1 第1実施形態
1.1 昇降圧チョッパ回路
図1は、本発明の例示的な第1実施形態の昇降圧チョッパ回路を図示する回路図である。
図1に図示される第1実施形態の昇降圧チョッパ回路1には、直流が入力される。昇降圧チョッパ回路1からは、直流が出力される。出力される直流の電圧は、入力される直流の電圧より高い場合もあるし、入力される直流の電圧と同じ場合もあるし、入力される直流の電圧より低い場合もある。また、出力される直流の極性は、入力される直流の極性から反転している。このため、昇降圧チョッパ回路1は、反転型チョッパ回路とも呼ばれる。
昇降圧チョッパ回路1は、第1の直流入力端子11、第2の直流入力端子12、スイッチング素子13、第1のコイル14、第2のコイル15、逆流防止ダイオード16、第1の直流出力端子17及び第2の直流出力端子18を備える。
スイッチング素子13及び第1のコイル14は、互いに電気的に直列に接続され、素子群31を構成する。このため、昇降圧チョッパ回路1は、スイッチング素子13及び第1のコイル14を備える素子群31を備える。
第1の直流入力端子11には、直流源51の第1の極51aが電気的に接続される。第2の直流入力端子12には、直流源51の第2の極51bが電気的に接続される。これにより、第1の直流入力端子11と第2の直流入力端子12との間には、直流が入力される。
図1に図示される昇降圧チョッパ回路1においては、第1の直流入力端子11は、正極の直流入力端子である。また、第2の直流入力端子12は、負極の直流入力端子である。また、第1の極51aは、正極である。また、第2の極51bは、負極である。
スイッチング素子13は、第1のスイッチング素子端子13a及び第2のスイッチング素子端子13bを備える。
スイッチング素子13は、第1のスイッチング素子端子13aと第2のスイッチング素子端子13bとの間が導通する状態と、第1のスイッチング素子端子13aと第2のスイッチング素子端子13bとの間が導通しない状態と、を切り替える。
図1に図示される昇降圧チョッパ回路1においては、スイッチング素子13は、Nチャネル金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)である。また、第1のスイッチング素子端子13aは、ソースである。また、第2のスイッチング素子端子13bは、ドレインである。スイッチング素子13が、NチャネルMOSFET以外のスイッチング素子であってもよい。例えば、スイッチング素子13が、PチャネルMOSFET、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)等であってもよい。
第1のコイル14は、第1のコイル端子14a及び第2のコイル端子14bを備える。
第1のコイル端子14aは、第1のスイッチング素子端子13aに電気的に接続される。これにより、スイッチング素子13及び第1のコイル14が互いに電気的に直列に接続される。
第2のスイッチング素子端子13b及び第2のコイル端子14bの一方の端子31aは、第1の直流入力端子11に電気的に接続される。
図1に図示される昇降圧チョッパ回路1においては、第1の直流入力端子11に電気的に接続される一方の端子31aは、第2のスイッチング素子端子13bである。
第2のコイル15は、第1のコイル14に磁気結合される。
第1のコイル14及び第2のコイル15は、第1のコイル14及び第2のコイル15に備えられる巻線が共通のコアに巻かれることにより、互いに磁気結合される。このため、第1のコイル14及び第2のコイル15は、単一の部品を構成する。このため、昇降圧チョッパ回路1が第1のコイル14及び第2のコイル15を備えることにより昇降圧チョッパ回路1を構成する部品の点数が増加することは回避することができる。第1のコイル14及び第2のコイル15に備えられる巻線は、連続しないふたつの巻線であってもよいし、連続する巻線を構成するふたつの部分であってもよい。第1のコイル14及び第2のコイル15に備えられる巻線が連続する巻線を構成するふたつの部分である場合は、連続する巻線にタップが設けられる。
第2のコイル15は、第3のコイル端子15a及び第4のコイル端子15bを備える。
第3のコイル端子15aは、第2のスイッチング素子端子13b及び第2のコイル端子14bの他方の端子31bに電気的に接続される。
図1に図示される昇降圧チョッパ回路1においては、第3のコイル端子15aに電気的に接続される他方の端子31bは、第2のコイル端子14bである。
第3のコイル端子15aは、第1のコイル端子14a及び第2のコイル端子14bのうちの第1の直流入力端子11寄りにあるコイル端子14iの極性と同じ極性を有する。
図1に図示される昇降圧チョッパ回路1においては、第1のコイル端子14a及び第2のコイル端子14bのうちの第1の直流入力端子11寄りにあるコイル端子14iは、第1のコイル端子14aである。
第4のコイル端子15bは、第2の直流入力端子12に電気的に接続される。
直流源51、スイッチング素子13、第1のコイル14及び第2のコイル15は、ループ状に電気的に直列に接続される。このため、第1のスイッチング素子端子13aと第2のスイッチング素子端子13bとの間が導通する状態となった場合は、直流源51、スイッチング素子13、第1のコイル14及び第2のコイル15を通る閉回路が形成される。
逆流防止ダイオード16は、第1のダイオード端子16a及び第2のダイオード端子16bを備える。
第1のダイオード端子16aは、第3のコイル端子15aに電気的に接続される。
図1に図示される昇降圧チョッパ回路1においては、第1のダイオード端子16aは、カソードである。また、第2のダイオード端子16bは、アノードである。
第1の直流出力端子17は、第1の直流入力端子11の極性と同じ極性を有する。第1の直流出力端子17は、第4のコイル端子15bに電気的に接続される。
第2の直流出力端子18は、第2の直流入力端子12の極性と同じ極性を有する。第2の直流出力端子18は、第2のダイオード端子16bに電気的に接続される。
図1に図示される昇降圧チョッパ回路1においては、第1の直流出力端子17は、正極の直流出力端子である。また、第2の直流出力端子18は、負極の直流出力端子である。
第1の直流出力端子17及び第2の直流出力端子18に電気的に接続される負荷、逆流防止ダイオード16、並びに第2のコイル15は、ループ状に電気的に直列に接続される。このため、第1のスイッチング素子端子13aと第2のスイッチング素子端子13bとの間が導通しない状態となった場合は、負荷、逆流防止ダイオード16及び第2のコイル15を通る閉回路が形成される。
昇降圧チョッパ回路1は、駆動回路19をさらに備える。
駆動回路19は、駆動信号をスイッチング素子13に入力してスイッチング素子13をパルス幅変調(PWM)駆動する。スイッチング素子13は、入力された駆動信号にしたがって、第1のスイッチング素子端子13aと第2のスイッチング素子端子13bとの間が導通する状態と、第1のスイッチング素子端子13aと第2のスイッチング素子端子13bとの間が導通しない状態と、を切り替える。
昇降圧チョッパ回路1は、コンデンサ20をさらに備える。
コンデンサ20は、第1のコンデンサ端子20a及び第2のコンデンサ端子20bを備える。
第1のコンデンサ端子20aは、第1の直流出力端子17に電気的に接続される。第2のコンデンサ端子20bは、第2の直流出力端子18に電気的に接続される。
これにより、第1の直流出力端子17と第2の直流出力端子18との間から出力される直流が平滑される。
1.2 昇降圧チョッパ回路の動作
上述したように、第1のスイッチング素子端子13aと第2のスイッチング素子端子13bとの間が導通する状態となった場合は、直流源51、スイッチング素子13、第1のコイル14及び第2のコイル15を通る閉回路が形成される。これにより、スイッチング素子13、第1のコイル14及び第2のコイル15を経由して電流I1が流れる。その結果として、第1のコイル14及び第2のコイル15にエネルギーが蓄積される。
また、上述したように、第1のスイッチング素子端子13aと第2のスイッチング素子端子13bとの間が導通しない状態となった場合は、負荷、逆流防止ダイオード16及び第2のコイル15を通る閉回路が形成される。これにより、第1のコイル14及び第2のコイル15に蓄積されたエネルギーが放出される。その結果として、逆流防止ダイオード16及び第2のコイル15を経由して電流I2が流れる。逆流防止ダイオード16の向きは、電流I2が順方向電流となる向きである。
これらにより、昇降圧チョッパ回路1は、第1の直流出力端子17と第2の直流出力端子18との間から直流を出力する。
1.3 第1のコイル及び第2のコイルに流れる電流
図2は、本発明の例示的な第1実施形態の昇降圧チョッパ回路の一部を図示する回路図である。
上述したように、第2のコイル15は、第1のコイル14に磁気結合される。このため、第1のコイル14及び第2のコイル15は、トランスを構成する。また、第3のコイル端子15aは、第1のコイル端子14aの極性と同じ極性を有する。このため、図2に図示されるように、第1のスイッチング素子端子13aと第2のスイッチング素子端子13bとの間が導通する状態となって第1のコイル端子14aから第2のコイル端子14bに向かう電流Iaが第1のコイル14に流れた場合は、第4のコイル端子15bから第3のコイル端子15aに向かう誘導電流成分Ibが第2のコイル15に流れようとする。
一方で、上述したように、第1のスイッチング素子端子13aと第2のスイッチング素子端子13bとの間が導通する状態となった場合は、直流源51、スイッチング素子13、第1のコイル14及び第2のコイル15を通る閉回路が形成される。このため、第1のスイッチング素子端子13aと第2のスイッチング素子端子13bとの間が導通する状態となって電流Iaが第1のコイル14に流れた場合は、電流Iaの大きさと同じ大きさを有し第3のコイル端子15aから第4のコイル端子15bに向かう電流が第2のコイル15に流れなければならない。このため、第1のスイッチング素子端子13aと第2のスイッチング素子端子13bとの間が導通する状態となって電流Iaが第1のコイル14に流れた場合は、誘導電流成分Ibより大きく第3のコイル端子15aから第4のコイル端子15bに向かう励磁電流成分Icが第2のコイル15に流れる。
そして、第1のスイッチング素子端子13aと第2のスイッチング素子端子13bとの間が導通しない状態になって電流Iaが第1のコイル14に流れなくなった場合は、誘導電流成分Ibが第2のコイル15に流れなくなり、励磁電流成分Icのみが第2のコイル15に流れる。したがって、第1のスイッチング素子端子13aと第2のスイッチング素子端子13bとの間が導通しない状態になった場合に第1の直流出力端子17から流れ出る電流は、励磁電流成分Icに相当する電流である。
これらにより、第1のコイル14に流れる電流Iaすなわちスイッチング素子13に流れる電流Iaを大きくすることなく、第1の直流出力端子17から流れ出る励磁電流成分Icを大きくすることができる。
1.4 第1のコイルの有無による違い
図12は、参考例の昇降圧チョッパ回路を図示する回路図である。
図12に図示される参考例の昇降圧チョッパ回路9は、図1に図示される第1実施形態の昇降圧チョッパ回路1から第1のコイル14を削除した昇降圧チョッパ回路である。
図12に図示される昇降圧チョッパ回路9においては、第2のコイル15のインダクタンスをLとし、PWM駆動の周期をTとし、PWM駆動のオン期間の長さをTonとし、PWM駆動のオン期間の全体における第2のコイル15に流れる電流の増加量をΔIとした場合は、入力される直流の電圧Vinは、式(1)により表される。
Vin=L・ΔI/Ton・・・(1)
また、昇降圧チョッパ回路9が定常動作を行っている間は、PWM駆動のオフ期間の全体における第2のコイル15に流れる電流の減少量もΔIとなるから、出力される直流の電圧Voutは、式(2)により表される。
Vout=L・ΔI/(T-Ton)・・・(2)
式(1)及び式(2)からは、降圧比率Vin/Voutは、式(3)により表される。
Vin/Vout=(T-Ton)/Ton・・・(3)
また、PWM駆動のデューティー比Ton/Tは、式(4)により表される。
Ton/T=Vout/(Vin+Vout)・・・(4)
式(3)及び式(4)からは、図12に図示される昇降圧チョッパ回路9においては、降圧比率Vin/Voutが10である場合は、PWM駆動のデューティー比Ton/Tが約9.1%であることを理解することができる。
図12に図示される昇降圧チョッパ回路9においては、スイッチング素子13に流れる電流が流れるコイルと、第1の直流出力端子17から流れ出る電流が流れるコイルと、が完全に一致する。このため、降圧比率Vin/Voutが大きい場合に、スイッチング素子13に流れる電流の大きさが大きくなる。このため、スイッチング素子13による導通損が増加する。また、スイッチング素子13の電流容量を大きくしなければならない。その結果として、スイッチング素子13のコストが高くなる。降圧比率Vin/Voutが大きい場合にスイッチング素子13に流れる電流の大きさが大きくなるのは、降圧比率Vin/Voutが大きい場合は、出力される直流が低電圧大電流となるからである。
図1に図示される昇降圧チョッパ回路1においては、専ら励磁電流成分に着目し、第2のコイル15のインダクタンスをLとし、PWM駆動の周期をTとし、PWM駆動のオン期間の長さをTonとし、PWM駆動のオン期間の全体における第2のコイル15に流れる電流の増加量をΔIとし、第1のコイル14の巻線数をmとし、第2のコイル15の巻線数をnとした場合は、PWM駆動のオン期間に第2のコイル15に印加される電圧Vin・n/(m+n)は、式(5)により表される。
Vin・n/(m+n)=L・ΔI/Ton・・・(5)
また、出力される直流の電圧Voutは、式(2)と同様に、式(6)により表される。
Vout=L・ΔI/(T-Ton)・・・(6)
式(5)及び式(6)からは、降圧比率Vin/Voutは、式(7)により表される。
Vin/Vout=(T-Ton)/Ton×(m+n)/n・・・(7)
また、PWM駆動のデューティー比Ton/Tは、式(8)により表される。
Ton/T=Vout/{Vin・n/(m+n)+Vout}・・・(8)
式(7)及び式(8)からは、図1に図示される昇降圧チョッパ回路1においては、降圧比率Vin/Voutが10でありm=nである場合は、PWM駆動のデューティー比Ton/Tが約16.7%であることを理解することができる。
式(8)の右辺の分母Vin・n/(m+n)+Voutは、式(4)の右辺の分母Vin+Voutより小さい。このことは、図1に図示される昇降圧チョッパ回路1におけるPWM駆動のデューティー比Ton/Tは、図12に図示される昇降圧チョッパ回路9におけるそれよりも大きいことを意味する。
図12に図示される昇降圧チョッパ回路9、及び図1に図示される昇降圧チョッパ回路1のいずれにおいても、スイッチング素子13に流れる電流をIswとし、PWM駆動のデューティー比をdutyとした場合は、変換される電力Pは、式(9)により表される。
P=Vin×Isw×duty・・・(9)
式(9)からは、変換される電力P、入力される直流の電圧Vin及び出力される直流の電圧Voutが一定である場合は、PWM駆動のデューティー比dutyが大きくなるほどスイッチング素子13に流れる電流Iswが小さくなることを理解することができる。したがって、式(9)からは、PWM駆動のデューティー比dutyが大きくなるほど、スイッチング素子13による導通損を減少させ、スイッチング素子13のコストを低くすることができることを理解することができる。
上述したようにPWM駆動のデューティー比Ton/Tが約9.1%から約16.7%に大きくなった場合は、スイッチング素子13に流れる電流Iswは、9.1/16.7=54.5%に抑制することができる。
図3は、本発明の例示的な第1実施形態、及び参考例の昇降圧チョッパ回路に備えられる第2のコイルに流れるコイル電流の波形の例を図示する波形図である。
図12に図示される参考例の昇降圧チョッパ回路9においては、第2のコイル15に流れるコイル電流は、図3に図示されるように、第1のスイッチング素子端子13aと第2のスイッチング素子端子13bとの間が導通する状態となっているオン期間P1には、時間が経過するにつれて大きくなり、第1のスイッチング素子端子13aと第2のスイッチング素子端子13bとの間が導通しない状態となっているオフ期間P2には、時間が経過するにつれて小さくなる。
また、図1に図示される第1実施形態の昇降圧チョッパ回路1においては、第2のコイル15に流れるコイル電流は、図3に図示されるように、第1のスイッチング素子端子13aと第2のスイッチング素子端子13bとの間が導通する状態となっているオン期間P3には、時間が経過するにつれて大きくなり、第1のスイッチング素子端子13aと第2のスイッチング素子端子13bとの間が導通しない状態となっているオフ期間P4には、時間が経過するにつれて小さくなる。ただし、第1実施形態の昇降圧チョッパ回路1においては、第2のコイル15に流れるコイル電流は、図3に図示されるように、オン期間P3からオフ期間P4に移行する際に急激に大きくなる。このため、第1実施形態の昇降圧チョッパ回路1においてオン期間P3に第2のコイル15に流れるコイル電流すなわちスイッチング素子13に流れる電流は、参考例の昇降圧チョッパ回路9においてオン期間P1に第2のコイル15に流れるコイル電流すなわちスイッチング素子13に流れる電流より小さい。また、第1実施形態の昇降圧チョッパ回路1においてオフ期間P4に第2のコイル15に流れるコイル電流は、参考例の昇降圧チョッパ回路9においてオフ期間P2に第2のコイル15に流れるコイル電流より大きい。これにより、第1実施形態の昇降圧チョッパ回路1においては、スイッチング素子14に流れる電流を小さくしながら、第1の直流出力端子17から流れ出る電流を大きくすることができる。
1.5 第1のコイル及び第2のコイルの巻線数
第1のコイル14は、望ましくは、第2のコイル15の巻線数の1/10倍以上10倍以下の巻線数を有し、さらに望ましくは、第2のコイル15の巻線数の3/10倍以上3倍以下の巻線数を有する。第1のコイル14の巻線数がこれらの範囲より少ない場合は、スイッチング素子13に流れる電流を小さくすることが困難になる傾向が現れる。第1のコイル14の巻線数がこれらの範囲より多い場合は、第1のコイルの漏れインダクタンス成分の影響が大きくなるため、スイッチング素子13のスイッチング時のサージ電圧が大きくなり、スイッチング損失が増加する傾向が現れる。
1.6 スナバ回路の付加
図4、図5、図6及び図7は、それぞれ本発明の例示的な第1実施形態の第1変形例、第2変形例、第3変形例及び第4変形例の昇降圧チョッパ回路を図示する回路図である。
図4に図示される第1実施形態の第1変形例の昇降圧チョッパ回路2、図5に図示される第1実施形態の第2変形例の昇降圧チョッパ回路3、図6に図示される第1実施形態の第3変形例の昇降圧チョッパ回路4、及び図7に図示される第1実施形態の第4変形例の昇降圧チョッパ回路5は、スナバ回路21をさらに備える点で、図1に図示される昇降圧チョッパ回路1と相違する。
スナバ回路21は、第1のコイル14及びスイッチング素子13の少なくともひとつに電気的に並列に接続される。
図4に図示される昇降圧チョッパ回路2においては、スナバ回路21は、第1のコイル14に電気的に並列に接続される。このため、スナバ回路21は、第1のコイル端子14aに電気的に接続される第1のスナバ回路端子21a、及び第2のコイル端子14bに電気的に接続される第2のスナバ回路端子21bを備える。
図4に図示される昇降圧チョッパ回路2においては、スナバ回路21は、抵抗41及びコンデンサ42を備えるRCスナバ回路である。抵抗41は、一方の抵抗端子41a及び他方の抵抗端子41bを備える。コンデンサ42は、一方のコンデンサ端子42a及び他方のコンデンサ端子42bを備える。一方の抵抗端子41aは、第1のコイル端子14aに電気的に接続される第1のスナバ回路端子21aとなる。他方の抵抗端子41bは、一方のコンデンサ端子42aに電気的に接続される。他方のコンデンサ端子42bは、第2のコイル端子14bに電気的に接続される第2のスナバ回路端子21bとなる。これにより、抵抗41及びコンデンサ42が互いに電気的に直列に接続される。また、第2のコイル端子14bが、抵抗41及びコンデンサ42を介して、第1のコイル端子14aに電気的に接続される。一方の抵抗端子41aが、第2のコイル端子14bに電気的に接続される第2のスナバ回路端子21bとなってもよい。他方のコンデンサ端子42bが、第1のコイル端子14aに電気的に接続される第1のスナバ回路端子21aとなってもよい。
図4に図示される昇降圧チョッパ回路2においては、スナバ回路21により、リンギングの発生を抑制することができる。
図5に図示される昇降圧チョッパ回路3においては、スナバ回路21は、第1のコイル14に電気的に並列に接続される。このため、スナバ回路21は、第1のコイル端子14aに電気的に接続される第1のスナバ回路端子21a、及び第2のコイル端子14bに電気的に接続される第2のスナバ回路端子21bを備える。
図5に図示される昇降圧チョッパ回路3においては、スナバ回路21は、抵抗41、コンデンサ42及びダイオード43を備えるRCDスナバ回路である。抵抗41は、一方の抵抗端子41a及び他方の抵抗端子41bを備える。コンデンサ42は、一方のコンデンサ端子42a及び他方のコンデンサ端子42bを備える。ダイオード43は、一方のダイオード端子43a及び他方のダイオード端子43bを備える。一方の抵抗端子41a及び一方のダイオード端子43aは、互いに電気的に接続され、第1のコイル端子14aに電気的に接続される第1のスナバ回路端子21aとなる。他方の抵抗端子41b及び他方のダイオード端子43bは、互いに電気的に接続され、一方のコンデンサ端子42aに電気的に接続される。他方のコンデンサ端子42bは、第2のコイル端子14bに電気的に接続される第2のスナバ回路端子21bとなる。これにより、抵抗41及びダイオード43が互いに電気的に並列に接続されて並列接続体50が構成される。また、並列接続体50及びコンデンサ42が互いに電気的に直列に接続される。また、第2のコイル端子14bが、並列接続体50及びコンデンサ42を介して、第1のコイル端子14aに電気的に接続される。一方の抵抗端子41a及び一方のダイオード端子43aが、第2のコイル端子14bに電気的に接続される第2のスナバ回路端子21bとなってもよい。他方のコンデンサ端子42bが、第1のコイル端子14aに電気的に接続される第1のスナバ回路端子21aとなってもよい。
図5に図示される昇降圧チョッパ回路3においては、スナバ回路21により、リンギングの発生を抑制することができる。
図5に図示される昇降圧チョッパ回路3においては、スナバ回路21は、第1のスイッチング素子端子13aと第2のスイッチング素子端子13bとの間が導通しない状態となった場合に、第1のコイル14の漏れインダクタンス成分に流れ続けようとする電流を受け止め、受け止めた電流を、コンデンサ42を経由してループ状に流す。したがって、一方のダイオード端子43aは、カソードである。また、他方のダイオード端子43bは、アノードである。また、一方の抵抗端子41a及び一方のダイオード端子43aが、第2のコイル端子14bに電気的に接続される第2のスナバ回路端子21bとなり、他方のコンデンサ端子42bが、第1のコイル端子14aに電気的に接続される第1のスナバ回路端子21aとなる場合は、一方のダイオード端子43aはアノードであり、他方のダイオード端子43bはカソードである。
図6に図示される昇降圧チョッパ回路4においては、スナバ回路21は、スイッチング素子13に電気的に並列に接続される。このため、スナバ回路21は、第1のスイッチング素子端子13aに電気的に接続される第1のスナバ回路端子21a、及び第2のスイッチング素子端子13bに電気的に接続される第2のスナバ回路端子21bを備える。
図6に図示される昇降圧チョッパ回路4においては、スナバ回路21は、抵抗41及びコンデンサ42を備えるRCスナバ回路である。抵抗41は、一方の抵抗端子41a及び他方の抵抗端子41bを備える。コンデンサ42は、一方のコンデンサ端子42a及び他方のコンデンサ端子42bを備える。一方の抵抗端子41aは、第2のスイッチング素子端子13bに電気的に接続される第2のスナバ回路端子21bとなる。他方の抵抗端子41bは、一方のコンデンサ端子42aに電気的に接続される。他方のコンデンサ端子42bは、第1のスイッチング素子端子13aに電気的に接続される第1のスナバ回路端子21aとなる。これにより、抵抗41及びコンデンサ42が互いに電気的に直列に接続される。また、第2のスイッチング素子端子13bが、抵抗41及びコンデンサ42を介して、第1のスイッチング素子端子13aに電気的に接続される。一方の抵抗端子41aが、第1のスイッチング素子端子13aに電気的に接続される第1のスナバ回路端子21aとなってもよい。他方のコンデンサ端子42bが、第2のスイッチング素子端子13bに電気的に接続される第2のスナバ回路端子21bとなってもよい。
図6に図示される昇降圧チョッパ回路4においては、スナバ回路21により、リンギングの発生を抑制することができる。
図7に図示される昇降圧チョッパ回路5においては、スナバ回路21は、スイッチング素子13に電気的に並列に接続される。このため、スナバ回路21は、第1のスイッチング素子端子13aに電気的に接続される第1のスナバ回路端子21a、及び第2のスイッチング素子端子13bに電気的に接続される第2のスナバ回路端子21bを備える。
図7に図示される昇降圧チョッパ回路5においては、スナバ回路21は、抵抗41、コンデンサ42及びダイオード43を備えるRCDスナバ回路である。抵抗41は、一方の抵抗端子41a及び他方の抵抗端子41bを備える。コンデンサ42は、一方のコンデンサ端子42a及び他方のコンデンサ端子42bを備える。ダイオード43は、一方のダイオード端子43a及び他方のダイオード端子43bを備える。一方の抵抗端子41a及び一方のダイオード端子43aは、互いに電気的に接続され、第2のスイッチング素子端子13bに電気的に接続される第2のスナバ回路端子21bとなる。他方の抵抗端子41b及び他方のダイオード端子43bは、互いに電気的に接続され、一方のコンデンサ端子42aに電気的に接続される。他方のコンデンサ端子42bは、第1のスイッチング素子端子13aに電気的に接続される第1のスナバ回路端子21aとなる。これにより、抵抗41及びダイオード43が互いに電気的に並列に接続されて並列接続体50が構成される。また、並列接続体50及びコンデンサ42が互いに電気的に直列に接続される。また、第2のスイッチング素子端子13bが、並列接続体50及びコンデンサ42を介して、第1のスイッチング素子端子13aに電気的に接続される。一方の抵抗端子41a及び一方のダイオード端子43aが、第1のスイッチング素子端子13aに電気的に接続される第1のスナバ回路端子21aとなってもよい。他方のコンデンサ端子42bが、第2のスイッチング素子端子13bに電気的に接続される第2のスナバ回路端子21bとなってもよい。
図7に図示される昇降圧チョッパ回路5においては、スナバ回路21により、リンギングの発生を抑制することができる。
図7に図示される昇降圧チョッパ回路5においては、スナバ回路21は、第1のスイッチング素子端子13aと第2のスイッチング素子端子13bとの間が導通しない状態となった場合に、第1のコイル14の漏れインダクタンス成分に流れ続けようとする電流を受け止め、受け止めた電流を、コンデンサ42を経由して流す。したがって、一方のダイオード端子43aは、アノードである。また、他方のダイオード端子43bは、カソードである。また、一方の抵抗端子41a及び一方のダイオード端子43aが、第1のスイッチング素子端子13aに電気的に接続される第1のスナバ回路端子21aとなり、他方のコンデンサ端子42bが、第2のスイッチング素子端子13bに電気的に接続される第2のスナバ回路端子21bとなる場合は、一方のダイオード端子43aはカソードであり、他方のダイオード端子43bはアノードである。
1.7 スイッチング素子及び第1のコイルの位置の入れ替え、並びに第1の直流入力端子及び第2の直流入力端子の極性の入れ替え
図8、図9及び図10は、それぞれ本発明の例示的な第1実施形態の第5変形例、第6変形例及び第7変形例の昇降圧チョッパ回路を図示する回路図である。
図8に図示される第1実施形態の第5変形例の昇降圧チョッパ回路6は、スイッチング素子13及び第1のコイル14の位置が入れ替えられている点で、図1に図示される昇降圧チョッパ回路1と相違する。
このため、図8に図示される昇降圧チョッパ回路6においては、第1の直流入力端子11に電気的に接続される一方の端子31aは、第2のコイル端子14bである。また、第3のコイル端子15aに電気的に接続される他方の端子31bは、第2のスイッチング素子端子13bである。
図9に図示される第1実施形態の第6変形例の昇降圧チョッパ回路7は、第1の直流入力端子11及び第2の直流入力端子12の極性が入れ替えられている点で、図1に図示される昇降圧チョッパ回路1と相違する。
このため、図9に図示される昇降圧チョッパ回路7においては、第1の直流入力端子11は、負極の直流入力端子である。また、第2の直流入力端子12は、正極の直流入力端子である。また、第1の極51aは、負極である。また、第2の極51bは、正極である。
これにともなって、図9に図示される昇降圧チョッパ回路7においては、第1の直流出力端子17は、負極の直流出力端子である。また、第2の直流出力端子18は、正極の直流出力端子である。
また、図9に図示される昇降圧チョッパ回路7においては、第1のダイオード端子16aは、アノードである。また、第2のダイオード端子16bは、カソードである。
なお、図9に図示される昇降圧チョッパ回路7においては、図1に図示される昇降圧チョッパ回路1と同様に、第1の直流入力端子11に電気的に接続される一方の端子31aは、第2のスイッチング素子端子13bである。また、第3のコイル端子15aに電気的に接続される他方の端子31bは、第2のコイル端子14bである。
図9に図示される昇降圧チョッパ回路7によれば、MOSFETのソース等の第2のスイッチング素子端子13bに直流入力の負極である第1の直流入力端子11の電位が与えられる。このため、直流入力より駆動回路19の制御用電力を容易に生成することができ、駆動回路19を簡略化することができる。
図10に図示される第1実施形態の第7変形例の昇降圧チョッパ回路8は、スイッチング素子13及び第1のコイル14の位置が入れ替えられている点、並びに第1の直流入力端子11及び第2の直流入力端子12の極性が入れ替えられている点で、図1に図示される昇降圧チョッパ回路1と相違する。
このため、図10に図示される昇降圧チョッパ回路8においては、第1の直流入力端子11に電気的に接続される一方の端子31aは、第2のコイル端子14bである。また、第3のコイル端子15aに電気的に接続される他方の端子31bは、第2のスイッチング素子端子13bである。
また、図10に図示される昇降圧チョッパ回路8においては、第1の直流入力端子11は、負極の直流入力端子である。また、第2の直流入力端子12は、正極の直流入力端子である。また、第1の極51aは、負極である。また、第2の極51bは、正極である。
これにともなって、図10に図示される昇降圧チョッパ回路8においては、第1の直流出力端子17は、負極の直流出力端子である。また、第2の直流出力端子18は、正極の直流出力端子である。
また、図10に図示される昇降圧チョッパ回路8においては、第1のダイオード端子16aは、アノードである。また、第2のダイオード端子16bは、カソードである。
図8に図示される昇降圧チョッパ回路6、図9に図示される昇降圧チョッパ回路7、及び図10に図示される昇降圧チョッパ回路8に、上述したスナバ回路21が付加されてもよい。
1.8 昇降圧チョッパ回路の力率改善回路への適用
図11は、本発明の例示的な第1実施形態の昇降圧チョッパ回路を備える直流電源装置を図示する回路図である。
図11に図示される、第1実施形態の昇降圧チョッパ回路1を備える直流電源装置101は、整流回路111及び力率改善回路(PFC)112を備える。
整流回路111は、第1の交流入力端子121、第2の交流入力端子122、第1の脈流出力端子123及び第2の脈流出力端子124を備える。
第1の交流入力端子121には、交流源113の第1の端子113aが電気的に接続される。第2の交流入力端子122には、交流源113の第2の端子113bが電気的に接続される。これにより、第1の交流入力端子121と第2の交流入力端子122との間には、交流が入力される。
整流回路111は、第1の交流入力端子121と第2の交流入力端子122との間に入力された交流を整流して脈流を生成し、生成した脈流を第1の脈流出力端子123と第2の脈流出力端子124との間から出力する。
図11に図示される直流電源装置101においては、整流回路111は、ダイオードブリッジである。
PFC112は、図1に図示される昇降圧チョッパ回路1を備える。PFC112に備えられる昇降圧チョッパ回路1が、図4に図示される昇降圧チョッパ回路2、図5に図示される昇降圧チョッパ回路3、図6に図示される昇降圧チョッパ回路4、図7に図示される昇降圧チョッパ回路5、図8に図示される昇降圧チョッパ回路6、図9に図示される昇降圧チョッパ回路7、又は図10に図示される昇降圧チョッパ回路8に置き換えられてもよい。
第1の直流入力端子11は、第1の脈流出力端子123に電気的に接続される。第2の直流入力端子12は、第2の脈流出力端子124に電気的に接続される。
駆動回路19は、昇降圧チョッパ回路1をPFC112として動作させる駆動信号をスイッチング素子13に入力する。
一般的に言って、昇圧チョッパ回路がPFCに適用された場合は、出力される直流の電圧が入力される交流の電圧より高い場合でも、例えば入力される交流の電圧がゼロクロス点に近い場合でも、交流から直流への電力の変換を行うことができる。このため、高い力率を有する電力の変換を行うことができる。しかし、昇圧チョッパ回路がPFCに適用された場合は、出力される直流の電圧が、交流のピーク電圧以上となる。このため、直流の電圧を所望の電圧とすることができない場合がある。又は、直流の電圧を所望の電圧とするために、直流-直流(DC-DC)コンバータが必要になる場合がある。
また、降圧チョッパ回路がPFCに適用された場合は、出力される直流の電圧が、入力される交流のピーク電圧以下となる。しかし、降圧チョッパ回路がPFCに適用された場合は、直流の電圧が交流の電圧より高い場合に、例えば交流の電圧がゼロクロス点に近い場合に、交流から直流への電力の変換を行うことができない。このため、高い力率を有する電力の変換を行うことができない。
これらに対して、昇降圧チョッパ回路がPFCに適用された場合は、出力される直流の電圧が入力される交流の電圧より高い場合、例えば入力される交流の電圧がゼロクロス点に近い場合でも、交流から直流への電力の変換を行うことができる。このため、高い力率を有する電力の変換を行うことができる。加えて、昇降圧チョッパ回路がPFCに適用された場合は、直流の電圧が、交流のピーク電圧以上の電圧、及び交流のピーク電圧以下の電圧のいずれともなることができる。このため、直流の電圧を所望の電圧とすることができる。
このため、昇降圧チョッパ回路をPFCに適用することが期待される。
しかし、図12に図示される昇降圧チョッパ回路9がPFCに適用された場合は、出力される直流の電圧に対する入力される交流の電圧の比である降圧比率が高くなるタイミング、例えば入力される交流の電圧がピーク点に近いタイミングにおいて、昇降圧チョッパ回路9が変換する電力が最大となる。また、昇降圧チョッパ回路9に流れる電流が大きくなる。このため、スイッチング素子13に流れる電流が大きくなる。このため、大きな電流容量を有するスイッチング素子13が必要になる。
これに対して、図1に図示される昇降圧チョッパ回路1がPFCに適用された場合は、図12に図示される昇降圧チョッパ回9路がPFCに適用された場合と比較して、PWM駆動のデューティー比を大きくすることができ、スイッチング素子13に流れる電流を小さくすることができる。このため、小さな電流容量を有するスイッチング素子13を用いることができる。その結果として、スイッチング素子13のコストを低くすることができる。
1.9 第1実施形態の発明の効果
本発明の例示的な第1実施形態の発明によれば、昇降圧チョッパ回路1において、第1のコイル14により、入力された電流をスイッチングするスイッチング素子13のオン期間を長くすることができる。このため、スイッチング素子13に流れる電流を小さくすることができる。