JP7353048B2 - 射出成形機 - Google Patents

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Description

本発明は、射出成形機に関する。
射出成形機において、成形材料に不良な要素があったり、射出装置の制御パラメータに不適当な設定値が含まれていたりすると、成形材料が溶融中に劣化して炭化物を発生させることがある。炭化物は、シリンダ又はキャビティの内表面に堆積し、あるとき剥離して成形不良を引き起こす。このため成形材料の劣化を正確に検出できると、射出装置を適切なスケジュールで保守管理することができる。
特許文献1には、金型に樹脂を充填する際、ガスベントから排出されるガスの流量を計測し、ガス流量の変化率から金型の保守時期を決定する装置が開示されている。
特開2011-152766号公報
特許文献1の技術は、金型のキャビティ内に溶融樹脂が充填される際に、元々キャビティ内に充満していた空気と、成形材料のガス化した低分子成分とを、ガス流量センサによって計測し、これらから、成形不良の原因となる低分子成分のガス量を検出している。
しかしながら、特許文献1の技術では、キャビティ内に充満している空気の量に対して、成形材料から発生した揮発成分の量が少ない場合、揮発成分の検出を正確に行うことができないという課題がある。
本発明は、成形材料から発生する揮発成分の量が少なくても、成形材料の劣化を正確に検出できる射出成形機を提供することを目的とする。
本発明に係る射出成形機は、
成形材料を溶融させかつ金型に射出する射出装置と、
前記射出装置により溶融された成形材料から生じる揮発成分に接触する検出器である吸着剤と、
前記吸着剤の温度を計測する温度センサと、
前記吸着剤を加熱して再生するヒータと、
を備える構成とした。
本発明に係る射出成形機は
成形材料を溶融及び金型に射出する射出装置と、
前記射出装置により溶融された成形材料から生じる揮発成分を気体のままイオン化させることにより検出する検出器と、
を備え、
前記成形材料は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレネーテル(PPE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド6(PA6)、ポリカーボネート(PC)、液晶ポリマー(LCP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリオキシメチレン(POM)のいずれかであり、
前記検出器が検出する前記揮発成分は、4-フェノキシフェノール、1,4-ジフェノキシベンゼン、o-クレゾール、2,6-キシレノール、2,4-キシレノール、ベンゼンチオール、ジフェニルジスルフィド、フェニルスルフィド、シクロペンタノン、ε-カプロラクタム、フェノール、ベンゼン、ビフェニル、安息香酸フェニル、1,3-ブタジエン、テトラヒドロフラン、エチレン、メタン、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、炭素数2以上の飽和炭化水素、炭素数2以上の不飽和炭化水素、メタクリル酸メチル、スチレン、シクロペンタジエン、ノルボルネンのいずれかである構成にした
本発明によれば、成形材料から発生する揮発成分の量が少なくとも、成形材料の劣化を正確に検出できるという効果が得られる。
本発明の実施形態1の射出成形機を示す図である。 実施形態1の揮発成分の測定機構の具体例を示すブロック図である。 図2の測定装置の具体例を示す構成図である。 本発明の実施形態2の射出成形機を示す図である。 実施形態2の揮発成分の測定機構の具体例を示すブロック図である。 図5のイオン分析装置の具体例を示す構成図である。 実施形態に係る変形例の射出成形機を説明する図である。
以下、本発明の各実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1の射出成形機を示す図である。実施形態1の射出成形機1は、成形材料(樹脂)を溶融及び射出する射出装置10と、射出装置10を搬送する可塑化移動装置20と、成形材料が充填される金型43を動かす型締装置30と、固化した成形品を金型43から押し出すエジェクタ装置50と、各部を駆動制御する制御部70とを備える。
射出装置10は、成形材料が投入されるホッパ12と、成形材料が溶融及び搬送されるシリンダ13と、シリンダ13内で回転及び進退移動するスクリュ14と、スクリュ14を回転駆動する計量用モータ16と、スクリュ14を進退駆動する射出用モータ17とを備える。シリンダ13は、先端に射出ノズル13nを有する。ホッパ12はシリンダ13に固定されている。さらに、射出装置10は、シリンダ13を支持するブラケット11Aと、計量用モータ16を支持するフレーム11Bと、射出用モータ17を支持する図示しないフレームと、計量用モータ16の動力をスクリュ14に伝達するタイミングベルト15と、射出用モータ17の動力をフレーム11Bに伝達するタイミングベルト18及びネジナット機構(ボールネジ19a及びナット19b)とを備える。射出用モータ17を支持するフレームは、シリンダ13を支持するブラケット11Aと相対位置が固定されるように連結されている。計量用モータ16を支持するフレーム11Bと、シリンダ13を支持するブラケット11Aとは、ガイド25に沿って移動可能に、かつ、互いの距離が可変に支持されている。スクリュ14の後端は、フレーム11Bに回転自在に支持されている。
このような構成において、計量用モータ16が回転駆動すると、その回転運動がタイミングベルト15を介してスクリュ14に伝達され、スクリュ14が回転する。射出用モータ17が回転駆動すると、その回転運動がタイミングベルト18、ボールネジ19a及びナット19bを介して直線運動に変換され、フレーム11Bがガイド25に沿って移動する。その結果、スクリュ14がシリンダ13内で進退する。さらに、計量用モータ16及びフレーム11Bが、スクリュ14の進退に追従して、ブラケット11Aに対して相対移動する。
可塑化移動装置20は、可塑化移動用モータ21と、ネジナット機構(ボールネジ22a及びナット22b)と、射出装置10のブラケット11A及びフレーム11Bを並進移動可能に支持するガイド25とを備える。ガイド25及び可塑化移動用モータ21は、射出装置フレーム24を介して成形機フレーム101に支持されている。ボールネジ22aは、射出装置フレーム24に回転自在に支持されている。ナット22bはスプリング23を介してブラケット11Aに接続されている。可塑化移動用モータ21の駆動によりボールネジ22aが回転すると、ナット22b及びナット22bに連結されたブラケット11Aが、ボールネジ22aの軸方向に移動する。これにより、ブラケット11Aがガイド25に沿って移動し、射出装置10(シリンダ13、スクリュ14、フレーム11B、計量用モータ16、射出用モータ17)が、スクリュ14の軸方向に移動する。この移動により、シリンダ13の射出ノズル13nを、金型43に圧接又は離間させることができる。
金型43は、可動金型43aと、固定金型43bとを有する。金型43は、さらに、キャビティに成形材料が射出される際に、キャビティ内の空気を排出するベント部43cを有する。
エジェクタ装置50は、成形品を押し出すための図示略のエジェクトピンと、エジェクトピンを駆動するエジェクト用モータ51とを備え、可動プラテン34に取り付けられている。エジェクト用モータ51が駆動することで、可動金型43aのキャビティにエジェクトピンが前進し、可動金型43aから成形品が押し出される。
型締装置30は、固定金型43bを支持する固定プラテン35と、可動金型43aを支持する可動プラテン34と、クロスヘッド33と、可動プラテン34に動力を伝達するトグル機構37と、型締用モータ31と、トグル機構37に型締用モータ31の回転動力を並進動力に変換して伝達するネジナット機構(ボールネジ32a及びナット32b)と、トグル機構37及びボールネジ32aを支持するトグルサポート38とを備える。可動プラテン34は、金型43の開閉方向に進退可能にガイドされている。トグルサポート38は、タイロッド36を介して固定プラテン35と連結されている。ナット32bはクロスヘッド33に固定されている。
型締用モータ31が回転駆動すると、この回転運動がネジナット機構(ボールネジ32a及びナット32b)により直線運動に変換されてクロスヘッド33へ伝達される。直線運動の方向は、金型43の開閉方向と一致する。クロスヘッド33が移動すると、トグル機構37が動作して可動プラテン34が進退し、金型43を開閉する。
制御部70は、例えばコンピュータで構成され、CPU(Central Processing Unit)と、メモリなどの記憶媒体と、入力インターフェースと、出力インターフェースとを有する。制御部70は、記憶媒体に記憶されたプログラムをCPUに実行させることにより、各種の制御を行う。また、制御部は、入力インターフェースで外部からの信号を受信し、出力インターフェースで外部に信号を送信する。
<成形サイクル>
制御部70は、各部を駆動制御して、計量工程、型閉工程、昇圧工程、型締工程、充填工程、保圧工程、冷却工程、脱圧工程、型開工程及び突き出し工程などを繰り返し行うことにより、成形品を繰り返し製造する。成形品を得るための一連の動作、基本的には、計量工程の開始から突き出し工程の完了までの動作を成形サイクルと呼ぶ。ただし、成形サイクル時間の短縮を目的として、計量工程が、前回の冷却工程中に行われる場合、あるいは、型締工程の間に行われる場合などには、型閉工程の開始から突き出し工程の完了までの動作を成形サイクルと呼んでもよい。
計量工程は、スクリュ14の回転により、成形材料を溶融させながらシリンダ13の前部(射出ノズル13n側)へ送る工程である。計量工程では、成形材料がシリンダ13の前部に蓄積されるにつれ、スクリュ14が後退される。スクリュ14が計量完了位置まで後退し、スクリュ14の先端と射出ノズル13nとの間に所定量の成形材料が蓄積されると、計量工程が完了する。型閉工程は、可動プラテン34を前進させ、可動金型43aを固定金型43bにタッチさせる工程である。昇圧工程は、型締用モータ31をさらに駆動してクロスヘッド33を型閉完了位置から型締位置までさらに前進させる工程である。昇圧工程により、金型43に型締力が加えられる。型締工程は、型締用モータ31を駆動して、クロスヘッド33の位置を型締位置に維持する工程である。型締工程では、昇圧工程で発生させた型締力が維持される。
充填工程は、スクリュ14を設定移動速度で前進させ、シリンダ13の前部に蓄積された液状の成形材料を金型43のキャビティに充填させる工程である。保圧工程は、射出用モータ17を駆動してスクリュ14を前方に押し、シリンダ13内に残る成形材料に圧力を加えることで、スクリュ14の先端部における成形材料の圧力(「保持圧力」とも呼ばれる)を設定圧に保つ工程である。保圧工程において、金型43のキャビティ内に射出された成形材料が徐々に冷却され、保圧工程完了時にはキャビティの入口が固化した成形材料で塞がれる。冷却工程では、金型43のキャビティ内の成形材料の固化が行われる。冷却工程中に計量工程が行われてもよい。脱圧工程は、クロスヘッド33を型締位置から型開開始位置まで後退させることにより、可動プラテン34を後退させ、金型43の型締力を減少させる工程である。型開工程は、クロスヘッド33を設定移動速度で型開開始位置から型開完了位置まで後退させることにより、可動プラテン34を後退させ、可動金型43aを固定金型43bから離間させる工程である。突き出し工程は、エジェクタピンを設定移動速度で待機位置から突き出し位置まで前進させることにより、成形品を可動金型43aから突き出し、その後、エジェクタピンを設定移動速度で後退させ、元の待機位置まで後退させる工程である。
一回の成形サイクルは、例えば、計量工程、型閉工程、昇圧工程、型締工程、充填工程、保圧工程、冷却工程、脱圧工程、型開工程及び突き出し工程をこの順で有する。ここでの順番は、各工程の開始の順番である。充填工程、保圧工程及び冷却工程は、型締工程の間に行われる。型締工程の開始は充填工程の開始と一致してもよい。脱圧工程の終了は型開工程の開始と一致する。なお、成形サイクル時間の短縮を目的として、同時に複数の工程を行ってもよい。例えば、計量工程は、前回の成形サイクルの冷却工程中に行われてもよく、型締工程の間に行われてもよい。この場合、型閉工程が成形サイクルの最初に行われることとしてもよい。また、充填工程は、型閉工程中に開始されてもよい。
<揮発成分の測定機構>
さらに、実施形態1の射出成形機1は、ベント部43cから排出される気体を導く誘導路71と、誘導路71により誘導された気体と接触する吸着剤72と、吸着剤72の温度を計測する温度センサ73と、温度センサ73の出力を受けて計算を行うコントローラ80とを備える。吸着剤72及び温度センサ73は、成形材料の揮発成分の量を測定する測定装置74を構成する。誘導路71は、長い経路、放熱部又は冷却部を含むことで、排出された気体を常温等まで冷却し、吸着剤72まで導く構成であってもよい。
吸着剤72は、例えば、活性炭、アルミナ、ゼオライト又は金属有機物複合体などであり、特定の揮発成分と接触したときに、その揮発成分を吸着し発熱する検出器として機能する。次に、複数の成形材料の種類とそれに対応する揮発成分の具体例を、「成形材料の種類・・・揮発成分」のように示す。
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)・・・4-フェノキシフェノール、1,4-ジフェノキシベンゼン
ポリフェニレネーテル(PPE)・・・o-クレゾール、2,6-キシレノール、2,4-キシレノール
ポリフェニレンサルファイド(PPS)・・・ベンゼンチオール、ジフェニルジスルフィド、フェニルスルフィド、硫化水素
ポリアミド66(PA66)・・・アンモニア、二酸化炭素、シクロペンタノン
ポリアミド6(PA6)・・・ε-カプロラクタム
ポリカーボネート(PC)・・・CO2、フェノール
液晶ポリマー(LCP)・・・ベンゼン、フェノール、ビフェニル、安息香酸フェニル
ポリブチレンテレフタレート(PBT)・・・二酸化炭素、1,3-ブタジエン、テトラヒドロフラン、ベンゼン
ポリエチレンテレフタレート(PET)・・・二酸化炭素、エチレン、メタン、アセトアルデヒド、ベンゼン
ポリオキシメチレン(POM)・・・ホルムアルデヒド
ポリエチレン(PE)・・・炭素数2以上の飽和炭化水素、炭素数2以上の不飽和炭化水素
ポリプロピレン(PP)・・・炭素数2以上の飽和炭化水素、炭素数2以上の不飽和炭化水素
ポリメタクリル酸メチル(PMMA)・・・メタクリル酸メチル
ポリスチレン(PS)・・・スチレン
ポリ塩化ビニル(PVC)・・・塩化水素
環状オレフィンポリマー(COP)・・・シクロペンタジエン、ノルボルネン
環状オレフィンコポリマー(COC)・・・シクロペンタジエン、ノルボルネン
射出成形機1は、複数種類の吸着剤72と、各々の吸着剤72の温度を計測する複数の温度センサ73を備え、誘導された気体が複数種類の吸着剤72に接触するように構成されてもよい。複数種類の吸着剤72を使用する場合、誘導路71は、気体を複数に分岐させ、分岐された各気体を各吸着剤72の配置空間に導くように構成されてもよい。成形材料の種類に応じて、1つ又は複数の吸着剤72の種類を選定し、1つ又は複数の吸着剤72の温度を計測することで、いずれの揮発成分が、いずれの量、排出気体に含まれるのか計測することができる。
コントローラ80は、温度センサ73の出力に基づいて、例えばショットごとに、成形材料の揮発成分の発生量を計測及び記録する。ショットとは1回分の成形を行うための成形材料の射出、すなわち1回の充填工程による成形材料の射出を意味する。コントローラ80は、記録結果に基づいて、シリンダ13の内面又は金型43のキャビティの内面に堆積する炭化物等の量を推定し、これらが成形不良を起こさない量に抑えられるように、シリンダ13又は金型43の保守スケジュールを作成してもよい。さらに、コントローラ80は、成形材料の揮発成分の発生量が、異常を示す閾値を超えた場合に、警告情報をユーザに出力するように構成されてもよい。コントローラ80は、射出成形機1の駆動制御を行う制御部70と兼用されてもよい。
以上のように、実施形態1の射出成形機1によれば、誘導路71から排出された気体を吸着剤72に接触させ、温度センサ73が吸着剤72の温度を計測するので、成形材料から発生する揮発成分が少なくても、揮発成分を高い精度で計測できる。そして、この計測に基づいて、異常の早期発見、成形不良に至る時期の予測等々、異常への対処を実現することができる。
さらに、実施形態1の射出成形機1によれば、誘導路71が、金型43のベント部43cから排出される気体を吸着剤72まで誘導するので、シリンダ13から金型43のキャビティにまで送られる揮発成分に対して、その検出を有効に行うことができる。
<揮発成分の測定機構の具体例>
図2は、実施形態1の揮発成分の測定機構の具体例を示すブロック図である。図3は、図2の測定装置の具体例を示す構成図である。
実施形態1の揮発成分の測定機構は、具体的には、図2に示すように、金型43のベント部43cから排出された気体(空気及び成形材料の揮発成分)の温度を冷却し一定にする温調器91と、気体に含まれる揮発成分の量を測定する測定装置74と、気体の流量を計測する流量計92と、気体を誘導路71に流すためのポンプ93とを備える。さらに、測定機構は、測定装置74の出力を電圧等に変換する温度算出装置95と、温度算出装置95の電圧を受け取ることのできるコントローラ80とを備える。
温調器91、測定装置74、流量計92及びポンプ93は、例えばこの順で気体の流路の上流から配置される。
測定装置74は、図3に示すように、気体を流す管741と、管741の内外を断熱する断熱材742と、上述した吸着剤72と、吸着剤支持体743と、温度センサ73として熱電対の基準点用のプローブ731及び吸着剤の温度を計測する複数のプローブ732とを備える。断熱材742は、吸着剤72及びプローブ731、732が配置される範囲にわたって管741の周囲を覆い、外気等の影響を受けないようにする。吸着剤72は、管741の一部区間を占めるように配置され、吸着剤支持体743が上流側と下流側とで吸着剤72の飛散を抑止する。基準点用のプローブ731は、吸着剤72より上流で管741の内側に接点が露出される。測定点用の複数のプローブ732は、流路に沿った複数の位置で吸着剤72に接点が埋められる。熱電対は、各プローブ731、732の接点の温度を検出する。測定装置74は、吸着剤72を加熱して再生するためのヒータを備えてもよい。
このような構成によれば、成形材料の分解物である揮発成分が含まれた気体が管741内を流れることで、揮発成分が吸着剤72に上流側から吸着される。吸着剤72の吸着及び発熱作用は上流から飽和していく。コントローラ80は、吸着剤72の複数の位置の単位時間当たりの温度上昇量を計算し、これらの値に基づいて揮発成分の量を求めることができる。
(実施形態2)
図4は、本発明の実施形態2に係る射出成形機を示す図である。実施形態2の射出成形機1Aは、成形材料の揮発成分を検出する検出器として、検出対象をイオン化させて検出するイオン分析装置75(イオン化部75a、カラム75b及びイオン計測器75c)を適用した例である。
イオン化部75a及びカラム75bは、例えば、水素炎イオン化、光イオン化、電子イオン化、プラズマイオン化、電磁波イオン化など、種々のイオン化方式により、成形材料の揮発成分をイオン化及び分離させる。例えば、水素炎イオン化の場合、イオン化部75aは、水素ガス供給装置及び空気供給装置を含み、揮発成分である有機物に水素と酸素の燃焼によって生じる熱エネルギーを及ぼすことで有機物をイオン化する。光イオン化の場合、イオン化部75aは、紫外線照射装置を含み、揮発成分である有機物に高エネルギーの光を照射することで有機物をイオン化させる。なお、カラム75bは必須ではない。また、カラム75bはイオン化部75aの前段に配置されてもよい。
イオン計測器75cは、カラム75bにより分離されたイオンを受けて生じる電流を増幅することでイオン量を計測する。
以上のように、実施形態2の射出成形機1Aによれば、誘導路71から排出された気体に含まれる成形材料の揮発成分をイオン分析装置75により計測するので、成形材料から発生する揮発成分が少なくとも、揮発成分を高い精度で計測できる。そして、この計測に基づいて、異常の早期発見、成形不良に至る時期の予測等々、異常への対処を実現することができる。
<揮発成分の測定機構の具体例>
図5は、実施形態2の揮発成分の測定機構の具体例を示すブロック図である。図6は、図5のイオン分析装置の具体例を示す構成図である。
実施形態2の揮発成分の測定機構は、具体的には、図5に示すように、金型43のベント部43cから排出された気体に含まれる成形材料の揮発成分を測定するイオン分析装置75と、気体の流量を計測する流量計92と、気体を誘導路71に流すためのポンプ93とを備える。さらに、測定機構は、イオン分析装置75の電流出力を増幅する電流増幅装置96と、電流増幅装置96の出力電流を受け取ることのできるコントローラ80とを備える。
イオン分析装置75、流量計92及びポンプ93は、例えばこの順で気体の流路の上流から配置される。
イオン分析装置75は、図6に示すように、気体を流す管751と、管751内に電極を露出させた一対の陽極754及び陰極755と、成形材料の分解物である揮発成分をイオン化するための紫外線を管751内に照射する紫外線光源753と、イオン化されて化学的に活性化された成分が管751の内壁に付着するのを防ぐためのヒータ752とを備える。陽極754及び陰極755は、管751とは絶縁されて、管751の外まで導出されている。陽極754及び陰極755は、紫外線光源753により紫外線が照射される位置の近傍に配置される。
このような構成によれば、成形材料の揮発成分が含まれた気体が管751内を流れることで、揮発成分が紫外線を受けてイオン化され、陽極754及び陰極755の間に電流を流す。この電流は電流増幅装置96により増幅されてコントローラ80へ送られ、コントローラ80は、増幅された電流の値に基づいて、管751を流れる揮発成分の量を求めることができる。
(変形例)
図7は、実施形態に係る変形例の射出成形機を説明する図である。上述した実施形態1、2では、金型43のベント部43cから成形材料の揮発成分を含んだ気体を誘導する構成を示した。しかし、揮発成分が含まれる気体は、図7の誘導路71A又は誘導路71Bに示すように、シリンダ13の途中からあるいはシリンダ13のノズル部から内側に溜まった気体を導く構成としてもよい。ノズル部から気体を排出させる場合、気体と溶融された成形材料とを分離する分離器Fを介するようにしてもよい。あるいは、揮発成分が含まれる気体は、誘導路71Cに示すように、シリンダ13からパージされた成形材料の周囲の雰囲気を回収及び誘導する構成としてもよい。
このような変形例においても、成形材料から発生する揮発成分を検出器に送って、その量を計測することができる。これにより、射出成形処理の異常の早期発見及び成形不良に至る時期の予測等々、異常への対処を実現することができる。
以上、本発明の各実施形態について説明した。しかし、本発明は上記の実施形態に限られない。例えば、検出器により揮発成分の量を計測するタイミング、周期、計測値の活用方法などは、様々に変更可能である。その他、成形材料及び揮発成分の種類など、実施の形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1、1A 射出成形機
10 射出装置
13 シリンダ
14 スクリュ
43 金型
43c ベント部
71、71A~71C 誘導路
72 吸着剤
73 温度センサ
74 測定装置
75 イオン分析装置
75a イオン化部
75b カラム
75c イオン計測器
80 コントローラ
91 温調器
92 流量計
93 ポンプ
95 温度算出装置
96 電流増幅装置
741、751 管
742 断熱材
743 吸着剤支持体
731、732 熱電対のプローブ
752 ヒータ
753 紫外線光源
754 陽極
755 陰極

Claims (5)

  1. 成形材料を溶融させかつ金型に射出する射出装置と、
    前記射出装置により溶融された成形材料から生じる揮発成分に接触する検出器である吸着剤と、
    前記吸着剤の温度を計測する温度センサと、
    前記吸着剤を加熱して再生するヒータと、
    を備える射出成形機。
  2. 成形材料を溶融及び金型に射出する射出装置と、
    前記射出装置により溶融された成形材料から生じる揮発成分を気体のままイオン化させることにより検出する検出器と、
    を備え、
    前記成形材料は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレネーテル(PPE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド6(PA6)、ポリカーボネート(PC)、液晶ポリマー(LCP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリオキシメチレン(POM)のいずれかであり、
    前記検出器が検出する前記揮発成分は、4-フェノキシフェノール、1,4-ジフェノキシベンゼン、o-クレゾール、2,6-キシレノール、2,4-キシレノール、ベンゼンチオール、ジフェニルジスルフィド、フェニルスルフィド、シクロペンタノン、ε-カプロラクタム、フェノール、ベンゼン、ビフェニル、安息香酸フェニル、1,3-ブタジエン、テトラヒドロフラン、エチレン、メタン、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、炭素数2以上の飽和炭化水素、炭素数2以上の不飽和炭化水素、メタクリル酸メチル、スチレン、シクロペンタジエン、ノルボルネンのいずれかである射出成形機。
  3. 金型から排出される気体を前記検出器に導く誘導路と、前記射出装置のシリンダ又はノズルに溜まった気体を前記検出器に導く誘導路と、前記射出装置のパージの際にノズルから排出された成形材料の周囲の気体を前記検出器に導く誘導路の誘導路のうち、少なくとも一つの誘導路を備える、
    請求項1又は2に記載の射出成形機。
  4. 前記吸着剤は、活性炭、アルミナ、ゼオライト及び金属有機物複合体のいずれか1つ又は複数である、
    請求項1記載の射出成形機。
  5. 前記検出器は、前記揮発成分である有機物を、炎、光、電子、プラズマ又は電磁波によりイオン化させる、
    請求項2記載の射出成形機。
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