JP7346905B2 - フレキシブル基板の組付方法及び組付装置 - Google Patents

フレキシブル基板の組付方法及び組付装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子部品に接続されたフレキシブル基板を、回路基板に接続するフレキシブル基板の組付方法及び組付装置に関する。
例えば車載用の画像センサを組立てるにあたっては、センサ本体から導出されたフレキシブル基板を、回路基板の上面に実装されたコネクタ部品に対し、挿入し接続する工程が行われる。この場合、フレキシブル基板は、PET等の薄いプラスチックフィルムの片面に銅箔製の配線を設けて構成され、柔軟性を有している。これに対し、コネクタ部品は、水平方向に横長な挿入口を有しており、その挿入口の高さ寸法は、フレキシブル基板の厚み寸法に対し、僅かなクリアランスを有する程度となっていた。そのため、従来では、フレキシブル基板を、コネクタ部品の挿入口に対して、作業者が手作業で挿入し組付けることが行われていた。
特開平9-134939号公報
上記したようなフレキシブル基板を、コネクタ部品の挿入口に対して挿入して組付ける作業に関して、作業の自動化を図ることが要望される。ところが、フレキシブル基板の柔軟性のために安定して保持することが難しい事情があるのに対し、挿入口とフレキシブル基板との間のクリアランスが、例えば0.03mmと極めて小さなものとなっており、更に製品のばらつきによる寸法誤差もある。そのため、フレキシブル基板を、コネクタ部品の挿入口に対して挿入する作業の自動化に関しては、困難性が高いものとなっていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、フレキシブル基板を、コネクタ部品の挿入口に対して挿入して組付ける作業を安定して行うことが可能なフレキシブル基板の組付方法及び組付装置を提供するにある。
上記目的を達成するために、本発明のフレキシブル基板の組付方法は、板面に平行に延びるスリット状の挿入口(4a)を有するコネクタ部品(4)が実装された回路基板(2)に対し、フレキシブル基板(6)の先端部を、前記挿入口から挿入して該コネクタ部品に自動で組付けるための方法であって、前記フレキシブル基板は、前記コネクタ部品に対する挿入方向の先端側に、吸着ノズル(18)にて上面のみを吸着して搬送可能な硬質部(8)を有すると共に、電子部品本体(3)側に接続される基端部に、第2の硬質部(10)を有し、前記硬質部と第2の硬質部との間に挟まれた中間部分に、たわみ変形可能な柔軟部(9)を有しており、前記フレキシブル基板を、先端側を下降傾斜させた状態で、前記先端部が前記回路基板の板面の前記コネクタ部品の手前側に接触するまで下降させ、該先端部が該板面に接触した状態で、前記吸着ノズルによる吸着を解き、前記柔軟部をたわませるようにしながら、該フレキシブル基板を挿入方向にスライド移動させて該先端部を前記挿入口に挿入する。
また、本発明のフレキシブル基板の組付装置は、板面に平行に延びるスリット状の挿入口(4a)を有するコネクタ部品(4)が実装された回路基板(2)に対し、フレキシブル基板(6)の先端部を、前記挿入口から挿入して該コネクタ部品に自動で組付けるための装置(11)であって、前記フレキシブル基板は、前記コネクタ部品に対する挿入方向の先端側に、吸着ノズル(18)にて上面のみを吸着して搬送可能な硬質部(8)を有すると共に、電子部品本体(3)側に接続される基端部に、第2の硬質部(10)を有し、前記硬質部と第2の硬質部との間に挟まれた中間部分に、たわみ変形可能な柔軟部(9)を有しており、前記回路基板が位置決め状態にセットされる基台(12)と、前記フレキシブル基板の硬質部の上面のみを吸着可能な吸着ノズルと、前記電子部品本体を把持するチャック部(19)と、を有する組付ハンド(17)と、前記組付ハンドを自在に移動させる移送機構(16)と、前記組付ハンド及び移送機構を制御して組付作業を自動で実行させる制御装置(15)とを備え、前記制御装置は、前記吸着ノズルにて前記フレキシブル基板の先端側の硬質部の上面のみを吸着及び前記チャック部で前記電子部品本体を把持した状態で、前記移送機構により前記フレキシブル基板を移動させ、該フレキシブル基板の先端側を下降傾斜させた状態で、前記先端部が前記回路基板の板面の前記コネクタ部品の手前側に接触するまで下降させ、該先端部が該板面に接触した状態で、前記吸着ノズルによる吸着を解き、前記柔軟部をたわませるようにしながら、前記移送機構により前記フレキシブル基板を挿入方向にスライド移動させて前記先端部を前記挿入口に挿入する。
上記構成においては、フレキシブル基板が柔軟性を有するものであっても、先端側に硬質部を設けたことにより、その硬質部を吸着ノズルで吸着することができる。これにより、フレキシブル基板の取扱い性が良好となって、移送の自動化が可能となる。そして、フレキシブル基板の先端部を、コネクタ部品の挿入口に挿入するにあたっては、フレキシブル基板を、回路基板の板面に対して下降傾斜させながら先端部を板面のコネクタ部品の手前側に接触させ、該先端部が該板面に接触した状態で、柔軟部をたわませるようにしながら、フレキシブル基板を挿入方向にスライド移動させることが行われる。このとき、柔軟部のたわみによって、スリット状の挿入口の高さ方向つまり回路基板の板厚方向のばらつきを吸収しながら、先端部を挿入口内に挿入することが可能となる。
従って、フレキシブル基板が柔軟であり、また、フレキシブル基板と挿入口との間のクリアランスが小さいという事情があっても、従来手動で行われていた挿入の工程を、自動で行うことが可能となる。この結果、フレキシブル基板を、コネクタ部品の挿入口に対して挿入して組付ける作業を安定して行うことが可能となるという優れた効果を奏する。
一実施形態を示すもので、組付装置の全体構成を概略的に示す正面図 センサユニットの組付け後の回路基板の平面図 組付ハンドによる保持状態を示すセンサユニットの平面図 フレキシブル基板の平面図 組付ハンドの正面図 視覚認識装置部分の斜視図 フレキシブル基板の平面方向の位置合せの様子を示す平面図 制御装置が実行する組付け工程の手順を示す図 挿入作業時の様子を示す側面図(その1) 挿入作業時の様子を示す側面図(その2)
以下、本発明を、例えば自動車に搭載される車載用画像センサの組立に適用した一実施形態について、図面を参照しながら説明する。図2に示すように、電子部品としての車載用画像センサ1は、回路基板2に、電子部品本体としてのセンサ本体3を接続して構成されている。まず、図2~図4を参照して、それら回路基板2及びセンサ本体3について、簡単に述べておく。尚、ここでは、図2に示すように、回路基板2の左右方向をX方向、前後方向をY方向、設備の上下方向をZ方向(図1参照)と定義する。
即ち、図2に示すように、回路基板2は、ほぼ四角形状をなし、板面即ち上面に複数の電子部品が実装され制御回路等を構成するようになっている。このとき、図6、図7等にも示すように、回路基板2の板面のうち、図で左側縁部の前側のやや内側に入ったところに、センサ本体3との接続用のコネクタ部品4が実装されている。このコネクタ部品4は、図2等で前後方向に細長く構成され、例えば上部にロック用のレバー5を有するいわゆるロックレバー式のコネクタからなる。図9、図10等にも示すように、コネクタ部品4は、図で左面に、板面に平行な横長スリット状の挿入口4aを有している。
このコネクタ部品4は、前記挿入口4aに対し、後述するフレキシブル基板6の先端部が挿入された状態で、上部のレバー5が回動変位されることにより、該フレキシブル基板6が電気的接続状態にロックされるようになっている。ちなみに、前記挿入口4aの高さ寸法、即ちスリットの幅寸法は、例えば0.37mmとされている。これに対し、フレキシブル基板6の先端部の厚み寸法は、例えば0.34mmとされており、クリアランスはごく小さいものとされている。
前記センサ本体3は、ケース3a内にレンズや画像センサ素子等を組込んで構成され、図2、図7等に示すように、四角形のセンサ基板7上に取付けられている。センサ基板7の図2で右辺部には、コネクタ7aが設けられ、このコネクタ7aにフレキシブル基板6の基端が接続されている。図4にも示すように、フレキシブル基板6は、左右方向にやや長いシート状をなし、先端側が図で右方に延びている。フレキシブル基板6の図で右端部である先端部が前記コネクタ部品4に挿入されて接続される。
詳しく図示はしないが、前記フレキシブル基板6は、基本的には、柔軟性を有する薄いベースフィルムの片面この場合下面に、図示しない銅箔からなる導体パターンを設けて構成されている。前記ベースフィルムには、例えばPET等のポリエステルフィルムが採用される。そして、本実施形態では、図4等に示すように、前記フレキシブル基板6は、少なくとも前記コネクタ部品4に対する挿入方向の先端側に、後述する吸着ノズルにて吸着して搬送可能な硬質部8を有している。これと共に、フレキシブル基板6は、その硬質部8の後部側に、たわみ変形可能な柔軟部9を有している。
より具体的には、前記硬質部8は、フレキシブル基板6のうち前記コネクタ部品4に挿入される先端部を全て含んでおり、それより広い範囲で設けられている。更に、フレキシブル基板6のうち基端部つまり前記センサ基板7のコネクタ7aに接続される部分についても、第2の硬質部10とされている。従って、前記柔軟部9は、硬質部8と、第2の硬質部10との間に挟まれた中間部分に設けられている。図4では、便宜上、硬質部8及び第2の硬質部10にハッチングを付して示している。
このとき、本実施形態では、前記硬質部8及び第2の硬質部10は、フレキシブル基板6を構成するベースフィルムの上面、つまり導体パターンとは反対側の面に、補強フィルムを貼付けることにより構成されている。そして、補強フィルムが貼付けられていない部分が前記柔軟部9とされる。具体的には、補強フィルムとしては、例えばポリイミド(PI)フィルムを採用することができ、例えば熱圧着によりフレキシブル基板6のベースフィルムの表面に接合されている。
ここで、前記フレキシブル基板6を回路基板2のコネクタ部品4に対して自動で組付ける本実施形態に係る組付装置11について、以下説明する。図1は、組付装置11の全体的な構成を概略的に示している。この組付装置11は、前記回路基板2が位置決め状態にセットされる基台12、この基台12に対して回路基板2を搬入し、センサ本体3の組付け後に搬出する搬入・搬出機構(図示省略)、フレキシブル基板6が取付けられたセンサ本体3を1台ずつ所定の取出位置に供給する供給機構(図示省略)、ロボット13、視覚認識装置14、それらを制御する制御装置15等を備えて構成される。
前記ロボット13は、移送機構としての例えば6軸のアーム16を有する汎用の垂直多関節型ロボットからなる。前記アーム16先端の取付フランジには、前記フレキシブル基板6を把持し搬送して組付け作業を行う組付ハンド17が取付けられている。このアーム16については周知構成を備えるため、詳しい説明を省略するが、前記組付ハンド17を任意の角度でX、Y、Z方向に自在に移動させることができる。本実施形態では、組付ハンド17は、前記フレキシブル基板6の硬質部8を吸着可能な吸着ノズル18と、センサ本体3のケースを把持するチャック部19とを有して構成される。
具体的には、図5に示すように、組付ハンド17は、前記取付フランジに取付けられる取付ベース17aを有している。前記チャック部19は、取付ベース17aに固定的に設けられた固定爪部19aと、この固定爪部19aの図で左側に位置し該固定爪部19aに対して開閉方向に移動して部品の把持・把持解除を行う可動爪部19bとを備えている。これと共に、前記可動爪部19bを開閉させる駆動源となる例えばエアシリンダ等を備えている。前記吸着ノズル18は、例えば図5で前後に2個が前記固定爪部19aの外面側図で右側面に下向きに取付けられている。図示はしないが、これら吸着ノズル18は、エアチューブ等を介して真空ポンプなどの減圧源に接続されている。
これにて、組付ハンド17は、図3等にも示すように、チャック部19によってセンサ本体3のケースを図で左右から把持すると共に、吸着ノズル18によってフレキシブル基板6の上面の硬質部8の図で前後2箇所を吸着することにより、センサ本体3及びフレキシブル基板6を保持する。このとき、フレキシブル基板6がセンサ基板7の上面と連続してほぼ同一面をなすように保持することができる。そして、その保持状態で、フレキシブル基板6が取付けられたセンサ本体3を、アーム16の移動によって自在に移送し、後述のように、回路基板2のコネクタ部品4に対する組付けの作業を行う。
前記視覚認識装置14は、図1、図6に示すように、前記基台12の上方に位置して、下向きに設けられたカメラ20、このカメラ20の撮影画像を処理する画像処理装置を含んで構成される。この視覚認識装置14は、フレキシブル基板6をコネクタ部品4に挿入する際の平面方向の位置合わせを行うために用いられ、コネクタ部品4に対する挿入前におけるカメラ20により撮影した画像から、フレキシブル基板6の平面方向の位置ずれ、特にY方向の位置ずれ、及び、Z軸周りの回転方向(図7のθ方向)の位置ずれを検出するようになっている。また、視覚認識装置14により、組付工程後のコネクタ部品4周辺をカメラ20が撮影することに基づき、コネクタ部品4に対するフレキシブル基板6の挿入即ち組付けが正しく行われているかの確認作業が行われる。
そして、前記制御装置15は、コンピュータを含んで構成され、組付装置11全体を制御して、本実施形態のフレキシブル基板6の組付方法を自動で実行する。自動で繰返し実行させる。即ち、制御装置15は、前記搬入・搬出機構、供給機構、ロボット13のアーム16及び組付ハンド17、視覚認識装置14を制御し、組付ハンド17による回路基板2のコネクタ部品4に対する、フレキシブル基板6の組付作業すなわち挿入の作業を自動で繰返し実行する。
具体的には、後の工程説明でも述べるように、制御装置15は、供給位置において組付ハンド17によりフレキシブル基板6が接続されたセンサ本体3を取得する取得工程を実行する。また、制御装置15は、その取得工程と並行して、基台12上の組付済みの回路基板2を搬出させ、基台12上に組付け前の新たな回路基板2を搬入させる搬出搬入工程を実行する。次いで、制御装置15は、フレキシブル基板6及びセンサ本体3を基台12の近傍まで移送する移送工程を実行する。
次に、制御装置15は、視覚認識装置14のカメラ20による撮影に基づく位置合せ工程を実行する。位置合せ工程後、制御装置15は、前記フレキシブル基板6の先端部を、コネクタ部品4の挿入口4aに挿入する組付工程を実行する。後述するように、この組付工程では、フレキシブル基板6を、先端側を下降傾斜させた状態で、その先端部が回路基板2の板面のコネクタ部品2の手前側即ち左側に接触するまで下降させ、該先端部が板面に接触した状態で、柔軟部9をたわませるようにしながら、フレキシブル基板6を挿入方向にスライド移動させて先端部を前記挿入口4aに挿入することが行われる。
次に、上記構成の組付装置11により実行されるフレキシブル基板6の組付けの工程について、図8~図10も参照して順に説明する。図8は、制御装置15が実行する処理工程を順に示している。即ち、まず、ステップS1では、取得工程が実行される。この取得工程では、制御装置15は、ロボット13のアーム16により組付ハンド17を供給位置に移動させ、供給機構により供給されたセンサ本体3を組付ハンド17により取得する。このとき、図3、図5等に示すように、組付ハンド17は、チャック部19によってセンサ本体3のケースを把持し、2個の吸着ノズル18によってフレキシブル基板6の上面の硬質部8を吸着した状態に把持する。尚、図示はされていないが、その取得工程と並行して、基台12に対する回路基板2の搬出搬入工程が実行される。
次のステップS2では、センサ本体3及びフレキシブル基板6を組付ハンド17により取得した状態で、ロボット13のアーム16により、基台12の近傍まで移送する移送工程が実行される。この移送工程では、図6、図7に示すように、センサ本体3に接続されたフレキシブル基板6が、回路基板2のコネクタ部品4の挿入口4aの左方に来る位置まで移動させる。ステップS3では、視覚認識装置20による位置ずれの検出が行われ、ステップS4にて位置合せ工程が実行される。
そのうちステップS3の位置ずれの検出の工程では、図6、図7に示すように、視覚認識装置14のカメラ20により、回路基板2上のコネクタ部品4及びフレキシブル基板6の先端部部分の平面方向の画像を撮影し、Y方向及び回転方向の位置ずれを検出することが行われる。ステップS4の位置合せ工程は、検出された位置ずれを補正するように、ロボット13のアーム16を駆動しフレキシブル基板6及びセンサ本体3を移動させることにより行われる。
そして、ステップS5では、フレキシブル基板6の先端部を、コネクタ部品4の挿入口4aに左方から挿入する組付工程が実行される。この組付工程では、まず図9に示すように、フレキシブル基板6の先端側を下降傾斜させた状態で、その先端部が回路基板2の板面のコネクタ部品4の手前側部分に接触するまで下降させる。引続き、図10に示すように、フレキシブル基板6の先端部が板面に接触した状態で、吸着ノズル18による先端部吸着を解き、フレキシブル基板6の柔軟部9をたわませるようにしながら、組付ハンド17によりセンサ本体3を図で右方に移動させ、フレキシブル基板6を挿入方向にスライド移動させてその先端部を挿入口4aに挿入させることが行われる。
コネクタ部品4に対するフレキシブル基板6の挿入が終了すると、制御装置15は、組付ハンド17によるセンサ本体3の把持を解き、組付ハンド17を再び供給位置へ移動させる。そして、ステップS6にて、視覚認識装置20による確認の工程が実行される。この確認の工程では、再度視覚認識装置20により、回路基板2上のコネクタ部品4周辺の平面方向の画像を撮影し、正しく組付けが行われているかどうかを確認することが行われる。正しく組付けが行われていることが確認されると、センサ本体3が組付けられた回路基板2が基台12から次の工程に向けて搬出され、次の回路基板2が基台12上に搬入される。組付けが正しく行われていな場合は、エラー報知がなされる。
このような本実施形態によれば、次のような作用、効果を得ることができる。即ち、本実施形態では、フレキシブル基板6の先端側に硬質部8を設けたことにより、フレキシブル基板6自体は柔軟性を有するものであっても、その硬質部8を吸着ノズル18で吸着することができる。これにより、フレキシブル基板6の取扱い性が良好となって、移送の自動化が可能となった。
そして、フレキシブル基板6の先端部を、コネクタ部品4の挿入口4aに挿入するにあたっては、フレキシブル基板6を、回路基板2の板面に対して下降傾斜させながら先端部を板面のコネクタ部品4の手前側に接触させ、先端部が板面に接触した状態で、柔軟部9をたわませるようにしながら、フレキシブル基板6を挿入方向にスライド移動させるようにした。このとき、柔軟部9のたわみによって、スリット状の挿入口4aの高さ方向つまり回路基板2の板厚方向の寸法のばらつきを吸収しながら、先端部を挿入口4a内に挿入することが可能となった。
従って、フレキシブル基板6が柔軟であり、また、フレキシブル基板6と挿入口4aとの間のクリアランスが小さいという事情があっても、従来手動で行われていた挿入の工程を、自動で行うことが可能となる。また、これに伴い、後工程の自動化も可能となる。この結果、本実施形態のフレキシブル基板6の組付方法及び組付装置11によれば、フレキシブル基板6を、コネクタ部品4の挿入口4aに対して挿入して組付ける作業を安定して行うことが可能となるという優れた効果を奏する。
本実施形態の組付方法では、フレキシブル基板6の硬質部8を、フレキシブル基板6のベースフィルムの表面に補強フィルムを貼付けることにより構成し、補強フィルムが貼付けられていない部分を柔軟部9とする構成とした。これにより、硬質部8を、簡単な構成で安価に設けることができる。柔軟部9によって、フレキシブル基板6において本来必要な機能、例えばU字状に折曲げた状態で基板2とセンサ本体3との電気的接続を行う機能等を確保できることは勿論である。
また、本実施形態では、フレキシブル基板6の基端部がセンサ本体3に接続された状態に組付けるものとし、組付装置11の組付ハンド17を、フレキシブル基板6の硬質部8を吸着する吸着ノズル18と、センサ本体3を把持するチャック部19とを有して構成した。これにより、組付ハンド17により、センサ本体3とそれに接続されたフレキシブル基板6とを、一体的に移送することができ、センサ本体3が接続された状態であっても、移送の作業、挿入の作業を容易に行うことができる。
更に、本実施形態の組付装置11では、基台12の上方から回路基板2の平面方向の画像をカメラ20により撮影することに基づき、フレキシブル基板6をコネクタ部品4に挿入する際の平面方向の位置合わせを行うための視覚認識装置14を備える構成とした。これにより、フレキシブル基板6のコネクタ部品4に対する挿入時の、平面方向の位置合わせを容易かつ確実に行うことができ、高品質であって、効率の良いスムーズな作業が可能となる。
尚、上記した実施形態では、フレキシブル基板6の硬質部8を、軟質なベースフィルム上に硬質な補強フィルムを貼付けて構成するようにしたが、硬質部と柔軟部とで材質を異ならせた一層のフィルムからフレキシブル基板を構成する等の変形が可能である。フレキシブル基板6における第2の硬質部10は必ずしも設けなくとも良く、また、柔軟部を複数個所に設けることも可能である。更には、移送機構についても6軸型の垂直多関節ロボットに限らず、各種の構成を採用することができる。組付ハンドの具体的構成としても様々な変更が可能である。
また、上記実施形態では、車載用の画像センサの組立てを具体例として挙げたが、回路基板のコネクタ部品にフレキシブル基板を組付けるもの全般に適用することができる。その他、組付装置11の全体的な構成や配置等などについても、種々変更して実施することができる。本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
図面中、1は車載用画像センサ(電子部品)、2は回路基板、3はセンサ本体(電子部品本体)、4はコネクタ部品、4aは挿入口、6はフレキシブル基板、8は硬質部、9は柔軟部、11は組付装置、12は基台、13はロボット、14は視覚認識装置、15は制御装置、16はアーム(移送機構)、17は組付ハンド、18は吸着ノズル、19はチャック部、20はカメラを示す。

Claims (4)

  1. 板面に平行に延びるスリット状の挿入口(4a)を有するコネクタ部品(4)が実装された回路基板(2)に対し、フレキシブル基板(6)の先端部を、前記挿入口から挿入して該コネクタ部品に自動で組付けるためのフレキシブル基板の組付方法であって、
    前記フレキシブル基板は、前記コネクタ部品に対する挿入方向の先端側に、吸着ノズル(18)にて上面のみを吸着して搬送可能な硬質部(8)を有すると共に、電子部品本体(3)側に接続される基端部に、第2の硬質部(10)を有し、前記硬質部と第2の硬質部との間に挟まれた中間部分に、たわみ変形可能な柔軟部(9)を有しており、
    前記フレキシブル基板を、先端側を下降傾斜させた状態で、前記先端部が前記回路基板の板面の前記コネクタ部品の手前側に接触するまで下降させ、該先端部が該板面に接触した状態で、前記吸着ノズルによる吸着を解き、前記柔軟部をたわませるようにしながら、該フレキシブル基板を挿入方向にスライド移動させて該先端部を前記挿入口に挿入するフレキシブル基板の組付方法。
  2. 前記フレキシブル基板の硬質部及び第2の硬質部は、表面に補強フィルムを貼付けることにより構成され、該補強フィルムが貼付けられていない部分が前記柔軟部とされる請求項1記載のフレキシブル基板の組付方法。
  3. 板面に平行に延びるスリット状の挿入口(4a)を有するコネクタ部品(4)が実装された回路基板(2)に対し、フレキシブル基板(6)の先端部を、前記挿入口から挿入して該コネクタ部品に自動で組付けるためのフレキシブル基板の組付装置(11)であって、
    前記フレキシブル基板は、前記コネクタ部品に対する挿入方向の先端側に、吸着ノズル(18)にて上面のみを吸着して搬送可能な硬質部(8)を有すると共に、電子部品本体(3)側に接続される基端部に、第2の硬質部(10)を有し、前記硬質部と第2の硬質部との間に挟まれた中間部分に、たわみ変形可能な柔軟部(9)を有しており、
    前記回路基板が位置決め状態にセットされる基台(12)と、
    前記フレキシブル基板の硬質部の上面のみを吸着可能な吸着ノズルと、前記電子部品本体を把持するチャック部(19)と、を有する組付ハンド(17)と、
    前記組付ハンドを自在に移動させる移送機構(16)と、
    前記組付ハンド及び移送機構を制御して組付作業を自動で実行させる制御装置(15)とを備え、
    前記制御装置は、前記吸着ノズルにて前記フレキシブル基板の先端側の硬質部の上面のみを吸着及び前記チャック部で前記電子部品本体を把持した状態で、前記移送機構により前記フレキシブル基板を移動させ、該フレキシブル基板の先端側を下降傾斜させた状態で、前記先端部が前記回路基板の板面の前記コネクタ部品の手前側に接触するまで下降させ、該先端部が該板面に接触した状態で、前記吸着ノズルによる吸着を解き、前記柔軟部をたわませるようにしながら、前記移送機構により前記フレキシブル基板を挿入方向にスライド移動させて前記先端部を前記挿入口に挿入するフレキシブル基板の組付装置。
  4. 前記基台の上方から前記回路基板の平面方向の画像を撮影することに基づき、前記フレキシブル基板を前記コネクタ部品に挿入する際の平面方向の位置合わせを行うための視覚認識装置(14)を備える請求項3載のフレキシブル基板の組付装置。
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