JP7346612B2 - エアギャップ調整装置 - Google Patents

Description

本発明は、エアギャップ調整装置に係り、より詳細には、ハウジングの内部に回転子が設置された状態でエアギャップを調整することができるエアギャップ調整装置に関する。

例えば、電動機の場合、ハウジングの内部に固定子が固定されて設置され、前記固定子の内側に回転子が回転可能に前記ハウジングに支持されて設置される。前記固定子の内面と前記回転子の外面との間には、所定の隙間であるエアギャップが正確に設定されなければならない。

前記固定子と前記回転子間のエアギャップが相対的に小さくなると、電動機の騒音と振動が大きくなり、エアギャップが相対的に大きくなると、電動機の騒音と振動が小さくなる。そして、固定子と回転子間のエアギャップが全体として一定に設定されることが重要であるが、一般的な電動機では、組み立てが済んだ状態ではエアギャップを調整する方法がない。

一般に、前記固定子は、ハウジングの内面に固定されて設置され、前記固定子の中央を貫通して設置される回転子は、その前後に突出した回転軸が前記ハウジングの先端と後端で軸受に回転可能に支持される。このとき、前記軸受がハウジングの先端と後端に固定されて設置されており、前記回転子の前記固定子に対する相対位置を変更することができない。

本発明の目的は、上述したような必要性を満たすためのもので、固定子と回転子間の相対位置を調整して固定子と回転子間のエアギャップを調整するようにすることにある。

上記目的を達成するための本発明の特徴によれば、本発明は、内部に固定子が設置され、前記固定子の内部に回転子が所定のエアギャップをもって回転可能に設置されるハウジングと、前記ハウジングに設置され、前記回転子と一体に回転する回転軸を回転可能に支持する軸受と、前記軸受が前記ハウジングに設置される位置を設定するように調整具ボディが前記ハウジングに設置され、頭部が前記軸受の軸受箱に位置して回転する程度に応じて、前記軸受の設置位置を調整する調整具と、前記調整具を貫通して形成された締結具通孔を貫通して前記ハウジングに締結され、前記軸受を前記ハウジングに締結する締結具と、を含む。

前記調整具ボディは、前記ハウジングの両端に備えられ、前記軸受が装着される端板に形成された調整具着座部に位置する。

前記調整具着座部は、前記軸受を前記端板に締結する締結具が締結される締結孔の入口に形成される。

前記軸受箱には、前記締結孔と対応する位置に前記調整具の調整具ボディが位置する貫通孔と、前記調整具の頭部が着座される頭部着座部とが形成される。

前記調整具着座部の内面形状は、前記調整具ボディの外面形状に対応する形状を有する。

前記締結孔は、前記回転軸の幅方向の両端に対応する端板の位置、及び前記回転軸の横断面中心の上部に対応する端板の位置に形成される。

前記調整具ボディは、前記頭部の幾何学的中心から偏心した位置に形成される。

前記調整具ボディは、円柱又は多角柱状からなる。

本発明によるエアギャップ調整装置は、次の効果を得ることができる。

本発明では、ハウジングの内部に固定された固定子に対する回転子の相対位置を調整して固定子と回転子間のエアギャップを調整する。このために、ハウジングに固定された固定子に対してハウジングの端板に設置され、回転子の回転軸を回転可能に支持する軸受を端板に対して移動可能にする。したがって、本発明によれば、固定子に対して回転子の位置を異ならせて固定子と回転子間のエアギャップを調整することができるため、固定子と回転子間のエアギャップをより均一に調整することができるので、電動機の振動と騒音の発生を最小限に抑えることができる。

本発明では、ハウジング端部の端板に対して軸受の設置位置を調整する際に、端板に軸受を締結する締結具の位置に、前記締結具が貫通する調整具を設け、前記調整具の回転位置を設定することにより固定子と回転子間のエアギャップを調整する。すなわち、締結具を用いて軸受を端板に仮組立した状態で調整具を操作するので、相対的に簡単にエアギャップを設定することができるという効果がある。

本発明によるエアギャップ調整装置の好適な実施例が採用された電動機の構成を示す概略断面図である。 本発明の実施例の構成を示す部分断面分解斜視図である。 本発明の実施例の重要部の構成を示す断面図である。 本発明の実施例を構成する調整具の構成を示す斜視図である。 本発明の実施例において基本調整具を用いた構成を回転軸の一端側から見た正面図である。 本発明の実施例において図面を基準に相対的に下部に回転子が下がっている状態とこれを解消するための調整状態を示す使用状態図である。 本発明の実施例において図面を基準に相対的に下部左側に回転子が下がっている状態とこれを解消するための調整状態を示す使用状態図である。

以下、本発明の一部の実施例を例示的な図面に基づいて詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加するにあたり、同一の構成要素に対しては、たとえ他の図面に表示されてもできり限り同一の符号を持つようにしていることに留意すべきである。本発明の実施例を説明するにあたり、関連する公知の構成又は機能についての具体的な説明が本発明の実施例についての理解を妨げると判断された場合には、その詳細な説明は省略する。

また、本発明の実施例の構成要素を説明するにあたり、第１、第２、Ａ、Ｂ、（ａ）、（ｂ）などの用語を使用することができる。これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって当該構成要素の本質、順番又は順序などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載されている場合、その構成要素は当該他の構成要素に直接連結又は接続されてもよいが、各構成要素の間に別の構成要素が「連結」、「結合」又は「接続」されてもよいと理解されるべきである。

図示によれば、ハウジング１０は、円筒状のハウジング本体１２が外観を構成し、前記ハウジング本体１２の内部には内部空間１４が形成される。前記内部空間１４は、前記ハウジング本体１２のみから見ると、前後に開放される。前記ハウジング本体１２は、少なくとも前記内部空間１４が円筒状であれば良い。前記ハウジング本体１２の外面は、必ずしも円筒状ではなく、様々な形状に作られることができる。

前記ハウジング本体１２の端部には端板１６があるため、前記ハウジング本体１２の内部空間１４を外部と遮蔽する。前記端板１６は、前記ハウジング本体１２と共にハウジング１０を構成する。前記端板１６には、後述する軸受３０が装着される。前記端板１６は、ハウジング本体１２の両端部にそれぞれ設置される。前記端板１６の中央を貫通しては軸通孔１８が形成される。前記軸通孔１８を介して後述の回転軸２６が貫通して内部空間１４から外部へ回転軸２６が突出するようにする。

前記端板１６には、軸通孔１８の周りを取り囲んで多数の締結孔１９がある。前記締結孔１９は、後述する軸受３０を端板１６に装着するための締結具２８が締結される部分である。本実施例では、締結孔１９が５つ形成されている。前記締結孔１９は、図５に示されているように、回転軸２６を中心として幅方向の両端に２つずつ上下方向に配置され、残りの一つは回転軸２６の上下方向中心線の上部にある。上記において、回転軸２６の幅方向の両端には締結孔１９が１つずつのみ形成されてもよい。

前記締結孔１９の入口には調整具着座部２０が形成される。前記調整具着座部２０には、後述する調整具３６の調整具ボディ３７が少なくとも一部位置する。前記調整具着座部２０は、前記締結孔１９の内径よりも大きい内径を有する。前記調整具着座部２０は、図２に示されているように、後述する調整具３６の外面の形状に対応する形状である。本実施例では、六角柱状に前記締結孔１９が形成される。前記締結孔１９の形状は、後述する調整具３６の調整具ボディ３７の形状に対応するので、前記調整具ボディ３７が円柱状である場合には、前記締結孔１９の内面形状も円柱状からなるべきである。

前記ハウジング本体１２の内面を取り囲んでは固定子２２が設置される。前記固定子２２は、略円筒状を有し、外面が前記ハウジング本体１２の内面に装着される。前記固定子２２の内部には回転子２４が設置される。前記回転子２４も、略円筒状であり、内部を貫通して回転軸２６が設置される。前記回転子２４は、前記固定子２２との電磁気的相互作用を介して回転する。前記回転子２４の回転は、前記回転軸２６を介して外部へ伝達される。

前記端板１６には、締結具２８によって軸受３０が装着される。前記締結具２８は、前記軸受３０の軸受箱３２を貫通して前記端板１６の締結孔１9に締結される。前記軸受３０は、前記回転軸２６を回転可能に支持するものである。前記軸受３０の骨格を軸受箱３２が形成する。前記軸受箱３２には、前記締結孔１9と対応する位置に貫通孔３４が形成される。前記貫通孔３４を前記締結具２８が貫通する。前記貫通孔３４の入口には頭部着座溝３５がある。前記頭部着座溝３５には、後述する調整具３６の頭部３８が位置する。

調整具３６は、前記軸受箱３２の貫通孔３４と前記端板１6の調整具着座部２０に同時に位置する。前記調整具３６は、多角形筒状の調整具ボディ３７の先端に頭部３８が形成されている。前記調整具ボディ３７の外径に比べて、前記頭部３８の外径がより大きく形成される。前記頭部３８は、円板状であるが、前記頭部３８の幾何学的中心から前記調整具ボディ３７が偏心して位置する。このように調整具ボディ３７が前記頭部３８に対して偏心しているので、調整具３６が回転することにより軸受箱３２の位置が移動することができる。

一方、前記調整具３６は、前記頭部３８に対して前記調整具ボディ３７が偏心した位置にないものもあり得る。これを基本調整具とし、上記で説明し図面に示したものは偏心調整具３６とする。もちろん、基本調整具のみではエアギャップの調整が可能ではない。基本調整具を使用したとき、エアギャップを確認し、エアギャップの調整が必要であれば、前記偏心調整具３６を用いてエアギャップを調整する。

前記調整具ボディ３７の外面は、その位置によって、前記頭部３８の幾何学的中心から偏心した程度が異なる。したがって、前記調整具３６が回転することにより、前記頭部３８が前記軸受箱３２の位置を調整することができる。

前記調整具ボディ３７は多角柱状からなる。本実施例では、調整具ボディ３７が六角柱状であるが、三角、四角、五角、六角、七角などの多角柱状からなることができる。このように調整具ボディ３７が多角柱状からなることにより、軸受箱３２の位置調整が連続的ではなく、幾つかの段階のみで構成できる。もちろん、前記調整具ボディ３７が円柱状からなってもよい。円柱状に調整具ボディ３７が作られると、軸受箱３２の位置調整が連続的に行われることができる。

前記調整具３６を貫通しては締結具通孔３９が形成される。前記締結具通孔３９は、前記締結具２８が貫通する部分であり、前記調整具３６の調整具ボディ３７と頭部３８とを貫通して形成される。前記締結具通孔３９は前記調整具３６の回転中心である。

以下、上述した構成を有する本発明によるエアギャップ調整装置が使用されることを詳細に説明する。

本発明のエアギャップ調整装置は、固定子２２の内面と回転子２４の外面間のエアギャップが全体として一定ではなく、エアギャップが最も大きい値Ｇを有する部分と、エアギャップが最も小さい値ｇを有する部分が生じることができる。図６には、図面を基準に回転子２４が相対的に下部へ移動してエアギャップが一定にならなくなった状態が示されている。そして、図７には、回転子２４が図面を基準に左側下部へ移動して全体としてエアギャップが一定にならなくなった状態が示されている。

このようにエアギャップが一定でない場合、前記回転子２４の位置を移動させて固定子２２との間隔を全体的に一定にする。このためには、前記回転子２４と一体に回転する回転軸２６を回転可能に支持している軸受３０を移動させればよい。

前記軸受３０の移動は、前記締結具２８を完全に除去せずに一定程度だけ緩めた状態で前記調整具３６を一定角度回転させればよい。前記調整具３６は、前記端板１６の調整具着座部２０と軸受箱３２の貫通孔３4内に調整具ボディ３７が位置するが、前記調整具を回転させると、前記調整具ボディ３７が前記調整具着座部２０と貫通孔３4内で回転して前記頭部３８が前記軸受箱３２を移動するようにする。これは、前記調整具ボディ３７が前記頭部３８に対して偏心しており、調整具ボディ３７が回転することにより、前記頭部３８が偏心回転しながら軸受箱３２を移動させることができるためである。

図６において、前記回転子２４が前記固定子２２に対して図面を基準に相対的に下部へ移動した状態である場合には、前記調整具３６の操作によって前記回転子２４の全体的に図面を基準に上部へ移動するようにしなければならない。このためには、前記調整具３６の回転中心を基準にさらに突出した部分が上部に来るように頭部３８の位置が回転しなければならない。これは、図６の右図からよく分かる。

そして、図７の左図に示されているように、回転子２４が固定子２２に対して左下方に移動している場合には、回転子２４を右上方へ移動させなければならない。このためには、５つの調整具３６を回転させて回転子２４が右上方に移動するようにすればよい。このようにして調整された状態が図７の右図に示されている。

本発明において、前記調整具３６を調整することは、まず、前記締結具２８を一部緩めて、前記調整具３６が自由に回転することができる状態にしなければならない。参考まで、最初には、偏心調整具３６ではなく、基本調整具が設置されていてもよい。この場合、前記固定子２２と回転子２４との間に偏心によるエアギャップ不均一が発生すると、前記基本調整具を除去し、その代わりに偏心調整具３６を設置してエアギャップの不均一問題を解決する。

すなわち、前記偏心調整具３６を設置した状態で、前記締結具２８が一部緩まった状態で前記偏心調整具３６を回転させながら全体的なエアギャップを考察する。前記偏心調整具３６を回転させて全体的なエアギャップが均一に設定されると、前記締結具２８を締結して偏心調整具３６を固定させるとともに、前記軸受３０が端板１６にしっかりと締結されるようにする。

以上で、本発明の実施例を構成する全ての構成要素が一つに結合するか或いは結合して動作すると説明されたとして、本発明は必ずしもこれらの実施例に限定されるものではない。すなわち、本発明の目的の範囲内であれば、そのすべての構成要素が一つ以上に選択的に結合して動作することもできる。また、以上で記載された「含む」、「構成する」又は「有する」などの用語は、特に反対される記載がない限り、当該構成要素が内在し得ることを意味するものなので、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができるものと解釈されるべきである。技術的又は科学的な用語を含むすべての用語は、別に定義されない限り、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般に理解されるのと同じ意味がある。辞典に定義された用語のように一般に使用される用語は、関連技術の文脈上の意味と一致するものと解釈されるべきであり、本発明で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されない。

以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱することなく多様な修正及び変形が可能であろう。したがって、本発明に開示された実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、本発明の技術思想の範囲はこれらの実施例によって限定されるものではない。本発明の保護範囲は下記請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。

図示された実施例では、本発明が電動機に適用されたものとなっているが、回転子と固定子との間にエアギャップが形成される様々な装置に適用できる。
本願の出願当初の特許請求の範囲の記載を以下に付記する。
［１］
内部に固定子が設置され、前記固定子の内部に回転子が所定のエアギャップをもって回転可能に設置されるハウジングと、
前記ハウジングに設置され、前記回転子と一体に回転する回転軸を回転可能に支持する軸受と、
前記軸受が前記ハウジングに設置される位置を設定するように調整具ボディが前記ハウジングに設置され、頭部が前記軸受の軸受箱に位置して回転する程度に応じて、前記軸受の設置位置を調整する調整具と、
前記調整具を貫通して形成された締結具通孔を貫通して前記ハウジングに締結され、前記軸受を前記ハウジングに締結する締結具と、を含む、エアギャップ調整装置。
［２］
前記調整具ボディは、前記ハウジングの両端に備えられ、前記軸受が装着される端板に形成された調整具着座部に位置する、上記［１］に記載のエアギャップ調整装置。
［３］
前記調整具着座部は、前記軸受を前記端板に締結する締結具が締結される締結孔の入口に形成される、上記［２］に記載のエアギャップ調整装置。
［４］
前記軸受箱には、前記締結孔と対応する位置に前記調整具の調整具ボディが位置する貫通孔と、前記調整具の頭部が着座される頭部着座部とが形成される、上記［３］に記載のエアギャップ調整装置。
［５］
前記調整具着座部の内面形状は、前記調整具ボディの外面形状に対応する形状を有する、上記［４］に記載のエアギャップ調整装置。
［６］
前記締結孔は、前記回転軸の幅方向の両端に対応する端板の位置、及び前記回転軸の横断面中心の上部に対応する端板の位置に形成される、上記［４］に記載のエアギャップ調整装置。
［７］
前記調整具ボディは、前記頭部の幾何学的中心から偏心した位置に形成される、上記［１］乃至［６］のいずれか一項に記載のエアギャップ調整装置。
［８］
前記調整具ボディは円柱又は多角柱状からなる、上記［７］に記載のエアギャップ調整装置。

Claims (5)

1. 内部に固定子が設置され、前記固定子の内部に回転子が所定のエアギャップをもって回転可能に設置されるハウジングと、
   前記ハウジングに設置され、前記回転子と一体に回転する回転軸を回転可能に支持する軸受と、
   前記軸受が前記ハウジングに設置される位置を設定するように調整具ボディが前記ハウジングに設置され、頭部が前記軸受の軸受箱に位置して回転する程度に応じて、前記軸受の設置位置を調整する調整具と、
   前記調整具を貫通して形成された締結具通孔を貫通して前記ハウジングに締結され、前記軸受を前記ハウジングに締結する締結具と、を含み、
   前記調整具ボディは、前記ハウジングの両端に備えられ、前記軸受が装着される端板に形成された調整具着座部に位置し、
   前記調整具着座部は、前記軸受を前記端板に締結する締結具が締結される締結孔の入口に形成され、
   前記軸受箱には、前記締結孔と対応する位置に前記調整具の前記調整具ボディが位置する貫通孔と、前記調整具の頭部が着座される頭部着座部とが形成される、エアギャップ調整装置。
2. 前記調整具着座部の内面形状は、前記調整具ボディの外面形状に対応する形状を有する、請求項１に記載のエアギャップ調整装置。
3. 前記締結孔は、前記回転軸の幅方向の両端に対応する端板の位置、及び前記回転軸の横断面中心の上部に対応する端板の位置に形成される、請求項１に記載のエアギャップ調整装置。
4. 前記調整具ボディは、前記頭部の幾何学的中心から偏心した位置に形成される、請求項１乃至３のいずれか一項に記載のエアギャップ調整装置。
5. 前記調整具ボディは円柱又は多角柱状からなる、請求項４に記載のエアギャップ調整装置。

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