JP2017083694A - 表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】形成される実像の意図しない湾曲を抑制でき、高品質の画像表示が可能な表示装置を提供する。【解決手段】円筒状の筐体と、筐体の周方向の少なくとも一部に沿って設けられた反射型スクリーンと、反射型スクリーンに投射光を投射する投射装置と、筐体の周方向の少なくとも一部に沿って設けられ、反射型スクリーンで反射された投射光を反射させるミラーと、を備え、投射装置は投射光を反射型スクリーンに結像させ、ミラーは反射型スクリーンにより反射された投射光を反射させて筐体の内部に視認可能な表示像として結像させる、表示装置。【選択図】図1

Description

本発明は、表示装置に関する。
円筒状のケース部材の内部に表示パネルを配置し、表示パネルの画像をケース部材の内面に反射させることで空間に浮いて見える実像を形成する表示装置が知られている(特許文献1参照)。
特開2009−244728号公報
特許文献1記載の表示装置では、平面の表示パネルを用いているため、ケース部材内の空間に形成される実像は必ず湾曲した画像となり、意図しない形状の画像となっていた。
本発明は、形成される実像の意図しない湾曲を抑制でき、高品質の画像表示が可能な表示装置を提供することを目的の一つとする。
本発明の一態様によれば、円筒状の筐体と、前記筐体の周方向の少なくとも一部に沿うように配置された反射型スクリーンと、投射光を投射する投射装置と、前記筐体の周方向の少なくとも一部に沿うように配置されたミラーと、を備え、前記投射装置は、前記投射光を前記反射型スクリーンに結像させ、前記ミラーは、前記反射型スクリーンにより反射された前記投射光を反射させて前記筐体の内部に視認可能な表示像として結像させる表示装置が提供される。
この構成によれば、投射装置から投射される投射光を、反射型スクリーンを介してミラーに入射させるので、反射型スクリーンの表面形状を変えることで、投射光の反射面形状を調整することができる。その結果、表示像の立体形状を所望の形状に容易に調整することができる。したがって、表示像が意図しない湾曲を持った形状となることが抑制され、高品質の表示を得ることができる。
前記反射型スクリーンは、前記筐体の中心軸の延在方向に前記ミラーと隣り合うように配置されている構成としてもよい。
この構成によれば、1つの筐体内にコンパクトに光学系を構成することができる。
前記筐体は円筒状の透明部を有し、前記透明部は、前記ミラーに対して前記反射型スクリーンと反対側に配置されている構成としてもよい。
この構成によれば、透明部を介して表示像を観察することで、透明部が表示像に対する奥行きの基準となるため、観察者には表示像の浮遊感が増した状態で見えるようになる。
前記投射装置は、前記筐体の中心軸周りに配置された複数の光源を有する構成としてもよい。
この構成によれば、複数の方向から視認可能な表示像を形成することができる。
前記複数の光源は、前記筐体の中心軸周りに間隔が等しくなるように配置されている構成としてもよい。
この構成によれば、筐体の周囲から観察可能な表示像を形成することができる。
前記投射装置から投射される前記投射光は、前記反射型スクリーン上で連結し、周方向に連続した前記表示像を形成する構成としてもよい。
この構成によれば、水平方向に大きな表示像を形成することができる。
前記表示像は、前記筐体の中心軸周りに一周連続している構成としてもよい。
この構成によれば、投射装置の位置によらず、筐体の周囲の任意の方向から観察可能な表示像を形成することができる。
前記筐体の内部に配置された導光ミラーを備え、前記導光ミラーは、前記投射装置から投射される前記投射光を前記反射型スクリーンに向けて反射する構成としてもよい。
この構成によれば、投射装置の配置の自由度が大きくなるので、投射装置から反射型スクリーンまでの投射距離を長くすることができるので、投射装置のフォーカス距離の制限や投射像の大きさの制限を緩和することができる。
前記導光ミラーは前記筐体の中心軸周りに複数の反射面を有する構成としてもよい。
この構成によれば、反射面ごとに表示像を形成することができる。
前記導光ミラーは、前記投射装置から投射される前記投射光を分割し、分割した前記投射光が互いに前記反射型スクリーンの異なる領域に結像するように反射する構成としてもよい。
この構成によれば、1つの投射装置を用いて複数の表示像を形成することができる。
前記投射装置は、前記筐体の中心軸の延在方向の前記筐体よりも外側に位置する構成としてもよい。
この構成によれば、投射装置へのアクセスが容易になり、メンテナンス性を向上させることができる。
前記反射型スクリーンは、前記筐体の径方向内側へ突出する湾曲形状の反射面を有する構成としてもよい。
この構成によれば、立体感を伴う表示像を形成することができる。
前記反射型スクリーンは、表面に凹凸を有する立体形状の反射面を有する構成としてもよい。
この構成によれば、任意の凹凸の立体形状を有する表示像を形成することができる。
第1実施形態の表示装置を示す斜視図。 第1実施形態の表示装置の中心軸に沿った断面図。 第1実施形態の表示装置の平面図。 第2実施形態の表示装置の中心軸に沿った断面図。 第2実施形態の表示装置の平面図。 第2実施形態の表示装置の作用を説明するために示す平面図。 第3実施形態の表示装置の中心軸に沿った断面図。 第3実施形態の表示装置の平面図。 第3実施形態の表示装置の底壁部の平面図。 第4実施形態の表示装置の中心軸に沿った断面図。 第4実施形態の表示装置の平面図。 第5実施形態の表示装置の中心軸に沿った断面図。 第5実施形態の表示装置の平面図。 第6実施形態の表示装置の中心軸に沿った断面図。 第6実施形態の表示装置の平面図。 第7実施形態の表示装置の中心軸に沿った断面図。 第7実施形態の表示装置の平面図。 表示像を示す斜視図。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態である表示装置について説明する。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
以下の図面を用いた説明においては、XYZ直交座標系を設定し、XYZ直交座標系を参照しつつ各部材について説明する。本実施形態では、鉛直方向にZ軸を設定し、鉛直方向の上側を+Z側、鉛直方向の下側を−Z側とする。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の表示装置を示す斜視図である。図2は、第1実施形態の表示装置の中心軸に沿った断面図である。図3は、第1実施形態の表示装置の平面図である。
表示装置10は、図1から図3に示すように、円筒状の筐体11と、筐体11の内面に設けられた反射型スクリーン12と、反射型スクリーン12に画像を投射するプロジェクター(投射装置)13と、筐体11の内面に設けられ、反射型スクリーン12で反射された投射光を反射させるミラー14と、を備える。表示装置10には、図2に示すように、制御装置150が接続される。
筐体11は中心軸Oに沿って鉛直方向(Z軸方向)に延びる有底の円筒状である。筐体11は、円筒状の筒部11aと、筒部11aの一方の端部(下端)を閉塞する底壁部11bと、を有する。筒部11aの上端部(底壁部11bと反対側の端部)には透明部15が設けられる。透明部15は、筒部11aのうち、ミラー14よりも上側の部分である。
反射型スクリーン12は、筒部11aの下部(底壁部11b側の端部)の内面に、反射面が内向きとなるように設けられる。筒部11aの全体が透明な材質であれば、筒部11aの外面に反射型スクリーン12を配置してもよい。
反射型スクリーン12は、筐体11の内面を中心軸O周りに一周する円筒状である。プロジェクター13が1台のみである本実施形態では、反射型スクリーン12は筒部11aの周方向の一部(プロジェクター13の投射範囲)にのみ設けられていてもよい。
ミラー14は、反射型スクリーン12よりも上側(+Z側)の筒部11a内面に、反射面が内向きとなるように設けられる。ミラー14は中心軸O周りに一周する円筒状である。ミラー14についても、反射型スクリーン12で反射された投射光が入射する範囲に少なくとも設けられていればよく、したがって、筒部11aの周方向の一部にのみ設けられていてもよい。ミラー14としては、フィルム状の基材の表面に金属膜を形成したものを用いることができる。筒部11aの全体が透明な材質であれば、筒部11aの外面に反射型スクリーン12を配置してもよい。あるいは、筒部11aの内面又は外面に金属膜を成膜してミラー14としてもよい。
プロジェクター13は、底壁部11bの上面の外周部(筒部11a近傍)に設置される。プロジェクター13は、筒部11aの近傍から底壁部11bの中心へ向けて投射光を投射する。プロジェクター13には制御装置150が接続される。
制御装置150は、ケーブル及びネットワーク等を介して外部装置から入力される画像情報から、プロジェクター13に投射させる画像を形成し、映像信号としてプロジェクター13に送信する。制御装置150は、上記の画像情報を記憶する記憶装置を備えていてもよい。
表示装置10では、鉛直方向において反射型スクリーン12に対してプロジェクター13とミラー14とが対称に近い位置に配置される一方、水平方向では反射型スクリーン12が円弧状又は円筒状に設けられる。そこで、反射型スクリーン12としてピークゲインの高いスクリーンを用いることが好ましい。ピークゲインの高いスクリーンを用いることで、ミラー14への反射方向に射出される光量を比較的多く、水平方向に射出される光量を比較的少なくすることができ、投射光を効率よく表示に使用することができる。
[表示動作]
表示装置10の画像表示動作において、プロジェクター13は、図2及び図3に示すように、中心軸Oを介して対向する反射型スクリーン12に投射光を投射し、反射型スクリーンの表面で結像させる。投射された投射光は反射型スクリーン12により拡散反射される。反射型スクリーンで反射された投射光は、中心軸Oを介して反射型スクリーン12の反対側に位置するミラー14に入射し、ミラー14で反射される。
ここで、筒部11aの半径をRとすると、ミラー14は水平方向に対して焦点距離fがR/2となる凹面鏡を構成する。結像式(1/a)+(1/b)=(1/f)において、a=2R、f=R/2を代入すると、b=2R/3となる。したがって、ミラー14は、ミラー14から中心へ2R/3の位置(言い換えると中心軸Oから半径の1/3だけミラー14寄りの位置)に、反射型スクリーン12から入射する投射光を表示像Aとして結像させる。
表示像Aは、図2に示すように、ミラー14と対向する方向から筒部11aの内部を観察することで視認できる。筒部11aの内部は、筒部11aの上端開口部からのぞき込んで観察してもよく、透明部15を介して側方から観察してもよい。表示像Aは、筒部11a内の空中に浮遊した状態で視認される。プロジェクター13から投射する画像の背景色を黒などの暗色とすることで、表示像Aの枠が見えにくくなり、より大きな浮遊感を観察者に感じさせることができる。
表示像Aの観察方向(上または側方)については、表示装置10の設置場所や表示像Aとして表示する物体の態様に応じて適宜決めればよい。決定された観察方向に応じて筒部11aの軸方向長さ及び透明部15の軸方向長さを調整してもよい。
本実施形態では、筐体11に透明部15が設けられている。透明部15を介して観察することで、透明部15が表示像Aに対する奥行きの基準となるため、観察者には表示像Aの浮遊感が増した状態で見える。
なお、ミラー14で反射された画像光線は、鉛直方向に対しては結像せず、ミラー14を中心とした反射型スクリーン12の+X側の対称位置(筐体11の外側)に虚像を形成する。しかし、観察者は基本的に両眼を水平とした姿勢で画像を観察するため、水平方向の凹面鏡により生成される表示像Aを観察することができる。
また表示装置10によれば、表示像Aの意図しない湾曲を抑制し、高品質の表示像Aを得ることができる。以下、詳細に説明する。
従来の表示装置では、液晶パネル又は有機ELパネルのような平面形状の表示パネルの表示画像を円筒状のケース部材の内面で反射させて実像を浮遊表示させていた。この構成では、浮遊表示させる実像は、必ず軸方向視で弧状に湾曲してしまう。このような像面湾曲は、表示パネルの位置を移動させても解消することはできない。
上記に対して、本実施形態の表示装置10では、プロジェクター13から投射した画像光線を円筒状の反射型スクリーン12の凹曲面で反射させてミラー14に入射させ、さらに円筒状のミラー14の凹曲面により結像させて表示像Aを形成する。これにより、ほぼ平面形状の表示像Aを形成することができる。表示装置10によれば、例えば、文字やイラストなどを歪みの少ない状態で表示することができ、視認性に優れた表示が得られる。
このように本実施形態の表示装置10によれば、従来の表示装置において解消することができなかった意図しない像面湾曲の発生を抑制することができる。
さらに、反射型スクリーン12は、その表面形状を自在に変形することができるため、平面形状の表示像Aだけでなく、所望の立体形状を有する表示像Aを自在に形成することができる。反射型スクリーン12の立体形状を変化させた具体例については後述する実施形態で説明する。
なお、表示装置10では、表示像Aは、プロジェクター13から投射した画像に対して、鉛直方向(縦方向)は等倍であるが、水平方向(横方向)が1/3に縮小される。したがって、表示像Aにおいて所望の縦横比が得られるように、プロジェクター13又は制御装置150において、画像を横方向に3倍に伸長する補正を施すとよい。プロジェクター13に水平方向に3倍伸長した画像を表示させる場合には、プロジェクター13の表示領域の長手方向が水平方向に一致するように配置することで、表示領域の無駄を比較的少なくすることができる。
また本実施形態では、筒部11aの中心軸の延在方向(鉛直方向)に、反射型スクリーン12と、ミラー14とを隣り合うように配置している。これにより、プロジェクター13の投射光を反射型スクリーン12、ミラー14で順次折り返しながら筒部11aの上部へ案内し、表示像Aを結像させることができる。したがって、投射光の結像光学系の光路長を確保しつつ、筒部11aをコンパクトに構成することができる。
また本実施形態では、透明部15をミラー14の上側(中心軸の延在方向において反射型スクリーン12と反対側)に設けている。これにより、筐体11の一部を利用して表示像Aの観察窓を設置することができ、筐体11の大型化を抑制しつつ浮遊感を増大させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図4から図6を参照して説明する。
図4は、第2実施形態の表示装置の中心軸に沿った断面図である。図5は、第2実施形態の表示装置の平面図である。図6は、第2実施形態の表示装置の作用を説明するために示す平面図である。
なお、以下の説明では、上記実施形態と共通の構成及び部材については同じ符号を付し、その詳細な説明については省略する。
第2実施形態の表示装置20は、第1実施形態においてプロジェクター13を周方向に複数台配置し、反射型スクリーン12の水平方向において、プロジェクターの投射範囲を一周にわたって隙間無く配置した構成である。すなわち、本実施形態の表示装置20は、複数の光源(プロジェクター13)を有する投射装置を備える。この構成により、本実施形態の表示装置20では、第1実施形態の表示像Aに相当する表示像を複数周方向に並べて表示させ、複数の方向から表示像を視認可能としている。
具体的に、第2実施形態の表示装置20は、図4及び図5に示すように、6台のプロジェクター131〜136(投射装置の光源)と、筐体11と、反射型スクリーン12と、ミラー14とを備える。6台のプロジェクター131〜136のそれぞれは第1実施形態のプロジェクター13と共通の構成である。
プロジェクター131〜136は、図5に示すように、底壁部11bの上面に、中心軸Oを中心として周方向に60°おきの等間隔に配置される。各々のプロジェクター131〜136は、底壁部11bの外周部から内側向きに配置される。各々のプロジェクター131〜136は、第1実施形態のプロジェクター13と同様に、反射型スクリーン12に投射像を結像させる。投射光は反射型スクリーン12で反射されてミラー14に入射し、ミラー14によって筐体11内に浮遊して見える表示像A1〜A6に結像される。
プロジェクター131〜136には、制御装置150Aが接続される。
制御装置150Aは、ケーブル及びネットワーク等を介して外部装置から入力される画像情報から、プロジェクター131〜136に投射させる画像を形成し、映像信号として6台のプロジェクター131〜136に送信する。本実施形態の場合、外部装置から制御装置150Aに入力される画像情報は、中心軸O周りの一周分の長さを有する横長の画像である。制御装置150Aは、入力された画像情報を6分割し、6台のプロジェクター130〜135の各々に表示させる画像、すなわち表示像A1〜A6に対応する画像を形成する。画像情報を6分割するに際しては、隣り合う画像同士で重複する部分を有するように分割してもよい。
プロジェクター130〜135による表示像A1〜A6同士が水平方向において部分的に重なり合う場合には、重なり合う部分の画像に輝度傾斜を持たせることもできる。これにより、隣り合う表示像A1〜A6同士を、繋ぎ目が違和感なく見えるように連結して表示することができる。
表示装置20における観察位置と表示像の関係について図6を参照して説明する。以下では、表示装置20は、6台のプロジェクター131〜136により表示像A1〜A6を表示させた状態である。
図6に示す観察位置aから表示装置20の中心軸O方向を観察すると、観察者は、表示像A1〜A6を連結した表示像の一部である表示像Aaを視認することができる。一方、観察位置aとは異なる観察位置bから中心軸O方向を観察すると、観察者は、表示像A1〜A6を連結した表示像の一部である表示像Abを視認することができる。
表示像Aa、Abは、円筒状の反射型スクリーン12に周方向に連続する画像として投射された像のうち、反射型スクリーン12の拡散特性で決定される範囲の投射像IMa、IMbにそれぞれ対応する像である。反射型スクリーン12の水平方向の拡散角度を変えることで、視認される表示像Aa、Abの水平方向の長さを調整することができる。
表示像Aa、Abは、プロジェクター131〜136の位置とは無関係に、表示装置20の外周の任意の位置から中心方向を見たときの表示像である。表示装置20には、表示像A1〜A6が周方向に連結された連続する画像が表示されているため、プロジェクター131〜136が配置された角度位置だけでなく、中間の角度位置から観察した場合でも、角度位置に対応した表示像を観察することができる。
本実施形態の表示装置20は、例えば、観光地における風景の説明図を、実際の方位に対応させて表示させる用途に用いることができる。このように表示させることで、複数の観察者が異なる方向から同時に説明図の浮遊像(表示像)を観察することができる。
また例えば、一連の文章を一周にわたって表示させておけば、部分的に表示される文章を観察者が表示装置20の周囲を歩きながら観察するように用いることもできる。このような表示により、観察者に文章を印象づける効果が期待できる。
なお、本実施形態では、6台のプロジェクター131〜136により表示像A1〜A6を形成する構成について説明したが、一周にわたって連続する表示像を形成可能であればプロジェクターの台数は特に限定されない。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、図7から図9を参照して説明する。
図7は、第3実施形態の表示装置の中心軸に沿った断面図である。図8は、第3実施形態の表示装置の平面図である。図9は、第3実施形態の表示装置の底壁部の平面図である。
なお、以下の説明では、上記実施形態と共通の構成及び部材については同じ符号を付し、その詳細な説明については省略する。
第3実施形態の表示装置30は、第1実施形態においてプロジェクター13を周方向に複数台配置し、複数の表示像を形成することにより複数の方向から表示像を観察可能に構成した形態である。すなわち本実施形態の表示装置30は、複数の光源(プロジェクター)を有する投射装置を備える。
具体的に、第3実施形態の表示装置30は、図7及び図8に示すように、4台のプロジェクター131〜134(投射装置の光源)と、筐体11と、反射型スクリーン12と、ミラー14とを備える。4台のプロジェクター131〜134のそれぞれは第1実施形態のプロジェクター13と共通の構成である。プロジェクター131〜134には、制御装置150がそれぞれ接続される。一台の制御装置150によりプロジェクター131〜134を制御する構成としてもよい。
プロジェクター131〜134は、図8に示すように、底壁部11bの上面に、中心軸Oを中心として周方向に90°おきの等間隔に配置される。各々のプロジェクター131〜134は、底壁部11bの外周部から内側向きに配置される。各々のプロジェクター131〜134は、第1実施形態のプロジェクター13と同様に、反射型スクリーン12に投射像IM1〜IM4を結像させる。反射型スクリーン12で反射された投射光はミラー14で結像され、筐体11内に浮遊して見える表示像A1〜A4が形成される。
本実施形態の表示装置30によれば、周方向の90°おきに4つの表示像A1〜A4を表示するので、表示装置30の周囲の4方向からそれぞれ表示像A1〜A4の少なくとも一つを視認することができる。観察者に対する表示像の見え方は、プロジェクター131〜134から反射型スクリーン12に投射する投射像IM1〜IM4の幅(周方向長さ)及び反射型スクリーン12の反射特性によって異ならせることができる。
投射像IM1〜IM4の幅を変えることで表示像A1〜A4の幅を調整することができる。また反射型スクリーン12の水平方向の拡散角度を変えることで、表示像A1〜A4の見える範囲を調整することができる。例えば、反射型スクリーン12の水平方向の拡散角度を小さくすることで、表示像A1〜A4の同時に見える範囲を制限することができる。
なお、本実施形態では、プロジェクター131〜134を周方向に90°おきに配置した場合について説明したが、プロジェクター131〜134の配置はこれに限られない。図9に示すように、底壁部11bは、中心軸O周りに等間隔(図示では15°ピッチ)で設けられた複数(図示では24個)の取り付け孔31を有する。図8に示した例では、位置P1、P7、P13、P19の取り付け孔31にプロジェクター131〜134が取り付けられる。
プロジェクター131〜134は、24個の取り付け孔31のいずれにも取り付け可能であり、任意に配置することができる。プロジェクター131〜134をいずれの取り付け孔31に取り付けたとしても、反射型スクリーン12及びミラー14は筒部11aの一周にわたって円筒状に設けられているため、プロジェクター131〜134の取り付け位置に対応する位置に表示像A1〜A4を表示させることができる。例えば、連続する4つの位置P1〜P4にプロジェクター131〜134を取り付ければ、周方向の約60°の範囲から視認可能に表示像A1〜A4を並べて表示させることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について、図10及び図11を参照して説明する。
図10は、第4実施形態の表示装置の中心軸に沿った断面図である。図11は、第4実施形態の表示装置の平面図である。
なお、以下の説明では、上記実施形態と共通の構成及び部材については同じ符号を付し、その詳細な説明については省略する。
第4実施形態の表示装置40は、第3実施形態においてプロジェクター131〜134を筐体11の鉛直上方に配置し、筐体11の開口部から投射光を入射させる構成とした形態である。本実施形態の表示装置40は、複数の光源(プロジェクター)を有する投射装置を備える。
具体的に、第4実施形態の表示装置40は、図10及び図11に示すように、4台のプロジェクター131〜134と、筐体11と、反射型スクリーン12と、ミラー14と、導光ミラー16とを備える。4台のプロジェクター131〜134のそれぞれは第1実施形態のプロジェクター13と共通の構成である。プロジェクター131〜134には、制御装置150がそれぞれ接続される。一台の制御装置150によりプロジェクター131〜134を制御する構成としてもよい。
導光ミラー16は正四角錐状であり、4つの側面16a〜16dに反射面を有する。底面の中心と頂点を中心軸Oが通る位置に配置される。導光ミラー16の4つの三角形状の側面16a〜16dの上方に、4台のプロジェクター131〜134が下向きに配置される。プロジェクター131〜134は、図に示すように、側面16a〜16dで反射された投射光が反射型スクリーン12上に適切な投射像を形成する位置に配置される。プロジェクター131〜134は図示しない支持機構により筐体11に対して所定位置に固定される。
表示装置40は、プロジェクター131〜134から、導光ミラー16の対応する側面16a〜16dに投射光を投射することで筐体11の上部に浮遊する表示像を形成する。
1つのプロジェクター133を例に挙げて説明すると、プロジェクター133は、導光ミラー16の側面16cに投射光を投射する。投射光は側面16cで筐体11の径方向外側へ反射され、反射型スクリーン12に入射する。投射光は反射型スクリーン12上で結像され、投射像IM3を形成する。反射型スクリーン12で拡散反射された投射光は、ミラー14により筐体11の上部で結像され、表示像A3を形成する。他のプロジェクター131、132、134の動作もプロジェクター133と同様である。
上記の動作により、4台のプロジェクター131〜134により、筐体11の上部に第3実施形態と同様の4つの表示像が形成される。
本実施形態の表示装置40によれば、筐体11の上方にプロジェクター131〜134を配置するので、底壁部11bの上面にプロジェクターを配置する場合と比較して、プロジェクター131〜134の投射距離を長くすることができる。具体的には、プロジェクター仮想位置133vに示すように、筐体11の径方向の外方から反射型スクリーン12に投射した場合と同様の投射距離とすることができる。これにより、プロジェクター131〜134のフォーカス調整距離の制限が緩和される。また、投射距離が長くなることで、反射型スクリーン12上に十分な大きさの投射像を容易に形成することができる。
また、プロジェクター131〜134を筐体11の底部に配置していると、プロジェクター131〜134へアクセスするために筒部11aを底壁部11bから取り外したりする必要があり、作業が繁雑になる。これに対して、本実施形態のように筐体11の上方にプロジェクター131〜134を配置していれば、プロジェクター131〜134のメンテナンスや修理が容易になる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について、図12及び図13を参照して説明する。
図12は、第5実施形態の表示装置の中心軸に沿った断面図である。図13は、第5実施形態の表示装置の平面図である。
なお、以下の説明では、上記実施形態と共通の構成及び部材については同じ符号を付し、その詳細な説明については省略する。
第5実施形態の表示装置50は、第4実施形態の表示装置40と同様の表示を1台のプロジェクター13で可能にした構成である。
具体的に、第5実施形態の表示装置50は、図12及び図13に示すように、1台のプロジェクター13と、筐体11と、反射型スクリーン12と、ミラー14と、導光ミラー16とを備える。プロジェクター13には、制御装置150が接続される。
プロジェクター13は、導光ミラー16の鉛直上方に、下向きの姿勢で配置される。プロジェクター13は、導光ミラー16に対して投射した投射光が、側面16a〜16dで四方に均等に反射されるように、投射光の光軸と筐体11の中心軸Oとを一致させて配置される。プロジェクター13は図示しない支持機構により筐体11に対する位置を固定される。
表示装置50は、プロジェクター13から、導光ミラー16の側面16a〜16dに投射光を投射することで筐体11の上部に浮遊する表示像を形成する。プロジェクター13から投射される投射光は、側面16a〜16dにより四方に分割され、反射型スクリーン12に投射される。
導光ミラー16の1つの側面16cで反射される投射光を例に挙げて説明すると、投射光は側面16cで筐体11の径方向外側へ反射され、反射型スクリーン12に入射する。投射光は反射型スクリーン12上で結像され、投射像IM3を形成する。反射型スクリーン12で拡散反射された投射光は、ミラー14により筐体11の上部で結像され、表示像A3を形成する。他の側面16a、16b、16dで反射される投射光も同様に筐体11の上部に表示像を結像する。
上記の動作により、1台のプロジェクター13のみを用いて、筐体11の上部に第4実施形態と同様の4つの表示像が形成される。
なお、導光ミラー16の側面16a〜16dは、上側(プロジェクター13側)に行くに従って面の幅が狭くなるが、制御装置150において、側面16a〜16dの反射面形状を考慮した画像を予め形成すればよい。
本実施形態の表示装置50によれば、1台のプロジェクター13を用いて4つの表示像を形成することができ、装置の小型化、低コスト化を実現可能である。
なお、本実施形態では四角錐状の導光ミラー16により投射光を4分割する場合について説明したが、投射光は任意の個数に分割することができる。例えば、2枚の矩形状の平面ミラーを互いに背中合わせに三角形状に立てかけた態様の導光ミラーを用いれば、投射光を2分割して2つの表示像を形成することができる。また三角錐状や六角錐状の導光ミラーを用いれば、側面の数に応じた数の表示像を形成することができる。
また本実施形態では、導光ミラー16により投射光を均等に分割することとしたが、投射光を不均等に分割してもよい。この場合、分割された投射光の大きさに応じた複数の表示像が形成される。
また、表示装置50においても、プロジェクター仮想位置13vから反射型スクリーン12に投射したのと同様の動作になるため、プロジェクター13から反射型スクリーン12までの投射距離を長くすることができる。したがって、表示装置50においても、第4実施形態の表示装置40と同様の作用効果が得られる。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について、図14及び図15を参照して説明する。
図14は、第6実施形態の表示装置の中心軸に沿った断面図である。図15は、第6実施形態の表示装置の平面図である。
なお、以下の説明では、上記実施形態と共通の構成及び部材については同じ符号を付し、その詳細な説明については省略する。
第6実施形態の表示装置60は、第1実施形態における反射型スクリーン12に代えて、表面に凹凸が形成された立体形状を有する反射型スクリーン62を備えた構成である。
具体的に、第6実施形態の表示装置60は、プロジェクター13と、筐体11と、反射型スクリーン62と、ミラー14とを備える。プロジェクター13には、制御装置150が接続される。
反射型スクリーン62は、本実施形態の場合、人間の顔を模した立体形状に形成される。表示装置60では、プロジェクター13から反射型スクリーン62に投射光を投射し、表面に投射像を結像させる。反射型スクリーン62により反射された投射光は、ミラー14により結像され、筐体11の上部に表示像Aを形成する。
表示像Aは、図14及び図15に示すように、人間の顔の立体形状で浮遊表示される。したがって、反射型スクリーン62に対して、プロジェクター13から人物の顔の写真や絵を投射することで、顔の実像を立体的に視認可能な表示像Aを表示することができる。
なお、表示像Aは、反射型スクリーン62上に結像される投射像に対して水平方向が1/3に縮小された形状となる。したがって、反射型スクリーン62の表面の立体形状は、人間の顔を横方向に3倍に引き延ばした形状とする。また、反射型スクリーン62に投射する画像も、水平方向に3倍に引き延ばした画像とする。
さらに、反射型スクリーン62の奥行き方向についても、表示像Aについて所望の立体形状を得られるように加工することが好ましい。反射型スクリーン62の奥行き方向の形状は、投射像の奥行き位置が変化することによる縦倍率の変化と像面湾曲を考慮して設計することができる。奥行き方向の形状は計算により算出することも可能である。あるいは、反射型スクリーン62を、粘土などの可塑性の支持体の表面に貼り付けた状態で筐体11内に配置し、反射型スクリーン62の表面又は裏面の支持体を指などで押すことで塑性変形可能に構成してもよい。この場合、反射型スクリーン62に実際の画像を投射した状態で、表示像Aを見ながら反射型スクリーン62の表面を変形させることができ、表示像Aを容易に適切な立体形状とすることができる。画像を表示しながら反射型スクリーン62を変形させる場合には、筐体11に反射型スクリーン62の表面又は裏側にアクセスするための開口部を設けるとよい。
本実施形態では、人間の顔の前面を模した形状の反射型スクリーン62を1つのみ配置した構成について説明したが、反射型スクリーン62を複数設けてもよい。また、反射型スクリーン62に加えて、人間の側頭部や後頭部を模した反射型スクリーンを筐体11の内側に配置してもよい。これらの反射型スクリーンに対して人間の顔、側頭部、後頭部の画像を投射すれば、人間の頭部の擬似的な立体画像を表示させることができる。
また、反射型スクリーン62の形状は人間の頭部に限られず、例えば、工業製品の立体形状を模したものでもよい。この場合、工業製品の表面の色や詳細形状を、投射像によって様々に変化させて見せることができる。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について、図16から図18を参照して説明する。
図16は、第7実施形態の表示装置の中心軸に沿った断面図である。図17は、第7実施形態の表示装置の平面図である。図18は、表示像を示す斜視図である。
なお、以下の説明では、上記実施形態と共通の構成及び部材については同じ符号を付し、その詳細な説明については省略する。
第7実施形態の表示装置70は、第1実施形態における反射型スクリーン12に代えて、筐体11の中心に向かって突出する形状の反射型スクリーン72を備えた構成である。
具体的に、第7実施形態の表示装置70は、プロジェクター13と、筐体11と、反射型スクリーン72と、ミラー14とを備える。プロジェクター13には、制御装置150が接続される。
反射型スクリーン72は、筒部11aの内面から径方向内側に突出する凸円筒面形状を有する。表示装置70では、プロジェクター13から反射型スクリーン72に投射光を投射し、表面に投射像IMを結像させる。反射型スクリーン72により反射された投射光は、ミラー14により結像され、筐体11の上部に表示像Aを形成する。
表示像Aは、図18に示すように、水平方向が観察者側(中心軸O側)に突出する立体形状で浮遊表示される。したがって、中央部が凸となる立体物(図示ではリンゴ)を表示させたときに、中央部が観察者に近い側、左右が奥側に観察されるため、観察者には実際の立体物のように見える。特に、表示像Aの背景色を黒などの暗色とすれば、表示像Aの周囲が画枠で切断されないため、より立体物に近く見える。
このように本実施形態の表示装置70によれば、擬似的な立体感を伴う表示像Aを表示することができる。
なお、本実施形態では、反射型スクリーン72を1つのみ配置した構成について説明したが、複数の反射型スクリーン72を筒部11aの周方向に配列し、複数の表示像Aを表示させてもよい。また、反射型スクリーン72は、筒部11aの内面に接していなくてもよい。
また上記各実施形態では、筐体11を地面に立てた状態で設置した場合について説明したが、表示装置10〜70は任意の姿勢で設置し、使用することができる。例えば、底壁部11bを天井に固定し、吊り下げて使用することもできる。あるいは、筐体11を寝かせた状態で使用してもよい。
10,20,30,40,50,60,70…表示装置、11…筐体、12,62,72…反射型スクリーン、13…プロジェクター(投射装置)、14…ミラー、15…透明部、16…導光ミラー、A,A1〜A4,Aa,Ab…表示像、IM,IM1〜IM4,IMa…投射像、O…中心軸

Claims (13)

  1. 円筒状の筐体と、
    前記筐体の周方向の少なくとも一部に沿うように配置された反射型スクリーンと、
    投射光を投射する投射装置と、
    前記筐体の周方向の少なくとも一部に沿うように配置されたミラーと、
    を備え、
    前記投射装置は、前記投射光を前記反射型スクリーンに結像させ、
    前記ミラーは、前記反射型スクリーンにより反射された前記投射光を反射させて前記筐体の内部に視認可能な表示像として結像させることを特徴とする表示装置。
  2. 前記反射型スクリーンは、前記筐体の中心軸の延在方向に前記ミラーと隣り合うように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記筐体は、円筒状の透明部を有し、
    前記透明部は、前記ミラーに対して前記反射型スクリーンと反対側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
  4. 前記投射装置は、前記筐体の中心軸周りに配置された複数の光源を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の表示装置。
  5. 前記複数の光源は、前記筐体の中心軸周りに間隔が等しくなるように配置されていることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
  6. 前記投射装置から投射される前記投射光は、前記反射型スクリーン上で連結し、周方向に連続した前記表示像を形成することを特徴とする請求項4又は5に記載の表示装置。
  7. 前記表示像は、前記筐体の中心軸周りに一周連続していることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
  8. 前記筐体の内部に配置された導光ミラーを備え、
    前記導光ミラーは、前記投射装置から投射される前記投射光を前記反射型スクリーンに向けて反射することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の表示装置。
  9. 前記導光ミラーは、前記筐体の中心軸周りに複数の反射面を有することを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
  10. 前記導光ミラーは、前記投射装置から投射される前記投射光を分割し、分割した前記投射光が互いに前記反射型スクリーンの異なる領域に結像するように反射することを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
  11. 前記投射装置は、前記筐体の中心軸の延在方向の前記筐体よりも外側に位置することを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の表示装置。
  12. 前記反射型スクリーンは、前記筐体の径方向内側へ突出する湾曲形状の反射面を有することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の表示装置。
  13. 前記反射型スクリーンは、表面に凹凸を有する立体形状の反射面を有することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の表示装置。
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