上述の通り、患者などの利用者に付与したコードによって、カルテなどの書類を一元管理する事や、書類情報をコード化して一元管理することは提案されている。しかしながら、従前において提案されている書類管理システムにおいては、利用者に対するコードの付与はシステム運営者において行わなければならなかった。さらに利用者とコードとの対応はマスターファイルなどでの照合が必要であり、コードの判読によって利用者を特定することはできなかった。そこで本発明は、帳票中における予め設定した項目に記載されている文字情報に基づいてコード情報を生成させる事のできる帳票管理装置、及びこれを用いた介護計画作成支援システムを提供することを第1の課題とする。
また特定の業務においては、複数の帳票に同じ内容を記載する場合もあり、このような業務においては帳票から帳票への転記が必要となり、業務効率を低下させる要因となっていた。そこで本発明は、コード情報の判読によって、当該帳票における記載項目を出力する事のできる帳票管理装置、及びこれを用いた介護計画作成支援システムを提供することを、前記第1の課題とは別の第2の課題とする。
そして記載内容の確認等の為に、管理者や利用者などの署名や捺印を必要とする帳票にあっては、これを記録として残すためには原則として印刷物での保管が必要であった。かかる印刷物において、各帳票を統一する管理番号やコード等が存在しない場合には、相互の連携を図ることが困難となり、帳票の管理が煩雑になっていた。そこで本発明は、署名や捺印を必要とする帳票であっても、帳票に付したコード情報を手掛かりに一元管理を可能とする帳票管理装置、及びこれを用いた介護計画作成支援システムを提供することを、前記第1及び第2の課題とは別の第3の課題とする。
更に本発明では、介護計画の作成及び実施に際して使用される様々な帳票を一元管理する事のできる介護計画作成支援システムを提供することも、更に別の課題とする。
上記第1~3の課題の少なくとも何れかの課題を解決する為に、本発明では帳票中における予め設定した項目に記載されている文字情報に基づいてコード情報(二次元コード、モザイクコードを含む)を生成させる事のできる帳票管理装置を提供する。
即ち本発明では、コンピュータを用いて形成された帳票管理装置であって、帳票中における予め設定した項目に記載されている文字情報を抽出する文字情報抽出部と、当該文字情報抽出部が抽出した文字情報から復号可能なコード情報を生成させるコード情報生成部とを備え、前記文字情報抽出部は、(1)電子化された帳票の所定の項目に記載されている文字情報を抽出し、(2)電子化された帳票の印刷イメージファイルから所定の項目に記載されている文字情報を抽出し、及び(3)印刷された帳票からOCRによって所定の項目に記載されている文字情報を抽出する少なくとも何れかの処理によって前記文字情報を抽出する帳票管理装置を提供する。
かかる帳票管理装置は、前記コード情報生成部が生成したコード情報を復号するコード情報復号部を備えたコンピュータからなる端末装置と共に使用する事ができる。当該端末装置においては、前記コード情報を復号することにより、前記帳票中における予め設定した項目に記載されている文字情報を特定することができ、当該文字情報から直接文字情報を取得することができる。従って、従前における書類管理システムの様に、ネットワークまたはローカルに保持されているマスターファイルやデータベースなどの照会を要することなく、コード情報から、文字情報(特に帳票中における予め設定した項目に記載されている文字情報)等を直接取得することができる。
また本発明に係る帳票管理装置は、望ましくは、印刷装置に対して印刷を指示する印刷指示手段を備えており、当該印刷指示手段は、帳票の印刷コマンドの実行に起因して、帳票中における予め設定した項目に記載されている文字情報から復号可能なコード情報を生成させるコード情報生成部と、当該コード情報生成部が生成したコード情報を含んだ印刷イメージファイルを生成する印刷イメージファイル生成部を備えることができる。そしてかかる印刷イメージファイルに基づいて印刷を行う印刷装置を伴って構成することができる。かかる印刷装置は、紙などの各種媒体に印刷を施す印刷装置の他、ファイル形式の印刷物を出力する印刷装置(乃至は印刷モジュール)であっても良い。かかる帳票管理装置によれば、帳票の印刷処理を実行することにより、コード情報を含んだ帳票を印刷出力することができる。
また本発明に係る帳票管理装置の実施の形態において、前記コード情報生成部が生成するコード情報は、帳票の種類を特定する帳票情報、及び期間又は期限を特定する期間情報の少なくとも何れかを含むことができる。この帳票情報は、帳票の名称を使用する他、数字や記号などからなる識別情報を使用する事ができる。また期間情報は、本発明においては所定の期間を特定する他、始期又は終期など特定する期限情報として構成することができる。かかる帳票管理装置によれば、帳票情報に基づいて帳票を管理したり、又は期間情報に基づいて期間や期限を管理することができる。
また本発明では、前記帳票管理装置が作成した帳票を取得し、これを活用又は管理する施設側装置を提供する。かかる施設側装置は、望ましくは、前記コード情報を含んだ帳票をイメージ形式で取得する帳票イメージ取得部と、帳票イメージ取得部が取得した帳票イメージからコード情報を判読して、当該コード情報で指定された保存領域に当該帳票イメージを保存する帳票イメージ保存部を備えることができる。そして当該帳票をイメージ形式に変換するイメージ変換装置を伴って形成することができる。かかるイメージ変換装置はファクシミリ、スキャナー及びカメラなどの撮影装置を使用する事ができる。かかる帳票管理装置によれば、帳票イメージからコード情報を取得して、帳票管理や記載情報の管理などを行うことができる。なお、かかる施設側装置の処理は、前記帳票管理装置で行っても良い。
そして本発明に係る帳票管理装置又は上記施設側装置は、前記帳票イメージ保存部が保存した帳票イメージに対して確認情報を付加する確認情報付加部を備えることができる。かかる確認情報付加部は、確認の有無を特定する確認情報取得部分を備えることができ、更に当該確認情報取得部が確認情報を取得した時のログイン情報に基づいて確認者情報を取得する確認者取得分を備えることもできる。かかる帳票管理装置又は施設側装置によれば、捺印や署名を施した帳票を管理したり、更に当該帳票の確認者の情報を簡易かつ正確に取得することができる。
そして本発明に係る帳票管理装置は、更に、帳票中における予め設定した項目ごとに、各項目に記載されている文字情報を、復号可能な個別コード情報として出力する個別コード情報生成部を備えることもできる。この場合、当該個別コード情報生成部は、帳票中に設けられた複数の項目ごとに、個別コード情報を出力するように構成することができる。かかる帳票管理装置によれば、帳票に記載した文字情報をコード情報に基づいて簡易かつ正確に取得することができる。
上記本発明に係る帳票管理装置は、各種帳票を作成するコンピュータシステムで使用する事ができるが、特に介護支援システムにおいて有効に使用する事ができる。よって本発明では、上記本発明に係る帳票管理装置と、介護計画を作成するプログラムを実行するか又は提供を受ける介護計画作成装置とからなる介護支援システムであって、前記帳票管理装置は、介護計画作成装置で作成した帳票に対してコード情報を付加する介護支援システムを提供する。
本発明の帳票管理装置は、帳票中における予め設定した項目に記載されている文字情報を抽出する文字情報抽出部と、当該文字情報抽出部が抽出した文字情報から復号可能なコード情報を生成させるコード情報生成部とを備え、前記文字情報抽出部は、(1)電子化された帳票の所定の項目に記載されている文字情報を抽出し、(2)電子化された帳票の印刷イメージファイルから所定の項目に記載されている文字情報を抽出し、及び/又は(3)印刷された帳票からOCRによって所定の項目に記載されている文字情報を抽出することから、帳票中における予め設定した項目に記載されている文字情報に基づいてコード情報を生成させる事のできる帳票管理装置が実現する。
また前記コード情報は、帳票中における予め設定した項目に記載されている文字情報に基づいて復号可能に変換したものであることから、これを復号することによりコード情報の元になった文字情報を取得することができる。よって、本発明により、コード情報の判読によって、当該帳票における記載項目を出力する事のできる帳票管理装置を提供することができる。その結果、単にコード情報を復号するだけで任意の文字情報を取得でき、別途、マスターファイルやデータベースの参照を不要とした帳票管理装置を実現することができる。
また上記本発明に係る帳票管理装置において、コード情報生成部が生成したコード情報に基づいて帳票を管理することにより、署名や捺印を必要とする帳票であっても、帳票に付したコード情報を手掛かりに一元管理を可能とする帳票管理装置を提供することができる。
そして上記本発明に係る帳票管理装置は、介護計画を作成するプログラムを実行するか又は提供を受ける介護計画作成装置と共に使用する事で、介護計画の作成及び実施に際して使用される様々な帳票を一元管理する事のできる介護計画作成支援システムを実現することができる。
以下、図面を参照しながら、本実施の形態にかかる帳票管理装置10、及びこれを用いた介護計画作成システム100を具体的に説明する。特に本実施の形態に係る帳票管理装置10は、介護計画や介護の実施で使用される各種の帳票を管理する為の装置として構成した場合の一例を示している。ただし当然のことながら、当該帳票管理装置10は、その他の各種分野や業務システムにおいて帳票を管理する為に使用及び構成する事ができる。
図1は本実施の形態に係る帳票管理装置10を用いて構成した介護計画作成システム100を示すブロック図である。本実施の形態に係る介護計画作成システム100は、帳票管理装置10と介護計画作成装置20とを同じコンピュータで構成した実施の形態を示している。また図2は介護計画作成装置20で作成した帳票に対してコード情報を付与するコード情報付与処理の一例を示すシーケンス図である。
図1に示す介護計画作成システム100において、介護計画作成装置20は、介護計画を作成するプログラムを実行するように構成されている。かかる介護計画を作成するプログラムは、当該介護計画作成装置20が備える他、インターネットなどのネットワークを介して提供されても良い。また帳票管理装置10は、文字情報抽出部31、コード情報生成部32、印刷イメージファイル生成部33、帳票イメージ取得部34、帳票イメージ保存部35、確認情報取得部分36、確認者取得部分37、個別コード情報生成部38を伴って構成されており、各構成を実現する為のプログラム又はモジュールを備えるか又は提供されるように構成されている。
この介護計画作成装置20においては、介護計画を作成するプログラムを実行し、利用者(被介護者)に関する情報、例えば氏名、生年月日、介護計画、介護計画毎の期間等を入力する。かかる介護計画は、介護計画作成プログラムに応じた入力項目等を入力することによって目的とする帳票69を作成することができる(図2のS1)。かかる介護計画の帳票69としては、例えば居宅サービス計画書第1表、居宅サービス計画書第2表、通所介護計画書、介護予防通所介護計画書、個別機能訓練I計画書、個別機能訓練II計画書、運動機能向上計画書、モニタリングなどを含むことができる。これら帳票は介護計画作成装置20においてケアマネージャ、生活相談員、作業療法士、理学療法士などによって作成されることになる。特に、この介護計画作成装置20は、後述する図8における居宅サービス計画作成装置62と、介護事業所装置63とで構成することができる。居宅サービス計画作成装置62は、ケアマネージャによって居宅サービス計画書第1表、及び居宅サービス計画書第2表等の帳票を作成する為のプログラムを実行可能であり、介護事業所装置63は、生活相談員、作業療法士、理学療法士などによって、通所介護計画書、介護予防通所介護計画書、個別機能訓練I計画書、個別機能訓練II計画書、運動機能向上計画書、モニタリングなどの帳票を作成する為のプログラムを実行可能に構成することができる。
そして当該介護計画作成装置20で作成した前記の帳票69は、当該介護計画作成装置20において印刷することも可能であり、ここで印刷された帳票69には、本来、これら帳票に共通するコード情報は存在しないものとなる。
そこで本実施の形態にかかる介護計画作成システム100では、介護計画作成装置20で作成した帳票に対して、帳票管理装置10によりコード情報50を付与する。その為に、前記介護計画作成装置20は、帳票管理装置10に対して、前記各種帳票69の記載情報を渡すように構成している(図2のS1及びS2)。かかる帳票(又は「帳票データ」)69の受け渡しは、各種媒体に印刷した帳票の受け渡しである他、ファクシミリ送信、電子データによる送信、或いは介護計画の印刷処理による印刷イメージファイルの出力など、各種方法であって良い。
当該記入済み帳票(又は「帳票データ」)69を受け取った帳票管理装置10では、当該帳票69における所定欄の文字情報を抽出し(図2のS4)、抽出した文字情報からコード情報50を作成する(図2のS5)。かかる文字情報の抽出処理(図2のS4)は、(1)電子化された帳票69の所定の項目に記載されている文字情報を抽出するか、(2)電子化された帳票69の印刷イメージファイルから所定の項目に記載されている文字情報を抽出するか、及び/又は(3)印刷された帳票69からOCRによって所定の項目に記載されている文字情報を抽出することで取得することができる。
そして前記文字情報から生成させたコード情報50を、利用者(被介護者)ごとに異ならせることにより、当該コード情報を手掛かりに、前記複数の種類の帳票69を、利用者(被介護者)ごとに纏めて管理することができる。
本実施の形態に係る介護計画作成システム100では、前記帳票管理装置10における文字情報抽出部31(文字情報抽出モジュール)において、前記介護計画作成装置20が作成した帳票69における所定欄に記載した文字情報を取得する(図2のS4)。かかる文字情報は、管理対象となる各帳票に共通して使用される文字情報であることが望ましい。
そして前記文字情報抽出部31が取得した文字情報から、コード情報生成部32はコード情報50を作成する(図2のS5)。本実施の形態では、前記所定の文字情報からモザイク形式の二次元コード情報50を作成している。かかる二次元コード情報は、スタック型2次元コード(PDF417、CODE49等)や、マトリクス型2次元コード(QRコード:登録商標、DataMatrix、VeriCode)であって良い。例えば当該コード情報をQRコード(登録商標)で構成した場合には、2バイト文字を最大で1,817文字を保持することができることから、前記所定の文字情報であっても保持することができる。
図3は帳票における文字情報の抽出と抽出した文字のコード化の流れを示す処理フロー図である。この図3に示す様に、文字情報抽出部31は、例えば居宅サービス計画書(1)及び(2)等の帳票69の記載内容から、利用者(被介護者)の氏名、生年月日、ケアマネージャの氏名、認定期間、長期目標期間、短期目標期間、及び計画書作成日の欄に記載されている文字情報51を抽出することができる(図2のS4)。そして当該文字情報51に基づいて、コード情報生成部32は、コード情報50としてのQRコード(登録商標)50を作成することができる(図2のS5)。本実施の形態では、「お客様一郎_1935101001_ケアマネ一郎_20080201-20090131_2007080120080131_20070801-20071031_20080219」をコード情報として使用しており、前記QRコード(登録商標)50を復号することにより、「お客様一郎_1935101001_ケアマネ一郎_20080201-20090131_2007080120080131_20070801-20071031_20080219」の文字情報52を取得することができる。ただし、当該抽出する文字情報はこれらに限られるものではなく、その他にも利用者(被介護者)の住所や電話番号など、他の文字情報を使用することもできる。また、当該コード情報として帳票の種類を特定する為のコードや記号を含ませることができる。例えば、当該介護計画に関する帳票であれば、前記居宅サービス計画書第1表、居宅サービス計画書第2表、通所介護計画書、介護予防通所介護計画書、個別機能訓練I計画書、個別機能訓練II計画書、運動機能向上計画書、モニタリングなどを区別する為の文字や記号を含めることができる。かかる帳票を特定する為のコードを含ませれば、当該コード情報を復号することにより、利用者だけでなく帳票の種別も、対象サービス期間も特定することができ、電子データとした帳票の管理を容易にすることができる。
なお文字情報をコード情報50に変換する際には、各項目の配列を特定して、文字情報を羅列させた形式で埋め込むことができる。また当該コード情報50は、更に埋め込んだ文字情報を暗号化して保持することができ、復号に際しては解除キーを使用して文字情報を取得できるように構成することもできる。
以上のように形成したコード情報50は、印刷イメージファイル生成部33において、前記介護計画作成装置20で作成した介護計画の帳票69、特に居宅サービス計画書(1)及び(2)の帳票69に埋め込み(図2のS6)、当該コード情報50を含んだ帳票60を作成し(図2のS7)、このコード情報50を含んだ帳票60を出力する(図2のS8)。かかるコード情報50を含んだ帳票69は、印刷イメージファイルとして作成し、これを印刷することにより出力する他、画面表示可能なファイル形式で作成して、これを出力するように構成することができる。
出力されたコード情報付きの介護計画帳票60は、介護施設などに設けられた他のコンピュータからなる施設側装置11に渡すことができ、施設側装置11はこれを取得することができる(図2のS9)。本実施の形態では説明の便宜上、施設側装置11としているが、当該施設側装置11も、通所介護サービス計画などの介護計画を作成するプログラムを実行する介護計画作成装置20と、作成した介護計画にコード情報などを付加・判読する帳票管理装置10を実現する1つのコンピュータで構成することができる。
そして前記コード情報付きの介護計画帳票60を受け取った施設側装置11では、当該介護計画帳票に表示されたコード情報50を読み取り(図2のS10)、これを復号することで当該コード情報に変換された文字情報を取得する(図2のS11)。そして当該文字情報を、ファイル名や識別子として使用する事により、同じ利用者の帳票60を一元管理することができる(図2のS12)。特に、当該文字情報として、帳票に記載されている項目内の文字情報を使用した場合には、コード情報50を復号して取得した文字情報を、そのまま他の帳票に入力することができ、帳票入力乃至は転記の手間を省略することができる。
また、帳票管理装置10で作成したコード情報付きの介護計画帳票60は、当該帳票管理装置10(又は介護計画作成装置20)において使用することもできる。即ち、作成したコード情報付きの介護計画帳票60に表示されているコード情報50を、スキャナーその他の機器を介して、帳票管理装置10(又は介護計画作成装置20)において読み込み(図2のS13)、これを復号することにより文字情報を取得することができ(図2のS14)、この文字情報を手掛かりとして様々な種類の帳票、特に署名又は捺印済みの帳票を一元管理することができる(図2のS15)。
なお、前記所定の文字情報から作成したコード情報50は、シール又はラベル形式で作成して、これを帳票の印刷物に貼付するように構成しても良い。かかるシール又はラベル形式のコード情報は、同じ利用者について作成した各種の帳票に貼付することにより、当該コード情報に基づいて各種の帳票を一元管理することができる。
図4はコード情報に基づいた文字入力処理の一例を示すシーケンス図である。本実施の形態に係る介護計画作成システム100では、図1に示す様に介護計画作成装置20で作成した帳票69における所定項目の文字情報を、復号可能な個別コード情報50aとして生成させ、この個別コード情報50aをシート等に出力したコード情報シート60aを、各種帳票の入力支援の為に使用する事ができる。即ち、図1及び4に示す様に、介護計画作成装置20で介護計画帳票69を作成し(図4のS1)、これを帳票管理装置10に対して出力し(図4のS2)、帳票管理装置10は介護計画帳票を取得する(図4のS3)。帳票管理装置10では、取得した介護計画帳票69から、所定の入力項目ごとに文字情報を取得し(図4のS20)、これを個別コード情報生成部38で個別コード情報50aに変換する(図4のS21)。そして項目ごとに作成した個別コード情報を一覧表示したコード情報シート60aを出力する(図4のS22)。かかる出力は帳票69における各入力項目を変換した個別コード情報50aを1又は2以上のシートに印刷することができる。
上記の様に作成したコード情報シート(個別コード情報50aを印刷したシート)60aは、ファクシミリ、手渡し又は郵送などによって、介護施設などに設けられた他のコンピュータからなる施設側装置11に渡すことができ、これにより施設側装置11はコード情報シートを取得することができる(図4のS23)。コード情報シート60aを取得した施設側装置11においては、当該コード情報シート60aに表示されている個別コード情報50aをコードリーダなどで読み取り、これを復号する(図4のS24)。その結果、施設側装置11は、前記帳票における所定項目に記載された項目ごとの文字情報を取得することができる(図4のS25)。そしてこの取得した文字情報を、他の介護計画帳票に入力することで(図4のS26)、文字情報の入力乃至は転記の手間を大幅に削減することができる。
そして上記の処理によって、個別コード情報50aに基づいて所定項目への文字情報の入力が完了した帳票は、記憶装置に保存したり(図4のS27)、或いは印刷物として出力することができる(図4のS28)。なお、上記実施の形態に係る帳票の保存は、コンピュータを構成する記憶装置に保存することができるが、当該コンピュータは介護計画作成装置20でも帳票管理装置10でもよく、更にはネットワーク(インターネットを含む)を介して接続された他のコンピュータであっても良い。
図5は署名した帳票の保存処理を示すブロック図であり、図6は署名した帳票の保存処理を示すフローチャートである。これらの図に示す様に、本実施の形態に係る介護計画作成システム100、特に帳票管理装置10は、コード情報50を追加した帳票を保存する際に、当該コード情報50を手掛かりに所定のホルダーに仕分けして保存できるように構成している。即ち、帳票管理装置10は、当該または他の帳票管理装置10によって作成したコード情報付きの帳票60を取得する(図6のS31)。当該帳票60の取得は、印刷物であっても電子データでも良い。特に当該帳票を印刷物として取得した場合には、当該帳票に対して、管理者や介護利用者(又は代理人)などの署名や捺印を記すことができる。
そして前記帳票イメージ取得部34は、スキャナやファクシミリなどにより、当該コード情報付きの帳票60を取得する。そして帳票イメージ保存部35は、取得したコード情報付きの帳票60からコード情報50を読み取って判読する(図6のS32)。このコード情報50の判読により、当該帳票60の保存先や帳票種別を取得する(図6のS33)。この時、保存先を、前記利用者を特定する為の文字列としておけば、帳票イメージ取得部34におけるコード情報付き帳票イメージの取得により、帳票イメージ保存部35は、指定された保存先に当該帳票イメージを保存することができる(図6のS34)。そして前記コード情報50に、帳票の種別を特定する識別記号を含ませておけば、当該保存先に、帳票の種別を特定した上で保存することができる。
図5においては、コード情報50として「利用者(被介護者)の氏名、生年月日、ケアマネージャの氏名、認定期間、長期目標期間、短期目標期間、及び計画書作成日、帳票種別」を使用しており、「利用者(被介護者)の氏名、生年月日、ケアマネージャの氏名、認定期間」を帳票イメージのファイル名として使用し、これを保存先ホルダー名とすることで、特定の利用者の帳票60を、その利用者の為の特定のホルダーに保存することができる。そしてコード情報50における「長期目標期間、短期目標期間、及び計画書作成日」に基づいて期限管理を行うことができ、更に「帳票種別」によって当該帳票イメージの種類を特定することができる。また前記コード情報付きの帳票60は、これを印刷して署名又は捺印を付することができる。特に本実施の形態に係る介護計画作成システム100では、事前に署名や捺印を登録しておくことは運用上できず、そのため目視による署名・捺印の正当性を確認する必要がある。従って、介護利用者の家族や後見人などの代理人が署名・捺印した場合であっても、目視によって署名・捺印の正当性を確認することができ、これによりコード情報50における「長期目標期間、短期目標期間、及び計画書作成日」等の期限情報に基づいて、期限内に署名・捺印を取得したか否かを確認することができる。そしてこのように署名又は捺印を付したコード情報付きの帳票60は、これをスキャン又はファクシミリ送信することで帳票イメージが作成され、当該帳票イメージは、前記帳票イメージ取得部34及び帳票イメージ保存部35によって、指定されたホルダーに保存することができる。
前記コード情報50として、「利用者(被介護者)の氏名、生年月日、ケアマネージャの氏名、認定期間」を使用する事で、介護利用者を特定することは可能である。そして本実施の形態では、更に「計画書作成日」(又は「計画書の再作成日」)も使用していることから、当該コード情報50をユニークな値とすることができる。更に、この「計画書作成日」(又は「計画書の再作成日」)をベースにしてコード情報(以下、「計画書基本番号」ともいう)を作成し、その計画書に基づいて通所介護サービス計画書、個別I機能訓練計画書、個別II機能訓練計画書等が作成されることから、期間情報がずれると、計画書そのものが否認されることになる。そこで本実施の形態では、長期目標期間、短期目標期間もコード情報(計画書基本番号)に反映させている。
よって当該介護計画作成システム100、更には帳票管理装置10によれば、署名/捺印を行った印刷物の帳票60であっても、ファクシミリで送信したり、或いはスキャナで読み取るだけで、所定の保存先に、帳票の種別付きで保存することができる。
図7は記憶装置に保存された帳票の確認処理を示すフローチャートである。本実施の形態に係る帳票管理装置10では、記憶装置(図9の符号510)やデータ保存装置(図8の符号64)に保存したファイル形式の帳票について、管理者または責任者などが帳票の記載内容の確認乃至は承認を記録できるように構成している。かかる確認処理は、最初に、確認乃至は承認する権限を有するユーザが、当該帳票管理装置10の動作の為にログイン処理を実行する(図7のS41)。この時当該ログイン情報におけるユーザ名は、確認情報取得部36に取得されて、帳票管理装置10のメモリに一旦保持される。そして当該ユーザーが確認するための帳票を記憶装置から読み出し(図7のS42)、これをディスプレイに表示させる(図7のS42)。そしてディスプレイに表示した帳票について確認・認証を行う(図7のS44)。当該帳票の記載内容が妥当でなければ(即ち、承認できなければ)、当該確認・認証処理を行うことなく、そのまま処理は終了する。一方、当該帳票の記載内容が妥当であれば(即ち、承認可能であれば)、画面に表示されている確認・承認のチェックボックスをオンにする。これにより帳票管理装置10の確認者取得部分37は、前記メモリに保持されているユーザ情報を取得し(図7のS45)、当該ログインユーザ情報を確認・承認者の情報として、当該帳票に関連付けて保存し(図7のS46)、一連の確認・承認処理を終了する。
以上の様な確認・承認処理を行うことにより、記憶装置に保存された帳票を、ディスプレイ上で確認するだけで、当該確認者情報も保持することができ、しかも当該帳票はコード情報によって体系的に保存されているのであるから、行効率を大幅に向上させることができる。
以上の介護計画作成システム100は、インターネット等の各種ネットワークを利用して、相互にデータを利用・保存するように構成することができる。図8は、介護計画作成システムのネットワーク構成を示すブロック図である。
この図8に示す介護計画作成システム100は、介護計画作成プログラムを、ネットワークを通じて提供する介護用プログラム提供装置61と、当該介護用プログラム提供装置61が提供する介護計画作成プログラムを実行する居宅サービス計画作成装置62及び介護事業所装置63と、これら居宅サービス計画作成装置62及び介護事業所装置63が作成した帳票を、ネットワークを介して保存するデータ保存装置64で構成している。
上記居宅サービス計画作成装置62及び介護事業所装置63は、介護用プログラム提供装置61が提供する介護計画作成プログラムを実行する点では、前記介護計画作成装置20に相当する。また当該介護計画作成装置20が作成した介護計画の帳票69の記載内容に基づいてコード情報50を作成し、当該コード情報を含んだ帳票60を作成するなどの処理を実行する点で、前記帳票管理装置10に相当する。なお、この帳票管理装置10として機能する為のプログラムは、各居宅サービス計画作成装置62及び介護事業所装置63に導入する他、ネットワークを介して提供されたプログラムを実行することもできる。
以上のように構成した本実施の形態に係る介護計画作成システム100では、居宅サービス計画作成装置62において、介護計画作成プログラムを実行して、前記介護計画の帳票69、特に居宅サービス計画書(1)及び(2)の帳票69を作成する。そして当該介護計画の帳票69の記載内容に基づいて、コード情報を作成し、当該コード情報を含んだ介護計画の帳票69を出力すると共に、前記データ保存装置64に保存する。本実施の形態において、コード情報を含んだ介護計画の帳票60を出力は、プリンタにより、コード情報付き介護計画の帳票60を印刷している。
居宅サービス計画作成装置62で印刷したコード情報付き介護計画の帳票60は、介護事業所装置63に渡される。この介護事業所装置63は、例えばデイサービス事業所、デイケア事業所、訪問リハビリテーション事業所又はショートステイ事業所などに設置することができる。コード情報付き介護計画の帳票60を取得した介護事業所装置63は、スキャナーなどにより当該帳票60をスキャンし、帳票中のコード情報50に基づいて、当該帳票60を前記データ保存装置64に保存することができる。また、当該帳票中のコード情報50を判読して取得した文字情報を、当該介護事業所装置63で作成する帳票、例えば通所介護計画書、介護予防通所介護計画書、個別機能訓練I計画書、個別機能訓練II計画書、運動機能向上計画書、モニタリングなどの帳票中に入力・反映するように構成することもできる。そしてこれら介護事業所装置63で作成する帳票中にも、前記コード情報付き介護計画の帳票60と共通するコード情報50を使用すれば、これら各種の帳票を、利用者ごとにデータ保存装置64の所定のホルダーに一元管理することができる。
次に図9を参照しながら、本実施の形態にかかる帳票管理装置10を構成するコンピュータハードウエア構成を説明する。ただし、図9のコンピュータ500(即ち、帳票管理装置10)は、代表的な構成例を示したに過ぎず、上記した処理を実行する演算装置やメモリ及びプログラムを備える限りにおいて、専用の装置として構成しても良い。
この図9に示すコンピュータ500は、CPU501、メモリ502、音声出力装置503、ネットワークインタフェース504、ディスプレイコントローラ505、ディスプレイ506、入力機器インタフェース507、キーボード508、マウス509、外部記憶装置510、外部記録媒体駆動装置511、およびこれらの構成要素を互いに接続するバス512を含んで構成されている。
CPU501は、コンピュータ500の各構成要素の動作を制御し、OSの制御下で、前記した各処理の実行をコントロールし、その動作を制御する。メモリ502は通常、不揮発性メモリであるROM、および揮発性メモリであるRAMから構成される。ROMには、コンピュータ500の起動時に実行されるプログラム等が格納される。RAMには、CPU501で実行され、各装置の処理を実行する為のアプリケーションプログラムや、データベースプログラム、それらのプログラムが実行中に使用するデータ(たとえば、データベースやファイルシステムから読み出されたデータやスクリプト)が一時的に格納される。
音声出力装置503は、スピーカ等の、音声を出力する機器であり、通信インタフェース504は、各種の機器と情報交換する為のネットワーク520に接続するためのインタフェースである。ネットワークを介した情報の送受信は、この通信インタフェース504を介して行われる。ディスプレイコントローラ505は、CPU501が発する描画命令を実際に処理するための専用コントローラである。ディスプレイコントローラ505で処理された描画データは、一旦グラフィックメモリに書き込まれ、その後、表示部としてのディスプレイ506に出力される。
入出力機器インタフェース507は、キーボード508やマウス509、或いはタッチパッドなどの入出力デバイスから入力された信号を受信して、その信号パターンに応じて所定の指令をCPU501に提供する。キーボード508やマウス509は、プログラムの実行や設定などの操作を行う場合に必要となる。また、この入出力機器インタフェース507を介して、コードリーダー、スキャナー、プリンタなどを接続することができる。
外部記憶装置510も本明細書における記憶手段の範疇に含まれる。かかる外部記憶装置510は、たとえばハードディスクドライブ(HDD)のような記憶装置で構成することができる。この装置内には上述したプログラムやデータが記録され、実行時に、必要に応じてそこからメモリ502のRAMにロードされる。
外部記録媒体駆動装置511は、CD(Compact Disc)、MO(Magnet-Optical Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などの可搬型の外部記録媒体530の記録面にアクセスして、そこに記録されているデータを読み取る装置である。