JP7346962B2 - スカンジウムの回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スカンジウムの回収方法に関する。
近年、高強度アルミニウム合金の添加用途等として注目されているスカンジウムは、チタンを精製する際の残渣やウラン鉱石を酸浸出することで得られる浸出液から精製されることが多い。最近では、ニッケル酸化鉱石を硫酸等の鉱酸で浸出して得られる浸出液から回収するプロセスも開発されている。
上述した原料や鉱石中の含まれるスカンジウム濃度は微量であり、したがって浸出液中のスカンジウムは低濃度となり、かつ不純物を多く含むことが多い。このため、イオン交換法や溶媒抽出法等の処理を多段階に実施することで、不純物を分離しながらスカンジウムを徐々に濃縮させて溶液中の濃度を高めていくことが必要となる。
例えば、特許文献1には、低品位の酸化スカンジウムを硝酸で加熱して溶解した溶液を陰イオン交換樹脂に接触させ、溶液中に溶存する不純物を陰イオン交換樹脂に吸着させることでスカンジウムと不純物とを分離する方法が開示されている。
また、特許文献2には、2-エチルヘキシルスルホン酸-モノ-2-エチルヘキシルをケロシンで希釈した有機溶媒を使用して、スカンジウム成分を有機溶媒中に抽出する溶媒抽出法を用いたスカンジウムの回収方法が開示されている。
これらの方法を用いることで、スカンジウムに共存する不純物の多くを効率的に分離することができる。
さて、溶液中の微量成分を濃縮する方法として、溶液にアルカリを添加する等して水酸化物等の形態の沈澱物を生成させて回収し、これを任意の濃度になるように酸を添加して再溶解することで濃縮液を得る方法も一般的に行われる。
しかしながら、スカンジウムを含有する塩酸酸性溶液、すなわち塩化スカンジウム溶液に、水酸化ナトリウム等のアルカリを中和剤として添加して生成した水酸化スカンジウムは、非常に微細な形態となる。これにより、固液分離性が極度に低下して濾過の手間が増加する等の問題があり、工業的な使用には至っていない。
特開平8-232026号公報 特開平9-291320号公報
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたもので、スカンジウムの回収方法において、スカンジウムを含む塩酸酸性溶液から、固液分離性(濾過性)が良好なスカンジウム沈殿物を得ることができ、効率的にスカンジウムを回収する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、塩化スカンジウム溶液にアルカリを添加して中和処理を施すに際して、硫酸イオンを添加することで、得られる水酸化スカンジウムを含む沈澱物の濾過性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)本発明の第1の発明は、塩化スカンジウム溶液にアルカリを添加し中和処理を施すことによってスカンジウムの沈澱物を含むスラリーを生成させ、該沈澱物を固液分離する工程を含む、スカンジウムの回収方法であって、前記中和処理に際して、前記塩化スカンジウム溶液に硫酸イオンを添加する、スカンジウムの回収方法である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記硫酸イオンの濃度が0.5g/L以上となるように添加する、スカンジウムの回収方法である。
(3)本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記塩化スカンジウム溶液に前記アルカリを添加する前に、又は、前記アルカリを添加するのと同時に、前記硫酸イオンを添加する、スカンジウムの回収方法である。
(4)本発明の第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記塩化スカンジウム溶液のpHが4.0以上8.0以下となるように中和処理を施す、スカンジウムの回収方法である。
(5)本発明の第5の発明は、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記スカンジウムの沈澱物を酸により溶解して溶解液を得る工程をさらに含む、スカンジウムの回収方法である。
本発明によれば、スカンジウムを含む塩酸酸性溶液から、固液分離性(濾過性)が良好なスカンジウム沈殿物を得ることができ、効率的にスカンジウムを回収する方法を提供することができる。
スカンジウムの回収方法の一例を示す工程図である。 実施例及び比較例1での中和処理条件(溶液中の硫酸イオン濃度)に対する、水酸化スカンジウムの沈澱物の濾過速度定数の値を示すグラフ図である。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、本明細書にて、「X~Y」(X、Yは任意の数値)との表記は、「X以上Y以下」の意味である。
≪1.水酸化スカンジウムの固液分離性向上≫
本発明に係るスカンジウムの回収方法は、スカンジウムを含有する酸性溶液からスカンジウムを回収する方法であり、特に、スカンジウムを含む塩酸酸性溶液、すなわち塩化スカンジウム溶液に対して中和処理を施し水酸化スカンジウムの沈澱物を生成させる工程を含み、その水酸化スカンジウムの沈澱物の固液分離性を向上させ、効率的な処理のもとにスカンジウムを回収する方法である。
スカンジウムの回収方法において回収処理対象としてはスカンジウムを含有する溶液(以下、単に「スカンジウム含有溶液」ともいう)が用いられる。スカンジウム含有溶液としては、例えば、チタン精製での残渣やウラン鉱石、ニッケル酸化鉱石等のスカンジウムを含む原料、あるいはアルミスカンジウム合金の中間品やリサイクル品に対して硫酸等の酸を用いて浸出することにより得られる溶液が挙げられる。このような溶液は、例えば鉱石に含まれる他の金属元素が不純物として多く含まれている。そのことから、スカンジウム含有溶液に対してイオン交換法や溶媒抽出法等の方法を多段階に実施することで、スカンジウムを濃縮させた溶液を得ることができる。
具体的には、イオン交換樹脂に吸着したスカンジウムを塩酸溶液で溶離した溶離液や、抽出剤に抽出されたスカンジウムを塩酸溶液で逆抽出した逆抽出液等を得ることができる。したがって、これらの溶液は、スカンジウムを含有する塩酸酸性溶液である。
なお、後述するスカンジウムの回収方法の具体的態様例では、塩酸溶液を用いてイオン交換樹脂からスカンジウムを溶離させ、スカンジウムを含有する塩酸酸性溶液であるスカンジウム溶離液を用いた例を示しているが、これに限定されない。
本発明に係るスカンジウムの回収方法は、スカンジウムを含有す塩酸酸性溶液、すなわち塩化スカンジウム溶液に対してアルカリを添加して中和処理を施すことにより、水酸化スカンジウムの沈澱物を生成させ、その沈澱物を固液分離する工程を含む。このように、塩化スカンジウム溶液に対して所定のpHとなるように中和処理を施して水酸化スカンジウムの沈澱物を生成させることで、その溶液中に残存している不純物を分離除去することができ、スカンジウムをさらに濃縮することができる。
そしてこのとき、このスカンジウムの回収方法においては、アルカリを添加する中和処理に際して、塩化スカンジウム溶液に硫酸イオン(SO 2-)を添加することを特徴としている。つまり、塩化スカンジウム溶液中に硫酸イオンが存在している状況下でアルカリを添加して中和処理を施すようにしている。
このような方法によれば、アルカリ添加による中和処理により生成する、微細な水酸化物(水酸化スカンジウム)の沈澱物の一部が、粗大な粒子を生成する塩基性硫酸塩を形成するようになる。これにより、生成した沈澱物を含むスラリーに対して固液分離処理を施してその沈澱物を回収するにあたり、その沈澱物の固液分離性(濾過性)を向上させることができる。このことから、濾過等の作業の手間やコストの増加を防ぐことができ、スカンジウムの回収プロセスを効率的に進行させることができる。
ここで、中和処理に用いらえる中和剤としては、アルカリであれば特に限定されず、例えば工業的に大量に用いられている水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物や、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩を使用することができる。
また、アルカリを添加する中和処理においては、中和時における溶液pHとしては4.0以上8.0以下の範囲とすることが好ましく、4.5以上7.5以下の範囲とすることがより好ましく、5.0以上7.0以下の範囲とすることがさらに好ましい。このようなpH範囲となるようにアルカリを添加して中和することで、塩化スカンジウム溶液に含まれる不純物元素の沈澱物形成を抑えながら、スカンジウムの沈殿率を高めて、より効果的にスカンジウムを濃縮することができる。
上述したように、中和処理に際して硫酸イオンを添加することを特徴としているが、添加する硫酸イオン、すなわち硫酸イオン源としては、硫酸イオンを含む薬剤(化合物)であれば特に限定されない。例えば、硫酸ナトリウムや硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム等の硫酸塩を挙げることができる。なお、これら例示した硫酸イオン源は、最終製品への汚染が少なくない点から特に好ましい。
硫酸イオンの添加量としては、添加後の塩化スカンジウム溶液中の硫酸イオン(SO 2-)濃度が0.5g/L以上となるように添加することが好ましく、2.0g/L以上がより好ましく、5.0g/L以上がさらに好ましい。このような添加量で硫酸イオンを添加することで、沈澱物において塩基性硫酸塩の形成を効率的に進行させることができ、固液分離性をより向上させることができる。
なお、硫酸イオンの添加量は増加するほど効果が高まるが、過剰に添加しても比例して固液分離性が向上することはなくなり、使用する薬剤(硫酸塩)の溶液への溶解度以上添加しても効果はない。むしろ、添加する硫酸塩中の硫黄品位の影響が無視できなくなる可能性もある。そのことから、実用的には硫酸イオンの添加量としては、添加後の塩化スカンジウム溶液中の濃度で10g/L程度が上限となる。
硫酸イオンの添加は、塩化スカンジウム溶液に中和剤であるアルカリを添加する前に行うか、あるいはアルカリを添加するのと同時に行うことが好ましい。上述したように、中和剤であるアルカリすることで沈澱物中に塩基性硫酸塩を形成させることが重要であるため、その塩基性硫酸塩を形成するのに必要な量の硫酸イオンが溶液中に存在していることを要する。このことから、アルカリを添加するのに先立ち、あるいは添加するのと同時に塩化スカンジウム溶液に硫酸イオンを添加することで、塩基性硫酸液の形成を促進させることができる。
上述したような中和処理により、水酸化スカンジウムの沈澱物を含むスラリーを生成させると、そのスラリーに対して固液分離処理を施すことによって、固形分である沈澱物を回収することができる。一般的に、生成する水酸化スカンジウムは非常に微細なものであるが、上述のように硫酸イオンを添加して中和処理を施して得られる沈澱物には、形成された塩基性硫酸塩による粗大粒子が生成している。このことから、その沈澱物の濾過性が極めて向上し、効率的に固液分離処理を行うことができる。
すなわち、中和処理により得られる水酸化スカンジウムの沈澱物は、塩基性硫酸塩を含むものである。そして、この水酸化スカンジウムの沈澱物は、吸引式濾過機を用いて固液分離することで算出される濾過速度定数k(下記式(1)で定義される定数)が、例えば4.0×10-3(min-1)以上であり、良好な固液分離性(濾過性)を有する。
濾過速度定数(k): V=V×e-kt ・・・(1)
ただし、k:濾過速度定数、V:t時間後の濾過残液量、V:初期の全液量、t:時間を示す。また、濾過速度定数kが大きいほどVtは小さくなり、つまりは濾過速度が速いことを示す。
固液分離して得られた沈澱物については、硫酸や塩酸等の酸を添加して再度溶解することで、酸溶解液(スカンジウム溶解液)を得ることができる(酸溶解処理)。これにより、スカンジウムを含有し、不純物元素を有効に除去した溶液、すなわちスカンジウムの濃縮溶液を得ることができる。そして、このようなスカンジウムの濃縮液を用いることで、純度の高いスカンジウムを得ることができる。
≪2.スカンジウムの回収方法≫
図1は、スカンジウムの回収方法の一例を示す工程図である。このスカンジウムの回収方法は、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬プロセス(湿式製錬処理)により得られた硫化後液(スカンジウムを含有する酸性溶液)から、スカンジウムとその他の不純物とを分離し、高純度のスカンジウムを効率的に回収するものである。
具体的に、スカンジウムの回収方法は、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬工程S1と、湿式製錬工程S1から得られたスカンジウム含有溶液である硫化後液に対してイオン交換処理を施すイオン交換処理工程S2と、スカンジウム溶離液(スカンジウムを含有する塩酸酸性溶液)に中和処理を施して水酸化スカンジウムの沈澱物を得る中和工程S3と、得られた沈澱物に酸を添加して溶解させスカンジウム溶解液を得る溶解工程S4と、スカンジウム溶解液に溶媒抽出処理を施す溶媒抽出工程S5と、得られた抽出残液からスカンジウムを酸化スカンジウムの形態として回収するスカンジウム回収工程S6と、を有する。
このように、スカンジウムの回収方法は、スカンジウム回収の原料となる溶液を得るためのニッケル酸化鉱石の湿式製錬処理のプロセス(湿式製錬工程S1)と、その原料溶液から不純物を除去して高純度なスカンジウムを回収するスカンジウム回収処理のプロセス(イオン交換処理工程S2~スカンジウム回収工程S6)と、に大きく分けられる。
<2-1.ニッケル酸化鉱石の湿式製錬処理のプロセス(湿式製錬工程S1)>
ニッケル酸化鉱石の湿式製錬工程S1は、図1に示すように、ニッケル酸化鉱石を高温高圧下で硫酸浸出して浸出スラリーを得る浸出工程S11と、浸出スラリーを固液分離して浸出液と浸出残渣とを得る固液分離工程S12と、浸出液に中和剤を添加して不純物を含む中和澱物と中和後液とを得る中和工程S13と、中和後液に硫化水素ガスを添加してニッケル硫化物と硫化後液とを得るニッケル回収工程S14と、を有する。
[浸出工程]
浸出工程S11は、例えば高温加圧容器(オートクレーブ)等を用いて、ニッケル酸化鉱石のスラリーに硫酸を添加して240℃~260℃の温度下で撹拌処理を施し、浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを形成する工程である。なお、浸出工程S11における処理は、従来知られているHPALプロセスに従って行えばよい。
ニッケル酸化鉱石としては、主としてリモナイト鉱及びサプロライト鉱等のいわゆるラテライト鉱が挙げられる。ラテライト鉱のニッケル含有量は、通常、0.8重量%~2.5重量%であり、水酸化物又はケイ苦土(ケイ酸マグネシウム)鉱物として含有される。また、これらのニッケル酸化鉱石には、スカンジウムが含まれている。
[固液分離工程]
固液分離工程S12は、浸出工程S11にて得られた浸出スラリーを洗浄しながら、ニッケルやコバルト、スカンジウム等を含む浸出液と、ヘマタイトである浸出残渣とに固液分離する工程である。
固液分離処理では、例えば、浸出スラリーを洗浄液と混合した後、凝集剤供給設備等から供給される凝集剤を用い、シックナー等の固液分離設備を利用して行うことができる。
[中和工程]
中和工程S13は、分離して得られた浸出液に中和剤を添加してpH調整し、不純物元素を含む中和澱物と中和後液とを得る工程である。中和工程S13における中和処理により、ニッケルやコバルト、スカンジウム等の有価金属は中和後液に含まれるようになり、鉄、アルミニウムをはじめとした不純物の大部分が中和澱物となる。
中和剤としては、従来公知のもの使用することができ、例えば、炭酸カルシウム、消石灰、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
[ニッケル回収工程]
ニッケル回収工程S15は、中和工程S13を経て得られた中和後液(ニッケル回収用母液)を硫化反応始液として、その硫化反応始液に対して硫化剤である硫化水素ガスを吹き込むことにより硫化反応を生じさせ、不純物成分の少ないニッケル及びコバルトの硫化物(便宜的に単に「ニッケル硫化物」ともいう)と、ニッケルの濃度を低い水準で安定させた貧液(硫化後液)とを生成させる工程である。なお、ニッケル回収用母液は、ニッケル及びコバルトを含む硫酸溶液である。
ニッケル回収工程S15における硫化処理は、硫化反応槽等を用いて行うことができ、硫化反応槽に導入した硫化反応始液に対して、その反応槽内の気相部分に硫化水素ガスを吹き込み、溶液中に硫化水素ガスを溶解させることで硫化反応を生じさせる。この硫化処理により、硫化反応始液中に含まれるニッケルを硫化物として固定化して回収する。
硫化処理後においては、得られたニッケル硫化物を含むスラリーをシックナー等の沈降分離装置に装入して沈降分離処理を施し、その硫化物のみをシックナーの底部より分離回収する。一方で、水溶液成分は、シックナーの上部からオーバーフローさせて硫化後液として回収する。
ここで、硫化処理においては、上述したように硫化反応始液に含まれるニッケルは硫化物となる一方で、始液中に含まれていたスカンジウムは硫化物とはならず硫化後液に残存することになる。このように、湿式製錬工程S1におけるプロセスによれば、ニッケルとスカンジウムとを効果的に分離することができる。
<2-2.スカンジウム回収処理のプロセス(イオン交換処理工程S2~スカンジウム回収工程S6)>
スカンジウムの回収方法では、上述した湿式製錬工程S1を経て得られた硫化後液を、スカンジウム回収処理の対象溶液として用いることができる。上述したように、硫化後液は、ニッケル等を分離させたスカンジウムを含有する酸性溶液である。以下では、スカンジウム回収処理の対象溶液として、スカンジウムを含有する酸性溶液である硫化後液を用いてスカンジウムを回収する工程について、順に説明する。
[イオン交換処理工程]
イオン交換処理工程S2は、硫化後液に対してイオン交換樹脂を用いたイオン交換処理を施すことによってスカンジウム溶離液を得る工程である。
スカンジウムを含有する酸性溶液である硫化後液には、スカンジウムのほかに、例えば上述したニッケル回収工程S15での硫化処理で硫化されずに溶液中に残留したアルミニウムやクロム、その他の不純物が含まれている。このことから、硫化後液からスカンジウムを回収するにあたり、予め、その硫化後液中に含まれる不純物を除去してスカンジウム(Sc)を濃縮し、スカンジウム溶離液を生成させることが好ましい。
イオン交換処理工程S2では、例えばキレート樹脂をイオン交換樹脂として使用したイオン交換処理による方法であり、硫化後液中に含まれるアルミニウム等の不純物を分離して除去し、スカンジウムを濃縮させたスカンジウム含有溶液であるスカンジウム溶離液を得ることができる。具体的に、イオン交換処理工程S2としては、例えば、硫化後液をキレート樹脂に接触させてスカンジウムを吸着させる吸着工程と、スカンジウムを吸着したキレート樹脂に所定の規定度の硫酸を接触させてアルミニウムを除去するアルミニウム除去工程と、キレート樹脂に所定の規定度の塩酸を接触させてスカンジウム溶離液(スカンジウムを含有する塩酸酸性溶液)を得るスカンジウム溶離工程と、キレート樹脂に所定の規定度の硫酸を接触させてキレート樹脂に吸着したクロムを除去するクロム除去工程と、を有するものを例示できる。
イオン交換処理に用いるキレート樹脂の種類としては、特に限定されない。例えばイミノジ酢酸を官能基とする樹脂を用いることができ、このキレート樹脂によれば、スカンジウムの吸着選択性を高めることができる。このように、硫化後液に対してイオン交換処理を施すことによって、硫化後液に含まれるアルミニウムやクロム等の不純物を除去することができ、スカンジウムを濃縮させたスカンジウム溶離液を得ることができる。
なお、上述したように、スカンジウムをキレート樹脂から溶離するにあたり、その溶離始液として塩酸溶液を用いることで、スカンジウム溶離液として、スカンジウムを含有する塩酸酸性溶液を回収することができる。
[中和工程]
中和工程S3は、イオン交換処理工程S2でのイオン交換処理を経て得られたスカンジウム溶離液(スカンジウムを含有する塩酸酸性溶液)に対してアルカリを添加して中和処理を施すことによって水酸化スカンジウムを含む沈澱物を得る工程である。
中和剤であるアルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物や、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩を使用することができる。
また、中和時における溶液pHとしては4.0以上8.0以下の範囲とすることが好ましく、4.5以上7.5以下の範囲とすることがより好ましく、5.0以上7.0以下の範囲とすることがさらに好ましい。
このようにアルカリを添加して中和処理を施すことで水酸化スカンジウムの沈澱物を生成させることで、そのスカンジウム溶離液に含まれている不純物元素を分離除去しながら、スカンジウムを濃縮することができる。
ここで、本発明に係るスカンジウムの回収方法では、この中和工程S3における中和処理に際して、スカンジウム溶離液に硫酸イオン(SO 2-)を添加することを特徴としている。つまり、スカンジウム溶離液中に硫酸イオンが存在している状況下でアルカリを添加して中和処理を施すようにしている。
このような方法によれば、アルカリ添加による中和処理により生成する、微細な水酸化物(水酸化スカンジウム)の沈澱物の一部が、粗大な粒子を生成する塩基性硫酸塩を形成するようになる。これにより、生成した沈澱物を含むスラリーに対して固液分離処理を施してその沈澱物を回収するにあたり、その沈澱物の固液分離性(濾過性)を向上させることができる。
硫酸イオンを含む化合物(硫酸イオン源)としては、特に限定されず、例えば、硫酸ナトリウムや硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム等の硫酸塩を挙げることができる。
また、硫酸イオンの添加量としては、添加後の塩化スカンジウム溶液中の硫酸イオン(SO 2-)濃度が0.5g/L以上となるように添加することが好ましく、2.0g/L以上がより好ましく、5.0g/L以上がさらに好ましい。このような添加量で硫酸イオンを添加することで、沈澱物において塩基性硫酸塩の形成を効率的に進行させることができ、固液分離性をより向上させることができる。
また、硫酸イオンの添加は、塩化スカンジウム溶液に中和剤であるアルカリを添加する前に行うか、あるいはアルカリを添加するのと同時に行うことが好ましい。これにより、塩基性硫酸液の形成を促進させることができる。
なお、このようにして中和処理により水酸化スカンジウムの沈澱物を含むスラリーを生成させると、濾過等の公知の固液分離処理を施すことによって、固形分である沈澱物のみを効果的に回収することができる。このとき、硫酸イオンを添加して中和処理を行っていることから、生成する沈澱物中には塩基性硫酸液に基づく粗大粒子が含まれるようになっており、良好な固液分離性でもって分離することが可能となっている。
[溶解工程]
溶解工程S4は、中和工程S3を経て得られた、水酸化スカンジウムを含む沈澱物に酸を添加して溶解させ、スカンジウム溶解液を得る工程である。
沈澱物の溶解に用いる酸としては、塩酸や硫酸等の鉱酸が挙げられる。このような鉱酸を用いることで沈殿物を効率的に溶解させることができ、スカンジウムを濃縮させたスカンジウム溶解液(酸溶解液)を得ることができる。
[溶媒抽出工程]
溶媒抽出工程S5は、溶解工程S4を経て得られた、スカンジウムを濃縮させた溶液であるスカンジウム溶解液を溶媒抽出処理に付し、抽出剤に接触させて、スカンジウムを含有する抽出残液を得る工程である。
溶媒抽出工程S5における態様としては、特に限定されないが、スカンジウム溶解液と有機溶媒である抽出剤とを混合して、不純物と僅かなスカンジウムを抽出した抽出後有機溶媒とスカンジウムを残した抽出残液とに分離する抽出工程と、抽出後有機溶媒に対して洗浄処理を施すスクラビング工程と、洗浄後有機溶媒に逆抽出剤を添加して洗浄後有機溶媒から不純物を逆抽出する逆抽出工程と、を有する溶媒抽出処理を行うことが好ましい。
抽出工程においては、抽出剤を含む有機溶媒中に不純物を選択的に抽出し、不純物を含有する有機溶媒と抽出残液とを得る。抽出剤としては、特に限定されないが、アミン系の抽出剤を用いることが好ましい。例えば、スカンジウムとの選択性が低く、また抽出時に中和剤が不要である等の特徴を有する、例えば、1級アミンであるPrimeneJM-T、2級アミンであるLA-1、3級アミンであるTNOA(Tri-n-octylamine)、TIOA(Tri-i-octylamine)等の商品名で知られるアミン系抽出剤を用いることが好ましい。このようなアミン系抽出剤を用いて抽出処理を行うことで、効率的に且つ効果的に不純物を抽出してスカンジウムと分離することができる。
また、スクラビング工程においては、抽出後有機溶媒に対して、例えば硫酸溶液等の洗浄始液を混合することによって洗浄処理を施し、抽出後有機溶媒に抽出された僅かなスカンジウムを水相に分離させて洗浄後液を得る。得られた洗浄後液は、抽出工程から抽出残液と共に、次工程のスカンジウム回収工程S6へと供される。このように、スクラビング工程を設けることによって、スカンジウムの回収ロスを低減することができる。
なお、逆抽出工程においては、抽出処理を経て不純物を抽出した有機溶媒から、不純物を逆抽出する。具体的には、抽出剤を含む有機溶媒に逆抽出溶液(逆抽出始液)を添加して混合することによって、抽出処理とは逆の反応を生じさせて不純物を逆抽出し、不純物を含む逆抽出後液を得る。なお、逆抽出溶液としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩を含有する溶液を用いることが好ましい。このように逆抽出処理を施すことで、溶媒抽出に用いた抽出剤を再利用することができる。
[スカンジウム回収工程]
スカンジウム回収工程S6は、溶媒抽出工程S5における抽出処理にて得られた抽出残液、及び、スクラビング処理を行った場合にはそのスクラビング後の洗浄後液から、スカンジウムを回収する工程である。
スカンジウム回収方法としては、特に限定されず公知の方法を用いることができる。例えば、スカンジウムを含有する抽出残液にアルカリを添加して中和して水酸化スカンジウムの沈殿物として回収する方法や、抽出残液にシュウ酸を添加してシュウ酸塩の沈殿物として回収する方法(シュウ酸塩化処理)を用いることができる。その中でも、シュウ酸塩化処理を用いた方法によれば、より一層効果的に不純物を分離することができ好ましい。
シュウ酸塩化処理を用いた回収方法では、抽出残液にシュウ酸を加えることによりシュウ酸スカンジウムの沈殿物を生成させ、その後、シュウ酸スカンジウムを乾燥し、焙焼することにより酸化スカンジウムとして回収する。なお、シュウ酸塩化処理では、シュウ酸溶液を収容した反応槽に抽出残液を添加することでシュウ酸スカンジウムの沈殿物を生成させてもよい。
焙焼処理は、シュウ酸塩化処理により得られたシュウ酸スカンジウムの沈殿物を水で洗浄し、乾燥させた後に、焙焼する処理である。この焙焼処理を経ることで、スカンジウムを極めて高純度な酸化スカンジウムとして回収することができる。焙焼処理条件は、特に限定されないが、例えば管状炉に入れて約900℃で2時間程度加熱すればよい。
以下、本発明の実施例を示してより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されない。
[実施例1]
塩酸溶液にスカンジウム化合物を溶解させ、スカンジウムを31g/Lの濃度で含有する塩化スカンジウム溶液を作製した。
次に、作製した塩化スカンジウム溶液に、SO 2-濃度で6.4g/Lとなるように硫酸ナトリウム(無水)を添加し、溶解するまで混合した。そしてその後、25%水酸化ナトリウム溶液を、塩化スカンジウム溶液のpHが6.3になるまで添加して中和処理を施し、水酸化スカンジウムを含む沈澱物を生成させた。
得られた沈澱物を、吸引式の濾過機を用いて固液分離したところ、濾過の速さを一般的に定義する下記式1で表される濾過速度定数kの値は15×10-3となった。後述する比較例1で得られた沈澱物の濾過速度定数k(0.7×10-3)と比べて22倍も大きくなり、固液分離性(濾過性)が向上した。
濾過速度定数k: V=V×e-kt ・・・(式1)
ただし、k:濾過速度定数、V:t時間後の濾過残液量、V:初期の全液量、t:時間であり、濾過速度定位数kが大きいほどVtは小さく、濾過速度が速いことを示す。
[実施例2]
塩酸溶液に、実施例1と同じスカンジウム化合物を溶解させ、スカンジウムを31g/Lの濃度で含有する塩化スカンジウム溶液を作製した。
次に、作製した塩化スカンジウム溶液に、SO 2-濃度で0.8g/Lとなるように硫酸ナトリウム(無水)を添加し、溶解するまで混合した。そしてその後、25%水酸化ナトリウム溶液を、塩化スカンジウム溶液のpHが6.3になるまで添加して中和処理を施し、水酸化スカンジウムを含む沈澱物を生成させた。
得られた沈澱物を、実施例1と同様にして吸引式濾過機を用いて固液分離したところ、濾過速度定数kの値は6.6×10-3となり、固液分離性に優れるものであった。
[比較例1]
塩酸溶液に、実施例1と同じスカンジウム化合物を溶解させ、スカンジウムを31g/Lの濃度で含有する塩化スカンジウム溶液を作製した。
次に、作製した塩化スカンジウム溶液に、硫酸ナトリウム(無水)は添加せずに(SO 2-濃度で0g/L)、25%水酸化ナトリウム溶液を、塩化スカンジウム溶液のpHが6.5になるまで添加して中和処理を施し、水酸化スカンジウムを含む沈澱物を生成させた。
得られた沈澱物を、実施例1と同様にして吸引式濾過機を用いて固液分離したところ、濾過速度定数kの値は0.7×10-3となり、実施例1、2で得られた沈澱物と比べて著しく小さく、固液分離性が悪いものであった。
[結果についてのまとめ]
ここで、図2は、実施例1、2、及び比較例1での中和処理における条件、すなわち塩化スカンジウム溶液への硫酸イオン添加量(溶液中の硫酸イオン濃度)に対する、得られた水酸化スカンジウムの沈澱物の濾過速度定数の値の算出結果を示すグラフ図である。
このグラフ図からも明確なように、塩化スカンジウム溶液に対してアルカリを添加して中和処理を施して水酸化スカンジウムの沈澱物を生成させるに際して、硫酸イオンを添加することで、得られる沈澱物の固液分離性が極めて有効に向上することが分かった。そして、このような方法をスカンジウムの回収方法に適用することで、固液分離の手間の増加を防ぎながら、効率的な処理によって高純度なスカンジウムを回収できることがわかる。

Claims (6)

  1. 塩化スカンジウム溶液にアルカリを添加し中和処理を施すことによってスカンジウムの沈澱物を含むスラリーを生成させ、該沈澱物を固液分離する工程を含む、スカンジウムの回収方法であって、
    前記中和処理に際して、前記塩化スカンジウム溶液に硫酸イオンを添加して、該中和処理により生成する水酸化スカンジウムの沈澱物の一部に塩基性硫酸塩を生成させる
    スカンジウムの回収方法。
  2. 前記中和処理に際して、前記塩化スカンジウム溶液に硫酸イオンを添加して、吸引式濾過機を用いて固液分離することで算出され下記式(1)で定義される濾過速度定数(k)が4.0×10 -3 (min -1 )以上である水酸化スカンジウムの沈澱物を生成させる
    請求項1に記載のスカンジウムの回収方法。
    =V ×e -kt ・・・(1)
    (式(1)中、k:濾過速度定数、V :t時間後の濾過残液量、V :初期の全液量、t:時間、を示す。)
  3. 前記硫酸イオンの濃度が0.5g/L以上となるように添加する
    請求項1又は2に記載のスカンジウムの回収方法。
  4. 前記塩化スカンジウム溶液に前記アルカリを添加する前に、又は、前記アルカリを添加するのと同時に、前記硫酸イオンを添加する
    請求項1乃至3のいずれかに記載のスカンジウムの回収方法。
  5. 前記塩化スカンジウム溶液のpHが4.0以上8.0以下となるように中和処理を施す
    請求項1乃至のいずれかに記載のスカンジウムの回収方法。
  6. 前記スカンジウムの沈澱物を酸により溶解して溶解液を得る工程をさらに含む
    請求項1乃至のいずれかに記載のスカンジウムの回収方法。
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