JP7354333B1 - センサ付きフード及び内視鏡 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の課題は、フードを透して見える術野を狭めることなく、フードに加わる力を検出することができるセンサ付きフードを提供することにある。
本発明の一見地に係るセンサ付きフードは、内視鏡本体の先端部から突出して先端部に取り付けられるセンサ付きフードである。センサ付きフードは、透明な筒状のフード本体と、フード本体の第1固定点に固定され、ブラッグ格子を有するファイバブラッググレーティングセンサを備える。ファイバブラッググレーティングセンサは、フード本体における第1固定点の変動に基づいてブラッグ格子の反射光の波長が変化する。このような構成のセンサ付きフードは、ファイバブラッググレーティングセンサの反射光の波長の変化を検出することで、フード本体における第1固定点の変動を検出できる。フード本体を透して得られる術野が狭くなるのを抑えつつ、第1固定点の変動からフード本体に加わる応力を検出することができる。
上述のセンサ付きフードは、第1固定点が第1点を含み、第2固定点が第2点を含み、ブラッグ格子が第1ブラッグ格子を含み、ファイバブラッググレーティングセンサは、第1点と第2点がフード本体の軸方向において互いに離れた位置に配置され、第1点と第2点の間に第1ブラッグ格子が配置され、第1点と第2点の間隔の変化に応じて第1ブラッグ格子の反射光の波長が変化する、ように構成されてもよい。このように構成されたセンサ付きフードは、ファイバブラッググレーティングセンサにより、フード本体の軸方向の第1点と第2点の間に加わる応力、例えばフード本体を軸方向の圧縮応力及び引張応力を測ることができる。
上述のセンサ付きフードは、第1固定点が第3点を含み、第2固定点が第4点を含み、ブラッグ格子が第2ブラッグ格子を含み、ファイバブラッググレーティングセンサは、第1点と第2点を結ぶ第1直線とは異なる第2直線上であって軸方向に互いに離れて第3点と第4点が配置され、第3点と第4点の間に第2ブラッグ格子が配置され、第3点と第4点の間隔の変化に応じて第2ブラッグ格子の反射光の波長が変化する、ように構成されてもよい。このように構成されたセンサ付きフードは、フード本体の軸方向の第1点と第2点の間に加わる応力と第3点と第4点の間に加わる応力、異なる箇所のひずみを測定でき換言すると例えばフード本体に加わる曲げ応力を測定できる。
上述のセンサ付きフードは、第1固定点が第7点を含み、第2固定点が第8点を含み、ブラッグ格子が第4ブラッグ格子を含み、ファイバブラッググレーティングセンサは、第7点と第8点がフード本体の周方向において互いに離れた位置に配置され、第7点と第8点の間に第4ブラッグ格子が配置され、第7点と第8点の間隔の変化に応じて第4ブラッグ格子の反射光の波長が変化し、第3ブラッグ格子と第4ブラッグ格子が互いに巻方向の異なる第1光ファイバと第2光ファイバに配置されている、ように構成されてもよい。このように構成されたセンサ付きフードは、第1光ファイバにおいてフード本体の第5点と第6点の間に加わる周方向の応力だけでなく、第1光ファイバと巻方向が異なる第2光ファイバにおいてフード本体の第7点と第8点の間に加わる周方向の応力を測定でき、例えば、フード本体をねじる力を測ることができる。
上述のセンサ付きフードは、ファイバブラッググレーティングセンサは、フード本体に形成されている穴または溝に嵌め込まれ、フード本体からファイバブラッググレーティングセンサに掛かる圧力または接着剤によって第1固定点に固定されている、ように構成されてもよい。ファイバブラッググレーティングセンサに掛かる圧力を取り除くことで、ファイバブラッググレーティングセンサを非固定とすることができ、フード本体とファイバブラッググレーティングセンサの分離が容易になる。
上述のセンサ付きフードは、フード本体は、外筒と外筒の内側に接して配置された内周部とを含み、ファイバブラッググレーティングセンサは、外筒と内周部の間に配置されている、ように構成されてもよい。このように構成されたセンサ付きフードでは、外筒と内周部を使ってファイバブラッググレーティングセンサをフード本体に取り付けやすくなる。
図1には、内視鏡本体1Aの外観の一例が示されている。内視鏡本体1Aは、機器本体(図示せず)と接続するための接続部2及びユニバーサルコード3を備えている。本体には、内視鏡本体1Aで撮影した画像を写すモニター(図示せず)、ユニバーサルコード3を通して例えば水及び空気を送る機能が備わっている。ユニバーサルコード3には、水及び空気を送る管路(図示せず)並びに撮影した画像データを送信する信号ケーブル(図示せず)が設けられている。
内視鏡本体1Aは、操作のための操作部4と、体内に挿入される挿入部5を備えている。挿入部5の先には、湾曲部6と先端部7が在り、操作部4と湾曲部6の間が柔軟部8で接続されている。操作部4には、吸引ボタン、送気・送水ボタン、シャッターボタンなどのボタン4aが設けられている。ボタン4aを操作することで、内視鏡本体1Aは、挿入部5を通して、空気を送り込んだり、水を送り込んだり、吸引したり等といった動作を行う。また、シャッターボタンなどの撮像に関するボタン4aを操作することで、シャッター及び照明などの操作をすることができる。
操作部4の近傍には、鉗子チャンネル9がある。鉗子チャンネル9は、処置具の出し入れに用いられる。鉗子チャンネル9から入れた例えば鉗子は、先端部7にまで送ることができる。処置具は、挿入部5の内部を通って体内に運ばれるだけでなく、例えば挿入部5の表面に設けられるガイドチューブ(図示せず)を使って体内に運ばれる。このように、挿入部5の外側を通って運ばれる処置具は、後述するフード本体21(図3及び図4参照)の外側を通る。フード本体21が透明であるため、フード本体21の外側を通る処置具もフード本体21を通して観ることができる。
図2に示されているように、内視鏡本体1Aの先端部7には、例えば、対物レンズ11、ライトガイドレンズ12、送気・送水ノズル13、鉗子出入口14が設けられている。対物レンズ11の内側には、CCDイメージセンサ(図示せず)が配置されている。CCDイメージセンサで撮影された画像は、接続部2が接続されている機器本体に設けられたモニターに映し出される。
(2―1)フードの形態
図3に示されているように、フード本体21は、内視鏡本体1Aの先端部7に取り付けられている。フード本体21は、透明な筒状体である。透明なフード本体21を得るために、フード本体21の材料には、透明な高分子材料が用いられる。透明な高分子材料としては、例えば透明な樹脂または透明なエラストマーがある。フード本体21に用いられる透明な樹脂または透明なエラストマーとしては、例えば、ポリカーボネート、シリコーンがある。フード本体21の形状としては、筒形であり、筒形の軸に垂直な断面の形状として例えば円形、楕円形、四角形がある。また、筒形のフード本体21において、軸に垂直な断面形状の大きさは、軸に沿って移動することで変わってもよい。言い換えると、筒状のフード本体21の表面が錐台状になっていてもよい。また、筒形のフード本体21において、軸に垂直な断面形状は、軸に沿って移動することで変わってもよい。例えば、フード本体21の前部の断面形状が楕円形で、後部の断面形状が円形になっていてもよい。また、フード本体21の前部が斜めにカットされていてもよい。
図3及び図4に示されているように、フード本体21は、先端部7から突出した突出部22と先端部7に取り付けられる装着部23を有している。フード本体21は、突出部22と装着部23が異なる材質で形成されてもよい。例えば、突出部22がポリカーボネートで形成され、装着部23がシリコーンで形成されてもよい。
フード本体21の突出部22は、例えば外径が3mm~15mmであり、長さが2mm~15mmである。突出部22の厚さは、0.5mm~2mm程度である。
図5A、図5B、図5C、図6A及び図6Bには、には、フード本体21に加わる応力の例が示されている。図5Aには、矢印AR1の向きの力(圧縮応力)が加わった場合のフード本体21の状態が示されている。図5Bには、矢印AR2の向きの力(引張応力)が加わった場合のフード本体21の状態が示されている。図5Cには、フード本体21が人体の一部分100に突き当たったときのフード本体21に加わる力が示されている。フード本体21が人体の一部分100に突き当たったときに加わる力は圧縮応力である。例えば、内視鏡本体1Aを大腸に挿入して、ひだをかき分けたりする場合に、フード本体21の先端に圧縮応力が加わる。矢印AR1と矢印AR2の方向は、フード本体21の軸AXに沿う方向である。言い換えると、矢印AR1の方向の圧縮応力は、軸方向の圧縮応力であり、矢印AR2の方向の引張応力は、軸方向の引張応力である。
図6Aには、フード本体21を曲げる矢印AR3の向きの力(曲げ応力)が加わった場合のフード本体21の状態が示されている。矢印AR3の方向は、フード本体21の軸AXに垂直な方向である。図6Bには、フード本体21が人体の一部分100を持ち上げているときのフード本体21に加わる力が示されている。例えば、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の施術時に、フード本体21を人体の一部分100である粘膜下層の下に潜り込ませることがある。このとき、粘膜下層からフード本体21を曲げる力が加わる。ここでは、フード本体21に加わる応力の典型的な例を示しているが、実際の手術では、フード本体21に複合的に力が加わる。例えば、ESDにおいて、人体の一部分100にフード本体21を差し込むときには、曲げ応力だけでなく、圧縮応力も加わると考えられる。
以下の説明では、ファイバブラッググレーティングセンサをFBGセンサという。図7には、4本のFBGセンサ51,52,53,54が配置されているセンサ付きフード20が示されている。FBGセンサ51,52,53,54とフード本体21とにより、センサ付きフード20が構成されている。FBGセンサ51~54は、透明であり、耐水性を有している。FBGセンサ51~54は、例えば石英ガラスを用いて、例えば外径0.2mm程度の光ファイバ51f,52f,53f,54fで構成されている。FBGセンサ51~54が非常に細く、且つ透明であるので、フード本体21を透して人体の一部分100を観察する場合のFBGセンサ51~54の影響は極めて小さい。
光ファイバ51f~54fのクラッドは、例えば0.1mm程度である。光ファイバ51f~54fの全長は、例えば2m程度である。FBGセンサ51~54の光ファイバ51f~54fの一部が、フード本体21の中に差し込まれている。光ファイバ51f~54fは、フード本体21の中において、軸AXと平行に延びている。FBGセンサ51,52,53,54のブラッグ格子51b,52b,53b、54bは、フード本体21の中に配置されている。光ファイバ51f~54fにおいて、例えばブラッグ格子51b~54bの長さは2mm程度である。
FBGセンサ51は、フード本体21における第1固定点51pの変動に基づいてブラッグ格子51bでの反射光の波長が変化する。同様に、FBGセンサ52,53,54は、フード本体21における第1固定点52p,53p,54pの変動に基づいてブラッグ格子52b,53b,54bでの反射光の波長が変化する。この波長の変化に基づいて、フード本体21に加わる力を測定することができる。
図5Bに示されているような軸方向の引張応力がフード本体21に加わると、軸方向において互いに離れた位置に配置された第1固定点51p,52p,53p,54pと第2固定点51q,52q,53q,54qの間隔が長くなる。第1固定点51p,52p,53p,54pと第2固定点51q,52q,53q,54qの間隔が長くなると、ブラッグ格子51b,52b,53b、54bの間隔も長くなり、ブラッグ格子51b,52b,53b,54bでの反射光の波長が変化する。
上述の場合、第1固定点51p,52p,53p,54pを第1点とみなし、第2固定点51q,52q,53q,54qを第2点とみなし、FBGセンサ51,52,53,54を、第1点と第2点がフード本体21の軸方向において互いに離れた位置に配置されたものとみなすことができる。また、ブラッグ格子51b,52b,53b,54bを、第1点と第2点の間に配置された第1ブラッグ格子とみなすことができる。
上述の場合、例えば、第1固定点51pを第1点とみなし、第2固定点51qを第2点とみなし、第1固定点52pを第3点とみなし、第2固定点52qを第4点とみなし、FBGセンサ51,52を、第1点と第2点を結ぶ第1直線とは異なる第2直線上であって軸方向に互いに離れて第3点と第4点が配置されたものとみなすことができる。この場合、第1直線は、フード本体21の中の光ファイバ51fと重なる直線であり、第2直線は、フード本体21の中の光ファイバ52fと重なる直線とみなされる。このようにみなした場合、ブラッグ格子51bを、第1点と第2点の間に配置された第1ブラッグ格子とみなすことができ、ブラッグ格子52bを、第3点と第4点の間に配置された第2ブラッグ格子とみなすことができる。
図8には、FBGセンサ51を用いた測定システムの概要が示されている。図7で説明したFBGセンサ52~54については、図示及び説明を省略する。FBGセンサ51の前側が、図7を用いて説明したようにフード本体21の中に挿入されている。FBGセンサ51後側は、インテロゲータ90に接続されている。フード本体21の外側には、温度補償のためのブラッグ格子51tが設けられている。ブラッグ格子51b,51tは、互いに異なる回折格子周期を持っている。そのため、ブラッグ格子51b,51tの反射光の波長が異なり、インテロゲータ90では、ブラッグ格子51b,51tの反射光を区別して測定することができる。ブラッグ格子51tは、温度変化に応じて反射光の波長が変化する。ブラッグ格子51tの反射光の波長の変化から温度の変化を検出し、ブラッグ格子51bの温度による波長の変化を補正する。
図8に示されている内視鏡1は、内視鏡本体1Aと、内視鏡本体1Aの先端部7に取り付けられる透明な筒状のフード本体21と、フード本体21の第1固定点51pに固定され、ブラッグ格子51bを有するFBGセンサ51と、FBGセンサ51のブラッグ格子51bでの反射光によってフード本体21における第1固定点51pの変動に係わる応力を測るインテロゲータ90とを備えている。
ここでは、FBGセンサ51による応力の測定方法について説明したが、FBGセンサ525~54を用いる場合も、FBGセンサ51と同様の測定方法を適用することができる。
ここでは、FBGセンサ51がインテロゲータ90からフード本体21まで、一本でつながっている。しかし、フード本体21の取りつけ部に、光コネクタなど光学的に光ファイバ51fを接続する部品を用いてイントロゲータ90とフード本体21とを分離できるように構成してもよい。
FBGセンサ51の固定方法の一例を、図9A及び図9Bを用いて説明する。図9A及び図9Bに示されているフード本体21は、円筒形の透明な外筒21aと、円筒形の透明な内筒21bとを備えている。内筒21bの外周部に、FBGセンサ51を嵌め込むための溝21fが形成されている。外筒21aと内筒21bは、例えばポリカーボネートで構成されている。内筒21bの溝21fにFBGセンサ51をセットしたものを、外筒21aに挿入する。内筒21bが挿入された外筒21aの外側から、治具201によって外筒21aを変形させてFBGセンサ51を固定する。例えば、治具201により、第1固定点51p及び第2固定点51qに対応するスポットに温度と圧力をかけて、外筒21aを内筒21bに向かって変形させる。外筒21aの変形により、光ファイバ51fが第1固定点51p及び第2固定点51qで、軸方向に移動しないように固定される。なお、ここでは、外筒21aに内筒21bを挿入してから外筒21aを変形させた。しかし、内筒21bの挿入前に、例えば第1固定点51p及び第2固定点51qに対応する外筒21aの内周面に突起を設けておいて、その突起によってFBGセンサ51を固定してもよい光ファイバ51fを固定するための内筒21bまたは外筒21aの変形を、内筒21bに外筒21aを挿入する前に施しておいてもよい。
(3―1)変形例A
上記実施形態では、圧縮応力と引張応力と曲げ応力を測ることができるセンサ付きフード20について説明した。しかし、センサ付きフード20で測る対象の応力は、前述の応力には限られない。
(3-1―1)フードに加わる応力
図10A、図10B及び図10Cには、には、フード本体21に加わる応力の例が示されている。図10Aには、矢印AR4の向きの力(圧縮応力)が加わった場合のフード本体21の状態が示されている。矢印AR4の向きの圧縮応力は、径方向の圧縮応力である。図10Bには、矢印AR5の向きの力(引張応力)が加わった場合のフード本体21の状態が示されている。図10Cには、フード本体21が人体の一部分100を吸引しているときのフード本体21に加わる力が示されている。フード本体21が人体の一部分100を吸引しているときに加わる力は径方向の圧縮応力である。例えば、内視鏡的吸引粘膜切除術(EMRCorEAM)の施術時に、フード本体21を人体の一部分100である粘膜をキャップ(フード本体21)の中に吸い込む。このとき、フード本体21には、吸引によって径方向の圧縮応力が加わる。ここでは、フード本体21に加わる応力の典型的な例を示しているが、実際の手術では、フード本体21に複合的に力が加わる。例えば、EMRCにおいて、人体の一部分100を吸引するときに、軸方向の引張応力が加わったりすることが考えられる。
図11Aには、フード本体21をねじる矢印AR6の向きの力(ねじり応力)が加わった場合のフード本体21の状態が示されている。フード本体21をねじる力は、軸AXの周りで反対方向にフード本体21を回す力である。図11Bには、フード本体21に適用する円筒座標系の一例が示されている。
図12には、1本のFBGセンサ55が配置されているセンサ付きフード20が示されている。FBGセンサ55とフード本体21とにより、センサ付きフード20が構成されている。FBGセンサ55は、透明であり、耐水性を有している。FBGセンサ55が非常に細く、且つ透明であるので、フード本体21を透して人体の一部分100を観察する場合のFBGセンサ55の影響は極めて小さい。FBGセンサ55の材料及び各部の寸法については、FBGセンサ51~54と同じものを用いることができる。FBGセンサ55の光ファイバ55fの一部が、フード本体21の中に差し込まれている。光ファイバ55fは、フード本体21の中において、軸AXの周りに螺旋状に延びている。FBGセンサ55の4つのブラッグ格子55b,56b,57b、58bは、フード本体21の中に配置されている。
ブラッグ格子55b,56b,57b、58bの前の第1固定点55p,56p,57p、58pと後ろの第2固定点55q,56q,57q、58qで、光ファイバ55fがフード本体21に固定されている。光ファイバ55fの第1固定点55p,56p,57p、58pと第2固定点55q,56q,57q、58qでの固定が、光ファイバ55fとフード本体21が線状の領域で離れないように結合されているものであってもよい。光ファイバ55fの固定方法は、例えばネジ、嵌め合い、クランプ、テーパ、クサビ、カシメのような物理的な固定方法であってもよく、例えば接着剤のような化学的な固定方法であってもよい。
FBGセンサ55は、フード本体21における第1固定点55p,56p,57p、58pの変動に基づいて、それぞれ、ブラッグ格子55b,56b,57b、58bでの反射光の波長が変化する。これらの波長の変化に基づいて、フード本体21に加わる力を測定することができる。
さらに詳細には、図10Cに示されているような径方向の圧縮応力がフード本体21に加わると、周方向において互いに離れた位置に配置された第1固定点55p,56p,57p,58pと第2固定点55q,56q,57q,58qの間隔が短くなる。第1固定点55p,56p,57p,58pと第2固定点55q,56q,57q,58qの間隔が短くなると、ブラッグ格子55b,56b,57b、58bの間隔も短くなり、それぞれ、ブラッグ格子55b,56b,57b、58bでの反射光の波長が変化する。
図10Bに示されているような径方向の引張応力がフード本体21に加わると、周方向において互いに離れた位置に配置された第1固定点55p,56p,57p,58pと第2固定点55q,56q,57q,58qの間隔が長くなる。第1固定点55p,56p,57p,58pと第2固定点55q,56q,57q,58qの間隔が長くなると、ブラッグ格子55b,56b,57b、58bの間隔も長くなり、ブラッグ格子55b,56b,57b、58bでの反射光の波長が変化する。
上述の場合、第1固定点55p,56p,57p,58pを第5点とみなし、第2固定点55q,56q,57q,58qを第6点とみなし、第5点と第6点がフード本体21の周方向において互いに離れた位置に配置されたものとみなすことができる。ブラッグ格子55b,56b,57b,58bを、第5点と第6点の間に配置された第3ブラッグ格子とみなすことができる。
上記実施形態では、図7に示されているように、フード本体21の中で光ファイバ51f、52f,53f,54fを、フード本体21の軸AXに平行に配置する場合について説明した。また、変形例Aでは、図12に示されているように、フード本体21の中で、光ファイバ55fを螺旋状に配置する場合について説明した。しかし、センサの配置形態は、実施形態及び変形例Aのセンサの配置形態には限られない。
図13A、図13B、図14A、図14B、図15A及び図15Bには、他のセンサの配置形態が示されている。図13A、図13B、図14A、図14B、図15A及び図15Bにおいては、第1固定点及び第2固定点の記載は省かれている。例えば、図13A及び図13Bに示されているFBGセンサ51、52,53,54,55は、図7及び図12に示されている第1固定点51p,52p,53p,54p,55p及び第2固定点51q,52q,53q,54q,55qと同様の固定点で固定されている。
図13A及び図13Bには、1つのフード本体21の中で、上記実施形態と変形例Aで示したFBGセンサ51、52,53,54,55を組み合わせたセンサ付きフード20が示されている。図13Aには、軸方向に沿って先端側から見たセンサ付きフード20が示され、図13Bには、斜めから見たセンサ付きフード20が示されている。図13A及び図13Bに示されているセンサ付きフード20は、上記実施形態及び変形例Aで説明した応力を測ることができる。
上記実施形態では、図9A及び図9Bを用いて、フード本体21の中において、軸AXと平行に真っ直ぐに光ファイバ51fを設置する場合について説明した。しかし、図16A、図16B及び図16Cに示されているように、溝21fをU字形に形成してもよい。
また、固定方法は、外筒21aが弾性変形する力を用いてもよい。この場合、外筒21aにスリット21cを形成しておく。このスリット21cで切られた外筒21aを押し広げて外筒21aを内筒21bに被せる。押し広げられた外筒21aが元の径に戻ろうとする力で光ファイバ50fを固定する。その場合、外筒21aの内周面に突起21dを設けておいてもよい。突起21dを設けた箇所が、第1固定点50pまたは第2固定点50qになる。
スリット21cを設ける代わりに、スリット21cを設けていない外筒21aを熱膨張によって膨らませ、または内筒21bを冷やして収縮させて、外筒21aの中に内筒21bを嵌めてもよい。
あるいは、外筒21aに熱収縮チューブを用いてもよい。外筒21aに熱収縮チューブを用いる場合には、外筒21aに突起をつける代わりに、内筒21bの溝21fにおいて、第1固定点50pまたは第2固定点50qに対応する箇所を浅くしておいて光ファイバ50fが内筒21bの表面よりも突出するように構成してもよい。
上記実施形態では、例えばFBGセンサ51について、フード本体21の中に2つの固定点、例えば第1固定点51pと第2固定点51qが在る場合について説明した。しかし、一方の固定点をフード本体21の外に設けてもよい。例えば、図17A及び図17Bは、第1固定点50pの他方をフード本体21以外の場所に固定されている。ただし、他方が固定されている場所は、フード本体21に対して位置が固定されている場所である。図17Aには、穴21mに挿入されたFBGセンサ50の第1固定点50pと対になる固定点50rがテーパネジ210に固定されている。ブラッグ格子50bは、第1固定点50pと固定点50rの間に配置される。テーパネジ210は、フード本体21の端部21eに固定されている。FBGセンサ50は、固定点50rをテーパネジ210に焼き嵌めされている。テーパネジ210のフード本体21の端部21eへの固定は、例えば接着剤で行われる。FBGセンサ50とフード本体21とテーパネジ210によってセンサ付きフード20が構成されている。
図17Bには、他の方法で、フード本体21の端部21eにFBGセンサ50を固定する方法が示されている。フード本体21の穴21mに挿入した光ファイバ50fを樹脂パイプ221に通している。樹脂パイプ221の内径は光ファイバ50fの外径に等しい。樹脂パイプ221はテーパリング222の中に通している。テーパリング222をナット223で締め付けることでテーパリング222の内径が小さくなる。ナット223は、スルータイプの樹脂継手である。テーパリング222の内周面には、突起223aが形成されている。この突起223aから樹脂パイプ221を介して光ファイバ50fに圧力が掛かって光ファイバ50fがテーパリング222に固定される。このテーパリング222は、フード本体21の端部21eに固定されている。テーパリング222のフード本体21の端部21eへの固定は、例えば接着剤で行われる。FBGセンサ50とフード本体21と樹脂パイプ221とテーパリング222とナット223によってセンサ付きフード20が構成されている。
図18A及び図18Bには、FBGセンサ50の他の固定方法が示されている。フード本体21の表面には溝21fが形成されている。溝21fの形状に合わせて溝21fよりも少し大きな部分を有するゴム230を準備する。ゴム230にはスリット231が入っている。スリット231は、溝21fにゴム230が嵌め込まれたときに溝21fに沿って配置されるように切られている。溝21fにゴム230が嵌め込まれたときに、ゴム230がフード本体21によって圧縮されて光ファイバ51fがフード本体21に固定される。この場合、第1固定点及び第2固定点に相当する部分のゴム230が圧縮されるように、ゴム230の形状が設定される。例えば、溝21fが全体に渡って同じ幅で形成される。ゴム230も第1固定点及び第2固定点に相当する部分を除いて溝21fの幅と同じ幅で形成され、第1固定点及び第2固定点に相当する部分の幅が溝21fの幅よりも太くなるように形成される。
あるいは、ゴム230の代わりに、溝21fの中において第1固定点及び第2固定点に対応する箇所で光ファイバ50fを接着剤で固定してもよい。または、ゴム230と接着剤とを併用して光ファイバ50fを溝21fの中に設置してもよい。
図19A及び図19Bには、FBGセンサ50の他の固定方法が示されている。フード本体21は、外筒21aと内筒21bを含んでいる。外筒21aの表面には、FBGセンサ50の光ファイバ50fを嵌め込む溝21gが形成されている。フード本体21は、フード本体21の軸方向に延びるスリット21cによってC字形になるように一部が分離されている。溝21gに光ファイバ50fを嵌め込んだ後に、外筒21aの内径よりも大きな外形を有する内筒21bを外筒21aに挿入する。このとき、外筒21aが内筒21bによって押し広げられる。押し広げられて外筒21aの溝21gは縮もうとする。この溝21gが縮む力によって光ファイバ50fがフード本体21に固定される。例えば、溝21gは、第1固定点及び第2固定点に対応する箇所が狭くなっている。このような溝21gの構造によって、第1固定点及び第2固定点で光ファイバ50fが固定される。
図19A及び図19Bでは、内筒21bによって外筒21aを変形させてFBGセンサ50を固定したが、内筒21b以外の部材で、フード本体21を変形させてFBGセンサ50を固定してもよい。図20A、図20B及び図20Cには、FBGセンサ50の他の固定方法が示されている。フード本体21には、光ファイバ50fを通す貫通穴21jと平行して貫通穴21kが形成されている。貫通穴21jに光ファイバ50fを通した状態で、貫通穴21kに貫通穴21kの直径よりも直径の大きな丸棒(図示せず)を挿入する。この丸棒によって貫通穴21kの周囲が貫通穴21jに向かって膨らむ。例えば貫通穴21jの中に第1固定点及び第2固定点に対応する突起21dを設けておけば、突起21dによって光ファイバ50fを貫通穴21jの中の第1固定点及び第2固定点で固定することができる。
図21には、FBGセンサ50の他の固定方法が示されている。FBGセンサ50の光ファイバ50fには、例えばリング状のストッパ50sが取り付けられている。ストッパ50sが取付けらえている位置は、第1固定点50p及び第2固定点50qに対応する位置である。ストッパ50sは、例えば接着剤または焼き嵌めで光ファイバ50fに固定されている。フード本体21の表面には、光ファイバ50fを嵌め込む溝21fが形成されている。溝21fの中には、ストッパ50sが嵌め込まれる穴21hが形成されている。例えば、光ファイバ50fを溝21fに嵌め込み、ストッパ50sを穴21hに嵌め込んで、光ファイバ50fと一緒に溝21fをシリコーンゴムで埋める。FBGセンサ50は、フード本体21に加わる応力によって変化する2つの穴21hの距離により、応力を測ることができる。
図22A、図22B及び図22Cには、FBGセンサ50の他の固定方法が示されている。図22Aに示されている内筒21bは、テーパ状の外表面21bsを有している。内筒21bの外表面21bsには、溝21fが形成されている。図22Aには、溝21fが螺旋状に形成されているが、溝21fの形状は螺旋状には限られない。図22Bに示されている外筒21aは、テーパ状の内表面21asを有している。溝21fの中で第1固定点及び第2固定点に対応する箇所が、図22Cに示されているように、光ファイバ50fの直径よりも僅かに浅くなっている。そのため、この箇所で、光ファイバ50fが内筒21bの外表面21bsから僅かな高さh1だけ突出する。光ファイバ50fを巻き付けた内筒21bを外筒21aに嵌め込んで、外筒21aの内表面21asに内筒21bの外表面21bsを押し付ける。そうすると、第1固定点及び第2固定点に対応する箇所で、光ファイバ50fが内筒21bと外筒21aに挟まれて固定される。
図23A及び図23Bには、FBGセンサ50の他の固定方法が示されている。図23に示されている板状部材240には複数の切り欠き241が形成されている。この切り欠き241は、フード本体21に成形されたときにはフード本体21の軸AXに沿って延びるように直線状に形成されている。板状部材240の上に光ファイバ50fを固定して光ファイバ50fの上にコーティング層242を形成する。板状部材240は、熱可塑性樹脂で構成されており、熱を掛けることで丸めることができる。あるいは、板状部材240は、熱を掛けることで丸まる部材で構成されている。板状部材240に熱を掛けて筒形に丸めることで、図23Bに示されているようなフード本体21を形成することができる。
図24A、図24B、図24C及び図24Dには、FBGセンサ50の他の固定方法が示されている。この固定方法では、図24Aに示されているように、芯材250にテープ状部材251を巻き付ける。テープ状部材251は、例えば、樹脂テープである。テープ状部材251を芯材250に、図24Aに示されている矢印のように螺旋状に巻き付ける。
図24Bには、芯材250の全体に渡って隙間なくテープ状部材251が巻きつけられた状態が示されている。芯材250の全体に巻き付けられたテープ状部材251によって内筒21bが形成されている。この内筒21bの周りに光ファイバ50fを巻き付けて固定する。例えば、第1固定点及び第2固定点に対応する箇所を接着剤で内筒21bに固定する。
次に、図24Cに示されているように、光ファイバ50fが巻き付けられた内筒21bの上に、さらに螺旋状にテープ状部材251を巻き付けて外筒21aを形成する。
外筒21aが形成できた状態でテープ状部材251をカットして、芯材250を抜き取る。芯材250を抜き取った後に、光ファイバ50fを内部に有するフード本体21の形成が完了する。
図25A、図25B及び図25Cには、FBGセンサ50の他の固定方法が示されている。図25Aにはセンサ付きフード20の断面が、図25Bにはセンサ付きフード20の正面が、そして図25Cには固定箇所が拡大して示されている。図25A乃至図25Cに示されているセンサ付きフード20は、外筒21aと内筒21bを含むフード本体21を備えている。光ファイバ50fは、内筒21bに形成されている溝21fに嵌め込まれている。外筒21aには、平先の止ネジ260をねじ込むための雌ネジが形成されている。止ネジ260と光ファイバ50fとの間には、樹脂製のセットピース261が配置されている。止ネジ260を外筒21aからねじ込むことで、セットピース261を止ネジ260で押圧して、セットピース261で光ファイバ50fを固定することができる。セットピース261で固定されている箇所が第2固定点50qである。光ファイバ50fの先端部50ftを例えば接着剤で溝21fに固定する。この接着剤で固定された部分が第1固定点50pである。
図25Aから図25Cに示されたFBGセンサ50の固定方法は、外筒21aと内筒21bを有するフード本体21へのFBGセンサ50の固定に関するものである。同様の方法で、外筒21aと内筒21bに分かれていないフード本体21についてもFBGセンサ50を固定することができる。図26A、図26B及び図26Cには、外筒21aと内筒21bに分かれていないフード本体21への止ネジ260による光ファイバ50fの固定が示されている。図26Bに示されているように、光ファイバ50fは、フード本体21に形成されている穴21mに配置されている。
図27A、図27B及び図27Cには、FBGセンサ50の他の固定方法が示されている。FBGセンサ50の光ファイバ50fには、例えばリング状のストッパ50sが取り付けられている。ストッパ50sが取付けらえている位置は、第1固定点50p及び第2固定点50qに対応する位置である。ブラッグ格子50bは、第1固定点50pと第2固定点50qの間に配置される。ストッパ50sは、例えば接着剤または焼き嵌めで保護管270に固定されている。保護管270の中に光ファイバ50fが通されている。保護管270は、金属管または樹脂管である。金属管としては、例えばステンレス管がある。光ファイバ50fは、第1固定点50p及び第2固定点50qに対応する位置で、例えばカシメにより固定されている。フード本体21の表面には、光ファイバ50fを嵌め込む溝21fが形成されている。溝21fの中には、ストッパ50sが嵌め込まれる穴21hが形成されている。
例えば、光ファイバ50fが通された保護管270を溝21fに嵌め込み、ストッパ50sを穴21hに嵌め込んで、保護管270と一緒に溝21fをシリコーンゴムで埋める。FBGセンサ50は、フード本体21に加わる応力によって2つの穴21hの距離が変化する。穴21hの距離の変化は、ストッパ50sを介して保護管270の第1固定点50p及び第2固定点50qの間の長さの変化を引き起こす。光ファイバ50fが保護管270に固定されているので、光ファイバ50fが保護管270から応力を伝達され、FBGセンサ50は、応力を測ることができる。
上記変形例Aでは、例えば図12に、1本の光ファイバ55fに複数のブラッグ格子55b,56b,57b,58bが配置される場合について説明した。例えば、ブラッグ格子55b,56bに対して、2つの第1固定点55p,56pと2つの第2固定点55q,56qが設けられる場合について説明した。しかし、互いに隣接する第2固定点55qと第1固定点56pを一つにまとめて、1つの固定点を、ブラッグ格子55b,56bが兼用してもよい。この場合、第1固定点55p、ブラッグ格子55b、1つの固定点(第2固定点55qと第1固定点56pを一つにまとめたもの)、ブラッグ格子56b、第2固定点56qが、その順に並ぶ。
(3―14)変形例N
上記実施形態では、FBGセンサ50~55,61,71,75により応力を図る場合を説明した。センサ付きフード20にブラッグ格子を配置したFBGセンサを用いてフード本体21またはフード本体21の周囲の温度を測るように構成してもよい。フード本体21に配置したFBGセンサを温度の測定に用いる場合には、フード本体21からの応力がFBGセンサに掛からないように、例えばフード本体21よりも柔らかいシリコーンゴムまたは金属管の中に光ファイバを通してFBGセンサをフード本体21に固定してもよい。
図28に、図7に示されているようにFBGセンサ51~54を配置して、そのうちの一つのセンサについてひずみを測定し、1つのFBGセンサを温度補償用に用いた場合の測定結果が示されている。測定を行ったのは、円筒形の単純パイプ形状の圧縮モデルである。円筒形の単純パイプの形状は、内径が9mm、外形が15mmであり、断面積が113.1mm2である。単純パイプの材料はアクリル樹脂であり、そのヤング率は2700MPaである。単純パイプの軸方向に加えた荷重は、0Nから10Nである。
実験に用いられたFBGセンサの型式は、FOS-DTG-sensorである。光ファイバはLBL1550-125であって、ファイバ全長が0.94m、ファイバ外径が190μm(クラッド外径125±1μmにコーティングを施したもの)、材質が石英ガラスである。FBG点数が4点、FBG長が2mm、FBG間隔が80mm、先端が0.2mである。光ファイバ51f~54fは、図25A~図25Cに示されている止ネジ260とセットピース261を用いて、第1固定点51p~54p及び第2固定点51q~54qを固定した。そして、内筒21bにだけ力が掛かるように設定した。理論値が図27において太い直線で示されている。測定値(黒丸で示されているポイント)として、理論値に近い値が得られた。
(5-1)
本発明のセンサ付きフード20は、内視鏡本体1Aの先端部7から突出して先端部7を保護するために先端部7に取り付けられるフードである。センサ付きフード20は、フード本体21とFBGセンサ(ファイバブラッググレーティングセンサ)50~55,61,71,75とを備える。フード本体21は、透明な筒状である。FBGセンサ50~55,61,71,75は、フード本体21の第1固定点50p~58pに固定され、ブラッグ格子50b~58b,61b~68b,71b~78bを有する。
FBGセンサ50~55,61,71,75は、フード本体21における第1固定点50p~58pの変動に基づいてブラッグ格子50b~58b,61b~68b,71b~78bの反射光の波長が変化する。このような構成のセンサ付きフード20は、FBGセンサ50~55,61,71,75の反射光の波長の変化を検出することで、フード本体21における第1固定点50p~58pの変動を検出できる。フード本体を透して得られる術野が狭くなるのを抑えつつ、第1固定点50p~58pの変動からフード本体21に加わる応力を検出することができる。
センサ付きフード20は、FBGセンサ50~55が、フード本体21の中の第2固定点50q~58qで固定される。第1固定点50p~58pと第2固定点50q~58qの間にブラッグ格子50b~58bが配置される。第1固定点50p~58pと第2固定点50q~58qの間隔の変化に応じてブラッグ格子50b~58bの反射光の波長が変化する。その結果、センサ付きフード20は、FBGセンサ50~55により、第1固定点50p~58pと第2固定点50q~58qの間隔を変化させる応力を測ることができる。
(5-3)
図7に示されたセンサ付きフード20では、第1固定点51p~54pを第1点とみなすことができ、第2固定点51q~54qを第2点とみなすことができ、ブラッグ格子51b~54bを第1ブラッグ格子とみなすことができる。FBGセンサ51~54は、第1点と第2点がフード本体21の軸方向において互いに離れた位置に配置され、第1点と第2点の間に第1ブラッグ格子が配置され、第1点と第2点の間隔の変化に応じて第1ブラッグ格子の反射光の波長が変化する。このように構成されたセンサ付きフード20は、FBGセンサ51~54により、フード本体21の軸方向の第1点と第2点の間に加わる応力、例えばフード本体を軸方向の圧縮応力(図5A参照)及び引張応力(図5B参照)を測ることができる。
図7に示されたセンサ付きフード20では、第1固定点51p~54pを第3点とみなし、第2固定点51q~54qを第4点とみなし、ブラッグ格子51b~54bを第2ブラッグ格子とみなすことができる。例えば、第1固定点52pを第3点とみなし、第2固定点52qを第4点とみなし、第1固定点51pを第1点とみなし、第2固定点51qを第2点とみなすとする。そうすると、センサ付きフード20では、第1点(第1固定点51p)と第2点(第2固定点51q)を結ぶ第1直線とは異なる第2直線上であって軸方向に互いに離れて第3点(第1固定点52p)と第4点(第2固定点52q)が配置されることとなる。この場合、第1点と第2点の間に第1ブラッグ格子(ブラッグ格子51b)が配置され、第3点と第4点の間に第2ブラッグ格子(ブラッグ格子52b)が配置される。第1点と第2点の間隔の変化に応じて第1ブラッグ格子の反射光の波長が変化する一方、第3点と第4点の間隔の変化に応じて第2ブラッグ格子の反射光の波長が変化する。センサ付きフード20は、フード本体21の軸方向の第1点(第1固定点51p)と第2点(第2固定点51q)の間に加わる応力と、第3点(第1固定点52p)と第4点第(第2固定点52q)の間に加わる異なる箇所のひずみを測定でき、換言すると例えばフード本体21に加わる曲げ応力を測定できる。
図12に示されたセンサ付きフード20では、第1固定点55p~58pを第5点とみなし、第2固定点55q~58qを第6点とみなし、ブラッグ格子55b~58bを第3ブラッグ格子とみなすことができる。この場合、FBGセンサ55は、第5点(第1固定点55p~58p)と第6点(第2固定点55q~58q)がフード本体21の周方向において互いに離れた位置に配置され、第5点と第6点の間に第3ブラッグ格子(ブラッグ格子55b~58b)が配置される。第3点と第4点の間隔の変化に応じて第2ブラッグ格子の反射光の波長が変化し、センサ付きフード20は、フード本体21の第5点と第6点の間に加わる周方向の応力、例えばフード本体21の径方向の圧縮応力(図10A参照)及び引張応力(図10B参照)を測ることができる。
図15Aに示されたセンサ付きフード20は、例えば、第1固定点72p,73pを第5点とみなし、第2固定点72q,73qを第6点とみなし、ブラッグ格子72b,73bを第3ブラッグ格子とみなすことができ、第1固定点76p,77pを第7点とみなし、第2固定点76q,77qを第8点とみなし、ブラッグ格子76b,77bを第4ブラッグ格子とみなすことができる。
FBGセンサ71は、第5点と第6点(第1固定点72p,73pと第2固定点72q,73q)がフード本体21の周方向において互いに離れた位置に配置され、第5点と第6点の間に第3ブラッグ格子(ブラッグ格子72b,73b)が配置され、第5点と第6点の間隔の変化に応じて第3ブラッグ格子の反射光の波長が変化する。また、FBGセンサ75は、第7点と第8点(第1固定点76p,77pと第2固定点76q,77q)がフード本体の周方向において互いに離れた位置に配置され、第7点と第8点の間に第4ブラッグ格子(ブラッグ格子76b,77b)が配置され、第7点と第8点の間隔の変化に応じて第4ブラッグ格子の反射光の波長が変化する。
第3ブラッグ格子(ブラッグ格子72b,73b)と第4ブラッグ格子(ブラッグ格子76b,77b)が互いに巻方向の異なる第1光ファイバ(光ファイバ71f)と第2光ファイバ(光ファイバ75f)に配置されている。このように構成されたセンサ付きフード20は、第1光ファイバにおいてフード本体21の第5点と第6点の間に加わる周方向の応力だけでなく、第1光ファイバと巻方向が異なる第2光ファイバにおいてフード本体21の第7点と第8点の間に加わる周方向の応力を測定でき、例えば、フード本体21をねじる力を測ることができる。
図14A及び図14Bに示されたセンサ付きフード20のFBGセンサ61は、1本の光ファイバ61fにブラッグ格子61b~68bが複数配置され、ブラッグ格子61b~68bに対応して第1固定点(図示せず)が複数配置されている。このように構成されたセンサ付きフード20では、計測ポイントの数を増やしながら光ファイバ61fの本数を抑えることができる。
(5-8)
センサ付きフード20のFBGセンサ50,51は、フード本体21に形成されている溝21f,21g、穴21mまたは貫通穴21jに嵌め込まれ、フード本体21からFBGセンサに掛かる圧力によって第1固定点51pに固定されている。FBGセンサ50,51に掛かる圧力を取り除くことで、FBGセンサ50,51を非固定とすることができ、フード本体21とFBGセンサ50,51の分離が容易になる。また、内視鏡本体1Aから、フード本体21と共に例えばFBGセンサ50,51を分離することができる。
(5-9)
例えば、図9A及び図9Bに示されたセンサ付きフード20のフード本体21は、外筒21aと外筒21aの内側に接して配置された内周部である内筒21bとを含んでいる。このようなFBGセンサ51は、外筒21aと内周部である内筒21bの間に配置されている。このように構成されたセンサ付きフード20では、外筒21aと内筒21b(内周部)を使ってFBGセンサ51をフード本体21に取り付けやすくなる。なお、内周部は、内筒21bでなくてもよく、例えば内筒21bの代わりに弾性を有する板状部材を丸めて用いてもよい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
1A 内視鏡本体
20 フード付きセンサ
21 フード本体
21a 外筒
21b 内筒(内周部の例)
21f,21g 溝
21m 穴
21j 貫通穴
50~55,61,71,75 FBGセンサ
50f~55,61,71,75 光ファイバ
51b~58b,51t,61b~68b,71b~78b ブラッグ格子
51p~58p,71p~78p 第1固定点
51q~58q,71q~78q 第2固定点
Claims (10)
- 内視鏡本体の先端部から突出して前記先端部に取り付けられるセンサ付きフードであって、
透明な筒状のフード本体と、
前記フード本体の第1固定点に固定され、ブラッグ格子を有するファイバブラッググレーティングセンサと、
を備え、
前記フード本体は、前記先端部から突出した突出部と、前記先端部に取り付けられる装着部とを含み、
前記ブラッグ格子は、前記フード本体の前記突出部に配置され、
前記ファイバブラッググレーティングセンサは、前記フード本体における前記第1固定点の変動に基づいて前記ブラッグ格子の反射光の波長が変化する、センサ付きフード。 - 前記ファイバブラッググレーティングセンサは、前記フード本体の中の第2固定点で固定され、前記第1固定点と前記第2固定点の間に前記ブラッグ格子が配置され、前記第1固定点と前記第2固定点の間隔の変化に応じて前記ブラッグ格子の反射光の波長が変化する、
請求項1に記載のセンサ付きフード。 - 前記第1固定点が第1点を含み、前記第2固定点が第2点を含み、前記ブラッグ格子が第1ブラッグ格子を含み、
前記ファイバブラッググレーティングセンサは、前記第1点と前記第2点が前記フード本体の軸方向において互いに離れた位置に配置され、前記第1点と前記第2点の間に前記第1ブラッグ格子が配置され、前記第1点と前記第2点の間隔の変化に応じて前記第1ブラッグ格子の反射光の波長が変化する、
請求項2に記載のセンサ付きフード。 - 前記第1固定点が第3点を含み、前記第2固定点が第4点を含み、前記ブラッグ格子が第2ブラッグ格子を含み、
前記ファイバブラッググレーティングセンサは、前記第1点と前記第2点を結ぶ第1直線とは異なる第2直線上であって前記軸方向に互いに離れて前記第3点と前記第4点が配置され、前記第3点と前記第4点の間に前記第2ブラッグ格子が配置され、前記第3点と前記第4点の間隔の変化に応じて前記第2ブラッグ格子の反射光の波長が変化する、
請求項3に記載のセンサ付きフード。 - 前記第1固定点が第5点を含み、前記第2固定点が第6点を含み、前記ブラッグ格子が第3ブラッグ格子を含み、
前記ファイバブラッググレーティングセンサは、前記第5点と前記第6点が前記フード本体の周方向において互いに離れた位置に配置され、前記第5点と前記第6点の間に前記第3ブラッグ格子が配置され、前記第5点と前記第6点の間隔の変化に応じて前記第3ブラッグ格子の反射光の波長が変化する、
請求項2から4のいずれか一項に記載のセンサ付きフード。 - 前記第1固定点が第7点を含み、前記第2固定点が第8点を含み、前記ブラッグ格子が第4ブラッグ格子を含み、
前記ファイバブラッググレーティングセンサは、前記第7点と前記第8点が前記フード本体の前記周方向において互いに離れた位置に配置され、前記第7点と前記第8点の間に前記第4ブラッグ格子が配置され、前記第7点と前記第8点の間隔の変化に応じて前記第4ブラッグ格子の反射光の波長が変化し、前記第3ブラッグ格子と前記第4ブラッグ格子が互いに巻方向の異なる第1光ファイバと第2光ファイバに配置されている、
請求項5に記載のセンサ付きフード。 - 前記ファイバブラッググレーティングセンサは、1本の光ファイバに前記ブラッグ格子が複数配置され、前記ブラッグ格子に対応して前記第1固定点が複数配置されている、
請求項1から6のいずれか一項に記載のセンサ付きフード。 - 前記ファイバブラッググレーティングセンサは、前記フード本体に形成されている穴または溝に嵌め込まれ、前記フード本体から前記ファイバブラッググレーティングセンサに掛かる圧力または接着剤によって前記第1固定点に固定されている、
請求項1から7のいずれか一項に記載のセンサ付きフード。 - 前記フード本体は、外筒と前記外筒の内側に接して配置された内周部とを含み、
前記ファイバブラッググレーティングセンサは、前記外筒と前記内周部の間に配置されている、
請求項1から8のいずれか一項に記載のセンサ付きフード。 - 内視鏡本体と、
前記内視鏡本体の先端部に取り付けられる透明な筒状のフード本体と、
前記フード本体の第1固定点に固定され、ブラッグ格子を有するファイバブラッググレーティングセンサと、
前記ファイバブラッググレーティングセンサの前記ブラッグ格子の反射光によって前記フード本体における前記第1固定点の変動に係わる応力を測るインテロゲータと
を備え、
前記フード本体は、前記先端部から突出した突出部と、前記先端部に取り付けられる装着部とを含み、
前記ブラッグ格子は、前記フード本体の前記突出部に配置される、内視鏡。
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JP2019522228A (ja) | 2016-04-20 | 2019-08-08 | コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. | 光ファイバーセンサを光形状センシングコンソールに光学的に接続する方法及びシステム |
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