<第1実施形態>
以下に図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は、本実施形態の包装容器Aの前側から見た斜視図である。なお、「上」、「下」、「前」、「後」は、図1に示す状態を基準とする。図1は、本発明にかかる包装容器Aの一例の斜視図である。
(1.包装容器Aの概要について)
図1に示すとおり、本発明にかかる包装容器Aは、収納物Sを収納する収納箱100と、収納箱100の上面の開口を覆う蓋材200とを備える。図1に示すとおり、収納箱100は、内部に収納物Sを収納するための収納部60を備える。包装容器Aでは、収納部60に収納物Sを収納した状態で、蓋材200を収納箱100に取り付ける。次に、収納箱100および蓋材200の詳細について説明する。
(2.収納箱100について)
まず、収納箱100の詳細について、図面を参照して説明する。図2は、収納箱100を前側から見た斜視図である。図3は、収納箱100を後側から見た斜視図である。図4は、図2に示す収納箱100の展開図である。図5は、第1側壁1を組み立てた状態の収納箱100を前側から見た斜視図である。図6は、第2側壁2を組み立てた状態の収納箱100を後側から見た斜視図である。図7は、第3側壁3を組み立てている途中の状態の収納箱100を後側から見た斜視図である。図8は、第4側壁4を組み立てている途中の状態の収納箱100を前側から見た斜視図である。
図2、図3に示すように、収納箱100は、長方形状の底部101を有し、底部101の四辺の各々から上方に延びる周壁102を備える。そして、収納箱100には、上部に開口を有する収納部60を備える。図2、図3に示すように、周壁102は、第1側壁1と、第2側壁2と、第3側壁3と、第4側壁4とを含み、底部101は、底壁5を含む(図4等参照)。そして、収納箱100は平面視長方形状の直方体形状であり、第1側壁1と第2側壁2とが対向する。また、第3側壁3と第4側壁4とが対向する。つまり、第1側壁1および第2側壁2は対をなし、第3側壁3および第4側壁4は対をなす。
図4に示すように、収納箱100は、1枚の紙シートPsを折り曲げることで形成される。なお、図4に示す紙シートPsでは、辺縁部を実線で示し、折曲げ線である折り線を一点鎖線で示す。
図4に示すように、底壁5は長方形状である。第1側壁1および第2側壁2は、底壁5の一対の長辺の各々と連設される。また、第3側壁3および第4側壁4は、底壁5の一対の短辺の各々と連設される。すなわち、周壁102は、底壁5に立設されている。
(2.1 第1側壁1について)
図2~図4に示すように、第1側壁1は、第1外面板11と、第1上面板12と、第1内面板13と、第1側面フラップ14(図4、図5等参照)と、第1底面フラップ15(図4、図5等参照)と、第1支持片16とを備える。
第1外面板11は、長方形状である。第1外面板11は底壁5の長辺と連設されている。第1外面板11は底壁5の長辺で上方に折曲される。第1上面板12は第1外面板11の上端と連設されている。第1上面板12は第1外面板11の上端で内側に折曲される。第1上面板12は、内側が外側に比べて短く、台形状である。詳細は後述するが、第3側壁3の第3上面板32および第4側壁4の第4上面板42と干渉することを抑制する形状となっている。
第1内面板13は第1上面板12の内端と連設されている。第1内面板13は第1上面板12の内端で下側に折曲される。第1内面板13の下端は、底壁5と接触する。第1内面板13には、3個の第1貫通孔131が形成されている。第1貫通孔131は、第1内面板13の長手方向、ここでは、前後方向に等間隔で形成されている。なお、第1貫通孔131は、3個に限定されない。
図4に示すとおり、第1貫通孔131は、上側に配された八角形と、下側に配された台形と、を組み合わせた形状である。さらに詳しく説明すると、第1貫通孔131は、八角形の下端の一辺が台形の上底と一致するように八角形と台形とを重ねた形状である。すなわち、第1貫通孔131は、上部に配された八角形状の部分と、下部に配された台形状の部分とを備える。なお、八角形状の部分は、台形状の上底と一致する辺およびその隣り合う2辺を除く5辺の長さが等しい。また、八角形状の部分は全ての辺に内接する円を有する形状である。そして、第1貫通孔131は、八角形状の部分の中心を通る鉛直の線に対して線対称な図形である。
台形状の部分は第1内面板13と第1底面フラップ15との境界(折り線)まで到達している。図4に示す紙シートPsにおいて、台形状の部分の斜辺は切込み133であり、切込み133は第1貫通孔131の辺縁を形成する。そして、切込み133に挟まれる台形状の部分は、第1支持片16である。
第1底面フラップ15は第1内面板13の下端と連設されている。第1底面フラップ15は第1内面板13の下端で内側に折曲される(図5参照)。第1底面フラップ15は、第4側壁4側の端部に切欠き151を備える長方形状である。切欠き151は、第3側壁3の後述する第3底面フラップ34との干渉を抑制するために設けられる。
第1支持片16は第1底面フラップ15と一体に形成される。すなわち、第1内面板13の下端で第1底面フラップ15を折り曲げたとき、第1支持片16は、第1内面板13の外側に向かって倒れる。そして、第1支持片16の自由端は第1外面板11と当接する(図2参照)。
第1側面フラップ14は、第1外側フラップ141と、第1内側フラップ142とを備える(図4、図5等参照)。収納箱100において、第1外側フラップ141および第1内側フラップ142はそれぞれ前後に対をなしている。なお、本実施形態の第1側面フラップ14では、第1外側フラップ141と第1内側フラップ142の両方備えているが、いずれか一方であってもよい。すなわち、第1側面フラップ14は、第1外側フラップ141および第1内側フラップ142の少なくとも一方を備えていればよい。
一対の第1外側フラップ141は、第1外面板11の両側端、ここでは、前後端に連設される。第1外側フラップ141の上端は、自由端に行くほど下方に傾斜している。なお、第1外側フラップ141の上端としては、例えば、円弧状、楕円弧状、複数の曲率の円弧を含む複合円弧状等を挙げることができるが、これに限定されない。また、一部直線状であってもよいし、複数の角部を備える折れ線状であってもよい。
一対の第1内側フラップ142は、第1内面板13の両端側、ここでは、前後端に連設される。第1内側フラップ142は、第1内面板13に連設されている以外、第1外側フラップ141と略同じ構成である。そのため、第1内側フラップ142の詳細については省略する。
第1内面板13の第1内側フラップ142との境界には、上下に延びる長方形状の係止孔132が備えられる。係止孔132は貫通孔であり、第3側壁3の後述する第3内面板33に備えられた係止爪331および第4側壁4の後述する第4内面板43に備えられた係止爪431が挿入可能である。
(2.2 第2側壁2について)
図3、図4に示すように、第2側壁2は、第2外面板21と、第2上面板22と、第2内面板23と、第2側面フラップ24と、折畳部25と、第2底面フラップ26と、第2支持片27とを備える。
第2外面板21は、長方形状である。第2外面板21は底壁5の長辺と連設されている。第2外面板21は底壁5の長辺で上方に折曲される。
第2上面板22は第2外面板21の上端と連設されている。第2上面板22は第2外面板21の上端で内側に折曲される。第2上面板22は、両側端、すなわち、前後両端に内側に向かって突出した一対の凸部221を備える(図6参照)。一対の凸部221は、それぞれ、第3側壁3の第3上面板32および第4側壁4の第4上面板42と一部重なる。凸部221と第3上面板32とが重なることで、第2側壁2と第3側壁3とが強固に固定される。同様に、凸部221と第4上面板42とが重なることで、第2側壁2と第4側壁4とが強固に固定される。
第2内面板23は第2上面板22の内端と連設されている。第2内面板23は第2上面板22の内端で下側に折曲される。第2内面板23の下端は、底壁5と接触する。第2内面板23には、3個の第2貫通孔231が形成されている。第2貫通孔231は、第2内面板23の長手方向、ここでは、前後方向に等間隔で形成されている。第2貫通孔231は、3個に限定されない。
図4に示すとおり、第2貫通孔231は、上側に配された十角形と、下側に配された長方形と、を組み合わせた形状である。さらに詳しく説明すると、第2貫通孔231は、十角形の下端の一辺が長方形の長辺と一致するように十角形と長方形とを重ねた形状である。すなわち、第2貫通孔231は、上部に配された十角形状の部分と、下部に配された長方形状の部分とを備える。なお、十角形状の部分の形状としては、ここでは、正八角形の下端の1辺の両端に接続する辺を外側に折り曲げた形状である。十角形状の部分は、全ての辺に内接可能な円を有する形状である。
このように構成することで、八角形状とする場合に比べて、収納物Sと接触する辺が多くなり、収納物Sの下端部をより強固に保持できる。なお、収納物Sが軽量である、第2内面板23の厚みが厚い等、第2貫通孔231で収納物Sを支持するのに十分な強度を有する場合、外側に折り曲げた辺を直線状、すなわち、八角形状としてもよい。また、第2貫通孔231は、十角形状の部分の中心を通る鉛直の線に対して線対称な図形である。
長方形の部分は第2内面板23と第2底面フラップ26との境界(折り線)まで到達している。図4に示すように、第2貫通孔232の十角形状の部分の下端の1辺と長方形の短辺とは連続している。十角形状の部分の下端部の1辺の両隣の辺および長方形の短辺は切込み232の一部である。切込み232は第2貫通孔231の辺縁の一部を形成する。第2内面板23では、第2貫通孔231の切込み232で挟まれる部分の上部は、取り除かれる。すなわち、切込み232に挟まれる部分は、第2支持片27である。第2支持片27は、第2底面フラップ26と一体に形成される。なお、長方形状の部分を省略して、十角形状の部分の下端の辺を第2底面フラップ26との境界と一致させてもよい。この場合、十角形状の部分の下端の辺の両端と隣り合う辺が切込み232となる。
第2貫通孔231は、第1貫通孔131よりも大きい。また、3個の第1貫通孔131と3個の第2貫通孔231はそれぞれ対をなしている。すなわち、第1側壁1の第1内面板13および第2側壁2の第2内面板23には、3対の貫通孔(第1貫通孔131および第2貫通孔231)を備える。3対の貫通孔は、それぞれ、収納物Sの上端部および下端部を外嵌して保持する。そして、本実施形態の収納箱100において、第1貫通孔131の八角形状の部分の中心の底部101からの距離と、第2貫通孔231の十角形状の部分の中心の底部101からの距離は、等しい。このようにすることで、収納物Sは、中心軸が底部101と平行な状態で収納箱100に収納される。これにより、収納箱100は、収納物Sをより安定して保持できる。
第2底面フラップ26は第2内面板23の下端と連設されている。第2底面フラップ26は第2内面板23の下端で内側に折曲される(図6参照)。図4に示すように、第2底面フラップ26は、第3側壁3側の端部に切欠き261を備える長方形状である。切欠き261は、第3側壁3の後述する第3底面フラップ34との干渉が抑制される。
第2支持片27は、十角形状の部分の下端の辺と隣り合う辺の反対側の辺との角部から、十角形状の部分の内側に向かう辺を有し、その辺の先端を接続した辺(自由端)を有する。第2支持片27は、第2底面フラップ26と一体に形成される。第2内面板23の下端で第2底面フラップ26を折り曲げたとき、第2支持片27は、第2底面フラップ26とともに移動して、第2内面板23の外側に向かって倒れる。そして、第2支持片27の自由端は第2外面板21と当接する(図3、図6等参照)。
収納箱100において、第2側面フラップ24は、対をなして備えられている。一対の第2側面フラップ24は、第2内面板23の両側端、ここでは、前後端に連設される。第2側面フラップ24は、長方形状であり自由端の2つの角部は曲線(円弧)で面取りされている。しかしながら、この形状に限定されるものではなく、面取りはなくてもよい。また、第2側面フラップ24は、長方形状に限定されず、半楕円、三角形状、台形状等であってもよい。
一対の折畳部25は、第2外面板21の両側端にそれぞれ備えられる。一方の折畳部25は第2外面板21の前側端および第3側壁3の第3外面板31の側端と連通される。また、他方の折畳部25は第2外面板21の後側端および第4側壁4の第4外面板41の側端と連通される。そして、折畳部25は底壁5の頂点から外側に延びる折り線を備え、この折り線で折り曲げることで重ねることが可能である(図7、図8参照)。
(2.3 第3側壁3について)
図2、図3、図4に示すように、第3側壁3は、第3外面板31と、第3上面板32と、第3内面板33と、第3底面フラップ34とを備える。
第3外面板31は、長方形状である。第3外面板31は底壁5の短辺と連設されている。第3外面板31は底壁5の短辺で上方に折曲される。第3上面板32は第3外面板31の上端と連設されている。第3上面板32は第3外面板31の上端で内側に折曲される。
第3内面板33は第3上面板32の内端と連設されている。第3内面板33は第3上面板32の内端で下側に折曲される。第3内面板33の下端は、底壁5と接触する。第3内面板33の第1側壁1側の端部に、係止爪331を備える。係止爪331は第3内面板33が第3上面板32の内端から下方に折曲された状態で、上側に行くほど外側に突出する楔型である(図4等参照)。
第3底面フラップ34は第3内面板33の下端と連設されている。第3底面フラップ34は第3内面板33の下端で内側に折曲される。第3底面フラップ34は、自由端の両端が斜めに切りかかれている。切りかかれていることで、第1底面フラップ15および第2底面フラップ26との干渉が抑制される。また、第3内面板33の下端にコの字状の切込みが形成されており、第3底面フラップ34を折曲することで、固定孔332が形成される。
(2.4 第4側壁4について)
図2、図3、図4に示すように、第4側壁4は、第4外面板41と、第4上面板42と、第4内面板43と、底面カバー44とを備える。
第4側壁4において、第4外面板41、第4上面板42および第4内面板43は、それぞれ、第3側壁3の第3外面板31、第3上面板32および第3内面板33と実質上同じ構成を有している。そのため、第4外面板41、第4上面板42および第4内面板43についての詳細な説明は省略する。なお、第4内面板43には第3内面板33と同様に、第1側壁1側に係止爪431が設けられており、第1内面板13の係止孔132に挿入可能である。
底面カバー44は、第4内面板43の下端に接続される。底面カバー44は、第4内面板43の下端で内側に折曲される。底面カバー44は、底壁5の周壁102に囲まれている部分と略同じ大きさの長方形状である。底面カバー44は、自由端に凸部441を備える。底面カバー44は、底壁5の内面を覆うとともに凸部441を第3内面板33に設けられた固定孔332に挿入される(図3参照)。これにより、底面カバー44は底壁5の内面に固定される。底面カバー44は、収納箱100の底壁5を補強する。すなわち、底壁5と底面カバー44との2重とすることで、収納箱100の底部101の強度が高められる。
(3.収納箱100の組み立てについて)
次に、収納箱100の組み立て手順について図面を参照して説明する。
本実施形態の収納箱100では、第1側壁1、第2側壁2、第3側壁3、第4側壁4の順に組み立てる。なお、組み立ての手順については、これに限定されない。例えば、第1側壁1と第2側壁2の組み立ての手順が逆になってもよい。すなわち、最後に第4側壁4組み立てられれば、その他の側壁の組み立て順について特に限定されない。
(3.1 第1側壁1の組み立て)
図5に示すとおり、第1外面板11、第1上面板12、第1内面板13および第1底面フラップ15の各板材を折り線で折曲して第1側壁1を形成する。なお、各板材の折曲方向については、上述しているため、詳細は省略する。
第1支持片16は第1底面フラップ15と一体に形成されている。第1底面フラップ15を第1内面板13に対して内側に折曲するとき、第1支持片16は第1底面フラップ15と一体に変位する。第1支持片16は第1底面フラップ15と反対側に移動して第1外面板11の内面と接触する。これにより、第1支持片16は、第1内面板13を第1外面板11に対して一定の距離を保つように支持する。
第1外面板11と第1内面板13とは略平行である。この状態で第1底面フラップ15は底壁5に接着される。なお、接着は接着剤によって行ってもよいし、粘着テープを用いてもよい。また、接着に限定されず、第1底面フラップ15の一部を底壁5に設けられた貫通孔(不図示)に挿入する等、第1底面フラップ15の一部を底壁5に確実に固定できる方法を広く採用できる。なお、第1支持片16も底壁5に接着してもよい。また、最終的に、第1底面フラップ15の上部を底面カバー44が覆うため、第1側壁1が収納物Sを支持するための十分な強度を有する場合、第1底面フラップ15を底壁5に固定しなくてもよい。
第1側壁1では、第1外面板11が底壁5と一体であるとともに第1内面板13は第1底面フラップ15を介して底壁5に固定されている。そのため、第1側壁1は、下端を中心として上端が外側に傾倒可能である。第1側壁1の傾倒の詳細については、後述する。
(3.2 第2側壁2の組み立て)
次に、第2側壁2を組み立てる。図6に示すとおり、第2外面板21、第2上面板22、第2内面板23および第2底面フラップ26の各板材を折り線で折曲して第2側壁2を形成する。なお、各板材の折曲方向については、上述しているため、詳細は省略する。
第2支持片27は第2底面フラップ26と一体に形成されている。第2底面フラップ26が第2内面板23に対して内側に折曲されるとき、第2支持片27は、第2底面フラップ26と一体に変位される。第2支持片27は第2底面フラップ26と反対側に移動して第2外面板21の内面と接触する。これにより、第2支持片27は、第2内面板23を第2外面板21に対して一定の距離を保つように支持する。
第2外面板21と第2内面板23とは略平行である。この状態で第2底面フラップ26を底壁5に接着する。なお、接着については第1底面フラップ15と同様である。すなわち、第2底面フラップ26を底壁に固定できる構成であれば、接着に限定されない。また、第2支持片27も底壁5に接着されてもよい。また、第2底面フラップ26の上部を底面カバー44が覆うため、第2側壁2が収納物Sを支持するための十分な強度を有する場合、第2底面フラップ26を底壁5に固定しなくてもよい。
(3.3 第3側壁3の組み立て)
第1側壁1および第2側壁2を組み立てた後、第3側壁3を形成する。図7に示すように、第1側壁1の前側の第1外側フラップ141および第1内側フラップ142は、それぞれ、第1外面板11および第1内面板13の側端の折り線で内側に折曲される。また、第2側面フラップ24は第2内面板23の側端で内側に折曲される。
折畳部25は第2外面板21と第3外面板31の両方と連設されている。そのため、折畳部25は、第2外面板21との境界部分の折り線および第3外面板31との境界部分の折り線で折曲される。折畳部25は、この折曲と同時に中央の折り線で折曲される。これにより、折畳部25は中央の折り線で二つ折りに折り畳まれる。
この状態で、第3上面板32、第3内面板33および第3底面フラップ34が折り線で折曲され、第3側壁3が形成される。第3底面フラップ34は、両端が斜めに切断された切欠きを備える。この切欠きは、第1底面フラップ15の切欠き151および第2底面フラップ26の切欠き261と干渉しない。そのため、紙が重ねられて部分的に厚くなるのを抑制できる。これにより、第3底面フラップ34は全面が底壁5と接触するため、第3底面フラップ34が浮き上りにくい。
第3側壁3を折曲により形成することで、第1外側フラップ141、第1内側フラップ142、第2側面フラップ24および折り畳まれた折畳部25が、第3外面板31と第3内面板33との間の空間に挿入される。また、第3側壁3の形成によって、第2側壁2の第2上面板22の凸部221の一方の一部が、第3上面板32に覆われる。また、第3内面板33に備えられた係止爪331は、第1内面板13の係止孔132に挿入される。
(3.4 第4側壁4の組み立て)
最後に第4側壁4の組み立てを行う。図8に示すように、後側の第1外側フラップ141および第1内側フラップ142、後側の第2側面フラップ24を内側に折曲する。また、後側の折畳部25を二つ折りに折りたたむ。
そして、第4外面板41、第4上面板42、第4内面板43および底面カバー44をそれぞれ折り線で折り曲げる。
底面カバー44は、第1内面板13、第2内面板23、第3内面板33および第4内面板43で囲まれた長方形と略同じ大きさを有する。そのため、底面カバー44は、折り線で折曲された後、収納箱100の底面の第1内面板13、第2内面板23、第3内面板33および第4内面板43で囲まれた部分を覆うように配される。そして、底面カバー44の自由端に備えられた凸部441を第3内面板33に備えられた固定孔332に挿入する。
長方形状の底面カバー44の短辺の一つは、第4内面板43と連設される。そして、底面カバー44の残りの短辺は、第3内面板33と接触する。つまり、第3内面板33は底面カバー44に押されている。そして、底面カバー44は、凸部441を固定孔332に挿入することで浮きあがりが抑制される。また、底面カバー44に抑えられるため、第3底面フラップ34の浮きあがりも抑制される。これにより、第3側壁3および第4側壁4が底壁5に接着されていない場合でも分解されにくい。
そして、前側の第1側面フラップ14、第2側面フラップ24および折畳部25が、第3側壁3の第3外面板31、第3上面板32および第3内面板33に囲まれた空間に挿入される。また、後側の第1側面フラップ14、第2側面フラップ24および折畳部25が、第4側壁4の第4外面板41、第4上面板42および第4内面板43に囲まれた空間に挿入される。これにより、第1側壁1、第2側壁2、第3側壁3および第4側壁4は、それぞれ立設された状態で連結される。
次に、収納箱100における収納物Sの収納について説明する。図9は、収納箱100に収納物Sが収納されている状態を示す斜視図である。図9に示すように、収納物Sは、上下で外径が異なる円筒形状の容器である。収納物Sとしては、例えば、ジュース、お酒等の飲料、化粧品、医薬品等を挙げることができるが、これに限定されない。
図9に示すように、収納物Sの収納部60への収納は、収納物Sの下端部を第2貫通孔231に挿入するとともに、上端部を第1貫通孔131に挿入することで行われる。このとき、収納物Sの胴部は、底壁5を覆う底面カバー44、すなわち、収納箱100の底部101に支持される。
収納物Sの下端部が第2貫通孔231に挿入される。このとき、第2貫通孔231の十角形状の部分の各辺が収納物Sの下端部の外面と接触する。すなわち、収納物Sの下端部が第2貫通孔231の十角形状の部分に嵌合される。そのため、収納物Sの下端部は第2貫通孔231の辺縁部によって安定して保持される、すなわち、収納物Sの下端部の回転が抑制される。
また、収納物Sの下端部を十角形状の部分の各辺で保持する構成とすることで、第2貫通孔231の十角形状の部分に内接する円の直径と収納物Sの外径の大きさが異なった場合であっても挿入が可能である。例えば、収納物Sの下端部の外径が第2貫通孔231に内接する円の直径よりも大きい場合、収納物Sの下端部が第2貫通孔231の十角形状の部分を変形させて挿入可能である。これにより、収納物Sの下端部は第2貫通孔231の辺縁部により強固に保持される。また、逆に、収納物Sの下端部の外径が第2貫通のに内接する円の直径よりも小さい場合、収納物Sの下端部は第2貫通孔231の十角形状の部分の複数の辺で支持される。このことから、収納物Sの下端部の外径と第2貫通孔231に内接する円の直径とに誤差があっても、収納物Sの下端部はしっかり保持される。
また、収納物Sの上端部は第1貫通孔131に挿入される。このとき、第1貫通孔131の八角形状の部分の各辺が収納物Sの上端部の外面と接触する。すなわち、収納物Sの上端部が、第1貫通孔131の八角形状の部分に嵌合される。そのため、収納物Sの上端部は第1貫通孔131の辺縁部によって安定して保持される、すなわち、収納物Sの上端部の回転が抑制できる。
また、収納物Sの上端部を八角形状の部分の各辺で保持する構成とすることで、第1貫通孔131の八角形状の部分に内接する円の直径と収納物Sの外径とが異なった場合であっても挿入が可能である。例えば、収納物Sの上端部の外径が第1貫通孔131の八角形状の部分に内接する円の直径よりも大きい場合、収納物Sが第1貫通孔131の八角形状の部分を変形させて挿入可能である。これにより、収納物Sの上端部は、第1貫通孔131の辺縁部により強固に保持される。逆に、収納物Sの上端部の外径が第1貫通孔131の八角形状の部分に内接する円の直径よりも小さい場合、第1貫通孔131が八角形状の部分を備えるため、八角形状の部分の複数の辺で収納物Sを支持できる。このことから、収納物Sの上端部の外径と第1貫通孔131に内接する円の直径とに誤差があっても、第1貫通孔131の辺縁部が収納物Sの下端部をしっかり保持する。
これにより、図9に示すように、収納物Sを3個収納した場合であっても、収納箱100の内部で収納物Sが保持される。なお、第1貫通孔131の八角形状の部分の形状及び大きさ、第2貫通孔231の十角形状の部分の形状および大きさは、収納物Sの形状にあわせて決定される。
また、収納物Sの上端部を挿入するときに、八角形状の部分が収納物Sによって変形しやすいように形成していてもよい。このような形状としては、例えば、第1貫通孔131の八角形状の部分の形状として、八角形状の部分の各辺が内側に向かって凸形に湾曲した形状を挙げることができる。このように、八角形状の部分の各辺を内側に凸形に湾曲させることで、第1貫通孔131の八角形状の部分が収納物Sを挿入するときに変形しやすくなる。なお、湾曲に限定されず、内側に向かって凸形に屈曲した構成であってもよいし、一部が凸形状に突出する形状であってもよい。八角形状の部分が収納物Sの挿入によって変形しやすい形状を広く採用できる。
これにより、収納物Sの上端部は、第1貫通孔131にてさらに強く保持され、収納物Sの回転を抑制する効果がさらに高くなる。なお、湾曲する辺は、第1貫通孔131の八角形状の部分の全ての辺であってもよいし、一部の辺であってもよい。さらに、第2貫通孔231の十角形状の部分の辺も、第1貫通孔131の八角形状の部分の辺と同様、内側に凸形状に湾曲していてもよい。第2貫通孔231をこのように構成することで、収納物Sの下端部もより強固に保持される。
収納物Sは、上端部を第1貫通孔131に、下端部を第2貫通孔231に嵌合させることで保持される。上述したとおり、収納箱100に収納された収納物Sは回転が抑制されて保持される。例えば、第1貫通孔131の八角形状の部分に内接する円の直径よりも収納物Sの上端部の外径が小さい、または、第2貫通孔231の十角形状の部分に内接する円の直径よりも収納物Sの下端部の外径が小さい場合がある。この場合でも、他方が収納物Sをしっかり保持する構成であるので、収納部60に収納された収納物Sは安定して、すなわち、回転が抑制された状態で保持される。
また、上述のように、第1貫通孔131の辺縁部で収納物Sの上端部を、第2貫通孔231の辺縁部で収納物Sの下端部を保持することで、包装容器Aの向きを変えたり、包装容器Aを移動させたりしても、収納物Sの収納箱100における向きは、変化しにくい。
例えば、収納物Sの胴部に図柄(不図示)が設けられている場合がある。収納箱100に収納するときに、収納物Sの図柄を所定の向き(例えば、上面向き)とすることで、包装容器A(収納箱100)が移動されても、収納物Sの図柄の収納箱100における向きは、維持される。なお、図柄は、収納物Sの表面に直接形成されてもよいし、印刷等によって図柄を形成したシート状の部材を収納物Sの表面に貼着してもよい。
収納箱100では、内面板に形成された貫通孔に収納物を挿入することで、底部に取り付けられる固定用の部材を用いなくても収納物Sの移動を抑制できる。つまり、収納箱100は、一枚の紙シートPsから構成されるとともに、収納物Sを安定して保持することが可能である。そして、収納物Sは、第1側壁1の第1内面板13の第1貫通孔131の辺縁部、第2側壁2の第2内面板23の第2貫通孔231の辺縁部および底部101に保持される。すなわち、収納箱100を構成する3つの壁部で支持されている。そのため、収納物Sは、底部に取り付けられる固定用の部材を用いて保持される場合に比べて、収納箱100に安定して保持される。
本実施形態において、収納物Sとして、上下の外径が異なる筒状の容器を例に説明している。そのため、第1貫通孔131と第2貫通孔231とが異なる大きさである。しかしながらこれに限定されず、軸方向に亘って外径が一定の筒状の容器であってもよい。この場合、第1貫通孔131と第2貫通孔231とを同じ大きさおよび形状としてもよい。
(4. 収納箱100の動作)
次に、本実施形態にかかる包装容器Aの収納箱100のその他の動作について図面を参照して説明する。図10は、収納箱100の第1側壁1を傾倒させた状態を示す斜視図である。 図11は、収納物Sを収納した状態で第1側壁1を傾倒させた状態を示す斜視図である。
図7、図8等に示すように、第2側面フラップ24は面取りされた長方形状であり、上端が、第3上面板32および第4上面板42に接触している。また、折畳部25は折り畳まれた状態で第3側壁3および第4側壁4の内部に挿入されている。そして、第2上面板22の凸部221の一部の上方に、第3上面板32および第4上面板42が重なる。そのため、第2側壁2は第3側壁3および第4側壁4と強固に連結される。すなわち、収納箱100において、第2側壁2、第3側壁3および第4側壁4は、周壁102の一部を構成する強固なコの字状の構造体である。
一方、第1側面フラップ14の第1外側フラップ141および第1内側フラップ142は、上端が自由端に行くほど下方に傾斜している。図7、図8に示すとおり、前側の第1外側フラップ141および第1内側フラップ142の上端と第3上面板32との間には隙間がある。後側の第1外側フラップ141および第1内側フラップ142の上端と第4上面板42との間には隙間がある。この隙間は、第1外側フラップ141および第1内側フラップ142の自由端に行くほど大きくなっている。
そのため、収納箱100において、第1側壁1の上端を外周側に傾倒しても、第1外側フラップ141および第1内側フラップ142の上端が第3上面板32および第4上面板42と当接することによる移動の規制を受けにくい。つまり、第1側壁1は、上端を外周側に傾倒することが可能である(図10参照)。なお、第1外側フラップ141および第1内側フラップ142の上端の形状を調整することで、第1側壁1を一定の角度傾倒させたときに、それ以上の傾倒を規制することも可能である。
図10に示すように、収納箱100では、第2側壁2、第3側壁3および第4側壁4のコの字状の連結を維持したまま、第1側壁1の上端を外周側に傾倒させることができる。図11に示すように、第1側壁1の上端を外周側に傾倒させることで、収納物Sの上端部と第1貫通孔131との嵌合が外れる。これにより、収納箱100から収納物Sを容易に取り出すことができる。なお、収納物Sが底部101に支持されるため、収納物Sの上端部と第1貫通孔131との嵌合を外しやすい。この点でも、使用者の利便性が高い。
また、第1側壁1を傾倒させた状態から、起立した状態(第1貫通孔131が収納物Sの上端部を保持した状態)に戻したとき、第3内面板33の係止爪331および第4内面板43の係止爪431が、第1内面板13の両端に備えられた係止孔132に挿入される。これにより、第1側壁1は、起立した状態で保持される。つまり、係止爪331、431と係止孔132との係止により、第1側壁1の自由な傾倒を規制する。例えば、第1側壁1に対して傾倒する方向に一定以上の力が作用したとき、係止爪331、431と係止孔132との係合が外れて、第1側壁1が傾倒する。また、係止爪331、431を変形させて(撓ませて)係止孔132から外れやすくした後に、第1側壁1を傾倒してもよい。
(5.蓋材200について)
蓋材200の詳細について図面を参照して説明する。図12は、図1に示す包装容器Aに備えられる蓋材200の斜視図である。蓋材200は、底面部201と、上面部202と、一対の外嵌板203とを備える。底面部201および上面部202は長方形状である。底面部201および上面部202は、収納箱100の底部101と略同じ形状である。底面部201と上面部202は上下に並んで配置されており、それぞれ、上下に対応する長辺同士が外嵌板203と連設される。
蓋材200は、底面部201、上面部202および一対の外嵌板203で、前後に開口した筒状に形成される。前または後の開口から収納箱100を前端または後端から挿入して蓋材200に収納箱100を収容する。なお、開口の一方が閉じられていてもよい。このように構成することで、蓋材200に収容された収納箱100の脱落を抑制できる。図1、図12に示すように、上面部202には貫通孔である窓部204が備えられる。
なお、蓋材200は、この形状に限定されない。例えば、図13に示すような、蓋材300であってもよい。図13は、蓋材300の他の例の下側から見た斜視図である。図6に示す蓋材300は、上面部301と、外嵌板302と、窓部303とを備える。上面部301は、長方形状である。外嵌板302は、上面部301の各辺と連結された直方体形状の筒体である。そして、窓部303は、上面部301に設けられた貫通孔である。すなわち、蓋材300は、下部に開口を有する有蓋筒状である。収納箱100を上面側から開口に挿入することで、蓋材300で収納箱100の上部の開口を閉じる。
収納箱100に収納物Sが収納された状態で蓋材200(300)が取り付けられる。蓋材200が収納箱100に取り付けられたときに、使用者は内部に収納された収納物Sを、窓部204(303)を介して確認できる。なお、窓部204(303)は、貫通孔のままでもよいし、窓部204(303)を覆う透明な樹脂フィルムを貼り付けてもよい。また、メッシュのような、一部視認可能な部材を貼り付けてもよい。
上述したとおり、収納物Sには、表面に図柄が形成されてものもある。包装容器Aに収納された状態の収納物Sの表面の図柄は、使用者によって、蓋材200(300)の窓部204(303)から視認される。例えば、包装容器Aにおいて、蓋材200(300)の窓部204(303)の周囲に配された図柄(不図示)と収納物Sおよび(または)収納物Sに配された図柄と、で1つの図柄(それぞれの部材に形成された図柄と区別のため、図案とする)を構成する場合がある。
例えば、包装容器Aにおいて、蓋材200(300)と収納物Sおよび(または)収納物Sに配された図柄である図案が形成されているとする。包装容器Aでは、搬送、商品棚等への陳列等で移動させた場合でも、収納物Sの回転が抑制される。そのため、移動後の包装容器Aでは、移動前に形成された図案が乱れにくい。そのため、包装容器Aを用いることで、販売者が収納箱100、蓋材200(300)および収納物Sで形成した図案を、販売用の棚等に陳列されている状態で、使用者に認識させることが可能である。すなわち、包装容器Aを用いることで、使用者(購入者)に対する商品(収納物S)の訴求効果を高めることができる。また、購入後においても図案が乱れにくいので、包装容器Aの図案を居室、オフィス等の使用者の生活空間で装飾に用いることも可能である。すなわち、包装容器Aを用いることで、意匠性を損なうことなく、収納物Sを確実に保持できる。
また、収納箱100に蓋材200(300)を取り付けたとき、第1側壁1は、外嵌板203(302)に外嵌される。これにより、収納箱100に蓋材200(300)が取り付けられているとき、第1側壁1の傾倒は抑制される。つまり、収納箱100に蓋材200(300)が取り付けられているとき、収納箱100では、第1内面板13の第1貫通孔131と第2内面板23の第2貫通孔231とによって、収納物Sが安定保持される。また、蓋材200(300)を取り外すことで、収納箱100は、第1側壁1の上部を外側に傾倒させることが可能になる。これにより、収納物Sを取り出しやすい。
以上示したとおり、本実施形態の包装容器Aを用いることで、収納物Sを収納している状態のときに、収納部60内に保持用の部材を配置しなくてもよい。また、収納物Sは、収納物Sがずれたり、動いたり(回転したり)しないように、すなわち、安定した状態で保持される。また、第1側壁1の上端を外周側に傾倒することで、第1貫通孔131による収納物Sの上端部の保持が解除される。これにより、収納物Sを容易に取り出すことができる。このことは、例えば、搬送時において、収納物Sが包装容器Aの内部で動くことを抑制できる。これにより、収納物Sの劣化等を抑制できる。また、包装容器Aからの収納物Sの取り出しは、第1側壁1を傾倒することで容易に行うことが可能である。これらのことから、使用者の利便性を高めることが可能である。
本実施形態の包装容器Aにおいて、第1側壁1を傾倒させる構成としているが、これに限定されない。例えば、第1側壁1を傾倒させない構成とする場合、第1側面フラップ14は、第2側面フラップ24と同じ形状としてもよい。また、第1外面板11と第3外面板31および第4外面板41との間に折畳部25と同様の構成の折畳部を設けてもよい。また、蓋材200(300)は、必要に応じて取り付けられるようにすればよい。蓋材200(300)が不要である場合、収納箱100単体で包装容器Aを構成する。
(6. 変形例1)
本実施形態の変形例について図面を参照して説明する。図14は、本実施形態にかかる収納箱100の他の例の展開図である。図14は、収納箱100を組み立てる前の紙シートPsである。図14に示す収納箱100は、第1貫通孔134および第2貫通孔233の形状が異なる以外、図4に示す紙シートPsと同じ構成である。そのため、図14の紙シートPsの図4に示す紙シートPsと実質上同じ部分には、同じ符号を付している。
本実施形態の収納箱100は、円筒形状の収納物Sを収納する構成である。そのため、図14に示すように、第1貫通孔134および第2貫通孔233は、八角形状および(または)十角形状に替えて、円形状(円弧状)としてもよい。第1貫通孔134および第2貫通孔233を、円形状(円弧状)を含む構成とすることで、第1貫通孔134および第2貫通孔233の端縁部に応力が集中しにくく、つぶれにくい。このような、円形状の部分を含む第1貫通孔134および第2貫通孔233を備える収納箱100に収納する収納物Sとしては、例えば、回転しても変化がないまたは略変化がない図柄が形成された収納物Sを挙げることができる。また、回転して図柄が変化してもよい収納物Sであってもよい。
(7. 変形例2)
本実施形態にかかる収納箱100は、中心軸と直交する面で切断した断面が円形である円筒状のものを収納物Sとして収納する構成を例に説明している。しかしながら、収納物Sは、円筒状に限定されない。例えば、中心軸と直交する面で切断した断面の形状が、三角形、四角形、六角形等の多角形、楕円形等の円形以外の収納物を収納する構成であってもよい。この場合、第1貫通孔および第2貫通孔は、収納物の断面形状に対応した形状としてもよい。また、収納物として、例えば、内容物を内蔵したピロー袋形状の包装袋のように、外面が柔軟性を有する、換言すると、変形可能な構成であってもよい。この場合、第1貫通孔および第2貫通孔は、収納物にあわせて確実に固定できる形状とする。
上述した包装容器Aは、紙シートを切断、折曲して形成している。しかしながら、これに限定されない。たとえば、紙シートに替えて樹脂シートを用いてもよい。
なお、第1底面フラップ15の第1内面板13との境界から自由端までの長さは第2底面フラップ26の第2内面板23との境界から自由端までの長さよりも長い。つまり、第1底面フラップ15の方が第2底面フラップ26よりも面積が大きい。
上述の実施形態では、第1底面フラップ15および第2底面フラップ26は接着していた。一方で、第1底面フラップ15および第2底面フラップ26を接着しない場合もある。この場合、第1底面フラップ15の面積を大きくすることで、底壁5および底面カバー44との摩擦力を大きくすることができる。
これにより、第1底面フラップ15を接着しない状態で、第1側壁1を傾倒したとき、第1底面フラップ15のずれを抑制できる。これにより、第1側壁1を傾倒した後、元の形状に戻しやすい。
本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。また、本明細書中に示される複数の実施形態および変形例は可能な範囲で組み合わせて実施されてよい。
上述の構成の包装容器Aは、対向する一対の第1側壁1及び第2側壁2を含む周壁102を底壁5上に立設して上面が開口した収納部60を備える。第1側壁1及び第2側壁2は、底壁5から上方に折曲される外面板11、21と、外面板11、21の上端から内方に折曲される上面板12、22と、上面板12、22の内端から下方に折曲される内面板13、23と、を備える。対向する内面板13および内面板23は、それぞれ収納物Sを嵌合により保持する貫通孔131および231を備える。
この構成によると、収納部60の内部に収納物Sを保持するための保持部材を備えることなく、収納物Sを保持することができる。そのため、使用する材料を減らすことが可能であり、コストダウン可能であるとともに、包装容器A自体を軽量化することが可能である。また、収納物Sの2箇所(両端)を貫通孔131、231に嵌合するため、収納物Sを安定して保持することが可能である。そのため、収納物Sを収納した状態で運搬した場合であっても、収納物Sがずれたり、移動したりしにくい。そのため、収納物Sの変形、劣化等を抑制できる。さらに、収納物Sを貫通孔131、231に嵌合させるだけで保持可能であるため、収納物Sの着脱が容易である。このため、使用者の利便性を高めることが可能である。
上記構成において、第1側壁1が、下端を中心として上端を外周側に傾倒可能であってよい。このように構成することで、第1側壁1側に備えられた貫通孔131による収納物Sの保持を容易に外すことができる。これにより、さらに収納物Sの着脱が容易であり、使用者の利便性をさらに高めることが可能である。
上記構成において、第1側壁1の外面板11及び内面板13の少なくとも一方は、側端から内側に折曲される側面フラップ141(142)を備える。第1側壁1に隣接する周壁3(4)が折曲により側面フラップ141(142)を挿入可能に形成される。側面フラップ141(142)の上端が、自由端に行くほど下方に傾斜する。このように構成することで、第1側壁1は側面フラップ141(142)が周壁3(4)に収納されるため、包装容器の角部の強度を高めることが可能である。また、第1側壁1を外周側に容易に傾倒可能となる。そのため、包装容器Aの強度を高めることができるとともに収納物Sの着脱が容易であり、使用者の利便性をさらに高めることが可能である。
貫通孔131(231)は、収納物Sが内接可能な多角形の一部を含む形状であってもよい。このように構成することで、貫通孔131(231)は、収納物Sの外面を複数の点で保持できる。また、第1側壁1の内面板13および第2側壁2の内面板23の少なくとも一方に設けられる貫通孔131(231)は、多角形の少なくとも一辺が内側に向かって凸形状に湾曲していてもよい。これにより、収納物Sを挿入するときに、多角形の辺部を変形させることができ、収納物Sは、より強固に保持される。
上記構成において、収納部60の上面を覆う蓋材200をさらに備える。蓋材200は、少なくとも、第1側壁1の外面板11に外嵌する外嵌板203を備える。このように構成することで、蓋材200を取り付けたとき、外嵌板203が第1側壁1の外面板11を押える。そのため、運搬時等に、振動や力が包装容器Aに作用しても第1側壁1の外周側への傾倒が抑制される。これにより、包装容器Aは、運搬時の収納物Sのずれ、移動等を抑制できる。
上記構成において、内面板13(23)の下端から内側に折曲される底面フラップ15(26)をさらに備える。第1側壁1に連設した底面フラップ15の第1側壁1と第2側壁2とが対向する方向の長さが、第2側壁2に連設した底面フラップ26よりも長くてもよい。
上記構成において、内面板13(23)の下端から内側に折曲される底面フラップ15(26)と、内面板13(23)に設けた切込み133(232)により形成されるとともに底面フラップ15(26)から外側に突出して外面板11(21)の内面に当接する支持片16(27)と、をさらに備えていてもよい。このように構成することで、外面板11(21)と内面板13(23)とは、上端が上面板12(22)で接続され、下端が支持片16(27)にて一定の間隔をなすように支持される。そのため、外面板11(21)と内面板13(23)との間隔を一定に保つことができる。これにより、収納物Sの貫通孔131(231)から突出する部分の長さを一定に保つことができ、収納物Sをより安定して保持することが可能である。
上記構成において、切込み133(232)が底面フラップ15(26)と内面板13(23)との境界の折り線から延びて貫通孔131(231)の辺縁を形成してもよい。このように構成することで、支持片16(27)と底面フラップ15(26)とを同一面で形成することが可能である。そのため、内面板13(23)の下端と底面フラップ15(26)との境界に設けられた折り線で底面フラップ15(26)を折曲することで、支持片16(27)を外面板11(21)側に突出させることができる。これにより、組み立て作業を減らすことが可能である。また、支持片16(27)を別途設ける場合に比べて材料を少なくすることができる。