JP7348143B2 - ゴム組成物およびその製造方法ならびに伝動ベルト - Google Patents

ゴム組成物およびその製造方法ならびに伝動ベルト Download PDF

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Description

本発明は、伝動ベルトの伝動面を形成するためのゴム組成物およびその製造方法ならびに前記ゴム組成物の硬化物で形成された伝動面を有する伝動ベルトに関する。
従来から、自動車や自動二輪車などの分野で用いる伝動ベルトには、耐久寿命(耐久性)の向上が要求されてきた。伝動ベルトの耐久寿命の決め手となる劣化は、ゴム層の熱劣化によるクラックや、プーリとの接触面の摩耗などであり、耐熱性および耐摩耗性に優れるゴム組成物を用いるという観点で、耐久性に優れた伝動ベルトが提供されてきた。耐熱性に関しては、主鎖に二重結合を含まないゴム成分が採択され、特に、EPDM(エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体)を代表としたエチレン-α-オレフィンエラストマーをゴム成分として用いた伝動ベルトが増加している。
また、ゴム組成物は、ゴムの補強剤として汎用されているカーボンブラックの補強効果によっても耐摩耗性を確保できるが、カーボンブラックを用いるとゴム組成物の内部発熱が大きくなるため、伝達ロスが大きくなる(伝達効率が低下する)ことが課題であった。
近年、自動車や自動二輪車などの車両の省燃費化が進められる中で、伝動ベルトによる伝達ロスの低減が求められている。
例えば、自動車のエンジンには、オルタネータ、ウォータポンプ、パワーステアリングポンプ、エアコンなどの補機が取り付けられており、これらの補機は、エンジンのクランク軸により伝動ベルトを懸架した動力伝達機構を介して機械的に駆動される。例えば、自動車エンジンにおける補機駆動システムにおいて、エンジンの内燃機関(主機)で生成されるエネルギー(動力)は、駆動軸であるクランク軸(クランクプーリ)から各補機の従動軸(従動プーリ)に向けて、Vリブドベルトを介した摩擦伝動により伝達される。また、自動二輪車の無段変速装置においても、駆動軸と従動軸とを変速ベルト(ローエッジVベルト)を介した摩擦伝動により伝達される。
このように動力を伝達する際には、エネルギー的な損失(ロス)が生じる。このエネルギー損失は、エンジンの分野ではフリクションロスと呼ばれており、例えば、ベルトを構成するゴム組成物の自己発熱(内部発熱)による内部損失や、ベルトの曲げ変形に起因する屈曲損失などが挙げられる。このようなエネルギー損失の指標としては、通常、駆動軸における駆動トルク値と、従動軸における従動トルク値との差で算出される「トルクロス」値が用いられるため、「フリクションロス」と「トルクロス」とは同義に用いられる。
そのため、車両エンジンの燃費の向上にはフリクションロスの低減が有効であり、動力伝達機構におけるトルクロス(駆動軸における駆動トルクと、従動軸における従動トルクとの差)を低減することが望まれている。通常、トルクロス値が、エネルギー損失の指標として用いられ、トルクロスの値が小さいほど伝達効率がよい(伝達ロスが少ない)と判断でき、車両の省燃費性の指標としても活用されている。
伝達ロスの改善による省燃費性を向上させた伝動ベルトとして、特開2010-276127号公報(特許文献1)には、tanδ(損失正接)が小さいゴム組成物を用い、内部損失(自己発熱)を低減する手段でトルクロスを低減するVリブドベルトが提案されている。この文献では、圧縮層を形成するゴム組成物がエチレン-α-オレフィンエラストマーを主成分とし、初期歪0.1%、周波数10Hz、歪0.5%の条件で動的粘弾性を測定したとき、40℃におけるtanδが0.150未満の圧縮層を有するVリブドベルトにおいて、エチレン-α-オレフィンエラストマーの含有比率が45質量%以上、カーボンブラック含有比率が35質量%未満のゴム組成物を用いて圧縮層を形成することにより、40℃でのtanδを低くして内部損失を低減し、省燃費性を向上できる。
特開2014-167347号公報(特許文献2)には、圧縮層を構成するゴム組成物に、吸水性繊維の短繊維と界面活性剤とを含有させることで、界面活性剤の効果で、短繊維の凝集(塊)を少なくしてゴム組成物中の内部発熱を抑制でき、局所的な内部発熱のバラツキを抑制して省燃費性を向上できる摩擦伝動ベルトが開示されている。実施例では、圧縮層のゴム組成物として、エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体(EPDM)100質量部に対してカーボンブラック60質量部が配合されている。
特開2013-177967号公報(特許文献3)には、ベルトの圧縮層を曲げるのに要する応力(圧縮応力)の低減に着目して屈曲損失を低減する(心線の位置を内周側に配置して、心線の曲げ応力を低減する)手段でトルクロスを低減できるVリブドベルトが開示されている。実施例では、伸張層および圧縮層のゴム組成物として、EPDM100質量部に対してカーボンブラック50質量部が配合され、接着層のゴム組成物として、EPDM100質量部に対してカーボンブラック35質量部が配合されている。
一方、低発熱化による車両の省燃費化を実現するためのタイヤ用ゴム組成物として、WO2018/211932(特許文献4)には、硫黄架橋系のジエン系ゴム、カーボンブラック、カーボンブラック分散剤、シリカ、ハンセン溶解度パラメータが27以上の化合物を含むゴム組成物が示されている。この文献には、前記タイヤ用ゴム組成物でタイヤを形成すると、低発熱性および耐摩耗性に優れたタイヤを提供できることが記載されている。実施例では、前記ジエン系ゴムとして天然ゴムが使用されている。
特開2018-80289号公報(特許文献5)および特開2018-80290号公報(特許文献6)には、硫黄架橋系のジエン系ゴム、アミノ基および不飽和カルボン酸残基を有する化合物(カーボンカップリング剤)、シリカまたはシリカおよびカーボンブラックの組み合わせを含む充填剤を混練して得られるタイヤ用ゴム組成物が開示されている。実施例では、天然ゴム、シリカ、シランカップリング剤、カーボンカップリング剤などを含むゴム組成物を硫黄加硫している。
特開2018-123272号公報(特許文献7)には、ジエン系ゴム100質量部に、補強性充填剤30~160質量部、再生ゴム5~100質量部、カーボンカップリング剤0.1~15質量部が配合されたタイヤ用ゴム組成物が開示されている。実施例では、天然ゴム、シリカ、再生ゴム、シランカップリング剤、カーボンカップリング剤からなるゴム組成物を硫黄で加硫している。
また、防振ゴムの分野において、特開2014-77028号公報(特許文献8)には、引張強さに優れた防振材ゴムの製造方法として、エチレン-α-オレフィン-非共役ポリエン共重合体ゴム100質量部に対して、補強剤1~150質量部、軟化剤1~150質量部、カーボンカップリング剤0.01質量部を混練して混練物を製造する工程、得られた混練物100質量部に対して、加硫剤0.1~10質量部を混合してゴム組成物を製造する工程を含む加硫ゴム組成物の製造方法が開示されている。実施例では、EPDM、カーボンブラックを含むゴム組成物を硫黄で加硫している。
特開2010-276127号公報(特許請求の範囲、段落[0006]) 特開2014-167347号公報(特許請求の範囲、段落[0016]、実施例) 特開2013-177967号公報(特許請求の範囲、段落[0012]、実施例) WO2018/211932(請求項1、段落[0015]、実施例) 特開2018-80289号公報(特許請求の範囲、実施例) 特開2018-80290号公報(特許請求の範囲、実施例) 特開2018-123272号公報(請求項1、実施例) 特開2014-77028号公報(請求項1、段落[0006]、実施例)
しかし、特許文献1~3のゴム組成物はカーボンブラックを含むため、ゴム組成物の内部発熱が大きくなり、伝達効率が低下する。一方、特許文献4~8には、伝動ベルトについて記載されていない。また、特許文献4~8のゴム組成物を伝動ベルトに適用した場合でも、硫黄架橋ゴムであるため、耐熱性が十分でない。
本発明の目的は、耐熱性に優れ、伝動ベルトの伝達効率も向上できるゴム組成物およびその製造方法ならびに前記ゴム組成物の硬化物で形成された伝動面を有する伝動ベルトを提供することにある。
本発明の他の目的は、加工性に優れ、伝動ベルトの耐摩耗性および耐久性も向上できるゴム組成物およびその製造方法ならびに前記ゴム組成物の硬化物で形成された伝動面を有する伝動ベルトを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)と、カーボンブラック(B)と、カーボンカップリング剤(またはカップリング剤)(C)と、ラジカル開始剤(D)とを組み合わせることにより、耐熱性に優れ、伝動ベルトの伝達効率も向上できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明のゴム組成物は、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)、カーボンブラック(B)、カーボンカップリング剤(C)およびラジカル開始剤(D)を含む。前記ラジカル開始剤(D)は有機過酸化物であってもよい。前記カーボンカップリング剤(C)は、アミノ基およびエチレン性不飽和結合を有する化合物であってもよい。前記エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)のジエン含量が7質量%以下であってもよい。前記カーボンブラック(B)の割合は、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)100質量部に対して25~100質量部であってもよい。前記カーボンカップリング剤(C)の割合は、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)100質量部に対して0.5~5質量部であってもよい。前記ゴム組成物は、前記架橋剤(E)を含まない第1のゴム組成物であり、前記ラジカル開始剤(D)の割合は、前記エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)100質量部に対して0.1質量部以上1質量部未満であってもよい。前記ゴム組成物は、前記第1のゴム組成物および架橋剤(E)を含む第2のゴム組成物であり、前記架橋剤(E)の割合は、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)100質量部に対して0.5~10質量部であってもよい。前記ゴム組成物は、伝動ベルトの伝動面を形成するために用いてもよい。
本発明には、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)、カーボンブラック(B)、カーボンカップリング剤(C)およびラジカル開始剤(D)を加熱下で混練して前記ゴム組成物を製造する製造方法も含まれる。この製造方法は、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)、カーボンブラック(B)、カーボンカップリング剤(C)およびラジカル開始剤(D)を加熱下で混練して第1のゴム組成物を得る第1の混練工程、第1の混練工程で得られた第1のゴム組成物に、架橋剤(E)を添加して加熱下で混練して第2のゴム組成物を得る第2の混練工程をさらに含んでいてもよい。この製造方法において、第1の混練工程の加熱温度が150℃以上であり、かつ第2の混練工程の加熱温度が120℃以下であってもよい。
本発明には、前記ゴム組成物の硬化物で伝動面が形成された伝動ベルトも含まれる。
なお、本願において、ゴム組成物のムーニースコーチ最低粘度を「Vm」で示す場合があり、特に言及しない限り、ムーニースコーチ最低粘度「Vm」は、温度125℃での値を示す。
また、本願において、用語「ゴム組成物」は、目的の成形体を得るための最終的な架橋が完了していないゴム組成物(未架橋または半架橋組成物)を意味する。
本発明では、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)と、カーボンブラック(B)と、カーボンカップリング剤(C)と、ラジカル開始剤(D)とを組み合わせているため、このゴム組成物の硬化物は耐熱性に優れ、このゴム組成物の硬化物で伝動ベルトの伝動面を形成すると、伝動ベルトの伝達効率も向上できる。さらに、加工性に優れ、ベルトの耐摩耗性および耐久性も向上できる。
図1は、ムーニースコーチ最低粘度(Vm)の測定方法を説明するためのムーニー粘度の挙動を示すグラフである。 図2は、耐久走行試験のレイアウトを示す概略図である。 図3は、実施例で得られたVリブドベルトの耐摩耗性試験のレイアウトを示す概略図である。 図4は、実施例で得られたVリブドベルトの伝達ロスを測定するための二軸走行試験のレイアウトを示す概略図である。
[(A)エチレン-α-オレフィンエラストマー]
本発明のゴム組成物(硬化性ゴム組成物または未架橋ゴム組成物)は、ゴム成分として、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)を含む。エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)は、主鎖に二重結合(エチレン性不飽和結合)を含まないため、耐熱性に優れる。
エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)は、構成単位として、エチレン単位、α-オレフィン単位を含んでいればよく、ジエン単位をさらに含んでいてもよい。そのため、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)には、エチレン-α-オレフィン共重合体ゴム、エチレン-α-オレフィン-ジエン三元共重合体ゴムなどが含まれる。
α-オレフィン単位を形成するためのα-オレフィンとしては、例えば、プロピレン、ブテン、ペンテン、メチルペンテン、ヘキセン、オクテンなどの鎖状α-C3-12オレフィンなどが挙げられる。これらのα-オレフィンのうち、プロピレンなどのα-C3-4オレフィン(特にプロピレン)が好ましい。
ジエン単位を形成するためのジエンモノマーとしては、通常、非共役ジエン系単量体が利用される。非共役ジエン系単量体としては、例えば、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、1,4-ヘキサジエン、シクロオクタジエンなどが例示できる。これらのジエンモノマーのうち、エチリデンノルボルネン、1,4-ヘキサジエン(特に、エチリデンノルボルネン)が好ましい。
代表的なエチレン-α-オレフィンエラストマーとしては、例えば、エチレン-プロピレン共重合体(EPM)、エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体(EPDM)などが挙げられる。
これらのエチレン-α-オレフィンエラストマーは、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、ジエン単位による架橋効率に優れる点から、エチレン-α-オレフィン-ジエン三元共重合体ゴムが好ましく、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体(EPDM)が特に好ましい。
エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体において、エチレンとプロピレンとの割合(質量比)は、前者/後者=35/65~90/10、好ましくは40/60~80/20、さらに好ましくは45/55~70/30、最も好ましくは50/50~60/40であってもよい。
エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)(特に、EPDMなどのエチレン-α-オレフィン-ジエン三元共重合体ゴム)のジエン含量は10質量%以下(例えば0.1~10質量%)であってもよく、カーボンカップリング剤(C)とラジカル開始剤(D)との組み合わせによる本願発明の効果が発現し易い点から、好ましくは7質量%以下(例えば0.3~7質量%)、さらに好ましくは5質量%以下(例えば0.5~5質量%)、最も好ましくは3質量%以下(例えば1~3質量%)である。本発明では、主鎖に二重結合を有していないゴム成分を用いることにより耐熱性を向上させているが、側鎖として導入するジエン単位による二重結合も少量に抑制することにより、高度な耐熱性を担保できる。ジエン含量が多すぎると、高度な耐熱性が担保できない虞がある。
なお、本願において、ジエン含量は、エチレン-α-オレフィンエラストマーを構成する全単位中のジエンモノマー単位の質量割合を意味し、慣用の方法により測定できるが、モノマー比であってもよい。
未加硫のエチレン-α-オレフィンエラストマー(A)のムーニー粘度[ML(1+4)125℃]は80以下であってもよく、ゴム組成物のVmを調整し、カーボンブラックの分散性を向上できる点から、例えば10~80、好ましくは20~70、さらに好ましくは30~50、最も好ましくは35~45である。ムーニー粘度が高すぎると、ゴム組成物の流動性が低下して、混練りにおける加工性が低下するとともに、カーボンブラックの分散性が低下する虞がある。
なお、本願において、ムーニー粘度は、JIS K 6300-1(2013)に準じた方法で測定でき、試験条件は、L形ロータを使用し、試験温度125℃、予熱1分、ロータ作動時間4分である。
ゴム成分中のエチレン-α-オレフィンエラストマー(A)の割合は50質量%以上であればよく、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上であり、最も好ましくは100質量%(エチレン-α-オレフィンエラストマーのみ)である。ゴム成分中のエチレン-α-オレフィンエラストマー(A)の割合が少なすぎると、耐熱性および耐寒性が低下する虞がある。
[(B)カーボンブラック]
本発明のゴム組成物(硬化性ゴム組成物)は、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)に加えて、カーボンブラック(B)をさらに含む。本発明のゴム組成物は、カーボンブラック(B)を含むため、耐摩耗性を向上できる。
カーボンブラックは、一次粒子径、ヨウ素吸着量、窒素吸着比表面積などの違いにより、いくつかのグレードに分類されている。例えば、ASTMにより「N0**」~「N9**」に分類(ヨウ素吸着量に基づき分類)され、従来、ゴム製品の性能などに基づいてもSAF、HAF、MAF、GPFなどに分類されており、一次粒子径の小さいN110(SAF)、N220(ISAF)、N330(HAF)などはハードカーボンと称され、一次粒子径の大きいN550(FEF)、N660(GPF)、N762(SRF)などはソフトカーボンと称されることもある。これらのカーボンブラックは、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
このようなカーボンブラックの一次粒子径と、全比表面積の指標となるヨウ素吸着量とには緊密な関係があり、一次粒子径が小さいほど、ヨウ素吸着量(全比表面積)が大きくなる。一次粒子径の小さいものはゴムに対する補強効果が高く、高負荷伝動用途に向いている一方で、屈曲時の内部発熱が大きくなり、トルクロスが増大する傾向にある。一方、一次粒子径の大きいものはゴムに対する補強効果は低いものの、屈曲時の内部発熱を抑えることができ、トルクロスを低減できる傾向にある。通常、Vリブドベルトには、補強性の高さから、一次粒子径の小さいSAF、ISAF、HAFなどのハードカーボンと呼ばれるグレードが用いられ、ハードカーボンを用いることでゴムの硬度や耐摩耗性が向上し、ベルトの耐久性が向上する。本発明では、用途や要求される特性に応じて、適宜カーボンブラックを選択できる。
カーボンブラック(B)の平均粒径(一次平均粒子径)は、例えば5~200nm、好ましくは10~150nm、さらに好ましくは15~120nm、最も好ましくは20~100nmである。カーボンブラックの平均粒径が小さすぎると、トルクロスが大きくなる虞があり、大きすぎると、ベルト本体の機械的特性が低下する虞がある。
カーボンブラック(B)としては、ゴムに対する補強性、ゴムの硬度や耐摩耗性およびベルトの耐久性(高負荷での伝動性)を向上させる場合は、少なくとも一次粒子径の小さいカーボンブラック(ハードカーボン)を用いてもよい。カーボンブラック(ハードカーボン)の平均一次粒子径は、例えば10~35nm、好ましくは15~33nm、さらに好ましくは20~32nm、最も好ましくは25~30nmである。平均一次粒子径が小さすぎるハードカーボンは、ゴム組成物の調製が困難となる虞があり、平均一次粒子径が大きすぎると、高負荷での伝動性の向上効果が低下する虞がある。
なお、本願において、カーボンブラック(B)の一次粒子径の測定方法としては、例えば、透過型電子顕微鏡などを用いて測定できる。
カーボンブラック(B)のヨウ素吸着量は、例えば5~200mg/g、好ましくは10~150mg/g、さらに好ましくは12~130mg/g、最も好ましくは20~100mg/gである。ハードカーボンのヨウ素吸着量は60mg/g以上、例えば60~150mg/g、好ましくは65~130mg/g、さらに好ましくは70~100mg/g、最も好ましくは75~90mg/gである。ハードカーボンのヨウ素吸着量が小さすぎると、高負荷での伝動性の向上効果が低下する虞があり、逆に大きすぎると、ゴム組成物の調製が困難となる虞がある。
なお、本願において、カーボンブラック(B)のヨウ素吸着量の測定方法としては、ASTM D1510-17の標準試験法に準拠して測定できる。
カーボンブラック(B)の割合は、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)100質量部に対して、例えば25~100質量部、好ましくは30~90質量部、さらに好ましくは35~70質量部、より好ましくは40~60質量部、最も好ましくは45~55質量部であってもよく、カーボンカップリング剤(C)とラジカル開始剤(D)との組み合わせによる本願発明の効果が発現し易い点から、30~100質量部(特に40~95質量部)であってもよい。カーボンブラック(B)の割合が少なすぎると、耐摩耗性が低下する虞があり、逆に多すぎると、均一に分散させるのが困難となる虞がある。
[(C)カーボンカップリング剤]
本発明のゴム組成物は、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)およびカーボンブラック(B)に加えて、カーボンカップリング剤(C)(カーボンブラックカップリング剤またはカーボンブラック用カップリング剤)をさらに含む。本発明のゴム組成物は、カーボンカップリング剤(C)と後述するラジカル開始剤(D)との組み合わせを含むため、カーボンブラック(B)のゴム組成物中での分散性を向上できる。特に、後述する架橋剤(E)による架橋反応の前に、ゴム成分中でカーボンカップリング剤(C)と後述するラジカル開始剤(D)とを混練りすると、非ジエン系のゴム(ポリマー)でも、混練りの際にラジカル開始剤(D)によりポリマーラジカルが発生し、そのポリマーラジカルとカーボンカップリング剤(C)とが結合する。その結果、ポリマーに対するカーボンブラック(B)の分散性が向上し、カーボンブラック(B)を用いても内部発熱を抑制(低発熱化)でき、低発熱化に加えて、ベルトの耐久寿命も向上できる。
カーボンカップリング剤(C)としては、慣用のカーボンカップリング剤またはカーボンブラックカップリング剤を利用でき、例えば、特許文献4~8に記載のカーボンカップリング剤またはカーボン分散剤などを利用できる。
カーボンカップリング剤(C)としては、カーボンブラック(B)の分散性を向上できる点から、アミノ基またはN置換アミノ基(例えば、N-アルキルアミノ基、N,N-ジアルキルアミノ基またはN-アシルアミノ基)と、エチレン性不飽和結合とを有する化合物が好ましく、アミノ基およびエチレン性不飽和結合がさらに好ましく、アミノ基および不飽和ジカルボン酸残基を有する化合物がより好ましく、下記式(1)で表される化合物あるいはその塩および/または溶媒和物(式(1)で表される化合物またはその誘導体)が最も好ましい。
Figure 0007348143000001
(式中、Aは二価の炭化水素基を示し、Xは-NH-基または-O-基を示し、RおよびRは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基または炭化水素基を示し、RとRとは連結していてもよく、Rはヒドロキシル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、アミノ基またはN置換アミノ基を示す)。
前記式(1)において、Aで表される二価の炭化水素基には、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基の他、これらの炭化水素基を組み合わせた基などが含まれる。
アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチリデン基、エチレン基、イソプロピリデン基、トリメチレン基、1,2-ブタンジイル基、テトラメチレン基、ペンタメチンレン基、ヘキサメチレン基、1,10-デカンジイル基などの直鎖状または分岐鎖状C1-12アルキレン基などが挙げられる。
シクロアルキレン基としては、例えば、1,1-シクロペンチレン基、1,2-シクロペンチレン基、1,1-シクロヘキシレン基、1,2-シクロヘキシレン基などのC5-10シクロアルキレン基などが挙げられる。
アリーレン基としては、例えば、1,3-フェニレン基、1,4-フェニレン基などのフェニレン基、1,5-ナフチレン基、2,6-ナフチレン基などのナフチレン基、4,4’-ビフェニレン基などのビフェニレン基、ビナフチレン基、フェニルナフタレン-ジイル基、ターフェニレン基などが挙げられる。
これら二価の炭化水素基は、置換基を有していてもよい。置換基には、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、スルホ基、炭化水素基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基などが含まれる。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられる。
炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基などの直鎖状または分岐鎖状C1-6アルキル基;シクロヘキシル基、4-メチル-シクロヘキシル基などのC4-10シクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニリル基、ナフチル基などのC6-12アリール基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などの直鎖状または分岐鎖状C1-10アルコキシ基などが挙げられる。
シクロアルキルオキシ基としては、シクロヘキシルオキシ基などのC5-10シクロアルキルオキシ基などが挙げられる。
アリールオキシ基としては、フェノキシ基などのC6-10アリールオキシ基などが挙げられる。
これらの置換基は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらの置換基のうち、メチル基などのC1-3アルキル基、メトキシ基などのC1-3アルコキシ基、スルホ基などが汎用されるが、置換基を有さないのが好ましい。
これら二価の炭化水素基は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、アリーレン基が好ましく、1,4-フェニレン基などのフェニレン基が特に好ましい。
Xは、-NH-基、-O-基(エーテル基)のいずれであってもよいが、-NH-基が好ましい。
およびRにおいて、ハロゲン原子、アルコキシ基および炭化水素基としては、例えば、Aで表される二価の炭化水素基の置換基として例示されたハロゲン原子、アルコキシ基および炭化水素基などが挙げられる。RとRとが連結した基としては、テトラメチレン基などのC2-6アルキレン基などが挙げられる。
およびRとしては、例えば、水素原子、塩素原子などのハロゲン原子、ヒドロキシル基、メチル基などのC1-3アルキル基、メトキシ基などのC1-3アルコキシ基、フェニル基などのアリール基などが汎用されるが、水素原子が好ましい。
において、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基およびアリールオキシ基としては、例えば、Aで表される二価の炭化水素基の置換基として例示されたアルコキシ基、シクロアルキルオキシ基およびアリールオキシ基などが挙げられる。N置換アミノ基としては、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基などのN-モノC1-4アルキルアミノ基などが挙げられる。
としては、例えば、ヒドロキシル基、アミノ基、N置換アミノ基などが汎用され、ヒドロキシル基が好ましい。
前記式(1)で表される化合物の塩としては、例えば、末端のアミノ基および/またはXの-NH-基を有するアミンと酸とのアミン塩、Rがヒドロキシル基であるカルボン酸と塩基とのカルボン酸塩などが挙げられる。アミン塩の酸としては、例えば、塩酸、硫酸などの無機酸;酢酸、乳酸、クエン酸などの有機酸などが挙げられる。カルボン酸塩の塩基としては、例えば、リチウム、カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属などが挙げられる。これらのうち、カルボン酸塩が好ましく、カルボン酸アルカリ金属塩(特にナトリウム塩)が特に好ましい。
前記式(1)で表される化合物の溶媒和物において、溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノールなどC1-4アルカノールなどが挙げられる。これらの溶媒は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、水、メタノールが好ましく、水が特に好ましい。これらの溶媒和物は、前記式(1)で表される化合物の塩の溶媒和物であってもよく、例えば、カルボン酸塩の水和物(例えば、カルボン酸アルカリ金属塩の水和物)であってもよい。
前記式(1)で表される化合物またはその誘導体としては、例えば、ナトリウム(2Z)-4-[(4-アミノフェニル)アミノ]-4-オキソ-2-ブテン酸、ナトリウム(2Z)-4-[(3-アミノフェニル)アミノ]-4-オキソ-2-ブテン酸、ナトリウム(2Z)-4-[(4-アミノフェニル)アミノ]-2-メチル-4-オキソ-2-ブテン酸、(2Z)-4-[(4-アミノフェニル)アミノ]-4-オキソ-2-ブテン酸、(2Z)-4-[(3-アミノフェニル)アミノ]-4-オキソ-2-ブテン酸などの(2Z)-4(アミノフェニル-アミノ)-4-オキソ-2-ブテン酸またはその塩などが挙げられる。これらのうち、ナトリウム(2Z)-4-[(4-アミノフェニル)アミノ]-4-オキソ-2-ブテン酸などの(2Z)-4(アミノフェニル-アミノ)-4-オキソ-2-ブテン酸アルカリ金属塩が好ましい。
カーボンカップリング剤(C)の割合は、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)100質量部に対して、加工性とベルト特性とを両立できる点から、例えば0.5~5質量部、好ましくは0.6~4.5質量部、さらに好ましくは0.7~4質量部、より好ましくは1~3質量部、最も好ましくは1.2~2質量部である。カーボンカップリング剤(C)の割合は、カーボンブラック(B)100質量部に対して、例えば0.3~20質量部、好ましくは0.5~10質量部、さらに好ましくは1~8質量部、より好ましくは1.5~5質量部、最も好ましくは2~4質量部である。カーボンカップリング剤(C)の割合が少なすぎると、伝動ベルトの伝達効率が低下する虞があり、逆に多すぎると、加工性が低下する虞がある。
[(D)ラジカル開始剤]
本発明のゴム組成物は、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)、カーボンブラック(B)およびカーボンカップリング剤(C)に加えて、前述のように、前記カーボンカップリング剤(C)との組み合わせによってカーボンブラック(B)の分散性を向上させるために、ラジカル開始剤(D)をさらに含む。
ラジカル開始剤(D)は、熱などにより分解し、遊離基(フリーラジカル)を発生する化合物であればよく、慣用のラジカル開始剤であってもよい。慣用のラジカル発生剤には、有機過酸化物、無機過酸化物、アゾ化合物などが含まれる。
有機過酸化物としては、例えば、ジアシルパーオキサイド(ジラウロイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイドなど)、パーオキシケタール[1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2-ジ(t-ブチルパーオキシ)ブタンなど]、アルキルパーオキシエステル(t-ブチルパーオキシベンゾエートなど)、ジアルキルパーオキサイド[ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,3-ビス(2-t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5-ジ-メチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサンなど]、パーオキシカーボネート(t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t-ブチルパーオキシ-2-エチル-ヘキシルカーボネート、t-アミルパーオキシ-2-エチル-ヘキシルカーボネートなど)などが挙げられる。
無機過酸化物としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、過酸化水素などが挙げられる。
アゾ化合物としては、例えば、アゾニトリル化合物[2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、アゾビスシアノ吉草酸など]、アゾアミド化合物[2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミド)、2,2’-アゾビス(2-メチル-N-メチル-プロピオンアミド)、2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(ヒドロキシメチル)-プロピオンアミドなど]、アゾアミジン化合物[例えば、2,2-アゾビス(2-アミジノプロパン)ハイドロクロライド、2,2-アゾビス(2-アミジノプロパン)アセテートなど]などが挙げられる。
これらのラジカル開始剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、取り扱い性などの点から、有機過酸化物が好ましく、1,3-ビス(2-t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなどのジアルキルパーオキサイドが好ましい。
ラジカル開始剤(D)の割合は、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)100質量部に対して、例えば0.1質量部以上1質量部未満、例えば0.12~0.8質量部であってもよく、加工性とベルト特性とを両立できる点から、好ましくは0.13~0.6質量部、さらに好ましくは0.15~0.5質量部、最も好ましくは0.18~0.3質量部である。ラジカル開始剤(D)の割合は、カーボンブラック(B)100質量部に対して、例えば0.05~2質量部、好ましくは0.07~1.5質量部、さらに好ましくは0.1~1質量部、より好ましくは0.2~0.8質量部、最も好ましくは0.3~0.5質量部である。ラジカル開始剤(D)の割合は、カーボンカップリング剤(C)100質量部に対して、例えば2~100質量部、好ましくは5~50質量部、さらに好ましくは8~30質量部、最も好ましくは10~20質量部である。ラジカル開始剤(D)の割合が少なすぎると、カーボンブラック(B)の分散性が低下する虞があり、逆に多すぎると、ゴム組成物が成形前に架橋する虞がある。
[(E)架橋剤]
本発明のゴム組成物は、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)、カーボンブラック(B)、カーボンカップリング剤(C)およびラジカル開始剤(D)に加えて、架橋剤(E)をさらに含んでいてもよい。
架橋剤(E)としては、慣用の架橋剤を利用できるが、ゴム成分として、架橋点となる二重結合が少ないエチレン-α-オレフィンエラストマー(A)を効果的に架橋できる点から、有機過酸化物が好ましい。
有機過酸化物としては、前記ラジカル開始剤(D)として例示された有機過酸化物などを利用できる。前記有機過酸化物は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。前記有機過酸化物のうち、1,3-ビス(2-t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなどのジアルキルパーオキサイドが好ましい。ラジカル開始剤(D)が有機過酸化物である場合、架橋剤(E)の有機過酸化物は、ラジカル開始剤(D)と同種または同一の有機過酸化物であってもよい。
架橋剤(E)の割合は、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)100質量部に対して、例えば0.5~10質量部、好ましくは1~8質量部、さらに好ましくは2~7質量部、最も好ましくは3~6質量部である。架橋剤(E)の割合が少なすぎると、ゴム組成物の耐熱性および耐摩耗性が低下する虞があり、逆に多すぎても、ゴム組成物の耐熱性および耐摩耗性が低下する虞がある。
架橋剤(E)を含むゴム組成物において、前記ラジカル開始剤(D)は、前記エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)および/または前記カーボンカップリング剤(C)に結合した形態であってもよい。その場合、本発明のゴム組成物は、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)、カーボンブラック(B)、カーボンカップリング剤(C)およびラジカル開始剤(D)および架橋剤(E)を含み、前記ラジカル開始剤(D)が、前記エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)および/または前記カーボンカップリング剤(C)に結合し、かつ前記架橋剤(E)が、前記エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)および前記カーボンカップリング剤(C)に結合していないゴム組成物(未架橋ゴム組成物)であってもよい。このゴム組成物では、ラジカル開始剤(D)および架橋剤(E)が同一の有機過酸化物である場合でも、ゴム組成物中での存在形態が異なっている。
また、架橋剤(E)を含むゴム組成物は、架橋剤(E)を含まない第1のゴム組成物と、架橋剤(E)を含む第2のゴム組成物との組み合わせであってもよい。前記第1のゴム組成物は、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)、カーボンブラック(B)、カーボンカップリング剤(C)およびラジカル開始剤(D)を含み、かつ前記ラジカル開始剤(D)が前記エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)および/または前記カーボンカップリング剤(C)に結合した形態が好ましい。第2のゴム組成物において、前記架橋剤(E)は遊離の形態が好ましい。
[(F)短繊維]
本発明のゴム組成物は、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)、カーボンブラック(B)、カーボンカップリング剤(C)およびラジカル開始剤(D)に加えて、短繊維(F)をさらに含んでいてもよい。短繊維(F)としては、例えば、天然短繊維(綿などの天然セルロース系短繊維など)、半合成短繊維(レーヨンなどの半合成セルロース系短繊維)、ポリエステル短繊維(ポリエチレンテレフタレート短繊維などのポリアルキレンアリレート短繊維など)、ポリアミド短繊維(ナイロン6短繊維、ナイロン66短繊維などの脂肪族ポリアミド短繊維、アラミド短繊維など)などが挙げられる。
これらの短繊維は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、ポリエステル短繊維、ポリアミド短繊維が汎用され、脂肪族ポリアミド繊維が好ましい。
短繊維の平均繊維長は、例えば0.1~30mm、好ましくは0.2~20mm、さらに好ましくは0.3~15mm、最も好ましくは0.5~5mmである。
これらの短繊維は、必要に応じて、界面活性剤、シランカップリング剤、エポキシ化合物、イソシアネート化合物などで表面処理してもよい。
短繊維は、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)との接着性を向上させるため、必要に応じて、接着処理を施してもよい。接着処理としては、慣用の接着処理を利用でき、例えば、接着性成分[例えば、エポキシ化合物、イソシアネート化合物]を有機溶媒(トルエン、キシレン、メチルエチルケトンなど)に溶解させた樹脂系処理液などへの浸漬処理、レゾルシン-ホルマリン-ラテックス液(RFL液)への浸漬処理、ゴム組成物を有機溶媒に溶解させたゴム糊への浸漬処理が挙げられる。
短繊維(F)の割合は、トルクロスをさらに低減させるために、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)100質量部に対して、例えば1~100質量部、好ましくは5~80質量部、さらに好ましくは10~50質量部、最も好ましくは20~40質量部である。短繊維の割合が少なすぎると、耐熱性および耐摩耗性の向上効果が低下する虞があり、逆に多すぎると、伝達効率が低下する虞がある。
[他の成分]
本発明のゴム組成物は、ゴム成分として、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)に加えて、他のゴム成分をさらに含んでいてもよい。他のゴム成分としては、例えば、ジエン系ゴム(天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(ニトリルゴム)、水素化ニトリルゴムなど)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、アルキル化クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリル系ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。これら他のゴム成分は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
他のゴム成分は、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)100質量部に対して100質量部以下(例えば0.1~100質量部程度)であってもよく、好ましくは25質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下である。
本発明のゴム組成物は、補強剤として、前記カーボンブラック(B)に加えて、他の補強剤をさらに含んでいてもよい。他の補強剤としては、例えば、シリカ、クレー、炭酸カルシウム、タルク、マイカなどが挙げられる。これらの補強剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
他の補強剤の割合は、カーボンブラック(B)100質量部に対して100質量部以下(例えば0.1~100質量部程度)であってもよく、好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは30質量部以下、最も好ましくは10質量部以下である。
本発明のゴム組成物は、ゴムの配合剤として利用される慣用の添加剤をさらに含んでいてもよい。慣用の添加剤としては、例えば、共架橋剤(ビスマレイミド類など)、加硫助剤または加硫促進剤(チウラム系促進剤など)、加硫遅延剤、金属酸化物(酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化鉄、酸化銅、酸化チタン、酸化アルミニウムなど)、軟化剤(パラフィンオイルや、ナフテン系オイル等のオイル類など)、加工剤または加工助剤(ステアリン酸、ステアリン酸金属塩、ワックス、パラフィン、脂肪酸アマイドなど)、シランカップリング剤、老化防止剤(酸化防止剤、熱老化防止剤、屈曲き裂防止剤、オゾン劣化防止剤など)、着色剤、粘着付与剤、安定剤(紫外線吸収剤、熱安定剤など)、難燃剤、帯電防止剤などが挙げられる。これらの添加剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。なお、金属酸化物は架橋剤として作用してもよい。
慣用の添加剤の合計割合は、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)100質量部に対して、例えば5~50質量部、好ましくは10~30質量部、さらに好ましくは15~25質量部である。
[ゴム組成物の特性]
本発明のゴム組成物は、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)、カーボンブラック(B)、カーボンカップリング剤(C)およびラジカル開始剤(D)を含むことを特徴とする。本発明のゴム組成物では、ラジカル開始剤(D)の存在下で混合することによってエチレン-α-オレフィンエラストマー(A)がカーボンカップリング剤(C)と結合し、カーボンブラック(B)の分散性が向上すると推定できる。さらに、カーボンブラック(B)の分散性をより向上させるために、後述するように、二段階でゴム組成物を調製するのが好ましく、第1段階において、ゴムの架橋系成分を添加せずに混練し、ラジカル開始剤(D)のフリーラジカルを発生させてもよい。すなわち、ゴム架橋におけるラジカル開始剤は、ポリマー(非ジエン系ゴム)に対してポリマーラジカルを発生させる役割を担っており、発生したポリマーラジカル同士が結合するのが一般的であるのに対して、本発明のゴム組成物では、ポリマーラジカルとカーボンカップリング剤(C)とが結合していると推定できる。特に、ゴムの架橋系成分(架橋剤および共架橋剤など)を添加することなく、ラジカル開始剤(D)とカーボンカップリング剤(C)とを含むゴム組成物をラジカル開始剤(D)からフリーラジカルが発生可能な温度で混練すると、その傾向は強くなり、発生したポリマーラジカルはカーボンカップリング剤(C)と優先して結合することにより、ポリマーに対するカーボンブラック(B)の分散性を向上させていると推定できる。
ゴム組成物が前記二段階の方法で調製される場合、本発明のゴム組成物は、第1段階で調製されるゴム組成物、すなわち前記架橋剤(E)を含まず、前記ラジカル開始剤(D)を前記エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)100質量部に対して0.1~1質量部の割合で含む第1のゴム組成物であってもよい。この第1のゴム組成物は、未架橋ゴムであり、前記架橋剤(E)などのゴムの架橋系成分を添加する前の予備的な組成物である。ラジカル開始剤(D)の割合は、ゴムを架橋せず、ポリマーラジカルとカーボンカップリング剤(C)とを結合するための割合に調整されていてもよい。
さらに、本発明のゴム組成物は、第2段階で調製されるゴム組成物、すなわち前記第1のゴム組成物および架橋剤(E)を含み、かつこの架橋剤(E)の割合がエチレン-α-オレフィンエラストマー(A)100質量部に対して0.5~10質量部である第2のゴム組成物であってもよい。この第2のゴム組成物は、未架橋ゴム組成物であってもよい。第2のゴム組成物では、未架橋ゴム組成物においても、ラジカル開始剤(D)は、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)および/またはカーボンカップリング剤(C)と結合しているのが好ましい。特に、ラジカル開始剤(D)は、第2のゴム組成物中では分解してエチレン-α-オレフィンエラストマー(A)および/またはカーボンカップリング剤(C)に結合していてもよい。
本発明のゴム組成物の硬化物(架橋体)としては、内部の損失正接(tanδ)が低い硬化物が好ましい。損失正接(tanδ)は、損失弾性率(E”)を貯蔵弾性率(E’)で除すことにより求めることができ、振動1サイクルの間に熱として散逸(ロス)されるエネルギーと貯蔵される最大エネルギーとの比として表され、エネルギー損失の尺度となる。すなわち、tanδにより、ゴム組成物に加えられる振動エネルギーが熱として散逸される指標を数値化して表すことができる。従って、tanδが小さいほど散逸される熱は小さい(すなわち、内部発熱が小さくなり伝達効率が向上する)。本発明の好ましい態様では、ベルトが通常走行する温度(例えば、40~120℃の温度範囲)におけるtanδに着目し、このtanδが低く調整されている。具体的には、例えば、70℃および周波数10Hzでの硬化物のtanδは、伝達効率を確保するためには、0.08~0.17程度の範囲から選択でき、例えば0.09~0.165、好ましくは0.1~0.16、さらに好ましくは0.11~0.15、より好ましくは0.12~0.145、最も好ましくは0.12~0.14である。損失正接(tanδ)の値は、ゴム組成物の内部発熱性を示す代用値であり、この値が小さいと内部発熱が小さく、エネルギーロス(伝達ロス)が少ないゴム組成物の指標となる。
本願において、損失正接(tanδ)は、後述する実施例に記載の方法で測定でき、短繊維が所定の方向に配列した硬化物では、短繊維の配列方向(列理方向)と垂直な方向(反列理方向)の損失正接を測定する。
[ゴム組成物の製造方法]
本発明のゴム組成物の製造方法は、慣用の方法によって各成分を混合(または混練)することにより調製できるが、均一に混合するためには、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)、カーボンブラック(B)、カーボンカップリング剤(C)およびラジカル開始剤(D)を加熱下で混練するのが好ましい。加熱温度は50℃以上であればよく、例えば50~200℃、好ましくは60~180℃、さらに好ましくは70~150℃程度である。
特に、本発明のゴム組成物が架橋剤(E)などのゴムの架橋系成分をさらに含む場合、ゴム組成物の製造方法は、各成分を一括添加して混練する製造方法であってもよいが、ラジカル開始剤(D)のフリーラジカルを発生させて、カーボンブラック(B)をゴム中に均一に分散させる予備的な混練工程と、この予備的な混練工程で得られたゴム組成物とゴムの架橋成分とを混練する混合工程とを含む二段階以上の工程を経る製造方法が好ましい。なかでも、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)、カーボンブラック(B)、カーボンカップリング剤(C)およびラジカル開始剤(D)を加熱下で混練して第1のゴム組成物を得る第1の混練工程、第1の混練工程で得られた第1のゴム組成物に、架橋剤(E)を添加して加熱下で混練して第2のゴム組成物を得る第2の混練工程を含む製造方法が特に好ましい。
第1の混練工程では、ラジカル開始剤(D)が活性化する温度で加熱するのが好ましい。ラジカル開始剤(D)が活性化すると、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)のラジカル(ポリマーラジカル)とカーボンカップリング剤(C)との結合を促進できる。第1の混練工程の加熱温度は、第2の混練工程に比べて高温であり、例えば150℃以上、好ましくは150~200℃、さらに好ましくは160~190℃、より好ましくは165~180℃である。加熱温度が低すぎると、カーボンブラック(B)の分散性が低下する虞がある。
第1の混練工程では、架橋剤(E)以外の他の成分を全て混練してもよいが、ラジカル開始剤(D)以外の架橋系成分[架橋剤(E)、共架橋剤、加硫助剤または加硫促進剤など]は、第2の混練工程で添加して混練するのが好ましい。
第2の混練工程では、添加された架橋剤(E)などの架橋系成分によってエチレン-α-オレフィンエラストマー(A)の架橋が進行しない温度で加熱するのが好ましい。第2の混練工程の加熱温度は、例えば120℃以下、好ましくは50~120℃、さらに好ましくは60~100℃、より好ましくは70~90℃である。加熱温度が高すぎると、ゴムが架橋する虞がある。
第1および第2の混練工程において、混練方法としては、慣用の混練方法、例えば、ミキシングローラ、ニーダ、バンバリーミキサー、押出機(一軸または二軸押出機など)などを用いた方法などが挙げられる。
[成形体]
本発明のゴム組成物の硬化物は、カーボンブラックを含み、耐熱性に優れるため、各種成形体として利用できるが、耐熱性と伝達効率とを両立できるため、伝動ベルトの伝動面(プーリとの接触面)を形成するゴム層として利用するのが好ましい。
伝動ベルトは、摩擦伝動ベルトであってもよく、噛み合い伝動ベルトであってもよい。摩擦伝動ベルトとしては、例えば、平ベルト;ラップドVベルト、ローエッジVベルト、ローエッジコグドVベルト、VリブドベルトなどのVベルトなどが挙げられる。噛み合い伝動ベルトとしては、例えば、歯付ベルト、両面歯付ベルトなどが挙げられる。これらのうち、高度な耐熱性と伝達効率とが要求される点から、摩擦伝動ベルトが好ましく、省燃費化が要求される用途、例えば、自動車エンジンの補機駆動システムなどに用いるVリブドベルト、自動二輪車の無段変速装置などに用いるローエッジVベルト(ローエッジコグドVベルトも含む)がさらに好ましく、高度な耐久性を要求される点から、自動車エンジンの補機駆動システムに用いられるVリブドベルトが特に好ましい。
VリブドベルトやローエッジVベルトなどの摩擦伝動ベルトにおいて、本発明のゴム組成物は、圧縮ゴム層(内面ゴム層)および/または伸張層(背面ゴム層)を形成していてもよい。伸張層が背面ゴム層である摩擦伝動ベルトとしては、例えば、ベルト背面がプーリと接触する背面駆動レイアウトで走行するVリブドベルトなどが挙げられる。これらのうち、少なくとも圧縮ゴム層が本発明のゴム組成物で形成された摩擦伝動ベルトが好ましい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例で使用した原料の詳細を以下に示す。
[原料]
EPDM1:ダウ・ケミカル日本(株)製「NORDEL(登録商標)IP3640」、ムーニー粘度(125℃)≒40、エチレン含量55質量%、ジエン含量(エチリデンノルボルネン含量)1.8質量%
EPDM2:ダウ・ケミカル日本(株)製「NORDEL(登録商標)IP4640」、ムーニー粘度(125℃)≒40、エチレン含量55質量%、ジエン含量(エチリデンノルボルネン含量)4.9質量%
EPDM3:三井化学(株)製「EPT 4045M」、ムーニー粘度(125℃)≒45、エチレン含量51質量%、ジエン含量(エチリデンノルボルネン含量)7.6質量%
ナイロン短繊維:ナイロン66短繊維、平均繊維径27μm、平均繊維長3mm
カーボンブラックHAF:東海カーボン(株)製「シースト3」、平均粒子径28nm、ヨウ素吸着量80mg/g
カーボンブラックMAF:東海カーボン(株)製「シースト116」、平均粒子径38nm、ヨウ素吸着量53mg/g
シリカ:エボニックインダストリーズ AG社製「Ultrasil VN3」、BET比表面積180m/g
カーボンカップリング剤1:(2Z)-4-[(4-アミノフェニル)アミノ]-4-オキソ-2-ブテン酸ナトリウム、住友化学(株)製「スミリンク200」
カーボンカップリング剤2:S-(3-アミノプロピル)チオ硫酸、住友化学(株)製「スミリンク100」
酸化亜鉛1:ハクスイテック(株)製、「酸化亜鉛2種」
酸化亜鉛2:正同化学工業(株)製、「酸化亜鉛3種」
ステアリン酸:日油(株)製、「ビーズステアリン酸つばき」
パラフィンオイル:パラフィン系プロセスオイル、出光興産(株)製「ダイアナ(登録商標)PW-90」
界面活性剤:花王(株)製「エマルゲンLS-106」
老化防止剤1:ジフェニルアミン系老化防止剤、大内新興化学工業(株)製「ノクラックCD」
老化防止剤2:ジフェニルアミン系老化防止剤、大内新興化学工業(株)製「ノクラックAD-F」
ラジカル開始剤:日油(株)製「パーブチルP-40MB」
架橋剤:日油(株)製「パーブチルP-40MB」
共架橋剤:大内新興化学(株)製「バルノックPM」
加硫促進剤DM:大内新興化学工業(株)製「ノクセラー(登録商標)DM」
カーボンブラック分散液:東海カーボン(株)製「Aqua-Black162」固形分19.2質量%
綿織布:綿糸20s/2、経糸70本/5cm、緯糸70本/5cmの平織織布
心線:1,000デニールのPET繊維を2×3の撚り構成で、上撚り係数3.0、下撚り係数3.0、トータルデニール6,000で諸撚りした撚糸コードに、接着処理を施した、心線径1.0mmのコード。
実施例1~10、参考例1~5および比較例1~5
[圧縮ゴム層]
参考例4および5以外の実施例、参考例および比較例については、次の方法で圧縮ゴム層用シートを調製した。すなわち、ベルトの伝動面(プーリとの接触面)を形成する圧縮ゴム層には、表3に示す配合の圧縮ゴム層用ゴム組成物をバンバリーミキサーで混練し、カレンダーロールで所定の厚みに圧延したシートを用いた。混練方法について詳しくは、まず、架橋剤および共架橋剤以外の成分を混練して、150℃に到達してから2分間混練を継続した後(第1の混練工程)、混練物を排出して放冷した。次に、得られた混練物に、架橋剤および共架橋剤を添加して混練し(第2の混練工程)、100℃に到達したところで、すぐに排出した。
なお、参考例4については、第1の混練工程の到達温度を130℃に低下させる以外は前記方法と同様にして圧縮ゴム層用シートを調製した。また、参考例5については、架橋剤および共架橋剤を第1の混練工程で添加し、第2の混練工程を設けずに、全ての配合剤を一括添加して混練する以外は前記方法と同様にして圧縮ゴム層用シートを調製した。
[接着ゴム層]
接着ゴム層用シートは、表1に示す配合の接着ゴム層用組成物をバンバリーミキサーで混練し、カレンダーロールで、所定の厚みに圧延した。
Figure 0007348143000002
[伸張層]
伸張層を形成するための綿織布には、未処理の綿織布(綿糸20s/2、経糸70本/5cm、緯糸70本/5cmの平織)を、カーボンブラック分散液およびRFL液(ラテックス、レゾルシンおよびホルマリン)を含む表2に示す混合液(黒染め液)に10秒間浸漬し、テンターにより120°の広角度処理を行い、150℃で4分間熱処理した綿織布を用いた。
Figure 0007348143000003
[圧縮ゴム層用組成物(未架橋ゴム組成物)のムーニースコーチ最低粘度(Vm)]
ムーニースコーチ最低粘度(ムーニー粘度の最低値)の測定は、JIS K 6300-1(2013)のムーニースコーチ試験に準じて行った。ロータはL形を用い、試験温度は125℃とした。なお、試験片(未架橋ゴム組成物)とダイとが接する面の間に、厚さ約0.04mmのポリエステルフィルム(東レ(株)製「ルミラー」)を配置した。ダイを閉じた後1分間予熱を行い、その後ロータを回転し、ムーニー粘度の推移を記録した。記録したムーニー粘度は概ね図1に示すような結果であり、ムーニー粘度が最低となった時の値をムーニースコーチ最低粘度(Vm)とした。なお、粘度(Vm)が高いと、混練りにおける加工性が低下するとともに、配合剤の分散性が低下する虞があるため、Vm値を加工性や分散性の指標として比較した。
[圧縮ゴム層用組成物の架橋ゴム物性]
圧縮ゴム層用の未架橋ゴムシートを、プレス機を用いて30分間の加圧および加熱(温度170℃、面圧力2.0MPa)して架橋ゴムシートを作製した。
1)硬度
JIS K6253(2012)に準じ、架橋ゴムシートを3枚重ね合わせた積層物を試料とし、デュロメータA型硬さ試験機を用いて硬度を測定した。
2)引張特性(破断伸び率)の測定
JIS K 6251(2010)「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム-引張特性の求め方」に従い、架橋ゴムシートから、圧延の反列理方向に採取したダンベル状3号形の試験片を、室温で引張速度500mm/分で引張試験を行い、試験片が破断した際の伸び率(%)を算出した。なお、引張試験機としては、(株)島津製作所製「オートグラフAG-5000A」を用いた。
3)損失正接(tanδ)の測定
架橋ゴムシートから、断面形状が長方形(厚さ2.0mm、幅4.0mm)で、長さが40mmの試験片を採取した。このとき、圧延の反列理方向を長さ方向として採取した。そして、粘弾性測定装置((株)上島製作所製「VR-7121」)のチャックに、チャック間距離15mmで試験片をチャックして固定し、初期歪(静的歪)1.0%を与え、周波数10Hz、動的歪0.2%(すなわち、前記初期歪1.0%を中心位置または基準位置として長手方向に±0.2%の歪みを付与しつつ)、昇温速度1℃/分で70℃での損失正接(tanδ)を求めた。
[Vリブドベルトの製造]
表面が平滑な円筒状の成形モールドの外周に、伸張層を形成するための綿織布を巻き付け、この綿織布の外周に、未架橋の接着ゴム層用シートを巻き付けた。次に、接着ゴム層用シートの外周に、心線となる撚糸コードを所定間隔で螺旋状にスピニングし、さらにその外周に、未架橋の接着ゴム層用シート、圧縮ゴム層用シートを順に巻き付けて、未架橋成形体を形成した。そして、未架橋成形体の外周に加硫用ジャケットを被せた状態で、未架橋成形体を装着した成形モールドを架橋装置(所謂、加硫缶)内に収容し、所定の加熱・加圧条件(180℃、0.9MPa)で架橋を行った後、成形モールドから脱型して筒状の架橋スリーブを得た。そして、この架橋スリーブの外表面を研削ホイールにより研削して所定のVリブ部を形成した後、カッター刃を用いて架橋スリーブをベルト長手方向に所定の幅で切断して、5PK1100のVリブドベルト(リブ数:5個、周長:1100mm、ベルト形:K形、ベルト厚み:4.3mm、リブ高さ:約2mm、リブピッチ:3.56mm)に仕上げた。なお、切断したベルトの内周側と外周側とを反転させることにより、内周側にVリブ部を有する圧縮ゴム層を備えたVリブドベルトが得られた。
[Vリブドベルトの性能評価]
1)耐久走行試験(耐熱走行寿命)
外径120mmの駆動プーリ11、外径85mmのアイドラプーリ12、外径120mmの従動プーリ13、外径45mmのテンションプーリ14を順に配した図2に示すレイアウトで走行試験機を用いた。試験機の各プーリにVリブドベルトを掛架し、アイドラプーリへのベルトの巻き付け角度が120°、テンションプーリへのベルトの巻き付け角度が90°、ベルト張力が395Nとなるように調整した。駆動プーリの回転数を4900rpm(回転方向は図の矢印の方向)、従動プーリの負荷を8.8kW、雰囲気温度を140℃とし、寿命(クラックやスリップなどのベルトの故障や異常が発生するまでの時間)となるまで走行を継続し、寿命と判断した時点で走行を完了した。寿命が長いほど、耐熱性に優れるベルトと判定した。
2)耐摩耗性試験(6%スリップ試験)
直径80mmの駆動プーリ、直径80mmの従動プーリ、直径120mmのテンションプーリを配置した図3に示すレイアウトで走行試験機を用いた。試験機の各プーリに、予め重量を測定しておいたVリブドベルトを掛架し、テンションプーリへのベルトの巻き付け角度を90°とし、室温条件下で、駆動プーリの回転数を3000rpm、従動プーリのトルクを9.8N・m、ベルトスリップ率が6%となるように、ベルト張力を自動的に調整しながら24時間走行させた。そして、走行後のベルトの重量を測定し、ベルト重量の減少量[(走行前のベルト重量)-(走行後のベルト重量)]を算出した。そして、走行前のベルト重量に対するベルト重量の減少量の割合[(ベルト重量の減少量)/(走行前のベルト重量)×100]を摩耗率として算出し、摩耗の進行度を比較した。
3)伝達ロス(トルクロス)の測定
直径55mmの駆動(Dr)プーリと、直径55mmの従動(Dn)プーリとで構成される図4に示すレイアウトの二軸走行試験機を用いた。試験機にVリブドベルトを掛架し、500N/ベルト1本の張力でVリブドベルトに所定の初張力を付与し、従動プーリ無負荷で駆動プーリを2000rpmで回転させたときの、駆動トルクと従動トルクとの差をトルクロスとして算出した。なお、この測定で求まるトルクロスは、Vリブドベルトに起因するトルクロス以外に、試験機の軸受けに起因するトルクロスも含まれている。そのため、ベルトとしてのトルクロスが実質0と考えられる金属ベルト(材質:マルエージング鋼)を予め走行させ、その駆動トルクと従動トルクとの差を軸受けに起因するトルクロス(軸受け損失)として求めた。そしてVリブドベルトを走行させて算出したトルクロス(ベルトと軸受けの二つに起因するトルクロス)から、軸受けに起因するトルクロス(軸受け損失)を差し引いた値を、ベルト単体に起因するトルクロスとして求めた。なお、上記トルクロス(軸受け損失)は所定の初張力で金属ベルトを走行させたときのトルクロス(例えば、初張力500N/ベルト1本でVリブドベルトを走行させた場合、この初張力で金属ベルトを走行させたときのトルクロスが軸受け損失となる)である。
なお、動力を伝達する際には、エネルギー的な損失(伝達ロス)が生じる。このエネルギー損失は、例えば、ベルトを構成するゴム組成物の自己発熱による内部損失や、ベルトの曲げ変形に起因する屈曲損失などが挙げられる。通常、駆動軸における駆動トルク値と、従動軸における従動トルク値との差で算出される「トルクロス」値が、エネルギー損失の指標として用いられ、トルクロスが小さいほど伝達効率が良い(伝達ロスが少ない)と判断でき、自動車エンジン等では省燃費性の指標としても活用されている。本試験でも、トルクロスの測定結果から、省燃費性に影響する伝達効率の比較を行った。
実施例、参考例および比較例の評価結果を表3および4に示す。
Figure 0007348143000004
Figure 0007348143000005
カーボンカップリング剤およびラジカル開始剤を含まない比較例1を、伝達効率および耐久性に関する従来技術の水準として、その水準を基準に伝達効率および耐久性を比較判定した。
表3の結果から明らかなように、ゴム組成物にカーボンカップリング剤およびラジカル開始剤を含む実施例1~5では、比較例1に対して、架橋ゴムの発熱性(tanδ)が低下したうえに、破断伸びが向上した。ベルト性能においても、比較例1に対して伝達効率(トルクロス)が向上し、耐久寿命が向上した。
なお、一般的に、動的粘弾性測定により得られるtanδは、発熱性の指標とされるとともに、カーボンブラックなどのフィラーの分散性の指標ともされている。すなわち、動的粘弾性測定における貯蔵弾性率の歪み依存性は、コンパウンド中のフィラーの分散状態と相関関係を有している。実施例2~5を比較すると、ラジカル開始剤の割合を一定として、カーボンカップリング剤の割合を増加させるにつれてtanδが低下しており、この現象は、カーボンカップリング剤の増加とともに、分散性が向上していることを示している。その結果、分散性が向上したことにより、伝達効率(トルクロス)が向上した。その反面、カーボンカップリング剤の割合が増加すると加工性(混練性)が低下し、カーボンカップリング剤の割合が最も多い実施例5(5.5質量部)では、Vmが増大して加工性が低下した。
比較例1に対して、カーボンカップリング剤のみを添加した(ラジカル開始剤は添加しない)参考例1では、若干の発熱性(tanδ)の低下が見られ、伝達効率(トルクロス)は若干向上したが、実施例1~5ほどの顕著な効果は見られなかった。この結果から、実施例1~5では、カーボンカップリング剤だけでなく、ラジカル開始剤の添加が、伝達効率(トルクロス)や耐久寿命の向上に有効に寄与していることがわかる。
実施例6および比較例2は、他の実施例、比較例とは異なる種類のカーボンブラックを用いた例である。具体的には、実施例6および比較例2ではMAFカーボン(平均粒子径38nm、ヨウ素吸着量53mg/g)、他の実施例、参考例および比較例ではHAFカーボン(平均粒子径28nm、ヨウ素吸着量80mg/g)を用いている。比較例1と比較例2とを比べると、粒子径が大きく比表面積の小さいMAFカーボンを用いた比較例2の方が、架橋ゴムの発熱性(tanδ)が小さく、破断伸びが高い。ベルト性能においては、比較例1に対して比較例2の方が伝達効率(トルクロス)が優れるが、摩耗が大きくなり、スリップにより耐久寿命となった。この両者の比較から、カーボンブラックの種類(粒子径)によっても、伝達効率を向上させることができるが、比較例2に対してカーボンカップリング剤およびラジカル開始剤を添加した実施例6は、(比較例1に対してカーボンカップリング剤およびラジカル開始剤を添加した)実施例1~5よりも、さらに伝達効率に優れることがわかる。但し、耐摩耗性が実施例1~5より低いため、実施例1~5よりもスリップによって耐久寿命が短くなった。
表4の結果から明らかなように、ラジカル開始剤の割合を0.2質量部とした実施例2に対して、カーボンカップリング剤の割合を変えずにラジカル開始剤の割合を0.5質量部とした実施例7は、加工性に問題はなく、その他の性能も実施例2と同等であった。これに対して、ラジカル開始剤の割合を1質量部に増量した参考例2では、混練り中にゴム焼けが発生して、混練り加工ができなかった。
実施例7に対して、カーボンカップリング剤の種類を変更した参考例3では、強度特性の向上や発熱性(tanδ)の低下が見られず、ベルト性能としても耐久寿命や伝達効率の向上に有効に寄与しなかった。
実施例8~9および比較例3~4は、EPDMのジエン含有量が1.8質量%の実施例2および比較例1において、ジエン含量の異なるEPDMを用いた例である。ジエン含量が4.9質量%のEPDM2において、ラジカル開始剤およびカーボンカップリング剤を含む実施例8と含まない比較例3とを比較すると、実施例2および比較例1の結果と同様に、実施例8は比較例3よりも架橋ゴムの発熱性(tanδ)が低下した上に、破断伸びが向上した。さらに、ベルト性能においても、伝達効率(トルクロス)や耐久寿命が向上した。一方、ジエン含量が7.6質量%のEPDM3において、ラジカル開始剤およびカーボンカップリング剤を含む実施例9と含まない比較例4とを比較すると、実施例9は比較例4よりも架橋ゴムの発熱性(tanδ)が幾分低下して、伝達効率(トルクロス)も幾分向上した。しかし、強度特性や耐久寿命には、顕著な向上は見られなかった。
実施例10および比較例5は、EPDM100質量部に対してカーボンブラック50質量部を配合した実施例2および比較例1において、カーボンブラックの割合を90質量部に増量した例である。実施例10と比較例5とを比較すると、実施例2および比較例1の結果と同様に、実施例10は比較例5よりも架橋ゴムの発熱性(tanδ)が低下し、破断伸びが向上した。さらに、ベルト性能においても、伝達効率(トルクロス)や耐久寿命が向上した。
参考例4および5は、実施例2に対して、ゴム組成物の調製方法を変更した例である。第1の混練工程の温度を130℃で行った(低温条件で混練を行った)参考例4では、実施例2とは異なり、比較例1に対して架橋ゴム物性が向上する効果は現れず、ベルト性能においては耐久寿命が低下した。そのため、カーボンカップリング剤およびラジカル開始剤を含む架橋系成分以外の成分を分散させるための第1の混練工程は、150℃程度の高温条件が好ましいことが確認できた。一方、全ての配合剤を一括で混練した参考例5では、粘度が上昇し、加工不可となった。架橋成分を高温で混練したため、架橋反応が進行して、粘度が上昇したと考えられる。そのため、架橋系成分の混練は、100℃程度の低温条件が好ましいことが確認できた。
本発明のゴム組成物は、各種の成形体として利用でき、特に、伝動ベルト、例えば、平ベルト;ラップドVベルト、ローエッジVベルト、ローエッジコグドVベルト、Vリブドベルトなどの摩擦伝動ベルトや、歯付ベルト、両面歯付ベルトなどの噛み合い伝動ベルトとして好ましく利用できる。

Claims (7)

  1. エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)、カーボンブラック(B)、カーボンカップリング剤(C)およびラジカル開始剤(D)を含み、架橋剤(E)を含まない第1のゴム組成物であって、
    前記カーボンカップリング剤(C)が、アミノ基およびエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、
    前記ラジカル開始剤(D)が有機過酸化物であり、かつ
    前記ラジカル開始剤(D)の割合が、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)100質量部に対して0.1質量部以上1質量部未満である第1のゴム組成物
  2. エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)のジエン含量が7質量%以下である請求項1記載の第1のゴム組成物。
  3. カーボンブラック(B)の割合が、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)100質量部に対して25~100質量部である請求項1または2記載の第1のゴム組成物。
  4. カーボンカップリング剤(C)の割合が、エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)100質量部に対して0.5~5質量部である請求項1~のいずれか一項に記載の第1のゴム組成物。
  5. エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)、カーボンブラック(B)、カーボンカップリング剤(C)およびラジカル開始剤(D)を加熱下で混練する請求項1~のいずれか一項に記載の第1のゴム組成物の製造方法。
  6. エチレン-α-オレフィンエラストマー(A)、カーボンブラック(B)、カーボンカップリング剤(C)およびラジカル開始剤(D)を加熱下で混練して請求項1または2記載の第1のゴム組成物を得る第1の混練工程、第1の混練工程で得られた第1のゴム組成物に、架橋剤(E)を添加して加熱下で混練して第2のゴム組成物を得る第2の混練工程を含むゴム組成物の製造方法。
  7. 第1の混練工程の加熱温度が150℃以上であり、かつ第2の混練工程の加熱温度が120℃以下である請求項記載の製造方法。
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