JP7342908B2 - エッジ検出方法および表面検査装置 - Google Patents

エッジ検出方法および表面検査装置 Download PDF

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Description

本発明は、エッジ検出方法および表面検査装置に関する。
鋼板の外観検査については、目視検査に加えて、表面検査装置を用い、目視検査と表面検査装置による検査とを併用して外観の品質検査を行うことがある。特に近年では、鋼板の外観品質に対する要求が厳しくなってきており、目視検査のみであると、要求される外観品質を満足できない場合が生じ得るため、表面検査装置を設置する場合が多い。
鋼板の製造ラインに設置する表面検査装置としては、高速ラインにも対応可能な1次元CCDカメラ方式のものが主流となっている。
かかる表面検査装置は、図1に示すように、光源から被検査体である鋼板の表面に照射した光の反射光を受光し、以下の(1)~(8)の処理を行って鋼板表面の欠陥を検出する。
(1)カメラで受光した光を定周期で電気信号に変換する。
(2)幅方向(鋼板の板幅方向)に平均化処理(ノーマライゼーション)を行い、256階調のグレースケールのピクセル画像にする。
(3)鋼板のエッジを検出して、検査範囲を設定する。
(4)しきい値(スレッシュホールド)を超えたピクセルの塊を疵として検出する。
(5)フィルタ処理(ピクセル・フィルタ(極小欠陥を消去)、コネクティビティ(近接欠陥を統合))を施す。
(6)検出された欠陥の特徴量を計算する。
(7)特徴量から欠陥を分類(有害無害、欠陥名、欠陥ランク)する。
(8)欠陥画像、欠陥名、欠陥ランク、特徴量を表示する。
上記のとおり、表面検査装置で鋼板表面の検査を行う際、検査範囲を特定するために鋼板のエッジを検出する。そして、前記エッジの内側(鋼板側)の領域(鋼板部)を検査範囲として設定し、前記エッジの外側の領域(鋼板部以外の領域)を非検査領域としてマスキングしている(上記(3)の処理)。
この際のエッジ検出方法としては、カメラの受光量を板幅方向に走査していき、受光レベルが大きく変化した位置を鋼板エッジとして検出する方法が一般的である。
図2(a)は、エッジの検出が、理想的な状況において行われた場合の受光レベル(信号レベル)の変化を示す図である。理想的な状況においては、カメラの受光量を板幅方向に走査していった場合、鋼板のエッジ位置において、図2(a)に示されるような立ち上がり信号が得られるため、鋼板のエッジ位置の検出が容易である。
ところが実際には、鋼板のエッジのごく近辺は、汚れや曇り等の影響を受けて信号レベルが低下したり(図2(b))、耳切りや耳伸び等による形状不良の影響を受けて信号レベルが急激に増大したりする(図2(c))。
これらが発生すると、エッジ位置の検出精度が低くなったり、エッジの検出ができなくなる可能性があるので、安定的にエッジを検出するための工夫が必要である。
表面検査装置において被検査体である鋼板のエッジ検出に関する従来技術として、例えば特許文献1には、検出スキャン毎に得られる各チャンネルの信号の中から、エッジを検出したチャンネルの候補を抽出し、該候補から板幅推定値を算出し、該算出した値と板幅実測値を比較する鋼板のエッジ検出方法が開示されている。この方法では、表面検査装置が検出したエッジ位置が正しいかどうか間接的に判定できる。また、エッジ検出方法に関する技術ではないが、特許文献2、特許文献3には、鋼板エッジ部近傍の信号レベルの変動対応として、当該エッジ部の信号レベルを、鋼板のより内側部分の信号レベルで補正する方法が開示されている。また、特許文献4、特許文献5には、レーザー光を用いた鋼板のエッジ検出方法が記載されている。
しかしながら、特許文献1の方法では、表面検査装置においてエッジを検出したチャンネルの候補を抽出し、該候補から算出した板幅推定値と、板幅実測値を比較照合判定する仕組みの構築が必要である。また、特許文献1の方法は、エッジの検出能自体を向上させる訳ではなく、あくまで補完的にエッジの検出精度を向上させるものである。
特許文献2、特許文献3では、エッジ部近傍の鋼板の信号レベルが不安定な部分について、それより内側の正常部の信号レベルで置き換える方法が提案されており、信号レベルが不安定になる要因として、エッジ近傍の鋼板の形状不良、鋼板の汚れ等が挙げられている。これら鋼板の形状不良や汚れ等は、鋼板のエッジ検出自体にも影響を及ぼす。特許文献2、特許文献3の方法では、これらの影響を受けて信号レベルの変動が大きくなると、エッジを正しく検出することが難しくなる。
また、特許文献4、特許文献5の方法では、表面検査装置の他に、別途エッジ検出装置を設置し、さらに前記エッジ検出装置で検出したエッジ位置を表面検査装置に伝送する仕組みの構築が必要となり、装置が大型で複雑となり、かつ高価となる。
特開2007-30000号公報 特開2002-174600号公報 特開2000-349988号公報 特開平9-72858号公報 特開2017-20986号公報
一般的に、表面検査装置を用いた検査は、鋼板がなるべくばたつかない状態で行われることが望ましいため、通常は、鋼板が製造ライン内でロールに巻き付いて拘束される位置で行われる。つまり、表面検査装置は、ロールに巻き付いた状態の鋼板を検査している。この場合、鋼板の信号レベルの他に、鋼板外部のロールの信号レベルもエッジ検出に影響を及ぼす。
ロールは、使用するにつれて、その上を走行する鋼板のエッジが接するロール表面が、前記エッジにより摩耗等されて滑らかな状態になる(以下、この状態をロール表面の「へたり」ともいう)。
図2(d)は、このようなロール表面のへたりが生じた場合の信号レベルを示している。図2(d)に示されるように、ロール表面にへたりが生じてくると、ロール側の信号レベルが不安定になり、さらにロール部の信号レベルの増大が発生する場合があるため、鋼板のエッジ位置の検出が難しくなってくる。つまり、鋼板のエッジ位置を安定的に検出するためには、鋼板部だけでなく、ロール部の信号レベルの変動も考慮する必要がある。
従来のエッジ検出方法は、表面検査装置において鋼板のエッジを検出する際に、ロール部の信号レベルの変動を考慮するものではなかった。
本発明は、表面検査装置において、ロール部の信号レベルの変動を考慮したエッジ検出方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記エッジ検出方法を実施する表面検査装置を提供することを目的とする。
表面検査装置の検出能については、角度依存性があり、一般に、疵状欠陥については、正反射光を受光する正反射カメラ(明視野での検査、以後、単に「明視野」ともいう)、模様状欠陥については、乱反射光を受光する乱反射カメラ(暗視野での検査、以後、単に「暗視野」ともいう)が検出に適している。そこで、鋼板の表面欠陥全体の検出精度を向上させるため、複数視野(明視野、暗視野)での検査を行うための複数のカメラ(正反射カメラ、乱反射カメラ)を設置する場合が多い。
各視野のカメラ(正反射カメラ、乱反射カメラ)とロール部の受光レベルとの関係についてみると、ロールが新品の時は、鋼板部に比べると全体的にロール部の受光レベルは低い。特に、ロール部について正反射カメラの受光レベルは低く(図3(a))、乱反射カメラの受光レベルはそれに比べると大きくなる(図3(c))。
一方、鋼板部については、ロール部に比べると表面が滑らかなので、ロール部に比べると、鋼板部の受光レベルが全体的に大きくなる。そのため、鋼板のエッジ検出には鋼板部とロール部との受光レベルの差が大きくなる正反射カメラ(明視野)を用いるのが望ましい。つまりロール部の信号レベルの変動が小さい場合には、図3(a)に示されるように正反射カメラ(明視野)を用いて鋼板のエッジを検出することが望ましい。
ロールは使用するにつれて、鋼板エッジが接する部分でロール表面がへたってくる。ロール表面がへたってくると、ロール表面に生じたへたり領域(へたり部)については、表面が滑らかになるため、正反射光については、ロール部の受光レベルが高くなる。これに伴い、鋼板との受光レベルの差が小さくなってくるため、正反射カメラ(明視野)でのエッジ検出が難しくなる(図3(b))。
一方、乱反射光については、ロール部の受光レベルが相対的に低くなってくるので、鋼板との受光レベル差が大きくなってくる。これに伴い、乱反射カメラ(暗視野)でのエッジ検出がしやすくなる(図3(d))。つまりロール部の信号レベルの変動が大きい場合には、図3(d)に示されるように乱反射カメラ(暗視野)を用いて鋼板のエッジを検出することが望ましい。
上記より、ロール部の信号レベルの変動を考慮し、ロール部と鋼板部の受光レベルの差の変化に応じて、エッジ位置を決める視野を変更すればロールがへたってきた時でも、エッジ検出精度の低下を防げる。さらに、正反射光の受光レベルの推移をみれば、ロール表面の異常(ロール表面のへたり)が生じているかを推測できる。
本発明は、上記知見に基づきなされたものであり、以下の構成を有する。
[1]ロール上を走行する鋼板の表面を検査する表面検査装置において前記鋼板のエッジを検出するエッジ検出方法であって、
前記表面検査装置は、
前記鋼板表面とその外側のロールに照射された光の正反射光を受光する正反射カメラと、前記光の乱反射光を受光する乱反射カメラを備え、
前記正反射カメラの受光信号の変化から、鋼板のエッジ候補位置Bを抽出し、
当該エッジ候補位置Bから鋼板側へ所定範囲の正反射カメラの受光信号平均値と、当該エッジ候補位置Bからロール側へ所定範囲の正反射カメラの受光信号平均値を求め、これらの平均値の差ΔLを算出するとともに、
前記乱反射カメラの受光信号の変化から、鋼板のエッジ候補位置Dを抽出し、
当該エッジ候補位置Dから鋼板側へ所定範囲の乱反射カメラの受光信号平均値と、当該エッジ候補位置Dからロール側へ所定範囲の乱反射カメラの受光信号平均値を求め、これらの平均値の差ΔLを算出し、
前記ΔLと前記ΔLのうち大きい方の算出に用いたエッジ候補位置を、鋼板のエッジ位置とする、エッジ検出方法。
[2]前記表面検査装置は、前記ΔLが所定の値以下となった場合に、前記ロールの異常を通知する、[1]に記載のエッジ検出方法。
[3]ロール上を走行する鋼板の表面を検査する表面検査装置であって、
前記表面検査装置は、前記鋼板表面とその外側のロールに照射された光の正反射光を受光する正反射カメラと、前記光の乱反射光を受光する乱反射カメラと、前記鋼板のエッジを検出する演算装置を備え、
前記演算装置は、
前記正反射カメラの受光信号の変化から、鋼板のエッジ候補位置Bを抽出し、
当該エッジ候補位置Bから鋼板側へ所定範囲の正反射カメラの受光信号平均値と、当該エッジ候補位置Bからロール側へ所定範囲の正反射カメラの受光信号平均値を求め、これらの平均値の差ΔLを算出するとともに、
前記乱反射カメラの受光信号の変化から、鋼板のエッジ候補位置Dを抽出し、
当該エッジ候補位置Dから鋼板側へ所定範囲の乱反射カメラの受光信号平均値と、当該エッジ候補位置Dからロール側へ所定範囲の乱反射カメラの受光信号平均値を求め、これらの平均値の差ΔLを算出し、
前記ΔLと前記ΔLのうち大きい方の算出に用いたエッジ候補位置を、鋼板のエッジ位置とする、表面検査装置。
[4]前記演算装置は、前記ΔLが所定の値以下となった場合に、前記ロールの異常を通知する信号を生成する、[3]に記載の表面検査装置。
本発明によれば、表面検査装置において、ロール部の信号レベルの変動を考慮したエッジ検出方法を提供することができる。
本発明によれば、表面検査装置において、例えばロールを使用するにつれてロール表面がへたり、ロール部の信号レベルが大きく変動した場合であっても、鋼板のエッジを精度よく検出できる。
表面検査装置の表面欠陥検出の流れを説明する説明図である。 ロール部と鋼板部の信号レベルの変動パターン例を模式的に示す図である。 ロールが新品の時、へたっている時の各々について、明視野と暗視野それぞれのロール部と鋼板部の信号レベルの変動を模式的に示す図である。 エッジ候補位置の抽出方法の一例を示す説明図である。 エッジ候補位置を用いて鋼板のエッジを検出する検出方法を説明する説明図である。 本発明のエッジ検出方法を、TFLに設置した表面検査装置で実施したときの過検出の発生率を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施形態に限定されない。
本実施形態では、正反射カメラ(明視野)と、乱反射カメラ(暗視野)の2視野で検査を行う表面検査装置において、被検査体である鋼板のエッジを検出するエッジ検出方法について説明する。
なお、本実施形態において、エッジを検出する方法以外の構成については、上述した図1に示す表面検査装置と同様とすることができる。
本実施形態では、表面検査装置で、鋼板がロールに巻き付いた(ロールによって進行方向が変えられた)位置で鋼板の表面検査を行う(図1参照)。なお、表面検査は、かかる位置に限定されず、例えば、ロール上を直進走行している鋼板の表面で行ってもよい。
ロールの上方には光源が設置され、前記光源は、ロール上の被検査体(鋼板)の幅方向に光を照射する。本実施形態の表面検査装置は、正反射カメラと、乱反射カメラと、これらのカメラで受光した光から欠陥を検出する演算装置を備える。正反射カメラは、前記光源から照射された光が鋼板表面で正反射された正反射光を受光し、乱反射カメラは、前記光源から照射された光が鋼板表面で乱反射された乱反射光を受光する。上述したように、正反射カメラ(明視野)は、疵状欠陥の検出に適しており、乱反射カメラ(暗視野)は、模様状欠陥の検出に適している。また、演算装置としては、特に限定されないが、パーソナルコンピュータ等の電子計算機を用いることができる。
本実施形態では、正反射カメラと乱反射カメラがそれぞれ板幅方向に4台ずつ並べて設置されている。そして、板幅方向の両端に設置された正反射カメラおよび乱反射カメラは、それぞれ、鋼板(鋼板部)からの反射光と、鋼板の外側のロール(ロール部)からの反射光を受光する。なお、本実施形態では、正反射カメラと乱反射カメラをそれぞれ板幅方向に4台ずつ設置しているが、これに限定されず、正反射カメラと乱反射カメラの設置台数は、例えば、鋼板の板幅等に応じて調節すればよい。
正反射カメラと乱反射カメラはそれぞれ、鋼板表面で反射された正反射光、乱反射光を受光する。そして、表面検査装置の演算装置は、受光した光から、それぞれで上述した(1)~(8)の処理を行って鋼板表面の検査を行い、表面欠陥を検出する。ただし、本発明では、上述した(3)の鋼板のエッジの検出を、以下のエッジ検出方法で行う。
本実施形態のエッジ検出方法では、まず、各々の視野(明視野、暗視野)で、カメラ(正反射カメラ、乱反射カメラ)の受光信号(受光信号強度)の変化から、鋼板のエッジ候補位置を抽出する。エッジ候補位置の抽出方法は、特に限定されないが、本実施形態では、以下のとおり行う。
図4は、本実施形態におけるエッジ候補位置の抽出方法を説明する図である。図4に示すように、本実施形態では、ロール部から鋼板部の方向に受光信号を走査し、所定区間の間で受光信号の変化量が所定値以上になったら、その位置をエッジ候補位置として抽出する。
具体的には、図4に示すように、エッジ検出検査範囲を設定し、位置aの受光信号(受光信号強度)と、位置aから所定区間(Lc)をおいた位置bの受光信号(受光信号強度)との差Sが、所定値Stより大きければ、位置bを鋼板のエッジ候補位置として抽出する。なお、上記所定区間Lcは、過去の検査実績等から設定すればよい。上記所定区間Lcは、例えば、板幅方向で2~3mmの区間とすることができる。また、上記所定値Stも過去の検査実績等から設定すればよい。
なお、エッジ候補位置の抽出方法は、これに限定されず、例えば、エッジ検出検査範囲において一定範囲を定めておき、ロール側から鋼板側へ前記一定範囲を移動させながらその範囲の受光信号(受光信号強度)の平均値を求めてゆき、その平均値の差が最大値を示したときの前記一定範囲の位置をもとにエッジ候補位置を抽出してもよいし、ロール部から鋼板部の方向に走査した1ピクセルごとの受光信号(受光信号強度)の変化量からエッジ候補位置を抽出してもよい。ただし、前者の方法では、エッジ候補位置を抽出するための計算負荷が大きくなり、後者の方法では、ロール部から鋼板部にかけて受光信号の変化がなだらかな場合に、エッジ候補位置が抽出されない場合が生じ得る。本実施形態によるエッジ候補位置の抽出方法であれば、計算負荷が過大とならず、かつ、より確実にエッジ候補位置の抽出を行うことができる。
上記のようなエッジ候補位置の抽出を、明視野と暗視野それぞれについて行う。次いで、明視野と暗視野でそれぞれ抽出したエッジ候補位置を用いて鋼板のエッジを検出する。
図5は、抽出したエッジ候補位置を用いて鋼板のエッジを検出する検出方法を説明する図である。図5に示すように、抽出したエッジ候補位置から、鋼板部の方向へ所定範囲(H_s)の受光信号(受光信号強度)平均値(Ave_s)と、ロール部の方向へ所定範囲(H_r)のロール部の受光信号(受光信号強度)平均値(Ave_r)を求め、これらの平均値の差(ΔL=Ave_s-Ave_r)を算出する。この算出を明視野と暗視野それぞれについて行う。すなわち、明視野と暗視野で抽出したエッジ候補位置をそれぞれ、エッジ候補位置B、エッジ候補位置Dとすると、明視野では、エッジ候補位置Bを用い、当該エッジ候補位置Bから鋼板部の方向へ所定範囲(H_s)の受光信号平均値と、ロール部の方向へ所定範囲(H_r)のロール部の受光信号平均値を求め、これらの平均値の差ΔLを算出する。また、暗視野では、エッジ候補位置Dを用い、当該エッジ候補位置Dから鋼板部の方向へ所定範囲(H_s)の受光信号平均値と、ロール部の方向へ所定範囲(H_r)のロール部の受光信号平均値を求め、これらの平均値の差ΔLを算出する。そして、ΔLが大きい方(ΔLとΔLのうち大きい方)の算出に用いた視野のエッジ候補位置を、鋼板のエッジ位置とする。なお、エッジ位置より外側の領域は、非検査領域としてマスキングする。また、上記所定範囲((H_s)、(H_r))は、特に限定されず、適宜設定することが可能であるが、一例として、板幅方向で10~50mmの範囲とすることができる。
本発明では、明視野で算出したΔLと、暗視野で算出したΔLを比較し、大きい方のΔLの算出に用いたエッジ候補位置を、鋼板のエッジ位置とする。例えば、上述のように、ロールが新品の時は、明視野での鋼板部とロール部との受光レベルの差が大きい。そのため、このような場合は、ΔLがΔLよりも大となり、明視野で抽出したエッジ候補位置をエッジ位置として採用する。しかしながら、ロールを使用するにつれてロール表面がへたってくると、ΔLが小さくなっていき、逆に、暗視野での鋼板部とロール部との受光レベルの差が大きくなっていくため、ΔLがΔLより大となる。このような場合には、暗視野で抽出したエッジ候補位置をエッジ位置として採用する。
すなわち、本発明では、ロール部の信号レベルの変動を考慮してエッジの検出を行う。本発明によれば、例えばロール部の信号レベルが大きく変動した場合であっても、ΔLが大きい方の視野、すなわち、エッジの検出精度がより高い視野のエッジ候補位置をエッジ位置として採用するため、より正確にエッジ位置を検出することができる。そのため、より正確に検査範囲を設定することができる。
さらに、明視野で算出したΔLには、ロール部の信号レベルの影響が反映されやすく、例えば、上述のようにロール表面のへたりが発生した場合等にはΔLが小さくなる。そのため、ΔLが一定の値以下となった場合、ロールに異常が発生していると推定することができる。このような場合には、表面検査装置の演算装置は、ロールに異常が発生していることを通知する信号を生成して発するようにすることができる。これにより、前記通知を受けたオペレーターがロールの状態を確認し、迅速に処置を講じることができる。オペレーターは、例えば、ロールの手入れ(ペーパー掛け等)を行い、正反射光の受光レベルが安定するか確認する。是正されなければ、ロールの交換を実施することができる。また、本発明によれば、表面検査装置の他に、別途エッジ検出装置を設置する必要がなく、よりシンプルな構成で、エッジの検出を精度よく行うことができる。
次に、本発明のエッジ検出方法を用いた鋼板の表面検査方法の一実施形態について説明する。
本実施形態では、オペレーション(Op)側、ドライブ(Dr)側の鋼板の板幅方向の両端2箇所について、上述のエッジ検出方法により鋼板のエッジを検出する。
鋼板の表面検査は、通板コイル単位で行い、コイルから払い出した鋼板の最先端部が表面検査装置を通過する時に検査を開始し、前記鋼板の最尾端部が表面検査装置を通過する時に検査終了となり、その後、次コイルの検査に移る。
表面検査装置で鋼板表面の検査を開始したら、まず、各視野(明視野、暗視野)について上述した方法でエッジ候補位置を抽出する。それぞれのエッジ候補位置が抽出できた場合は、その値を保持しておく。なお、エッジ候補位置が抽出できなかった場合は、欠値とする。
次に、各々の視野について、抽出したエッジ候補位置から、上述のエッジ検出方法によりエッジを検出する。すなわち、抽出したそれぞれのエッジ候補位置から、ΔL、ΔLを算出し、ΔLが大きい方の算出に用いた視野のエッジ候補位置を、エッジ位置として採用する。また、前記エッジ位置より外側の領域を非検査領域としてマスキングする。なお、この際、一方の視野のΔLが欠値となった場合は、他方の視野のΔLをエッジ位置として採用することができる。
明視野について、エッジ候補位置が定まらないか、ΔLが所定の値以下になった場合は、表面検査装置の演算装置は、ロールの異常を知らせる信号を生成し異常を通知する。この通知は、例えば、初回のみ、適宜の出力画面にアラームメッセージとして出力されるようにする。アラームメッセージとしては、例えば、ロールのOp側、Dr側のどちらの位置で異常(ロール表面のへたり等)が発生している可能性があるかや、オペレーターにロールの確認や手入れを促すものとすることができる。
検査完了まで、上記の処理を繰り返す。上記エッジの検出および非検査領域のマスキングは、毎回のスキャンごとに行うことが望ましいが、設定した周期ごとに行ってもよい。また、1コイル内での受光信号レベルの変動が小さい場合は、計算負荷を考慮し、最初のスキャンでエッジ検出に採用された視野を、そのコイルの検査完了までエッジ検出用視野として固定して用いることもできる。
本実施例では、TFL(Tin Free steel Line)において、本発明のエッジ検出方法を適用した例を示す。上述の実施形態と同様、本実施例では、鋼板の幅方向に4台ずつ正反射カメラと乱反射カメラを設置し、2視野(明視野、暗視野)により表面欠陥の検出を行った。また、本実施例では、オペレーション(Op)側、ドライブ(Dr)側の鋼板の板幅方向両端2箇所について、上記実施形態と同様のエッジ検出方法により鋼板エッジを検出した。そして、表面検査の結果、重欠陥を検出した場合には、対応する鋼板のエッジ部に欠陥マークを印字するようにした。
結果を図6に示す。発明例は、本発明のエッジ検出方法により、エッジを検出しながら、所定数のコイルについて表面検査を行った場合に発生した過検出の発生率を示している。また、比較例は、本発明のエッジ検出方法を用いずに、エッジを検出しながら、所定数のコイルについて表面検査を行った場合に発生した過検出の発生率を示している。なお、比較例では、エッジの検出を暗視野を用いずに明視野のみで行ったこと以外は、発明例と同様にして、エッジ検出を行った。
発明例では、鋼板を搬送するロールがへたってきた時に、明視野(正反射光)の信号レベルが不安定になり、ΔLよりΔLが大となったため、エッジ検出に用いる視野が明視野から暗視野に変更された。その結果、発明例では、図6に示すように、エッジの誤検出(ロール部の誤検出)を防止でき、表面検査装置による過検出を防止できた。すなわち、より正確にエッジ位置を検出することができ、より正確に検査範囲を設定することができた。これにより、欠陥マーク印字によるリジェクトロスを防止でき、歩留ロスを低減できた。このように、本発明のエッジ検出方法を用いることで、エッジの誤検出を防止でき、表面検査装置による過検出の発生率を低減することができた。
さらに、過検出が多く発生すると、表面検査装置がオーバーフローしてしまい、場合によっては検査が停止する。検査が停止した場合には、精整ラインでの再検査等が必要となる。本発明を用いれば、このような検査の停止を防止できるようになり、再検査数を削減できる。
また、過検出が発生すると、オペレーターがこれに対応しなければならず、実欠陥に対する検査、確認作業に支障をきたす可能性がある。本発明によれば、過検出を削減でき、オペレーターが実検査の作業に集中できるようになり検査効率が高められる。

Claims (4)

  1. ロール上を走行する鋼板の表面を検査する表面検査装置において前記鋼板のエッジを検出するエッジ検出方法であって、
    前記表面検査装置は、
    前記鋼板表面とその外側のロールに照射された光の正反射光を受光する正反射カメラと、前記光の乱反射光を受光する乱反射カメラを備え、
    前記正反射カメラの受光信号の変化から、鋼板のエッジ候補位置Bを抽出し、
    当該エッジ候補位置Bから鋼板側へ所定範囲の正反射カメラの受光信号平均値と、当該エッジ候補位置Bからロール側へ所定範囲の正反射カメラの受光信号平均値を求め、これらの平均値の差ΔLを算出するとともに、
    前記乱反射カメラの受光信号の変化から、鋼板のエッジ候補位置Dを抽出し、
    当該エッジ候補位置Dから鋼板側へ所定範囲の乱反射カメラの受光信号平均値と、当該エッジ候補位置Dからロール側へ所定範囲の乱反射カメラの受光信号平均値を求め、これらの平均値の差ΔLを算出し、
    前記ΔLと前記ΔLのうち大きい方の算出に用いたエッジ候補位置を、鋼板のエッジ位置とする、エッジ検出方法。
  2. 前記表面検査装置は、
    前記ΔLが所定の値以下となった場合に、前記ロールの異常を通知する、請求項1に記載のエッジ検出方法。
  3. ロール上を走行する鋼板の表面を検査する表面検査装置であって、
    前記表面検査装置は、前記鋼板表面とその外側のロールに照射された光の正反射光を受光する正反射カメラと、前記光の乱反射光を受光する乱反射カメラと、前記鋼板のエッジを検出する演算装置を備え、
    前記演算装置は、
    前記正反射カメラの受光信号の変化から、鋼板のエッジ候補位置Bを抽出し、
    当該エッジ候補位置Bから鋼板側へ所定範囲の正反射カメラの受光信号平均値と、当該エッジ候補位置Bからロール側へ所定範囲の正反射カメラの受光信号平均値を求め、これらの平均値の差ΔLを算出するとともに、
    前記乱反射カメラの受光信号の変化から、鋼板のエッジ候補位置Dを抽出し、
    当該エッジ候補位置Dから鋼板側へ所定範囲の乱反射カメラの受光信号平均値と、当該エッジ候補位置Dからロール側へ所定範囲の乱反射カメラの受光信号平均値を求め、これらの平均値の差ΔLを算出し、
    前記ΔLと前記ΔLのうち大きい方の算出に用いたエッジ候補位置を、鋼板のエッジ位置とする、表面検査装置。
  4. 前記演算装置は、
    前記ΔLが所定の値以下となった場合に、前記ロールの異常を通知する信号を生成する、請求項3に記載の表面検査装置。
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