JP7335561B2 - 熱間鍛造材の製造方法 - Google Patents

熱間鍛造材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱間鍛造材の製造方法にかかり、特には、難加工性合金製の熱間鍛造材の製造方法に関するものである。
熱間鍛造温度に加熱した熱間鍛造用素材を熱間鍛造する場合、熱間鍛造用素材の温度低下による熱間加工性の低下の問題がある。そのため、従来から種々の温度低下防止の提案がなされてきた。例えば、特表2014-508857号公報(特許文献1)には、熱間鍛造用素材にガラスコーティングすることより、熱クラッキングを防止している。そのガラスコーティングの方法として、熱間鍛造用素材にガラス織布とガラス粒子とを順番に配置するとしている。また、この特許文献1中には、熱間加工前に熱間鍛造用素材を金属合金製缶内に封入することが従来技術として示されている。
特表2014-508857号公報
前述の特許文献1では、その実施例で示されるように、室温でガラス織布を熱間鍛造用素材に巻き付け、そのガラス織布表面に無機スラリーを塗布し、その状態で熱間鍛造温度に加熱し、ガラスコーティング層を形成している。この方法は、確かに加熱炉から熱間鍛造用素材を取り出して、熱間鍛造開始までの温度低下抑制には効果的である。しかしながら、ガラス織布そのものは断熱効果を有するものであるため、鍛造温度までの加熱時間が長くなり、また、特許文献1の図3で示されるような、全体をガラス織布で包む方法では、熱間鍛造用素材自体の温度が分かり難いという欠点がある。
ところで、熱間鍛造温度に加熱した熱間鍛造用素材を熱間鍛造開始するまでの温度低下や熱間鍛造中の温度低下が熱間加工性を低下させる代表的な合金に、難加工性合金として知られるγ’相(ガンマプライム相)の量を体積%で20%以上含むようなNi基合金やTi合金がある。これらの難加工性合金は、高温強度に優れているため、航空機部品や発電設備用部品に用いられる。これらの用途は、燃焼効率向上や発電効率向上を目的として製品の大型化の要求があるものや、γ’量を体積%で20%以上含むようなNi基合金(以下、γ’高含有Ni基合金)では、より高温での使用が検討されている。熱間鍛造温度が割れや疵の不良の発生に影響を及ぼし、特に、γ’高含有Ni基合金では、熱間鍛造可能な温度域が限定されるものもある。熱間加工性と割れなどの不良防止の両立が重要となり、熱間鍛造時の割れを防止しつつ、効率よく熱間鍛造する方法が求められている。
本発明の目的は、熱間鍛造用素材として難加工性合金を用いても、割れなどの不良を防止しつつ、効率よく熱間鍛造が可能な熱間鍛造材の製造方法を提供することである。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものである。
すなわち本発明は、熱間鍛造する加熱前素材を加熱炉中で熱間鍛造温度に加熱する加熱工程と、前記加熱炉から取り出した鍛造用素材の少なくともその表面の一部に、耐熱断熱材を接着させて熱間鍛造用素材とする耐熱断熱材接着工程と、金型、金敷、工具の何れかを用いて、前記熱間鍛造用素材の一部または全体を圧縮して所定の形状に成形する熱間鍛造工程と、を含む熱間鍛造材の製造方法である。
また本発明は、前記熱間鍛造工程が自由鍛造であり、前記自由鍛造で前記金型、金敷、工具の何れかに接触しない鍛造用素材の自由変形部分の少なくともその表面の一部に、前記耐熱断熱材を接着させる熱間鍛造材の製造方法である。
好ましくは、前記加熱前素材表面の、少なくとも前記耐熱断熱材を接着する部分にはガラス潤滑剤を被覆するガラス潤滑剤被覆工程を更に含む熱間鍛造材の製造方法である。
また、本発明において、前記耐熱断熱材の前記鍛造用素材と接着する面には、ガラス粒子が付着していても良い。
好ましくは、前記耐熱断熱材は無機繊維である熱間鍛造材の製造方法である。
本発明によれば、熱間鍛造用素材として難加工性合金を用いても、割れなどの不良を防止しつつ、効率よく熱間鍛造を行うことが可能である。
本発明の熱間鍛造材の製造方法の一例を示す模式図である。 本発明の熱間鍛造用素材の作製方法の一例を示す模式図である。 本発明の熱間鍛造用素材の作製方法の一例を示す模式図である。
以下に、本発明を工程ごとに説明する。なお、以下で記す「加熱前素材」とは、加熱炉に装入する前の素材を言い、「鍛造用素材」とは、加熱炉で熱間鍛造温度に加熱された素材を言い、「熱間鍛造用素材」とは、所定の部分に耐熱断熱材を接着させて、熱間鍛造が行える状態となったものを言い、「熱間鍛造材」とは、熱間鍛造装置によって所定の形状に成形された成形材を言う。
<加熱工程>
先ず、本発明では、熱間鍛造する加熱前素材を加熱炉中で熱間鍛造温度に加熱する。加熱前素材は、インゴット、ビレット、荒地、粉末成形体等、特に限定しないが、本発明の効果が最も発揮可能なものは、自由鍛造により所望の形状に成形を行うインゴットやビレットなどである。この加熱前素材を加熱炉中で熱間鍛造温度に加熱する。加熱の温度は加熱前素材の材質により異なり、例えば、Ni基合金では950~1180℃であれば良く、γ’高含有Ni基合金であれば1010~1180℃であれば良い。また、Ti合金であれば900~1180℃であれば良い。なお、本発明においては、加熱工程の後に“耐熱断熱材接着工程”を適用する。耐熱断熱材接着工程では、加熱炉から取り出した鍛造用素材に対して耐熱断熱材を接着させる。この耐熱断熱材を接着させるまでの間、鍛造用素材の温度低下がゼロであれば好ましいが、実際には少なからず温度低下する。そのため、熱間鍛造を開始するときの鍛造温度(鍛造開始温度)よりも5~100℃程度高めの温度を熱間鍛造温度に設定しても良い。このことにより、耐熱断熱材を接着しなければ、鍛造用素材の温度が、鍛造開始温度に対して100℃を超えて低下してしまうような場合でも、その温度低下を抑えることができて、熱間鍛造中の温度を高く保持できる。
また、加熱前素材の材質がNi基超耐熱合金である場合、殆どの合金でCrを10~35質量%の範囲で含有している。加熱工程中に加熱炉内の酸素とCrの反応を抑制する目的で、加熱炉内の酸素濃度を10%以下に制御するのが好ましい。好ましくは8%以下である。
なお、この加熱前素材の表面粗さは並仕上げよりも粗い方が良く、次工程で耐熱断熱材をその表面に接着したときに、耐熱断熱材と鍛造用素材との間に僅かな空間が形成され、その空間内の空気が断熱層として機能することが期待できる。また、後述する、ガラス潤滑剤被覆工程を更に含む場合は、加熱前素材表面の凹凸にガラス潤滑剤が残留しやすくなる。もちろん、鋳造ままや塑性加工ままの表面肌でも良いが、難加工性合金の場合、添加元素の影響などにより表面にクラック等が発生する場合があるので、それらの熱間鍛造時の割れの発生原因となる表面欠陥は機械加工により除去しておくと良い。クラックなどの発生が見られない場合であっても、次工程で耐熱断熱材をその表面に接着する部分については、加熱前素材表面を機械加工により並仕上げ以上の粗さに整えておくのが好ましい。
<耐熱断熱材接着工程>
加熱前素材を熱間鍛造温度に加熱して、加熱炉から取り出した鍛造用素材の少なくとも表面の一部の所定の部分に耐熱断熱材を接着させて熱間鍛造用素材とする。接着させる部分は表面の一部であっても、表面全体であっても差し支えない。この鍛造用素材表面のどこの部分に耐熱断熱材を接着するかは、下記の2つの何れかを考慮とすると良い。
1つ目の方法は、割れが予想される部分の温度低下を優先的に防止する方法である。耐熱断熱材を鍛造用素材に接着させる作業の時間が長くなると、鍛造用素材の温度が低くなってしまい、熱間鍛造性を劣化させる場合がある。そのため、熱間鍛造性を損なわない時間で、必要最小限の範囲に耐熱断熱材をその表面に接着させることが好ましい。例えば、熱間鍛造用素材を熱間鍛造装置に載置したとき、例えば、下型(下金敷または下側工具)への抜熱が心配されるときは、下型(下金敷または下側工具)と接する面に耐熱断熱材を接着させても良いし、多角形の柱状の形状であれば、エッジ部分を含む範囲に接着させても良い。円柱状であれば、その側面に接着しても良い。つまり、熱間鍛造によって、割れなどの不良が発生しやすい場所を含んで耐熱断熱材を接着させると良い。この方法は、特に、難加工性合金として知られるγ’高含有Ni基合金に対して有効である。
2つ目の方法は、鍛造用素材の自由変形部分の少なくともその表面の一部に、前記耐熱断熱材を接着させる方法である。この方法は、例えば、熱間鍛造が自由鍛造である場合、上型(上金敷または上側工具)や下型(下金敷または下側工具)と接触していない部分は、大気中で放冷された状態になるため、その温度低下を低減させることを主としたものである。この方法は、例えば、718合金やワスパロイ等の熱間鍛造可能な温度域が広い合金において、加熱温度の持続性を持たせることができるため、疵(割れ)低減に寄与できる。
上記の方法の選択は、その材質や形状を考慮して選択すると良い。
この耐熱断熱材の接着により、熱間鍛造用素材の温度低下に伴う微細なγ’の析出を軽減する他、熱間鍛造用素材表層部の再結晶を促進させることが可能となることから、例えば、難加工性合金として知られるγ’高含有Ni基合金であっても、割れなどの不良の発生を軽減することができる。
なお、前記耐熱断熱材接着工程において、耐熱断熱材の接着を容易且つ短時間で行うには、耐熱断熱材と、それを接着する鍛造用素材の接着面との間にガラス潤滑剤を存在させておくことが好ましい。このときのガラス潤滑剤は、主として「接着剤」として機能させるものである。そのための方法は2つあり、それぞれについて説明する。
一つ目の方法は「ガラス潤滑剤被覆工程」を行うことである。ガラス潤滑剤被覆工程は、前記加熱前素材表面の、少なくとも前記耐熱断熱材を接着する部分にガラス潤滑剤を予め被覆する工程を更に含むものである。ガラス潤滑剤は、前記加熱後の保温剤として作用することが可能であるため、特に、難加工性合金の熱間鍛造を行う場合に、有効である。
二つ目の方法は、前記耐熱断熱材の前記鍛造用素材と接着する面に、ガラス粒子を付着させておき、所定の場所に耐熱断熱材を接着させることである。この方法はガラス粒子が鍛造用素材表面の保有熱で軟化して接着させるものであるため、熱間鍛造温度が高いNi基超耐熱合金等の熱間鍛造への適用が有効である。なお、耐熱断熱材にガラス粒子を付着させる方法としては、例えば、前記耐熱断熱材の前記鍛造用素材と接着する面にガラス粒子を散布する方法、ガラス粒子を含んだガラス潤滑剤を塗布や噴霧(スプレー塗布)する方法がある。このうち、ガラス潤滑剤を塗布や噴霧(スプレー塗布)する方法を選択した場合、ガラス粒子を付着させた耐熱断熱材を乾燥させておくのが良い。前述したガラス潤滑剤を噴霧させる方法は、耐熱断熱材の前記鍛造用素材と接着する面に均一にガラス粒子を付着させることができ、特に好ましい。
なお、もちろん、上記の「ガラス潤滑剤被覆工程」と「耐熱断熱材の前記鍛造用素材と接着する面に、ガラス粒子を付着」させる2つの方法を組み合わせても差し支えない。
前記耐熱断熱材は無機繊維であることが好ましい。なお、本発明で言う「無機繊維」とは、ガラス繊維、セラミック繊維などを含み、断熱性に優れるセラミック繊維を選択するのが好ましい。セラミック繊維の中でも、例えば、KAOWOOL(登録商標:以後「カオウール」と記す)などであれば、入手のしやすさや安価なことから特に好ましい。無機繊維の耐熱断熱材であれば、鍛造用素材の表面粗さが多少粗くとも、その表面形状に沿って接着することが容易になるし、繊維が鍛造用素材表面の凹凸に引っかかりやすく、また、軽量であることから、例えば、鍛造用素材側面に接着させることも容易である。
また、本発明のように、加熱炉から取り出した鍛造用素材の少なくともその表面の一部にカオウールを接着させると、熱間鍛造初期にもカオウールがそのまま維持され、熱間鍛造中の熱間鍛造用素材の温度低下も抑制できる。従来例のように、加熱炉装入前からカオウールを配置しておくと、温度と時間の関係によるが、熱間鍛造を行うための搬送時に、簡単に破砕されるような状態となる。
<熱間鍛造工程>
前述の熱間鍛造用素材を用いて、金型、金敷、工具の何れかを用いて、前記熱間鍛造用素材の一部または全体を圧縮して所定の形状に成形する。用いる鍛造装置は、難加工性合金であっても、所定の形状に成形可能な鍛造荷重が数千トン以上の大型の熱間鍛造装置であることが好ましい。
また、本発明において、前記熱間鍛造工程は自由鍛造であることが好ましい。自由鍛造を行うときの熱間鍛造用素材は重量も大きく、大気中に放熱する面積も広く、加工量も大きい。そのため、耐熱断熱材を接着させて、熱間鍛造用素材の温度低下抑制の効果が大きい。この場合、前述のように、例えば、718合金やワスパロイ等の熱間鍛造可能な温度域がやや広い一般的なNi基合金を熱間鍛造するのであれば、前記自由鍛造で前記金型、金敷、工具の何れかに接触しない鍛造用素材の自由変形部分の少なくともその表面の一部に、前記耐熱断熱材を接着させておくのが好ましい。
実施例として、本発明を詳しく説明する、なお、以下の実施例で示す本発明例の測定温度については、耐熱断熱材が接着されていない部分や熱間鍛造中や熱間鍛造終了後に一部が剥離した部分を中心に測定したものである。
実施例1
加熱前素材として、718合金(Cr18.5質量%)及びワスパロイ合金(Cr19.5質量%)の他、Cr13.5質量%、Co25.0質量%、Mo2.8質量%、W1.2質量%、Ti6.2質量%、Al2.3質量%、C0.015質量%、B0.015質量%、Zr0.03質量%、残部Ni及び不可避的不純物でなる、γ’相をおおよそ49.5体積%含む、γ’高含有Ni基合金(以下、合金A)を用意した。前記加熱前素材は、何れもインゴットを所定の寸法に機械加工したもので、その表面は粗仕上げ相当の表面粗さとした。なお、熱間自由鍛造による据込鍛造を行うため、L/Dを3以下としたものを加熱前素材とした。
加熱工程に先立って、ガラス潤滑剤被覆工程として、200℃以下の加熱前素材の時点で、その両側端面(金敷または工具に接触する面)にガラス潤滑剤をおおよそ50~200μmの厚さで被覆した(ガラス潤滑剤被覆工程)。この加熱前素材を加熱炉中で所定の熱間鍛造温度に加熱した(加熱工程)。このときの酸素濃度は2~8%に制御した。加熱の温度(熱間鍛造温度)は、合金A及び718合金が1100℃、ワスパロイ合金が1150℃とし、保持時間を2~9時間とした。熱間鍛造温度までの昇温時間は、おおよそ8時間であり、表面全面を耐熱断熱材で包み込むような従来例と比較して10時間以上早く所定の温度に昇温することができた。
次に、加熱炉からマニピュレータで取り出した鍛造用素材1の両側端面の表面に耐熱断熱材11を接着させて熱間鍛造用素材2とした(耐熱断熱材接着工程)。耐熱断熱材はカオウール(無機繊維)とし、図1で示すように金敷または工具に接触する面に接着させ、熱間鍛造用素材の温度低下の抑制と、金敷または工具と接触することによる抜熱の抑制を行った。なお、予め被覆したガラス潤滑剤により、カオウールと鍛造用素材とは短時間で且つ、問題なく接着が完了したため、通常、載置までに低下する温度と比較しておおよそ5~10℃程度の温度が低下しただけで、熱間鍛造には支障がないものと判断した。
前記の熱間鍛造用素材を用いて、熱間自由鍛造による据込鍛造を行った。用いた熱間鍛造装置の下金敷上に熱間鍛造用素材を載置し、熱間鍛造用金型の上側端面に据込鍛造用の工具を載置した後に、加圧能力が4000tonの熱間鍛造装置を用いて押圧する自由鍛造を行い、次工程の熱間鍛造に用いる荒地(熱間鍛造材3)を作製した(熱間鍛造工程)。前記下金敷と据込鍛造用工具が熱間鍛造用素材に接触している部分以外は、自由変形領域であった。鍛造開始温度はおおよそ1000℃であり、熱間鍛造中の鍛造温度はおおよそ950~980℃であった。前記のように、下金敷と接触する部分と、上側端面側の据込鍛造用工具が接触する部分には、カオウールによって抜熱が抑制されていたため、熱間鍛造材の端部のシワ疵(割れ)などの表面欠陥の発生は殆ど生じなかった。
実施例2
ワスパロイ合金を用いて、耐熱断熱材を接着させたもの(本発明例1)と、耐熱断熱材を接着しないもの(比較例1)について、熱間鍛造中の温度変化と熱間鍛造材の疵(割れ)の発生具合を比較した。
用いた鍛造前素材は、何れもインゴットを所定の寸法に機械加工したもので、その表面は粗仕上げ相当の表面粗さとした。なお、L/Dを1.5以下としたものを加熱前素材として熱間自由鍛造による据込鍛造を行った。
加熱工程に先立って、ガラス潤滑剤被覆工程として、本発明例1の加熱前素材の両側端面(金敷または工具に接触する面)及び耐熱断熱材を接着させる外周面部分にガラス潤滑剤をおおよそ50~200μmの厚さで被覆した(ガラス潤滑剤被覆工程)。この加熱前素材を加熱炉中で所定の熱間鍛造温度に加熱した(加熱工程)。このときの酸素濃度は2~8%に制御した。加熱の温度(熱間鍛造温度)は1150℃とし、保持時間を2~4時間とした。鍛造温度までの昇温時間は、おおよそ8時間であった。
次に、図2に示すように、耐熱断熱材11として長さの異なるカオウール(無機繊維)2枚(11Aが長く、11Bが短い)をクロス状に重ね、加熱炉からマニピュレータで取り出した本発明例2の鍛造用素材1を重ねた部分に載置し、無機断熱材を黒矢印の方向に折り曲げながら、鍛造用素材の両側端面及び外周面の表面に耐熱断熱材を接着させた。耐熱断熱材11Bは長さが短く、鍛造用素材の全高さ付近までの長さであり、長さの長い耐熱断熱材11Aは、鍛造用素材の上側端面部分で重ね、鍛造用素材のほぼ表面全体を包んで熱間鍛造用素材とした(耐熱断熱材接着工程)。これにより、熱間鍛造用素材の温度低下の抑制と、金敷または工具と接触することによる抜熱の抑制、マニピュレータの把持部と接触することによる抜熱の抑制を行った。なお、予め被覆したガラス潤滑剤に加えて、鍛造用素材と接着するカオウールの面へのガラス粒子の付着により、カオウールと鍛造用素材とは短時間で且つ、問題なく接着が完了したため、通常、載置までに低下する温度と比較しておおよそ5~10℃程度の温度が低下しただけで、熱間鍛造には支障がないものと判断した。なお、比較例1の鍛造用素材には、耐熱断熱材の被覆は行わなかった。
前記の熱間鍛造用素材を用いて、熱間自由鍛造を行った。用いた熱間鍛造装置の下金敷上に熱間鍛造用素材を載置し、熱間鍛造用金型の上側端面に据込鍛造用の工具を載置した後に、加圧能力が10000tonの熱間鍛造装置を用いて押圧する自由鍛造を行い、次工程の熱間鍛造に用いる荒地(熱間鍛造材)を作製した(熱間鍛造工程)。前記下金敷と据込鍛造用工具が熱間鍛造用素材に接触している部分以外は、自由変形領域であった。鍛造開始温度はおおよそ1050℃であり、熱間鍛造中の鍛造温度はおおよそ1000℃であった。
据込鍛造直後の熱間鍛造用素材の温度を放射温度計で測定したところ、本発明例1ではおおよそ1090~1120℃であり、比較例1は950~990℃であった。本発明例1の方が熱間鍛造中の温度を約100℃以上高く保持できた。作製した熱間鍛造材の割れの状況を確認したところ、本発明例1の熱間鍛造材には目視で殆ど割れの発生が確認できなかったが、比較例1の熱間鍛造材には、金敷または工具と接触する鍛造用素材の両側端面やマニピュレータで把持する鍛造用素材側面で目視で確認できるだけの割れが確認できた。
実施例3
ワスパロイ合金を用いて、耐熱断熱材を接着させたもの(本発明例2)と、耐熱断熱材を接着しないもの(比較例2)について、鍛伸中の温度変化と熱間鍛造材の疵(割れ)の発生具合を比較した。
用いた加熱前素材は、据込鍛造後の素材を所定の寸法に機械加工したもので、その表面は粗仕上げ相当の表面粗さとした。
加熱工程に先立って、ガラス潤滑剤被覆工程として、本発明例2の加熱前素材の両側端面及び耐熱断熱材を接着させる部分にガラス潤滑剤をおおよそ50~200μmの厚さで被覆した(ガラス潤滑剤被覆工程)。この加熱前素材を加熱炉中で所定の熱間鍛造温度に加熱した(加熱工程)。このときの酸素濃度は2~8%に制御した。加熱の温度は1150℃とし、保持時間を2~4時間とした。鍛造温度までの昇温時間は、おおよそ8時間であった。
次に、図3に示すように、耐熱断熱材11を準備し、加熱炉からマニピュレータで取り出した本発明例2の鍛造用素材1を耐熱断熱材11上に載置し、耐熱断熱材を黒矢印の方向に曲げながら、外周面の表面に耐熱断熱材を接着させて熱間鍛造用素材とした(耐熱断熱材接着工程)。耐熱断熱材はカオウール(無機繊維)とし、図3で示すように外周面(鍛造用素材の自由変形部分)に接着させ、熱間鍛造用素材の温度低下の抑制と、マニピュレータの把持部と接触することによる抜熱の抑制を行った。なお、予め被覆したガラス潤滑剤に加えて、鍛造用素材と接着するカオウールの面へのガラス粒子の付着により、カオウールと鍛造用素材とは短時間で且つ、問題なく接着が完了したため、通常、載置までに低下する温度と比較しておおよそ5~10℃程度の温度が低下しただけで、熱間鍛造には支障がないものと判断した。なお、比較例2の鍛造用素材には、耐熱断熱材の被覆は行わなかった。
前記の熱間鍛造用素材を用いて、熱間鍛伸を行った。熱間鍛造用素材の側面を熱間鍛造装置の下金敷と上金敷で挟み、加圧能力が4000tonの熱間鍛造装置を用いて押圧する鍛伸鍛造を行い、次工程の熱間鍛造に用いる荒地(熱間鍛造材)を作製した(熱間鍛造工程)。鍛造開始温度は被覆されてない部位でおおよそ1050℃であり、熱間鍛造中の被覆がはがれた場所の鍛造素材温度はおおよそ1080~1020℃であった。
熱間鍛造終了直後の熱間鍛造用素材の温度を放射温度計で測定したところ、本発明例2では950~980℃であり、比較例2は900~950℃であった。本発明例2の方が、熱間鍛造中の温度を約50~80℃高く保持できた。作製した熱間鍛造材の割れの状況を確認したところ、本発明例2の熱間鍛造材には目視で殆ど割れの発生が確認できなかったが、比較例2の熱間鍛造材には、目視で確認できるだけの割れが全体的に確認できた。
以上、説明する本発明の熱間鍛造材の製造方法によれば、熱間鍛造用素材として難加工性合金を用いても、割れなどの不良を防止しつつ、効率よく熱間鍛造を行うことが可能であることが分かる。
1 鍛造用素材
2 熱間鍛造用素材
3 熱間鍛造材
11 耐熱断熱材

Claims (3)

  1. 熱間鍛造する加熱前素材を加熱炉中で熱間鍛造温度に加熱する加熱工程と、
    前記加熱炉から取り出した鍛造用素材の少なくともその表面の一部に、無機繊維の耐熱断熱材を接着させて熱間鍛造用素材とする耐熱断熱材接着工程と、
    金型、金敷、工具の何れかを用いて、前記熱間鍛造用素材の一部または全体を圧縮して所定の形状に成形する熱間鍛造工程と、
    を含み、
    前記耐熱断熱材の前記鍛造用素材と接着する面には、ガラス粒子が付着している熱間鍛造材の製造方法。
  2. 前記熱間鍛造工程が自由鍛造であり、前記自由鍛造で前記金型、金敷、工具の何れかに接触しない鍛造用素材の自由変形部分の少なくともその表面の一部に、前記耐熱断熱材を接着させる請求項1に記載の熱間鍛造材の製造方法。
  3. 前記加熱前素材表面の、少なくとも前記耐熱断熱材を接着する部分にはガラス潤滑剤を被覆するガラス潤滑剤被覆工程を更に含む請求項1または2に記載の熱間鍛造材の製造方法。
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