JP7342847B2 - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

シリコン単結晶の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7342847B2
JP7342847B2 JP2020197196A JP2020197196A JP7342847B2 JP 7342847 B2 JP7342847 B2 JP 7342847B2 JP 2020197196 A JP2020197196 A JP 2020197196A JP 2020197196 A JP2020197196 A JP 2020197196A JP 7342847 B2 JP7342847 B2 JP 7342847B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
single crystal
silicon single
pulled
growth rate
pulling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020197196A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022085482A (ja
Inventor
祐一 宮原
徹寛 陣祐
聡 添田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Handotai Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Handotai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Handotai Co Ltd filed Critical Shin Etsu Handotai Co Ltd
Priority to JP2020197196A priority Critical patent/JP7342847B2/ja
Publication of JP2022085482A publication Critical patent/JP2022085482A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7342847B2 publication Critical patent/JP7342847B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Description

本発明は、シリコン単結晶の製造方法に関する。
例えば、無欠陥領域シリコン単結晶の製造では、引き上げ中のシリコン単結晶内温度勾配Gとシリコン単結晶(以下、単結晶とも言う)の成長速度Vの比V/Gが、Grown-in欠陥が発生しない範囲となるよう制御する。Gは単結晶引き上げ装置のホットゾーン(以下、HZとも言う)の構成により決まる為、単結晶の成長速度Vを高精度に制御する必要がある。
このような無欠陥領域シリコン単結晶の成長速度Vの制御には、1/1000mm/min単位の高精度な制御が要求される。ここで、単結晶の成長速度は、引き上げ軸の引き上げ速度(実引き上げ速度)と、単結晶の引き上げに伴う石英ルツボ中のシリコン融液の融液面降下速度(融液面位置変化速度)の和である。
一般的なチョクラルスキー法(CZ法)または磁場印加チョクラルスキー法(MCZ法)では、設定した内径の石英ルツボを用いて、設定した直径で単結晶を成長させた場合の融液面降下速度(設定融液面降下速度)を算出し、その設定融液面降下速度での融液面の降下を補償するようにルツボを上昇させることで、融液面の位置を一定の高さに保つ方法が行われているので、単結晶の成長速度は実引き上げ速度と同じであるとみなしていた。
例えば、特許文献1では、種ホルダの位置の変化量を測定することで、ワイヤの伸びまたは縮みによる影響を除いた単結晶の実引き上げ速度を算出することができ、その実引き上げ速度と目標引き上げ速度との誤差を補正することで、実引き上げ速度を目標引き上げ速度に一致させることができる。
特開2008-195577号公報
しかし、実際の単結晶引き上げでは、引き上げ中の単結晶は成長方向に直径のばらつきが生じる。また、単結晶引き上げに使用する実際の石英ルツボは高さ方向の内径が均一ではなく、使用する石英ルツボ毎に内径の個体差もあるため、実際の単結晶引き上げ中の実融液面降下速度と、目標引き上げ速度と目標の単結晶直径(設定した直径)から算出した設定融液面降下速度との間には乖離が生じる。そして、その設定融液面降下速度と実融液面降下速度との間の乖離の大きさは1/1000mm/min以上になることもあり、また単結晶の成長方向で一定ではない。
そのため、特許文献1のように実引き上げ速度を正確に制御したとしても、実際の単結晶引き上げにおいて石英ルツボに変形が生じた場合等には、前述したような設定融液面降下速度と実融液面降下速度とが一致しなくなる。従って、設定融液面降下速度での融液面の降下を補償するようにルツボを上昇させても、単結晶の実成長速度と目標成長速度に誤差が生じてしまう。その結果、引き上げた単結晶中に、例えば所望の欠陥領域(無欠陥領域等)が得られない部分が発生し、歩留りが低下するという問題があった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、シリコン単結晶の引き上げにおいて、所望のシリコン単結晶を得ることができるシリコン単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、引き上げ軸にワイヤを使用した引き上げ装置を用い、チョクラルスキー法または磁場印加チョクラルスキー法により、チャンバー内に配置したルツボ内のシリコン融液からシリコン単結晶を引き上げるシリコン単結晶の製造方法であって、
前記シリコン単結晶の引き上げ中の重量及び直径を逐次測定し、
該測定した引き上げ中のシリコン単結晶の重量及び直径から得た任意の単位時間当たりの前記引き上げ中のシリコン単結晶の重量変化量及び平均直径と、シリコンの密度から、前記引き上げ中のシリコン単結晶の実成長速度を逐次算出し、
該算出した実成長速度と前記シリコン単結晶の目標成長速度との差を逐次算出し、
該算出した実成長速度と目標成長速度との差で、前記シリコン単結晶を前記ワイヤで引き上げる引き上げ速度を補正しながら引き上げることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法を提供する。
このような製造方法であれば、ワイヤの伸び縮みによる影響や、引き上げ中の単結晶の直径ばらつきや石英ルツボの内径ばらつきによる実融液面降下速度の変化の影響によらず、シリコン単結晶の実成長速度を目標成長速度と逐次一致させながら引き上げを行うことができる。すなわち、引き上げ速度を補正しながら引き上げたときの、補正後の実成長速度が目標成長速度になるようにすることができる。その結果、所望のシリコン単結晶を得ることができる。特には、無欠陥領域シリコン単結晶を得る際に、引き上げたシリコン単結晶中に無欠陥領域が得られない部分が発生することを防止することができ、シリコン単結晶の歩留りを向上することができる。
また、前記引き上げ中のシリコン単結晶の重量を、前記ワイヤを巻き取るワイヤ巻き取り装置に設置されたロードセル重量測定器を用いて測定し、かつ、
前記引き上げ中のシリコン単結晶の直径を、1つ以上の直径測定用カメラを用いて測定することができる。
ロードセル重量測定器を用いれば、引き上げ中のシリコン単結晶の重量を炉外から逐次測定することができる。また、1つ以上の直径測定用カメラを用いれば、引き上げ中のシリコン単結晶の直径を炉外から逐次測定することができる。
また、前記引き上げ中のシリコン単結晶の実成長速度を、演算器を用いて算出することができる。
このようにすれば、引き上げ中のシリコン単結晶の実成長速度をより簡便に算出することができる。
また、前記引き上げるシリコン単結晶を無欠陥領域シリコン単結晶とすることができる。
本発明は、無欠陥領域シリコン単結晶のような、製造可能な引き上げ速度のマージンが狭いシリコン単結晶を製造する場合に特に有効である。
以上のように、本発明のシリコン単結晶の製造方法であれば、引き上げ軸のワイヤの伸びまたは縮みによる実引き上げ速度の変化に加え、引き上げ中の単結晶の直径ばらつきや石英ルツボの内径ばらつきによりシリコン融液の実融液面降下速度が変化したとしても、単結晶の実成長速度と目標成長速度を逐次一致させることができる。その結果、所望のシリコン単結晶を引き上げることができる。特には、無欠陥領域シリコン単結晶を製造するとき、引き上げたシリコン単結晶に無欠陥領域が得られない部分が発生することを防止することができ、シリコン単結晶の歩留りを向上することができる。
本発明のシリコン単結晶の製造方法の一例を示すフロー図である。 本発明で使用可能なCZ法による引き上げ装置の一例を示す模式図である。 実施例における実成長速度Vrと目標成長速度Vsとの差ΔVを示すグラフである。 実施例における引き上げ速度VをΔVで補正しつつ引き上げたことによる、補正後の実成長速度Vr’及び目標成長速度Vsを示すグラフである。 実施例において得られたシリコン単結晶を示す模式図である。 比較例における実成長速度Vr及び目標成長速度Vsを示すグラフである。 比較例において得られたシリコン単結晶を示す模式図である。
以下、本発明について、実施態様の一例として、図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図2は、本発明のシリコン単結晶の製造方法で使用可能なCZ法による引き上げ装置の一例である。構成部品とその仕組み、役割について説明する。
図2の引き上げ装置1は、中空円筒状のチャンバー2で外観を構成し、そのチャンバー2は下部円筒をなすメインチャンバー(炉)2aと、メインチャンバー2aに連接固定された上部円筒をなすプルチャンバー2bとから構成される。
メインチャンバー2a内には、原料(ここではシリコン原料)を溶融しシリコン単結晶3を育成するホットゾーンを有しており、その中心部には、昇降および回転が可能な支持軸4の上に原料を充填する石英ルツボ5aと、その外側を保持する黒鉛ルツボ5bの二重構造からなるルツボ5が配設され、ルツボ5の外側にはヒーター6が同心円状に配設されている。そして、ヒーター6の外側には保温筒7が同心円状に配設され、またその下方で装置底部には保温板8が配設されている。
さらに、ホットゾーンの上部には、昇降および回転可能な引き上げ軸としてワイヤ9が設置されており、そのワイヤ9の先端にはシリコン単結晶3を引き上げる為の種結晶10が保持された種ホルダ11が取り付けられている。また、ワイヤ9にはプルチャンバー2bと連通する回転可能なワイヤ巻き取り装置12が配設されている。
また、円筒形状のパージチューブ13が引き上げ中のシリコン単結晶3を囲繞するようにシリコン融液14の表面の上方に配設されている。またパージチューブ13は、メインチャンバー2aの天井部からシリコン融液面に向かって延伸するように設けられている。さらに、パージチューブ13のシリコン融液面側にはリング状のカラー15が設けられている。
なお、必要に応じてさらに磁場印加装置(電磁石等)を炉外に配設し、シリコン融液14に磁場を印加しつつシリコン単結晶3を育成するMCZ法による引き上げ装置とすることもできる。
さらに、シリコン単結晶3の引き上げ中の重量を測定するための重量測定手段として、ワイヤ巻き取り装置12に設置されたロードセル重量測定器16を備えることができる。このような重量測定手段であれば、引き上げ中のシリコン単結晶3の重量を炉外から逐次測定することができる。ロードセル重量測定器16は特に限定されないが、例えば、測定精度が10g以下のものとすることができる。
また、シリコン単結晶3の引き上げ中の直径を測定するための直径測定手段として、1つ以上の直径測定用カメラ17を備えることができる。このような直径測定手段であれば、引き上げ中のシリコン単結晶3の直径を炉外から逐次測定することができる。直径測定用カメラ17は特に限定されないが、例えば、測定精度が0.1mm以下のものとすることができる。
なお、直径測定用カメラ17は、特開2013-170097等にも開示されているように、例えば、引き上げ中のシリコン単結晶3の直径の両端に向かって、各々平行に予め間隔を決めて設置した2台のCCDカメラとすることができる。このようなものであれば、各々のカメラが直径の片側ずつの位置を検出する為、融液面位置が変化しても直径の測定値への影響を受けず、より正確に直径を測定可能である。
また、引き上げ中のシリコン単結晶3の実成長速度を算出するための手段として、演算器18を備えることができる。演算器18であれば、後述する引き上げ中のシリコン単結晶3の実成長速度を逐次算出する工程において、より簡便に実成長速度を算出することができる。
なお、引き上げるシリコン単結晶としては特に限定されないが、ここでは、径方向全面が無欠陥領域である無欠陥領域シリコン単結晶とすることができる。
以下、図2の引き上げ装置1を用いた、本発明のシリコン単結晶の製造方法の工程について説明する。
所望のシリコン単結晶を得るため、目標成長速度を定め、例えば該目標成長速度通りに目標引き上げ速度を設定し、その通りの引き上げ速度で単結晶を引き上げても、前述したような影響(ワイヤの伸び縮みによる影響や、実融液面降下速度の変化の影響など)により、実成長速度が目標成長速度と不一致になる場合がある。そこで、実成長速度と目標成長速度との差で引き上げ速度を補正しつつ引き上げることで、実成長速度を目標成長速度に一致させるよう修正することができる。それにより、所望のシリコン単結晶を得ることができる。この具体的な工程について詳述する。
図1は本発明のシリコン単結晶の製造方法の一例を示すフロー図である。
なお、本発明のシリコン単結晶の製造方法は、CZ法またはMCZ法のいずれにも適用可能である。
まず、図2に示すような引き上げ装置1を用意し、シリコン単結晶3の引き上げを開始する(図1の工程1)。なお、ここでは引き上げ中のシリコン単結晶3の重量測定にロードセル重量測定器16を、直径測定に直径測定用カメラ17を、実成長速度算出に演算器18を用いる場合を例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されない。
まず、チャンバー2内に配置したルツボ5内のシリコン融液14に種結晶10を接触させ、ワイヤ巻き取り装置12によりワイヤ9を巻き取りシリコン単結晶3を引き上げる。
次に、図1の工程2のように、引き上げ中のシリコン単結晶3の重量及び直径を逐次測定する。重量はロードセル重量測定器16により、直径は直径測定用カメラ17により、それぞれ逐次測定することができる。
次に、図1の工程3のように、工程2で測定した重量及び直径から得た任意の単位時間当たりの重量変化量及び平均直径と、シリコンの密度から、引き上げ中のシリコン単結晶3の実成長速度を演算器18により逐次算出する。
シリコン単結晶3の実成長速度Vr、単結晶の引き上げ中に測定した単位時間T当たりの重量変化量(増加量)ΔW、平均直径Dと、シリコンの密度ρは、以下の関係式が成り立つ。
Vr×T×π×(D/2)×ρ=ΔW
これを実成長速度Vrについて解くと以下の式となる。
Vr=ΔW/{π×(D/2)×ρ×T} (1)
ここで、単位時間T当たりのシリコン単結晶3の重量変化量ΔWおよび平均直径Dとして使用する値は、測定の瞬時値におけるばらつきを平滑化する為、任意に設定した測定間隔xで測定した重量変化量ΔWxと直径Dxを単位時間T当たりで平均した値とすることができる(以下の式(2)(3)参照)。より詳しく述べると、重量変化量ΔWは、測定間隔xごとの測定値から測定間隔x当たりの重量変化量ΔWxを算出し、単位時間T当たりでいくらになるか、つまり、T/x個分のΔWxを足し算して値を出す。また平均直径Dは、測定間隔xごとの直径の測定値Dxを足し算し、単位時間T当たりでの測定回数(T/x回)で割って平均値を算出する。ここで測定間隔xおよび単位時間Tは特に限定されないが、例えば、測定間隔xは1秒以上60秒以下、単位時間Tは10分以上20分以下とすることができる。
ΔW=ΔW+ΔW+ΔW+・・・・+ΔWT/x (2)
=(D+D+D+・・・・+DT/x)/(T/x) (3)
例えば、x=1分、T=10分とし、0-1分、1-2分、2-3分、…8-9分、9-10分の重量変化量をΔW、ΔW、ΔW、…ΔW、ΔW10とし、1分、2分、3分、…9分、10分の直径をD、D、D、…D、D10とした場合、T=10分当たりの重量変化量ΔWと平均直径Dは、
ΔW=ΔW+ΔW+ΔW+…+ΔW+ΔW10
=(D+D+D+…+D+D10)/(10/1)
により算出することができる。
なお、単位時間当たりのシリコン単結晶の重量変化量ΔWおよび平均直径Dを測定値から算出することができればよく、上記算出方法に限定されるものではない。
次に、図1の工程4のように、工程3で算出した実成長速度Vrとシリコン単結晶の目標成長速度Vsとの差ΔVを逐次算出する。
ΔV=Vr-Vs (4)
ここで、目標成長速度Vsは、シリコン単結晶に無欠陥領域が得られる成長速度マージン内の任意の速度とすることができる。無欠陥領域が得られる成長速度マージンは、使用される引き上げ装置、ホットゾーン、引き上げ条件等に影響される為、使用する引き上げ装置、ホットゾーン、引き上げ条件で成長速度を何水準かに振ったシリコン単結晶の引き上げ実験を行い、予め無欠陥領域が得られる成長速度マージンを求めておくことが望ましい。
最後に、図1の工程5のように、単位時間Tの間隔毎に、工程4で算出した実成長速度と目標成長速度との差ΔVで、シリコン単結晶をワイヤで引き上げる引き上げ速度Vを補正しながら引き上げる。
補正した引き上げ速度で引き上げた場合のシリコン単結晶の実成長速度Vr’は、以下の式で求めることができる。
Vr’=Vr-ΔV (5)
このようにして、引き上げ速度VをΔVで補正しながら引き上げることで、補正後の実成長速度Vr’を目標成長速度Vsに逐次一致させることができる。その結果、所望のシリコン単結晶を得られ、歩留りを向上することができる。
なお、過剰な補正を防止する為、補正1回当りの補正量ΔVには制限を設けることが望ましい。この時、補正量ΔVの上下限は特に限定されないが、例えば、シリコン単結晶に無欠陥領域が得られる成長速度マージンの1/2以下とすることができる。これにより、測定異常等により算出された補正量ΔVが過剰であっても、実際にその過剰な補正量ΔVが引き上げ速度に適用されるのを防ぐことができ、より確実に無欠陥領域が得られるようにすることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
図2に示す引き上げ装置1を用い、以下の条件により、シリコン単結晶が長手方向に無欠陥領域となる目標成長速度Vsを目標引き上げ速度に設定し、本発明の製造方法によりシリコン単結晶の引き上げを行った(図1の工程1)。
結晶径:直径約300mm
製法:中心磁場4000GのMCZ法(磁場印加装置を炉外に配設)
HZ:ルツボ径32インチ(約81cm)
この時、引き上げ軸であるワイヤ9を巻き取るワイヤ巻き取り装置12に設置されたロードセル重量測定器16で、引き上げ中のシリコン単結晶3の重量を1分間隔(すなわち、x=1分)で逐次測定し、且つ同時にメインチャンバー2aの外に設置された直径測定用カメラ17で、引き上げ中のシリコン単結晶3の直径を1分間隔(すなわち、x=1分)で逐次測定した(図1の工程2)。
そして、測定した重量から式(2)により10分間(すなわち、T=10分)の重量変化量ΔWを算出し、測定した直径から式(3)により10分間の平均直径Dを算出した。引き上げ装置1に備えた演算器18を用い、式(1)によりシリコン単結晶3の実成長速度Vrを算出した(図1の工程3)。そして、この実成長速度Vrと、シリコン単結晶の目標成長速度Vsとの差ΔVを式(4)により算出した(図1の工程4)。このようにVrとΔVを逐次算出し、実成長速度Vrが目標成長速度Vsとなるように目標引き上げ速度をΔVで補正しながら(すなわち、式(5)で求めた補正後の実成長速度Vr’がVsとなるように引き上げ速度VをΔVで補正しながら)シリコン単結晶の引き上げを行った(図1の工程5)。
図3に実成長速度Vrと目標成長速度Vsとの差ΔV(ΔVはVr-Vs)の、単結晶長手方向の推移(すなわち、引き上げ中に逐次算出した結果)を示す。本実施例の結果では、シリコン単結晶の引き上げ初期で、目標成長速度Vsに対して実成長速度Vrの方が速くなっていることが分かる。なお、縦軸は引き上げ開始時の目標成長速度を1.00とした場合の速度を、横軸は引き上げ終了時を1とした場合の結晶位置をそれぞれ示す。
図4に、引き上げ速度Vを当初の目標引き上げ速度(=目標成長速度Vs)からΔVで補正しながらシリコン単結晶を引き上げたときの、補正後の実成長速度Vr’と目標成長速度Vsを示す。本実施例により引き上げたシリコン単結晶の補正後の実成長速度Vr’は、シリコン単結晶が長手方向に無欠陥領域となる目標成長速度Vsと等しくできたことが分かる。
このようにして得られた単結晶からサンプルを切り出し、無欠陥結晶になったかどうかを、選択エッチングにより確認した。選択エッチングはフッ酸、硝酸、酢酸、水からなる選択性のあるエッチング液にサンプルを浸し、取り代が両側で25±3μmになるまで揺動せず放置した。
その結果、図5に示すように、シリコン単結晶の無欠陥領域19を狙った長手方向のほぼ全域で、無欠陥領域シリコン単結晶が得られた。
(比較例)
引き上げ速度VをΔVで補正しなかったこと以外は、実施例と同じ条件でシリコン単結晶の引き上げを行った。
図6に、目標成長速度Vsと、実施例と同様に算出した実成長速度Vrの算出結果を示す。実施例と同様に、シリコン単結晶の引き上げ初期で、目標成長速度Vsに対して実成長速度Vrの方が速くなっていることが分かる。
このようにして得られた単結晶からサンプルを切り出し、実施例と同様の評価を行った。
その結果、図7に示すように、シリコン単結晶の無欠陥領域19を狙った長手方向の部位の内、引き上げ初期の約35%の部位で欠陥の発生(欠陥発生領域20)が見られた。すなわち、実施例に比べて無欠陥領域シリコン単結晶の収率が低く、歩留まりが低かった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…引き上げ装置、 2…チャンバー、 2a…メインチャンバー、
2b…プルチャンバー、 3…シリコン単結晶、 4…支持軸、 5…ルツボ、
5a…石英ルツボ、 5b…黒鉛ルツボ、 6…ヒーター、 7…保温筒、
8…保温板、 9…ワイヤ、 10…種結晶、 11…種ホルダ、
12…ワイヤ巻き取り装置、 13…パージチューブ、 14…シリコン融液、
15…カラー、 16…ロードセル重量測定器、 17…直径測定用カメラ、
18…演算器、 19…無欠陥領域、 20…欠陥発生領域。

Claims (4)

  1. 引き上げ軸にワイヤを使用した引き上げ装置を用い、チョクラルスキー法または磁場印加チョクラルスキー法により、チャンバー内に配置したルツボ内のシリコン融液からシリコン単結晶を引き上げるシリコン単結晶の製造方法であって、
    前記シリコン単結晶の引き上げ中の重量及び直径を逐次測定し、
    該測定した引き上げ中のシリコン単結晶の重量及び直径から得た任意の単位時間当たりの前記引き上げ中のシリコン単結晶の重量変化量及び平均直径と、シリコンの密度から、前記引き上げ中のシリコン単結晶の実成長速度を逐次算出し、
    該算出した実成長速度と前記シリコン単結晶の目標成長速度との差を逐次算出し、
    該算出した実成長速度と目標成長速度との差で、前記シリコン単結晶を前記ワイヤで引き上げる引き上げ速度を補正しながら引き上げることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. 前記引き上げ中のシリコン単結晶の重量を、前記ワイヤを巻き取るワイヤ巻き取り装置に設置されたロードセル重量測定器を用いて測定し、かつ、
    前記引き上げ中のシリコン単結晶の直径を、1つ以上の直径測定用カメラを用いて測定することを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  3. 前記引き上げ中のシリコン単結晶の実成長速度を、演算器を用いて算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  4. 前記引き上げるシリコン単結晶を無欠陥領域シリコン単結晶とすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のシリコン単結晶の製造方法。
JP2020197196A 2020-11-27 2020-11-27 シリコン単結晶の製造方法 Active JP7342847B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020197196A JP7342847B2 (ja) 2020-11-27 2020-11-27 シリコン単結晶の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020197196A JP7342847B2 (ja) 2020-11-27 2020-11-27 シリコン単結晶の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022085482A JP2022085482A (ja) 2022-06-08
JP7342847B2 true JP7342847B2 (ja) 2023-09-12

Family

ID=81892677

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020197196A Active JP7342847B2 (ja) 2020-11-27 2020-11-27 シリコン単結晶の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7342847B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001342097A (ja) 2000-05-30 2001-12-11 Komatsu Electronic Metals Co Ltd シリコン単結晶引上げ装置及び引上げ方法
JP2002539060A (ja) 1998-10-14 2002-11-19 エムイーエムシー・エレクトロニック・マテリアルズ・インコーポレイテッド 結晶を正確に引き揚げるための方法及び装置
JP2003176199A (ja) 2001-12-06 2003-06-24 Toshiba Ceramics Co Ltd 単結晶引上げ装置および引上げ方法
JP2010248063A (ja) 2009-03-27 2010-11-04 Sumco Corp 単結晶直径の制御方法
JP2018500267A (ja) 2014-12-30 2018-01-11 エスケー シルトロン カンパニー リミテッド インゴット界面の形状を制御することができる単結晶成長システム及び方法
JP2020500822A (ja) 2016-12-07 2020-01-16 エスケー シルトロン カンパニー リミテッド インゴット成長制御装置およびその制御方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002539060A (ja) 1998-10-14 2002-11-19 エムイーエムシー・エレクトロニック・マテリアルズ・インコーポレイテッド 結晶を正確に引き揚げるための方法及び装置
JP2001342097A (ja) 2000-05-30 2001-12-11 Komatsu Electronic Metals Co Ltd シリコン単結晶引上げ装置及び引上げ方法
JP2003176199A (ja) 2001-12-06 2003-06-24 Toshiba Ceramics Co Ltd 単結晶引上げ装置および引上げ方法
JP2010248063A (ja) 2009-03-27 2010-11-04 Sumco Corp 単結晶直径の制御方法
JP2018500267A (ja) 2014-12-30 2018-01-11 エスケー シルトロン カンパニー リミテッド インゴット界面の形状を制御することができる単結晶成長システム及び方法
JP2020500822A (ja) 2016-12-07 2020-01-16 エスケー シルトロン カンパニー リミテッド インゴット成長制御装置およびその制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022085482A (ja) 2022-06-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10858753B2 (en) Method and apparatus for manufacturing silicon single crystal
KR101901308B1 (ko) 실리콘 융액면의 높이위치의 산출방법 및 실리콘 단결정의 인상방법 그리고 실리콘 단결정 인상장치
WO2020039553A1 (ja) シリコン単結晶の育成方法
US7582160B2 (en) Silicone single crystal production process
KR101105588B1 (ko) 고품질 실리콘 단결정 제조 방법 및 장치
JP4858019B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法
JP7342847B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法
KR101862157B1 (ko) 단결정 실리콘 잉곳 제조 방법 및 장치
CN111826710A (zh) 一种控制硅熔体坩埚安全升降的方法和装置
JP5088338B2 (ja) シリコン単結晶の引き上げ方法
JP6237605B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法
JP4496723B2 (ja) 単結晶の製造方法及び単結晶製造装置
KR101679071B1 (ko) 멜트갭 제어 시스템, 이를 포함하는 단결정 성장방법
TWI613334B (zh) 提高長晶成功率的自動長晶方法
US9200380B2 (en) Single-crystal manufacturing method and single-crystal manufacturing apparatus
US7470326B2 (en) Apparatus for manufacturing silicon single crystal, method for manufacturing silicon single crystal, and silicon single crystal
JP5223513B2 (ja) 単結晶の製造方法
JP7077991B2 (ja) Czシリコン単結晶製造方法
KR101540235B1 (ko) 단결정 잉곳제조장치 및 단결정 잉곳제조방법
JP3147069B2 (ja) 単結晶育成方法、該方法を用いて育成された単結晶、及び単結晶ウエハ
US20240019397A1 (en) Method of estimating oxygen concentration in silicon single crystal, method of manufacturing silicon single crystal, and silicon single crystal manufacturing apparataus
JP5567800B2 (ja) シリコン単結晶引上げ装置及び引上げ方法
JP2018043904A (ja) シリコン単結晶の製造方法
JP5161169B2 (ja) シリコン単結晶引上げ装置及び引上げ方法
JP2022092506A (ja) 半導体単結晶の製造方法および半導体単結晶の製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230713

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230801

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230814

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7342847

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150