JP7337581B2 - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
以下、理由を説明する。
一般的に注入帯電方式においては、所定電圧を印加した導電性の電荷注入部材と導電性トナーの接触部を介して、電荷注入部材から導電性トナーへと電荷が注入される。したがって、導電性トナー表面に導電部と絶縁部が混在する場合、電荷注入性を向上させるためには電荷注入部材をトナー表面の導電部に確実に接触させるのが望ましい。
ところが導電性トナー表面の導電部と絶縁部の面積比率や位置関係、或いは絶縁部の形態(厚みや表面形状)などによっては、電荷注入部材とトナーの導電部の接触が不十分で電荷注入性が低下してしまう場合がある。電荷注入性の低下はトナーの帯電量不足につながり、その結果、かぶりの悪化や転写性能低下による濃度不足などの画質低下を引き起こす場合があった。
導電性を有する現像剤を担持する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に担持された前記現像剤と接触して該現像剤に電荷を注入する電荷注入部材と、
を有する現像装置において、
前記現像剤は、
体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以上1.0×1011Ω・cm以下であり、且つ、
前記現像剤が含有するトナー母粒子の表面には、絶縁性を有する複数の突起部が形成されており、
前記現像剤の表面において前記突起部により形成される最大山高さSp1が、前記電荷注入部材の、前記現像剤との接触面における最大山高さSp2よりも小さいことを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
静電潜像が形成される像担持体と、
本発明の現像装置と、
を備え、
前記現像装置が前記静電潜像を現像して形成された現像剤像を前記像担持体から記録材へ転写することで記録材に画像を形成することを特徴とする。
<画像形成装置>
図2は、本発明の実施例1に係る電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置)の画像形成装置本体A(以下、装置本体A)及びプロセスカートリッジ(以下、カートリッジB)の模式的断面図である。
図2において、画像形成装置は、カートリッジBを装置本体Aに着脱自在とした電子写真技術を利用したレーザビームプリンタである。露光装置3(レーザスキャナユニット)は、装置本体Aに装着されたカートリッジBに対して上側となるように配置される。また、カートリッジBの下側に画像形成対象となる記録材P(以下、シート材P)を収容したシートトレイ4が配置されている。更に、装置本体Aには、シート材Pの搬送方向Dに沿って、ピックアップローラ5a、給送ローラ対5b、搬送ローラ対5c、転写ガイド6、転写ローラ7、搬送ガイド8、定着装置9、排出ローラ対10、排出トレイ11等が順次配置されている。なお、定着装置9は、加熱ローラ9a及び加圧ローラ9bにより構成されている。
図3を用いて、カートリッジBの全体構成について説明する。図3は、カートリッジBの構成を説明する断面図である。カートリッジBは、クリーニングユニット60と現像装置ユニット20を合体して構成される。クリーニングユニット60は、クリーニング枠体71、電子写真感光体ドラム62(以下、ドラム62)、帯電ローラ66およびクリーニングブレード77等からなる。
一方、現像装置ユニット20は、底部材22、現像容器23、電荷注入部材42、現像ローラ32、供給ローラ34、搬送部材43、導電性トナーT、等からなる。これらクリーニングユニット60と現像装置ユニット20を、互いに回動可能に結合することによってカートリッジBを構成する。
図2、図3を用いて、画像形成プロセスの概略を説明する。プリントスタート信号に基づいて、ドラム62は矢印R方向に所定の周速で回転駆動される。電圧が印加された帯電ローラ66は、ドラム62の外周面に接触し、ドラム62の外周面を均一に帯電する。露光装置3は、画像情報に応じたレーザ光Lを出力する。レーザ光LはカートリッジBの上面の露光窓部73を通り、ドラム62の外周面を走査露光する。これにより、ドラム62の外周面には画像情報に対応した静電潜像が形成される。一方、図3に示すように、現像装置としての現像装置ユニット20において、トナー室29内のトナーTは、搬送部材43の回転によって撹拌、搬送され、トナー供給室28に送り出される。トナー供給室28内で発砲性樹脂からなる供給ローラ34に担持されたトナーTは、現像ローラ32との当接部において、マグネットローラ35(固定磁石)の磁力により、現像ローラ32の表面に供給される。現像ローラ32は図3中矢印Rcの方向に回転駆動し、トナーTは、所定のバイアスを印加された電荷注入ユニット42を介した注入帯電によって電荷付与されつつ、現像ローラ32周面の層厚が規制される。トナーTへの電荷注入については別途詳細に後述する。
2に示すように、レーザ光Lの出力タイミングとあわせて、ピックアップローラ5a、給送ローラ対5b、搬送ローラ対5cによって、装置本体Aの下部に収納されたシート材Pがシートトレイ4から給送される。そして、そのシート材Pが転写ガイド6を経由して、ドラム62と転写ローラ7との間の転写位置へ供給される。この転写位置において、トナー像はドラム62からシート材Pに順次転写されていく。トナー像が転写されたシート材Pは、ドラム62から分離されて搬送ガイド8に沿って定着装置9に搬送される。そしてシート材Pは、定着装置9を構成する加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとのニップ部を通過する。このニップ部で加圧・加熱定着処理が行われてトナー像はシート材Pに定着される。トナー像の定着処理を受けたシート材Pは、排出ローラ対10まで搬送され、排出トレイ11に排出される。一方、図3に示すように、転写後のドラム62は、クリーニングブレード77により外周面上の残留トナーが除去されて、再び、画像形成プロセスに使用される。ドラム62から除去されたトナーはクリーニングユニット60の廃トナー室71bに収容される。
図4を用いて、本実施例における導電性トナーTについて説明する。導電性トナーTの形状は略球体であり、図4(a)はその北半球を拡大した模式図である。導電性を有する導電性トナー母粒子81a(導電性コア81)を有し、その表面には複数の絶縁性突起82を有している。図中で網掛け部が導電部を、非網掛け部が絶縁部を示しており、トナー表面は導電部と絶縁部が混在した構成となっている。
[手順1:トナー母粒子の作成]
トナー製造方法として公知技術である懸濁重合法でトナー母粒子を作成した。
懸濁重合法でトナー母粒子を得る方法を以下に述べる。
まず、結着樹脂を生成しうる重合性単量体、着色剤、ワックス、荷電制御剤、重合開始剤を混合し、分散機として、ホモジナイザーを用いて各材料の分散を行った。次いで、重合性単量体組成物を、難水溶性の無機微粒子を含有する水系媒体中に投入し、高速分散機を用いて、重合性単量体組成物の液滴を調製する(造粒工程)。前記液滴中の重合性単量体を重合してトナー母粒子の水分散液を得る(重合工程)。その後、トナー母粒子の水分散液を濾過して固液分離し、固形分を乾燥することでトナー母粒子を得た。
手順1で作成したトナー母粒子の表面を導電性微粒子(平均粒径10nm程度の酸化チタン粒子)で覆うことでトナー母粒子に導電性を付与し導電性コアを作成した。
具体的には、トナー母粒子100重量部と酸化チタン粒子0.2重量部を撹拌混合器(日本コークス工業株式会社 FMミキサ)に混入し、12000rpm×30秒撹拌混合することでトナー母粒子の表面を覆うように酸化チタン粒子を付着させ導電層を形成した。
手順1~2で作成した導電性コアの表面に絶縁性の球形二酸化ケイ素(平均粒径100nm程度)を埋没させることで絶縁性突起部82を形成した。
具体的には手順2同様、導電性コア100重量部と球形二酸化ケイ素3.0重量部を撹拌混合器(日本コークス工業株式会社 FMミキサ)に混入し、12000rpm×10分間撹拌混合することでトナー母粒子に球形二酸化ケイ素を埋没させた。
ISO25178で定義される最大山高さSpは表面の平均面からの高さの最大値で定義され、走査型プローブ顕微鏡(以下SPM)で測定することができる。本実施例では下記条件で測定を行った。
走査型プローブ顕微鏡:日立ハイテクサイエンス(株)製
測定ユニット :E-sweep
測定モード :DFM(共振モード)形状像
解像度 :Xデータ数 256、Yデータ数 128
測定エリア :1μm四方(1μm×1μm)
Sp算出の際は、測定データを「3次元傾き補正」モードの「表面粗さ解析」画面より解析した。
装置としては6430型サブフェムトアンペア・リモートソースメーター(ケースレーインスツルメンツ社製)を用いる。前記装置のFORCE端子にSH2-Z 4端子測定可能サンプルホルダ(Bio-Logic社製)を接続し、電極部に金属化合物を0.20g乗せてトルクレンチを用いて123.7kgfの荷重をかけた状態で、電極間の距離を測定する。
サンプルに20Vの電圧を1分間印加した時の抵抗値を測定し、下記式を用いて体積抵抗率を算出する。
体積抵抗率(Ω・cm)=R×S/L
(R:抵抗値(Ω)、L:電極間距離(cm)、S:電極面積(cm2))
図5を用いて、本実施例における電荷注入部材42について説明する。図5(a)は、電荷注入ユニット42の模式的全景斜視図、図5(b)は、図5(a)を図中矢印方向から見た模式的断面図である。
電荷注入部材42cの凹凸構造は、既知の手法により形成することができる。例えば、熱可塑性樹脂を用いた熱ナノインプリント法や光硬化性樹脂を用いた光ナノインプリント法、レーザを走査しエッジングを行うレーザエッジング法やダイヤモンド刃により機械的に削るダイヤモンドエッジング法などが挙げられる。更に、それらの成型から電鋳技術などによる複製等により形成することができる。
図1を用いて、電荷注入ユニット42を用いた導電性トナーTへの電荷付与について説明する。図1(a)は、現像装置ユニット20内の電荷注入ユニット42と現像ローラ32の当接部を拡大した模式図である。トナーTは、両者の当接部を通過する際、電荷注入ニット42からの電荷注入により画像形成に必要な電荷を獲得するとともに画像形成に適した層厚に規制される。以下詳細に説明する。
電荷注入ユニットの凹凸構造面のSp(Sp2)>トナー表面のSp(Sp1)
電荷注入ユニット42の凹凸構造面のZsm<トナー表面のZsm
走査型プローブ顕微鏡:日立ハイテクサイエンス(株)製
測定ユニット :E-sweep
測定モード :DFM(共振モード)形状像
解像度 :Xデータ数 256、Yデータ数 128
測定エリア :1μm長
Zsm算出の際は、測定データを「3次元傾き補正」モードの「表面粗さ解析」画面より解析した。
本発明の実施例2が実施例1と異なるのは電荷注入ユニット42のトナー当接面(凹凸構造面)42dの構造のみであり、その他構成は実施例1と同様である。そのためトナー当接面42dの構造について詳細に説明し実施例1と構成が同様の箇所については説明を割愛する。
係式を満たすよう構成されている。
電荷注入ユニットの凹凸構造面のSp>トナー表面のSp
Claims (11)
- 導電性を有する現像剤を担持する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に担持された前記現像剤と接触して該現像剤に電荷を注入する電荷注入部材と、
を有する現像装置において、
前記現像剤は、
体積抵抗率が1.0×105Ω・cm以上1.0×1011Ω・cm以下であり、且つ、
前記現像剤が含有するトナー母粒子の表面には、絶縁性を有する複数の突起部が形成されており、
前記現像剤の表面における最大山高さSp1が、前記電荷注入部材の、前記現像剤との接触面における最大山高さSp2よりも小さいことを特徴とする現像装置。 - 前記現像剤表面において前記突起部により形成される最大山高さSp1が、30nm以上300nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
- 前記電荷注入部材の体積抵抗率が、1.0×106Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
- 前記現像剤は、前記トナー母粒子の表面に、導電層と前記突起部とが混在して形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の現像装置。
- 前記導電層は、前記トナー母粒子の表面を被覆する導電性微粒子により形成されることを特徴とする請求項4に記載の現像装置。
- 前記突起部は、球形の二酸化ケイ素を用いて形成されることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の現像装置。
- 前記現像剤の表面において前記突起部により形成される要素の平均長さZsmが、前記電荷注入部材の前記接触面における要素の平均長さZsmよりも長いことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の現像装置。
- 前記現像剤の表面における前記突起部同士の平均間隔が、前記電荷注入部材の前記接触面における凹凸平均間隔よりも大きいことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の現像装置。
- 前記電荷注入部材は、前記接触面が凹凸構造を有することを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の現像装置。
- 前記電荷注入部材は、前記現像剤担持体に担持される現像剤の量を規制することを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の現像装置。
- 静電潜像が形成される像担持体と、
請求項1~10のいずれか1項に記載の現像装置と、
を備え、
前記現像装置が前記静電潜像を現像して形成された現像剤像を前記像担持体から記録材へ転写することで記録材に画像を形成する画像形成装置。
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