JP7349501B2 - 粘膜下注入材キットおよび粘膜下注入用ゲル - Google Patents

粘膜下注入材キットおよび粘膜下注入用ゲル Download PDF

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Description

本発明は、水溶性の第一の化合物と、架橋剤である第二の化合物とを含む、粘膜下注入材キットに関する。本発明はさらに、水溶性の第一の化合物が架橋剤により架橋されてなる粘膜下注入用ゲルに関する。
内視鏡技術の発展に伴い、内視鏡的に病変部を切除する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)や内視鏡的粘膜切除術(EMR)の実施数が増加している。安全な切除のため、関心病変部の粘膜下に液体を注入して、病変部の組織を隆起させる場合がある。既に市販されている粘膜下注入材としては、生理食塩水や、ヒアルロン酸ナトリウム又はアルギン酸ナトリウムの水溶液(非特許文献1及び2)などが知られている。
粘膜下注入材としてはさらに、特許文献1には、0.2質量%~1.2質量%のコラーゲン、水、緩衝剤及び200mM~420mMの塩化ナトリウムを含有する、粘膜下局注用ゾルが記載されている。特許文献1には、上記の粘膜下局注用ゾルにゲニピンをさらに含めてもよいことが記載されている。
ムコアップ(登録商標)添付文書 リフタル(登録商標)K添付文書
特開2018-80136号公報
生理食塩水は粘性が低いため、粘膜下注入材として生理食塩水を使用することには、注射針の穿刺部や、切除開始後に生じた隙間等から漏れ出すという欠点がある。
粘度を増加させる目的でヒアルロン酸ナトリウム水溶液又はアルギン酸ナトリウム水溶液を粘膜下注入材として使用する場合もあるが(非特許文献1及び2)、隆起の維持には限界があることが報告されている(日本消化器内視鏡学会雑誌 Vol. 56 (6), 2028-2036 Jun. 2014)。ヒアルロン酸ナトリウム水溶性又はアルギン酸ナトリウム水溶液は、高粘度であっても流動性を有する液体であることから、切除開始による隙間の拡大が生じた場合、原理的に流出が避けられない。また、切除後に残留しないため、人工潰瘍面を被覆できないという問題がある。
また、粘膜切除中に不必要に血管を傷つけないためには、粘膜下注入材または注入先で形成される物質は透明であることが望ましい。注入先で温度依存的にゲル化ないしは不溶化が進行するコラーゲン等は、その原理上、白濁が避けられない(KI Lee, JW Jang, KW Lee - Tendons, 2018)。この場合、血管に対する視認性が著しく低下し、安全な施術を妨げてしまう。特許文献1に記載されているコラーゲン材料には、白濁するという問題がある。
また、粘膜の切除が完了すると、関心領域には人工潰瘍面が生じる。人工潰瘍面は組織修復が生じるまでの間、外気から守られているべきであり、粘膜下注入材が粘膜切除後に潰瘍面に滞留することが望まれる。その目的には、術中/術後の体液による希釈および摂取した食物等との接触で剥離しないことが重要である。設置先での滞留性を高めるためには、生体組織との間に架橋を形成させることがある。例えば、比較的毒性の低いとされるゲニピンなどが挙げられるが(特許文献1)、ゲニピンは、ある一定以上の濃度においては細胞毒性という問題がある(G. Fessel, J. Cadby, S. Wunderli, R. Van Weeren, J. G. Snedeker, Acta Biomater. 2014, DOI 10.1016/j.actbio.2013.12.048)。
さらに、特許文献1に記載のコラーゲンは、残留したとしても組織修復における細胞増殖に伴い収縮を起こすため、潰瘍面の継続的な被覆に至らないことが容易に推測できる(Ulrika Zagai et al., Respiratory Research 2003, 4:13 )。一般にコラーゲンは中性以下のpHにおいては徐々に溶離するため、常に酸性環境にある胃や、酸性の食物に触れる他の消化管では、特許文献1に記載のコラーゲン材料は粘膜被覆の観点において好ましくない。コラーゲンゲルのように元の形状を維持しようとする復元力が弱い材料では、粘膜切除開始後に充填部からゲルが脱離する可能性があり、滞留性の観点から不適である。
上記の通り、粘膜下注入材としては、注入場所における接着性を示しながらも細胞毒性を示さない材料が求められている。本発明が解決しようとする課題は、注入された部位における滞留性に優れ、かつ透明性に優れた、粘膜下注入材キットおよび粘膜下注入用ゲルを提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、アミノ基を2つ以上有し、37℃かつ中性条件下において水溶性である第一の化合物と、アミノ基と共有結合できる官能基と親水性連結基とを含む鎖を少なくとも2本以上有する第二の化合物とを架橋することにより形成されるゲルを粘膜下に注入した場合に、粘膜隆起高の維持率が高く、かつ水洗耐性が優れていることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
<1> アミノ基を2つ以上有し、37℃かつ中性条件下において水溶性である第一の化合物と、アミノ基と共有結合できる官能基と親水性連結基とを含む鎖を少なくとも2本以上有する第二の化合物とを含み、第一の化合物及び第二の化合物の少なくとも一方が、重量平均分子量3000以上の高分子である、粘膜下注入材キット。
<2> 第一の化合物が、リコンビナントペプチドである、<1>に記載の粘膜下注入材キット。
<3> 第一の化合物が、リコンビナントゼラチンである、<1>又は<2>に記載の粘膜下注入材キット。
<4> リコンビナントゼラチンが、下記式で示される、<3>に記載の粘膜下注入材キット。
A-[(Gly-X-Y)-B
式中、Aは任意のアミノ酸またはアミノ酸配列を示し、Bは任意のアミノ酸またはアミノ酸配列を示し、n個のXはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示し、n個のYはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示し、nは3~100の整数を示し、mは2~10の整数を示す。なお、n個のGly-X-Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
<5> リコンビナントゼラチンが、
配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるペプチド;
配列番号1に記載のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ生体親和性を有するペプチド;または
配列番号1に記載のアミノ酸配列と80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ生体親和性を有するペプチド;
の何れかである、<3>に記載の粘膜下注入材キット。
<6> アミノ基と共有結合できる官能基と親水性連結基とを含む鎖が、下記式1で示される、<1>から<5>の何れか一に記載の粘膜下注入材キット。
Z-(A-(B-(C- 式1
式中、Zはアミノ基と共有結合できる官能基であり、Aは疎水性の連結基であり、Bは親水性の連結基であり、Cは疎水性の連結基であり、wは1以上の整数であり、xは1以上の整数であり、yは0以上の整数である。
<7> アミノ基と共有結合できる官能基が、スクシンイミジル基である、<1>から<6>の何れか一に記載の粘膜下注入材キット。
<8> 親水性連結基が、エチレンオキシド単位を含む、<1>から<7>の何れか一に記載の粘膜下注入材キット。
<9> 粘膜下注入材キットが内視鏡的切除術用である、<1>から<8>の何れか一に記載の粘膜注入材キット。
<10> 第1の化合物を含む溶液と第2の化合物を含む溶液を混合後に22℃以下で20分以上液体状態で保持できることを特徴とする<1>~<9>の何れか一に記載の粘膜下注入材キット。
<11> アミノ基を2つ以上有し、37℃かつ中性条件下において水溶性である第一の化合物が、アミノ基と共有結合できる官能基と親水性連結基とを含む鎖を少なくとも2本以上有する第二の化合物により、架橋されてなるゲルであって、第一の化合物及び第二の化合物の少なくとも一方が、重量平均分子量3000以上の高分子である、粘膜下注入用ゲル。
<12> 第一の化合物が、リコンビナントペプチドである、<11>に記載の粘膜下注入用ゲル。
<13> 第一の化合物が、リコンビナントゼラチンである、<11>又は<12>に記載の粘膜下注入用ゲル。
<14> リコンビナントゼラチンが、下記式で示される、<13>に記載の粘膜下注入用ゲル。
A-[(Gly-X-Y)-B
式中、Aは任意のアミノ酸またはアミノ酸配列を示し、Bは任意のアミノ酸またはアミノ酸配列を示し、n個のXはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示し、n個のYはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示し、nは3~100の整数を示し、mは2~10の整数を示す。なお、n個のGly-X-Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
<15> リコンビナントゼラチンが、
配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるペプチド;
配列番号1に記載のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ生体親和性を有するペプチド;または
配列番号1に記載のアミノ酸配列と80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ生体親和性を有するペプチド;
の何れかである、<13>に記載の粘膜下注入用ゲル。
<16> アミノ基と共有結合できる官能基と親水性連結基とを含む鎖が、下記式1で示される、<11>から<15>の何れか一に記載の粘膜下注入用ゲル。
Z-(A-(B-(C- 式1
式中、Zはアミノ基と共有結合できる官能基であり、Aは疎水性の連結基であり、Bは親水性の連結基であり、Cは疎水性の連結基であり、wは1以上の整数であり、xは1以上の整数であり、yは0以上の整数である。
<17> アミノ基と共有結合できる官能基が、スクシンイミジル基である、<11>から<16>の何れか一に記載の粘膜下注入用ゲル。
<18> 親水性連結基が、エチレンオキシド単位を含む、<11>から<17>の何れか一に記載の粘膜下注入用ゲル。
<19> ゲル中における第二の化合物の濃度が、0.75質量%~3.0質量%である、<11>から<18>の何れか一に記載の粘膜下注入用ゲル。
<20> 生体組織と接着性を有する、<11>から<19>の何れか一に記載の粘膜下注入用ゲル。
<21> 粘膜下注入材キットが内視鏡的切除用である、<11>から<20>の何れか一に記載の粘膜下注入用ゲル。
<22> <1>から<21>の何れか一に記載の粘膜下注入用キットまたは粘膜下注入用ゲルを注入することを含む方法。
<23> 切除部を切除することを含む、<22>を含む方法。
<24> 粘膜下に注入するための<1>から<10>の何れか一に記載の粘膜下注入材キットの使用。
<25> 切除前に切除部を隆起させるための<1>から<10>の何れか一に記載の粘膜下注入材キットの使用。
<26> 粘膜下に注入するための<11>から<21>の何れか一に記載の粘膜下注入用ゲルの使用。
<27> 切除前に切除部を隆起させるための<11>から<21>の何れか一に記載の粘膜下注入用ゲルの使用。
<28> アミノ基を2つ以上有し、37℃かつ中性条件下において水溶性である第一の化合物と、アミノ基と共有結合できる官能基と親水性連結基とを含む鎖を少なくとも2本以上有する第二の化合物を混合する工程を含む、粘膜下注入用ゲルの製造方法。
本発明の粘膜下注入材キットおよび粘膜下注入用ゲルは、注入された部位における滞留性に優れ、かつ透明性に優れている。
図1は、各種物質の電気泳動パターンを示す。リコンビナントペプチドはCBE3である。 図2は、粘膜隆起高の測定方法を示す。 図3は、粘膜隆起高維持率の継時変化を示す。 図4は、局注部に切り込みを入れた後の粘膜隆起高維持率を示す。 図5は、粘膜下層に形成された透明なCBE3ゲルを示す。 図6は、粘膜層切除後の着色されたCBE3ゲル(水洗前/後)を示す。 図7は、CBE3と架橋剤PEGの混合溶液を15℃で約24分保持後に37℃に昇温するプロファイルで、混合溶液の貯蔵弾性率の測定を行った結果を示す。 図8は、CBE3と架橋剤PEGの混合溶液を得た後、直接37℃に昇温するプロファイルで、混合溶液の貯蔵弾性率の測定を行った結果を示す。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[粘膜下注入材キット]
本発明の粘膜下注入材キットは、アミノ基を2つ以上有し、37℃かつ中性条件下において水溶性である第一の化合物と、アミノ基と共有結合できる官能基と親水性連結基とを含む鎖を少なくとも2本以上有する第二の化合物とを含む。第一の化合物及び第二の化合物の少なくとも一方は、重量平均分子量3000以上の高分子である。キットは、第一の化合物及び第二の化合物を混合し、注入するためのアプリケーターを含んでいてもよい。アプリケーターは注射筒が好ましく、より好ましくは吐出時の混合を実現するためのスタティックミキサーが接続されたデュアルシリンジである。内視鏡用途には更に内視鏡用注射針を接続することがある。
本発明によれば、容易に注入が可能でありながら注入先で透明な弾性体を形成でき、内視鏡的切除術中に流出することのない粘膜下注入用ゲルを提供できる。また、切除後には人工潰瘍面の被覆が可能な粘膜下注入用ゲルを提供できる。本発明の粘膜下注入用ゲルが、注入先の人工潰瘍面においても接着が維持されることは予期しないことであった。
本発明の粘膜下注入材キットおよび粘膜下注入用ゲルは、粘膜の内視鏡的切除術に用いる粘膜隆起材として利用可能である。本発明の粘膜下注入材キットは、ゲル化前の粘性が低いため、注入が容易である。本発明の粘膜下注入用ゲルは、内視鏡的切除術中に流れ出さず、透明性に優れており、切除後に設置場所に残留し、人工潰瘍面を被覆することができる。また、本発明の粘膜下注入材キットおよび粘膜下注入用ゲルは、細胞毒性が低い。さらに本発明の粘膜下注入材キットおよび粘膜下注入用ゲルは、細胞の活動による収縮を引き起こさず、形状的に安定である。
粘膜下注入材キットおよび粘膜下注入用ゲルは、切除部を隆起させるために、切除部の粘膜下に粘膜下注入材キットおよび粘膜下注入用ゲルを注入することができる。その後、安全に切除部を切除することができる。切除部は病変部であってもよい。切除の際、注入した粘膜下注入材キットおよび粘膜下注入用ゲルを病変部とともに完全に切除してもよいし、注入した粘膜下注入材キットおよび粘膜下注入用ゲルを残した状態で切除してもよい。粘膜下注入用ゲルを残した状態で切除することが人工潰瘍面被覆の点から好ましい。
切除術としては、内視鏡的に病変部を切除する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)や内視鏡的粘膜切除術(EMR)であってもよい。
本発明の粘膜下注入材キットおよび粘膜下注入用ゲルは、病変部の切除を要する患者に用いることができる。病変部が腫瘍や非腫瘍性の腫瘤である場合には、病変部の粘膜下に注入した後に腫瘍や非腫瘍性の腫瘤の切除を行うことができる。
本発明の粘膜下注入材キットにおいては、第一の化合物および第二の化合物はそれぞれ、注入可能な形態としてキットに含めることができる。注入可能な形態とは、シリンジ針を通過可能な物質であり、好ましくは流動性のある溶液または懸濁液であり、特に好ましくは均質な水溶液である。注入可能な形態としては、溶液、懸濁液、粉末などが挙げられるが、特に限定されない。粉末の場合には、使用時に液体に溶解または懸濁してから使用することができる。
第一の化合物および第二の化合物の組み合わせは、時間依存的なゲル化能を示す組み合わせでもよい。時間依存的なゲル化能とは、注入された先で即時~60分の間でゲル化することを意味し、好ましくは1分~10分でゲル化、より好ましくは3分でゲル化する。
第一の化合物および第二の化合物は、動物の体温でゲル化させることの観点から、20℃~50℃でゲル化が進むことが好ましく、30℃~40℃でゲル化が進むことが更に好ましく、35℃~40℃でゲル化が進むことが最も好ましい。
(第一の化合物)
本発明における第一の化合物は、アミノ基を2つ以上有し、37℃かつ中性の水に可溶である。
中性条件下とは、pH7であることを意味する。
水に可溶とは、水に対する溶解度が、1g/100mL以上であることを意味する。
本発明においては、第一の化合物及び第二の化合物の少なくとも一方が、重量平均分子量3000以上の高分子である。
第一の化合物は、重量平均分子量が3000以上でもよく、5000以上でもよく、10000以上でもよく、30000以上でもよい。第一の化合物の重量平均分子量の上限は特に限定されないが、一般的には、1,000,000以下である。
第一の化合物は、2つ以上のアミノ基を有する生体適合性のある化合物が好ましく、リコンビナントペプチド、または2つ以上のアミノ基を有するポリエチレングリコールが好ましいく、リコンビナントペプチドが特に好ましい。
リコンビナントペプチドとしては、生体親和性を有するものが好ましい。生体親和性とは、生体に接触した際に、長期的かつ慢性的な炎症反応などのような顕著な有害反応を惹起しないことを意味する。
アミノ基と共有結合できる官能基(スクシンイミジル基など)が反応できるためには、リコンビナントペプチドとしては、リジンを含むペプチドが好ましく、リジンを5%以上含むペプチドがより好ましい。
リコンビナントペプチドの種類は特に限定されないが、例えば、ゼラチン、コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、プロネクチン、ラミニン、テネイシン、フィブリン、フィブロイン、エンタクチン、トロンボスポンジン、レトロネクチンが好ましく、より好ましくはゼラチン、コラーゲン、アテロコラーゲンであり、最も好ましくはゼラチンである。リコンビナントゼラチンについては、本明細書中後記する。
(リコンビナントゼラチン)
リコンビナントペプチドとしては、リコンビナントゼラチンが好ましい。
リコンビナントゼラチンとは、遺伝子組み換え技術により作られたゼラチン類似のアミノ酸配列を有するポリペプチドもしくは蛋白様物質を意味する。本発明で用いることができるリコンビナントゼラチンは、コラーゲンに特徴的なGly-X-Yで示される配列(XおよびYはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示す)の繰り返しを有するものが好ましい。ここで、複数個のGly-X-Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。本発明で用いるリコンビナントゼラチンとしては、コラーゲンの部分アミノ酸配列に由来するアミノ酸配列を有するゼラチンを用いることができる。例えばEP1014176、米国特許第6992172号、国際公開WO2004/85473、国際公開WO2008/103041等に記載のものを用いることができるが、これらに限定されるものではない。本発明で用いるリコンビナントゼラチンとして好ましいものは、以下の態様のゼラチンである。
リコンビナントゼラチンは、天然のゼラチン本来の性能から、生体親和性に優れ、且つ天然由来ではないことで牛海綿状脳症(BSE)などの懸念がなく、非感染性に優れている。また、リコンビナントゼラチンは天然ゼラチンと比べて均一であり、配列が決定されているので、強度および分解性においても架橋等によってブレを少なく精密に設計することが可能である。
リコンビナントゼラチンの分子量は、特に限定されないが、好ましくは2000以上100000以下(2kDa以上100kDa以下)であり、より好ましくは2500以上95000以下(2.5kDa以上95kDa以下)であり、さらに好ましくは5000以上90000以下(5kDa以上90kDa以下)であり、最も好ましくは10000以上90000以下(10kDa以上90kDa以下)である。
リコンビナントゼラチンの分子量分布は特に限定されないが、分子量分布測定における最大の分子量ピークの面積が、全ての分子量ピークの合計面積の70%以上であるリコンビナントゼラチンを含むことが好ましく、90%以上がより好ましく、95%以上が最も好ましい。リコンビナントゼラチンの分子量分布は、PCT/JP2017/012284に記載の方法で測定することができる。
リコンビナントゼラチンは、コラーゲンに特徴的なGly-X-Yで示される配列の繰り返しを有することが好ましい。ここで、複数個のGly-X-Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Gly-X-Yにおいて、Glyはグリシンを表し、XおよびYは、任意のアミノ酸(好ましくは、グリシン以外の任意のアミノ酸)を表す。コラーゲンに特徴的なGly-X-Yで示される配列とは、ゼラチン・コラーゲンのアミノ酸組成および配列における、他のタンパク質と比較して非常に特異的な部分構造である。この部分においてはグリシンが全体の約3分の1を占め、アミノ酸配列では3個に1個の繰り返しとなっている。グリシンは最も簡単なアミノ酸であり、分子鎖の配置への束縛も少なく、ゲル化に際してのヘリックス構造の再生に大きく寄与している。XおよびYで表されるアミノ酸にはイミノ酸(プロリン、オキシプロリン)が多く含まれ、全体の10%~45%を占めることが好ましい。好ましくは、リコンビナントゼラチンの配列の80%以上、更に好ましくは95%以上、最も好ましくは99%以上のアミノ酸が、Gly-X-Yの繰り返し構造である。
一般的なゼラチンは、極性アミノ酸のうち電荷を持つものと無電荷のものが1:1で存在する。ここで、極性アミノ酸とは具体的にシステイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒスチジン、リジン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシンおよびアルギニンを指し、このうち極性無電荷アミノ酸とはシステイン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニンおよびチロシンを指す。本発明で用いるゼラチンにおいては、構成する全アミノ酸のうち、極性アミノ酸の割合が10~40%であり、好ましくは20~30%である。且つ上記極性アミノ酸中の無電荷アミノ酸の割合が5%以上20%未満、好ましくは5%以上10%未満であることが好ましい。さらに、セリン、スレオニン、アスパラギン、チロシンおよびシステインのうちいずれか1種のアミノ酸、好ましくは2種以上のアミノ酸を配列上に含まないことが好ましい。
リコンビナントゼラチンは部分的に加水分解されていてもよい。
好ましくは、本発明で用いるリコンビナントゼラチンは、A-[(Gly-X-Y)-Bで示されるものである。n個のXはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示し、n個のYはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示す。mは好ましくは2~10の整数を示し、より好ましくは3~5の整数を示す。nは3~100の整数が好ましく、15~70の整数がさらに好ましく、50~65の整数が最も好ましい。Aは任意のアミノ酸またはアミノ酸配列を示し、Bは任意のアミノ酸またはアミノ酸配列を示す。なお、n個のGly-X-Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。XとYは同一でも異なっていてもよい。
より好ましくは、本発明で用いるリコンビナントゼラチンは、 式:Gly-Ala-Pro-[(Gly-X-Y)63-Gly(式中、63個のXはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示し、63個のYはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示す。なお、63個のGly-X-Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)で示されるものである。
繰り返し単位には天然に存在するコラーゲンの配列単位を複数結合することが好ましい。ここで言う天然に存在するコラーゲンとは天然に存在するものであればいずれでも構わないが、好ましくはI型、II型、III型、IV型、またはV型コラーゲンである。より好ましくは、I型、II型、またはIII型コラーゲンである。別の形態によると、上記コラーゲンの由来は好ましくは、ヒト、ウシ、ブタ、マウスまたはラットであり、より好ましくはヒトである。
本発明で用いるリコンビナントゼラチンの等電点は、好ましくは5~10であり、より好ましくは6~10であり、さらに好ましくは7~9.5である。リコンビナントゼラチンの等電点の測定は、等電点電気泳動法(Maxey,C.R.(1976;Phitogr.Gelatin 2,Editor Cox,P.J.Academic,London,Engl.参照)に従って、1質量%リコンビナントゼラチン溶液をカチオンおよびアニオン交換樹脂の混晶カラムに通したあとのpHを測定することで実施することができる。
好ましくは、リコンビナントゼラチンは脱アミン化されていない。
好ましくは、リコンビナントゼラチンはテロペプタイドを有さない。
好ましくは、リコンビナントゼラチンは、アミノ酸配列をコードする核酸により調製された実質的に純粋なポリペプチドである。
本発明で用いるリコンビナントゼラチンとして特に好ましくは、
(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるペプチド;
(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ生体親和性を有するペプチド;または
(3)配列番号1に記載のアミノ酸配列と80%以上(さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上、最も好ましくは98%以上)の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ生体親和性を有するペプチド;
の何れかである
「1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列」における「1若しくは数個」とは、好ましくは1~20個、より好ましくは1~10個、さらに好ましくは1~5個、特に好ましくは1~3個を意味する。
本発明で用いるリコンビナントゼラチンは、当業者に公知の遺伝子組み換え技術によって製造することができ、例えばEP1014176A2号公報、米国特許第6992172号公報、国際公開WO2004/85473号、国際公開WO2008/103041号等に記載の方法に準じて製造することができる。具体的には、所定のリコンビナントゼラチンのアミノ酸配列をコードする遺伝子を取得し、これを発現ベクターに組み込んで、組み換え発現ベクターを作製し、これを適当な宿主に導入して形質転換体を作製する。得られた形質転換体を適当な培地で培養することにより、リコンビナントゼラチンが産生されるので、培養物から産生されたリコンビナントゼラチンを回収することにより、本発明で用いるゼラチンを調製することができる。
(第二の化合物)
本発明における第二の化合物は、アミノ基と共有結合できる官能基と親水性連結基とを含む鎖を少なくとも2本以上有する化合物である。
本発明で用いる第二の化合物は、アミノ基と共有結合できる官能基と親水性連結基とを含む鎖を少なくとも2本以上有する。アミノ基と共有結合できる官能基と親水性連結基とを含む鎖の数(即ち、枝分かれ構造の数)は、2本以上であれば特に限定されず、2本、3本、4本、5本、6本、7本、8本、9本、10本またはそれ以上でもよいが、好ましくは2本~8本であり、より好ましくは2本~6本である。4分岐の高分子を用いると均一な三次元網目構造ができることから、最も好ましくは4本である。上記の鎖を2本以上有することにより、第二の化合物は、アミノ基と共有結合できる官能基を2個以上有することになる。
本発明においては、第一の化合物及び第二の化合物の少なくとも一方が、重量平均分子量3000以上の高分子である。
第二の化合物の重量平均分子量は特に限定されないが、均一な網目構造を形成できることから、好ましくは5000~40000であり、より好ましくは5000~30000であり、さらに好ましくは10000~30000であり、特に好ましくは15000~25000であり、一例としては20000を挙げることができる。
アミノ基と共有結合できる官能基と親水性連結基とを含む鎖は、好ましくは下記式1で示される。
Z-(A-(B-(C- 式1
式中、Zはアミノ基と共有結合できる官能基であり、Aは疎水性の連結基であり、Bは親水性の連結基であり、Cは疎水性の連結基であり、wは1以上の整数であり、xは1以上の整数であり、yは0以上の整数である。
第二の化合物は、好ましくは下記式2で表される。
[Z-(A-(B-(C-]-CH 式2
式中、Zはアミノ基と共有結合できる官能基であり、Aは疎水性の連結基であり、Bは親水性の連結基であり、Cは疎水性の連結基であり、wは1以上の整数であり、xは1以上の整数であり、yは0以上の整数であり、vは2から4の整数であり、nは0から2の整数である。但し、v+nは4である。
Z、A、B、Cは各枝の中、また枝間で同じでも異なっていてもよく、w、x、y同士は枝間で同じでも異なっていてもよい。
wは、好ましくは1~10の整数であり、より好ましくは1~5の整数であり、特に好ましくは5である。
xは、好ましくは10~300の整数であり、より好ましくは20~200の整数である。
yは、好ましくは0~5の整数であり、より好ましくは0~3の整数である。
vは好ましくは4であり、nは好ましくは0である。
アミノ基と共有結合できる官能基としては、イソシアネート、イソチオシアネート、スルホニルクロリド、アルデヒド、アシルアジド、酸無水物、イミドエステル、エポキシドまたは活性エステルを挙げることができるが、特に限定されない。生体pHで容易に反応が進行するという観点から、より好ましくはアミノ基と共有結合できる官能基は、スクシンイミジル基である。第二の化合物は、アミノ基と共有結合できる官能基を2個以上有するが、官能基は同一のものでもよいし、異なるものでもよい。
が示す親水性の連結基としては、エチレンオキシド基(-CHCHO-)、またはエチレンオキシド単位を含む基を挙げることができるが、特に限定されない。親水性連結基がエチレンオキシド基(-CHCHO-)、またはエチレンオキシド単位を含む基である場合における第二の化合物は、ポリエチレングリコール(PEG)架橋剤とも言う。第二の化合物としては、PEG架橋剤が好ましい。なお、PEG架橋剤を使用する場合、PEG架橋剤以外の他の架橋剤を併用してもよい。
が示す疎水性の連結基としては、炭素数1~5の炭化水素基を挙げることができ、好ましくはメチレン基またはエチレン基であり、特に好ましくはエチレンである。(Aが示す疎水性の連結基は末端に、-O-、-CO-または-COO-などの連結基を有していてもよく、Zとの間に-COO-を有していることが好ましい。
が示す疎水性の連結基としては、炭素数1~3の炭化水素基を挙げることができ、好ましくはメチレン基またはエチレン基であり、特に好ましくはエチレンである。(Cが示す疎水性の連結基は末端に-O-、-CO-または-COO-などの連結基を有していてもよく、(Bとの間に-O-を有していることが好ましい。
(粘膜下注入材)
本発明の粘膜下注入材キットを用いて粘膜下注入用ゲルを調製することができる。粘膜下注入用ゲルは、粘膜下注入材として使用することができる。
例えば、内視鏡的に病変部を切除する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)や内視鏡的粘膜切除術(EMR)において、病変部の粘膜下に、粘膜下注入用ゲルを注入して、病変部の組織を隆起させることができる。すなわち、本発明の粘膜下注入材キットは、第一の化合物および第二の化合物を混合して、対象者に局所的に投与することができる。
粘膜としては、胃粘膜、食道粘膜、十二指腸粘膜、大腸粘膜などを挙げることができるが、特に限定されない。
本発明のゲル形成キットにはさらに、アミノ基と共有結合できる官能基と親水性連結基とを含む鎖を少なくとも2本以上有する架橋剤、およびリコンビナントペプチドを対象に投与するための指示書を含めてもよい。
本発明によれば、アミノ基を2つ以上有し、37℃かつ中性条件下において水溶性である第一の化合物と、アミノ基と共有結合できる官能基と親水性連結基とを含む鎖を少なくとも2本以上有する第二の化合物との混合物(但し、第一の化合物及び第二の化合物の少なくとも一方が、重量平均分子量3000以上の高分子である)を、粘膜下注入を必要とする対象に投与することを含む、粘膜下注入方法が提供される。
本発明によれば、アミノ基を2つ以上有し、37℃かつ中性条件下において水溶性である第一の化合物と、アミノ基と共有結合できる官能基と親水性連結基とを含む鎖を少なくとも2本以上有する第二の化合物とを(但し、第一の化合物及び第二の化合物の少なくとも一方が、重量平均分子量3000以上の高分子である)、同時にまたは逐次に、粘膜下注入を必要とする対象に投与することを含む、粘膜下注入方法が提供される。
本発明によれば、粘膜下注入のために使用される、アミノ基を2つ以上有し、37℃かつ中性条件下において水溶性である第一の化合物と、アミノ基と共有結合できる官能基と親水性連結基とを含む鎖を少なくとも2本以上有する第二の化合物とを含み、第一の化合物及び第二の化合物の少なくとも一方が、重量平均分子量3000以上の高分子である、粘膜下注入材キットが提供される。
本発明によれば、粘膜下注入のために使用される、アミノ基を2つ以上有し、37℃かつ中性条件下において水溶性である第一の化合物が、アミノ基と共有結合できる官能基と親水性連結基とを含む鎖を少なくとも2本以上有する第二の化合物により、架橋されてなるゲルであって、第一の化合物及び第二の化合物の少なくとも一方が、重量平均分子量3000以上の高分子であるゲルが提供される。
本発明によれば、粘膜下注入材の製造のための、アミノ基を2つ以上有し、37℃かつ中性条件下において水溶性である第一の化合物と、アミノ基と共有結合できる官能基と親水性連結基とを含む鎖を少なくとも2本以上有する第二の化合物とを含み、第一の化合物及び第二の化合物の少なくとも一方が、重量平均分子量3000以上の高分子である、粘膜下注入材キットの使用が提供される。
本発明によれば、粘膜下注入材の製造のための、アミノ基を2つ以上有し、37℃かつ中性条件下において水溶性である第一の化合物が、アミノ基と共有結合できる官能基と親水性連結基とを含む鎖を少なくとも2本以上有する第二の化合物により、架橋されてなるゲルであって、第一の化合物及び第二の化合物の少なくとも一方が、重量平均分子量3000以上の高分子である、粘膜下注入用ゲルの使用が提供される。
<ゲルおよびゲルの製造方法>
本発明によれば、アミノ基を2つ以上有し、37℃かつ中性条件下において水溶性である第一の化合物が、アミノ基と共有結合できる官能基と親水性連結基とを含む鎖を少なくとも2本以上有する第二の化合物により、架橋されてなるゲルであって、第一の化合物及び第二の化合物の少なくとも一方が、重量平均分子量3000以上の高分子である、粘膜下注入用ゲルが提供される。
第一の化合物および第二の化合物についての詳細および好ましい態様は、本明細書中において上記した通りである。
本発明のゲルは、粘膜下注入用のゲルである。粘膜下注入についての詳細は、本明細書中において上記した通りである。
本発明の粘膜下注入用のゲルは、好ましくは生体組織と接着性を有する。接着性とは、ゲルと、ゲルが注入された組織との間で化学結合または物理結合することを意味する。第二の化合物と、組織を構成する細胞の表面タンパク質のアミノ基とが結合することが好ましい。
本発明のゲルを得るにあたり、混合前の第二の化合物の濃度としては10g/L~60g/Lが好ましく、10g/L~50g/Lがより好ましく、10g/L~40g/Lが特に好ましい。
本発明のゲルを得るにあたり、混合前の第一の化合物の濃度としては10g/L~60g/Lが好ましく、10g/L~50g/Lがより好ましく、15g/L~45g/Lが特に好ましい。活性末端モル濃度比である[アミノ基(-NH)]:[アミノ基と共有結合できる官能基]は1:2~6:1の範囲であり、好ましくは4:1である。
本発明のゲル中における第二の化合物の濃度(最終濃度)は、好ましくは0.75質量%~6質量%であり、好ましくは0.75質量%~3.0質量%であり、さらに好ましくは0.75質量%~1.5質量%である。また、第一の化合物の質量濃度に対する第二の化合物の質量濃度は0.8倍~6.5倍であることが好ましく、細胞毒性の観点からは、0.8倍~1.6倍であることが好ましく、0.8倍がより好ましい。
本発明のゲルは、第一の化合物と第二の化合物とを混合して架橋反応を行うことにより製造することができる。第一の化合物と第二の化合物とを混合する方法としては、第一の化合物の溶液と第二の化合物の溶液とをピペット等により混合することが挙げられる。第一の化合物の溶液を含む注射筒と、第二の化合物の溶液を含む注射筒を連結して混合する方法を採用してもよい。2つ以上の注射筒から、第一の化合物の溶液と第二の化合物の溶液とを同時に混合しながら射出するデュアルシリンジ等のアプリケーターを用いてもよい。また、第一の化合物と第二の化合物を混合後、低温環境下において液体状態で保持したのちに粘膜下に注入してもよい。
第一の化合物と第二の化合物を混合後、低温環境下において液体状態で保持したのちに粘膜下に注入するという態様としては、混合後に22℃以下で保持し、20分以内であれば、複数回に分割して、注入することもできる。
この態様における低温環境下の温度範囲は5℃から22℃が好ましく、すぐに注入できる粘度にできることから10℃から22℃がより好ましく、保持時間が長くできることから11℃~18℃が特に好ましい。また、低温において保持する時間としては15分以上が好ましく、20分以上がより好ましい。
保持時間を長くするために、第一の化合物の濃度ならびに第二の化合物の濃度の少なくとも一方または両方を下げるか、リン酸緩衝液の濃度を高くすることが好ましい。
混合後のゲル化液における第一の化合物の濃度は、好ましくは0.65質量%~7.5質量%であり、より好ましくは0.65質量%~5.0質量%であり、さらに好ましくは0.75質量%~3.0質量%である。
ゲルは溶媒を含んでいても良い。溶媒は水系のものが好ましく、水系緩衝液が好ましく、リン酸緩衝液が最も好ましい。
緩衝液の濃度としては、いくらでもよいが、ゲル化時間を制御する点で0~500mmol/Lが好ましく、5~200mmol/Lがより好ましく、25~75mmol/Lが最も好ましい。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
<リコンビナントペプチド(リコンビナントゼラチン)>
リコンビナントペプチド(リコンビナントゼラチン)として以下のCBE3を用意した(国際公開WO2008/103041号公報に記載)。
CBE3:
分子量:51.6kD
構造:GAP[(GXY)63
アミノ酸数:571個
RGD配列:12個
イミノ酸含量:33%
ほぼ100%のアミノ酸がGXYの繰り返し構造である。CBE3のアミノ酸配列には、セリン、スレオニン、アスパラギン、チロシンおよびシステインは含まれていない。CBE3はERGD配列を有している。
等電点:9.34
GRAVY値:-0.682
1/IOB値:0.323
アミノ酸配列(配列表の配列番号1)(国際公開WO2008/103041号公報の配列番号3と同じ。但し末尾のXは「P」に修正)
GAP(GAPGLQGAPGLQGMPGERGAAGLPGPKGERGDAGPKGADGAPGAPGLQGMPGERGAAGLPGPKGERGDAGPKGADG
APGKDGVRGLAGPIGPPGERGAAGLPGPKGERGDAGPKGADGAPGKDGVRGLAGPIGPPGPAGAPGAPGLQGMPGERGAA
GLPGPKGERGDAGPKGADGAPGKDGVRGLAGPP)3G
CBE3の分子量は約51kDaであり、図1に示す各種物質の電気泳動パターンからもわかる通り、ブタ由来ゼラチンに比べ均一な分子量分布を持っている。
<架橋剤>
使用したPEG架橋剤(PTE-200HS,日油株式会社)の化学構造(製造元ウェブサイトより転載)を以下に示す。Mは20,000であり、式中のnは114程度である。
<その他の材料>
リン酸水素二ナトリウム(富士フイルム和光純薬株式会社)とリン酸二水素ナトリウム(富士フイルム和光純薬株式会社)から、5mmol/LのpH6.8リン酸バッファー(PB)を調製した。
ヒアルロン酸ナトリウムはムコアップ(生化学工業株式会社)を利用した。
購入したブタ切除胃は、約5cm×5cmの試験片とした。切除胃の粘膜下層に0.5mLの局注液を注入した。
<粘膜隆起高の評価>
粘膜隆起高の評価は二種類の実験にて行った。
第一の実験としては、各液の局注後、速やかに初期の隆起高(h_0)を計測し、その後、ある時点の隆起高(h_t)を測定した(図2)。
第二の実験では、別のブタ切除胃において、各液を局注し、速やかにh_0を計測した後、隆起させた部位にメスを用いて1cm程度の切り込みを入れた。その後、3分経過後の隆起高をh_tとした。
注入後の粘膜隆起高維持率を、h_0およびh_tを用いて次のように算出した(式1)。
式1: 粘膜隆起高維持率[%]= h_t/h_0 × 100
<水洗耐性の評価>
各注入材によって隆起させた粘膜面を解剖はさみで完全に切除した後、ブタ切除胃をシリコーンシート上に画鋲で固定した。切除胃に対し、1.5L/minの速度で30秒間、水道水を送液した。注入材残留の有無を目視にて評価した。
<実施例1:CBE3ゲル>
CBE3および架橋剤PEGを、PBにそれぞれ37.23g/Lおよび30g/Lとなるように溶解させた。得られたCBE3水溶液に対し、架橋剤PEG水溶液を体積比1:1の割合で加えた。ボルテックスミキサーで撹拌したゲル化液を23Gの注射針を介してブタ切除胃の粘膜下層に速やかに局注し、粘膜隆起高の評価を行った。切り込みの有無によらず、30分後の粘膜隆起高維持率は100%以上であった(図3および図4)。また、粘膜下層に生成されたゲルは透明であることを目視で確認した(図5)。
水洗耐性の評価のため、別に作製した青色に着色済みの局注液を注入した試験片の評価を行ったところ、洗浄後においても注入材が潰瘍面に接着・残留していることが確認された(図6)。
<比較例1:ヒアルロン酸ナトリウム>
ムコアップを23Gの注射針を介してブタ切除胃に局注し、粘膜隆起高の評価を行った。切り込みが無い場合では30分後の粘膜隆起高維持率は97%であった(図3)。一方で、切り込みがある場合には粘膜隆起高維持率は65%であった(図4)。水洗耐性の評価のために別に作製した試験片の評価を行ったところ、目視観察上、注入材の残留は認められなかった。
<実施例2~6:低温での保持>
CBE3および架橋剤PEGを、PBにそれぞれ表1に示す濃度となるように溶解させた。表1に記載の濃度はそれぞれ、CBE3溶液におけるCBE3の濃度、及び架橋剤PEG溶液における架橋剤PEG濃度を示す。得られたCBE3水溶液に対し、架橋剤PEG水溶液を体積比1:1の割合で加えて、混合溶液を得、下記の表の温度において保持した。ゲル化に伴う貯蔵弾性率の増加が現れない時間において、CBE3と架橋剤PEGは混合後に低温で保持することが可能である。下記の表の保持温度における、混合溶液の貯蔵弾性率について経時変化をThermoScientific 製レオメーター HAAKE MARS40 にて測定した。
CBE3と架橋剤PEGの混合溶液を表の温度において保持し始めてから、貯蔵弾性率が3Paを超えるまでの時間を下記の表に示す。
<実施例7>
低温保持後にゲル化が起こるかを確認するため、実施例3と同様処方にて混合溶液を得た後、15℃約24分保持後に37℃に昇温するプロファイルで混合溶液の貯蔵弾性率の測定を行った。結果を図7に示す
<実施例8>
実施例7において、15℃で保持したことにより、品質が変化していないかを確認するため、実施例3と同様処方にて混合溶液を得た後、直接37℃に昇温するプロファイルで貯蔵弾性率の測定を行った。実施例7の結果と共に図8に示す。
15℃で24分保持した後、37℃に昇温したもの(実施例7)の貯蔵弾性率は37℃に直接昇温したもの(実施例8)の貯蔵弾性率と同程度まで上昇することが確認され、低温で保持することによる貯蔵弾性率への影響はほぼないことが確認できた。
<比較例2:特開2018-80136号公報>
特開2018-80136公報に記載のコラーゲンとゲニピンの混合液を23Gの注射針を介してブタ切除胃に局注し、粘膜隆起高の評価を行う。粘膜隆起高維持率は本実施例と同等になるが、水洗耐性の評価のために別に作製した試験片の評価を行うと、目視観察上、注入材の残留は認められないことが予想される。
これは、ゲニピンがコラーゲンならびに組織のアミノ基と反応する官能基を1つしか有しないため、接着性が弱くなることによると考えられる。

Claims (14)

  1. アミノ基を2つ以上有し、37℃かつ中性条件下において水溶性であり、リコンビナントペプチドである第一の化合物と、アミノ基と共有結合できる官能基と親水性連結基とを含む鎖を少なくとも2本以上有する第二の化合物とを含み、第一の化合物及び第二の化合物の少なくとも一方が、重量平均分子量3000以上の高分子であり、
    第一の化合物が、
    配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるペプチド;
    配列番号1に記載のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ生体親和性を有するペプチド;または
    配列番号1に記載のアミノ酸配列と80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ生体親和性を有するペプチド;
    の何れかである、
    粘膜下注入材キット。
  2. アミノ基と共有結合できる官能基と親水性連結基とを含む鎖が、下記式1で示される、請求項1に記載の粘膜下注入材キット。
    Z-(A-(B-(C- 式1
    式中、Zはアミノ基と共有結合できる官能基であり、Aは疎水性の連結基であり、Bは親水性の連結基であり、Cは疎水性の連結基であり、wは1以上の整数であり、xは1以上の整数であり、yは0以上の整数である。
  3. アミノ基と共有結合できる官能基が、スクシンイミジル基である、請求項1又は2に記載の粘膜下注入材キット。
  4. 親水性連結基が、エチレンオキシド単位を含む、請求項1からの何れか一項に記載の粘膜下注入材キット。
  5. 粘膜下注入材キットが内視鏡的切除術用である、請求項1からの何れか一項に記載の粘膜注入材キット。
  6. 第1の化合物を含む溶液と第2の化合物を含む溶液を混合後に22℃以下で20分以上液体状態で保持できることを特徴とする請求項1からの何れか一項に記載の粘膜下注入材キット。
  7. アミノ基を2つ以上有し、37℃かつ中性条件下において水溶性であり、リコンビナントペプチドである第一の化合物が、アミノ基と共有結合できる官能基と親水性連結基とを含む鎖を少なくとも2本以上有する第二の化合物により、架橋されてなるゲルであって、第一の化合物及び第二の化合物の少なくとも一方が、重量平均分子量3000以上の高分子であり、
    第一の化合物が、
    配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるペプチド;
    配列番号1に記載のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ生体親和性を有するペプチド;または
    配列番号1に記載のアミノ酸配列と80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ生体親和性を有するペプチド;
    の何れかである、
    粘膜下注入用ゲル。
  8. アミノ基と共有結合できる官能基と親水性連結基とを含む鎖が、下記式1で示される、請求項に記載の粘膜下注入用ゲル。
    Z-(A-(B-(C- 式1
    式中、Zはアミノ基と共有結合できる官能基であり、Aは疎水性の連結基であり、Bは親水性の連結基であり、Cは疎水性の連結基であり、wは1以上の整数であり、xは1以上の整数であり、yは0以上の整数である。
  9. アミノ基と共有結合できる官能基が、スクシンイミジル基である、請求項7又は8に記載の粘膜下注入用ゲル。
  10. 親水性連結基が、エチレンオキシド単位を含む、請求項7から9の何れか一項に記載の粘膜下注入用ゲル。
  11. ゲル中における第二の化合物の濃度が、0.75質量%~3.0質量%である、請求項7から10の何れか一項に記載の粘膜下注入用ゲル。
  12. 生体組織と接着性を有する、請求項7から11の何れか一項に記載の粘膜下注入用ゲル。
  13. 粘膜下注入材キットが内視鏡的切除用である、請求項7から12の何れか一項に記載の粘膜下注入用ゲル。
  14. アミノ基を2つ以上有し、37℃かつ中性条件下において水溶性であり、リコンビナントペプチドである第一の化合物と、アミノ基と共有結合できる官能基と親水性連結基とを含む鎖を少なくとも2本以上有する第二の化合物を混合する工程を含む、粘膜下注入用ゲルの製造方法であって、
    第一の化合物が、
    配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるペプチド;
    配列番号1に記載のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ生体親和性を有するペプチド;または
    配列番号1に記載のアミノ酸配列と80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ生体親和性を有するペプチド;
    の何れかである、製造方法。
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