JP7353078B2 - 包装袋形成用積層体 - Google Patents
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Description
基材層、接着剤層、及びバリア性積層シーラントフィルムをこの順に有する包装袋形成用積層体であって、
上記バリア性積層シーラントフィルムは、上記基材層側から順に、第1のシーラント層、第1の接着性樹脂層、バリア層、第2の接着性樹脂層、及び第2のシーラント層を有し、共押出法によって形成されており、かつ、
上記第1のシーラント層が、密度0.900g/cm3以上0.930g/cm3以下のポリエチレン系樹脂を含む層である、
包装袋形成用積層体。
《態様2》
上記第2のシーラント層が、チーグラー-ナッタ系直鎖状低密度ポリエチレンを含む層である、態様1に記載の包装袋形成用積層体。
《態様3》
上記バリア層が、エチレン-ビニルアルコール共重合体を含む層である、態様1又は2に記載の包装袋形成用積層体。
《態様4》
上記エチレン-ビニルアルコール共重合体におけるエチレン含量が、30モル%以上50モル%以下である、態様3に記載の包装袋形成用積層体。
《態様5》
上記基材層が、ナイロンを含む層である、態様1~4のいずれか一項に記載の包装袋形成用積層体。
《態様6》
上記第1のシーラント層を構成する上記ポリエチレン系樹脂の密度が、0.915g/cm3以上0.920g/cm3以下である、態様1~5のいずれか一項に記載の包装袋形成用積層体。
《態様7》
態様1~6のいずれか一項に記載の包装袋形成用積層体のバリア性積層シーラントフィルムが、互いにヒートシールされることによって構成されている、包装袋。
《態様8》
態様1~6のいずれか一項に記載の包装袋形成用積層体のバリア性積層シーラントフィルムが、包装袋の他の構成要素とヒートシールされることによって構成されている、包装袋。
《態様9》
内容量が、1L以上である、態様7又は8に記載の包装袋。
《態様10》
態様7~9のいずれか一項に記載の包装袋と、上記包装袋中の内容物と、を含む、内容物入り包装袋。
《態様11》
上記内容物が、医薬品、医薬部外品、化粧品、洗剤、食品、及び塗料から選択される、態様10に記載の内容物入り包装袋。
本発明の包装袋形成用積層体は、
基材層、接着剤層、及びバリア性積層シーラントフィルムをこの順に有する包装袋形成用積層体であって、
バリア性積層シーラントフィルムが、基材層側から順に、第1のシーラント層、第1の接着性樹脂層、バリア層、第2の接着性樹脂層、及び第2のシーラント層を有し、共押出法によって形成されており、かつ、
第1のシーラント層が、密度0.900g/cm3以上0.930g/cm3以下のポリエチレン系樹脂を含む層である。
基材層(110)、接着剤層(120)、及びバリア性積層シーラントフィルム(130)をこの順に有する包装袋形成用積層体(100)であって、
バリア性積層シーラントフィルム(130)は、基材層(110)側から順に、第1のシーラント層(131)、第1の接着性樹脂層(132)、バリア層(133)、第2の接着性樹脂層(134)、及び第2のシーラント層(135)を有する。
基材層は、本発明の包装袋形成用積層体に、包装袋としたときの保形性を確保することの他、包装袋外部からの衝撃に対する防御層として機能する。また、基材層は、所望により、印刷可能な材料から成っていてもよく、内容物の明示、内容物の説明、消費意欲向上のための意匠等が印刷されていてもよい。
バリア性積層シーラントフィルムは、基材層側から順に、第1のシーラント層、第1の接着性樹脂層、バリア層、第2の接着性樹脂層、及び第2のシーラント層をこの順に有する。
第1のシーラント層は、密度0.900g/cm3以上0.930g/cm3以下のポリエチレン系樹脂を含む層である。
バリア層は、本発明の包装袋形成用積層体に、例えば、酸素遮断機能を与えて、包装袋に収納された内容物を酸化から保護するとともに、包装袋に収納された内容物が袋の外部に漏れ出ることを抑制する機能を有する。このような機能を効果的に発現するため、バリア層は、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)を含んでいてよい。
第2のシーラント層は、本発明の包装袋形成用積層体を包装袋に成形するためのシール層として機能する。第2のシーラント層は、例えば、ヒートシール機能を有する樹脂を含んでいてよく、ヒートシール機能を有する樹脂から構成されていてよい。
第1の接着性樹脂層及び第2の接着性樹脂層は、バリア性積層シーラントフィルムにおけるバリア層と、第1のシーラント層及び第2のシーラント層との間を接着し、これらの層を積層させる機能を有する。第1の接着性樹脂層は、第1のシーラント層とバリア層との間に配置され、第2の接着性樹脂層は、バリア層と第2のシーラント層との間に配置される。
本発明の包装袋形成用積層体における接着剤層は、基材層と、バリア性積層シーラントフィルムとの間を接着し、これらを積層させる機能を有する。このような接着剤層は、例えば、ドライラミネート接着剤から構成される層、アンカーコート剤から構成される層等であってよい。
本発明の包装袋形成用積層体中の各層は、樹脂材料に通常含有される添加剤を、任意的に含んでいてもよい。添加剤は、例えば、滑材、酸化防止剤、難燃剤、可塑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等から選択されてよい。
本発明の包装袋形成用積層体は、任意の方法によって製造されてよい。
基材層を準備すること(基材層準備工程)、
第1のシーラント層、第1の接着性樹脂層、バリア層、第2の接着性樹脂層、及び第2のシーラント層を有するバリア性積層シーラントフィルムを作製すること(バリア性積層シーラントフィルム作製工程)、並びに
基材層と、バリア性積層シーラントフィルムとを、接着剤層を介して接着して積層させること(積層工程)
を含む方法によって製造されてよい。
基材層を準備すること(基材層準備工程)、
基材層上に、アンカーコート剤から構成される接着剤層を形成すること(接着剤層形成工程)、並びに
接着剤層上に、第1のシーラント層、第1の接着性樹脂層、バリア層、第2の接着性樹脂層、及び第2のシーラント層を有するバリア性積層シーラントフィルムを、第1のシーラント層が接着剤層に接するように、多層押出しすること(バリア性積層シーラントフィルム積層工程)
を含む方法によって製造されてよい。
本発明の別の観点によると、本発明の包装袋形成用積層体から構成されている包装袋が提供される。
(1)本発明の包装袋形成用積層体のバリア性積層シーラントフィルムが、互いにヒートシールされることによって構成されている、包装袋(第1の包装袋)、又は、
(2)本発明の包装袋形成用積層体のバリア性積層シーラントフィルムが、包装袋の他の構成要素とヒートシールされることによって構成されている、包装袋(第2の包装袋)。
本発明の更に別の観点によると、本発明の包装袋と、包装袋中の内容物と、を含む、内容物入り包装袋が提供される。
(1)包装袋形成用積層体の作製
上記の第1のシーラント層、第1の接着性樹脂層、バリア層、第2の接着性樹脂層、及び第2のシーラント層が、この順に積層されたバリア性積層シーラントフィルムを、共押出インフレーション成形によって作製した。
第1の接着性樹脂層:マレイン酸変性PE(Mal-PE)、厚み5μm
バリア層:エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)(エチレン含量38モル%)、厚み10μm
第2の接着性樹脂層:マレイン酸変性PE(Mal-PE)、厚み5μm
第2のシーラント層:チーグラーナッタ系LLDPE(ZN-LLDPE)、厚み80μm
基材層:二軸延伸ナイロンフィルム、厚み25μm
(2-1)落下耐性(落下衝撃に対する耐衝撃剥離性)の評価
得られた包装袋形成用積層体を用い、第2のシーラント層を内側に向けてヒートシールすることにより、容量5Lのピロー袋を作製した。このピロー袋に水5kgを充填して、内容物入り包装袋を得た。
A:異常が見られなかった場合
B:破袋はしなかったが、ヒートシール部に基材層の浮きが観察された場合
C:破袋した場合
袋形成用積層体を用い、「(2-1)包装袋の落下耐性の評価」と同様にして、ピロー袋を作製した。このピロー袋のヒートシール部に、長さ5mmのIノッチを入れ、このIノッチを引裂き開始部として、手動により引裂き開封の官能評価を行い、以下の基準で評価した。
A:引裂きが容易に行えた場合
C:5層シーラントフィルムが伸びて、引裂きが不可能又は困難であった場合
袋形成用積層体のラミネート強度(バリア性積層シーラントフィルムと基材層と間の剥離強度)を、JIS K-6854に準拠して、25℃、剥離速度300mm/分におけるT型剥離試験によって測定し、以下の基準により評価した。評価結果を表1に示す。
A:ラミネート強度が、15N/15mm以上であった場合
B:ラミネート強度が、7N/15mm以上15N/15mm未満であった場合
C:ラミネート強度が、7N/15mm未満であった場合
得られた包装袋形成用積層体を用い、基材層側を外側にしてヒートシールすることにより、内寸100mm×100mmのパウチを作製した。このパウチに濃度12質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液(pH≧12.5)30gを充填して、内容物入り包装袋を得た。
A:包装袋形成用積層体の外観に異常が観察されなかった場合
B:包装袋形成用積層体の層間に、浮き(部分的な剥離)が観察された場合
C:包装袋形成用積層体に層間剥離が観察された場合
第1のシーラント層として、表1に記載のLDPE((実施例2及び3)、メタロセン系LLDPE(M-LLDPE)(比較例1及び2)、又は超低密度PE(ULDPE)(比較例3)をそれぞれ用いた他は、実施例1と同様にして、包装袋形成用積層体を作製し、各種の評価を行った。評価結果を、第1のシーラント層として用いたメタロセン系LLDPEのDSC測定結果とともに、表1に示す。
Ny:二軸延伸ナイロンフィルム
LDPE:低密度ポリエチレン
M-LLDPE:メタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン
ZN-LLDPE:チーグラー-ナッタ系直鎖状低密度ポリエチレン
ULDPE:超低密度ポリエチレン
M-PE:マレイン酸変性ポリエチレン
EVOH:エチレン-ビニルアルコール共重合体
110 基材層
120 接着剤層
130 バリア性積層シーラントフィルム
131 第1のシーラント層
132 第1の接着性樹脂層
133 バリア層
134 第2の接着性樹脂層
135 第2のシーラント層
Claims (10)
- 基材層、接着剤層、及びバリア性積層シーラントフィルムをこの順に有する包装袋形成用積層体であって、
前記バリア性積層シーラントフィルムは、前記基材層側から順に、第1のシーラント層、第1の接着性樹脂層、バリア層、第2の接着性樹脂層、及び第2のシーラント層を有し、共押出法によって形成されており、かつ、
前記第1のシーラント層が、密度0.915g/cm3以上0.930g/cm3以下のポリエチレン系樹脂から成る層であり、
前記第1のシーラント層の厚みが、20μm以上50μm以下であり、
前記第2のシーラント層が、チーグラー-ナッタ系直鎖状低密度ポリエチレンを含む層である、
内容量3L以上の重量袋に適用するための包装袋形成用積層体。 - 前記バリア層が、エチレン-ビニルアルコール共重合体を含む層である、請求項1に記載の包装袋形成用積層体。
- 前記エチレン-ビニルアルコール共重合体におけるエチレン含量が、30モル%以上50モル%以下である、請求項2に記載の包装袋形成用積層体。
- 前記基材層が、ナイロンを含む層である、請求項1~3のいずれか一項に記載の包装袋形成用積層体。
- 前記第1のシーラント層を構成する前記ポリエチレン系樹脂の密度が、0.920g/cm3以上0.930g/cm3以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の包装袋形成用積層体。
- 前記第2のシーラント層が、
チーグラー-ナッタ系直鎖状低密度ポリエチレンから成る層であるか、又は
前記チーグラー-ナッタ系直鎖状低密度ポリエチレンと、変性ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、及びポリウレタンから選択される樹脂との混合物から成る層である、
請求項1~5のいずれか一項に記載の包装袋形成用積層体。 - 請求項1~6のいずれか一項に記載の包装袋形成用積層体のバリア性積層シーラントフィルムが、互いにヒートシールされることによって構成されている、内容量3L以上の重量袋である包装袋。
- 請求項1~6のいずれか一項に記載の包装袋形成用積層体のバリア性積層シーラントフィルムが、包装袋の他の構成要素とヒートシールされることによって構成されている、内容量3L以上の重量袋である包装袋。
- 請求項7又は8に記載の包装袋と、前記包装袋中の内容物と、を含む、内容物入り包装袋。
- 前記内容物が、医薬品、医薬部外品、化粧品、洗剤、食品、及び塗料から選択される、請求項9に記載の内容物入り包装袋。
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