JP7341407B2 - ノイズフィルター - Google Patents

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Description

本発明は、ケーブルから放射されるノイズを抑制するためのノイズフィルターに関する。
例えば、特許文献1には、このタイプのノイズフィルターが開示されている。
特許文献1のノイズフィルターは、ケーブルに取り付けて使用される。ケーブルの一端は、筐体の内部に収容された電源装置に接続されており、ケーブルの他端は、筐体の外部に位置している。ノイズフィルターは、導電体からなるシールド部材と、複合磁性体からなるコア部材とを備えている。シールド部材及びコア部材は、互いに隣り合っており、且つ、ケーブルを囲んでいる。このように配置されたノイズフィルターは、RCフィルターとして機能し、1GHzを超える高周波ノイズを効果的に抑制する。
特許第6405480号公報
特許文献1の実施の形態及び変形例によるノイズフィルター(特許文献1の図1から図6まで参照)において、シールド部材は、筐体の外部に配置され、コア部材は、少なくとも部分的に筐体の内部に配置される。従って、このノイズフィルターを使用する場合、シールド部材及びコア部材の2つの部材を、筐体の外部及び内部に夫々位置するようにして取り付ける必要がある。しかしながら、このような取付作業は手間がかかる。即ち、特許文献1の実施の形態及び変形例によるノイズフィルターは、筐体に取付け難い。
そこで、本発明は、筐体に容易に取り付けることができるノイズフィルターを提供することを目的とする。
本発明は、第1のノイズフィルターとして、
ケーブルから放射されるノイズを抑制するためのノイズフィルターであって、
前記ケーブルの一端は、筐体の内部に収容された電源装置に接続されており、前記ケーブルの他端は、前記筐体の外部に位置しており、
前記ノイズフィルターは、絶縁体からなる保持部材と、導電体からなるシールド部材と、磁性体からなるコア部材とを備えており、
前記保持部材は、前記シールド部材を保持しており、
前記シールド部材は、被取付け部と、収容部と、容量部とを有しており、
前記被取付け部は、前記ケーブルが前記ノイズフィルターの内部を所定方向に沿って通過するようにして前記筐体に取付可能であり、これにより、前記ノイズフィルターは、前記筐体及び前記ケーブルに取付可能であり、
前記収容部は、前記所定方向において前記被取付け部と前記容量部との間に位置しており、且つ、前記コア部材を収容しており、
前記ノイズフィルターが前記筐体及び前記ケーブルに取り付けられた被取付状態において、前記収容部及び前記容量部は、前記筐体の外部に位置しており、前記コア部材は、前記所定方向と直交する直交平面において前記ケーブルを囲んでおり、前記容量部は、前記直交平面において前記ケーブルを囲んでおり、
前記コア部材の複素比透磁率の虚数成分μ″は、30MHzから3GHzまでの周波数帯域に亘って1以上且つ50以下である
ノイズフィルターを提供する。
また、本発明は、第2のノイズフィルターとして、第1のノイズフィルターであって、
前記筐体は、導電体からなり、
前記被取付け部は、前記被取付状態において、前記筐体と直接的に接触している
ノイズフィルターを提供する。
また、本発明は、第3のノイズフィルターとして、第1又は第2のノイズフィルターであって、
前記筐体には、通過孔が形成されており、
前記被取付け部は、前記被取付状態において、少なくとも部分的に前記通過孔の内部に位置している
ノイズフィルターを提供する。
また、本発明は、第4のノイズフィルターとして、第1から第3までのいずれかのノイズフィルターであって、
前記コア部材は、複合磁性体からなり、
前記複合磁性体は、バインダと、前記バインダ中に分散された軟磁性粉末とを含んでいる
ノイズフィルターを提供する。
また、本発明は、第5のノイズフィルターとして、第1から第3までのいずれかのノイズフィルターであって、
前記コア部材は、フェライトからなる
ノイズフィルターを提供する。
また、本発明は、第6のノイズフィルターとして、第1から第5までのいずれかのノイズフィルターであって、
前記コア部材の複素比誘電率の実数成分ε′は、30MHzから3GHzまでの周波数帯域に亘って1以上且つ200以下である
ノイズフィルターを提供する。
また、本発明は、第7のノイズフィルターとして、第1から第6までのいずれかのノイズフィルターであって、
前記コア部材は、中心孔を有しており、
前記被取付状態において、前記ケーブルは、前記所定方向に沿って前記中心孔を通過しており、これにより、前記コア部材は、前記中心孔を中心とし且つ前記所定方向と直交する径方向において、前記ケーブルの外側に位置している
ノイズフィルターを提供する。
また、本発明は、第8のノイズフィルターとして、第7のノイズフィルターであって、
前記コア部材の前記径方向における厚さは、3mm以上である
ノイズフィルターを提供する。
また、本発明は、第9のノイズフィルターとして、第7又は第8のノイズフィルターであって、
前記収容部は、前記直交平面において、前記コア部材を隙間なく囲んでいる
ノイズフィルターを提供する。
また、本発明は、第10のノイズフィルターとして、第9のノイズフィルターであって、
前記コア部材の前記径方向における外周に位置するいずれの部位も、前記収容部と接触しているか、又は、前記径方向において前記収容部から5mm以下の距離だけ離れている
ノイズフィルターを提供する。
また、本発明は、第11のノイズフィルターとして、第1から第10までのいずれかのノイズフィルターであって、
前記保持部材は、前記直交平面において、前記シールド部材の前記収容部及び前記容量部を隙間なく覆っている
ノイズフィルターを提供する。
また、本発明は、第12のノイズフィルターとして、第1から第11までのいずれかのノイズフィルターであって、
前記ノイズフィルターは、第1分割部材と、第2分割部材とを備えており、
前記第1分割部材及び前記第2分割部材の夫々は、前記保持部材の一部と、前記シールド部材の一部と、前記コア部材の一部とを備えており、
前記第1分割部材及び前記第2分割部材は、前記所定方向と直交する方向において前記ケーブルを挟むようにして、互いに組み合わせることができる
ノイズフィルターを提供する。
本発明によれば、ノイズフィルターが筐体に取り付けられた被取付状態において、コア部材及び容量部は、ケーブルを囲みつつ互いに隣り合う。このように配置されたコア部材及び容量部は、ローパスフィルタとして機能する。特に、本発明において、コア部材の複素比透磁率の虚数成分μ″(等価抵抗成分)は、30MHzから3GHzまでの周波数帯域に亘って1以上且つ50以下の高い値を維持する。このため、本発明のノイズフィルターは、1GHzを超える高周波ノイズを効果的に抑制するRCフィルターとして機能する。
また、本発明によれば、コア部材は、収容部の内部に収容されており、収容部を含むシールド部材は、保持部材に保持されている。本発明によれば、ノイズフィルターの部材は、このように一体に組み合わされており、ノイズフィルターは、筐体の外部に容易に取り付けることができる。
本発明の実施の形態における電源装置、筐体、負荷、ケーブル及びノイズフィルターを模式的に示す図である。電源装置はブロック図によって示しており、筐体は断面図によって示している。 図1の筐体及びケーブルに対するノイズフィルターの相対的な位置を示す図である。筐体、ケーブル及びノイズフィルターは断面図によって示している。ノイズフィルターのコア部材の一部(1点鎖線で囲んだ部分)を拡大して模式的に描画している。 図2のノイズフィルターの一例を示す斜視図である。ノイズフィルターは、所定方向に沿って延びている。ノイズフィルターの内部構造の輪郭を部分的に破線で描画している。筐体の一部の輪郭を1点鎖線で描画している。ケーブルの一部の輪郭を2点鎖線で描画している。 図3のノイズフィルターの所定方向と直交する平面における断面を示す図である。 図2のノイズフィルターのコア部材の一部を拡大して模式的に示す断面図である。 図2のケーブル及びノイズフィルターの等価回路を示す図である。 図3のノイズフィルターの変形例を示す図である。 本発明の実施例による筐体の一部、ケーブル及びノイズフィルターを模式的に示す斜視図である。ノイズフィルターの内部構造の輪郭を破線で描画している。 図8の実施例におけるケーブル周辺の電界強度分布を示す図である。 図8の実施例におけるノイズの水平偏波成分の周波数特性を示す図である。 図8の実施例におけるノイズの垂直偏波成分の周波数特性を示す図である。
図1を参照すると、本発明の実施の形態によるノイズフィルター10は、導電体からなる筐体60及びケーブル70に取り付けられて使用される。
筐体60は、インバータ装置(電源装置)50を内部に収容している。筐体60は、電源装置50全体を囲んでおり、筐体60の内部に位置する内面64と、筐体60の外部に位置する外面66とを有している。筐体60は、外面66に繋げられた接地線によってグランドされている。筐体60には、通過孔62が形成されている。通過孔62は、筐体60の内部及び外部に開口している。
ケーブル70の一端(内側端702)は、筐体60の内部に収容された電源装置50に接続されている。ケーブル70の他端(外側端706)は、筐体60の通過孔62を通って筐体60から引き出されており、筐体60の外部に位置するモーター等の負荷80に接続されている。即ち、ケーブル70の外側端706は、筐体60の外部に位置している。
本実施の形態の電源装置50は、整流回路510と、直流電源530と、制御回路550と、DC/DCコンバータ560と、ゲートドライバ570と、インバータ主回路590とを備えている。制御回路550は、PWM(pulse width modulation)回路552を有している。整流回路510は、筐体60の外部に位置する交流電源40と、インバータ主回路590との間に接続されている。直流電源530は、制御回路550を経由してインバータ主回路590に接続されており、且つ、DC/DCコンバータ560及びゲートドライバ570を経由してインバータ主回路590に接続されている。PWM回路552は、ゲートドライバ570に接続されている。
上述のように構成された電源装置50は、交流電源40が生成する交流電力の周波数を変換し、ケーブル70を経由して、負荷80に供給する。電源装置50の各回路(DC/DCコンバータ560、インバータ主回路590等)には、SiC(シリコンカーバイド)、GaN(ガリウムナイトライド)等の高速半導体素子を使用したパワー半導体や高速スイッチング素子が使用されている。電源装置50が動作する際、高速半導体素子は、数10MHz~数GHzの高周波数帯に亘るコモンモードノイズ(以下、単に「ノイズ」という。)を生じる。ノイズは、筐体60の内部に放射されると共に、ケーブル70を伝播して筐体60の外部に放射され、ケーブル70周辺の電子機器(図示せず)に悪影響を与える。ノイズフィルター10は、ケーブル70から放射される高周波数帯のノイズを抑制するためのノイズフィルターである。
本実施の形態において、電源装置50は、交流電力の周波数を変換するインバータ装置50であり、ケーブル70は、三相交流電力を伝送する三相ケーブルである。即ち、ケーブル70は、3本の被覆導線74から構成されている。但し、本発明は、これに限らない。例えば、電源装置50は、インバータ装置以外の電源装置であってもよい。電源装置50の回路構造は、本実施の形態に限られない。また、ケーブル70を構成する被覆導線74の本数は3に限られない。
図2は、ケーブル70の3本の被覆導線74のうちの1本の断面を示している。図2を参照すると、ケーブル70の被覆導線74の夫々は、銅等の導電体からなる導電線742と、樹脂等の絶縁体からなる絶縁被覆744とを備えている。絶縁被覆744は、導電線742を覆っている。換言すれば、ケーブル70の被覆導線74の夫々において、導電線742を形成する導電体は、樹脂等の誘電体によって覆われている。図2に示したケーブル70は、筐体60と負荷80との間を直線状に延びている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、ケーブル70は、筐体60と負荷80との間を蛇行するように延びていてもよい。また、ケーブル70は、部分的に直線状に延び、且つ、部分的に弧状に延びていてもよい。
図2及び図3を参照すると、ノイズフィルター10は、全体として中空筒形状を有しており、所定方向(図2及び図3における左右方向)に沿って延びている。ノイズフィルター10は、樹脂等の絶縁体からなる保持部材18と、銅、アルミニウム、導電ゴム等の導電体からなるシールド部材20と、磁性体(複合磁性体)32からなるコア部材30とを備えている。コア部材30は、シールド部材20の内部に収容されている。保持部材18は、所定方向と直交する直交平面において、シールド部材20全体を外側から覆っており、これによりシールド部材20を保持している。
シールド部材20は、被取付け部22と、収容部24と、容量部26とを有している。被取付け部22、収容部24及び容量部26は、所定方向に沿って、この順に並んでいる。換言すれば、収容部24は、所定方向において被取付け部22と容量部26との間に位置している。本実施の形態において、被取付け部22、収容部24及び容量部26は、溶接等によって互いに一体に繋げられ且つ固定されている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、シールド部材20は、充分な導電性を有している限り、導電ゴムからなる成型品であってもよい。
シールド部材20は、第1端202と、第2端204とを有している。第1端202及び第2端204は、所定方向におけるシールド部材20の両端に夫々位置している。第1端202は、被取付け部22の先端に位置しており、第2端204は、容量部26の先端に位置している。シールド部材20は、第1端202と第2端204との間を隙間なく延びており、これにより高い電磁シールド機能を有している。但し、本発明は、これに限られず、シールド部材20には、必要な電磁シールド機能を維持できる程度の僅かな隙間が形成されていてもよい。
図3を参照すると、本実施の形態の被取付け部22は、被接続部222と、突出部224とを有している。被接続部222は、直交平面と平行な矩形の平板形状を有しており、収容部24の所定方向における端部に隙間なく繋がっている。被接続部222の直交平面における中心部には、円形の孔(第1円形孔)が形成されている。突出部224は、円筒形状を有しており、第1円形孔の外縁に隙間なく繋がっている。突出部224は、収容部24から離れるようにして、所定方向に沿って被接続部222から第1端202まで突出している。突出部224は、筐体60の通過孔62に対応した形状及びサイズを有している。詳しくは、通過孔62の内壁面にはネジが形成されており(図示せず)、突出部224の直交平面における外側面には、通過孔62のネジにねじ込み可能なネジ228が形成されている。
本実施の形態の収容部24は、主部242と、平板部244とを有している。主部242は、角筒形状を有しており、被接続部222の直交平面における外縁に隙間なく繋がっている。主部242は、突出部224から離れるようにして、被接続部222から所定方向に沿って第2端204に向かって延びている。平板部244は、直交平面と平行な矩形の平板形状を有しており、主部242の所定方向における端部に隙間なく繋がっている。平板部244の直交平面における中心部には、円形の孔(第2円形孔)が形成されている。本実施の形態の容量部26は、円筒形状を有しており、第2円形孔の外縁に隙間なく繋がっている。容量部26は、収容部24の主部242から離れるようにして、所定方向に沿って平板部244から第2端204まで延びている。
シールド部材20の内部には、受容空間28が形成されている。受容空間28は、被取付け部22、収容部24及び容量部26を所定方向に沿って貫通しており、且つ、第1端202及び第2端204において開口している。受容空間28の直交平面におけるサイズは、所定方向におけるいずれの位置においても、ケーブル70の直交平面におけるサイズよりも大きい。
本実施の形態のシールド部材20は、上述の構造を有している。但し、本発明は、これに限られない。後述するように、シールド部材20の構造は、必要に応じて様々に変形可能である。
図2及び図3を参照すると、本実施の形態のコア部材30は、例えば300μm程度の厚さを有し且つ柔軟に折り曲げ可能なシート状の複合磁性体32を、所定方向と平行な軸の周りに巻回させて形成されている。このようなコア部材30は、所望の形状及びサイズに形成出来る。但し、本発明は、これに限られない。例えば、コア部材30は、複合磁性体32からなる成型品であってもよい。換言すれば、コア部材30は、圧粉磁芯であってもよい。更に、コア部材30の材料は、複合磁性体32に限定されない。例えば、コア部材30は、フェライトからなる成型品であってもよい。
図2及び図5を参照すると、本実施の形態の複合磁性体32は、ゴム、エラストマー、樹脂等からなるバインダ322と、バインダ322中に分散されたFe-Cr-Al-Si系合金、Fe-Si-Al系合金等からなる軟磁性粉末324とを含んでいる。本実施の形態の軟磁性粉末324は、扁平形状を有しており、シート面と平行に配向されている。扁平形状の軟磁性粉末324は、例えば、球形状の軟磁性粉末をボールミルを使用して扁平状に加工することで形成できる。また、シート状の複合磁性体32は、例えば、軟磁性粉末324を液状のバインダ322中に分散させてドクターブレード法によって成膜することで形成できる。
図3及び図4を参照すると、本実施の形態のコア部材30は、円筒形状を有しており、所定方向に沿って延びている。詳しくは、コア部材30は、円柱形状の中心孔36と、円筒形状の外周38とを有している。中心孔36は、直交平面においてコア部材30の中心に位置しており、コア部材30を所定方向に沿って貫通している。中心孔36の直交平面におけるサイズは、所定方向におけるいずれの位置においても、ケーブル70の直交平面におけるサイズよりも大きい。外周38は、中心孔36を中心とし且つ所定方向と直交する径方向において、コア部材30の最も外側に位置している。
本実施の形態のコア部材30は、上述の構造を有している。但し、本発明は、これに限られない。後述するように、コア部材30の構造は、必要に応じて様々に変形可能である。
図2を参照すると、シールド部材20の収容部24は、コア部材30の中心孔36が所定方向に沿って延び且つ直交平面において受容空間28の中心に位置するようにして、コア部材30を全体的に収容している。シールド部材20の被取付け部22及び容量部26は、コア部材30が収容部24に収容された後に、収容部24に接続されている。本実施の形態において、コア部材30は、絶縁性の接着剤等の固定剤によって収容部24の平板部244に固定されている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、収容部24には、コア部材30を径方向に挟み込んで保持する保持部(図示せず)が設けられていてもよい。この場合、コア部材30は、平板部244から離れていてもよい。コア部材30が平板部244から離れている場合、収容部24のうち平板部244の近傍に位置している部位は、容量部26の一部としても機能する。
図3を参照すると、コア部材30は、径方向において収容部24の主部242から離れている。即ち、コア部材30と主部242との間には、受容空間28が位置している。但し、本発明は、これに限られない。例えば、コア部材30と主部242との間の受容空間28は、樹脂等の絶縁体によって埋められていてもよい。一方、コア部材30は、直交平面において主部242の内部と対応する形状及びサイズを有していてもよい。この場合、コア部材30の外周38全体が、主部242の内壁面に押し付けられていてもよい。
図2及び図3を参照すると、ノイズフィルター10は、筐体60及びケーブル70に取り付けて使用する。本実施の形態によれば、ノイズフィルター10は、ケーブル70に取り付けられた後に筐体60に取り付けられる。ノイズフィルター10がケーブル70に取り付けられると、ケーブル70は、シールド部材20の受容空間28及びコア部材30の中心孔36を、所定方向に沿って通過する。次に、被取付け部22の突出部224は、通過孔62にねじ込まれ、通過孔62の内部に位置する。この結果、ノイズフィルター10は、筐体60に取り付けられる。即ち、被取付け部22は、ケーブル70がノイズフィルター10の内部を所定方向に沿って通過するようにして、筐体60に取付可能であり、これにより、ノイズフィルター10は、筐体60及びケーブル70に取付可能である。
図2を参照すると、ノイズフィルター10が筐体60及びケーブル70に取り付けられた被取付状態において、被取付け部22は、筐体60と直接的に接触しており、これにより、シールド部材20は、筐体60を経由してグランドされている。本実施の形態によれば、被取付け部22の突出部224が筐体60にねじ込まれると、被取付け部22の被接続部222は、筐体60の外面66に押し付けられる。本実施の形態によれば、シールド部材20を様々なグランド経路によってグランドできる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、被取付け部22に磁石を設けてもよい。この場合、被取付け部22は、磁力を利用して筐体60に接触させてもよい。また、被取付け部22は、ボルト等の止め具を使用して筐体60に固定してもよい。
被取付状態において、シールド部材20の収容部24及び、容量部26は、筐体60の外部に位置している。但し、収容部24は、被取付け部22を介して筐体60と隙間なく繋がっている。即ち、筐体60の内部から収容部24の内部まで、導電体によって隙間なく囲まれた空間が延びている。換言すれば、筐体60の内部空間は、収容部24内部の受容空間28まで拡張されている。この結果、収容部24に収容されたコア部材30は、容量部26と共に、コア部材30が筐体60の内部に収容された場合と同様に機能する。以下、コア部材30及び容量部26の配置及び機能について詳しく説明する。
被取付状態において、コア部材30及び容量部26は、ケーブル70を囲みつつ互いに隣り合う。詳しくは、被取付状態において、ケーブル70は、所定方向に沿ってコア部材30の中心孔36を通過しており、これにより、コア部材30は、径方向(図3参照)において、ケーブル70の外側に位置している。即ち、コア部材30は、直交平面(図3参照)においてケーブル70(3本の被覆導線74)を囲んでおり、ケーブル70の導電線742の夫々についてインダクタとして機能する。一方、容量部26は、直交平面においてケーブル70(3本の被覆導線74)を囲んでおり、且つ、筐体60にグランドされている。この構造により、容量部26は、ケーブル70の被覆導線74(導電線742及び絶縁被覆744)の夫々と共にキャパシタとして機能する。
図6を参照すると、上述のように配置されたコア部材30及び容量部26は、ローパスフィルタ(RCフィルタ)として機能する。このローパスフィルタは、コア部材30及び容量部26の夫々のサイズを調整することで、1GHzを超える高周波ノイズをカットできる。換言すれば、ノイズフィルター10(ローパスフィルタ)のカットオフ周波数を1GHzを超える値に設定できる。詳しくは、このローパスフィルタにおいて、コア部材30の体積を調整することで、複素比透磁率の虚数成分μ″による等価抵抗成分を調整でき、容量部26がケーブル70を取り巻く面積を調整することで、浮遊容量を数pF~数10pF程度に調整できる。
図2を参照すると、本実施の形態のコア部材30は、例えば複合磁性体32全体に対する軟磁性粉末324の体積占有率を大きくすることによって、1GHzを超える周波数においても、高い虚数成分μ″を維持する。より具体的には、本実施の形態において、ノイズフィルター10のコア部材30(複合磁性体32)の複素比透磁率の虚数成分μ″は、30MHzから3GHzまでの周波数帯域に亘って1以上且つ50以下の高い値を維持する。より好ましくは、コア部材30(複合磁性体32)の複素比透磁率の虚数成分μ″の値は、5以上且つ30以下である。
以上の説明から理解されるように、本実施の形態のノイズフィルター10は、1GHzを超える高周波ノイズを効果的に抑制するRCフィルターを構成可能である。
図2を参照すると、本実施の形態によれば、シールド部材20の被取付け部22は、被取付状態において、少なくとも部分的に筐体60の通過孔62の内部に位置している。特に、本実施の形態によれば、被取付け部22の突出部224は、通過孔62にねじ込まれて、通過孔62の内壁面に密着している。この構造により、筐体60の内部空間を、収容部24の内部まで確実に拡張できる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、突出部224を通過孔62の内部に挿入せず、被取付け部22の被接続部222を筐体60の外面66に密着させてもよい。
筐体60の内部空間を収容部24の内部まで拡張するという観点から、シールド部材20は、本実施の形態のように、第1端202と第2端204との間を隙間なく延びていることが好ましい。特に、収容部24は、被取付け部22と収容部24との間の境界及び収容部24と容量部26との間の境界を除き、コア部材30を完全に囲んでいることが好ましい。換言すれば、収容部24は、直交平面において、コア部材30を隙間なく囲んでいることが好ましい。
コア部材30(複合磁性体32)の複素比誘電率の実数成分ε′は、ケーブル70から発生する電界がコア部材30の内部へ伝搬する量及びコア部材30の内部における電界分布に影響を与える。従って、高周波ノイズを効果的に抑制するという観点から、コア部材30(複合磁性体32)の複素比透磁率の虚数成分μ″に加えて、コア部材30の複素比誘電率の実数成分ε′も、所定の範囲内にあることが好ましい。
詳しくは、図2を参照すると、GHz帯域における実数成分ε′が大きくなると、コア部材30の内部を、径方向(図3参照)及び所定方向によって規定される平面に沿って回る電界EFが発生する。電界EFは、コア部材30の内部に生じる渦電流と同様に機能するため、電界EFが発生すると、コア部材30の内部の磁束が小さくなる。この結果、コア部材30の複素比透磁率の虚数成分μ″の値が好ましい範囲にあったとしても、コア部材30は、インダクタとして十分に機能しないおそれがある。コア部材30のインダクタ機能の劣化を確実に防止するという観点から、コア部材30の複素比誘電率の実数成分ε′は、30MHzから3GHzまでの周波数帯域に亘って1以上且つ200以下であることが好ましい。
図3を参照すると、1GHzを超える高周波ノイズを効果的に抑制するという観点から、所定方向におけるコア部材30の長さは、10mm以上かつ100mm以下であることが好ましく、20mm以上かつ30mm以下であることが更に好ましい。また、シールド部材20の容量部26の長さは、10mm以上かつ100mm以下であることが好ましく、20mm以上かつ50mm以下であることが更に好ましい。
図4を参照すると、1GHzを超える高周波ノイズを効果的に抑制するという観点から、コア部材30の径方向における厚さtは、3mm以上であることが好ましい。また、コア部材30の径方向における外周38に位置するいずれの部位も、収容部24(主部242)と接触しているか、又は、径方向において収容部24(主部242)から5mm以下の距離だけ離れていることが好ましい。換言すれば、外周38と収容部24との間の径方向における距離の最大値(最大距離dmax)は、0mm以上且つ5mm以下であることが好ましい。
図5を参照すると、本実施の形態において、軟磁性粉末324は扁平形状を有している。扁平形状の軟磁性粉末324を使用することで、反磁界による複素比透磁率の低下を極めて小さくできる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、軟磁性粉末324は、球形状を有していてもよい。球形状の軟磁性粉末324を使用することで、より高い周波数において高い複素比透磁率が得られる。
図2を参照すると、シールド部材20は、突出部224を除き、筐体60の外部に位置しており、所定方向に沿って筐体60から離れるようにして延びている。突出部224は、筐体60の通過孔62の内部に位置しているが、筐体60の内部には突出していない。即ち、シールド部材20のいずれの部位も、筐体60の内部に位置していない。仮にシールド部材20の一部が筐体60の内部に位置していた場合、筐体60の内部空間に放射されるノイズは、シールド部材20を伝播して筐体60の外部に放射されるおそれがある。一方、本実施の形態によれば、筐体60の内部空間に放射されるノイズの筐体60の外部へ伝播が防止されている。
図2及び図3を参照すると、本実施の形態によれば、シールド部材20は、接地線等の他の導電部材(図示せず)を介することなく、筐体60の通過孔62の内壁面及び外面66と直接接触している。本実施の形態によれば、シールド部材20を筐体60に確実にグランドでき、且つ、接地線等の他の導電部材によるノイズの放射を防止できる。即ち、ノイズの伝搬経路を増やすことなく、シールド部材20をグランドできる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、シールド部材20の被取付け部22は、突出部224を有しておらず、筐体60から僅かに離れていてもよい。この場合、シールド部材20は、筐体60以外の部材にグランドされていてもよい。
図2を参照すると、ケーブル70は、筐体60の内部を延びる内側部710と、通過孔62の内部に位置する通過部720と、筐体60の外部を延びる外側部730とに分けることができる。ケーブル70の外側部730を、ケーブル70が延びる方向に沿って、筐体60の近傍に位置する筐体側部732と、負荷80の近傍に位置する負荷側部736と、筐体側部732と負荷側部736との間の中間部734とに3等分したとき、ノイズフィルター10は、ケーブル70の内側部710、中間部734及び負荷側部736に取り付けられておらず、通過部720及び筐体側部732のみに取り付けられている。
上述のように、本実施の形態によれば、ケーブル70のうち筐体60の近傍に位置する部位のみを1つのシールド部材20及び1つのコア部材30によって覆うだけでノイズを抑制できる。また、コア部材30は、シールド部材20の収容部24の内部に収容されており、収容部24を含むシールド部材20は、保持部材18に保持されている。本発明によれば、ノイズフィルター10の部材は、このように一体に組み合わされており、ノイズフィルター10は、筐体60の外部に容易に取り付けることができる。
図3を参照すると、本実施の形態によれば、保持部材18は、直交平面において、シールド部材20の収容部24及び容量部26を隙間なく覆っている。この構造によれば、仮に、被取付状態において、シールド部材20が十分にグランドされなかった場合でも、シールド部材20に接触することによる感電を防止できる。
上述した実施の形態は、既に説明した変形例に加えて、更に様々に変形可能である。例えば、図1を参照すると、ノイズフィルター10は、交流電源40と整流回路510との間のケーブルに取り付けてもよい。
図7を参照すると、変形例によるノイズフィルター10Aは、全体として中空筒形状を有しており、所定方向に沿って延びている。ノイズフィルター10は、絶縁体からなる保持部材18Aと、導電体からなるシールド部材20Aと、磁性体32からなるコア部材30Aとを備えている。コア部材30Aの複素比透磁率の虚数成分μ″は、30MHzから3GHzまでの周波数帯域に亘って1以上且つ50以下である。シールド部材20Aは、被取付け部22Aと、収容部24Aと、容量部26Aとを有している。収容部24Aは、所定方向において被取付け部22Aと容量部26Aとの間に位置している。
ノイズフィルター10Aの各部材及び各部位は、2分割されている。詳しくは、ノイズフィルター10Aは、第1分割部材12Aと、第2分割部材14Aとを備えている。第1分割部材12A及び第2分割部材14Aの夫々は、保持部材18Aの一部と、シールド部材20Aの一部と、コア部材30Aの一部とを備えている。
図7から理解されるように、被取付け部22Aは、ケーブル70がノイズフィルター10Aの内部を所定方向に沿って通過するようにして筐体60に取付可能であり、これにより、ノイズフィルター10Aは、筐体60及びケーブル70に取付可能である。詳しくは、第1分割部材12A及び第2分割部材14Aは、所定方向と直交する径方向においてケーブル70を挟むようにして、互いに組み合わせることができる。第1分割部材12A及び第2分割部材14Aが互いに組み合わされた組立状態において、保持部材18Aは、シールド部材20Aを保持している。また、ノイズフィルター10Aが組立状態にあるとき、収容部24Aは、コア部材30Aを収容している。ノイズフィルター10Aが組立状態にあるとき、被取付け部22Aは、筐体60の通過孔62に挿入して取り付けることができる。
ノイズフィルター10Aが筐体60及びケーブル70に取り付けられた被取付状態において、収容部24A及び容量部26Aは、筐体60の外部に位置している。被取付状態において、コア部材30Aは、所定方向と直交する直交平面においてケーブル70を囲んでおり、容量部26Aは、直交平面においてケーブル70を囲んでいる。即ち、ノイズフィルター10Aは、ノイズフィルター10(図3参照)と同様な構造を有しており、これにより、ケーブル70から放射されるノイズを、ノイズフィルター10と同様に抑制できる。また、ノイズフィルター10Aは、ノイズフィルター10よりも更に容易に筐体60及びケーブル70に取り付けることができる。特に、ノイズフィルター10Aは、ケーブル70に容易に着脱できる。
図8を参照すると、本発明の実施例によるノイズフィルター10Xを使用してシミュレーションを行い、これにより、本発明の効果について検証した。以下、検証方法及び検証結果について説明する。
シミュレーションにおいて、電源装置(図示せず)は、本実施の形態の電源装置50(図1参照)と同様に筐体60の内部に収容されており、電源装置50と同様に機能した。筐体60は、グランドされていた。ケーブル70の一端は、筐体60の内部に収容された電源装置に接続されており、ケーブル70の他端は、筐体60の外部に位置していた。詳しくは、ケーブル70のうち筐体60の外部に位置する部位は、所定方向に沿って1mだけ延びていた。
ノイズフィルター10Xは、直方体形状の導体ケース21Xと、円柱形状の容量部材(容量部)26Xと、円柱形状のコア部材30Xとを備えていた。導体ケース21Xは、アルミニウムからなる金属ケースであり、容量部26Xは、銅箔からなる金属筒だった。コア部材30Xは、複合磁性体32からなる磁性シートから形成した。コア部材30Xの複素比透磁率の虚数成分μ″は、30MHzから3GHzまでの周波数帯域に亘って1以上且つ50以下だった。例えば、1GHzの周波数において、複素比透磁率の実数成分μ′は6であり、複素比透磁率の虚数成分μ″は17であり、複素比誘電率の実数成分ε′は150であり、複素比誘電率の虚数成分ε″は14だった。
導体ケース21Xの6面のうちの5面を収容部24Xとして使用し、コア部材30Xを収容した。導体ケース21Xの他の1面を、被取付け部22Xとして使用し、ケーブル70がシールド部材20Xの内部及びコア部材30Xの内部を所定方向に沿って通過するようにして、筐体60の外面66に接触させた。容量部26Xを、ケーブル70が容量部26Xの内部を所定方向に沿って通過するようにして、導体ケース21Xに取り付けた。
上述のように、シミュレーションにおいて、被取付け部22Xは、ケーブル70がノイズフィルター10Xの内部を所定方向に沿って通過するようにして筐体60に取り付けられており、これにより、ノイズフィルター10Xは、筐体60及びケーブル70に取り付けられた被取付状態にあった。被取付状態において、導体ケース21X及び容量部26Xは、互いに固定されてシールド部材20Xを形成していた。即ち、ノイズフィルター10Xは、導電体からなるシールド部材20Xと、磁性体32からなるコア部材30Xとを備えていた。また、シールド部材20Xは、被取付け部22Xと、収容部24Xと、容量部26Xとを有しており、収容部24Xは、所定方向において被取付け部22Xと容量部26Xとの間に位置していた。
被取付状態において、収容部24X及び容量部26Xは、筐体60の外部に位置していた。また、コア部材30Xは、所定方向と直交する直交平面においてケーブル70を囲んでおり、容量部26Xは、直交平面においてケーブル70を囲んでいた。収容部24Xの所定方向における長さは50mmであり、収容部24Xの直交平面におけるサイズは、40mm×40mmだった。容量部26Xの所定方向における長さは40mmであり、容量部26Xの内径φは14mmだった。コア部材30Xの所定方向における長さは30mmだった。コア部材30Xの外径φは30mmであり、コア部材30Xの内径φは14mmだった。即ち、コア部材30Xの径方向における厚さは8mmだった。
上述の電源装置、筐体60、ケーブル70及びノイズフィルター10Xからなる検証モデルを用いて、シミュレーションを行った。シミュレーションにおいて、ノイズフィルター10Xを全く取り付けていない場合(図9から図11において「フィルタなし」と表示)と、ノイズフィルター10Xのうちのコア部材30Xのみをケーブル70に取り付けた場合(図9から図11において「磁性コアのみ」と表示)と、ノイズフィルター10Xを上述のように筐体60及びケーブル70に取り付けた場合(図9から図11において「実施例」と表示)との3つの場合において、夫々、ケーブル70から放射される電界の強度分布と、ノイズの周波数特性とを求めた。
ケーブル70から放射されるノイズに起因して生じる電界の強度分布を、アンシス・インコーポレイテッドのANSYS-HFSS(ANSYSは登録商標)を使用して求めた。図9に、放射周波数=1GHz、入力エネルギー=1Wの場合の、シミュレーション結果を示す。図9から理解されるように、本発明の実施例のノイズフィルター10Xを使用することで、ケーブル70から放射される電界強度を大きく抑制できる。より具体的には、実施例のノイズフィルター10Xを使用した場合、コア部材30Xのみを使用した場合と比較しても、ケーブル70から放射される電界強度が1/10程度に抑制されている。
ケーブル70から放射されるノイズの放射利得[dBi]を、100MHz~3GHzの周波数帯域において求めた。図10に、ノイズの水平偏波成分の放射利得[dBi]を示し、図11に、ノイズの垂直偏波成分の放射利得[dBi]を示す。図10及び図11から理解されるように、実施例のノイズフィルター10Xにより、3GHzまでの殆ど全ての周波数帯域において、10~20dB程度のノイズ抑制効果が確認できた。
以上のシミュレーションからも理解されるように、本発明によれば、ケーブルから放射されるノイズを効果的に抑制するノイズフィルター10Xが得られる。
10,10A,10X ノイズフィルター
12A 第1分割部材
14A 第2分割部材
18,18A 保持部材
20,20A,20X シールド部材
202 第1端
204 第2端
21X 導体ケース
22,22A,22X 被取付け部
222 被接続部
224 突出部
228 ネジ
24,24A,24X 収容部
242 主部
244 平板部
26,26A 容量部
26X 容量部材(容量部)
28 受容空間
30,30A,30X コア部材
32 磁性体(複合磁性体)
322 バインダ
324 軟磁性粉末
36 中心孔
38 外周
40 交流電源
50 インバータ装置(電源装置)
510 整流回路
530 直流電源
550 制御回路
552 PWM回路
560 DC/DCコンバータ
570 ゲートドライバ
590 インバータ主回路
60 筐体
62 通過孔
64 内面
66 外面
70 ケーブル
702 内側端
706 外側端
710 内側部
720 通過部
730 外側部
732 筐体側部
734 中間部
736 負荷側部
74 被覆導線
742 導電線
744 絶縁被覆
80 負荷

Claims (12)

  1. ケーブルから放射されるノイズを抑制するためのノイズフィルターであって、
    前記ケーブルの一端は、筐体の内部に収容された電源装置に接続されており、前記ケーブルの他端は、前記筐体の外部に位置しており、
    前記ノイズフィルターは、絶縁体からなる保持部材と、導電体からなるシールド部材と、磁性体からなるコア部材とを備えており、
    前記保持部材は、前記シールド部材を保持しており、
    前記シールド部材は、被取付け部と、収容部と、容量部とを有しており、
    前記被取付け部は、前記ケーブルが前記ノイズフィルターの内部を所定方向に沿って通過するようにして前記筐体に取付可能であり、これにより、前記ノイズフィルターは、前記筐体及び前記ケーブルに取付可能であり、
    前記収容部は、前記所定方向において前記被取付け部と前記容量部との間に位置しており、且つ、前記コア部材を収容しており、
    前記ノイズフィルターが前記筐体及び前記ケーブルに取り付けられた被取付状態において、前記収容部及び前記容量部は、前記筐体の外部に位置しており、前記コア部材は、前記所定方向と直交する直交平面において前記ケーブルを囲んでおり、前記容量部は、前記直交平面において前記ケーブルを囲んでおり、
    前記コア部材の複素比透磁率の虚数成分μ″は、30MHzから3GHzまでの周波数帯域に亘って1以上且つ50以下である
    ノイズフィルター。
  2. 請求項1記載のノイズフィルターであって、
    前記筐体は、導電体からなり、
    前記被取付け部は、前記被取付状態において、前記筐体と直接的に接触している
    ノイズフィルター。
  3. 請求項1又は請求項2記載のノイズフィルターであって、
    前記筐体には、通過孔が形成されており、
    前記被取付け部は、前記被取付状態において、少なくとも部分的に前記通過孔の内部に位置している
    ノイズフィルター。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれかに記載のノイズフィルターであって、
    前記コア部材は、複合磁性体からなり、
    前記複合磁性体は、バインダと、前記バインダ中に分散された軟磁性粉末とを含んでいる
    ノイズフィルター。
  5. 請求項1から請求項3までのいずれかに記載のノイズフィルターであって、
    前記コア部材は、フェライトからなる
    ノイズフィルター。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれかに記載のノイズフィルターであって、
    前記コア部材の複素比誘電率の実数成分ε′は、30MHzから3GHzまでの周波数帯域に亘って1以上且つ200以下である
    ノイズフィルター。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれかに記載のノイズフィルターであって、
    前記コア部材は、中心孔を有しており、
    前記被取付状態において、前記ケーブルは、前記所定方向に沿って前記中心孔を通過しており、これにより、前記コア部材は、前記中心孔を中心とし且つ前記所定方向と直交する径方向において、前記ケーブルの外側に位置している
    ノイズフィルター。
  8. 請求項7記載のノイズフィルターであって、
    前記コア部材の前記径方向における厚さは、3mm以上である
    ノイズフィルター。
  9. 請求項7又は請求項8記載のノイズフィルターであって、
    前記収容部は、前記直交平面において、前記コア部材を隙間なく囲んでいる
    ノイズフィルター。
  10. 請求項9記載のノイズフィルターであって、
    前記コア部材の前記径方向における外周に位置するいずれの部位も、前記収容部と接触しているか、又は、前記径方向において前記収容部から5mm以下の距離だけ離れている
    ノイズフィルター。
  11. 請求項1から請求項10までのいずれかに記載のノイズフィルターであって、
    前記保持部材は、前記直交平面において、前記シールド部材の前記収容部及び前記容量部を隙間なく覆っている
    ノイズフィルター。
  12. 請求項1から請求項11までのいずれかに記載のノイズフィルターであって、
    前記ノイズフィルターは、第1分割部材と、第2分割部材とを備えており、
    前記第1分割部材及び前記第2分割部材の夫々は、前記保持部材の一部と、前記シールド部材の一部と、前記コア部材の一部とを備えており、
    前記第1分割部材及び前記第2分割部材は、前記所定方向と直交する方向において前記ケーブルを挟むようにして、互いに組み合わせることができる
    ノイズフィルター。
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