JP7334954B2 - 立体ディスプレイ - Google Patents

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    • H04N13/388Volumetric displays, i.e. systems where the image is built up from picture elements distributed through a volume
    • H04N13/39Volumetric displays, i.e. systems where the image is built up from picture elements distributed through a volume the picture elements emitting light at places where a pair of light beams intersect in a transparent material

Description

本発明は、立体画像を提示する立体ディスプレイに関する。
立体画像を提示する種々の立体ディスプレイが開発されている。立体ディスプレイでは、一般に、スクリーンの前方または上方等の空間に立体画像が提示される。
特許文献1に記載された立体ディスプレイは、基準軸を中心とする円に沿って並ぶように設けられた複数の光線発生器を備える。また、基準軸を取り囲むように設けられた反射部材を備える。反射部材は、基準軸を中心とする内周面を反射面として有する。その立体ディスプレイにおいては、複数の光線発生器の各々から、複数の光線からなる光線群が出射される。出射された光線群は、反射部材の反射面で反射される。反射部材により反射された光線群により、予め定められた観察領域から視認可能な立体画像が予め定められた画像提示空間に提示される。
特開2019-020663号公報
特許文献1に記載された立体ディスプレイに関して、立体画像のさらなる高精細化を実現するために、光線発生器の数を増やすことが考えられる。しかしながら、光線発生器の数を増やすと、立体ディスプレイが大型化する。また、光線発生器の数を増やす代わりに、複数の光線発生器を基準軸の周りで回転させ、時分割で各光線発生器からの光線群の出射を制御することが考えられる。しかしながら、この場合、立体ディスプレイの構成が複雑化する。
本発明の目的は、構成の大型化および複雑化を抑制しつつ高精細な立体画像を提示することが可能な立体ディスプレイを提供することである。
(1)本発明に係る立体ディスプレイは、立体形状データに基づいて立体画像を提示するための立体ディスプレイであって、上下方向に延びる基準軸を中心として基準軸を取り囲む反射面を有する反射部材と、複数の光線からなる光線群を各々出射可能に構成されるとともに基準軸を取り囲むように配置される複数の光線発生器と、複数の光線発生器を制御する制御部とを備え、基準軸を中心とする円環状の環状視域が定義され、反射部材は、基準軸に垂直な任意の断面において反射面が基準軸を中心とする実質的な円形を有するように構成され、複数の光線発生器の各々は、光線群の各光線が反射面で複数回反射されるように設けられ、制御部は、複数の光線発生器から出射されて反射面で複数回反射された複数の光線により環状視域から視認可能な立体画像が提示されるように複数の光線発生器を制御し、反射部材および複数の光線発生器は、各光線発生器から出射されて反射面により複数回反射された後の光線群が環状視域の全域に到達するように設けられ、反射部材の反射面は、各光線発生器から出射された光線群を直接的に受けるとともに反射する第1の部分と、第1の部分で反射された光線群を直接的に受けるとともに反射する第2の部分とを含み、基準軸の方向において、第1の部分の位置と第2の部分の位置とは互いに異なり、基準軸と第2の部分との間の距離は、基準軸と第1の部分との間の距離とは異なる。
その立体ディスプレイにおいては、複数の光線発生器のうち一の光線発生器から出射される光線群は、反射面で複数回反射された後、環状視域に到達する。この場合、基準軸の方向に見た平面視で、環状視域のうち光線群が到達可能な範囲は、一の光線発生器から出射される光線群が反射面で反射されることなく環状視域に直接的に到達する場合に比べて大きくなる。また、平面視で、環状視域のうち光線群が到達可能な範囲は、一の光線発生器から出射される光線群が反射面で一回反射された後、環状視域に直接的に到達する場合に比べて大きくなる。
それにより、環状視域内の複数の位置の各々で観察者により視認される立体画像を、複数の光線発生器のうちより多数の光線発生器を用いて形成することが可能になる。したがって、光線発生器の数を増加させることおよび複数の光線発生器を移動させる構成を設けることなく、環状視域内の各位置に到達する光線の密度を高くすることができる。なお、ここでいう光線の密度とは、基準線の方向に見た平面視で、環状視域に到達する単位角度当たりの光線の数を意味する。その結果、構成の大型化および複雑化を抑制しつつ高精細な立体画像を提示することが可能になる。
射部材および複数の光線発生器は、各光線発生器から出射されて反射面により複数回反射された後の光線群が環状視域の全域に到達するように設けられている。
この場合、環状視域内の各位置に到達する光線の密度をより高くすることができる。それにより、環状視域内の各位置で視認可能なより高精細な立体画像を提示することが可能になる。
射部材の反射面は、各光線発生器から出射された光線群を直接的に受けるとともに反射する第1の部分と、第1の部分で反射された光線群を直接的に受けるとともに反射する第2の部分とを含み、基準軸の方向において、第1の部分の位置と第2の部分の位置とは互いに異なり、基準軸と第2の部分との間の距離は、基準軸と第1の部分との間の距離とは異なってい
上記の構成によれば、基準軸と第2の部分との間の距離は、基準軸と第1の部分との間の距離に比べて大きいかまたは小さい。基準軸と第2の部分との間の距離が基準軸と第1の部分との間の距離に比べて大きい場合には、反射部材における第1および第2の部分のサイズを光線群が反射する順に大きく設定することができる。それにより、反射部材の第2の部分の内側で立体画像を提示するための領域を大きく設定することができる。したがって、より大きい立体画像を観察者に提示するために、複数の光線発生器から出射される各光線の進行経路を適切に定めることができる。一方、基準軸と第2の部分との間の距離が基準軸と第1の部分との間の距離に比べて小さい場合には、立体画像が提示されるべき領域の周辺部材の構成を小型化することができる。
)複数の光線発生器は、基準軸の方向に見た平面視で反射部材の反射面よりも外方に位置してもよい。
この場合、平面視で複数の光線発生器を反射部材の反射面の外方に配置することができる。そのため、複数の光線発生器を基準軸を中心とする円上に配置する場合には、平面視で複数の光線発生器を反射部材の反射面の内方に配置する場合に比べて、複数の光線発生器が配置される円の半径をより大きくすることができる。この場合、複数の光線発生器が配置される円の周長が長くなる。それにより、円上により多数の光線発生器を配置することができる。あるいは、円上に配置されるべき光線発生器の個数が予め定められている場合には、隣り合って配置される各2つの光線発生器が干渉しない程度に、各光線発生器のサイズの大型化が許容される。このように、上記の構成によれば、複数の光線発生器の設置条件が制限されにくい。したがって、複数の光線発生器の配置の自由度および複数の光線発生器の種類の選定の自由度が向上する。
)複数の光線発生器の各々から出射される光線群は、基準軸の方向に平行な面内で並ぶ光線列および基準軸の方向に垂直な方向に平行な面内で並ぶ光線行を含み、光線列を形成する光線数よりも光線行を形成する光線数が大きくてもよい。
この場合、光線列を形成する光線数が光線行を形成する光線数以下である場合に比べて、光線群の基準軸を中心とする周方向の密度を大きくすることができる。それにより、立体画像の精細度をより高めることができる。なお、ここでいう光線群は、環状視域から視認可能な立体画像を構成する光線群である。
)立体ディスプレイは、複数の光線発生器の各々から出射されて反射面で複数回反射された光線群の各光線を透過させつつ制御する光線制御子をさらに含み、光線制御子は、反射部材の反射面と環状視域との間に位置してもよい。
この場合、反射部材から環状視域に向かって進行する各光線が光線制御子により制御される。それにより、光線制御子の制御に応じたより適切な立体画像の提示が可能になる。例えば、光線制御子が、複数の光線発生器の各々から出射されて反射面で複数回反射された光線群の各光線を基準軸を含む面内で拡散させる制御を行う場合を仮定する。この場合、反射部材から環状視域に向かって進行する各光線が基準軸の方向に広がる。それにより、基準軸の方向における環状視域の幅を光線制御子が用いられない場合に比べて大きく設定することができる。
本発明によれば、構成の大型化および複雑化を抑制しつつ高精細な立体画像を提示することが可能となる。
本発明の一実施の形態に係る立体ディスプレイの模式的断面図である。 図1の立体ディスプレイの模式的平面図である。 複数の光線発生器の各々から出射される光線群の進行経路を説明するための模式的平面図である。 複数の光線発生器の各々から出射される光線群の進行経路を説明するための模式的断面図である。 立体ディスプレイによる立体画像の提示方法を説明するための図である。 立体ディスプレイによる立体画像の提示方法を説明するための図である。 立体ディスプレイにおいて一の光線発生器から出射される光線群が到達可能な視域内の範囲を説明するための平面図である。 立体ディスプレイの複数の構成要素についての好ましい条件設定例を説明するための立体ディスプレイの模式的平面図である。 立体ディスプレイの複数の構成要素についての他の条件設定例を説明するための立体ディスプレイの模式的平面図である。 図8の例に対応する立体ディスプレイを用いた立体画像の具体的な提示例を説明するための図である。 本発明の一実施の形態に係る立体ディスプレイに特有の位置関係について説明するための平面図である。 他の実施の形態に係る反射部材の一例を示す模式的断面図である。 他の実施の形態に係る反射部材の他の例を示す模式的断面図である。 他の実施の形態に係る反射部材のさらに他の例を示す模式的断面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る立体ディスプレイについて図面を参照しながら説明する。
[1]立体ディスプレイの構成
図1は本発明の一実施の形態に係る立体ディスプレイの模式的断面図であり、図2は図1の立体ディスプレイの模式的平面図である。図1に示すように、立体ディスプレイ1は、複数の光線発生器2、制御装置3、記憶装置4、2つの反射部材7,8および光線制御子9により構成される。制御装置3は、例えばパーソナルコンピュータ、サーキットボードまたは組み込みシステム等からなる。記憶装置4は、例えばハードディスク、メモリカードまたはRAM(ランダムアクセスメモリ)等からなる。記憶装置4には、立体画像300を提示するための立体形状データが記憶される。図1および図2ならびに後述する図8および図9では、立体ディスプレイ1により複数の観察者10に提示される立体画像300が仮想的に示される。
立体ディスプレイ1の一部は、テーブル5に取り付けられる。テーブル5は、円形の天板51および複数の脚52からなる。天板51は中心に円形の孔部51hを有する。以下の説明では、天板51の中心を通って上下方向に延びる軸を基準軸raと呼ぶ。孔部51hの中心は基準軸ra上に存在する。
光線制御子9は、底部が開口した円錐形状を有し、底部開口が上方を向くように孔部51hに嵌め込まれている。光線制御子9が天板51に取り付けられた状態で、光線制御子9の中心軸は基準軸raに一致している。
光線制御子9は、外周面に入射した光線が基準軸raを含む任意の仮想面内で大きく拡散するとともに基準軸raを中心とする円周方向Rで小さく拡散しつつ透過するように構成されている。より具体的には、光線制御子9は、基準軸raを含む任意の仮想面内で外周面に光線が入射する場合に、当該仮想面において光線制御子9を透過する光線が視域500を含む上下方向の領域に広がるように構成されている。また、光線制御子9は、外周面に光線が入射する場合に、平面視で光線制御子9の外周面に入射した光線が直線状に透過していると見なせるように構成されている。なお、円周方向Rは、基準軸raを含む仮想面に直交する方向である。テーブル5の周囲にいる観察者10は、テーブル5の斜め上方から光線制御子9の内周面を観察することができる。光線を主として一方向に拡散させる構成は、例えば透明なシート状樹脂で形成された円錐形状のベース部材を用意し、そのベース部材の内周面または外周面に複数の環状レンズを設けることにより実現することができる。光線を主として一方向に拡散させる構成は、上記のシート状樹脂に予め定められた拡散用のパターンを有するホログラムシートまたは回折格子を設けることにより実現することも可能である。
反射部材8は、円筒形状を有し、天板51の下方の位置で基準軸raを取り囲むように設けられている。本例では、反射部材8は、その上端部が天板51の下面に取り付けられている。この状態で、光線制御子9は、反射部材8の内部空間に位置する。反射部材8は、基準軸raを中心とする内周面を反射面8aとして有する。基準軸raに垂直な面内(水平面内)で、反射面8aは基準軸raを中心とする円形状を有する。
反射部材7は、反射部材8と同様に、円筒形状を有し、反射部材8の下方の位置で、基準軸raを取り囲むように設けられている。本例では、反射部材7は、その上端部が反射部材8の下端部に取り付けられている。反射部材7は、基準軸raを中心とする内周面を反射面7aとして有する。基準軸raに垂直な面内(水平面内)で、反射面7aは基準軸raを中心とする円形状を有する。反射面8aの内径は、反射面7aの内径に比べて大きい。すなわち、基準軸raと反射面8aの任意の部分との間の距離は、基準軸raと反射面7aの任意の部分との間の距離に比べて大きい。
複数の光線発生器2は、テーブル5の天板51の下方において、基準軸raの周囲を取り囲むように固定的に設けられる。本例において、複数の光線発生器2は、基準軸raを中心とする円600上に配置される。円600は、反射部材7,8よりも下方でかつ基準軸raに垂直な仮想面上に定義される。図1および図2では、円600が一点鎖線で示される。
円600は、図2に示すように、立体ディスプレイ1を基準軸raの方向に見た平面視で基準軸raに関して反射面7a,8aよりも外方に位置する。複数の光線発生器2は、円600に沿って円環状に並べられる。図2の例においては、複数の光線発生器2の数は18個である。複数の光線発生器2は、テーブル5、反射部材7,8および光線制御子9に対して固定的に設けられる。複数の光線発生器2は、光線発生器アレイとして一体的に設けられてもよい。
各光線発生器2は、図1に示すように、複数の光線からなる光線群を出射する光線出射部Pを有する。各光線発生器2の光線出射部Pは、反射部材7の反射面7aに向けられる。光線出射部Pから出射される光線群は、反射面7aにより反射部材8の反射面8aに向けて反射され、さらに反射面8aにより光線制御子9の外周面に向けて反射される。また、光線出射部Pから出射される光線群の少なくとも一部は、基準軸raを通る。ここで、光線とは、拡散しない直線で表される光をいう。光線発生器2としては、例えば走査型プロジェクタが用いられる。走査型プロジェクタは、光線を出射するとともにその光線を水平面内および垂直面内で偏向させることができる。各光線発生器2から出射される光線群の進行経路の詳細は後述する。
各光線の色は、提示されるべき立体画像300に応じて設定される。光線発生器2として走査型プロジェクタを用いる場合には、光線の出射方向ごとに光線の色が設定される。これにより、擬似的に光線群を形成することができる。
光線発生器2は、空間光変調器および1または複数のレンズからなるレンズアレイ等の投影系を備えた一般的なプロジェクタであってもよい。1または複数のレンズは、投射レンズを含む。ここで、投影系のアパーチャ(開口)が十分に小さい場合には、走査型プロジェクタと同様に光線群を形成することができる。空間光変調器は、例えばDMD(Digital Micromirror Device)、LCD(Liquid Crystal Display)またはLCOS(Liquid Crystal on Silicon)である。
立体ディスプレイ1においては、観察者10が立体画像300を観察する際に観察者10の眼が位置すべき領域が視域500として予め定義される。視域500は、複数の光線発生器2、反射部材7,8および光線制御子9に対して特定の位置関係を有する。本例の視域500は、テーブル5の天板51よりも上方の位置で基準軸raを取り囲むように円環状に定義される。また、本例の視域500は、基準軸raの方向に見た平面視で基準軸raに関して反射部材7,8の反射面7a,8aおよび円600よりも外方に位置する。図1および図2においては、視域500が一点鎖線で示されるが、視域500は上下方向および水平方向において一定の幅を有してもよい。
制御装置3は、記憶装置4に記憶される立体形状データに基づいて複数の光線発生器2を制御する。それにより、光線制御子9の上方の空間に視域500の任意の位置から視認可能な立体画像300が提示される。ここで、立体ディスプレイ1において視域500の全域に立体画像300を提示可能な球形の空間を画像提示空間RSと呼ぶ。画像提示空間RSは、例えば、光線制御子9の形状および寸法と、視域500の形状および寸法と、光線制御子9および視域500間の位置関係とに基づいて一義的に定められる。
[2]複数の光線発生器2の各々から出射される光線群の進行経路
図3は複数の光線発生器2の各々から出射される光線群の進行経路を説明するための模式的平面図であり、図4は複数の光線発生器2の各々から出射される光線群の進行経路を説明するための模式的断面図である。図3および図4には、円600上に配置される1つの光線発生器2がそれぞれ示される。なお、図3および図4では、光線群の進行経路の理解を容易にするために、立体ディスプレイ1のうち説明に要する一部の構成要素が図示されている。また、図3では、光線制御子9が点線で図示されている。
各光線発生器2から出射される光線群は、複数列および複数行に並ぶ複数の光線Lを含む。列は上下方向の並びであり、行は水平方向の並びである。すなわち、各列の複数の光線は上下方向に平行な面上に並び、各行の複数の光線は水平方向に平行な面上に並ぶ。以下、各列の複数の光線Lの並びを光線列と呼び、各行の複数の光線Lの並びを光線行と呼ぶ。
図3に示すように、水平方向において、円600上の光線発生器2から出射される光線群は、円形状の水平断面を有する反射面7aで反射される。反射面7aで反射された複数の光線Lは、さらに円形状の水平断面を有する反射面8aで反射される。反射面8aで反射された複数の光線Lは、光線制御子9の外周面に入射し、光線制御子9を透過して視域500内の複数の位置に向かう。それにより、共通の光線行に含まれる複数の光線Lは、平面視で互いに異なる方向に進行し、視域500の広い範囲に渡って入射する。
また、図4に示すように、上下方向において、円600上の光線発生器2から出射される光線群は、上下方向に直線状に延びる反射面7aで反射される。また、反射面7aで反射された複数の光線Lは、上下方向に直線状に延びる反射面8aで反射される。さらに、反射面8aで反射された複数の光線Lは、光線制御子9の外周面に入射し、光線制御子9を透過して視域500に向かう。このとき、光線制御子9の稜線方向Tにおける複数の部分の各々は、反射部材8から入射する光線Lが上下方向において拡散されるようにその光線Lを透過させる。この場合、共通の光線列に含まれる複数の光線Lの各々が拡散した光の一部は、視域500内のほぼ共通の位置に到達する。なお、図4では、視域500を透過する光線Lが拡散している状態が点線で示され、ほぼ共通の位置に到達する拡散光の一部が一点鎖線で示される。
よって、観察者10は、視域500内の任意の位置において、円600上に配置された1つの光線発生器2から出射される光線群のうち、共通の光線列に含まれる複数の光線Lを視認することができる。
なお、図3に示すように、各光線発生器2から出射される光線行は、反射面7a,8aで反射されることによって進行方向が分散する。そのため、水平方向においては、視域500に到達する複数の光線Lの間隔が大きくなりやすい。そこで、各光線発生器2から出射される光線群について、光線行を形成する光線Lの数は、光線列を形成する光線Lの数よりも大きいことが好ましい。この場合、光線列を形成する光線Lの数が光線行を形成する光線Lの数以下である場合に比べて、水平方向において立体画像300を形成するために視域500に入射する光線Lの密度を大きくすることができる。それにより、立体画像300の精細度を高めることができる。
さらに、光線行における光線Lの密度は、光線列における光線Lの密度よりも高いことが好ましい。ここでいう光線Lの密度とは、各光線発生器2から投射される画角における単位角度当たりの光線数を意味する。また、光線列の密度は、上下方向に拡がる複数の光線Lのうち単位角度当たりの光線数であり、光線行の密度は、水平方向に広がる複数の光線Lのうち単位角度当たりの光線数である。すなわち、光線列における単位角度当たりの光線数より光線行における単位角度当たりの光線数が多いことが好ましい。この場合、視域500に到達する複数の光線Lの間隔を縮めることができるので、立体画像300の精細度を高めることができる。
[3]立体画像の提示方法
図5および図6は、立体ディスプレイ1による立体画像300の提示方法を説明するための図である。図5および図6では、上段に立体ディスプレイ1の模式的平面図が示される。以下の説明では、図2に示される18個の光線発生器2をそれぞれ区別する場合に、複数の光線発生器2をそれぞれ光線発生器2a~2rと呼ぶ。
図5に示すように、画像提示空間RSの位置PRに赤色のボクセルを提示する場合には、例えば光線発生器2jは、2つの反射面7a,8aにより2回反射されて位置PRを通るように出射される光線Lj0に赤色を付与する。また、光線発生器2iは、2つの反射面7a,8aにより2回反射されて位置PRを通るように出射される光線Li0に赤色を付与する。さらに、光線発生器2hは、2つの反射面7a,8aにより2回反射されて位置PRを通るように出射される光線Lh0に赤色を付与する。
それにより、赤色の光線Lj0,Li0,Lh0の交点にあたかも赤色の点光源があるかのように赤色のボクセルが提示される。具体的には、観察者10の眼が、視域500内の位置ej0,ei0,eh0にある場合に、観察者10は位置PRに赤色のボクセルを見ることができる。位置ej0,ei0,eh0は、視域500内の互いに異なる位置である。
なお、図5では、光線Lj0,Li0,Lh0の進行経路が理解しやすいように、光線発生器2j,2i,2hから反射面7aで反射されるまでの光線Lj0,Li0,Lh0の部分が点線で示される。また、反射面7aで反射されて反射面8aで反射されるまでの光線Lj0,Li0,Lh0の部分が一点鎖線で示される。さらに、反射面8aで反射されて視域500に到達するまでの光線Lj0,Li0,Lh0の部分が太い実線で示される。
同様にして、図6に示すように、画像提示空間RSの位置PGに緑色のボクセルを提示する場合には、例えば光線発生器2jは、2つの反射面7a,8aにより2回反射されて位置PGを通るように出射される光線Lj1に緑色を付与する。また、光線発生器2iは、2つの反射面7a,8aにより2回反射されて位置PGを通るように出射される光線Li1に緑色を付与する。さらに、光線発生器2hは、2つの反射面7a,8aにより2回反射されて位置PGを通るように出射される光線Lh1に緑色を付与する。
それにより、緑色の光線Lj1,Li1,Lh1の交点にあたかも緑色の点光源があるかのように緑色のボクセルが提示される。具体的には、観察者10の眼が、視域500内の位置ej1,ei1,eh1にある場合に、観察者10は位置PGに緑色のボクセルを見ることができる。位置ej1,ei1,eh1は、視域500内の互いに異なる位置である。
図6においても、図5の例と同様に、光線発生器2j,2i,2hから反射面7aで反射されるまでの光線Lj1,Li1,Lh1の部分が点線で示される。また、反射面7aで反射されて反射面8aで反射されるまでの光線Lj1,Li1,Lh1の部分が一点鎖線で示される。さらに、反射面8aで反射されて視域500に到達するまでの光線Lj1,Li1,Lh1の部分が太い実線で示される。
上記のようにして、複数の光線発生器2a~2rの各々から立体画像300の各位置を通る方向に提示すべき色の光線Lが出射される。複数の光線発生器2a~2rから出射されて2つの反射面7a,8aで2回反射された複数の光線Lにより、画像提示空間RSが十分に密に交点群で満たされる場合を想定する。この場合、視域500内のいずれの位置から画像提示空間RSを観察しても位置PR,PGを通過する適切な光線Lが観察者10の眼に入射する。それにより、観察者10は、そこに点光源があることを認識する。
実物体の表面において反射または拡散された光を人は物体として認識するので、物体の表面は点光源の集合とみなすことができる。すなわち、物体の表面が存在すべき複数の位置の色を複数の光線発生器2a~2rから出射される複数の光線Lによって適切に再現することにより、視域500内の任意の位置で観察可能な立体画像300を提示することができる。
図5の下段には、視域500内の位置ej0,ei0,eh0からそれぞれ視認される立体画像300が示されている。立体形状データにより表されるべき形状の種類によっては、図5に示すように、視域500内の互いに異なる位置ej0,ei0,eh0から視認される立体画像300の見た目は互いに異なる。赤色の光線Lj0,Li0,Lh0の交点に提示される赤色のボクセルは、複数の位置ej0,ei0,eh0から画像提示空間RS内の共通の位置PRに存在するように視認される。
図6においては、図5の例と同様に、視域500内の位置ej1,ei1,eh1からそれぞれ視認される立体画像300がさらに示される。立体形状データにより表されるべき形状の種類によっては、図6に示すように、視域500内の互いに異なる位置ej1,ei1,eh1から視認される立体画像300の見た目は互いに異なる。緑色の光線Lj1,Li1,Lh1の交点に提示される緑色のボクセルは、複数の位置ej1,ei1,eh1から画像提示空間RS内の共通の位置PGに存在するように視認される。
ところで、視域500内において、観察者10の右眼の位置と左眼の位置とは互いに異なる。観察者10が1つの点光源を見る場合、その点光源をなす複数の光線Lのうち、異なる方向の光線Lが右眼および左眼にそれぞれ入射する。そのため、観察者10は、右眼と左眼とで異なる視線方向に各点光源を見ることができる。すなわち右眼の視線方向と左眼の視線方向との間には輻輳角がある。また、右眼で見る複数の点光源の位置関係と、左眼で見る複数の点光源の位置関係とは異なる。すなわち視差が発生する。これらにより、観察者10は、光線群により形成される画像を立体視することができる。
上下方向においては、共通の光線列に含まれる複数の光線Lが視域500のほぼ共通の位置に入射する。例えば、図5の位置ej0には、光線発生器2jから出射される光線群のうち、光線Lj0と共通の光線列に含まれる複数の光線Lが到達する。これにより、上下方向において物体の表面を表す複数の色を再現することができる。
以上の説明においては、ボクセルは、全方向に向かって同じ強度で発光する画像提示空間RS内の点光源であると仮定している。そのため、一のボクセルを視域500の複数の位置に提示するために用いられる複数の光線Lには、方向によらず共通の色が付与されている。しかしながら、一のボクセルを視域500の複数の位置にそれぞれ提示するための複数の光線にそれぞれ付与される色は、コンピュータグラフィクスで用いられる各種レンダリング技法に基づいて修正されてもよい。例えば、光線Lが立体画像データにより設定された複数のボクセルにそれぞれ対応する複数の位置を通過する場合に、その光線が通過する複数のボクセルの位置のうち最も視域500に近い位置のボクセルの色をその光線に付与すべき色として選択する処理が行われてもよい(隠面処理)。あるいは、ボクセルを提示するための複数の光線Lには、例えば鏡面反射を考慮して、白色成分が加算された色が付与されてもよい。
[4]一の光線発生器から出射される光線群が到達可能な視域500内の範囲
図7は、立体ディスプレイ1において一の光線発生器から出射される光線群が到達可能な視域500内の範囲を説明するための平面図である。以下の説明においては、一の光線発生器2jから出射される光線群に着目する。本例の光線発生器2jから出射される光線群は、平面視において、その光線発生器2jに固有の水平方向の画角(例えば30°)で光線出射部Pから広がるように出射されるものとする。
この場合、立体ディスプレイ1に2つの反射部材7,8(図1)が設けられないと仮定すると、光線発生器2jから出射される光線群は、図7の上段に示すように、光線発生器2jから直接視域500に到達する。このとき、視域500内の光線発生器2jの光線群が到達可能な範囲を直接到達範囲cr0と呼ぶ。なお、図7の上段に示される平面図では、立体ディスプレイ1に反射部材7,8が設けられないと仮定した場合に、一の光線発生器2jから出射される光線群の進行可能な領域が薄いハッチングで示される。
次に、立体ディスプレイ1に反射部材8(図1)が設けられないと仮定すると、光線発生器2jから出射される光線群は、図7の中段に示すように、反射部材7(図1)の反射面7aにより反射された後視域500に到達する。このとき、視域500内の光線発生器2jの光線群が到達可能な範囲を第1の反射到達範囲cr1と呼ぶ。反射面7aにおいて光線群が反射される際には、反射面7aが水平面内で周方向に一定の曲率を有することにより、反射面7aで反射された光線群が光線発生器2jの画角を超えて広がる。それにより、視域500において第1の反射到達範囲cr1が占める割合は、視域500において直接到達範囲cr0が占める割合に比べて大きくなる。本例では、視域500のうち約半分の領域が第1の反射到達範囲cr1となっている。なお、図7の中段に示される平面図では、立体ディスプレイ1に反射部材7が設けられないと仮定した場合に、一の光線発生器2jから出射される光線群の進行可能な領域が濃いハッチングで示される。
次に、図1の立体ディスプレイ1において、光線発生器2jから出射される光線群は、図7の下段に示すように、反射部材7,8(図1)の反射面7a,8aにより2回反射された後視域500に到達する。このとき、視域500内の光線発生器2jの光線群が到達可能な範囲を第2の反射到達範囲cr2と呼ぶ。反射面8aにおいて光線群が反射される際には、反射面8aが水平面内で周方向に一定の曲率を有することにより、反射面8aから反射された光線群が反射面7aで反射された光線群の広がりを超えて広がる。それにより、視域500において第2の反射到達範囲cr2が占める割合は、視域500において第1の反射到達範囲cr1が占める割合に比べて大きくなる。本例では、視域500の全域が第2の反射到達範囲cr2となっている。より具体的には、光線発生器2jから出射される光線群は、平面視で基準軸raを中心とする視域500の周方向において360°を超える範囲(本例では、430°程度の範囲)に到達している。なお、図7の下段に示される平面図では、図1の立体ディスプレイ1において一の光線発生器2jから出射される光線群の進行可能な領域がドットパターンで示される。
上記のように、本実施の形態に係る立体ディスプレイ1においては、一の光線発生器2jから出射される光線群は、反射面7a,8aにより2回反射されて視域500に到達する。それにより、一の光線発生器2jから出射される光線群を直接視域500に到達させる場合に比べて、その光線発生器2jから視域500に光線群を到達させることが可能な範囲を大きくすることができる。また、一の光線発生器2jから出射される光線群を反射面7aにより1回のみ反射させて視域500に到達させる場合に比べて、その光線発生器2jから視域500に光線群を到達させることが可能な範囲を大きくすることができる。
それにより、複数の光線発生器2a~2rの各々から出射される光線Lを、視域500におけるより広い範囲に到達させることができる。したがって、視域500内の複数の位置の各々で観察者10に提示される立体画像300を、複数の光線発生器2a~2rのうちより多数の光線発生器を用いて形成することが可能になる。
[5]立体ディスプレイ1の複数の構成要素についての条件設定例
図8は、立体ディスプレイ1の複数の構成要素についての好ましい条件設定例を説明するための立体ディスプレイ1の模式的平面図である。図8に示すように、本例では、平面視で複数の光線発生器2a~2rのうち一の光線発生器2jの光線出射部Pと基準軸raとを通る直線を第1の仮想直線vl1と定義する。さらに、平面視で第1の仮想直線vl1に交差する視域500内の位置を、視域500内の位置の代表として代表位置rpと呼ぶ。
立体ディスプレイ1の複数の構成要素の条件は、代表位置rpから視認可能に提示される立体画像300が全ての光線発生器2a~2rから出射される複数の光線で形成されるように設定されることが好ましい。図8では、代表位置rpから視認される立体画像300の形成に寄与する複数の光線発生器として、全ての光線発生器2a~2rがハッチングで示される。
設定されるべき条件は、具体的には、反射面7a,8aの形状および大きさ、各光線発生器2a~2rの画角、ならびに複数の光線発生器2a~2r、反射面7a,8aおよび視域500の位置関係を含む。
上記のように、代表位置rpに対応する立体画像300が全ての光線発生器2a~2rから出射される複数の光線で形成されることは、各光線発生器から出射されて反射面7a,8aにより2回反射された後の光線群が視域500の全域に到達することを意味する。これにより、視域500内の任意の位置に到達する光線Lの密度をより高くすることができる。したがって、視域500内の任意の位置で視認可能なより高精細な立体画像300を提示することが可能になる。
図9は、立体ディスプレイ1の複数の構成要素についての他の条件設定例を説明するための立体ディスプレイ1の模式的平面図である。図9に示すように、本例においても、図8の例と同様に、平面視で光線発生器2jの光線出射部Pと基準軸raとを通る直線を第1の仮想直線vl1と定義し、平面視で第1の仮想直線vl1に交差する視域500内の位置を代表位置rpと呼ぶ。さらに、本例では、平面視で第1の仮想直線vl1に垂直でありかつ基準軸raを通る直線を第2の仮想直線vl2と定義するとともに、平面視で第2の仮想直線vl2により分割される2つの空間を第1の空間sp1および第2の空間sp2と呼ぶ。第1の空間sp1は光線発生器2jが配置されない空間であり、第2の空間sp2は光線発生器2jが配置される空間である。
立体ディスプレイ1の複数の構成要素の条件は、代表位置rpに対応する立体画像300が第1の空間sp1に配置される全ての光線発生器2a~2e,2o~2rおよび第2の空間sp2に配置される一部の光線発生器から出射される複数の光線Lで形成されるように設定されてもよい。図9では、代表位置rpから視認される立体画像300の形成に寄与する複数の光線発生器として、複数の光線発生器2a~2rのうち一部の光線発生器2a~2f,2n~2rがハッチングで示される。この場合においても、反射部材7,8を用いることなく立体画像300を形成する場合、および反射部材7,8のうち1つを用いて立体画像300を形成する場合に比べて、視域500内の任意の位置に到達する光線Lの密度を高くすることができる。したがって、視域500内の任意の位置で視認可能な高精細な立体画像300を提示することが可能になる。
[6]立体画像300の具体的な提示例
図10は、図8の例に対応する立体ディスプレイ1を用いた立体画像300の具体的な提示例を説明するための図である。ここでは、図8の例に対応する立体ディスプレイ1において、代表位置rp(図8)から視認可能な立体画像300がどのようにして提示されるかを説明する。
図8の画像提示空間RSに視域500内の複数の位置からそれぞれ視認される立体画像300を提示する際には、その立体画像300を形成するための光線群が複数の光線発生器2a~2rの各々から出射される。各光線発生器2a~2rから出射される光線群により形成される画像を出射画像と呼ぶ。この場合、出射画像のうち、視域500内の任意の位置で視認可能な立体画像300を構成するために用いられる光線Lを含む部分は、円600における当該光線発生器の位置に応じて定められる。
ここで、代表位置rpには、複数の光線発生器2a~2rの各々から出射される光線群の一部の光線列が入射する。それにより、複数の光線発生器2a~2rから出射されて代表位置rpに入射する複数の光線列が、代表位置rpに対応する立体画像300を形成するために用いられる。図10の上段に、複数の光線発生器2a~2rの出射画像i2a~i2rの外形が点線で示される。図10の各出射画像i2a~i2rにおいては、出射画像i2a~i2rのうち代表位置rpに到達する光線列の画像部分が実線の枠内に示される。
複数の光線発生器2a~2rから出射されて代表位置rpに到達する複数の光線列の画像部分が画像提示空間RSで水平方向に連続して並ぶように提示される。それにより、図10の下段に示すように、代表位置rpに対応する立体画像300が形成される。なお、図10の各出射画像i2a~i2rのうち実線の枠以外の部分は、光線列ごとに視域500における他の位置に到達する。したがって、視域500における代表位置rp以外の各位置においても、複数の光線発生器2a~2rから出射されて当該位置に到達する複数の光線列の画像部分が画像提示空間RSで水平方向に連続して並ぶように提示される。それにより、当該位置に対応する立体画像300が形成される。
[7]効果
(1)上記の立体ディスプレイ1においては、複数の光線発生器2のうち一の光線発生器2から出射される光線群は、2つの反射面7a,8aで2回反射された後、光線制御子9を通過して円環状の視域500に到達する。この場合、視域500内の光線群が到達可能な範囲は、一の光線発生器から出射される光線群が反射面7a,8aで反射されることなく視域500に直接的に到達する場合に比べて大きくなる。また、視域500のうち光線群が到達可能な範囲は、一の光線発生器から出射される光線群が反射面7a,8aのいずれか1つにより一回反射された後、視域500に直接的に到達する場合に比べて大きくなる。
それにより、視域500内の複数の位置の各々で観察者10により視認される立体画像300を、より多数の光線発生器2を用いて形成することが可能になる。したがって、光線発生器2の数を増加させることおよび複数の光線発生器2を移動させる構成を設けることなく、視域500内の各位置に到達する光線Lの密度を高くすることができる。その結果、構成の大型化および複雑化を抑制しつつ高精細な立体画像300を提示することが可能になる。
(2)上記の立体ディスプレイ1においては、反射面8aの内径が反射面7aの内径よりも大きい。この場合、複数の光線発生器2の各々から出射される光線群が反射される順に反射面7a,8aを大きく設定することができる。それにより、反射面8aの内径が反射面7aの内径よりも小さい場合に比べて、画像提示空間RSをより大きく設定することができる。したがって、より大きい立体画像300を観察者10に提示するために、立体ディスプレイ1における各種光線の進行経路を適切に定めることができる。
(3)複数の光線発生器2は、基準軸raの方向に見た平面視で反射面8aよりも外方に位置する。この場合、平面視で複数の光線発生器2を反射部材8の内方に配置する場合に比べて、設置スペースが制限されにくい。したがって、複数の光線発生器2の配置の自由度が向上する。
(4)上記の立体ディスプレイ1においては、光線制御子9は、反射面8aと視域500との間に設けられ、外周面に入射する光線群の各光線Lを基準軸raを含む面内で拡散させつつ透過させる。この場合、反射面8aから視域500に向かって進行する各光線Lが基準軸raの方向に広がる。それにより、基準軸raの方向における視域500の幅を光線制御子9が用いられない場合に比べて大きく設定することができる。
[8]立体ディスプレイ1に特有の位置関係
図11は、本発明の一実施の形態に係る立体ディスプレイ1に特有の位置関係について説明するための平面図である。図11に示すように、立体ディスプレイ1の平面視で、一の光線発生器2jにより画像提示空間RSの位置PBに青色のボクセルを提示することを仮定する。この場合、光線発生器2jは、2つの反射面7a,8aにより2回反射されて位置PBを通るように青色の光線LBを出射する。このとき、光線LBは、光線発生器2jから反射面7aに入射する直線部分LB1と、反射面7aから反射面8aに入射する直線部分LB2と、反射面8aから視域500に入射する直線部分LB3とで構成される。
ここで、上記の立体ディスプレイ1においては、反射面7a,8aは、基準軸raに垂直な面内で基準軸raを中心とする円形状を有する。また、複数の光線発生器2a~2rは、基準軸raを中心とする円600上に配置されている。さらに、光線制御子9は、円錐形状を有し、光線制御子9の中心軸は基準軸raに一致している。
この構成によれば、上記の光線LBの3つの直線部分LB1,LB2,LB3の内接球IBの中心は、基準軸ra上に位置することになる。この位置関係が満たされる場合には、複数の光線発生器2a~2rから視域500の全域にそれぞれ到達する複数の光線行の密度分布が等しくなる。したがって、立体ディスプレイ1において定義される視域500の全域に均質な立体画像300を提示することが可能になる。なお、立体画像300の一部として提示されるべきボクセルの位置は画像提示空間RS内に設定される必要がある。
[9]他の実施の形態
(1)上記実施の形態に係る立体ディスプレイ1においては、2つの反射面7a,8aにより2回反射された複数の光線により画像提示空間RSに立体画像300が提示されるが、本発明はこれに限定されない。2つの反射面7a,8aのうち少なくとも一方の反射面により3回以上反射された複数の光線により画像提示空間RSに立体画像300が提示されてもよい。なお、3回以上反射された複数の光線により立体画像300を提示する立体ディスプレイは、個別に作製された3個以上の反射部材を備えてもよい。例えば、3回反射された複数の光線により立体画像300を提示する立体ディスプレイは、上記の反射部材7,8に代えて、個別に作製された別体の3個の反射部材を第1、第2および第3の反射部材として備えてもよい。この場合、第1の反射部材は、基準軸raを取り囲む円筒形状を有し、その内周面で各光線発生器2から出射される光線群を直接受けて反射するように設けられる。また、第2の反射部材は、基準軸raを取り囲む円筒形状を有し、その内周面で第1の反射部材により反射された光線群を直接受けて反射するように設けられる。さらに、第3の反射部材は、基準軸raを取り囲む円筒形状を有し、その内周面で第2の反射部材により反射された光線群を直接受けて反射するように設けられる。
一の光線発生器から出射されて3回以上反射された光線群が到達可能な視域500内の範囲は、反射面7a,8aにより2回反射された光線群が到達可能な視域500内の範囲に比べて大きい。それにより、視域500内の複数の位置の各々で観察者10により視認される立体画像300を、さらに多数の光線発生器を用いてより多くの光線で形成することが可能になる。その結果、立体画像300のさらなる高精細化が可能になる。
(2)複数の光線発生器2a~2rから出射される複数の光線の各々を2回反射するための構成として、上記実施の形態に係る反射部材7,8に代えて以下の反射部材を用いてもよい。
図12は他の実施の形態に係る反射部材の一例を示す模式的断面図であり、図13は他の実施の形態に係る反射部材の他の例を示す模式的断面図であり、図14は他の実施の形態に係る反射部材のさらに他の例を示す模式的断面図である。
図12の例では、反射部材8の反射面8aが側面視で基準軸raの方向に対して傾斜している。このように、反射部材7,8のうち少なくとも一方の反射面7a,8aを基準軸raの方向に対して傾斜させることにより、各光線発生器2から視域500に向けて反射される光線群の進行方向を調整することができる。それにより、反射部材8の上下方向のサイズを変更することなく視域500の高さを調整することができる。
図13の例では、光線発生器2から出射される光線群を2回反射させる反射部材71が単一の円筒部材で構成される。この反射部材71は、基準軸raを中心とする内周面を反射面71aとして有する。反射部材71の内径は一定である。図13の反射部材71によれば、各光線発生器2から発生される光線群を反射するための構成が単純化する。
図14の例では、図13の例と同様に、光線発生器2から出射される光線群を2回反射させる反射部材72が単一の円筒部材で構成される。この反射部材72は、径大部72a、中間部72bおよび径小部72cがこの順で天板51の下面から下方に向かって並んだ構成を有し、基準軸raを取り囲むように設けられている。また、反射部材72は、基準軸raを中心とする内周面を反射面72sとして有する。
径大部72aおよび径小部72cは、それぞれ略一定の内径を有する。径大部72aの内径は、径小部72cの内径よりも大きい。中間部72bは、径大部72aと径小部72cとを繋ぐように形成されている。そのため、中間部72bの内径は径小部72cから径大部72aへ遷移するように変化している。具体的には、中間部72bの内径は、下方から上方に向かうにつれて漸次拡大されている。図14の反射部材72によれば、各光線発生器2から発生される光線群を反射するための部品点数が低減され、構成が単純化する。また、基準軸raの方向において内径が変化する部分を適切に設定することにより、各光線発生器2から視域500に向けて反射される光線群の進行方向を、光線制御子9によらず調整することができる。
なお、径大部72aおよび径小部72cのうち少なくとも一方の反射面72sは、基準軸raを含む仮想面内で、下方から上方に向かって凹状に湾曲するように形成されてもよい。すなわち、径大部72aおよび径小部72cのうち少なくとも一方の反射面72sの鉛直断面は、凹状を有してもよい。この場合、各光線発生器2から出射される光線群の一部を、径大部72aおよび径小部72cのうち少なくとも一方の反射面72sで反射させることにより、上下方向において、各光線発生器2から出射される光線列を視域500の各位置に集光することも可能になる。
(3)上記実施の形態に係る立体ディスプレイ1には光線制御子9が設けられるが、光線制御子9は設けられなくてもよい。この場合、画像提示空間RSは、例えば、反射部材8の反射面8a形状および寸法と、天板51の孔部51hの寸法と、視域500の形状および寸法と、反射部材8および視域500間の位置関係とに基づいて一義的に定めることができる。
(4)上記実施の形態に係る立体ディスプレイ1においては、円錐形状を有する光線制御子9がテーブル5に取り付けられるが、本発明はこれに限定されない。光線制御子9は、円錐台形状を有してもよいし、円筒形状を有してもよい。また、光線制御子9は反射面7a,8aのいずれかに接するように設けられてもよい。
(5)上記実施の形態に係る立体ディスプレイ1においては、視域500がテーブル5の天板51よりも上方の位置に定義され、反射部材7,8および複数の光線発生器2が天板51の下方に設けられるが、本発明はこれに限定されない。立体ディスプレイ1は、テーブル5の天板51を基準として上下方向に反転された構成を有してもよい。この場合、観察者10は、視域500内の任意の位置で下方から斜め上方に向かって光線制御子9を見ることにより立体画像300を視認することができる。
(6)上記実施の形態に係る立体ディスプレイ1においては、光線制御子9の内周面の上方に画像提示空間RSが設定されるが、本発明はこれに限定されない。光線制御子9の内周面の下方に画像提示空間RSが設定されてもよい。この場合、光線制御子9は、底部開口が下方を向くように孔部51hに嵌め込まれる。より具体的には、光線制御子9は、その頂点とその外周面の大部分とが天板51よりも上方に位置するように、その底部が孔部51hに嵌め込まれる。この状態で、光線制御子9の下方に立体画像300が提示される。光線制御子9は、透光性を有する材料で形成される。それにより、観察者10は、視域500から光線制御子9を見ることにより光線制御子9を通して立体画像300を視認することができる。
(7)上記実施の形態に係る反射部材7,8の反射面7a,8aの各々は、基準軸raに垂直な面内で基準軸raを中心とする円形状を有するが、本発明はこれに限定されない。反射面7a,8aの各々は、基準軸raに垂直な面内で基準軸raを中心とする実質的な円形状を有すればよい。すなわち、各反射面7a,8aは、実質的に円形状と見なすことが可能な程度の多角形状の水平断面を有してもよい。また、各反射面7a,8aの水平断面は、実質的に円形状と見なすことが可能な程度のゆがみを含む円形状(楕円形状)を有してもよい。あるいは、各反射面7a,8aの水平断面は、実質的に円形状と見なすことが可能な程度の継ぎ目または途切れ(欠け)を有してもよい。
(8)上記実施の形態に係る立体ディスプレイ1においては、複数の光線発生器2は平面視で基準軸raを中心とする円600上に配置されるが、本発明はこれに限定されない。複数の光線発生器2は、平面視で基準軸raを取り囲むように設けられていればよい。そのため、複数の光線発生器2の一部は、円600上に配置されなくてもよい。
(9)上記実施の形態に係る立体ディスプレイ1は、複数の光線発生器2として18個の光線発生器2を備えるが、立体ディスプレイ1が備える光線発生器2の数は複数であればよく、10個であってもよいし、30個であってもよい。あるいは、光線発生器2の数は、200個~300個程度であってもよい。なお、複数の光線発生器2は、平面視で基準軸raを基準として等角度間隔または略等角度間隔に設けられることが好ましい。
(10)上記実施の形態に係る立体ディスプレイ1においては、光線発生器2として電気的に制御可能なプロジェクタ等が用いられるが、本発明はこれに限定されない。立体ディスプレイ1においては、点光源またはレーザポインタとスライドフィルムとを組み合わせた構成(いわゆる映写機に相当する構成)を光線発生器2としてもよい。この場合、立体画像300を提示するための画像を表すスライドフィルムを予め作製することにより、記憶装置4が不要となる。
(11)上記の立体ディスプレイ1においては、反射面8aの内径が反射面7aの内径よりも大きいが、反射部材7,8は、反射面8aの内径が反射面7aの内径よりも小さくなるように構成されてもよい。この場合、画像提示空間RSの周辺部材の構成を小型化することができる。また、大きな構成を立体ディスプレイ1におけるより下方の位置に配置することができるので、立体ディスプレイ1の設置状態が安定する。
(12)上記実施の形態に係る立体ディスプレイ1に設けられる光線制御子9は、外周面に入射した光線がその稜線方向Tにおいて大きく拡散しかつ円周方向Rで小さく拡散しつつ透過するように構成されるが、本発明はこれに限定されない。光線制御子9は、透過する光線Lを一方向に拡散させる構成に代えて、または透過する光線Lを一方向に拡散させる機能に加えて、以下の機能を有してもよい。
光線制御子9は、透過する光線Lの進行方向を変更または制限する機能を有してもよい。この場合、透過する光線Lの進行方向を変更または制限することにより、光線制御子9を透過する光線列を所望の高さの視域500に集光することができる。
透過する光線Lの進行方向を変更または制限する光線制御子9は、例えばプリズム、パララックスバリア構造を有する部材、回折格子またはホログラム等を用いることにより実現可能である。プリズムを用いる場合、透過する光線Lの進行方向を変更する構成は、例えば透明なシート状樹脂で形成された円錐形状のベース部材を用意し、そのベース部材の内周面または外周面に複数の環状プリズムを設けることにより実現することができる。
なお、光線制御子9において透過する光線Lの進行方向を変更または制限するための構成として、可変のパララックスバリア構造を有する部材を用いる場合には、パララックスバリア構造を制御することにより複数の光線Lの集光位置を適宜変更することも可能になる。
また、光線制御子9は、透過する光線Lの特性を変更する機能を有してもよい。この場合、透過する光線Lの特性を変更することにより、提示される立体画像300の光量、色合いを調整することができる。
透過する光線Lの特性を変更する光線制御子9は、例えばND(ニュートラルデンシティ)フィルタまたはカラーフィルタ等を用いることにより実現可能である。
(13)上記実施の形態に係る立体ディスプレイ1に設けられる光線制御子9の数は1つであるが、本発明はこれに限定されない。立体ディスプレイ1に設けられる光線制御子9の数は、2以上であってもよい。2以上の光線制御子9を用いることにより、立体画像300の画質の調整が容易になる。なお、天板51の孔部51hを塞ぐように、円形の拡散板が設けられてもよい。この場合、立体画像300の輝度むらが低減され、立体画像300の画質がさらに向上する。
[10]実施の形態の各部と請求項の各構成要素との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各構成要素との対応の例について説明する。
上記の実施の形態においては、立体ディスプレイ1が立体ディスプレイの例であり、基準軸raが基準軸の例であり、反射面7a,8aが反射面の例であり、反射部材7,8が反射部材の例であり、光線発生器2,2a~2rが光線発生器の例であり、制御装置3が制御部の例であり、視域500が環状視域の例であり、反射面7aが反射面の第1の部分の例であり、反射面8aが反射面の第2の部分の例であり、光線制御子9が光線制御子の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の構成要素を用いることもできる。
[11]参考形態
(1)参考形態に係る立体ディスプレイは、立体形状データに基づいて立体画像を提示するための立体ディスプレイであって、上下方向に延びる基準軸を中心として基準軸を取り囲む反射面を有する反射部材と、複数の光線からなる光線群を各々出射可能に構成されるとともに基準軸を取り囲むように配置される複数の光線発生器と、複数の光線発生器を制御する制御部とを備え、基準軸を中心とする円環状の環状視域が定義され、反射部材は、基準軸に垂直な任意の断面において反射面が基準軸を中心とする実質的な円形を有するように構成され、複数の光線発生器の各々は、光線群の各光線が反射面で複数回反射されるように設けられ、制御部は、複数の光線発生器から出射されて反射面で複数回反射された複数の光線により環状視域から視認可能な立体画像が提示されるように複数の光線発生器を制御する。
その立体ディスプレイにおいては、複数の光線発生器のうち一の光線発生器から出射される光線群は、反射面で複数回反射された後、環状視域に到達する。この場合、基準軸の方向に見た平面視で、環状視域のうち光線群が到達可能な範囲は、一の光線発生器から出射される光線群が反射面で反射されることなく環状視域に直接的に到達する場合に比べて大きくなる。また、平面視で、環状視域のうち光線群が到達可能な範囲は、一の光線発生器から出射される光線群が反射面で一回反射された後、環状視域に直接的に到達する場合に比べて大きくなる。
それにより、環状視域内の複数の位置の各々で観察者により視認される立体画像を、複数の光線発生器のうちより多数の光線発生器を用いて形成することが可能になる。したがって、光線発生器の数を増加させることおよび複数の光線発生器を移動させる構成を設けることなく、環状視域内の各位置に到達する光線の密度を高くすることができる。なお、ここでいう光線の密度とは、基準線の方向に見た平面視で、環状視域に到達する単位角度当たりの光線の数を意味する。その結果、構成の大型化および複雑化を抑制しつつ高精細な立体画像を提示することが可能になる。
(2)反射部材および複数の光線発生器は、各光線発生器から出射されて反射面により複数回反射された後の光線群が環状視域の全域に到達するように設けられてもよい。
この場合、環状視域内の各位置に到達する光線の密度をより高くすることができる。それにより、環状視域内の各位置で視認可能なより高精細な立体画像を提示することが可能になる。
(3)反射部材の反射面は、各光線発生器から出射された光線群を直接的に受けるとともに反射する第1の部分と、第1の部分で反射された光線群を直接的に受けるとともに反射する第2の部分とを含み、基準軸の方向において、第1の部分の位置と第2の部分の位置とは互いに異なり、基準軸と第2の部分との間の距離は、基準軸と第1の部分との間の距離とは異なっていてもよい。
上記の構成によれば、基準軸と第2の部分との間の距離は、基準軸と第1の部分との間の距離に比べて大きいかまたは小さい。基準軸と第2の部分との間の距離が基準軸と第1の部分との間の距離に比べて大きい場合には、反射部材における第1および第2の部分のサイズを光線群が反射する順に大きく設定することができる。それにより、反射部材の第2の部分の内側で立体画像を提示するための領域を大きく設定することができる。したがって、より大きい立体画像を観察者に提示するために、複数の光線発生器から出射される各光線の進行経路を適切に定めることができる。一方、基準軸と第2の部分との間の距離が基準軸と第1の部分との間の距離に比べて小さい場合には、立体画像が提示されるべき領域の周辺部材の構成を小型化することができる。
(4)複数の光線発生器は、基準軸の方向に見た平面視で反射部材の反射面よりも外方に位置してもよい。
この場合、平面視で複数の光線発生器を反射部材の反射面の外方に配置することができる。そのため、複数の光線発生器を基準軸を中心とする円上に配置する場合には、平面視で複数の光線発生器を反射部材の反射面の内方に配置する場合に比べて、複数の光線発生器が配置される円の半径をより大きくすることができる。この場合、複数の光線発生器が配置される円の周長が長くなる。それにより、円上により多数の光線発生器を配置することができる。あるいは、円上に配置されるべき光線発生器の個数が予め定められている場合には、隣り合って配置される各2つの光線発生器が干渉しない程度に、各光線発生器のサイズの大型化が許容される。このように、上記の構成によれば、複数の光線発生器の設置条件が制限されにくい。したがって、複数の光線発生器の配置の自由度および複数の光線発生器の種類の選定の自由度が向上する。
(5)複数の光線発生器の各々から出射される光線群は、基準軸の方向に平行な面内で並ぶ光線列および基準軸の方向に垂直な方向に平行な面内で並ぶ光線行を含み、光線列を形成する光線数よりも光線行を形成する光線数が大きくてもよい。
この場合、光線列を形成する光線数が光線行を形成する光線数以下である場合に比べて、光線群の基準軸を中心とする周方向の密度を大きくすることができる。それにより、立体画像の精細度をより高めることができる。なお、ここでいう光線群は、環状視域から視認可能な立体画像を構成する光線群である。
(6)立体ディスプレイは、複数の光線発生器の各々から出射されて反射面で複数回反射された光線群の各光線を透過させつつ制御する光線制御子をさらに含み、光線制御子は、反射部材の反射面と環状視域との間に位置してもよい。
この場合、反射部材から環状視域に向かって進行する各光線が光線制御子により制御される。それにより、光線制御子の制御に応じたより適切な立体画像の提示が可能になる。例えば、光線制御子が、複数の光線発生器の各々から出射されて反射面で複数回反射された光線群の各光線を基準軸を含む面内で拡散させる制御を行う場合を仮定する。この場合、反射部材から環状視域に向かって進行する各光線が基準軸の方向に広がる。それにより、基準軸の方向における環状視域の幅を光線制御子が用いられない場合に比べて大きく設定することができる。

1…立体ディスプレイ,2,2a~2r…光線発生器,3…制御装置,4…記憶装置,5…テーブル,7,8,71,72…反射部材,9…光線制御子,10…観察者,51…天板,51h…孔部,52…脚,71a,72s,7a,8a…反射面,72a…径大部,72b…中間部,72c…径小部,300…立体画像,500…視域,600…円,cr0…直接到達範囲,cr1…第1の反射到達範囲,cr2…第2の反射到達範囲,ej0,ei0,eh0,ej1,ei1,eh1,PB,PG,PR…位置,i2a~i2r…出射画像,IB…内接球,LB1,LB2,LB3…直線部分,L,Lh0,Lh1,Li0,Li1,Lj0,Lj1…光線,P…光線出射部,ra…基準軸,rp…代表位置,RS…画像提示空間,sp1…第1の空間,sp2…第2の空間,vl1…第1の仮想直線,vl2…第2の仮想直線

Claims (4)

  1. 立体形状データに基づいて立体画像を提示するための立体ディスプレイであって、
    上下方向に延びる基準軸を中心として前記基準軸を取り囲む反射面を有する反射部材と、
    複数の光線からなる光線群を各々出射可能に構成されるとともに前記基準軸を取り囲むように配置される複数の光線発生器と、
    前記複数の光線発生器を制御する制御部とを備え、
    前記基準軸を中心とする円環状の環状視域が定義され、
    前記反射部材は、前記基準軸に垂直な任意の断面において前記反射面が前記基準軸を中心とする実質的な円形を有するように構成され、
    前記複数の光線発生器の各々は、光線群の各光線が前記反射面で複数回反射されるように設けられ、
    前記制御部は、前記複数の光線発生器から出射されて前記反射面で複数回反射された複数の光線により前記環状視域から視認可能な立体画像が提示されるように前記複数の光線発生器を制御し、
    前記反射部材および前記複数の光線発生器は、各光線発生器から出射されて前記反射面により複数回反射された後の光線群が前記環状視域の全域に到達するように設けられ、
    前記反射部材の反射面は、
    各光線発生器から出射された光線群を直接的に受けるとともに反射する第1の部分と、
    前記第1の部分で反射された光線群を直接的に受けるとともに反射する第2の部分とを含み、
    前記基準軸の方向において、前記第1の部分の位置と前記第2の部分の位置とは互いに異なり、
    前記基準軸と前記第2の部分との間の距離は、前記基準軸と前記第1の部分との間の距離とは異なる、立体ディスプレイ。
  2. 前記複数の光線発生器は、前記基準軸の方向に見た平面視で前記反射部材の反射面よりも外方に位置する、請求項1に記載の立体ディスプレイ。
  3. 前記複数の光線発生器の各々から出射される光線群は、前記基準軸の方向に平行な面内で並ぶ光線列および前記基準軸の方向に垂直な方向に平行な面内で並ぶ光線行を含み、
    前記光線列を形成する光線数よりも前記光線行を形成する光線数が大きい、請求項1または2に記載の立体ディスプレイ。
  4. 前記複数の光線発生器の各々から出射されて前記反射面で複数回反射された光線群の各光線を透過させつつ制御する光線制御子をさらに含み、
    前記光線制御子は、前記反射部材の前記反射面と前記環状視域との間に位置する、請求項1~のいずれか一項に記載の立体ディスプレイ。
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