JP7337581B2 - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式を用いて記録材上に画像を形成する電子写真画像形成装置に関し、特に、電子写真画像形成装置に適用される現像装置及びプロセスカートリッジに関するものである。
従来、電子写真方式の画像形成装置では、絶縁性トナー(絶縁性現像剤)を摩擦帯電して電荷を与え、現像に供する方法が広く一般的に用いられている。このようなトナーの帯電方法において、摩擦によって帯電したトナーの帯電量には、ある程度の帯電分布が存在している。そのため、トナーには、帯電量が少ない低帯電トナーや、トナー全体の帯電極性とは逆の帯電極性を有する逆極性トナーが含まれていることが多い。このとき、低帯電トナーは、現像装置内の現像剤担持体である現像ローラから離れて画像形成装置内を漂う所謂トナークラウドとなりやすく、このトナークラウドは画像形成装置の不良原因となる。また、逆極性トナーは、像担持体である感光ドラム上の静電潜像のうち、本来トナーが付着しない背景部に引きつけられ、背景部の一様な汚れ(以下かぶりと称する)を発生させる。更に、この種の摩擦帯電方法にあっては、環境変化や経時変化の影響を受けやすく、トナーや攪拌部材等の摩擦帯電機構の表面状態が変化し、結果的に、トナーの帯電状態が不安定になり易い。
そこで、このような不具合を解消するために、導電性トナー(導電性現像剤)を使用する方法、具体的には、導電性トナーへ電荷を注入して帯電し、現像に供する方法が知られている。この方法は、摩擦帯電を利用しないため、種々の利点がある。特に、導電性トナーは電荷が移動し易く、均一な電荷をトナーに与えることができるため、かぶりやトナークラウドを防止でき、環境変化や経時劣化の影響を受けにくいことは最大の特長である。また、摩擦帯電機構が不要なため、構造が簡単で、小型化、低価格化が可能であることも、大きな魅力である。
一方、導電性トナーを用いた場合の技術課題として静電転写が困難であることが挙げられる。例えば、吸湿して電気抵抗が低下した紙に導電性トナーを静電転写する場合、トナーと紙が接触するとトナー電荷が紙に流出するためクーロン力に基づく静電転写が困難になる。またカラー画像を形成する場合も、被転写体(紙などの記録材や中間転写体)上に形成された下地となるトナーの上に、別色のトナーを転写する際、トナー電荷が下地トナーに流出するため、カラー画像の形成も困難になる。このような不具合を解消するために種々の技術が知られている。例えば、特許文献1では、転写電界作用域で導電性トナーを高抵抗に保ちトナーの移動を低電界で行うことで良好な転写性を実現する技術が提案されている。そして、この技術に適した導電性トナーとして導電性基体(導電性コア)の周囲に絶縁性(もしくは半導電性)被膜層を被覆し、表層に導電部と絶縁部が混在したものが用いられている。
特開2006-58745号公報
しかしながら、表層に導電部と絶縁部が混在したトナーに注入帯電で電荷付与を行う場合、絶縁性被覆層が無い導電性トナーに比べ電荷注入性が低下してしまう場合があった。
以下、理由を説明する。
一般的に注入帯電方式においては、所定電圧を印加した導電性の電荷注入部材と導電性トナーの接触部を介して、電荷注入部材から導電性トナーへと電荷が注入される。したがって、導電性トナー表面に導電部と絶縁部が混在する場合、電荷注入性を向上させるためには電荷注入部材をトナー表面の導電部に確実に接触させるのが望ましい。
ところが導電性トナー表面の導電部と絶縁部の面積比率や位置関係、或いは絶縁部の形態(厚みや表面形状)などによっては、電荷注入部材とトナーの導電部の接触が不十分で電荷注入性が低下してしまう場合がある。電荷注入性の低下はトナーの帯電量不足につながり、その結果、かぶりの悪化や転写性能低下による濃度不足などの画質低下を引き起こす場合があった。
本発明の目的は、現像剤の帯電量不足に起因する画質低下を防ぎ、良好な画像を得られる現像装置および画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の現像装置は、
導電性を有する現像剤を担持する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に担持された前記現像剤と接触して該現像剤に電荷を注入する電荷注入部材と、
を有する現像装置において、
前記現像剤は、
体積抵抗率が1.0×10Ω・cm以上1.0×1011Ω・cm以下であり、且つ、
前記現像剤が含有するトナー母粒子の表面には、絶縁性を有する複数の突起部が形成されており、
前記現像剤の表面において前記突起部により形成される最大山高さSp1が、前記電荷注入部材の、前記現像剤との接触面における最大山高さSp2よりも小さいことを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
静電潜像が形成される像担持体と、
本発明の現像装置と、
を備え、
前記現像装置が前記静電潜像を現像して形成された現像剤像を前記像担持体から記録材へ転写することで記録材に画像を形成することを特徴とする。
本発明によれば、現像剤の帯電量不足に起因する画質低下を防ぎ、良好な画像を得られる現像装置および画像形成装置を提供することができる。
本発明の実施例1における電荷注入部材とトナーの接触状態の説明図 本発明の実施例に係る画像形成装置の構成説明図 本発明の実施例に係るカートリッジの構成説明図 本発明の実施例に係る導電性トナーの説明図 本発明の実施例1に係る電荷注入ユニットの説明図 本発明の実施例に係るナノインプリント法の説明図 本発明の実施例2に係る電荷注入ユニットの説明図 本発明の実施例2における電荷注入部材とトナーの接触状態の説明図
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
[実施例1]
<画像形成装置>
図2は、本発明の実施例1に係る電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置)の画像形成装置本体A(以下、装置本体A)及びプロセスカートリッジ(以下、カートリッジB)の模式的断面図である。
図2において、画像形成装置は、カートリッジBを装置本体Aに着脱自在とした電子写真技術を利用したレーザビームプリンタである。露光装置3(レーザスキャナユニット)は、装置本体Aに装着されたカートリッジBに対して上側となるように配置される。また、カートリッジBの下側に画像形成対象となる記録材P(以下、シート材P)を収容したシートトレイ4が配置されている。更に、装置本体Aには、シート材Pの搬送方向Dに沿って、ピックアップローラ5a、給送ローラ対5b、搬送ローラ対5c、転写ガイド6、転写ローラ7、搬送ガイド8、定着装置9、排出ローラ対10、排出トレイ11等が順次配置されている。なお、定着装置9は、加熱ローラ9a及び加圧ローラ9bにより構成されている。
<カートリッジ>
図3を用いて、カートリッジBの全体構成について説明する。図3は、カートリッジBの構成を説明する断面図である。カートリッジBは、クリーニングユニット60と現像装置ユニット20を合体して構成される。クリーニングユニット60は、クリーニング枠体71、電子写真感光体ドラム62(以下、ドラム62)、帯電ローラ66およびクリーニングブレード77等からなる。
一方、現像装置ユニット20は、底部材22、現像容器23、電荷注入部材42、現像ローラ32、供給ローラ34、搬送部材43、導電性トナーT、等からなる。これらクリーニングユニット60と現像装置ユニット20を、互いに回動可能に結合することによってカートリッジBを構成する。
<画像形成プロセス>
図2、図3を用いて、画像形成プロセスの概略を説明する。プリントスタート信号に基づいて、ドラム62は矢印R方向に所定の周速で回転駆動される。電圧が印加された帯電ローラ66は、ドラム62の外周面に接触し、ドラム62の外周面を均一に帯電する。露光装置3は、画像情報に応じたレーザ光Lを出力する。レーザ光LはカートリッジBの上面の露光窓部73を通り、ドラム62の外周面を走査露光する。これにより、ドラム62の外周面には画像情報に対応した静電潜像が形成される。一方、図3に示すように、現像装置としての現像装置ユニット20において、トナー室29内のトナーTは、搬送部材43の回転によって撹拌、搬送され、トナー供給室28に送り出される。トナー供給室28内で発砲性樹脂からなる供給ローラ34に担持されたトナーTは、現像ローラ32との当接部において、マグネットローラ35(固定磁石)の磁力により、現像ローラ32の表面に供給される。現像ローラ32は図3中矢印Rcの方向に回転駆動し、トナーTは、所定のバイアスを印加された電荷注入ユニット42を介した注入帯電によって電荷付与されつつ、現像ローラ32周面の層厚が規制される。トナーTへの電荷注入については別途詳細に後述する。
現像ローラ32上に均一コートされたトナーTは、ドラム62上に形成された静電潜像に応じてドラム62へ現像され、トナー像(現像剤像)として可視像化される。また、図
2に示すように、レーザ光Lの出力タイミングとあわせて、ピックアップローラ5a、給送ローラ対5b、搬送ローラ対5cによって、装置本体Aの下部に収納されたシート材Pがシートトレイ4から給送される。そして、そのシート材Pが転写ガイド6を経由して、ドラム62と転写ローラ7との間の転写位置へ供給される。この転写位置において、トナー像はドラム62からシート材Pに順次転写されていく。トナー像が転写されたシート材Pは、ドラム62から分離されて搬送ガイド8に沿って定着装置9に搬送される。そしてシート材Pは、定着装置9を構成する加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとのニップ部を通過する。このニップ部で加圧・加熱定着処理が行われてトナー像はシート材Pに定着される。トナー像の定着処理を受けたシート材Pは、排出ローラ対10まで搬送され、排出トレイ11に排出される。一方、図3に示すように、転写後のドラム62は、クリーニングブレード77により外周面上の残留トナーが除去されて、再び、画像形成プロセスに使用される。ドラム62から除去されたトナーはクリーニングユニット60の廃トナー室71bに収容される。
<導電性トナー>
図4を用いて、本実施例における導電性トナーTについて説明する。導電性トナーTの形状は略球体であり、図4(a)はその北半球を拡大した模式図である。導電性を有する導電性トナー母粒子81a(導電性コア81)を有し、その表面には複数の絶縁性突起82を有している。図中で網掛け部が導電部を、非網掛け部が絶縁部を示しており、トナー表面は導電部と絶縁部が混在した構成となっている。
図4(b)は、図4(a)の断面を示す模式図である。導電性コア81は、トナー母粒子81aの表面を導電性微粒子81bで覆い導電層を形成して構成されており、絶縁性突起82は、球形の絶縁粒子をトナー母粒子に埋没させることで形成されている。埋没の深さは、ISO25178で平均面からの高さの最大値で定義される最大山高さSpを用いてトナー表面のSp(絶縁性突起82により形成されるSp)が30nmとなるよう調整した。最大山高さSpは30nm以上300nm以下の範囲とするのが良好な注入帯電性を得るのにより好ましい。最大山高さSpの測定方法については別途後述する。
以下、トナーTの作製方法を説明する。トナーTは大きく以下3段階の手順で作成した。
[手順1:トナー母粒子の作成]
トナー製造方法として公知技術である懸濁重合法でトナー母粒子を作成した。
懸濁重合法でトナー母粒子を得る方法を以下に述べる。
まず、結着樹脂を生成しうる重合性単量体、着色剤、ワックス、荷電制御剤、重合開始剤を混合し、分散機として、ホモジナイザーを用いて各材料の分散を行った。次いで、重合性単量体組成物を、難水溶性の無機微粒子を含有する水系媒体中に投入し、高速分散機を用いて、重合性単量体組成物の液滴を調製する(造粒工程)。前記液滴中の重合性単量体を重合してトナー母粒子の水分散液を得る(重合工程)。その後、トナー母粒子の水分散液を濾過して固液分離し、固形分を乾燥することでトナー母粒子を得た。
[手順2:導電性コアの作成(トナー母粒子に導電性を付与)]
手順1で作成したトナー母粒子の表面を導電性微粒子(平均粒径10nm程度の酸化チタン粒子)で覆うことでトナー母粒子に導電性を付与し導電性コアを作成した。
具体的には、トナー母粒子100重量部と酸化チタン粒子0.2重量部を撹拌混合器(日本コークス工業株式会社 FMミキサ)に混入し、12000rpm×30秒撹拌混合することでトナー母粒子の表面を覆うように酸化チタン粒子を付着させ導電層を形成した。
[手順3:絶縁性突起部の形成]
手順1~2で作成した導電性コアの表面に絶縁性の球形二酸化ケイ素(平均粒径100nm程度)を埋没させることで絶縁性突起部82を形成した。
具体的には手順2同様、導電性コア100重量部と球形二酸化ケイ素3.0重量部を撹拌混合器(日本コークス工業株式会社 FMミキサ)に混入し、12000rpm×10分間撹拌混合することでトナー母粒子に球形二酸化ケイ素を埋没させた。
なお、導電トナーTは、製造方法によらず導電性コアと絶縁性突起を有した上でトナーとしての体積抵抗率(測定方法は後述)が1.0×10Ω・cm以上1.0×1011Ω・cm以下であれば本発明の効果を得ることが可能である。その製造方法は、上記方法以外でも問題ない。
例えばトナー母粒子の作製方法としては懸濁重合法以外にも混練粉砕法や乳化凝集法、溶解懸濁法などが挙げられるがいずれの方法で作製してもよい。また、トナー母粒子への導電性付与方法として本実施例ではトナー母粒子を作製した後に、別途撹拌混合器で表面に導電性微粒子を付着させたが、トナー母粒子を作製する一連の過程で導電性を付与する方法でもよい。この方法について乳化凝集法の例を説明する。乳化凝集法は、乳化重合により調整した樹脂微粒子分散液、着色剤分散液、離型剤分散液、等を混合してトナー粒径に相当する凝集粒子を形成し、加熱して凝集粒子を融合・合一してトナーを製造する方法である。乳化凝集法の製造プロセスは分散液を一度に混合して凝集してもよいし、凝集工程を複数段階的に行わせ、第1段階の母体凝集を形成した後、凝集形成の第2段階で加えた粒子を第1段階の母体凝集粒子の表面に付着させるようにしてもよい。したがって、第1段階で形成した母体凝集に対し第2段階で導電性微粒子を形成することも可能である。また或いは、第1段階の際に導電性微粒子分散液を加えて母体凝集の際に導電性を付与することも可能である。
また、絶縁性突起の作製方法についても同様に、本実施例で説明した方法に限定するものではなく、トナー母粒子を作製する一連の過程で絶縁性突起を設けても良い。具体的には例えば乳化凝集法の凝集形成の第3段階として絶縁性の樹脂を導電性コアの表面に形成する方法などが挙げられる。
<最大山高さSpの測定方法>
ISO25178で定義される最大山高さSpは表面の平均面からの高さの最大値で定義され、走査型プローブ顕微鏡(以下SPM)で測定することができる。本実施例では下記条件で測定を行った。
走査型プローブ顕微鏡:日立ハイテクサイエンス(株)製
測定ユニット :E-sweep
測定モード :DFM(共振モード)形状像
解像度 :Xデータ数 256、Yデータ数 128
測定エリア :1μm四方(1μm×1μm)
Sp算出の際は、測定データを「3次元傾き補正」モードの「表面粗さ解析」画面より解析した。
<トナーの体積抵抗率の測定方法>
装置としては6430型サブフェムトアンペア・リモートソースメーター(ケースレーインスツルメンツ社製)を用いる。前記装置のFORCE端子にSH2-Z 4端子測定可能サンプルホルダ(Bio-Logic社製)を接続し、電極部に金属化合物を0.20g乗せてトルクレンチを用いて123.7kgfの荷重をかけた状態で、電極間の距離を測定する。
サンプルに20Vの電圧を1分間印加した時の抵抗値を測定し、下記式を用いて体積抵抗率を算出する。
体積抵抗率(Ω・cm)=R×S/L
(R:抵抗値(Ω)、L:電極間距離(cm)、S:電極面積(cm))
<電荷注入ユニット>
図5を用いて、本実施例における電荷注入部材42について説明する。図5(a)は、電荷注入ユニット42の模式的全景斜視図、図5(b)は、図5(a)を図中矢印方向から見た模式的断面図である。
電荷注入ユニット42は、支持板金42a、ブレード42b、電荷注入部材42c(図中網掛けで示す)、等から構成される。支持板金42aは、厚さ1mmのSUS板をL字曲げ加工したものである。ブレード42bは、厚さ100μmのSUS板からなる。電荷注入部材42cは、ブレード42b表面に貼りつけられた導電性アクリル樹脂で形成され、厚さ100μm程度で設けられている。電荷注入部材42cのトナー当接面(凹凸構造面)42dの表面には複数の凸を有する凹凸構造が形成されており、図5(c)に凹凸構造の斜視図を、図5(d)に面F2における断面図を示す。本実施例では基準面F1からの高さ100nm、直径100nmの均一な凸形状を100nm間隔で格子状に均等配置した。このとき最大山高さSpは50nmとなっている。凹凸構造は、ナノインプリント技術を用いて構成し、方法については別途後述する。
電荷注入部材42cの体積抵抗率は、1.0×10Ω・cm以下とすることでより良好な注入帯電性能を得ることができる。体積抵抗率は、前述のトナーの体積率と同様の方法で測定することができる。
ブレード42bは、支持板金42aに対して、長手5か所に左右対称に配された固定点42gにおいてレーザ溶接で接合されている。電荷注入ユニット42は、支持板金42aの長手両端部近傍に設けられたビス孔を介して現像容器23にビス42eで組み付けられている。
<電荷注入部材42cの凹凸構造の形成方法>
電荷注入部材42cの凹凸構造は、既知の手法により形成することができる。例えば、熱可塑性樹脂を用いた熱ナノインプリント法や光硬化性樹脂を用いた光ナノインプリント法、レーザを走査しエッジングを行うレーザエッジング法やダイヤモンド刃により機械的に削るダイヤモンドエッジング法などが挙げられる。更に、それらの成型から電鋳技術などによる複製等により形成することができる。
図6(a)は、熱ナノインプリント法による形成方法の概略図である。ハロゲンヒータ91を内包した形状転写用ローラ90上に、所望の凹凸構造とは逆形状の凹凸構造のフィルムモールド92を固定し、電荷注入部材42cの材料となる導電性アクリル樹脂シート42c´(以下、アクリルシート)に接触、加圧させる。形状転写用ローラ90とアクリルシート42c´を等速で移動させながら、ハロゲンヒータ91により、ガラス転移温度から融点の範囲内で加熱し、アクリルシート42c´上に所望の凹凸構造を形成する。
光ナノインプリント法は、光硬化性樹脂をアクリルシート42c´の表面に塗工し、ハロゲンヒータの代わりに設置したUV光源により、UV照射し、所望の凹凸構造を形成する。このとき、光硬化性樹脂とアクリルシート42c´の接着性を上げるために、アクリルシート42c´上を表面処理したり、間にプライマー層を設けても構わない。
図6(b)は、ダイヤモンドエッジング法による形成方法の概略図である。アクリルシート42c´に対して、先端が所望の形状をしたダイヤモンド刃を有する針93を矢印f方向に走査し、アクリルシート42c´の表面を機械的に削り、所望の形状を形成する。
表面に凹凸構造を形成後、アクリルシート42c´をブレード42bの形状に合わせて裁断し、導電性プライマー等でブレード42bに貼りつけることで電荷注入ユニット42を作成することができる。
<トナーへの電荷注入>
図1を用いて、電荷注入ユニット42を用いた導電性トナーTへの電荷付与について説明する。図1(a)は、現像装置ユニット20内の電荷注入ユニット42と現像ローラ32の当接部を拡大した模式図である。トナーTは、両者の当接部を通過する際、電荷注入ニット42からの電荷注入により画像形成に必要な電荷を獲得するとともに画像形成に適した層厚に規制される。以下詳細に説明する。
電荷注入ユニット42は、凹凸構造面42dでブレード42bのバネ弾性により約20g/cmの圧力で現像ローラ32と圧接し、支持板金42aには電荷注入用の高圧電源50が接続されている。
画像形成動作中、現像ローラ32は、図中矢印Rcの方向に400rpmで回転する。トナー供給室28内のトナーTは、供給ローラ34により現像ローラ32表面に供給され、現像ローラ32の回転に伴い電荷注入ユニット42と現像ローラ32の当接部に突入する。図1(b)は、電荷注入ユニット42の凹凸構造面42dとトナーTの当接部の一部を拡大した模式図であり、導電部を網掛けで示している。前述のように、電荷注入ユニット42の凹凸構造面42dに設けられた凸部の高さは、一様に100nmで、最大山高さSpが50nmになるよう、また、トナーTの絶縁性突起82は、最大山高さSpが30nmとなるよう調整してある。即ち、両者の最大山高さSpは下記関係式を満たすよう構成されている。
電荷注入ユニットの凹凸構造面のSp(Sp2)>トナー表面のSp(Sp1)
この関係を満たすよう凹凸構造面42dとトナーTの表面形状を構成することにより、凹凸構造面42dとトナーTの導電性微粒子(導電部)81bは、トナーTの表面の絶縁性突起82に妨げられることなく直接接触することが可能になる。その結果、高圧電源50から支持板金42aに供給した電荷を、ブレード42b、電荷注入部材42cを経由し電荷注入部材42cの凸先端からトナーTの導電性微粒子81bへとスムーズに注入することが可能となる(図中矢印Qで示す)。
なお、電荷注入ユニット42の構成に関して、本実施例では電荷注入部材42cをブレード42bで支持する構成としたが、本発明の効果を得るにはトナー当接面(凹凸構造面)の表面形状が重要となる。したがって、電荷注入ユニット42の全体の形状は、ブレード形状に限定されず、例えばロール形状等、本実施例以外の構成でも適用可能である。
また、トナーTへの電荷注入効率をさらに向上するためには電荷注入部材42cとトナーTの導電性微粒子(導電部)81bの接触確率を増やすことが有効である。そのための手段として、電荷注入部材42cのトナー当接面42dの凸部が、トナーTの絶縁性突起部82に阻害されずに導電性微粒子(導電部)81bに直接接触する確率を向上することが有効となる。具体的には、電荷注入部材42cのトナー当接面42dの凸形状同士の間隔を、トナーTの表面の絶縁性突起82同士の間隔よりも狭く構成することで、電荷注入部材42cの凸部がトナーTの導電部と接触する確率を向上することが可能となる。凸形状同士の間隔の指標としてはJISB0601で下の通り定義される要素の平均長さZsmが指標となる(Xsi:1つの輪郭線要素に対応する長さ、m:要素の個数)。
Figure 0007337581000001
電荷注入ユニット42の凹凸構造面のZsmとトナー表面のZsmが下記関係式を満たすことで電荷注入部材42cとトナーTの導電部が直接接触する確率を向上し、さらに電荷注入効率を向上させることができる。
電荷注入ユニット42の凹凸構造面のZsm<トナー表面のZsm
本実施例では、電荷注入ユニット42の凹凸構造面のZsmを100nm、トナー表面のZsm=150nmとし上式を満たすよう構成し、トナー表面における突起部同士の平均間隔を、電荷注入ユニット42の凹凸構造面における凹凸平均間隔よりも大きくした。Zsmは、前述のSPMを用いて下記条件で測定可能である。
走査型プローブ顕微鏡:日立ハイテクサイエンス(株)製
測定ユニット :E-sweep
測定モード :DFM(共振モード)形状像
解像度 :Xデータ数 256、Yデータ数 128
測定エリア :1μm長
Zsm算出の際は、測定データを「3次元傾き補正」モードの「表面粗さ解析」画面より解析した。
以上説明したように、本実施例によれば、表面に絶縁部と導電部が混在する導電性トナーを注入帯電で電荷付与する際、電荷注入部材とトナーの導電部が直接接触するよう両者の表面形状を構成する。その結果、良好な電荷注入性を確保しトナーの帯電量不足に起因する画質低下を防ぎ、良好な画像を得られる現像装置および画像形成装置を提供することができる。
[実施例2]注入帯電部材の凹凸構造形状違い
本発明の実施例2が実施例1と異なるのは電荷注入ユニット42のトナー当接面(凹凸構造面)42dの構造のみであり、その他構成は実施例1と同様である。そのためトナー当接面42dの構造について詳細に説明し実施例1と構成が同様の箇所については説明を割愛する。
図7を用いて、本実施例における電荷注入部材42について説明する。図7(a)は、電荷注入ユニット42の模式的全景斜視図、図7(b)は、図7(a)を図中矢印方向から見た模式的断面図であり実施例1と同様の構成となっている。図7(c)は、電荷注入部材42cのトナー接触面42dの模式的拡大図である。
本実施例では基準面F1からの高さ150nm以下の範囲でランダムな高さの凸形状をランダムに配置し、最大山高さSpは70nmとなっている。
図8を用いて、電荷注入ユニット42を用いた導電性トナーTへの電荷付与について説明する。図8(a)は、現像装置ユニット20内の電荷注入ユニット42と現像ローラ32の当接部を拡大した模式図であり実施例1と同様の構成である。図8(b)は、電荷注入ユニット42の凹凸構造面42dとトナーTの当接部の一部を拡大した模式図であり、導電部を網掛けで示している。上述の通り電荷注入ユニット42の凹凸構造面42dに設けられた凸部は、高さ150nm以下の範囲でランダム配置しているが、最大山高さSpは、70nmになるよう構成してある。またトナーTの絶縁性突起82は、実施例1と同様最大山高さSpが30nmとなるよう調整してあり、両者の最大山高さSpは、下記関
係式を満たすよう構成されている。
電荷注入ユニットの凹凸構造面のSp>トナー表面のSp
このように凹凸構造面の構造がランダムな場合であっても、最大山高さSpが上記関係を満たしていれば、少なくとも凹凸構造面42dのうち最大高さを持つ凸は、トナーTの導電性微粒子(導電部)81bと直接接触することが可能である。
上記各実施例は、可能な限りそれぞれの構成を互いに組み合わせることができる。
32…現像ローラ、42…電荷注入ユニット、42a…支持板金、42b…ブレード、42c…電荷注入部材、42d…トナー当接面(凹凸構造面)、42f…凹凸構造面、50…高圧電源、62…ドラム、T…トナー(現像剤)、81…導電性コア、81a…トナー母粒子、81b…導電性微粒子、82…絶縁性突起

Claims (11)

  1. 導電性を有する現像剤を担持する現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体に担持された前記現像剤と接触して該現像剤に電荷を注入する電荷注入部材と、
    を有する現像装置において、
    前記現像剤は、
    体積抵抗率が1.0×10Ω・cm以上1.0×1011Ω・cm以下であり、且つ、
    前記現像剤が含有するトナー母粒子の表面には、絶縁性を有する複数の突起部が形成されており、
    前記現像剤の表面における最大山高さSp1が、前記電荷注入部材の、前記現像剤との接触面における最大山高さSp2よりも小さいことを特徴とする現像装置。
  2. 前記現像剤表面において前記突起部により形成される最大山高さSp1が、30nm以上300nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記電荷注入部材の体積抵抗率が、1.0×10Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
  4. 前記現像剤は、前記トナー母粒子の表面に、導電層と前記突起部とが混在して形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の現像装置。
  5. 前記導電層は、前記トナー母粒子の表面を被覆する導電性微粒子により形成されることを特徴とする請求項4に記載の現像装置。
  6. 前記突起部は、球形の二酸化ケイ素を用いて形成されることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の現像装置。
  7. 前記現像剤の表面において前記突起部により形成される要素の平均長さZsmが、前記電荷注入部材の前記接触面における要素の平均長さZsmよりも長いことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の現像装置。
  8. 前記現像剤の表面における前記突起部同士の平均間隔が、前記電荷注入部材の前記接触面における凹凸平均間隔よりも大きいことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の現像装置。
  9. 前記電荷注入部材は、前記接触面が凹凸構造を有することを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の現像装置。
  10. 前記電荷注入部材は、前記現像剤担持体に担持される現像剤の量を規制することを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の現像装置。
  11. 静電潜像が形成される像担持体と、
    請求項1~10のいずれか1項に記載の現像装置と、
    を備え、
    前記現像装置が前記静電潜像を現像して形成された現像剤像を前記像担持体から記録材へ転写することで記録材に画像を形成する画像形成装置。
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