JP7338393B2 - 車両の前部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の前部構造に関する。
従来、自動車等における車両の前部構造では、車両の前方衝突等において車両前部に衝撃を受けたときにフロントランプが破損しないように種々の対策が講じられている。
例えば、特許文献1記載の車両の前部構造では、バンパーフェイシャの前端よりも奥まった位置にヘッドライトユニット(すなわちフロントランプを備えたユニット)が配設され、ヘッドライトユニットの前方上側にアッパーフェイシャが配置された構成において、車両の前方衝突時にアッパーフェイシャがヘッドライトユニットに接触することを避けるために、アッパーフェイシャとヘッドライトユニットとの間にカバー部材が設けられている。
特開2019-43419号公報
近年では、車両前部の装飾性向上するために、フロントランプの前方上側の近接した位置に加飾部材(例えば、シグネチャーウイングなど)を配置するニーズがある。
しかし、この前部構造では、車両が当該車両の前方または前方上側から衝突荷重を受けて車両の前方上端部が変形すると、加飾部材がフロントランプに接触してフロントランプが損傷または破損するおそれがある。このようなフロントランプの損傷等を回避するためには、加飾部材はその前面がフロントランプの前面と同一平面上(いわゆる面一)に上下方向または車幅方向に並ぶように、又は小さな段差しか生じないように配置せざるを得ず、上記構造を実際に採用することがむずかしかった。つまり、従来では、フロントランプの損傷を回避することを優先する結果、車両前部のデザイン自由度が制限されていた。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、デザイン自由度を維持しつつ車両衝突時におけるフロントランプの損傷を防ぐことが可能な車両の前部構造を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の車両の前部構造は、車両前端部に車両後方へ凹む凹設部が形成され、前記凹設部には、フロントグリルと、当該フロントグリルの車幅方向両側のフロントランプと、当該フロントランプの前方上側において車両前端部を装飾する加飾部材とが配設された車両の前部構造であって、前記加飾部材は、前記車両前端部における前記フロントランプよりも上方の部分に固定され、さらに、前記加飾部材は、前記フロントグリルと車幅方向で重複する位置において、当該フロントグリルに向かって車両後方に延設された後方延設部を有し、前記後方延設部と前記フロントグリルとの距離は、前記フロントランプにおける車幅方向内側の端部と前記加飾部材との距離よりも短くなるように設定されていることを特徴とする。
かかる構成では、車両の前方または車両前方かつ上側からの衝突荷重を車両が受けたときに、加飾部材の後方延設部をフロントグリルに接触させることで、加飾部材とフロントランプとの接触を抑制することが可能である。このようにフロントランプの車両前方かつ上側に加飾部材を配置することが可能になることによって、車両前部のデザイン自由度を維持しつつ衝突時のフロントランプの損傷を防ぐことが可能である。
しかも、上記の構成では、前記後方延設部と前記フロントグリルとの距離は、前記フロントランプにおける車幅方向内側の端部と前記加飾部材との距離よりも短くなるように設定されているので、車両衝突時に加飾部材の後方延設部をフロントグリルにより確実に接触させることで、加飾部材とフロントランプとの接触を抑制することが可能である。
上記の車両の前部構造において、前記加飾部材の車両前後方向における前方側端部は、前記フロントグリルの前面との車両前後方向の離間距離が車幅方向の内側へ向かうほど大きくなるように配設されているのが好ましい。
かかる構成では、加飾部材の車両前後方向における前方側端部が車幅方向内側へ向かうにつれてフロントグリルの前面から車両前後方向に離間していく形態であっても、上記のように車両衝突時には加飾部材の後方延設部がフロントグリルに接触することによって加飾部材とフロントランプとの接触を抑制することが可能である。
上記の車両の前部構造において、前記後方延設部は、前記加飾部材の車幅方向内端部に形成され、しかも、上下方向に延びる側面を有するのが好ましい。
かかる構成では、車両の前側端部を車幅方向の中央側から外側へ向けて視認した際に、加飾部材とフロントグリルとの隙間を狭く見えるように当該隙間を形成することが可能である。しかも、後方延設部が上下方向に延びる側面を有することにより剛性が向上するので、車両前方上側からの荷重を受けても当該後方延設部の変形を抑制することが可能である(すなわち、後方延設部が突っ張ることが可能である)。
上記の車両の前部構造において、前記加飾部材は、高剛性部材と、当該高剛性部材よりも剛性が低い低剛性部材とによって構成され、前記後方延設部における少なくとも前記フロントグリルに対向する部分は、前記低剛性部材で形成されているのが好ましい。
かかる構成では、上記のフロントランプの損傷だけでなく、フロントグリルの損傷も抑制することが可能である。
上記の車両の前部構造において、前記後方延設部の上側には、前記車両前端部に支持される支持部を有するのが好ましい。
かかる構成では、後方延設部の上側では支持部が車両前端部に支持されることによって、加飾部材の支持剛性を向上させることが可能になる。その結果、車両衝突時に後方延設部の変位量を減らすことが可能になり、フロントグリルとの隙間を小さくしつつ、後方延設部とフロントグリルとの不要な接触を抑制することが可能である。
本発明の車両の前部構造によれば、デザイン自由度を維持しつつ車両衝突時におけるフロントランプの損傷を防ぐことができる。
本発明の実施形態に係る車両の前部構造の全体構成を示す車両左前方から見た斜視図である。 図1の車両の前部を車両左側から見た側面図である。 図1の車両の前方左側の部分の拡大図である。 図1の車両の前方左側の部分の拡大図である。 図4のV -V線断面図である。 図4のVI -VI線断面図である。 図1の加飾部材を前方上側から見た斜視図である。 図7の加飾部材の分解斜視図である。 図7の加飾部材を後方上側から見た斜視図である。 図7の加飾部材を下側から見た図である。 図5における加飾部材周辺を拡大した拡大断面図である。 図4のXII-XII線断面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の一形態について詳述する。
図1~6に示されるように、本発明の実施形態にかかる車両の前部構造は、自動車(ガソリン自動車および電気自動車など)などの車両において、車体1の車両前端部に配置されたフロントフェイシャ2を構成する互いに上下方向Zに離間するアッパーフェイシャ2aおよびバンパーフェイシャ2bと、当該アッパーフェイシャ2aおよびバンパーフェイシャ2bの間に配置されたフロントグリル3と、フロントグリル3における車幅方向Yの両側に配置された一対のフロントランプ4および一対の加飾部材5(例えば、シグネチャーウイングと呼ばれる装飾用の部材)と、車体1の前側上面を構成するボンネット7と、車体1の両側面前側の一対のフロントフェンダ8を備えている。
車両前端部におけるアッパーフェイシャ2aおよびバンパーフェイシャ2bの間には、車両後方X2へ凹む凹設部6(凹部)が形成されている。凹設部6には、フロントグリル3および当該フロントグリル3の車幅方向Yの両側の一対のフロントランプ4が配設されるとともに当該フロントランプ4の車両前方X1かつ上側において車両前端部を装飾する加飾部材5が配設されている。
フロントグリル3の形状については、本発明ではとくに限定されないが、例えば、フロントグリル3の前面が車両前後方向Xに起伏を有する凹凸形状を有していれば、フロントグリル3の剛性を向上することが可能である。
アッパーフェイシャ2aは、図5および図11に示されるように、アウタ部2a1とその内側のインナ部2a2とを有する2層構造からなる。
フロントランプ4は、車両前端部における車幅方向Yの側端付近に位置するアウタレンズ本体部4aと、アウタレンズ本体部4aよりも車幅方向Yの内側に位置するアウタレンズ延設部4bとを有する。アウタレンズ本体部4aには、ヘッドライトなどのメインの照明部が収容され、アウタレンズ延設部4bには、例えば、方向指示用のランプまたはLEDなどのサブの照明部が収容されている。
フロントランプ4(具体的には、アウタレンズ延設部4b)の前面4eは、図6に示されるように、フロントグリル3の前面と同一平面上に位置する(いわゆる面一になる)ように配置されている。
車両前端部における凹設部6を構成する部分は、フロントランプ4よりも上方の部分において加飾部材5が取り付けられる被取付部として上壁を有している。
加飾部材5は、後述する上方固定部15(図5および図7参照)により、凹設部6の内部の上記の上壁から吊り下げられた状態で取り付けられている。これにより、加飾部材5は、車両前端部におけるフロントランプ4よりも車両前方X1かつ上側に位置するように凹設部6の上壁に固定されている。本実施形態では、図5および図11に示されるように、加飾部材5の上方固定部15がアッパーフェイシャ2aのうち凹設部6の上壁を構成するインナ部2a2に振動溶着などによる接合部22によって固定されている。
なお、加飾部材5は、車両前端部におけるフロントランプ4よりも上方の部分に固定されていればよく、アッパーフェイシャ2aに取り付けられるだけでなく、アッパーフェイシャ2a以外の車体1の任意の場所に取り付けられていればよい。
本実施形態では、図5~6、図9~11に示されるように、加飾部材5の下側後端部には、車両衝突時に加飾部材5とフロントランプ4との接触を避けるために、フロントランプ4の前面4eと所定の離間距離δ1(図11参照)以上に車両前後方向Xに離間させる隙間を形成するように、車両前方X1に凹んだ離間凹部16が形成されている。
この離間距離δ1は、車両の前方X1または前方上側から衝突荷重を受けた時(例えば、米国の自動車安全試験における車両斜め上方からの軽衝突による衝突試験)に加飾部材5がフロントランプ4に当接しないような距離に設定される。
離間凹部16は、少なくとも車両前後方向Xにおいて、フロントランプ4の前面4eと所定距離以上に離間させることが可能な凹部であればよく、車両前後方向Xおよび上下方向Zの両方に離間する凹部であってもよい。
離間凹部16は、図6に示されるように、フロントランプ4の車幅方向Y内側の端部4cと車幅方向Yに重複している。言い換えれば、フロントランプ4の内側端部4cは、車幅方向Yにおいて、離間凹部16が存在する範囲内に位置している。
また、本実施形態では、離間凹部16において、フロントランプ4の前面4eと更に離間させるように当該離間凹部16を部分的に前方X1(すなわち、図6の車両前後方向Xの前方X1)に拡大した前方拡大部18(言い換えれば、第2の離間凹部)が形成されている。
前方拡大部18は、フロントランプ4に接触しやすい箇所(本実施形態では、フロントランプ4の車幅方向Y内側端部4cに前方の位置)を必要に応じて部分的に前方X1に拡大して形成されている。
図5および図11に示されるように、車両前方視において、フロントランプ4の前面4eの上端4dと加飾部材5の下端5aとが上下方向Zに重複している。
また、図11に示されるように、加飾部材5は、離間凹部16の上方において車両後方X2側に延びる後方延設部21を有する。本実施形態の後方延設部21は、加飾部材5の装飾部13の挿入板部13cと取付部14の取付板部14dとが連結された連結部19によって構成されている。なお、連結部19とは別部材によって、後方延設部21を別途形成してもよい。
図5および図11に示されるように、加飾部材5の上方固定部15は、車両前端部における被取付部として車両のボンネット7よりも車両前方X1側に配置された前方側部分であるアッパーフェイシャ2aのインナ部2a2に固定されている。このインナ部2a2は、車両の前方X1または車両前方X1かつ上側からの衝突時(図11の衝突荷重F参照)に屈曲点17となって塑性変形するように構成されている。したがって、アッパーフェイシャ2aの少なくともインナ部2a2は塑性変形可能な材料(例えば、ガラス繊維入りの樹脂など)で形成される。
なお、加飾部材5の上方固定部15が、フロントランプ4の前面4eよりも車両後方X2側でアッパーフェイシャ2aのインナ部2a2に固定された場合、車両前方X1または車両前方上側から衝突荷重を受けた時に加飾部材5の上方固定部15が突っ張ってしまい、上方固定部15が破損し易いため、上方固定部15は、破損回避のためにフロントランプ4の前面4eよりも車両前方X1側に配置されるのが好ましい。
加飾部材5は、図6~10に示されるように、全体的には、略L字状を有する部材であり、具体的には、車幅方向Yに延びる車幅方向部11と、当該車幅方向部11の車幅方向Yの内側端部から車両後方X2に延設された後方延設部12とを有する。
本実施形態における後方延設部12は、図6に示されるように、車幅方向部11の車幅方向Yの内側端部におけるフロントグリル3と車幅方向Yで重複する位置において、フロントグリル3に向かって上記の内側端部から車両後方X2に延設されている。このように、後方延設部12は、フロントグリル3の近傍まで延びており、車両衝突時には、後方延設部12がフロントグリル3に接触することにより、上記の離間凹部16とともにフロントランプ4との接触回避の効果を奏することが可能である。
また、図6に示されるように、後方延設部12(具体的には、後方延設部12の後端)とフロントグリル3(具体的には、フロントグリル3の前面)との距離D1は、フロントランプ4における車幅方向Yの内側Y1の端部4c(具体的には、端部cの前端)と加飾部材5(具体的には、車幅方向部11の後面)との距離D2よりも短くなるように設定されている。
しかも、図6に示されるように、加飾部材5の車両前後方向Xにおける前方側端部24は、フロントグリル3の前面との車両前後方向Xの離間距離D3が車幅方向Yの内側Y1へ向かうほど大きくなるように配設されている。
図6~7に示されるように、後方延設部12は、加飾部材5の車幅方向Yの内側Y1の端部に形成されている。しかも、後方延設部12は、車幅方向Yの内側Y1の端部において、上下方向Zに延びる側面12aを有する。
本実施形態の加飾部材5は、具体的には、図7~10に示されるように、2つの部品によって構成され、すなわち、車両外部から視認される装飾部13と、当該装飾部13の車両後方X2側に配置され、車両前端部に取り付け可能な取付部14とから構成されている。これら装飾部13および取付部14は、いずれも略L字形状を有している。すなわち、装飾部13および取付部14は、図8に示されるように、それぞれ車幅方向部13a、14a、および後方延設部13b、14bを有する。装飾部13および取付部14が互いに組み合わせることによって上記のように略L字状の(すなわち、車幅方向部11および後方延設部12を有する)加飾部材5を構成する。
図8に示されるように、装飾部13の車幅方向部13aの車両後方X2側に突出するように複数の挿入板部13cが互いに車幅方向Yに離間して設けられている。一方、取付部14の車幅方向部14aには、これら挿入板部13cに対応する位置に複数のスリット14cが形成されている。
図8~9に示されるように、複数の挿入板部13cがそれらに対応するスリット14cに挿入される。中央の挿入板部13cは、取付部14の車両後方側の取付板部14dに重ね合わせられた状態で振動溶着などによる接合部20によって連結される。これら挿入板部13cおよび取付板部14dによって、装飾部13と取付部14とを連結する連結部19が形成される。
図9~10に示されるように、この連結部19は、上記の前方拡大部18を補強するために、前方拡大部18の上方に位置するように形成されている。
本実施形態では、上記の上方固定部15は、取付部14の車幅方向部14aおよび後方延設部14bのそれぞれの上面に互いに離間して複数個所設けられている。
図9に示される後方延設部14bの上面には、さらに、車両前端部に支持される支持部として、上方固定部15との間に車両後方X2側に突出する後方凸設固定部23が設けられている。この後方凸設固定部23に形成された係合孔23aには、図12に示されるように、車両前端部を構成するフロントフェイシャ2に設けられた車両前方X1に突出する係合突起2cが係合することにより、加飾部材5を強固に支持することが可能である。
装飾部13は、車両外部に露出する部材であり、高い剛性を有する材料、例えばABS樹脂などからなる。また、装飾部13は、装飾性の向上や色彩や模様の多様性などの点において、塗装に適した材料で形成するのが好ましい。
一方、取付部14は、低剛性の材料、例えばポリプロピレン(PP)などの樹脂からなる。これにより、加飾部材5の後方延設部12が合成樹脂などからなるフロントグリル3などに接触したときにフロントグリル3の損傷を抑制または防止することが可能である。
装飾部13は、車両後方X2に開放された空間を有する断面形状、例えば、コの字状またはヘの字状(すなわち、略U字状またはV字状)の断面形状を有する。
加飾部材5の装飾部13と取付部14とが車両前後方向Xで重なり合って合体することにより、二重断面を形成することによって、当該加飾部材5の強度を向上することが可能である。
すなわち、本実施形態の加飾部材5は、図6~10に示されるように、高剛性部材である装飾部13と、当該装飾部13(高剛性部材)よりも剛性が低い低剛性部材である取付部14とによって構成されている。後方延設部12における少なくともフロントグリル3に対向する部分は、低剛性部材である取付部14の後方延設部12によって形成されている。
また、加飾部材5の車幅方向Yの内側Y1の端部は、後方延設部12の側面12aで構成されている。側面12aの少なくとも一部は、装飾部13における車両後方X2に連続して延びる後方延設部13b(図8参照)よって構成されている。そのため、車両前端部を車幅方向Yの中央付近から車幅方向Yの外側Y2へ見た場合でも、後方延設部12の側面12aを構成する装飾部13の後方延設部13bが見えることによって、加飾部材5の意匠性を向上することが可能である。
(本実施形態の特徴)
(1)
本実施形態の車両の前部構造は、車両前端部に車両後方X2へ凹む凹設部6が形成され、凹設部6には、フロントグリル3と、当該フロントグリル3の車幅方向Y両側のフロントランプ4と、当該フロントランプ4の車両前方X1かつ上側において車両前端部を装飾する加飾部材5とが配設された車両の前部構造である。
図5および図11に示されるように、加飾部材5の上方固定部15は、車両前端部におけるフロントランプ4よりも上方の部分(本実施形態では、アッパーフェイシャ2aのインナ部2a2)に固定されている。
さらに、図6~10に示されるように、加飾部材5は、フロントグリル3と車幅方向Yで重複する位置において、当該フロントグリル3に向かって車両後方X2に延設された後方延設部12を有する。
このような構成では、車両の前方X1または車両前方X1かつ上側からの衝突荷重(例えば、米国の自動車安全試験における車両斜め上方からの軽衝突による衝突試験における荷重など)を車両が受けたときに、加飾部材5の後方延設部12をフロントグリル3に接触させることで、加飾部材5とフロントランプ4との接触を抑制することが可能である。このようにフロントランプ4の車両前方X1かつ上側に加飾部材5を配置することが可能になることによって、車両前部のデザイン自由度を維持しつつ衝突時のフロントランプ4の損傷を防ぐことが可能である。
なお、本発明でいう「フロントグリル」は、本実施形態のフロントグリル3だけでなく、その周囲のグリル、例えばバンパーグリルも含む広い概念である。したがって、車両衝突時に加飾部材5の後方延設部12をバンパーグリルに接触させることで、加飾部材5とフロントランプ4との接触を抑制してもよい。
(2)
本実施形態の車両の前部構造では、図6に示されるように、後方延設部12とフロントグリル3との距離D1は、フロントランプ4における車幅方向Yの内側Y1の端部4cと加飾部材5との距離D2よりも短くなるように設定されている。この構成では、車両衝突時に加飾部材5の後方延設部12をフロントグリル3により確実に接触させることで、加飾部材5とフロントランプ4との接触を抑制することが可能である。
(3)
本実施形態の車両の前部構造では、図6に示されるように、加飾部材5の車両前後方向Xにおける前方側端部24は、フロントグリル3の前面との車両前後方向Xの離間距離D3が車幅方向Yの内側Y1へ向かうほど大きくなるように配設されている。
このように加飾部材5の車両前後方向Xにおける前方側端部24が車幅方向Yの内側Y1へ向かうにつれてフロントグリル3の前面から車両前後方向Xに離間していく形態であっても、上記のように車両衝突時には加飾部材5の後方延設部12がフロントグリル3に接触することによって加飾部材5とフロントランプ4との接触を抑制することが可能である。
(4)
本実施形態の車両の前部構造では、後方延設部12は、加飾部材5の車幅方向Yの内側Y1の端部に形成され、しかも、上下方向に延びる側面12aを有する。このような構成では、車両の前側端部を車幅方向Yの中央側から外側Y2へ向けて視認した際に、加飾部材5とフロントグリル3との隙間を狭く見えるように当該隙間を形成することが可能である。しかも、後方延設部12が上下方向Zに延びる側面12aを有することにより剛性が向上するので、車両前方X1の上側からの荷重を受けても当該後方延設部12の変形を抑制することが可能である(すなわち、後方延設部12が突っ張ることが可能である)。
(5)
本実施形態の車両の前部構造では、加飾部材5は、高剛性部材である装飾部13と、当該装飾部13よりも剛性が低い低剛性部材である取付部14とによって構成されている。後方延設部12における少なくともフロントグリル3に対向する部分は、低剛性部材である取付部14の後方延設部14bで形成されている。この構成では、上記のフロントランプ4の損傷だけでなく、フロントグリル3の損傷も抑制することが可能である。
なお、本発明では、後方延設部12における少なくともフロントグリル3に対向する部分が低剛性部材(取付部14)であればよいので、後方延設部12の全体が低剛性部材である取付部14の後方延設部14bのみで構成されるようにしてもよい。すなわち、高剛性部材である装飾部13の後方延設部13bは、フロントグリル3の損傷抑制の観点から見れば省略してもよい。
(6)
本実施形態の車両の前部構造では、図9および図12に示されるように、後方延設部12の上側には、車両前端部(本実施形態ではフロントフェイシャ2の係合突起2c)に支持される支持部として後方凸設固定部23を有する。
本実施形態では、後方凸設固定部23に形成された係合孔23aにフロントフェイシャ2の係合突起2cが係合することにより、加飾部材5を強固に支持することが可能である。このように、後方延設部12の上側では支持部である後方凸設固定部23が車両前端部(上記のフロントフェイシャ2の係合突起2c)に支持されることによって、加飾部材5の支持剛性を向上させることが可能になる。その結果、車両衝突時に後方延設部12の変位量を減らすことが可能になり、フロントグリル3との隙間を小さくしつつ、後方延設部12とフロントグリル3との不要な接触を抑制することが可能である。
(7)
また、本実施形態の車両の前部構造では、図5および図11に示されるように、車両前端部における凹設部6を構成する部分は、フロントランプ4よりも上方の部分において加飾部材5が取り付けられる被取付部(本実施形態では、アッパーフェイシャ2aのインナ部2a2)を有している。加飾部材5は、フロントランプ4の前方X1かつ上側に位置するように前記被取付部に取り付けられている。さらに、加飾部材5の下側後端部には、フロントランプ4の前面4eと所定距離以上に車両前後方向Xに離間させる隙間を形成するように、車両前方X1に凹んだ離間凹16部が形成されている。
このような構成では、車両の前方X1または車両前方X1かつ上側からの衝突荷重(例えば、米国の自動車安全試験における車両斜め上方からの軽衝突による衝突試験における荷重など)を車両が受けたときに、車両前端部の凹設部6の構成部分における加飾部材5の上方固定部15が固定された被取付部(上記のアッパーフェイシャ2aのインナ部2a2)は車両後方X2下向きに変形(具体的には、お辞儀する挙動または塑性変形)する。しかし、加飾部材5の下側後端部には、フロントランプ4の前面4eと所定距離以上に車両前後方向Xに離間させる隙間を形成するように、車両前方X1に凹んだ離間凹部16が形成されているので、加飾部材5とフロントランプ4との接触を回避し、フロントランプ4の損傷を防ぐことが可能である。このようにフロントランプ4の車両前方X1かつ上側に加飾部材5を配置することが可能になることによって、車両前部のデザイン自由度を維持しつつ衝突時のフロントランプ4の損傷を防ぐことが可能である。
また、本実施形態の構造では、図5~6に示されるように、加飾部材5には離間凹部16が形成されているので、前方からの車両衝突時における加飾部材5の可動領域が確保されている。そのため、加飾部材5は、車両衝突時に車両前端部が変形するのに伴って当該車両前端部(具体的には、上記のアッパーフェイシャ2aのインナ部2a2)に追随して車両後方X2下向きに変位することが可能になり、加飾部材5の破損を防止することも可能である。
(8)
本実施形態の車両の前部構造では、離間凹部16は、フロントランプ4の車幅方向Y内側の端部4cと車幅方向Yに重複している。
図1~6に示される本実施形態の車両のように、一般的に車幅方向Yの中心部が前方に膨出している構造であるので、車両の前方X1または車両前方X1かつ上側での衝突時においてフロントランプ4の車幅方向Y内側の端部4cが加飾部材5に接触しやすい配置になっているが、上記の構成では、離間凹部16がフロントランプ4の車幅方向Y内側の端部4cと車幅方向Yに重複していることにより、加飾部材5とフロントランプ4の車幅方向Y内側の端部4cとの接触を回避し、フロントランプ4の損傷を防ぐことが可能である。
(9)
本実施形態の車両の前部構造では、図6および図10に示されるように、離間凹部16において、フロントランプ4の前面4eと更に離間させるように当該離間凹部16を部分的に前方X1に拡大した前方拡大部18が形成されている。このような構成では、離間凹部16においては車両衝突時にフロントランプ4に接触しやすい箇所(本実施形態では、フロントランプ4の車幅方向Y内側の端部4cに前方の位置)を必要に応じて部分的に前方X1に拡大して前方拡大部18が形成されているので、加飾部材5を車両衝突時におけるフロントランプ4との接触を避けながら全体的に小型化することが可能である。
その結果、加飾部材5とフロントランプ4との接触を避けるために離間凹部16を過度に拡大することを防ぎ、加飾部材5の剛性を確保することが可能である。
(10)
本実施形態の車両の前部構造では、加飾部材5は、車両外部から視認される装飾部13と、当該装飾部13の車両後方X2側に配置され、車両前端部に取り付け可能な取付部14と、前方拡大部18の上方に形成され、装飾部13と取付部14とを連結する連結部19とを備えている。このような構成では、装飾部13と取付部14とを連結する連結部19が、離間凹部16の前方拡大部18の上方に形成されているので、連結部19が前方拡大部18による剛性低下を補う補強部としての機能を兼用することが可能である。
(11)
本実施形態の車両の前部構造では、車両前方視において、フロントランプ4の前面4eの上端4dと加飾部材5の下端5aとが上下方向Zに重複している。このような構成では、車両前方視においてフロントランプ4と加飾部材5との間に隙間が見えないように、加飾部材5を上下方向Zの隙間なく配設することが可能である。すなわち、従来の加飾部材のようにフロントランプと加飾部材とを互いに重複しないように上下方向に並べて配置した場合にはこれらの間に隙間が生じるが、上記のように本実施形態のようにフロントランプ4の前面4eの上端4dと加飾部材5の下端5aとが上下方向Zに重複することによって隙間が生じなくなる。
(12)
本実施形態の車両の前部構造では、加飾部材5は、離間凹部16の上方において車両後方X2側に延びる後方延設部21(本実施形態では、図9~10の連結部19)を有する。このような構成では、図11に示されるように、車両衝突時に車両前端部が変形するのに伴って当該車両前端部に追随して加飾部材5が車両後方X2下向きに変位したときに、加飾部材5の後方延設部21がフロントランプ4の上面に最初に当たる(いわゆる先当たり)させることが可能である。これにより、フロントランプ4の前面4eの損傷を抑制することが可能である。
(13)
本実施形態の車両の前部構造では、図11に示されるように、加飾部材5(具体的には、上方固定部15)が取り付けられる前記被取付部は、車両前端部における車両のボンネット7よりも車両前方側に配置された前方側部分(上記のアッパーフェイシャ2aのインナ部2a2)である。当該前方側部分は、車両の前方X1または車両前方X1かつ上側からの衝突時に屈曲点17となって塑性変形するように構成されている。これによって、車両の前方X1または車両前方X1かつ上側からの衝突時に当該前方側部分は車両後方X2下向きに確実に変形(具体的には、お辞儀する挙動または/塑性変形)することが可能である。
1 車体
2 フロントフェイシャ
2a アッパーフェイシャ
2b バンパーフェイシャ
3 フロントグリル
4 フロントランプ
4c 内側端部
5 加飾部材
6 凹設部
7 ボンネット
11 車幅方向部
12 後方延設部
13 装飾部(高剛性部材)
14 取付部(低剛性部材)
15 上方固定部
24 前方側端部
D1 後方延設部とフロントグリルとの距離
D2 フロントランプにおける車幅方向内側の端部と加飾部材との距離
D3 加飾部材の前方側端部とフロントグリルの前面との車両前後方向の離間距離

Claims (5)

  1. 車両前端部に車両後方へ凹む凹設部が形成され、前記凹設部には、フロントグリルと、当該フロントグリルの車幅方向両側のフロントランプと、当該フロントランプの前方上側において車両前端部を装飾する加飾部材とが配設された車両の前部構造であって、
    前記加飾部材は、前記車両前端部における前記フロントランプよりも上方の部分に固定され、
    さらに、前記加飾部材は、前記フロントグリルと車幅方向で重複する位置において、当該フロントグリルに向かって車両後方に延設された後方延設部を有し、
    前記後方延設部と前記フロントグリルとの距離は、前記フロントランプにおける車幅方向内側の端部と前記加飾部材との距離よりも短くなるように設定されている、
    車両の前部構造。
  2. 前記加飾部材の車両前後方向における前方側端部は、前記フロントグリルの前面との車両前後方向の離間距離が車幅方向の内側へ向かうほど大きくなるように配設されている、
    請求項1に記載の車両の前部構造。
  3. 前記後方延設部は、前記加飾部材の車幅方向内端部に形成され、しかも、上下方向に延びる側面を有する、
    請求項1または2に記載の車両の前部構造。
  4. 前記加飾部材は、高剛性部材と、当該高剛性部材よりも剛性が低い低剛性部材とによって構成され、
    前記後方延設部における少なくとも前記フロントグリルに対向する部分は、前記低剛性部材で形成されている、
    請求項1~のいずれか1項に記載の車両の前部構造。
  5. 前記後方延設部の上側には、前記車両前端部に支持される支持部を有する、
    請求項1~のいずれか1項に記載の車両の前部構造。
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