よく洗浄できる。
また、洗浄水を噴射する噴射口75は一つに限らず、洗浄領域との関係で複数個設でもよい。例えば、噴射口75が一つでは、噴射口75に対する後壁面10bまでの距離よりも、噴射口75に対する左壁面10c及び右壁面10dの距離が長い場合、左壁面10c及び右壁面10dに届く洗浄水の高さが低くなる(距離が長いと洗浄水が落下し、洗浄水が壁の上部まで届かない)がある。この場合には、左壁面10cに近づく位置に第1の噴射口75を設け、右壁面10dに近づく位置に第2の噴射口75を設ける。噴射位置変更手段である回転手段80もそれぞれ設ける。そして、制御ユニット50は、制御ユニット50は各噴射口75の移動範囲が異ならように各回転手段80を制御する。例えば、制御ユニット50は、第1の噴射口75が左側半分の領域に洗浄水を流し、第2の噴射口75が右側半分の領域に洗浄水を流すようそれぞれの回転手段80を制御する。これにより、水の量を節約して効率よく、適切な洗浄を行える。
また、噴射位置変更手段は回転手段80に限らず、噴射位置を変更ができるように噴射口を移動する噴射口移動手段であってもよい。例えば、噴射口移動手段は、噴射口75を直線的に移動する手段であってもよいし、曲線的に移動する手段であってもよい。また、回転、直線及び曲線の少なくとも2つの移動を組み合わせたものでもよい。例えば、砥石32によるレンズLEの加工で、後壁面10bの領域が左右方向に広い場合、噴射口75を左右方向に直線的に移動する機構を有する構成としてもよい。この場合、例えば、噴射口75が左右方向に往復移動する構成としてもよい。またさらに、洗浄領域に応じて直線的又は曲線的な移動の速度が変化する構成としてもよい。
[第2実施例]
図8は、実施例2に係る眼鏡レンズ加工装置101(以下、「加工装置101」と略す)の加工室110の様子を上から見た図であり、図9は加工装置101の加工室110の様子を右側から見た図である。また、図9には装置本体101aの下に配置されたタンク105と、タンク105内に配置された構成要素を模式的に示している。図10は、加工装置101の制御系ブロック図である。
実施例2の加工装置101は、実施例1の加工装置1に対して、レンズチャック軸123F、123Rと、砥石回転軸131と、カッター回転軸136とを水平方向に配置した構成である。実施例2における図8、図9及び図10において、実施例1の加工装置1と同一機能の構成要素には、100番を付加した符号を付している。そのため、実施例2において説明を省略している構成要素については、実施例1の説明を援用する。
図8において、水平方向に延びたレンズチャック軸123Fはキャリッジ121(図示を略す)の第1アーム122aに回転可能に保持され、水平方向に延びたレンズチャック軸123Rはキャリッジ121の第2アーム122bに回転可能に保持されている。レンズチャック軸123F、123Rに保持されたレンズLEは、レンズ回転手段120が持つモータ124によって回転される。
砥石回転軸131には、実施例1と同様に、加工具である砥石132としての仕上げ加工砥石132a及び鏡面仕上げ加工砥石132bが取り付けられている。カッター回転軸136には加工具であるカッター137が取り付けられている。また、溝堀カッター138がカッター回転軸136に取り付けられていてもよい。実施例2では、カッター回転軸136は、カッター回転軸移動機構(図示を略す)によって退避位置と加工位置とに移動される構成としている。
加工装置101は、レンズLEと加工具との位置関係を相対的に変化させる加工移動手段140を備える。加工移動手段140が持つ軸間距離変動手段141によってレンズチャック軸123F、123Rと加工具の回転軸(131、136)との軸間距離が相対的に変えられるように、キャリッジ121が移動される。また、加工移動手段140が持つ軸方向移動手段146によってレンズチャック軸23F、23Rの軸方向におけるレンズLEと加工具との位置関係を相対的に変えるように、キャリッジ121が移動される。水平方向に延びたレンズチャック軸123F、123Rを備えるキャリッジ121の構成及びその移動機構の構成は周知の構成が使用できる(そのため、詳細な説明は省略する)。
加工室110は、前壁面110aと、後壁面110bと、左壁面110cと、右壁面110dと、底壁面110eと、上壁面110fと、を備える。開閉窓102は前壁面110aの一部を構成する。実施例2では、前壁面110aの一部が前側に傾斜している構成を持ち、操作者が加工室110の内部を上から観察し、開閉窓102を開けてレンズLEをレンズチャック軸23F、23Rに取り付け、取り外しを行いやすくなっている。
加工装置101は、研削水をレンズLEの加工部分に供給するための研削水供給手段160を備える。研削水供給手段160は加工室110に配置されたノズル163を持ち、ノズル163の先に噴射口162が形成されている。
加工装置101は、加工室内に飛散した加工屑を洗浄するために、洗浄水を供給する洗浄水供給手段170を備える。洗浄水供給手段170は、加工室110の上壁面110fに取り付けられたノズル174を持ち、ノズル174の先に噴射口175が形成されている。噴射口175は洗浄水を水平方向に向けて噴射するようにノズル174に形成されている。噴射口175は、レンズLE及び加工具(砥石132、カッター137)より上方の位置(高い位置)に配置されている。また、洗浄水供給手段170は、噴射口から噴射される洗浄水の噴射位置(洗浄領域)を変更する噴射位置変更手段としての回転手段180を備える。回転手段180は、実施例1の図5と同様な構成であるため、その説明は省略する。噴射口175は、モータ183によって上下方向の中心軸M1の軸回りに回転される。なお、中心軸M1は上下方向に限らず、斜めに傾斜していてもよい。
次に、加工装置101の動作を説明する。レンズチャック軸123F、123Rに保持されたレンズLEは、初めにカッター137による粗加工が行われる。制御ユニット150は、カッター回転軸移動機構(図示を略す)の駆動を制御し、カッター回転軸136を退避位置から所定の加工位置に移動させる。制御ユニット150は、加工移動手段140を制御し、レンズLEをカッター137側に移動させた後、実施例1の場合と同様に、図6に示すような粗加工軌跡AN1に基づき、レンズLEを回転させながらレンズチャック軸123F、123Rとカッター回転軸136との軸間距離を変動させ、レンズLEの周縁を粗加工する。
粗加工が終了したら、カッター回転軸136が退避位置に戻され、仕上げ加工段階に移る。制御ユニット150は、レンズチャック軸123F、123Rを砥石回転軸131側に移動させ、仕上げ加工データに基づいてレンズ回転手段120及び加工移動手段140を制御し、仕上げ加工砥石132aによって粗加工後のレンズLEの周縁を仕上げ加工させる。また、鏡面加工が設定されている場合は、レンズLEを鏡面仕上げ加工砥石132b側にレンズLEを移動し、鏡面仕上げの加工データに基づいてレンズ回転手段120及び加工移動手段140を制御し、鏡面仕上げ加工砥石132bによって鏡面仕上げ加工する。
この粗加工及び仕上げ加工時には、制御ユニット150によってポンプ161が駆動され、ノズル163の噴射口162から研削水がレンズLEの加工部分に向けて噴射される。また、制御ユニット150によってポンプ171が駆動され、ノズル174の噴射口175から洗浄水が噴射される。噴射口175から洗浄水が噴射されるときは、回転手段180が駆動され、噴射口175が中心軸M1の軸回りに回転されることで、噴射口175から噴射される洗浄水の方向が変えられる。これにより、加工室110内の前壁面110a、後壁面110b、左壁面110c及び右壁面110dに洗浄水が流され、飛散した加工屑が流されるとともに、底壁面110eに堆積した加工屑も排出口111からタンク105に排出される。
この実施例2においても、洗浄水を噴射する噴射口175が移動されることにより、効率よく加工室内が洗浄される。実施例1の場合と同様に、噴射位置変更手段である回転手段180による噴射口175の移動速度(回転速度)は、加工段階に応じて変えてもよいし、また、同じ加工段階でも領域に応じて移動速度を変えてもよい。例えば、カッター137によるレンズLEの加工段階では、加工屑は四方に飛散するので、噴射口175を一定速度で移動(回転)する。一方、砥石132によるレンズLEの加工段階では、砥石132及びレンズLEの回転方向(水平軸の軸回りの方向)に位置する前壁面110a及び後壁面110bに加工屑が飛散されやすいが、左壁面110c及び右壁面110dへの飛散は少ない。このため、制御ユニット150は、噴射口175が左壁面110c及び右壁面110dの方向にあるときは移動速度を速くし、噴射口175が前壁面110a及び後壁面110bの方向にあるときは、移動速度を遅くする。これにより、左壁面110c及び右壁面110dの領域よりも前壁面110a及び後壁面110bの領域に多くの水が噴射され、効率よく加工屑を洗い流すことができる。
次に、実施例2の加工装置101における変容例を図11に基づいて説明する。図11の変容例は、レンズチャック軸123F、123Rと、砥石回転軸131と、カッター回転軸136とを水平方向に配置した構成であって、噴射位置変更手段である回転手段180の中心軸M1も水平方向に配置した例である。
ノズル174の先に形成された噴射口175は、レンズチャック軸123F、123Rと同一方向に位置する中心軸M1の軸回りに回転される。この変容例においても、噴射口175はレンズLE及び加工具(砥石132、カッター137)より上方の位置(高い位置)に配置されている。噴射口175を持つノズル174及び回転手段180は、例えば、右壁面側に取り付けられている。なお、この例の場合、噴射口175は、噴射された洗浄液が左右方向に広く噴射されるように(前壁面110a及び後壁面110bの必要な洗浄領域をカバーするように)形成されていることが好ましい。
この変容例においては、噴射口175の移動方向はレンズLE及び砥石132と同じ回転方向のため、レンズLEの回転方向に位置する前壁面110a及び後壁面110bに加え、上壁面110fに向けても洗浄水を噴射することができる。このため、上壁面110fに付着した加工屑も効率よく洗浄できる。加工室110を構成する上壁面110fが低い場合には、上壁面110fに付着する加工屑が多くなるので、噴射口175が回転される軸を水平方向に配置する構成は特に有利である。
また、この変容例においても、噴射口175の移動速度を変える制御、カッター137と砥石132の加工段階に応じて噴射口175の移動速度を異なるようにする制御、等を行ってもよい。例えば、底壁面110eには他の方向に噴射した洗浄水が落下して流れてくるので、底壁面110e側に噴射口175が向くときは、噴射口175の移動速度を速くしてもよい。また、噴射口175が向く方向の範囲を制限した制御でもよい。例えば、噴射口175が向く方向は、前壁面110a、後壁面110b及び上壁面110fの領域であり、底壁面110eの領域には噴射口175からの洗浄水が直接向かわなくて影響は少ない。
以上、本開示の典型的な実施例1、実施例2を説明したが、本開示はここに示した実施例に限られず、本開示の技術思想を同一にする範囲において種々の変容が可能である。
LE 眼鏡レンズ
1,101 眼鏡レンズ加工装置
10,110 加工室
23F,23R,123F,123R レンズチャック軸
32,132 砥石
37,137 カッター
50,150 制御ユニット
60,160 研削水供給手段
70,170 洗浄水供給手段
74,174 ノズル
75,175 噴射口
80,180 回転手段

Claims (4)

  1. 眼鏡レンズの周縁を加工具によって加工する眼鏡レンズ加工装置において、
    前記加工具によって眼鏡レンズを加工するための加工室と、
    前記加工具で眼鏡レンズの周縁が加工されることによって前記加工室内に飛散した加工屑を洗浄するための洗浄水を噴射する少なくとも一つの噴射口を持つ洗浄水供給手段と、
    前記噴射口からの洗浄水の噴射位置を変更する噴射位置変更手段と、を備え、
    前記噴射位置変更手段は、前記噴射口から噴射される洗浄水の噴射方向が変化するように前記噴射口を回転するための回転手段を有し、前記噴射口から洗浄水を噴射しつつ、前記噴射口を連続的に回転することで、前記噴射口からの洗浄水を前記加工室の複数の方向に位置する壁面に向けて噴射し、洗浄領域を順次変更することを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
  2. 請求項1の眼鏡レンズ加工装置において
    前記回転手段によって前記噴射口からの洗浄水が向けられる複数の方向に位置する壁面は、前記加工室の前壁面、後壁面、右壁面及び左壁面であることを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
  3. 請求項1又は2の眼鏡レンズ加工装置において
    前記噴射口は眼鏡レンズ及び前記加工具より上方に位置する上壁面に配置されていることを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
  4. 請求項1~3の何れかの眼鏡レンズ加工装置において
    前記噴射位置変更手段を制御する制御手段であって、前記噴射位置を変更するときの変更速度を変化させる制御手段を備え、
    前記加工具はカッターと砥石を含み、
    前記制御手段は、前記カッターによるレンズの加工段階と前記砥石によるレンズの加工段階とで前記変更速度が異なるように前記噴射位置変更手段を制御することを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
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