JP7351299B2 - 符号化装置、符号化方法、復号装置、復号方法、プログラム - Google Patents
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Description
例えば、スマートフォン等のタッチパネル搭載モバイル端末においては、パネルのタッチ操作時にパネル(又は筐体)を振動させて指に触覚刺激を与えることで、ボタンのタッチ感を疑似的に作り出すことが行われている。
音楽リスニングにおいては、ヘッドフォン筐体に触覚提示デバイスを組み込み、音楽再生と並行して触覚刺激も与えることで、重低音を強調しているものもある。
コンピュータゲームやVR(仮想現実)の分野では、ユーザの操作に応じてコントローラ内に設置した触覚提示デバイスによってシーンに合わせてインタラクティブに触覚刺激を与えることで、ユーザの没入感を高めるものがある。
アミューズメント施設においては、映画館やテーマパーク等で場面に応じて座席内に設置した触覚提示デバイスによって触覚刺激を与えることで、来場者の臨場感を向上させているものがある。
さらに、医療の分野では、手術ロボットの操作時に、内視鏡の鉗子が臓器に触れた感触(硬さ)を操作者にフィードバックすることで、手術精度を向上させることが研究されている(例:手術支援ロボット ダヴィンチ<http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20150217/404460/?P=2>)
データロスが生じた場合には、受信側が送信側に対しデータの再送信要求を行うことになり、データの伝送遅延を招き、この伝送遅延に起因して触覚の再現性低下を招く虞がある。具体的には、触覚再生は、例えば音や映像等の他の感覚に係るコンテンツ(以下「感覚コンテンツ」と表記する)と同期再生されることが想定されるが、触覚信号について上記のような伝送遅延が生じた場合には、然るべきタイミングで触覚刺激を与えることができず、他の感覚コンテンツとの間での同期がとれずに触覚の再現性低下を招く虞がある。
また、本技術の第二の目的は、伝送路上でのデータロスに起因した触覚信号の伝送遅延を生じ難くすることで、伝送遅延に伴う触覚再現性の低下防止を図ることである。
また本技術によれば、第二に、伝送路上でのデータロスに起因した触覚信号の伝送遅延を生じ難くすることで、伝送遅延に伴う触覚再現性の低下防止を図ることができる。
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
<1.第一実施形態>
[1-1.触覚再現システムの概要]
[1-2.符号化装置の構成]
[1-3.復号装置の構成]
[1-4.第一実施形態としての触覚再現手法]
(符号化手法)
(符号化側の機能構成)
(復号手法)
(復号側の機能構成)
[1-5.第一実施形態のまとめ]
<2.第二実施形態>
[2-1.触覚再現システムの概要]
[2-2.送信装置の構成]
[2-3.受信装置の構成]
[2-4.第二実施形態としての触覚再現手法]
(送信側の機能構成)
(受信側の機能構成)
[2-5.第二実施形態のまとめ]
<3.本技術>
触覚刺激:例えば振動現象等、触覚を人に知覚させるための物理的現象。
触覚提示:触覚刺激を発生させること。
触覚信号:例えば振動波形を表す信号等、触覚刺激のパターンを表す信号。
受触者:触覚提示を受ける人。
触覚特性:人間の触覚に関する特性。部位(手、顔、足等)によって異なる。
触覚感度:触覚刺激を主観的にどの程度の強度と捉えるかの感度。人体における受容器や部位によって異なる。触覚感度が高いとは、触覚信号を知覚しやすいこと。
符号化データ:触覚信号を符号化したデータ。下位概念としてストリーム、フレームがある。
なお、ここで言う「触覚感度」は、触覚刺激の振幅に関するものと、触覚刺激の周波数に関するものの2種類があるとする。本明細書において、特に指定の無い限り、「触覚感度」は振幅と周波数の区別を伴わないものとする。
[1-1.触覚再現システムの概要]
図1は、本技術に係る第一実施形態としての符号化装置(同2)と復号装置(同3)を含んで構成される触覚再現システム1の構成例を示している。
触覚再現システム1は、複数の触覚センサ5が接続された符号化装置2と、符号化装置2との間で所定のネットワーク4を介して通信可能に構成された復号装置3と、復号装置3と接続された複数の触覚提示装置6とを備えている。
本例において、各触覚センサ5は符号化装置2に対して有線接続されており、各接触センサ5は対象物としての人体のそれぞれ異なる部位(又は振動している物体)に装着されて各部位に生じる触覚刺激をセンシングする。
本例では、各触覚提示装置6は、受触者の人体におけるそれぞれ異なる部位に装着され、それぞれ対応する触覚センサ5でセンシングされた触覚刺激を再現するようにされる。
また、図1に示す触覚再現システム1の構成によれば、触覚センサ5のセンシングにより得られた触覚信号をネットワーク4経由で復号装置3側に送信することで、触覚の再現を略リアルタイムに行うことが可能とされる。
図2は、符号化装置2の内部構成例を説明するための図である。なお図2では符号化装置2の内部構成例と共に図1に示した各触覚センサ5を併せて示している。
図示のように符号化装置2は、複数の増幅器21と複数のA/Dコンバータ22、及び前処理部23、符号化部24、制御部25、記憶部26、通信部27、バス28を備えている。
図示のように前処理部23、符号化部24、制御部25、記憶部26、及び通信部27はバス28を介して接続され、互いにデータ通信可能とされている。
A/D変換された各検出信号(つまり部位ごとの触覚信号)は、前処理部23に入力される。前処理部23においては、ノイズ除去や触覚センサ5のセンサ特性の校正などの各種デジタル信号処理が行われる。
前処理部23による信号処理を施された各触覚信号は、符号化部24に入力される。
例えば、制御部25は、通信部27を介して外部装置との間でのデータ通信を行う。
通信部27は、ネットワーク4を介した外部装置との間でのデータ通信を行うことが可能に構成されており、制御部25は、該通信部27を介して、ネットワーク4に接続された外部装置(特に本例では復号装置3)との間でデータ通信を行うことが可能とされている。特に、符号化部24により符号化された触覚信号を通信部27を介して復号装置3に送信させることが可能とされる。
図3は、復号装置3の内部構成例を説明するための図であり、復号装置3の内部構成例と共に図1に示した各触覚提示装置6を併せて示している。
復号装置3は、複数の増幅器31と複数のD/Aコンバータ32、及び後処理部33、復号部34、制御部35、記憶部36、通信部37、バス38を備えている。
後処理部33、復号部34、制御部35、記憶部36、及び通信部37はバス38を介して接続され、互いにデータ通信可能とされている。
例えば、制御部35は、通信部37を介して外部装置との間でのデータ通信を行う。
通信部37は、ネットワーク4を介した外部装置との間でのデータ通信を行うことが可能に構成されており、制御部35は、通信部37を介してネットワーク4に接続された外部装置(特に本例では符号化装置2)との間でデータ通信を行うことが可能とされている。
これにより、各触覚提示装置6が触覚信号に基づき駆動され、ユーザの各部位にそれぞれ対応する触覚刺激を発生させることが可能とされる。
(符号化手法)
以下、第一実施形態としての触覚再現手法について説明する。
第一実施形態としての触覚再現手法では、人間の触覚特性に着目した手法となる。
人間の触覚感度の目安として、図4に示す振動検出閾値曲線が報告されている。なお図4において、横軸は周波数、縦軸は触覚刺激の振幅(振動:ここでは変位の振幅)の大きさを表す。
図4に示す振動検出閾値曲線は、人間がその振動を触覚として感じるか感じないか、つまり触覚感度を実験によって調べた一例である。人間は、この曲線より小さい振動は触覚として知覚することができない。
マイスナー、パチニはそれぞれ「FA 1」、「FA 2」とも呼ばれ、FAは「Fast Adapting」の略称である。メルケル、ルフィニはそれぞれ「SA 1」、「SA 2」とも呼ばれ、SAは「Slow Adapting」の略称である。
メルケル(SA 1)は物体を押し付つけている間は継続して神経発火をしており、強度(変位、圧力)検出をしているとされる。マイスナー(FA 1)は物体の押し込み量が一定になるまでの区間、つまり速度検出をしているとされる。パチニ(FA 2)は押し込み量が変化する区間、つまり加速度検出を担っているとされる。
例えば、ビンのコルク栓を抜いた際の振動は、現実では数kHzといった高い周波数を含んでいる。これを数100Hzまでしか再現しなければ、現実とは全く異なる触覚しか得られない。
具体的に本例では、現実に発生した振動等の触覚刺激をセンシングして触覚信号を得、該触覚信号によって触覚提示を行うという手法を採る。
デジタル化されたデータ量は、単位時間当たりに必要なビット数、つまりビットレートで考えることができる。例えば、図4に示した振動検出閾値曲線において人間が感じることのできる領域は、少なくとも、縦軸(振動)が50dB(-20dB~30dB)以上、横軸が1000Hz程度である。本例では、実際に人間の感じる触覚信号の分布を考慮し、閾値曲線から+20dBの範囲の信号をセンシングすることとする。
具体的には、図7に示すように、振動の範囲が70dB(-20dB~50dB)であるとする。
B0=12bit/sample×2000sample/sec=24kbit/sec・・・[式1]
人体の部位ごとの受容器の種類・分布・感度は大きく異なっており、その特徴はいわゆる「体性感覚のホムンクルス」「感覚の小人」と言われるモデルによって表される(例えばhttp://web2.chubu-gu.ac.jp/web_labo/mikami/brain/32/index-32.html等を参照)。
これら「体性感覚のホムンクルス」「感覚の小人」の図は、人体の各部位の触覚を処理する脳の担当領域の大きさに応じて、各部位を定量的にデフォルメして示したものである。しかし、これは各部位の触覚受容器の種類・分布・感度の違いを直接的に示すものではない。また、人間の各部位ごとの触覚受容器の種類・分布・感度が完全に調べられ、解明されているわけでもない。
しかし、触覚を用いる繊細な作業は足でなく手を使ったり、腹や背では手のように物体のザラザラ感が分かり難かったりと、部位ごとに触覚感度が異なる点については人間の日常生活から定性的・定量的に実感することは十分に可能であることから、各部位が全く同じ触覚特性を持っているわけではないことは容易に想像できる。分かりやすい例と挙げると、特に指には指紋があり、これにより触覚の感度が高まっているとの報告・検証が多数為されている。背や腹には指紋がないことからも、触覚信号を単一の符号化方式で賄うことは難しいと考えられる。
但し、聴覚・視覚の場合と同様な人間の触覚特性を利用した触覚信号の効率的な符号化・伝送・復号に関する技術は、未だ確立されていないのが現状である。
具体例として、図8を示す。
図8の例は、物体の振動を人間の手や指先以外の、顔、腹、足等の各部位に触覚再生デバイスを装着し、振動を与えるものである。オーディオは基本的に両耳の2ch(チャネル)分の信号を再生するが、場合によっては5.1ch、7.1ch、それ以上のchのオーディオ信号を再生する場合がある。このとき、各chのオーディオ信号はどの方向・位置のスピーカから再生されるかを決めておかなければ、狙いどおりの再生をすることができない。
また、触覚信号はインターネット経由や無線で伝送されること等を想定すると、デジタル化されたデータとして考えることが当然である。この場合、デジタル化された触覚信号はフレームと呼ばれる一定の時間単位を持つデータとして取り扱う必要がある。
本例では、部位ごとの触覚信号(PCMデータ)は、それぞれ個別のフレームに格納する。フレームは、図示のようにフレームヘッダとしての領域と触覚信号の実データを格納する領域とを有する。フレームヘッダには、フレームについてのヘッダ情報として、少なくともどの部位の触覚信号であるかを表す情報を格納する。
上記のような符号化を行うことで、触覚信号の伝送や再生について高い利便性を得ることができる。
B(hand+foot)=12bit/sample×2000sample/sec×2=48kbit/sec・・・[式2]
S-foot=W×S-hand(W<1.0)・・・[式3]
なお、本来は手であっても各指や手の平で触覚感度は異なるが、ここでは説明の簡単化のために「手」「足」といった部位単位で考えている。
B(hand)=12bit/sample×2000sample/sec=24kbit/sec・・・[式4]
B(foot)=10bit/sample×2000sample/sec=20kbit/sec・・・[式5]
B(hand+foot)=44kbit/sec・・・[式6]
B(hand)=12bit/sample×2000sample/sec=24kbit/sec・・・[式7]
B(foot)=10bit/sample×1000sample/sec=10kbit/sec・・・[式8]
B(hand+foot)=34kbit/sec・・・[式9]
これにより、[式2]からビッレートを約30%低減することができる
本例では、手、顔、及び足への触覚刺激を与える場合を考える。
この場合、顔及び足についても手と同様のサンプリング周波数及び量子化ビット長を設定したとすると、総ビットレートB(hand+face+foot)は、
B(hand+face+foot)=72kbit/sec・・・[式10]
と表される。
S-face=W-face×S-hand(W=0.5)・・・[式11]
S-foot=W-foot×S-hand(W<0.25)・・・[式12]
つまり、手の触覚信号に必要とされる量子化ビット長を12bitとすると、顔の量子化ビット長は11bit、足の量子化ビット長は10bitとなる。
具体的に、例えば図9に示すように、手は1kHzまで(図9A参照)、顔は500Hzまで(図9B参照)、足は250Hzまで(図9C参照)の周波数帯域の振動のみを知覚できるものと仮定する。
B(hand)=12bit/sample×2000sample/sec=24kbit/sec・・・[式13]
B(face)=11bit/sample ×1000sample/sec=11kbit/sec・・・[式14]
B(foot)=10 bit/sample×500sample/sec=5kbit/sec ・・・[式15]
B(hand+face+foot)=40kbit/sec・・・[式16]
これにより、[式10]の場合と比較して総ビットレートを約45%低減することができる。
図示のように、部位ごとのフレームのヘッダには、それぞれその部位の触覚信号についての量子化ビット長とサンプリング周波数を示す値を格納する。これにより、部位ごとに触覚信号のデータフォーマットが異なっていても、復号装置3側においてフレームに格納される触覚信号についてのデータフォーマットを容易に特定することが可能とされる。
触覚信号と同様の一次元信号であるオーディオ信号の場合、その信号が複数のフレーム(またはチャネル)で構成されていたとしても、それら全てのフレーム(またはチャネル)は同じフォーマットであることが一般的であるため、量子化ビット長とサンプリング周波数はストリームのヘッダにのみ書けば良い。上記のように部位ごとに触覚信号のデータフォーマットを異ならせた場合はオーディオ信号のそれに比べると複雑にはなるが、全てのフレームを同じデータフォーマットとしなくてよいので、ビットレートの面では効率は高く、有利である。
具体例として、何らかの要因により一時的に伝送路でのビットレートが制限され、該制限されたビットレートに対し、各部位の触覚信号の総ビットレートが収まりきらなくなった場合を考える。
この場合には、制限されたビットレートに収まり切るように、特定の部位のサンプリング周波数や量子化ビット長を制限して、該部位のビット配分を少なくする。この際、制限を与える部位は、触覚感度が低い部位、すなわちこれまでの例では顔や足とすることが触覚の再現性低下を抑制する上で望ましい。
判定の結果、触覚信号の振幅値が知覚可能な振幅値に達していないとされた部位については、ビット配分を少なくする。具体的には、ビット配分をゼロとする。
例えば、知覚可能な振幅値に達していないとされた部位が顔と足のみであった場合、
B(hand)=12bit/sample×2000sample/sec=24kbit/sec・・・[式17]
B(face)=0kbit/sec・・・[式18]
B(foot)=0kbit/sec ・・・[式19]
B(hand+face+foot)=24kbit/sec・・・[式20]
によるビット配分とする。
或いは逆に、知覚可能な振幅値に達していないとされた部位が手のみであった場合には、以下のようなビット配分とする。
B(hand)=0kbit/sec・・・[式21]
B(face)=11bit/sample ×2000sample/sec=22kbit/sec・・・[式22]
B(foot)=10 bit/sample×2000sample/sec20kbit/sec ・・・[式23]
B(hand+face+foot)=42kbit/sec・・・[式24]
なお、[式22][式23]について、顔、足のサンプリング周波数は手についてのサンプリング周波数と同じとしたが、これよりも低いサンプリング周波数とすることも可能である([式14][式15]参照)。
図11は、上記した符号化手法を実現するための符号化装置2の機能構成を示した機能ブロック図である。
図示のように符号化装置2は、取得部F21と符号化部F22としての機能を有する。また、符号化部F22は、フォーマット変換部F23としての機能を有する。
取得部F21は、人体の部位ごとの触覚信号を取得する。この取得部F21は、本例では増幅器21やA/Dコンバータ22が該当する。
本例の符号化部F22は、フォーマット変換部F23により、触覚感度に応じて部位へのビット配分を変えるように符号化を行う。具体的には、触覚感度が低い部位へのビット配分を少なくするように符号化を行う。すなわち、例えば[式7][式8]や[式13][式14][式15]のように、触覚感度が低い部位の触覚信号の量子化ビット長を短く、またサンプリング周波数を低くする。
或いは、例えば触覚信号の振幅値が知覚可能な振幅値に達していない部位がある場合、該部位の触覚信号については、[式17][式18][式19]や[式21][式22][式23]のようにビット配分をゼロとする。
部位により触覚信号の量子化ビット長やサンプリング周波数を異ならせるにあたっては、例えば、各A/Dコンバータ22として量子化ビット長やサンプリング周波数が同一とされたものを用い、符号化部24がA/D変換後の各触覚信号のうち、変換が必要とされる部位の触覚信号について、量子化ビット長やサンプリング周波数の変換処理を行う。
本実施形態の復号装置3は、符号化装置2による符号化で得られた触覚信号、すなわち、人体の異なる部位間で異なるデータフォーマットとされた触覚信号について、部位ごとのデータフォーマットに従った再生を行う。
例えばサンプリング周波数を2kHzから8kHzとするオーバーサンプリング処理を単純なゼロ値補間で行った場合、信号帯域で言うと1kHz~4kHzにエイリアシングが発生することになるが、前述のとおり、この周波数帯域は触覚感度がとても低い領域であるため、LPFを省略しても問題がない。また、このエイリアスを触覚提示装置6自体が再生できないとすれば、やはりLPFを省略できる。このイメージを図14に示す。
図15は、復号装置3の機能構成を示した機能ブロック図である。
図示のように復号装置3は、取得部F31と復号部F32としての機能を有する。また、復号部F32は、フォーマット変換部F33としての機能を有する。
或いは、例えば触覚信号の振幅値が知覚可能な振幅値に達していないことに応じ、[式17][式18][式19]や[式21][式22][式23]のように一部の部位についてビット配分がゼロとされた場合における、ビット配分が非ゼロとされた部位の触覚信号を取得する。
本例の復号部F32は、フォーマット変換部F33により、部位ごとの触覚信号のうち少なくとも何れかの触覚信号について量子化ビット長、サンプリング周波数の少なくとも何れかを変換する。なお、D/Aコンバータ32の仕様との関係で、サンプリング周波数のみを変換すべき場合は量子化ビット長の変換は不要であり、逆に量子化ビット長のみを変換すべき場合はサンプリング周波数の変換は不要である。
フォーマット変換部F33としての機能は、復号部34により実現される。
フォーマット変換部F33は、各部位の触覚信号について、フレームヘッダに格納される量子化ビット長やサンプリング周波数の情報に基づき、フォーマット変換の処理内容、具体的にはオーバーサンプリング処理等の処理内容を変化させる。
これにより、触覚信号の量子化ビット長やサンプリング周波数が経時的に変化する場合であっても、触覚信号のD/A変換が適正に行われるようにすることができる。
上記の記憶媒体としては、例えば光ディスクやメモリカード等のリムーバブルメディアとされてもよく、その場合、例えばパーソナルコンピュータ等とされた復号装置3が該リムーバブルメディアに記憶された触覚信号のデータファイルを読み出して再生する構成とすること等が考えられる。
また、別の例としては、クラウドのストレージサーバに保存された触覚信号のデータファイルを、クライアント端末としての復号装置3がネットワーク4を介して取得し再生することも考えられる。
上記のように第一実施形態としての符号化装置(同2)は、人体の異なる部位間で異なるデータフォーマットにより触覚信号を符号化する符号化部(同F22)を備えたものである。
従って、触覚の再現性を担保しつつ触覚信号のデータ量削減を図ることができ、触覚再生に係るシステムの効率化を図ることができる。
従って、触覚の再現性を担保しつつ触覚信号のデータ量削減を図ることができ、触覚再生に係るシステムの効率化を図ることができる。
従って、触覚の再現性を担保しつつ触覚信号のデータ量削減を図ることができ、触覚再生に係るシステムの効率化を図ることができる。
従って、触覚の再現性を担保しつつ触覚信号のデータ量削減を図ることができ、触覚再生に係るシステムの効率化を図ることができる。
従って、触覚の再現性を担保しつつ触覚信号のデータ量削減を図ることができ、触覚再生に係るシステムの効率化を図ることができる。
従って、部位ごとの触覚特性の違いを考慮した触覚信号のデータ量削減が行われるため、触覚の再現性を担保しつつ触覚信号のデータ量削減を図ることができ、触覚再生に係るシステムの効率化を図ることができる。
従って、触覚の再現性を担保しつつ触覚信号のデータ量削減を図ることができ、触覚再生に係るシステムの効率化を図ることができる。
従って、触覚の再現性を担保しつつ触覚信号のデータ量削減を図ることができ、触覚再生に係るシステムの効率化を図ることができる。
従って、触覚の再現性を担保しつつ触覚信号のデータ量削減を図ることができ、触覚再生に係るシステムの効率化を図ることができる。
従って、触覚の再現性を担保しつつ触覚信号のデータ量削減を図ることができ、触覚再生に係るシステムの効率化を図ることができる。
従って、触覚の再現性を担保しつつ触覚信号のデータ量削減を図ることができ、触覚再生に係るシステムの効率化を図ることができる。
従って、復号装置の構成の簡易化、及びコスト削減を図ることができる。
従って、部位ごとの触覚特性の違いを考慮した触覚信号のデータ量削減が行われるため、触覚の再現性を担保しつつ触覚信号のデータ量削減を図ることができ、触覚再生に係るシステムの効率化を図ることができる。
[2-1.触覚再現システムの概要]
続いて、第二実施形態について説明する。
第二実施形態は、触覚信号の伝送遅延について対策するものである。
図16は、第二実施形態としての触覚再現システム1Aの構成例を示している。
なお以下の説明において、既に説明済みとなった部分と同様となる部分については同一符号を付して説明を省略する。
触覚再現システム1Aにおいては、受触者に装着される各触覚提示装置6を送信装置3Aに対して有線接続せず、送信装置3Aから触覚提示装置6への触覚信号の伝送を無線通信を介して行うものとされる。受信装置40は、送信装置3Aが無線通信により送信する触覚信号を受信して触覚提示装置6に伝送する装置として機能する。本例では、各触覚提示装置6が受信装置40に対して有線接続されており、図中の破線により囲った部分、すなわち受信装置40と各触覚提示装置6とが、受触者に対して装着される部分とされる。
上記のような触覚再現システム1Aの構成により、復号装置3よりもサイズの小さな受信装置40を配置することが可能とされ、上記のような煩わしさを受触者に与えてしまうことの防止を図ることができる。
図17は、送信装置3Aの内部構成例を示した図である。
図3に示した復号装置3との差異点は、増幅器31、D/Aコンバータ32、後処理部33、及び復号部34が設けられていない点と、送信データ生成部51及び無線通信部52が設けられた点と、制御部35に代えて制御部35Aが設けられた点である。
図示のように送信データ生成部51、無線通信部52、制御部35A、記憶部36、及び通信部37はバス38を介して接続され、互いにデータ通信可能とされている。
なお、本例の送信データ生成部51が行う処理については改めて説明する。
これにより、各部位の触覚信号を無線通信部52を介して外部装置に送出することが可能とされる。
図18は、受信装置40の内部構成例を説明するための図であり、受信装置40の内部構成例と共に各触覚提示装置6を併せて示している。
図示のように受信装置40は、増幅器31、D/Aコンバータ32、後処理部33、及び復号部34Aを備えると共に、制御部41、記憶部42、無線通信部43、及びバス44を備えている。後処理部33、復号部34A、制御部41、記憶部42、及び無線通信部43はバス44を介して接続され、互いにデータ通信可能とされている。
記憶部42は、例えば記憶部26や記憶部36等と同様の記憶デバイスとされ、制御部40等が用いる各種データの記憶に用いられる。
ここで、有線・無線を問わず何らかの区間においてデータ伝送を行うと、データのロスが発生することがある。データのロスをチェックし、ロスがあった際にはデータを再送して補償することは可能ではあるが、その分余分なデータ伝送が発生するため、実効的なビットレートの増加や、伝送の遅延が発生する。
例えば、野球のバットを振った映像があり、バットにボールが当たった瞬間、受触者に対し触覚刺激を与えたい場合、ストリームバッファの容量が大きかったり、パケットロスの発生により再送が繰り返されたりすると、視覚と触覚が明らかにずれてしまい、受触者に大きな違和感を与える虞がある。
そこで、第二実施形態では、ストリームの先頭側から触覚感度が高い部位の順でフレームを詰めていく。
図19では、手、顔、足の順で触覚感度が高いとした場合における部位ごとのフレームの並び順の例を示している。
この場合、ストリームにおいては、手、顔、足の順で先頭側から各部位のフレーム(触覚信号)を配置する。
これに対し、第二実施形態においては、パケットに含まれるストリームの一部である触覚感度の高いフレームだけでも受信が成功すればACKを返すこととする。そのために、ストリームヘッダには、いくらのサイズを受信成功したらACKを返して良いかのパラメータを記録する(図19中、「Ack Allow Size」参照)。受信側ではこのパラメータにより指定された部分の受信成功を確認したら送信側にACKを返す。
上述のような見掛け上短いパケットを使って伝送していることと等価な効果を得るにあたっては、優先順位が最も低い部位を除き、少なくとも優先順位が最も高い部位の触覚信号を受信したことを条件としてACKを返すものとすればよい。
そこで、図20に例示すように、触覚感度の高いフレーム(優先順位が高いフレーム)をストリームにおける複数箇所に配置して冗長性を持たせて伝送する。
図20では、一つのストリームにフレームID=0~3の四つのフレームが配置される場合において、先頭のID=0のフレームに手、先頭から2番目のID=1のフレームに顔、先頭から3番目のID=2のフレームに足、先頭から4番目のID=3のフレームに再び手のフレームをそれぞれ配置した際に対応して、ストリームヘッダにID=0及び3を指定するID指定情報を格納した例を示している。
また、上記では触覚信号の冗長性を持たせる部位を、優先順位が最も高い部位に限る例を挙げたが、優先順位が上位n位(nは2以上の自然数且つストリーム内の総部位数未満)までの部位について触覚信号の冗長性を持たせることもできる。
図21は、送信装置3Aの機能構成を示した機能ブロック図である。
図示のように送信装置3Aは、符号化部F34と送信部F35としての機能を有する。
符号化部F34は、人体の部位ごとの触覚信号を部位ごとの優先順位に応じて並べる符号化を行って符号化データを生成する。この符号化部F34の機能は、送信データ生成部51により実現される。
ここで、符号化部F34は、触覚信号を、優先順位の高い部位から順番に並べる。具体的に、この機能について送信データ生成部51は、先の図19に例示したように触覚感度が高い部位から順に先頭側からフレームを並べたストリーム構造をもつ符号化データを生成する。このとき、送信データ生成部51は、ストリームヘッダに対して図19中に示した「Ack Allow Size」に相当するパラメータを格納する。
図22は、受信装置40の機能構成を示した機能ブロック図である。
図示のように受信装置40は、受信部F41と復号部F42としての機能を有する。
受信部F41は、人体の部位ごとの触覚信号を部位ごとの優先順位に応じて並べる符号化によって符号化データを生成する送信装置より、符号化データを受信する。つまり本例では、送信装置3Aの送信データ生成部51が生成した符号化データを受信する。この受信部F41は、本例では無線通信部43が該当する。
具体的に、復号部F42は、触覚信号が優先順位の高い部位から順番に並べて送信される場合に対応して、次の処理を行う。すなわち、優先順位が最も低い部位を除き、少なくとも優先順位の最も高い部位の触覚信号が受信されたことを条件として送信装置に肯定応答を行う。
この復号部F42の機能として、復号部34Aは、送信データ生成部51が生成し無線通信部43で受信される符号化データについて、該符号化データのストリームヘッダに格納された上述のパラメータを参照し、該パラメータから特定されるフレームが受信された(受信が成功した)か否かを判定し、受信されたと判定したことに応じて送信装置3A側にACKを返す。
復号部34Aはこのような処理をストリームごとに繰り返し行う。
この復号部F42の機能として、復号部34Aは、送信データ生成部51が生成し無線通信部43で受信され符号化データについて、該符号化データのストリームヘッダに格納された上述のID指定情報を参照し、該ID指定情報が示す複数のフレームのうち少なくとも一つのフレームが受信された(受信が成功した)か否かを判定し、受信されたと判定したことに応じて送信装置3A側にACKを返す。
復号部34Aはこのような処理をストリームごとに繰り返し行う。
上記のように第二実施形態としての伝送システムは、人体の部位ごとの触覚信号を部位ごとの優先順位に応じて並べる符号化を行って符号化データを生成する符号化部(同F34、送信データ生成部51)と、符号化データを送信する送信部(同F35)とを有する送信装置(同3A)と、送信部により送信された符号化データを受信する受信部(同F41、無線通信部43)と、受信部が受信した符号化データについて、優先順位に従った復号を行う復号部(同F42、34A)とを有する受信装置(同40)と、を備えている。
従って、伝送路上でのデータロスに起因した触覚信号の伝送遅延を生じ難くすることができ、伝送遅延に伴う触覚再現性の低下防止を図ることができる。
従って、伝送路上でのデータロスに起因した触覚信号の伝送遅延を生じ難くすることができ、伝送遅延に伴う触覚再現性の低下防止を図ることができる。
従って、各部位の触覚特性に応じた適切な触覚再生を行うことができる。
従って、優先順位の高い部位について触覚信号のデータロスの発生率低減を図ることができ、触覚再現性の低下防止を図ることができる。
従って、触覚再現性の低下防止を図ることができる。
従って、触覚再現性の低下防止を図ることができる。
従って、触覚再現性の低下防止を図ることができる。
従って、触覚再現性の低下防止を図ることができる。
なお本技術は以下のような構成も採ることができる。
(1)
人体の異なる部位間で異なるデータフォーマットにより符号化された触覚信号を復号する復号部を備える
復号装置。
(2)
前記復号部は、
人体の触覚特性が異なる部位間で異なるデータフォーマットとされた触覚信号を復号する
前記(1)に記載の復号装置。
(3)
前記復号部は、
触覚感度に応じて前記部位へのビット配分を変えるように前記部位ごとのデータフォーマットが定められた触覚信号を復号する
前記(1)又は(2)に記載の復号装置。
(4)
前記復号部は、
異なる前記部位間で量子化ビット長が異なる触覚信号を復号する
前記(3)に記載の復号装置。
(5)
前記復号部は、
異なる前記部位間でサンプリング周波数が異なる触覚信号を復号する
前記(3)又は(4)に記載の復号装置。
(6)
前記復号部は、
異なる前記部位間で量子化ビット長、サンプリング周波数の少なくとも何れかが異なる触覚信号を入力し、前記部位ごとの触覚信号のうち少なくとも何れかの触覚信号について量子化ビット長、サンプリング周波数の少なくとも何れかを変換するフォーマット変換部を有する
前記(1)乃至(5)の何れかに記載の復号装置。
(7)
前記復号部は、
前記部位の別を表すインデックス情報が付された前記触覚信号を入力し、前記インデックス情報に基づいて前記部位ごとの前記触覚信号の復号を行う
前記(1)乃至(6)の何れかに記載の復号装置。
(8)
人体の部位ごとの触覚信号を前記部位ごとの優先順位に応じて並べる符号化によって符号化データを生成する送信装置より、前記符号化データを受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記符号化データについて、前記優先順位に従った復号を行う復号部と、を備える
受信装置。
(9)
前記部位ごとの触覚信号は、人体の触覚特性が異なる部位ごとの触覚信号である
前記(8)に記載の受信装置。
(10)
前記送信装置は、前記触覚信号を、前記優先順位の高い前記部位から順番に並べて送信し、
前記復号部は、前記優先順位が最も低い部位を除き、少なくとも前記優先順位の最も高い前記部位の触覚信号が受信されたことを条件として前記送信装置に肯定応答を行う
前記(8)又は(9)に記載の受信装置。
(11)
前記優先順位は、触覚感度の高さについての優先順位である
前記(10)に記載の受信装置。
(12)
前記送信装置は、前記優先順位の高い前記部位について、冗長性を与えて触覚信号を送信し、
前記復号部は、
前記冗長性が与えられた前記部位の触覚信号について、少なくとも一つの触覚信号が受信されたことに応じて前記送信装置に肯定応答を行う
前記(8)乃至(11)の何れかに記載の受信装置。
Claims (10)
- 人体における第一の部位の触覚信号と前記第一の部位よりも触覚感度の低い第二の部位の触覚信号とを対象とした符号化として、前記第二の部位の触覚信号のビット配分を前記第一の部位の触覚信号のビット配分よりも少なくする符号化を行う符号化部を備えた
符号化装置。 - 人体における第一の部位の触覚信号と前記第一の部位よりも触覚感度の低い第二の部位の触覚信号とを対象とした符号化として、前記第二の部位の触覚信号のビット配分を前記第一の部位の触覚信号のビット配分よりも少なくする符号化を行う
符号化方法。 - 人体における第一の部位の触覚信号と前記第一の部位よりも触覚感度の低い第二の部位の触覚信号とを対象とした符号化として、前記第二の部位の触覚信号のビット配分を前記第一の部位の触覚信号のビット配分よりも少なくする符号化を行う符号化機能を情報処理装置に実現させる
プログラム。 - 人体における第一の部位の触覚信号と前記第一の部位よりも触覚感度の低い第二の部位の触覚信号とを対象とした符号化として、前記第二の部位の触覚信号のビット配分を前記第一の部位の触覚信号のビット配分よりも少なくする符号化を行う符号化部によって符号化された前記第一の部位及び前記第二の部位の触覚信号を復号する復号部を備える
復号装置。 - 前記復号部は、
前記第一の部位と前記第二の部位間で量子化ビット長が異なる触覚信号を復号する
請求項4に記載の復号装置。 - 前記復号部は、
前記第一の部位と前記第二の部位間でサンプリング周波数が異なる触覚信号を復号する
請求項4に記載の復号装置。 - 前記復号部は、
前記第一の部位と前記第二の部位間で量子化ビット長、サンプリング周波数の少なくとも何れかが異なる触覚信号を入力し、前記第一の部位及び前記第二の部位の触覚信号のうち少なくとも何れかの触覚信号について量子化ビット長、サンプリング周波数の少なくとも何れかを変換するフォーマット変換部を有する
請求項4に記載の復号装置。 - 前記復号部は、
前記部位の別を表すインデックス情報が付された前記触覚信号を入力し、前記インデックス情報に基づいて前記部位ごとの前記触覚信号の復号を行う
請求項4に記載の復号装置。 - 人体における第一の部位の触覚信号と前記第一の部位よりも触覚感度の低い第二の部位の触覚信号とを対象とした符号化として、前記第二の部位の触覚信号のビット配分を前記第一の部位の触覚信号のビット配分よりも少なくする符号化を行う符号化部によって符号化された前記第一の部位及び前記第二の部位の触覚信号を復号する
復号方法。 - 人体における第一の部位の触覚信号と前記第一の部位よりも触覚感度の低い第二の部位の触覚信号とを対象とした符号化として、前記第二の部位の触覚信号のビット配分を前記第一の部位の触覚信号のビット配分よりも少なくする符号化を行う符号化部によって符号化された前記第一の部位及び前記第二の部位の触覚信号を復号する復号機能を情報処理装置に実現させる
プログラム。
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