JP7349118B2 - フットカバー - Google Patents
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Description
かかるフットカバーは他の普通の靴下に比べて履き口が大きく開口しているため、フットカバーの踵部が歩行中にずれて脱げてしまうという問題がある。
そして、このような問題を解決するフットカバーとして、踵部の略中央の後方膨出部分の内面にシリコン樹脂製の滑り止め部が設けられたもの(例えば特許文献1を参照。)が提案されている。
また、フットカバーの踵部における略中央部の内面に厚みを有する滑り止め部を設けた場合には、その滑り止め部に対応する踵部の外面に凸部が形成される。すると、このフットカバーの踵部外面に形成された凸部が、靴の踵部内面に当接して、両者の間に比較的大きな摩擦力が生じる。そして、このような摩擦力が生じることにより、靴の内部でフットカバーの踵部が着用者の踵からずれるという問題が発生する場合がある。
前記履き口の前方に位置する前方袋部と、前記履き口の下方に位置する足底部と、前記履き口の後方に位置する踵部と、を備えたフットカバーであって、
前記踵部における前記履き口の後方縁部に沿った上方帯状領域に、前記踵部における当該上方帯状領域より下方側の領域よりも弾性が高い高弾性踵上端帯状部が設けられている点にある。
更に、このような高弾性踵上端帯状部に生じた張力が履き口の両側縁部を通じて前方に伝達されることで、履き口の前方縁部の両端部に対して、後方に向かう引き寄せ力が作用することになるので、例えば履き口を前方に大きくとった場合であっても、フットカバーのつま先部のずれを好適に防止することができる。
また、高弾性踵上端帯状部が前方にある履き口の両側方縁部に向かって伸縮性が高くなるので、踵部における当該高弾性踵上端帯状部よりも下方側を着用者の踵にフィットする膨らみを持った形状にして、フットカバーの踵部のずれを一層好適に防止することができる。
従って、本発明により、踵部やつま先部でのずれを好適に防止することが可能なフットカバーを提供することができる。
前記高弾性踵上端帯状部が、前記折り返し部の下縁部に隣接して設けられている点にある。
更に、このような折り返し部は、踵部の上方端部を折り返して構成されているので、それ以外の踵部の編地よりも伸縮性が低くなる。よって、履き口が着用者の足首周りで広がると、履き口の後方縁部として構成された折り返し部が履き口の縁部に沿って伸張することで、履き口の両側方縁部の後端部を後方に引き寄せる方向に、折り返し部に比較的大きな張力が生じる。
そして、この折り返し部に生じる張力とその下方側に隣接する高弾性踵上端帯状部に生じる張力とが合わさることで、履き口の後方縁部の両端部と履き口の前方縁部の両端部とを内側へ向かう引き寄せ力を増加させて、フットカバーの踵部及びつま先部のずれを一層好適に防止することができる。
そして、この前方の低伸縮部によって生じる引張力と後方の高弾性踵上端帯状部によって生じる引き寄せ力とが合わさることで、履き口の後方縁部の両端部と履き口の前方縁部の両端部とを内側へ向かう引き寄せ力を増加させて、フットカバーの踵部及びつま先部のずれを一層好適に防止することができる。
本発明に係るフットカバーの第1実施形態について、図1及び図2に基づいて説明する。
本実施形態のフットカバー50は、図1に示すように、履き口10が上面に形成され、その履き口10の前方に位置する前方袋部1と、その履き口10の下方に位置する足底部6と、その履き口10の後方に位置する踵部7と、を備えて構成されている。尚、このようなフットカバー50は、公知の全自動丸編み機によって一体的に編成することができる。
また、この折り返し部8には、ゴム糸などの伸縮性が高い糸が緯方向に挿入されている。即ち、折り返し部8は、他の部分よりも厚みがあって左右方向に高弾性の部分として構成されることになる。
これらのことにより、折り返し部8及び高弾性踵上端帯状部20が配置された履き口10の後方縁部10rは、着用者の踵上方の窪みへの引っ掛かりが良好なものとなって、踵部7のずれが抑制されることになる。
そして、このような引き寄せ力が生じることで、着用者の踵上方の窪みへ引っ掛かる履き口10の後方縁部10rの両端部に対しては、前方へ引き寄せる反力が作用することになり、フットカバー50の踵部7のずれが好適に防止される。
一方、この引き寄せ力が履き口10の両側縁部を通じて前方に伝達されることで、履き口10の前方縁部10fの両端部に対しても、後方に向かう引き寄せ力が作用することになり、例えば履き口10を前方に大きくとった場合であっても、フットカバー50のつま先部2の特に小指部分などのずれが好適に防止される。
尚、滑り止め部9の形状や配置状態については適宜変更することができ、更に、当該滑り止め部9については省略しても構わない。
例えば、足底部6が通常のメリヤス編みで編成されているのに対して、ウェール方向に伸び難い性質を有するタック編みにより低伸縮部4を編成することで、当該低伸縮部4の伸縮性を足底部6よりも低くすることができる。
更に、後方縁部10rに伝達される引き寄せ力により、履き口10の後方縁部10rに設けられた高弾性踵上端帯状部20の内面に設けられた滑り止め部9が、比較的大きな力で着用者の踵上方の表面に押し付けられる。このことにより、着用者の踵上部の表面に対する滑り止め部9の摩擦力が増加し、結果、フットカバー50の踵部7のずれが一層良好に防止されることになる。
本発明に係るフットカバーの第2実施形態について、図3に基づいて説明する。
尚、本実施形態は、前述の第1実施形態に対して、後述する高伸縮足底帯状部25を追加で備える点のみが相違する。よって、以下の説明において、前述の第1実施形態と同様の構成については、図面にて同じ符号を付すと共に、詳細な説明を割愛する場合がある。
高伸縮足底帯状部25は、その幅が柔軟に変化することで、履き口10の両側方縁部10sを除く足底部6が前後方向に柔軟に伸縮自在となる。よって、ずれや脱げることを防止するべく履き口10の両側方縁部10sに対して高弾性踵上端帯状部20で生じた張力が伝達される場合であっても、着用者に対して窮屈な装着感を与えることが抑制されている。このような高伸縮足底帯状部25は、ゴム糸などの伸縮性が高い糸を用いたメリヤス編みで編成することで、前後方向(編地の縦方向)及び周方向(編地の緯方向)の伸縮性を向上させたものとして構成できる。尚、この高伸縮足底帯状部25については、適宜その形状や配置状態を変更したり省略しても構わない。
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
2 つま先部
4 低伸縮部
6 足底部
7 踵部
8 折り返し部
9 滑り止め部
10 履き口
10f 前方縁部
10r 後方縁部
10s 側方縁部
15 側部ゴアライン
20 高弾性踵上端帯状部
25 高伸縮足底帯状部
50,51 フットカバー
Claims (6)
- 履き口が上面に形成され、
前記履き口の前方に位置する前方袋部と、前記履き口の下方に位置する足底部と、前記履き口の後方に位置する踵部と、を備えたフットカバーであって、
前記踵部における前記履き口の後方縁部に沿った上方帯状領域に、前記踵部における当該上方帯状領域より下方側の領域よりも弾性が高い高弾性踵上端帯状部が設けられており、
前記履き口の両側方縁部が、往復編みで編成された前記足底部の両側方端部として構成されており、
前記履き口の両側方縁部における後方部分から後方の踵部に向けて延出する踵部ゴアラインが設けられており、
前記履き口の両側方縁部における前記踵部ゴアラインよりも前方側の複数個所から下方の足底に向けて延出する複数の側部ゴアラインが前後方向に分散して設けられていると共に、当該複数の側部ゴアラインの夫々が前記踵部ゴアラインよりも短尺に形成されているフットカバー。 - 前記履き口の後方縁部が、前記踵部の上方端部を折り返してなる折り返し部として構成され、
前記高弾性踵上端帯状部が、前記折り返し部の下縁部に隣接して設けられている請求項1に記載のフットカバー。 - 前記踵部における少なくとも前記高弾性踵上端帯状部の内面に、高摩擦材料製の滑り止め部が設けられている請求項1又は2に記載のフットカバー。
- 前記履き口の前方縁部を通って全周にわたる帯状領域に、前記足底部における他の領域よりも前後方向での伸縮性が高い高伸縮前方帯状部が設けられている請求項1~3の何れか1項に記載のフットカバー。
- 前記足底部における周方向に延びる前記履き口の両側方縁部間の帯状領域に、前記足底部における他の領域よりも前後方向での伸縮性が高い高伸縮足底帯状部が設けられている請求項1~4の何れか1項に記載のフットカバー。
- 前記前方袋部において少なくとも前記履き口の前方縁部の両端部の前方側の部分に、前記足底部よりも前後方向での伸縮性が低い低伸縮部が設けられている請求項1~5の何れか1項に記載のフットカバー。
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