JP7341481B2 - レンジフード - Google Patents
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例えば、特許文献1に、ファンにより発生される空気の流れの流路におけるファンよりも上流側に、空気を通過させる孔を有したフィルタを回転可能に設け、このフィルタをモータで高速で回転することで、油煙に含まれる油分を効率よく捕集できるようにしたレンジフードが提案されている。
騒音が大きくなるのは、次のようであると推察される。
回転するフィルタの周速は、回転中心側が遅く、外周側が速いので、油煙を含む空気がフィルタの孔を通過する際の通気抵抗は回転中心側が小さく、外周側が大きいから、油煙を含む空気は回転中心側の孔を速い速度で通過し、外周側の孔を遅い速度で通過する。このように、油煙を含む空気のフィルタの孔を通過する速度が、回転中心側の孔と外周側の孔とで異なり、油煙を含む空気の孔を通過する最大速度が速いために大きな騒音が発生すると考えられる。
前記流路における前記フィルタの下流側に、前記フィルタの回転中心側の孔と対向する空気流れ止め部材が設けられ、前記空気流れ止め部材のフィルタ側面と前記フィルタの空気流れ止め部材側面との間に、前記フィルタの回転中心側の孔を通過した空気が流れる空気通路を有することを特徴とするレンジフードである。
このレンジフードによれば、フィルタの回転中心側の孔における周方向に配置された複数の孔を通過する空気の通気抵抗を均等とすることができる。
このレンジフードによれば、フィルタの回転中心側の孔における内外周方向に配置された複数の孔を通過した空気の空気通路を通過する際の通気抵抗を均等とすることができる。
このレンジフードによれば、孔を通過する空気の最大速度がより遅くなるので、レンジフード稼働時に発生する騒音をより一層抑制できる。
このレンジフードによれば、空気流れ止め部材はフィルタ用モータのモータ取付台を兼用するので、モータ取付台は不要で、空気流れ止め部材を取り付けすればよく、レンジフードを構成する部材の数が少なくなりレンジフードのコストが抑えられるとともに、レンジフードの組み立て時の工数も抑えられ、価格を大きく上げずに、稼働時に発生する騒音を抑制したレンジフードとすることができる。
このレンジフードによれば、フィルタ用モータがフィルタの孔を通過した空気の流れに影響しない。
図1と図2に示すように、レンジフード1のフード2は、下部フード2aと上部フード2bを有する。
下部フード2aは、上面板20と、周面板21と、下面フランジ22と、下面フランジ22に取り付けられた上向きに凹んだ形状の内面パネル23からなり、下面の中央部分が上向きに凹んだ扁平な箱形状である。
内面パネル23の凹んだ部分23aに整流板24が取り付けてある。
整流板24は内面パネル23の凹んだ部分23aより小さく、整流板24の外周面24aと内面パネル23の凹んだ部分23aの開口周面23a-1との間に隙間aがある。
上部フード2bは、下面が開口した箱形状で、下部フード2aの上面板20における開口部26の周囲に取り付けてある。上部フード2bの内部は、上面板20の上開口部26と内面パネル23の空気流通口27とを通して内面パネル23と整流板24との間の通路25に連通し、通路25と空気流通口27と開口部26と上部フード2b内部とでフード2内に空気が流れる流路を構成している。
ファン3は上部フード2b内に設けてあり、ファン用モータ30で回転される。ファン3が回転することで、矢印cで示すように空気が通路25に吸い込みされ、吸い込みされた空気はフィルタ4の孔(後に説明する)を通過して空気流通口27、開口部26を通して上部フード2b内に流れる。上部フード2b内に流れた空気はファン3により屋外などに排気される。
実施の形態における空気は、調理により発生した油煙などを含有した空気であり、その空気には油分が含まれている。
ファン3はプロペラファンとしてもよい。すなわち、ファン3はフード2内に空気の流れを発生させるものであればよい。
フード2は下部フード2aと上部フード2bを有したものに限ることはない。例えば、下部フード2aのみでフード2とし、その上面板20にファンケース31を取り付けるようにすることができる。
油受け7は、フィルタ4で捕集した油分を溜めるものである。油受け7は、空気の流れの流路の最も上流側に位置し、図4に示すように整流板24を取り外しすると油受け7の全体が目視できる。実施の形態では油受け7は、内面パネル23の凹んだ部分23aの底面23a-2に取り付けてある。
フィルタ4は、フード2内の流路を流れる空気が通過する孔42を有する。フィルタ4は、フード2内に発生した空気の流れの流路における空気流れ止め部材6より上流側で、油受け7より下流側に回転可能に設けてあり、整流板24を取り外しすることでフィルタ4を目視できる。実施の形態ではフィルタ4は、内面パネル23の凹んだ部分23aの底面23a-2の下方に位置するように設けてある。フィルタ4の詳細は後述する。
図5に示すように、油受け7、フィルタ4を取り外しすると空気流れ止め部材6が内面パネル23の空気流通口27から目視できる。
図3に示すように、フィルタ用モータ5は、空気流れ止め部材6に取り付けてあり、フィルタ用モータ5の回転軸5aにフィルタ4が連結されている。
ファン用モータ30でファン3を回転するとともに、フィルタ用モータ5でフィルタ4を高速で回転することで、調理により発生した油煙などを含有した空気は、フード2内に発生した空気の流れの流路を流れて屋外などに排気されるが、回転するフィルタ4の孔42を通過することで、その空気に含まれた油分がフィルタ4に効率よく捕集される。フィルタ4に捕集された油分は、フィルタ4の回転により外周側に飛散し、油受け7に溜まる。
フィルタ4の孔42の大きさと回転数は次のように設定することで、圧力損失が小さい状態で高い油分捕集効率を有するレンジフードを提供できる。
第2の設定は、フィルタ4の孔の円周方向の開口寸法(径)は1.00mm以下であり、かつそのフィルタ4の回転数は310rpm以上である。
第3の設定は、フィルタ4の孔の円周方向の開口寸法(径)は1.50mm以下であり、かつそのフィルタ4の回転数は460rpm以上である。
第4の設定は、フィルタ4の孔の円周方向の開口寸法(径)は2.00mm以下であり、かつそのフィルタ4の回転数は620rpm以上である。
第5の設定は、フィルタ4の孔の円周方向の開口寸法(径)は5.00mm以下であり、かつそのフィルタ4の回転数は1500rpm以上である。
図6、図7に示すように、油受け7は、内面パネル23の空気流通口27とほぼ同じ形状で、かつほぼ同じ大きさの開口部70を有し、開口部70とほぼ同じ形状の底面板71と、底面板71の外周と連続した環状の外周側上向き板72と、底面板71の開口部70の周辺と連続した環状の内周側上向き板73とで、断面がコ字形状の環状である。油受け7は内面パネル23に取り付けてある。
フィルタ4の回転中心部とは、フィルタ4の回転中心4aの周囲の部分である。非通気部40の周囲とは、非通気部40の外周40aとフィルタ4の外周4bとの間の部分である。
孔42は、フィルタ4の回転中心4aから外周4bに向けて円弧状に湾曲したスリット形状で、その孔42の回転方向の幅が先に述べた円周方向の寸法である。孔42の形状はスリット形状に限ることはなく、円形、楕円形、多角形、矩形などの形状とすることができる。
空気流れ止め部材6は、内面パネル23に次のように取り付けてある。図5に示すように、一対の取付部61を内面パネル23の上面における空気流通口27の径方向に向かい合う箇所に固定手段で固定され、空気流れ止め部60が空気流通口27のほぼ中央に位置するように取り付けてある。ほぼ中央とは、中央でもよいし、中央からずれてもよいことである。
したがって、フィルタ用モータ5がフィルタ4の孔42を通過した空気の流れに影響しない。
フィルタ用モータ5の回転軸5aは、空気流れ止め部60のフィルタ側面60aからフィルタ4側に突出し、フィルタ4の被連結部材43が連結され、回転軸5aにフィルタ4が連結されている。空気流れ止め部60のフィルタ側面60aは空気流れ止め部材6のフィルタ側面で、空気流れ止め部60のフィルタ反対側面60bは空気流れ止め部材6のフィルタ反対側面である。
したがって、フィルタ用モータ5の回転軸5aが高速回転することで、フィルタ4が高速回転する。フィルタ4の回転中心4aは回転軸5aの中心である。
したがって、フィルタ4が高速で回転することで、捕集した油分を遠心力で油受け7に向けて飛散し、油分を油受け7で捕集できる。
図8に示すように、空気流れ止め部60の大きさは、フィルタ4の回転中心側の孔42と対向する大きさで、フィルタ4の空気流れ止め部材側面4cにおける回転中心側の孔42部分と空気流れ止め部60のフィルタ側面60aとの間に空気通路8を形成している。
図8に示すように、フィルタ4の回転中心側の孔42とは、通気部41の内周41a(非通気部40の外周40a)から通気部41の外周41bまでの長さSの30%以上で、かつ60%以内の範囲の孔42である。つまり、長さSの30%以下の範囲の孔42とすると、フィルタ4の回転中心側の孔42を通過する空気の速度をあまり遅くできず、長さSの60%以上の範囲の孔42とすると、通気抵抗が大きくなりすぎて、風量が低下する。
フィルタ4の外周側の孔42(回転中心側の孔42よりも外周寄りの孔42)を通過した空気は、ファン3に直接吸引されるので、空気流れ止め部60により通気抵抗が大きくなることはない。
したがって、フィルタ4の回転中心側の孔42を通過する空気の速度と、外周側の孔42を通過する空気の速度が同じに近くなり、孔42を通過する空気の最大速度が遅くなり、レンジフード稼働時に発生する騒音を抑制できる。
空気流れ止め部60の外周60cは、フィルタ用モータ5の回転軸5aの中心を中心とする円形で、空気流れ止め部60はフィルタ4の回転中心4aを中心とする円形である。
したがって、フィルタ4の回転中心側の孔42における周方向に配置された複数の孔42を通過する空気の通気抵抗を均等とすることができる。
また、フィルタ4の空気流れ止め部材側面4cと空気流れ止め部60のフィルタ側面60aは平行である。
したがって、フィルタ4の回転中心側の孔42における内外周方向に配置された複数の孔42を通過した空気の空気通路8を通過する際の通気抵抗を均等とすることができる。
空気通路8の隙間(フィルタ4の空気流れ部材側面4cと空気流れ止め部60のフィルタ側面60aとの間隔)が、凸部62により狭くなり、凸部62とフィルタ4の空気流れ止め部材側面4cとの間を流れる空気の通気抵抗が、空気流れ止め部60のフィルタ側面60aとフィルタ4の空気流れ止め部材側面4cとの間を流れる空気の通気抵抗より大きくなるので、凸部62よりもフィルタ4の回転中心寄りの孔42を通過する空気の通気抵抗が、凸部62よりも外周側の孔42を通過する空気の通気抵抗より大きい。
したがって、フィルタ4の回転中心側の孔42を通過する空気の速度と、外周側の孔42を通過する空気の速度がより同じに近くなり、孔42を通過する空気の最大速度がより遅くなるので、レンジフード稼働時に発生する騒音をより一層抑制できる。
したがって、価格を大きく上げずに、稼働時に発生する騒音を抑制したレンジフードを提供することができる。
空気流れ止め部材6は、径方向に対向した2つの円弧状側面を有した略円形の底面板63と、底面板63の円弧状側面以外の径方向に対向した2つの部分と一体に連続した一対の矩形状の張り出し板64と、底面板63の円弧状側面と一対の張り出し板64の側面と連続して上方に向かう一対の立上り片65を有している。底面板63と立上り片65の円弧状部65aとで空気流れ止め部60を形成し、底面板63の下面がフィルタ側面60aで、上面がフィルタ反対側面60bである。張り出し板64と立上り片65の直線部65bとで取付部61を形成している。
底面板63の開口部66と凸部62と間に取付穴67が形成されている。図6に示すように、フィルタ用モータ5を底面板63の上面に載置し、固定ねじ68を取付孔67を通してフィルタ用モータ5にねじ込んで、フィルタ用モータ5を底面板63に取り付ける。回転軸5aは底面板63の開口部66を貫通して底面板63の下面より突出する。
張り出し板64の端部には下方に向けてL字形状に折れ曲がった取付片69が一体に設けられ、この取付片69を内面パネル23に固定することで、空気流れ止め部材6を内面パネル23に取り付ける。
したがって、フィルタ4の孔42を通過した空気は湾曲したコーナー部6a、6bに沿ってスムーズに流れ、空気流れ止め部材6がファン3により吸引される空気の流れを乱すことがない。
取付部61は、幅が広い張り出し板64と立上り片65の直線部65bとで構成されているから剛性が強く、空気流れ止め部材6を強固に内面パネル23に取り付けできので、フィルタ用モータ5をしっかりと支持することができる。
張り出し板64には大きな開口部61aが形成されているから、フィルタ4の孔42を通過した空気は開口部61aを流れ、ファン3により吸引される空気の流れを取付部61が阻害することが抑制される。
この場合には、空気流れ止め部材6の取り付け強度を大きくする必要がないので、取付部61の強度を大きくする必要がなく、幅が狭い板や線材などを取付部61とすることができるとともに、取付部61を設けずに空気流れ止め部60のみで空気流れ止め部材6とし、空気流れ取付け部材6をモータ取付台などに取り付けることもできる。
Claims (7)
- フードと、前記フード内に空気の流れを発生させるファンと、前記空気の流れの流路における前記ファンより上流側に回転可能に設けられ、前記空気が通過する孔を有するフィルタと、前記フィルタを回転するフィルタ用モータとを備え、
前記ファンが空気の流れを発生させるとともに、前記フィルタ用モータで前記フィルタを高速回転し、前記空気が前記フィルタの孔を通過させられることで、前記空気に含まれる油分を前記フィルタで捕集するようにしたレンジフードであって、
前記流路における前記フィルタの下流側に、前記フィルタの回転中心側の孔と対向する空気流れ止め部材が設けられ、前記空気流れ止め部材のフィルタ側面と前記フィルタの空気流れ止め部材側面との間に、前記フィルタの回転中心側の孔を通過した空気が流れる空気通路を有することを特徴とするレンジフード。 - 請求項1に記載のレンジフードにおいて、
前記フィルタは、回転中心部が非通気部で、前記回転中心部の周囲が前記孔を有した通気部であり、
前記フィルタの回転中心側の孔は、前記通気部の内周から外周までの長さの30%以上で、かつ60%以内の範囲の孔であるレンジフード。 - 請求項1又は2に記載のレンジフードにおいて、
前記フィルタは円形で、前記空気流れ止め部材は、前記フィルタの回転中心を中心とする円形であるレンジフード。 - 請求項1、2、3いずれかに記載のレンジフードにおいて、
前記フィルタの空気流れ止め部材側面と、前記空気流れ止め部材のフィルタ側面は平行であるレンジフード。 - 請求項1、2、3、4いずれかに記載のレンジフードにおいて、
前記空気流れ止め部材のフィルタ側面に、前記フィルタの回転中心を中心とするリング状の凸部を有しているレンジフード。 - 請求項1、2、3、4、5いずれかに記載のレンジフードにおいて、
前記フィルタ用モータは、前記空気流れ止め部材に取り付けてあるレンジフード。 - 請求項6に記載のレンジフードにおいて、
前記フィルタ用モータは、前記空気流れ止め部材のフィルタ反対側面に取り付けてあり、前記フィルタ用モータは、前記空気流れ止め部材よりも小径であるレンジフード。
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