JP7342342B2 - 木質部材の補強構造 - Google Patents

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Description

本発明は、木質部材の補強構造に関する。
木質部材に補強部材を一体化させることにより、木質部材を補強することがある。例えば特許文献1には、複数のラミナ及び平板を積層することにより形成され、平板同士の接合面に形成された溝に挿入された補強部材を有する木質系部材が開示されている。また、特許文献2には、複数のラミナを積層することにより形成され、ラミナ同士の接合面に形成された溝に挿入された繊維線材(補強部材)を有する集成材が開示されている。
特開2016-118069号公報 特開2013-28028号公報
例えば木質梁等の木質部材では、一般的に、上面や下面等の外周面において木質部材の曲げによって木質部材に生じる引張力又は圧縮力が最大となる。しかしながら、特許文献1に示す木質系部材、及び特許文献2に示す集成材では、平板又はラミナの接合面に補強部材が設けられている。すなわち、木質系部材及び集成材の上面や下面等の外周面に補強部材が設けられていないため、補強部材によって木質部材を効率的に補強することができなかった。
本発明は上記事実に鑑み、補強部材によって木質部材を効率的に補強することができる木質部材の補強構造及び木質部材の補強方法を提供することを目的とする。
第1態様に記載の木質部材の補強構造は、木質部材と、前記木質部材の第1面、及び前記第1面に対向する第2面の少なくとも一方に設けられ、前記木質部材に一体化された補強部材と、を有する。
上記構成によれば、木質部材の第1面及び第2面の少なくとも一方に設けられた補強部材を木質部材と一体化させることで、木質部材の外周面(第1面又は第2面)に補強部材を容易に配置することができる。これにより、木質部材の曲げによって木質部材に生じる引張力又は圧縮力が最大となる木質部材の外周面を補強部材によって効率的に補強することができる。
第2態様に記載の木質部材の補強構造は、第1態様に記載の木質部材の補強構造であって、前記木質部材の前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方には、前記木質部材の材軸方向に沿って延びる溝が形成されており、前記補強部材は、前記溝に挿入されている。
上記構成によれば、木質部材の第1面及び第2面の少なくとも一方に、木質部材の材軸方向に沿って延びる溝を形成し、この溝に補強部材を挿入することで、補強部材を容易かつ確実に木質部材と一体化させることができる。
第3態様に記載の木質部材の補強構造は、第1態様又は第2態様に記載の木質部材の補強構造であって、前記補強部材は、鋼板である。
上記構成によれば、補強部材としての鋼板を溝に挿入することで、鋼板によって木質部材の外周面を容易かつ確実に補強することができる。
第4態様に記載の木質部材の補強方法は、木質部材の第1面、及び前記第1面に対向する第2面の少なくとも一方に、前記木質部材の材軸方向に沿って延びる溝を形成し、前記溝に補強部材を挿入して前記木質部材に一体化させる。
上記構成によれば、木質部材の第1面及び第2面の少なくとも一方に、木質部材の材軸方向に沿って延びる溝を形成し、この溝に補強部材を挿入して木質部材と一体化させることで、木質部材の外周面(第1面又は第2面)に補強部材を容易かつ確実に配置することができる。これにより、木質部材の曲げによって木質部材に生じる引張力又は圧縮力が最大となる木質部材の外周面を補強部材によって効率的に補強することができる。
本発明に係る木質部材の補強構造及び木質部材の補強方法によれば、補強部材によって木質部材を効率的に補強することができる。
第1実施形態に係る木質部材の補強構造を示す斜視図である。 第1実施形態に係る木質部材の補強構造の長期曲げ荷重に対する補強例を示す正面図である。 第1実施形態に係る木質部材の補強構造の地震時の荷重に対する補強例を示す正面図である。 第2実施形態に係る木質部材の補強構造を示す斜視図である。 (A)は第1変形例に係る木質部材の補強構造を示す斜視図であり、(B)は第2変形例に係る木質部材の補強構造を示す斜視図である。 (A)は第3変形例に係る木質部材の補強構造の補強部材を示す斜視図であり、(B)は(A)に示す補強部材を溝に挿入した後の状態を示す断面図である。 (A)は第4変形例に係る木質部材の補強構造を示す断面図であり、(B)は第5変形例に係る木質部材の補強構造を示す断面図である。
以下、本発明の第1、第2実施形態、及び第1~第5変形例に係る木質部材の補強構造及び木質部材の補強方法について、図1~図7を用いて順に説明する。なお、図中において、矢印Xは水平方向又は木質部材の材軸方向、矢印Yは鉛直方向又は木質部材の高さ方向を指す。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態に係る木質部材の補強構造及び補強方法について、図1~図3を用いて説明する。
(補強構造)
図1に示すように、本実施形態の木質部材の補強構造10は、木質部材の一例としての木質梁12を有している。木質梁12は、例えば断面矩形状とされており、図示しない複数の木質のラミナ材を互いに積層して接着した集成材からなる。
木質梁12の上面12A(第1面)には、木質梁12の材軸方向に沿って延びる上面溝14が幅方向中央部に形成されている。同様に、木質梁12の上面12Aに対向する、すなわち上面12Aとは反対側の面である下面12B(第2面)には、木質梁12の材軸方向に沿って延びる下面溝16が幅方向中央部に形成されている。本実施形態では、上面溝14及び下面溝16は断面矩形状とされており、下面溝16の深さは上面溝14の深さより深くされている。
また、木質梁12の上面溝14及び下面溝16には、補強部材の一例としての上側鋼板18及び下側鋼板20がそれぞれ挿入されている。上側鋼板18は、断面矩形状とされており、上面溝14に沿って棒状に延びるとともに、大きさが上面溝14の大きさより一回り小さくされている。同様に、下側鋼板20は、断面矩形状とされており、下面溝16に沿って棒状に延びるとともに、大きさが下面溝16の大きさより一回り小さくされている。なお、上側鋼板18及び下側鋼板20は、上面溝14及び下面溝16を覆っておらず、上面溝14及び下面溝16にそれぞれ差し込まれている。
本実施形態では、下側鋼板20の幅は、上側鋼板18の幅と略同じ幅とされており、下側鋼板20の高さL2は、上側鋼板の高さL1より高くされている。また、上側鋼板18及び下側鋼板20が上面溝14及び下面溝16にそれぞれ挿入された状態において、上側鋼板18の上面、及び下側鋼板20の下面は、木質梁12の上面12A及び下面12Bにそれぞれ露出している。
また、上側鋼板18と上面溝14の間、及び下側鋼板20と下面溝16の間には、接着剤22がそれぞれ充填されている。接着剤22は、例えばエポキシ樹脂やウレタン樹脂からなり、接着剤22によって上側鋼板18と木質梁12、及び下側鋼板20と木質梁12がそれぞれ一体化されている。
なお、接着剤22は、耐火性を有していることが好ましい。接着剤22として、耐火性を有する材料を用いることで、木質梁12の外周面(上面12A及び下面12B)の耐火性を高めることができる。
図1に示す形態では、上側鋼板18(上面溝14)及び下側鋼板20(下面溝16)が、木質梁12の材軸方向の全長にわたって設けられている。しかし、上側鋼板18(上面溝14)及び下側鋼板20(下面溝16)は、必ずしも木質梁12の材軸方向の全長にわたって設けられている必要はなく、補強が必要とされる箇所に適宜設けられていればよい。
例えば長期曲げ荷重に対して木質梁12を補強する場合には、図2に示すように、木質梁12の材軸方向両端部、すなわち柱24との接合部に上面溝14及び上側鋼板18を設け、木質梁12の材軸方向中央部に下面溝16及び下側鋼板20を設けることが好ましい。これにより、木質梁12の上面12Aにおいて長期曲げ荷重が集中する材軸方向両端部と、木質梁12の下面12Bにおいて長期曲げ荷重が集中する材軸方向中央部とを、上側鋼板18及び下側鋼板20によって効果的に補強することができる。
一方、地震時の荷重に対して木質梁12を補強する場合には、図3に示すように、上面溝14及び上側鋼板18と、下面溝16及び下側鋼板20とを、木質梁12の材軸方向両端部にそれぞれ設けることが好ましい。これにより、地震時に荷重が集中する木質梁12の柱24との接合部を、上側鋼板18及び下側鋼板20によって効果的に補強することができる。
なお、図2に示す補強箇所と図3に示す補強箇所の双方に上側鋼板18及び下側鋼板20を設けることで、長期曲げ荷重及び地震時の荷重の双方に対して木質梁12を補強することも可能である。
(補強方法)
次に、上側鋼板18及び下側鋼板20によって木質梁12の上面12A及び下面12Bを補強する際の手順について説明する。
まず、図示しない複数のラミナ材を互いに積層して接着することにより、集成材からなる木質梁12を作製しておく。次に、図示しない切削工具等を用いて木質梁12を切削し、材軸方向に沿って延びる上面溝14及び下面溝16を、木質梁12の上面12A及び下面12Bにそれぞれ形成する。
その後、上面溝14及び下面溝16に接着剤22をそれぞれ充填し、上面溝14に上側鋼板18を挿入するとともに、下面溝16に下側鋼板20を挿入する。そして、接着剤22を硬化させることで、上側鋼板18及び下側鋼板20を木質梁12にそれぞれ一体化させる。
以上の手順により、上側鋼板18及び下側鋼板20によって木質梁12の上面12A及び下面12Bを補強することができる。なお、上記手順は一例であり、手順が異なっていたり、他の手順が含まれたりしても構わない。
例えば上記手順では、ラミナ材を積層して断面矩形状の木質梁12を作製した後で、木質梁12を切削し、木質梁12の上面12A及び下面12Bに上面溝14及び下面溝16をそれぞれ形成していた。しかし、隣合うラミナ材間に隙間(溝)をあけてラミナ材を積層していくことにより、上面溝14及び下面溝16を形成しながら木質梁12を作製する構成としてもよい。
(作用効果)
本実施形態によれば、木質梁12の上面12A及び下面12Bに設けられた上側鋼板18及び下側鋼板20を木質梁12とそれぞれ一体化させている。これにより、木質梁12の曲げによって木質梁12に生じる引張力又は圧縮力が最大となる木質梁12の上面12A及び下面12Bを、上側鋼板18及び下側鋼板20によって効率的に補強することができる。
特に本実施形態によれば、木質梁12の上面12A及び下面12Bに、木質梁12の材軸方向に沿って延びる上面溝14及び下面溝16がそれぞれ形成されており、上面溝14に上側鋼板18が挿入されるとともに、下面溝16に下側鋼板20が挿入される。
このように、上面溝14及び下面溝16に上側鋼板18及び下側鋼板20をそれぞれ挿入することで、上側鋼板18及び下側鋼板20を、木質梁12の上面12A及び下面12Bに露出させた状態で容易に位置決めすることができる。これにより、上側鋼板18及び下側鋼板20を確実に木質梁12の外周面(上面12A及び下面12B)に位置させることができ、木質梁12を効率的に補強することができる。
また、本実施形態によれば、上面溝14と上側鋼板18との間、及び下面溝16と下側鋼板20との間に接着剤22がそれぞれ充填されているため、上側鋼板18及び下側鋼板20と木質梁12とを容易かつ確実に一体化させることができる。また、接着剤22によって上側鋼板18及び下側鋼板20と木質梁12とを一体化させることにより、木質梁12に生じるせん断力を上側鋼板18及び下側鋼板20によって負担することも可能となる。
また、本実施形態によれば、補強部材として鋼板(上側鋼板18及び下側鋼板20)を用いている。このため、補強部材の取扱いが容易であり、上側鋼板18及び下側鋼板20を上面溝14及び下面溝16に挿入することで、木質梁12の上面12A及び下面12Bを容易かつ確実に補強することができる。
また、一般的に、木質梁12は圧縮力よりも引張力に弱く、木質梁12の上面12Aには主に圧縮力が作用し、木質梁12の下面12Bには主に引張力が作用する。ここで、本実施形態によれば、引張力が作用する木質梁12の下面12Bに設けられた下側鋼板20の高さL2が、圧縮力が作用する木質梁12の上面12Aに設けられた上側鋼板18の高さL1よりも高くされている。
このため、下側鋼板20の断面二次モーメントを上側鋼板18の断面二次モーメントよりも大きくすることができ、木質梁12においてより補強が必要とされる下面12Bを下側鋼板20によって効率的に補強することが可能となる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る木質部材の補強構造及び補強方法について、図4を用いて説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
(補強構造)
図4に示すように、本実施形態の木質部材の補強構造30は、木質部材の一例としての木質梁32を有している。第1実施形態の木質梁12と同様に、木質梁32は、例えば断面矩形状とされており、図示しない複数のラミナ材を互いに積層して接着した集成材からなる。
また、木質梁32の上面32A及び下面32Bには、木質梁32の材軸方向に沿って延びる上面溝34及び下面溝36がそれぞれ形成されており、上面溝34及び下面溝36には、補強部材の一例としての上側鋼板38及び下側鋼板40がそれぞれ挿入されている。
ここで、第1実施形態では、上側鋼板18の大きさが上面溝14の大きさより一回り小さくされていたのに対し、本実施形態では、上側鋼板38の高さが上面溝34の高さ(深さ)より高くされている。
具体的には、上側鋼板38の下端部は、上面溝34に挿入されており、上面溝34に充填された接着剤42によって木質梁32と一体化されている。一方、上側鋼板38の上端部は、木質梁32の上面32Aから鉛直方向上側に突出しており、上端部の両側面には、水平方向に延びる複数のスタッド44が突設されている。
また、本実施形態では、木質梁32の上面32Aにコンクリートスラブ46が載置されており、木質梁32の上面32Aから突出する上側鋼板38の上端部、及び上端部に突設された複数のスタッド44が、コンクリートスラブ46にそれぞれ埋設されている。
なお、下側鋼板40は、第1実施形態と同様に、大きさが下面溝36の大きさより一回り小さくされており、下面溝36に充填された接着剤42によって木質梁32と一体化されている。
(補強方法)
上側鋼板38及び下側鋼板40によって木質梁32の上面32A及び下面32Bを補強する場合には、まず、第1実施形態と同様に、図示しない複数のラミナ材を互いに積層して接着することにより、集成材からなる木質梁32を作製しておく。また、上側鋼板38の上端部に、複数のスタッド44を予め溶接しておく。
そして、図示しない切削工具等を用いて木質梁32を切削し、木質梁32の上面32A及び下面32Bに上面溝34及び下面溝36をそれぞれ形成する。次に、上側鋼板38の下端部を上面溝34に挿入して接着剤42によって木質梁32と一体化する。同様に、下側鋼板40を下面溝36に挿入して接着剤42によって木質梁32と一体化する。
その後、木質梁32の上面32Aの上側に図示しない型枠を設置し、型枠内にコンクリートを流し込むことで、上側鋼板38の上端部及び上端部に突設された複数のスタッド44が埋設されたコンクリートスラブ46を構築する。
以上の手順により、上側鋼板38及び下側鋼板40によって木質梁32の上面32A及び下面32Bを補強することができる。なお、上記手順は一例であり、手順が異なっていたり、他の手順が含まれたりしても構わない。
(作用効果)
本実施形態では、第1実施形態と同様に、木質梁32の上面32A及び下面32Bに設けられた上面溝34及び下面溝36に上側鋼板38及び下側鋼板40を挿入し、接着剤42によって上側鋼板38及び下側鋼板40と木質梁32とを一体化させている。これにより、木質梁32の曲げによって木質梁32に生じる引張力又は圧縮力が最大となる木質梁32の上面32A及び下面32Bを、上側鋼板38及び下側鋼板40によって効率的に補強することができる。
また、本実施形態によれば、上側鋼板38の上端部が木質梁32の上面32Aから突出しているため、上側鋼板38の上端部をコンクリートスラブ46に埋設することで、木質梁32とコンクリートスラブ46の一体性を高めることができる。さらに、コンクリートスラブ46に埋設される上側鋼板38の上端部に複数のスタッド44が突設されているため、このスタッド44により、木質梁32とコンクリートスラブ46の一体性をより高めることができる。
<その他の実施形態>
以上、本発明について第1、第2実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能である。また、第1、第2実施形態の構成は、適宜組み合わせることが可能である。
例えば、第1実施形態では、上側鋼板18と木質梁12とを接着剤22によって一体化させていた。しかし、図5(A)に第1変形例として示すように、上側鋼板18と木質梁12とをモルタル48によって一体化させてもよい。この場合、上側鋼板18の表面及び上面溝14の内壁面に、凸形状のコッター50、52をそれぞれ形成することが好ましい。
第1変形例によれば、コッター50が形成された上側鋼板18の表面と、コッター52が形成された上面溝14の内壁面との間にモルタル48が充填される。これにより、コッター50、52によってモルタル48の付着力を高めることができ、上側鋼板18の上面溝14に対する引き抜き耐力を高めることができる。なお、図示を省略するが、下側鋼板20及び下面溝16にも、上側鋼板18及び上面溝14と同様に、コッター50、52を適用することが可能である。
また、第1実施形態では、上面溝14及び上側鋼板18が断面矩形状とされていたが、上面溝14及び上側鋼板18の形状は実施形態に限らず、例えば図5(B)に第2変形例として示す上面溝54及び上側鋼板58のように、断面T字形状等とされていてもよい。
断面T字形状の上面溝54に断面T字形状の上側鋼板58を挿入することで、上面溝54の内壁面と上側鋼板58の表面との接合面積を大きくすることができ、上側鋼板58と木質梁12の一体性をより高めることができる。なお、下面溝56及び下側鋼板60の形状も、上面溝54及び上側鋼板58と同様に、断面T字形状等とすることが可能である。
さらに、第1実施形態において、図6(A)、図6(B)に第3変形例として示すように、上側鋼板18に複数の連通孔62を形成する構成としてもよい。図6(A)に示すように、複数の連通孔62は、上側鋼板18の延出方向に沿って間隔をあけて設けられており、上側鋼板18をそれぞれ幅方向に貫通している。
第3変形例のように、上側鋼板18に複数の連通孔62を形成することで、図6(B)に示すように、上面溝14と上側鋼板18との間に接着剤22を充填した際に、接着剤22が上側鋼板18の連通孔62にそれぞれ入り込む。
これにより、上側鋼板18と木質梁12の接着強度を高めることができ、上側鋼板18と木質梁12との間の接着剤22を介した応力の伝達効率を高めることができる。なお、図示を省略するが、図1に示す下側鋼板20にも、上側鋼板18と同様に、連通孔62を適用することが可能である。
さらに、第1実施形態では、木質梁12の上面12A及び下面12Bに、上側鋼板18及び下側鋼板20を挿入するための上面溝14及び下面溝16がそれぞれ形成されていたが、木質梁12に溝が形成されていなくてもよい。例えば、図7(A)に第4変形例として示すように、溝が形成されていない木質梁72の上面72A及び下面72Bに、ビス74等によって上側鋼板78及び下側鋼板80を直接接合する構成とすることも可能である。
また、第1実施形態では、下側鋼板20の高さL2を上側鋼板18の高さL1よりも高くすることで、下側鋼板20の断面二次モーメントを上側鋼板18の断面二次モーメントよりも大きくしていた。しかし、例えば、図7(B)に第5変形例として示すように、下側鋼板90の幅H2を上側鋼板88の幅H1よりも広くすることで、下側鋼板90の断面二次モーメントを上側鋼板88の断面二次モーメントよりも大きくする構成としてもよい。
なお、第1実施形態において、下側鋼板20の高さ(幅)は、必ずしも上側鋼板18の高さ(幅)より大きくされている必要はない。このため、下側鋼板20の高さ(幅)と上側鋼板18の高さ(幅)を同じ大きさにしてもよく、例えば木質梁12の上面12Aを下面12Bよりも補強したい場合には、上側鋼板18の高さ(幅)を下側鋼板20の高さ(幅)よりも大きくしてもよい。
また、第1、第2実施形態では、上面溝14、34及び下面溝16、36に充填された接着剤22、42によって、上側鋼板18、38及び下側鋼板20、40と木質梁12、32とを一体化していた。しかし、接着剤22、42に代えて、又は接着剤22、42に加えて、ドリフトピン100によって上側鋼板18、38及び下側鋼板20、40と木質梁12、32とを一体化してもよい。
具体的には、例えば図7(B)に示すように、上側鋼板88及び下側鋼板90には、上側鋼板88及び下側鋼板90をそれぞれ幅方向に貫通するピン孔92、94が形成されている。また、木質梁12には、上面溝14及び下面溝16を介して木質梁12をそれぞれ幅方向に貫通するピン孔96、98が形成されている。なお、ピン孔92、94、96、98は、上側鋼板88、下側鋼板90、及び木質梁12の材軸方向(延出方向)に沿って間隔をあけて複数形成されている。
上側鋼板88のピン孔92と木質梁12のピン孔96、及び下側鋼板90のピン孔94と木質梁12のピン孔98に、ドリフトピン100をそれぞれ挿入固定することで、ドリフトピン100によって上側鋼板88及び下側鋼板90と木質梁12とを一体化することができる。
さらに、接着剤22、42等の充填材を用いずに、上側鋼板18、38及び下側鋼板20、40を上面溝14、34及び下面溝16、36に圧入することによって上側鋼板18、38及び下側鋼板20、40と木質梁12、32とを一体化する構成としてもよい。
また、第1、第2実施形態では、木質梁12、32が集成材で構成されていた。しかし、木質梁は集成材に限らず、複数のラミナ材を繊維方向が直交するように積層接着したCLT(Cross Laminated Timber)や、ラミナ材の繊維方向を揃えて積層接着したLVL(Laminated Veneer Lumber)、単層の無垢材等で構成されていてもよい。
また、第1、第2実施形態では、補強部材が鋼板(上側鋼板18、38及び下側鋼板20、40)によって構成されていたが、補強部材は鋼板に限らず、鉄筋等で構成されていてもよい。さらに、炭素繊維や、アラミド繊維、プラスチック等の木質部材より剛性の高い材料によって補強部材が構成されていてもよい。
また、上面溝14、34に挿入される上側の補強部材と、下面溝16、36に挿入される下側の補強部材とを、異なる材料によって構成してもよい。例えば下側の補強部材を構成する材料を、上側の補強部材を構成する材料よりも硬い材料とすることで、下側の補強部材の断面二次モーメントを上側の補強部材の断面二次モーメントよりも大きくすることができる。
また、第1、第2実施形態では、木質梁12、32の上面12A、32A及び下面12B、32Bの両面に補強部材としての上側鋼板18、38及び下側鋼板20、40を設けていた。しかし、補強部材は必ずしも木質梁12、32の両面に設けられている必要はなく、どちらか一方の面のみに設けられていてもよい。
また、第2実施形態では、上側鋼板38の上端部に複数のスタッド44が突設されていたが、例えばコンクリートスラブ46に配筋される図示しない鉄筋を上側鋼板38に貫通させることで、木質梁32とコンクリートスラブ46の一体性を高める構成としてもよい。さらに、スタッド44は、上側鋼板38の上端部の両側面に突設されている必要なく、上側鋼板38の片側の側面のみに突設されていてもよい。
また、第1、第2実施形態では、木質部材が木質梁12、32とされていたが、本発明は、木質梁以外の木質スラブや木質柱等の様々な木質部材に適用することが可能である。さらに、本発明は、建物の新築時に建物を構成する木質部材(木質梁)に適用することができる他、建物の改修時においても、建物を構成する木質部材(木質梁)に適用することが可能である。
10、30 補強構造
12、32、72 木質梁(木質部材の一例)
12A、32A、72A 上面(第1面の一例)
12B、32B、72B 下面(第2面の一例)
14、34、54 上面溝(溝の一例)
16、36、56 下面溝(溝の一例)
18、38、58、78、88 上側鋼板(補強部材の一例)
20、40、60、80、90 下側鋼板(補強部材の一例)

Claims (2)

  1. 木質部材と、
    前記木質部材の第1面、及び前記第1面に対向する第2面に設けられ、前記木質部材に一体化された補強部材と、を備え、
    前記第1面は、上方を向いた上面であって、前記第2面は、下方を向いた下面であって、
    前記木質部材の前記第1面には、前記木質部材の材軸方向に沿って延びる上面溝が形成されており、
    前記木質部材の前記第2面には、前記木質部材の材軸方向に沿って延びると共に断面積が前記上面溝と比して大きくされた下面溝が形成されており、
    前記上面溝には、材軸方向に延びる前記補強部材としての上側鋼板が挿入され、
    前記下面溝には、材軸方向に延びる前記補強部材であって、前記上側鋼板と比して断面二次モーメントが大きくされた下側鋼板が挿入される木質部材の補強構造。
  2. 前記下面溝の深さは、前記上面溝の深さと比して深くされている、
    請求項1に記載の木質部材の補強構造。
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