JP4667956B2 - 伝動ベルトとその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、伝動ベルトとその製造方法に関し、詳しくは、圧縮ゴム層に短繊維を配合することなく、又は圧縮ゴム層への短繊維の配合量を著しく低減し、従って、製造費用を低減しながら、走行時の発音性が小さく、しかも、高温環境下での耐屈曲疲労性にすぐれる伝動ベルトと、そのような伝動ベルトの製造方法に関する。
従来、ローエッジタイプのVベルトやVリブドベルト等、主に自動車に用いられる伝動ベルトは、耐熱性、耐油性、耐磨耗性等にすぐれる点から、ゴム成分として、クロロプレンゴムや水添ニトリルゴムとクロロスルホン化ポリエチレンとの混合物を用い、これに短繊維を配合してなるゴム配合物の加硫物から形成されている。特に、このような伝動ベルトにおいて、短繊維をベルト幅方向に配向するように圧縮ゴム層に分散させて、ベルトの耐側圧性を高め、これによって、走行時のベルトの望ましくない変形を抑えて、伝動効率を高めると共に、プーリとの接触面を形成する圧縮ゴム層の表面に短繊維を突出させて、プーリとの摩擦による走行音(発音性)を小さくするために、そのゴム成分100重量部に対して、20重量部又はこれを越える量の短繊維が配合されている。しかも、自動車の走行時の静粛性の要求の高まりを背景として、上記短繊維の配合量も増加する傾向がみられる。
例えば、圧縮ゴム層がエチレン含量60〜75重量%のエチレン−α−オレフィン−ジエンゴム100重量部に対して繊維長0.5〜3mmの短繊維を10〜30重量部配合してなるゴム配合物の加硫物からなり、上記短繊維をベルト幅方向に配向させた伝動ベルトが既に知られている(特許文献1参照)。
このように、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムに短繊維を配合したゴム配合物の加硫物から圧縮ゴム層を形成し、上記短繊維をベルト幅方向に配向させた伝動ベルトは、走行時の発音性が小さく、耐屈曲疲労性にもすぐれて、好ましいものである。
しかしながら、短繊維を分散させた圧縮ゴム層を得るには、短繊維を予め、接着処理する工程のほか、このように接着処理した短繊維を圧縮ゴム層用の未加硫ゴム配合物に均一に練り込んだ後、圧延して、圧縮ゴム層用の未加硫ゴムシートの列理方向(ベルトの長手方向)に短繊維を配向させ、この後、得られる伝動ベルトにおいて、上記短繊維がベルト幅方向に配向するように、ベルトの製造に際して、成形ドラムの周面に巻き付けた接着ゴム層用の未加硫ゴムシートの上に圧縮ゴム用の未加硫ゴムシートをその列理方向が成形ドラムの円周方向(ベルトの長手方向)と直交するように巻き付ける工程が必要である。
このように、短繊維を分散させた圧縮ゴム層を有する伝動ベルトを製造する工程は非常に煩雑であるうえに、工程数が多いことから、加工費用が嵩み、更に、短繊維も高価であるので、ベルトの製造費用が高くなるという問題がある。
特開2003−012871号公報
本発明は、圧縮ゴム層に短繊維を分散させると共に、その短繊維をベルト幅方向に配向させた従来の伝動ベルトにおける上述した問題を解決するためになされたものであって、圧縮ゴム層への短繊維の配合なしに、又は圧縮ゴム層に短繊維を配合する場合は、その配合量を著しく低減すると共に、得られる伝動ベルトにおいて、短繊維をベルト長手方向に配向させ、更に、ベルト長手方向の圧縮ゴム層の引張弾性率をaとし、ベルト幅方向の圧縮ゴム層の引張弾性率をbとするとき、0.9≦a/b≦1.2とすることによって、上述した従来の伝動ベルトの製造に比べて、製造工程を簡単化し、短縮して、製造費用を低減しながら、走行時の発音性、特に、前述したプーリとの摩擦音が少なく、しかも、高温環境下での耐屈曲疲労性にすぐれ、従って、屈曲寿命の長い伝動ベルトと、そのような伝動ベルトの製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、圧縮ゴム層と接着ゴム層とが共にエチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物の加硫物からなり、上記接着ゴム層内に心線が埋設、接着されている伝動ベルトにおいて、ベルト長手方向の圧縮ゴム層の引張弾性率をaとし、ベルト幅方向の圧縮ゴム層の引張弾性率をbとするとき、0.9≦a/b≦1.2であることを特徴とする伝動ベルトが提供される。
本発明によれば、上記圧縮ゴム層のゴム成分である上記エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムは、そのエチレン含量が55〜85重量%の範囲にあることが好ましく、60〜80重量%の範囲にあることがより好ましい。
本発明によれば、上記圧縮ゴム層は、短繊維を含むエチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物の加硫物からなってもよく、この場合には、上記エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物中の上記短繊維の含量は、上記エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム100重量部に対して5重量部以下の範囲にあることが好ましい。
本発明によれば、一つの好ましい態様として、上記圧縮ゴム層が超高分子量ポリエチレンを含むエチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物の加硫物からなり、上記エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムのエチレン含量が55重量%以上であって、60重量%よりも少なく、上記配合物中の上記超高分子量ポリエチレンの含量が上記エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム100重量部に対して1〜50重量部の範囲にある伝動ベルトが提供される。
更に、本発明によれば、円筒状の成形ドラムの外周面にゴム引き帆布と第1の接着ゴム層用未加硫エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなるシートをその長手方向が上記成形ドラムの円周方向と一致するように巻き付け、この上に心線を螺旋状にスピニングした後、第2の接着ゴム層用未加硫エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなるシートをその長手方向が上記成形ドラムの円周方向と一致するように巻き付け、この上に圧縮ゴム層用未加硫エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなるシートをその長手方向が上記成形ドラムの円周方向と一致するように巻き付けて、積層円筒体を形成し、これを加圧加熱して、上記第1と第2の接着ゴム層用未加硫ゴム配合物からなるシートと圧縮ゴム層用未加硫ゴム配合物からなるシートを加硫一体化する伝動ベルトの製造方法において、上記圧縮ゴム層用未加硫エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物のエチレン−α−オレフィン−ジエンゴムのエチレン含量が55〜85重量%の範囲にあり、好ましくは、60〜80重量%の範囲にあることを特徴とする伝動ベルトの製造方法が提供される。
本発明によれば、上記圧縮ゴム層用未加硫エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物は、上記エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム100重量部に対して短繊維を5重量部以下の範囲で含んでいてもよい。
このような伝動ベルトの製造方法において、一つの好ましい態様によれば、圧縮ゴム層用未加硫エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物が超高分子量ポリエチレンを含み、上記エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムのエチレン含量が55重量%以上であって、60重量%よりも少なく、上記配合物中の上記超高分子量ポリエチレンの含量が上記エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム100重量部に対して1〜50重量部の範囲である方法が提供される。
本発明によれば、圧縮ゴム層に短繊維を配合せずに、又は短繊維の配合量を著しく低減し、従って、製造費用を低減しながら、走行時の発音性が小さく、しかも、高温環境下での耐屈曲疲労性にすぐれる伝動ベルトを得ることができる。
本発明において、伝動ベルトは、Vリブドベルト及びVリブドベルトを含むものとする。図1は、伝動ベルトの一例であるVリブドベルトの横断面図を示し、ベルトの上面は、単層又は複数層のゴム引き帆布1にて形成されており、これに隣接して、接着ゴム層2が積層されている。この接着ゴム層には、複数の心線3が間隔を置いてベルト長手方向に延びるように埋設されている。更に、この接着ゴム層に隣接して、圧縮ゴム層4が積層されている。この圧縮ゴム層には、ベルト長手方向に延びるように相互に間隔を有するリブ5を有する。本発明によれば、上記圧縮ゴム層には、前述したように、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム100重量部に対して0〜5重量部の範囲で短繊維(図示せず)が分散されていてもよい。
本発明による伝動ベルトにおいては、圧縮ゴム層と接着ゴム層とが共にエチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物の加硫物からなり、上記接着ゴム層内に心線が埋設、接着されている。
本発明においては、上記心線として、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等を素材とする高強度で低伸度のコードよりなるものが好ましく用いられる。このような心線は、通常、接着処理を施して用いられる。この接着処理は、通常、心線をレゾルシン−ホルマリン−ラテックス(RFL)に浸漬した後、加熱乾燥して、心線の表面に均一な接着処理層を形成する。必要に応じて、この接着処理の前に、心線を多官能イソシアネートや多官能エポキシ化合物の溶液に浸漬した後、加熱乾燥する前処理を施してもよい。
本発明において、接着ゴム層と圧縮ゴム層を形成するためのゴム成分であるエチレン−α−オレフィン−ジエンゴムとしては、エチレンを除くα−オレフィンとエチレンとジエン(非共役ジエン)の共重合体からなるゴムが用いられ、上記エチレンを除くα−オレフィンとしては、好ましくは、プロピレン、ブテン、ヘキセン及びオクテンから選ばれる少なくとも1種が用いられる。なかでも、好ましいエチレン−α−オレフィン−ジエンゴムは、エチレン−プロピレン−ジエンゴムである。このようなエチレン−α−オレフィン−ジエンゴムにおいて、ジエン成分は、特に、限定されるものではないが、通常、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン又はエチリデンノルボルネン(ENB)等の非共役ジエンが適宜に用いられる。エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムにおいて、このジエン成分は、通常、0.1〜5.0重量%の範囲である。
本発明においては、接着ゴム層用のエチレン−プロピレン−ジエンゴムとしては、特に限定されるものではないが、通常、エチレン含量が50〜60重量%の範囲のものが用いられる。他方、本発明によれば、圧縮ゴム層用のエチレン−プロピレン−ジエンゴムとしては、エチレン含量が55〜85重量%の範囲にあるものが用いられ、特に、圧縮ゴム層への短繊維の配合をなくし、又は短繊維の配合量を著しく低減した伝動ベルトがその走行時、発音性が低いと共に、強度と硬度にすぐれるように、エチレン含量60〜80重量%の範囲のものが好ましく用いられる。
しかし、圧縮ゴム層用のエチレン−α−オレフィン−ジエンゴムとして、エチレン含量が55重量%以上であって、60重量%よりも少ないものを用いるときは、圧縮ゴム層用のエチレン−α−オレフィン−ジエンゴムとして、エチレン含量が60重量%以上のものを用いる場合に比べれば、得られる伝動ベルトは、発音性が尚も、比較的高い。そこで、圧縮ゴム層用のエチレン−α−オレフィン−ジエンゴムとして、エチレン含量が55重量%以上であって、60重量%よりも少ないものを用いるときは、本発明に従って、そのようなエチレン−α−オレフィン−ジエンゴム100重量部に対して、超高分子量ポリエチレンを1〜50重量部、好ましくは、5〜20重量部の範囲で用いることが好ましい。
このように、圧縮ゴム層用のエチレン−α−オレフィン−ジエンゴムとして、エチレン含量が55重量%以上であって、60重量%よりも少ないものを用いるとき、超高分子量ポリエチレンを併用することによって、得られる伝動ベルトの望ましい特性に有害な影響を与えることなく、エチレン含量が60重量%以上のエチレン−α−オレフィン−ジエンゴムを用いる場合とほぼ同等の水準にまで、得られる伝動ベルトの走行時の発音性を低下させることができる。このように、圧縮ゴム層用のエチレン−α−オレフィン−ジエンゴムとして、エチレン含量が55重量%以上であって、60重量%よりも少ないものに超高分子量ポリエチレンを併用する場合にも、エチレン−プロピレン−ジエンゴム100重量部に対して、短繊維を0〜5重量部の範囲で用いてもよい。ここに、超高分子量ポリエチレンとは、既によく知られているように、重量平均分子量が100〜500万程度のポリエチレンである。
しかし、超高分子量ポリエチレンの配合量がエチレン−α−オレフィン−ジエンゴム100重量部に対して50重量部を越えるときは、そのような割合で超高分子量ポリエチレンを含むエチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物は、これを圧延(シーティング)すれば、得られるシートの表面の平滑性が悪くなるおそれがあるほか、そのようなエチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物から得られる圧縮ゴム層を有する伝動ベルトは耐屈曲疲労性に劣るものである。
本発明においては、エチレン−プロピレン−ジエンゴムの加硫剤として、有機パーオキサイド(有機過酸化物)が好ましく用いられ、必要に応じて、共架橋剤が用いられる。この有機パーオキサイドとしては、例えば、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ジブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等を挙げることができる。このような有機パーオキサイドは、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム100重量部に対して、通常、1〜10重量部の範囲で用いられ、好ましくは、1.5〜5重量部の範囲で用いられる。
また、上記共架橋剤としては、TAC、1,2−ポリブタジエン、不飽和カルボン酸金属塩、オキシム類、グアニジン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、N,N−m−フェニレンビスマレイミド、硫黄等が用いられる。共架橋剤の使用量は、共架橋剤の種類にもよるので,一概に定めることはできないが、例えば、N,N−m−フェニレンビスマレイミドであれば、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム100重量部に対して、通常、0.2〜10重量部の範囲で用いられ、他方、硫黄の場合であれば、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム100重量部に対して、通常、0.01〜1重量部の範囲で用いられる。
本発明においては、加硫剤として硫黄も用いられる。この場合において、硫黄は、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム100重量部に対して、通常、1.5〜10重量部の範囲で用いられる。必要に応じて、加硫促進剤がエチレン−α−オレフィン−ジエンゴム100重量部に対して、1.5〜10重量部の範囲で用いられる。
短繊維としては、ナイロン6、ナイロン66、ポリエステル、綿、アラミド等からなるものが用いられる。このような短繊維は、通常、繊維径が10〜100μm、好ましくは、20〜60μmの範囲にあり、繊維長が0.1〜5mm、好ましくは、0.5〜3mmである。本発明によれば、前述したように、圧縮ゴム層に短繊維を配合してもよく、この場合には、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム100重量部に対して、5重量部以下の範囲で用いられる。
圧縮ゴム層への短繊維の配合量がエチレン−α−オレフィン−ジエンゴム100重量部に対して5重量部を越えると共に、短繊維がベルト長手方向に配向せしめられているときは、得られる伝動ベルトにおいて、短繊維とゴムの弾性率が大幅に相違するので、ベルトの走行時、曲げ応力がベルトに加わるときに、短繊維とゴムの界面に応力が集中し、亀裂の起点となり、生じた亀裂が速やかに成長し、かくして、圧縮ゴム層に割れが生じるので、耐屈曲疲労性に劣り、得られる伝動ベルトは屈曲寿命が短い。
圧縮ゴム層に短繊維をベルト長手方向に配向、分散させてなる伝動ベルトにおいて、圧縮ゴム層へのこの短繊維の配合量は、得られる伝動ベルトの長手方向の圧縮ゴム層の引張弾性率をaとし、ベルト幅方向の圧縮ゴム層の引張弾性率をbとするとき、a/b比と相関しており、このa/b比は、得られる伝動ベルトの高温環境下での耐屈曲疲労性と相関している。即ち、本発明によれば、圧縮ゴム層への短繊維の配合量が増えるに従って、上記a/b比も大きくなり、ここに、このa/b比が所定の範囲にあるとき、即ち、0.9≦a/b≦1.2であるとき、得られる伝動ベルトは、発音性が低いと共に、耐屈曲疲労性にすぐれており、従って、長い屈曲寿命を有し、他方、a/b比が1.2を越えれば、圧縮ゴム層のベルト長手方向の引張弾性率がベルト幅方向の引張弾性率よりも著しく大きくなり、伝動ベルトが高温環境下での耐屈曲疲労性に劣ることとなる。
特に、本発明によれば、圧縮ゴム層がエチレン含量が60〜80重量%の範囲にあるエチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物の加硫物からなり、圧縮ゴム層に短繊維が配合されておらず、0.95≦a/b≦1.15であるとき、得られる伝動ベルトは、走行時、発音性が低いのみならず、圧縮ゴム層に短繊維を配合し、短繊維をベルト幅方向に配向させてなる従来の伝動ベルトよりも、一層、高温環境下での耐屈曲疲労性にすぐれ、従って、従来の伝動ベルトよりも、一層、長い屈曲寿命を有する。
本発明によれば、接着ゴム層と圧縮ゴム層のための未加硫ゴム配合物からなる未加硫ゴムシートはいずれも、上述したようなエチレン−α−オレフィン−ジエンゴムに加硫剤のほか、必要に応じて、カーボンブラック、加硫促進剤、促進活性剤、軟化剤、老化防止剤等、通常の薬剤と、圧縮ゴム層のためのゴム配合物の場合には、必要に応じて、短繊維を混合して、ゴム配合物を調製し、これを適宜の混練手段、例えば、バンバリーミキサーにて混練した後、カレンダーロールで所要の厚みに圧延(シーティング)して得ることができる。
本発明において、圧縮ゴム層用未加硫ゴム配合物からなる未加硫ゴムシートが短繊維を含んでいるとき、上述したように、短繊維はその未加硫ゴム配合物の圧延方向、従って、得られる未加硫ゴムシートの長手方向に配向しており、この未加硫ゴムシートの長手方向は、得られる伝動ベルトの長手方向と同じである。即ち、本発明による伝動ベルトにおいて、圧縮ゴム層が短繊維を含んでいるとき、その短繊維は、ベルトの長手方向に配合している。
本発明による伝動ベルトは、上述したような圧縮ゴム層用未加硫ゴム配合物からなるシートを用いて、以下のようにして、得ることができる。即ち、表面が平滑な円筒状の成形ドラムの表面にゴム引き帆布と心線を埋設した接着ゴム層用未加硫エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなるゴムシートを巻き付けた後、この上に上記圧縮ゴム層用未加硫エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなるゴムシートをその長手(圧延)方向が上記成形ドラムの円周方向と一致するように巻き付けて、これら接着ゴム層と圧縮ゴム層用の未加硫ゴムシートを一体に加硫接着することによって、伝動ベルトを得ることができる。
より詳細には、例えば、Vリブドベルトに例をとれば、上述したような円筒状の成形ドラムの周面に1枚又は複数枚のゴム引き帆布を巻き付け、この上に第1の接着ゴム層用未加硫エチレン−プロピレン−ジエンゴム配合物からなるシートをその長手(圧延)方向が上記成形ドラムの円周方向と一致するように巻き付けた後、この上に心線を螺旋状にスピニングし、更に、その上に第2の接着ゴム層用未加硫エチレン−プロピレン−ジエンゴム配合物からなるシートをその長手(圧延)方向が上記成形ドラムの円周方向と一致するように巻き付けた後、圧縮ゴム層用未加硫エチレン−プロピレン−ジエンゴム配合物からなるシートをその長手(圧延)方向が上記成形ドラムの円周方向と一致するように巻き付けて積層体とし、これを加硫缶中にて加熱加圧し、加硫して、環状物を得る。
次に、この環状物を駆動ロールと従動ロールとの間に掛け渡して、所定の張力の下で走行させながら、これに研削ホイールにて表面に複数のリブを形成する。この後、この環状物を更に別の駆動ロールと従動ロールとの間に掛け渡して走行させながら、所定の幅に裁断すれば、製品としてのVリブドベルトを得ることができる。
これに対して、従来の短繊維を配合した未加硫ゴム配合物からなるシートを用いて圧縮ゴム層を形成する場合には、上記未加硫ゴム配合物からなる未加硫ゴムシートは、その圧延(長手)方向に強い列理を有し、前述したように、圧縮ゴム層において短繊維がベルトの幅方向に配向するように、円筒状の成形ドラムの表面にゴム引き帆布と心線を埋設した接着ゴム層用ゴムシートを巻き付けた後、この上に圧縮ゴム層用ゴムシートをその列理(圧延)方向が成形ドラムの円周方向と直交するように巻き付けて、圧縮ゴム層を形成することが必要である。
このように、本発明による伝動ベルトは、その製造において、従来の圧縮ゴム層に短繊維を分散させた伝動ベルトの製造の場合と異なり、圧縮ゴム層用未加硫ゴムシートをその長手(圧延又は列理)方向と直交する方向に巻き付ける必要がない。
前述したように、本発明においては、圧縮ゴム層用未加硫ゴム配合物からなるシートが短繊維を含んでいるとしても、その配合量は限られているので、そのような圧縮ゴム層用未加硫ゴム配合物からなるシートを用いて得られる本発明による伝動ベルトにおいては、圧縮ゴム層のベルトの長手方向と幅方向との間の引張特性の差は小さい。
ここで、本発明によれば、圧縮ゴム層に短繊維を配合せず、又は圧縮ゴム層に短繊維を配合する場合は、その配合量を前述したように限られた範囲とすると共に、圧縮ゴム層において、短繊維をベルト長手方向に配向させ、更に、伝動ベルトの長手方向の圧縮ゴム層の引張弾性率をaとし、ベルト幅方向の圧縮ゴム層の引張弾性率をbとするとき、0.9≦a/b≦1.2とすることによって、ベルト走行時の発音性を低くすることができると共に、高温環境下での耐屈曲疲労性を向上させることができる。本発明においては、伝動ベルトの長手方向の圧縮ゴム層の引張弾性率aは、通常、20〜100MPaの範囲であり、好ましくは、30〜60MPaの範囲である。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。以下の各実施例及び比較例においては、接着ゴム層用未加硫エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなるシートは、下記ゴム配合物をカレンダーロールにてシートに圧延したものを用いた。
(接着ゴム層用未加硫ゴム配合物)
エチレン−プロピレン−ジエンゴム(エチレン含量56重量%) 100 重量部
HAFカーボン 50 重量部
シリカ 20 重量部
パラフィン油 20 重量部
加硫剤(オイル硫黄) 3 重量部
加硫促進剤DM 1.4重量部
加硫促進剤EZ 0.6重量部
加硫促進剤TT 0.6重量部
加硫助剤(ステアリン酸) 1 重量部
加硫助剤(酸化亜鉛) 5 重量部
老化防止剤224 2 重量部
老化防止剤MB 1 重量部
粘着付与剤(石油樹脂) 5 重量部
(圧縮ゴム層用未加硫ゴム配合物)
実施例及び比較例のそれぞれにおいて、圧縮ゴム層用未加硫エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなるシートはいずれも、それぞれ表1に示すゴム配合物をカレンダーロールにてシートに圧延したものである。
(RFLの調製)
レゾルシン7.31重量部とホルマリン(37重量%濃度)10.77重量部を混合、攪拌し、これに水酸化ナトリウム水溶液(固形分0.33重量部)を加えて、混合、攪拌した。これに水160.91重量部を加え、5時間熟成して、固形分濃度6.40重量%のレゾルシン・ホルマリン樹脂(レゾルシン・ホルマリン初期縮合物、RF)水溶液を得た。このRF水溶液にクロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)ラテックスを加え、12時間熟成して、レゾルシン・ホルマリン・ラテックス(RFL)を得た。
(アラミド心線の接着処理)
アラミド心線として、アラミドフィラメントを下撚りしてストランドとし、これを上撚りしてなるアラミド心線(1000de/1×3、上撚係数859.9、下撚係数863.3)を用いた。このアラミド心線をイソシアネート(ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート)のトルエン溶液(イソシアネート固形分16重量%)に浸漬した後、250℃で40秒間加熱乾燥して、前処理を施した。
次に、このように前処理したアラミド心線を、最初のRFL処理として、上記RFLに浸漬し、250℃で80秒間加熱乾燥させ、次に、2回目のRFL処理として、上記RFLに浸漬し、250℃で80秒間加熱乾燥させた。この後、このようにRFL処理したアラミド心線を前記接着ゴム層用エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物をトルエンに溶解してなる接着溶液(ゴム糊)に浸漬した後、60℃で40秒間加熱乾燥して、接着処理を施した。
実施例1
(圧縮ゴム層の引張弾性率の測定)
表1に示す圧縮ゴム層用未加硫エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物を混練し、カレンダーロールにて圧延して、厚み0.6mmのシートとし、このシートを2枚重ねて温度160℃で25分間、加熱加圧し、加硫して、厚み1mmの加硫ゴムシートを得た。この加硫ゴムシートからJIS K 6301の加硫ゴムに関する試験法に従ってダンベルA型の試料を打抜き、この試料について粘弾性試験機(レオロジー社製FTレオスペクトラー)を用いて、動的歪み1.0%、周波数10Hzで荷重を加えて測定した。上記加硫ゴムシートの長手方向(ベルト長手方向)の引張弾性率をaとし、加硫ゴムシートの幅方向(ベルト幅方向、上記長手方向と直交する方向)の引張弾性率をbとして、上記加硫ゴムシートの長手方向(ベルト長手方向)の引張弾性率aと共に、a/bの値を表1に示す。
(Vリブドベルトの製造)
前述したように、表面が滑らかな円筒状の成形ドラムの周囲にゴム引き帆布と表1の接着ゴム層用未加硫エチレン−プロピレン−ジエンゴム配合物からなるシートを巻き付けた後、この上に上記接着処理した前記アラミド心線を螺旋状にスピニングし、更に、その上に上記と同じ第2の接着ゴム層用未加硫エチレン−プロピレン−ジエンゴム配合物からなるシートを巻き付けた。
次いで、この上に圧縮ゴム層用未加硫エチレン−プロピレン−ジエンゴム配合物からなるシートをその長手方向が成形ドラムの円周方向と一致するように巻き付けて、積層体を形成した後、これを加硫缶中にて内圧6kgf/cm2、外圧6kgf/cm2、温度165℃で35分間、加圧加熱し、蒸気加硫して、環状の加硫物を得た。この環状の加硫物を前述したように加工して、接着ゴム層に上記心線が埋設されており、この接着ゴム層の上面に帆布が接着されていると共に、接着ゴム層の下面に3つのリブが形成された圧縮ゴム層を有する周長1000mmのVリブドベルトを得た。
得られたVリブドベルトの性能を下記のようにして評価した。各性能評価において、ベルトに対応したVリブ溝を有する材質S45Cのプーリを用いた。
(走行時の発音性の測定)
図2に示すように、それぞれ直径120mmの駆動プーリ11と従動プーリ12に上記Vリブドベルト13を巻き掛けると共に、中間にベルト走行方向がほぼ直角に変化するように直径70mmのアイドラープーリ14と直径50mmのテンションプーリ15を配設し、上記アイドラープーリの近傍にVリブドベルトの内側に騒音計16を配設した。このようなベルト走行試験装置を用い、上記テンションプーリに水平方向にセット荷重979Nを与え、従動プーリに加える負荷はなしとして、駆動プーリを4900rpmで駆動して、ベルトを300時間走行させたときの音圧(dB)を測定して、走行時の発音性を調べた。結果を表1に示す。上記実験条件下においては、音圧が80dB以下であるとき、実際の走行時の発音性が低いということができる。75dB以下であれば、一層、好ましい。
(ベルトの高温走行時の屈曲寿命の測定)
前述した図2に示すベルト走行試験装置を用いて、雰囲気温度120℃において、テンションプーリ15に水平方向にセット荷重979Nを与えると共に、従動プーリ12に4900rpmにて2kW/リブの負荷がかかるようにして走行させ、一定時間ごとに走行を停止し、ベルトのリブ表面を調べて、割れが目視で認められるまでの走行時間を屈曲寿命とした。結果を表1に示す。
実施例2〜7
表1中の実施例2〜7に示す圧縮ゴム層用未加硫エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、加硫ゴムシートを得、その引張弾性率を測定すると共に、実施例1と同様にして、Vリブドベルトを製造して、走行時の発音性とベルトの屈曲寿命を測定した。結果を表1に示す。
比較例1及び2
表1中の比較例1及び2に示す圧縮ゴム層用未加硫エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物をそれぞれ用いた以外は、実施例1と同様にして、それぞれ加硫ゴムシートを得、それらの引張弾性率を測定すると共に、実施例1と同様にして、それぞれVリブドベルトを製造して、それらについて、走行時の発音性と屈曲寿命を測定した。結果を表1に示す。
比較例3
実施例1と同様にして、表面が滑らかな円筒状の成形ドラムの周囲にゴム引き帆布と第1の接着ゴム層用未加硫エチレン−プロピレン−ジエンゴム配合物からなるシートを巻き付けた後、この上に上記接着処理した前記アラミド心線を螺旋状にスピニングし、更に、その上に上記と同じ第2の接着ゴム層用未加硫エチレン−プロピレン−ジエンゴム配合物からなるシートを巻き付けた。
次いで、この上に表1中の比較例3に示す圧縮ゴム層用未加硫エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなるシートをその長手方向が成形ドラムの円周方向と直交するように巻き付けて、積層体を形成した後、これを加硫缶中にて内圧6kgf/cm2、外圧6kgf/cm2、温度165℃で35分間、加圧加熱し、パーオキサイド加硫して、環状の加硫物を得た。以下、実施例1と同様にして、Vリブドベルトを製造して、実施例1と同様にして、走行時の発音性とベルトの屈曲寿命を測定した。
また、表1中の比較例3に示す圧縮ゴム層用未加硫エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物を混練し、カレンダーロールにて圧延して、厚み0.6mmのシートとし、このシート2枚を温度160℃で25分間、加熱加圧し、パーオキサイド加硫して、厚み1mmの加硫ゴムシートを得た。この加硫ゴムシートについて、実施例1と同様にして、その列理方向(ベルト長手方向)の引張弾性率をaとし、加硫ゴムシートの幅方向(ベルト幅方向、上記列理方向と直交する方向)の引張弾性率をbとして、上記加硫ゴムシートの長手方向(ベルト長手方向)の引張弾性率aと共に、a/bの値を表1に示す。
Figure 0004667956
表1に示す結果から明らかなように、本発明によれば、圧縮ゴム層に短繊維を配合することなしに、又は圧縮ゴム層に短繊維を配合する場合には、その配合量をゴム成分100重量部に対して5重量部以下とすると共に、得られる伝動ベルトにおいて、その短繊維をベルト長手方向に配向させることによって、走行時の発音性を、短繊維をベルト幅方向に配向させて分散させた従来の伝動ベルト(比較例3)とほぼ同等の水準にすることができる。
そのうえ、本発明による伝動ベルトは、高温環境下での耐屈曲疲労性にもすぐれており、好ましい態様(実施例1〜3)よれば、上記従来の伝動ベルトに比べて、耐屈曲疲労性が一層、改善されており、従って、従来の伝動ベルトよりも、一層、長い屈曲寿命を有する。しかし、圧縮ゴム層への短繊維の配合量をゴム成分100重量部に対して5重量部を越える量とし、ベルト長手方向に配向させた伝動ベルト(比較例1及び2)はいずれも、a/bの値が1.2を越えており、高温環境下での屈曲寿命が短い。
更に、本発明による伝動ベルトは、上述したように、圧縮ゴム層に短繊維を配合することなしに製造することができ、又は圧縮ゴム層に短繊維を配合する場合には、得られる伝動ベルトにおいて、ベルト長手方向に配向させるから、従来の短繊維をベルト幅方向に配向させる場合と相違し、製造工程を簡単化し、工程数を減らして、低廉に製造することができる。
Vリブドベルトの一例の横断面図である。 ベルト走行時の発音性と高温走行時の屈曲寿命を調べるためのベルト走行試験機を示す図である。
符号の説明
1…ゴム引き帆布
2…接着ゴム層
3…心線
4…圧縮ゴム層
5…リブ

Claims (9)

  1. 圧縮ゴム層と接着ゴム層とが共にエチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物の加硫物からなり、上記圧縮ゴム層には短繊維を配合せず、又は圧縮ゴム層には圧縮ゴム層を構成するエチレン−α−オレフィン−ジエンゴム100重量部に対して短繊維を5重量部以下の範囲にて配合すると共に、圧縮ゴム層において短繊維をベルト長手方向に配向させ、上記接着ゴム層内に心線が埋設、接着されている伝動ベルトであって、ベルト長手方向の圧縮ゴム層の引張弾性率をaとし、ベルト幅方向の圧縮ゴム層の引張弾性率をbとするとき、0.9≦a/b≦1.2であることを特徴とする伝動ベルト。
  2. 圧縮ゴム層がエチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物の加硫物からなり、上記エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムのエチレン含量が55〜85重量%の範囲にある請求項1に記載の伝動ベルト。
  3. エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムのエチレン含量が60〜80重量%の範囲にある請求項1に記載の伝動ベルト。
  4. 圧縮ゴム層が超高分子量ポリエチレンを含むエチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物の加硫物からなり、上記エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムのエチレン含量が55重量%以上であって、60重量%よりも少なく、上記配合物中の上記超高分子量ポリエチレンの含量が上記エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム100重量部に対して1〜50重量部の範囲である請求項2に記載の伝動ベルト。
  5. 請求項1からのいずれかに記載のVリブドベルト。
  6. 圧縮ゴム層と接着ゴム層とが共にエチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物の加硫物からなり、上記エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムのエチレン含量が55〜85重量%の範囲にあり、上記圧縮ゴム層には短繊維を配合せず、又は圧縮ゴム層には圧縮ゴム層を構成するエチレン−α−オレフィン−ジエンゴム100重量部に対して短繊維を5重量部以下の範囲にて配合すると共に、圧縮ゴム層において短繊維をベルト長手方向に配向させ、上記接着ゴム層内に心線が埋設、接着されている伝動ベルトの製造方法であって、円筒状の成形ドラムの外周面にゴム引き帆布を巻き付け、この上に第1の接着ゴム層用未加硫エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなるシートをその長手方向が上記成形ドラムの円周方向と一致するように巻き付け、この上に心線を螺旋状にスピニングした後、第2の接着ゴム層用未加硫エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなるシートをその長手方向が上記成形ドラムの円周方向と一致するように巻き付け、次いで、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム100重量部に対して5重量部以下の範囲で短繊維が圧延方向に配向して分散されている圧縮ゴム層用未加硫エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなるシートを上記第2の接着ゴム層用未加硫エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物からなるシートの上にその長手方向が上記成形ドラムの円周方向と一致するように巻き付けて、積層円筒体を形成し、これを加圧加熱して、上記第1と第2の接着ゴム層用未加硫ゴム配合物からなるシートと圧縮ゴム層用未加硫ゴム配合物からなるシートを加硫一体化することを特徴とする伝動ベルトの製造方法
  7. 圧縮ゴム層用未加硫エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物におけるエチレン−α−オレフィン−ジエンゴムのエチレン含量が60〜80重量%の範囲にある請求項6に記載の伝動ベルトの製造方法。
  8. 圧縮ゴム層用未加硫エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム配合物が超高分子量ポリエチレンを含み、上記エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムのエチレン含量が55重量%以上であって、60重量%よりも少なく、上記配合物中の上記超高分子量ポリエチレンの含量が上記エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム100重量部に対して1〜50重量部の範囲である請求項6に記載の伝動ベルトの製造方法。
  9. 請求項6から8のいずれかに記載のVリブドベルトの製造方法。

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