JP7346140B2 - 細胞含有製品の製造方法、及び、細胞含有製品の製造装置 - Google Patents

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本発明は、生存細胞を含有する液体が充填された、細胞含有製品の製造方法、及び、細胞含有製品の製造装置に関する。
近年、人体の様々な部位の組織、細胞、受精卵等を用いて細胞の分離及び/もしくは細胞培養を行い、調製された細胞を再生医療に使用することが実用化されている。調製された細胞は、調製場所から、例えば、医療機関や研究機関等の使用場所へと運ばれる。この際、生存細胞を含有する液体が容器に充填された、細胞含有製品の形体とすることが考えられる。容器に充填された細胞含有製品であれば、流通ルートに乗せることが容易となる。また、容器に充填することにより細胞等の品質を保つことが可能となる。
ここで、例えば特許文献1には、生体試料に係る液体を容器に充填する方法が記載されている。この方法は、複数の容器のそれぞれの収容室の底部が実質的に同じ高さとされ、液体がそれぞれの収容室を順に流れるように接続されて送液される方法である。
特開2018-126195号公報
この方法において、容器への充填量は容器に充填された液体の液面高さによって管理されていた。このため、液面高さを監視して充填量を制御する必要があったため、充填装置の構成の簡素化という面では改良の余地があった。また、この方法では、丁度所望の液面高さとなった時に液体の供給を停止させるため、液面高さの目標に近づくと供給速度を低下させる必要があった。このため、生存細胞が分散している細胞含有液を容器に充填する際には、この供給速度の変化が細胞の均質性や生存率等の品質に影響を与える可能性があった。
そこで本発明は、簡素な構成でありながら、一定量の生存細胞含有液を容器に充填でき、しかも、細胞の均質性や生存率等の品質に影響を与えにくい、細胞含有製品の製造方法、及び、細胞含有製品の製造装置を提供することを課題とする。
本発明は、対向する一対の壁面の間に膨張可能な容器を配置し、前記容器に対して生存細胞が分散している細胞含有液を供給することにより、前記容器を膨張させ、前記一対の壁面の対向距離に応じた容量の細胞含有液が前記容器に充填される、細胞含有製品の製造方法である。
この方法によれば、一対の壁面の対向距離に応じた容量の細胞含有液を、供給に伴って膨張可能な容器に充填できるので、供給中に供給速度を変化させる必要がない。
また、前記容器は、細胞含有液を出し入れする出入口部を有し、周縁部のうち前記出入口部が形成された部分以外は液密及び気密に閉鎖されており、前記出入口部を介して細胞含有液が前記容器に供給された後に、前記出入口部から、前記容器の内部にある空気を排出するものであってよい。
この方法によれば、細胞含有液が容器に供給された後に、出入口部から、容器の内部にある空気を排出することで、充填後に残留した空気が細胞含有液に悪影響を及ぼすことを防止できる。
また、前記容器の前記出入口部は、前記容器の有する一辺における中心よりも端部側に位置し、前記出入口部が上端に位置するように、前記容器が傾斜して前記一対の壁面の間に配置されるものであってよい。
この方法によれば、出入口部が上端に位置するように、容器が傾斜して前記一対の壁面の間に配置されるため、容器の内部にある空気を排出しやすい。
また、本発明は、対向する一対の壁面を有し、前記一対の壁面の間に容器が配置される容器配置部と、前記容器配置部に配置された容器に対し、生存細胞が分散している細胞含有液を供給する液供給部と、を備え、前記液供給部は、細胞含有液を貯留する貯留部と、前記容器配置部に配置された容器及び前記貯留部に接続されるチューブと、を備える細胞含有製品の製造装置である。
この構成によれば、一対の壁面の対向距離に応じた容量の細胞含有液を、供給に伴って容器に充填できるので、供給中に供給速度を変化させる必要がない。
また、更に、吸引ポンプを備え、前記チューブは、更に前記吸引ポンプにも接続されており、前記吸引ポンプは、細胞含有液が前記容器に供給された後に、前記容器の内部にある空気を排出するものであってよい。
この構成によれば、細胞含有液が容器に供給された後に、出入口部から、容器の内部にある空気を排出することで、充填後に残留した空気が細胞含有液に悪影響を及ぼすことを防止できる。
また、前記容器配置部は、前記対向する一対の壁面の間の下方に、前記容器を支持する底面を有し、前記底面は、前記一対の壁面と交差する線につき、一方が高くて他方が低くなっているように傾斜した面であってもよい。
この構成によれば、出入口部が上端に位置するように、容器が傾斜して前記一対の壁面の間に配置されるため、容器の内部にある空気を排出しやすい。
本発明によると、供給中に供給速度を変化させる必要がない。よって、簡素な構成でありながら短時間で、一定量の生存細胞含有液を容器に充填でき、しかも、細胞の均質性や生存率等の品質に影響を与えにくい、細胞含有製品の製造方法、及び、細胞含有製品の製造装置を提供できる。
本発明の一実施形態に係る細胞含有製品の製造装置の構成を概略的に示す図である。 同製造装置の要部を、容器の側方から見た図である。 図2におけるIII-III矢視図である。 同製造装置のブロック図である。
以下、本発明の一実施形態に係る細胞含有製品の製造装置1(以下、単に「製造装置」という)について説明すると共に、細胞含有製品の製造方法についても説明する。細胞含有製品とは、容器Bに生存細胞が分散している細胞含有液が充填されたものである。この製造装置1は、製造装置1の外部で調製された細胞に関し、細胞含有製品の外装となる容器Bに対して生存細胞が分散している細胞含有液Lを供給して、細胞含有液Lが充填された細胞含有製品を製造するための装置である。この装置は、複数の容器のそれぞれに対して規定量の細胞含有液Lが供給されることにより、分注がなされる。この製造装置1は、細胞含有液Lの充填に着目した場合は、充填装置でもある。
本実施形態の製造装置1は、液供給部2、容器配置部3、制御部4(図4参照)を備えている。液供給部2は細胞含有液Lを容器Bに向けて供給する部分であって、主に、貯留部21、本管22、支管23、送液ポンプ24、液回収ポンプ25、本管開閉弁(上流弁26、下流弁27)、複数の支管開閉弁28…28を備える。制御部4は製造装置1における各部を制御する。
貯留部21は、容器Bに向けて供給する前の細胞含有液Lを貯留しておく容器(タンク)211を有する。本実施形態の容器211は、細胞含有液Lを入れるための入口を有し、この入口は開閉できる蓋212により閉じられている。なお、例えば貯留部21に接続された配管から細胞含有液Lが直接的に導入されるよう構成されていてもよく、この場合、細胞含有液Lを入れるための入口は不要である。また、貯留部21は、容器211の内部に撹拌部213を有する。この撹拌部213は例えば回転する羽根を有しており生存細胞の分散状態を保つために細胞含有液Lを撹拌する。また、図示していないが、貯留部21は温度調整部を有する。温度調整部は、貯留部21に当接するように設けられた冷却ジャケットや冷却板であり、細胞含有液Lを一定温度(低温)に維持する。このため、細胞含有液Lは冷却された状態(本実施形態では4℃)で容器Bに向けて送り出される。なお、ここでは貯留部21における温度調整部について言及したが、製造装置1の全体の温度を調整する全体温度調整部(図示しない)を設けることもでき、こうすることにより、移動中の細胞含有液Lも一定温度(低温)に維持されるので望ましい。本実施形態の貯留部21は、容器211としてのスピナーフラスコと、スピナーフラスコが載置される台であって、温度調整部としての冷却台を備えている。
本管22は、一連の管路であって、貯留部21に接続される管路である。本実施形態では樹脂製(具体的には軟質樹脂)のチューブが用いられている。図2に示すように、本管22は、複数のチューブが接続部材で接続されて一連に構成されている。本実施形態では図1に示したように、本管22のうち、支管23が分岐している部分が平行して3本設けられており、各本管22の上流側と下流側では3本が1本に集約され、集約管22Aとなっている。また、3本という本数は一例に過ぎず、本数は製造装置1の仕様に合わせて種々に決定できる。本実施形態の本管22は、集約管22Aとなっている上流側221と下流側222が共に貯留部21に接続されていて、図1に示すように循環路を構成している。循環路とすることにより、容器Bへの充填終了後の余剰の細胞含有液Lを貯留部21で回収できるため有利である。前述のように全体温度調整部を設けた場合には、余剰の細胞含有液Lも一定温度(低温)に維持されることから、この細胞含有液Lを再利用に供することが可能である。
支管23は、本管22から側方に分岐した管路であって、容器Bに接続される管路である。本実施形態では樹脂製(具体的には軟質樹脂)のチューブが用いられている。本管22から複数の支管23…23が分岐している。複数の支管23…23は、内径寸法及び長さが同一である。本実施形態では、図1に示した平行する部分における3本の本管22のそれぞれから、図2に示すように10本の支管23が分岐している。なお、10本という本数は一例に過ぎず、支管23の分岐本数は製造装置1の仕様に合わせて種々に決定できる。
本管22と複数の支管23…23とは組み合わされて1組のアセンブリーとして形成されることができる。このようにアセンブリー化しておくことにより、1回目の充填作業を終了してから2回目の充填作業を行う前の本管22と支管23との交換(交換は原則的に、充填作業の各回ごとに行われる)を、1組のアセンブリー全体の交換で行うことができるため、配管を接続する作業負担を低減できる。
ここで、容器Bについて説明する。本実施形態で用いられる容器Bは、公知の輸液袋(点滴バッグ等)と同じ構成を有しており、対向する2枚の柔軟な樹脂フィルムの周縁部が接着されたことにより、液密及び気密に閉鎖されて構成されている。よって容器Bは膨張可能な容器であって、細胞含有液Lの供給に伴い膨張する柔軟な袋である。この袋は後述のように、エア抜きの際は収縮する。つまり、容器Bは袋状であり容積が変化するものである。この構成から、2枚の樹脂フィルムの対向間隔と、内部の液体充填量との間には相関関係がある。容器Bの平面形状は特に限定されないが、長方形状(略長方形状)または長円形状とされることが多い。本実施形態の容器Bは、図3に示すような略長方形状であって、一辺(充填を行う際における配置状態での上辺)に複数(本実施形態では3箇所)の口部が設けられている。本実施形態では、3箇所のうち2箇所(図3における左側と略中央側の口部)は栓B1によって閉鎖されている。そして他の1箇所が出入口部B2とされ、充填を行う際において細胞含有液Lの出し入れに用いられる。出入口部B2は、容器Bの有する一辺における中心よりも端部側(図3では右側)に位置する。ところで、栓B1の外周部には周方向に溝B11が形成されている。この溝B11は、図2及び図3に示すように容器配置部3において対向配置された一対の棒から形成された、一対の袋係止部34に引っ掛けられることで、容器配置部3に対して容器Bを位置決めできる。このため、溝B11は袋係止部34に対応した形状とされている。図3に示すように、出入口部B2には出入口チューブB21が一体に設けられている。この出入口チューブB21は、細胞含有液Lの充填終了後に、途中の位置で閉鎖されて切断される。
送液ポンプ24は押出ポンプとして機能し、細胞含有液Lを加圧して貯留部21から本管22に対して供給する。液回収ポンプ25は吸引ポンプとして機能し、本管22中の細胞含有液Lを吸引することにより、容器Bへの充填後における余剰の細胞含有液Lを回収して貯留部21に戻す。更に液回収ポンプ25は、細胞含有液Lが容器Bに供給された後に、容器Bの内部にある空気を前記余剰の細胞含有液Lと共に吸引することで、容器Bから排出する。
送液ポンプ24及び液回収ポンプ25は、チューブ(本実施形態では本管22を構成するチューブ)の外側をローラ等の押圧手段によりしごくことで送液を行う公知のチューブポンプが用いられている。このため、各ポンプの内部に直接細胞含有液Lが接触しないため、各ポンプ24,25において細胞含有液Lが汚染されることがない。
本管開閉弁は、本管22において、複数の支管23…23の分岐位置よりも上流側及び下流側に設けられていて、本管22を開閉できる。本管開閉弁は、本管22の上流側に設けられた上流弁26と、本管22の下流側に設けられた下流弁27から構成されている。各支管開閉弁28は、各支管23に設けられていて、各支管23を開閉できる。各開閉弁26~28の開閉と送液ポンプ24及び液回収ポンプ25の選択的な動作との組み合わせにより、本管22内への細胞含有液Lの充填、本管22及び支管23を介した容器Bへの細胞含有液Lの供給、支管23及び本管22を介した容器Bのエア抜きを順次行うことができる。各開閉弁26~28は、アクチュエータ等によるチューブ外部からの押圧でチューブ内の流路空間を押しつぶすことにより、閉鎖を行う公知のピンチバルブが用いられている。このため、本管22及び支管23が有するチューブは、外部からの押圧により変形する柔軟な材料で形成されている。
容器配置部3は、少なくとも細胞含有液Lの供給開始から供給終了にわたって複数の容器B…Bを支持する部分である。図2に示すように、水平方向に一定間隔を空けて配置された、複数のブロック状の側方部材31と、水平方向に延び、複数の側方部材31の下端部に当接するように設けられた平板状の底部材32とを備える。図3に示すように、側方部材31と底部材32とは側方視(容器B基準では平面視)で傾斜して設けられている。側方部材31と底部材32とは平板状の後方部材33に固定されている。この固定により、2枚の隣り合う側方部材31は一定距離に保たれている。容器配置部3には、隣り合う側方部材31の組に対応して、当該組の上方に一対の袋係止部34が設けられている。袋係止部34は容器Bの一部を係止するものであって、本実施形態では後方部材33から突出する棒状体(具体的には丸棒)である。この一対の袋係止部34に容器Bの栓が引っ掛けられることで、容器配置部3に対して容器Bの位置決めがされる。容器Bは容器配置部3に配置されると、底部材32と側方部材31に当接した状態となる。ただし、底部材32に接しないように容器Bを配置することもできる。
2枚の隣り合う側方部材31により、対向する一対の壁面31A,31Aが形成される。各壁面31Aは垂直の平面とされていて、一対の壁面31A,31Aは平行に対向している。この一対の壁面31A,31Aの間に、細胞含有液Lが充填される前の容器Bが配置される。側方部材31により形成される各壁面31Aは、容器Bにおいて、細胞含有液Lの供給に伴い自由に膨張する領域(つまり、容器Bにおける周縁部で2枚の柔軟な樹脂フィルムが接着されたことで自由な膨張が規制されることにより、他の部分よりも膨張量が小さくなる部分を除いた領域)よりも外方まで設けられている。
そして、対向する一対の壁面31A,31Aの間の下方には、容器Bを下方から支持する底面32Aが形成される。この底面32Aは、底部材32における上面が該当する。底部材32が傾斜していることから、前記底面32Aは、一対の壁面31A,31Aと交差する線に着目すると、一方(図3における右方)が高くて他方(同左方)が低くなっているように傾斜した面となる。
容器配置部3にある複数の容器B…Bに対して細胞含有液Lを供給すると、各容器Bは膨張していく。ところが、容器Bは一対の壁面31A,31Aに挟まれているから、特に前記「自由に膨張する領域」において、容器Bを構成する樹脂フィルムが各壁面31Aに密着した後は、容器Bが更には膨張しなくなる。つまり、一対の壁面31A,31Aにより袋内部の空間容積の拡大がその時点で規制される。これに対応して、一対の壁面31A,31Aの対向距離に応じた容量の細胞含有液Lが容器Bに充填されることになる(そして、それ以上の充填はされなくなる)。
次に、本実施形態に係る細胞含有製品の製造方法(細胞含有液Lの充填方法)の工程を説明する。まず、容器配置部3の対向する一対の壁面31A,31Aの間に差し込むようにして、複数(図2に示す例では10個)の容器Bを配置する。この際、出入口部B2が上端(詳しくは袋内部の空間における上端)に位置するように、容器Bが傾斜して一対の壁面31A,31Aの間に配置される。これと共に、貯留部21の容器211に細胞含有液Lを入れる。また、本管22を送液ポンプ24及び液回収ポンプ25に取り付けた上で、本管22における上流側及び下流側の集約管22Aを貯留部21に接続する。また、各支管23に容器Bを接続する。この接続により、チューブを有する本管22及び各支管23の組は、貯留部21及び容器Bに接続される。更に、この組は液回収ポンプ25にも接続される。また、各開閉弁26~28を動作できるようにセットする。
次に、本管開閉弁のうち上流弁26を閉鎖、下流弁27を開放、全ての支管開閉弁28…28を開放、の各状態とした上で液回収ポンプ25を運転する。これにより充填前の容器Bから空気を抜く作業である予備エア抜きを一定時間行う。所定時間経過後、全ての支管開閉弁28…28を閉鎖する。
ここで、前記「所定時間」とは、あらかじめ設定された固定的な時間であって、各動作(ここでは予備エア抜き)が達成されたと見込まれる時間に対応して設定されている(以下、別の動作でも同じ)。このように本実施形態の制御部4は、充填状況をリアルタイムで検知することなく、いわば「見込時間」で各開閉弁26~28を制御したり細胞含有液Lの供給を停止したりする管理をしている。このように本実施形態では、刻々と充填状況を検知して、細胞含有液Lの供給量をフィードバックするような制御と比べると、相対的に緩い条件で充填制御を行うことができるので、制御に係る設計コストを低減できて有利である。
次に、本管開閉弁のうち上流弁26を開放し、送液ポンプ24及び液回収ポンプ25を運転する。これにより貯留部21の細胞含有液Lが、空であった本管22に送り込まれて、本管22の内部が細胞含有液Lで満たされる。これにより、本管22(特に、本管22のうちで、複数の支管23…23が分岐している部分)の内部に細胞含有液Lが充填される。所定時間経過後、送液ポンプ24及び液回収ポンプ25を停止すると共に、本管開閉弁のうち下流弁27を閉鎖する。
次に、全ての支管開閉弁28…28を開放すると共に、送液ポンプ24を運転する。全ての支管開閉弁28…28の開放は、制御部4により同時に(一斉に)なされる。これにより、最初に本管22に充填されていた細胞含有液L、次に、貯留部21から本管22を介して送られた細胞含有液Lが支管23に供給される。このようにして、支管23及び出入口部B2を介して細胞含有液Lが前記容器Bに供給され、容器Bを膨張させ、一対の壁面31A,31Aの対向距離に応じた容量の細胞含有液Lが容器Bに充填される。容器Bの膨張は、一対の壁面31A,31Aにより規制されるため、各容器Bに規定量の細胞含有液Lが充填された後(つまり、一対の壁面31A,31Aに容器Bが密着した後)において、各容器Bには細胞含有液Lを受容する空間は無くなるため、細胞含有液Lは各容器Bに入っていかなくなる。なお、この時点で下流弁27は閉鎖されているから、各容器Bに入らない細胞含有液Lは本管22(そのうち下流弁27の上流側)及び支管23に滞留する。
本実施形態では、一対の壁面31A,31Aの対向距離に応じた容量の細胞含有液Lを、供給に伴って(つまり、供給の成り行きで)容器Bに充填できるので、供給中に供給速度を変化させる必要がない。また、本実施形態では、細胞含有液Lを本管22に充填し、その後、各支管23を介して各容器Bに供給することで、複数の容器B…Bに同時に細胞含有液Lを供給できるので、供給条件を均一にできる。このため、細胞含有液Lの供給状況により、複数の容器B…B間での細胞の均質性や生存率等の品質に影響を与えにくく、その上薬効、薬理効果の高い良質な製品を供給できる。
細胞含有液Lの供給に当たり、規定量の細胞含有液Lを確実に各容器Bに充填するため(充填不足を防止するため)、貯留部21からは規定量よりも多い量の細胞含有液Lが供給される。所定時間経過後、送液ポンプ24を停止すると共に、本管開閉弁のうち上流弁26、及び、全ての支管開閉弁28…28を閉鎖する。
次に、本管開閉弁のうち下流弁27を開放した上で液回収ポンプ25を運転する。この際、複数の支管開閉弁28…28のうち、例えば最上流側の1台のみが開放される。これにより、開放された支管23に対応する容器Bにつき、出入口部B2から内部にある空気を排出するエア抜きが行われる。エア抜きにより、充填後に容器Bに残留した空気が細胞含有液Lに悪影響を及ぼすことを防止できる。所定時間経過後、複数の支管開閉弁28…28のうち開放されていた1台が閉鎖されて、他の1台のみが開放され、この開放された支管23に対応する容器Bにつきエア抜きが行われる。これが他の支管23においても順次行われる。なお、このエア抜きは、複数の容器B…Bで同時に行うと、空気及び細胞含有液Lの吸い出しが多量になされる容器Bと、吸い出しが少量にとどまる容器Bができてしまい、ばらつきが生じるため、容器B一つずつで順次行われる。最後のエア抜きについて所定時間経過後、液回収ポンプ25を停止し、本管開閉弁のうち下流弁27を閉鎖する。
その後、容器配置部3から容器Bを取り出し、容器Bの出入口部B2に一体に設けられた出入口チューブB21を溶着等により閉鎖した上で切断する。これにより、細胞含有製品が出来上がる。出来上がった細胞含有製品は必要に応じて冷凍され、流通に供されて、細胞含有製品中の細胞が使用される。
以上、本実施形態によると、供給中に供給速度を変化させる必要がない。よって、簡素な構成でありながら短時間で、一定量の細胞含有液Lを容器Bに充填でき、しかも、細胞の均質性や生存率等の品質に影響を与えにくく、その上薬効、薬理効果の高い良質な製品を供給できる。
以上、本発明の一実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
本管22は、前記実施形態では循環路を構成していた。しかしこれに限定されず、例えば貯留部21から出た細胞含有液Lが本管22を一方向に流れて貯留部21に戻らないような構成であってもよい。
また、容器配置部3において側方部材31を移動可能としたり、別体の装着板を着脱可能に設けたりすることで、一対の壁面31A,31A間の間隔を調整可能とすることもできる。この場合、一対の壁面31A,31A間の間隔に応じて充填容量の調整が可能である。
また、容器配置部3における底面32Aは、前記実施形態では傾斜面であったが、容器Bの形状によっては水平面とすることもできる。
また、容器配置部3における各壁面31Aは前記実施形態では平面であった。しかしこれに限定されず、例えば湾曲した面であってもよい。
1…製造装置、2…液供給部、3…容器配置部、4…制御部、21…貯留部、22…本管、22A…本管(集約管)、23…支管、24…送液ポンプ、25…液回収ポンプ、26…本管開閉弁(上流弁)、27…本管開閉弁(下流弁)、28…開閉弁、支管開閉弁、31…側方部材、31A…壁面、32…底部材、32A…底面、33…後方部材、34…袋係止部、211…貯留部における容器、212…蓋、213…撹拌部、221…上流側、222…下流側、B…容器、B1…栓、B11…溝、B2…出入口部、B21…出入口チューブ、L…細胞含有液

Claims (6)

  1. 対向する一対の壁面を有し、前記一対の壁面の間に容器が配置される容器配置部を固定的に設けた細胞含有製品の製造装置を用いて実施され、
    対向する前記一対の壁面の間に膨張可能な容器を配置し、前記容器に対して生存細胞が分散している細胞含有液を供給することにより、前記容器を膨張させ、前記一対の壁面の対向距離に応じた容量の細胞含有液が前記容器に充填される、細胞含有製品の製造方法。
  2. 前記容器は、細胞含有液を出し入れする出入口部を有し、周縁部のうち前記出入口部が形成された部分以外は液密及び気密に閉鎖されており、
    前記出入口部を介して細胞含有液が前記容器に供給された後に、前記出入口部から、前記容器の内部にある空気を排出する、請求項1に記載の細胞含有製品の製造方法。
  3. 前記容器の前記出入口部は、前記容器の有する一辺における中心よりも端部側に位置し、
    前記出入口部が上端に位置するように、前記容器が傾斜して前記一対の壁面の間に配置される、請求項2に記載の細胞含有製品の製造方法。
  4. 対向する一対の壁面を有し、前記一対の壁面の間に膨張可能な容器が配置される、固定的に設けられた容器配置部と、
    前記容器配置部に配置された容器に対し、生存細胞が分散している細胞含有液を供給する液供給部と、を備え、
    前記液供給部は、細胞含有液を貯留する貯留部と、前記容器配置部に配置された容器及び前記貯留部に接続されるチューブと、を備える細胞含有製品の製造装置。
  5. 更に、吸引ポンプを備え、
    前記チューブは、更に前記吸引ポンプにも接続されており、
    前記吸引ポンプは、細胞含有液が前記容器に供給された後に、前記容器の内部にある空気を排出する、請求項4に記載の細胞含有製品の製造装置。
  6. 前記容器配置部は、前記対向する一対の壁面の間の下方に、前記容器を支持する底面を有し、
    前記底面は、前記一対の壁面と交差する線につき、一方が高くて他方が低くなっているように傾斜した面である、請求項4または5に記載の細胞含有製品の製造装置。
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