JP7339816B2 - エキスパンションジョイントの床構造 - Google Patents
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Description
特許文献1記載の床構造では、2つの建物に亘って架設されて当該両建物の相対変位を許容しながら隙間の中央部にガイドレールを保持する中央維持機構を備え、そのガイドレールの両側に床パネルが夫々設けられている。更に、夫々の床パネルの一端側は、中央部に保持されるガイドレールにおいて両建物間での遠近方向に対して平面視で交差するずれ方向に沿ってスライド自在の支持されている。一方、その反対側である床パネルの他端側は、それが載置される建物の床部に設けられた支持レールにより、摺動方向が上記遠近方向に沿ったものに制限されている。
前記床パネルの一端側を前記2つの建物間での遠近方向と平面視で交差するずれ方向に沿ってスライド自在に支持するスライド支持部と、
前記床パネルの他端側が載置される前記建物の床部に設置されて、前記床パネルに対して前記遠近方向に沿った摺動を許容しながら前記遠近方向に対して平面視で交差するずれ方向に沿った変位を規制する規制摺動部と、を備えると共に、
前記規制摺動部が、前記床パネルに前記遠近方向に沿って形成された幅狭の切込部と、前記建物の床部に前記遠近方向に沿って立設されて前記切込部に挿入される幅狭の突起部と、を有して構成され、
前記床パネルの他端側に、前記切込部を隣接間に介在させた状態で前記切込部よりも幅広の多数の櫛歯を並設してなる櫛状部が形成されており、
前記突起部は、前記切込部と同じ幅狭で、前記ずれ方向に幅広の前記櫛歯に対応する広い間隔を置いて前記床部に多数立設されている点にある。
更に、床パネルの他端部が載置される建物の床部に設けられる規制摺動部が、レール等を利用することなく、床パネルに形成された切込部に対して突起部を挿入させる形態で、当該床パネルに対して上記遠近方向に沿った摺動を許容しながら上記ずれ方向に沿った変位を規制することができる。
しかも、多数の櫛歯の側面と多数の突起部の側面とが当接する形態で、これら当接部での応力集中を回避しながら、床パネルに対して上記ずれ方向に沿った変位を確実に規制することができる。
前記床パネルが、前記スライド支持部を前記センターフレームに設置する状態で、当該センターフレームを前記遠近方向で挟む両側に設けられている点にある。
図1は、2つの建物1,2の間の隙間3の幅(建物1,2間の距離)が通常時の幅となる通常状態でのエキスパンションジョイントの床構造100(以下、「本床構造100」と呼ぶ。)の状態を示しており、図2は、同隙間3の幅が上記通常状態と比べて縮小した近接状態での本床構造100の状態を示しており、図3は、同隙間3の幅が上記通常状態と比べて拡大した離間状態での本床構造100の状態を示しており、図4は、2つの建物1,2が平面視で建物1,2間での遠近方向Xと直交する方向にずれたずれ状態での本床構造100の状態を示している。
このように両建物1,2の隙間3の中央部に保持されるセンターフレーム51の両側に床パネル10が夫々設けられているので、両建物1,2の隙間3が広い場合であっても、夫々の床パネル10を半分以下の幅となる小型なものとしながら、夫々の床パネル10の幅を同じ幅に揃えて意匠性を向上することができる。
更に、規制摺動部30は、レール等を利用するものではなく、床パネル10に遠近方向Xに沿って形成された切込部11bと、建物1,2の床部7に遠近方向Xに沿って立設されて切込部11bに挿入される突起部32aと、を有して構成されている。
そして、規制摺動部30は、センターフレーム51に対向する面が、上記床パネル10が挿入される挿入口31aとして開放されている箱状の鞘パネル31として構成されており、かかる鞘パネル31の上面が建物1,2の床部7と面一となるように、当該鞘パネル31が建物1,2側に固定されている。かかる鞘パネル31の内部には、遠近方向Xに延びる空間である鞘部32をずれ方向Yに沿って多数並設して形成されている。かかる多数の鞘部32は、遠近方向Xに沿って延びる突起部32aをずれ方向Yに沿って複数並設して、夫々の突起部32aの隣接間に夫々が形成されている。このような鞘パネル31は、上記突起部32aを内部に配置して上面及び上記挿入口31a側の面が開放された箱状の本体部材31Bと、当該本体部材31Bに対して上面を覆う状態で固定された蓋部材31Aとで構成することができる。
次に、上述した夫々の実施形態で利用してセンターフレーム保持機構部50の詳細構成について、図6~図8に基づいて説明を加える。
尚、図6は、2つの建物1,2の間の隙間3の幅(建物1,2間の距離)が通常時の幅となる通常状態でのセンターフレーム保持機構部50の状態を示しており、図7は、同隙間3の幅が上記通常状態と比べて縮小した近接状態でのセンターフレーム保持機構部50の状態を示しており、図8は、同隙間3の幅が上記通常状態と比べて拡大した離間状態でのセンターフレーム保持機構部50の状態を示している。
両建物1,2の夫々には、第1連結梁55及び第2連結梁57がそれぞれ複数架け渡されている。
第1連結梁55はセンターフレーム51を構成するセンターフレーム51の長手方向に沿って複数設けられ、隣接する第1連結梁55同士はセンターフレーム51の長手方向に対して傾斜する角度が異なるように配置されている。
一方、図6に示す地震力が作用していない平常時の通常状態から、建物1,2に地震による水平力が作用して、建物1,2がそれぞれ互いに離れる方向に相対変位した場合、建物1,2の位置関係は図8に示す離間状態になる。
つまり、図6に示す通常状態から図7に示す近接状態や図8に示す離間状態に状態変化すると、第1連結梁55の両端部の可動軸56が建物1,2に設けられたレール6に沿ってスライドし、第1連結梁55がセンターフレーム51の枢支部52を中心に回動し、また、建物1,2に設けられた可動軸58が第2連結梁57に沿ってスライドする。このとき、枢支部52は、第1連結梁55の軸方向の中心に配置されているため、センターフレーム51は建物1と建物2との隙間3の中心に保持される。
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
2 建物
3 隙間
5 連絡部
7 床部
10 床パネル
11 櫛状部
11a 櫛歯
11b 切込部
20 スライド支持部
30 規制摺動部
31 鞘パネル
32 鞘部
32a 突起部
50 センターフレーム保持機構部
51 センターフレーム
100 床構造
X 遠近方向
Y ずれ方向
Claims (3)
- 隣接する2つの建物の間を連絡する連絡部において当該両建物の床部の間の隙間を覆う状態で設けられた床パネルを備えたエキスパンションジョイントの床構造であって、
前記床パネルの一端側を前記2つの建物間での遠近方向と平面視で交差するずれ方向に沿ってスライド自在に支持するスライド支持部と、
前記床パネルの他端側が載置される前記建物の床部に設置されて、前記床パネルに対して前記遠近方向に沿った摺動を許容しながら前記遠近方向に対して平面視で交差するずれ方向に沿った変位を規制する規制摺動部と、を備えると共に、
前記規制摺動部が、前記床パネルに前記遠近方向に沿って形成された幅狭の切込部と、前記建物の床部に前記遠近方向に沿って立設されて前記切込部に挿入される幅狭の突起部と、を有して構成され、
前記床パネルの他端側に、前記切込部を隣接間に介在させた状態で前記切込部よりも幅広の多数の櫛歯を並設してなる櫛状部が形成されており、
前記突起部は、前記切込部と同じ幅狭で、前記ずれ方向に幅広の前記櫛歯に対応する広い間隔を置いて前記床部に多数立設されているエキスパンションジョイントの床構造。 - 前記規制摺動部が、前記突起部を隣接間に介在させた区画状態で多数の鞘部を並設してなる箱状の鞘パネルで構成されている請求項1に記載のエキスパンションジョイントの床構造。
- 前記2つの建物に亘って架設されて当該両建物の相対変位を許容しながら前記2つの建物間での遠近方向における中央部にセンターフレームを保持するセンターフレーム保持機構部を備え、
前記床パネルが、前記スライド支持部を前記センターフレームに設置する状態で、当該センターフレームを前記遠近方向で挟む両側に設けられている請求項1又は2に記載のエキスパンションジョイントの床構造。
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