以下に添付図面を参照して、本発明に係る商品収納装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態である商品収納装置が適用された自動販売機の内部構造を模式的に示す断面側面図である。ここで例示する自動販売機は、本体キャビネット1を備えて構成してある。
本体キャビネット1は、前面が開口した直方状の自動販売機本体であり、その内部に断熱構造の商品収容庫2が配設してある。商品収容庫2には、商品ラック10が上下方向に沿って複数段設けてある。これら商品ラック10は、それぞれ商品収容庫2の両側に立設された図示せぬラック支持側板間に架設されており、商品を収納するものである。
また商品収容庫2には、冷却手段としての蒸発器3が設けてある。蒸発器3は、機械室4に配設された圧縮機5や凝縮器6等と冷媒を循環させる冷凍サイクルを構成しており、自身の図示せぬ冷媒通路を通過する冷媒と、自身の周囲を通過する商品収容庫2の内部の空気とを熱交換させて該空気を冷却させるものである。ここで機械室4は、本体キャビネット1の内部において商品収容庫2の下方側に画成された室である。
蒸発器3の周囲で冷却された空気は、庫内送風ファン7が駆動することにより、商品収容庫2の背面に設置された背面ダクト8の吸込口8aより通風路9に吸い込まれ、この通風路9を通過した後に吹出口8bから吹き出されることにより、商品ラック10に収納された商品を冷却することになる。
上記商品ラック10の前方域には、その両側に左右一対となる態様で搬送レール11が配設してあり、これら搬送レール11間を搬送トレイ12が図示せぬ搬送機構により上下方向に沿って移動可能に配設してある。つまり、搬送レール11間には、搬送トレイ12を通過させるための搬送通路13が形成してある。この搬送通路13は、機械室4の前方まで延在しており、搬送通路13と機械室4とは区画断熱材4aにより区画されている。
上記本体キャビネット1には、扉体14及び閉塞部材15が設けてある。扉体14は、本体キャビネット1の前面開口の上方部、より詳細には商品収容庫2の前方域を開閉するもので本体キャビネット1の一側縁部に開閉移動に配設してある。この扉体14は、断熱構造を有するものであり、外部より内部の視認を可能にする断熱性のガラス板(図示せず)を備えている。
閉塞部材15は、本体キャビネット1の前面開口の下方部、より詳細には、上記扉体14で閉塞することができない本体キャビネット1の前面開口の下方部を閉塞するものである。よって、閉塞部材15は、機械室4の前方に形成される搬送通路13の前方を閉塞している。
この閉塞部材15には、矩形状の商品取出口15aが形成してある。この商品取出口15aは、搬送トレイ12を通じて搬送された商品を利用者が取り出すための開口であり、商品取出扉16により開閉されるものである。
上記商品ラック10は、複数の商品収納装置20が左右に並ぶ態様で並設されることにより構成してある。
図2は、商品ラック10を構成する1つの商品収納装置20を示す斜視図である。ここで例示する商品収納装置20は、コラムケース30と、ベース70と、規制部材80とを備えて構成してある。
コラムケース30は、例えば樹脂材等により形成され、前後方向が長手方向となる長尺状のものである。このコラムケース30は、図3に示すように、ケース基部31と、取付部32と、収納部33とを有している。
ケース基部31は、前後方向に沿って延在する部分であり、その上部に凹部311が形成してある。またケース基部31の左右両側部分には、凹部311から離隔する方向に沿って延在する外延部分312が形成してあり、この外延部分312の上面が商品を載置する載置面312aを構成している。これによりケース基部31の上方域に商品を収納するための商品収納通路が構成されている。また各外延部分312の前方には、左右一対の切欠部分313が形成してある。
取付部32は、ケース基部31の前端部分より下方に向けて突出する態様で設けてある。収納部33は、ケース基部31の後端部分に設けてある。
そのようなコラムケース30においては、収納部33に収納された駆動ユニット40に伝達部材41を介してスパイラル42がケース基部31の凹部311の上方域の全域に亘って設けてある。ここで駆動ユニット40は、従来公知のものであり、図には明示しないが、駆動源であるモータ、出力ギア等が駆動ケースに内蔵されて構成してある。伝達部材41は、従来公知のものであり、円環状の形態を成している。
スパイラル42は、図2に示したように、例えば金属製の棒状体が前後方向(コラムケース30の延在方向)に沿って螺旋状に巻回されることで形成されたものである。このようなスパイラル42は、中心軸が伝達部材41の中心軸と一致する態様で、後端部が伝達部材41に連結されており、伝達部材41と一体的に回転可能なものである。そしてスパイラル42は、モータが駆動することにより、伝達部材41を通じて駆動力が伝達され、これにより自身の中心軸回りに前方から見て時計回りの方向に回転するものである。スパイラル42が中心軸回りに前方から見て時計回りの方向に回転することにより、各ピッチ間に拘束される商品を漸次前方に向けて搬出するとともに、最前のピッチ間に拘束された商品を商品収納通路から前方に向けて払い出すものである。
また上記コラムケース30には、図4にも示すように、売切アクチュエータ50が設けてある。売切アクチュエータ50は、例えば樹脂材により成形され、図5にも示すように、基体部51とレバー部52とが一体的に形成されて構成してある。
基体部51は、左右方向に沿って延在する部分であり、その中央部分には、左右方向に沿って延在する軸部511が形成してある。レバー部52は、基体部51の左右両端部分より前方に向けて延在する左右一対のものである。
このような売切アクチュエータ50は、コラムケース30のケース基部31の下面に取り付けられた支持ユニット60に、軸部511が軸支されることにより、該軸部511の中心軸回りに揺動可能に支持されてコラムケース30に設けてある。より詳細に説明すると、売切アクチュエータ50は、コラムケース30の載置面312a(外延部分312の上面)よりも上方域にレバー部52が進退移動する態様でコラムケース30に揺動可能に設けてある。
そして、売切アクチュエータ50は、コラムケース30との間にコイルスプリング53を介在させている。コイルスプリング53は、レバー部52が載置面312aよりも上方に進出移動する態様で売切アクチュエータ50を付勢する付勢手段である。
また売切アクチュエータ50は、レバー部52がコラムケース30の切欠部分313を揺動するように設けてあり、その左右方向の長さは、コラムケース30の左右方向の最大幅よりも小さいものである。
つまり、売切アクチュエータ50は、スパイラル42の左右両側域において、載置面312aよりも上方域に左右一対のレバー部52が進退移動する態様でコラムケース30に揺動可能に配設され、かつ図6に示すように、常態においてはコイルスプリング53に付勢されてレバー部52が進出移動する態様で揺動する一方、図7に示すように最前のピッチ間の商品にレバー部52が押圧される場合にはコイルスプリング53の付勢力に抗して該レバー部52が退行移動する態様で揺動するものである。
また売切アクチュエータ50を構成する基体部51には、上方に向けて突出する左右一対のカム部512,513が形成してある。かかるカム部512,513は、売切アクチュエータ50がレバー部52が進出移動する態様で揺動する場合、図6に示したように、その縁端部分が、コラムケース30のケース基部31における自身に対応する下端面314,315より離隔している。
その一方、最前のピッチ間の商品にレバー部52が押圧されて該レバー部52が退行移動する態様で売切アクチュエータ50が揺動する場合に、カム部512,513は、図7に示すように、コラムケース30のケース基部31における自身に対応する下端面314,315に摺接するものである。
上記支持ユニット60には、売切検知手段としての売切検知スイッチ61が設けてある。売切検知スイッチ61は、売切接触子62が設けてある。この売切接触子62は、図示せぬ付勢手段により付勢されてその待機姿勢が決められている。
この売切検知スイッチ61は、レバー部52が退行移動する態様で売切アクチュエータ50が揺動する場合には、売切接触子62が何ら押圧されず、オフ状態となって「商品有り」と検知するものである。その一方、レバー部52が進出移動する態様で売切アクチュエータ50が揺動する場合には、該売切アクチュエータ50の一部に売切接触子62が押圧されて付勢手段の付勢力に抗して変位し、オン状態となって「商品無し」と検知する。この売切検知スイッチ61による検知結果は、所定の信号により、図示せぬ制御部に与えられる。
図8及び図9は、それぞれ図2に示したベース70を示す斜視図である。これら図8及び図9に示すように、ベース70は、例えば板金等を屈曲加工等して形成された前後方向が長手方向となる長尺状部材である。このようなベース70は、ベース基部71と、ベース前端部72と、ベース後端部73とが一体的に形成されて構成してある。
ベース基部71は、前後方向に沿って延在する平板状部位であり、その両側部分711は上方に屈曲されている。より詳細には、ベース基部71の両側部分711は、該ベース基部71の中央部分71aから離隔するに連れて漸次上方に傾斜する態様で上方に屈曲されている。
またベース基部71の下面、具体的には、ベース基部71の中央部分71aの全域には、例えばマイラー(登録商標)シート等の低摩擦係数材料から構成されたシート74が敷設されている。
ベース前端部72は、ベース基部71の前端部分に連続して設けられた部位である。このベース前端部72は、ベース基部71の前端部分より下方に向けて延在した後に後方に向けて延在するものであり、その延在端部には、下方に向けて突出する係止突片721が形成されるものである。
ベース後端部73は、ベース基部71の後端部分に連続して設けられた部位である。このベース後端部73は、ベース基部71の後端部分より上方に向けて延在する平板状部位であり、その左右両側部分が後方に向けて屈曲されている。
このような構成を有するベース70は、スパイラル42の内部を貫通する態様で前後方向(コラムケース30の延在方向)に沿って延在し、ベース前端部72の係止突片721がコラムケース30の前端部分に形成された係止孔34に進入することでベース前端部72がコラムケース30に係止されて支持されている。またベース70は、ベース後端部73に形成された締結孔731を前方から貫通するネジNが伝達部材41の図示せぬ中空部を貫通する支持部材(図示せず)に螺合することで固定されている。
そして、ベース70におけるベース基部71の左右両側部分711の延在端部が、コラムケース30の外延部分312の上面(載置面312a)と同一平面上に配置され、スパイラル42の各ピッチ間に拘束される商品を載置させることができる。
図10は、図2に示した規制部材80を示す分解斜視図である。この図10に示すように、規制部材80は、固定片部81と可動片部82とを備えて構成してある。
固定片部81は、例えば板金等を屈曲加工等して形成された前後方向が長手方向となる長尺状部材である。この固定片部81は、固定片基部811と、固定片前端部812と、固定片後端部813とが一体的に形成されて構成してある。
固定片基部811は、前後方向に沿って延在する平板状部分であり、上端部分をカールさせて固定片用軸部811aが形成してある。このような固定片基部811の前端部分には、第1調整孔811b、第2調整孔811cが形成されている。第1調整孔811bは、上下方向に沿って延在する長孔である。第2調整孔811cは、第1調整孔811bよりも後方側に設けてあり、上下方向に沿って延在する長孔である。第2調整孔811cは、長手方向の大きさが第1調整孔811bの長手方向の大きさよりも小さい。また固定片基部811の後端部分には、第3調整孔811dが形成されている。第3調整孔811dは、上下方向に沿って延在する長孔である。
固定片前端部812は、固定片基部811の前端縁部より左方に向けて延在する部分である。この固定片前端部812は、上下方向の寸法が固定片基部811よりも大きく、下端部分には装着部材83が取り付けてある。
固定片後端部813は、固定片基部811の後端縁部より右方に向けて延在する部分である。この固定片後端部813の上端部分813a及び下端部分813bは、後方に向けて屈曲されている。
可動片部82は、例えば板金等を屈曲加工等して形成された前後方向が長手方向となる長尺状部材であり、可動片基部821と、湾曲部822と、第1調整片823及び第2調整片824を有している。この可動片部82の前後方向の寸法の大きさは、固定片部81の前後方向の寸法の大きさよりも小さいものである。
可動片基部821は、可動片部82の主要構成要素部分であり、上下方向に沿って延在する平板状部分である。湾曲部822は、可動片基部821の上端部分の全域に亘って形成してあり、左方に向けて湾曲する部分である。第1調整片823は、可動片基部821の前端部分に左方に向けて突出する態様で形成され、先端が二股状に分岐した形状を成している。第2調整片824は、可動片基部821の後端部分より後方に向けて延在した後、左方に向けて延在する態様で突出して形成されている。
このような可動片部82は、湾曲部822に固定片用軸部811aが相対的に進入する態様で固定片部81に取り付けられて規制部材80を構成しており、該固定片部81に対して近接離反する態様で固定片用軸部811aの軸心回りに揺動可能である。
そのような規制部材80は、図11に示すように、装着部材83をコラムケース30に形成された第1装着孔35に挿入させつつ、固定片後端部813の上端部分813aをベース後端部73に形成された装着用切欠732に挿入させるとともに、固定片後端部813の下端部分813bをベース後端部73に形成された第2装着孔733に挿入させることで、スパイラル42の内部においてコラムケース30の延在方向に沿って延在する態様で装着される。
かかる規制部材80は、スパイラル42が前方から見て時計回りに回転する場合には、該スパイラル42の内部の左方側に取り付けることが好ましい。スパイラル42が前方から見て時計回りに回転する場合、スパイラル42の上方延在部分が右方に向けて変位することになり、各ピッチ間に拘束された商品は、前方に搬出されつつ右方に偏るためである。
そして、規制部材80は、第1調整片823が第1調整孔811bに挿入するとともに、第2調整片824が第3調整孔811dに挿入する場合、可動片部82が固定片部81に最も近接した状態となり、図2に示すように、商品収納通路の左右幅を最も大きくすることができる。
次に規制部材80は、図12に示すように、可動片部82を固定片部81に対して後方に向けて移動させて第1調整片823の先端部分の一部が第2調整孔811cに挿入する場合、可動片部82が固定片部81から離隔する態様で揺動した状態となり、商品収納通路の左右幅を小さくすることができる。
更に規制部材80は、図13に示すように、可動片部82を固定片部81に対して更に後方に向けて移動させて第2調整片824がベース後端部73の上縁部に配置される場合、可動片部82が固定片部81から最も離隔する態様で揺動した状態となり、商品収納通路の左右幅を更に小さくすることができる。つまり、規制部材80は、可動片部82の揺動量により商品収納通路の左右幅を可変とするものである。
以上のような構成を有する商品収納装置20においては、売切アクチュエータ50が、スパイラル42の左右両側域において、載置面312aよりも上方域に左右一対のレバー部52が進退移動する態様でコラムケース30に揺動可能に配設され、かつ常態においてはコイルスプリング53に付勢されてレバー部52が進出移動する態様で揺動する一方、最前のピッチ間の商品にレバー部52が押圧される場合にはコイルスプリング53の付勢力に抗して該レバー部52が退行移動する態様で揺動し、売切検知スイッチ61が、レバー部52が退行移動する場合にはオフ状態となる一方、レバー部52が進出移動する場合にはオン状態となるので、スパイラル42に対してベース70の配設位置、並びに商品の載置面312aを相対的に低くすることができ、商品の形態に関わらず、スパイラル42の各ピッチ間で商品を良好に拘束することができる。よって、本実施の形態である商品収納装置20によれば、商品の搬出及び払出を良好に行うことができる。
しかも売切アクチュエータ50を構成するカム部512,513が、最前のピッチ間の商品にレバー部52が押圧されて該レバー部52が退行移動する態様で該売切アクチュエータ50が揺動する場合に、コラムケース30のケース基部31における自身に対応する下端面314,315に摺接するので、該売切アクチュエータ50の姿勢を規制することができる。このことについてより詳細に説明すると、例えば右側のレバー部52が商品に押圧されて売切アクチュエータ50が揺動する場合、左側のカム部513がコラムケース30のケース基部31における自身に対応する下端面(左側の下端面)315に摺接するので、売切アクチュエータ50の基体部51が商品収納通路の延在方向に対して傾斜してしまうことを抑制することができる。一方、例えば左側のレバー部52が商品に押圧されて売切アクチュエータ50が揺動する場合、右側のカム部512がコラムケース30のケース基部31における自身に対応する下端面(右側の下端面)314に摺接するので、売切アクチュエータ50の基体部51が商品収納通路の延在方向に対して傾斜してしまうことを抑制することができる。よって、売切アクチュエータ50の姿勢を規制することができる。
上記商品収納装置20においては、売切アクチュエータ50が、レバー部52がコラムケース30の切欠部分313を揺動するように設けてあり、その左右方向の長さは、コラムケース30の左右方向の最大幅よりも小さいものであるから、売切アクチュエータ50が、コラムケース30の左右方向の最大幅を超えて設置されることがない。よって、本実施の形態である商品収納装置20によれば、装置全体の大型化を抑制することができる。
上記商品収納装置20においては、スパイラル42の内部においてコラムケース30の延在方向に沿って延在する規制部材80が、商品収納通路の左右幅を規制するので、スパイラル42の各ピッチ間に拘束される商品の左右幅が該スパイラル42の左右幅よりも小さい場合でも、スパイラル42の回転により搬出される商品の挙動を安定させることができる。よって、上記商品収納装置20によれば、商品の搬出及び払出を良好に行うことができる。
特に、規制部材80は、可動片部82の揺動量により商品収納通路の左右幅を可変としたので、スパイラル42に拘束される商品の大きさに応じて商品収納通路の左右幅を柔軟に変更することができ、利便性の向上を図ることができる。
上記商品収納装置20においては、ベース70におけるコラムケース30の延在方向に沿って延在するベース基部71の左右両側部である両側部分711が上方に屈曲されているので、該両側部分711の延在端部にて商品を載置することができ、該商品との接触面積を低減することができる。よって、商品とベース70との間に作用する摩擦力を低減することができ、結果的に、商品の搬出及び払出を良好に行うことができる。
しかもベース基部71の下面、具体的には、ベース基部71の中央部分71aの全域には、例えばマイラー(登録商標)シート等の低摩擦係数材料から構成されたシート74が敷設されているので、回転するスパイラル42との摩擦力も低減することができ、スパイラル42の暴れを抑制することができ、これによっても商品の搬出及び払出を良好に行うことができる。
図14及び図15は、それぞれ本実施の形態である商品収納装置20に適用された規制部材の変形例を示す分解斜視図である。これら図14及び図15に示すように、規制部材80′は、固定片部84と可動片部85とを備えて構成してある。
固定片部84は、例えば板金等を屈曲加工等して形成された前後方向が長手方向となる長尺状部材である。この固定片部84は、固定片基部841と、固定片前端部842と、固定片後端部843とが一体的に形成されて構成してある。
固定片基部841は、前後方向に沿って延在する平板状部分であり、上端部分をカールさせて固定片用軸部841aが形成してある。このような固定片基部841の前端部分には、第1調整孔841b、第2調整孔841cが形成されている。第1調整孔841bは、上下方向に沿って延在する長孔である。第2調整孔841cは、第1調整孔841bよりも前方側に設けてあり、上下方向に沿って延在する長孔である。第2調整孔841cは、長手方向の大きさが第1調整孔841bの長手方向の大きさよりも小さい。また固定片基部841の後端部分には、第3調整孔841dが形成されている。第3調整孔841dは、上下方向に沿って延在する長孔である。更に固定片基部841における第1調整孔841bと第3調整孔841dとの間には、複数(図示の例では3つ)の異形孔841eが前後方向に沿って所定間隔毎に形成してある。
固定片前端部842は、固定片基部841の前端縁部より左方に向けて延在する部分である。この固定片前端部842は、上下方向の寸法が固定片基部841よりも大きく、下端部分には装着部材86が取り付けてある。
固定片後端部843は、固定片基部841の後端縁部より右方に向けて延在する部分である。この固定片後端部843の上端部分843a及び下端部分843bは、後方に向けて屈曲されている。
可動片部85は、例えば板金等を屈曲加工等して形成された前後方向が長手方向となる長尺状部材であり、可動片基部851と、湾曲部852と、第1調整片853、第2調整片854及び第3調整片855を有している。この可動片部85の前後方向の寸法の大きさは、固定片部84の前後方向の寸法の大きさよりも小さいものである。
可動片基部851は、可動片部85の主要構成要素部分であり、上下方向に沿って延在する平板状部分である。湾曲部852は、可動片基部851の上端部分の全域に亘って形成してあり、左方に向けて湾曲する部分である。第1調整片853は、可動片基部851の前端部分に左方に向けて突出する態様で形成され、先端が二股状に分岐した形状を成している。第2調整片854は、可動片基部851の後端部分より左方に向けて延在する態様で突出して形成されている。第3調整片855は、複数(図示の例では3つ)設けてあり、それぞれが湾曲部852の延在端部より突出する態様で形成された舌片状部分である。
このような可動片部85は、湾曲部852に固定片用軸部841aが相対的に進入する態様で固定片部84に取り付けられて規制部材80′を構成しており、第3調整片855が対応する異形孔841eに進入することで、該固定片部84に対して近接離反する態様で固定片用軸部841aの軸心回りに揺動可能である。
そのような規制部材80′は、装着部材86をコラムケース30に形成された第1装着孔35に挿入させつつ、固定片後端部843の上端部分843aをベース後端部73に形成された装着用切欠732に挿入させるとともに、固定片後端部843の下端部分843bをベース後端部73に形成された第2装着孔733に挿入させることで、スパイラル42の内部においてコラムケース30の延在方向に沿って延在する態様で装着される。
そして、規制部材80′は、図16に示すように、第1調整片853が第1調整孔841bに挿入するとともに、第2調整片854が第3調整孔841dに挿入する場合、可動片部85が固定片部84に最も近接した状態となり、商品収納通路の左右幅を最も大きくすることができる。尚、この場合において、第3調整片855は対応する異形孔841eから離脱している。
次に規制部材80′は、図17に示すように、可動片部85を固定片部84に対して前方に向けて移動させて第1調整片853の先端部分の一部が第2調整孔841cに挿入する場合、可動片部85が固定片部84から離隔する態様で揺動した状態となり、商品収納通路の左右幅を小さくすることができる。この場合、第3調整片855は、対応する異形孔841eに進入している。
更に規制部材80′は、図18及び図19に示すように、可動片部85を固定片部84から離隔する態様で揺動させつつ、可動片部85を固定片部84に対して更に前方に向けて移動させる場合、第3調整片855が対応する異形孔841eの下縁部に規制されることで、可動片部85が固定片部84から最も離隔する態様で揺動した状態となり、商品収納通路の左右幅を更に小さくすることができる。つまり、規制部材80′は、可動片部85の揺動量により商品収納通路の左右幅を可変とするものである。
このような構成においても、商品収納通路の左右幅を規制するので、スパイラル42の各ピッチ間に拘束される商品の左右幅が該スパイラル42の左右幅よりも小さい場合でも、スパイラル42の回転により搬出される商品の挙動を安定させることができる。よって、商品の搬出及び払出を良好に行うことができる。特に、規制部材80′は、可動片部85の揺動量により商品収納通路の左右幅を可変としたので、スパイラル42に拘束される商品の大きさに応じて商品収納通路の左右幅を柔軟に変更することができ、利便性の向上を図ることができる。
図20は、本発明の実施の形態である商品収納装置の変形例を示す斜視図である。尚、上述した実施の形態である商品収納装置20と同一の構成要素について同一の符号を付してその重複した説明を適宜省略する。
ここで例示する商品収納装置20′は、コラムケース30′と、ベース70とを備えて構成してある。尚、上述した実施の形態である商品収納装置20を構成する規制部材80については図示を省略している。
コラムケース30′は、例えば樹脂材等により形成され、前後方向が長手方向となる長尺状のものである。このコラムケース30′は、ケース基部31′と、取付部32と、収納部33とを有している。
ケース基部31′は、前後方向に沿って延在する部分であり、その上部に凹部311が形成してある。またケース基部31′の左右両側部分には、凹部311から離隔する方向に沿って延在する外延部分312が形成してあり、この外延部分312の上面が商品を載置する載置面312aを構成している。これによりケース基部31′の上方域に商品を収納するための商品収納通路が構成されている。また各外延部分312の前方には、左右一対の切欠部分313が形成してある。そして、切欠部分313の外方、すなわち左側の切欠部分313の左方、並びに右側の切欠部分313の右方には、レバーガイド316が形成してある。これらレバーガイド316は、前後方向に沿って延在するしており、切欠部分313との間に間隙Sを形成している。
取付部32は、ケース基部31′の前端部分より下方に向けて突出する態様で設けてある。収納部33は、ケース基部31′の後端部分に設けてある。
そのようなコラムケース30′においては、収納部33に収納された駆動ユニット40に伝達部材41を介してスパイラル42がケース基部31′の凹部311の上方域の全域に亘って設けてある。
また上記コラムケース30′には、売切アクチュエータ50′が設けてある。売切アクチュエータ50′は、例えば樹脂材により成形され、図21及び図22にも示すように、基体部51′とレバー部52′とが一体的に形成されて構成してある。
基体部51′は、左右方向に沿って延在する部分であり、その中央部分には、左右方向に沿って延在する軸部511が形成してある。レバー部52′は、基体部51′の左右両端部分より前方に向けて延在する左右一対のものである。かかるレバー部52′には、それぞれの外面、すなわち互いに対向する内面と反対側の面には、該レバー部52′の長手方向に沿って延在するリブ521が形成してあるとともに、外方軸部522が設けてある。外方軸部522は、上記軸部511と中心軸が一致する態様でレバー部52′の外面より外方、すなわちレバー部52′の互いに近接する方向である内方と反対側の方向に向けて突出する態様で形成してあり、該軸部511とともに揺動軸を構成している。
このような売切アクチュエータ50′は、コラムケース30′のケース基部31′の下面に取り付けられた支持ユニット60に軸部511が軸支されるとともに、外方軸部522がレバーガイド316に形成された支持孔部316aに挿入されて軸支されることにより、これら揺動軸(軸部511及び外方軸部522)の中心軸回りに揺動可能に支持されてコラムケース30′に設けてある。より詳細に説明すると、売切アクチュエータ50′は、コラムケース30′の載置面312a(外延部分312の上面)よりも上方域にレバー部52′が進退移動する態様でコラムケース30′に揺動可能に設けてある。
そして、売切アクチュエータ50′は、コラムケース30′との間にコイルスプリング53を介在させている。コイルスプリング53は、レバー部52′が載置面312aよりも上方に進出移動する態様で売切アクチュエータ50′を付勢する付勢手段である。
また売切アクチュエータ50′は、レバー部52′がコラムケース30′の切欠部分313とレバーガイド316との間の間隙Sを揺動するように設けてある。これにより、レバーガイド316は、コラムケース30′において、左右一対のレバー部52′の互いに近接する方向とは反対方向となる外方に、前後方向に沿って延在する態様で形成されている。
つまり、売切アクチュエータ50′は、スパイラル42の左右両側域において、載置面312aよりも上方域に左右一対のレバー部52′が進退移動する態様でコラムケース30′に揺動可能に配設され、かつ常態においてはコイルスプリング53に付勢されてレバー部52′が進出移動する態様で揺動する一方、最前のピッチ間の商品にレバー部52′が押圧される場合にはコイルスプリング53の付勢力に抗して該レバー部52′が退行移動する態様で揺動するものである。
また売切アクチュエータ50′を構成する基体部51′には、上記基体部51と同様に、図には明示しないが、上方に向けて突出する左右一対のカム部512,513が形成してある。
そのような構成を有する商品収納装置20′では、レバーガイド316が、コラムケース30′において、左右一対のレバー部52′の互いに近接する方向とは反対方向となる外方に、前後方向に沿って延在する態様で形成されているので、売切アクチュエータ50′の剛性不足等により、最前のピッチ間の商品に当接することにより左右一対のレバー部52′が互いに離隔する方向に拡がってしまうことを抑制できる。これにより、最前のピッチ間に商品が拘束されている場合に、レバー部52′が左右に拡がった状態で載置面312aよりも上方域に進出移動する態様で揺動してしまうことを回避でき、該商品の有無の検出精度を向上させることができる。
しかも、レバー部52′には、揺動軸を構成する外方軸部522が形成され、この外方軸部522がレバーガイド316の支持孔部316aに挿入されて軸支されているので、売切アクチュエータ50′の寸法誤差等により、該売切アクチュエータ50′がガタつくことを防止できる。更に、レバー部52′には、リブ521が形成してあるので、レバー部52′自身の剛性を向上させることができるとともに、レバーガイド316との接触を小さくでき、摺動抵抗を低減させることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態及び変形例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
上述した実施の形態では、商品収納通路にコラムケース30の延在方向に沿って複数の商品を保持する態様で設置され、かつ駆動源から駆動力が付与された場合に、商品を前方に向けて搬出しつつ最前の商品を該商品収納通路から払い出す保持部材の一例として、スパイラル42を例示したが、本発明においては、必要に応じて、無端状に張設された搬送ベルト等を適用してもよい。
上述した実施の形態では特に言及していないが、コラムケース30の外延部分312の上面(載置面312a)にビード構造を採用して商品との摩擦力の低減化を図ってもよいし、ベースに対してビーズ塗装等を行って商品との摩擦力の低減化を図ってもよい。