JP7334448B2 - 回転電気機械 - Google Patents
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Description
図11に平面形状の永久磁石のハルバッハ配列構造により発生する集中磁束を示す。平面状のハルバッハ配列構造の板1200(ロータ20に相当)には、永久磁石の磁界の集中による磁束時計回りの集中磁束131及び反時計回りの集中磁束132が発生する。対応する板1100はステータ110に相当する。磁束時計回りの集中磁束131及び反時計回りの集中磁束132は、吹出磁極磁石121から吹出し吸込磁極磁石125に吸込まれる。次に板1200の構成を記載する。永久磁石である吹出磁極磁石121の磁界122は板1100に向かって配置され、永久磁石である吸込磁極磁石125の磁界126は磁界122と反対方向に配置されている。吹出磁極磁石121と吸込磁極磁石125の間には、永久磁石であるヨーク磁石134が配置されている。ヨーク磁石134の磁界135は、吹出磁極磁石121に対して左右両方向から受ける(以下、対向すると記す)ように配置され、吸込磁極磁石125に対して左右の両方へ離散する形で受ける(以下逆対向と記す)ように配置される。板1200がこのように構成されることで、磁束時計回りの集中磁束131及び反時計回りの集中磁束132が発生する。ここで集中磁束131、132は、荒い破線で示す平板形状の板1200の外部に発生する集中磁束と、細かい破線で示す板1200の内部に発生する集中磁束とに分けられる。外部に発生する集中磁束131、132によりステータに相当する板1100に配置された鉄心111及び巻き線113と、そこに発生する電流により電磁力を高めることができる。一方、内部に発生する集中磁束131、132は、吹出磁極磁石125、次にヨーク磁石134、次に吹出磁極磁石121の順に発生する。
本開示に用いた解析条件は以下である。三次元過渡磁場解析に用いたFinite Element Analysis解析(以下、FEA解析と記す)は、ムラタソフトウェア(株)製のFemtetである。回転電気機械1の解析モデルは、ステータ10のコア外径Φ164mm、積厚(回転軸方向)50mmの内部にロータ20を設置し、ステータ10と50mm重なっている。突出部15高さ(回転軸方向の軸長さ)は20mmである。極数は8極、スロット数は48、1極1相あたりのスロット数は2、全節巻き、スロット当たりの導体本数は4である。巻き線は全直列、並列数1、Y結線である。160A(線間電流振幅値)であり、回転数は3000rpmである。鉄心11の材質は、50H230(新日鉄住金)である。永久磁石の特性は全て同じである。具体的には信越化学N36Z_140℃のデータを使用した。
図12に永久磁石の二次元の円環状ハルバッハ配列構造を用いた従来の回転電気機械101の解析結果を示す。図12(a)はインナーロータ型の回転電気機械101におけるステータ110とロータ120を示す。ステータ110の内側に一定のギャップを有してロータ120が嵌合している。ステータ110とロータ120の長手方向の幅の寸法はほぼ同じ、即ちほぼ同一の幅を有する。図12(b)はロータ120の構造を示す。ロータ120は、吹出磁極磁石121と吸込磁極磁石125が、ヨーク磁石134を介して交互に配されている。吹出磁極磁石121の磁界122はステ-タ110に向き、吸込磁極磁石125の磁界126はステ-タ110と反対方向に向いている。ヨーク磁石134の磁界135は、吹出磁極磁石121に対し対向し、吸込磁極磁石125に対して逆対向している。
発明者は、吹出磁極磁石121又は吸込磁極磁石125と、ヨーク磁石134の隣接部の回転方向の前縁部発生した大きな磁束密度は、ロータ120の両端部には発生していないことを見出した。これは端部では集中磁束の漏れが発生しているからである。よって、両端部の集中磁束の漏れを防ぎ磁束密度を大きくできれば、回転電気機械101の発生するトルクを大きくできる。
第1実施形態は、本開示の原理に関する。吹出磁極磁石21又は吸込磁極磁石25と、ヨーク磁石34の隣接部の回転方向の前縁部発生した大きな磁束密度と、同程度の磁束密度をロータ20の端部に発生させるために、ロータ20の一方又両方の端部に永久磁石16及び磁性体18を有する突出部15を設ける。図1に第1実施形態のロータ20に隣接する突出部15の片側を模式的に示す。
第2実施形態は、図1(a)に相当する。図2に、第2実施形態の回転電気機械1のステータ10とロータ20の構造を示す。ステータ10は、鉄心11と巻き線13(図示せず)を備える。ロータ20の端部には突出部15として第1突出部40を有する。第1突出部40は、ステータ10に対して突起している。
吹出磁極磁石21と吸込磁極磁石25において、磁束密度ベクトルは、ヨーク磁石34の隣接する辺に集中している。よって、時計回りの集中磁束31及び反時計回りの集中磁束32は、吹出磁極磁石21の辺部からロータ20の外に出て隣接するヨーク磁石34を介して吸込磁極磁石25の辺部に発生する。更に、吸込磁極磁石25からヨーク磁石内部を介して吹出磁極磁石21に発生する。一方、第1突出部40に隣接するロータ20の端部の時計回りの集中磁束47及び反時計回りの集中磁束48は、ロータ20の外側については時計回りの集中磁束31及び反時計回りの集中磁束32と同様であるが、ロータ20の内側については第1突出部40を経由するので次のようになる。まず、吸込磁極磁石25の内部を集中磁束47a、48aとして発生、次にそれぞれ隣接する磁極磁石隣接磁性体41の内部を47b、48bとして発生、次にそれぞれ隣接するヨーク磁石隣接磁石の内部を47c、48cとして発生、次にそれぞれ隣接する磁極磁石隣接磁性体41の内部を47d、48dとして発生、最後にそれぞれ隣接する吹出磁極磁石21の内部に発生する。
図8に、第3実施形態の回転電気機械1のステータ10とロータ20の構造を示す。ステータ10は、鉄心11と巻き線13(図示せず)を備える。ロータ20の端部には突出部15として第2突出部50を有する。第2突出530は、ステータ10に対して突起している。
ロータ20には、第2実施形態と同様の時計回りの集中磁束31及び反時計回りの集中磁束32が発生している。ロータ20の端部には、第2突出部50の作用も加わって時計回りの集中磁束31及び反時計回りの集中磁束32と同程度の大きさの時計回りの集中磁束63及び反時計回りの集中磁束64が発生している。ロータ20の外側の集中磁束の発生は4つの集中磁束(31、32、63、64)でほぼ同様であるが、ロータ20の内部は異なる。時計回りの集中磁束31及び反時計回りの集中磁束32は、ヨーク磁石34の内部をその磁界35の方向に発生する。時計回りの集中磁束63及び反時計回りの集中磁束64は第2突出部50の内部に発生する。時計回りの集中磁束63は、吸込磁極磁石25から吸込磁極磁石隣接磁石55の内部をその磁界56の方向に集中磁束63aとして発生、次にリング磁性体61の内部を集中磁束63bとして発生、次に吹出磁極磁石隣接磁石51の内部をその磁界52の方向に集中磁束63cとして発生ぃ吹出磁極磁石21に戻る。同様に、反時計回りの集中磁束64は、吸込磁極磁石25から吸込磁極磁石隣接磁石55の内部をその磁界56の方向に集中磁束64aとして発生、次にリング磁性体61の内部を集中磁束64bとして発生、次に吹出磁極磁石隣接磁石51の内部をその磁界52の方向に集中磁束64cとして発生し吹出磁極磁石21に戻る。このように時計回りの集中磁束63及び反時計回りの集中磁束64が第2突出部50の内部に発生するためには、吹出磁極磁石隣接磁石51の磁極52の方向の端部、及び吸込磁極磁石隣接磁石55の磁界極56の方向の端部にリング磁性体61が隣接される必要がある。
第4実施形態は、アウターロータ型の回転電気機械1を示す(図示せず)。吹出磁極磁石21の磁界22を反転して内側とし、吸込磁極磁石25の磁界26を反転して外側とする。これで発生する集中磁界はロータ20の内側になる。よって、ステータ10は、ロータ20の内側に配される。これにより外側に配されたロータ20が回転するアウターロータ型の回転電気機械1を提供する。
Claims (4)
- 鉄心と巻き線を有するステータと、ステータとほぼ同一の幅を有するロータを備える回転電気機械において、前記ロータは、ハルバッハ配列である吹出磁極磁石、吸込磁極磁石及びヨーク磁石を有し、前記ロータの一方又両方の端部に永久磁石及び磁性体を有する突出部を有し、前記突出部内において前記永久磁石の磁界の方向の端面に前記磁性体を隣接させ、前記突出部の前記永久磁石の前記磁界及び/又は前記永久磁石の発生する集中磁束が、前記吹出磁極磁石には対向し、前記吸込磁極磁石には逆対向する、と共に前記ヨーク磁石と前記突出部の間に空間を有することを特徴とする回転電気機械。
- 前記突出部の前記永久磁石により発生する前記磁束が、前記ロータの前記吹出磁極磁石の前記突出部及び前記ヨーク磁石に隣接する端部から、前記吸込磁極磁石の前記突出部及び前記ヨーク磁石に隣接する端部に集中することを特徴とする請求項1に記載する回転電気機械。
- 前記突出部の永久磁石は、回転方向又は反回転方向の磁界を有するヨーク磁石に隣接させ、その磁界は隣接させたヨーク磁石と同じとする構成、又は前記回転方向又は反回転方向の磁界を有する永久磁石のいずれか一方を磁性体とした構成、であることを特徴とする請求項1又は2に記載する回転電気機械。
- 前記突出部において、前記吹出磁極磁石に隣接させ、磁界を前記吹出磁極磁石に対して対向させた第1の永久磁石と、前記吸込磁極磁石に隣接させ、磁界を吸込磁極磁石に対して逆対向させた第2の永久磁石と、前記第1の永久磁石の他方の端部と、前記第2の永久磁石の他方の端部とをリング磁性体で連結した構成、又は前記第1の永久磁石若しくは前記第2の永久磁石のいずれか一方を磁性体とした構成、であることを特徴とする請求項1又は2に記載する回転電気機械。
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