JP7351218B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置に関する。
従来、螺旋状の分子配列を形成するコレステリック(カイラルネマチック)液晶組成物がある。コレステリック液晶組成物を用いた液晶表示装置は、入射光を反射するプレーナ状態と、入射光を透過するフォーカルコニック状態の二つの状態が、無電界下で安定して保持される双安定性を有する。このため、特に、低消費電力を要求される電子書籍、電子値札、プレゼンテーションパネルなどに好ましく用いられている。
コレステリック液晶組成物を用いた液晶表示装置がプレーナ状態であるとき、コレステリック液晶組成物の螺旋軸は、コレステリック液晶組成物を挟持する基板に垂直な状態となっている。そして、液晶表示装置に入射した入射光のうち、コレステリック液晶組成物の螺旋ねじれ方向と一致する円偏光成分であって、波長が螺旋の周期と同じ光のみが反射(選択反射)される。
選択反射される波長(λ)は、コレステリック液晶組成物の平均屈折率(n)と、コレステリック液晶組成物の螺旋の周期である液晶ピッチ長(P)との積によって決定される。したがって、選択反射される波長(λ)は、液晶ピッチ長(P)に依存して変化する。液晶ピッチ長(P)は、コレステリック液晶組成物中のカイラルドーパントの種類および濃度を変化させることによって調整できる。したがって、コレステリック液晶組成物中のカイラルドーパントの種類および濃度を変化させることにより、選択反射波長を調整できる。
液晶表示装置に用いられる液晶組成物としては、例えば、特許文献1~特許文献5に記載のものがある。
特許第4245173号公報 特許第4637908号公報 特開2018-95668号公報 特開2010-275463号公報 特開2019-123822号公報
上記のような液晶組成物を用いて、例えば、RGBそれぞれに相当する選択反射波長に調整されたコレステリック液晶組成物を調整し、これを3層の別々の液晶パネルに注入して積層することで、カラー表示等が可能な液晶表示装置を得ることができる。しかし、RGBの3層を重ねた液晶表示装置において、RGB各セルのギャップの大きさ(コレステリック液晶層の厚み)や、RGBの重ねる順番に因っては、入射光の反射率が低くなり、また、白以外の他の色味が付いた白が表示されてしまい、その結果白の表示品位が低下する原因となる。
また、コレステリック液晶組成物を用いた液晶表示装置の選択反射波長には、温度依存性がある。これはコレステリック液晶組成物の螺旋の巻きの強さ(螺旋の周期(キラルピッチ長))が、温度によって変化するためである。したがって、コレステリック液晶組成物を用いた従来の液晶表示装置では、使用環境の温度が変化すると、選択反射波長が変化して、表示される色味が変化し、その結果白の表示品位が低下してしまうという不都合がある。
加えて、コレステリック液晶組成物にピッチを付与するためのキラル化合物などの光学活性化合物は、ホスト液晶組成物の物性値への悪影響を低減するため、可能な限り少量添加で可視光波長相当の短ピッチが得られることが求められる。そのため、極めて強ねじれ(強HTP)を有するキラル化合物が選択される。一方、コレステリック液晶組成物のピッチ長は上記のように温度依存性を有しているため、キラル化合物の構造を適切に選択しないと、選択反射波長の変化に因って、色味の変化や白の表示品位の低下が顕著に表れる。
更に、キラル化合物の構造の選択に因っては、ホスト液晶組成物の物性、例えば広い動作温度範囲(液晶層の低融点)、広い選択反射帯域(高い屈折率異方性Δn)、低い駆動電圧(高い誘電率異方性Δε)が損なわれ、表示性能が大幅に低下するという問題がある。
すなわち、低い駆動電圧、広い選択反射帯域、広い動作温度範囲といった従来の表示性能を維持しつつ、温度変化に対する色味変化の少ないコレステリック液晶層及びそれを実現可能なコレステリック液晶組成物が求められ、更には、RGBの3層を積層した場合、色味のない白の表示、及び温度が変化しても色味の変化が小さい液晶表示装置が求められている。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、コレステリック液晶組成物を用いた液晶表示装置であって、入射光の反射率が高く、且つ白の表示品位が高く、更には、環境温度が異なることによる色味の差が小さい液晶表示装置を提供することを目的とする。
[1]互いに積層された第1コレステリック液晶層、第2コレステリック液晶層及び第3コレステリック液晶層を備え、
前記第1コレステリック液晶層は、選択反射波長の温度依存性がゼロになるように選択された二種以上の光学活性化合物を含有する第1コレステリック液晶組成物を含み、且つ赤色の光を選択的に反射し、
前記第2コレステリック液晶層は、選択反射波長の温度依存性がゼロになるように選択された二種以上の光学活性化合物を含有する第2コレステリック液晶組成物を含み、且つ緑色の光を選択的に反射し、
前記第3コレステリック液晶層は、選択反射波長の温度依存性がゼロになるように選択された二種以上の光学活性化合物を含有する第3コレステリック液晶組成物を含み、且つ青色の光を選択的に反射し、
前記第1コレステリック液晶層、前記第2コレステリック液晶層及び前記第3コレステリック液晶層の合計の厚みを100%としたとき、表示面から最も遠い層の厚みの割合が28~48%であり、中間の層の厚みの割合が23~39%であり、表示面側の層の厚みの割合が23~39%である、液晶表示装置。
[2]前記第1コレステリック液晶層、前記第2コレステリック液晶層及び前記第3コレステリック液晶層のうち、表示面から最も遠い層の厚みが中間の層の厚みよりも大きく、且つ、中間の層の厚みが表示面側の層の厚みよりも大きい、上記[1]に記載の液晶表示装置。
[3]前記第1コレステリック液晶層、前記第2コレステリック液晶層及び前記第3コレステリック液晶層のうち、中間の層の厚みが、表示面から最も遠い層の厚み及び表示面側の層の厚みのいずれよりも小さい、上記[1]に記載の液晶表示装置。
[4]前記第1コレステリック液晶層が表示面から最も遠い層であり、前記第2コレステリック液晶層が中間の層であり、前記第3コレステリック液晶層が表示面側の層である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の液晶表示装置。
[5]前記第1コレステリック液晶層、前記第2コレステリック液晶層及び前記第3コレステリック液晶層のうち、表示面から最も遠い層を構成するコレステリック液晶組成物の螺旋ねじれ方向が、表示面側の層を構成するコレステリック液晶組成物の螺旋ねじれ方向と同じであり、且つ中間の層を構成するコレステリック液晶組成物の螺旋ねじれ方向とは逆である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の液晶表示装置。
[6]前記第1コレステリック液晶組成物、前記第2コレステリック液晶組成物及び第3コレステリック液晶組成物に含有される前記光学活性化合物のうちの少なくとも1つが、ビナフチルキラル化合物である、上記[1]~[5]のいずれかに記載の液晶表示装置。
[7]前記第1コレステリック液晶組成物、前記第2コレステリック液晶組成物及び第3コレステリック液晶組成物のうちの少なくとも1つが、誘電的に正の液晶化合物を含有する、上記[1]~[6]のいずれかに記載の液晶表示装置。
[8]前記第1コレステリック液晶組成物、前記第2コレステリック液晶組成物及び第3コレステリック液晶組成物のうちの少なくとも1つが、誘電的に中性の液晶化合物を含有する、上記[1]~[7]のいずれかに記載の液晶表示装置。
[9]前記第1コレステリック液晶層、前記第2コレステリック液晶層及び第3コレステリック液晶層はそれぞれ、対向する二枚の透明基板間に前記第1コレステリック液晶組成物、前記第2コレステリック液晶組成物、前記第3コレステリック液晶組成物が挟持されてなり、
前記第1,第2,第3コレステリック液晶層のうちの隣接する2つのコレステリック液晶層の一方を構成する透明基板と、上記2つのコレステリック液晶層の他方を構成する透明基板とに接して透明接着層が設けられ、
前記透明接着層と、前記透明接着層に接している透明基板との25℃での屈折率の差が0.12以下である、上記[1]に記載の液晶表示装置。
[10]前記第1コレステリック液晶層、前記第2コレステリック液晶層及び第3コレステリック液晶層はそれぞれ、対向する二枚の透明基板間に前記第1コレステリック液晶組成物、前記第2コレステリック液晶組成物、前記第3コレステリック液晶組成物が挟持されてなり、
前記第1,第2,第3コレステリック液晶層のうちの隣接する2つのコレステリック液晶層の一方を構成する一の透明基板と、隣接する上記2つのコレステリック液晶層の他方を構成する一の透明基板とが接している、上記[1]に記載の液晶表示装置。
[11]前記第1コレステリック液晶層、前記第2コレステリック液晶層及び第3コレステリック液晶層はそれぞれ、対向する二枚の透明基板間に前記第1コレステリック液晶組成物、前記第2コレステリック液晶組成物、前記第3コレステリック液晶組成物が挟持されてなり、
前記第1,第2,第3コレステリック液晶層のうちの隣接する2つのコレステリック液晶層の一方を構成する一の透明基板が、隣接する上記2つのコレステリック液晶層の他方を構成する一の透明基板を兼ねている、上記[1]に記載の液晶表示装置。
[12]前記第1コレステリック液晶層、前記第2コレステリック液晶層及び第3コレステリック液晶層はそれぞれ、前記第1コレステリック液晶組成物、前記第2コレステリック液晶組成物、前記第3コレステリック液晶組成物と接する側の面に画素電極が設けられた透明基板からなる画素電極基板と、前記第1コレステリック液晶組成物、前記第2コレステリック液晶組成物、前記第3コレステリック液晶組成物と接する側の面に共通電極が設けられた透明基板からなる共通電極基板との間に前記コレステリック液晶組成物が挟持されてなり、
前記第1,第2,第3コレステリック液晶層を構成する3つの画素電極のうちの隣接する2つの画素電極が、平面視で第1方向の位置ずれdxと、前記第1方向と直交する第2方向の位置ずれdyとの合計(dx+dy)が60μm以下であるように配置される、上記[9]~[11]のいずれかに記載の液晶表示装置。
本発明の液晶表示装置によれば、第1コレステリック液晶層、第2コレステリック液晶層及び第3液晶層のそれぞれが、選択反射波長の温度依存性がゼロになるように選択された二種以上の光学活性化合物を含有する第1コレステリック液晶組成物を有する。また、第1コレステリック液晶層が赤色の光を選択的に反射し、第2コレステリック液晶層が緑色の光を選択的に反射し、第3コレステリック液晶が、青色の光を選択的に反射する。更に、第1コレステリック液晶層、前記第2コレステリック液晶層及び前記第3コレステリック液晶層の合計の厚みを100%としたとき、表示面から最も遠い層の厚みの割合が28~48%であり、中間の層の厚みの割合が23~39%であり、表示面側の層の厚みの割合が23~39%である。このため、入射光の反射率が高く、白の表示品位が高い液晶表示装置を提供することができる。また、環境温度が異なることによる色味の差が小さく、環境温度の違いに因る白の表示品位の低下を防止することができる。
また、本発明の液晶表示装置によれば、赤色の光を選択的に反射する第1コレステリック液晶層が表示面から最も遠い層であり、緑色の光を選択的に反射する第2コレステリック液晶層が中間の層であり、青色の光を選択的に反射する第3コレステリック液晶層が表示面側の層である。よって、入射光に対する各選択反射波長の光の反射率をより高めることができ、且つ白の表示品位をより高くすることができる。
また、本発明の液晶表示装置によれば、表示面から最も遠い層を構成するコレステリック液晶組成物の螺旋ねじれ方向が、表示面側の層を構成するコレステリック液晶組成物の螺旋ねじれ方向と同じであり、且つ中間の層を構成するコレステリック液晶組成物の螺旋ねじれ方向とは逆である。このため、液晶表示装置に入射した入射光の特定可視光のうち、表示面側の層を構成するコレステリック液晶組成物の螺旋ねじれ方向と一致する円偏光成分は、当該表示面側の層によって反射される。また、入射光の他の特定可視光のうち、中間の層を構成するコレステリック液晶組成物の螺旋ねじれ方向と一致する円偏光成分は、当該中間の層によって反射され、表示面側の層を透過して、表示面から出射する。更に、入射光の更に他の特定可視光のうち、表示面から最も遠い層を構成するコレステリック液晶組成物の螺旋ねじれ方向と一致する円偏光成分は、当該表示面から最も遠い層によって反射され、中間の層及び表示面側の層を透過して、表示面から出射する。その結果、例えば、第1コレステリック液晶層、第2コレステリック液晶層及び第3コレステリック液晶層のうちの隣接する2つのコレステリック液晶層を構成するコレステリック液晶組成物の螺旋ねじれ方向が同じ場合と比較して、入射光に対する各選択反射波長の光の反射率を高めることができる。
図1は、第1実施形態の液晶表示装置の要部を説明するための断面模式図である。 図2(a)は、図1に示した液晶表示装置の画素電極のみを拡大して示した平面図であり、図2(b)は、図2(a)の画素電極の配置の変形例である。 図3は、第2実施形態の液晶表示装置の要部を説明するための断面模式図である。 図4は、第3実施形態の液晶表示装置の要部を説明するための断面模式図である。
以下、本発明の液晶表示装置について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合がある。このため、各構成要素の寸法比率などは、実際とは異なっている場合がある。
<第1実施形態>
[液晶表示装置]
図1は、第1実施形態の液晶表示装置の要部を説明するための断面模式図である。
液晶表示装置10は、図1に示すように、互いに積層された第1コレステリック液晶層1、第2コレステリック液晶層2及び第3コレステリック液晶層3を備える。第1コレステリック液晶層1は、選択反射波長の温度依存性がゼロになるように選択された二種以上の光学活性化合物を含有する第1コレステリック液晶組成物を含み、且つ赤色の光を選択的に反射する。第2コレステリック液晶層2は、選択反射波長の温度依存性がゼロになるように選択された二種以上の光学活性化合物を含有する第2コレステリック液晶組成物を含み、且つ緑色の光を選択的に反射する。第3コレステリック液晶層3は、選択反射波長の温度依存性がゼロになるように選択された二種以上の光学活性化合物を含有する第3コレステリック液晶組成物を含み、且つ青色の光を選択的に反射する。
本実施形態では、第1コレステリック液晶層1が表示面から最も遠い層であり、第2コレステリック液晶層2が中間の層であり、第3コレステリック液晶層3が表示面側の層である(表示面側から、B/G/R)。
但し、第1コレステリック液晶層1、第2コレステリック液晶層2及び第3コレステリック液晶層3の積層順は、これに限らず、第1コレステリック液晶層1、第2コレステリック液晶層2及び第3コレステリック液晶層3が、表示面側を基準とした6通りの積層順(表示面側から、B/G/R、B/R/G、G/B/R、G/R/B、R/B/G、R/G/B)のうちのいずれかで積層されてもよい。
第1コレステリック液晶層1は、対向する二枚の透明基板31a、31b間に第1コレステリック液晶組成物21(以下、「第1液晶組成物」という場合がある。)が挟持されてなる。二枚の透明基板31a、31bのうち、図1において上側に配置された透明基板31aは、第1液晶組成物21と接する側の面に共通電極41aが設けられた共通電極基板である。また、二枚の透明基板31a、31bのうち、図1において下側に配置された透明基板31bは、第1液晶組成物21と接する側の面に複数の画素電極41bが設けられた画素電極基板である。共通電極41a及び複数の画素電極41bは、不図示のR(赤)用パルス電源に接続されている。
画素電極41bの第1液晶組成物21側には、配向膜(不図示)が設けられている。共通電極41aの第1液晶組成物21側に配向膜が設けられてもよいし、透明基板31bの第1液晶組成物21側に配向膜が設けられてもよい。
第2コレステリック液晶層2は、対向する二枚の透明基板32a、32b間に第2コレステリック液晶組成物22(以下、「第2液晶組成物」という場合がある。)が挟持されてなる。二枚の透明基板32a、32bのうち、図1において上側に配置された透明基板32aは、第2液晶組成物22と接する側の面に共通電極42aが設けられた共通電極基板である。また、二枚の透明基板32a、32bのうち、図1において下側に配置された透明基板32bは、第2液晶組成物22と接する側の面に複数の画素電極42bが設けられた画素電極基板である。共通電極42a及び複数の画素電極42bは、不図示のG(緑)用パルス電源に接続されている。
画素電極42bの第2液晶組成物22側には、配向膜(不図示)が設けられている。共通電極42aの第2液晶組成物22側に配向膜が設けられてもよいし、透明基板32bの第2液晶組成物22側に配向膜が設けられてもよい。
第3コレステリック液晶層3は、対向する二枚の透明基板33a、33b間に第3コレステリック液晶組成物23(以下、「第3液晶組成物」という場合がある。)が挟持されてなる。二枚の透明基板33a、33bのうち、図1において上側に配置された透明基板33aは、第3液晶組成物23と接する側の面に共通電極43aが設けられた共通電極基板である。また、二枚の透明基板33a、33bのうち、図1において下側に配置された透明基板33bは、第3液晶組成物23と接する側の面に複数の画素電極43bが設けられた画素電極基板である。共通電極43a及び複数の画素電極43bは、不図示のB(青)用パルス電源に接続されている。
画素電極43bの第3液晶組成物23側には、配向膜(不図示)が設けられている。共通電極43aの第3液晶組成物23側に配向膜が設けられてもよいし、透明基板33bの第3液晶組成物23側に配向膜が設けられてもよい。
第1コレステリック液晶層1、第2コレステリック液晶層2及び第3コレステリック液晶層3の合計の厚みを100%としたとき、表示面から最も遠い層の厚みの割合が28~48%であり、中間の層の厚みの割合が23~39%であり、表示面側の層の厚みの割合が23~39%である。本実施形態では、第1コレステリック液晶層1、第2コレステリック液晶層2及び第3コレステリック液晶層3の合計の厚みを100%としたとき、表示面から最も遠い第1コレステリック液晶層1の厚みの割合が28~48%であり、中間の第2コレステリック液晶層2の厚みの割合が23~39%であり、表示面側の第3コレステリック液晶層3の厚みの割合が23~39%である。
また、表示面から最も遠い第1コレステリック液晶層1の厚みの割合が32~42%、中間の第2コレステリック液晶層2の厚みの割合が23~36%、及び表示面側の層の厚みの割合が25~39%であるのが好ましく、表示面から最も遠い層の厚みの割合が35~42%、中間の層の厚みの割合が23~34、及び表示面側の第3コレステリック液晶層3の厚みの割合が27~39%であるのがより好ましい。
第1コレステリック液晶層1、第2コレステリック液晶層2及び第3コレステリック液晶層3のうち、表示面から最も遠い層の厚みは、中間の層の厚みよりも大きく、且つ、中間の層の厚みが表示面側の層の厚みよりも大きくてもよい。例えば、第1コレステリック液晶層1の厚みが第2コレステリック液晶層2の厚みよりも大きく、且つ、第2コレステリック液晶層2の厚みが第3コレステリック液晶層3の厚みよりも大きいことが好ましい。これにより、表示面側から入射する入射光の反射率がより高くなり、また、色味のない白を得ることができ、その結果白の表示品位がより高くなる。
また、第1コレステリック液晶層1、第2コレステリック液晶層2及び第3コレステリック液晶層3のうち、中間の層の厚みが、表示面から最も遠い層の厚み及び表示面側の層の厚みのいずれよりも小さくてもよい。例えば、第2コレステリック液晶層2に人の視感度が最も高い緑の反射層とした場合、第2コレステリック液晶層2の厚みが、第1コレステリック液晶層1の厚み及び第3コレステリック液晶層3の厚みのいずれよりも小さいと、色味のない白を得ることができ、その結果白の表示品位がより高くなる。
第1コレステリック液晶層1の厚みは、例えば2.7μm~8.0μmであり、第2コレステリック液晶層2の厚みは、例えば2.7μm~8.0μmであり、第3コレステリック液晶層3は、例えば2.7μm~8.0μmである。本実施形態のように、第1コレステリック液晶層1が表示面から最も遠い層であり、第2コレステリック液晶層2が中間の層であり、第3コレステリック液晶層3が表示面側の層である場合、第1コレステリック液晶層1の厚みは、3.3μm~8.0μmであるのが好ましく、第2コレステリック液晶層2の厚みは、2.7μm~6.3μmであるのが好ましく、第3コレステリック液晶層3は、2.7μm~6.3μmであるのが好ましい。各液晶層の厚みは、薄すぎると反射光の明るさが小さくなり、暗い表示となり、厚すぎると明るさは良好だが、駆動電圧が高くなりすぎるため、駆動することが困難になる。そのため、上記の範囲が明るさと駆動電圧が良好な範囲となるため、好ましい。
第1コレステリック液晶層1、第2コレステリック液晶層2及び第3コレステリック液晶層3の有する透明基板31a、31b、32a、32b、33a、33bとしては、従来公知のものを用いることができる。例えば、透明基板31a、31b、32a、32b、33a、33bとしては、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂フィルム、ガラスなどからなる透明なシート状のものを用いることができる。
第1コレステリック液晶層1、第2コレステリック液晶層2及び第3コレステリック液晶層3のそれぞれに設けられる共通電極41a、42a、43aとしては、銀、銅、アルミニウムなどの金属、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化インジウムなどの金属酸化物など従来公知の材料からなるものを用いることができる。
第1コレステリック液晶層1、第2コレステリック液晶層2及び第3コレステリック液晶層3のそれぞれに設けられる画素電極41b、42b、43bとしては、銀、銅、アルミニウムなどの金属、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化インジウムなどの金属酸化物など従来公知の材料からなるものを用いることができる。
第1コレステリック液晶層1、第2コレステリック液晶層2及び第3コレステリック液晶層3のそれぞれに設けられる配向膜としては、ポリイミド膜などで形成された従来公知のものを用いることができる。配向膜は、ホモジニアス配向膜であってもよいし、ホメオトロピック配向膜であってもよい。
また、ホモジニアス配向膜とホメオトロピック配向膜を組み合わせて使用しても良く、具体的には、本実施形態の液晶表示装置10において、例えば、第1コレステリック液晶層1の共通電極41a上にはホメオトロピック配向膜を設け、透明基板31bおよび画素電極41b上には、ホモジニアス配向膜を設けてもよい。また第2コレステリック液晶層2の共通電極42a上にはホメオトロピック配向膜を設け、透明基板32bおよび画素電極42b上には、ホモジニアス配向膜を設けてもよい。同様に、第3コレステリック液晶層3の共通電極43a上にはホメオトロピック配向膜を設け、透明基板33bおよび画素電極43b上には、ホモジニアス配向膜を設けてもよい。
図2(a)に示すように、液晶表示装置10の平面視において、第1コレステリック液晶層1の画素電極41b、第2コレステリック液晶層2の画素電極42b及び第3コレステリック液晶層3の画素電極43bは、四角形状を有している。
例えば、画面サイズが対角8インチ、解像度162ppiである場合、画素電極41b、42の長さは122μm~147μm、幅は122μm~147μmであることが好ましく、画素電極41b、42が正方形である場合、一辺の長さは122μm~147μmであることが好ましい。
また、例えば、画面サイズが対角12インチ、解像度106ppiである場合、画素電極41b、42の長さは205μm~225μm、幅は205μm~225μmであることが好ましく、画素電極41b、42が正方形である場合、一辺の長さは205μm~225μmであることが好ましい。
また、例えば、画面サイズが対角4インチ、解像度318ppiである場合、画素電極41b、42の長さは70μm~90μm、幅が70μm~90μmであることが好ましく、画素電極41b、42が正方形である場合、一辺の長さが70μm~90μmであることが好ましい。
第1コレステリック液晶層1の画素電極41b、第2コレステリック液晶層2の画素電極42b及び第3コレステリック液晶層3の画素電極43bのうちの隣接する2つの画素電極が、平面視で第1方向の位置ずれdxと、該第1方向と直交する第2方向の位置ずれdyとの合計(dx+dy)が60μm以下であるように配置されるのが好ましい。本実施形態では、画素電極41b及び画素電極42bは、平面視でX方向(第1方向)の位置ずれdxと、第X方向と直交するY方向(第2方向)の位置ずれdyとの合計(dx+dy)が60μm以下となるように配置されることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、45μm以下であることが更に好ましく、30μm以下であることがより特に好ましく、合計(dx+dy)が小さいほど好ましい。同様に、画素電極42b及び画素電極43bは、上記位置ずれの合計(dx+dy)が60μm以下となるように配置されることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、45μm以下であることが更に好ましく、30μm以下であることが特に好ましく、合計(dx+dy)が小さいほど好ましい。上記の位置ずれの合計(dx+dy)が、60μm以下であると、画素電極41b、42b、43bの全てが重なった領域(全重畳領域)の面積に対して、画素電極41b、42b、43bの全てが重なっていない領域(非全重畳領域)の面積を極めて小さくすることができる。これにより、全重畳領域で白を表示する場合に、当該全重畳領域の白の色味の外縁部に、非全重畳領域において青、緑、赤或いはこれらのうちの2つの混色の色味が表示されるのを防止或いは抑制することができ、白の表示品位をより高めることができる。
また、図2(b)に示すように、画素電極41b、画素電極42b及び画素電極43bは、平面視でX方向(第1方向)の位置ずれの最大値dxmaxと、第X方向と直交するY方向(第2方向)の位置ずれの最大値dymaxとの合計(dxmax+dymax)が60μm以下となるように配置されることが好ましく、50μm以下であることが好ましく、45μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい。これにより、白の表示品位を更に高めることができる。また上記の位置ずれに起因する視認性の劣化を抑制でき、視認性の良好な表示ができる液晶表示装置10となる。
本実施形態では、第1コレステリック液晶層1の第2コレステリック液晶層2側(図1においては上側)に配置された透明基板31a(画素電極基板)と、第2コレステリック液晶層2の第1コレステリック液晶層1側に配置された透明基板32b(共通電極基板)とに接して透明接着層5が設けられている。また、第2コレステリック液晶層2の第3コレステリック液晶層3側に配置された透明基板32a(画素電極基板)と、第3コレステリック液晶層3の第2コレステリック液晶層2側に配置された透明基板33b(共通電極基板)とに接して透明接着層6が設けられている。
透明接着層5及び透明接着層6としては、例えば、シリコーンエラストマー、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などの透明樹脂(OCR(Optical Clear Resin))を含む粘着剤の硬化物、透明樹脂フィルムの両面にシリコーンエラストマーなどの透明接着剤(OCA(Optical Clear Adhesive))層が設けられた透明なシート状のものなどを用いることができる。
透明接着層5は、透明接着層5に接している透明基板31a、32bとの25℃での屈折率の差が0.12以下のものであることが好ましく、0.10以下であることがより好ましい。また、透明接着層6は、透明接着層6に接している透明基板32a、33bとの25℃での屈折率の差が0.12以下のものであることが好ましく、0.10以下であることがより好ましい。上記の屈折率の差が0.12以下であると、第2コレステリック液晶層2を透過し、透明接着層5を介して第1コレステリック液晶層1に入射する光、および第1液晶組成物21に反射されて、透明接着層5を介して第2コレステリック液晶層2に入射する光が、透明接着層5に入射および出射しやすくなる。また、第3コレステリック液晶層3を透過し、透明接着層6を介して第2コレステリック液晶層2に入射する光、および第2液晶組成物22に反射されて、透明接着層6を介して第3コレステリック液晶層3に入射する光が、透明接着層6に入射および出射しやすいものとなる。その結果、液晶表示装置10に入射した光のうち、透明接着層5及び/又は透明接着層6を透過させることによって液晶表示装置10から取り出せなくなる光の割合が少なくなり、より一層入射光の反射率が高いものとなる。
これに対し、例えば、透明接着層5が設けられておらず、第1コレステリック液晶層1の第2コレステリック液晶層2側に配置された透明基板31aと、第2コレステリック液晶層2の第1コレステリック液晶層1側に配置された透明基板32bとが接して配置されている場合、透明基板31aと透明基板32bの一部が密着せず、透明基板31aと透明基板32bとの間に隙間が形成される場合がある。同様に、透明接着層6が設けられておらず、第2コレステリック液晶層2の第3コレステリック液晶層3側に配置された透明基板32aと、第3コレステリック液晶層3の第2コレステリック液晶層2側に配置された透明基板33bとが接して配置されている場合、透明基板32aと透明基板33bの一部が密着せず、透明基板32aと透明基板33bとの間に隙間が形成される場合がある。これらの隙間には、透明基板31a、32b、32a、33bとの屈折率の差が大きい物質である空気(25℃での屈折率約1.0)が存在する。したがって、透明基板31a、32bと隙間(空気)との界面、或いは透明基板32a、33bと隙間(空気)との界面で屈折し、液晶表示装置10から取り出せる光が減少し、液晶表示装置10の反射率を低下させる虞がある。
図1に示す液晶表示装置10では、第1コレステリック液晶層1の第2コレステリック液晶層2と反対側には、光吸収層7が配置されている。光吸収層7は、第1コレステリック液晶層1、第2コレステリック液晶層2及び第3コレステリック液晶層3を透過した光を吸収する。光吸収層7が設けられていることにより、第1コレステリック液晶層1、第2コレステリック液晶層2及び第3コレステリック液晶層3を透過した光が吸収されるためより良好な視認性が得られる。光吸収層7は、従来公知の材料を用いて、従来公知の方法により形成できる。
相対的に最も長波長(例えば赤)の選択反射を有するコレステリック液晶組成物と、相対的に最も短波長(例えば青)の選択反射を有するコレステリック液晶組成物は、螺旋ねじれ方向が同じであり、その間の波長の選択反射を有するコレステリック液晶組成物は、螺旋ねじれ方向が逆であるのが好ましい「螺旋ねじれ方向」とは、液晶表示装置10の表示面に対して垂直な方向を螺旋軸の軸方向とし、表示面側から見たときに、時計回りが「左巻きねじれ」、反時計回りが「右巻きねじれ」を意味する。
例えば、表示面から青、緑、赤の光を反射する順に積層した場合、表示面から最も遠い層を構成するコレステリック液晶組成物の螺旋ねじれ方向が、表示面側の層を構成するコレステリック液晶組成物の螺旋ねじれ方向と同じであり、且つ中間の層を構成するコレステリック液晶組成物の螺旋ねじれ方向とは逆であることが好ましい。例えば、本実施形態において、第1コレステリック液晶層1を構成する第1液晶組成物21の螺旋ねじれ方向が、第3コレステリック液晶層3を構成する第3液晶組成物23の螺旋ねじれ方向と同じであり、且つ第2コレステリック液晶層2を構成する第2液晶組成物22の螺旋ねじれ方向とは逆であることが好ましい。
この場合、液晶表示装置10に入射する入射光の青色光のうち、第3コレステリック液晶層3を構成する第3液晶組成物23の螺旋ねじれ方向と一致する円偏光成分は、第3コレステリック液晶層3によって反射される。また、入射光の緑色光のうち、第2コレステリック液晶層2を構成する第2液晶組成物22の螺旋ねじれ方向と一致する円偏光成分は、第2コレステリック液晶層2によって反射され、第3コレステリック液晶層3を透過して、表示面から出射する。更に、入射光の赤色光のうち、第1コレステリック液晶層1を構成する第1液晶組成物21の螺旋ねじれ方向と一致する円偏光成分は、第1コレステリック液晶層1によって反射され、第2コレステリック液晶層2及び第3コレステリック液晶層3を透過して、表示面から出射する。その結果、入射光に対する各選択反射波長の光の反射率を高めることができ、また、混色を抑制することができる。
第1コレステリック液晶層1の第1液晶組成物21の螺旋ねじれ方向、第2コレステリック液晶層2の第2液晶組成物22の螺旋ねじれ方向、及び第3コレステリック液晶層3の第3液晶組成物23の螺旋ねじれ方向は、第1液晶組成物21、第2液晶組成物22及び第3液晶組成物23にそれぞれ含まれる光学活性化合物の種類によって決定される。
本実施形態の液晶表示装置10において、第1コレステリック液晶層1に含まれる第1液晶組成物21、第2コレステリック液晶層2に含まれる第2液晶組成物22、及び第3コレステリック液晶層3に含まれる第3液晶組成物23は、液晶ピッチ長(キラルピッチ長)の温度依存性による選択反射波長の温度依存性(波長変化)がゼロになるように選択された二種以上の光学活性化合物を含有する。このため、本実施形態の液晶表示装置10は、環境温度が異なることによる色味の差が小さい。
本実施形態の液晶表示装置10において、第1コレステリック液晶層1、第2コレステリック液晶層2及び第3コレステリック液晶層3はそれぞれ、選択反射波長の温度依存性がゼロになるように選択された二種以上の光学活性化合物を含有する第1液晶組成物21、第2液晶組成物22及び第3液晶組成物23を含むことにより、0~50℃の温度範囲での選択反射波長の温度依存性が0.3nm/℃以下とされたものであることが好ましく、0.25nm/℃以下であることがより好ましく、0.2nm/℃以下であることがさらに好ましく、小さいほどよい。ここでの0~50℃の温度範囲での選択反射波長の温度依存性とは、0~50℃の温度範囲における選択反射光の波長の最大値と最小値との差を温度範囲で割った値を意味する。
本実施形態の液晶表示装置10において、上記の第1コレステリック液晶層1における選択反射波長の温度依存性と、上記の第2コレステリック液晶層2における選択反射波長の温度依存性との差は、0.15nm/℃以下であることが好ましく、0.125nm/℃以下であることがより好ましく、さらに0.1nm/℃以下であることが好ましく、小さいほどよい。第1コレステリック液晶層1と第2コレステリック液晶層2との選択反射波長の温度依存性の差が小さいと、環境温度に関わらず第1コレステリック液晶層1および第2コレステリック液晶層2の各層に対応する選択反射光を発現する。このため、環境温度に関わらず、入射光の反射率が高く、しかも色味のない白の反射光が得られる。
また、上記の第2コレステリック液晶層2における選択反射波長の温度依存性と、上記の第3コレステリック液晶層3における選択反射波長の温度依存性との差は、0.15nm/℃以下であることが好ましく、0.125nm/℃以下であることがより好ましく、さらに0.1nm/℃以下であることが好ましく、小さいほどよい。第2コレステリック液晶層2と第3コレステリック液晶層3との選択反射波長の温度依存性の差が小さいと、環境温度に関わらず第2コレステリック液晶層2および第3コレステリック液晶層3の各層に対応する選択反射光を発現する。このため、環境温度に関わらず、入射光の反射率が高く、しかも色味のない白の反射光が得られる。
本実施形態の液晶表示装置10では、例えば、第1コレステリック液晶層1側の面を表示面とし、第1コレステリック液晶層1がプレーナ(planar)状態、第2コレステリック液晶層2及び第3コレステリック液晶層3がフォーカルコニック(focal conic)状態であるときに赤色が表示される。また、第2コレステリック液晶層2がプレーナ(planar)状態、第1コレステリック液晶層1及び第3コレステリック液晶層3がフォーカルコニック状態であるときには緑色が表示され、第3コレステリック液晶層3がプレーナ(planar)状態、第2コレステリック液晶層2及び第3コレステリック液晶層3がフォーカルコニック状態であるときには青色が表示される。図1に示す液晶表示装置10では、第1コレステリック液晶層1、第2コレステリック液晶層2及び第3コレステリック液晶層3の各々のプレーナ状態とフォーカルコニック状態の二つの状態を、無電界下で安定して保持できる。したがって、本実施形態の液晶表示装置10は、メモリー性を有する。
本実施形態の液晶表示装置10において、第1コレステリック液晶層1におけるプレーナ状態とフォーカルコニック状態との切り替えは、共通電極41a及び画素電極41b間に印可する電圧の大きさや形状により切り替えることが出来る。第2コレステリック液晶層2におけるプレーナ状態とフォーカルコニック状態との切り替え、第3コレステリック液晶層3におけるプレーナ状態とフォーカルコニック状態との切り替えも同様に、印可する電圧の大きさや形状により切り替えることが出来る。これらの印加電圧は、図示しない駆動回路によって制御される。
本実施形態では、第1コレステリック液晶層1におけるプレーナ状態とフォーカルコニック状態との切り替えと、第2コレステリック液晶層2におけるプレーナ状態とフォーカルコニック状態との切り替えと、第3コレステリック液晶層3におけるプレーナ状態とフォーカルコニック状態との切り替えとを同時に行う。第1コレステリック液晶層1のプレーナ状態又はフォーカルコニック状態、第2コレステリック液晶層2のプレーナ状態又はフォーカルコニック状態、及び第3コレステリック液晶層3のプレーナ状態又はフォーカルコニック状態(8パターン)を制御することで、青、緑、赤、シアン、マゼンダ、黄、白、黒等が表示される。したがって、カラーフィルターを設けることなくフルカラー表示を得ることができる。
次に、液晶表示装置10の第1コレステリック液晶層1、第2コレステリック液晶層2及び第3コレステリック液晶層3いずれか、或いは全部がプレーナ状態であるときと、フォーカルコニック状態であるときとの光学特性について、詳細に説明する。
図1において、例えば、第1コレステリック液晶層1がプレーナ状態であるとき、第1コレステリック液晶層1の第1液晶組成物21における螺旋軸は、透明基板31a、31bに略垂直な状態となっている。
この場合、液晶表示装置10に第3コレステリック液晶層3側から入射光L0が入射すると、入射光L0が第3コレステリック液晶層3及び第2コレステリック液晶層2を透過し、入射光L0のうち一部の赤色光L1(図1において矢印L1で示す。)が、第1コレステリック液晶層1の第1液晶組成物21によって、選択的に反射(選択反射)される。第1液晶組成物21によって選択反射される赤色光L1は、第1液晶組成物21の螺旋ねじれ方向と一致する円偏光成分である。第1液晶組成物21に反射された赤色光L1は、第2コレステリック液晶層2及び第3コレステリック液晶層3を透過して、液晶表示装置10から出射する。これにより、液晶表示装置10に赤が表示される。
また、液晶表示装置10に入射した入射光L0のうち、第1液晶組成物21によって反射されなかった光は、第1コレステリック液晶層1を透過し、光吸収層7に吸収される。第1コレステリック液晶層1を透過した光は、第1液晶組成物21によって選択反射された赤色光L1と同じ波長であって逆の螺旋ねじれ方向の光および赤色光L1と異なる波長の光である。
図1において、第2コレステリック液晶層2がプレーナ状態で、第1コレステリック液晶層1及び第3コレステリック液晶層3がフォーカルコニック状態である場合、第2コレステリック液晶層2の第2液晶組成物22における螺旋軸は、透明基板32a、32bに略垂直な状態となっている。
この場合、入射光L0が第3コレステリック液晶層3を透過し、入射光L0のうち一部の緑色光L2(図1の矢印L2)が、第2コレステリック液晶層2の第2液晶組成物22によって、選択的に反射(選択反射)される。第2液晶組成物22によって選択反射される緑色光L2は、第2液晶組成物22の螺旋ねじれ方向と一致する円偏光成分である。第2液晶組成物22に反射された緑色光L2は、第3コレステリック液晶層3を透過し、液晶表示装置10から出射する。これにより、液晶表示装置10に緑が表示される。
液晶表示装置10に入射した入射光L0のうち、第2液晶組成物22によって反射されなかった光は、第2コレステリック液晶層2を透過する。第2コレステリック液晶層2を透過した光は、第2液晶組成物22によって選択反射された緑色光L2と同じ波長であって逆の螺旋ねじれ方向の光および緑色光L1と異なる波長の光である。第2液晶組成物22によって反射されない光は、第2コレステリック液晶層2及び第1コレステリック液晶層1を透過し、光吸収層7に吸収される。
図1において、第3コレステリック液晶層3がプレーナ状態で、第1コレステリック液晶層1及び第2コレステリック液晶層2がフォーカルコニック状態である場合、第3コレステリック液晶層3の第3液晶組成物23における螺旋軸は、透明基板33a、33bに略垂直な状態となっている。
この場合、入射光L0のうち一部の青色光L3(図1の矢印L3)が、第3コレステリック液晶層3の第3液晶組成物23によって、選択的に反射(選択反射)される。第3液晶組成物23によって選択反射される青色光L3は、第3液晶組成物23の螺旋ねじれ方向と一致する円偏光成分である。第3液晶組成物23に反射された青色光L3は、液晶表示装置10から出射する。これにより、液晶表示装置10に青が表示される。
液晶表示装置10に入射した入射光L0のうち、第3液晶組成物23によって反射されなかった光は、第3コレステリック液晶層3を透過する。第3コレステリック液晶層3を透過した光は、第3液晶組成物23によって選択反射された青色光L3と同じ波長であって逆の螺旋ねじれ方向を有する光と青色光L3と異なる波長の光である。第3液晶組成物23によって選択反射された青色光L3と同じ波長であって逆の螺旋ねじれ方向を有する光、および青色光L3と異なる波長の光は、第3コレステリック液晶層3、第2コレステリック液晶層2及び第1コレステリック液晶層1を透過し、光吸収層7に吸収される。
また、第1コレステリック液晶層1、第2コレステリック液晶層2及び第3フォーカルコニック液晶層3の全部がプレーナ状態である場合には、液晶表示装置10に第3コレステリック液晶層3側から入射光L0が入射すると、(1)入射光L0のうち一部の赤色光L1が、第1コレステリック液晶層1の第1液晶組成物21によって選択的に反射され、(2)入射光L0のうち一部の緑色光L2が、第2コレステリック液晶層2の第2液晶組成物22によって選択的に反射され、(3)入射光L0のうち一部の青色光L3が、第3コレステリック液晶層3の第3液晶組成物23によって選択的に反射される。これにより、赤、緑及び青の合成色である白が、液晶表示装置10に表示される。
一方、第1コレステリック液晶層1、第2コレステリック液晶層2及び第3フォーカルコニック液晶層3の全部がフォーカルコニック状態である場合、第1コレステリック液晶層1の第1液晶組成物21、第2コレステリック液晶層2の第2液晶組成物22及び第3コレステリック液晶層3の第3液晶組成物23における螺旋軸は、透明基板31a、31b、32a、32b、33a、33bに略水平な状態となっている。
この場合には、液晶表示装置10に第1コレステリック液晶層1側から入射光L0が入射すると、入射光L0のうちほとんどが第1コレステリック液晶層1、第2コレステリック液晶層2及び第3コレステリック液晶層3を透過し、光吸収層7に吸収される。これにより、液晶表示装置10に黒が表示される。
このように、プレーナ状態においてそれぞれ異なる主波長の光を反射するコレステリック液晶層を3層で積層し、積層された第1コレステリック液晶層1、第2コレステリック液晶層2及び第3コレステリック液晶層3の1又は複数にプレーナ状態からフォーカルコニック状態へ変化する電圧を印可することにより、第1液晶組成物21、第2液晶組成物22及び第3液晶組成物23の1又は複数の液晶分子の配向状態を変化させ、入射光L0を反射或いは吸収することにより、液晶表示装置10に所定の色が表示される。
[液晶組成物]
次に、本実施形態の液晶表示装置10における第1液晶組成物21第2液晶組成物22及び第3液晶組成物23の組成について、詳細に説明する。
第1液晶組成物21、第2液晶組成物22及び第3液晶組成物23は、カイラルドーパントとしての光学活性化合物と、光学活性化合物以外の液晶化合物とを含む。本実施形態においては、光学活性化合物、および光学活性化合物以外の液晶化合物として以下に示すものを用いることができる。
光学活性化合物を添加する前の液晶組成物の物性値、すなわちホスト液晶組成物として、屈折率異方性Δnは、0.10~0.40であるのが好ましく、0.15~0.35であるのがより好ましく、0.20~0.30であるのが特に好ましい。屈折率異方性Δnを上記範囲とすることにより、広い選択反射帯域が得られる。誘電率異方性Δεは、10~50であるのが好ましく、15~45であるのがより好ましく、20~40であるのが特に好ましい。誘電率異方性Δεを上記範囲とすることにより、低電圧駆動を実現することができる。
また、液晶組成物の物性値として、融点、すなわち固相等からコレステリック相へ復元する温度は、-25℃以下であるのが好ましく、-30℃以下であるのがより好ましく、-35℃以下であるのが特に好ましく、低いほど好ましい。融点を上記範囲とすることにより、広い動作温度範囲が得られる。また、コレステリック相から等方性液体相に変わる相転移温度(TNI)は、60~120℃であるのが好ましく、70~110℃であるのがより好ましく、80~110℃であるのが特に好ましい。相転移温度(TNI)を上記範囲とすることで、広い動作温度範囲が得られる。フロー粘性を示す粘度ηは、小さいほど好ましく、その下限は特に制限されないが、100mPa・s以下であれば実用上十分な応答速度を達成できる。
(光学活性化合物以外の液晶化合物)
光学活性化合物以外の液晶化合物としては、単独で液晶相を示す1種の化合物のみを用いてもよいし、2種以上を混合して用いることにより液晶相を示す化合物を用いてもよい。液晶化合物として、2種以上の化合物を混合して使用する場合、種々の組み合わせが可能である。
液晶化合物としては、誘電的に正の液晶化合物を含有することが好ましく、誘電的に正の液晶化合物とともに、誘電的に中性の液晶化合物を含有することが好ましい。誘電的に正の液晶化合物および誘電的に中性の液晶化合物は、それぞれ1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。
(誘電的に正の液晶化合物)
誘電的に正の液晶化合物としては、例えば、一般式(A)および一般式(B)で表される化合物が挙げられる。一般式(A)および一般式(B)で表される化合物は、誘電率異方性Δεの値が2より大きく、誘電的に正の化合物に該当する。一般式(A)および一般式(B)で表される化合物は、どちらか一方のみ用いても良いし、組合せて用いてもよい。
一般式(A)および一般式(B)で表される化合物は、それぞれ1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。一般式(A)及び一般式(B)で表される化合物は、液晶表示装置10に求められる特性に応じて適宜選択し、必要に応じて複数種を組み合わせて用いることができる。一般式(A)及び一般式(B)で表される化合物は、1~12種用いることが好ましい。
Figure 0007351218000001
(式(A)および(B)中、R2A1及びR2B1は、相互に独立して、炭素原子数1から7のアルキル基、炭素原子数1から7のアルコキシ基、炭素原子数2から7のアルケニル基又は炭素原子数2から7のアルケニルオキシ基である。R2A1及びR2B1上の1個又は2個以上の水素原子は、相互に独立して、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。C2A1及びC2B1は、相互に独立して、(a)1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は-O-に置き換えられてもよい。)(b)1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)(c)ナフタレン-2,6-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又はインダン-2,5-ジイル基(ナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられても良い。)及び(d)1,4-シクロヘキセニレン基からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)、基(c)及び基(d)は、相互に独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良い。L2A1及びL2B1は、相互に独立して、単結合、-C-、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-CHO-、-OCH-、-CFO-又は-OCF-を表す。X2A1及びX2B1は、相互に独立して、-F、-Cl、-CN、-NCS、-CF、-OCF、少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換された炭素原子数1~6のアルキル基又は少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換された炭素原子数1~6のアルコキシ基を表す。Y2A1、Y2A2、Y2B1及びY2B2は、相互に独立して、水素原子又はフッ素原子を表す。b2A1及びb2B1は、相互に独立して、1、2、3又は4を表す。)
一般式(A)及び一般式(B)中、R2A1及びR2B1は、相互に独立して、炭素原子数1~8のアルキル基、炭素原子数1~8のアルコキシ基、炭素原子数2~8のアルケニル基又は炭素原子数2~8のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数1~5のアルコキシ基、炭素原子数2~5のアルケニル基又は炭素原子数2~5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数2~5のアルキル基又は炭素原子数2~3のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数3のアルケニル基(プロペニル基)が特に好ましい。
信頼性を重視する場合にはR2A1及びR2B1は、アルキル基であることが好ましく、粘性の低下を重視する場合にはアルケニル基であることが好ましい。
2A1及びR2B1が結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合、R2A1及びR2B1は、直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基及び炭素原子数4~5のアルケニル基が好ましい。
2A1及びR2B1が結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合、R2A1及びR2B1は、直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましい。液晶組成物を安定化させるためには、炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
2A1及びR2B1がアルケニル基である場合、下記式(R1)~式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。
Figure 0007351218000002
(式(R1)~(R5)中の黒点は結合手を表す。)
一般式(A)及び一般式(B)中、C2A1及びC2B1は、相互に独立して、屈折率異方性(Δn)を大きくすることが求められる場合には芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましい。
2A1及びC2B1は、下記式(C1)~式(C8)のいずれかで表される基から選ばれることがより好ましい。
Figure 0007351218000003
2A1及びL2B1は、相互に独立して、単結合、-CHO-、-OCH-、-CFO-又は-OCF-が好ましく、単結合、-CHO-又は-CFO-が好ましく、単結合又は-CFO-が好ましくい。
2A1に挟まれるL2A1は、単結合であることが好ましい。また、C2B1に挟まれるL2B1は単結合であることが好ましい。
2A1及びX2B1は、相互に独立して、-F、-Cl、-CF又は-OCFであることが好ましく、-F又は-OCFであることが好ましく、-Fであることが好ましい。
2A1、Y2A2、Y2B1及びY2B2は、ともにフッ素原子であるか、同一分子内の一方がフッ素原子で他方が水素原子であることが好ましい。
2A1及びb2B1は、相互に独立して、1、2又は3であることが好ましく、液晶組成物の液晶相の上限温度を重視する場合には2又は3であることが好ましく、液晶組成物の粘度及び誘電率異方性を重視する場合には、1又は2であることが好ましい。
一般式(A)で表される化合物としては、例えば、一般式(A1)または一般式(A2)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007351218000004
(一般式(A1)において、Rは炭素原子数1~7個のアルキル基、炭素原子数1~7個のアルコキシ基又は炭素原子数2~7個のアルケニル基を表す。Y12~Y23は相互に独立して水素原子又はフッ素原子を表す。)
(一般式(A2)において、Rは炭素原子数1~7のアルキル基、炭素原子数1~7のアルコキシ基、炭素原子数2~7のアルケニル基、炭素原子数3~7のアルケニルオキシ基を表す。Y40~Y44は、それぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表す。)
一般式(A)で表される化合物は、より具体的には、一般式(A-1)~(A-31)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007351218000005
Figure 0007351218000006
Figure 0007351218000007
Figure 0007351218000008
(式(A-1)~(A-31)中、R2A1は、炭素原子数1から7のアルキル基、炭素原子数1から7のアルコキシ基又は炭素原子数2から7のアルケニル基又は炭素原子数2から7のアルケニルオキシ基である。R2A1上の1個又は2個以上の水素原子は、相互に独立して、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)
また、一般式(A)で表される化合物は、例えば、一般式(A3)、(A4)、(A5)で表されるいずれかの化合物であってもよい。
Figure 0007351218000009
(一般式(A3)(A4)及び(A5)において、R、R及びRは相互に独立して炭素原子数1~7個のアルキル基、炭素原子数1~7個のアルコキシ基又は炭素原子数2~7個のアルケニル基を表す。Y~Y、Y24~Y35は相互に独立して水素原子又はフッ素原子を表す。一般式(A3)(A4)において、C2A1は一般式(A)のC2A1と同じ意味を表す。a、bは相互に独立して0又は1を表す。)
一般式(A)で表される化合物は、より具体的には、式(A-32)~式(A-47)で示される化合物から選ばれる1種または2種以上を用いることが好ましい。
Figure 0007351218000010
(式(A-32)~式(A-47)において、R2A1は一般式(A)のR2a1と同じ意味を表す。)
一般式(B)で表される化合物は、一般式(B-1)~(B-6)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007351218000011
(一般式(B-1)~(B-6)において、R2B1は、炭素原子数1から7のアルキル基、炭素原子数1から7のアルコキシ基、炭素原子数2から7のアルケニル基又は炭素原子数2から7のアルケニルオキシ基である。R2B1上の1個又は2個以上の水素原子は、相互に独立して、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)
液晶組成物の信頼性を重視する場合は、一般式(A-1)~(A-11)、(A-16)~(A-20)及び一般式(B-1)~(B-4)で表される群から選択される化合物を用いることが好ましく、中でも一般式(A-1)、(A-2)、(A-4)、(A-17)及び(A-20)で表される群から選択することがより好ましい。
低い粘性を重視する場合は、一般式(A-12)~(A-15)、(A-21)~(A-28)及び(B-5)~(B-6)で表される群から選択される化合物を用いることが好ましく、中でも(A-12)、(A-13)、(A-22)、(A-23)及び(A-26)で表される群から選択することがより好ましい。
本実施形態において、第1液晶組成物21、第2液晶組成物22および/または第3液晶組成物23中に含まれる一般式(A)および/または一般式(B)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する。
第1液晶組成物21、第2液晶組成物22および/または第3液晶組成物23の総質量に対する一般式(A)及び一般式(B)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、例えば、1質量%であり、10質量%であることがより好ましく、20質量%であることが好ましい。好ましい含有量の上限値は、第1液晶組成物21、第2液晶組成物22および/または第3液晶組成物23の総質量に対して、例えば、95質量%であり、80質量%が好ましく、70質量%が好ましく、60質量%が好ましく、50質量%が更に好ましい。
第1液晶組成物21、第2液晶組成物22および/または第3液晶組成物23において、粘度を低く保ち、応答速度を早くする必要がある場合、上記の下限値および上限値を低めにすることが好ましい。さらに、第1液晶組成物21、第2液晶組成物22および/または第3液晶組成物23の相転移温度(TNI)を高く保ち、温度安定性の良いものとする必要がある場合、上記の下限値および上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性(△ε)を大きくしたいときは、上記の下限値および上限値を高めにすることが好ましい。
(誘電的に中性の液晶化合物)
誘電的に中性の液晶化合物としては、例えば、一般式(L)で表される化合物が挙げられる。一般式(L)で表される液晶化合物は、誘電率異方性(Δε)の値が-2~2であり、誘電的に中性の化合物に該当する。
一般式(L)で表される化合物は、少なくとも1種を含有することが好ましく、1種~10種含有することが好ましく、2種~8種含有することが特に好ましい。
Figure 0007351218000012
(式(L)中、R21及びR22はお互い独立して炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基を表す。これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は-O-又は-S-に置換されても良く、またこれらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良い。M21、M22及びM23はお互い独立して(a)トランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は-O-又は-S-に置き換えられてもよい)、(b)1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は窒素原子に置き換えられてもよい)、2-フルオロ-1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基、3,5-ジフルオロ-1,4-フェニレン基及び(c)1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-2,5-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基及び1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基からなる群より選ばれる基を表す。上記の基(a)、基(b)及び基(c)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良い。pは0、1又は2を表す。L21及びL22はお互い独立して単結合、-CHCH-、-(CH-、-OCH-、-CHO-、-OCF-、-CFO-、-CH=CH-、-CH=N-N=CH-又は-C≡C-を表す。L22が複数存在する場合は、それらは同一でも良く異なっていても良い。M23が複数存在する場合は、それらは同一でも良く異なっていても良い。)
一般式(L)で表される化合物において、R21及びR22はお互い独立して炭素原子数1から10のアルキル基又は炭素原子数2から10のアルケニル基(これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は-O-又は-S-に置換されたもの、またこれらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されたものも含む。)が好ましく、炭素原子数1から5のアルキル基、炭素原子数1から5のアルコキシ基、炭素原子数2から5のアルケニル基又は炭素原子数3から6のアルケニルオキシ基がより好ましく、炭素原子数1から5のアルキル基又は炭素原子数1から5のアルコキシ基が特に好ましい。
信頼性を重視する場合には、RL1及びRL2はともにアルキル基であることが好ましい。化合物の揮発性を低減させることを重視する場合にはRL1及びRL2はともにアルコキシ基であることが好ましい。粘性の低下を重視する場合にはRL1及びRL2のうち少なくとも一方はアルケニル基であることが好ましい。
一般式(L)において、分子内に存在するハロゲン原子は0、1、2又は3個が好ましく、0又は1個が好ましく、他の液晶分子との相溶性を重視する場合には1が好ましい。
21及びR22は、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基及び炭素原子数4~5のアルケニル基が好ましい。
21及びR22は、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2~5のアルケニル基が好ましい。
21及びR22は、液晶組成物を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
L1及びRL2がアルケニル基である場合、式(R11)~式(R15)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。
Figure 0007351218000013
(各式中の黒点は環構造中の炭素原子を表す。)
21、M22及びM23は、お互い独立してトランス-1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個のCH基又は隣接していない2個のCH基が酸素原子に置換されているものを含む)、1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個又は2個以上のCH基は窒素原子に置換されているものを含む)、3-フルオロ-1,4-フェニレン基、3,5-ジフルオロ-1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基が好ましく、トランス-1,4-シクロヘキシレン基、1,4-フェニレン基又は1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基がより好ましく、トランス-1,4-シクロヘキシレン基又は1,4-フェニレン基が特に好ましい。
21、M22及びM23は、屈折率異方性(Δn)を大きくすることが求められる場合には、芳香族であることが好ましい。M21、M22及びM23は、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましく、それぞれ独立してトランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-フェニレン基、2-フルオロ-1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基、3,5-ジフルオロ-1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基のいずれかであることが好ましく、下記式(M1)~式(M8)のいずれかで表される構造であることがより好ましく、トランス-1,4-シクロへキシレン基又は1,4-フェニレン基を表すことがより好ましい。
Figure 0007351218000014
一般式(L)において、pは0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましい。
21及びL22は、互いに独立して単結合、-CHCH-、-(CH-、-OCH-、-CHO-、-OCF-、-CFO-、-CH=CH-、-CH=N-N=CH-又は-C≡C-が好ましく、単結合、-CHCH-、-(CH-、-OCH-、-CHO-又は-C≡C-がより好ましく、単結合、-CHCH-又は-C≡C-が更に好ましい。
上記の選択肢の組み合わせにより形成される構造のうち、-CH=CH-CH=CH-、-C≡C-C≡C-及び-CH=CH-C≡C-は化学的な安定性から好ましくない。また、これら構造中の水素原子がフッ素原子に置き換わったものも同様に好ましくない。また、酸素同士が結合する構造、硫黄原子同士が結合する構造及び硫黄原子と酸素原子が結合する構造も同様に好ましくない。また、窒素原子同士が結合する構造、窒素原子と酸素原子が結合する構造及び窒素原子と硫黄原子が結合する構造も同様に好ましくない。
一般式(L)は、具体的には、以下の一般式(L-1)~一般式(L-25)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007351218000015
Figure 0007351218000016
Figure 0007351218000017
(式(L-1)~式(L-25)で表される化合物において、R23及びR24は、それぞれ独立的に炭素数1から10のアルキル基、炭素数1から10のアルコキシ基、炭素数2から10のアルケニル基又は炭素数3から10のアルケニルオキシ基を表す。)
式(L-1)~式(L-25)で表される化合物において、R23及びR24は、それぞれ独立的に炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基又は炭素数2~10のアルケニル基が好ましく、炭素数1~5のアルキル基又は炭素数1~10のアルコキシ基が更に好ましい。
一般式(L-1)~一般式(L-25)で表される化合物中、一般式(L-1)、一般式(L-2)、一般式(L-3)、一般式(L-5)、一般式(L-12)、一般式(L-13)、一般式(L-17)、一般式(L-19)又は一般式(L-25)で表される化合物が好ましく、一般式(L-1)、一般式(L-3)、一般式(L-5)、一般式(L-12)又は一般式(L-13)で表される化合物が更に好ましい。
また、一般式(L)は、以下の一般式(L1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0007351218000018
(式(L1)中、R33及びR34は、相互に独立して炭素原子数1~7個のアルキル基、炭素原子数1~7個のアルコキシ基又は炭素原子数2~7個のアルケニル基を表す。環Aは1,4-シクロへキシレン基又は1,4-フェニレン基を表す。Y~Y12は相互に独立して水素原子、フッ素原子又はメチル基を表す。Zは、単結合、-COO-又は-CHCH-を表し、cは相互に独立して0又は1を表す。)
一般式(L1)で表される化合物は、より具体的には、式(L-26)~式(L-34)で示される化合物から選ばれる1種または2種以上を用いることが好ましい。
Figure 0007351218000019
(式(L-26)~式(L-34)表される化合物において、R33及びR34は、相互に独立して炭素原子数1~7個のアルキル基、炭素原子数1~7個のアルコキシ基又は炭素原子数2~7個のアルケニル基を表す。)
本実施形態において、第1液晶組成物21、第2液晶組成物22および/または第3液晶組成物23中に含まれる一般式(L)で表される液晶化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性(△ε)などの求められる性能に応じて適宜調整する。
第1液晶組成物21、第2液晶組成物22および/または第3液晶組成物23の総質量に対する式(L)で表される化合物の含有量の下限値は、例えば、1質量%であることが好ましく、50質量%であることがより好ましい。第1液晶組成物21、第2液晶組成物22および/または第3液晶組成物23の総質量に対する式(L)で表される化合物の含有量の上限値は、85質量%であることが好ましく、65質量%であることがより好ましい。
第1液晶組成物21、第2液晶組成物22および/または第3液晶組成物23の粘度を低く保ち、応答速度の速い組成物が必要である場合、上記の下限値および上限値が高いことが好ましい。さらに、第1液晶組成物21、第2液晶組成物22および/または第3液晶組成物23の相転移温度(TNI)を高く保ち、温度安定性の良い組成物とする必要がある場合、上記の下限値および上限値を高くすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性(△ε)を大きくしたいときは、上記の下限値および上限値が低いことが好ましい。
(光学活性化合物)
光学活性化合物(第二成分)としては、キラルピッチ長の温度依存性が異なり、かつ選択反射波長(キラルピッチ長)の温度依存性がゼロになるように選択された二種以上のものを用いることができる。「選択反射波長の温度依存性がゼロになるように選択された」とは、現実的には選択反射波長の温度依存性はゼロにはならないが、組み合わせたときの温度依存性ができる限りゼロに近い値となるように、二種以上の光学活性化合物が選択されることを意味する。
本実施形態においては、光学活性化合物として、液晶表示装置の常用温度として好ましい0~50℃の温度範囲内において、二種類の光学活性化合物の一方は正のキラルピッチ温度依存性を有し、他方は負のキラルピッチ温度依存性を有することが好ましい。液晶組成物に含まれる光学活性化合物の含有量の合計は、意図する選択反射波長によって異なるが、10%以下が好ましく、8%以下がより好ましく、6%以下が特に好ましい。好ましい下限量は特に制限されないが、液晶ねじれ力が著しく大きい場合、液晶組成物における光学活性化合物の添加量が微量となってしまい、僅かな混合比のずれにより選択反射波長やその温度依存性がずれてしまう場合がある。製造設備の秤量精度などにも影響されるが、光学活性化合物が概ね0.1%以上の濃度であれば、製造スケールに関わらず高い精度で液晶組成物を製造することができる。
本実施形態の液晶表示装置10では、第1液晶組成物21には、光学活性化合物として、螺旋ねじれ方向を第1方向(例えば、右方向)とする一種以上のものが含まれるのが好ましい。また、第2液晶組成物22には、光学活性化合物として、螺旋ねじれ方向を第1方向とは異なる第2方向(例えば、左方向)とする一種以上のものが含まれるのが好ましい。更に、第3液晶組成物23には、光学活性化合物として、螺旋ねじれ方向を第1方向(例えば、右方向)とする一種以上のものが含まれるのが好ましい。すなわち、本実施形態の液晶表示装置10では、第1液晶組成物21、第2液晶組成物22及び第3液晶組成物23のうち隣接する液晶組成物が、それぞれ異なる螺旋ねじれ方向を誘起する光学活性化合物を選択的に含有しているのが好ましい。このことにより、本実施形態の液晶表示装置10では、第1液晶組成物21、第2液晶組成物22及び第3液晶組成物23のうち隣接する液晶組成物における螺旋ねじれ方向が異なるものとされている。
光学活性化合物としては、例えば、以下に示す式(D-1)~(D-6)で表される化合物を用いることができる。
Figure 0007351218000020
(式中、Rは、炭素原子数1~16のアルキル基、炭素原子数1~16のアルコキシ基、炭素原子数2~16のアルケニル基、炭素原子数3~16のアルケニルオキシ基、又は炭素原子数1~10のアルコキシ基で置換された炭素原子数1~12のアルキル基を表す。R10は、炭素原子数1~16のアルキル基、炭素原子数1~16のアルコキシ基、炭素原子数2~16のアルケニル基、炭素原子数3~16のアルケニルオキシ基、炭素原子数1~10のアルコキシ基で置換された炭素原子数1~12のアルキル基、水素原子、フッ素原子、基中に存在する1個のCH基又は隣接していない2個以上のCH基が酸素原子により置き換えられても良いトランス-1,4-シクロへキシレン基又は基中に存在する1個の炭素原子又は隣接していない2個以上の炭素原子が窒素原子に置き換えられてもよい1,4-フェニレン基を表し、該1,4-フェニレン基はフッ素原子により置換されていても良い。A、A10及びA11は、基中に存在する1個のCH基又は隣接していない2個以上のCH基が酸素原子により置き換えられても良いトランス-1,4-シクロへキシレン基又は基中に存在する1個の炭素原子又は隣接していない2個以上の炭素原子が窒素原子に置き換えられてもよい1,4-フェニレン基を表し、該1,4-フェニレン基はフッ素原子により置換されていても良い。A、A10及びA11は単結合を表していても良い。Z、Z、Z及びZ10はそれぞれ独立的して-CHCH-、-CH(CH)CH-、-CHCH(CH)-、-CHO-、-OCH-、-CFO-、-OCF-、-COO-、-OCO-、-CH=CH-、-CF=CF-、-C≡C-、-O(CH-、-(CHO-、-(CH-又は単結合を表す。)
光学活性化合物としては、二つのナフタレン環の1位同士が共有結合で結合されたビナフチル骨格を有するビナフチルキラル化合物を用いることが好ましい。
ビナフチルキラル化合物は、液晶ねじれ力の大きい光学活性化合物である。このため、光学活性化合物として、ビナフチルキラル化合物を用いることにより、第1液晶組成物21中および/または第2液晶組成物22中における光学活性化合物の含有量を少なくできる。その結果、光学活性化合物を含むことによる第1液晶組成物21および/または第2液晶組成物22の粘度上昇、相転移温度および保存安定性の低下を抑制でき、好ましい。
ビナフチルキラル化合物としては、例えば、以下に示す式(D-7)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007351218000021
(式(D-7)中、R及びRは相互に独立して炭素原子数1~7個のアルキル基、炭素原子数1~7個のアルコキシ基又は炭素原子数2~7個のアルケニル基を表す。環D、E、F、Gは相互に独立して1,4-シクロへキシレン基又は1,4-フェニレン基を表す。Z及びZは相互に独立して単結合又は-COO-を表し、e及びfは相互に独立して0又は1を表す。)
式(D-7)で表されるビナフチルキラル化合物としては、例えば、以下に示す式(3-1)~(3-4)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007351218000022
式(3-1)および式(3-3)で表される化合物は、右巻きの螺旋ねじれ方向を誘起する。また、式(3-2)および式(3-4)で表される化合物は、左巻きの螺旋ねじれ方向を誘起する。
光学活性化合物としては、例えば、以下に示す式(E1)で表される化合物を用いてもよい。
Figure 0007351218000023
(式(E1)中、K1-4は、互いに独立して、アネレートされたベンゼン、シクロヘキサンまたはシクロヘキセンであり、ここで、1つまたは2つ以上のCH基は、随意に、Nにより置換されており、1つまたは2つ以上のCH基は、随意に、Oおよび/またはSにより、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しないように置換されており、
1-4は、互いに独立して、CH、O、S、CO、NHまたはCFであり、
1-4は、互いに独立して、Uの意味の1つを有し、ただし、O、SおよびNHは、互いに直接隣接していないか、または単結合を示し、
Zは、C、Si、Ge、SnまたはTiであり、
1-12は、互いに独立して、R、P-Spまたは-W-A-(W-A-Rであり、
Rは、各々の存在において、独立して、H、F、Cl、Br、I、CN、NO、OH、NCS、SF、1~40個のC原子を有し、非置換であるか、F、Cl、Br、IもしくはCNにより単置換または多置換されている直鎖状もしくは分枝状アルキルであり、ここで、1つもしくは2つ以上のCH基は、随意に、各々の場合において、互いに独立して、-O-、-S-、-NH-、-NR0-、-SiR00-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-SO-、-CG=CG-もしくは-C≡C-により、2個のOもしくは2個のS原子が互いに直接結合しないように置換されているか、またはP-Sp-を示し、
およびR00は、互いに独立して、Hまたは1~12個のC原子を有するアルキルであり、
およびGは、互いに独立して、H、F、ClまたはCNであり、
Pは、反応性の基であり、
Spは、スペーサー基または単結合であり、
およびAは、各々の存在において、独立して、置換もしくは非置換芳香族もしくは脂環式環、または2つもしくは3つ以上の縮合した芳香族もしくは脂環式環を含む基であり、ここで、これらの環は、随意に、N、OおよびSから選択された1個または2個以上のヘテロ原子を含み、
およびWは、各々の存在において、独立して、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-S-CO-、-CO-S-、-O-COO-、-CO-NR-、-NR-CO-、-OCH-、-CHO-、-SCH-、-CHS-、-CFO-、-OCF-、-CFS-、-SCF-、-CHCH-、-CFCH-、-CHCF-、-CFCF-、-CH=N-、-N=CH-、-N=N-、-CH=CH-、-CH=CR-、-CR=CR00-、-CG=CG-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、mは、各々の存在において、独立して、0、1、2または3である。)
式(E1)で表される化合物としては、例えば、以下に示す式(E1-1)~(E1-3)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007351218000024
光学活性化合物としては、例えば、以下に示す式(E2)で表される化合物を用いてもよい。
Figure 0007351218000025
(式(E2)中、X、X、YおよびYは、互いに独立して、H、F、Cl、Br、I、CN、SCN、SF、25個までのC原子を有する直鎖状または分枝状アルキルであって、非置換であるか、あるいはF、Cl、Br、IまたはCNにより一置換または多置換されていてもよく、また、1つまたは2つ以上の非隣接CH基が、各々の場合において互いに独立して、-O-、-S-、-NH-、-NR-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-CH=CH-または-C≡C-によって、O原子および/またはS原子が互いに直接結合しないように置換されていてもよい前記アルキル、あるいは任意選択でLであり、
は、Hまたは、1個から4個のC原子を有するアルキルであり、
x1およびx2は、互いに独立して、0、1または2であり、
y1およびy2は、互いに独立して、0、1、2、3または4であり、
BおよびCは、互いに独立して、芳香族または部分飽和もしくは全飽和脂肪族の6員環であり、1つまたは2つ以上のCH基がNで置換され、かつ1つまたは2つ以上のCH基がOおよび/またはSで置換されていてもよく、
およびWの一方が-Z-A-(Z-A-Rであり他方がRまたはAであるか、あるいはWおよびWの両方が-Z-A-(Z-A-Rであり、かつWおよびWが同時にHではなく、または、
C-W-(-W-)が下記式(E2-1)または下記(E2-2)であり、
およびUは、互いに独立して、CH、O、S、COまたはCSであり、
およびVは、互いに独立して、(CH)nであり、4つまでの非隣接CH基がOおよび/またはSで置換されていてもよく、かつVおよびVの1つ、または
C-W-(-W-)が下記式(E2-3)の場合には、VおよびVの一方または両方ともが単結合を意味し、
nは1~7の整数であり、
およびZは、互いに独立して、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-O-COO-、-CO-NR-、-NR-CO-、-OCH-、-CHO-、-SCH-、-CHS-、-CFO-、-OCF-、-CFS-、-SCF-、-CHCH-、-CFCH-、-CHCF-、-CFCF-、-CH=N-、-N=CH-、-N=N-、-CH=CH-、-CF=CH-、-CH=CF-、-CF=CF-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合であり、
、AおよびAが、互いに独立して、さらに1つまたは2つ以上のCH基がNで置換されていてもよい1,4-フェニレン、さらに1つまたは2つの非隣接CH基がOおよび/またはSで置換されていてもよい1,4-シクロヘキシレン、1,3-ジオキソラン-4,5-ジイル、1,4-シクロヘキセニレン、1,4-ビシクロ-(2,2,2)-オクチレン、ピペリジン-1,4-ジイル、ナフタレン-2,6-ジイル、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル、または1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイルであり、これらのすべての基は非置換であるか、またはLによって一置換または多置換されていてもよく、またAは単結合でもよく、
Lは、ハロゲンまたは、1~7個のC原子を有する、シアノ、ニトロアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニルまたはアルコキシカルボニル基であって、ここで1つまたは2つ以上のH原子がFまたはClで置換されていてもよく、
mは、それぞれの場合に独立して、0、1、2または3であり、ならびに
RおよびRは、互いに独立して、H、F、Cl、Br、I、CN、SCN、OH、SF、25個までのC原子を有する直鎖状または分枝状アルキルであって、非置換であるか、またはF、Cl、Br、IもしくはCNで一置換または多置換されていてもよく、また、1つまたは2つ以上の非隣接CH基が、各々の場合において互いに独立して、-O-、-S-、-NH-、-NR-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCO-O-、-S-CO-、-CO-S-、-CH=CH-または-C≡C-によって、O原子および/またはS原子が互いに直接結合しないように置換されていることも可能である、前記アルキル基である。)
Figure 0007351218000026
Figure 0007351218000027
式(E2)で表される化合物としては、例えば、以下に示す式(E2-4)~(E2-7)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007351218000028
Figure 0007351218000029
光学活性化合物としては、例えば、以下に示す式(E3)で表される化合物を用いてもよい。
Figure 0007351218000030
(式(E3)中、L11、L21は、各々、同一にまたは異なって、F、Cl、Br、I、CN、SCN、SF、非置換であっても、F、Cl、Br、IもしくはCNによって単置換もしくは多置換されていてもよい25個までのC原子を有する直鎖状もしくは分枝状アルキルであって、それは、1以上の非隣接CH基が各々の場合において互いに独立して、-O-、-S-、-NH-、-NR-、-CO-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)-O-、-SC(O)-、-C(O)S-、-CH=CH-または-C≡C-によりOおよび/またはS原子が互いに直接結合しないように置き換えられていることもまた可能である該アルキル、または、L31によって、任意に単置換もしくは多置換されていてもよい20個までのC原子を有するシクロアルキルもしくはアリールであり、
は、Hまたは1~4個のC原子を有するアルキルであり、
およびMの一方は-Z31-A31-(Z32-A32)m-R31であり、他方はR41もしくはA41であり、または、
およびMの両方は、同一にまたは異なって、-Z31-A31-(Z32-A32-R31であるか、または、
下記式(E3-1)は、下記式(E3-2)もしくは下記式(E3-3)であり、
およびUは、各々、同一にまたは異なって、-CH-、-CF-、-O-、-S-、-CO-または-CS-を示し、
およびVは、各々、同一にまたは異なって、単結合または(CH)nを示し、ここで3つまでの非隣接CH-基が-O-および/または-S-によって置き換えられていてもよく、
11、Z12、Z21、Z22、Z31およびZ32は、各々、同一にまたは異なって、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-O-COO-、-CO-NR-、-NR-CO-、-OCH-、-CHO-、-SCH-、-CHS-、-CFO-、-OCF-、-CFS-、-SCF-、-CHCH-、-CFCH-、-CHCF-、-CFCF-、-CH=N-、-N=CH-、-N=N-、-CH=CH-、-CF=CH-、-CH=CF-、-CF=CF-、-C≡C-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-または単結合を示し、
11、A12、A21、A22、A31、A32、およびA41は、各々、同一にまたは異なって、1,4-フェニレンを示し、ここでさらに、1以上のCH基がN、1,4-シクロヘキシレンによって置き換えられていてもよく、ここでさらに、1以上の非隣接CH基が-O-および/または-S-、1,3-ジオキソラン-4,5-ジイル、1,4-シクロヘキセニレン、1,4-ビシクロ[2,2,2]オクチレン、ピペリジン-1,4-ジイル、ナフタレン-2,6-ジイル、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル、もしくは1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイルによって置き換えられていてもよく、これら全ての基が非置換であるか、L31によって単置換または多置換されていることが可能であり、
31は、各々、独立して、または異なって、ハロゲンまたは1~7個のC原子を有するシアノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、アルキルカルボニルもしくはアルコキシカルボニル基であり、ここで1個以上のH原子がFまたはClによって置き換えられていてもよく、
11、R21、R31およびR41は、各々、同一にまたは異なって、H、F、Cl、Br、I、CN、SCN、OH、SF、非置換であっても、F、Cl、Br、IもしくはCNによって単置換もしくは多置換されていてもよい25個までのC原子を有する直鎖状もしくは分枝状アルキルであって、それは、1以上の非隣接CH基が各々の場合において互いに独立して-O-、-S-、-NH-、-NR-、-CO-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)O-、-SC(O)-、-C(O)S-、-CH=CH-または-C≡C-によって-O-および/または-S-原子が互いに直接結合されないように置き換えられていることもまた可能である該アルキルを示し、
mは、0、1または2であり、
m1、m2は、各々、同一にまたは異なって、0、1、2または3であり、
nは、1~7の整数であり、
r1、r2は、各々、同一にまたは異なって、0、1、2、3、4または5を示し、ならびに
sは、0または1を示す。)
Figure 0007351218000031
Figure 0007351218000032
式(E3)で表される化合物としては、例えば、以下に示す式(E3-4)~(E3-13)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007351218000033
Figure 0007351218000034
Figure 0007351218000035
光学活性化合物としては、例えば、以下に示す式(E4-1)または式(E4-2)で表される化合物を用いてもよい。
Figure 0007351218000036
(式(E4-1)および(E4-2)中、Rk1はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、-SF、または炭素数1~5のアルキルであり、このアルキル中の少なくとも1つの-CH-は、-O-、-COO-または-OCO-、で置き換えられてもよく、少なくともひとつの-CH-CH-は、-CH=CH-または-C≡C-で置き換えられてもよいが、2つの連続する-CH-が-O-で置き換えられることはなく、このアルキル中の少なくとも1つの水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
k2はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、シアノ、-SF、または炭素数1~20のアルキルであり、このアルキル中の少なくとも1つの-CH-は、-O-、-COO-または-OCO-、で置き換えられてもよく、少なくともひとつの-CH-CH-は、-CH=CH-または-C≡C-で置き換えられてもよいが、2つの連続する-CH-が-O-で置き換えられることはなく、このアルキル中の少なくとも1つの水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
環Aはそれぞれ独立して、フェニレン環と連結して多環構造を構成する環であり、1,2-フェニレンあるいは1,2-シクロヘキシレンを示し;
環Ak1はそれぞれ独立して2個の結合部位を有する環構造であり、1,4-フェニレン、1,4-シクロヘキシレン、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル、テトラヒドロピラン-3,5-ジイル、ピリミジン-2,5-ジイル、ピリジン-2,5-ジイル、または1,4-ビシクロ-(2,2,2)-オクチレンであり、これらの環中の少なくとも1つの水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
k1はそれぞれ独立して、単結合、-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCH-、-CHO-、-CFO-、-OCF-、-CH=CH-、-CFCF-、-CF=CF-、または-C≡C-であり;
k1はそれぞれ独立して、単結合、または-(CHn-であり、nは1~20の整数であり;
k1はそれぞれ独立して、単結合、または炭素数1~10のアルキレンであり、このアルキレン中の少なくとも1つの-CH-は、-O-、-COO-または-OCO-、で置き換えられてもよく、少なくともひとつの-CH-CH-は、-CH=CH-、-CF=CF-または-C≡C-で置き換えられてもよく、このアルキレン中の少なくとも1つの水素はハロゲンで置き換えられてもよく(ただし、Zk1中に-O-O-があるものを除く);
mk1はそれぞれ独立して、2~4の整数であり;
nk1、およびnk2はそれぞれ独立して、0~2の整数である。)
光学活性化合物としては、例えば、以下に示す式(E5-1)または式(E5-2)で表される化合物を用いてもよい。
Figure 0007351218000037
(式(E5-1)および(E5-2)中、R、RおよびRは独立して、水素、ハロゲン、シアノ、-SF、または炭素数1から10のアルキルであり、このアルキルにおいて、少なくとも1つの-CH-は、-O-、-COO-、-OCO-、-CH=CH-、または-C≡C-で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;環A、環B、環E、および環Fは独立して、5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-1,2-ジイルまたはナフタレン-1,2-ジイルであり;環C、環D、および環Gは独立して、1,4-シクロヘキシレン、1,4-フェニレン、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル、テトラヒドロピラン-3,5-ジイル、ピリミジン-2,5-ジイル、ピリジン-2,5-ジイル、または1,4-ビシクロ-(2,2,2)-オクチレンであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;Z、Z、Z、Z、およびZは独立して、単結合または炭素数1から20のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの-CH-は、-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CH=CH-、または-C≡C-で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;a、b、およびcは独立して、2、3、または4である。)
式(E5-1)で表される化合物としては、例えば、以下に示す式(E5-3)で表される化合物が好ましい。
式(E5-2)で表される化合物としては、例えば、以下に示す式(E5-4)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007351218000038
光学活性化合物としては、例えば、以下に示す式(E6-1)~式(E6-7)で表される化合物を用いてもよい。
Figure 0007351218000039
Figure 0007351218000040
(式(E6-1)~(E6-7)中、Rはそれぞれ独立して、炭素数3~10のアルキルまたは炭素数3~10のアルコキシであり、アルキル中またはアルコキシ中の少なくとも1つの-CH-CH-は、-CH=CH-で置き換えられてもよく;
K0はそれぞれ独立して、水素または炭素数1~10のアルキルであり;
はそれぞれ独立して、芳香族性あるいは非芳香族性の3~8員環または炭素数9以上の縮合環であり、これらの環の任意の水素がハロゲン、炭素数1~3のアルキルまたはハロアルキルで置き換えられてもよく、環の-CH-は-O-、-S-または-NH-で置き換えられてもよく、-CH=は-N=で置き換えられてもよく;
は独立して、水素、ハロゲン、炭素数1~3のアルキル、炭素数1~3のハロアルキル、芳香族性または非芳香族性の3から8員環、または、炭素数9以上の縮合環であり、これらの環の任意の水素がハロゲン、炭素数1~3のアルキルまたはハロアルキルで置き換えられてもよく、-CH-は-O-、-S-または-NH-で置き換えられてもよく、-CH=は-N=で置き換えられてもよく;
は独立して、単結合、炭素数1~8のアルキレンであるが、任意の-CH-は、-O-、-S-、-COO-、-OCO-、-CSO-、-OCS-、-N=N-、-CH=N-、-N=CH-、-CH=CH-、-CF=CF-または-C≡C-で置き換えられてもよく、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
は単結合、-COO-、-OCO-、-CHO-、-OCH-、-CFO-、-OCF-または-CHCH-であり;
mKは1~4の整数である。)
式(E6-4)で表される化合物としては、例えば、以下に示す式(E6-9)(E6-10)で表される化合物が好ましい。
式(E6-6)で表される化合物としては、例えば、以下に示す式(E6-8)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007351218000041
光学活性化合物としては、例えば、以下に示す式(E7)で表される化合物を用いてもよい。
Figure 0007351218000042
(式(E7)中、Lは置換基を有してもよい炭素数1~15の連結基を示し、R1~R10は、それぞれ独立して、水素原子、又は1価の置換基を示す。)
式(E7)で表される化合物としては、例えば、以下に示す式(E7-1)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007351218000043
光学活性化合物としては、例えば、以下に示す式(E8)で表される化合物を用いてもよい。
Figure 0007351218000044
光学活性化合物としては、例えば、以下に示す式(E9-1)で表される化合物を用いてもよい。
Figure 0007351218000045
(式(E9-1)において、Yは独立して、水素、ハロゲンまたは式(E9-2)で表される基であり、ただし、Y中で少なくとも2つは式(E9-2)で表される基である。
式(E9-2)において、Rは独立してハロゲン、シアノ、炭素数2~20のアルケニルまたは炭素数1~20のアルキルであり、この基中の少なくとも1つの-CH-は、-O-が隣接する場合を除いて-O-で置き換えられてもよく、この基中の少なくとも1つの水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
は独立して、1,4-シクロへキシレン、1,4-フェニレン、4,4’-ビフェニレン、ナフタレン-2,6-ジイル、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイルまたは少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた1,4-フェニレンであり;
は独立して、単結合、-O-、-COO-、-OCO-、-CH=CH-COO-、-OCO-CH=CH-、-CHCH-COO-、-OCO-CHCH-、-OCF-または-(CH)-であり、-(CH)-の1つの-CH-は、-O-で置き換えられてもよく;
pは独立して1~20の整数であり;
rは独立して1~3の整数である。)
光学活性化合物としては、例えば、以下に示す式(E10-1)で表される化合物を用いてもよい。
Figure 0007351218000046
(式(E10-1)中、Arは、炭素数6乃至12のアリーレン基、炭素数3乃至12のシクロアルキレン基、又は炭素数3乃至12のシクロアルケニレン基を表し、mは0乃至3である。また、Rは、水素、炭素数1乃至12のアルキル基、又は炭素数1乃至12のアルコキシ基を表す。また、R及びRのうちの一方は、下記式(E10-2)で表される置換基を表し、他方は水素を表す。)
(式(E10-2)中、Arは、炭素数6乃至12のアリーレン基、炭素数3乃至12のシクロアルキレン基、又は炭素数3乃至12のシクロアルケニレン基を表し、kは1乃至3である。また、Rは、水素、炭素数1乃至12のアルキル基、又は炭素数1乃至12のアルコキシ基を表す。)
式(E10-1)で表される化合物としては、例えば、以下に示す式(E10-3)~(E10-10)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007351218000047
Figure 0007351218000048
Figure 0007351218000049
光学活性化合物としては、例えば、以下に示す式(E11)で表される化合物を用いてもよい。
Figure 0007351218000050
(式(E11)中、Bは、Lにより一置換、二置換または三置換されていてもよい1,4-フェニレン、または、1,4-シクロヘキシレンであり、
Lは、H、F、Cl、CN、または、1~7個の炭素原子を有しハロゲン化されていてもよいアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシであり、
bは、0、1または2であり、
は、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-または単結合であり、および
は、1~12個の炭素原子を有するアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニルまたはアルキルカルボニルオキシである。)
式(E11)で表される化合物としては、例えば、以下に示す式(E11-1)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007351218000051
光学活性化合物としては、例えば、以下に示す式(E12)で表される化合物を用いてもよい。
Figure 0007351218000052
光学活性化合物としてビナフチルキラル化合物を用いる場合、第1液晶組成物21中、第2液晶組成物22中および第3液晶組成物中における光学活性化合物の含有量は、意図する選択反射波長によって適宜決定できる。具体的には、第1液晶組成物21中、第2液晶組成物22中および/または第3液晶組成物中における光学活性化合物の含有量は、それぞれ0.1~10質量%とすることができ、1~8質量%であることが好ましい。
第1液晶組成物21中、第2液晶組成物22中および/または第3液晶組成物中における光学活性化合物の含有量が0.1質量%以上であると、これを調製する際に製造スケールに関わらず容易に高い秤量精度で光学活性化合物を秤量でき、光学活性化合物の濃度が高精度で調製されたものとなりやすい。したがって、第1液晶組成物21中、第2液晶組成物22中および/または第3液晶組成物中における光学活性化合物の濃度が所望の濃度範囲でないために、第1コレステリック液晶層1および/または第2コレステリック液晶層2における選択反射波長および温度依存性が所定の範囲外となることを防止できる。よって、所望の螺旋ねじれ方向および選択反射波長を有する第1コレステリック液晶層1、第2コレステリック液晶層2および/または第3コレステリック液晶層3が得られやすい。
光学活性化合物の含有量が10質量%以下であると、光学活性化合物を含むことによる第1液晶組成物21および第2液晶組成物22の粘度上昇、相転移温度および保存安定性の低下を抑制できる。
第1液晶組成物21、第2液晶組成物22および第3液晶組成物23は、分子内に過酸(-CO-OO-)構造等の酸素原子同士が結合した構造を持つ化合物を含有しないことが好ましい。
第1液晶組成物21、第2液晶組成物22および/または第3液晶組成物23は、分子内の環構造がすべて6員環である化合物の含有量を多くすることが好ましい。分子内の環構造がすべて6員環である化合物の含有量は、第1液晶組成物21、第2液晶組成物22および/または第3液晶組成物23の総質量に対して、80質量%以上とすることが好ましく、90質量%以上とすることがより好ましく、95質量%以上とすることが更に好ましく、実質的に、分子内の環構造がすべて6員環である化合物のみであることが最も好ましい。
酸化による劣化を抑えるためには、環構造としてシクロヘキセニレン基を有する化合物の含有量を少なくすることが好ましく、シクロヘキセニレン基を有する化合物の含有量を、第1液晶組成物21、第2液晶組成物22および/または第3液晶組成物23の総質量に対して10質量%以下とすることが好ましく、8質量%以下とすることが好ましく、質量5%以下とすることがより好ましく、3質量%以下とすることが好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
本願において実質的に含有しないとは、意図せずに含有する物を除いて含有しないということを意味する。
第1液晶組成物21、第2液晶組成物22および/または第3液晶組成物23に含有される液晶化合物が、側鎖としてアルケニル基を有する場合、前記アルケニル基がシクロヘキサンに結合している場合には、当該アルケニル基の炭素原子数は2~5であることが好ましい。前記アルケニル基がベンゼンに結合している場合には、当該アルケニル基の炭素原子数は4~5であることが好ましく、前記アルケニル基の不飽和結合とベンゼンは直接結合していないことが好ましい。
(添加剤)
第1液晶組成物21、第2液晶組成物22及び第3液晶組成物23は、必要に応じて更に添加剤を含むことができる。例えば、外部刺激に対する安定性を高める目的でUV吸収剤や酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)等を添加することができる。添加剤の組成は、特に制限されないが、液晶組成物への添加が公知である種々の化合物、例えばベンゾトリアゾール系UV吸収剤や、ヒンダードフェノール系参加防止剤を挙げることができる。また、第1液晶組成物21、第2液晶組成物22及び第3液晶組成物23は、コレステリック液晶相の固定化を目的とした種々の重合性化合物を更に含むこともできる。この場合、重合性化合物は、硬化前の段階では液晶性を示す物質であることが好ましい。液晶性を示す重合性化合物を紫外線照射、あるいは加熱等によって重合、硬化することにより、流動性が無く外力によって配向形態に変化を生じない状態に変化した層にすることもできる。
上述したように、本実施形態によれば、液晶表示装置10は、第1コレステリック液晶層1は、選択反射波長の温度依存性がゼロになるように選択された二種以上の光学活性化合物を含有する第1液晶組成物21を含み、且つ赤色の光を選択的に反射する。第2コレステリック液晶層2は、選択反射波長の温度依存性がゼロになるように選択された二種以上の光学活性化合物を含有する第2液晶組成物22を含み、且つ緑色の光を選択的に反射する。第3コレステリック液晶層3は、選択反射波長の温度依存性がゼロになるように選択された二種以上の光学活性化合物を含有する第3液晶組成物23を含み、且つ青色の光を選択的に反射する。そして、第1コレステリック液晶層1、第2コレステリック液晶層2及び第3コレステリック液晶層3の合計の厚みを100%としたとき、表示面から最も遠い第1コレステリック液晶層1の厚みの割合が28~48%であり、中間の第2コレステリック液晶層2の厚みの割合が23~39%であり、表示面側の第3コレステリック液晶層3の厚みの割合が23~39%である。これにより、入射光の反射率が高く、白の表示品位が高い液晶表示装置10を提供することができる。また、環境温度が異なることによる色味の差が小さく、環境温度の違いに因る白の表示品位の低下を防止することができる。
<第2実施形態>
図3は、第2実施形態の液晶表示装置の要部を説明するための断面模式図である。図3に示す液晶表示装置20は、図1に示す液晶表示装置10における透明接着層5及び透明接着層6を有していない点で、液晶表示装置10と異なる。図3に示す液晶表示装置20において、図1に示す液晶表示装置10と同じ部材については、同じ符号を付し、説明を省略する。
図3に示すように、本実施形態の液晶表示装置20では、第1コレステリック液晶層1の第2コレステリック液晶層2側に配置された透明基板31aと、第2コレステリック液晶層2の第1コレステリック液晶層1側に配置された透明基板32bとが接している。また、第2コレステリック液晶層2の第3コレステリック液晶層3側に配置された透明基板32aと、第3コレステリック液晶層3の第2コレステリック液晶層2側に配置された透明基板33bとが接している。この場合、透明基板31a及び透明基板32bが、主面の面内方向に亘って互いに隙間なく密着しているのが好ましく、また、透明基板32a及び透明基板33bが、主面の面内方向に亘って互いに隙間なく密着しているのが好ましい。
このように、第1,第2,第3コレステリック液晶層1,2,3のうちの隣接する2つのコレステリック液晶層の一方を構成する一の透明基板と、隣接する上記2つのコレステリック液晶層の他方を構成する一の透明基板とが接しているので、液晶表示装置20の構成を簡略化しつつ、入射光の反射率を高めることができる。
<第3実施形態>
図4は、第3実施形態の液晶表示装置の要部を説明するための断面模式図である。図4に示す液晶表示装置30は、図3に示す液晶表示装置20において第1コレステリック液晶層1の透明基板31a及び第2コレステリック液晶層1の透明基板32aを有していない点で異なる。図4に示す液晶表示装置30において、図3に示す液晶表示装置20と同じ部材については、同じ符号を付し、説明を省略する。
図4に示すように、本実施形態の液晶表示装置20では、第2コレステリック液晶層1を構成する一の透明基板が、第1コレステリック液晶層1を構成する一の透明基板を兼ねており、第3コレステリック液晶層3を構成する一の透明基板が、第2コレステリック液晶層2を構成する一の透明基板を兼ねている。すなわち、第2コレステリック液晶層2の第1コレステリック液晶層1側に配置された透明基板32bが、第1コレステリック液晶層1の第2コレステリック液晶層2側に配置される透明基板を兼ねている。また、第3コレステリック液晶層3の第2コレステリック液晶層2側に配置された透明基板33bが、第2コレステリック液晶層2の第3コレステリック液晶層3側に配置される透明基板を兼ねている。
このように、第1,第2,第3コレステリック液晶層1,2,3のうちの隣接する2つのコレステリック液晶層の一方を構成する一の透明基板が、隣接する上記2つのコレステリック液晶層の他方を構成する一の透明基板を兼ねているので、入射光や反射光が、透明基板同士の界面によって屈折或いは反射されるのを防止することができ、液晶表示装置20の構成を簡略化しつつ、入射光の反射率を更に高めることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(光学活性化合物以外の液晶化合物)
先ず、表1に示す割合で下記式(1)~(16)の液晶化合物を混合し、光学活性化合物以外の液晶化合物(第一成分)を調製した。
式(1)~(9)の液晶化合物は、誘電的に正の液晶化合物である。
式(10)~(16)の液晶化合物は、誘電的に中性の液晶化合物である。
Figure 0007351218000053
Figure 0007351218000054
Figure 0007351218000055
得られた光学活性化合物以外の液晶化合物(第一成分)について、液晶相から等方相へ転移する温度である相転移温度(TNI)と、固相から液晶相へ復元する温度である融点と、温度25℃、波長589nmにおける屈折率異方性(△n)と、温度25℃、周波数1kHzにおける誘電率異方性(△ε)と、温度20℃でのフロー粘性である粘度(η)とをそれぞれ測定した。その結果を表2に示す。尚、コレステリック液晶組成物1~3に対応する3種類の第一成分の組成は異なるが、これらの全てが表2に示す物性値を示した。
Figure 0007351218000056
得られた第一成分は、相転移温度(TNI)が高く、融点が低く、誘電率異方性(Δε)が大きく、粘度(η)が小さいことから、動作温度範囲が広く、低電圧駆動が可能であることが分かった。
(コレステリック液晶層1~3)
次に、得られた3種類の第一成分の各々に、光学活性化合物である二種類のキラル化合物(第二成分)を表1に示す割合で添加し、25℃の選択反射波長がそれぞれ470nm、560nm、630nm程度になるよう調整したコレステリック液晶組成物1~3を作製した。
そして、第一成分及び第二成分で構成されるコレステリック液晶組成物1~3を、それぞれホモジニアス配向膜付き電極を有するギャップ3μmのセルに注入した後、相転移温度TNI以上の温度まで加熱し、室温まで徐冷した。その後、セル表面を指で押圧することで、それぞれの厚みが3μmであるコレステリック液晶層1~3を作製した。作製されたコレステリック液晶層1~3の選択反射波長の温度依存性を測定した。結果を表3に示す。
「選択反射波長の温度依存性(0~50℃)」
コレステリック液晶層にパネルの法線から入射角度30°傾けた光を入射して、0℃、25℃、50℃の各温度において、液晶パネルの法線方向に反射される光の波長を、液晶パネル評価装置(商品名;LCD-5200(大塚電子株式会社製))を用いて測定し、各温度における選択反射波長を求めた。そして、0~50℃の温度範囲における選択反射光の最大値と最小値との差を温度範囲(50℃)で除することにより、0~50℃の温度範囲での選択反射波長の温度依存性を算出した。
Figure 0007351218000057
表3の結果から、第一成分及び第二成分で構成されるコレステリック液晶組成物1~3を有するコレステリック液晶層1~3のいずれも、選択反射波長(0℃、25℃及び50℃)の温度依存性が小さいことが分かる。コレステリック液晶層1~3は、液晶表示装置用のコレステリック材料として適していることが分かる。
また、コレステリック液晶組成物1~3を有するコレステリック液晶層1~3を0℃から50℃に温度を変化させてその色味変化を目視で観察したところ、青、緑、赤の色味のいずれにも変化はなかった。よって、コレステリック液晶層1~3のいずれにおいても、環境温度の変化に因る色味の変化が無く、液晶表示装置において環境温度の違いに因る白の表示品位の低下が防止されると推察される。
次に、上記と同様にして、第一成分及び第二成分で構成されるコレステリック液晶組成物1~3を、ホモジニアス配向膜付きガラス基板を有するギャップ4μmのセルに注入し、厚みが4μmであるコレステリック液晶層4~6を作製した。また、第一成分及び第二成分で構成されるコレステリック液晶組成物1~3を、ホモジニアス配向膜付き電極を有するギャップ5μmのセルに注入し、厚みが5μmであるコレステリック液晶層7~9を作製した。更に、第一成分及び第二成分で構成されるコレステリック液晶組成物3を、ホモジニアス配向膜付き電極を有するギャップ6μmのセルに注入し、厚みが6μmであるコレステリック液晶層10を作製した。
(実施例1)
実施例1として、厚み4μm(B)のコレステリック液晶層4、厚み4μm(G)のコレステリック液晶層5、厚み5μm(R)のコレステリック液晶層9の各層間をシリコーンオイルで満たし、表4に示すように表示面側から順に厚み4μm(B)、厚み4μm(G)、厚み5μm(R)となり、且つ各液晶層の厚み割合が表4に示す値となるように3層を積層した液晶表示装置を得た。得られた実施例1の液晶表示装置の反射率、色度x及び色度yを測定した。
各コレステリック液晶層の厚さの割合は、3層の厚みの合計に対する各コレステリック液晶層の厚みの百分率の小数点以下第一位を四捨五入して求めた。コレステリック液晶層にパネルの法線から入射角度30°傾けた光を入射して、液晶パネルの法線方向に反射される光の波長と強度を、液晶パネル評価装置(商品名;LCD-5200(大塚電子株式会社製))を用いて反射率を求めた。このとき、標準白色板の反射率を100%とした。また、表中のLは、色度図の点(x=0.33、y=0.33)からの距離を表し、L=((x-0.33)+(y-0.33)1/2で表され、Lの値が小さいほど色味のない白の状態を示す。
(比較例1~2)
同様にして、表4に示す厚み及び厚み割合を有するコレステリック液晶層を、同表に示す順で3層を積層した比較例1~6の液晶表示装置を作製し、得られた比較例1~2の液晶表示装置の反射率、色度x及び色度yを測定した。結果を表4に示す。
Figure 0007351218000058
表4の結果から、実施例1の液晶表示装置では、B/G/Rの厚みの割合が31%/31%/38%であり、表示面側の層Lの値が0.0083であった。一方、比較例1~2の液晶表示装置では、Lの値がそれぞれ、0.0206、0.0160であった。よって、実施例1では、比較例1~2と比較して、Lの値が最も小さく、最も白に近い色を示していることが分かった。
(実施例2)
実施例2として、厚み3μm(B)のコレステリック液晶層1、厚み4μm(G)のコレステリック液晶層5、厚み5μm(R)のコレステリック液晶層9の各層間をシリコーンオイルで満たし、表5に示すように表示面側から順に厚み3μm(B)、厚み4μm(G)、厚み5μm(R)となり、且つ各液晶層の厚み割合が表5に示す値となるように3層を積層した液晶表示装置を得た。得られた実施例2の液晶表示装置の反射率、色度x及び色度yを測定した。
(比較例3~6)
また、同様にして、表5に示す厚み及び厚み割合を有するコレステリック液晶層を、同表に示す順で3層を積層した比較例3~6の液晶表示装置を作製し、得られた比較例3~6の液晶表示装置の反射率、色度x及び色度yを測定した。比較例3~6では、実施例2で用いたコレステリック液晶層1,5,9を、実施例2とは異なる順で積層した。結果を表5に示す。
Figure 0007351218000059
表5の結果から、実施例2の液晶表示装置では、B/G/Rの厚みの割合が25%/33%/42%であり、Lの値が0.0131であた。また、比較例3~6の液晶表示装置では、Lの値がそれぞれ、0.0085、0.0289、0.0171、0.0376であった。よって、実施例2では、比較例3~6と比較して、Lの値が最も小さく、最も白に近い色を示していることが分かった。また、実施例2では、比較例3と比較してLの値が大きいものの、反射率が比較例4の次に大きくなった。したがって、実施例2は、反射率及び白の表示品位のバランスの取れた液晶表示装置であることが分かった。
(実施例3)
実施例3として、厚み5μm(B)のコレステリック液晶層7、厚み3μm(G)のコレステリック液晶層2、厚み5μm(R)のコレステリック液晶層9の各層間をシリコーンオイルで満たし、表6に示すように表示面側から順に厚み5μm(B)、厚み3μm(G)、厚み5μm(R)となり、且つ各液晶層の厚み割合が表6に示す値となるように3層を積層した液晶表示装置を得た。
(実施例4)
実施例4として、厚み5μm(B)のコレステリック液晶層7、厚み4μm(G)のコレステリック液晶層5、厚み5μm(R)のコレステリック液晶層9の各層間をシリコーンオイルで満たし、表6に示すように表示面側から順に厚み5μm(B)、厚み4μm(G)、厚み5μm(R)となり、且つ各液晶層の厚み割合が表6に示す値となるように3層を積層した液晶表示装置を得た。
実施例3~4では、3層の積層順を実施例2と同じ(表示面側から、B/G/R)とし、表示面側の層の厚み(B)を中間の層(G)よりも厚くした。得られた実施例3~4の液晶表示装置の反射率、色度x及び色度yを測定した。結果を表6に示す。
Figure 0007351218000060
表6の結果から、実施例3の液晶表示装置では、B/G/Rの厚みの割合が38%/23%/38%であり、Lの値が0.0063であった。よって、比較例1~6と比較して、Lの値が最も小さく、最も白に近い色を示していることが分かった。また、実施例1~2と比較すると、反射率が最も大きく且つLの値が最も小さく、反射率及び白の表示品位が最も優れていることが分かった。
また、実施例4の液晶表示装置では、B/G/Rの厚みの割合が36%/29%/36%であり、反射率が53.0%、Lの値が0.0118であった。よって、比較例1~6と比較して、反射率が比較例4、比較例1の次に大きく、また、Lの値が比較例3の次に小さく、反射率及び白の表示品位のバランスの取れた液晶表示装置であることが分かった。
(実施例5)
実施例2のコレステリック液晶層1、コレステリック液晶層5及びコレステリック液晶層9を、粘着剤(商品名;LUMISIL203UV;旭化成ワッカーシリコーン社製)を用いて張り合わせ、25℃での屈折率が1.41である厚み約100μmの透明接着層を介して、コレステリック液晶層1、コレステリック液晶層5及びコレステリック液晶層9が積層された実施例5の液晶表示装置を得た。
得られた液晶表示装置について、オリンパス社製光学顕微鏡を用いて画素のずれを測定する方法により、コレステリック液晶層1の画素電極、コレステリック液晶層5の画素電極及びコレステリック液晶層9の画素電極における、平面視での縦方向および横方向の位置ずれを測定し、縦方向の位置ずれと横方向の位置ずれとの合計を算出した。その結果、隣接する2つの画素電極の位置ずれはそれぞれ約45μmであった。
(実施例6)
実施例5よりも、コレステリック液晶層1の画素電極、コレステリック液晶層5の画素電極及びコレステリック液晶層9の画素電極における、平面視での位置ずれが大きくなるように積層したこと以外は、実施例5と同様にして、実施例6の液晶表示装置を得た。
得られた液晶表示装置について、実施例5と同様にして、縦方向の位置ずれと横方向の位置ずれとの合計を算出した。その結果、隣接する2つの画素電極の位置ずれはそれぞれ90μmであった。
このようにして得られた実施例5および実施例6の液晶表示装置に、それぞれ文字を表示させて、表示面を目視にて観察した。その結果、実施例5では、実施例6と比較して、より明るく、且つ、より白い表示が得られた。
1 第1コレステリック液晶層
2 第2コレステリック液晶層
3 第3コレステリック液晶層
5 透明接着層
6 透明接着層
7 光吸収層
10 液晶表示装置
20 液晶表示装置
30 液晶表示装置
21 第1コレステリック液晶組成物(第1液晶組成物)
22 第2コレステリック液晶組成物(第2液晶組成物)
23 第3コレステリック液晶組成物(第3液晶組成物)
31a 透明基板
31b 透明基板
32a 透明基板
32b 透明基板
33a 透明基板
33b 透明基板
41a 共通電極
42a 共通電極
43a 共通電極
41b 画素電極
42b 画素電極
43b 画素電極

Claims (9)

  1. 互いに積層された第1コレステリック液晶層、第2コレステリック液晶層及び第3コレステリック液晶層を備え、
    前記第1コレステリック液晶層は、選択反射波長の温度依存性がゼロになるように選択された二種以上の光学活性化合物を含有する第1コレステリック液晶組成物を含み、且つ赤色の光を選択的に反射し、
    前記第2コレステリック液晶層は、選択反射波長の温度依存性がゼロになるように選択された二種以上の光学活性化合物を含有する第2コレステリック液晶組成物を含み、且つ緑色の光を選択的に反射し、
    前記第3コレステリック液晶層は、選択反射波長の温度依存性がゼロになるように選択された二種以上の光学活性化合物を含有する第3コレステリック液晶組成物を含み、且つ青色の光を選択的に反射し、
    前記第1コレステリック液晶層、前記第2コレステリック液晶層及び前記第3コレステリック液晶層の合計の厚みを100%としたとき、表示面から最も遠い層の厚みの割合が28~48%であり、中間の層の厚みの割合が23~39%であり、表示面側の層の厚みの割合が23~39%であって、
    前記第1コレステリック液晶層、前記第2コレステリック液晶層及び前記第3コレステリック液晶層のうち、中間の層の厚みが、表示面から最も遠い層の厚み及び表示面側の層の厚みのいずれよりも小さく、
    前記第1コレステリック液晶層が表示面から最も遠い層であり、前記第2コレステリック液晶層が中間の層であり、前記第3コレステリック液晶層が表示面側の層である液晶表示装置。
  2. 前記第1コレステリック液晶層、前記第2コレステリック液晶層及び前記第3コレステリック液晶層のうち、表示面から最も遠い層を構成するコレステリック液晶組成物の螺旋ねじれ方向が、表示面側の層を構成するコレステリック液晶組成物の螺旋ねじれ方向と同じであり、且つ中間の層を構成するコレステリック液晶組成物の螺旋ねじれ方向とは逆である、請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記第1コレステリック液晶組成物、前記第2コレステリック液晶組成物及び第3コレステリック液晶組成物に含有される前記光学活性化合物のうちの少なくとも1つが、ビナフチルキラル化合物である、請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記第1コレステリック液晶組成物、前記第2コレステリック液晶組成物及び第3コレステリック液晶組成物のうちの少なくとも1つが、誘電的に正の液晶化合物を含有する、請求項1~のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  5. 前記第1コレステリック液晶組成物、前記第2コレステリック液晶組成物及び第3コレステリック液晶組成物のうちの少なくとも1つが、誘電的に中性の液晶化合物を含有する、請求項1~のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  6. 前記第1コレステリック液晶層、前記第2コレステリック液晶層及び第3コレステリック液晶層はそれぞれ、対向する二枚の透明基板間に前記第1コレステリック液晶組成物、前記第2コレステリック液晶組成物、前記第3コレステリック液晶組成物が挟持されてなり、
    前記第1,第2,第3コレステリック液晶層のうちの隣接する2つのコレステリック液晶層の一方を画定する透明基板と、上記2つのコレステリック液晶層の他方を画定する透明基板とに接して透明接着層が設けられ、
    前記透明接着層と、前記透明接着層に接している透明基板との25℃での屈折率の差が0.12以下である、請求項1に記載の液晶表示装置。
  7. 前記第1コレステリック液晶層、前記第2コレステリック液晶層及び第3コレステリック液晶層はそれぞれ、対向する二枚の透明基板間に前記第1コレステリック液晶組成物、前記第2コレステリック液晶組成物、前記第3コレステリック液晶組成物が挟持されてなり、
    前記第1,第2,第3コレステリック液晶層のうちの隣接する2つのコレステリック液晶層の一方を画定する一の透明基板と、隣接する上記2つのコレステリック液晶層の他方を画定する一の透明基板とが接している、請求項1に記載の液晶表示装置。
  8. 前記第1コレステリック液晶層、前記第2コレステリック液晶層及び第3コレステリック液晶層はそれぞれ、対向する二枚の透明基板間に前記第1コレステリック液晶組成物、前記第2コレステリック液晶組成物、前記第3コレステリック液晶組成物が挟持されてなり、
    前記第1,第2,第3コレステリック液晶層のうちの隣接する2つのコレステリック液晶層の一方を画定する一の透明基板が、隣接する上記2つのコレステリック液晶層の他方を画定する一の透明基板を兼ねている、請求項1に記載の液晶表示装置。
  9. 前記第1コレステリック液晶層、前記第2コレステリック液晶層及び第3コレステリック液晶層はそれぞれ、前記第1コレステリック液晶組成物、前記第2コレステリック液晶組成物、前記第3コレステリック液晶組成物と接する側の面に画素電極が設けられた透明基板からなる画素電極基板と、前記第1コレステリック液晶組成物、前記第2コレステリック液晶組成物、前記第3コレステリック液晶組成物と接する側の面に共通電極が設けられた透明基板からなる共通電極基板との間に前記コレステリック液晶組成物が挟持されてなり、
    前記第1コレステリック液晶層を画定する前記画素電極基板の前記画素電極,前記第2コレステリック液晶層を画定する前記画素電極基板の前記画素電極,及び前記第3コレステリック液晶層を画定する前記画素電極基板の前記画素電極のうちのコレステリック液晶層の積層された方向に隣接する2つの画素電極が、平面視で第1方向の位置ずれdxと、前記第1方向と直交する第2方向の位置ずれdyとの合計(dx+dy)が60μm以下であるように配置される、請求項のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
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