JP7354409B2 - 物理量測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、物理量測定装置に関する。
物理量測定装置は、例えば湿度センサや流量センサなどが物理量を計測することにより出力する計測信号を、制御回路(プロセッサなどの半導体素子)が演算処理することにより、物理量を表すデータを取得する。物理量測定装置を製造する工程において、制御回路を搭載したデバイス(例:大規模集積回路:LSI)を検査する。検査工程においては、例えばバーンイン試験などによって初期不良を低減することを図る。バーンイン試験は、例えば温度と電圧の負荷を検査対象に対してかけることにより、初期不良を低減することを図るスクリーニング試験である。
下記特許文献1は、半導体ウェハのバーンイン方法について記載している。同文献は、『半導体ウェハのダイシング後にセンサ素子が接続される入出力端子をもつICチップにおいて、センサ素子を模擬したダミー回路をウェハ外部に必要としない半導体ウェハでのバーンイン方法を提供する。』ことを課題として、『半導体ウェハ上に形成されたICチップにおいて、センサ素子が接続される入出力端子の内部にスイッチング素子を介してダミー回路を形成する。スイッチング素子はモード端子の入力電圧レベルによってバーンイン時のみONするように制御されることにより、その入出力端子へのプロービングをせずにバーンインが可能となる。又、通常動作時にはモード端子の入力電圧レベルによってスイッチング素子がOFFとなり外部センサ回路接続時には影響がない。』という技術を開示している(要約参照)。
特開2018-136197号公報
物理量測定装置が備える制御回路は、センサ端子を介して物理量センサ(湿度センサなど)と接続された状態で運用される。したがって、センサ端子に物理量センサが接続されていない場合、制御回路は信号エラーと判断することになる。
物理量測定装置の検査工程を効率化するためには、ウェハ単位でバーンイン試験を実施することが望ましい。すなわち、ウェハ上の複数の物理量測定装置に対してバーンイン試験を実施することが望ましい。しかし、ウェハ状態では個々の物理量測定装置に物理量センサを接続することができないため、物理量測定装置に物理量センサとの通信確認する診断機能がある場合、バーンイン試験を実施している間において、制御回路は信号エラーが生じていると判断する。そうすると、制御回路はその信号エラー以降の処理へ進むことができないので、温度負荷や電圧負荷をかけたとしても、制御回路が実施する処理のうち一部のみしか検査されないことになる。これにより、初期不良の検出精度が低下する。
特許文献1においては、内蔵したダミー回路をON/OFFすることにより、バーンイン試験において物理量センサを模擬し、これにより信号エラーを回避している。しかしダミー回路は相応の回路規模が必要なので、半導体ウェハのコストが上昇するという課題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、センサ端子に物理量センサが接続されていなくとも、簡易な回路構成によって信号エラーを回避することができる、物理量測定装置を提供することを目的とする。
本発明に係る物理量測定装置は、センサとシリアル通信する入出力端子と、センサを診断する診断部との間に、前記診断部が動作しないレベルに信号をマスクすることができるマスク回路を有する。
本発明に係る物理量測定装置によれば、センサ端子に物理量センサが接続されていなくとも、信号エラーを回避することができる。またマスク回路は簡易に実装できるので、簡易な回路構成によって上記効果を発揮できる。
従来の物理量測定装置1の回路構成図である。 センサが端子に接続されている場合における信号波形例である。 センサが端子に接続されていない場合における信号波形例である。 実施形態1に係る物理量測定装置1の回路構成図である。 センサが端子に接続されている場合における信号波形例である。 センサが端子に接続されていない場合における信号波形例である。 実施形態1に係る物理量測定装置1の変形例を示す回路構成図である。 センサが端子に接続されていない場合における信号波形例である。 センサが端子に接続されていない場合における別の信号波形例である。 実施形態3に係る物理量測定装置1の動作を説明する信号波形の例である。 実施形態4に係る物理量測定装置1の回路構成図である。 電源回路10が出力するREGOUTの電圧レベルを説明するグラフである。 実施形態5に係る物理量測定装置1の回路構成図である。 電源回路10が出力するREGOUTの電圧レベルを説明するグラフである。 実施形態6に係る物理量測定装置1の回路構成図である。 実施形態6における物理量測定装置1の動作を説明する信号波形の例である。
<従来の回路構成について> 図1は、従来の物理量測定装置1の回路構成図である。物理量測定装置1は、流量センサ8や湿度センサ9が物理量を計測することにより出力する計測信号を受け取り、その計測信号を演算処理することにより、その物理量を表すデータを出力する装置である。物理量測定装置1は、端子16と17を介して流量センサ8と接続され、端子18と19を介して湿度センサ9と接続されている。
ADコンバータ5は、端子16と17からそれぞれ信号QHとQLを受け取り、これらをデジタル信号に変換して論理回路7へ出力する。信号QHと信号QLの差電圧は、流量の変化を表す信号である。
物理量測定装置1は、2つの入出力回路2を備えている。入出力回路2のうち一方は、端子18との間で信号SDAを送受信し、さらに信号SDAを制御回路6との間で送受信する。信号SDAは、I2C(Inter-Integrated Circuit)通信におけるデータ送受信のための信号である。入出力回路2のうちもう一方は、端子19との間で信号SCLを送受信し、さらに信号SCLを制御回路6との間で送受信する。信号SCLは、I2C通信における同期信号である。
入出力回路2は、プルアップ抵抗3とNMOSトランジスタ4を備える。制御回路6は、信号DADまたはCLDによってNMOSトランジスタ4をON/OFFする。すなわち信号DADと信号CLDはそれぞれ、入出力回路2が出力する信号レベルを反転させる。プルアップ抵抗3は、NMOSトランジスタ4がOFFのときSDAの信号レベルをREGOUT(後述)に固定する。
制御回路6は、入出力回路2を制御するとともに、湿度センサ9と物理量測定装置1との間の通信が正常であるか否かを診断する。論理回路7は、発振回路12が出力する発振信号に対応する周波数で動作する。論理回路7は、各センサから取得した計測値を補正するなどの処理を実施することにより、各センサが計測した物理量を表すデータを生成し、出力回路11と端子14を介してそのデータを出力する。
電源回路10は、端子13を介して入力電圧VCCを受け取り、これを物理量測定装置1の動作電圧(内部電圧と呼ぶ場合もある)に降圧することにより、電圧REGOUTを生成する。端子15はGNDと接続されている。
図2は、センサが端子に接続されている場合における信号波形例である。ここでは物理量測定装置1がマスタとなり、湿度センサ9がスレーブとなって、物理量測定装置1から湿度センサ9に対してコマンドを送信するときの信号波形を例示する。物理量測定装置1(制御回路6)は、DADを操作することにより、湿度センサ9に対してアドレス(図2のADDRESS)やコマンド(図2のCOMMAND)を指定する。ビットWはコマンド送信することを表す。
制御回路6は、START CONDITION(I2C通信を開始することを表す)後、SCLの9ビットごとに通信診断を実施する。通信が正常であればSDAは0Vとなり、制御回路6は通信確認信号として肯定応答(ACK)を受け取ることになる。コマンド送信を終了するときは、STOP CONDITIONを湿度センサ9に対して出力する。
図3は、センサが端子に接続されていない場合における信号波形例である。ここでは図2と同様に物理量測定装置1から湿度センサ9に対してコマンドを送信するときの信号波形を例示する。湿度センサ9が接続されていない場合、9ビット目における通信診断によって異常と診断され、SDAはVINTレベルとなり、通信確認信号は否定応答(NACK)となる。制御回路6はこの場合、直ちにSTOP CONDITION(I2C通信を終了することを表す)を湿度センサ9に対して送信し通信を終了する。
通信を再開したとしても、同じく異常と判断され再び9ビット目において同様にNACK応答となってSTOP CONDITIONが送信される。以下同様の手順が繰り返される。したがってアドレス指定処理が繰り返され湿度センサ9に対してコマンドを送信する段階まで処理が進行できないことになる。バーンイン試験においても同様に、端子にセンサが接続されていない状態で通信診断を実施することになるので、湿度センサ9に対してコマンドを送信する以降の処理は実施されない。すなわちバーンイン試験において、それ以降の動作を検査することができないので、初期不良の検出漏れが生じる可能性が高まる。
本発明は、以上説明したような課題に鑑みて、センサを接続していない場合においても通信異常を診断されることを回避し、バーンイン試験を適正に実施するための構成を提案する。
<実施の形態1> 図4は、本発明の実施形態1に係る物理量測定装置1の回路構成図である。本実施形態1に係る物理量測定装置1は、入出力回路2(SDAを送受信する側)と制御回路6との間にマスク回路21を備える。マスク回路21は、入出力回路2と制御回路6との間の入力線(制御回路6が湿度センサ9から信号を受け取るとき用いる信号線)上に配置されている。したがってマスク回路21は、湿度センサ9が出力する信号を制御回路6よりも前に受け取ることになる。物理量測定装置1はさらに、バーンイン信号を入力するための端子20を備える。その他構成は概ね図1と同様であるので、以下では主にマスク回路21と端子20に関する差異点について説明する。
マスク回路21は、入出力回路2が出力する信号SDAを上書することにより信号MDAを生成し、信号MDAを制御回路6に対して出力する。マスク回路21は、制御回路6が出力する信号MASにしたがって、SDAを上書するか否かを切り替える。マスク回路21がSDAを上書することにより、SDAの値によらず、制御回路6はMDAの値をSDAとして取り扱うことになる。
図5は、センサが端子に接続されている場合における信号波形例である。ここでは図2と同様に物理量測定装置1から湿度センサ9に対してコマンドを送信するときの信号波形を例示する。制御回路6は、通常動作時(センサが接続されているとき)はMAS信号を常にVINTレベルとする。マスク回路21は、MAS信号がVINTレベルのときは、SDAをそのまま制御回路6に対して出力する。したがって、マスク回路21が入出力回路2と制御回路6との間の入力線上に配置されていても、制御回路6が受け取るSDAの値は変わらない。すなわち制御回路6は、通信確認信号としてACKを受け取ることができる。
図6は、センサが端子に接続されていない場合における信号波形例である。ここでは図2と同様に物理量測定装置1から湿度センサ9に対してコマンドを送信するときの信号波形を例示する。端子20に対してバーンイン信号が入力されている間、制御回路6は、ACKと同じタイミングにおいて、MASを0Vにセットする。マスク回路21は、MASが0Vであるとき、SDAの値によらず、MDAを0Vにセットする。これにより、実際のSDAがVINTレベルであっても、制御回路6はSDAが0Vであると認識するので、通信確認信号としてACKを受け取る。
制御回路6が湿度センサ9からACK応答を受け取るタイミングは、制御回路6にとって既知である(すなわち図2~図3において説明した9ビット目のタイミング)。したがって制御回路6は、そのタイミングに合わせてMASを0Vにセットすればよい。換言するとマスク回路21は、I2C通信における同期信号(SCL)に同期しつつ、制御回路6がACKを受け取るべきタイミングで、MDAを0VにセットすることによりACKと同じ信号を制御回路6へ出力する。
以上の動作により、バーンイン信号が入力されている間は信号エラーを回避して、アドレス指定以降のSDA信号を送受信することができる。したがって、バーンイン試験時においてセンサが端子に接続されていない場合であっても、診断処理以降の処理を継続してバーンイン試験に供することができる。
図7は、本実施形態1に係る物理量測定装置1の変形例を示す回路構成図である。図7においては流量センサ8が物理量測定装置1内部に組み込まれている。その他構成は図4~図6と同様である。図7の構成においても、マスク回路21によって、湿度センサ9が接続されていないときのSDAを上書することにより、同様の効果を発揮できる。
以上の説明において、マスク回路21は、(a)MAS信号がVINTレベルのときはSDAをそのまま制御回路6に対して出力し、(b)MASが0VであるときはSDAの値によらずMDAを0Vにセットすることを説明した。この動作は反対であってもよい。すなわちMASが0VのときはSDAをそのまま出力し、MASがVINTのときはMDAを常に0Vとしてもよい。換言すると、マスク回路21に対して入力するMASレベルを反転させることによりマスク回路21の動作も反転するようにすればよい。
<実施の形態2> 実施形態1においては、物理量測定装置1が湿度センサ9に対してコマンドを送信するときにおいて、マスク回路21によってSDAをマスクする例を説明した。同様の動作は物理量測定装置1が湿度センサ9からデータを受信するときにおいても用いることができる。本発明の実施形態2ではその動作例を説明する。物理量測定装置1の構成は実施形態1と同じである。
図8は、センサが端子に接続されていない場合における信号波形例である。ここでは物理量測定装置1が湿度センサ9からデータを受信するときの信号波形を例示する。データ受信時においても、制御回路6はSCLの9ビットごとに通信診断を実施する。そこで実施形態1と同様に、バーンイン試験時において端子20に対してバーンイン信号を入力する。
端子20に対してバーンイン信号が入力されている間、制御回路6は、ACKと同じタイミングにおいて、MASを0Vにセットする。マスク回路21は、MASが0Vであるとき、SDAの値によらず、MDAを0Vにセットする。これにより、実際のSDAがVINTレベルであっても、制御回路6はSDAが0Vであると認識するので、通信確認信号としてACKを受け取る。したがってバーンイン試験工程のなかで湿度センサ9からのデータ受信処理を実施する場合であっても、実施形態1と同様に通信が正常であるものとして処理を継続することができる。
I2C通信においては、データ受信後のSTOP CONDITION直前にNACKを挿入する場合がある。この場合は、NACKと同じタイミングにおいて、制御回路6がMASをVINTレベルにセットする。マスク回路21は、MASがVINTレベルであればSDAをそのまま出力するので、SDAがVINTレベルであればこれがそのまま制御回路6へ出力される。したがってSTOP CONDITION直前にNACKを設けることができる。
図9は、センサが端子に接続されていない場合における別の信号波形例である。ここでは図8と同様に、物理量測定装置1が湿度センサ9からデータを受信するときの信号波形を例示する。湿度センサ9は、制御回路6に対して応答する際に、データ本体に加えて誤り訂正符号(例えばCyclic Redundancy Check:CRCコード)を付与する場合がある。誤り訂正符号は制御回路6でも再計算され、付与された誤り訂正符号と計算した誤り訂正符号が不一致の場合(例えば、湿度センサ9が接続されていない)、誤り訂正符号は制御回路6でも再計算され、付与された誤り訂正符号と計算した誤り訂正符号が不一致の場合(例えば、湿度センサ9が接続されていない)、制御回路6は通信エラーであると診断することになる。そこで図9において、マスク回路21は、通信エラーではない場合に相当する誤り訂正符号を自ら生成して制御回路6へ出力する。これにより、湿度センサ9が接続されていない場合であっても、制御回路6は通信確認信号が正常であるとみなすことになる。したがって湿度センサ9からデータ受信するときであっても、実施形態1と同様に通信確認信号をマスクすることができる。
マスク回路21は、誤り訂正符号を生成することに加えて、湿度センサ9から受信するデータ本体を生成してもよい。この場合におけるデータ本体は、少なくとも通信エラー時において制御回路6が受信するものとは異なるようにする必要があるが、その限りにおいては任意のデータでよい。これにより、正しいCRCコードを模擬することに加えて、制御回路6の活性化率を上げることになるので、バーンイン試験時において制御回路6を効率的にテストすることができる。
<実施の形態3> 図10は、本発明の実施形態3に係る物理量測定装置1の動作を説明する信号波形の例である。以上の実施形態においては、バーンイン信号が入力されたとき、マスク回路21は、ACKのタイミングでMDAを0Vにセットすることを説明した。本実施形態3においてはこれに代えて、バーンイン信号が入力されている間(湿度センサ9が物理量測定装置1に対して未接続のとき)、マスク回路21は同期信号SCLによらず常にMDAを0Vにセットする。これにより、通信確認信号のタイミングに依拠することなく、制御回路6は常にSDAとして0Vを受け取る。したがってバーンイン試験時において湿度センサ9が端子に接続されていない場合であっても、診断処理以降の処理を継続してバーンイン試験に供することができる。
本実施形態3は、同期信号SCLに合わせてマスク回路21を動作させる必要がない点において、動作手順が簡易化されている。したがって制御回路6の構成を簡易化できる利点がある。
<実施の形態4> 図11は、本発明の実施形態4に係る物理量測定装置1の回路構成図である。実施形態1においては、端子20に対してバーンイン信号を入力したとき、制御回路6がACKに合わせてMASを0Vにセットすることを説明した。本実施形態4においてはこれに代えて、端子13に対して通常動作時よりも高い電圧を入力することにより、バーンイン信号を入力したときと同じ動作を実施する。したがって本実施形態4において、端子20は必要ない。
バーンイン試験を実施するためには、通常動作時よりも高い電圧を物理量測定装置1に対して入力する必要がある。端子13に対してこの高電圧を入力することにより、電源回路10は通常動作時よりも高いREGOUTを出力し、高電圧を状態となったことを通知する信号BEを論理回路7へ出力する。論理回路7はこの信号BEが入力されると、バーンインモードに移行した旨を制御回路6へ通知する。制御回路6はこの通知を受け取ると、MASを0Vにセットする。以後の動作は実施形態1と同様である。
図12は、電源回路10が出力するREGOUTの電圧レベルを説明するグラフである。VCCが規定範囲内(Vmin~Vmax)であるとき、電源回路10は規定電圧VINTを出力する。VCCがVmax以上である場合、電源回路10はVINT以上の電圧を出力する。論理回路7は、信号BEを受け取った場合、バーンインモードに移行した旨を制御回路6へ通知する。
本実施形態4においては、バーンイン試験時に用いる高電圧をバーンイン信号の代わりに用いるので、端子20を設ける必要がない。したがって端子や配線の数を抑制できる利点がある。
<実施の形態5> 図13は、本発明の実施形態5に係る物理量測定装置1の回路構成図である。実施形態4においては、VCCに対して通常動作時よりも高い電圧を入力することにより、バーンインモードへ移行することを説明した。本実施形態5においては、端子20に対して閾値以上の電圧を入力することにより、バーンインモードへ移行する。その他構成は実施形態1、4と同様である。
図14は、電源回路10が出力するREGOUTの電圧レベルを説明するグラフである。バーンイン信号BURNがBT以下であるとき、電源回路10は規定電圧VINTを出力する。BURNがBT以上である場合、電源回路10はVINT以上の電圧を出力する。論理回路7は、BURNがBT以上である場合、バーンインモードに移行した旨を制御回路6へ通知する。すなわちBT以上の信号レベルを有するBURN信号は、バーンインモードへ移行するように指示する信号として作用する。
本実施形態5は、端子20に対してバーンイン信号を入力する点においては実施形態1と同様であるが、(a)バーンイン信号が閾値BT以上になるまでは通常動作する点、(b)電源回路10がバーンイン信号の信号レベルに対応する内部電圧を生成する点、が実施形態1とは異なる。すなわち本実施形態5において、バーンイン信号は、バーンインモードへ移行する旨を指示することに加えて、バーンインモード時における電圧負荷レベルを指定する役割をも有する。これにより様々な電圧負荷レベルでバーンイン試験を実施することができる。
<実施の形態6> 図15は、本発明の実施形態6に係る物理量測定装置1の回路構成図である。実施形態1~5においては、入出力回路2から制御回路6へSDAを入力する入力線上にマスク回路21を配置した。本実施形態6においてはこれに代えて、制御回路6から入出力回路2へSDAを出力する出力線上にマスク回路21を配置する。すなわちマスク回路21は、制御回路6が出力するDADを入出力回路2よりも前に受け取る位置に配置されていることになる。マスク回路21は、MASがVINTレベルであればDADをそのままMDAとして出力し、MASが0VであればDADの値によらずVINTをMDAとして出力する。
入出力回路2は、MDAを反転した信号レベルを出力する。具体的には、ゲートOFF時(MDAが0Vとき)はプルアップ抵抗3によって出力レベルをVINT側に固定し、ゲートON時(MDAがVINTレベルのとき)はグラウンドと短絡することにより出力レベルを0Vに固定する。
図16は、本実施形態6における物理量測定装置1の動作を説明する信号波形の例である。端子20に対してバーンイン信号が入力されている間、制御回路6は、ACKと同じタイミングにおいて、MASを0Vにセットする。マスク回路21は、MASが0Vであるとき、DADの値によらず、MDAをVINTにセットする。入出力回路2はMDAを反転した信号レベルをSDAとして出力するので、ACKのタイミングにおいてSDAは0Vとなる。これにより制御回路6はSDAが0Vであると認識するので、通信確認信号としてACKを受け取る。したがって実施形態1と同様の動作を実現できる。
<本発明の変形例について> 本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
以上の実施形態においては、湿度センサ9が物理量測定装置1に対して接続されていなくともバーンイン試験を適切に実施する例を説明したが、マスク回路21が通信確認信号をマスクすることができるのであれば、その他センサについても本発明と同様の効果を発揮することができる。
以上の実施形態において、制御回路6や論理回路7は、これらの機能を実装した回路デバイスなどのハードウェアによって構成することもできるし、これらの機能を実装したソフトウェアをCPU(Central Processing Unit)などの演算装置が実行することによって構成することもできる。また、本実施形態において、通信方式はI2C通信を例に説明したが、CAN(Controller Area Network)通信など、通信確認を実施する通信プロトコルにおいても適用することができる。
1:物理量測定装置2:入出力回路3:プルアップ抵抗4:NMOSトランジスタ5:ADコンバータ6:制御回路7:論理回路8:流量センサ9:湿度センサ10:電源回路11:出力回路12:発振回路13:端子14~20:端子

Claims (13)

  1. センサとのシリアル通信用の入出力端子部と、前記入出力端子から入力される信号を診断する診断部と、を有する半導体素子を備える物理量測定装置において、
    前記半導体素子は、前記入出力端子と前記診断部の間に設けられ、前記診断部が動作しないレベルに信号をマスク可能なマスク回路を有し、
    前記半導体素子は第1端子を有し、
    前記マスク回路は、前記第1端子が第1電圧レベルの場合には動作し、第2電圧レベルの場合には動作せず、
    前記第1電圧レベルはバーンインの際に設定され、
    前記第2電圧レベルは製品実装の際に設定される、
    物理量測定装置。
  2. センサとのシリアル通信用の入出力端子部と、前記入出力端子から入力される信号を診断する診断部と、を有する半導体素子を備える物理量測定装置において、
    前記半導体素子は、前記入出力端子と前記診断部の間に設けられ、前記診断部が動作しないレベルに信号をマスク可能なマスク回路を有し、
    前記マスク回路は、前記シリアル通信の同期信号と同期することにより、前記入出力端子から入力される通信確認信号を前記診断部が受け取るタイミングで、その通信確認信号を前記診断部が動作しないレベルにマスクする、
    物理量測定装置。
  3. センサとのシリアル通信用の入出力端子部と、前記入出力端子から入力される信号を診断する診断部と、を有する半導体素子を備える物理量測定装置において、
    前記半導体素子は、前記入出力端子と前記診断部の間に設けられ、前記診断部が動作しないレベルに信号をマスク可能なマスク回路を有し、
    前記半導体素子は、前記入出力端子を介して、流量センサまたは湿度センサのうち少なくともいずれかと接続できるように構成されており、
    前記診断部は、前記入出力端子を介して接続された前記流量センサまたは前記湿度センサを診断する、
    物理量測定装置。
  4. センサとのシリアル通信用の入出力端子部と、前記入出力端子から入力される信号を診断する診断部と、を有する半導体素子を備える物理量測定装置において、
    前記半導体素子は、前記入出力端子と前記診断部の間に設けられ、前記診断部が動作しないレベルに信号をマスク可能なマスク回路を有し、
    前記診断部は、前記入出力端子から入力される信号に誤り訂正符号が付与されている場合は、その誤り訂正符号が正常であるか否かを診断することにより、前記入出力端子から入力される信号が正常であるか否かを診断するように構成されており、
    前記マスク回路は、前記入出力端子から入力される信号がエラーではない場合に対応する誤り訂正符号を生成して前記診断部へ出力することにより、前記入出力端子から入力される信号を前記診断部が正常と診断するように動作する、
    物理量測定装置。
  5. センサとのシリアル通信用の入出力端子部と、前記入出力端子から入力される信号を診断する診断部と、を有する半導体素子を備える物理量測定装置において、
    前記半導体素子は、前記入出力端子と前記診断部の間に設けられ、前記診断部が動作しないレベルに信号をマスク可能なマスク回路を有し、
    前記診断部は、前記入出力端子から入力される信号に誤り訂正符号が付与されている場合は、その誤り訂正符号が正常であるか否かを診断することにより、前記入出力端子から入力される信号が正常であるか否かを診断するように構成されており、
    前記マスク回路は、前記診断部がエラーとして取り扱わない信号を生成して前記診断部へ出力するとともに、その信号の誤り訂正符号を生成して前記診断部へ出力することにより、前記入出力端子から入力される信号を前記診断部が正常と診断するように動作する、
    物理量測定装置。
  6. センサとのシリアル通信用の入出力端子部と、前記入出力端子から入力される信号を診断する診断部と、を有する半導体素子を備える物理量測定装置において、
    前記半導体素子は、前記入出力端子と前記診断部の間に設けられ、前記診断部が動作しないレベルに信号をマスク可能なマスク回路を有し、
    前記物理量測定装置はさらに、
    前記物理量測定装置に対して電圧を入力する電源端子、
    前記電源端子に対して入力された入力電圧を変圧することにより前記物理量測定装置が用いる内部電圧に変換する電源回路、
    を備え、
    前記電源回路は、前記入力電圧が第1範囲に含まれる場合は前記入力電圧を前記内部電圧に変換し、
    前記電源回路は、前記入力電圧が前記第1範囲を超える場合は前記入力電圧を前記内部電圧よりも大きい超過電圧に変換し、
    前記マスク回路は、前記電源回路が前記超過電圧を出力した場合は、前記入出力端子から入力される信号を前記診断部が動作しないレベルにマスクする、
    物理量測定装置。
  7. センサとのシリアル通信用の入出力端子部と、前記入出力端子から入力される信号を診断する診断部と、を有する半導体素子を備える物理量測定装置において、
    前記半導体素子は、前記入出力端子と前記診断部の間に設けられ、前記診断部が動作しないレベルに信号をマスク可能なマスク回路を有し、
    前記物理量測定装置はさらに、
    前記物理量測定装置に対して電圧を入力する電源端子、
    前記電源端子に対して入力された入力電圧を変圧することにより前記物理量測定装置が用いる内部電圧に変換する電源回路、
    前記物理量測定装置の動作モードを指示するモード指示信号を入力するモード指定端子、
    を備え、
    前記電源回路は、前記モード指示信号が第1モードを指示している場合は、前記入力電圧を前記内部電圧よりも大きくかつ前記モード指示信号の信号レベルに対応する超過電圧に変換し、
    前記電源回路は、前記モード指示信号が第2モードを指示している場合は、前記入力電圧を前記内部電圧に変換し、
    前記マスク回路は、前記電源回路が前記超過電圧を出力した場合は、前記入出力端子から入力される信号を前記診断部が動作しないレベルにマスクする、
    物理量測定装置。
  8. センサとのシリアル通信用の入出力端子部と、前記入出力端子から入力される信号を診断する診断部と、を有する半導体素子を備える物理量測定装置において、
    前記半導体素子は、前記入出力端子と前記診断部の間に設けられ、前記診断部が動作しないレベルに信号をマスク可能なマスク回路を有し、
    前記物理量測定装置はさらに、前記入出力端子との間で信号を入出力する入出力回路を備え、
    前記マスク回路は、前記半導体素子が前記入出力回路に対して出力した信号を前記入出力端子へ伝搬する出力線に対して割り込む位置に配置されていることにより、前記半導体素子が前記入出力端子に対して出力した信号を前記入出力回路よりも前に受け取り、
    前記物理量測定装置はさらに、前記物理量測定装置の動作モードを指示するモード指示信号を入力するモード指定端子を備え、
    前記マスク回路は、前記モード指示信号が第1モードを指示している場合は、前記入出力端子から入力される信号を前記診断部が動作しないレベルにマスクし、
    前記マスク回路は、前記モード指示信号が第2モードを指示している場合は、前記入出力端子から入力される信号レベルと同じ信号レベルを出力する、
    物理量測定装置。
  9. 前記物理量測定装置はさらに、前記入出力端子との間で信号を入出力する入出力回路を備え、
    前記マスク回路は、前記入出力回路が前記入出力端子から受け取った信号を前記半導体素子へ伝搬する入力線に対して割り込む位置に配置されていることにより、前記入出力回路が前記入出力端子から受け取った信号を前記半導体素子よりも前に受け取る、
    請求項1から7のいずれか1項記載の物理量測定装置。
  10. 前記マスク回路は、前記第1電圧レベルを前記マスク回路に対して入力している間は、前記入出力端子から入力された信号レベルを、前記診断部が動作しないレベルにマスクした信号レベルを出力する、
    請求項記載の物理量測定装置。
  11. 前記マスク回路は、前記第2電圧レベルを前記マスク回路に対して入力している間は、前記入出力端子から入力された信号レベルと同じ信号レベルを出力する、
    請求項10記載の物理量測定装置。
  12. 前記マスク回路は、前記第1端子に対して前記第1電圧レベルを有する信号が入力されている間は、前記シリアル通信の同期信号がいずれの値であるかによらず、前記入出力端子から入力される通信確認信号を前記診断部が動作しないレベルにマスクする、
    請求項記載の物理量測定装置。
  13. 前記入出力回路は、前記入出力回路が出力する信号レベルを固定することができるように構成されており、
    前記マスク回路は、前記入出力回路が出力する信号レベルを固定させる指示信号を前記入出力回路に対して出力することにより、前記診断部が前記入出力回路から受け取る信号を、前記診断部が動作しないレベルにマスクする、
    請求項記載の物理量測定装置。
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