JP7341761B2 - 屋根ユニット及び屋根構造の構築方法 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明に係る屋根ユニットは、複数の支持材が屋根面に沿って格子状に配置されて構成された格子材と、前記複数の支持材で形成される複数の空間部のうち第一空間部に配置され、前記屋根面と交差する交差方向に沿って延び、上下端部が前記屋根面を挟んで両側に突出する第一束材と、前記複数の空間部のうち第二空間部に配置され、前記交差方向に沿って延び、上下端部が前記屋根面を挟んで両側に突出するように配置され、前記第一束材よりも短い第二束材と、前記第一束材の上下端部及び前記第二束材の上下端部と前記格子材とを連結する斜材と、前記第一束材の上端部と前記第二束材の上端部とを連結し、前記第一束材の下端部と前記第二束材の下端部とを連結し、張力が導入された弦材と、を備え、前記第二束材は、前記交差方向に沿って延びる束本体と、該束本体の上下端部から前記交差方向に突出して設けられたガイド部と、を有し、前記弦材の端部には、前記ガイド部に沿って前記交差方向に移動可能にジョイント部が設けられていることを特徴とする。
また、弦材の端部に設けられたジョイント部をガイド部に沿って交差方向に移動させれば、弦材に張力を導入されるため、弦材に張力を容易に導入することができる。
また、屋根ユニットはユニット化されているため、屋根ユニットを設置した後に、隣り合う屋根ユニットどうしを連結して、ユニット間斜材及びユニット間弦材に張力を導入すればよいため、屋根構造の施工性がよい。
まず、屋根構造について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る屋根ユニットを備えた屋根体を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係る屋根体1は、屋根構造2と、リング体11と、複数の柱12と、を備えている。
図2に示すように、屋根ユニット3は、格子材30と、複数の長束材(第一束材)40Aと、複数の短束材(第二束材)40Bと、複数の斜材51と、複数の弦材52と、を備えている。
図3は、屋根ユニット3を示す概略平面図(屋根面2aに直交する方向から見た図)である。
図3に示すように、格子材30は、複数の支持材31が屋根面2aに沿って格子状に配置されて構成されている。
支持材31のうち、X方向に沿って配置されるものを支持材31Aとし、Y方向に離間して配置されるものを支持材31Bとする。支持材31Aは、Y方向に離間して複数配置されている。支持材31Bは、X方向に離間して複数配置されている。本実施形態では、支持材31は、鋼製の丸管で構成されているが、鋼製の角管等やH鋼等で構成されていてもよい。
第一空間部33Aは、X方向及びY方向に、単位空間部33分空けて配置されている。換言すると、X方向及びY方向に隣り合う長束材40Aの間には、束材40が配置されていない単位空間部33が配置されている。
図4に示すように、束材40は、屋根面2aと交差する上下方向(交差方向)に沿って延びている。束材40の上端部40uは、屋根面2aよりも上方の高さに位置している。束材40の下端部40dは、屋根面2aよりも下方の高さに位置している。束材40は、上下方向に伸長可能に構成されている。
上弦材52Aは、長束材40Aの上端部40uと当該長束材40Aと隣り合う短束材40Bの上端部40uとを連結している。下弦材52Bは、長束材40Aの下端部40dと当該長束材40Aと隣り合う短束材40Bの下端部40dとを連結している。
図2に示すように、本実施形態では、弦材52は、一対のケーブル52aにより構成されている。
図5は、弦材52への張力の導入方法を示す図であり、(a)弦材52に設けられたジョイント部を下方に変位させる前の状態の平面図であり、(b)図5(a)のA矢視図であり、(c)ジョイント部を下方に変位させた後の状態をA方向から見た図である。なお、図5は短束材40Bの上部を示しているが、短束材40Bの下部は、短束材40Bの上部を上下反転した構成であり、説明を省略する。
図5(c)に示すように、短束材40Bは、束本体42と、ガイドボルト(ガイド部)43と、を有している。
まず、ユニット化工程を行う。
図2に示すように、格子材30、長束材40A、短束材40B、斜材51、上弦材52A及び下弦材52Bを組み立てて、ユニット化して屋根ユニット3を構築する。各部材を初期長さの状態で組み立てておく。ロッドは手締め程度で、斜材51、上弦材52A及び下弦材52B等には最低限の張力を導入しておく。この段階では、短束材40Bは、図5(b)に示すように、連結プレート47は、短束材40Bに設けられた支持プレート46と離間して配置された状態で、ガイドボルト43にナット43bが螺合されている。
図6に示すように、長束材40A及び短束材40Bの長手方向の中央部を所定長さに伸長することにより、主に斜材51に張力を導入(図6では、長束材40Aを伸長する場合を示している)。
図7(a)に示す屋根ユニット3の対角に位置する一対の短束材40Bにおいて、図5(c)に示すように連結プレート47をガイドボルト43に沿って引き込み(短束材40Bの長手方向の中央側に移動させて)、連結プレート47と短束材40Bに設けられた支持プレート46とをボルト48a及びナット48bで締結する。これにより、図7(b)に示すように、短束材40Bに連結された弦材52に張力が導入される。
図8(a)に示す屋根ユニット3の対角に位置する他の一対の短束材40Bにおいて、上記同様に、図5(b)に示すように連結プレート47をガイドボルト43に沿って引き込み(短束材40Bの長手方向の中央側に移動させて)、連結プレート47と短束材40Bに設けられた支持プレート46とをボルト48a及びナット48bで締結する。これにより、図8(b)に示すように、短束材40Bに連結された上弦材52A及び下弦材52Bに張力が導入される。
以上により、屋根ユニット3がユニット化される。
次に、支保工設置工程を行う。
図9に示すように、X方向及びY方向に隣り合う配置される屋根ユニット3の角部分に、支保工61を設置しておく。
図9に示すように、ユニット化された屋根ユニット3を支保工61に支持させ(吊り下げ)て、屋根ユニット3をX方向及びY方向に隣り合って配置する。屋根ユニット3間に1つの単位空間部33の幅分のスペースSが形成されるように、屋根ユニット3を配置する。
次に、格子材連結工程を行う。
図10に示すように、隣り合う屋根ユニット3の格子材30どうしを、格子連結部材63で連結する。
隣り合う屋根ユニット3の格子材30の間に、ユニット間束材64を設置する。ユニット間束材64を、1つの単位空間部33分のスペースを空けて配置していく。ユニット間束材64は、上下方向に延びている。ユニット間束材64の上端部は、屋根面2aよりも上方の高さに位置している。ユニット間束材64の下端部は、屋根面2aよりも下方の高さに位置している。本実施形態では、ユニット間束材64は長束材40Aの間に配置され、ユニット間束材64の長さは短束材40Bの長さと略同一である。
ユニット間束材64の上下端部と格子材30とを、ユニット間斜材65で連結する。
ユニット間束材64を所定長さに伸長することにより、ユニット間斜材65に張力を導入する。
次に、ユニット間弦材設置工程を行う。
図11に示すように、長束材40Aの上端部とユニット間束材64の上端部とを、ユニット間上弦材(ユニット間弦材)66で連結する。長束材40Aの下端部とユニット間束材64の下端部とを、ユニット間下弦材(ユニット間弦材)67で連結する。
ユニット間束材64において、短束材40Bと同様にして、ユニット間束材64に連結されたユニット間上弦材66及びユニット間下弦材67に張力を導入する。
2…屋根構造
2a…屋根面
3…屋根ユニット
11…リング体
12…柱
30…格子材
31…支持材
33…単位空間部(空間部)
33A…第一空間部
33B…第二空間部
40…束材
40A…長束材(第一束材)
40B…短束材(第二束材)
42…束本体
43…ガイドボルト(ガイド部)
45…連結具
46…支持プレート(支持部)
47…連結プレート(ジョイント部)
47h…ガイド孔
51…斜材
52…弦材
52A…上弦材
52B…下弦材
61…支保工
63…格子連結部材
64…ユニット間束材
65…ユニット間斜材
66…ユニット間上弦材(ユニット間弦材)
67…ユニット間下弦材(ユニット間弦材)
Claims (3)
- 複数の支持材が屋根面に沿って格子状に配置されて構成された格子材と、
前記複数の支持材で形成される複数の空間部のうち第一空間部に配置され、前記屋根面と交差する交差方向に沿って延び、上下端部が前記屋根面を挟んで両側に突出する第一束材と、
前記複数の空間部のうち第二空間部に配置され、前記交差方向に沿って延び、上下端部が前記屋根面を挟んで両側に突出するように配置され、前記第一束材よりも短い第二束材と、
前記第一束材の上下端部及び前記第二束材の上下端部と前記格子材とを連結する斜材と、
前記第一束材の上端部と前記第二束材の上端部とを連結し、前記第一束材の下端部と前記第二束材の下端部とを連結し、張力が導入された弦材と、を備え、
前記第二束材は、
前記交差方向に沿って延びる束本体と、
該束本体の上下端部から前記交差方向に突出して設けられたガイド部と、を有し、
前記弦材の端部には、前記ガイド部に沿って前記交差方向に移動可能にジョイント部が設けられていることを特徴とする屋根ユニット。 - 前記ジョイント部には、前記ガイド部が挿通されるガイド孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の屋根ユニット。
- 複数の支持材が屋根面に沿って格子状に配置されて構成された格子材と、
前記複数の支持材で形成される複数の空間部のうち第一空間部に配置され、前記屋根面と交差する交差方向に沿って延び、上下端部が前記屋根面を挟んで両側に突出する第一束材と、
前記複数の空間部のうち第二空間部に配置され、前記交差方向に沿って延び、上下端部が前記屋根面を挟んで両側に突出するように配置され、前記第一束材よりも短い第二束材と、
前記第一束材の上下端部及び前記第二束材の上下端部と前記格子材とを連結する斜材と、
前記第一束材の上端部と前記第二束材の上端部とを連結し、前記第一束材の下端部と前記第二束材の下端部とを連結し、張力が導入された弦材と、を備えた屋根ユニットが複数設置された屋根構造の構築方法であって、
前記格子材、前記第一束材、前記第二束材、前記斜材及び前記弦材をユニット化して屋根ユニットを構築するユニット化工程と、
支保工を設置する支保工設置工程と、
複数の前記屋根ユニットを前記支保工に支持させるように隣り合って配置する屋根ユニット設置工程と、
隣り合う前記屋根ユニットの前記格子材どうしを連結する格子材連結工程と、
隣り合う前記屋根ユニットの前記格子材の間に、前記交差方向に沿って延び、上下端部が前記屋根面を挟んで両側に突出するようにユニット間束材を設置するユニット間束材設置工程と、
前記ユニット間束材の上下端部と前記格子材とを連結するユニット間斜材を設置するユニット間斜材設置工程と、
前記ユニット間束材を伸長して、前記ユニット間斜材に張力を導入するユニット間斜材張力導入工程と、
前記第一束材または前記第二束材の上端部と前記ユニット間束材の上端部とを連結し、前記第一束材または前記第二束材の下端部と前記ユニット間束材の下端部とユニット間弦材で連結するユニット間弦材設置工程と、
前記ユニット間弦材に張力を導入するユニット間弦材張力導入工程と、を備えることを特徴とする屋根構造の構築方法。
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