JP6872178B2 - 投影システム - Google Patents
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Description
このような問題に対して特開2010−96883号公報(特許文献1)では、スクリーン上に光吸収膜を設け、当該光吸収膜が外乱光に対応する領域上に形成されることで、外乱光の影響を抑制することが記載されている。
また、前記光学素子は、反射体で構成されていることが好ましい。
また、前記光学素子は、透光性の光学レンズで構成されていることが好ましい。
また、一つの光源部によって特定される遮光範囲の略1/2の間隔で、隣接する光源部が配置されていることが好ましい。
また、一つの光源部によって特定される遮光範囲の略1/2よりも小さい間隔で、隣接する光源部が配置されていることが好ましい。
また、一つの光源部によって特定される遮光範囲の略1/2よりも大きい間隔で、隣接する光源部が配置されていることが好ましい。
前記投影装置2は、光源部21と、この光源部21の周囲に延設された遮光部22とからなる。
一方、前記スクリーン3は、複数の光学素子31が縦横に配列されたスクリーンで構成されている。なお、本発明におけるスクリーン3は、必ずしも光学素子31が一方向に整列されている必要はなく、面状に広がるよう配列されていればよい。
また、ここでいう光学素子31は、反射や屈性等の光学的作用により光線の進行方向を変化させる部材であり、例えば、凹状又は凸状の反射体や、透光性材料で構成された光学レンズ等を用いることができる。
また、前記スクリーン3に対面するように、該スクリーン3上に投影された画像を視認する観客が収容される観衆領域4が設けられており、前記光学素子31によって光路を変更された前記光源部21からの光線は、この観衆領域4のいずれかの特定の位置に照射される。
そして、投影装置2の光源部21からの光は、前記スクリーン3の全域に投射され、スクリーン3を構成する複数の光学素子31によって反射される。そして、各光学素子31における光源部21からの光入射位置によって、前記光学素子31からの反射光は、観衆領域4内の特定の位置(例えば、図1の位置A)に照射される。これにより、位置Aの観客Lは、スクリーン3全域に投影された画像を視認することができる。
このとき、観衆領域の位置Aと位置Bとでは、対応する各光学素子31の光入射位置がそれぞれ異なっている。このように、各光学素子31からの反射光は、各光学素子31への光入射位置(反射位置)によって、観衆領域4内の異なる観測位置(位置A、位置B)に光線が指向されるため、観衆領域4内の観客位置が変わっても、スクリーン3に投影された画像や映像を視認することができる。
光源部21から前記光学素子31を介して位置Aに指向される光線は、当該光学素子31の位置Xに入射し、ここで反射した光線である。つまり観衆領域4の位置Aでは、光学素子31の位置Xからの反射光が観測できる。また光学素子31の位置Y及び位置Zは、それぞれ遮光部22が映り込む対応関係となっている。よって位置Y及び位置Zには位置Aに向かう反射光線がないため、位置Aでは位置Y及び位置Zからの光は観測できない。そのため位置Aの観客Lからは、光学素子の位置Xからの反射光線のみが輝点5として観測される。
図3(B)に中央の位置Aの観客Lから視認できる光学素子31内の光入射位置(輝点5)の関係を示していて、この場合は、遮光部22の幅である投影範囲(Wx)において中央部に輝点5が視認される。
つまり、観衆領域4の一端(左端)を位置B、他端(右端)を位置Cとした場合、それぞれの位置で光学素子31を観測した場合が図示されている。
左端の位置Bから光学素子31をみた場合、光源部21からの光入射位置は光学素子31の位置Y(図4(A)における光学素子31の左側端部領域)に輝点として映り込み、それ以外の位置Xや位置Zには遮光部22が映り込む関係となる。
また右端の位置Cから光学素子31をみた場合、光源部21からの光入射位置は、光学素子31の位置Z(図4(A)における光学素子の右側端部領域)に輝点として映り込み、それ以外の位置X、位置Yには遮光部22が映り込む関係となる。つまり位置Bと位置Cとでは、光学素子31に映り込む投影範囲の領域が部分的に異なることになる。そのため、観衆領域4が大きい場合は、各観測位置(A、B、C)から光学素子31をみたとき、投影範囲内の光源部21と遮光部22のみが映り込むよう、投影範囲や光源部21の位置を設定する必要がある。
図4(B)(C)に、ぞれぞれの観客B、Cから視認できる光学素子31内の光入射位置(輝点5)の関係を示している。
尚、光学素子31のサイズが非常に小さい場合は、観衆領域4内の観測位置が変わっても光学素子31内の光入射位置(輝点5の位置)のズレは殆ど視認できないため、投影画像の閲覧に支障がでることはない。
なお、図5〜7においては、光学素子31を縦方向、横方向ともに8個ずつ配列したスクリーン例が示されているが、スクリーンの大きさにもよるが、解像度の見地から、実際の配置数は数千個×数千個といったレベルでの配列となる。
しかし、スクリーン3全域に投影された光は、各光学素子31で反射され、当該光学素子31内の反射位置(光源部からの光入射位置)によってそれぞれ観衆領域4内の異なる観測位置A〜C(観客L〜N)に光線が導かれることにより、異なる観測位置からでも同等の画像を視認することが可能となる。
上述のとおり、各光学素子は、光源部からの光入射位置によって、それぞれ観衆領域内の異なる特定の位置に光線が指向される。またこの光学素子は、特定の位置に対して光線を導くと共に、それ以外は遮光部のみを映し込む対応関係となっており、外乱光が入り込むことが無くなる。
スクリーン3に設けられた各光学素子31は、投影装置2の遮光部22の幅である投影範囲(Wx)が観客領域4に映り込む構成となっている。そのため投影範囲(Wx)から外れた領域の光Pは、光学素子31で反射されても、観衆領域4を外れたところに進行し、観衆領域4内に照射されることがない。また投影範囲(Wx)の内側の領域の光Qは、もともと遮光部22によって光が遮られるため、スクリーン3に到達することがなく、観衆領域4内には照射されない。このように、観衆領域4内に外乱光が入り込まないため、スクリーン上の外乱光を視認することがない。
以上の構成により、本発明が示す投影システムは、外乱光の影響を受けずに、スクリーンに画像投影することが可能となり、例えば屋外などの外乱光が強い環境下においてもコントラストの高い画像投影が可能となる。
・スクリーン幅(Ws):1000mm
・スクリーン〜投影装置間距離(Dsp):2000mm
・観衆領域幅(We):3000mm
・スクリーン〜観衆領域間距離(Dse):5000mm
・光学素子の幅(Wm):1mm
・光学素子の形状:凸形状
なお、スクリーンの縦方向も上記設計に従う。
曲率半径(R)=1/(arctan(We/Wse))
=1/(arctan(3000/5000))=1.85mm
・スクリーン中心の光学素子の基準軸に対して、光学素子の傾き角度[°]が最も大きくなるスクリーン端部の光学素子の傾き(θ)は、下記の計算式により算出できる。尚、その他の光学素子については、スクリーンの中心位置からの離間距離を算出式に代入することで算出可能である。
傾き(θ)=arctan((Ws/2)/Wse)
=arctan(500/5000)=5.7[°]
・必要とされる遮光部の幅(Wx)は、下記の計算式により算出できる。
Wx=2×Dsp×tan(2θ)
=2×2000[mm]×tan(11.4[°])=810mm以上
この実施例での、投影装置2の光源部21から光学素子31を経て観衆領域4内の観客Mに至る光路が図10(C)に示されている。
また、スクリーン3の形状も平面状である必要はなく、曲面形状であっても構わないし、スクリーンが円周状に配置された立体型のスクリーンであっても構わない。
また本発明に記載の実施形態では、観衆領域は複数の観客を想定したものとなっているが、これに限定されるものではなく一人用(観衆領域が狭い設計)の投影システムであっても構わない。
図11には、光学素子31が光学レンズである第3の実施例が示されている。この実施例では、投影装置2は、スクリーン3の裏側(図11中では上部側)に設けられている。該投影装置2からスクリーン3の裏側に投影された光は、それぞれ光学レンズ(光学素子)31の位置Dや位置Eに入射し、該光学レンズ31を透過し屈曲されて、観客領域4内の観測位置Cや観測位置Bに集光される。これにより、観客Mや観客Nはそれぞれスクリーン3に投影された画像を認識することが出来る。
左端の位置Bから光学レンズ31をみた場合、光源部21からの光入射位置は光学素子31の位置Dとなり、図12における光学レンズ31の右側端部領域に輝点として映り込む。またそれ以外の位置は遮光部22を映し込む関係となる。
一方、右端の位置Cから光学レンズ31をみた場合、光源部21からの光入射位置は光学レンズ31の位置Eとなり、図12における光学レンズ31の左側端部領域に輝点として映り込む。またそれ以外の位置は遮光部22を映し込む関係となる。つまり位置Bと位置Cとでは、光学レンズ31に映り込む投影範囲の領域が部分的に異なることになる。これにより観衆領域4内のどの位置から光学レンズ31をみても、投影領域内の光源部21と遮光部22のみを映し込む対応関係となることで、観衆領域4内に外乱光が入り込むことがない。
また観衆領域4が大きい場合は、各観測位置から光学レンズ31をみたとき、投影範囲内の光源部21と遮光部22のみを映し込むよう、投影範囲や光源部21の位置を設定する必要がある。
このような光学レンズ31を縦横に配列させたスクリーン3を用い、本発明に係る装置構成とすることで、投影装置2の光源部21からスクリーン3の各光学レンズ31に入射しこれを透過する光は、すべて観衆領域4のいずれかの位置に照射され、一方、遮光部22以外の領域から光学レンズ31に入射し透過する光(外乱光)は観衆領域4に照射されることがなく、外乱光を排除した投影システム1が実現できる。
そして、前記投影装置の遮光部以外の領域から前記光学素子に入射する光は、観衆領域を外れた位置に進行するので、外乱光として観客に視認されることがなく、観客は常に明瞭な画像を視認できるものである。
図13はその概念図を示すものであり、投影装置2に設けられる光源部21(211、212)が、前記遮光部22の範囲(遮光範囲)内に複数(この例では2つ)設けられた形態が示されている。この各光源部211、212からの光線は、スクリーン3を構成する各光学素子31によってそれぞれ観衆領域4内の異なる特定の部分領域H1、H2に指向されている。ここで部分領域H1、H2は、観衆領域4内で区画された一部の領域を指す。また、後述するように、各部分領域H1、H2は重なり合うよう構成されていてもよく、離間するよう構成されていても構わない。
観衆領域4内の観測位置Aから光学素子31を観測した場合、光学素子31に映り込む範囲は、遮光部22の位置a〜c(範囲P)である。
図16に示すように、ここで位置cには第1の光源部211が配置されているため、位置cは輝点として観測できる。このように、位置cは光学素子31の位置Zに映り込む関係となり、観測位置Aでは光学素子31の位置Zが輝点として映り込むこととなる。
同様に観測位置Bから光学素子31を観測した場合、光学素子31に映り込む範囲は、遮光部22の位置b〜d(範囲Q)である。ここで位置cには第1の光源部211が配置されているため、位置cは輝点として観測できる。この場合、位置cは光学素子31の位置Xに映り込む関係となり、観測位置Bでは光学素子31の位置Xが輝点として映り込むこととなる。このように観測位置を変えることによって、光学素子に映り込む遮光部の範囲が変化することとなる。
各光源部211〜214が異なる画像を投影する場合において、観衆領域内の各部分領域で異なる画像が映し出されることになるため、各部分領域間で視点を動かした場合には、当該部分領域の境界前後において画像が切り替わるよう視認されるため観測者に対して違和感を与えてしまう可能性がある。このような場合において、観衆領域内の各部分領域が重なり合うよう配置させることにより、当該部分領域間の画像の切り替わりが視認され難くなり画像の移り変わりがよりなめらかに認識されることとなる。
例えば、投影を行う施設内の都合によって、観衆対象者以外の人が行き交う場所が一部存在する場合、その一部の範囲を非視認環境とすることができる。また異なる画像を映し出す場合において、画像の切り替わりをあえて明確に認識させる場合等に有効となる。
本発明の投影システムは、物体を異なる視点からみたときの視差画像を投影することによって立体的な表示を行うことができる。
図18は、遮光部22の範囲内に複数の光源部(211〜215)を配置させ、各光源部には異なる視差画像(P211〜P215)を投射した場合の実施形態を概念的に示したものである。各光源部(211〜215)に対応して、観衆領域4内には複数の部分領域(H1〜H5)が形成されており、この各部分領域(H1〜H5)にはそれぞれ異なる視差画像が映し出される。このような構成により立体的な表示を可能とする。
・スクリーン幅(Ws):300mm
・スクリーン〜投影装置間距離(Dsp):100mm
・観衆領域幅(We):60mm(観衆者の両目の幅を想定)
・スクリーン〜観衆領域間距離(Dse):500mm
・投影装置内の光源部の数と間隔:2つ、間隔100mm
・光学素子の幅(Wm):0.1mm
・光学素子の形状:凸形状
・光学素子の曲率半径:0.3mm
・スクリーン中央のミラー:広がり角が26度、スクリーンの中心線に対するミラー中心軸の傾きは0度。
・スクリーン中央のミラー:広がり角が9度、スクリーンの中心線に対するミラー中心軸の傾きは59度。
2 :投影装置
21 :光源部
211〜215:各光源部
22 :遮光部
3 :スクリーン
31 :光学素子
4 :観衆領域
5 :輝点(光入射位置)
M :遮光範囲
H :部分領域
Claims (8)
- 画像を投影する投影装置と、その画像が投影されるスクリーンとを備えた投影システムにおいて、
前記投影装置は、光源部と、当該光源部の周囲に延設された遮光部とを備え、
前記スクリーンは、前記光源部からの光線の進行方向を変化させる光学素子が縦横に複数配列されており、
前記各光学素子は、前記光源部からの光入射位置によって、それぞれ観衆領域内の異なる特定の位置に光線を指向させるとともに、
前記遮光部は、前記観衆領域内のいずれの位置からみても、前記各光学素子の全域が、当該遮光部の範囲内のみを映し込むように構成されていることを特徴とする投影システム。 - 前記光学素子は、反射体で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の投影システム。
- 前記光学素子は、透光性の光学レンズで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の投影システム。
- 前記光源部は、前記遮光部の範囲内に複数設けられており、
各光源部からの光線は、前記光学素子によって、それぞれ観衆領域内の異なる特定の部分領域に指向されることを特徴とする請求項1に記載の投影システム。 - ひとつの光源部によって特定される遮光範囲の略1/2の間隔で、隣接する光源部が配置されていることを特徴とする請求項4に記載の投影システム。
- ひとつの光源部によって特定される遮光範囲の略1/2よりも小さい間隔で、隣接する光源部が配置されていることを特徴とする請求項4に記載の投影システム。
- ひとつの光源部によって特定される遮光範囲の略1/2よりも大きい間隔で、隣接する光源部が配置されていることを特徴とする請求項4に記載の投影システム。
- 各光源部は、それぞれ異なる画像を投影することを特徴とする請求項4に記載の投影システム。
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