以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1を用いて本実施の形態1の射出成形体の組立てで用いられる射出成形装置の構造について説明する。射出成形装置30は、金型内に樹脂を射出して2つの樹脂部材(第1成形部材、第2成形部材)を成形する1次射出と、上記1次射出によって成形された第1成形部材および第2成形部材の金型を同一の射出位置に移動させて型締めし、当該金型内に樹脂を射出して第1成形部材と第2成形部材とを接合(一体化)する2次射出と、を行うことが可能な装置である。
なお、本実施の形態1では、射出成形装置30が有する何れかの金型によってハウジング2またはレンズ3を射出成形することを1次射出(1次成形)と呼ぶ。また、射出成形装置30が有する何れかの金型を用いて該金型内に樹脂を射出し、該樹脂によりハウジング2とレンズ3とを接合(一体化)する射出成形を2次射出(2次成形)と呼ぶ。
本実施の形態1では、射出成形装置30によって組立てられる射出成形体の一例として、図3および図4に示すような、自動車のドアミラー等に取り付けられるランプ1を取り上げて説明する。また、ランプ1の構成部材の一例として、ハウジング(第1成形部材)2とレンズ(第2成形部材)3を取り上げる。つまり、本実施の形態1の射出成形体は、それぞれ射出成形によって成形されたハウジング2とレンズ3とを備えたランプ1である。そして、ランプ1は、中空構造となっており、この中空部(後述する収容部2a)に導光部材(インナレンズ19)等の封入構造体が装着されている。なお、ハウジング2とレンズ3とは、ランプ1の外周部に沿って設けられた接合用樹脂4によって接合されている。
次に、図1および図2に示す射出成形装置30の構成について説明する。射出成形装置30は、射出成形が行われる第1回転位置と、射出成形が行われ、かつ上記第1回転位置と回転中心C(図2参照)に対して所定の角度で位置する第2回転位置と、に往復回転するターンテーブル5を備えている。本実施の形態1では、上記所定の角度が120°の場合について説明する。すなわち、上記第1回転位置と上記第2回転位置とは、ターンテーブル5の回転中心Cの回りの基準位置に対して互いに120°の角度を成す位置となっている。
また、図1に示すように、射出成形装置30は、ターンテーブル5上に、このターンテーブル5の回転方向に沿って所定間隔で配置された第1金型6、第2金型7および第3金型8を備えている。本実施の形態1では、ターンテーブル5の回転中心Cの回りに互いに120°を成す角度で配置された第1金型6、第2金型7および第3金型8を備えている場合を説明する。つまり、第1金型6、第2金型7および第3金型8は、ターンテーブル5上にターンテーブル5の回転方向に沿って120°間隔で配置されており、第1金型6、第2金型7および第3金型8は、それぞれ下型である。なお、図2に示すように、ターンテーブル5上の120°毎に区画された領域である成形位置(射出位置)をそれぞれX成形位置、Y成形位置、Z成形位置とすると、例えば、X成形位置に第1金型6が配置され、Y成形位置に第2金型7が配置され、Z成形位置に第3金型8が配置されている。
そして、図1に示すように、射出成形装置30は、第1金型6、第2金型7および第3金型8に対して型開きおよび型締めをする第4金型9、第5金型10および第6金型11を備えている。第4金型9、第5金型10および第6金型11は、それぞれ上型である。さらに、射出成形装置30は、型締めされた金型内に樹脂を射出する第1射出装置12、第2射出装置13および第3射出装置14を備えている。第1射出装置12は、射出筒12aを有し、かつ、第4金型9の上部に配置され、第2射出装置13は、射出筒13aを有し、かつ、第5金型10の上部に配置され、第3射出装置14は、射出筒14aを有し、かつ、第6金型11の上部に配置されている。
すなわち、射出成形装置30においては、第4金型9に第1射出装置12が取り付けられ、第5金型10に第2射出装置13が取り付けられ、さらに第6金型11に第3射出装置14が取り付けられている。そして、第1射出装置12は、射出口12bを有する射出筒12aを備えている。また、第2射出装置13は、射出口13bを有する射出筒13aを備えており、さらに、第3射出装置14は、射出口14bを有する射出筒14aを備えている。
そして、射出成形装置30では、ターンテーブル5の往復回転(旋回)動作や金型の型開きおよび型締めの動作、さらに各射出装置からの射出動作等が図示しない制御部によって制御される。具体的には、下型である第1金型6、第2金型7および第3金型8の何れかに対して、上型である第4金型9、第5金型10および第6金型11を接近させたり、離反させたりする動作、使用する各射出装置、使用する樹脂および射出のタイミング等の射出動作が上記制御部によって制御される。そして、第1射出装置12、第2射出装置13および第3射出装置14に対して、必要なタイミングで必要な樹脂をそれぞれの射出筒の射出口から射出するようになっている。
また、ターンテーブル5の位置制御として、上記制御部は、例えば、ターンテーブル5に対して第1の位置制御および第2の位置制御を実行する制御を行う。上記第1の位置制御が実行されると、第1金型6と第4金型9とが対向し、第2金型7と第5金型10とが対向し、かつ、第3金型8と第6金型11とが対向する第1回転位置にターンテーブル5が回転する。一方、上記第2の位置制御が実行されると、第1金型6と第6金型11とが対向し、第2金型7と第4金型9とが対向し、かつ、第3金型8と第5金型10とが対向する第2回転位置にターンテーブル5が回転する。
また、図2に示すように、射出成形装置30では、ターンテーブル5の周囲に、各金型に対して部品の搬入出およびランプ1の取り出しを行うハンドリング用の第1ロボット21および第2ロボット22が設けられている。
次に、図2に示す本実施の形態1の射出成形システム29について説明する。本実施の形態1の射出成形システム29は、上述の射出成形装置30と、部品を自動で組立てる自動組立て装置23とを有している。自動組立て装置23は、射出成形装置30でハウジング2とレンズ3を組付ける際にその内部に装着される封入構造体27(図8参照)を、射出成形装置30の外部で、かつ、自動で組立てる装置である。
自動組立て装置23は、一例として、回転ステージ23aを備えており、回転ステージ23a上には、複数の個別処理部23b,23cが所定の間隔で設けられている。また、回転ステージ23aの周囲には、例えば、ハンドリング用の第1ロボット21、図8に示すターミナル17を供給するターミナル供給機24、さらには電子部品が搭載された基板20を供給する基板供給機26が設けられている。
なお、射出成形装置30と自動組立て装置23との間での部品やユニットのやり取りは、第1ロボット21を用いて自動で行われることが好ましい。
以上の構成により、本実施の形態1の射出成形システム29の射出成形装置30では、ハウジング2やレンズ3の成形、およびハウジング2とレンズ3の接合によるランプ1の成形が行われ、そして、ハウジング2とレンズ3の接合が行われる金型において、ハウジング2とレンズ3の接合と同時に、インナレンズ19の成形が行われる。
一方、自動組立て装置23では、ランプ1の内部に封入される図8に示す封入構造体27の組立てが行われる。なお、射出成形装置30で成形されたインナレンズ19の自動組立て装置23への移し替えや、自動組立て装置23で組立てられた封入構造体27の射出成形装置30への移し替えは、例えば、第1ロボット21等により自動で行われることが好ましい。
次に、本実施の形態1のランプ1の詳細構造について、図3および図4を用いて説明する。
ランプ1は、封入部材を収容する収容部2aが設けられたハウジング(第1成形部材)2と、収容部2aを覆い、かつ、ハウジング2と当接するレンズ(第2成形部材)3と、ハウジング2とレンズ3とに接触してハウジング2とレンズ3とを接合する接合用樹脂4と、を有している。
なお、図4に示すように、ハウジング2は、凹状の収容部2aを有しており、この収容部2aには、インナレンズ19や基板20が装着されている。そして、収容部2aの周囲に形成された壁部の外周部に相当する周縁部2bにおいてレンズ3と当接している。
一方、図3に示すレンズ3は、図4に示すインナレンズ19に対向する位置に透光部3aを有している。そして、透光部3aの周囲に形成された壁部の外周部に相当する周縁部3b(図7参照)においてハウジング2と当接しており、ハウジング2とレンズ3との当接部15に、ハウジング2とレンズ3とを接合する接合用樹脂4が配置されている。当接部15は、ハウジング2とレンズ3の略全周に亘っている。したがって、接合用樹脂4もハウジング2とレンズ3の略全周に亘って配置されており、ハウジング2とレンズ3は、これらの略全周に亘って設けられた接合用樹脂4によって接合されている。
なお、ハウジング2は、光を透過させない不透明な樹脂からなり、一方、レンズ3は、光を透過させる透明な樹脂からなる。
また、図3に示すように、レンズ3の透光部3aの周囲には、風切り音対策部材31,32が貼り付けられている。風切り音対策部材31,32は、自動車の走行中の風切り音を低減する部材である。
ここで、ハウジング2の収容部2aには、図4に示すように、発光素子であるLED(Light Emitting Diode) 18やLED18から発せられる光を図3に示すレンズ3に向けて誘導するインナレンズ(導光部材、導光レンズ)19が収容されている。インナレンズ19は、合成樹脂、例えば、アクリル樹脂を筒形状に形成した細長い部材である。
さらに、収容部2aには、図4に示すように、LED18が実装された基板20が収容されている。基板20は、インナレンズ19を支持する支持部16に取り付けられている。また、基板20には、ランプ1の外部電源等と信号の送受信を行う接続用端子であるターミナル(図8参照)17が実装されている。なお、LED18は、インナレンズ19の端部に隣接して設けられている。
ランプ1においては、基板20に実装されたLED18に電圧が印加されると、LED18が点灯する。そして、LED18から発せられた光は、インナレンズ19内に進入し、インナレンズ19内で反射を繰り返す。反射した光は、インナレンズ19から外部に放出され、レンズ3を透過してランプ1の外に放出される。すなわち、LED18から発せられる光は、インナレンズ19によってランプ1の先端側まで導かれ、レンズ3を透過してランプ1の前方側(自動車の前方側)に放出される。
次に、本実施の形態1の射出成形体の製造方法を、図5に示す組立て手順を用いて説明する。本実施の形態1では、図2に示す射出成形システム29を用いて射出成形体を組立てる場合について説明する。
図5に示す組立て手順は、図2に示すターンテーブル5を時計方向に120°回転させた後、射出成形装置30のX成形位置で第1成形部材としてハウジング2を成形し、射出成形装置30のZ成形位置で第2成形部材としてレンズ3を成形し、さらに、射出成形装置30のY成形位置でハウジング2とレンズ3との接合(2次成形)を行う。この時、ハウジング2とレンズ3の接合を行う金型と同一の金型内で、ハウジング2とレンズ3の接合と同時にインナレンズ19を成形する。その後、ターンテーブル5を120°逆回転(反時計方向)させ、逆回転後、X成形位置でハウジング2を成形し、Y成形位置でレンズ3を成形し、さらに、Z成形位置でハウジング2とレンズ3との接合(2次成形)を行う。この時、ハウジング2とレンズ3の接合を行う金型と同一の金型内で、ハウジング2とレンズ3の接合と同時にインナレンズ19を成形する。
図5に示す組立て手順を具体的に説明すると、まず、ターンテーブル5を、例えば時計方向に120°旋回(回転)させる。すなわち、ターンテーブル5の位置制御として、第1の位置制御を行う。これにより、第1金型6と第4金型9とが対向し、第2金型7と第5金型10とが対向し、かつ、第3金型8と第6金型11とが対向する第1回転位置にターンテーブル5が回転する。そして、射出成形装置30のX成形位置で第1金型6と第4金型9の型閉(型締め)を行い、射出成形装置30のY成形位置で第2金型7と第5金型10の型閉(型締め)を行い、射出成形装置30のZ成形位置で第3金型8と第6金型11の型閉(型締め)を行う。
各金型の型締め後、X成形位置では、第1射出装置12を用いて、第1金型6および第4金型9の内部に所定の樹脂を射出(1次射出)し、図6に示すようなハウジング2を射出成形する。なお、このX成形位置でハウジング2が成形される際には、前段の工程の2次成形で該2次成形と同時に成形されたインナレンズ19が第1金型6内に残った状態となっている。
また、Z成形位置では、第3射出装置14を用いて、第3金型8および第6金型11の内部に所定の樹脂が射出(1次射出)され、図7に示すようなレンズ3が射出成形される。また、射出成形装置30のY成形位置では、第2射出装置13を用いて、第2金型7および第5金型10の内部に接合用樹脂4が射出され、ハウジング2とレンズ3の接合(2次成形、2次射出、一体化)が行われる。ここでは、インナレンズ19や基板20等を含む封入構造体27(図8参照)が図6に示す収容部2aに装着されたハウジング2を準備し、このハウジング2とレンズ3とからなる組付け構造体28(図9参照)を成形し、この組付け構造体28におけるハウジング2とレンズ3との当接部15に接合用樹脂4を射出してハウジング2とレンズ3とを接合する。なお、このY成形位置で接合されるハウジング2とレンズ3は、前段の工程で射出成形されて予め準備されたものを用いる。
そして、本実施の形態1ではハウジング2とレンズ3の接合(2次成形)を行う際に、第2金型7および第5金型10によりインナレンズ19の成形を行う。すなわち、第2金型7および第5金型10によってハウジング2とレンズ3の接合を行うのと同時に、インナレンズ19を成形する。
ここで、図10を用いて上記同一の金型を用いた2次成形とインナレンズ成形との同時成形について説明する。
図10に示すように、例えば、2次成形を行う第2金型7(第5金型10も含む)のランプ1が成形される位置とは異なる位置で、2次成形と同時にインナレンズ19の成形を行う。これにより、ハウジング2とレンズ3とが接合されるのと同時に、インナレンズ19が成形される。
続いて、X成形位置では、ハウジング2を成形した後、型開きを行う。その際、下型である第1金型6にハウジング2が配置される(ハウジング下型残し)。また、Z成形位置では、レンズ3を成形した後、型開きを行う。その際、上型である第6金型11にレンズ3が配置される(レンズ上型残し)。また、Y成形位置では、2次成形後、型開きを行ってランプアッシー取り出しを実行する。すなわち、組み上げられたランプ1を、例えば、図2に示す第2ロボット22によって取り出す。その際、下型である第2金型7にインナレンズ19が配置される(インナレンズ下型残し)。
また、X成形位置では、型開き後、インナレンズユニット組付け(A)およびインナレンズ取り出し(B)が行われる。本実施の形態1では、2次成形の後、インナレンズ19を第1金型6から取り出し、ランプ1を成形する射出成形装置30の外部で、基板20とインナレンズ19とを接合して封入構造体27を成形する。
まず、図2に示す第1ロボット21によって自動組立て装置23の個別処理部23b(D)からインナレンズユニット(封入構造体27)を取り出し、射出成形装置30の第1金型6内に移動させる(搬入する)。すなわち、第1ロボット21によって自動組立て装置23の個別処理部23b(D)からインナレンズユニット(封入構造体27)を取り出し、射出成形装置30の第1金型6内のハウジング2に装着するインナレンズユニット組付け(A)を行う。インナレンズユニットの組立てについては後で詳しく述べる。
次に、インナレンズ取り出し(B)に基づいて第1金型6からインナレンズ19を取り出す。すなわち、インナレンズ19を射出成形装置30の第1金型6から第1ロボット21によって取り出し、第1ロボット21によってインナレンズ19を自動組立て装置23の個別処理部23b(D)に搬入する。言い換えると、第1ロボット21によって、図10に示す第1金型6からインナレンズ19を2個取り出し、図2に示す自動組立て装置23の個別処理部23b(D)にインナレンズ19をセットする。
その後、図8に示すターミナル17がはんだ付けされた基板20を第1ロボット21によって個別処理部23c(K)から取り出し、個別処理部23b(D)のインナレンズ19上にセットする。さらに、第1ロボット21によってターミナル供給機(C)24からターミナル17を取り出し、個別処理部23c(K)にセットする。
その後、回転ステージ23aを90°回転させて、基板供給機26から基板20を取り出し、個別処理部23c(E)に移動したターミナル17にセットする。一方、個別処理部23b(F)において、インナレンズ19と基板20とをカシメによって固定してインナレンズユニット(封入構造体27)を形成する。
その後、回転ステージ23aを90°回転させて、個別処理部23c(G)でカシメによってターミナル17を基板20に固定する。一方、個別処理部23b(H)では、インナレンズ19の点灯検査を実施する。
その後、回転ステージ23aを90°回転させて、個別処理部23c(I)において、ターミナル17と基板20の電極とを半田付けし、電気的に接続する。
一方、本実施の形態1の個別処理部23b(J)ではインナレンズユニットには何も処理は実施しないが、個別処理部23b(J)の周辺にカメラ(図示しない)を設け、半田付けにより電気的に接続されたターミナル17と基板20の電極との接続状況などの検査を行ってもよい。また、第1ロボット21によりインナレンズ19などの取り出し等を行っているが、別のロボットで取り出しを行ってもよい。
その後、回転ステージ23aを90°回転させて、ターミナル17がはんだ付けされた基板20を個別処理部23c(K)に移動させるとともに、インナレンズユニット(封入構造体27)を個別処理部23b(D)に移動させる。
そして、個別処理部23b(D)において、第1ロボット21によって自動組立て装置23からインナレンズユニット(封入構造体27)を取り出し、射出成形装置30の第1金型6内に移動させる(搬入する)。すなわち、第1ロボット21によって自動組立て装置23からインナレンズユニット(封入構造体27)を取り出し、射出成形装置30の第1金型6内のハウジング2に装着するインナレンズユニット組付け(A)を行う。ここでは、図11のP部に示すように、例えば、第1金型6内に配置された2つのハウジング2のそれぞれに封入構造体27を装着する。なお、封入構造体27を射出成形装置30の何れかの金型に配置されたレンズ3に装着する場合もある。
また、図5に示すターンテーブル5の120°回転(時計方向)後の処理手順において、射出成形装置30の立ち上げ時は、基板の加工から実施する。そして、インナレンズ19を射出成形装置30から取り出し、自動組立て装置23の個別処理部23b(D)に搬入するタイミングと、ターミナル17がはんだ付けされた基板20を個別処理部23c(K)から取り出し、個別処理部23b(D)にセットするタイミングとが、同時になるようにする。
以上の処理を完了後、ターンテーブル5を、例えば反時計方向に120°旋回(回転)させる。すなわち、ターンテーブル5を120°逆回転させる。つまり、ターンテーブル5の位置制御として、第2の位置制御を行う。これにより、上記第2の位置制御が実行されると、第1金型6と第6金型11とが対向し、第2金型7と第4金型9とが対向し、かつ、第3金型8と第5金型10とが対向する第2回転位置にターンテーブル5が回転する。そして、射出成形装置30のX成形位置で第2金型7と第4金型9の型閉(型締め)を行い、射出成形装置30のY成形位置で第3金型8と第5金型10の型閉(型締め)を行い、射出成形装置30のZ成形位置で第1金型6と第6金型11の型閉(型締め)を行う。
各金型の型締め後、X成形位置では、第1射出装置12を用いて、第2金型7および第4金型9の内部に所定の樹脂を射出(1次射出)し、図6に示すようなハウジング2を射出成形する。なお、このX成形位置でハウジング2が成形される際には、図10に示すように前段の工程の2次成形において該2次成形と同時に成形されたインナレンズ19が第2金型7内に残った状態となっている。
また、Y成形位置では、第2射出装置13を用いて、第3金型8および第5金型10の内部に所定の樹脂が射出(1次射出)され、図7に示すようなレンズ3が射出成形される。また、射出成形装置30のZ成形位置では、第3射出装置14を用いて、第1金型6および第6金型11の内部に接合用樹脂4が射出され、ハウジング2とレンズ3の接合(2次成形、2次射出、一体化)が行われる。ここでは、インナレンズ19や基板20等を含む封入構造体27(図8参照)が図6に示す収容部2aに装着されたハウジング2に対して、このハウジング2とレンズ3とからなる組付け構造体28(図9参照)を成形し、この組付け構造体28におけるハウジング2とレンズ3との当接部15に接合用樹脂4を射出してハウジング2とレンズ3とを接合する。
そして、本実施の形態1ではハウジング2とレンズ3の接合(2次成形)を行う際に、第1金型6および第6金型11によりインナレンズ19の成形を行う。すなわち、第1金型6および第6金型11によってハウジング2とレンズ3の接合を行うのと同時に、インナレンズ19を成形する。
ここで、図10を用いて上記同一の金型を用いた2次成形とインナレンズ成形との同時成形について説明する。
図10に示すように、例えば、2次成形を行う第1金型6(第6金型11も含む)のランプ1が成形される位置とは異なる位置で、2次成形と同時にインナレンズ19の成形を行う。これにより、ハウジング2とレンズ3とが接合されるのと同時に、インナレンズ19が成形される。
そして、X成形位置では、ハウジング2を成形した後、型開きを行う。その際、下型である第2金型7にハウジング2が配置される(ハウジング下型残し)。また、Y成形位置では、レンズ3を成形した後、型開きを行う。その際、上型である第5金型10にレンズ3が配置される(レンズ上型残し)。また、Z成形位置では、2次成形後、型開きを行ってランプアッシー取り出しを実行する。すなわち、組み上げられたランプ1を、例えば、図2に示す第2ロボット22によって取り出す。その際、下型である第1金型6にインナレンズ19が配置される(インナレンズ下型残し)。
また、X成形位置では、型開き後、インナレンズユニット組付け(A)およびインナレンズ取り出し(B)が行われる。これらインナレンズユニット組付け(A)およびインナレンズ取り出し(B)については、ターンテーブル5の120°逆転前の回転位置での処理手順で説明したものと同様であるため、その重複説明は省略する。
以上により、図2に示す射出成形システム29を用いた製造方法で本実施の形態1の射出成形体(ランプ1)が組立てられる。
本実施の形態1の射出成形体(ランプ1)の組立てでは、図2に示す射出成形システム29を用いることにより、ハウジング成形、レンズ成形および2次成形に加えて、2次成形を行う金型と同一の金型で、かつ、2次成形と同時にインナレンズ成形を行うことができる。
これにより、インナレンズ成形を別の成形機で実施しなくて済むため、インナレンズ19の移動(工程間搬送)を省略することができ、射出成形において作業の効率化を図ることができる。
なお、射出成形装置30においてハウジング2を成形する際に、インナレンズ19は、ハウジング2を成形する金型内に留まっており、この金型の型開き後、インナレンズユニット組付け時にインナレンズ19を取り出す。すなわち、インナレンズ19は、ハウジング2を成形している間、金型内に留まっているため、インナレンズ19の冷却時間を確保することができる。これにより、インナレンズ19におけるヒケやボイドの発生を防ぐことができる。
また、図2に示す射出成形システム29を用いることにより、ハウジング2やレンズ3の成形と、インナレンズ19の成形と、基板組付けと、封入構造体27の搬入とを自動で行うことができる。さらに、インナレンズ19等を含む封入構造体27を構成する部材の工程間在庫である中間在庫を無くすことができる。
そして、中間在庫を無くすことができるため、人員削減および工程削減を図ることができ、加工費を削減することができる。その結果、ランプ1の製造コストの低減化を図ることができる。
また、中間在庫を無くすことができるため、中間在庫の管理が不要になり、射出成形における作業の効率化を図ることができる。さらに、インナレンズ用の製品置き場も不要になるため、作業スペースの有効活用を図ることができる。
また、搬送時のインナレンズ19に対する傷の形成や異物の付着等への配慮が不要になる。さらに、インナレンズ成形用の成形機が不要になり、かつ、インナレンズ19の搬送用の梱包箱も不要になるため、ランプ1の製造コストの低減化を更に図ることができる。
次に、図12に示す本実施の形態1の変形例のランプの組立てについて説明する。
本変形例は、インナレンズ19の直径が、例えば、10mm以上であり、比較的直径が大きな(肉厚が厚い)インナレンズ19の場合の組立て手順を説明するものである。ここでは、図5に示す組立て手順と相違する部分のみ説明する。図5に示す組立てでは、インナレンズ19の肉厚が厚い場合、2次成形と同時に行うインナレンズ19の成形の時間が長くなってしまい、射出成形の効率向上の効果が少なくなることが考えられる。
そこで、本変形例の組立てでは、レンズ3の成形と同時に、かつ、このレンズ3の成形を行う金型と同一の金型でインナレンズ19の成形を行う(Z成形位置)。そして、この金型の型開き時に、レンズ3とインナレンズ19とを上型に残す(レンズ上型残し、インナレンズ上型残し)。
その後、ターンテーブル5を120°反時計方向に回転させる。そして、同じZ成形位置において、2次成形を行うのと同時にインナレンズ19の冷却を実施する。この時、金型の型開き後、インナレンズ19を下型に残すように、2次成形と同時にインナレンズ19の一部を成形してもよい(一部成形)。
その後、Z成形位置において型開きを行う。その際、ランプ1およびインナレンズ19を下型に残し、その後、ランプ1のみ下型から取り出す(ランプアッシー取り出し、インナレンズ下型残し)。
その後、ターンテーブル5を120°時計方向に回転させる。これにより、下型に残されたインナレンズ19は、X成形位置に移動し、型締め後のハウジング2の成形時に、ハウジング成形の金型と同一の金型内で再び冷却される。
このように肉厚が厚いインナレンズ19の場合であっても、レンズ3の成形と同時に同一の金型でインナレンズ19の成形を行い、かつ、上型にレンズ3とインナレンズ19を残すことで、作業効率を悪くすることなくインナレンズ19の成形を行うことができる。さらに、肉厚が厚いインナレンズ19においても、2次成形時とハウジング成形時とで2回に亘ってインナレンズ19を冷却することができ、肉厚が厚いインナレンズ19であっても冷却時間を確保することができる。
(実施の形態2)
図13に示す本実施の形態2のランプの組立てについて説明する。
本実施の形態2も、上記変形例と同様に、インナレンズ19の直径が、例えば、10mm以上であり、比較的直径が大きな(肉厚が厚い)インナレンズ19の場合の組立て手順を説明するものである。
図13に示す本実施の形態2の組立て手順を説明すると、まず、ターンテーブル5を、例えば時計方向に120°旋回(回転)させる。これにより、第1金型6と第4金型9とを対向させ、第2金型7と第5金型10とを対向させ、かつ、第3金型8と第6金型11とを対向させる。そして、射出成形装置30のX成形位置で第1金型6と第4金型9の型閉(型締め)を行い、射出成形装置30のY成形位置で第2金型7と第5金型10の型閉(型締め)を行い、射出成形装置30のZ成形位置で第3金型8と第6金型11の型閉(型締め)を行う。
各金型の型締め後、X成形位置では、第1射出装置12を用いて、第1金型6および第4金型9の内部に所定の樹脂を射出(1次射出)し、図6に示すようなハウジング2を射出成形する。このX成形位置でハウジング2が成形される際には、前段の工程の2次成形で該2次成形と同時に成形されたインナレンズ19が第1金型6内に残った状態となっている。
したがって、ハウジング2の成形時間を利用してインナレンズ19の冷却を行うことができる。すなわち、インナレンズ19の冷却時間を確保することができる。
また、Z成形位置では、第3射出装置14を用いて、第3金型8および第6金型11の内部に所定の樹脂が射出(1次射出)され、図7に示すようなレンズ3が射出成形される。その際、第3金型8(第6金型11を含む)によりインナレンズ19の上半分であるインナレンズ上層部(一部分)19aを成形する(図14参照)。すなわち、第3金型8および第6金型11によってレンズ3を成形するのと同時に、インナレンズ19の上半分であるインナレンズ上層部19aを成形する。
一方、射出成形装置30のY成形位置では、第2射出装置13を用いて、第2金型7および第5金型10の内部に接合用樹脂4が射出され、ハウジング2とレンズ3の接合(2次成形、2次射出、一体化)が行われる。ここでは、インナレンズ19や基板20等を含む封入構造体27(図8参照)が図6に示す収容部2aに装着されたハウジング2を準備し、このハウジング2とレンズ3とからなる組付け構造体28(図9参照)を成形し、この組付け構造体28におけるハウジング2とレンズ3との当接部15に接合用樹脂4を射出してハウジング2とレンズ3とを接合する。なお、このY成形位置で接合されるハウジング2とレンズ3は、前段の工程で射出成形されて予め準備されたものを用いる。
そして、ハウジング2とレンズ3の接合(図9参照)を行う際に、第2金型7および第5金型10によりインナレンズ19の成形を行う。すなわち、第2金型7および第5金型10によってハウジング2とレンズ3の接合を行うのと同時に、インナレンズ19を成形する。ここでは、前段の工程のレンズ成形で該レンズ成形と同時に成形されたインナレンズ19の上半分であるインナレンズ上層部19aを、上型である第5金型10内に残した状態となっているため、残りの部分であるインナレンズ下層部(他の部分)19b(図8参照)を成形することで、インナレンズ19を完成させる。
なお、同一の金型を用いた2次成形とインナレンズ成形との同時成形の方法については、実施の形態1で説明した方法と同様であるため、その重複説明は省略する。
続いて、X成形位置では、ハウジング2を成形した後、型開きを行う。その際、下型である第1金型6にハウジング2が配置される(ハウジング下型残し)。また、Z成形位置では、レンズ3を成形した後、型開きを行う。その際、上型である第6金型11にレンズ3およびインナレンズ上層部19aが配置される(レンズ上型残し、インナレンズ上型残し)。また、Y成形位置では、2次成形後、型開きを行ってランプアッシー取り出しを実行する。すなわち、組み上げられたランプ1を、例えば、図2に示す第2ロボット22によって取り出す。その際、下型である第2金型7にインナレンズ19が配置される(インナレンズ下型残し)。
また、X成形位置では、型開き後、インナレンズユニット組付け(A)およびインナレンズ取り出し(B)が行われる。これらインナレンズユニット組付け(A)およびインナレンズ取り出し(B)については、実施の形態1で説明したものと同様であるため、その重複説明は省略する。
以上の処理を完了後、ターンテーブル5を、例えば反時計方向に120°旋回(回転)させる。すなわち、ターンテーブル5を120°逆回転させる。つまり、ターンテーブル5の位置制御として、第2の位置制御を行う。これにより、上記第2の位置制御が実行されると、第1金型6と第6金型11とが対向し、第2金型7と第4金型9とが対向し、かつ、第3金型8と第5金型10とが対向する第2回転位置にターンテーブル5が回転する。そして、射出成形装置30のX成形位置で第2金型7と第4金型9の型閉(型締め)を行い、射出成形装置30のY成形位置で第3金型8と第5金型10の型閉(型締め)を行い、射出成形装置30のZ成形位置で第1金型6と第6金型11の型閉(型締め)を行う。
各金型の型締め後、X成形位置では、第1射出装置12を用いて、第2金型7および第4金型9の内部に所定の樹脂を射出(1次射出)し、図6に示すようなハウジング2を射出成形する。なお、このX成形位置でハウジング2が成形される際には、図10に示すように前段の工程の2次成形において該2次成形と同時に成形されたインナレンズ19が第2金型7内に残った状態となっている。
したがって、ハウジング2の成形時間を利用してインナレンズ19の冷却を行うことができる。すなわち、インナレンズ19の冷却時間を確保することができる。
また、Y成形位置では、第2射出装置13を用いて、第3金型8および第5金型10の内部に所定の樹脂が射出(1次射出)され、図7に示すようなレンズ3が射出成形される。その際、第3金型8(第5金型10を含む)によりインナレンズ19の上半分であるインナレンズ上層部(一部分)19aを成形する(図14参照)。すなわち、第3金型8および第5金型10によってレンズ3を成形するのと同時に、インナレンズ19の上半分であるインナレンズ上層部19aを成形する。
一方、射出成形装置30のZ成形位置では、第3射出装置14を用いて、第1金型6および第6金型11の内部に接合用樹脂4が射出され、ハウジング2とレンズ3の接合(2次成形、2次射出、一体化)が行われる。ここでは、インナレンズ19や基板20等を含む封入構造体27(図8参照)が図6に示す収容部2aに装着されたハウジング2を用いて、このハウジング2とレンズ3とからなる組付け構造体28(図9参照)を成形し、この組付け構造体28におけるハウジング2とレンズ3との当接部15に接合用樹脂4を射出してハウジング2とレンズ3とを接合する。
そして、ハウジング2とレンズ3の接合(2次成形)を行う際に、第1金型6および第6金型11によりインナレンズ19の成形を行う。すなわち、第1金型6および第6金型11によってハウジング2とレンズ3の接合を行うのと同時に、インナレンズ19を成形する。ここでは、前段の工程のレンズ成形で該レンズ成形と同時に成形されたインナレンズ19の上半分であるインナレンズ上層部19aを、上型である第6金型11内に残した状態となっているため、残りの部分であるインナレンズ下層部(他の部分)19b(図8参照)を成形することで、インナレンズ19を完成させる。
なお、同一の金型を用いた2次成形とインナレンズ成形との同時成形の方法については、実施の形態1で説明した方法と同様であるため、その重複説明は省略する。
続いて、X成形位置では、ハウジング2を成形した後、型開きを行う。その際、下型である第2金型7にハウジング2が配置される(ハウジング下型残し)。また、Y成形位置では、レンズ3を成形した後、型開きを行う。その際、上型である第5金型10にレンズ3およびインナレンズ上層部19aが配置される(レンズ上型残し、インナレンズ上型残し)。また、Z成形位置では、2次成形後、型開きを行ってランプアッシー取り出しを実行する。すなわち、組み上げられたランプ1を、例えば、図2に示す第2ロボット22によって取り出す。その際、下型である第1金型6にインナレンズ19が配置される(インナレンズ下型残し)。
また、X成形位置では、型開き後、インナレンズユニット組付け(A)およびインナレンズ取り出し(B)が行われる。これらインナレンズユニット組付け(A)およびインナレンズ取り出し(B)については、実施の形態1で説明したものと同様であるため、その重複説明は省略する。
以上により、図2に示す射出成形システム29を用いた製造方法で本実施の形態2の射出成形体(ランプ1)が組立てられる。
本実施の形態2の射出成形体(ランプ1)の組立てにおいても、実施の形態1と同様に、図2に示す射出成形システム29を用いることにより、ハウジング成形、レンズ成形および2次成形に加えて、2次成形を行う金型と同一の金型で、かつ、2次成形と同時にインナレンズ成形を行うことができる。
これにより、インナレンズ成形を別の成形機で実施しなくて済むため、インナレンズ19の移動(工程間搬送)を省略することができ、射出成形において作業の効率化を図ることができる。
そして、肉厚が厚いインナレンズ19であっても、レンズ成形と同時にインナレンズ上層部19aを成形し、さらに2次成形と同時にインナレンズ下層部19bを成形してインナレンズ19を完成させることで、効率化を維持しつつインナレンズ19を成形することができる。さらに、肉厚が厚いインナレンズ19であっても、ハウジング2を成形する際に、インナレンズ19は、ハウジング2を成形する金型内に留まっている。したがって、ハウジング成形時にインナレンズ19を冷却することができ、肉厚が厚いインナレンズ19であってもインナレンズ19の冷却時間を確保することができる。これにより、肉厚が厚いインナレンズ19においても、ヒケやボイドの発生を防ぐことができる。
なお、図2に示す射出成形システム29を用いた本実施の形態2のその他の効果については、実施の形態1で説明したものと同様であるため、その重複説明は省略する。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。上記実施の形態1においては、自動組立て装置23が回転ステージ23aを有し、この回転ステージ23aを所定の角度回転させて回転ステージ23a上の個別処理部23b,23cで所定の処理が行われる場合を説明したが、自動組立て装置23の複数の個別処理部23cは、例えば、直線的に移動するコンベア上に設けられていてもよく、回転ステージ23aに限定されるものではない。
また、上記実施の形態では、ターンテーブル5における第1回転位置と第2回転位置との成す角度、および第1金型6、第2金型7、第3金型8の配置間隔(回転中心Cに対する角度)がそれぞれ120°の場合を説明したが、これらの角度は、120°に限らず120°以外の角度であってもよい。