JP7340011B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
一般に、タイヤにおいては、車両の走行により静電気が発生する。タイヤに静電気が蓄積されると、ラジオノイズ、火花放電による車両故障等が発生し得るため、タイヤの電気抵抗を下げ、できるだけ帯電を解消することが重要である。そこで、タイヤへの静電気の蓄積を解消するため、サイドウォール及びプライコーティングゴム等のゴム部材に導電性を有するゴムを適用したタイヤが、現在市販されている。
一方、近年、タイヤに対する更なる低燃費化を達成するために、サイドウォールゴム及びプライコーティングゴムの低ロス化(転がり抵抗の低減)の要求がある。かかる低ロス化の手段としては、配合するカーボンブラックの量の低減、カーボンブラックからシリカ等の充填剤への代替等が挙げられる。しかしながら、これらの手段はいずれも、タイヤの導電性の低下をもたらす傾向にある。即ち、タイヤにおける導電性及び低燃費性は、概して二律背反の関係にある。
タイヤの導電性及び転がり抵抗性能を向上させる技術として、例えば、特許文献1は、トレッド部、サイドウォール部及びプライ部において、補強用充填剤中のシリカの含有率は70重量%以上とするとともに、ビード部に接し、サイドウォール部とプライ部との間を経て、トレッド部の接地面まで連続して配置された、固有抵抗値が所定値以下である導電性ゴム層をタイヤの内部に設けることを開示している。
また、例えば、特許文献2は、タイヤにおいて、サイドウォールゴムとカーカスとの間に導電性ゴムにより形成されたサイド導電層を設けるとともに、当該サイド導電層及びリムと接触するリムストリップゴムの外端の高さを高くすることで、通電性能及び低い転がり抵抗性を有しつつタイヤ側方部の剛性を確保できることを開示している。
特開2007-008269号公報 特開2013-226917号公報
しかしながら、特許文献1,2に記載のタイヤのように、サイドウォールゴムとカーカスとの間に導電性ゴム層を設けた場合、これらの部材間の物性差に起因して、タイヤに局所的な変形が生じ、耐久性が悪化する虞がある。かかる局所的な変形は、発熱をもたらす結果、タイヤの低燃費性の悪化にもつながる。そのため、特許文献1,2に記載のタイヤは、耐久性及び低燃費性の向上の点で、改良の余地がある。
更に、特許文献1,2に記載のタイヤは、耐オゾン性を高めるための特段の策が講じられておらず、耐オゾン性の向上の点でも、改良の余地がある。
そこで、本発明の目的は、高い導電性を有しつつ、低燃費性、耐久性及び耐オゾン性に優れる空気入りタイヤを提供することにある。
本発明の空気入りタイヤは、カーカス及びサイドウォールゴムを有し、
前記サイドウォールゴムは、タイヤ外表面にあるサイドウォール最外層ゴムと、前記サイドウォール最外層ゴムよりもタイヤ内表面側にあるサイドウォール内層ゴムとを含む2層以上のゴムが積層されてなり、
前記カーカスは、カーカスコードと、前記カーカスコードを被覆するプライコーティングゴムとを含む少なくとも1枚のカーカスプライからなり、
前記プライコーティングゴムは、体積抵抗率が1×1010Ω・cm以上であり、
前記サイドウォール最外層ゴムは、体積抵抗率が1×1010Ω・cm以上であり、
前記サイドウォール内層ゴムは、体積抵抗率が1×10Ω・cm以下であり、
前記サイドウォール内層ゴムは、最大厚みが0.1mm以上1.2mm以下であり、
前記サイドウォール内層ゴムにおける老化防止剤の質量割合が、1.2質量%以上であり、
前記サイドウォール最外層ゴムにおける老化防止剤の質量割合に対する、前記サイドウォール内層ゴムにおける老化防止剤の質量割合の比(サイドウォール内層ゴムにおける老化防止剤の質量割合/サイドウォール最外層ゴムにおける老化防止剤の質量割合)が、0.7以上2.0以下であり、
前記サイドウォール内層ゴムの動歪1%、25℃における貯蔵弾性率E’swinに対する、前記サイドウォール最外層ゴムの動歪1%、25℃における貯蔵弾性率E’swoutの比(E’swout/E’swin)が、0.57超1.5未満である、ことを特徴とする。
本発明によれば、高い導電性を有しつつ、低燃費性、耐久性及び耐オゾン性に優れるタイヤを提供することができる。
本発明の一実施形態の空気入りタイヤについての、回転軸線を含む平面による左半分の模式断面図である。 本発明の別の実施形態の空気入りタイヤについての、回転軸線を含む平面による左半分の模式断面図である。
以下、本発明の空気入りタイヤを、実施形態に基づき詳細に説明する。
本発明の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」と称することがある)は、カーカス及びサイドウォールゴムを有し、上記サイドウォールゴムは、タイヤ外表面にあるサイドウォール最外層ゴムと、上記サイドウォール最外層ゴムよりもタイヤ内表面側にあるサイドウォール内層ゴムとを含む2層以上のゴムが積層されてなり、上記カーカスは、カーカスコードと、前記カーカスコードを被覆するプライコーティングゴムとを含む。
また、上記プライコーティングゴムは、体積抵抗率が1×1010Ω・cm以上であり、上記サイドウォール最外層ゴムは、体積抵抗率が1×1010Ω・cm以上であり、上記サイドウォール内層ゴムは、体積抵抗率が1×10Ω・cm以下である。
また、上記サイドウォール内層ゴムは、最大厚みが0.1mm以上1.2mm以下である。
また、上記サイドウォール内層ゴムにおける老化防止剤の質量割合は、1.2質量%以上である。
また、上記サイドウォール最外層ゴムにおける老化防止剤の質量割合に対する、前記サイドウォール内層ゴムにおける老化防止剤の質量割合の比(サイドウォール内層ゴムにおける老化防止剤の質量割合/サイドウォール最外層ゴムにおける老化防止剤の質量割合)は、0.7以上2.0以下である。
そして、上記サイドウォール内層ゴムの動歪1%、25℃における貯蔵弾性率E’swinに対する、前記サイドウォール最外層ゴムの動歪1%、25℃における貯蔵弾性率E’swoutの比(E’swout/E’swin)は、0.57超1.5未満である。
本発明の一例のタイヤは、上述した全ての特徴を有するため、高い導電性を有しつつ、低燃費性、耐久性及び耐オゾン性に優れる。
図1は、本発明の一実施形態のタイヤについての、回転軸線を含む平面による左半分の模式断面図である。なお、右半分の断面図は、左半分の断面図と同様の構成であるため、省略した。図1において、タイヤ100は、一対のビード部11と、一対のサイドウォール部12と、トレッド部13とを備え、ビード部11内には、一対のビードコア14が埋設されており、サイドウォール部12には、サイドウォールゴムが配設されている。また、タイヤ100は、トレッド部13からサイドウォール部12を経て、ビードコア14と、ビードコア14の上端からタイヤ半径方向外側に延びるビードフィラー15との廻りをタイヤ軸方向の内側から外側に折り返され、折り返し部によって係止されたカーカス16を備える。このカーカス16は、カーカスコードと、当該カーカスコードを被覆するプライコーティングゴムとを含む1枚又は2枚以上のカーカスプライからなる。そして、タイヤ100は、内側ゴム部材として、カーカス16の内面に沿ってインナーライナーゴム17を備える。
また、タイヤ100は、ビード部11において、リムR上部に位置する導電性ゴム部材としてのガムチェーファー18を備えるとともに、トレッド部13において、カーカス16の外周側に、当該トレッド部13を強化する、ベルト19、キャップレイヤー24、トップアンダークッション25、ベーストレッド26及びキャップトレッド27を、この順で備える。ベルト19は、ベルトコードと、当該ベルトコードを被覆するベルトコーティングゴムとを含む1層又は2層以上のベルトプライからなる。また、サイドウォール部12のサイドウォールゴムは、外表面にあるサイドウォール最外層ゴム41と、当該サイドウォール最外層ゴム41よりもタイヤ内表面側にあるサイドウォール内層ゴム42とが積層されてなり、サイドウォール内層ゴム42は、サイドウォール最外層ゴム41と、カーカス16との間に配置されている。特に、本例においては、サイドウォール内層ゴム42が、サイドウォール最外層ゴム41と、カーカス16との間に、これらに隣接して配置されている。また、サイドウォール内層ゴム42は、少なくとも、ビード部11におけるガムチェーファー18と、トレッド部13におけるトップアンダークッション25とに接している。更に、トレッド部13には、トップアンダークッション25に接し、一部がタイヤ接地面に露出するように、導電性ゴム部材としてのアンテナゴム28が配置されている。
このように、図1に示されるタイヤ100は、リムR上部に位置する導電性ゴム部材、即ちガムチェーファー18と、接地面に露出したアンテナゴム28とが、サイドウォール内層ゴム42及びトップアンダークッション25を介して接続された構造を有する。
そして、タイヤ100においては、プライコーティングゴム、サイドウォール内層ゴム42、及びサイドウォール最外層ゴム41について、上述の通り、体積抵抗率、老化防止剤の質量割合及び貯蔵弾性率E’などの適正化を図ることにより、導電性、低燃費性、耐久性及び耐オゾン性をバランスよく向上させることができる。
また、図2は、本発明の別の実施形態のタイヤについての、回転軸線を含む平面による左半分の模式断面図である。なお、右半分の断面図は、左半分の断面図と同様の構成であるため、省略した。また、図2において、図1と同等の部材については、図1と同じ符号を付した。図2におけるタイヤ200は、サイドウォール内層ゴム42’が、サイドウォール部12からトレッド部13に亘り連続的に設けられ、アンテナゴム28に接続されている点で、図1におけるタイヤ100とは異なる。そして、タイヤ200においても、プライコーティングゴム、サイドウォール内層ゴム42’及びサイドウォール最外層ゴム41について、上述の通り、体積抵抗率、老化防止剤の質量割合及び貯蔵弾性率E’などの適正化を図ることにより、導電性、低燃費性、耐久性及び耐オゾン性をバランスよく向上させることができる。
なお、上述したタイヤにおけるサイドウォール内層ゴムは、サイドウォール最外層ゴムよりもタイヤ内表面側に配置されていれば、図1及び図2に示される構成に限定されない。より具体的に、サイドウォール内層ゴムは、例えば、タイヤ接地面まで直接延在していてもよい。
また、図1及び図2のサイドウォール部12においては、サイドウォールゴムとして、サイドウォール最外層ゴム41及びサイドウォール内層ゴム(42又は42’)の2層が積層されているが、更に1層以上のサイドウォールゴムが積層されていてもよい。
また、上述したタイヤは、図1及び図2に示すように、サイドウォール部12とトレッド部13とに接し、これらの橋渡しの役割を果たすミニサイドウォールゴム23を更に備えてもよい。
以下、上述したタイヤが備える各部材について詳述する。
(カーカス)
上述の通り、カーカスは、カーカスコードと、当該カーカスコードを被覆するプライコーティングゴムとを含む1枚又は2枚以上のカーカスプライからなる。
カーカスコードとしては、特に限定されず、例えば、ナイロン66繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維、ポリエチレン(PE)繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維等の有機繊維による単一撚りコード、及び、上述した異なる有機繊維のコードを複数撚り合わせた複合コードなどが挙げられる。
プライコーティングゴムは、体積抵抗率が1×1010Ω・cm以上である。プライコーティングゴムの体積抵抗率が1×1010Ω・cm未満であると、より多量のカーボンブラックを配合する必要性が生じる結果、タイヤの低燃費性が悪化する虞がある。また、プライコーティングゴムの体積抵抗率は、タイヤの低燃費性をより向上させる観点から、1×1011Ω・cm以上であることが好ましく、1×1012Ω・cm以上であることがより好ましい。
なお、プライコーティングゴムの体積抵抗率の調整は、例えば、カーボンブラックの含有量を調節する等により、行うことができる。
また、本明細書において、プライコーティングゴム等の部材の体積抵抗率は、実施例に記載の手順に従って測定することができる。
プライコーティングゴムは、25℃における損失正接(tanδ)が0.20以下であることが好ましい。上記tanδが0.20以下であれば、タイヤの低ロス性を高め、低燃費性をより向上させることができる。同様の観点から、プライコーティングゴムの25℃におけるtanδは、0.17以下であることがより好ましい。
なお、プライコーティングゴムのtanδの調整は、例えば、カーボンブラック及びシリカ等の充填剤の含有量を調節する、ゴム成分の比率を調節する等により、行うことができる。
また、本明細書において、プライコーティングゴム等の部材のtanδは、実施例に記載の手順に従って測定することができる。
プライコーティングゴムは、動歪1%、25℃における貯蔵弾性率E’pcが、5.0MPa以上10.0MPa以下であることが好ましい。E’pcが上記範囲内であれば、タイヤの耐久性をより向上させることができる。
なお、プライコーティングゴムの貯蔵弾性率の調整は、例えば、充填剤の含有量を調節する、架橋密度を調節する等により、行うことができる。
ここで、タイヤ成形前のカーカスは、カーカスコードを、シート状に加工したプライコーティングゴム用ゴム組成物で挟み込むことで作製することができる。プライコーティングゴム用ゴム組成物は、例えば、ゴム成分、カーボンブラック、シリカ、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤を含むことができる。更に、プライコーティングゴム用ゴム組成物は、上記成分以外に、ワックス、軟化剤、可塑剤、粘着付与剤などの、ゴム部材の製造に一般的に用いられる配合剤等を適宜含むことができる。そして、プライコーティングゴム用ゴム組成物は、バンバリーミキサー、ニーダー、オープンロール等を用いて各成分を混練することにより、調製することができる。
ゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)及び合成ゴムが挙げられる。合成ゴムとしては、例えば、ブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)等が挙げられる。ゴム成分は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリカとしては、例えば、湿式シリカ、乾式シリカ等が挙げられる。シリカは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
加硫促進剤としては、例えば、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N-t-ブチル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド(TBBS)、N-t-ブチル-2-ベンゾチアジルスルフェンイミド(TBSI)等のスルフェンアミド系の加硫促進剤;ジフェニルグアニジン(DPG)等のグアニジン系の加硫促進剤;テトラオクチルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド等のチウラム系加硫促進剤;ジアルキルジチオリン酸亜鉛等の加硫促進剤等が挙げられる。これらの中でも、加硫促進剤としては、CBSが好ましい。加硫促進剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
老化防止剤としては、例えば、N-フェニル-N’-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン(6PPD)、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体(TMDQ)、6-エトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン(AW)、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン(DPPD)、N,N′-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N’-(メチルヘプチル)-p-フェニレンジアミン等が挙げられる。これらの中でも、老化防止剤としては、6PPDが好ましい。老化防止剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、プライコーティングゴムは、カーボンブラックを含有することが好ましい。また、プライコーティングゴムがカーボンブラックを含有する場合、当該カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、耐久性の観点から、20m/g以上であることが好ましく、また、低燃費性の観点から、50m/g以下であることが好ましく、35m/g以下であることがより好ましい。また、プライコーティングゴムにおけるカーボンブラックの含有量は、耐久性の観点から、ゴム成分100質量部に対して30質量部以上であることが好ましく、また、低燃費性の観点から、ゴム成分100質量部に対して50質量部以下であることが好ましい。
また、プライコーティングゴムは、老化防止剤の質量割合が、0.4質量%以上1.0質量%以下であることが好ましい。プライコーティングゴムにおける老化防止剤の質量割合が上記範囲内であれば、タイヤの耐オゾン性をより向上させることができる。
なお、本明細書において、プライコーティングゴム等の部材における老化防止剤の質量割合は、ゴム成分100質量部に対する老化防止剤の部数ではなく、当該部材の全質量に占める老化防止剤の質量の割合を指す。
(サイドウォール内層ゴム)
サイドウォール内層ゴムは、体積抵抗率が1×10Ω・cm以下である。サイドウォール内層ゴムの体積抵抗率が1×10Ω・cm超であると、タイヤから静電気を十分に逃がすことができず、導電性が悪化する虞がある。また、サイドウォール内層ゴムの体積抵抗率は、タイヤの導電性をより向上させる観点から、5×10Ω・cm以下であることが好ましく、3×10Ω・cm以下であることがより好ましく、1×10Ω・cm以下であることが更に好ましい。
なお、サイドウォール内層ゴムの体積抵抗率の調整は、例えば、カーボンブラックの含有量を調節する等により、行うことができる。
サイドウォール内層ゴムは、動歪1%、25℃における貯蔵弾性率E’swinが、3.0MPa以上8.0MPa以下であることが好ましい。E’swinが上記範囲内であれば、タイヤの耐久性をより向上させることができる。
なお、サイドウォール内層ゴムの貯蔵弾性率の調整は、例えば、カーボンブラック及びシリカ等の充填剤の含有量を調節する、カーボンブラックの種類を変更する、シリカの種類を変更する、ゴム成分の比率を調節する、軟化剤の含有量を調節する等により、行うことができる。
サイドウォール内層ゴムは、最大厚みが0.1mm以上1.2mm以下である。サイドウォール内層ゴムの最大厚みが0.1mm未満であると、タイヤから静電気を十分に逃がすことができず、導電性が悪化する虞がある。また、サイドウォール内層ゴムの最大厚みが1.2mm超であると、タイヤの低燃費性が悪化する虞がある。また、サイドウォール内層ゴムの最大厚みは、導電性をより向上させる観点から、0.2mm以上であることが好ましく、0.25mm以上であることがより好ましく、また、低燃費性をより向上させる観点から、1.0mm以下であることが好ましく、0.6mm以下であることがより好ましい。
ここで、タイヤ成形前のサイドウォール内層ゴムは、サイドウォール内層ゴム用ゴム組成物を用い、所定形状に加工して作製することができる。サイドウォール内層ゴム用ゴム組成物は、例えば、ゴム成分、カーボンブラック、シリカ、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤を含むことができる。更にサイドウォール内層ゴム用ゴム組成物は、プライコーティングゴムについて既述した配合剤等を適宜含むことができる。そして、サイドウォール内層ゴム用ゴム組成物は、バンバリーミキサー、ニーダー、オープンロール等を用いて各成分を混練することにより、調製することができる。
ゴム成分、シリカ、加硫促進剤及び老化防止剤の具体例は、プライコーティングゴムについて既述したものと同様である。
なお、サイドウォール内層ゴムは、窒素吸着比表面積25m/g以上75m/g以下のカーボンブラック(I)と、窒素吸着比表面積75m/g超150m/g以下のカーボンブラック(II)とを含有することが好ましい。カーボンブラック(I)及びカーボンブラック(II)を併用することにより、タイヤの導電性及び低燃費性をより良好にバランスさせることができる。同様の観点から、サイドウォール内層ゴム(及びサイドウォール内層ゴム用ゴム組成物)は、窒素吸着比表面積25m/g以上75m/g以下のカーボンブラック(I)を、ゴム成分100質量部に対して10~80質量部、及び、窒素吸着比表面積75m/g超150m/g以下のカーボンブラック(II)を、ゴム成分100質量部に対して5~30質量部含有することが好ましい。
上述したタイヤにおいては、サイドウォール内層ゴムにおける老化防止剤の質量割合が、1.2質量%以上である。サイドウォール内層ゴムにおける老化防止剤の質量割合が1.2質量%未満であると、タイヤの耐オゾン性を向上させることができない虞がある。また、サイドウォール内層ゴムにおける老化防止剤の質量割合は、タイヤの耐オゾン性をより向上させる観点から、1.4質量%以上であることが好ましく、1.8質量%以上であることがより好ましい。また、サイドウォール内層ゴムにおける老化防止剤の質量割合は、他の成分に由来する効果をより十分に発揮させる観点から、5.0質量%以下であることが好ましい。
なお、本明細書において、サイドウォール内層ゴム等の部材における老化防止剤の質量割合は、ゴム成分100質量部に対する老化防止剤の部数ではなく、当該部材の全質量に占める老化防止剤の質量の割合を指す。
(サイドウォール最外層ゴム)
サイドウォール最外層ゴムは、体積抵抗率が1×1010Ω・cm以上である。サイドウォール最外層ゴムの体積抵抗率が1×1010Ω・cm未満であると、より多量のカーボンブラックを配合する必要性が生じる結果、タイヤの低燃費性が悪化する虞がある。また、サイドウォール最外層ゴムの体積抵抗率は、タイヤの低燃費性をより向上させる観点から、1×1011Ω・cm以上であることが好ましく、1×1012Ω・cm以上であることがより好ましい。
なお、サイドウォール最外層ゴムの体積抵抗率の調整は、例えば、カーボンブラックの含有量を調節する等により、行うことができる。
サイドウォール最外層ゴムは、25℃における損失正接(tanδ)が0.15以下であることが好ましい。上記tanδが0.15以下であれば、タイヤの低ロス性を高め、低燃費性をより向上させることができる。同様の観点から、サイドウォール最外層ゴムの25℃におけるtanδは、0.10未満であることがより好ましい。
なお、本明細書において、プライコーティングゴム等の部材のtanδは、実施例に記載の手順に従って測定することができる。
なお、サイドウォール最外層ゴムのtanδの調整は、例えば、カーボンブラック及びシリカ等の充填剤の含有量を調節する、軟化剤の含有量を調節する等により、行うことができる。
サイドウォール最外層ゴムは、動歪1%、25℃における貯蔵弾性率E’swoutが、2.0MPa以上7.0MPa以下であることが好ましい。E’swoutが上記範囲内であれば、タイヤの耐久性をより向上させることができる。
なお、サイドウォール最外層ゴムの貯蔵弾性率の調整は、例えば、カーボンブラック及びシリカ等の充填剤の含有量を調節する、ゴム成分の比率を調節する、架橋密度を調節する等により、行うことができる。
ここで、タイヤ成形前のサイドウォール最外層ゴムは、サイドウォール最外層ゴム用ゴム組成物を用い、所定形状に加工して作製することができる。サイドウォール最外層ゴム用ゴム組成物は、例えば、ゴム成分、カーボンブラック、シリカ、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤を含むことができる。更にサイドウォール最外層ゴム用ゴム組成物は、プライコーティングゴムについて既述した配合剤等を適宜含むことができる。そして、サイドウォール最外層ゴム用ゴム組成物は、バンバリーミキサー、ニーダー、オープンロール等を用いて各成分を混練することにより、調製することができる。
ゴム成分、シリカ、加硫促進剤及び老化防止剤の具体例は、プライコーティングゴムについて既述したものと同様である。
なお、サイドウォール最外層ゴムは、カーボンブラックを含有することが好ましい。また、サイドウォール最外層ゴムがカーボンブラックを含有する場合、当該カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、耐久性の観点から、30m/g以上であることが好ましく、また、低発熱性の観点から、70m/g以下であることが好ましく、55m/g以下であることがより好ましい。また、サイドウォール最外層ゴムにおけるカーボンブラックの含有量は、耐久性の観点から、ゴム成分100質量部に対して10質量部以上であることが好ましく、また、低発熱性の観点から、ゴム成分100質量部に対して50質量部以下であることが好ましい。
また、サイドウォール最外層ゴムは、老化防止剤の質量割合が、0.5質量%以上3.0質量%以下であることが好ましい。サイドウォール最外層ゴムにおける老化防止剤の質量割合が上記範囲内であれば、タイヤの耐オゾン性をより向上させることができる。
なお、本明細書において、サイドウォール最外層ゴム等の部材における老化防止剤の質量割合は、ゴム成分100質量部に対する老化防止剤の部数ではなく、当該部材の全質量に占める老化防止剤の質量の割合を指す。
(サイドウォールゴム)
上述したタイヤにおいては、サイドウォール内層ゴム及びサイドウォール最外層ゴムを含むサイドウォールゴム全体における老化防止剤の質量割合が、1.2質量%以上であることが好ましい。上記質量割合が1.2質量%以上であると、タイヤの耐オゾン性をより向上させることができる。同様の観点から、サイドウォール最外層ゴム及びサイドウォール内層ゴム全体における老化防止剤の質量割合は、1.4質量%以上であることがより好ましい。一方、サイドウォール最外層ゴム及びサイドウォール内層ゴム全体における老化防止剤の質量割合は、他の成分に由来する効果をより十分に発揮させる観点から、4.0質量%以下であることが好ましい。
<部材間における老化防止剤の質量割合の比>
上述したタイヤにおいては、サイドウォール最外層ゴムにおける老化防止剤の質量割合に対する、サイドウォール内層ゴムにおける老化防止剤の質量割合の比(サイドウォール内層ゴムにおける老化防止剤の質量割合/サイドウォール最外層ゴムにおける老化防止剤の質量割合)が、0.7以上2.0以下である。上記質量割合の比が0.7未満であると、サイドウォール内層ゴムにおける老化防止剤が相対的に少ないため、サイドウォール最外層ゴムに存在していた老化防止剤がサイドウォール内層ゴム側に移行して、タイヤの耐オゾン性を悪化させる虞がある。また、上記質量割合の比が2.0超であると、サイドウォール最外層ゴムにおける老化防止剤が相対的に少ないため、タイヤの耐オゾン性が悪化する虞があり、また、プライコーティングゴムの接着性が低下することにより耐久性が悪化する虞もある。また、上記質量割合の比は、タイヤの耐オゾン性及び耐久性をより向上させる観点から、0.75以上であることが好ましく、0.90以上であることがより好ましく、また、1.6以下であることが好ましく、1.3以下であることがより好ましい。
<部材間における貯蔵弾性率の比>
上述したタイヤにおいては、サイドウォール内層ゴムの動歪1%、25℃における貯蔵弾性率E’swinに対する、サイドウォール最外層ゴムの動歪1%、25℃における貯蔵弾性率E’swoutの比(E’swout/E’swin)が、0.57超1.5未満である。上記比が0.57以下又は1.5以上であると、不所望な剛性段差に起因してタイヤに局所的な変形が生じ、耐久性が悪化する虞、及び、変形部分において発熱する結果、タイヤの低燃費性が悪化する虞がある。また、上記比は、耐久性及び低燃費性を良好に保持する観点から、0.6以上であることが好ましく、また、1.2以下であることが好ましい。
なお、本明細書において、各部材の貯蔵弾性率は、実施例に記載の手順に従って測定することができる。
また、上述したタイヤにおいては、プライコーティングゴムの動歪1%、25℃における貯蔵弾性率E’pcに対する、サイドウォール内層ゴムの動歪1%、25℃における貯蔵弾性率E’swinの比(E’swin/E’pc)が、0.5超1.0未満であることが好ましい。上記比が0.5超1.0未満であることで、不所望な剛性段差に起因したタイヤへの局所的な変形の発生を効果的に抑制し、タイヤの耐久性及び低燃費性をより向上させることができる。
更に、上述したタイヤにおいては、上記E’swout、上記E’swin及び上記E’pcが、E’swout<E’swin<E’pcの関係を満たすことが好ましい。上記不等式を満たすことで、不所望な剛性段差に起因したタイヤへの局所的な変形の発生を一層効果的に抑制し、タイヤの耐久性及び低燃費性をより一層向上させることができる。
(空気入りタイヤの製造)
上述したタイヤは、例えば、以下の方法で製造することができる。即ち、あらかじめ所定形状に加工した上述のカーカス、サイドウォール内層ゴム、及びサイドウォール最外層ゴムを、他のタイヤ部材とともにタイヤ成形機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。次いで、この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧する(加硫する)ことにより、タイヤを製造することができる。
なお、プライコーティングゴム、サイドウォール内層ゴム及びサイドウォール最外層ゴムに関し、少なくともカーボンブラックの質量割合は、加硫の直前及び直後において不変であると考えることができる。また、プライコーティングゴム、サイドウォール内層ゴム及びサイドウォール最外層ゴムに関し、老化防止剤の質量割合は、加硫の直前及び直後において変わり得るものの、その差は軽微であるものと考えることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例になんら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更可能である。
(プライコーティングゴム用のゴム組成物の調製)
表1に示す処方にて、バンバリーミキサーを用いて混練を行い、プライコーティングゴム用のゴム組成物を調製した。
Figure 0007340011000001
スチレン-ブタジエンゴム:JSR株式会社製、「JSR1500」
カーボンブラック:キャボット社製、「STERLING V」、N660(窒素吸着比表面積:35m/g)
老化防止剤(RD):大内新興化学工業株式会社製、「ノクラック224(224-S)」、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体
加硫促進剤(DM+NS):大内新興化学工業株式会社製、「ノクセラーDM-P(DM)」(ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド)及び「ノクセラーNS-P(NS)」(N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)の混合品
(サイドウォール最外層ゴム用のゴム組成物の調製)
表2に示す処方にて、バンバリーミキサーを用いて混練を行い、サイドウォール最外層ゴム用のゴム組成物Xを調製した。また、表2に示す処方にて、バンバリーミキサーを用いて混練を行い、サイドウォール最外層ゴム用のゴム組成物Zを調製する。
Figure 0007340011000002
ブタジエンゴム:宇部興産株式会社製、「UBEPOL 150L」
カーボンブラック:旭カーボン株式会社製、「旭#65」、N550(窒素吸着比表面積:42m/g)
シリカ:窒素吸着比表面積・・・105m/g、CTAB比表面積・・・90m/g
老化防止剤(RD+6C):大内新興化学工業株式会社製、「ノクラック224(224-S)」(2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体)及び「ノクラック6C」(N-フェニル-N’-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン)の混合品
DCPD樹脂:日本ゼオン株式会社製、「Quintone1105」
加硫促進剤(CZ):大内新興化学工業株式会社製、「ノクセラーCZ」、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
(サイドウォール内層ゴム用のゴム組成物の調製)
表3に示す処方にて、バンバリーミキサーを用いて混練を行い、サイドウォール内層ゴム用のゴム組成物A、B、C、E、G、H、Iを調製する。
Figure 0007340011000003
ブタジエンゴム:宇部興産株式会社製、「UBEPOL 150L」
カーボンブラック1:旭カーボン株式会社製、「旭#65」、N550(窒素吸着比表面積:42m/g)
カーボンブラック2:三菱化学株式会社製、「DIABLACK N234」、N234(窒素吸着比表面積:123m/g)
DCPD樹脂:日本ゼオン株式会社製、「Quintone1105」
老化防止剤(RD+6C):大内新興化学工業株式会社製、「ノクラック224(224-S)」(2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体)及び「ノクラック6C」(N-フェニル-N’-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン)の混合品
加硫促進剤(CZ):大内新興化学工業株式会社製、「ノクセラーCZ」、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
(空気入りタイヤの作製)
上述のようにして得られた各ゴム組成物を、表4に示す通りの組み合わせにて、所定形状に加工してそれぞれの部材に適用する。そして、これら部材を、ガムチェーファー、アンテナゴム等の他のタイヤ部材とともに成形し、次いで、常法に従い加硫を行うことで、図1に示す構造を有する空気入りタイヤを作製する。なお、カーカスコードとしては、ナイロン66繊維による単一撚りコードを用いる。
そして、空気入りタイヤにおけるプライコーティングゴム、サイドウォール内層ゴム及びサイドウォール最外層ゴムの体積抵抗率、貯蔵弾性率及び損失正接(tanδ)の測定手順は、以下の通りである。結果を表4に示す。
<体積抵抗率>
各例の空気入りタイヤにおける対象部材から、70mm×10mm×2mmの試験片を採取する。この試験片について、ADVANTEST社製「R8340」を用い、JIS K 6271(2008)に準拠して、各部材の体積抵抗率を測定する。
<貯蔵弾性率及びtanδ>
各例の空気入りタイヤにおける対象部材から、50mm×5mm×2mmの試験片を採取する。この試験片について、上島製作所株式会社製スペクトロメーターを用いて、初期歪2%、動歪1%、周波数52Hzの条件下で、25℃における貯蔵弾性率(E’)及び損失正接(tanδ)を測定する。なお、tanδは、プライコーティングゴム及びサイドウォール内層ゴムのみで測定する。
(評価)
各例の空気入りタイヤの導電性、低燃費性、耐オゾン性及び耐久性を、以下の手順に従ってそれぞれ評価する。結果を表4に示す。
<導電性>
内圧2.0MPa及び荷重4.7kNの条件で、各例の空気入りタイヤのトレッド部分を鉄板に設置させ、リム部と鉄板間の体積抵抗率を印加電圧100Vで測定する。比較例1のタイヤの体積抵抗率を100として、各例のタイヤの体積抵抗率を指数表示する。
指数値が小さいほど、導電性に優れることを示す。より具体的に、指数値が90以下であれば、導電性が良好であるものと判断される。
<低燃費性>
各例の空気入りタイヤを、回転ドラムにより80km/hrの速度で回転させ、荷重を4.82kNとして、転がり抵抗を測定する。比較例1のタイヤの転がり抵抗の逆数を100として、各例のタイヤの転がり抵抗を指数表示する。
指数値が大きいほど、転がり抵抗が低く、低燃費性に優れることを示す。より具体的に、指数値が93以上であれば、低燃費性が良好であるものと判断される。
<耐オゾン性>
各例の空気入りタイヤを適用リム(サイズ;15×6J)に装着し、内圧240kPaとして、タイヤをオゾン濃度30pphmで60km/mの速度で300時間走行させる。走行後のタイヤサイドの最大歪部におけるクラック面積を、Lumos製X-Loupeにて測定する。比較例1のタイヤのクラック面積の逆数を100として、各例のタイヤのクラック面積を指数表示する。
指数値が大きいほど、耐オゾン性に優れることを示す。より具体的に、指数値が94以上であれば、耐オゾン性が良好であるものと判断される。
<耐久性>
各例の空気入りタイヤを適用リム(サイズ;15×6J)に装着し、内圧240kPaとして、荷重4.17kN、速度89km/h、38℃の条件でドラム走行テストを行い、故障発生までの走行距離を測定する。比較例1のタイヤの走行距離を100として、各例のタイヤの走行距離を指数表示する。
指数値が大きいほど、耐久性に優れることを示す。より具体的に、指数値が98以上であれば、耐久性が良好であるものと判断される。
<総合評価>
各例について、上記の評価結果より、導電性の評価にかかる体積抵抗率の指数値が90以下であり、低燃費性の評価にかかる転がり抵抗の指数値が93以上であり、耐オゾン性の評価にかかるクラック面積の指数値が94以上であり、且つ、耐久性の評価にかかるタイヤの走行距離の指数値が98以上である場合には、総合評価を○とし、少なくとも1つの指数値が基準を満たしていない場合には、総合評価を×とする。
Figure 0007340011000004
表4より、本願発明に従う実施例の空気入りタイヤは、比較例のタイヤに比べ、導電性、耐久性、低燃費性及び耐オゾン性のいずれもが良好であることが分かる。
本発明によれば、高い導電性を有しつつ、低燃費性、耐久性及び耐オゾン性に優れるタイヤを提供することができる。
100,200:タイヤ、 11:ビード部、 12:サイドウォール部、 13:トレッド部、 14:ビードコア、 15:ビードフィラー、 16:カーカス、 17:インナーライナーゴム、 18:ガムチェーファー、 19:ベルト、 23:ミニサイドウォールゴム、 24:キャップレイヤー、 25:トップアンダークッション、 26:ベーストレッド、 27:キャップトレッド、 28:アンテナゴム、 41:サイドウォール最外層ゴム、 42,42’:サイドウォール内層ゴム、 R:リム

Claims (5)

  1. カーカス及びサイドウォールゴムを有する空気入りタイヤであって、
    前記サイドウォールゴムは、タイヤ外表面にあるサイドウォール最外層ゴムと、前記サイドウォール最外層ゴムよりもタイヤ内表面側のサイドウォール内層ゴムとを含む2層以上のゴムが積層されてなり、
    前記カーカスは、カーカスコードと、前記カーカスコードを被覆するプライコーティングゴムとを含む少なくとも1枚のカーカスプライからなり、
    前記プライコーティングゴムは、体積抵抗率が1×1010Ω・cm以上であり、
    前記サイドウォール最外層ゴムは、体積抵抗率が1×1010Ω・cm以上であり、
    前記サイドウォール内層ゴムは、体積抵抗率が1×10Ω・cm以下であり、
    前記サイドウォール内層ゴムは、最大厚みが0.1mm以上1.2mm以下であり、
    前記サイドウォール内層ゴムにおける老化防止剤の質量割合が、1.2質量%以上であり、
    前記サイドウォール最外層ゴムにおける老化防止剤の質量割合に対する、前記サイドウォール内層ゴムにおける老化防止剤の質量割合の比(サイドウォール内層ゴムにおける老化防止剤の質量割合/サイドウォール最外層ゴムにおける老化防止剤の質量割合)が、0.7以上2.0以下であり、
    前記サイドウォール内層ゴムの動歪1%、25℃における貯蔵弾性率E’swinに対する、前記サイドウォール最外層ゴムの動歪1%、25℃における貯蔵弾性率E’swoutの比(E’swout/E’swin)が、0.57超1.5未満であり、
    前記プライコーティングゴムの動歪1%、25℃における貯蔵弾性率E’ pc に対する、前記E’ swin の比(E’ swin /E’ pc )が、0.5超1.0未満である、
    ことを特徴とする、空気入りタイヤ。
  2. 前記E’swout、前記E’swin及び前記E’pcが、E’swout<E’swin<E’pcの関係を満たす、請求項に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記サイドウォール最外層ゴムの25℃におけるtanδが0.10未満である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記プライコーティングゴムの25℃におけるtanδが0.20以下である、請求項1~のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記サイドウォール内層ゴムが、窒素吸着比表面積25m/g以上75m/g以下のカーボンブラック(I)を、ゴム成分100質量部に対して10~80質量部、及び、窒素吸着比表面積75m/g超150m/g以下のカーボンブラック(II)を、ゴム成分100質量部に対して5~30質量部含有する、請求項1~のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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