JP5594442B2 - 液晶・高分子複合材料 - Google Patents
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Description
本発明は、高速応答が可能となる液晶として好適な液晶・高分子複合材料及びその製造方法に関する。
現在、3D対応、あるいは周辺機器・装置への負荷低減の観点から、液晶の高速化が重要な開発課題となっている。これまでに、ネマチック液晶の物性改良やパネルの改良による高速化が検討されているが、ネマチック液晶以外の高速液晶の開発も盛んである。ネマチック液晶以外であって高速応答が可能となる液晶としては、現在、強誘電性液晶(FLC)、ブルー相等の光学的に等方性の液晶相(光学的等方性相)を示す液晶(例えば、非特許文献1参照。)、二軸性液晶等が知られている。
ブルー相は、キュービック構造を有する秩序相であるブルー相I及びIIと、アモルファス(無秩序)相であるブルー相IIIに分類される。これらのブルー相は、電界無印加時に光学的に等方性のため、ラビング配向が不要であり、光漏れがないきれいな黒がでるためにコントラストがよく、また、IPS方式と同様に、水平に電場を印加するため視野角も良いという特徴がある。さらに、カー効果を利用した複屈折の発現に基づくスイッチングを行うため、原理的に高速応答を得ることができる。
ブルー相液晶を用いた液晶光学素子においては、ブルー相の発現温度範囲が非常に狭い(およそ1℃)ことが問題であった(例えば、非特許文献2参照。)。ところが近年、高分子化によりブルー相を示す温度範囲を拡大できることが判明した。例えば非特許文献3〜5には、ブルー相を示す低分子液晶材料中で、ブルー相を保持しながら少量の重合性化合物を重合させて高分子を形成させることにより、ブルー相の発現温度範囲が数十℃以上に広がること(高分子安定化ブルー相)が報告されている。また、特許文献1及び2には、重合性化合物とキラリティーを有する液晶材料との混合物を、当該混合物が等方相又はブルー相を発現する温度で重合を開始し、可視光線以上の波長の光を実質的に散乱せずかつ光学的に等方性の状態で重合を終了することにより、高透明性、等方性であり、かつ広い温度範囲にわたって大きくて安定したカー係数を示す液晶・高分子複合材料が得られることが記載されている。また、特許文献3及び4には、高分子安定化ブルー相を形成するためのキラリティーを有する液晶材料として、メソゲン部にCF2O基又はクロロベンゼン環を有する化合物を含む液晶組成物が好適であることが、それぞれ開示されている。さらに、特許文献5〜7には、高分子安定化ブルー相を形成するための高分子として、一反応性メソゲン重合性化合物から得られる高分子、メタクリレート骨格とアクリレート骨格との共重合によって形成される高分子、又は不斉構造を有する重合性化合物から得られる高分子が好適であることが、それぞれ開示されている。その他、特許文献8には、液晶組成物に、キラリティーを有する可溶性液晶ポリマーを配合することにより、当該液晶組成物のブルー相の発現温度範囲を広げたことが報告されている。
通常用いられるブルー相はブルー相I又はIIであり、前記の方法によって高分子安定化されているブルー相もブルー相I又はIIである。これに対してブルー相IIIは、発現する液晶も非常に少なく、その安定化も困難である。ブルー相IIIの発現やその安定化についての報告は少ないが、例えば、非特許文献6及び7には、ネマチック液晶組成物に、分子内にねじれ秩序を持つT型キラル液晶オリゴマーを配合することにより、ブルー相IIIを発現させることができ、かつその発現温度範囲を広げられることが報告されている。また、非特許文献8には、サイボタクティックな層構造によりブルー相の秩序が乱され、ブルー相IIIが発現することが提案されている。さらに、非特許文献9には、ブルー相I及びIIと同様に、ブルー相IIIも、ネマチック液晶組成物中で、少量の重合性化合物を重合させて高分子を形成させることにより、ブルー相IIIの発現温度範囲を広げられることが報告されている。
H.Stegemeyer,et.al.,Liquid Crystals,1986,vol.1,p.3−28.
D.C. Wright,N.D.Mermin,Reviews of Modern Physics,1989,vol.61(2),p.385−432.
H.Kikuchi,et.al.,Nature Materials,2002,vol.1(1),p.64−68.
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J.Yan,et.al.,Journal of Materials Chemistry,2011,vol.21(22),p.7870−7877.
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S.Taushanoff,et.al.,Journal ofMaterials Chemistry,2010,vol.20(28),p.5893−5898.
芝山聖史、他2名、液晶学会討論会、2010年、「高分子安定化ブルー相IIIの創製とその電気光学応答」(PB2)。
秩序相であるブルー相I又はIIを用いた液晶では、電気光学応答曲線(VT曲線)でヒステリシスが発生するという課題があった。アモルファス相であるブルー相IIIを用いることにより、ヒステリシスが低減すると考えられる。しかしながら、ブルー相IIIを示す材料は限られており、さらに、その安定化も不充分である。例えば、非特許文献9で行われている高分子安定化では、安定化後のブルー相IIIは、その発現温度範囲の大部分においてブルー相I、II又は液体相のいずれかと共存した状態であり、液晶全体でブルー相IIIのみを示す温度範囲は50.6〜52.1℃の1.5℃幅しかない。
そこで、ブルー相IIIを安定化し、発現温度範囲を広げるためのより有効な方法の開発が望まれている。
そこで、ブルー相IIIを安定化し、発現温度範囲を広げるためのより有効な方法の開発が望まれている。
本発明の目的は、ブルー相等の光学的等方相、特にブルー相IIIを示す温度範囲が充分に広い液晶・高分子複合材料及びその製造方法を提供することである。
本発明は、少なくとも2種類のアキラルな液晶性化合物を含むネマチック液晶組成物と、少なくとも1種類のキラル化合物と、少なくとも1種類の重合性化合物が重合してなる高分子とを含むことを特徴とする液晶・高分子複合材料を提供する。
また、本発明は、少なくとも2種類のアキラルな液晶性化合物を含むネマチック液晶組成物と、少なくとも1種類のキラル化合物と、少なくとも1種類の重合性化合物とを含む重合性化合物含有液晶組成物を、当該重合性化合物含有液晶組成物がブルー相IIIを示す温度範囲内で重合を開始することにより硬化させることを特徴とする液晶・高分子複合材料の製造方法を提供する。
本発明の液晶・高分子複合材料は、発現温度範囲が従来になく非常に広く、安定したブルー相、特にブルー相IIIを発現することができる。このため、本発明の液晶・高分子複合材料は、高速応答性が要求される液晶光学素子の材料として、特に好適である。
また、本発明の液晶・高分子複合材料の製造方法により、ブルー相の発現温度範囲が非常に広く、安定性の高い液晶・高分子複合材料を製造することができる。
また、本発明の液晶・高分子複合材料の製造方法により、ブルー相の発現温度範囲が非常に広く、安定性の高い液晶・高分子複合材料を製造することができる。
本願発明において、「アルキレン基」とは、特に断りのない場合、脂肪族直鎖炭化水素の両端の炭素原子から水素原子各1個を除いた二価の基「−(CH2)n−」(ただしnは1以上の整数)を意味するものとし、その水素原子からハロゲン原子若しくはアルキル基への置換、又はメチレン基(−CH2−)から酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、−CO−、−COO−若しくは−OCO−等への置換がある場合は、その旨を特に断るものとする。また、「アルキレン基の炭素原子数」とは、「アルキレン基」の一般式「−(CH2)n−」におけるnをいう。
本発明の液晶・高分子複合材料は、少なくとも2種類のアキラルな液晶性化合物を含むネマチック液晶組成物と、少なくとも1種類のキラル化合物と、少なくとも1種類の重合性化合物が重合してなる高分子とを含むことを特徴とする。ネマチック液晶組成物とキラル化合物を含み、かつブルー相等の光学的等方相、特にブルー相IIIを発現する液晶材料を、高分子で安定化することによって、ブルー相III等を非常に広い温度範囲で安定して発現する液晶・高分子複合材料が得られる。
[ネマチック液晶組成物]
本発明の液晶・高分子複合材料に用いられるネマチック液晶組成物は、少なくとも2種類のアキラルな液晶性化合物を含む。当該液晶性化合物としては、アキラルであって、液晶性を示すメソゲン部位(メソゲン基)を有する化合物であれば特に限定されるものではなく、公知の液晶性化合物や、それらを適宜改変したものを用いることができる。
本発明の液晶・高分子複合材料に用いられるネマチック液晶組成物は、少なくとも2種類のアキラルな液晶性化合物を含む。当該液晶性化合物としては、アキラルであって、液晶性を示すメソゲン部位(メソゲン基)を有する化合物であれば特に限定されるものではなく、公知の液晶性化合物や、それらを適宜改変したものを用いることができる。
<一般式(I)で表される化合物>
本発明の液晶・高分子複合材料に用いられるネマチック液晶組成物としては、一般式(I)で表される化合物を含むことが好ましい。一般式(I)で表される化合物は、Δεの絶対値が比較的小さい液晶性化合物である。
本発明の液晶・高分子複合材料に用いられるネマチック液晶組成物としては、一般式(I)で表される化合物を含むことが好ましい。一般式(I)で表される化合物は、Δεの絶対値が比較的小さい液晶性化合物である。
(一般式(I)中、R11及びR12はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、又は炭素原子数2〜16のアルケニルオキシ基を表すが、R11又はR12中の1個又は互いに隣接していない2個以上のメチレン基は、酸素原子又は硫黄原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−又は−OCO−に置換されていてもよく、R11又はR12中の1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子に置換されていてもよく、
A11、A12及びA13はそれぞれ独立して、(a) トランス−1,4−シクロへキシレン基(当該基中に存在する1個のメチレン基又は互いに隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子に置換されてもよく、当該基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)、
(b) 1,4−フェニレン基(当該基中に存在する1個の−CH=又は互いに隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されてもよく、当該基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。) 、又は
(c) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基からなる群より選択される基(これらの基中に存在する1個の−CH=又は互いに隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されてもよく、これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)を表し、
a11は0、1又は2を表し、
L11及びL12はそれぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−CF2CF2−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−N=N−、−CH=N−、−SCH2−、−CH2S−、―CSO−、−OCS−、−CF2S−、又は−SCF2−を表す。)
A11、A12及びA13はそれぞれ独立して、(a) トランス−1,4−シクロへキシレン基(当該基中に存在する1個のメチレン基又は互いに隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子に置換されてもよく、当該基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)、
(b) 1,4−フェニレン基(当該基中に存在する1個の−CH=又は互いに隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されてもよく、当該基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。) 、又は
(c) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基からなる群より選択される基(これらの基中に存在する1個の−CH=又は互いに隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されてもよく、これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)を表し、
a11は0、1又は2を表し、
L11及びL12はそれぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−CF2CF2−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−N=N−、−CH=N−、−SCH2−、−CH2S−、―CSO−、−OCS−、−CF2S−、又は−SCF2−を表す。)
一般式(I)中、R11及びR12はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、又は炭素原子数2〜16のアルケニルオキシ基を表す。これらのアルキル基、アルコキシル基、アルケニル基又はアルケニルオキシ基は、1個又は互いに隣接していない2個以上のメチレン基が、酸素原子又は硫黄原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−又は−OCO−に置換されていてもよく、これらの基中の1個又は2個以上の水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。R11及びR12は、同一であってもよく、異なっていてもよいが、同一分子中のR11及びR12は、異なっていることがより好ましい。
一般式(I)で表される化合物としては、R11及びR12はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜15のアルキル基、炭素原子数1〜15のアルコキシ基、炭素原子数2〜15のアルケニル基、又は炭素原子数2〜15のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、又は炭素原子数2〜10のアルケニルオキシ基がより好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基がさらに好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、又は炭素原子数2〜6のアルケニル基がよりさらに好ましい。R11及びR12は、それぞれ分岐鎖状の基であってもよく、直鎖状の基であってもよいが、直鎖状の基であることが好ましい。
R11及びR12がアルケニル基である場合、特に下記に示すいずれかの基であることが好ましい。下記の基においては、右端において環構造と連結するものとする。中でも、ビニル基又は3−ブテニル基がより好ましく、ビニル基が特に好ましい。
一般式(I)中、a11は0、1又は2を表す。一般式(I)で表される化合物としては、a11は0又は1であることが好ましい。
一般式(I)中、A11、A12及びA13はそれぞれ独立して、下記(a)基、(b)基、又は(c)基である。a11が2であり、A13が2個存在する場合は、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。
(a) トランス−1,4−シクロへキシレン基(当該基中に存在する1個のメチレン基又は互いに隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子に置換されてもよく、当該基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)。
(b) 1,4−フェニレン基(当該基中に存在する1個の−CH=又は互いに隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されてもよく、当該基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。) 。
(c) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基からなる群より選択される基(これらの基中に存在する1個の−CH=又は互いに隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されてもよく、これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)。
(a) トランス−1,4−シクロへキシレン基(当該基中に存在する1個のメチレン基又は互いに隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子に置換されてもよく、当該基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)。
(b) 1,4−フェニレン基(当該基中に存在する1個の−CH=又は互いに隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されてもよく、当該基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。) 。
(c) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基からなる群より選択される基(これらの基中に存在する1個の−CH=又は互いに隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されてもよく、これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)。
前記(a)基としては、無置換の、又は1個若しくは2個以上の水素原子がそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されているトランス−1,4−シクロへキシレン基が好ましく、無置換の、又は1個若しくは2個以上の水素原子がそれぞれ独立してフッ素原子若しくは塩素原子で置換されているトランス−1,4−シクロへキシレン基がより好ましく、無置換のトランス−1,4−シクロへキシレン基がさらに好ましい。
前記(b)基としては、下記式(b)−1〜7で表されるいずれかの基であることが好ましい。これらの基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。特に、無置換の1,4−フェニレン基[式(b)−1]、1個若しくは2個以上の水素原子がそれぞれ独立してフッ素原子又は塩素原子で置換されている1,4−フェニレン基、又は無置換のピリミジン−2,5−ジイル基[式(b)−3]が好ましく、無置換の1,4−フェニレン基、又は1個若しくは2個以上の水素原子がそれぞれ独立してフッ素原子又は塩素原子で置換されている1,4−フェニレン基がより好ましい。
前記(c)基としては、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基が好ましい。これらの基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。特に、無置換のナフタレン−2,6−ジイル基、1個若しくは2個以上の水素原子がそれぞれ独立してフッ素原子若しくは塩素原子で置換されているナフタレン−2,6−ジイル基、無置換のデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、無置換の1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、又は1個若しくは2個以上の水素原子がそれぞれ独立してフッ素原子若しくは塩素原子で置換されている1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基が好ましい。
一般式(I)で表される化合物としては、A11、A12及びA13はそれぞれ独立して、前記(a)基又は前記(b)基が好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基がより好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基がさらに好ましい。また、一分子中、A11、A12及びA13のうちの少なくとも1つは、トランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基であることが好ましい。
一般式(I)中、L11及びL12はそれぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−CF2CF2−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−N=N−、−CH=N−、−SCH2−、−CH2S−、―CSO−、−OCS−、−CF2S−、又は−SCF2−を表す。a11が2であり、L12が2個存在する場合は、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。一般式(I)で表される化合物としては、L11及びL12はそれぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−が好ましく、単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=CH−、又は−C≡C−がより好ましく、単結合、−CH2CH2−、−CH=CH−、−OCF2−、−CF2O−、又は−C≡C−がさらに好ましく、単結合又は−C≡C−がよりさらに好ましい。また、一分子中、L11及びL12のうちの少なくとも1つは、単結合であることが好ましい。
一般式(I)で表される化合物としては、例えば、下記一般式(Ia)〜(Ih)で表される化合物が好ましい。
一般式(Ia)〜(Ih)中、R11及びR12は、それぞれ一般式(I)と同様である。R11及びR12は、同一であってもよく、異なっていてもよいが、同一分子中のR11及びR12は、異なっていることがより好ましい。一般式(Ia)〜(Ih) で表される化合物としては、R11及びR12は、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、又は炭素原子数2〜6のアルケニル基がより好ましい。R11及びR12は、それぞれ分岐鎖状の基であってもよく、直鎖状の基であってもよいが、直鎖状の基であることが好ましい。また、R11及びR12がアルケニル基である場合、ビニル基又は3−ブテニル基がより好ましく、ビニル基が特に好ましい。
一般式(Ia)〜(Ih)中、A14はそれぞれ独立して、1個若しくは2個以上の水素原子がフッ素原子により置換されていてもよい1,4−フェニレン基、又は1個若しくは2個以上の水素原子がフッ素原子により置換されていてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基を表す。一分子中に複数存在するA14は、互いに同一でもよく、異なっていてもよい。一般式(Ia)〜(Ih) で表される化合物としては、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基が好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基がより好ましい。
一般式(Ia)〜(Ih)中、L13は−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表す。一般式(Ia)〜(Ih)で表される化合物としては、L13は、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、又は−C≡C−が好ましく、−CH2CH2−、−CH=CH−、又は−C≡C−がより好ましい。
一般式(Ia)で表される化合物としては、下記一般式(Ia−1)〜(Ia−3)で表される化合物が好ましい。一般式(Id) で表される化合物としては、下記一般式(Id−1)〜(Id−3)で表される化合物が好ましい。一般式(Ib)で表される化合物としては、下記一般式(Ib−1)〜(Ib−6)で表される化合物が好ましい。一般式(Ie)で表される化合物としては、下記一般式(Ie−1) で表される化合物が好ましく、一般式(If)で表される化合物としては、下記一般式(If−1) 〜(If−2)で表される化合物が好ましい。一般式(Ia−1)〜(Ia−3)、(Id−1)〜(Id−3)、(Ib−1)〜(Ib−6)、(Ie−1)、(If−1) 〜(If−2)中、R11及びR12は、それぞれ一般式(I)と同様であり、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、又は炭素原子数2〜6のアルケニル基がより好ましい。
本発明に用いられるネマチック液晶組成物が一般式(I)で表される化合物を含有する場合、1種類のみ含有していてもよく、2種類以上を組み合わせて含有していてもよい。
本発明に用いられるネマチック液晶組成物としては、一般式(Ia)〜(Ih)で表される化合物の全8種類を全て含んでいることが好ましく、一般式(Ia)〜(Ih)のうち1〜6種類の化合物を含んでいることがより好ましく、一般式(Ia)〜(Ih)のうち1〜4種類の化合物を含んでいることがさらに好ましい。特に、1又は2種類以上の一般式(Ia)で表される化合物、1又は2種類以上の一般式(Ib)で表される化合物、1又は2種類以上の一般式(Id)で表される化合物、1又は2種類以上の一般式(Ie)で表される化合物、及び1又は2種類以上の一般式(If)で表される化合物を含んでいることが好ましく、1又は2種類以上の一般式(Ia)で表される化合物、1又は2種類以上の一般式(Id)で表される化合物、1又は2種類以上の一般式(Ie)で表される化合物、及び1又は2種類以上の一般式(If)で表される化合物を含んでいることがより好ましい。
本発明に用いられるネマチック液晶組成物としては、一般式(Ia)〜(Ih)で表される化合物の全8種類を全て含んでいることが好ましく、一般式(Ia)〜(Ih)のうち1〜6種類の化合物を含んでいることがより好ましく、一般式(Ia)〜(Ih)のうち1〜4種類の化合物を含んでいることがさらに好ましい。特に、1又は2種類以上の一般式(Ia)で表される化合物、1又は2種類以上の一般式(Ib)で表される化合物、1又は2種類以上の一般式(Id)で表される化合物、1又は2種類以上の一般式(Ie)で表される化合物、及び1又は2種類以上の一般式(If)で表される化合物を含んでいることが好ましく、1又は2種類以上の一般式(Ia)で表される化合物、1又は2種類以上の一般式(Id)で表される化合物、1又は2種類以上の一般式(Ie)で表される化合物、及び1又は2種類以上の一般式(If)で表される化合物を含んでいることがより好ましい。
本発明に用いられるネマチック液晶組成物が一般式(I)で表される化合物を含有する場合、ネマチック液晶組成物中における一般式(I)で表される化合物の含有率は5〜95質量%の範囲内であることが好ましく、10〜90質量%の範囲内であることがより好ましいが、安定的にブルー相を発現させるためには15〜60質量%の範囲であることがさらに好ましく、応答速度を重視する場合には40〜85質量%の範囲であることがさらに好ましい。
<一般式(II)で表される化合物>
本発明の液晶・高分子複合材料に用いられるネマチック液晶組成物としては、一般式(II)で表される化合物を少なくとも1種以上含むことが好ましい。一般式(II)で表される化合物は、Δεが比較的大きい液晶性化合物である。
本発明の液晶・高分子複合材料に用いられるネマチック液晶組成物としては、一般式(II)で表される化合物を少なくとも1種以上含むことが好ましい。一般式(II)で表される化合物は、Δεが比較的大きい液晶性化合物である。
(一般式(II)中、A21、A22、A23、及びa21は、それぞれ一般式(I)中のA11、A12、A13、及びa11と同じ意味を表し、R21は炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、又は炭素原子数2〜16のアルケニルオキシ基を表し、前記R21中に存在する1個のメチレン基又は互いに隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−又は−OCO−に置換されてもよく、前記R21中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよく、
L21及びL22はそれぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−CF2CF2−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−N=N−、−CH=N−、−SCH2−、−CH2S−、―CSO−、−OCS−、−CF2S−、又は−SCF2−を表し(L21が2個存在する場合は、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。)、
X21は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、又は2,2,2−トリフルオロエチル基を表す。)
L21及びL22はそれぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−CF2CF2−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−N=N−、−CH=N−、−SCH2−、−CH2S−、―CSO−、−OCS−、−CF2S−、又は−SCF2−を表し(L21が2個存在する場合は、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。)、
X21は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、又は2,2,2−トリフルオロエチル基を表す。)
一般式(II)中のR21は、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、又は炭素原子数2〜16のアルケニルオキシ基を表す。これらの基中に存在する1個のメチレン基又は互いに隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−又は−OCO−に置換されてもよい。また、これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。
一般式(II)で表される化合物としては、R21は、メチレン基や水素原子が置換されていない基が好ましい。中でも、炭素原子数1〜15のアルキル基、炭素原子数1〜15のアルコキシ基、炭素原子数2〜15のアルケニル基、又は炭素原子数2〜15のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、又は炭素原子数2〜10のアルケニルオキシ基がより好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基がさらに好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基がよりさらに好ましい。R21は、分岐鎖状の基であってもよく、直鎖状の基であってもよいが、直鎖状の基であることが好ましい。
一般式(II)中、a21は0、1又は2を表す。一般式(II)で表される化合物としては、a21は0又は1が好ましい。
一般式(II)中のA21、A22及びA23は、一般式(I)中のA11、A12及びA13と同様である。すなわち、A21、A22及びA23はそれぞれ独立して、前記(a)基、(b)基、又は(c)基である。a21が2であり、A22が2個存在する場合は、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。
一般式(II)中のA21、A22及びA23が前記(a)基である場合、無置換の、又は1個若しくは2個以上の水素原子がそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されているトランス−1,4−シクロへキシレン基が好ましく、無置換の、又は1個若しくは2個以上の水素原子がそれぞれ独立してフッ素原子若しくは塩素原子で置換されている1,4−シクロへキシレン基がより好ましく、無置換のトランス−1,4−シクロへキシレン基がさらに好ましい。
一般式(II)中のA21、A22及びA23が前記(b)基である場合、前記式(b)−1〜7で表されるいずれかの基であることが好ましい。これらの基中の1個又は2個以上の水素原子がそれぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。特に、無置換の1,4−フェニレン基、1個若しくは2個以上の水素原子がそれぞれ独立してフッ素原子又は塩素原子で置換されている1,4−フェニレン基、又は無置換のピリミジン−2,5−ジイル基が好ましい。
一般式(II)中のA21、A22及びA23が前記(c)基である場合、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基が好ましい。これらの基中の1個又は2個以上の水素原子がそれぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。特に、無置換のデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、無置換のナフタレン−2,6−ジイル基、1個若しくは2個以上の水素原子がそれぞれ独立してフッ素原子若しくは塩素原子で置換されているナフタレン−2,6−ジイル基、無置換の1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、又は1個若しくは2個以上の水素原子がそれぞれ独立してフッ素原子若しくは塩素原子で置換されている1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基が好ましい。
一般式(II)で表される化合物としては、A21、A22及びA23はそれぞれ独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、5−フルオロ−ナフタレン−2,6−ジイル基、5,7−ジフルオロ−ナフタレン−2,6−ジイル基、4,5−ジフルオロ−ナフタレン−2,6−ジイル基、4,5,7−トリフルオロ−ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、5,7−ジフルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、又はピリミジン−2,5−ジイル基が好ましい。
一般式(II)中、L21及びL22はそれぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−CF2CF2−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−N=N−、−CH=N−、−SCH2−、−CH2S−、―CSO−、−OCS−、−CF2S−、又は−SCF2−を表す。a21が2であり、L21が2個存在する場合は、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。一般式(II)で表される化合物としては、L21及びL22はそれぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=CH−、又は−C≡C−が好ましく、単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、又は−C≡C−がより好ましく、単結合、−CH2CH2−、−COO−、−OCF2−、−CF2O−、又は−C≡C−がさらに好ましく、単結合又は−COO−がよりさらに好ましい。また、一分子中、L21及びL22のうちの少なくとも1つは、単結合であることが好ましい。
一般式(II)中、X21は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、又は2,2,2−トリフルオロエチル基を表す。一般式(II)で表される化合物としては、X21は、フッ素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、又はトリフルオロメトキシ基が好ましく、フッ素原子又はシアノ基がより好ましい。
一般式(II)で表される化合物としては、例えば、下記一般式(IIa)〜(IIc)で表される化合物が好ましい。一般式(IIa)〜(IIc)中、R21、A21、A22、a21、L21、L22、及びX21は、それぞれ一般式(II)と同様であり、X22、X23、X24、X25、X26、X27、及びX28は、それぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表す。
一般式(IIa)で表される化合物としては、下記一般式(IIa−1)で表される化合物が好ましい。一般式(IIa−1)中、R21、X21、X22、及びX23は、それぞれ一般式(IIa)と同様であり、A24は、トランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基(当該基中に存在する1個又は2個以上の水素原子が、それぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)を表し、A25は、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、又はピリミジン−2,5−ジイル基(これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)を表し、L23及びL24はそれぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=CH−、又は−C≡C−を表し、a22は0、1又は2を表す。a22が2であり、L23及びA24が複数存在する場合は、それらは互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
一般式(IIa−1)で表される化合物としては、以下の化合物が好ましい。
(1)一般式(IIa−1)中、a22が0であり、A25がトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基であり、L24が単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=CH−、又は−C≡C−である化合物。
(2)一般式(IIa−1)中、a22が0であり、A25がデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、又はピリミジン−2,5−ジイル基(これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)であり、L24が単結合である化合物。
(3)一般式(IIa−1)中、a22が1であり、A24及びA25がそれぞれ独立してトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基であり、L23及びL24がそれぞれ独立して単結合、−CH2CH2−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=CH−、又は−C≡C−である化合物。
(4)一般式(IIa−1)中、a22が1であり、A24がトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基であり、A25がデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、又はピリミジン−2,5−ジイル基(これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)であり、L23及びL24が単結合である化合物。
(5)一般式(IIa−1)中、a22が2であり、2個のA24及び1個のA25がそれぞれ独立してトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基であり、L23が単結合であり、L24が単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=CH−、又は−C≡C−である化合物。
(1)一般式(IIa−1)中、a22が0であり、A25がトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基であり、L24が単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=CH−、又は−C≡C−である化合物。
(2)一般式(IIa−1)中、a22が0であり、A25がデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、又はピリミジン−2,5−ジイル基(これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)であり、L24が単結合である化合物。
(3)一般式(IIa−1)中、a22が1であり、A24及びA25がそれぞれ独立してトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基であり、L23及びL24がそれぞれ独立して単結合、−CH2CH2−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=CH−、又は−C≡C−である化合物。
(4)一般式(IIa−1)中、a22が1であり、A24がトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基であり、A25がデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、又はピリミジン−2,5−ジイル基(これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)であり、L23及びL24が単結合である化合物。
(5)一般式(IIa−1)中、a22が2であり、2個のA24及び1個のA25がそれぞれ独立してトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基であり、L23が単結合であり、L24が単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=CH−、又は−C≡C−である化合物。
より具体的には、一般式(IIa−1)で表される化合物としては、以下の一般式(IIa−2a)〜(IIa−2v)、一般式(IIa−3a)〜(IIa−3x)、一般式(IIa−3’a)〜(IIa−3’z)、一般式(IIa−4a)〜一般式(IIa−4s)で表される化合物が挙げられる。一般式(IIa−2a)〜(IIa−4s)中、R21は、一般式(IIa)と同様であり、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、又は炭素原子数2〜6のアルケニル基がより好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基がさらに好ましい。また、一般式(IIa−2a)〜(IIa−4s)中、X21は、一般式(IIa)と同様であり、フッ素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、又はトリフルオロメトキシ基が好ましく、フッ素原子又はシアノ基がより好ましく、シアノ基がさらに好ましい。一般式(IIa−2a)〜(IIa−4s)中、X22及びX23はそれぞれ独立して、水素原子又はフッ素原子を表す。
一般式(IIb)で表される化合物としては、具体的には、以下の一般式(IIb−2a)〜(IIb−2c)、一般式(IIb−3a)〜(IIb−3e)で表される化合物が挙げられる。また、一般式(IIc)で表される化合物としては、具体的には、以下の一般式(IIc−2a)〜(IIc−2c)、一般式(IIc−3a)〜(IIc−3e)で表される化合物が挙げられる。一般式(IIb−2a) 〜(IIc−3e)中、R21は、一般式(IIb)及び(IIc)と同様であり、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、又は炭素原子数2〜6のアルケニル基がより好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基がさらに好ましい。また、一般式(IIb−2a) 〜(IIc−3e)中、X21は、一般式(IIb)及び(IIc)と同様であり、フッ素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、又はトリフルオロメトキシ基が好ましく、フッ素原子又はシアノ基がより好ましく、シアノ基がさらに好ましい。一般式(IIb−2a) 〜(IIc−3e)中、X22及びX23はそれぞれ独立して、水素原子又はフッ素原子を表す。
本発明に用いられるネマチック液晶組成物が一般式(II)で表される化合物を含有する場合、1種類のみ含有していてもよく、2種類以上を組み合わせて含有していてもよい。本発明に用いられるネマチック液晶組成物としては、一般式(IIa)〜(IIc)で表される化合物からなる群より選択される1又は2種類以上の化合物を含有することが好ましく、少なくとも1又は2種類以上の一般式(IIa)で表される化合物を含有することがより好ましく、1又は2種類以上の一般式(IIa−1)で表される化合物を含有することがさらに好ましく、一般式(IIa−2a)〜(IIa−2v)、一般式(IIa−3a)〜(IIa−3x)、一般式(IIa−3’a)〜(IIa−3’z)、一般式(IIa−4a)〜一般式(IIa−4s)で表される化合物からなる群の中から1又は2種類以上の化合物を含有することがよりさらに好ましい。中でも、一般式(IIa−2a)〜(IIa−2v)で表される化合物群中の1種類又は2種類以上の化合物と、一般式(IIa−3a)〜(IIa−3x)、一般式(IIa−3’a)〜(IIa−3’p)で表される化合物群中の1種類又は2種類以上の化合物とを含んでいることが好ましい。
本発明に用いられるネマチック液晶組成物が一般式(II)で表される化合物を含有する場合、ネマチック液晶組成物中における一般式(II)で表される化合物の含有率は5〜95質量%の範囲内であることが好ましく、10〜90質量%の範囲内であることがより好ましいが、安定的にブルー相を発現させるためには60〜85質量%の範囲であることがさらに好ましく、応答速度を重視する場合には15〜60質量%の範囲であることがさらに好ましい。
本発明に用いられるネマチック液晶組成物としては、一般式(I)で表される化合物と一般式(II)で表される化合物の少なくとも一方を含む組成物が好ましく、両方を含む組成物がより好ましい。後者のうち、ブルー相発現の安定性を重視する場合には、一般式(I)で表される化合物を15〜60質量%、一般式(II)で表される化合物を60〜85質量%含有するものが好ましく、応答速度を重視する場合には、一般式(I)で表される化合物を40〜85質量%、一般式(II)で表される化合物を15〜60質量%含有するものが好ましい。
さらに、本発明に用いられるネマチック液晶組成物としては、分子内にシクロヘキサン骨格よりもベンゼン骨格を多く含む液晶性化合物の含有量が、ネマチック液晶組成物中の液晶性化合物全体の50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。シクロヘキサン骨格よりもベンゼン骨格を多く含む液晶性化合物の含有割合を高めることにより、キラル化合物を添加することによって光学的等方相、特にブルー相を発現する液晶組成物が得られやすい。中でも、ネマチック液晶組成物中の液晶性化合物全体に対して、分子内にシクロヘキサン骨格よりもベンゼン骨格を多く含む液晶性化合物の含有量が50質量%以上であり、かつ分子内に存在するシクロヘキサン骨格の数がベンゼン骨格の数以上である液晶性化合物の含有量が1〜50質量%であるネマチック液晶組成物が好ましい。
ここで、「ベンゼン骨格」には、炭素原子と水素原子のみからなる環構造(フェニル基、1,4−フェニレン基)のみならず、当該環構造中の1個又は2個以上の水素原子がそれぞれ独立して他の基(例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基等。)に置換されている環構造も含まれる。
また、「シクロヘキサン骨格」には、炭素原子と水素原子のみからなる環構造(シクロヘキシル基、トランス−1,4−シクロへキシレン基)のみならず、当該環構造中に存在する1個のメチレン基又は互いに隣接していない2個以上のメチレン基が酸素原子に置換されている環構造(例えば、4−テトラヒドロピラニル基、1,4−ジオキサニル基、1,3−ジオキサニル基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基等)、及びこれらの環構造中の1個又は2個以上の水素原子がそれぞれ独立して他の基(例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基等。)に置換されている環構造も含まれる。
また、「シクロヘキサン骨格」には、炭素原子と水素原子のみからなる環構造(シクロヘキシル基、トランス−1,4−シクロへキシレン基)のみならず、当該環構造中に存在する1個のメチレン基又は互いに隣接していない2個以上のメチレン基が酸素原子に置換されている環構造(例えば、4−テトラヒドロピラニル基、1,4−ジオキサニル基、1,3−ジオキサニル基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基等)、及びこれらの環構造中の1個又は2個以上の水素原子がそれぞれ独立して他の基(例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基等。)に置換されている環構造も含まれる。
本発明に用いられるネマチック液晶組成物としては、少なくとも−10℃〜50℃の温度範囲でネマチック液晶相を示すことが好ましい。比較的低く、かつ充分に広い温度範囲においてネマチック液晶相を示すネマチック液晶組成物を用いることにより、より低温かつ広い温度範囲でブルー相を発現する液晶・高分子複合材料を得ることができる。また、後述するように、本発明の液晶・高分子複合材料を、ネマチック液晶組成物とキラル化合物と少なくとも1種類の重合性化合物とを予め混合した組成物を調製し、当該組成物中の重合性基を有する化合物を重合させることにより製造する場合に、意図しない熱重合が誘起されないような低い温度で重合させることができ、かつハンドリング性にも優れている。
また、本発明に用いられるネマチック液晶組成物としては、誘電率(ε)が正であることが好ましい。本発明に用いられるネマチック液晶組成物の誘電率異方性(Δε)は、正負いずれであってもよいが、正であることが好ましい。また、誘電率異方性の絶対値は大きいほうが好ましい。正の誘電率異方性を有するネマチック液晶組成物を用いることにより、正の誘電率異方性を有する液晶・高分子複合材料を得ることができる。同様に、誘電率異方性の絶対値が大きいネマチック液晶組成物を用いることにより、誘電率異方性の絶対値が大きい液晶・高分子複合材料を得ることができる。
[キラル化合物]
本発明の液晶・高分子複合材料は、少なくとも1種類のキラル化合物を含む。キラル化合物を含ませることにより、ネマチック液晶組成物に対して捻れ配向を誘起させ、所望のピッチを有するコレステリック相やブルー相を発現する液晶組成物が得られる。
本発明の液晶・高分子複合材料は、少なくとも1種類のキラル化合物を含む。キラル化合物を含ませることにより、ネマチック液晶組成物に対して捻れ配向を誘起させ、所望のピッチを有するコレステリック相やブルー相を発現する液晶組成物が得られる。
ここで、ピッチとは、液晶分子の螺旋構造における1周期分の長さを示す。ネマチック液晶組成物へのキラル化合物の添加量(質量%)が多くなるほど、ピッチ(μm)は小さくなる。特にキラル化合物の添加量が1〜数質量%程度までの低い濃度の時には、キラル化合物の添加量とピッチの積が一定という関係がよく成り立つことが知られており、これの逆数をとった螺旋誘起力(Helical Twisting Power:HTP)(1/μm)が光学活性化合物固有の捻れ配向を誘起する力の評価パラメータとして使用されている。下記数式中、「P」はピッチ(μm)であり、「C」はキラル化合物の添加量(質量%)である。
当該キラル化合物としては、不斉原子をもつ化合物、軸不斉をもつ化合物、面不斉をもつ化合物のいずれでもよい。また、当該キラル化合物は、重合性基を有していてもよく、重合性基を有していなくてもよい。
本発明の液晶・高分子複合材料が含むキラル化合物としては、不斉原子をもつ化合物又は軸不斉をもつ化合物が好ましく、不斉原子をもつ化合物が特に好ましい。不斉原子をもつ化合物としては、側鎖部分に不斉炭素を持つ化合物、環構造部分に不斉炭素を持つ化合物及びその両方を持つ化合物が挙げられる。不斉原子をもつ化合物において、不斉原子は不斉炭素原子であると立体反転が起こり難いものが好ましいが、ヘテロ原子が不斉原子となっていてもよい。不斉原子は鎖状構造の一部に導入されていてもよく、環状構造の一部に導入されていてもよい。本発明の液晶・高分子複合材料が含むキラル化合物として、螺旋誘起力が強いことを特に要求される場合には、軸不斉をもつ化合物が好ましい。
本発明の液晶・高分子複合材料が含むキラル化合物としては、不斉原子をもつ化合物又は軸不斉をもつ化合物が好ましく、不斉原子をもつ化合物が特に好ましい。不斉原子をもつ化合物としては、側鎖部分に不斉炭素を持つ化合物、環構造部分に不斉炭素を持つ化合物及びその両方を持つ化合物が挙げられる。不斉原子をもつ化合物において、不斉原子は不斉炭素原子であると立体反転が起こり難いものが好ましいが、ヘテロ原子が不斉原子となっていてもよい。不斉原子は鎖状構造の一部に導入されていてもよく、環状構造の一部に導入されていてもよい。本発明の液晶・高分子複合材料が含むキラル化合物として、螺旋誘起力が強いことを特に要求される場合には、軸不斉をもつ化合物が好ましい。
<不斉原子をもつ化合物>
不斉原子をもつ化合物としては、具体的には、一般式(Ch−I)で表される化合物が好ましい。
不斉原子をもつ化合物としては、具体的には、一般式(Ch−I)で表される化合物が好ましい。
(一般式(Ch−I)中、R100及びR101はそれぞれ独立して、水素原子、シアノ基、−NO2、ハロゲン原子、−OCN、−SCN、−SF5、炭素原子数1〜30個のキラル又はアキラルなアルキル基(当該アルキル基中の1個又は2個以上の隣接していないメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子が相互に直接結合しないものとして−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−CH=CH−、−CF2−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−又はC≡C−により置換されていてもよく、当該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子又はシアノ基によって置換されていてもよい。)、重合性基、又は環構造を含むキラルな基を表し、n11が0のとき、R100及びR101の少なくとも1つは、キラルなアルキル基であり、
Z100及びZ101はそれぞれ独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−N(R105)−、−N(R105)−CO−、−OCH2−、−CH2O−、−SCH2−、−CH2S−、−CF2O−、−OCF2−、−CF2S−、−SCF2−、−CH2CH2−、−CF2CH2−、−CH2CF2−、−CF2CF2−、−CH=CH−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−又は単結合を表し、
A100及びA101はそれぞれ独立して、(a’) トランス−1,4−シクロへキシレン基(当該基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子に置換されていてもよい。)、
(b’) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されていてもよい。)、又は
(c’) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、インダン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子に置換されていてもよく、これらの基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されていてもよい。)を表し、
A100又はA101が複数存在する場合には、それらは同一でもよく、異なっていてもよく、
n11は0又は1を表し、n11が0を表すとき、m12は0を表し、かつm11は0、1、2、3、4又は5を表し、n11が1を表すとき、m11とm12はそれぞれ独立して0、1、2、3、4又は5を表し、
Dは、下記式(D1)〜(D4)で表される2価の基(式(D1)〜(D4)中、アステリスク(*)は、キラルな炭素原子を表し、黒丸を付した部位において、Z100(若しくは、R100)又はZ101(若しくは、R101)に、それぞれ結合する。)を表す。)
Z100及びZ101はそれぞれ独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−N(R105)−、−N(R105)−CO−、−OCH2−、−CH2O−、−SCH2−、−CH2S−、−CF2O−、−OCF2−、−CF2S−、−SCF2−、−CH2CH2−、−CF2CH2−、−CH2CF2−、−CF2CF2−、−CH=CH−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−又は単結合を表し、
A100及びA101はそれぞれ独立して、(a’) トランス−1,4−シクロへキシレン基(当該基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子に置換されていてもよい。)、
(b’) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されていてもよい。)、又は
(c’) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、インダン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子に置換されていてもよく、これらの基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されていてもよい。)を表し、
A100又はA101が複数存在する場合には、それらは同一でもよく、異なっていてもよく、
n11は0又は1を表し、n11が0を表すとき、m12は0を表し、かつm11は0、1、2、3、4又は5を表し、n11が1を表すとき、m11とm12はそれぞれ独立して0、1、2、3、4又は5を表し、
Dは、下記式(D1)〜(D4)で表される2価の基(式(D1)〜(D4)中、アステリスク(*)は、キラルな炭素原子を表し、黒丸を付した部位において、Z100(若しくは、R100)又はZ101(若しくは、R101)に、それぞれ結合する。)を表す。)
一般式(Ch−I)中、R100及びR101はそれぞれ独立して、水素原子、シアノ基、−NO2、ハロゲン原子、−OCN、−SCN、−SF5、炭素原子数1〜30個のキラル又はアキラルなアルキル基、重合性基、又は環構造を含むキラルな基を表す。n11が0のとき、R100及びR101の少なくとも1つは、キラルなアルキル基である。
一般式(Ch−I)中のR100又はR101が炭素原子数1〜30個のキラル又はアキラルなアルキル基である場合、当該アルキル基中の1個又は2個以上の隣接していないメチレン基(−CH2−)は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子が相互に直接結合しないものとして−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−CH=CH−、−CF2−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−又はC≡C−により置換されていてもよく、当該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子又はシアノ基によって置換されていてもよい。また、当該アルキル基は、直鎖状の基であってもよく、分岐鎖状の基であってもよく、環構造を含んでいる基であってもよい。
キラルなアルキル基としては、以下の一般式(Ra)〜(Rk)で表される基が好ましい。一般式(Ra)〜(Rk)中、アステリスク(*)は、キラルな炭素原子を表す。R100又はR101がこれらの基の場合、左端で、A100(若しくは、D、Z101)又はA101(若しくは、D、Z100)に、それぞれ結合する。
一般式(Ra)〜(Rk)中、R103及びR104は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜12の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、又は水素原子を表す。但し、一般式(Ra)、(Rb)、(Rd)、(Re)、(Rf)、(Rg)、(Ri)、(Rj)においては、R103が結合する炭素原子(*を付した位置)が不斉原子となるように、R103は炭素原子数1〜10の直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基である。当該アルキル基の1個又は2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子が相互に直接結合しないものとして−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−O−SO2−、−SO2−O−、−CH=CH−、−C≡C−、シクロプロピレン基又は−Si(CH3)2−で置換されていてもよく、さらにアルキル基の1個又はそれ以上の水素原子が、それぞれ独立して、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)又はシアノ基で置換されていてもよい。また、当該アルキル基は、重合性基をもっていてもよい。当該重合性基としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基などが挙げられる。
一般式(Ra)〜(Rj)中のR103としては、メチレン基や水素原子が他の基等に置換されていない(すなわち、無置換の)炭素原子数1〜12の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基であることが好ましく、無置換の炭素原子数1〜8の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基であることがより好ましく、無置換の炭素原子数1〜6の直鎖状のアルキル基であることがさらに好ましい。
一般式(Rd)又は(Ri)中のR104としては、水素原子又は無置換の炭素原子数1〜5の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基であることが好ましく、水素原子又は無置換の炭素原子数1〜3の直鎖状のアルキル基であることがより好ましく、水素原子又はメチル基であることがさらに好ましい。
一般式(Ra)〜(Rk)中、n12は0〜20の整数であり、0〜10の整数が好ましく、0〜5の整数がより好ましく、0がさらに好ましい。
一般式(Ra)〜(Rk)中、n13は0又は1である。
また、一般式(Rk)中、n14は0〜5の整数である。
一般式(Ra)〜(Rk)中、n13は0又は1である。
また、一般式(Rk)中、n14は0〜5の整数である。
一般式(Ra)〜(Rk)中、X101及びX102は、それぞれ独立して、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、ブロム原子、ヨウ素原子)、シアノ基、フェニル基(当該フェニル基の1個又は2個以上の任意の水素原子は、それぞれ独立してハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基(−CF3)、トリフルオロメトキシ基(−OCF3)で置換されていてもよい。)、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基である。但し、一般式(Ra)、(Rb)、(Rf)、(Rg)においては、X101が結合する炭素原子(*を付した位置)が不斉原子となるように、X101とR103は互いに異なる基である。また、一般式(Rc)及び(Rh)において、X101が結合する炭素原子(*を付した位置)が不斉原子となるように、X101とX102、R103は、互いに異なる基である。
一般式(Ra)、(Rb)、(Rc)、(Rf)、(Rg)、(Rh)、(Rk)中のX101及びX102としては、それぞれ独立して、ハロゲン原子、フェニル基(当該フェニル基の1個又は2個以上の任意の水素原子はそれぞれ独立してハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基で置換されていてもよい。)、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、又はトリフルオロメトキシ基が好ましい。中でも、一般式(Ra)、(Rb)、(Rc)、(Rf)、(Rg)、(Rh)中のX101及びX102としては、それぞれ独立して、フェニル基(当該フェニル基の1個又は2個以上の任意の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基で置換されていてもよい。
)がより好ましく、無置換のフェニル基がさらに好ましい。また、一般式(Rk)中のX101としては、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、又はトリフルオロメトキシ基がより好ましく、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基、又はトリフルオロメトキシ基がさらに好ましい。
)がより好ましく、無置換のフェニル基がさらに好ましい。また、一般式(Rk)中のX101としては、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、又はトリフルオロメトキシ基がより好ましく、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基、又はトリフルオロメトキシ基がさらに好ましい。
一般式(Re)及び(Rj)中、Qは二価の炭化水素基である。当該二価の炭化水素基としては、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、環状構造を有する基であってもよい。また、当該二価の炭化水素基の炭素原子数は、1〜16が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜6がさらに好ましい。当該二価の炭化水素基としては、1個の炭素原子において、一般式(Re)及び(Rj)中の2個の酸素原子とそれぞれ単結合する基が好ましい。この場合、一般式(Re)及び(Rj)において、アスタリスクが付された2個の炭素原子と、それらとそれぞれ結合する2個の酸素原子と、Q中の1の炭素原子が、5員環を形成している。具体的には、無置換の、又は1若しくは2個の水素原子が炭化水素基によって置換されたメチレン基、シクロプロピリデン基、シクロブチリデン基、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基等が挙げられ、メチレン基、イソプロピリデン基、シクロヘキシリデン基がより好ましい。
一般式(Ra)〜(Rk)で表される基としては、一般式(Ra)又は一般式(Rf)で表される基が好ましい。一般式(Ra)で表される基としては、一般式(Ra)中、n12が0〜5の整数であり、X101がフェニル基(当該フェニル基の1個又は2個以上の任意の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、又はトリフルオロメトキシ基で置換されていてもよい。)であり、R103が無置換の炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基である基が好ましく、n12が0〜5の整数であり、X101が無置換のフェニル基であり、R103が無置換の炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基である基がより好ましい。
一般式(Rf)で表される基としては、一般式(Rf)中、n12が0〜5の整数であり、n13が0又は1であり、X103がハロゲン原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基であり、R103が無置換の炭素原子数2〜12の直鎖状のアルキル基である基が好ましい。
一般式(Rf)で表される基としては、一般式(Rf)中、n12が0〜5の整数であり、n13が0又は1であり、X103がハロゲン原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基であり、R103が無置換の炭素原子数2〜12の直鎖状のアルキル基である基が好ましい。
一般式(Ch−I)で表される化合物のR100又はR101としては、特に、下記式(Ra−1)〜(Ra−3)又は一般式(Rf−1)〜(Rf−3)で表される基が好ましい。R100又はR101がこれらの基の場合、左端が、A100(若しくは、D、Z101)又はA101(若しくは、D、Z100)に、それぞれ結合する。また、アステリスクは、キラルな炭素原子を表す。
一般式(Rf−1)〜(Rf−3)中、n13は0又は1を表す。また、一般式(Ra−1)〜(Ra−3)、(Rf−1)〜(Rf−3)中、nは2〜12の整数を表す。一般式(Ra−1)〜(Ra−3)、(Rf−1)〜(Rf−3)においては、nは3〜8の整数が好ましく、4、5又は6がより好ましい。
一般式(Ch−I)中のR100又はR101が重合性基である場合、当該重合性基としては、下記の式(R−1)〜(R−16)のいずれかで表される構造からなる基が好ましい。式(R−1)〜(R−14)、(R−16)で表される基は右端が、式(R−15)で表される基は左端が、A100(若しくは、D、Z101)又はA101(若しくは、D、Z100)に、それぞれ結合する。
これらの重合性基は、ラジカル重合、ラジカル付加重合、カチオン重合、又はアニオン重合により硬化する。特に重合方法として紫外線重合を行う場合には、式(R−1)、式(R−2)、式(R−4)、式(R−5)、式(R−7)、式(R−11)、式(R−13)、式(R−15)又は式(R−16)で表される基が好ましく、式(R−1)、式(R−2)、式(R−7)、式(R−11)、式(R−13)又は式(R−16)で表される基がより好ましく、式(R−1)、式(R−2)又は式(R−16)で表される基がさらに好ましい。
一般式(Ch−I)中のR100又はR101が環構造を含むキラルな基である場合、当該基が含む環構造は、芳香族であってもよく、脂肪族であってもよい。アルキル基が取り得る環構造としては、単環構造、縮合環構造又はスピロ(spirocyclic)環構造が挙げられ、また、1個又は2個以上のヘテロ原子を含むことができる。
一般式(Ch−I)中、Z100及びZ101はそれぞれ独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−N(R105)−、−N(R105)−CO−、−OCH2−、−CH2O−、−SCH2−、−CH2S−、−CF2O−、−OCF2−、−CF2S−、−SCF2−、−CH2CH2−、−CF2CH2−、−CH2CF2−、−CF2CF2−、−CH=CH−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−又は単結合を表す。ここで、−CO−N(R105)−又は−N(R105)−CO−中のR105は、炭素原子数1〜12の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基を表し、炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基が好ましく、炭素原子数1〜4の直鎖状のアルキル基がより好ましい。m11が2以上の整数であり、一分子中にZ100が複数存在する場合には、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。同様に、m12が2以上の整数であり、一分子中にZ101が複数存在する場合には、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。一般式(Ch−I)で表される化合物としては、Z100及びZ101はそれぞれ独立して、−CF2O−、−OCF2−、−CF2CF2−、−CF=CF−、−COO−、−OCO−、−CH2−CH2−、−C≡C−又は単結合が好ましい。
一般式(Ch−I)中、A100及びA101はそれぞれ独立して、下記(a’)基、(b’)基、又は(c’)基である。m11が2以上の整数であり、一分子中にA100が複数存在する場合には、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。同様に、m12が2以上の整数であり、一分子中にA101が複数存在する場合には、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。
(a’) トランス−1,4−シクロへキシレン基(当該基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子に置換されていてもよい。)。
(b’) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されていてもよい。)。
(c’) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、インダン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して酸素原子又は硫黄原子に置換されていてもよく、これらの基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されていてもよい。)。
(a’) トランス−1,4−シクロへキシレン基(当該基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子に置換されていてもよい。)。
(b’) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されていてもよい。)。
(c’) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、インダン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して酸素原子又は硫黄原子に置換されていてもよく、これらの基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されていてもよい。)。
前記(a’)基、(b’)基、及び(c’)基は、いずれも無置換であってもよく、当該基中の1個又は2個以上の水素原子がそれぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜7のアルキル基(当該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子により置換されていてもよい。)、炭素原子数1〜7のアルコキシ基(当該アルコキシ基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子により置換されていてもよい。)、炭素原子数1〜7のアルキルカルボニル基(当該アルキルカルボニル基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子により置換されていてもよい。)、又は炭素原子数1〜7のアルコキシカルボニル基(当該アルコキシカルボニル基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子により置換されていてもよい。)によって置換されていてもよい。
一般式(Ch−I)で表される化合物のA100及びA101としては、前記(a’)基又は前記(b’)基が好ましく、無置換のトランス−1,4−シクロへキシレン基、無置換の1,4−フェニレン基、1個若しくは2個以上の水素原子がそれぞれ独立してフッ素原子、塩素原子、シアノ基、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、炭素原子数1〜4のアルキルカルボニル基、若しくは炭素原子数1〜4のアルコキシカルボニル基によって置換されているトランス−1,4−シクロへキシレン基、又は、1個若しくは2個以上の水素原子がそれぞれ独立してフッ素原子、塩素原子、シアノ基、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、炭素原子数1〜4のアルキルカルボニル基、若しくは炭素原子数1〜4のアルコキシカルボニル基によって置換されている1,4−フェニレン基がより好ましく、無置換のトランス−1,4−シクロへキシレン基又は無置換の1,4−フェニレン基がさらに好ましく、無置換の1,4−フェニレン基がよりさらに好ましい。
一般式(Ch−I)中、n11は0又は1を表す。
n11が0のとき、m12は0であり、かつm11は0、1、2、3、4又は5である。n11及びm12が0のとき、m11は、1、2、3、又は4が好ましく、1、2又は3がより好ましい。
n11が1のとき、m11とm12はそれぞれ独立して0、1、2、3、4又は5、好ましくは1、2、3、又は4、より好ましくは1、2又は3である。n11が1のとき、m11とm12は、互いに異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
n11が0のとき、m12は0であり、かつm11は0、1、2、3、4又は5である。n11及びm12が0のとき、m11は、1、2、3、又は4が好ましく、1、2又は3がより好ましい。
n11が1のとき、m11とm12はそれぞれ独立して0、1、2、3、4又は5、好ましくは1、2、3、又は4、より好ましくは1、2又は3である。n11が1のとき、m11とm12は、互いに異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
一般式(Ch−I)中、Dは、前記式(D1)〜(D4)で表される2価の基である。
式(D1)〜(D4)中、黒丸を付した部位において、Z100(若しくは、R100)又はZ101(若しくは、R101)に、それぞれ結合する。
式(D1)〜(D4)中、黒丸を付した部位において、Z100(若しくは、R100)又はZ101(若しくは、R101)に、それぞれ結合する。
前記(D1)、(D3)又は(D4)で表される基中、ベンゼン環の任意の1個又は2個以上の任意の水素原子は、それぞれ独立してハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は炭素原子数1〜20のアルコキシ基で置換されていてもよい。ベンゼン環中の水素原子の置換基となる炭素原子数1〜20のアルキル基又はアルコキシ基においては、当該基中の1個又は2個以上の水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよく、当該基中の1個又は2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CF2−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−又は−C≡C−により、酸素原子又は硫黄原子が互いに直接結合しないように置換されていてもよい。
一般式(Ch−I)で表される化合物のうち、n11が0である化合物としては、当該化合物の両端のR100及びR101を除いた残りの部分構造が、下記一般式(b1)〜(b13)で表される構造であることが好ましい。一般式(b1)〜(b13)で表される構造は、両端のいずれか一方がR100と結合し、残る他方がR101と結合する。但し、これらの構造を有する化合物では、R100及びR101の少なくとも一方は、キラルなアルキル基である。
一般式(b1)〜(b13)中、Z102は、一般式(Ch−I)中のZ100及びZ101と同様である。
また、一般式(b1)〜(b13)中、A102は、1,4−フェニレン基(当該基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されていてもよく、当該基中に存在する1個又は2個以上の任意の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、又はトリフルオロメトキシ基によって置換されていてもよい。)である。1,4−フェニレン基中の−CH=や水素原子を置換することにより、当該化合物を含む液晶組成物について、結晶性の低下及び誘電異方性の向きや大きさを制御することができる。
信頼性の面では、A102中の環構造がピリジン環、ピリミジン環等の複素環である化合物(すなわち、1,4−フェニレン基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=が窒素原子に置換された基である化合物)よりも、ベンゼン環である化合物(すなわち、1,4−フェニレン基中に存在する−CH=が窒素原子に置換されていない基である化合物)のほうが好ましい。一方で、誘電率異方性を大きくするという面では、A102中の環構造がベンゼン環である化合物よりも、ピリジン環、ピリミジン環等の複素環である化合物のほうが好ましい。ベンゼン環やシクロヘキサン環等の炭化水素環を有する化合物は、当該化合物の持つ分極性が比較的小さいが、ピリジン環、ピリミジン環等の複素環を有する化合物は、当該化合物の持つ分極性が比較的大きく、結晶性を低下させ液晶性を安定化するために好ましい。
一般式(Ch−I)で表される化合物のうち、n11及びm12が0である化合物としては、下記一般式(Ch−I−1)〜(Ch−I−30)が好ましい。一般式(Ch−I−1)〜(Ch−I−30)中、R100、R101及びZ100は、一般式(Ch−I)におけるR100、R101及びZ100と同じ意味を表し、R100及びR101の少なくとも一つはキラルなアルキル基を表し、L100〜L105はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表す。
一般式(Ch−I−1)〜(Ch−I−30)で表される化合物としては、R100及びR101の一方又は両方が一般式(Ra)〜(Rk)のいずれかで表される基である化合物が好ましく、R100及びR101の一方又は両方が、前記式(Ra−1)〜(Ra−3)又は一般式(Rf−1)〜(Rf−3)で表される基である化合物がより好ましい。R100及びR101のいずれか一方のみが一般式(Ra)〜(Rk)のいずれかで表される基である化合物としては、R100及びR101の残りの一方が、炭素原子数1〜30個のアキラルなアルキル基(当該アルキル基中の1個又は2個以上の隣接していないメチレン基は、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−CH=CH−、−CF2−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−又はC≡C−により置換されていてもよく、該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子又はシアノ基によって置換されていてもよい。)である化合物が好ましく、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアルケニル基又は炭素原子数2〜16のアルケニルオキシ基である化合物より好ましい。
本発明の液晶・高分子複合材料としては、一般式(Ch−I−1)〜(Ch−I−30)のいずれかで表される化合物を少なくとも1種類は含んでいることが好ましく、一般式(Ch−I−30)で表される化合物を含んでいることがより好ましい。一般式(Ch−I−30)で表される化合物としては、具体的には、下記一般式(Ch−I−30−1)〜(Ch−I−30−6)(式中、n13は0又は1を表し、nは2〜12の整数を表し、R102は炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアルケニル基又は炭素原子数2〜16のアルケニルオキシ基を表し、L100〜L105はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表す。)で表される化合物が挙げられる。一般式(Ch−I−30−1)〜(Ch−I−30−6)中、R102は炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアルケニル基又は炭素原子数2〜6のアルケニルオキシ基が好ましい。
n11が1の場合、一般式(Ch−I)で表される化合物は、環構造部分に不斉炭素を持つ構造となる。この場合、一般式(Ch−I)で表される化合物としては、Dが前記式(D2)又は(D4)である化合物が好ましく、Dが式(D4)である化合物がより好ましい。Dが式(D2)である化合物としては、下記一般式(K2−1)〜(K2−8)で表される化合物が好ましく、Dが式(D4)である化合物としては、下記一般式(K3−1)〜(K3−6)で表される化合物が好ましい。一般式(K2−1)〜(K2−8)及び(K3−1)〜(K3−6)中、アステリスク(*)は、キラルな炭素原子を表す。
一般式(K2−1)〜(K2−8)、(K3−1)〜(K3−6)中、Rkはそれぞれ独立して、一般式(Ch−I)におけるR100及びR101と同じ意味を表す。本発明の液晶・高分子複合材料に用いられるキラル化合物としては、一般式(K2−1)〜(K2−8)又は(K3−1)〜(K3−6)で表される化合物の中でも、Rkがそれぞれ独立して、炭素原子数1〜30個のキラル又はアキラルなアルキル基(当該アルキル基中の1個又は2個以上の隣接していないメチレン基は、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−CH=CH−、−CF2−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−又はC≡C−により置換されていてもよく、該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子又はシアノ基によって置換されていてもよい。)である化合物が好ましく、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数2〜16のアルケニル基又は炭素原子数2〜16のアルケニルオキシ基である化合物がより好ましく、炭素原子数3〜10のアルキル基、炭素原子数3〜10のアルコキシ基、炭素原子数3〜10のアルケニル基又は炭素原子数3〜10のアルケニルオキシ基である化合物がさらに好ましい。
<軸不斉をもつ化合物>
軸不斉化合物としては、具体的には、一般式(IV−1)、(IV−2)、(IV−3)又は(IV−4)で表される化合物が好ましい。
軸不斉化合物としては、具体的には、一般式(IV−1)、(IV−2)、(IV−3)又は(IV−4)で表される化合物が好ましい。
一般式(IV−1)又は(IV−2)で表される化合物においては、2つのナフタレン環のα位を結ぶ結合が軸不斉の軸である。
一般式(IV−1)及び(IV−2)中、R71及びR72は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、イソシアネート基、イソチオシナネート基、又は炭素原子数1〜20のアルキル基を表す。当該アルキル基中の任意の1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子及び硫黄原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、又は−C≡C−で置換されていてもよい。さらに、当該アルキル基中の任意の1個又は2個以上の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。一般式(IV−1)又は(IV−2)で表される化合物としては、R71及びR72は、それぞれ独立して、無置換の、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素原子数1〜20の無置換のアルキル基であることがより好ましく、炭素原子数1〜6の無置換のアルキル基であることがさらに好ましい。
一般式(IV−1)及び(IV−2)中、R71及びR72は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、イソシアネート基、イソチオシナネート基、又は炭素原子数1〜20のアルキル基を表す。当該アルキル基中の任意の1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子及び硫黄原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、又は−C≡C−で置換されていてもよい。さらに、当該アルキル基中の任意の1個又は2個以上の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。一般式(IV−1)又は(IV−2)で表される化合物としては、R71及びR72は、それぞれ独立して、無置換の、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素原子数1〜20の無置換のアルキル基であることがより好ましく、炭素原子数1〜6の無置換のアルキル基であることがさらに好ましい。
一般式(IV−1)及び(IV−2)中、A71及びA72は、それぞれ独立して、芳香族性若しくは非芳香族性の3、6ないし8員環、又は、炭素原子数9以上の縮合環を表す。これらの環構造中の任意の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、又は炭素原子数1〜3のハロアルキル基で置換されていてもよい。また、当該環構造中の任意の1個又は互いに隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して−O−、−S−、又は−NH−で置換されていてもよく、当該環構造中の任意の1個又は互いに隣接していない2個以上の−CH=は、−N=で置換されていてもよい。m71が2以上であり、一分子中にA71が複数存在する場合、それらは互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。同様に、m72が2以上であり、一分子中にA72が複数存在する場合、それらは互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
一般式(IV−1)又は(IV−2)で表される化合物としては、A71及びA72は、それぞれ独立して、1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基が好ましい。これらの基中の1個若しくは2個以上の水素原子が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、又は炭素原子数1〜3のハロアルキル基で置換された基も好ましい。中でも、1個若しくは2個以上の水素原子がフッ素原子により置換されていてもよい1,4−フェニレン基、又はトランス−1,4−シクロヘキシレン基がより好ましく、無置換の1,4−フェニレン基又は無置換のトランス−1,4−シクロヘキシレン基がさらに好ましい。
一般式(IV−1)及び(IV−2)中、Z71及びZ72は、それぞれ独立して、単結合又は炭素原子数1〜8のアルキレン基を表す。当該アルキレン基中の任意の1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子及び硫黄原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−、又は−C≡C−で置換されていてもよい。また、当該アルキレン基中の任意の1個又は2個以上の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。m71が2以上であり、一分子中にZ71が複数存在する場合、それらは互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。同様に、m72が2以上であり、一分子中にZ72が複数存在する場合、それらは互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
一般式(IV−1)又は(IV−2)で表される化合物としては、Z71及びZ72はそれぞれ独立して、単結合、炭素原子数1〜4の無置換のアルキレン基、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、又は−C≡C−が好ましく、単結合、−CH2−、−CH2CH2−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、又は−C≡C−がより好ましく、単結合、−COO−、又は−OCO−がさらに好ましい。
一般式(IV−1)及び(IV−2)中、X71及びX72は、それぞれ独立して、単結合、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、又は−CH2CH2−を表す。一般式(IV−1)又は(IV−2)で表される化合物としては、X71及びX72は、それぞれ独立して、単結合、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、又は−CH2CH2−が好ましく、単結合、−COO−、又は−OCO−がより好ましい。
一般式(IV−2)中、R73は、水素原子、ハロゲン原子、又は−X71−(A71−Z71)m71−R71を表す。
一般式(IV−1)及び(IV−2)中、m71及びm72は、それぞれ独立して、1〜4の整数を表す。但し、一般式(IV−2)において、R73が−X71−(A71−Z71)m71−R71である場合には、2個のm71のうち、いずれか一方は0でもよい。一般式(IV−1)又は(IV−2)で表される化合物としては、m71及びm72は、それぞれ独立して、2又は3が好ましく、2がより好ましい。
一般式(IV−1)及び(IV−2)中、ナフタレン環中の水素原子が、フェニル基等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(IV−1)及び(IV−2)中、ナフタレン環中の水素原子が、フェニル基等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(IV−3)で表される化合物においては、2つのベンゼン環を結ぶ単結合が軸不斉の軸であり、一般式(IV−4)で表される化合物においては、2つのナフタレン環のα位を結ぶ結合が軸不斉の軸である。
一般式(IV−3)中、R61及びR62はそれぞれ独立して、任意の1個又は2個以上の水素原子がそれぞれ独立してアルキル基、アルコキシル基若しくはハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基、シクロペンチル基、又はシクロヘキシル基を表す。フェニル基中の水素原子と置換されるアルキル基又はアルコキシル基は、炭素原子数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましく、炭素原子数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状であることがより好ましい。
一般式(IV−3)中、R61及びR62はそれぞれ独立して、任意の1個又は2個以上の水素原子がそれぞれ独立してアルキル基、アルコキシル基若しくはハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基、シクロペンチル基、又はシクロヘキシル基を表す。フェニル基中の水素原子と置換されるアルキル基又はアルコキシル基は、炭素原子数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましく、炭素原子数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状であることがより好ましい。
一般式(IV−3)中、R63、R64、R65、R66、R67及びR68は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、又はジアルキルアミノ基を表す。一般式(IV−3)中のR63、R64及びR65のうちの2つが、置換基を有していてもよいメチレン鎖、又は置換基を有していてもよいモノ若しくはポリメチレンジオキシ基を形成していてもよく、R66、R67及びR68のうちの2つが、置換基を有していてもよいメチレン鎖、又は置換基を有していてもよいモノ若しくはポリメチレンジオキシ基を形成していてもよい。但し、R65とR66が共に水素原子の場合は除く。
一般式(IV−4)中、X61とY61、X62とY62は、それぞれ、いずれか少なくとも一方が存在し、X61、X62、Y61、Y62は、それぞれ独立して、CH2、C=O、O、N、S、P、B、Siのいずれかを表す。X61、X62、Y61、又はY62がN、P、B、又はSiである場合は、所要の原子価を満足するように、アルキル基、アルコキシ基、アシル基等の置換基と結合していてもよい。
一般式(IV−4)中、E61及びE62は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アリル基、ベンジル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルエーテル基、アルキルエステル基、アルキルケトン基、複素環基又はこれらの誘導体のいずれかを表す。
本発明の液晶・高分子複合材料が含むキラル化合物として、螺旋誘起力が強いことが特に要求される場合には、一般式(IV−1)又は(IV−2)で表される化合物が特に好ましい。
一般式(IV−1)で表される化合物としては、具体的には、下記の一般式(K4−1)〜(K4−12)で表される化合物が好ましく、一般式(K4−1)〜(K4−6)で表される化合物がより好ましく、一般式(K4−3)〜(K4−6)で表される化合物がさらに好ましい。一般式(K4−1)〜(K4−12)で表される化合物においては、2つのナフタレン環のα位を結ぶ結合が軸不斉の軸である。
一般式(K4−1)〜(K4−12)中、R71及びR72は、一般式(IV−1)におけるR71及びR72と同じ意味を表す。本発明の液晶・高分子複合材料に用いられるキラル化合物としては、一般式(K4−1)〜(K4−12)で表される化合物の中でも、R71及びR72がそれぞれ独立して、無置換又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基である化合物が好ましく、炭素原子数1〜20の無置換のアルキル基である化合物がより好ましく、炭素原子数1〜6の無置換のアルキル基である化合物がさらに好ましい。
一般式(IV−2)で表される化合物としては、具体的には、下記の一般式(K5−1)〜(K5−3)で表される化合物が好ましい。一般式(K5−1)〜(K5−3)で表される化合物においては、2つのナフタレン環のα位を結ぶ結合が軸不斉の軸である。
一般式(K5−1)〜(K5−3)中、R71は、一般式(IV−2)におけるR71と同じ意味を表す。本発明の液晶・高分子複合材料に用いられるキラル化合物としては、一般式(K5−1)〜(K5−3)で表される化合物の中でも、R71が、任意の1個又は2個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、任意の1個又は2個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜20のアルケニル基、任意の1個又は2個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜19のアルコキシ基ある化合物が好ましく、炭素原子数1〜20の無置換のアルキル基である化合物がより好ましく、炭素原子数1〜6の無置換のアルキル基である化合物がさらに好ましい。また、(K5−3)のように、ナフタレン環中の水素原子が、フェニル基等の置換基により置換された化合物も好ましい。
<面不斉をもつ化合物>
面不斉をもつ化合としては、例えば下記一般式(IV−5)で表されるヘリセン(Helicene)誘導体が挙げられる。このようなヘリセン誘導体においては、前後に重なり合う環の前後関係は自由に変換することができないため、環が右向きの螺旋構造をとる場合と左向きの螺旋構造をとる場合とが区別され、キラリティーを発現する。
面不斉をもつ化合としては、例えば下記一般式(IV−5)で表されるヘリセン(Helicene)誘導体が挙げられる。このようなヘリセン誘導体においては、前後に重なり合う環の前後関係は自由に変換することができないため、環が右向きの螺旋構造をとる場合と左向きの螺旋構造をとる場合とが区別され、キラリティーを発現する。
一般式(IV−5)中、X51とY51、X52とY52は、それぞれ、いずれか少なくとも一方が存在し、X51、X52、Y51、Y52は、それぞれ独立して、CH2、C=O、O、N、S、P、B、Siのいずれかを表す。X51、X52、Y51、Y52がN、P、B、Siである場合は、所要の原子価を満足するように、アルキル基、アルコキシ基、アシル基等の置換基と結合されていてもよい。
一般式(IV−5)中、E51及びE52は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アリル基、ベンジル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルエーテル基、アルキルエステル基、アルキルケトン基、複素環基又はこれらの誘導体のいずれかを表す。
本発明の液晶・高分子複合材料は、1種類のキラル化合物のみを含有していてもよいが、2種類以上を組み合わせて用いるほうが好ましい。構造や物性の異なる複数種類のキラル化合物を組み合わせることにより、所望の物性を有する液晶・高分子複合材料が得られやすい。
本発明の液晶・高分子複合材料に用いられるキラル化合物としては、螺旋誘起力が比較的大きなものが好ましい。螺旋誘起力が大きい化合物は、当該キラル化合物が添加されるネマチック液晶組成物の螺旋構造を所望のピッチ(例えば、25℃におけるピッチが0.01〜1μm、好ましくは0.05〜0.5μm、より好ましくは0.1〜0.4μm)にするために必要な添加量を少なくすることができる。
本発明の液晶・高分子複合材料が、ブルー相等の光学的等方相をより発現しやすくなるため、液晶組成物に添加した際の螺旋誘起力の温度依存性が負である(すなわち、温度上昇に従い、螺旋誘起力が大きくなる)キラル化合物を、少なくとも1種類は用いることが好ましい。特に、ブルー相I、ブルー相II、又は液体相のいずれとも共存していない状態のブルー相IIIを、従来になく非常に広い温度幅(例えば、2℃以上の温度幅)で発現できる液晶・高分子複合材料を製造するためには、1種類又は2種類以上の螺旋誘起力の温度依存性が正であるキラル化合物と、1種類又は2種類以上の螺旋誘起力の温度依存性が負であるキラル化合物とを組み合わせて用いることがより好ましい。
本発明の液晶・高分子複合材料は、キラル化合物として、前記一般式(Ch−I−1)〜(Ch−I−30)で表される化合物、前記一般式(K2−1)〜(K2−8)で表される化合物、前記一般式(K3−1)〜(K3−6)で表される化合物、前記(K4−1)〜(K4−12)で表される化合物、前記一般式(K5−1)〜(K5−3)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種類以上を含むことが好ましく、これらの化合物群より選択される2種類以上を組み合わせて含むことがより好ましく、これらの化合物群から、少なくとも1種類の螺旋誘起力の温度依存性が正であるキラル化合物と少なくとも1種類の螺旋誘起力の温度依存性が負であるキラル化合物とを組み合わせて含むことがさらに好ましい。中でも、前記一般式(Ch−I−30)で表される化合物、前記一般式(K3−1)〜(K3−6)で表される化合物、及び前記(K4−1)〜(K4−12)で表される化合物からなる群より選択される2種類以上を含むことが好ましく、一般式(Ch−I−30−1)〜(Ch−I−30−6)のいずれかで表される化合物と、前記(K4−3)〜(K4−6)のいずれかで表される化合物とを少なくとも含むことがより好ましい。
本発明の液晶・高分子複合材料におけるキラル化合物の含有量は、用いるネマチック液晶組成物のピッチを所望の範囲内とすることができるために充分な量であれば、特に限定されるものではなく、ネマチック液晶組成物の種類、キラル化合物の種類(特に、分極性)やその組み合わせ等を考慮して、適宜調整される。本発明の液晶・高分子複合材料におけるキラル化合物の含有量は、例えば、ネマチック液晶組成物100質量部に対して、1〜45質量部、好ましくは3〜30質量部とすることができる。
[重合性化合物]
本発明の液晶・高分子複合材料は、前記ネマチック液晶組成物とキラル化合物に加えて、さらに少なくとも1種類の重合性化合物が重合してなる高分子を含む。ネマチック液晶組成物にキラル化合物を含有させることにより得られる光学的等方性相を発現させる液晶組成物が得られ、当該液晶組成物にさらに高分子を加えて安定化させることにより、光学的等方性相、特にブルー相をより広い温度幅で発現させることができる。
本発明の液晶・高分子複合材料は、前記ネマチック液晶組成物とキラル化合物に加えて、さらに少なくとも1種類の重合性化合物が重合してなる高分子を含む。ネマチック液晶組成物にキラル化合物を含有させることにより得られる光学的等方性相を発現させる液晶組成物が得られ、当該液晶組成物にさらに高分子を加えて安定化させることにより、光学的等方性相、特にブルー相をより広い温度幅で発現させることができる。
本発明の液晶・高分子複合材料は、前記ネマチック液晶組成物とキラル化合物と高分子を混合して調製してもよいが、後述するように、まず、ネマチック液晶組成物とキラル化合物と重合性化合物とを混合した重合性化合物含有液晶組成物を調製した後、当該重合性化合物含有液晶組成物中の重合性基を有する化合物を重合させることによって製造することが好ましい。
当該高分子の形成に用いられる重合性化合物は、1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。ここで、重合性化合物とは、重合性基を分子内に少なくとも1個有する化合物である。当該重合性基としては、前記の式(R−1)〜(R−16)で表される構造からなる基が好ましい。また、当該高分子の形成に用いられる重合性化合物は、光重合性化合物であってもよく、熱重合性化合物であってもよい。重合反応が比較的容易に行える点から、光重合反応により重合可能な重合性化合物であることが好ましい。
重合性化合物は、その構造により、シクロヘキサン骨格やベンゼン骨格等の環構造(メソゲン基)を有する重合性化合物(メソゲン性(液晶性)重合性化合物)と、メソゲン基を有しない重合性化合物(非メソゲン性(非液晶性)重合性化合物)に分類することができる。
<メソゲン性重合性化合物>
メソゲン性重合性化合物としては、下記一般式(PC1)で表される化合物が好ましい。
メソゲン性重合性化合物としては、下記一般式(PC1)で表される化合物が好ましい。
一般式(PC1)中、P1は重合性基を表す。P1としては、前記の式(R−1)〜(R−16)で表される構造からなる基が好ましい。
一般式(PC1)中、Sp1は炭素原子数0〜20のスペーサー基を表す。当該スペーサー基としては、2価の基であって、炭素原子数が0〜20であれば、特に限定されるものではなく、炭素原子以外の原子を含む基であってもよい。また、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、環構造を有していてもよい。当該スペーサー基としては、例えば、単結合、炭素原子数1〜20のアルキレン基、炭素原子数1〜20のアルケニレン基、又は炭素原子数1〜20のアリーレン基が挙げられる。当該アルキレン基又はアルケニレン基中の1個又は2個以上の隣接していないメチレン基は、酸素原子及び硫黄原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−SCO−、−COS−又は−C≡C−により置換されていてもよい。また、当該アルキレン基又はアルケニレン基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子又はシアノ基によって置換されていてもよい。一般式(PC1)で表される化合物としては、Sp1は単結合、無置換の若しくは置換基を有する炭素原子数が1〜16のアルキレン基、又は、無置換の若しくは置換基を有する炭素原子数が1〜16のアルケニレン基が好ましく、単結合、無置換のアルキレン基、又は置換基のアルケニレン基がより好ましい。
一般式(PC1)中、Q1は単結合、−O−、−OCH2−、−CH2O−、−C2H4−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CO−、−OCOO−、−NH−、−NHCOO−、−OCONH−、−OCOCH2−、−CH2OCO−、−COOCH2−、−CH2COO−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−CH=CCH3−COO−、−COO−CCH3=CH−、−COOC2H4−、−OCOC2H4−、−C2H4OCO−、−C2H4COO−、−C≡C−、−CF2O−又は−OCF2−を表す。一般式(PC1)で表される化合物としては、Q1は単結合、−O−、−OCH2−、−CH2O−、−C2H4−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−OCOCH2−、−CH2OCO−、−COOCH2−、−CH2COO−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−COOC2H4−、−OCOC2H4−、−C2H4OCO−、−C2H4COO−、−C≡C−、−CF2O−及び−OCF2−が好ましく、製造の容易性及び液晶配向性の観点から、−O−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−C2H4−、−C≡C−及び単結合がより好ましく、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−及び単結合が特に好ましい。
一般式(PC1)中、R3は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜25のアルキル基(当該アルキル基中の1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−SCO−、−COS−又は−C≡C−により置換されていてもよい。)、又はP2−Sp2−Q2−(式中、P2、Sp2、Q2はそれぞれ、P1、Sp1、Q1と同じ意味を表す。)を表す。但し、R3がP2−Sp2−Q2−の場合、一分子中のP1とP2、Sp1とSp2、Q1とQ2は、それぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
一般式(PC1)中、n1及びn2は、それぞれ独立して1、2又は3を表す。n1が1であり、かつR3が重合性基を有さない場合には、一般式(PC1)で表される化合物は、単官能性の重合性化合物である。一方で、n1が2又は3の場合や、R3が重合性基を有する場合には、一般式(PC1)で表される化合物は、2以上の重合性基を有する多官能性の重合性化合物である。
一般式(PC1)中、MGは、メソゲン基を表す。メソゲン基は、液晶性を発現するための剛直性を有する官能基であり、一般的には、シクロヘキサン骨格やベンゼン骨格等の環構造を有する。当該メソゲン基としては、公知の液晶性分子が有するメソゲン部位を構成する基のいずれであってもよいが、下記一般式(MG−1)で表される基が好ましい。
一般式(MG−1)中、C1又はC3はそれぞれ独立して、1,4−フェニレン基、1,3,4−ベンゼントリイル基、1,2,4−ベンゼントリイル基、ベンゼン−1,2,4,5−テトライル基、ベンゼン−1,2,3,4−テトライル基、1,4−シクロヘキシレン基、1,3,4−シクロヘキサントリイル基、1,2,4−シクロヘキサントリイル基、シクロヘキサン−1,2,3,4−テトライル基、1,4−シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、テトラヒドロチオピラン−2,5−ジイル基、1,4−ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、2,6−ナフチレン基、ナフタレン−2,5,6−トリイル基、ナフタレン−2,3,6−トリイル基、ナフタレン−2,6,7−トリイル基、ナフタレン−2,5,6,7−テトライル基、ナフタレン−1,2,5,6−テトライル基、ナフタレン−2,3,6,7−テトライル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,5,6−トリイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6,7−トリイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,5,6−トリイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,5,6−トリイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基、フェナントレン−2,7−ジイル基、9,10−ジヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a−オクタヒドロフェナントレン2,7−ジイル基、又はフルオレン2,7−ジイル基を表す。これらの基中の1個又は2個以上の任意の水素原子は、それぞれ独立して、フェニル基、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、シアノ基、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数1〜8のアルカノイル基、炭素原子数1〜8のアルカノイルオキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基、炭素原子数2〜8のアルケノイル基又は炭素原子数2〜8のアルケノイルオキシ基によって置換されていてもよい。
一般式(MG−1)中、C2は、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、テトラヒドロチオピラン−2,5−ジイル基、1,4−ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、2,6−ナフチレン基、フェナントレン−2,7−ジイル基、9,10−ジヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a−オクタヒドロフェナントレン2,7−ジイル基、又はフルオレン2,7−ジイル基を表す。これらの基中の1個又は2個以上の任意の水素原子は、それぞれ独立して、フェニル基、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、シアノ基、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数1〜8のアルカノイル基、炭素原子数1〜8のアルカノイルオキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基、炭素原子数2〜8のアルケノイル基又は炭素原子数2〜8のアルケノイルオキシ基によって置換されていてもよい。一分子中に複数のC2がある場合、それらは同じであってもよく、異なっていてもよい。
一般式(MG−1)中、Y1及びY2はそれぞれ独立して、単結合、−O−、−OCH2−、−OCH2−、−C2H4−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CO−、−OCOO−、−NH−、−NHCOO−、−OCONH−、−OCOCH2−、−CH2OCO−、−COOCH2−、−CH2COO−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−CH=CCH3−COO−、−COO−CCH3=CH−、−COOC2H4−、−OCOC2H4−、−C2H4OCO−、−C2H4COO−、−C≡C−、−CF2O−又は−OCF2−を表す。一分子中に複数のY2がある場合、それらは同じであってもよく、異なっていてもよい。
一般式(MG−1)中、n5は0〜5の整数を表す。一般式(PC1)で表される化合物としては、n5は0〜3の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましく、0又は1がさらに好ましい。
一般式(PC1)で表される化合物のうち、単官能性の重合性化合物としては、好ましくは下記一般式(V−a)で表される化合物が挙げられる。
一般式(V−a)中、R31は水素原子又はメチル基を表す。
一般式(V−a)中、n31は0又は1の整数を表す。
一般式(V−a)中、T1、T2及びT3はそれぞれ独立して、下記の14種類の環構造を有する2価の基(但し、mは、1〜4の整数を表す。)のいずれかを表す。
一般式(V−a)中、n31は0又は1の整数を表す。
一般式(V−a)中、T1、T2及びT3はそれぞれ独立して、下記の14種類の環構造を有する2価の基(但し、mは、1〜4の整数を表す。)のいずれかを表す。
一般式(V−a)中、Y3、Y4及びY5はそれぞれ独立して、単結合、−O−、−OCH2−、−OCH2−、−C2H4−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CO−、−OCOO−、−NH−、−NHCOO−、−OCONH−、−OCOCH2−、−CH2OCO−、−COOCH2−、−CH2COO−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−CH=CCH3−COO−、−COO−CCH3=CH−、−COOC2H4−、−OCOC2H4−、−C2H4OCO−、−C2H4COO−、−C≡C−、−CF2O−又は−OCF2−を表す。
一般式(V−a)中、Y6は単結合、−O−、−COO−、又は−OCO−を表す。
一般式(V−a)中、Y6は単結合、−O−、−COO−、又は−OCO−を表す。
一般式(V−a)中、R32は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、又は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。当該炭化水素基としては、炭素原子数1〜20であって、炭素原子と水素原子からなる1価の基であれば特に限定されるものではなく、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のアルケニル基、炭素原子数1〜20のアルキニル基等が挙げられる。
一般式(PC1)で表される化合物のうち、多官能性の重合性化合物としては、下記一般式(PC1−1)で表される化合物(式中、P1、P2、Sp1、Sp2、Q1、Q2、MG、n1及びn2は、一般式(PC1)と同じ意味を表す。)が挙げられる。一般式(PC1−1)で表される化合物としては、より具体的には、下記一般式(PC1−1)〜(PC1−13)で表される化合物が挙げられる。
一般式(PC1−1)〜(PC1−13)中、P1、P2、Sp1、Sp2、Q1及びQ2は一般式(PC1)と同じ意味を表す。本発明においては、Sp1、Sp2、Q1、及びQ2は単結合が好ましい。また、P1及びP2は、それぞれ独立して前記の式(R−1)又は(R−2)が好ましい。
一般式(PC1−1)〜(PC1−13)中、W1はそれぞれ独立して、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基、フェニル基、−COOW2、−OCOW2又は−OCOOW2を表す。−COOW2、−OCOW2、−OCOOW2中、W2はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素原子数2〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基を表す。一分子中に複数のW1がある場合には、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
本発明においては、W1はそれぞれ独立して、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、フェニル基、が好ましく、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、メチル基、又はメトキシ基がより好ましい。
本発明においては、W1はそれぞれ独立して、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、フェニル基、が好ましく、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、メチル基、又はメトキシ基がより好ましい。
一般式(PC1−1)〜(PC1−13)中、n3はそれぞれ独立して1、2又は3を表し、n4はそれぞれ独立して1、2又は3を表し、n6はそれぞれ独立して0、1、2、3又は4を表し、同一環上におけるn3+n6及びn4+n6は5以下である。本発明においては、n3+n4が2〜4が好ましく、2又は3がより好ましい。
本発明において用いられる重合性化合物としては、一般式(PC1−1)〜(PC1−13)で表される化合物の中でも、Sp1、Sp2、Q1、及びQ2が単結合であり、P1及びP2はそれぞれ独立して前記の式(R−1)又は(R−2)であり、W1はそれぞれ独立して、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、メチル基、又はメトキシ基であり、n3+n4が2又は3である化合物が特に好ましい。
一般式(PC1−3)で表される化合物としては、より具体的には、下記の式(PC1−3a)〜(PC1−3h)で表される化合物を挙げることができる。式(PC1−3a)〜(PC1−3h)中のベンゼン環上の1個又は2個以上の水素原子が、フッ素原子で置換された化合物であってもよい。本発明の液晶・高分子複合材料に含まれる高分子は、これらの化合物のうちの1種又は2種以上を重合性原料とし、必要に応じてその他の重合性化合物と共に重合させたものであることが好ましい。
一般式(PC1−1)〜(PC1−13)で表される化合物としては、下記一般式(V−b)で表される化合物も好ましい。本発明の液晶・高分子複合材料に含まれる高分子の重合性原料として一般式(V−b)で表される化合物を用いることにより、機械的強度や耐熱性に優れた液晶・高分子複合材料が得られる。
一般式(V−b)中、m31は0又は1を表し、Y11及びY12はそれぞれ独立して単結合、−O−、−COO−又は−OCO−を表し、Y13及びY14はそれぞれ独立して単結合、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−COOC2H4−、−OCOC2H4−、−C2H4OCO−、又は−C2H4COO−を表し、r及びsはそれぞれ独立して2〜14の整数を表す。
一般式(V−b)中に存在する1,4−フェニレン基は、無置換であってもよく、1個又は2個以上の水素原子がそれぞれ独立して、フッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、又はフェニル基で置換されていてもよい。
一般式(V−b)中に存在する1,4−フェニレン基は、無置換であってもよく、1個又は2個以上の水素原子がそれぞれ独立して、フッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、又はフェニル基で置換されていてもよい。
一般式(V−b)で表される化合物としては、下記一般式(V−b1)〜(V−b20)で表される化合物が特に好ましい。一般式(V−b1)〜(V−b20)中、t及びuはそれぞれ独立して、2〜14の整数を表す。本発明の液晶・高分子複合材料に含まれる高分子は、これらの化合物のうちの1種又は2種以上を重合性原料とし、必要に応じてその他の重合性化合物と共に重合させたものであることが好ましい。
<非メソゲン性重合性化合物>
非メソゲン性重合性化合物としては、下記一般式(PC2)で表される化合物が好ましい。
非メソゲン性重合性化合物としては、下記一般式(PC2)で表される化合物が好ましい。
一般式(PC2)中、Pは重合性基を表す。Pとしては、前記の式(R−1)〜(R−16)で表される構造からなる基が好ましい。一般式(PC2)で表される化合物としては、Pは、式(R−1)、式(R−2)、式(R−4)、式(R−5)、式(R−7)、式(R−11)、式(R−13)、式(R−15)又は式(R−16)で表される基が好ましく、式(R−1)、式(R−2)、式(R−7)、式(R−11)、式(R−13)又は式(R−16)で表される基がより好ましく、式(R−1)、式(R−2)又は式(R−16)で表される基がさらに好ましい。
一般式(PC2)中、A31は単結合又は炭素原子数1〜15のアルキレン基を表す。
当該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。また、当該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子、メチル基又はエチル基で置換されていてもよい。
当該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。また、当該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子、メチル基又はエチル基で置換されていてもよい。
一般式(PC2)中、A32及びA34はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1〜18のアルキル基を表す。当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。また、当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜17のアルキル基で置換されていてもよい。
一般式(PC2)中、A33及びA35はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基表す。当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。また、当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜9のアルキル基で置換されていてもよい。
一般式(PC2)中、vは1〜40の整数を表す。
一般式(PC2)中、B1、B2及びB3は、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は−A36−P(式中、A36は単結合又は炭素原子数1〜15のアルキレン基を表し、Pは重合性基を表す。)で表される基を表す。B1、B2又はB3がアルキル基を表す場合、当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。B1、B2又はB3が−A36−Pで表される基であり、当該A36が炭素原子数1〜15のアルキレン基を表す場合、当該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。また、当該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子、メチル基又はエチル基で置換されていてもよい。但し、一分子中、2v+1個あるB1、B2又はB3のうち、−A36−Pで表される基は0〜3個である。一分子中、Pが複数存在する場合には、それらは互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
一般式(PC2)中、B1、B2及びB3は、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は−A36−P(式中、A36は単結合又は炭素原子数1〜15のアルキレン基を表し、Pは重合性基を表す。)で表される基を表す。B1、B2又はB3がアルキル基を表す場合、当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。B1、B2又はB3が−A36−Pで表される基であり、当該A36が炭素原子数1〜15のアルキレン基を表す場合、当該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。また、当該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子、メチル基又はエチル基で置換されていてもよい。但し、一分子中、2v+1個あるB1、B2又はB3のうち、−A36−Pで表される基は0〜3個である。一分子中、Pが複数存在する場合には、それらは互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
本発明の液晶・高分子複合材料に含まれる高分子の原料となる重合性化合物としては、一般式(PC2)で表される化合物を1種類又は2種類以上を用いることが好ましく、一般式(PC2)で表される化合物のうち、主鎖長やアルキル側鎖長の異なるものを複数用いてもよい。
一般式(PC2)で表される化合物としては、具体的には、下記一般式(PC2−a)〜(PC2−h)で表される化合物が好ましく挙げられる。本発明の液晶・高分子複合材料に含まれる高分子の原料となる重合性化合物としては、一般式(PC2−a)〜(PC2−h)で表される化合物からなる群から選ばれる1種類以上を用いることが好ましく、一般式(PC2−a)〜(PC2−d)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物を少なくとも1種類以上用いることがより好ましい。
一般式(PC2−a)〜(PC2−h)中、Pは重合性基を表し、B4は水素原子又はメチル基を表す。Pとしては、前記の式(R−1)〜(R−16)で表される構造からなる基が好ましく、式(R−1)、式(R−2)又は式(R−16)で表される基がより好ましく、重合速度が速いことから式(R−1)で表される基がさらに好ましい。一般式(PC2−a)、(PC2−c)、(PC2−e)、(PC2−g)で表される化合物において、一分子中に含まれる2個のPは、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
一般式(PC2−a)又は(PC2−b)中、A37及びA43はそれぞれ独立して、単結合又は炭素原子数1〜15のアルキレン基を表す。当該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。また、当該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子、メチル基又はエチル基で置換されていてよい。
一般式(PC2−a)又は(PC2−b)中、A38及びA41はそれぞれ独立して、炭素原子数2〜20の直鎖状のアルキル基を表す。当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。
一般式(PC2−a)又は(PC2−b)中、A39及びA42はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。また、当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜9のアルキル基で置換されていてもよい。
一般式(PC2−a)又は(PC2−b)中、A40は炭素原子数9〜16のアルキレン基を表す。当該アルキレン基中に存在する少なくとも1個以上5個以下のメチレン基において、当該メチレン基中の任意の1個の水素原子は、炭素原子数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基で置換されている。また、当該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。
一般式(PC2−a)で表される化合物において、2個の重合性基間の距離(架橋点間の距離)は、A37とA40とA43とで独立的にそれぞれ炭素原子数の長さを変えて調整することができる。一般式(PC2−a)で表される化合物の特徴の1つは、重合性基間距離が長いことである。但し、当該距離があまりに長い場合には重合速度が極端に遅くなり、相分離に悪い影響を及すおそれがあるため、重合性基間距離には上限がある。一方、A38及びA41の2個の側鎖間距離も主鎖の運動性に影響を及ぼす。すなわち、A38及びA41の間の距離が短い場合には、側鎖A38及びA41がお互いに干渉するようになり、化合物全体の運動性の低下をきたす。そこで、重合性基間距離が同程度の場合には、A38及びA41の炭素原子数が長いものよりも、A40の炭素原子数が長いもののほうが好ましい。
一般式(PC2−a)又は(PC2−b)中、A40は、側鎖間距離(A38及びA41の距離、A39及びA42の距離)を調整する点からも、架橋点間距離を広げてガラス転移温度を下げる点からも、長い方が好ましい。しかしながらA40が長すぎる場合は、一般式(PC2−a)又は(PC2−b)で表される化合物の分子量が大きくなりすぎ、液晶組成物との相溶性が低下する傾向にあること、及び重合速度が遅くなりすぎるために相分離に悪影響がでること等の理由から、自ずとA40の長さには上限が設定される。
よって、一般式(PC2−a)又は(PC2−b)で表される化合物において、A40は、炭素原子数9〜16のアルキレン基(当該アルキレン基中に存在する少なくとも1個以上5個以下のメチレン基において、当該メチレン基中の任意の1個の水素原子は、炭素原子数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基で置換されている。当該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。)であることが好ましい。
A40は構造上の特徴として、アルキレン基中の水素原子が炭素原子数1〜10のアルキル基で置換された構造を有する。一のアルキレン基中のアルキル基で置換される水素原子の数は1個以上5個以下であるが、1個から3個が好ましく、2個又は3個がより好ましい。置換基であるアルキル基の炭素原子数は、1〜5個が好ましく、1〜3個がより好ましい。
一方、側鎖であるA38、A39、A41、A42においては、これらの側鎖の長さが次のような態様を有することが好ましい。なお、一般式(PC2−a)又は(PC2−b)において、A38とA39は主鎖の同じ炭素原子に結合しているが、これらの長さが異なるとき、長いほうの側鎖をA38と呼ぶものとする(A38の長さとA39の長さが等しい場合は、いずれが一方をA38とする)。同様に、A41の長さとA42の長さが異なるとき、長いほうの側鎖をA41と呼ぶものとする(A41の長さとA42の長さが等しい場合は、いずれが一方をA41とする)。
側鎖は、主鎖に比べて運動性が高い。このため、側鎖の存在は、通常は低温での高分子鎖の運動性向上に寄与するが、側鎖間で空間的な干渉が起こる状況では、逆に運動性は低下する。このような側鎖間での空間的な干渉を防ぐために、側鎖長を必要な範囲内で短くすることが有効である。
そこで、一般式(PC2−a)又は(PC2−b)中、A38及びA41は、好ましくは、それぞれ独立して炭素原子数2〜18の直鎖状のアルキル基(当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。)であり、より好ましくは、それぞれ独立して炭素原子数3〜15の直鎖状のアルキル基(当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。)である。
また、A39及びA42についても、その長さが長すぎることは、側鎖間の空間的な干渉を誘起するため好ましくない。一方で、長さの短い側鎖は、高い運動性を有していることに加えて、隣接する主鎖同士の接近を阻害し、高分子主鎖間の干渉を防ぎ、主鎖の運動性を高める作用を有すると考えられる。このため、一般式(PC2−a)又は(PC2−b)で表される化合物においては、A39及びA42の長さを短くすることにより、アンカリングエネルギーが低温で増加して行くことを抑制することができ、得られた液晶・高分子複合材料を用いた液晶光学素子の低温域における特性を改善する上で有効である。
そこで、一般式(PC2−a)又は(PC2−b)中、A39及びA42は、好ましくは、それぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜7のアルキル基(当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。)であり、より好ましくは、それぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基(当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。)であり、さらに好ましくは、それぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基(当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。)である。
一般式(PC2−c)又は(PC2−d)中、aは6〜22の整数を表す。一般式(PC2−d)で表される化合物のうち、B4が水素原子である化合物としては、例えば、ドデシルアクリレート等のアルキルアクリレートが挙げられる。
一般式(PC2−e)又は(PC2−f)中、b及びcはそれぞれ独立して1〜10の整数を表し、dは1〜10の整数を表し、eは0〜6の整数を表す。側鎖間の空間的な干渉を抑制する点から、dとeの少なくとも一方は、1〜5の整数であることが好ましく、1〜3の整数であることがより好ましい。
一般式(PC2−g)又は(PC2−h)中、f、g、h及びiはそれぞれ独立して1〜10の整数を表す。側鎖間の空間的な干渉を抑制する点から、hとiの少なくとも一方は、1〜5の整数であることが好ましく、1〜3の整数であることがより好ましい。
一般式(PC2−a)〜(PC2−h)で表される化合物をはじめとする一般式(PC2)で表される化合物は、公知の化合物を出発原料とし、公知の有機合成反応を適宜組み合わせて合成することができる。
例えば、一般式(PC2−a)において、A39及びA42が水素原子である化合物は、エポキシ基を複数有する化合物と、エポキシ基と反応し得る活性水素を有するアクリル酸やメタクリル酸等の重合性化合物とを反応させ、水酸基を有する重合性化合物を合成し、次に、飽和脂肪酸と反応させることにより得ることができる。
また、複数のエポキシ基を有する化合物と飽和脂肪酸とを反応させ、水酸基を有する化合物を合成し、次に水酸基と反応し得る基を有するアクリル酸塩化物等の重合性化合物とを反応させることによっても得ることができる。
また、複数のエポキシ基を有する化合物と飽和脂肪酸とを反応させ、水酸基を有する化合物を合成し、次に水酸基と反応し得る基を有するアクリル酸塩化物等の重合性化合物とを反応させることによっても得ることができる。
また、一般式(PC2−a)のA39及びA42がアルキル基であり、A37及びA43がメチレン基である化合物は、例えば、オキセタン基を複数有する化合物と、オキセタン基と反応し得る脂肪酸塩化物や脂肪酸とを反応させ、さらに、アクリル酸などの活性水素を有する重合性化合物とを反応させる方法や、オキセタン基を一つ有する化合物と、オキセタン基と反応し得る多価の脂肪酸塩化物や脂肪酸とを反応させ、さらに、アクリル酸などの活性水素を有する重合性化合物とを反応させる方法等により得ることができる。
また、一般式(PC2−a)のA37及びA43が炭素原子数3のアルキレン基(プロピレン基;−CH2CH2CH2−)である化合物は、例えば、オキセタン基の代わりにフラン基を複数有する化合物を用いることにより、前記と同様にして得ることができる。
さらに、一般式(PC2−a)のA37及びA43が炭素原子数4であるアルキレン基(ブチレン基;−CH2CH2CH2CH2−)である化合物は、例えば、オキセタン基の代わりにピラン基を複数有する化合物を用いることにより得ることができる。
さらに、一般式(PC2−a)のA37及びA43が炭素原子数4であるアルキレン基(ブチレン基;−CH2CH2CH2CH2−)である化合物は、例えば、オキセタン基の代わりにピラン基を複数有する化合物を用いることにより得ることができる。
<キラリティーを有する重合性化合物>
本発明の液晶・高分子複合材料に含まれる高分子の原料となる重合性化合物としては、アキラルな化合物又は実質的にラセミ体であることが好ましいが、キラルな重合性化合物を用いてもよい。キラルな重合性化合物としては、例えば、下記の一般式(VI−a)又は(VI−b)で表される重合性化合物を用いることができる。
本発明の液晶・高分子複合材料に含まれる高分子の原料となる重合性化合物としては、アキラルな化合物又は実質的にラセミ体であることが好ましいが、キラルな重合性化合物を用いてもよい。キラルな重合性化合物としては、例えば、下記の一般式(VI−a)又は(VI−b)で表される重合性化合物を用いることができる。
一般式(VI−a)及び(VI−b)中、Pは重合性基を表す。Pとしては、前記の式(R−1)〜(R−16)で表される構造からなる基が好ましく、式(R−1)、式(R−2)又は式(R−16)で表される基がより好ましく、式(R−1)又は式(R−2)で表される基がさらに好ましく、重合速度が速いことから式(R−1)で表される基がより好ましい。
一般式(VI−a)中、n21は0又は1の整数を表す。また、一般式(VI−b)中、n22は、0、1又は2の整数を表す。n22が2であり、一分子中にT24及びY25が複数存在する場合、それらは互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
一般式(VI−a)及び(VI−b)中、T21、T22、T23、T24は、それぞれ独立して、6員環構造を有する2価の基(6員環式2価基)を表す。当該6員環式2価基としては、下記の12種類の6員環式2価基が挙げられる。なお、下記一般式において、mは1〜4の整数を示す。一般式(VI−a)又は(VI−b)で表される化合物としては、T21、T22、T23、T24は、それぞれ独立して、前記12種類の6員環式2価基のいずれかであることが好ましく、1,4−フェニレン基、又はトランス−1,4−シクロヘキシレン基がより好ましい。
一般式(VI−b)中、T25は、6員環構造を有する3価の基(6員環式3価基)を表す。当該6員環式3価基としては、ベンゼン−1,2,4−トリイル基、ベンゼン−1,3,4−トリイル基、ベンゼン−1,3,5−トリイル基、シクロヘキサン−1,2,4−トリイル基、シクロヘキサン−1,3,4−トリイル基又はシクロヘキサン−1,3,5−トリイル基等が挙げられる。
一般式(VI−a)及び(VI−b)中、Y22、Y23、及びY25は、それぞれ独立して、単結合、又は炭素原子数が1〜10である直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキレン基を表す。当該アルキレン基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個のメチレン基は、酸素原子及び硫黄原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−S−、−CO−O−又は−O−CO−により置換されていてもよい。また、当該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子又は塩素原子に置換されていてもよい。さらに、当該アルキレン基は、不斉炭素原子を含んでいてもよく、含まなくてもよい。当該アルキレン基としては、例えば、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−(CH2)4−、−CH2CH2CH2O−、−OCH2CH2CH2−、−CH=CHCH2CH2−、又は−CH2CH2CH=CH−が挙げられる。
一般式(VI−a)及び(VI−b)中、Y21及びY24は、それぞれ独立して、単結合、−O−、−OCO−、又は−COO−を表す。
一般式(VI−a)及び(VI−b)中、Z21は、不斉炭素原子を有し、かつ分枝鎖構造を含む炭素原子数3〜20のアルキレン基を表す。
一般式(VI−a)及び(VI−b)中、Z22は、炭素原子数1〜20のアルキレン基を表す。当該アルキレン基は、不斉炭素原子を含んでいてもよく、含まなくてもよい。
一般式(VI−a)及び(VI−b)中、Z22は、炭素原子数1〜20のアルキレン基を表す。当該アルキレン基は、不斉炭素原子を含んでいてもよく、含まなくてもよい。
本発明の液晶・高分子複合材料に含まれる高分子の原料としては、少なくとも1種類の重合性化合物を用いればよいが、重合反応後に得られる重合物(高分子)の物性が所望の範囲となるように、複数種類の重合性化合物を適宜組み合わせて用いることが好ましい。
複数種類の重合性化合物を用いる場合、少なくとも1種類の単官能性重合性化合物と少なくとも1種類の多官能性重合性化合物とを用いることが好ましい。多官能性重合性化合物を原料とすることにより、重合反応によって、架橋構造を有する高分子を含む液晶・高分子複合材料が得られる。
複数種類の重合性化合物を用いる場合、少なくとも1種類の単官能性重合性化合物と少なくとも1種類の多官能性重合性化合物とを用いることが好ましい。多官能性重合性化合物を原料とすることにより、重合反応によって、架橋構造を有する高分子を含む液晶・高分子複合材料が得られる。
また、本発明の液晶・高分子複合材料に含まれる高分子のガラス転移温度は、−100℃〜25℃であることが好ましい。そこで、重合反応後の高分子のガラス転移温度が当該範囲内となるように、原料として用いる重合性化合物の種類や組成を適宜調整することが好ましい。
さらに、本発明の液晶・高分子複合材料に含まれる高分子の原料としては、少なくとも1種類の非メソゲン性重合性化合物を用いることがより好ましく、少なくとも1種類のメソゲン性重合性化合物と、少なくとも1種類の非メソゲン性重合性化合物とを用いることがより好ましい。高分子の原料として、メソゲン性重合性化合物と非メソゲン性重合性化合物の両者を用いることにより、重合反応によって得られる液晶・高分子複合材料が光学的等方性相を発現する温度範囲をより広くすることができる。
ブルー相IIIの発現温度範囲を広げることを目的とする場合には、本発明の液晶・高分子複合材料に含まれる高分子の原料には、少なくとも1種類の多官能のメソゲン性重合性化合物と、少なくとも1種類の単官能若しくは多官能の非メソゲン性重合性化合物とを含むことが好ましく、前記式(PC1−3a)〜(PC1−3i)で表される化合物及び前記一般式(V−b1)〜(V−b20)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種類の化合物と、前記一般式(PC2−a)〜(PC2−h)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種類の化合物を含むことがより好ましく、前記式(PC1−3a)〜(PC1−3i)で表される化合物及び前記一般式(V−b1)〜(V−b20)で表される化合物からなる群より選択される1種類以上の化合物と、前記一般式(PC2−a)〜(PC2−d)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種類の化合物とを含むことがさらに好ましい。
[液晶・高分子複合材料の製造方法]
本発明の液晶・高分子複合材料は、例えば、ネマチック液晶組成物と、全てのキラル化合物と、高分子の原料とする全ての重合性化合物とを混合した重合性化合物含有液晶組成物を調製した後、当該重合性化合物含有液晶組成物中の重合性基を有する化合物を重合させることによって製造することができる。
本発明の液晶・高分子複合材料は、例えば、ネマチック液晶組成物と、全てのキラル化合物と、高分子の原料とする全ての重合性化合物とを混合した重合性化合物含有液晶組成物を調製した後、当該重合性化合物含有液晶組成物中の重合性基を有する化合物を重合させることによって製造することができる。
ネマチック液晶組成物とキラル化合物と重合性化合物を混合する順番は特に限定されるものではなく、全原料を実質的に同時に混合してもよく、予めネマチック液晶組成物とキラル化合物とが混合されている液晶組成物に、高分子の原料とする全ての重合性化合物を混合してもよい。当該重合性化合物含有液晶組成物中の全重合性化合物の総量は、用いる重合性化合物の種類、ネマチック液晶組成物の種類、キラル化合物の種類等を考慮して適宜決定することができるが、0.1〜40質量%が好ましく、1〜40質量%がより好ましく、1〜25質量%がさらに好ましい。また、当該重合性化合物含有液晶組成物中のネマチック液晶組成物とキラル化合物との混合物の含有量は、60〜95質量%であることが好ましく、60〜90質量%がより好ましく、60〜80質量%がさらに好ましい。
当該重合性化合物含有液晶組成物は、必要に応じて、重合開始剤を含んでいてもよい。
例えば、当該重合性化合物含有液晶組成物中の重合性化合物をラジカル重合によって重合させる場合には、ラジカル重合開始剤として、熱重合開始剤、光重合開始剤を添加しておくことができる。具体的には以下の化合物が好ましく用いられる;
ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系;
ベンゾイン、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系;
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系;
ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステル系;
ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;
2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系;
ミヒラーケトン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系;
10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン等。
当該重合性化合物含有液晶組成物に含有させるラジカル重合開始剤としては、これらの化合物の中でも、ベンジルジメチルケタールが好ましい。
例えば、当該重合性化合物含有液晶組成物中の重合性化合物をラジカル重合によって重合させる場合には、ラジカル重合開始剤として、熱重合開始剤、光重合開始剤を添加しておくことができる。具体的には以下の化合物が好ましく用いられる;
ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系;
ベンゾイン、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系;
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系;
ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステル系;
ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;
2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系;
ミヒラーケトン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系;
10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン等。
当該重合性化合物含有液晶組成物に含有させるラジカル重合開始剤としては、これらの化合物の中でも、ベンジルジメチルケタールが好ましい。
当該重合性化合物含有液晶組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、液晶組成物に汎用されている各種添加剤を含んでいてもよい。例えば、その保存安定性を向上させるために、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤を添加することもできる。使用できる安定剤としては、例えば、ヒドロキノン類、ヒドロキノンモノアルキルエーテル類、第三ブチルカテコール類、ピロガロール類、チオフェノール類、ニトロ化合物類、β−ナフチルアミン類、β−ナフトール類、ニトロソ化合物等が挙げられる。安定剤を使用する場合の添加量は、液晶組成物に対して0.005〜1質量%の範囲が好ましく、0.02〜0.5質量%がさらに好ましく、0.03〜0.1質量%が特に好ましい。
重合反応前の当該重合性化合物含有液晶組成物としては、光学的等方性相を発現し得ることが好ましく、ブルー相を発現し得ることがより好ましく、ブルー相IIIを発現し得ることがさらに好ましい。重合反応により形成された高分子によって、光学的等方性相が安定化する。つまり、重合反応により得られた液晶・高分子複合材料は、重合反応前の液晶組成物が光学的等方性相を発現する温度範囲よりもより広い温度幅で、光学的等方性相を発現できる。
当該重合性化合物含有液晶組成物の重合反応は、紫外線又は電子線等の活性エネルギー線を照射する方法や熱重合法等の公知の方法の中から、用いた重合性化合物の種類に応じて適宜選択される。本発明においては、加熱を必要とせず、室温で反応が進行することから活性エネルギー線を照射する方法が好ましく、中でも、操作が簡便なことから、紫外線等の光を照射する方法が好ましい。紫外線を使用する場合、偏光光源を用いてもよく、非偏光光源を用いてもよい。
重合反応は、重合性化合物含有液晶組成物が光学的等方性相、特にブルー相を保持した状態で行うことが好ましい。例えば、重合性化合物含有液晶組成物がブルー相IIIを発現する場合、重合反応を、当該重合性化合物含有液晶組成物がブルー相IIIを示す温度範囲内で開始し、ブルー相IIIを保持した状態で継続し、重合反応により製造された液晶・高分子複合材料がブルー相IIIを示す温度範囲内で終了することにより、ブルー相IIIを示す温度範囲が、重合反応前の重合性化合物含有液晶組成物よりも広い液晶・高分子複合材料が得られる。
ブルー相IIIを示す温度範囲がより広い液晶・高分子複合材料を製造するためには、原料として、分子内にシクロヘキサン骨格よりもベンゼン骨格を多く含む液晶性化合物の含有量が、ネマチック液晶組成物中の液晶性化合物全体の50質量%以上であるネマチック液晶組成物と、螺旋誘起力の温度依存性が負であるキラル化合物を用いることが好ましく、ネマチック液晶組成物全体に対して、分子内にシクロヘキサン骨格よりもベンゼン骨格を多く含む液晶性化合物の含有量が50質量%以上であり、かつ分子内に存在するシクロヘキサン骨格の数がベンゼン骨格の数以上である液晶性化合物の含有量が1〜50質量%であるネマチック液晶組成物と、螺旋誘起力の温度依存性が負であるキラル化合物を用いることがより好ましい。特に、少なくとも−20℃〜60℃の温度範囲でブルー相IIIを発現する液晶・高分子複合材料を製造するためには、一般式(II)で表される化合物を10〜50質量%含有し、一般式(III)で表される化合物を50〜90質量%含有するネマチック液晶組成物であり、かつ、当該組成物中の液晶性化合物全体に対して、分子内にシクロヘキサン骨格よりもベンゼン骨格を多く含む液晶性化合物の含有量が50質量%以上であり、分子内に存在するシクロヘキサン骨格の数がベンゼン骨格の数以上である液晶性化合物の含有量が1〜50質量%であるネマチック液晶組成物と、螺旋誘起力の温度依存性が負であるキラル化合物を用いることが好ましい。
また、原料として、2種類以上のキラル化合物を用いることにより、1種類のキラル化合物を用いた場合よりも、他の相と共存していないブルー相IIIの発現温度範囲を広げることができる。中でも、螺旋誘起力の温度依存性が負であるキラル化合物と螺旋誘起力の温度依存性が正であるキラル化合物とを組み合わせて用いることにより、ブルー相I、ブルー相II、又は液体相のいずれとも共存していない状態のブルー相IIIを従来になく非常に広い温度幅(例えば、2℃以上の温度幅)で発現できる液晶・高分子複合材料を得ることができる。
ブルー相、特にブルー相IIIを発現する重合性化合物含有液晶組成物を重合して得られた本発明の液晶・高分子複合材料は、ブルー相の持つ高速応答性を失うことなく、その発現温度範囲が従来になく拡張されているため、光学的等方性相で駆動される液晶光学素子の原料として好適である。
本発明の液晶・高分子複合材料を用いた液晶光学素子は、常法により製造することができる。例えば、以下のようにして、液晶光学素子を製造することができる。まず、電極を備えたセルに前記重合性化合物含有液晶組成物を注入する。当該セルは、2枚の基板を、例えば塗布された接着剤を介して枠状に密着させることによって構成することができる。
一方の基板表面には電極、中でもIPS電極(櫛歯電極)を設けてもよく、該電極上に絶縁膜としてポリイミド膜やSiOなどの無機膜を得てもよい。同様に、もう一方の基板表面にも対向電極を設けてもよく、該電極上に絶縁膜を形成した対向基板を得てもよい。当該基板は、ガラス、プラスチックの如き柔軟性をもつ透明な材料を用いることができ、一方はシリコン等の不透明な材料でもよい。セルの2枚の基板間に重合性化合物含有液晶組成物を狭持させる方法としては、通常の真空注入法、又はODF法などを用いることができる。次に、当該セルを加温し、当該重合性化合物含有液晶組成物がブルー相(例えば、ブルー相III)を発現する温度において重合反応を開始し、ブルー相を保持した状態で重合反応を進行させる。重合反応を活性エネルギー線の照射により行う場合には、少なくとも照射面側の基板は活性エネルギー線に対して適当な透明性が与えられていなければならない。ブルー相を安定して発現する液晶・高分子複合材料から製造された液晶光学素子は、電界無印加状態で光学的に等方性であるため、配向を制御する必要がない。
一方の基板表面には電極、中でもIPS電極(櫛歯電極)を設けてもよく、該電極上に絶縁膜としてポリイミド膜やSiOなどの無機膜を得てもよい。同様に、もう一方の基板表面にも対向電極を設けてもよく、該電極上に絶縁膜を形成した対向基板を得てもよい。当該基板は、ガラス、プラスチックの如き柔軟性をもつ透明な材料を用いることができ、一方はシリコン等の不透明な材料でもよい。セルの2枚の基板間に重合性化合物含有液晶組成物を狭持させる方法としては、通常の真空注入法、又はODF法などを用いることができる。次に、当該セルを加温し、当該重合性化合物含有液晶組成物がブルー相(例えば、ブルー相III)を発現する温度において重合反応を開始し、ブルー相を保持した状態で重合反応を進行させる。重合反応を活性エネルギー線の照射により行う場合には、少なくとも照射面側の基板は活性エネルギー線に対して適当な透明性が与えられていなければならない。ブルー相を安定して発現する液晶・高分子複合材料から製造された液晶光学素子は、電界無印加状態で光学的に等方性であるため、配向を制御する必要がない。
本発明の液晶・高分子複合材料を用いた液晶光学素子は、高速応答性を示すため、原理的に高速応答性が要求されるフィールドシーケンシャルカラー方式を用いたディスプレイに好ましく用いることができる。本発明の液晶・高分子複合材料を用いた液晶光学素子とフィールドシーケンシャルカラー方式を組み合わせた場合には、カラーフィルターを使用しないため、カラーフィルターによる光のロスが低減された高効率なディスプレイを作製することができ、ひいては高輝度なあるいは低消費電力なディスプレイを得ることができる。また、本発明の液晶・高分子複合材料を用いた液晶光学素子とフィールドシーケンシャルカラー方式を組み合わせた場合には、カラーフィルター方式とは異なり画素の三分割が必要ないため、高精細なディスプレイを得ることができる。
以下、実施例等を挙げて本発明をさらに詳述するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。また、以下の実施例の組成物における「%」は、特に記載がない限り、『質量%』を意味する。
[実施例1]
<ネマチック液晶組成物の作製>
表1に記載の組成にて各成分を混合し、ネマチック液晶組成物(N1)を作製した。ネマチック液晶組成物(N1)は、−29℃〜101.3℃の広い温度範囲でネマチック相を示した。また、複屈折率(Δn)は0.239であり、誘電率異方性(Δε)は+27.75であった。
<ネマチック液晶組成物の作製>
表1に記載の組成にて各成分を混合し、ネマチック液晶組成物(N1)を作製した。ネマチック液晶組成物(N1)は、−29℃〜101.3℃の広い温度範囲でネマチック相を示した。また、複屈折率(Δn)は0.239であり、誘電率異方性(Δε)は+27.75であった。
<キラル化合物を含有するネマチック液晶組成物の作製>
ネマチック液晶組成物(N1)、キラル化合物(C1)、(C2)、(C3)を表2に記載の組成にて混合し、キラル化合物を含有するネマチック液晶組成物(CLC1)を作製した。キラル化合物(C1)中、アステリスク(*)は、キラルな炭素原子を表す。キラル化合物(C2)及び(C3)では、2つのナフタレン環のα位を結ぶ結合が軸不斉の軸である。
ネマチック液晶組成物(N1)、キラル化合物(C1)、(C2)、(C3)を表2に記載の組成にて混合し、キラル化合物を含有するネマチック液晶組成物(CLC1)を作製した。キラル化合物(C1)中、アステリスク(*)は、キラルな炭素原子を表す。キラル化合物(C2)及び(C3)では、2つのナフタレン環のα位を結ぶ結合が軸不斉の軸である。
偏光顕微鏡観察を行った結果、キラル化合物を含有するネマチック液晶組成物(CLC1)は、キュービック秩序を示すブルー相(ブルー相I(BPI)又はブルー相II(BPII))とブルー相III(BPIII)を示し、キラルネマチック相から61.3℃でキュービック秩序を示すブルー相に転移し、キュービック秩序を示すブルー相は64.9℃でBPIIIに転移し、BPIIIは69.6℃で等方性液体相に転移することがわかった。
<重合性化合物含有液晶組成物の作製>
キラル化合物を含有するネマチック液晶組成物(CLC1)、単官能の非メソゲン性重合性化合物(M1:ドデシルアクリレート)、多官能のメソゲン性重合性化合物(M2)、ラジカル重合開始剤(S1:ベンジルジメチルケタール)を表3に記載の組成にて混合し、重合性化合物含有液晶組成物(MLC1)を作製した。
キラル化合物を含有するネマチック液晶組成物(CLC1)、単官能の非メソゲン性重合性化合物(M1:ドデシルアクリレート)、多官能のメソゲン性重合性化合物(M2)、ラジカル重合開始剤(S1:ベンジルジメチルケタール)を表3に記載の組成にて混合し、重合性化合物含有液晶組成物(MLC1)を作製した。
偏光顕微鏡観察を行った結果、重合性化合物含有液晶組成物(MLC1)は、ブルー相III(BPIII)を示し、42.2〜42.7℃でキラルネマチック相とBPIIIが共存し、42.7℃〜51.8℃で他の相とは共存していないBPIIIを示し、51.8℃〜56.8℃でBPIIIと等方性液体相が共存することがわかった。
<液晶・高分子複合材料の作製>
重合性化合物含有液晶組成物(MLC1)を2枚のガラス板間(ギャップ=50μm)に狭持し、BPIIIを示す温度である45℃で2J/cm2の照射量の紫外線LED(中心波長:365nm、照度:10mW/cm2)を照射して液晶・高分子複合材料を作製した。得られた液晶・高分子複合材料は、室温でBPIIIを示した。偏光顕微鏡観察を行った結果、当該液晶・高分子複合材料は、−25〜63℃で他の相とは共存していないBPIIIを示すことがわかった。
重合性化合物含有液晶組成物(MLC1)を2枚のガラス板間(ギャップ=50μm)に狭持し、BPIIIを示す温度である45℃で2J/cm2の照射量の紫外線LED(中心波長:365nm、照度:10mW/cm2)を照射して液晶・高分子複合材料を作製した。得られた液晶・高分子複合材料は、室温でBPIIIを示した。偏光顕微鏡観察を行った結果、当該液晶・高分子複合材料は、−25〜63℃で他の相とは共存していないBPIIIを示すことがわかった。
<液晶光学素子の作製>
重合性化合物含有液晶組成物(MLC1)を、IPS電極(電極幅=5μm、電極間距離=5μm)を備えた厚さ4μmのセルに注入し、BPIIIを示す温度である45℃で2J/cm2の照射量の紫外線LED(中心波長:365nm、照度:10mW/cm2)を照射して液晶・高分子複合材料を含むIPS電極付きセルを作製した。このセルを、吸収軸が直交する2枚の直線偏光板の間に設置した。各直線偏光板とセルは、各々平行となる配置とした。IPS電極に印加される電界は、直線偏光板の吸収軸と45°をなす方向であった。当該セルは、IPS電極間に電圧を印加しない状態では暗状態であったが、IPS電極間に交流電圧(64Vrms、100Hz)を印加したところ、電圧を印加した部分は明状態となり、液晶光学素子として機能していることが確認された。
重合性化合物含有液晶組成物(MLC1)を、IPS電極(電極幅=5μm、電極間距離=5μm)を備えた厚さ4μmのセルに注入し、BPIIIを示す温度である45℃で2J/cm2の照射量の紫外線LED(中心波長:365nm、照度:10mW/cm2)を照射して液晶・高分子複合材料を含むIPS電極付きセルを作製した。このセルを、吸収軸が直交する2枚の直線偏光板の間に設置した。各直線偏光板とセルは、各々平行となる配置とした。IPS電極に印加される電界は、直線偏光板の吸収軸と45°をなす方向であった。当該セルは、IPS電極間に電圧を印加しない状態では暗状態であったが、IPS電極間に交流電圧(64Vrms、100Hz)を印加したところ、電圧を印加した部分は明状態となり、液晶光学素子として機能していることが確認された。
本発明の液晶・高分子複合材料は、液晶光学素子用の液晶材料として有用である。
Claims (21)
- 少なくとも2種類のアキラルな液晶性化合物を含むネマチック液晶組成物と、少なくとも1種類のキラル化合物と、少なくとも1種類の重合性化合物が重合してなる高分子とを含み、
前記ネマチック液晶組成物が、下記一般式(I)で表される化合物を少なくとも1種含み(ただし、一般式(I)で表される化合物のうち、少なくとも1種はa 11 が0又は1である化合物である。)、
前記キラル化合物が、下記一般式(Ch−I)で表される化合物を少なくとも1種含有する(ただし、一般式(Ch−I)で表される化合物のうち、少なくとも1種はn11が0を表す化合物である。)、ことを特徴とする液晶・高分子複合材料。
Z100及びZ101はそれぞれ独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−N(R105)−、−N(R105)−CO−、−OCH2−、−CH2O−、−SCH2−、−CH2S−、−CF2O−、−OCF2−、−CF2S−、−SCF2−、−CH2CH2−、−CF2CH2−、−CH2CF2−、−CF2CF2−、−CH=CH−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−又は単結合を表し(ただし、R 105 は、炭素原子数1〜12の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基を表す。)、A100及びA101はそれぞれ独立して、(a’)トランス−1,4−シクロへキシレン基(当該基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子に置換されていてもよい。)、(b’)1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されていてもよい。)、又は(c’)1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、インダン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子に置換されていてもよく、これらの基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されていてもよい。)を表し、A100又はA101が複数存在する場合には、それらは同一でもよく、異なっていてもよく、n11は0又は1を表し、n11が0を表すとき、m12は0を表し、かつm11は0、1、2、3、4又は5を表し、n11が1を表すとき、m11とm12はそれぞれ独立して0、1、2、3、4又は5を表し、Dは、下記式(D1)〜(D4)で表される2価の基(式(D1)〜(D4)中、アステリスク(*)は、キラルな炭素原子を表し、黒丸を付した部位において、Z100(若しくは、R100)又はZ101(若しくは、R101)に、それぞれ結合する。)を表す。)
(a) トランス−1,4−シクロへキシレン基(当該基中に存在する1個のメチレン基又は互いに隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子に置換されてもよく、当該基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)
(b) 1,4−フェニレン基(当該基中に存在する1個の−CH=又は互いに隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されてもよく、当該基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。) 、又は
(c) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基からなる群より選択される基(これらの基中に存在する1個の−CH=又は互いに隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されてもよく、これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)を表し、
a 11 は0、1又は2を表し、
L 11 及びL 12 はそれぞれ独立して、単結合、−CH 2 CH 2 −、−(CH 2 ) 4 −、−OCH 2 −、−CH 2 O−、−COO−、−OCO−、−CF 2 CF 2 −、−OCF 2 −、−CF 2 O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−N=N−、−CH=N−、−SCH 2 −、−CH 2 S−、―CSO−、−OCS−、−CF 2 S−、又は−SCF 2 −を表す。) - 下記一般式(II)で表される化合物を含有する請求項1に記載の液晶・高分子複合材料。
- 下記一般式(IV−1)又は(IV−2)で表される化合物から選ばれる化合物を含有する請求項1又は2に記載の液晶・高分子複合材料。
- 下記一般式(PC1)で表される化合物及び/又は下記一般式(PC2)で表される化合物を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶・高分子複合材料。
R 3 は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜25のアルキル基(当該アルキル基中の1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−、−N(CH 3 )−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−SCO−、−COS−又は−C≡C−により置換されていてもよい。)、又はP 2 −Sp 2 −Q 2 −(式中、P 2 、Sp 2 、Q 2 はそれぞれ、P 1 、Sp 1 、Q 1 と同じ意味を表す。)を表す。但し、R 3 がP 2 −Sp 2 −Q 2 −の場合、一分子中のP 1 とP 2 、Sp 1 とSp 2 、Q 1 とQ 2 は、それぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
一般式(PC1)中、n 1 及びn 2 は、それぞれ独立して1、2又は3を表す。MGは、メソゲン基を表す。]
当該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。また、当該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子、メチル基又はエチル基で置換されていてもよい。
A 32 及びA 34 はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1〜18のアルキル基を表す。当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。また、当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜17のアルキル基で置換されていてもよい。
A 33 及びA 35 はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基表す。当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。また、当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜9のアルキル基で置換されていてもよい。
vは1〜40の整数を表す。
B 1 、B 2 及びB 3 は、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は−A 36 −P(式中、A 36 は単結合又は炭素原子数1〜15のアルキレン基を表し、Pは重合性基を表す。)で表される基を表す。B 1 、B 2 又はB 3 がアルキル基を表す場合、当該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。B 1 、B 2 又はB 3 が−A 36 −Pで表される基であり、当該A 36 が炭素原子数1〜15のアルキレン基を表す場合、当該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。また、当該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、フッ素原子、メチル基又はエチル基で置換されていてもよい。但し、一分子中、2v+1個あるB 1 、B 2 又はB 3 のうち、−A 36 −Pで表される基は0〜3個である。一分子中、Pが複数存在する場合には、それらは互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。] - 酸化防止剤及び/又は紫外線吸収剤を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶・高分子複合材料。
- ブルー相を示す請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶・高分子複合材料。
- 前記ブルー相がブルー相IIIである請求項6に記載の液晶・高分子複合材料。
- ブルー相I、ブルー相II、又は液体相のいずれとも共存していないブルー相IIIを、2℃以上の温度幅で示す請求項7に記載の液晶・高分子複合材料。
- ブルー相IIIを示す温度範囲が、前記キラル化合物を含有する前記ネマチック液晶組成物がブルー相IIIを示す温度範囲よりも広い請求項7又は8に記載の液晶・高分子複合材料。
- 少なくとも−20℃〜60℃の温度範囲でブルー相IIIを示す請求項7〜9のいずれか一項に記載の液晶・高分子複合材料。
- 前記キラル化合物として、少なくとも2種類のキラル化合物を含む請求項1〜10のいずれか一項に記載の液晶・高分子複合材料。
- 前記重合性化合物として、少なくとも1種類の非液晶性重合性化合物を含む請求項1〜11のいずれか一項に記載の液晶・高分子複合材料。
- 前記重合性化合物として、少なくとも1種類の単官能性重合性化合物と少なくとも1種類の多官能性重合性化合物とを含む請求項1〜12のいずれか一項に記載の液晶・高分子複合材料。
- 前記ネマチック液晶組成物が、少なくとも−10℃〜50℃の温度範囲でネマチック液晶相を示す請求項1〜13のいずれか一項に記載の液晶・高分子複合材料。
- 前記ネマチック液晶組成物の誘電率が正である請求項1〜14のいずれか一項に記載の液晶・高分子複合材料。
- 少なくとも2種類のアキラルな液晶性化合物を含むネマチック液晶組成物と、少なくとも1種類のキラル化合物と、少なくとも1種類の重合性化合物とを含む重合性化合物含有液晶組成物を、当該重合性化合物含有液晶組成物がブルー相IIIを示す温度範囲内で重合を開始することにより硬化させることを特徴とする液晶・高分子複合材料の製造方法であって、
前記ネマチック液晶組成物が、下記一般式(I)で表される化合物を少なくとも1種含み(ただし、一般式(I)で表される化合物のうち、少なくとも1種はa 11 が0又は1である化合物である。)、
前記キラル化合物が、下記一般式(Ch−I)で表される化合物を少なくとも1種含有する(ただし、一般式(Ch−I)で表される化合物のうち、少なくとも1種はn 11 が0を表す化合物である。)、ことを特徴とする液晶・高分子複合材料の製造方法。
Z 100 及びZ 101 はそれぞれ独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−N(R 105 )−、−N(R 105 )−CO−、−OCH 2 −、−CH 2 O−、−SCH 2 −、−CH 2 S−、−CF 2 O−、−OCF 2 −、−CF 2 S−、−SCF 2 −、−CH 2 CH 2 −、−CF 2 CH 2 −、−CH 2 CF 2 −、−CF 2 CF 2 −、−CH=CH−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−又は単結合を表し(ただし、R 105 は、炭素原子数1〜12の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基を表す。)、A 100 及びA 101 はそれぞれ独立して、(a’)トランス−1,4−シクロへキシレン基(当該基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子に置換されていてもよい。)、(b’)1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されていてもよい。)、又は(c’)1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、インダン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(これらの基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子に置換されていてもよく、これらの基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されていてもよい。)を表し、A 100 又はA 101 が複数存在する場合には、それらは同一でもよく、異なっていてもよく、n 11 は0又は1を表し、n 11 が0を表すとき、m 12 は0を表し、かつm 11 は0、1、2、3、4又は5を表し、n 11 が1を表すとき、m 11 とm 12 はそれぞれ独立して0、1、2、3、4又は5を表し、Dは、下記式(D1)〜(D4)で表される2価の基(式(D1)〜(D4)中、アステリスク(*)は、キラルな炭素原子を表し、黒丸を付した部位において、Z 100 (若しくは、R 100 )又はZ 101 (若しくは、R 101 )に、それぞれ結合する。)を表す。)
(a) トランス−1,4−シクロへキシレン基(当該基中に存在する1個のメチレン基又は互いに隣接していない2個以上のメチレン基は、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子に置換されてもよく、当該基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)
(b) 1,4−フェニレン基(当該基中に存在する1個の−CH=又は互いに隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されてもよく、当該基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。) 、又は
(c) 1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基からなる群より選択される基(これらの基中に存在する1個の−CH=又は互いに隣接していない2個以上の−CH=は、窒素原子に置換されてもよく、これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよい。)を表し、
a 11 は0、1又は2を表し、
L 11 及びL 12 はそれぞれ独立して、単結合、−CH 2 CH 2 −、−(CH 2 ) 4 −、−OCH 2 −、−CH 2 O−、−COO−、−OCO−、−CF 2 CF 2 −、−OCF 2 −、−CF 2 O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−N=N−、−CH=N−、−SCH 2 −、−CH 2 S−、―CSO−、−OCS−、−CF 2 S−、又は−SCF 2 −を表す。) - 前記重合を、製造された液晶・高分子複合材料がブルー相IIIを示す温度範囲内で終了する請求項16に記載の液晶・高分子複合材料の製造方法。
- 製造された液晶・高分子複合材料がブルー相IIIを示す温度範囲が、前記重合性化合物含有液晶組成物がブルー相IIIを示す温度範囲よりも広い請求項16又は17に記載の液晶・高分子複合材料の製造方法。
- 製造された液晶・高分子複合材料が、ブルー相I、ブルー相II、又は液体相のいずれとも共存していないブルー相IIIを、2℃以上の温度幅で示す請求項16〜18のいずれか一項に記載の液晶・高分子複合材料の製造方法。
- 前記重合性化合物含有液晶組成物が、前記キラル化合物として少なくとも2種類のキラル化合物を含む請求項16〜19のいずれか一項に記載の液晶・高分子複合材料の製造方法。
- 請求項1〜15のいずれか一項に記載の液晶・高分子複合材料を用いた液晶光学素子。
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