JP7342306B2 - インクジェット用処理液、インクジェット捺染装置、およびインクジェット捺染方法 - Google Patents

インクジェット用処理液、インクジェット捺染装置、およびインクジェット捺染方法 Download PDF

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Description

本開示は、インクジェット用処理液、インクジェット捺染装置、およびインクジェット捺染方法に関する。
インクジェット捺染方法においては、例えば、顔料を含有するインクが用いられる。画像が形成された捺染対象(以下、捺染物と記載することがある)の摩擦堅ろう度を向上させるため、顔料を含有するインクは、後処理液と共に用いられることがある。
一方、従来、インクジェット記録装置用の搬送ローラーが知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載の搬送ローラーでは、搬送ローラーの表面に対して、フラーレンおよびフラーレン誘導体の一方または両方を含有する処理液が塗布されている。
特開2013-75524号公報
本開示の第一の局面に係るインクジェット用処理液は、シリコーンオイルを含有する乳化粒子と、水性媒体とを含有し、
前記乳化粒子の平均粒子径は100nm以上250nm以下である。
図1は、本開示の第2実施形態に係るインクジェット捺染装置の一例を示す側面図である。
近年、インクジェット捺染技術において、捺染物の摩擦堅ろう度のさらなる向上が求められている。捺染物の摩擦堅ろう度は、処理液中に含有されるシリコーンオイルの濃度やその種類、処理液の吐出量等によって変化することが想定される。例えば、処理液の吐出量が少量である場合には、シリコーンオイルの濃度が低すぎると、捺染物の摩擦堅ろう度に影響を及ぼすおそれがあると想定される。従って、シリコーンオイルの濃度調整やその種類選択以外の観点から、摩擦堅ろう度に優れた捺染物を作製できるインクジェット用処理液の特性の条件が分かれば好適である。
ここで、捺染物の摩擦堅ろう度は、処理液中のシリコーンオイルを含有する乳化粒子の平均粒子径によっても変化することが想定される。例えば、乳化粒子の平均粒子径が小さい場合には、捺染物の摩擦堅ろう度に影響を及ぼすおそれがあると想定される。従って、処理液中の乳化粒子の平均粒子径の観点から、摩擦堅ろう度に優れた捺染物を作製できるインクジェット用処理液の特性の条件が分かれば好適である。
また、処理液中の乳化粒子の平均粒子径が大きい場合、処理液をインクジェット捺染装置の処理ヘッドから吐出させる際に、メニスカスが不安定となり、吐出性が悪化する場合がある。従って、インクジェット用処理液は、処理ヘッドからの吐出性に優れることも求められる。加えて、インクジェット用処理液が、捺染物の触感の低下をも抑制することができれば、より好ましい。
本開示のインクジェット用処理液は、捺染物の触感の低下を抑制でき、摩擦堅ろう度に優れた捺染物を作製でき、かつ、インクジェット捺染装置の処理ヘッドからの吐出性に優れる。
以下、本開示の実施形態について説明する。なお、本明細書において、体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製「LA-950」)を用いて測定されたメディアン径である。以下、体積中位径を「D50」と記載することがある。材料の「主成分」は、何ら規定していなければ、質量基準で、その材料に最も多く含まれる成分を意味する。「比重」は、何ら規定していなければ、25℃における比重を意味する。アクリルおよびメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。本明細書に記載の各成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[第1実施形態:インクジェット用処理液]
以下、本開示の第1実施形態に係るインクジェット用処理液(以下、処理液とも言う)を説明する。第1実施形態に係る処理液は、乳化粒子と、水性媒体とを含有する。乳化粒子は、処理液の水性媒体中において、分散している。すなわち、第1実施形態に係る処理液は、エマルションであり、より具体的には、水中油滴(O/W)型エマルションである。
第1実施形態に係る処理液は、例えば、後述するインクジェット捺染装置、およびインクジェット捺染方法において好適に用いられる。第1実施形態に係る処理液は、例えば、後処理用の処理液である。詳しくは、インクにより捺染対象の画像形成領域に画像が形成された後、第1実施形態に係る処理液により画像形成領域が後処理される。
<乳化粒子>
処理液に含有される乳化粒子は、シリコーンオイルを含有する。シリコーンオイルは、イオン性基含有シリコーンオイルを少なくとも含むことが好ましい。イオン性基含有シリコーンオイルを含むことによって、特に湿潤摩擦堅ろう度により優れた捺染物を作製することができる。シリコーンオイルは、イオン性基含有シリコーンオイル以外のシリコーンオイル(以下、その他のシリコーンオイルと記載することがある)であってもよい。あるいは、シリコーンオイルは、イオン性基含有シリコーンオイルおよびその他のシリコーンオイルの両方を含有してもよい。この場合、1つの乳化粒子にイオン性基含有シリコーンオイルおよびその他のシリコーンオイルの両方が含有されていてもよい。あるいは、処理液に含有される乳化粒子が2種以上であり、例えば、第1乳化粒子にイオン性基含有シリコーンオイルが含有されており、第2乳化粒子にその他のシリコーンオイルが含有されていてもよい。乳化粒子がシリコーンオイル、特にイオン性基含有シリコーンオイルを少なくとも含むことで、次の第1~第4の利点が得られる。
第1の利点を説明する。シリコーンオイルには、摩擦低減作用がある。捺染対象が処理液を用いて後処理されることにより、捺染対象に形成された画像がシリコーンオイルでコートされ、捺染対象の表面の摩擦係数が低減する。その結果、捺染対象に形成された画像が摩擦された場合であっても色落ちが生じ難く、乾燥摩擦堅ろう度および湿潤摩擦堅ろう度に優れた捺染物を作製できる。また、摩擦低減作用があるシリコーンオイルでコートされることにより、捺染対象の糸同士の摩擦が低減する。その結果、画像形成により引き起こされる捺染対象のごわつきが低減され、捺染物の触感の低下が抑制される。
第2の利点を説明する。シリコーンオイルは、撥水性を有する。処理液を用いて捺染対象が後処理されることにより、撥水性を有するシリコーンオイルで捺染対象がコートされ、捺染対象の表面に撥水性が付与される。その結果、捺染対象に形成された画像が湿潤状態で摩擦された場合であっても、色落ちが生じ難く、湿潤摩擦堅ろう度に優れた捺染物を作製できる。
第3の利点を説明する。特にイオン性基含有シリコーンオイルを少なくとも含む場合、イオン性基含有シリコーンオイルがイオン性基を有することで、イオン性基と捺染対象との間、およびイオン性基と捺染対象上に吐出されたインクとの間に、イオン結合が形成されると推測される。イオン結合が形成されることにより、水によって、捺染対象およびインクから、イオン性基含有シリコーンオイルが洗い流され難くなる。その結果、湿潤摩擦堅ろう度により優れた捺染物を作製できる。
第4の利点を説明する。特にイオン性基含有シリコーンオイルを少なくとも含む場合、イオン性基含有シリコーンオイルがイオン性基を有することで、処理液の水性媒体中に、イオン性基含有シリコーンオイルを含有する乳化粒子が好適に分散する。このような処理液は、インクジェット捺染装置の処理ヘッドから、より好適に吐出可能である。処理ヘッドから処理液が吐出される場合、処理液に捺染物を浸漬させる場合と比較して、処理液の使用量が低減される。このため、捺染対象にごわつきが引き起こされ難く、捺染物の触感の低下がより抑制される。また、処理液が処理ヘッドから吐出される場合、基油としてシリコーンオイルを含有するインクが記録ヘッドから吐出される場合と比較して、粘度の高いシリコーンオイルを使用することができる。このため、摩擦堅ろう度により優れた捺染物を作製できる。以上、第1~第4の利点を説明した。
処理液におけるシリコーンオイルの含有率は、5質量%以上15質量%以下であることが好ましい。シリコーンオイルの含有率が5質量%以上であることによって、捺染物の触感の低下をより抑制し、摩擦堅ろう度により優れた捺染物を作製することができる。シリコーンオイルの含有率が15質量%以下であることによって、インクジェット捺染装置の処理ヘッドからの処理液の吐出性をより良好にすることができる。また、シリコーンオイルとしてイオン性基含有シリコーンオイルを少なくとも含む場合には、シリコーンオイルの含有率が15質量%以下であることによって、シリコーンオイルに含有されるイオン性基含有シリコーンオイルのイオン性基の量の過度な増加を抑制する。その結果、捺染対象の表面に適度な撥水性が付与され難くなることを防ぎ、捺染物の摩擦堅ろう度の低下を抑制することができる。特に、シリコーンオイルの含有率がこのような濃度範囲であれば、シリコーンオイルの種類にもよるが、摩擦堅ろう度に優れた捺染物を作製することができる。
処理液におけるシリコーンオイルの含有率は、好ましくは7質量%以上、より好ましくは9質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。また、処理液におけるシリコーンオイルの含有率は、好ましくは14質量%以下、より好ましくは13質量%以下である。特に、処理液におけるシリコーンオイルの含有率が10質量%以上13質量%以下の範囲内にすることによって、乾燥摩擦堅ろう度および湿潤摩擦堅ろう度の両方により優れた捺染物を作製することができる。
処理液におけるシリコーンオイルの含有率は、処理液の質量に対する、シリコーンオイルの質量の百分率を意味する。乳化粒子が2種以上のシリコーンオイル(例えば、イオン性基含有シリコーンオイルおよびその他のシリコーンオイル)を含有する場合には、シリコーンオイルの含有率は、処理液の質量に対する、2種以上のシリコーンオイルの合計質量の百分率を意味する。
シリコーンオイルの粘度は、500mm/s(すなわち、mm/秒)以上であることが好ましい。シリコーンオイルの粘度が500mm/s以上であると、摩擦により捺染物からシリコーンオイルが脱離し難くなり、乾燥摩擦堅ろう度および湿潤摩擦堅ろう度により優れた捺染物を作製できる。また、既に述べたように、第1実施形態に係る処理液は、インクジェット捺染装置の処理ヘッドからの吐出性に優れる。処理ヘッドから処理液が吐出される場合は、処理液に捺染物を浸漬させる場合と比較して、処理液の使用量が低減される。このため、500mm/s以上の高い粘度のシリコーンオイルを処理液に使用した場合であっても、捺染対象にごわつきが引き起こされ難く、捺染物の触感の低下がより抑制される。
シリコーンオイルの粘度の上限は、特に限定されない。シリコーンオイルの粘度は、例えば、100000mm/s以下であることが好ましく、6000mm/s以下であることが好ましい。シリコーンオイルの粘度は、例えば、500mm/s、700mm/s、900mm/s、1000mm/s、1100mm/s、1200mm/s、1500mm/s、1700mm/s、1800mm/s、2000mm/s、3000mm/s、5700mm/s、および6000mm/sからなる群から選択される2つの値の範囲内であってもよい。
シリコーンオイルの粘度は、25℃における動粘度を意味する。乳化粒子が2種以上のシリコーンオイル(例えば、イオン性基含有シリコーンオイルおよびその他のシリコーンオイル)を含有する場合には、シリコーンオイルの粘度は、2種以上のシリコーンオイルの混合物の粘度を意味する。
シリコーンオイルの粘度は、JIS(日本産業規格) Z8803:2011(液体の粘度測定方法)に記載の方法に準拠して測定される。なお、例えば、トルエンにて処理液からシリコーンオイルを抽出し、洗浄し、乾燥させることにより、処理液からシリコーンオイルを分離して、シリコーンオイルの粘度を測定することができる。
乳化粒子の平均粒子径(水性媒体中での分散粒子径)は、100nm以上250nm以下である。乳化粒子の平均粒子径が100nm以上250nm以下であることによって、本第1実施形態に係るインクジェット用処理液は、捺染物の触感の低下を抑制し、摩擦堅ろう度に優れた捺染物を作製でき、かつ、インクジェット捺染装置の処理ヘッドからの吐出性に優れる。
具体的には、乳化粒子の平均粒子径が100nm未満であると、捺染物の摩擦堅ろう度、特に湿潤摩擦摩擦堅ろう度が顕著に低下する。これは、乳化粒子の粒子径が小さすぎると、処理液の比表面積が高くなり、それに伴い親水性が高くなり、耐水性が低くなるためと考えられる。一方、乳化粒子の平均粒子径が250nm超であると、処理ヘッドからの処理液の吐出性が顕著に悪化する。
また、乳化粒子の平均粒子径は、100nm以上160nm以下であることが好ましい。あるいは、乳化粒子の平均粒子径は、例えば、100nm、105nm、110nm、115nm、120nm、125nm、130nm、135nm、140nm、145nm、150nm、155nm、160nm、170nm、180nm、190nm、200nm、210nm、220nm、および250nmからなる群から選択される2つの値の範囲内であってもよい。
本明細書において、処理液中に平均粒子径が異なる2種以上の乳化粒子を含有する場合、基本的には、「乳化粒子の平均粒子径が特定の範囲内にある」とは、「2種以上の乳化粒子の平均粒子径(2種以上の乳化粒子を合わせた平均粒子径)が特定の範囲内にある」ことを意味する。ただし、このように処理液中に平均粒子径が異なる2種以上の乳化粒子を含有する場合、各々の乳化粒子の平均粒子径が100nm以上250nm以下であることが好ましい。また、各々の乳化粒子の平均粒子径の差がより小さい方がより好ましい。例えば、処理液中に平均粒子径が異なる2種の乳化粒子を含有する場合、両方の乳化粒子の平均粒子径がより近い値であるほど好ましい。例えば、異なる2種の乳化粒子の平均粒子径が、いずれも100nm以上160nm以下の範囲内であることが好ましい。
より具体的には、処理液中に第1乳化粒子と、第1乳化粒子とは平均粒子径が異なる第2乳化粒子を含有する場合、第1乳化粒子の平粒子径が100nm以上250nm以下であり、第2乳化粒子の平均粒子径が100nm以上250nm以下であることが好ましい。また、第1乳化粒子の平均粒子径が100nm以上160nm以下であり、第2乳化粒子の平均粒子径が100nm以上160nm以下であることがより好ましい。また、第1乳化粒子の平均粒子径と、第2乳化粒子の平均粒子径との差が0nm以上30nm以下であることがさらに好ましい。
乳化粒子の平均粒子径は、キュムラント法に基づき算出された散乱光強度基準による調和平均粒子径(キュムラント平均粒子径とも呼ばれる)を意味する。乳化粒子の平均粒子径は、ISO 13321:1996(Particle size analysis-Photon correlation spectroscopy)に記載の方法に準拠して測定される。
なお、乳化粒子は、シリコーンオイル以外の成分をさらに含有してもよい。但し、乳化粒子がシリコーンオイルのみを含有すると、摩擦堅ろう度に優れた捺染物をより確実に作製し、かつ、捺染物の触感の低下をより確実に抑制することができる。
既に述べたように、乳化粒子に含有されるシリコーンオイルは、イオン性基含有シリコーンオイルおよびその他のシリコーンオイルのいずれか1つのシリコーンオイルであってもよい。または、シリコーンオイルは、イオン性基含有シリコーンオイルおよびその他のシリコーンオイルの両方を含有してもよい。この場合、1つの乳化粒子にイオン性基含有シリコーンオイルおよびその他のシリコーンオイルの両方が含有されていてもよい。あるいは、第1乳化粒子にイオン性基含有シリコーンオイルが含有されており、第2乳化粒子にその他のシリコーンオイルが含有されていてもよい。以下、イオン性基含有シリコーンオイル、およびその他のシリコーンオイルについて説明する。
(イオン性基含有シリコーンオイル)
イオン性基含有シリコーンオイルは、変性シリコーンオイルであり、より具体的には、イオン性基変性シリコーンオイルである。イオン性基変性シリコーンオイルとしては、例えば、側鎖にイオン性基が導入された変性シリコーンオイル、および末端基にイオン性基が導入された変性シリコーンオイルが挙げられる。
側鎖にイオン性基が導入された変性シリコーンオイルは、下記の式(1a)で表される第1末端基と、下記の式(1b)で表される繰り返し単位と、下記の式(1c)で表される繰り返し単位と、下記の式(1d)で表される第2末端基とを有する。
Figure 0007342306000001
式(1a)中の*は、式(1b)または(1c)で表される繰り返し単位中のケイ素原子に結合する結合手を示す。式(1d)中の*は、式(1b)または(1c)で表される繰り返し単位中の酸素原子に結合する結合手を示す。式(1c)中のRは、イオン性基を含む基を表す。イオン性基を含む基のイオン性基としては、アミノ基、カルボキシ基、フェノール性ヒドロキシ基、またはシラノール基が好ましい。
末端基にイオン性基が導入された変性シリコーンオイルは、下記の式(2a)で表される第1末端基と、下記の式(2b)で表される繰り返し単位と、下記の式(2c)で表される第2末端基とを有する。
Figure 0007342306000002
式(2a)中の*は、式(2b)で表される繰り返し単位中のケイ素原子に結合する結合手を示す。式(2c)中の*は、式(2b)で表される繰り返し単位中の酸素原子に結合する結合手を示す。式(2a)中のR、および式(2c)中のRは、各々独立に、イオン性基を含む基を表す。イオン性基を含む基のイオン性基としては、アミノ基、カルボキシ基、フェノール性ヒドロキシ基、またはシラノール基が好ましい。
イオン性基含有シリコーンオイルは、アミノ変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、およびシラノール変性シリコーンオイルからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。さらに、イオン性基含有シリコーンオイルは、これらからなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。また、イオン性基含有シリコーンオイルは、これらのうちの1種であることがより好ましい。アミノ変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、およびシラノール変性シリコーンオイルは、各々、イオン性基として、アミノ基、カルボキシ基、フェノール性ヒドロキシ基、およびシラノール基を有する。これらのうち、イオン性基含有シリコーンオイルは、カルボキシ変性シリコーンオイルであることがより好ましい。
シリコーンオイルとしてイオン性基含有シリコーンオイルを少なくとも含む場合、水性媒体中で乳化粒子をより好適に分散させるために、イオン性基含有シリコーンオイルの官能基当量は、1000g/mоl以上5500g/mоl以下であることが好ましい。官能基当量は、1mоlの官能基(イオン性基)あたりの分子量である。イオン性基含有シリコーンオイルの官能基当量は、例えば、1000g/mоl、1200g/mоl、1474g/mol、1490g/mоl、1500g/mol、2000g/mоl、3800g/mol、3900g/mоl、4000g/mol、5000g/mоl、5200g/mol、および5500g/mоlからなる群から選択される2つの値の範囲内であってもよい。
シリコーンオイルとしてイオン性基含有シリコーンオイルを少なくとも含む場合、乳化粒子に含有されるシリコーンオイルの総質量に対する、イオン性基含有シリコーンオイルの含有率は、30質量%以上100質量%以下であることが好ましく、40質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
(その他のシリコーンオイル)
処理液に含まれるシリコーンオイルは、その他のシリコーンオイルのみであってもよい。あるいは、イオン性基含有シリコーンオイルに加えてその他のシリコーンオイルをさらに含有することで、シリコーンオイルの粘度を調整できる。その他のシリコーンオイルとしては、例えば、非変性シリコーンオイルが挙げられる。より具体的には、ジメチルポリシロキサンが挙げられる。
その他のシリコーンオイルが含有される場合、乳化粒子に含有されるシリコーンオイルの総質量に対する、その他のシリコーンオイルの含有率は、50質量%以上100質量%以下であることが好ましく、50質量%以上70質量%以下であることがより好ましく、50質量%以上60質量%以下であることがさらに好ましい。
処理液に含まれるシリコーンオイルに、イオン性基含有シリコーンオイルとその他のシリコーンオイルの両方が含有される場合、シリコーンオイルは、カルボキシ変性シリコーンオイルとジメチルポリシロキサンとの組み合わせであることが好ましい。この場合、1つの乳化粒子にカルボキシ変性シリコーンオイルおよびジメチルポリシロキサンの両方が含有されていてもよい。あるいは、第1乳化粒子にカルボキシ変性シリコーンオイルが含有されており、別の乳化粒子である第2乳化粒子にジメチルポリシロキサンが含有されていてもよい。
処理液に含まれるシリコーンオイルに、イオン性基含有シリコーンオイルとその他のシリコーンオイルの両方が含有される場合、その他のシリコーンオイルの質量に対する、イオン性基含有シリコーンオイルの質量の比率は、0.5以上1.0未満であることが好ましく、0.6以上0.7以下であることがより好ましい。
<水性媒体>
処理液に含有される水性媒体は、水を主成分とする媒体である。水性媒体は、溶媒として機能してもよく、分散媒として機能してもよい。水性媒体の具体例としては、水、または水と極性溶媒との混合液が挙げられる。水性媒体に含有される極性溶媒の例としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、およびメチルエチルケトンが挙げられる。水性媒体における水の含有率は、90質量%以上であることが好ましく、100質量%であることが特に好ましい。水性媒体の含有率は、処理液の質量に対して、50質量%以上90質量%以下であることが好ましく、55質量%以上70質量%以下であることがより好ましい。
<その他の成分>
処理液は、必要に応じて、乳化粒子および水性媒体以外の成分(以下、その他の成分と記載することがある)を含有してもよい。その他の成分としては、酸、塩基、ポリオール、および分散剤が挙げられる。
(酸)
シリコーンオイルとしてイオン性基含有シリコーンオイルが少なくとも含まれ、当該イオン性基含有シリコーンオイルが、アニオン性基を有する場合には、処理液は、酸を含有することが好ましい。酸によってアニオン性基の電離が促され、水性媒体中で、イオン性基含有シリコーンオイルを含有する乳化粒子が好適に分散する。酸としては、例えば、強酸、および弱酸が挙げられる。強酸としては、例えば、塩酸、パラトルエンスルホン酸、および硫酸が挙げられる。弱酸としては、例えば、安息香酸、および酢酸が挙げられる。シリコーンオイルが有するアニオン性基の電離を促すために、酸としては、強酸が好ましい。具体的には、塩酸、パラトルエンスルホン酸、または硫酸がより好ましい。処理液が酸を含有する場合、濃度1mol/Lの酸の量に換算した酸の含有率は、処理液の質量に対して、1質量%以上5質量%以下であることが好ましい。
(塩基)
シリコーンオイルとしてイオン性基含有シリコーンオイルが少なくとも含まれ、当該イオン性基含有シリコーンオイルが、カチオン性基を有する場合には、処理液は、塩基を含有することが好ましい。塩基によってカチオン性基の電離が促され、水性媒体中で、イオン性基含有シリコーンオイルを含有する乳化粒子が好適に分散する。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウムが挙げられる。処理液が塩基を含有する場合、濃度1mol/Lの塩基の量に換算した塩基の含有率は、処理液の質量に対して、1質量%以上5質量%以下であることが好ましい。
(ポリオール)
処理液がポリオールを含有することで、処理液の粘度が好適に調整される。ポリオールとしては、ジオールまたはトリオールが好ましい。ジオールとしては、例えば、グリコール化合物が挙げられる。より具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ-ル、およびテトラエチレングリコールが挙げられる。トリオールとしては、例えば、グリセリンが挙げられる。処理液がポリオールを含有する場合、ポリオールの含有率は、処理液の質量に対して、10質量%以上40質量%以下であることが好ましく、15質量%以上35質量%以下であることがより好ましい。
(分散剤)
分散剤としては、例えば、界面活性剤、樹脂分散剤、および多糖類が挙げられる。但し、処理液が分散剤を含有することなく、処理液中で乳化粒子が分散していることが好ましい。既に述べたように、シリコーンオイル、特にイオン性基含有シリコーンオイルを含有する乳化粒子は、水性媒体中でより好適に分散する。このため、分散剤が含有されない場合であっても、乳化粒子の分散状態を好適に維持できる。分散剤は、親水性基を有することが多い。親水性基を有する分散剤が処理液に含有されないことで、処理液により処理された捺染物の湿潤摩擦堅ろう度がより向上する。
<処理液の製造方法>
処理液の製造方法の一例を説明する。ホモジナイザーを用いて、シリコーンオイルと、水性媒体と、必要に応じて添加される成分(例えば、酸または塩基、およびポリオール)とを混合して乳化させる。このようにして、水性媒体中に、シリコーンオイルを含有する乳化粒子を分散させて、処理液を得る。
乳化を好適に進行させるために、予め、乳化粒子を含有する原料エマルションを製造し、原料エマルションと水性媒体と必要に応じてポリオールとを混合して、処理液を得てもよい。原料エマルションは、例えば、シリコーンオイルと、水性媒体の一部と、必要に応じて酸または塩基とを含有する。原料エマルションの製造において、乳化時間は、例えば、5分以上1時間以下である。乳化温度は、例えば、5℃以上40℃以下である。原料エマルションの含有率は、処理液の質量に対して、例えば、15質量%以上50質量%以下である。
なお、2種以上のシリコーンオイル、例えばイオン性基含有シリコーンオイルと非変性シリコーンオイルの両方のシリコーンオイルを原料として用いる場合、両方のシリコーンオイルを混合して乳化させ、イオン性基含有シリコーンオイルおよび非変性シリコーンオイルの両方を含む乳化粒子を作製して、処理液を得てもよい。あるいは、イオン性基含有シリコーンオイルの原料エマルションと非変性シリコーンオイルの原料エマルションとを混合することによって、イオン性基含有シリコーンオイルを含む第1乳化粒子と非変性シリコーンオイルを含む別の第2乳化粒子とが混在する処理液を得てもよい。
処理液中に含有される乳化粒子の平均粒子径を100nm以上250nm以下の範囲内に調整する方法は、特に限定されないが、例えば、処理液または原料エマルションの作製の際に適切に調整した量の界面活性剤を添加して混合すればよい。具体的には、界面活性剤の添加量を増加することによって、乳化粒子の平均粒子径をより小さくすることができる。界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等を挙げることができる。
[第2実施形態:インクジェット捺染装置]
次に、図1を参照しながら、本開示の第2実施形態に係るインクジェット捺染装置10を説明する。なお、理解しやすくするために、図1は、それぞれの構成要素を主体に模式的に示している。図示された各構成要素の大きさ、個数等は、適宜変更されてもよい。図1は、第2実施形態に係るインクジェット捺染装置の一例であるインクジェット捺染装置10の要部を示す側面図である。図1に示すインクジェット捺染装置10は、フラットベッド式のインクジェット捺染装置である。
第2実施形態に係るインクジェット捺染装置10は、第1実施形態に係る処理液を用いて、捺染対象Pを処理する。第1実施形態に係る処理液が用いられるため、第1実施形態で述べた理由と同じ理由により、インクジェット捺染装置10によれば、摩擦堅ろう度に優れた捺染物を作製でき、捺染物の触感の低下を抑制できる。さらに、第1実施形態に係る処理液は、処理ヘッドからの吐出性に優れているため、本第2実施形態に係るインクジェット捺染装置によれば、これらの効果を確実に発揮させることができる。
図1に示すインクジェット捺染装置10は、記録ヘッド1と、処理ヘッド2と、載置台3とを備える。記録ヘッド1は、第1記録ヘッド1a、第2記録ヘッド1b、第3記録ヘッド1c、および第4記録ヘッド1dを有する。
記録ヘッド1は、捺染対象Pの画像形成領域に、インクを吐出する。記録ヘッド1が有する、第1記録ヘッド1a、第2記録ヘッド1b、第3記録ヘッド1c、および第4記録ヘッド1dは、それぞれ、異なる色のインク(例えば、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、およびブラックインク)を吐出する。記録ヘッド1としては、特に限定されないが、例えば、ピエゾ方式ヘッドおよびサーマルインクジェット方式ヘッドが挙げられる。
処理ヘッド2は、捺染対象Pの少なくとも画像形成領域に、処理液を吐出する。処理液は、第1実施形態に係る処理液である。処理ヘッド2としては、特に限定されないが、例えば、ピエゾ方式ヘッドおよびサーマルインクジェット方式ヘッドが挙げられる。
載置台3には、捺染対象Pが載置される。捺染対象Pにインクおよび処理液が吐出可能なように、載置台3の上方に、記録ヘッド1および処理ヘッド2が配設されている。モーター(不図示)の駆動により、載置台3は、記録ヘッド1から処理ヘッド2に向かう方向(例えば、図1の左方向)に、水平に移動する。載置台3が水平に移動することにより、載置台3上の捺染対象Pが搬送される。
捺染対象Pは、織物であってもよいし、編み物であってもよい。捺染対象Pとしては、例えば、綿生地、絹生地、麻生地、アセテート生地、レーヨン生地、ナイロン生地、ポリウレタン生地、およびポリエステル生地が挙げられる。
捺染物の作製において、まず、捺染対象Pを載置した載置台3が水平に移動して、記録ヘッド1と対向する位置に、捺染対象Pが搬送される。記録ヘッド1から、捺染対象Pの画像形成領域に、インクが吐出される。このようにして、捺染対象Pの画像形成領域に、インクによって画像が形成される。インクが吐出された後、捺染対象Pを載置した載置台3がさらに水平に移動して、処理ヘッド2と対向する位置に、捺染対象Pが搬送される。処理ヘッド2から、捺染対象Pの少なくとも画像形成領域に、処理液が吐出される。このようにして、捺染対象Pの画像形成領域に形成された画像上に、処理液によって処理膜が形成される。
処理ヘッド2は、捺染対象Pの画像形成領域のみに処理液を吐出してもよい。あるいは、処理ヘッド2は、捺染対象Pの画像形成領域よりも広い領域に処理液を吐出してもよく、または捺染対象Pの全面に処理液を吐出してもよい。処理液の使用量を低減させて捺染物の触感の低下を抑制するために、処理ヘッド2は、捺染対象Pの画像形成領域のみに処理液を吐出することが好ましい。さらに、同じ理由により、処理ヘッド2は、画像形成領域の中でも記録ヘッド1によってインクが吐出された領域のみに処理液を吐出することがより好ましい。処理ヘッド2は処理液を吐出する位置を正確にコントロールできるため、インクが吐出された領域のみに処理液を吐出することが可能となる。処理液を吐出する位置を正確にコントロールするために、処理ヘッド2と、捺染対象Pとの間の距離は、1mm以上5mm以下であることが好ましい。また、効率的に処理液による後処理を進めるために、処理ヘッド2からは、処理液のみが吐出されることが好ましい。
処理ヘッド2から捺染対象Pに処理液が吐出された後、捺染対象Pを載置した載置台3がさらに水平に移動して、加熱部(不図示)と対向する位置に、捺染対象Pが搬送される。加熱部が捺染対象Pを加熱することにより、インクおよび処理液が乾燥する。加熱温度は、例えば、120℃以上180℃以下である。加熱時間は、例えば、1分以上10分以下である。加熱により、インクおよび処理液に含まれる揮発成分が蒸発し、捺染対象Pへのインクおよび処理液の固定が促進される。その結果、インクにより画像が形成されかつ処理液により処理された捺染対象Pである、捺染物が作製される。
以上、第2実施形態に係るインクジェット捺染装置10について説明した。但し、本開示のインクジェット捺染装置は、上記インクジェット捺染装置10に限定されず、例えば、以下の変形例で示すように変更可能である。
第1の変形例に関し、インクジェット捺染装置10は、処理液を吐出する処理ヘッド2の代わりに、処理液を散布するスプレーを備えていてもよい。
第2の変形例に関し、処理液による処理は、処理液が貯留されている槽に捺染対象Pを浸漬することにより実施されてもよい。浸漬させる場合、第3実施形態で後述する処理液の吐出量は、処理液の塗布量に相当する。
第3の変形例に関し、前述の形態では、載置台3が水平に移動したが、載置台3が固定された状態で、記録ヘッド1および処理ヘッド2が水平に移動してもよい。
第4の変形例に関し、捺染対象Pの搬送方向に、載置台3が水平に移動、または記録ヘッド1および処理ヘッド2が水平に移動すると共に、記録ヘッド1および処理ヘッド2が、捺染対象Pの搬送方向と直行する方向に水平に移動してもよい。
第5の変形例に関し、記録ヘッド1の個数が1~3個または5個以上であってもよい。
第6の変形例に関し、フラットベッド式ではないインクジェット捺染装置であってもよい。記録ヘッド1および処理ヘッド2を備えている限り、インクジェット捺染装置の様式に関わらず、第1実施形態に係る処理液を用いることによる効果を得ることができる。
[第3実施形態:インクジェット捺染方法]
次に、引き続き図1を参照しながら、本開示の第3実施形態に係るインクジェット捺染方法を説明する。第3実施形態に係るインクジェット捺染方法は、第1実施形態に係る処理液を用いて、捺染対象Pの画像形成領域に、画像を形成する。また、第3実施形態に係るインクジェット捺染方法は、第2実施形態に係るインクジェット捺染装置10を用いて、捺染対象Pの画像形成領域に、画像を形成する。第3実施形態に係るインクジェット捺染方法は、第1実施形態に係る処理液を用いるため、第1実施形態で述べた理由と同じ理由により、摩擦堅ろう度に優れた捺染物を作製でき、捺染物の触感の低下を抑制できる。さらに、第1実施形態に係る処理液は、処理ヘッドからの吐出性に優れているため、本第3実施形態に係るインクジェット捺染方法によれば、これらの効果を確実に発揮させることができる。
第3実施形態に係るインクジェット捺染方法は、インク吐出工程と、処理工程とを含む。インク吐出工程において、捺染対象Pの画像形成領域に、記録ヘッド1からインクを吐出する。処理工程において、捺染対象Pの少なくとも画像形成領域に、処理ヘッド2から処理液を吐出する。処理液は、第1実施形態に係る処理液である。処理工程は、例えば、インク吐出工程の後に行われる。インクジェット捺染方法は、必要に応じて、加熱工程をさらに含んでいてもよい。
インク吐出工程において、捺染対象Pに対するインクの吐出量は、例えば、5g/m以上40g/m以下である。
処理工程において、捺染対象Pに対する処理液の吐出量は、例えば、10g/m以上120g/m以下である(塗布する場合も含む)。乾燥摩擦堅ろう度を特に向上させるために、処理液の吐出量は、15g/m以上30g/m以下であることが好ましい。乾燥摩擦堅ろう度に加えて、湿潤摩擦堅ろう度を特に向上させるために、処理液の吐出量は、17g/m以上25g/m以下であることがより好ましい。以上、図1を参照して、第3実施形態に係るインクジェット捺染方法を説明した。
[第2実施形態および第3実施形態で用いられるインク]
次に、上記第2実施形態および上記第3実施形態において使用されるインクについて説明する。インクは、例えば、顔料と、水性媒体とを含有する。インクは、必要に応じて、界面活性剤、ポリオール、およびバインダー樹脂粒子からなる群から選択される少なくとも1種をさらに含有してもよい。
(顔料)
顔料は、例えば、水性媒体に分散して存在する。画像濃度、色相、および色の安定性に優れたインクを得る観点から、顔料のD50は、30nm以上250nm以下であることが好ましく、70nm以上160nm以下であることがより好ましい。
顔料としては、例えば、黄色顔料、橙色顔料、赤色顔料、青色顔料、紫色顔料、および黒色顔料が挙げられる。黄色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(74、93、95、109、110、120、128、138、139、151、154、155、173、180、185、および193)が挙げられる。橙色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ(34、36、43、61、63、および71)が挙げられる。赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(122および202)が挙げられる。青色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(15、より具体的には15:3)が挙げられる。紫色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントバイオレット(19、23、および33)が挙げられる。黒色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック(7)が挙げられる。
顔料の含有率は、インクの質量に対して、1質量%以上12質量%以下であることが好ましく、1質量%以上7質量%以下であることがより好ましい。顔料の含有率が1質量%以上であることで、作製される捺染物の画像濃度を向上できる。また、顔料の含有率が12質量%以下であることで、流動性の高いインクが得られる。
(水性媒体)
インクに含有される水性媒体は、第1実施形態で述べた処理液に含有される水性媒体と同義である。水性媒体の含有率は、インクの質量に対して、5質量%以上70質量%以下であることが好ましく、40質量%以上60質量%以下であることがより好ましい。
(界面活性剤)
インクが界面活性剤を含有することで、捺染対象に対するインクの濡れ性が向上する。界面活性剤としては、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、および両性界面活性剤が挙げられる。インクに含有される界面活性剤は、非イオン界面活性剤であることが好ましい。非イオン界面活性剤は、アセチレングリコール構造を有する界面活性剤であることが好ましく、アセチレンジオールエチレンオキサイド付加物であることがより好ましい。界面活性剤のHLB値は、3以上20以下であることが好ましく、6以上16以下であることがより好ましく、7以上10以下であることがさらに好ましい。界面活性剤のHLB値は、例えば、グリフィン法により式「HLB値=20×(親水部の式量の総和)/分子量」から算出される。画像のオフセットを抑制しつつ、画像濃度を向上させるために、界面活性剤の含有率は、インクの質量に対して、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上2.0質量%以下であることがより好ましい。
(ポリオール)
インクがポリオールを含有することで、インクの粘度が好適に調整される。インクに含有されるポリオールは、第1実施形態で述べた処理液に含有されるポリオールと同義である。インクがポリオールを含有する場合、インクの粘度を好適に調整するために、ポリオールの含有率は、インクの質量に対して、5質量%以上60質量%以下であることが好ましく、20質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。
(バインダー樹脂粒子)
バインダー樹脂粒子は、水性媒体中に分散した状態で存在する。バインダー樹脂粒子は、捺染対象と顔料とを結合させるバインダーとして機能する。このため、インクがバインダー樹脂粒子を含有することで、顔料の定着性に優れた捺染物を得ることができる。
バインダー樹脂粒子が含有する樹脂としては、ウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン-(メタ)アクリル樹脂、スチレン-マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン-(メタ)アクリル酸共重合体、およびビニルナフタレン-マレイン酸共重合体が挙げられる。バインダー樹脂粒子が含む樹脂としては、ウレタン樹脂が好ましい。バインダー樹脂粒子におけるウレタン樹脂の含有率は、80質量%以上であることが好ましく、100質量%であることがより好ましい。
バインダー樹脂の含有率は、インクの質量に対して、1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、2質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。バインダー樹脂粒子の含有率が1質量%以上であると、顔料の定着性に優れた捺染対象を得ることができる。一方、バインダー樹脂粒子の含有率が20質量%以下であると、捺染対象にインクを安定的に吐出できる。
(添加剤)
インクは、必要に応じて、公知の添加剤(より具体的には、溶解安定剤、乾燥防止剤、酸化防止剤、粘度調整剤、pH調整剤、および防カビ剤等)をさらに含有してもよい。
(インクの製造方法)
インクは、例えば、攪拌機を用いて、顔料と、水性媒体と、必要に応じて添加される成分(例えば、界面活性剤、ポリオール、およびバインダー樹脂粒子)とを混合することにより製造される。混合時間は、例えば、1分以上30分以下である。
[本開示のまとめ]
本開示の第一の局面に係るインクジェット用処理液は、シリコーンオイルを含有する乳化粒子と、水性媒体とを含有し、
前記乳化粒子の平均粒子径は100nm以上250nm以下である。
このインクジェット用処理液は、捺染物の触感の低下を抑制し、摩擦堅ろう度に優れた捺染物を作製でき、かつ、インクジェット捺染装置の処理ヘッドからの吐出性に優れる。
前述のインクジェット用処理液において、前記乳化粒子の平均粒子径は100nm以上160nm以下であってもよい。
このような構成を有することによって、当該インクジェット用処理液は、処理ヘッドからの吐出性により優れる。
前述のインクジェット用処理液において、前記乳化粒子が、第1乳化粒子と、前記第1乳化粒子とは平均粒子径が異なる第2乳化粒子と、を含み、
前記第1乳化粒子の平均粒子径は100nm以上250nm以下であり、
前記第2乳化粒子の平均粒子径は100nm以上250nm以下であってもよい。
このような構成を有することによって、平均粒子径が異なる2種以上の乳化粒子が含まれる場合であっても、前述した捺染物に対する触感の低下の抑制の効果、優れた摩擦堅ろう度の効果および吐出性の効果を確実に発揮させることができる。
上記インクジェット用処理液において、前記第1乳化粒子の平均粒子径は100nm以上160nm以下であり、
前記第2乳化粒子の平均粒子径は100nm以上160nm以下であってもよい。
このような構成を有することによって、平均粒子径が異なる2種以上の乳化粒子が含まれる場合であっても、前述した捺染物に対する触感の低下の抑制の効果、優れた摩擦堅ろう度の効果および吐出性の効果をより確実に発揮させることができる。
上記インクジェット用処理液において、前記第1乳化粒子の平均粒子径と前記第2乳化粒子の平均粒子径との差が0nm以上30nm以下であってもよい。
このような構成を有することによって、平均粒子径が異なる2種以上の乳化粒子が含まれる場合であっても、前述した捺染物に対する触感の低下の抑制の効果、優れた摩擦堅ろう度の効果および吐出性の効果をさらに確実に発揮させることができる。
前述のインクジェット用処理液において、前記シリコーンオイルは、イオン性基含有シリコーンオイルを少なくとも含んでもよい。
イオン性基含有シリコーンオイルを少なくとも含むことによって、湿潤摩擦堅ろう度により優れた捺染物を作製することができる。
前述のインクジェット用処理液において、捺染用であってもよい。
前述のインクジェット用処理液を捺染用として用いることによって、前述した捺染物に対する触感の低下の抑制の効果および優れた摩擦堅ろう度の効果をより効果的に発揮させることができる。
本開示の第二の局面に係るインクジェット捺染装置は、捺染対象の画像形成領域にインクを吐出する記録ヘッドと、前記捺染対象の少なくとも前記画像形成領域に処理液を吐出する処理ヘッドとを備え、
前記処理液は、本開示の第一の局面に係るインクジェット用処理液である。
このインクジェット捺染装置は、本開示の第一の局面に係るインクジェット用処理液が用いられるため、触感の低下が抑制された捺染物を作製することができ、かつ、摩擦堅ろう度に優れた捺染物を作製することができる。さらに、当該インクジェット用処理液は処理ヘッドからの吐出性に優れているため、本開示の第一の局面に係るインクジェット用処理液の捺染物に対する効果を確実に発揮させることができる。
本開示の第三の局面に係るインクジェット捺染方法は、捺染対象の画像形成領域に記録ヘッドからインクを吐出するインク吐出工程と、前記捺染対象の少なくとも前記画像形成領域に処理ヘッドから処理液を吐出する処理工程とを含み、
前記処理液は、本開示の第一の局面に係るインクジェット用処理液である。
このインクジェット捺染方法は、本開示の第一の局面に係るインクジェット用処理液が用いられるため、触感の低下が抑制された捺染物を作製することができ、かつ、摩擦堅ろう度に優れた捺染物を作製することができる。さらに、当該インクジェット用処理液は処理ヘッドからの吐出性に優れているため、本開示の第一の局面に係るインクジェット用処理液の捺染物に対する効果を確実に発揮させることができる。
以下に、実施例により本開示をさらに具体的に説明するが、本開示は実施例により何ら限定されるものではない。
本実施例では、インクジェット用処理液中のシリコーンオイルの種類とその含有率、乳化粒子の平均粒子径および当該処理液の吐出量を変えながら様々な捺染物を作製し、捺染物の摩擦堅ろう度および触感の低下の抑制を評価した。さらに、本実施例では、インクジェット用処理液のシリコーンオイルの乳化粒子の平均粒子径に応じた処理液のノズルからの吐出性も評価した。
1.処理液の種類(処理液中のシリコーンオイルの種類とその含有率および乳化粒子の平均粒子径)を変えた際の捺染物の摩擦堅ろう度および触感の低下の抑制の評価試験
本試験では、捺染物作製時の処理液の吐出量を20g/mに設定し、処理液中のシリコーンオイルの種類とその含有率および乳化粒子の平均粒子径を変えながら各種捺染物を作製した。その後、作製した各種捺染物の摩擦堅ろう度および触感の低下の抑制を評価した。
[処理液の作製方法]
本評価試験に用いた処理液(A-1)~処理液(A-7)および処理液(B-1)は、以下に記す方法で作製した。なお、シリコーンオイルの含有率は、小数第1位を四捨五入することにより、算出した。
<処理液(A-1)の作製>
まず、処理液(A-1)に含まれる原料エマルションAを作製した。具体的には、300gのアミノ変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製「KF-864」、粘度:1,700mm/s、比重:0.98、官能基当量:3,800g/mol)、600gのイオン交換水、および100gの塩酸(濃度:1mol/L)を、ビーカーに入れた。ホモジナイザー(IKA社製「ウルトラタラックスT25」)を用いて、回転速度10000rpmで15分間、ビーカーの内容物を攪拌し、30分間静置した。次いで、120メッシュのステンレスフィルターで、ビーカーの内容物をろ過し、原料エマルションAを得た。原料エマルションAには、アミノ変性シリコーンオイルの乳化粒子が分散していた。原料エマルションAに含有される乳化粒子の平均粒子径は、150nmであった。
次いで、上記のように作製した原料エマルションAを用いて処理液(A-1)を作製した。具体的には、33.30gの原料エマルションA(アミノ変性シリコーンオイルの含有率:30質量%、アミノ変性シリコーンオイルの含有量:9.99g)、33.35gのイオン交換水、および33.35gのプロピレングリコールを混合して、処理液(A-1)を得た。処理液(A-1)において、アミノ変性シリコーンオイルの含有率は、10質量%であった。
<処理液(A-2)の作製>
処理液(A-3)の作製では、上記のように作製した原料エマルションAを用いた。具体的には、15.00gの原料エマルションA(アミノ変性シリコーンオイルの含有率:30質量%、アミノ変性シリコーンオイルの含有量:4.50g)、50.00gのイオン交換水、および35.00gのプロピレングリコールを混合して、処理液(A-2)を得た。処理液(A-2)において、アミノ変性シリコーンオイルの含有率は、5質量%であった。
<処理液(A-3)の作製>
処理液(A-3)の作製では、上記のように作製した原料エマルションAを用いた。具体的には、50.00gの原料エマルションA(アミノ変性シリコーンオイルの含有率:30質量%、アミノ変性シリコーンオイルの含有量:15.00g)、35.00gのイオン交換水、および15.00gのプロピレングリコールを混合して、処理液(A-3)を得た。処理液(A-3)において、アミノ変性シリコーンオイルの含有率は、15質量%であった。
<処理液(A-4)の作製>
まず、処理液(A-4)に含まれる原料エマルションBを作製した。具体的には、300gのカルボキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製「X-22-3701E」、粘度:2,000mm/s、比重:0.98、官能基当量:4,000g/mol)、600gのイオン交換水、および100gの水酸化ナトリウム水溶液(濃度:1mol/L)をビーカーに入れた。ホモジナイザー(IKA社製「ウルトラタラックスT25」)を用いて、回転速度10000rpmで15分間、ビーカーの内容物を攪拌し、30分間静置した。次いで、120メッシュのステンレスフィルターで、ビーカーの内容物をろ過し、原料エマルションBを得た。原料エマルションBには、カルボキシ変性シリコーンオイルの乳化粒子が分散していた。原料エマルションBに含有される乳化粒子の平均粒子径は、120nmであった。
次いで、上記のように作製した原料エマルションBを用いて処理液(A-4)を作製した。具体的には、原料エマルションA(アミノ変性シリコーンオイルの含有率:30質量%)を、原料エマルションB(カルボキシ変性シリコーンオイルの含有率:30質量%)に変更したこと以外は、処理液(A-1)と同じ方法により、処理液(A-4)を得た。処理液(A-4)において、カルボキシ変性シリコーンオイルの含有率は、10質量%であった。
<処理液(A-5)の作製>
まず、処理液(A-5)に含まれる原料エマルションCを作製した。具体的には、300gのアミノ変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製「KF-877」、粘度:5,700mm/s、比重:0.98、官能基当量:5,200g/mol)、600gのイオン交換水、および100gの塩酸(濃度:1mol/L)をビーカーに入れた。ホモジナイザー(IKA社製「ウルトラタラックスT25」)を用いて、回転速度10000rpmで15分間、ビーカーの内容物を攪拌し、30分間静置した。次いで、120メッシュのステンレスフィルターで、ビーカーの内容物をろ過し、原料エマルションCを得た。原料エマルションCには、アミノ変性シリコーンオイルの乳化粒子が分散していた。原料エマルションCに含有される乳化粒子の平均粒子径は、200nmであった。
次いで、上記のように作製した原料エマルションCを用いて処理液(A-5)を作製した。具体的には、原料エマルションA(アミノ変性シリコーンオイルの含有率:30質量%)を、原料エマルションC(アミノ変性シリコーンオイルの含有率:30質量%)に変更したこと以外は、処理液(A-1)と同じ方法により、処理液(A-5)を得た。処理液(A-5)において、アミノ変性シリコーンオイルの含有率は、10質量%であった。
<処理液(A-6)の作製>
まず、処理液(A-6)に含まれる原料エマルションDを作製した。具体的には、180gの非変性シリコーンオイル(具体的には、ジメチルポリシロキサン)(信越化学工業株式会社製「KF96-3000cs」、粘度:3,000mm/s、比重:0.97)、および120gのフェノール変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製「KF2201」、粘度:97m/s、比重:0.99、官能基当量:1,474g/mol)を混合し、粘度1,000mm/sの混合物MDを得た。300gの混合物MD、600gのイオン交換水、および100gの水酸化ナトリウム水溶液(濃度1mol/L)をビーカーに入れた。ホモジナイザー(IKA社製「ウルトラタラックスT25」)を用いて、回転速度10000rpmで15分間、ビーカーの内容物を攪拌し、30分間静置した。次いで、120メッシュのステンレスフィルターで、ビーカーの内容物をろ過し、原料エマルションDを得た。原料エマルションDには、非変性シリコーンオイルとフェノール変性シリコーンオイルとを含有する乳化粒子が分散していた。原料エマルションDに含有される乳化粒子の平均粒子径は、160nmであった。
次いで、上記のように作製した原料エマルションDを用いて処理液(A-6)を作製した。具体的には、原料エマルションA(アミノ変性シリコーンオイルの含有率:30質量%)を、原料エマルションD(フェノール変性シリコーンオイルと非変性シリコーンオイルとの混合物の含有率:30質量%)に変更したこと以外は、処理液(A-1)と同じ方法により、処理液(A-6)を得た。処理液(A-6)において、フェノール変性シリコーンオイルと非変性シリコーンオイルとの混合物の含有率は、10質量%であった。
<処理液(A-7)の作製>
まず、処理液(A-7)に含まれる原料エマルションEを作製した。具体的には、180gの非変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製「KF96-3000cs」、粘度:3,000mm/s、比重:0.97)、および120gのシラノール変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製「KF9701」、粘度:60mm/s、比重:0.977、官能基当量:1,500g/mol)を混合し、粘度1,200mm/sの混合物MEを得た。300gの混合物ME、600gのイオン交換水、および100gの水酸化ナトリウム水溶液(濃度1mol/L)をビーカーに入れた。ホモジナイザー(IKA社製「ウルトラタラックスT25」)を用いて、回転速度10000rpmで15分間、ビーカーの内容物を攪拌し、30分間静置した。次いで、120メッシュのステンレスフィルターで、ビーカーの内容物をろ過し、原料エマルションEを得た。原料エマルションEには、非変性シリコーンオイルとシラノール変性シリコーンオイルとを含有する乳化粒子が分散していた。原料エマルションEに含有される乳化粒子の平均粒子径は、220nmであった。
<処理液(B-1)の作製>
まず、処理液(B-1)に含まれる原料エマルションFを作製した。具体的には、300gの非変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製「KF-96-3000cs」、粘度:3,000mm/s、比重:0.97)、600gのイオン交換水、および100gの塩酸(濃度1mol/L)をビーカーに入れた。ホモジナイザー(IKA社製「ウルトラタラックスT25」)を用いて、回転速度10000rpmで15分間、ビーカーの内容物を攪拌したところ、平均粒子径が1μm以上である乳化粒子しか作製できなかった。また、攪拌後に、ビーカーの内容物を30分間静置したところ、水相と油相とが分離してしまい、原料エマルションFを作製することができなかった。このように、原料エマルションFを作製できなかったことから、処理液(B-1)の作製は行わなかった。また、処理液(B-1)の作製を行っていないことから、処理液(B-1)に対する評価も行わなかった。
処理液(A-1)~処理液(A-7)および処理液(B-1)における、原料エマルションの種類、乳化粒子の平均粒子径、シリコーンオイルの種類とその含有率、および、シリコーンオイルの粘度を以下の表1にまとめて示す。
Figure 0007342306000003
表1および後に示す表4中、各用語の意味は、次のとおりである。「量」は、処理液におけるシリコーンオイルの含有率を示す。「wt%」は、質量%を示す。「粘度」は、シリコーンオイルの粘度を示す。乳化粒子が2種以上のシリコーンオイルを含有している場合、「粘度」は2種以上のシリコーンオイルの混合物の粘度を示す。「‐」は、原料エマルションFを作製できず、処理液(B-1)の作製が実施できなかったことを示す。
上記表1に示すように、処理液(A-1)~処理液(A-7)は、いずれも、シリコーンオイルを含有する乳化粒子と、水性媒体とを含有している。さらに、処理液(A-1)~処理液(A-7)は、いずれも、乳化粒子の平均粒子径が100nm以上250nm以下の範囲内である。一方、処理液(B-1)は、原料エマルションFを作製できなかった。
[各物性の測定方法]
原料エマルション中の乳化粒子の平均粒子径およびシリコーンオイルの粘度は、以下に述べる方法によって測定した。
<乳化粒子の平均粒子径の測定>
乳化粒子の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(マルバーン社製「ゼータサイザーナノZS」)を用いて、ISO 13321:1996(Particle size analysis-Photon correlation spectroscopy)に記載の方法に準拠して測定した。乳化粒子の平均粒子径の測定には、処理液または原料エマルション(異なる2種の原料エマルションを混合する場合)を水で1000倍に希釈した測定試料を用いた。なお、原料エマルションに含有される乳化粒子の平均粒子径と、処理液に含有される乳化粒子の平均粒子径とは、互いにほぼ同一となる。
<シリコーンオイルの粘度の測定>
シリコーンオイルの粘度は、温度25℃の環境下で、JIS Z8803:2011(液体の粘度測定方法)に記載の方法に準拠して測定した。シリコーンオイルの粘度の測定には、JIS Z8803:2011の「6.2.3 ウベローデ粘度計」に記載のウベローデ粘度計を用いた。
[評価方法]
作製した各処理液を用いて、各種捺染物の摩擦堅ろう度および触感の低下の抑制を評価した。具体的には、評価用インクおよび当該評価用インクと各処理液とを用いて評価用捺染物を作製し、その摩擦堅ろう度および触感の低下の抑制を評価した。以下、評価用インクの作製方法、評価用捺染物の作製方法および各種評価方法の詳細を述べる。
<評価用インクの作製方法>
処理液の評価に使用するためのインクaおよびbを、以下に示す方法により作製した。
(インクaの作製方法)
攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコに、125gのイオン交換水、および2gのノニオン界面活性剤(日信化学工業株式会社製「サーフィノール(登録商標)440」、内容:アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物)を入れた。フラスコの内容物を攪拌しながら、165gのプロピレングリコール、100gの黒色顔料分散液(山陽色素株式会社製「AE2078F」、内容:C.I.Pigment Black 7、固形分濃度:20質量%)、および108gのバインダー樹脂粒子分散液(第一工業製薬株式会社「スーパーフレックス470」、内容:ポリウレタン分散液、固形分濃度:38質量%)を、フラスコ内に順に添加した。フラスコの内容物を10分間攪拌して、インクaを得た。
(インクbの作製方法)
攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコに、140gのイオン交換水、および2gのノニオン界面活性剤(日信化学工業株式会社製「サーフィノール(登録商標)440」、内容:アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物)を入れた。フラスコの内容物を攪拌しながら、225gのプロピレングリコール、83gの黒色顔料分散液(大日精化工業株式会社製「ACAK1」、内容:C.I.Pigment Black 7、固形分濃度:15質量%、)、および50gのバインダー樹脂粒子分散液(宇部興産株式会社製「Eternacoll(登録商標)UW-1527F」、内容:ポリウレタン分散液、固形分濃度:40質量%)を、フラスコ内に順に添加した。フラスコの内容物を10分間攪拌して、インクbを得た。
<評価用捺染物の作製方法>
後の表2に示すインクおよび処理液を用いて、評価用捺染物を作製した。例えば、表2の実施例1-1の評価には、処理液(A-1)およびインクaを使用した。
捺染対象として、綿ブロード生地(株式会社色染社製、サイズ:A4サイズ、経糸および緯糸の綿番手:40/1、経糸の密度:130本/インチ、緯糸の密度:75本/インチ、目付:122g/m)を使用した。評価用捺染物の作製には、インクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製「Colorio(登録商標)PX-045A」)を使用した。第1カートリッジの第1インク室に、インクを充填した。第2カートリッジの第2インク室に、処理液を充填した。第1カートリッジおよび第2カートリッジを、インクジェットプリンターに装着した。なお、第1インク室に充填されたインクは、インクジェットプリンターの記録ヘッドから吐出される。第2インク室に充填された処理液は、インクジェットプリンターの処理ヘッドから吐出される。
インクジェットプリンターを用いて、インクの吐出量が20g/mになるように、記録ヘッドから捺染対象にインクを吐出して、インクのソリッド画像を形成した。次いで、インクジェットプリンターを用いて、処理液の吐出量が前述した通り20g/mになるように、処理ヘッドから捺染対象に処理液を吐出した。このようにして、インクのソリッド画像上に、処理液によってソリッド画像と同じサイズの処理膜を形成した。次いで、捺染対象を160℃で3分間加熱して、インクおよび処理液を乾燥させて、評価用捺染物を得た。
<摩擦堅ろう度の評価>
JIS L-0849:2013(摩擦に対する染色堅ろう度試験方法)に記載の摩擦試験機II形(学振形)法の乾燥試験および湿潤試験に従って、評価用捺染物に形成されたソリッド画像を、摩擦用白綿布を用いて摩擦した。JIS L-0801:2011(染色堅ろう度試験方法通則)の箇条10(染色堅ろう度の判定)に記載の「変退色の判定基準」に準拠し、摩擦後の摩擦用白綿布の着色の程度を評価した。摩擦用白綿布の着色の程度は、9段階(汚染の程度が大きい順番に、1級、1~2級、2級、2~3級、3級、3~4級、4級、4~5級、および5級)で判定した。摩擦堅ろう度は、摩擦用白綿布の着色の程度が小さい(5級に近い)ほど良好である。摩擦試験後の摩擦用白綿布の着色の程度から、下記基準に従って、乾燥摩擦堅ろう度、および湿潤摩擦堅ろう度を評価した。なお、上記乾燥試験の判定結果を、乾燥摩擦堅ろう度とし、上記湿潤試験の判定結果を、湿潤摩擦堅ろう度とした。評価がAおよびBである場合を合格とし、評価がCである場合を不合格とした。判定された摩擦堅ろう度、およびその評価結果を、後の表2にまとめて示す。
(乾燥摩擦堅ろう度の評価基準)
評価A:乾燥摩擦堅ろう度が、4級以上である。
評価B:乾燥摩擦堅ろう度が、3~4級である。
評価C:乾燥摩擦堅ろう度が、3級以下である。
(湿潤摩擦堅ろう度の評価基準)
評価A:湿潤摩擦堅ろう度が、3級以上である。
評価B:湿潤摩擦堅ろう度が、2~3級である。
評価C:湿潤摩擦堅ろう度が、2級以下である。
<触感の低下の抑制に関する評価>
未使用の捺染対象を経糸に沿って(長さ方向に)に二つ折りにし、折り目における下側の生地と上側の生地との間の距離(ループ高さ)を測定した。測定された未使用の捺染対象のループ高さを、捺染前のループ高さとした。次に、評価用捺染物のソリッド画像が形成された領域を、経糸に沿って(長さ方向に)に二つ折りにし、ループ高さを測定した。測定された評価用捺染物のループ高さを、捺染後のループ高さとした。式「ループ高さの変化率=100×捺染後のループ高さ/捺染前のループ高さ」に従って、捺染前後におけるループ高さの変化率(単位:%)を算出した。ループ高さの変化率が低い程、捺染後も捺染対象が硬くならずふくらまないため、捺染物の触感の低下が抑制されていることを示す。ループ高さの変化率から、下記基準に従って、捺染物の触感の低下が抑制されているか否かを評価した。評価がAおよびBである場合を合格とし、評価がCである場合を不合格とした。測定されたループ高さの変化率、および触感の低下の抑制に関する評価結果を、後の表2にまとめて示す。
(触感の低下の抑制に関する評価基準)
評価A:ループ高さの変化率が、125%以下である。
評価B:ループ高さの変化率が、125%超130%以下である。
評価C:ループ高さの変化率が、130%超である。
Figure 0007342306000004
上記表2および後の表3において、各用語の意味は、次のとおりである。「触感」は、捺染物の触感の低下の抑制に関する評価を示す。「高さ」は、捺染前後におけるループ高さの変化率を示す。摩擦堅ろう度の欄の「1-2」、「2-3」、「3-4」および「4-5」は、各々、摩擦用白綿布の着色の程度が、1~2級、2~3級、3~4級、および4~5級であることを示す。「‐」は、既に述べたように原料エマルションFを作製できず、処理液(B-1)の作製を行っていないため、処理液(B-1)に対する評価が実施できなかったことを示す。
[考察]
上記表2に示すように、処理液(A-1)~処理液(A-7)を用いて作製された捺染物に関し、乾燥摩擦堅ろう度、湿潤摩擦堅ろう度および触感の低下の抑制の評価は、インクの種類に拘わらず、いずれもAまたはBであった。従って、処理液(A-1)~処理液(A-7)を包含する本実施形態におけるインクジェット用処理液によれば、摩擦堅ろう度に優れた捺染物を作製でき、捺染物の触感の低下を抑制できると判断される。
2.処理液の吐出量を変動させた際の捺染物の摩擦堅ろう度および触感の低下の抑制の評価試験
本試験では、インクジェット用処理液として前述した処理液(A-1)を用い、処理液の吐出量を変動させながら各種評価用捺染物を作製し、当該評価用捺染物の摩擦堅ろう度および触感の低下の抑制について評価した。
<実施例1-1、実施例1-9~実施例1-11および実施例1-8の評価用捺染物の作製方法>
実施例1-1、実施例1-9~実施例1-11および実施例1-8の評価用捺染物の作製に関し、以下の点を変更したこと以外は、上記1.で述べた評価用捺染物の作製方法と同じ方法により、評価用捺染物を作製した。具体的には、第1カートリッジの第1インク室に後の表3に示すインクを充填し、第2カートリッジの第2インク室には処理液(A-1)を充填した。各々の実施例において、処理液の吐出量を、後の表3に示す吐出量に設定した。なお、インクの吐出量は、20g/mのまま変更しなかった。
<実施例1-12の評価用捺染物の作製方法>
実施例1-12の評価用捺染物の作製に関し、以下の点を変更したこと以外は、上記1.で述べた評価用捺染物の作製方法と同じ方法により、インクのソリッド画像が形成された捺染対象を作製した。具体的には、第1カートリッジの第1インク室に後の表3に示すインクを充填し、第2カートリッジの第2インク室には処理液を充填しなかった。すなわち、処理液の吐出量を、0g/mに設定し、処理液を処理ヘッドから吐出させなかった。なお、インクの吐出量は、20g/mのまま変更しなかった。
次いで、インクのソリッド画像が形成された捺染対象を、処理液(A-1)に含侵させた後、処理液(A-1)から取り出して軽く絞った。詳しくは、ピックアップ率が100%、かつ処理液(A-1)の塗布量が120g/mとなるように、捺染対象を絞った。絞った捺染対象を160℃で3分間加熱して、インクおよび処理液を乾燥させて、評価用捺染物を得た。
<摩擦堅ろう度および触感の低下の抑制の評価>
実施例1-1、実施例1-9~実施例1-12および実施例1-8の処理液(A-1)を用いて作製した評価用捺染物に対し、上記1.で述べた摩擦堅ろう度の評価と同じ方法、および上記1.で述べた触感の低下の抑制に関する評価と同じ方法により、評価を実施した。評価結果を、以下の表3に示す。なお、実施例1-1および実施例1-8で使用する処理液(A-1)を用いて作製した評価用捺染物に対する評価結果は、上記表2で既に示しているが、理解を助けるために、以下の表3で再度示す。
Figure 0007342306000005
[考察]
上記表3に示すように、10g/m以上120g/m以下の吐出量(塗布量を含む)で作製された捺染物に関し、乾燥摩擦堅ろう度、湿潤摩擦堅ろう度および触感の低下の抑制の評価は、いずれもAまたはBであった。従って、10g/m以上120g/m以下の広い範囲の吐出量(塗布量を含む)で本実施形態におけるインクジェット用処理液を吐出または塗布することにより、摩擦堅ろう度に優れた捺染物を作製でき、捺染物の触感の低下を抑制できると判断される。
また、上記表3に示すように、15g/m以上30g/m以下の吐出量の処理液(A-1)を用いて形成された捺染物に関し、乾燥摩擦堅ろう度の評価がAであった。従って、15g/m以上30g/m以下の吐出量で本実施形態におけるインクジェット用処理液を吐出することにより、乾燥摩擦堅ろう度に特に優れた捺染物を作製できると判断される。
3.乳化粒子の平均粒子径を変動させた際の摩擦堅ろう度および吐出性の評価試験
本試験では、乳化粒子の平均粒子を変えながら各種捺染物を作製した。その後、作製した各種捺染物の摩擦堅ろう度を評価した。同時に、各処理液中の乳化粒子の平均粒子径に応じた処理液のノズルからの吐出性についても評価した。
[処理液の作製方法]
本試験では、カルボキシ変性シリコーンオイルの乳化粒子の平均粒子径、または、カルボキシ変性シリコーンオイルの乳化粒子と非変性シリコーンオイルの乳化粒子の両方の平均粒子径を様々な値に変動させた処理液を用いた。以下に、本試験で用いた処理液(C-1)~処理液(C-6)および処理液(D-1)~処理液(D-4)の詳細な作製方法を述べる。
<処理液(C-1)の作製>
原料エマルションBの作製の際に、50gの水酸化ナトリウム水溶液と、570gのイオン交換水と、80gの界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)とを加えて攪拌混合したこと以外は、上記1.で述べた処理液(A-4)の作製方法と同じ方法により、処理液(C-1)を得た。処理液(C-1)のカルボキシ変性シリコーンオイルの乳化粒子の平均粒子径は、102nmであった。
<処理液(C-2)の作製>
原料エマルションBの作製の際に、50gの水酸化ナトリウム水溶液と、590gのイオン交換水と、60gの界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)とを加えて攪拌混合したこと以外は、上記1.で述べた処理液(A-4)の作製方法と同じ方法により、処理液(C-2)を得た。処理液(C-2)のカルボキシ変性シリコーンオイルの乳化粒子の平均粒子径は、137nmであった。
<処理液(C-3)の作製>
原料エマルションBの作製の際に、50gの水酸化ナトリウム水溶液と、610gのイオン交換水と、40gの界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)とを加えて攪拌混合したこと以外は、上記1.で述べた処理液(A-4)の作製方法と同じ方法により、処理液(C-3)を得た。処理液(C-3)のカルボキシ変性シリコーンオイルの乳化粒子の平均粒子径は、189nmであった。
<処理液(C-4)の作製>
原料エマルションBの作製の際に、50gの水酸化ナトリウム水溶液と、630gのイオン交換水と、20gの界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)とを加えて攪拌混合したこと以外は、上記1.で述べた処理液(A-4)の作製方法と同じ方法により、処理液(C-4)を得た。処理液(C-4)のカルボキシ変性シリコーンオイルの乳化粒子の平均粒子径は、247nmであった。
<処理液(C-5)の作製>
処理液(C-1)の作製で用いた原料マルションを、第1の原料マルションとした。この第1の原料エマルションに含有されるカルボキシ変性シリコーンオイルの乳化粒子の平均粒子径は、102nmである。
次いで、非変性シリコーンオイルを含有する第2の原料エマルションを作製した。具体的には、300gの非変性シリコーンオイル(具体的には、ジメチルポリシロキサン)(信越化学工業株式会社製「KF96-3000cs」、粘度:3,000mm/s、比重:0.97)、610gのイオン交換水、および90gの界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)をビーカーに入れた。ホモジナイザー(IKA社製「ウルトラタラックスT25」)を用いて、回転速度10000rpmで15分間、ビーカーの内容物を攪拌し、30分間静置した。次いで、120メッシュのステンレスフィルターで、ビーカーの内容物をろ過し、非変性シリコーンオイルを含有する第2の原料エマルションを得た。この第2の原料エマルションに含有される非変性シリコーンオイルの乳化粒子の平均粒子径は、115nmであった。
16.67gの第1の原料エマルションと16.67gの第2の原料エマルションとを、33.31gのイオン交換水および33.35gのプロピレングリコールを加えて混合することによって、処理液(C-5)を得た。処理液(C-5)における乳化粒子の平均粒子径(混合時の乳化粒子の平均粒子径)は、106nmであった。
<処理液(C-6)の作製>
処理液(C-4)の作製で用いた原料マルションを、第1の原料マルションとした。この第1の原料エマルションに含有されるカルボキシ変性シリコーンオイルの乳化粒子の平均粒子径は、247nmである。
次いで、非変性シリコーンオイルを含有する第2の原料エマルションを作製した。具体的には、300gの非変性シリコーンオイル(具体的には、ジメチルポリシロキサン)(信越化学工業株式会社製「KF96-3000cs」、粘度:3,000mm/s、比重:0.97)、655gのイオン交換水、および45gの界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)をビーカーに入れた。ホモジナイザー(IKA社製「ウルトラタラックスT25」)を用いて、回転速度10000rpmで15分間、ビーカーの内容物を攪拌し、30分間静置した。次いで、120メッシュのステンレスフィルターで、ビーカーの内容物をろ過し、非変性シリコーンオイルを含有する第2の原料エマルションを得た。この第2の原料エマルションに含有される非変性シリコーンオイルの乳化粒子の平均粒子径は、240nmであった。
16.67gの第1の原料エマルションと16.67gの第2の原料エマルションとを、33.31gのイオン交換水および33.35gのプロピレングリコールを加えて混合することによって、処理液(C-6)を得た。処理液(C-6)における乳化粒子の平均粒子径(混合時の乳化粒子の平均粒子径)は、245nmであった。
<処理液(D-1)の作製>
原料エマルションBの作製の際に、50gの水酸化ナトリウム水溶液と、560gのイオン交換水と、90gの界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)とを加えて攪拌混合したこと以外は、上記1.で述べた処理液(A-4)の作製方法と同じ方法により、処理液(D-1)を得た。処理液(D-1)のカルボキシ変性シリコーンオイルの乳化粒子の平均粒子径は、75nmであった。
<処理液(D-2)の作製>
原料エマルションBの作製の際に、50gの水酸化ナトリウム水溶液と、650gのイオン交換水とを加え、界面活性剤は加えずに攪拌混合したこと以外は、上記1.で述べた処理液(A-4)の作製方法と同じ方法により、処理液(D-2)を得た。処理液(D-2)のカルボキシ変性シリコーンオイルの乳化粒子の平均粒子径は、323nmであった。
<処理液(D-3)の作製>
処理液(D-1)の作製で用いた原料マルションを、第1の原料マルションとした。この第1の原料エマルションに含有されるカルボキシ変性シリコーンオイルの乳化粒子の平均粒子径は、75nmである。
次いで、非変性シリコーンオイルを含有する第2の原料エマルションを作製した。具体的には、300gの非変性シリコーンオイル(具体的には、ジメチルポリシロキサン)(信越化学工業株式会社製「KF96-3000cs」、粘度:3,000mm/s、比重:0.97)、580gのイオン交換水、および120gの界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)をビーカーに入れた。ホモジナイザー(IKA社製「ウルトラタラックスT25」)を用いて、回転速度10000rpmで15分間、ビーカーの内容物を攪拌し、30分間静置した。次いで、120メッシュのステンレスフィルターで、ビーカーの内容物をろ過し、非変性シリコーンオイルを含有する第2の原料エマルションを得た。この第2の原料エマルションに含有される非変性シリコーンオイルの乳化粒子の平均粒子径は、86nmであった。
16.67gの第1の原料エマルションと16.67gの第2の原料エマルションとを、33.31gのイオン交換水および33.35gのプロピレングリコールを加えて混合することによって、処理液(D-3)を得た。処理液(D-3)における乳化粒子の平均粒子径(混合時の乳化粒子の平均粒子径)は、80nmであった。
<処理液(D-4)の作製>
処理液(D-2)の作製で用いた原料マルションを、第1の原料マルションとした。この第1の原料エマルションに含有されるカルボキシ変性シリコーンオイルの乳化粒子の平均粒子径は、323nmである。
次いで、非変性シリコーンオイルを含有する第2の原料エマルションを作製した。具体的には、300gの非変性シリコーンオイル(具体的には、ジメチルポリシロキサン)(信越化学工業株式会社製「KF96-3000cs」、粘度:3,000mm/s、比重:0.97)、680gのイオン交換水、および20gの界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)をビーカーに入れた。ホモジナイザー(IKA社製「ウルトラタラックスT25」)を用いて、回転速度10000rpmで15分間、ビーカーの内容物を攪拌し、30分間静置した。次いで、120メッシュのステンレスフィルターで、ビーカーの内容物をろ過し、非変性シリコーンオイルを含有する第2の原料エマルションを得た。この第2の原料エマルションに含有される非変性シリコーンオイルの乳化粒子の平均粒子径は、350nmであった。
16.67gの第1の原料エマルションと16.67gの第2の原料エマルションとを、33.31gのイオン交換水および33.35gのプロピレングリコールを加えて混合することによって、処理液(D-4)を得た。処理液(D-4)における乳化粒子の平均粒子径(混合時の乳化粒子の平均粒子径)は、340nmであった。
次いで、作製した処理液(C-1)~処理液(C-6)および処理液(D-1)~処理液(D-4)を用いて、評価用捺染物を作製し、その摩擦堅ろう度を評価した。
<実施例2-1~実施例2-6および比較例2-1~比較例2-4の評価用捺染物の作製方法>
実施例2-1~実施例2-6および比較例2-1~比較例2-4の捺染物の作製に関し、以下の点を変更したこと以外は、上記1.で述べた評価用捺染物の作製方法と同じ方法により、評価用捺染物を作製した。具体的には、第1カートリッジの第1インク室には上記のインクaを充填し、第2カートリッジの第2インク室には後の表4に示す処理液(C-1)~処理液(C-6)および処理液(D-1)~処理液(D-4)のいずれかを充填した。使用するインクの作製方法は、上記1.で述べた方法と同じである。各実施例および各比較例において、処理液の吐出量は、10g/mに設定した。なお、インクの吐出量は、20g/mとした。
<摩擦堅ろう度の評価>
実施例2-1~実施例2-6および比較例2-1~比較例2-4の捺染物に対し、上記1.で述べた摩擦堅ろう度の評価と同じ方法により、評価を行った。各実施例および各比較例の捺染物の評価結果は、後の表4においてまとめて示す。
本試験では、さらに、各実施例および各比較例で使用した処理液(C-1)~処理液(C-6)および処理液(D-1)~処理液(D-4)の処理ヘッドからの吐出性についても評価した。以下に、吐出性の評価方法について詳細に述べる。
<吐出性の評価>
処理液の吐出性の評価は、カメラの映像によってノズルからの1滴ずつの処理液の吐出が確認できる吐出評価機(京セラ株式会社製、「KJ4B」)を使用して実施した。当該吐出評価機における条件は以下の通りに設定した。
(吐出評価機の条件)
ヘッド温度:32℃
ヘッドからの処理液の吐出量:10g/m
駆動周波数:30kHz
吐出性の評価の具体的な方法は、次の通りである。まず、当該吐出評価機を用いて、1つの視野で3つのノズルが見えるようにカメラ位置を調整した。次いで、処理液の吐出を開始し、1分間にわたって、処理液が正常に吐出しているか否かをカメラの映像越しに目視にて確認した。1分経過後、正常に処理液を吐出していたノズル数をカウントした。ここで、正常に処理液を吐出していたノズルとは、正常に処理液を吐出していなかったノズル(真直ぐに処理液を吐出していなかったノズル、処理液を吐出していなかったノズル、処理液が溢れ出していたノズル等)以外のノズルである。さらに、カメラ位置を移動させ、別のノズルを対象として、同様にカメラの映像越しでの1分間における処理液の吐出性の確認を繰り返した。合計全12か所において、合計36個のノズルを確認した。最後に。正常に処理液を吐出していたノズルを合計して、以下の判定基準によって処理液の吐出性を評価した。
(判定基準)
A:36
B:34~35
C:33以下
各実施例および各比較例で使用する処理液の種類(乳化粒子の平均粒子径やシリコーンオイルの種類等)、ならびに、摩擦堅ろう度および吐出性の評価結果を以下の表4にまとめて示す。
Figure 0007342306000006
[考察]
上記表4に示す通り、シリコーンオイルの乳化粒子の平均粒子径(2種の乳化粒子を含有する場合は2つの乳化粒子を混合した際の平均粒子径)が100nm以上250nm以下の範囲内である処理液(C-1)~処理液(C-6)を使用した実施例2-1~実施例2-6に関しては、乾燥摩擦堅ろう度および湿潤摩擦堅ろう度の評価は、いずれもAまたはBであった。一方、乳化粒子の平均粒子径が75nmの処理液(D-1)を使用した比較例2-1の捺染物、および、乳化粒子の平均粒子径が75nmと86nmの処理液(D-4)を使用した比較例2-3の捺染物に関しては、乾燥摩擦堅ろう度および湿潤摩擦堅ろう度、特に湿潤摩擦堅ろう度の評価が悪かった。これは、処理液の親水性が高くなり、捺染物の耐水性が悪くなったためと想定される。乳化粒子の平均粒子径が323nmの処理液(D-2)を使用した比較例2-2の捺染物、および、乳化粒子の平均粒子径が323と350の処理液(D-4)を使用した比較例2-4の捺染物に関しては、吐出性の評価が顕著に悪かった。これは、粒子径が大きい場合、メニスカスが不安定になるためと想定される。
換言すれば、処理液のシリコーンオイルの乳化粒子の平均粒子径(2種の乳化粒子を含有する場合は両方の乳化粒子の平均粒子径)が100nm以上250nm以下であれば、処理液の吐出性に優れ、乾燥摩擦堅ろう度および湿潤摩擦堅ろう度に優れた捺染物を作製することができた。
今回開示された実施形態および実施例は、全ての点で例示であって制限的なものではないと解されるべきである。本開示の範囲は、前述した説明ではなくて特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本開示に係る処理液、インクジェット捺染装置、およびインクジェット捺染方法は、捺染物を形成するために用いることができる。
1:記録ヘッド
1a:第1記録ヘッド
1b:第2記録ヘッド
1c:第3記録ヘッド
1d:第4記録ヘッド
2:処理ヘッド
3:載置台
10:インクジェット捺染装置
P:捺染対象

Claims (20)

  1. シリコーンオイルを含有する乳化粒子と、水性媒体とを含有し、
    前記乳化粒子の平均粒子径は100nm以上250nm以下であり、
    後処理用の処理液である、インクジェット用処理液。
  2. 前記乳化粒子の平均粒子径は100nm以上160nm以下である、請求項1に記載のインクジェット用処理液。
  3. 前記乳化粒子が、第1乳化粒子と、前記第1乳化粒子とは平均粒子径が異なる第2乳化粒子と、を含み、
    前記第1乳化粒子の平均粒子径は100nm以上250nm以下であり、
    前記第2乳化粒子の平均粒子径は100nm以上250nm以下である、請求項1に記載のインクジェット用処理液。
  4. 前記第1乳化粒子の平均粒子径は100nm以上160nm以下であり、
    前記第2乳化粒子の平均粒子径は100nm以上160nm以下である、請求項3に記載のインクジェット用処理液。
  5. 前記第1乳化粒子の平均粒子径と前記第2乳化粒子の平均粒子径との差が0nm以上30nm以下である、請求項3に記載のインクジェット用処理液。
  6. 前記シリコーンオイルは、イオン性基含有シリコーンオイルを少なくとも含む、請求項1に記載のインクジェット用処理液。
  7. 前記イオン性基含有シリコーンオイルは、カルボキシ変性シリコーンオイルである、請求項6に記載のインクジェット用処理液。
  8. 前記シリコーンオイルは、非変性シリコーンオイルを少なくとも含む、請求項1に記載のインクジェット用処理液。
  9. 前記非変性シリコーンオイルは、ジメチルポリシロキサンである、請求項8に記載のインクジェット用処理液。
  10. 前記シリコーンオイルは、イオン性基含有シリコーンオイルおよび非変性シリコーンオイルを含む、請求項1に記載のインクジェット用処理液。
  11. 前記イオン性基含有シリコーンオイルは、カルボキシ変性シリコーンオイルである、請求項10に記載のインクジェット用処理液。
  12. 前記シリコーンオイルは、イオン性基含有シリコーンオイルおよび非変性シリコーンオイルを含み、
    前記第1乳化粒子にイオン性基含有シリコーンオイルが含有されており、前記第2乳化粒子に非変性シリコーンオイルが含有されている、請求項3に記載のインクジェット用処理液。
  13. 前記シリコーンオイルは、イオン性基含有シリコーンオイルおよび非変性シリコーンオイルを含み、
    前記非変性シリコーンオイルの質量に対する、イオン性基含有シリコーンオイルの質量の比率は、0.5以上1.0未満である、請求項1に記載のインクジェット用処理液。
  14. 捺染用である、請求項1に記載のインクジェット用処理液。
  15. 捺染対象の画像形成領域にインクを吐出する記録ヘッドと、前記捺染対象の少なくとも前記画像形成領域に処理液を吐出する処理ヘッドと、前記処理液が充填されているカートリッジとを備え、
    前記処理液は、請求項1~14のいずれか1項に記載のインクジェット用処理液である、インクジェット捺染装置。
  16. 前記インクは、顔料を含有する、請求項15に記載のインクジェット捺染装置。
  17. 前記インクおよび前記処理液が吐出された前記捺染対象を加熱する加熱部をさらに備える、請求項15に記載のインクジェット捺染装置。
  18. 捺染対象の画像形成領域に記録ヘッドからインクを吐出するインク吐出工程と、前記捺染対象の少なくとも前記画像形成領域に処理ヘッドから処理液を吐出する処理工程とを含み、
    前記処理液は、請求項1~14のいずれか1項に記載のインクジェット用処理液である、インクジェット捺染方法。
  19. 前記インクは、顔料を含有する、請求項18に記載のインクジェット捺染方法。
  20. 前記インクおよび前記処理液が吐出された前記捺染対象の少なくとも前記画像形成領域を加熱する加熱工程をさらに含む、請求項18に記載のインクジェット捺染方法。
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