JP7339235B2 - 高周波コネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、高周波コネクタに関する。
シールド電線(ケーブル)を用いて伝送される電気信号の高周波化に伴って、このケーブルに接続される高周波コネクタにも高周波特性の向上の要求が高まっている。
例えば特許文献1に開示される同軸コネクタ(高周波コネクタ)は、同軸ケーブル(ケーブル)の端末に、金属体と一体化された誘電体(インナハウジング)に収容された内導体端子(インナ端子)が、同軸ケーブルの信号導体(芯線)に接続されている。また、金属体と一体化された誘電体を収容した外導体端子が、同軸ケーブルのシールド導体(編組)に接続されている。金属体の内部には、同軸ケーブルの絶縁体が、挿入されている。また、金属体の外周には、シールド導体が配置されており、シールド導体と共に、外導体端子の編組圧着片(編組加締め片)が加締められている。尚、外導体端子の外皮圧着片は、同軸ケーブルのシース(被覆)に加締められる。
また、特許文献2に開示されるコネクタ(高周波コネクタ)は、内部端子の外側に設けられた外部端子を有するL形の同軸端子と、同軸端子をシールドするシールド部材と、内部に同軸端子及びシールド部材を収容するL形の端子収容部が設けられたハウジングとを備えている。シールド部材は、同軸端子のL形に屈曲した部分の内側に形成された隙間を覆うことにより、コネクタのシールド効果を高めることができる。
特開2003-317882号公報 特開2019-185858号公報
しかしながら、従来の同軸ケーブルの端末に接続された外導体端子の接続構造においては、特許文献1の図4(又は、特許文献2の図7)で示されているように、軸方向において、外導体端子の本体筒部(外部端子の支持部)の後方の端縁と、シールド導体を加締めた外導体端子の編組圧着片(外部導体バレル)における前方の端縁との間に、本体筒部と編組圧着片を連結する連結部相当の隙間が生じている。この隙間により、同軸ケーブルと外導体端子の間で、ノイズの遮蔽性能が低下することが懸念される。また、シールド回路を構成する本体筒部、連結部、編組圧着片及びシールド導体には、電流が流れ磁界が発生し、同時に、戻り電流が流れ反対向きに磁界が発生する。その結果、電流による磁界と戻り電流による反対向きの磁界がお互いに打ち消し合うことになるが、連結部は、上下方向における下方側にのみ存在するものである(断面で完全な円周状でない)。このため、戻り電流は、下方側にのみ存在する連結部に偏って(集中して)流れることとなり、軸方向での電流に偏りが生じる。この偏りにより、同軸ケーブルと外導体端子の間で、伝送性能の低下が懸念される。その結果、ノイズの遮蔽性能の低下、および、伝送性能の低下により、通信回路における通信性能の低下が懸念される。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、ノイズの遮蔽性能の低下、および、伝送性能の低下を抑制することにより、通信性能を向上させた高周波コネクタを提供することにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 芯線を覆う絶縁体の外周が編組により覆われたケーブルの前記芯線に接続されるインナ端子と、インナ端子収容室に前記インナ端子を収容するインナハウジングと、前記インナハウジングの外周を覆う筒状のシールド本体と、前記編組の上から加締められる編組加締め片を有する加締め部材と、前記絶縁体と前記編組との間に挿入される筒状の編組覆われ部を有するとともに前記編組覆われ部から延出して前記インナハウジングの外周と前記シールド本体の内周との間に挿入される嵌入部を有することにより前記編組加締め片と前記シールド本体との間の隙間を覆う筒状のシールドスリーブと、を備え、前記シールド本体と前記加締め部材とは互いに別体であり、前記シールド本体の後方の端縁と、前記加締め部材の前方の端縁である前記編組加締め片の前方の端縁との間に周状の前記隙間が生じるように、前記加締め部材が前記シールド本体の後方に配置されていることを特徴とする高周波コネクタ。
上記(1)の構成の高周波コネクタによれば、ケーブルの端末に接続されたインナ端子が、インナハウジングのインナ端子収容室に収容される。インナハウジングの外周が、筒状のシールド本体により覆われる。ケーブルは、インナ端子が接続される芯線の外周が絶縁体により覆われ、絶縁体の外周がさらに編組により覆われている。
ケーブルは、編組が加締め部材の編組加締め片により加締め付けられる。ケーブルは、編組と絶縁体との間に、筒状に形成されたシールドスリーブの編組覆われ部が挿入されている。即ち、編組は、編組覆われ部と編組加締め片とに挟まれて、編組覆われ部に加締め付けられている。
この編組覆われ部を有したシールドスリーブは、編組覆われ部と反対側が嵌入部としてインナハウジングとシールド本体との間に挿入されている。これにより、シールドスリーブは、シールド本体の後方の端縁と編組加締め片の前方の端縁との間に生じている周状の隙間を埋めている(周状に連結している)。
よって、本構成の高周波コネクタによれば、従来構造のように、シールド回路を構成するシールド本体と編組加締め片に、戻り電流が流れる際、下方側にのみ存在する連結部に変位して(集中して)戻り電流が流れることがなくなる。即ち、本構成の高周波コネクタでは、軸方向での電流の偏りをなくすことにより、ケーブルとシールド本体との間における伝送性能の低下を抑制できる。
これに加え、本構成の高周波コネクタでは、シールド本体と加締め部材との間に生じる隙間がシールドスリーブの嵌入部により埋められることにより、隙間からのノイズの出入りも防止でき、これによってノイズの遮蔽性能の低下を抑制できる。
その結果、本構成の高周波コネクタによれば、伝送性能の低下、および、ノイズの遮蔽性能の低下を抑制することにより、通信回路における通信性能を向上させることができる。
(2) 前記シールド本体における芯線導出側の後部には、前後方向に延びる一対の平行な起立片を幅方向に間隔を開けて対向するように切り起こしたことによる孔が形成され、前記嵌入部が、前記孔を塞いでいることを特徴とする上記(1)に記載の高周波コネクタ。
上記(2)の構成の高周波コネクタによれば、シールド本体の後部に、シールドスリーブの嵌入部が挿入される。そして、このシールド本体とシールドスリーブとが一体化された状態においては、シールドスリーブの嵌入部が、起立片を切り起こしたことによりシールド本体に形成された孔を塞いでいる。なお、起立片は、例えばシールド本体をアウタハウジングに装着する際に、シールド本体の芯線回りの回転方向の向きを規制するスタビライザを構成することができる。
よって、本構成の高周波コネクタでは、起立片を切り起こしたことによる孔からのノイズの出入りを防止でき、起立片を切り起こしたことによるノイズの遮蔽性能の低下を防止し、通信回路における通信性能を向上させることができる。
(3) 前記孔は、前記孔のさらに後方が前記シールド本体の周方向に延在する周状接続部により閉じられ、前記周状接続部が、前記嵌入部の外周に接触して電気的に接続していることを特徴とする上記(2)に記載の高周波コネクタ。
上記(3)の構成の高周波コネクタによれば、起立片を切り起こしたことによるシールド本体の孔は、後方が周状接続部により閉じられており、シールド本体の後端部側が開口した切欠き孔とはならない。即ち、シールド本体の後端部には、周状接続部が設けられることにより、シールド本体とインナハウジングとの間にシールドスリーブの嵌入部が嵌入すると、周状接続部が嵌入部の外周に周方向で電気的に接続(接地)する。そこで、本構成の高周波コネクタでは、起立片を切り起こしたことによる孔が形成されているにも関わらず、シールド本体の後端部における周状接続部とシールドスリーブの嵌入部とが周方向に全周で接触することにより、電気的接続における抵抗を均一化(電位差がおきない)させ、電気的な接続性能を向上させることができる。
(4) 前記インナハウジングの外周には、軸線に沿う方向の中間に大径部が形成され、前記大径部は、前方が傾斜状の当接部となるとともに後方が垂直な被押圧部となり、前記シールド本体には、前部との境が被当接部となって前記大径部が嵌入する拡径部が形成され、前記シールド本体の前記拡径部に挿入された前記インナハウジングは、前記当接部が前記被当接部に当接するとともに、前記被押圧部が前記シールドスリーブの前記嵌入部に形成された押圧部に押圧されることを特徴とする上記(1)~(3)のいずれか一つに記載の高周波コネクタ。
上記(4)の構成の高周波コネクタによれば、インナハウジングがシールド本体に挿入されると、インナハウジングの大径部に形成される前方の当接部が、シールド本体の拡径部の内部における被当接部に当接し、それ以上の挿入が規制される。インナハウジングが挿入されたシールド本体に、後部からシールドスリーブの嵌入部が嵌入されると、嵌入部の嵌入方向先端となる押圧部が、インナハウジングにおける大径部の後方に形成されている被当接部を嵌入方向に押圧する。この状態で、シールドスリーブは、シールド本体に圧入等により一体に固定される。
即ち、インナハウジングは、当接部および被当接部と、押圧部および被押圧部とが当接し、シールド本体とシールドスリーブとが一体化することにより、シールド本体とシールドスリーブの内部でガタつきなく収容される。
これにより、本構成の高周波コネクタは、相手コネクタと嵌合され、車両に搭載された状態において、車両走行時等の振動が加わったとしても、インナハウジングのガタつきが抑制される。その結果、インナ端子と相手端子の接続構造において、端子同士の微摺動摩耗を抑制でき、電気接続信頼性の低下を抑制できる。
(5) 前記シールドスリーブは、L字状に屈曲されることを特徴とする上記(1)~(4)のいずれか一つに記載の高周波コネクタ。
上記(5)の構成の高周波コネクタによれば、シールドスリーブがL字状に屈曲されることで、シールド本体と、ケーブルの端末が接続される加締め部材とが互いに直交する。そこで、ケーブルの引き出し方向をシールド本体に対して直交する方向へ規制することができる。
これにより、例えば略L字形に形成されたアウタハウジングにシールドアッセンブリが装着された高周波コネクタを容易に構成することができる。その結果、全長に亘って連続的に完全な筒形を維持しつつ略L字形に屈曲させる形成の困難な外導体端子(外部端子)を用いる必要がなくなる。
本発明に係る高周波コネクタによれば、ノイズの遮蔽性能の低下、および、伝送性能の低下を抑制することにより、通信性能を向上することができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
(a)は本発明の一実施形態に係る雄高周波コネクタと雌高周波コネクタの嵌合前の斜視図、(b)は(a)の嵌合後の斜視図である。 (a)は図1に示した雌高周波コネクタの分解斜視図、(b)は図1に示した雄高周波コネクタの分解斜視図である。 嵌合した雌高周波コネクタと雄高周波コネクタの芯線に沿う方向の断面図である。 図2の(a)に示した雌シールドアッセンブリの分解斜視図である。 図2の(b)に示した雄シールドアッセンブリの分解斜視図である。 (a)は雌シールドアッセンブリが取り付けられたケーブルの側面図、(b)は(a)の芯線に沿う方向の断面図である。 (a)は雌インナハウジングが組み付けられる前の雌シールド本体の断面図、(b)は雌シールドスリーブが組み付けられる前の雌シールド本体および雌インナハウジングの断面図、(c)は雌インナハウジングが組み付けられ雌シールドスリーブが嵌入された雌シールド本体の断面図である。 ケーブルの端末に取り付けられた雌シールド本体と雌加締め部材の芯線に沿う方向の要部断面図である。 本発明の他の実施形態に係る雌高周波コネクタの分解斜視図である。 図9に示した雌シールドアッセンブリの分解斜視図である。 図10に示した雌シールドアッセンブリが取り付けられたケーブルの芯線に沿う方向の断面図である。
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照して説明する。
図1の(a)は本発明の一実施形態に係る雄高周波コネクタ21と雌高周波コネクタ23の嵌合前の斜視図、図1の(b)は図1の(a)の嵌合後の斜視図である。
本実施形態に係る高周波コネクタは、ケーブル11の端末に取り付けられて、高周波コネクタ付きケーブルとして使用される。ケーブル11としては、例えば同軸ケーブルが用いられる。
なお、雄高周波コネクタ21と雌高周波コネクタ23の説明において、同一の構成部材には同一の符号を付して説明する部分がある。
[同軸ケーブル]
ケーブル11は、中心側より、芯線13、絶縁体15、編組17、および被覆19より構成される(図3,4参照)。導電性を有する芯線13は、単線、複数の素線を撚った撚り線のいずれであってもよい。絶縁体15は、電気絶縁性を有して芯線13を覆う。編組17は、導電性を有して絶縁体15の外周を覆う。被覆19は、電気絶縁性を有して編組17の外周を覆う。
なお、本実施形態において、ケーブル11は、編組17を有する同軸ケーブルであるが、編組17を有するケーブルであればその他の構成は限定されない。
ケーブル11に接続される高周波コネクタは、図1に示すように、雄高周波コネクタ21と、雌高周波コネクタ23とに分けられる。本実施形態に係る高周波コネクタは、雄高周波コネクタ21及び雌高周波コネクタ23のいずれにも用いることができる。発明に係る構成の主要部は、雄高周波コネクタ21と雌高周波コネクタ23とでほぼ同一である。以下の説明では、主に雌高周波コネクタ23を代表例として本発明に係る構成の主要部を説明する。先ず、雄高周波コネクタ21の概略を説明する。
[雄高周波コネクタ]
図2の(a)は図1に示した雌高周波コネクタ23の分解斜視図、図2の(b)は図1に示した雄高周波コネクタ21の分解斜視図である。
雄高周波コネクタ21は、雄アウタハウジング25と、雄サイドスペーサ27と、雄シールドアッセンブリ29とにより構成される。雄アウタハウジング25は、電気絶縁性を有する合成樹脂により成形される。雄サイドスペーサ27は、電気絶縁性を有する合成樹脂により成形される。雄アウタハウジング25は、被ロック部31(図1参照)が設けられたフード部33を有している。
図3は嵌合した雌高周波コネクタ23と雄高周波コネクタ21の芯線13に沿う方向の断面図である。
雄アウタハウジング25には、前後方向で貫通する端子収容室35が成形されている。雄アウタハウジング25には、端子収容室35に突出するように、弾性係止片37(可撓ランス)が形成されている。また、雄アウタハウジング25には、端子収容室35の一部を、端子挿入方向と交差方向に横断するスペーサ挿入孔39が形成されている。
雄シールドアッセンブリ29は、雄インナ端子41と、雄インナハウジング43と、雄シールドアウタ端子45とにより構成される。雄インナ端子(インナ端子)41は、導電性を有する金属によりタブ状或いはピン状に形成されている。雄インナハウジング(インナハウジング)43は、電気絶縁性を有する合成樹脂により成形される。雄シールドアウタ端子45は、導電性を有する金属により筒状或いは一対の挟持片状に形成されている。雄シールドアッセンブリ29は、ケーブル11の端末に接続されている。
雄アウタハウジング25の端子収容室35には、ケーブル11の端末に接続された雄シールドアッセンブリ29が挿入される。端子収容室35に挿入された雄シールドアッセンブリ29は、雄シールドアッセンブリ29に設けられた係止突起47が端子収容室35の弾性係止片37に係止されることにより、雄アウタハウジング25の端子収容室35に保持される。
雄アウタハウジング25のスペーサ挿入孔39には、雄サイドスペーサ27が端子収容室35を横断する方向に挿入されるようにして組み付けられる。雄シールドアッセンブリ29が装着された雄アウタハウジング25では、ケーブル11に図3の右方向の引っ張り力が加わった際、モーメントにより、係止突起47と弾性係止片37の係止が解除されるように、弾性係止片37が弾性変形しようとする。このとき、雄サイドスペーサ27は、弾性係止片37の弾性変形を規制して、雄シールドアッセンブリ29の係止突起47と弾性係止片37の係止状態を確実なものとしている。
[雌高周波コネクタ]
図2及び図3に示すように、雌高周波コネクタ23は、雌アウタハウジング49と、雌サイドスペーサ51と、雌シールドアッセンブリ53とにより構成される。雌アウタハウジング49は、電気絶縁性を有する合成樹脂により成形される。雌サイドスペーサ51は、電気絶縁性を有する合成樹脂により成形される。雌アウタハウジング49は、ロック突起55が設けられた弾性変形可能なロックアーム57を有している。
雌アウタハウジング49には、前後方向で貫通する端子収容室35が成形されている。雌アウタハウジング49には、端子収容室35に突出するように、弾性係止片37(可撓ランス)が形成されている。また、雌アウタハウジング49には、端子収容室35の一部を、端子挿入方向と交差方向に横断するスペーサ挿入孔39が形成されている。
雌シールドアッセンブリ53は、雌インナ端子59と、雌インナハウジング61と、雌シールドアウタ端子63とにより構成されている。雌インナ端子(インナ端子)59は、導電性を有する金属により筒状に形成されている。雌インナハウジング(インナハウジング)61は、電気絶縁性を有する合成樹脂により成形される。雌シールドアウタ端子63は、導電性を有する金属により筒状或いは一対の挟持片状に形成されている。雌シールドアッセンブリ53は、ケーブル11の端末に接続される。
雌アウタハウジング49の端子収容室35には、ケーブル11の端末に接続された雌シールドアッセンブリ53が挿入される。雌アウタハウジング49の端子収容室35に挿入された雌シールドアッセンブリ53は、雌シールドアッセンブリ53に設けられた係止突起47に、端子収容室35の弾性係止片37が係止することにより、雌アウタハウジング49の端子収容室35に保持される。
雌アウタハウジング49のスペーサ挿入孔39には、雌サイドスペーサ51が端子収容室35を横断する方向に挿入されるようにして組み付けられる。雌シールドアッセンブリ53が装着された雌アウタハウジング49では、ケーブル11に図3の左方向の引っ張り力が加わった際、モーメントにより、係止突起47と弾性係止片37の係止が解除されるように、弾性係止片37が弾性変形しようとする。このとき、雌サイドスペーサ51は、弾性係止片37の弾性変形を規制して、雌シールドアッセンブリ53の係止突起47と弾性係止片37の係止状態を確実なものとしている。
雌アウタハウジング49は、雄アウタハウジング25との正規嵌合を検知して保証する嵌合検知部材65(CPA:Connector Position Assurance)を備える。嵌合検知部材65は、雌アウタハウジング49の側面にコネクタ嵌合方向で、仮係止位置と本係止位置に移動自在に取り付けられる。嵌合検知部材65は、雌アウタハウジング49と雄アウタハウジング25が嵌合完了したときに、すなわち、雄高周波コネクタ21と雌高周波コネクタ23が嵌合完了したときに、仮係止位置から本係止位置(嵌合保証位置)に移動が可能となる。
[雄高周波コネクタと雌高周波コネクタの嵌合]
上記の雄高周波コネクタ21と雌高周波コネクタ23とは、図1(b)及び図3に示すように、嵌合されることになる。雄高周波コネクタ21のフード部33に、雌高周波コネクタ23が挿入されて、雄高周波コネクタ21と雌高周波コネクタ23が嵌合されると、ロックアーム57のロック突起55が、被ロック部31と係合する。これにより、雄高周波コネクタ21と雌高周波コネクタ23とは、嵌合状態が維持される。
嵌合状態において、雌アウタハウジング49に設けられる嵌合検知部材65は、仮係止位置から図3に示す本係止位置へ移動される。嵌合検知部材65は、被ロック部31に係合しているロック突起55に、検知アーム67の先端に設けられている検知部69が係合することにより、雄高周波コネクタ21と雌高周波コネクタ23との正規嵌合を検知する。また、嵌合検知部材65は、雄高周波コネクタ21と雌高周波コネクタ23との正規嵌合を検知した本係止位置に移動される。すると、ロックアーム規制部71が、ロックアーム57のロック解除片73の解除空間に挿入され、ロックアーム57のロック解除を不能とする。つまり、嵌合検知部材65は、正規嵌合を検知するとともに、その正規嵌合を保証するように作動する。
嵌合状態において、一方のケーブル11の端末に接続された雄シールドアッセンブリ29と、他方のケーブル11の端末に接続された雌シールドアッセンブリ53が電気的に接続されることになる。すなわち、雄インナ端子41と雌インナ端子59が電気的に接続され、ケーブル11の芯線13同士が導通して通信回路が形成される。同時に、雄シールドアウタ端子45と雌シールドアウタ端子63が電気的に接続され、ケーブル11の編組17同士が導通してシールド回路が成形される。
[雌シールドアッセンブリ]
図4は図2の(a)に示した雌シールドアッセンブリ53の分解斜視図である。
雌シールドアッセンブリ53は、雌インナ端子59、雌インナハウジング61および雌シールドアウタ端子63より構成されている。雌シールドアウタ端子63は、雌シールド本体(シールド本体)75、雌シールドスリーブ(シールドスリーブ)77および雌加締め部材(加締め部材)79の3部品より構成されている。
雌インナ端子59は、ケーブル11の芯線13に加締めにより、電気的に接続される。雌シールド本体75は、略円筒状である。雌シールド本体75は、前方から後方にかけて、前方円筒接続部81と、拡径された拡径部83とを有して成形される。雌シールド本体75には、前後方向で貫通するインナハウジング収容室85が成形されている。なお、本明細書中、前方とは、コネクタが嵌合方向に進む方向を言い、後方とはその反対の方向を言う。
なお、前方円筒接続部81には、弾性変形可能な接触片87が切り起こしにより成形されている。接触片87は、雄高周波コネクタ21が嵌合された状態で、雄シールドアウタ端子45(図5参照)と弾性的に接触し、電気的に接続する機構を構成するものである。また、雌シールド本体75は、拡径部83の後部に、一対の平行な起立片89が切り起こしにより成形されている。起立片89は、雌アウタハウジング49に形成されるガイド溝50(図1参照)に挿入されることにより、雌シールドアッセンブリ53の挿入姿勢を定めるスタビライザを構成するものである。
雌シールドスリーブ(シールドスリーブ)77は、略円筒状に形成される。雌シールドスリーブ77は、導電性を有する金属からなり、前方から後方にかけて、嵌入部91と、編組覆われ部93とが連続する筒状に形成される。嵌入部91は、編組覆われ部93よりも大径の筒状となって、編組覆われ部93と同軸で成形される。雌シールドスリーブ77には、前後方向で貫通する、挿入空間が成形される。
雌加締め部材(加締め部材)79は、導電性を有する金属からなり、U字状に形成される。雌加締め部材79には、連結部95を介して、編組加締め片97と被覆加締め片99とが前後方向に接続して一体で形成される。
ケーブル11の端末に接続された雌シールドアッセンブリ53は、雌インナ端子59が、雌インナハウジング61のインナ端子収容室101に収容される。雌インナ端子59を収容した雌インナハウジング61は、雌シールド本体75のインナハウジング収容室85に収容される。雌インナハウジング61は、挿入方向の中央部が大径部103となり、大径部103を挟んで前方と後方が、大径部103よりも小径の前方円筒部105と後方円筒部107となる。
また、雌シールド本体75の拡径部83には、雌シールドスリーブ77の嵌入部91が嵌め込まれる。雌シールド本体75と雌シールドスリーブ77とは、一体化され、拡径部83と嵌入部91は、圧入された上で、はんだで接合され、保持される。
なお、拡径部83と嵌入部91は、圧入のみ、はんだ接合のみ、または係止機構等で保持させるようにしてもよい。
また、雌シールドスリーブ77の編組覆われ部93には、編組覆われ部93の外周を覆うように、ケーブル11の編組17が配置される。雌加締め部材79は、編組加締め片97が編組17の外周を覆うように加締められる。編組覆われ部93と、編組17と、編組加締め片97との間は、はんだ109(図3参照)により、はんだ接合される。
なお、雌加締め部材79の被覆加締め片99は、ケーブル11の被覆19に外周から加締められる。つまり、雌シールドアッセンブリ53は、雌加締め部材79が編組17と被覆19との双方に固定される。
編組覆われ部93、編組17および編組加締め片97と、これらを接合しているはんだ109とは、編組加締め部111を構成する。
[雄シールドアッセンブリ]
図5は図2の(b)に示した雄シールドアッセンブリ29の分解斜視図である。
雄シールドアッセンブリ29は、雄インナ端子41、雄インナハウジング43および雄シールドアウタ端子45より構成されている。雄シールドアウタ端子45は、雄シールド本体113、雄シールドスリーブ(シールドスリーブ)115および雄加締め部材(加締め部材)117の3部品より構成されている。
雄シールドアッセンブリ29は、雄シールド本体113が、雌シールド本体75の前方円筒接続部81を受け入れる円筒状に形成される。雄シールド本体113の内周には、雌シールド本体75の前方円筒接続部81に形成された接触片87が接触することになる。
ケーブル11の端末に接続された雄シールドアッセンブリ29は、雄インナ端子41が、雄インナハウジング43のインナ端子収容室101に収容される。雄インナ端子41を収容した雄インナハウジング43は、雄シールド本体113のインナハウジング収容室85に収容される。
なお、雄シールドアッセンブリ29の他の構成は、上記した雌シールドアッセンブリ53とほぼ同様であるので重複する説明は省略する。
[ケーブルの端末に接続される雌シールドアッセンブリの詳細]
図6の(a)は雌シールドアッセンブリ53が取り付けられたケーブル11の側面図、図6の(b)は図6の(a)の芯線13に沿う方向の断面図である。
雌シールドアッセンブリ53は、雌インナハウジング61が挿入された雌シールド本体75に、雌シールドスリーブ77の嵌入部91が固定される。雌シールドスリーブ77は、後方の編組覆われ部93が、ケーブル11の絶縁体15と編組17との間に挿入された状態で編組加締め片97と共に一体に固定される。また、雌加締め部材79は、編組加締め片97に連結部95を介して連結された被覆加締め片99がケーブル11の被覆19に加締められる。これにより、雌シールドアッセンブリ53は、はんだ109および加締め構造により強固にケーブル11に取り付けられることになる。
図7の(a)は雌インナハウジング61が組み付けられる前の雌シールド本体75の断面図、図7の(b)は雌シールドスリーブ77が組み付けられる前の雌シールド本体75および雌インナハウジング61の断面図、図7の(c)は雌インナハウジング61が組み付けられ雌シールドスリーブ77が嵌入された雌シールド本体75の断面図である。
雌高周波コネクタ23の雌シールドアッセンブリ53は、雌シールド本体75の芯線導出側の後部に、スタビライザを構成するために一対の平行な起立片89を切り起こしたことによる孔119が形成される。この孔119は、雌シールド本体75の拡径部83に、後方より嵌入される雌シールドスリーブ77の嵌入部91により内側から塞がれている。
孔119は、この孔119のさらに後方が雌シールド本体75の周方向に延在する周状接続部121により閉じられている。周状接続部121は、雌シールド本体75の拡径部83に後方より嵌入した嵌入部91の外周に接触して、編組17にはんだ固定された雌シールドスリーブ77に電気的に接続している。
雌インナハウジング61の外周には、軸線に沿う方向の中間に大径部103が形成され、大径部103は、前方が傾斜状の当接部123となるとともに後方が垂直な被押圧部125となる。雌シールド本体75には、前部との境が被当接部127となって大径部103が嵌入する拡径部83が形成される。雌シールド本体75の拡径部83に挿入された雌インナハウジング61は、当接部123が被当接部127に当接するとともに、被押圧部125が雌シールドスリーブ77の嵌入部91に形成された押圧部129に押圧されることになる。
図8はケーブル11の端末に取り付けられた雌シールド本体75と雌加締め部材79の芯線13に沿う方向の要部断面図である。
上記した雌シールドアッセンブリ53は、芯線13を覆う絶縁体15の外周が編組17により覆われるケーブル11の芯線13に接続される雌インナ端子59と、雌インナ端子59を収容するインナ端子収容室101を有しこのインナ端子収容室101に雌インナ端子59を装着する雌インナハウジング61と、雌インナハウジング61の外周を覆う筒状の雌シールド本体75と、編組17の上から加締められる編組加締め片97を有する雌加締め部材79と、絶縁体15と編組17との間に挿入される筒状の編組覆われ部93を有するとともにこの編組覆われ部93から延出して雌インナハウジング61の外周と雌シールド本体75の内周との間に挿入される嵌入部91を有することにより編組加締め片97と雌シールド本体75との間の隙間131を覆う筒状の雌シールドスリーブ77と、を備える。
なお、雄シールドアッセンブリ29においても、雌雄の差異以外の構成は上記とほぼ同一である。
次に、上記した構成の作用を、雌高周波コネクタ23を例に説明する。
本実施形態に係る雌高周波コネクタ23では、ケーブル11の端末に接続された雌インナ端子59が、雌インナハウジング61のインナ端子収容室101に収容される。雌インナハウジング61の外周が、筒状の雌シールド本体75により覆われる。ケーブル11は、雌インナ端子59が接続される芯線13の外周が絶縁体15により覆われ、絶縁体15の外周がさらに編組17により覆われている。
ケーブル11は、編組17が雌加締め部材79の編組加締め片97により加締め付けられる。ケーブル11は、編組17と絶縁体15との間に、筒状に形成された雌シールドスリーブ77の編組覆われ部93が挿入されている。即ち、編組17は、編組覆われ部93と編組加締め片97とに挟まれて、編組覆われ部93に加締め付けられている。
この編組覆われ部93を有した雌シールドスリーブ77は、編組覆われ部93と反対側が嵌入部91として雌インナハウジング61と雌シールド本体75との間に挿入されている。これにより、雌シールドスリーブ77は、雌シールド本体75の後方の端縁と編組加締め片97の前方の端縁との間に生じている周状の隙間131(図8参照)を埋めている(周状に連結している)。
よって、本実施形態の雌高周波コネクタ23では、従来構造のように、シールド回路を構成する雌シールド本体75と編組加締め片97に、戻り電流が流れる際、下方側にのみ存在する連結部95に変位して(集中して)戻り電流が流れることがなくなる。即ち、本実施形態の雌高周波コネクタ23では、軸方向での電流の偏りをなくすことにより、ケーブル11と雌シールド本体75との間における伝送性能の低下を抑制できる。
これに加え、本実施形態の雌高周波コネクタ23では、雌シールド本体75と雌加締め部材79との間に生じる隙間131が雌シールドスリーブ77の嵌入部91により埋められることにより、隙間131からのノイズの出入りも防止でき、これによってノイズの遮蔽性能の低下を抑制できる。
その結果、本実施形態の雌高周波コネクタ23では、伝送性能の低下、および、ノイズの遮蔽性能の低下を抑制することにより、通信回路における通信性能を向上させることができる。
また、本実施形態の雌高周波コネクタ23では、雌シールド本体75の後部に、雌シールドスリーブ77の嵌入部91が挿入される。そして、この雌シールド本体75と雌シールドスリーブ77とが一体化された状態においては、雌シールドスリーブ77の嵌入部91が、一対の起立片89を切り起こしたことにより雌シールド本体75に形成された孔119を塞いでいる。
よって、本実施形態の雌高周波コネクタ23では、一対の起立片89を切り起こしたことによる孔119からのノイズの出入りを防止でき、一対の起立片89を切り起こしたことによるノイズの遮蔽性能の低下を防止し、通信回路における通信性能を向上させることができる。
また、本実施形態の雌高周波コネクタ23では、一対の起立片89を切り起こしたことによる雌シールド本体75の孔119は、後方が周状接続部121により閉じられており、雌シールド本体75の後端部側が開口した切欠き孔とはならない。即ち、雌シールド本体75の後端部には、周状接続部121が設けられることにより、雌シールド本体75と雌インナハウジング61との間に雌シールドスリーブ77の嵌入部91が嵌入すると、周状接続部121が嵌入部91の外周に周方向で電気的に接続(接地)する。そこで、本実施形態の雌高周波コネクタ23では、一対の起立片89を切り起こしたことによる孔119が形成されているにも関わらず、雌シールド本体75の後端部における周状接続部121と雌シールドスリーブ77の嵌入部91とが周方向に全周で接触することにより、電気的接続における抵抗を均一化(電位差がおきない)させ、電気的な接続性能を向上させることができる。
さらに、本実施形態の雌高周波コネクタ23では、雌インナハウジング61が雌シールド本体75に挿入される。すると、雌インナハウジング61の大径部103に形成される前方の当接部123が、雌シールド本体75の拡径部83の内部における被当接部127に当接し、それ以上の挿入が規制される。そして、雌インナハウジング61が挿入された雌シールド本体75に、後部から雌シールドスリーブ77の嵌入部91が嵌入される。すると、嵌入部91の嵌入方向先端となる押圧部129が、雌インナハウジング61における大径部103の後方に形成されている被当接部127を嵌入方向に押圧する。この状態で、雌シールドスリーブ77は、雌シールド本体75に圧入等により一体に固定される。
即ち、雌インナハウジング61は、当接部123および被当接部127と、押圧部129および被押圧部125とが当接し、雌シールド本体75と雌シールドスリーブ77とが一体化することにより、雌シールド本体75と雌シールドスリーブ77の内部でガタつきなく収容される。
これにより、本実施形態の雌高周波コネクタ23は、相手コネクタである雄高周波コネクタ21と嵌合され、車両に搭載された状態において、車両走行時等の振動が加わったとしても、雌インナハウジング61のガタつきが抑制される。その結果、雌インナ端子59と雄インナ端子41の接続構造において、端子同士の微摺動摩耗を抑制でき、電気接続信頼性の低下を抑制できる。
従って、本実施形態に係る雌高周波コネクタ23及び雄高周波コネクタ21によれば、ノイズの遮蔽性能の低下、および、伝送性能の低下を抑制することにより、通信性能を向上することができる。
図9は本発明の他の実施形態に係る雌高周波コネクタ23Aの分解斜視図である。なお、上記雌高周波コネクタ23と同様の雌高周波コネクタ23Aの構成には、同符号を付して重複する説明は省略する。
[雌高周波コネクタ]
本実施形態に係る雌高周波コネクタ23Aは、図9に示すように、雌アウタハウジング49Aと、雌シールドアッセンブリ53Aと、カバー46とにより構成される。
雌アウタハウジング49Aは、電気絶縁性を有する合成樹脂により成形された略L字形状のハウジングであり、シールドアッセンブリ収容室36が形成されている。シールドアッセンブリ収容室36は、前後方向で貫通する端子収容室35と、端子収容室35の後端から前後方向に対して交差する下方へ延在される電線収容溝58とでL字状に形成されており、後端開口56を介して外部と連通している。
後端開口56からシールドアッセンブリ収容室36に収容された雌シールドアッセンブリ53Aは、雌シールド本体(シールド本体)75が端子収容室35に収容され、雌加締め部材79及びケーブル11の端末が電線収容溝58に収容される。
雌アウタハウジング49Aの端子収容室35に挿入された雌シールド本体75は、係止突起47が端子収容室35の弾性係止片37(図示せず)に係止されることにより、端子収容室35に保持される。
電線収容溝58におけるケーブル11が導出される部分には、複数の半環状リブ38が設けられている。
カバー46は、電気絶縁性を有する合成樹脂により略板状に成形されており、後端開口56を覆うように、雌アウタハウジング49Aの後方側から超音波振動やレーザー光等により溶着されて取付けられる。カバー46は、雌アウタハウジング49Aの半環状リブ38に対応する部分に、同様な半環状リブ48が設けられている。これら半環状リブ38及び半環状リブ48は、カバー46が雌アウタハウジング49Aに取り付けられる際に、ケーブル11の被覆19に食い込み、ケーブル11を水密に挟持することができる。
[雌シールドアッセンブリ]
図10は図9に示した雌シールドアッセンブリ53Aの分解斜視図である。なお、上記雌シールドアッセンブリ53と同様の雌シールドアッセンブリ53Aの構成には、同符号を付して重複する説明は省略する。
雌シールドアッセンブリ53Aは、図10に示すように、雌インナ端子59と、雌インナハウジング61と、雌シールドアウタ端子63とにより構成されている。雌シールドアッセンブリ53Aは、ケーブル11の端末に接続される。
雌シールドアウタ端子63は、雌シールド本体75、雌シールドスリーブ(シールドスリーブ)77Aおよび雌加締め部材(加締め部材)79の3部品より構成されている。
雌シールドスリーブ77Aは、円筒を略L字状に屈曲して形成される。雌シールドスリーブ77Aは、導電性を有する金属からなり、前方から後方にかけて、嵌入部91と、編組覆われ部93とが連続するL字形の筒状に形成される。嵌入部91は、編組覆われ部93よりも大径の筒状となって、編組覆われ部93と直交する交差軸上に成形される。雌シールドスリーブ77Aには、直交方向で貫通する、挿入空間が成形される。
ケーブル11の端末に接続された雌シールドアッセンブリ53Aは、雌シールドスリーブ77Aを貫通した雌インナ端子59が、雌インナハウジング61のインナ端子収容室101に収容される。雌インナ端子59を収容した雌インナハウジング61は、雌シールド本体75のインナハウジング収容室85に収容される。雌インナハウジング61は、挿入方向の中央部が大径部103となり、大径部103を挟んで前方と後方が、大径部103よりも小径の前方円筒部105と後方円筒部107となる。
また、雌シールド本体75の拡径部83には、雌シールドスリーブ77Aの嵌入部91が嵌め込まれる。雌シールド本体75と雌シールドスリーブ77Aとは、一体化され、拡径部83と嵌入部91は、圧入された上で、はんだで接合されて保持される。
また、雌シールドスリーブ77Aの編組覆われ部93には、編組覆われ部93の外周を覆うように、ケーブル11の編組17が配置される。雌加締め部材79は、編組加締め片97が編組17の外周を覆うように加締められる。編組覆われ部93と、編組17と、編組加締め片97との間は、はんだ109(図11参照)により、はんだ接合される。
なお、雌加締め部材79の被覆加締め片99は、ケーブル11の被覆19に外周から加締められる。つまり、雌シールドアッセンブリ53Aは、雌加締め部材79が編組17と被覆19との双方に固定される。
編組覆われ部93、編組17および編組加締め片97と、これらを接合しているはんだ109とは、編組加締め部111を構成する。
[ケーブルの端末に接続される雌シールドアッセンブリの詳細]
図11は図10に示した雌シールドアッセンブリ53Aが取り付けられたケーブル11の芯線13に沿う方向の断面図である。
図11に示すように、雌シールドアッセンブリ53Aは、雌インナハウジング61が挿入された雌シールド本体75に、雌シールドスリーブ77Aの嵌入部91が圧入等により一体に固定される。雌シールドスリーブ77Aは、後方の編組覆われ部93が、ケーブル11の絶縁体15と編組17との間に挿入された状態で編組加締め片97と共に一体に固定される。また、雌加締め部材79は、編組加締め片97に連結部95を介して連結された被覆加締め片99がケーブル11の被覆19に加締められる。これにより、雌シールドアッセンブリ53Aは、はんだ109および加締め構造により強固にケーブル11に取り付けられることになる。
雌高周波コネクタ23Aの雌シールドアッセンブリ53Aは、雌シールド本体75の芯線導出側の後部に、スタビライザを構成するために一対の平行な起立片89を切り起こしたことによる孔119が形成される。この孔119は、雌シールド本体75の拡径部83に、後方より嵌入される雌シールドスリーブ77Aの嵌入部91により内側から塞がれている。
孔119は、この孔119のさらに後方が雌シールド本体75の周方向に延在する周状接続部121により閉じられている。周状接続部121は、雌シールド本体75の拡径部83に後方より嵌入した嵌入部91の外周に接触して、編組17にはんだ固定された雌シールドスリーブ77Aに電気的に接続している。
上記した本実施形態の雌シールドアッセンブリ53Aは、芯線13を覆う絶縁体15の外周が編組17により覆われるケーブル11の芯線13に接続される雌インナ端子59と、雌インナ端子59を収容するインナ端子収容室101を有しこのインナ端子収容室101に雌インナ端子59を装着する雌インナハウジング61と、雌インナハウジング61の外周を覆う筒状の雌シールド本体75と、編組17の上から加締められる編組加締め片97を有する雌加締め部材79と、絶縁体15と編組17との間に挿入される筒状の編組覆われ部93を有するとともにこの編組覆われ部93から延出して雌インナハウジング61の外周と雌シールド本体75の内周との間に挿入される嵌入部91を有することにより編組加締め片97と雌シールド本体75との間の隙間131Aを覆うL字形の筒状の雌シールドスリーブ77Aと、を備える。
従って、本実施形態に係る雌高周波コネクタ23Aによれば、上記実施形態の雌高周波コネクタ23と同様に、ノイズの遮蔽性能の低下、および、伝送性能の低下を抑制することにより、通信性能を向上することができる。
さらに、本実施形態に係る雌高周波コネクタ23Aによれば、雌シールドスリーブ77AがL字状に屈曲されることで、雌シールド本体75と、ケーブル11の端末が接続される雌加締め部材79とが互いに直交する。そこで、ケーブル11の引き出し方向を雌シールド本体75に対して直交する方向へ規制することができる。
これにより、略L字形に形成された雌アウタハウジング49Aに雌シールドアッセンブリ53Aが装着された雌高周波コネクタ23Aを容易に構成することができる。その結果、全長に亘って連続的に完全な筒形を維持しつつ略L字形に屈曲させる形成の困難な外導体端子を用いる必要がなくなる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
ここで、上述した本発明に係る高周波コネクタの実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[5]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 芯線(13)を覆う絶縁体(15)の外周が編組(17)により覆われたケーブル(11)の前記芯線に接続されるインナ端子(雄インナ端子41,雌インナ端子59)と、
インナ端子収容室(101)に前記インナ端子を収容するインナハウジング(雄インナハウジング43,雌インナハウジング61)と、
前記インナハウジングの外周を覆う筒状のシールド本体(雄シールド本体113,雌シールド本体75)と、
前記編組の上から加締められる編組加締め片(97)を有する加締め部材(雄加締め部材117,雌加締め部材79)と、
前記絶縁体と前記編組との間に挿入される筒状の編組覆われ部(93)を有するとともに前記編組覆われ部から延出して前記インナハウジングの外周と前記シールド本体の内周との間に挿入される嵌入部(91)を有することにより前記編組加締め片と前記シールド本体との間の隙間(131)を覆う筒状のシールドスリーブ(雄シールドスリーブ115,雌シールドスリーブ77,77A)と、
を備えることを特徴とする高周波コネクタ(雄高周波コネクタ21,雌高周波コネクタ23,23A)。
[2] 前記シールド本体(雄シールド本体113,雌シールド本体75)における芯線導出側の後部には、起立片(89)を切り起こしたことによる孔(119)が形成され、
前記嵌入部(91)が、前記孔を塞いでいることを特徴とする上記[1]に記載の高周波コネクタ(雄高周波コネクタ21,雌高周波コネクタ23,23A)。
[3] 前記孔(119)は、前記孔のさらに後方が前記シールド本体(雄シールド本体113,雌シールド本体75)の周方向に延在する周状接続部(121)により閉じられ、
前記周状接続部が、前記嵌入部(91)の外周に接触して電気的に接続されていることを特徴とする上記[2]に記載の高周波コネクタ(雄高周波コネクタ21,雌高周波コネクタ23,23A)。
[4] 前記インナハウジング(雄インナハウジング43,雌インナハウジング61)の外周には、軸線に沿う方向の中間に大径部(103)が形成され、
前記大径部は、前方が傾斜状の当接部(123)となるとともに後方が垂直な被押圧部(125)となり、
前記シールド本体(雄シールド本体113,雌シールド本体75)には、前部との境が被当接部(127)となって前記大径部が嵌入する拡径部(83)が形成され、
前記シールド本体の前記拡径部に挿入された前記インナハウジングは、前記当接部が前記被当接部に当接するとともに、前記被押圧部が前記シールドスリーブ(雄シールドスリーブ115,雌シールドスリーブ77,77A)の前記嵌入部(91)に形成された押圧部(129)に押圧されることを特徴とする上記[1]~[3]のいずれか一つに記載の高周波コネクタ(雄高周波コネクタ21,雌高周波コネクタ23,23A)。
[5] 前記シールドスリーブ(雌シールドスリーブ77A)は、L字状に屈曲されることを特徴とする上記(1)~(4)のいずれか一つに記載の高周波コネクタ(雌高周波コネクタ23A)。
11…ケーブル
13…芯線
15…絶縁体
17…編組
21…雄高周波コネクタ(高周波コネクタ)
23…雌高周波コネクタ(高周波コネクタ)
41…雄インナ端子(インナ端子)
43…雄インナハウジング(インナハウジング)
59…雌インナ端子(インナ端子)
61…雌インナハウジング(インナハウジング)
75…雌シールド本体(シールド本体)
77…雌シールドスリーブ(シールドスリーブ)
79…雌加締め部材(加締め部材)
83…拡径部
91…嵌入部
93…編組覆われ部
97…編組加締め片
101…インナ端子収容室
103…大径部
113…雄シールド本体(シールド本体)
115…雄シールドスリーブ(シールドスリーブ)
117…雄加締め部材(加締め部材)
119…孔
121…周状接続部
123…当接部
125…被押圧部
127…被当接部
129…押圧部
131…隙間

Claims (5)

  1. 芯線を覆う絶縁体の外周が編組により覆われたケーブルの前記芯線に接続されるインナ端子と、
    インナ端子収容室に前記インナ端子を収容するインナハウジングと、
    前記インナハウジングの外周を覆う筒状のシールド本体と、
    前記編組の上から加締められる編組加締め片を有する加締め部材と、
    前記絶縁体と前記編組との間に挿入される筒状の編組覆われ部を有するとともに前記編組覆われ部から延出して前記インナハウジングの外周と前記シールド本体の内周との間に挿入される嵌入部を有することにより前記編組加締め片と前記シールド本体との間の隙間を覆う筒状のシールドスリーブと、
    を備え、
    前記シールド本体と前記加締め部材とは互いに別体であり、
    前記シールド本体の後方の端縁と、前記加締め部材の前方の端縁である前記編組加締め片の前方の端縁との間に周状の前記隙間が生じるように、前記加締め部材が前記シールド本体の後方に配置されていることを特徴とする高周波コネクタ。
  2. 前記シールド本体における芯線導出側の後部には、前後方向に延びる一対の平行な起立片を幅方向に間隔を開けて対向するように切り起こしたことによる孔が形成され、
    前記嵌入部が、前記孔を塞いでいることを特徴とする請求項1に記載の高周波コネクタ。
  3. 前記孔は、前記孔のさらに後方が前記シールド本体の周方向に延在する周状接続部により閉じられ、
    前記周状接続部が、前記嵌入部の外周に接触して電気的に接続していることを特徴とする請求項2に記載の高周波コネクタ。
  4. 前記インナハウジングの外周には、軸線に沿う方向の中間に大径部が形成され、
    前記大径部は、前方が傾斜状の当接部となるとともに後方が垂直な被押圧部となり、
    前記シールド本体には、前部との境が被当接部となって前記大径部が嵌入する拡径部が形成され、
    前記シールド本体の前記拡径部に挿入された前記インナハウジングは、前記当接部が前記被当接部に当接するとともに、前記被押圧部が前記シールドスリーブの前記嵌入部に形成された押圧部に押圧されることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の高周波コネクタ。
  5. 前記シールドスリーブは、L字状に屈曲されることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の高周波コネクタ。
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