JP7333560B2 - 放射線及び/又は化学療法の曝露に関連付けられる副作用を処置及び/又は防止する剤、組成物及びキット - Google Patents

放射線及び/又は化学療法の曝露に関連付けられる副作用を処置及び/又は防止する剤、組成物及びキット Download PDF

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Description

関連出願情報
本出願は、2017年4月4日に出願された米国仮特許出願第62/481,460号の利益及び優先権を主張し、その開示はその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
政府支援の陳述
本発明は、アメリカ国立衛生研究所により授与された契約番号HHSN261201500002C及びアメリカ国立衛生研究所により授与された認可番号NIH 1R4CA195749の下で政府の支援によりなされた。政府は、本発明に一定の権利を有する。
本発明の技術分野
本発明は、対象における放射線及び/又は化学療法の曝露に関連付けられる1以上の副作用を処置及び/又は防止する、組成物及びキット、例えば低投与量で活性剤を含む上記、組成物及びキット、に関する。
米国では、毎年500,000人超の癌患者が、疾患を治癒すること、延命すること及び/又は生活の質の向上することを意図された放射線治療に(補助療法と共に又は無しに)適格である。放射線治療が用いられる場合に、深刻な副作用が発生する可能性がある。該副作用は、組織損傷及び修復プロセスの結果、例えば瘢痕組織の展開、である可能性がある。例えば、治療目的を有する放射線治療(RT:放射線 therapy)は、癌、例えば頭頚部扁平上皮癌(HNSCC:head and neck squamous cell carcinomas)等、を患う患者にとって重要な処置様式である。RTは一般にHNSCCに有効であるけれども、患者の>90%が、それらの処置の結果として、副作用、例えば皮膚炎、口腔乾燥症(唾液産生の喪失)及び口腔粘膜炎(中咽頭及び/又は食道粘膜の炎症及び潰瘍)、を発症する。これらの副作用は、RT処置されたHNSCC患者少なくとも3分の2で「重度」として分類される。粘膜炎及び口腔乾燥症は、RTの開始後数日/数週間から数ヶ月の単位で連続的に発症し、特定のリスクをもたらす。なぜならば、粘膜炎及び口腔乾燥症は経口摂取を妨げ、且つ患者の生活の質を劇的に低下させることができるからである。脳腫瘍、例えば他の解剖学的部位での腫瘍からの悪性度神経膠腫(HGG:high-grade glioma)及び脳転移(BM:brain metastases)、について処置をされた患者は、補助化学療法の有無に関わらず、脳放射線照射から生存の利益を得うる。これらの患者は通常、破壊された脳組織の解剖学的位置に依存して、化学療法の他の副作用、例えば骨髄抑制、と共に、認知機能又は他の脳機能の深刻な低下を患う。粘膜炎、認知障害、骨髄抑制、その他の放射線又は放射線化学療法の組み合わせの後遺症の管理の為のFDA承認の治療法はない。口内乾燥症を処置する為に承認された唯一の薬剤であるアミフォスチンは、それ自体のビカルタミド有害影響を有し、且つ不完全な保護を提供する。結果的に、RTの急性の影響は、HNSCCのRTコースのざっと30%、及びHGG及びBMを有する患者の同様又はそれ以上の割合で計画外の処置が中断を結果としてもたらす。
本発明の一つの観点は、放射線及び/又は化学療法の曝露の間及び/又はその後に、対象における放射線及び/又は化学療法の曝露に関連付けられる1以上の副作用を処置及び/又は防止するであって、該剤が活性剤としてメソ置換されたメタロポルフィリンを含み、該剤が、放射線及び/又は化学療法の曝露の前、その間又はその後に、BMX-001(すなわち、ブトキシエチルピリジルポルフィリン)活性等価量に約0.05mg/kg~約1mg/kgを掛けた量での負荷投与量前記対象に投与される、上記に向けられている。幾つかの実施態様において、組織損傷が、対象において処置及び/又は防止される。
本発明の他の観点は、放射線及び/又は化学療法の曝露の間及び/又はその後に、対象における放射線及び/又は化学療法の曝露に関連付けられる1以上の副作用を処置及び/又は防止するであって、該剤が、下記の構造を有する活性剤を含み、該剤が、放射線及び/又は化学療法の曝露の前、その間又はその後に、約0.05mg/kg~約1mg/kgの量の負荷投与量前記対象に投与される、前記である。
ここで、Zは対イオンである。幾つかの実施態様において、組織損傷が、対象において処置及び/又は防止される。
本発明の他の観点は、2以上の薬学的に許容される組成物を含むキットであって、該2以上の医薬的に許容される組成物のそれぞれは、該組成物の1mL当たり約10~20mgの活性剤の量で活性剤を含み、上記活性剤が、メソ置換されたメタロポルフィリンである、上記キットに向けられている。
1つの実施態様に関して記載された本発明の観点は、それに関して具体的に記載されていないが、異なる実施形態において組み込まれうることに留意されたい。つまり、任意の実施形態の全ての実施態様及び/又は特徴は、任意の方法で及び/又は組み合わせにおいて組み合わせられることができる。本出願人は、出願当初の請求項を補正する権利及び/又は任意の新しい請求項を提出する権利、例えば任意の他の請求項又はそのような様式で出願当初の請求項に記載されていない請求項の任意の特徴を留保する。本発明のこれら及び他の目的及び/又は観点は、以下に記載の明細書において詳細に説明されている。本発明の更なる特徴、利点及び詳細は、以下の図面及び好ましい実施態様の詳細な説明を読むことにより当業者により理解されるであろう。そのような説明は本発明の単なる例示である。
図1は、RT後11日目の粘膜炎シグナルを示す。炎症組織はProSense 750EXを用いて同定され、それは、カテプシンの存在下で切断されて活性化され、近赤外シグナルを生じる。9Gyでの処置は、生理食塩水及び2/1mg/kgのMnBuOEの両方で処置されたマウスにおけるNIRシグナルで有意に増加された。NIRシグナルは、0.6/0.3mg/kg又は0.2/0.1mg/kgのMnBuOEのいずれかで処置されたマウスにおいて減少された。代表的なFMT画像が、全ての群について示されている。N=4~6のマウス/群。データはSEMの平均として報告される。*有意な差(p<0.05)対生理食塩水/0Gy対照。**有意な差(p<0.05)対2/1mg/kgのMnBuOE/0Gy対照。 図2Aは、マウス舌の下面の生体顕微鏡検査から得られたサンプル画像とともに、RT24時間後、引き続きRTの24時間後に0.1%のアクリジンオレンジ溶液の投与の血管のL/E相互作用及び物理的特性の生体内定量化を示す。3つの白い矢印は、細静脈に沿ってローリング白血球(rolling leukocytes)を示す。 図2Bは、RTの24時間後の血管のL/E相互作用及び物理的特性の生体内定量化に関するグラフを示す。パネルi中のグラフは、ローリング白血球の平均数が、0.2/0.1のMnBuOE及びRTの組み合わせに応じて減少することを示す。パネルii中のグラフは、RTが、生理食塩水で処置されたマウスにおける血液(VL)中の自由流動性(free-flowing)白血球の平均速度が増加したことを示す。この効果は、MnBuOEで処置されたマウスにおいて観察されなかった。パネルiii中のグラフは、RT又はMnBuOE単独(2/1)での処置は、血管の平均直径(D)における増加を導いたことを示す。RT+MnBuOEの組み合わせ(0.2/0.1)は、直径 対 生理食塩水対照における増加を導かなかった。パネルivにおけるグラフは、MnBuOEのみ(2/1)で処置されたマウスのみが、増加した血管径によって主に駆動されるせん断速度における減少を経験したことを示す。せん断速度(gs)は、式gs=8VL/Dを使用して計算された。データポイントが、平均値及びSEMとともに、各容器について示された。N=8~13匹のマウス/群。*有意な差(p<0.05) 対 生理食塩水/0Gy対照。 図3は、RT後11週間でのRT誘発口腔乾燥症を示す。ばらつきを減らすために、全てのマウスがそれらの適切な対照の唾液分泌レベルに正規化された。生理食塩水又は2/1mg/kgのMnBuOEを投与されたマウスは、RTに応答して唾液分泌における有意な減少(p<0.05)を経験したが、0.6/0.3又は0.2/0.1mg/kgのMnBuOEのいずれかで処置されたマウスは非照射の対照と比較して、唾液産生におけるより小さな、非有意の減少を経験した。N=5~6マウス/群。*有意な差(p<0.05) 対 生理食塩水/0Gy対照。**有意な差(p<0.05) 対 2/1mg/kgのMnBuOE/0Gy対照。 図4Aは、唾液腺及び舌におけるマッソン(Masson)のトリクローム染色の画像とともに、RT後12週間の唾液腺及び舌における線維症の解析を示し、それは、線維性組織(青色に染色)と健康な組織(赤色に染色)とを区別する。 図4Bは、生理食塩水又は2/1mg/kgのMnBuOE対照のいずれかの対照値に正規化された唾液腺における線維症のグラフを示す。9Gyは、生理食塩水のみを投与されたマウスにおける線維症を増加させる。MnBuOEは照射されたマウスにおける線維症を軽減し、全ての投与量のMnBuOEは線維症の軽減に同等に効果的である。N=4~6マウス/群。*有意な差(p<0.05) 対 生理食塩水/0Gy対照。 図4Cは、2/1mg/kgのMnBuOE対照のいずれかの生理食塩水の対照値に正規化された舌の線維症のグラフを示す。唾液腺と同様に、9Gyは線維症における増加を導いた。0.6/0.3及び0.2/0.1mg/kgの両方のMnBuOEが、線維症を2/1mg/kgよりも大幅に軽減する。N=4~6マウス/群。*有意な差(p<0.05) 対 生理食塩水/0Gy対照。 図5は、MnBuOEが、マウス異種移植モデルにおける、放射線/シスプラチンを介した腫瘍成長遅延に妨害しなかったことを示すグラフを示す。ヒト咽頭癌腫瘍細胞株(FaDu)は、MnBuOE処置又は生理食塩水対照注射とともに、分割されたRT+シスプラチンを投与する為に無作為化されたヌードマウスの脇腹に移植された。MnBuOEは移植の1週間後に開始され、そして実験期間中、t.i.wで続けられた。腫瘍が200mm3に達すると、RT+シスプラチンが開始された。腫瘍成長率における違いは、ベースラインとしてリーチマウスの初期処置体積を使用して、腫瘍体積の3倍になるまでの時間を評価することにより比較された。 図6Aは処置のタイムラインの概略図を示す。マウスは1x9Gy+6mg/kgのシスプラチンで処置された。生理食塩水又はMnBuOE処置(0.6mg/kg負荷投与量)はRT+シスプラチンの24時間前に開始され、そしてMnBuOE(0.3mg/kg)の維持投与が5週間、t.i.w.で続けられた。 図6Bはグラフを示し、且つMnBuOEはRT+シスプラチン後の正常組織損傷に対してマウスを保護する。RT+シスプラチンは、非照射対照(p<0.01)と且つRT+シスプラチンを投与されたMnBuOEで処理されたマウス(p<0.01)と比較して、生理食塩水で処理されたマウスにおけるNIRシグナリングを増加させた。RT+シスプラチンで処置されたMnBuOEマウスは、非照射対照よりも有意に大きなNIRシグナルを示さなかった(p=0.002,全ての群(ANOVA)に渡って,N=2~4/群)。 図6Cはグラフを示し、それはRT+シスプラチンで処置された全てのマウスが処置後、8~14日で初期体重減少を示したことを示す。RT+シスプラチンの10週間後、MnBuOEマウスは、非照射対照マウスと有意な差が無い体重を有した。RT+シスプラチンで処置された生理食塩水マウスは、非照射対照(p<0.0001)マウス及びRT+シスプラチンMnBuOEで処理された(p<0.01)マウスと比較して、有意に低い体重を有した。2元配置分散分析(Two-way ANOVA)は、時間と処置群との間に有意な相互作用を示した(p=0.018)。 図6Dはマウスの画像を示し、且つMnBuOEは生理食塩水とともにRT+シスプラチンを投与されたマウス(左)と比較して、照射領域における長期潰瘍及び湿性落屑を減少させた(右)。 図7は、化学放射線を受けている高悪性度神経膠腫を患う対象におけるBMX-001での処置の利点を示すグラフを示す。同時化学放射線を組み合わせてBMX-001を利して新たに診断された高悪性度神経膠腫の第1相研究における最初の8人の対象における認知テストのパフォーマンス。ホプキンス言語学習テスト改訂版(HVLT-R:Hopkins Verbal Learning Test-Revised)(左のパネル)は、化学放射線治療(より高いスコア=より良い性能)の0週で及び8週間後に行われた。トレイルメイキングBテスト(Trails Making B Test)(右パネル)がまた、化学放射線治療の0週で及び8週間後に行われた(より速い/より短い時間=より良い性能)。歴史的対照は、公開された文献において広範囲に文書化されている。高悪性度神経膠腫の為の化学療法及び放射線治療を受けている患者は、学療法と放射線治療を受けている患者8週間後にしばしば30%超の認知機能の低下を示すと予想される。これらの結果は、0時間目での患者の状態(化学放射線治療前)と比較して、化学放射線治療の8週間後の認知機能において測定可能な低下がなかったことを示す。 図8は、放射線及びテモゾロミドで処置されたHGG患者における一般的な副作用である血小板減少症に対して保護する為のBMX-001の使用を示すグラフを示す。BMX-001の有り(左のパネル)及び無し(右のパネル)で放射線/テモゾロミドを受けている高悪性度神経膠腫患者における血小板数。各行は個別の患者を表す。BMX-001+化学放射線を受けている患者について、N=9、化学放射線のみを受けている患者について、n=20、高悪性度神経膠腫患者について化学放射線を受けているおよそ50%の対象において生じる血小板減少症は、テモゾロミドの使用に主に関連している。これらの患者は出血のリスクがあり、且つ処置を中断することを余儀なくされる。データは、BMX-001が7mg~28mg/対象の負荷投与量で化学療法誘発性の骨髄抑制を防止し、その後に隔週で負荷された負荷投与量の半分が続くという結論を裏付けている。該結果は、BMX-001が骨髄に分布し、且つ酸化剤媒介損傷に対して保護することを示す。
本発明は、本発明の実施形態が示されている添付図面を参照して、以下において更に詳細に記載される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で実施され得、且つ本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきでない。むしろ、これらの実施形態は、この開示が徹底的且つ完全であり、本発明の範囲を当業者に完全に伝えるように提供されている。
本明細書の発明の詳細な説明において使用されている語は、実施態様のみを説明することを目的としており、本発明を限定することを意図されるものでない。発明の詳細な説明添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形も含むことを意図されている。
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、語、例えば一般的に使用される辞書で定義されている語は、本出願及び関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されること、且つ本明細書において明示的に定義されていない限り、理想的又は過度に解釈されるべきでないことがさらに理解されるだろう。本明細書の発明の詳細な説明において用いられている用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、本発明を限定することを意図されるものでない。本明細書において言及される全ての出版物、特許出願、特許及び他の参考文献は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。用語に矛盾がある場合、本明細書が支配する。
本明細書においてまた使用される場合、「及び/又は」は、1つ以上の関連付けられたリストされた項目のありとあらゆる組み合わせ、並びに代替に解釈される場合の組み合わせの欠如(「又は」)を云い且つ包含する。
文脈上他を意味しない限り、本明細書に記載の本発明の様々な特徴が任意の組み合わせで使用されることができることが特に意図されている。その上、本発明はまた、本発明の幾つかの実施態様において、本明細書に記載の任意の特徴又は特徴の組み合わせが除外又は省略できることを企図する。説明の為に、複合体が成分A、B及びCを含むと述べている場合、本明細書は、A、B又はCのいずれか又はそれらの組み合わせが省略され及び放棄されることはできることが特に意図されている。
本明細書において使用される場合、移行句「から本質的になる」(及び文法上の変形)は、請求項に記載された発明の「並びに基本の及び新規性の1以上の特性に実質的に影響を及ぼさない」列挙された物質又は工程を包含すると解釈されるべきである。In re Herz,537 F.2d 549,551~52,190 U.S.P.Q.461,463 (CCPA 1976)(原文献で強調l)を参照;MPEP§2111.03をまた参照。すなわち、本明細書において使用される場合、語「本質的に~からなる」という用語は、「含む」と同等であると解釈されるべきでない。
本明細書において使用される場合、語「約」は、測定可能な値、例えば量又は濃度、を云う場合に、指定の値並びに特定の値の±10%、±5%、±1%、±0.5%、又は更に±0.1%の変動を包含することを意味する。例えば、Xが測定可能な値である場合に、「約X」は、X並びに、Xの±10%、±5%、±1%、±0.5%、又は更に±0.1%の変動を含むことが意味される。本明細書で測定可能な値について提供される範囲は、その中の他の範囲及び/又は個々の値を含みうる。
本明細書において使用される場合、「医薬的に許容される」は、本処置の疾病及び必要性の重症度に照らして、過度に有害な副作用なしに、明細書において記載されている処置を達成する為に、化合物、陰イオン又は組成物が対象への投与に適していることを意味する。
本明細書において使用される場合、語「増加する(increase)」、「増加する(increases)」、「増加した(increased)」、「増加している(increasing)」、「改良する(improve)」、「高める(enhance)」及び類似の語は、指定されたパラメーターの少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%、約150%、約200%、約300%、約400%、約500%、又はそれ以上の上昇を示す。
本明細書において使用される場合、語「軽減する(reduce)」、「軽減する(reduces)」、「軽減した(reduced)」、「軽減(reduction)」、「阻害する(inhibit)」及び類似の語は、指定されたパラメーターの少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約97%又は100%の軽減を云う。
本明細書において単独又は別の基の一部として使用される場合、「アルキル」は、1~20の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素を云う。アルキルの代表的な例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、3-メチルヘキシル、2,2-ジメチルペンチル、2,3-ジメチルペンチル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル等を含むが、これらに限定されない。本明細書において使用される場合、「低級アルキル」は、アルキルのサブセットであり、且つ1~4の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を云う。低級アルキルの代表的な例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル等を含むが、これらに限定されない。語「アルキル」又は「低級アルキル」は、別段の指示がない限り、置換された及び置換されていない両方のアルキル又は低級アルキルを含み、且つこれらの基は、ハロ(例えば、ハロアルキル)、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクロ、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ハロアルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキルアルキルオキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、ヘテロシクロオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、メルカプト、アルキル-S(O)m、ハロアルキル-S(O)m、アルケニル-S(O)m、アルキニル-S(O)m、シクロアルキル-S(O)m、シクロアルキルアルキル-S(O)m、アリール-S(O)m、アリールアルキル-S(O)m、ヘテロシクロ-S(O)m、ヘテロシクロアルキル-S(O)m、アミノ、カルボキシ、アルキルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、ハロアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、ヘテロシクロアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、二置換アミノ、アシルアミノ、アシルオキシ、エステル、アミド、スルホンアミド、尿素、アルコキシアシルアミノ、アミノアシルオキシ、ニトロ又はシアノ(ここで、m=0、1、2又は3)から選択される基で置換されていてもよいことが意図される。
本明細書において単独又は別の基の一部として使用される場合、「アルケニル」は、直鎖における1~4の二重結合を含む、1~20の炭素原子(又は、1~4の低級アルケニル炭素原子での)を含む直鎖又は分岐鎖の炭化水素を云う。アルケニルの代表的な例は、ビニル、2-プロペニル、3-ブテニル、2-ブテニル、4-ペンテニル、3-ペンテニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、2,4-ヘプタジエン等を含むが、これらに限定されない。語「アルケニル」又は「低級アルケニル」は、別段の指示がない限り、置換された及び置換されていない両方のアルケニル又は低級アルケニルを含み、且つこれらの基は、上記のアルキル及び低級アルキルに関連して記載された同じ基で置換されていてもよいことが意図される。
本明細書において単独又は別の基の一部として使用される場合、「アルキニル」は、直鎖における1つの三重結合を含む1~20の炭素原子(又は、1~4の低級アルキニル炭素原子での)を含む直鎖又は分岐鎖の炭化水素を云う。アルキニルの代表的な例は、2-プロピニル、3-ブチニル、2-ブチニル、4-ペンチニル、3-ペンチニル等を含むが、これらに限定されない。語「アルキニル」又は「低級アルキニル」は、別段の指示がない限り、置換された及び置換されていない両方のアルキニル又は低級アルキニルを含み、且つこれらの基は、上記のアルキル及び低級アルキルに関連して記載された同じ基で置換されていてもよいことが意図される。
本明細書において単独又は別の基の一部として使用される場合、「シクロアルキル」は、3、4又は5~6、7又は8の炭素原子を含む飽和又は部分的に不飽和の環状炭化水素基を云う(この炭素原子は、下記の通り複素環基で置換されていてもよい)。シクロアルキルの代表的な例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルを含む。これらの環は、本明細書に記載された追加の置換基、例えばハロ又は低級アルキル、で任意に置換されていてもよい。幾つかの実施態様において、シクロアルキルは、3、4又は5~6、7又は8の炭素原子を含む飽和環状炭化水素基のみを云う(該炭素原子は、下記の通り複素環基で置換されていてもよい)。語「シクロアルキル」は一般的なものであり、且つ特に明記されない限り、下記で説明される複素環基を含むことが意図される。
本明細書において単独又は別の基の一部として使用される場合、「複素環基」又は「ヘテロシクロ」は、脂肪族の(例えば、完全に又は部分的に飽和されたヘテロシクロ)又は芳香族の(例えば、ヘテロアリール)単環系又は二環系を云う。単環系は、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から独立して選択される1、2、3又は4のヘテロ原子を含む任意の5又は6員環によって例示される。5員環は0~2の二重結合を有し、且つ6員環は0~3の二重結合を有する。単環系の代表例は、アゼチジン、アゼピン、アジリジン、ジアゼピン、1,3-ジオキソラン、ジオキサン、ジチアン、フラン、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、イソチアゾール、イソチアゾリン、イソチアゾリジン、イソオキサゾール、イソオキサゾリン、イソオキサゾリジン、モルホリン、オキサジアゾール、オキサジアゾリン、オキサジアゾリジン、オキサゾール、オキサゾリン、オキサゾリジン、ピペラジン、ピペリジン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、テトラジン、テトラゾール、チアジアゾール、チアジアゾリン、チアジアゾリジン、チアゾール、チアゾリン、チアゾリジン、チオフェン、チオモルホリン、チオモルホリンスルホン、チオピラン、トリアジン、トリアゾール、トリチアン等を含むが、これらに限定されない。二環式環系は、本明細書において定義されるアリール基、本明細書において定義されるシクロアルキル基、又は本明細書において定義される別の単環式環系に縮合された上記単環式環系のいずれかによって例示される。二環系の代表例は例えば、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアジアゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾフラン、ベンゾピラン、ベンゾチオピラン、ベンゾジオキシン、1,3-ベンゾジオキソール、シンノリン、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、ナフチリジン、イソベンゾフラン、イソベンゾチオフェン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、フタラジン、プリン、ピラノピリジン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、キナゾリン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロキノリン、チオピラノピリジン等を含むが、これらに限定されない。これらの環は、その四級化誘導体が含まれ、且つハロ、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクロ、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ハロアルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキルアルキルオキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、ヘテロシクロオキシ、ヘテロシクロlアルキルオキシ、メルカプト、アルキル-S(O)m、ハロアルキル-S(O)m、アルケニル-S(O)m、アルキニル-S(O)m、シクロアルキル-S(O)m、シクロアルキルアルキル-S(O)m、アリール-S(O)m、アリールアルキル-S(O)m、ヘテロシクロ-S(O)m、ヘテロシクロアルキル-S(O)m、アミノ、アルキルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、ハロアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、ヘテロシクロアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、二置換アミノ、アシルアミノ、アシルオキシ、エステル、アミド、スルホンアミド、尿素、アルコキシアシルアミノ、アミノアシルオキシ、ニトロ又はシアノ(ここでm=0、1、2又は3)から選択される基で任意に置換されていてもよい。
本明細書において単独又は別の基の一部として使用される場合、「アリール」は、単環式炭素環系、又は1以上の芳香環を有する二環式炭素環縮合環系を云う。アリールの代表例は、アズレニル、インダニル、インデニル、ナフチル、フェニル、テトラヒドロナフチル等を含む。語「アリール」は、別段の指示がない限り、置換された及び置換されていない両方のアリールを含み、且つこれらの基は、上記のアルキル及び低級アルキルに関連して記載された同じ基で置換されていてもよいことが意図される。
本明細書において単独又は別の基の一部として使用される場合、「アリールアルキル」は、本明細書において定義される通り、アルキル基を介して親分子部分に付加される、本明細書において定義されたアリール基を云う。アリールアルキルの代表例は、ベンジル、2-フェニルエチル、3-フェニルプロピル、2-ナフト-2-イルエチル等を含むが、これらに限定されない。
本明細書において使用される場合、「ヘテロアリール」は、上記のヘテロシクロに関連して説明したとおりである。
本明細書において単独又は別の基の一部として使用される場合、オキシ基,-O-,を介して親分子部分又は他の基に付加される、本明細書において定義されたアルキル又は低級アルキル基(従って、置換されたバージョン、例えばポリアルコキシ、を含む)を云う。アルコキシの代表例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2-プロポキシ、ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等を含むが、これらに限定されない。本明細書において単独又は別の基の一部として使用される場合、「アルコキシアルキル」は、オキシ基,-O-,を介して他のアルキル又は低級アルキル基に付加される、本明細書において定義されたアルキル又は低級アルキル基(従って、置換されたバージョン、例えばポリアルコキシ、を含む),-CH2CH2OCH2CH2CH2CH3を云う。
本明細書において使用される場合、「ハロ」は、任意の好適なハロゲン、例えば-F、-Cl、-Br及び-I、を云う。
本明細書において使用される場合、「メルカプト」は、-SH基を云う。
本明細書において使用される場合、「アジド」は、-N3基を云う。
本明細書において使用される場合、「シアノ」は、-CN基を云う。
本明細書において使用される場合、「ホルミル」は、-C(O)H基を云う。
本明細書において使用される場合、「カルボン酸」は、-C(O)OH基を云う。
本明細書において使用される場合、「ヒドロキシル」は、-OH基を云う。
本明細書において使用される場合、「ニトロ」は、-NO2基を云う。
本明細書において単独又は別の基の一部として使用される場合、「アシル」は-C(O)R基を云い、ここで、Rは任意の好適な置換基、例えばアリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル又は本明細書において記載された他の好適な置換基である。
本明細書において単独又は別の基の一部として使用される場合、「アルキルチオ」は、本明細書において定義されたチオ部分を介して親分子部分に付加される、本明細書において定義されたアルキル基を云う。アルキルチオの代表的な例は、メチルチオ、エチルチオ、tert-ブチルチオ、ヘキシルチオ等を含むが、これらに限定されない。
本明細書において使用される場合、「アミノ」は、-NH2基を意味する。
本明細書において単独又は別の基の一部として使用される場合、「アルキルアミノ」は-NHR基を意味し、ここでRはアルキル基である。
本明細書において単独又は別の基の一部として使用される場合、「アリールアルキルアミノ」は-NHR基を意味し、ここでRはアリールアルキル基である。
本明細書において単独又は別の基の一部として使用される場合、「二置換アミノ」は-NRaRb基を意味し、ここでRa及びRbは独立して、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクロ、ヘテロシクロアルキルの基から選択される。
本明細書において単独又は別の基の一部として使用される場合、「アシルアミノ」は-NRaRb基を意味し、ここでRaは本明細書で定義された通りのアシル基であり、且つRbは水素原子、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクロ、ヘテロシクロアルキルの基から選択される。
本明細書において単独又は別の基の一部として使用される場合、「アシルオキシ」は-OR基を意味し、ここで、Rは、本明細書において定義されたアシル基である。
本明細書において単独又は別の基の一部として使用される場合、「エステル」は-C(O)OR基を云い、ここで、Rは、任意の好適な置換基、例えばアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリール、である。
本明細書において単独又は別の基の一部として使用される場合、「アミド」は-C(O)NRaRb基を云い、ここで、Ra及びRbは、任意の好適な置換基、例えばアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリール、である。
本明細書において使用される場合、「スルホキシル」は式-S(O)Rの化合物を云い、ここで、Rは、任意の好適な置換基、例えばアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリール、である。
本明細書において使用される場合、「スルホニル」は式-S(O)(O)Rの化合物を云い、ここで、Rは、任意の好適な置換基、例えばアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリール、である。
本明細書において使用される場合、「スルホナート」は式-S(O)(O)ORの化合物を云い、ここで、Rは、任意の好適な置換基、例えばアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリール、である。
本明細書において使用される場合、「スルホン酸」は、式-S(O)(O)OHの化合物を云う。
本明細書において単独又は別の基の一部として使用される場合、「スルホンアミド」は-S(O)2NRaRb基を云い、ここで、Ra及びRbは、任意の好適な置換基、例えばH、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリール、である。
本明細書において単独又は別の基の一部として使用される場合、「尿素」は-N(Rc)C(O)NRaRb基を云い、ここで、Ra、Rb及びRcは、任意の好適な置換基、例えばH、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリール、である。
本明細書において単独又は別の基の一部として使用される場合、「アルコキシアシルアミノ」は-N(Ra)C(O)ORb基を云い、ここで、Ra、Rbは、任意の好適な置換基、例えばH、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリール、である。
本明細書において単独又は別の基の一部として使用される場合、「アミノアシルオキシ」は-OC(O)NRaRb基を云い、ここで、Ra及びRbは、任意の好適な置換基、例えばH、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリール、である。
別段の指示がない限り、本明細書において使用される場合、化学基又は部分を説明する為に使用される命名法は、名前を左から右に読むと、分子の残り部分への結合点が名前の右側にある慣例に従う。例えば、「(C1~3アルコキシ)C1~3アルキル」基は、アルキル末端で分子の残り部分に結合される。さらなる例は、結合点がエチル末端にあるメトキシエチル、及び結合点がアミン末端にあるメチルアミノを含む。
別段の指示がない限り、一価又は二価の基が「-」によって示される1つ又は2つの末端結合部分を含む化学式によって記述されている場合に、結合は左から右に読み取られることが理解されるだろう。
特に明記されない限り、本明細書に示される構造は、該構造の全てのエナンチオマー、ジアステレオマー及び幾何学的(又は立体配座)形態を含むことを意味される;例えば、各不斉中心のR及びS配置、(Z)及び(E)の二重結合異性体、(Z)及び(E)の立体配座異性体。それ故に、本化合物の単一の立体化学異性体並びに鏡像異性体、ジアステレオマー及び幾何学的(又は立体配座)混合物は、本発明の範囲内である。特に明記しない限り、本発明の化合物の全ての互変異性形態は、本発明の範囲内である。
加えて、特に明記されない限り、本明細書に示される構造はまた、1以上の同位体に富む原子の存在のみが異なる化合物を含むことを意味される。例えば、重水素若しくはトリチウムによる水素原子の置換、又は13C若しくは14Cに富む炭素による炭素の置換を除いて、本構造を有する化合物は本発明の範囲内である。そのような化合物は例えば、生物学的アッセイにおける分析ツール又はプローブとして有用である。
放射線及び/又は化学療法の曝露の間及び/又はその後に、対象における放射線及び/又は化学療法の曝露に関連付けられる1以上の副作用を処置及び/又は防止する方法が本発明の実施態様に従って提供される。幾つかの実施態様において、放射線及び/又は化学療法の曝露の間及び/又はその後に、対象における組織損傷を処置及び/又は防止する方法が提供される。本発明の方法は、放射線及び/又は化学療法の曝露の前、その間又はその後に、BMX-001活性等価量に対象の1kg当たり約0.05mg/kg~約1mgのメソ置換されたメタロポルフィリンを掛けた量での負荷投与量を該対象に投与することを含みうる。BMX-001(マンガンブトキシエチルピリジルポルフィリン又はMnTnBuOE-2-PyP5+、としても知られている)は、下記の構造式を有する:
ここで、Zは対イオンである。対イオンの例は、例えばハロゲンイオン(例えば、塩素原子等)等、PF6、トシレート、ベシレート及び/又はメシレート等、を含むが、これらに限定されない。
BMX-001活性等価量に言及する場合、活性等価量は、当業者に知られた方法に従って、例えば、チトクロムcアッセイ及び/又はパルス放射線分解(Spasojevic,Ivan,et al.,Inorganic Chemistry,Vol.40,No.4,2001,726~739)を用いて決定されるが、これらに限定されない。該メソ置換されたメタロポルフィリンがBMX-001である場合、該負荷投与量は、対象の1kg当たり約0.05~約1mgのBMX-001の量で対象に投与されうる。従って、該メソ置換されたメタロポルフィリンがBMX-001である場合に、BMX-001活性等価量は1である。代替的に、メソ置換されたメタロポルフィリンがBMX-001よりも20%少ない活性である場合に、BMX-001活性等価量は1.25であり、従って、投与量が0.05mgの1.25倍と1mgの1.25倍とを採用し決定されて、負荷投与量範囲(例えば、対象の1kg当たり約0.0625~約1.25mgのメソ置換されたメタロポルフィリン)を得る。
本発明の発明者等は、低投与量のメソ置換されたメタロポルフィリン(例えば、BMX-001)が、放射線及び/又は化学療法の曝露の間及び/又はその後に、放射線及び/又は化学療法の曝露に関連付けられる1以上の副作用、例えば以下に限定されないが組織損傷、を、例えば対象における放射線治療及び/又は化学療法処置を投与されている及び/又は経験している対象において処置及び/又は防止することができることを驚くべきことに発見した。本発明の処置レジメンは、低投与量のメソ置換されたメタロポルフィリン(例えば、BMX-001)を投与し且つ、予想外ではあったが、放射線及び/又は化学療法の曝露の間及び/又はその後に、対象における放射線及び/又は化学療法の曝露に関連付けられる1以上の副作用を処置及び/又は防止することができる。幾つかの実施態様において、メソ置換されたメタロポルフィリンの低投与量は、非癌性細胞に対して無毒である。毒性は、当業者に知られている方法を使用して決定されうる。幾つかの実施態様において、本発明の方法は、、投与量及び/又は処置レジメンは、メソ置換されたメタロポルフィリンを投与された非癌性細胞及び/又は対象に対して無毒であり、例えば副作用、例えば限定されないが低血圧、筋緊張低下、苦悩、戦慄、皮膚病変、局所壊死、脱毛症、体重減少、及び/又は1以上の器官における病理学的変化、を生じない。幾つかの実施態様において、本発明の方法は、投与量及び/又は処置レジメンは、メソ置換されたメタロポルフィリンを投与された非癌性細胞及び/又は対象に対して無毒であり、メソ置換されたメタロポルフィリンの毒性投与量と非毒性投与量との大きな安全マージン、例えば、非毒性投与量が毒性投与量より少なくとも約5倍、約10倍、約20倍、約30倍、約40倍又は約50倍未満等少ない、を有する。
本発明の方法において投与されたメソ置換されたメタロポルフィリンは、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)模倣物であり得、且つスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)酵素は哺乳動物(例えば、ヒト)において一般的である故に、当業者は、本発明の方法で投与される低投与量と比較して、より高い投与量のメソ置換されたメタロポルフィリンが防止及び/又は治療効果を得るために必要になると予想していた。スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、ペルオキシダーゼ、チオレドキシン、ペルオキシレドキシン、及び複数の非酵素的抗酸化剤を含む正常組織における酵素抗酸化剤及び非酵素抗酸化剤のかなりの濃度は、高濃度の酸化還元活性医薬品(例えば、メソ置換されたメタロポルフィリン)が組織において有意な生物学的効果をもたらすために必要であろうことを示唆する。複数の動物研究において放射線防護剤として有効であることが以前に見つけられたレドックス活性金属ポルフィリンの濃度は、最適な有効投与量が最大耐量に近いだろうという予想とともに、1日当たり3~5mg/kg又は1週間当たり21~35mg/kgのオーダーであった。本発明の知見は、予想よりも低い投与量(例えば、0.3~0.4mg/kg/週の低投与量)が毒性無しに有益である(例えば、放射線誘発損傷に対する高いレベルの保護を提供する)ことができることを含み、それは、既存の文献並びに既存の文献と内因性抗酸化剤防御の分布及び濃度に関する知識に基づいて予想外であった。
本発明の化合物は、1以上の療法と組み合わせて投与されうる。本明細書において使用される場合、投与方法に関して「組み合わせ」(例えば、活性剤と化学療法の組み合わせでの投与)は、2以上の化合物を同時に又は連続して、十分に近い時間で投与して、組み合わせた治療、防止又は処置の効果を生み出すことを含む。例えば、幾つかの実施態様において、メソ置換されたメタロポルフィリン及び放射線治療は、1以上の補助療法、例えば化学療法等、と任意的に組み合わせて、組み合わせで投与される。幾つかの実施態様において、メソ置換されたメタロポルフィリン及び化学療法は、1以上の補助療法、例えば化学療法等、と任意的に組み合わせて、組み合わせで投与される。
幾つかの実施態様において、本発明の方法は、放射線及び/又は化学療法の曝露の間及び/又はその後に、対象における放射線及び/又は化学療法の曝露に関連付けられる1以上の副作用を処置し及び/又は防止しうる。例えば、幾つかの実施態様において、本発明の方法は、放射線治療及び/又は化学療法との組み合わせにおいて使用されうる。幾つかの実施態様において、該負荷投与量は、放射線治療及び/又は化学療法の開始前に対象に投与されうる。代替的に、該負荷投与量は、放射線及び/又は化学療法の曝露の後に、例えば少なくとも1つの放射線治療及び/又は化学療法処置の後に、投与されうる。幾つかの実施態様において、該負荷投与量は、放射線曝露、例えば放射性元素(例えば、アメリシウム、キュリウム、プルトニウム等)等への曝露、後に、対象に投与されうる。
幾つかの実施態様において、該負荷投与量は、対象が放射線及び/又は化学療法に曝露される約30分~約4日前、例えば対象が放射線及び/又は化学療法に曝露される約1時間~約3日前に、約4時間~約2日前に、又は約12時間~約48時間前等に、対象に投与されうる。幾つかの実施態様において、該負荷投与量は、約30、約45又は約60分間で、例えば対象が放射線及び/又は化学療法に曝露される約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、約30、約31、約32、約33、約34、約35、約36、約37、約38、約39、約40、約41、約42、約43、約44、約45、約46、約47、約48、約49、約50、約51、約52、約53、約54、約55、約56、約57、約58、約59、約60、約61、約62、約63、約64、約65、約66、約67、約68、約69、約70、約71、約72、約73、約74、約75、約76、約77、約78、約79、約80、約81、約82、約83、約84、約85、約86、約87、約88、約89、約90、約91、約92、約93、約94、約95又は約96時間前に、対象に投与されうる。
幾つかの実施態様において、該負荷投与量は、対象が放射線及び/又は化学療法に曝露される約30分~約4日後、例えば放射線及び/又は化学療法に曝露された約1時間~約3日間、約4時間~約2日間又は約12時間~約48時間後等、に対象に投与されうる。幾つかの実施態様において、該負荷投与量は、放射線及び/又は化学療法に曝露された後、約30、約45又は約60分間、又は約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、約30、約31、約32、約33、約34、約35、約36、約37、約38、約39、約40、約41、約42、約43、約44、約45、約46、約47、約48、約49、約50、約51、約52、約53、約54、約55、約56、約57、約58、約59、約60、約61、約62、約63、約64、約65、約66、約67、約68、約69、約70、約71、約72、約73、約74、約75、約76、約77、約78、約79、約80、約81、約82、約83、約84、約85、約86、約87、約88、約89、約90、約91、約92、約93、約94、約95又は約96時間、対象に投与されうる。
本発明の方法において、負荷投与量は、活性剤の最初の投与量(すなわち、メソ置換されたメタロポルフィリン)でありうる。該負荷投与量は、活性剤及び/又はその誘導体のレベル(例えば、血漿レベル)を対象における或る量にする為に使用されうる。幾つかの実施態様において、前記負荷投与量が、初期投与量として1回のみ投与される。
幾つかの実施態様において、該負荷投与量は、BMX-001活性等価量に対象1kg当たり約0.05~約1mgを掛けた量、例えば約0.1mg/kg~約1mg/kg、約0.1mg/kg~約0.6mg/kg、又はBMX-001活性等価量に約0.1mg/kg~約0.6mg/kgを掛けた量等、のメソ置換されたメタロポルフィリンの量で対象に投与されうる。幾つかの実施態様において、該負荷投与量は、BMX-001活性等価量に対象1kg当たり約0.05、約0.06、約0.07、約0.08、約0.09、約0.1、約0.15、約0.2、約0.25、約0.3、約0.35、約0.4、約0.45、約0.5、約0.55、約0.6、約0.65、約0.7、約0.75、約0.8、約0.85、約0.9、約0.95、約0.1mgを掛けた量のメソ置換されたメタロポルフィリンの量で対象に投与されうる。
幾つかの実施態様において、対象への負荷投与量の投与は、約5mg~約50mg又は約7mg~約42mgのメソ置換されたメタロポルフィリンを対象に投与することを含みうる。例えば、該負荷投与量を投与する際に、該対象は、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、約30、約31、約32、約33、約34、約35、約36、約37、約38、約39、約40、約41、約42、約43、約44、約45、約46、約47、約48、約49又は約50mgのメソ置換されたメタロポルフィリンを投与されうる。
本発明の方法は、負荷投与量におけるメソ置換されたメタロポルフィリンの負荷投与量の量よりも約25%~約75%少ない量の維持投与量で、メソ置換されたメタロポルフィリンを対象に投与することをさらに含みうる。幾つかの実施態様において、該維持投与量は、負荷投与量におけるメソ置換されたメタロポルフィリンの負荷投与量の量よりも約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%又は約75%少ない量でメソ置換されたメタロポルフィリンを提供する。幾つかの実施態様において、該維持投与量は、負荷投与量におけるメソ置換されたメタロポルフィリンの負荷投与量の量よりも約50%少ない量でメソ置換されたメタロポルフィリンを含む。
幾つかの実施態様において、対象への該維持投与量の投与は、BMX-001活性等価量に1週当たり約5~約50mg、例えば約7mg/週~約40mg/週等、を掛けた量のメソ置換されたメタロポルフィリンを対象に投与することを含みうる。例えば、維持投与量の投与において、対象は、BMX-001活性等価量に1週当たり約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、約30、約31、約32、約33、約34、約35、約36、約37、約38、約39、約40、約41、約42、約43、約44、約45、約46、約47、約48、約49又は約50mgを掛けた量のメソ置換されたメタロポルフィリンを投与されうる。
上記維持投与量は、1週毎に、1以上の掛け数(例えば、1週当たり、1、2、3、4、5又はそれ以上)投与されうる。幾つかの実施態様において、上記維持投与量は、1週毎に2又は3回、又は2又は3日毎に、対象に投与されうる。幾つかの実施態様において、上記維持投与量は、最初の放射線及び/又は化学療法(例えば、最初の放射線及び/又は化学療法処置)の曝露後に、1週毎に2又は3回、又は2又は3日毎に、投与されうる。
上記維持投与量は、最初の放射線及び/又は化学療法(例えば、最初の放射線及び/又は化学療法処置)の曝露後に、1以上の掛け数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、又はそれ以上の掛け数等、投与されうる。幾つかの実施態様において、上記対象は放射線治療を受けており、及び/又は化学療法及び維持投与量が、放射線治療及び/又は化学療法のコースを通じて、例えば放射線治療及び/又は化学療法の間、1以上の掛け数等を通じて、投与される。
幾つかの実施態様において、上記維持投与量は、最後の放射線及び/又は化学療法(例えば、最後の放射線及び/又は化学療法処置)の曝露後に、1以上の掛け数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50等、又はそれ以上の掛け数等、投与されうる。幾つかの実施態様において、前記対象は、受けた最後の放射線治療及び/又は化学療法処置並びに維持投与量が、最後の放射線治療及び/又は化学療法処置の後に1以上の掛け数を投与される。幾つかの実施態様において、該維持投与量は、最後の放射線及び/又は化学療法(例えば、最後の放射線及び/又は化学療法処置)の曝露の後、1週当たり2又は3回、又は1~8週間に2又は3日毎に投与される。
本発明の幾つかの実施態様に従うと、対象は放射線に曝露され得、例えば、対象は約5~約100Gy又は約30~約90Gyの放射線の総投与量を受けうる。幾つかの実施態様において、対象は、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95、約100、約125、約150Gy、又はそれ以上の放射線の総投与量に曝露されうる。幾つかの実施態様において、対象は放射線治療を受け、及び/又は放射線治療を投与されうる。放射線治療は、1~10週間、1週当たり5日間投与される少なくとも1つの放射線処置を含みうる。当業者が理解しているように、放射線治療は一定の期間(例えば、1~10週間)続くことがあり得、且つ対象に継続的にではなく、むしろ断続的に投与されうる。幾つかの実施態様において、上記維持投与量は、対象が放射線治療を受けている同じ期間の間、投与されうる。上記維持投与量は、対象が放射線治療を受ける場合の同じ日に又は異なる日に投与されうる。幾つかの実施態様において、上記維持投与量は、放射線治療処置の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95又は96時間前に及び/又は後に投与されうる。幾つかの実施態様において、上記維持投与量は、対象が放射線治療処置を受けている間、投与されうる。
本発明の幾つかの実施態様に従うと、対象は化学療法を受けており、及び/又は投与されうる。化学療法の例は、シスプラチン、テモゾロミド、タモキシフェン、トラスツズマブ、フルオロウラシル(例えば、5フルオロウラシル(5FU))、マイトマイシン-C及び/又はFOLFOXを含むが、これらに限定されない。該方法及び/又はメソ置換されたメタロポルフィリンは、腫瘍制御及び/又は癌処置(例えば、化学療法)を妨害し得ない。当業者が理解しているように、化学療法は一定の期間(例えば、1~10週間)続くことがあり得、且つ対象に継続的にではなく、むしろ断続的に投与されうる。幾つかの実施態様において、上記維持投与量は、対象が化学療法を受けている同じ期間の間、投与されうる。上記維持投与量は、対象が化学療法を受ける場合の同じ日又は異なる日に投与されうる。幾つかの実施態様において、上記維持投与量は、化学療法処置の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95又は96時間前に及び/又は後に投与されうる。幾つかの実施態様において、上記維持投与量は、対象が化学療法処置を受けている間、投与されうる。
幾つかの実施態様において、上記対象は、放射線治療及び補助療法を受けている及び/又は投与されうる。補助療法の例は、抗生物質、ホルモン療法、化学療法、免疫療法及び/又は標的療法を含むが、これらに限定されない。幾つかの実施態様において、補助療法は、組織損傷及び/又は炎症に関連付けられる副作用を生じうる。放射線治療、補助療法及びメソ置換されたメタロポルフィリンは、同じ期間の間(すなわち、治療が重複する)、対象に投与され得、且つ同じ日又は異なる日に投与されうる。幾つかの実施態様において、放射線治療及び補助療法は、それらが重複しないように対象に投与される。例えば、対象は、一定期間、放射線治療を施され、そして放射線治療の完了後に、該対象が化学療法を施される。幾つかの実施態様において、本発明の方法は、放射線治療及び/又は補助療法、例えば放射線治療及びメソ置換されたメタロポルフィリンで対象に同時投与される補助療法、を弱めない及び/又は妨害しない。幾つかの実施態様において、上記対象は放射線治療及び化学療法を受けており、且つ該対象は放射線治療及び化学療法の間中、維持投与量を投与され、且つ該維持投与量は、最後の化学療法処置後、1~8週間投与される。
幾つかの実施態様において、本発明の方法は、メソ置換されたメタロポルフィリンの治療的に有効な量を対象に投与することを含む。本明細書において使用される場合、語「治療的に有効な量」は、治療的に有用な応答を誘発するメソ置換されたメタロポルフィリンの量を云う。当業者は、幾らかの利益が該対象に提供される限り、治療効果が完全又は治癒的である必要はないことを理解するであろう。
本明細書において使用される場合「処置する」、「処置している」又は「の処置」(及びそれらの文法上の変形)は、対象に利益を与えるあらゆるタイプの処置を云い、且つ、該対象の状態の重症度が低減され、少なくとも部分的に改良(improved)又は改善(ameliorated)されること、及び/又は放射線及び/又は化学療法の曝露に関連付けられる少なくとも1つの臨床症状の幾らかの緩和、緩和又は軽減が達成されること、及び/又は該症状の進行における遅延があることを意味しうる。幾つかの実施態様において、放射線及び/又は化学療法の曝露に関連付けられる症状の重症度は、本発明の方法の非存在下での症状の重症度と比較して対象において軽減されうる。
幾つかの実施態様において、メソ置換されたメタロポルフィリンは、処置有効稜で投与されうる。本明細書において使用される場合、「処置有効」量は、対象を(本明細書において定義された通りに)処置する為に十分な量である。当業者は、幾らかの利益が対象に提供される限り、治療効果が完全又は治癒的である必要はないことを理解するであろう。幾つかの実施態様において、処置有効量は、本発明の組成物投与することにより達成されうる。
語「防止する」、「防止している」及び「防止」(及びそれらの文法上の変形)は、放射線及び/又は化学療法の曝露に関連付けられる症状の発生の回避、軽減及び/又は遅延、及び/又は本発明の方法がない場合に生じることと比較して、放射線及び/又は化学療法の曝露に関連付けられる症状の発症の重症度を云う。防止は完全であることができ、例えば、症状が全くない場合である。防止はまた、部分的であることができ、従って、対象における症状の発生及び/又は発症の重症度が本発明の方法の非存在下で生じるものよりも少ない。
幾つかの実施態様において、メソ置換されたメタロポルフィリンは、防止有効量で投与されうる。本明細書において使用される場合、「防止有効」量は、対象における放射線及び/又は化学療法の曝露に関連付けられる症状を(本明細書において定義された通り)防止するのに十分な量である。当業者は、幾らかの利益が対象に提供される限り、防止のレベルが完全である必要はないことを理解するであろう。幾つかの実施態様において、防止有効量は、本発明の組成物を投与することによって達成されうる。
本発明は、獣医学及び医療の両方の用途において使用される。本発明の方法で処置される好適な対象は、哺乳類の対象が含まれるが、これに限定されない。本発明の哺乳動物は、イヌ、ネコ、ウシ、ヤギ、ウマ、ヒツジ、ブタ、げっ歯類(例えば、ラット及びマウス)、ウサギ目、霊長類(例えば、サル及びヒト)、非人類霊長類(例えば、サル、ヒヒ、チンパンジー、ゴリラ)等、及び子宮内の哺乳動物を含むが、これらに限定されない。本発明に従って処置される必要のある任意の哺乳対象が好適である。両方の性別及び開発の任意の段階(すなわち、新生児、幼児、少年、青年、成人)での人間の対象は、本発明に従い処置されうる。本発明の幾つかの実施態様において、上記対象は哺乳類であり、且つ或る実施態様において、該対象はヒトである。ヒトの対象は、胎児、新生児、乳児、少年、青年、成人、老人等の全ての年齢の男性と女性の両方、並びに妊娠した対象を含む。本発明の特定の実施態様において、該対象は人間の青年及び/又は成人である。
本発明の方法はまた、獣医目的の為の及び/又は薬物スクリーニング及び薬物開発目的の為の動物対象、特に哺乳類対象、例えばマウス、ラット、イヌイヌ、ネコ、家畜及びウマ、で実行されうる。
幾つかの実施態様において、上記対象は、本発明の方法を「必要とする」又は「それを必要とする」ものであり、例えば該対象は、典型的に癌に関連付けられる所見を有し、癌を有すると疑われ、及び/又は該対象は癌を有する。
本発明の方法は、慣用的な処置(例えば、慣用的な放射線治療及び/又は化学療法)と比較して、及び/又は本発明の方法の非存在下で、放射線曝露及び/又は補助療法(例えば、化学療法)に関連付けられる1以上の副作用を対象において処置及び/又は防止しうる。慣用的な放射線治療の例は、合計5960Gyで、6週間、1週間当たり5日与えられる1.8~2Gyの日毎分割量において分画焦点照射として投与される放射線治療を含むが、これに限定されない。慣用的な化学療法の例は、最初の放射線療法の投与量から最後の投与量まで週7日間、又は合計42日間、1日当たり体表面積1平方メートル当たり75mgの投与量で化学放射線療法の間に投与されるテモゾロミド、及び28日の処置サイクル当たり、連続5日間、1日当たり体表面積1平方メートル当たり150又は200mgの投与量で投与される。幾つかの実施態様において、該方法は、放射線治療及び/又は補助療法に関連付けられる1以上の副作用を対象において軽減(例えば、少なくとも約5%以上の程度又は存在)しうる。副作用の例は脱毛症、皮膚炎、疲労、神経症状、吐き気、嘔吐、外耳炎、発作、血小板減少症、骨髄抑制、粘膜炎、食道炎、喉頭機能障害(例えば、誤嚥、嗄声)、線維症(例えば、膀胱線維症)、骨盤放射線症候群に関連付けられる1以上の症状、認知障害、組織損傷、口腔乾燥症、骨髄抑制、色素増加症、間質性肺炎、肺線維症、ほてり、エコノミー症候群、勃起不全、尿意切迫/尿意頻数、直腸炎、線維性変化(例えば、尿道に対する線維性変化、結腸、直腸、肛門、皮膚、筋肉、及び/又は結合組織)、失禁、性欲減退、ビカルタミドビカルタミド有害影響(例えば、乳房圧痛及び女性化乳房)、下痢、肝毒性、皮膚破壊、皮膚刺激、疝痛性腹痛、体重減少に導く吸収障害、脂肪便、回腸損傷、胆汁酸再吸収の低下、白血球減少症、血小板減少症、しびれ/うずき、口内炎、皮膚落屑、直腸炎、膀胱炎、及び/又は急性血液毒性を含むが、これらに限定されない。
本発明の方法は、放射線で誘発された正常組織損傷を対象において処置及び/又は防止しうる。放射線で誘発された正常組織損傷は、慣用的な処置と比較して及び/又は本発明の方法の非存在下で、少なくとも5%以上対象において減少しうる。本明細書において使用される場合、「正常組織」は、非癌性である組織を云う。「正常組織」における細胞は、通常の速度で分裂していうる。幾つかの実施態様において、該方法は、炎症による及び/又は炎症によって生じる正常組織損傷を処置及び/又は防止しうる。幾つかの実施態様において、該方法は、対象における放射線及び/又は化学療法の曝露に関連付けられる1以上の副作用を処置及び/又は防止しうる。例えば、該方法は、皮膚炎、粘膜炎、口腔乾燥症、記憶喪失、認知機能低下、不快症状、脱毛、骨髄抑制、直腸炎、膀胱炎、及び/又は線維症(例えば、過度の瘢痕、狭窄、及び/又は瘢痕組織での置換を包含する)を処置及び/又は防止しうる。幾つかの実施態様において、本発明の方法は、造血幹細胞及び/又は組織(例えば、肺、及び/又は泌尿生殖器組、例えば前立腺、精巣、陰茎組織及びその勃起機能を含む)に放射線保護を提供しうる。
幾つかの実施態様において、本発明の方法は、本発明の方法並びに化学療法及び/又は放射線治療の前に認知機能と比較される場合、慣用的な処置と比較して及び/又は本発明の方法の非存在下で、認知機能の低下の減少を提供しうる。「認知機能ベースライン」は、対象について測定され得、且つ本発明の方法の前且つ化学療法及び/又は放射線治療の投与の前での対象の認知機能である。例えば、本発明の方法の前の且つ化学療法及び/又は放射線治療の投与の前に、対象の認知機能が測定され得(すなわち、対象の認知機能ベースライン)、そして引き続き、放射線治療及び/又は化学療法の後に対象の認知機能と比較され、そして本発明の方法は、慣用的な処置と比較して及び/又は本発明の方法の非存在下で、認知機能の低下の減少を提供しうる。幾つかの実施態様において、本発明の方法は、対象の認知機能ベースラインと比較された場合、対象が慣用的な放射線治療及び/又は化学療法を受けた約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19若しくは約20週又はそれ以上の後で、約30%以下(例えば、約25%、約20%、約15%、約10%、約5%、約1%、又は約0%)の認知機能低下を対象に提供しうる。幾つかの実施態様において、本発明の方法は、対象の認知機能ベースラインと比較された場合、対象が慣用的な放射線治療及び/又は化学療法を受けた約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19若しくは約20週又はそれ以上の後で、認知機能の測定可能な低下を対象に提供する。対象の認知機能は、当業者に知られている任意の好適な方法、例えばホプキンス言語学習テスト改訂版(HVLT-R:Hopkins Verbal Learning Test-Revised)及び/又はトレイルメイキングBテスト(Trail Making B Test)等、を用いて測定されうる。
幾つかの実施態様において、本発明の方法は、慣用的な処置と比較して及び/又は本発明の方法の非存在下で、脱毛の低減及び/又は発毛の増強を提供しうる。例えば、該方法は、慣用的な処置と比較して及び/又は本発明の方法の非存在下で、脱毛がないか又は脱毛の減少(例えば、約10%以上)を提供しうる。幾つかの実施態様において、本発明の方法は、慣用的な処置と比較して及び/又は本発明の方法の非存在下で、発毛の増加(例えば、約10%以上)を提供しうる。幾つかの実施態様において、本発明の方法は、放射線治療後に、対象における口腔粘膜及び/又は唾液腺の機能を処置及び/又は保護しうる。幾つかの実施態様において、本発明の方法は、慣用的な処置と比較して及び/又は本発明の方法の非存在下で、放射線及び/又は化学療法の曝露後に、白血球粘着及び/又は後毛細管小静脈のローリングにおける増加をもたらさないか、又は20%未満の増加(例えば、15%未満、10%未満、5%未満、又はそれ未満)を提供しうる。
幾つかの実施態様において、本発明の方法は、化学療法及び/又は放射線治療によって生じる骨髄抑制に対して保護しうる。幾つかの実施態様において、該方法は、白血球数の抑制に対して保護しうる及び/又は血小板数の抑制に対して保護しうる。幾つかの実施態様において、該方法は、慣用的な処置に比べて及び/又は本発明の方法なしで、増加した(例えば、約10%以上)白血球数及び/又は血小板数を提供しうる。幾つかの実施態様において、該方法は、化学療法及び/又は放射線治療によって生じる骨髄抑制の量を減少しうる。幾つかの実施態様において、本発明の方法は、テモゾロミドでの処置に関連されうる、対象における血小板減少症を保護及び/又は減少しうる。
本発明の方法は、慣用的な処置に比べて及び/又は本発明の方法なしで、対象における血小板減少症を防止し及び/又は対象における血小板減少症の発生を減少しうる。幾つかの実施態様において、本発明の方法は、慣用的な放射線治療及び/又は化学療法を受けた約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19若しくは約20週又はそれ以上の後で、少なくとも100,000、125,000、150,000、200,000、250,000又はそれ超の血小板を対象に提供しうる。幾つかの実施態様において、本発明の方法は、慣用的な放射線治療及び/又は化学療法を受けた約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19若しくは約20週又はそれ超の後で、100,000~450,000の血小板数を対象に提供しうる。幾つかの実施態様において、本発明の方法は、慣用的な放射線治療及び/又はテモゾロミドを受けた約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19若しくは約20週又はそれ超の後で、100,000~450,0000の血小板数を対象に提供しうる。
幾つかの実施態様において、本発明の方法は、対象における腫瘍の血行再建及び/又は成長を低減又は阻害しうる。該方法は、慣用的な処置と比較して及び/又は本発明の方法の非存在下で、少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又は約100%の、対象における腫瘍の血行再建及び/又は成長を減少及び/又は阻害しうる。本発明の方法及び/又は活性剤は腫瘍及び/又は腫瘍細胞を保護せず、及び/又は腫瘍細胞死を阻害しえない。幾つかの実施態様において、本発明の方法及び/又は活性剤は、放射線治療及び/又は化学療法の効果を感作及び/又は増加しうる(例えば、該活性剤は、放射線及び/又は化学感作に効果的な量で腫瘍及び/又は腫瘍細胞に投与されうる)
本発明の方法は、放射線及び/又は化学療法の曝露に関連付けられる長期的影響及び/又は有害な副作用を処置及び/又は防止しうる。幾つかの実施態様において、本発明の方法は、対象における正常組織損傷の量を、及び/又は最後の放射線及び/又は化学療法の曝露の一定期間の及び/又は最後の維持投与量後、放射線及び/又は化学療法の曝露に関連付けられる1以上の副作用を処置及び/又は防止しうる。幾つかの実施態様において、該方法は、最後の放射線及び/又は化学療法の曝露の約1、約2、3若しくは4週間又は約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14ヶ月若しくはそれ超の後で及び/又は最後の維持投与量後で、放射線及び/又は化学療法の曝露に関連付けられる1以上の副作用(例えば、正常組織損傷)の程度及び/又は量を処置及び/又は防止しうる。例えば、該方法は、最後の放射線治療及び/又は化学療法処置及び/又は最後の維持投与量の約1~約12ヶ月間、正常組織損傷の量を減少しうる。すなわち、幾つかの実施態様において、本発明の方法は、最後の維持投与量後及びメソ置換されたメタロポルフィリンが該対象にもはや投与されない場合に及び/又はメソ置換されたメタロポルフィリンの半減期後に、対象における放射線及び/又は化学療法の曝露に関連付けられる1以上の副作用を処置及び/又は防止しうる。
本発明の方法は、脳が転移の原発部位であり且つ大きな脳転移の展開を処置又は防止する為に照射を行われる故に、脳照射の間及び/又は脳照射例えば転移の為の脳照射及び/又は防止脳照射等、例えば肺癌の処置の為に一般的に行われる防止脳照射等、の後に、対象における脳組織を保護しうる。
本発明の対象は、任意のタイプの癌を有しうる。幾つかの実施態様において、該対象は癌を有するか又は癌を有する疑いがあり、且つ癌は脳、頭頸部(声帯、喉頭、咽頭、舌、及び/又は唾液腺を含む)、乳房、前立腺癌、結腸、直腸、腎臓、リンパ腫(例えば、ホジキン又は非ホジキンリンパ腫)、白血病、肝臓、胃、食道、骨肉腫、及び/又は肛門癌である。幾つかの実施態様において、該対象は、頭及び/又は頚部の扁平上皮癌を有るすか、又は有する疑いがある。
本発明の方法は、慣用的な処置と比較して及び/又は本発明の方法の非存在下で、対象に組み合わせて投与される放射線治療及び/又は補助療法に対する対象遵守を増加しうる(例えば、少なくとも10%以上)。
幾つかの実施態様において、本発明の方法は、慣用的な投与量と比較して、放射線治療における対象に投与される放射線の量を増加しうる及び/又は慣用的な化学療法投与量と比較して、化学療法における対象に投与される化学療法の投与量を増加しうる。
本発明の活性剤は、医薬的に許容される組成物において対象に投与されうる。幾つかの実施態様において、医薬的に許容される組成物は、皮下投与用の為の形態である。該医薬的に許容される組成物は、注射可能な溶液でありうる。
本発明の方法において使用されるメソ置換されたメタロポルフィリンは、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)模倣物でありうる。幾つかの実施態様において、メソ置換されたメタロポルフィリンは、下記の式Iの化合物又はその医薬的に許容される塩である:
ここで、
各Rは独立して、置換された又は置換されていない、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルから選択され;
各Aは独立して、水素原子、電子吸引基又は電子供与基(例えば、ハロゲン、NO2又はCHO)から選択され;
Mは金属であり;及び
Zは、対イオンである。
式Iの幾つかの実施態様において、各Rは、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキル、特に複素環(例えば、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピリミジル、トリアジニル、オキサゾリル、チアゾリル、オキサジニル、チアジニル、オキサチアジニル等)中の少なくとも1つ又は2つの窒素原子を含むヘテロアリール又はヘテロシクロアルキル、である。幾つかの実施態様において、その窒素原子の少なくとも1つ(又は、幾つかの実施態様において、その窒素原子の少なくとも2つ)が好ましくは、置換基、例えば、上記の複素環基に関連して記載された置換基、で置換されていてもよい(例えば、アルキル、アルコキシアルキル等で置換(例えば、四級化)されていてもよい)。幾つかの実施態様において、式Iの化合物におけるRは、アルコキシアルキルアリール又はアルコキシアルキルヘテロアリールである。
幾つかの実施態様において、メソ置換されたメタロポルフィリンは、下記の式A1の構造を有する:
ここで、
各Rは独立して、C1~12アルキル又はC1~C12アルコキシアルキルから選択され;
各Aは独立して、水素原子又は電子吸引基(例えば、ハロゲン、NO2又はCHO)であり;
Mは、マグネシウム、鉄、銅、コバルト及びニッケルからなる群から選択される金属であり;及び
Zは、対イオンである。
幾つかの実施態様において、メソ置換されたメタロポルフィリンは下記の式を有する:
ここで、Zは対イオンである。
幾つかの実施態様において、該メソ置換されたメタロポルフィリンは、下記の式B1の構造を有する:
ここで、
各Rは独立して、C1~12アルキル又はC1~12アルコキシアルキルから選択され;
各Aは独立して、水素原子又は電子吸引基(例えば、ハロゲン、NO2又はC(O)H)であり;
Mは、マグネシウム、鉄、銅、コバルト及びニッケルからなる群から選択される金属であり;及び、
Zは、対イオンである。
幾つかの実施態様において、該メソ置換されたメタロポルフィリンは、下記の構造を有する:
ここで、Zは対イオンである。
幾つかの実施態様において、該メソ置換されたメタロポルフィリンは、下記の式C1の構造を有する:
ここで、
各Rは独立して、水素原子又は-(CH2)mCH2OXから選択され;
mは、1又は2であり;
Xは、C1~12アルキルであり;
各Aは独立して、水素原子又は電子吸引基(例えば、ハロゲン、NO2又はCHO)であり;
Mは、マグネシウム、鉄、銅、コバルト及びニッケルからなる群から選択される金属であり;及び
Zは、対イオンである。
幾つかの実施態様において、XはC4~C6アルキルである。
幾つかの実施態様において、該メソ置換されたメタロポルフィリンは、下記の構造を有する:
ここで、各Rは独立して、C1~C12アルキルであり、且つZは、対イオン(例えば、Cl、PF6、トシレート、ベシレート、メシレート等)である。
幾つかの実施態様において、該メソ置換されたメタロポルフィリンは、下記の構造を有する:
ここで、Zは対イオンである。
幾つかの実施態様において、該メソ置換されたメタロポルフィリンは、下記の構造を有する:
ここで、Zは対イオンである。
幾つかの実施態様において、本発明のメソ置換されたメタロポルフィリンは、下記の構造を有する化合物を含まない。
ここで、Zは対イオンである。
幾つかの実施態様において、上記の化合物における全てのR基は同じである。幾つかの実施態様において、1以上(例えば、1、2、3又は4)のR基は水素原子である。幾つかの実施態様において、式A1、式B1又は式C1の化合物において、Rは、C4~C12アルキル(例えば、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11又はC12のアルキル)である。幾つかの実施態様において、式A1、式B1又は式C1の化合物において、Rは、C2~6アルキルである。幾つかの実施態様において、式A1、式B1又は式C1の化合物において、RはC4~C6アルキルである。幾つかの実施態様において、式A1又は式B1の化合物において、Rは、C1~12アルコキシアルキル、例えばブトキシメチル、メトキシエチル、ブトキシエチル又はヘキソキシエチル等である。Zは、対イオン、例えばCl、PF6、トシレート、ベシレート及び/又はメシレート、であってもよいが、これらに限定されない。
本明細書において記載された活性剤は、例えば、上記された通り、対イオンを含む化合物又は組成物を提供する為に、それらの塩又は医薬的に許容される塩の形態で調整されることができる。医薬的に許容される塩は、親化合物の望ましい生物学的活性を保持し且つ望ましくない毒性効果を与えないところの塩である。そのような塩の例は、(a)無機塩で形成される酸付加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸等;及び有機酸で形成される塩、例えば、酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルコン酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パルミチン酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンスルホン酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、ポリガラクツロ酸等;(b)元素アニオンから形成される塩、例えば塩素、臭素及びヨウ素、及び(c)塩基から誘導される塩、例えばアンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えばナトリウムおよびカリウムなどのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム及びマグネシウムのアルカリ土類金属塩、並びに有機塩基との塩、例えばジシクロヘキシルアミン及びN-メチル-D-グルカミン、である、
上記された活性剤は、既存の技術に従って、薬学的担体中に投与する為に製剤化されうる。例えば、Remington,The Science And Practice of Pharmacy(第9版,1995年)を参照。本発明に従う医薬製剤の製造において、上記活性剤(生理学的に許容されるそれらの塩を含む)は典型的には、なかんずく許容される担体と混合される。該担体は、勿論、該製剤中の任意の他の成分と適合性があるという意味で許容されなければならず、且つ患者に有害であってはならない。該担体は、固体若しくは液体、又はその両方であってよく、且つ好ましくは、単位投与量製剤、例えば溶液、として化合物とともに製剤され、それは0.01又は0.5%~95%又は99%重量%の活性剤を含みうる。1以上の活性剤が本発明内に組み込まれ得、それは、任意的に1以上の補助成分を含む成分の混合を含む薬学の任意の周知技術によって調製されうる。
本発明の製剤は、経口、直腸、局所、頬側の(例えば、舌下)、膣、、非経口(例えば、皮下、筋肉内、皮内又は静脈内)、局所(すなわち、皮膚及び、気道粘膜を含む粘膜表面の両方)及び経皮投与を含む。但し、どのような場合でも最も適切な経路は、処置される状態の性質及び重症度に、且つ使用されている特定の活性剤の性質に依存するだろう。
経口投与に適切な製剤は、個別の単位、例えばカプセル剤、オブラート(cachets)、ロゼンジ(lozenges)又は錠剤、で提供され得、それぞれが粉末又は顆粒として、水性又は非水性の液体中の液体又は懸濁物として、又は水中油又は油水中のエマルジョンとして、所定量の活性剤を含む。そのような製剤は、活性剤と適切な担体(それは、上記された1以上の補助成分を含みうる)とを結合させる工程を含む、調剤の任意の好適な方法によって調製されうる。一般に、本発明の製剤は、活性剤を液体若しくは微粉化した固体担体又はその両方と均一且つ緊密に混合し、そして次に、必要に応じて、結果として生じた混合物を成形することによって調製される。例えば、錠剤は、活性剤を含む粉末又は顆粒を、任意的に1以上の補助成分とともに、圧縮又は成形することにより調製されうる。圧縮錠剤は、自由流動形態、例えば結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、及び/又は界面活性剤/分散剤と任意的に混合された粉末又は顆粒、の化合物を適切な機械で圧縮することによって調製されうる。成形錠剤は、不活性液体結合剤で湿らせた粉末状化合物を適切な機械において成形することによって作成されうる。
頬側の(舌下)投与に好適な製剤は、風味付けされた基剤、通常スクロース及びアカシア又はトラガカント中に活性剤を含むロゼンジ(lozenges);並びに、不活性基剤、例えばゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアカシア、中に化合物を含む香錠を含む。
非経口投与に好適な本発明の製剤は、1以上の活性剤の水性の及び非水性の滅菌注射液を含み、それらの製剤は好ましくは、意図されたレシピエントの血液と等張である。これらの製剤は、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、及び溶質を含み、それらは該製剤を意図されたレシピエントの血液と等張である。水性及び非水性の滅菌懸濁物は、懸濁化剤及び増粘剤を含みうる。該製剤は、単位投与量又は複数回投与容器、例えば、密封のアンプル及びバイアル、で提供され得、且つ使用直前に、無菌液体担体、例えば生理食塩水又は注射用水、の添加のみを必要とする凍結乾燥(freeze-dried)(凍結乾燥(lyophilized))状態で保存されうる。即時の注射液及び懸濁物は、上記された種類の滅菌粉末、顆粒、及び錠剤から調製されうる。例えば、本発明の一つの観点において、密封容器内の単位剤形の1以上の活性剤又はその塩を含む注射可能な安定な無菌組成物が提供される。該活性剤又はその塩は、適切な医薬的に許容される担体で再構成されて、対象への注射に滴した液体組成物を形成することができる凍結乾燥物の形態で提供されうる。単位剤形は、約10mg~約10グラムの活性剤又はその塩を含みうる。該活性剤又はその塩が実質的に水不溶性である場合、生理学的に許容される十分な量の乳化剤が、水性担体中の活性剤又はその塩を乳化するのに十分な量で使用されうる。そのような有用な乳化剤の1つが、ホスファチジルコリンである。
直腸投与に好適な製剤は好ましくは、単位投与量の坐剤として提供される。これらは、該活性剤を1以上の慣用的な固体担体、例えばカカオバター、と混合し、そして次に、結果として生じた混合物を成形することにより調製されうる。
さらに、本発明は、本明細書に開示される化合物及びその塩のリポソーム製剤を提供する。リポソーム懸濁物を形成する為の技術は、当技術分野で周知である。化合物又はその塩が水溶性塩である場合、慣用的なリポソーム技術を使用して、同じものが脂質小胞内に組み込まれうる。そのような場合、化合物又は塩の水溶性のために、該化合物又は塩は、リポソームの親水性中心又はコア内に実質的に同伴されるであろう。使用される脂質層は、任意の慣用的な組成のものであってもよく、コレステロールを含んでいても又はコレステロールを含んでいなくてもよい。関心のある化合物又は塩が水不溶性である場合、やはり慣用的なリポソーム形成技術を使用すると、該塩はリポソームの構造を形成する疎水性脂質二重層内に実質的に同伴されうる。いずれの場合でも、生成されるリポソームは、標準的な超音波処理及び均質化技術を使用するなどして、サイズを小さくされうる。もちろん、本明細書に開示される化合物又はその塩を含むリポソーム製剤は、凍結乾燥されて凍結乾燥物を生成し、それは薬学的に許容される担体、例えば水、で再構成されて、リポソーム懸濁物を再生しうる。
他の医薬組成物は、本明細書に開示されている水不溶性化合物又はその塩、例えば水性ベースのエマルジョン、から調製されうる。そのような場合、該組成物は、化合物又はその塩の所望の量を乳化するのに十分な量の医薬的に許容される乳化剤を含むだろう。特に有用な乳化剤は、ホスファチジルコリン及びレシチンを含む。
1以上の活性剤に加えて、該医薬組成物は、他の添加剤、例えばpH調節剤、を含みうる。特に、有用なpH調整剤は、酸、例えば塩酸、塩基又は緩衝液、例えば乳酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、又はグルコン酸ナトリウム、を含む。さらに、該組成物は、微生物防腐剤を含みうる。有用な微生物防腐剤は、メチルパラベン、プロピルパラベン及びベンジルアルコールを含む。微生物防腐剤は典型的には、製剤が複数回投与使用の為に設計されたバイアル中に入れられるときに使用される。もちろん、示されるように、本発明の医薬組成物は、当技術分野で周知の技術を使用して凍結乾燥されうる。
本発明の幾つかの実施態様に従うと、キットが提供される。該キットは、2以上の容器を含みうる。2以上の容器のそれぞれは、本明細書において記載されたメソ置換されたメタロポルフィリンを含む。幾つかの実施態様において、該2以上の容器のそれぞれは、該組成物の1mL当たり、約5~約25mg(例えば、約5、約10、約15、約20又は約25mg)の量でメソ置換されたメタロポルフィリンを含む医薬的に許容される組成物を含む。幾つかの実施態様において、該キットは、複数回投与キットである。
該医薬的に許容される組成物は、皮下投与用の為の形態でありうる。幾つかの実施態様において、該2以上の医薬的に許容される組成物のそれぞれは、注射可能な溶液でありうる。該2以上の医薬的に許容される組成物のそれぞれは、メソ置換されたメタロポルフィリンの同量を有しうる。幾つかの実施態様において、該2以上の医薬的に許容される組成物の少なくとも2つは、該活性剤の異なる量を有する。
幾つかの実施態様において、該2以上の医薬的に許容される組成物は、バイアル、プリロードされたシリンジ又は自己注射送達デバイス中にありうる。該キットは、2以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、又はそれ以上)の投与量の活性剤を含みうる。幾つかの実施態様において、該キットは、8~24の投与量の活性剤を含む。幾つかの実施態様において、該キットは、1ヶ月又は28日間のキットでありうる。
幾つかの実施態様において、該キットは、追加の治療剤(例えば、抗生物質、化学療法等)を含み、それは、メソ置換されたメタロポルフィリンとは別の容器で提供されうる。
本発明は、下記の非限定的な実施例においてより詳細に説明される。
実施例
実施例1
この研究の目的は下記の3つである:1)即時、早期、及び後期の影響について、タイムラインでRT/シスプラチンと組み合わせた場合のMnBuOEの潜在的な保護効果を評価すること;2)MnBuOEがRT/シスプラチンの組み合わせからHNSCCを保護しないことを確認すること;3)分割されたRT/シスプラチンの臨床的に関連する併用療法を使用しながら、後期障害を防止するために1週毎に3回投与される低投与量のMnBuOEの有効性を評価すること。
材料及び方法
動物:正常組織の研究では、6~8週齢の雌C57Bl/6マウスが使用された(Jackson Laboratory,Bar Harbor,ME)。腫瘍制御研究では、雌のnu/nuマウスがデューク大学の繁殖施設から入手された。マウスはバリア施設にグループで収容され、実験前の少なくとも1週間は新しい環境に順応することを許された。全ての作業が、デューク大学制度動物ケア及び使用委員会によって承認された(Duke University Institutional Animal Care and Use Committee)。
MnBuOE合成及び投与:MnBuOEが上記した通りに合成された。MnBuOEの各調製物は、品質及び純度の試験(すなわち、薄層クロマトグラフィー、UV-vis、ESI-MS並びに蛍光及び元素分析)に合格した。マウス注射が、MnBuOEを滅菌生理食塩水に溶解して、皮下投与された。マウスは0.2、0.6又は2.0mg/kgの初期投与、その後、3回週毎に(t.i.w.)、負荷投与量の半分の維持投与量(すなわち、それぞれ0.1、0.3又は1.0mg/kg)(2/1、0.6/0.3及び0.2/0.1と呼ばれる投与スケジュール)を受けた。白血球と内皮細胞との相互作用及びGSH/GSSGアッセイの生体内顕微鏡解析の為に使用されたマウスは、放射線の24時間前に0.2mg/kgの単回投与を受けた。
唾液腺及び口腔粘膜照射:MnBuOE負荷投与量の投与から24時間後、マウスは、酸素と混合された1.5%イソフルランガスで麻酔され、X-RAD 225Cx(Precision X-ray Inc.,North Branford,CT)小動物マイクロCT照射器中に置かれた。15mmx40mmの放射線フィールドを生成するコリメートコーンが使用されて、放射線ビームを唾液腺及び口腔を標的とした。RTフィールドは、全ての主要な及び副唾液腺(主にマウスの首領域にある)、及び口腔粘膜、例えば頬腺、唇、舌を含む口腔粘膜、が含まれていた。標的組織は、2mm Alフィルターで40kVp及び2.5mAの蛍光透視法を使用して、30.76cmの線源から対象までの距離で放射線フィールド内に局在化された。QC線量測定研究は、蛍光透視法セッション中に投与されたRT投与量が低い(6~12cGy)ことを確認した。次に、ターゲット領域は、225kVp及び13mAのターゲット深度で300cGy/分の線量率の反対側方ビームと、総投与量9Gyの0.3mmのCuフィルターを使用して照射された。対照マウスは麻酔されたが、蛍光透視法で画像化されず又は放射線照射されなかった。
蛍光分子トモグラフィーを使用した粘膜炎の評価:以前に報告された通り、ProSense 750EX(Perkin Elmer,Waltham,MA)を使用して粘膜炎を検出した。ProSense 750EXは、炎症中に発現される酵素のファミリーであるカテプシンによって開裂される近赤外線(NIR)イメージングエージェントである(17)。マウスは、100μLのProSense 750EXで静脈内注射された。注射の24時間後、マウスはイソフルランで麻酔され、そしてVisen FMT 2500LX(Perkin Elmer)を使用して画像化された。ProSense 750EXシグナルは、TrueQuant softwareソフトウェア(Perkin Elmer Life and Analytical Sciences,Downers Grove,IL)を使用して定量化された。
生体顕微鏡検査を用いた白血球と内皮細胞との相互作用のイメージング:イメージングが、照射/シャムRT後に実施された。マウスが、80/8mg/kgのケタミン/キシラジン混合物で麻酔された。アクリジンオレンジ(Sigma-Aldrich,St.Louis,MO)が、静脈内注射された(生理食塩水中の100μlの0.1%アクリジンオレンジ)。Zeissフィルターセット38を装備したZeiss Observer.Z1(Carl Zeiss AG,Oberkochen,ドイツ)倒立顕微鏡上にマウスをマウントする前に、舌の腹側表面がガラスカバースリップ上に置かれた。蛍光励起は470nmで行われ、そしてビデオは、40xの対物レンズを使用して525nmで取得された。15~50mmの範囲で少なくとも4つの静脈を持つ2つの別々の領域が特定され、そして、1秒当たり5フレームで60~120秒の長さのビデオが、Zen Imaging Software(Carl Zeiss AG,Oberkochen,ドイツ)を使用して取得された。加熱ステージを使用して麻酔されている間、マウスは温かく保たれた。
白血球と内皮細胞の相互作用解析:全てのビデオ解析が盲目的に行われた。ローリング白血球は血管壁に沿って縁取りされた細胞として定義され、大量の血流から明確に分離された。4つの血管がマウス毎に分析された。白血球の計数が各血管について3回繰り返され、そしてローリング白血球の流れ(Fローリング)が平均して求められた。血管径(D)と少なくとも1つの自由に流れる白血球(VL)の速度がまた測定された。疑似せん断速度(gs)がまた、各容器に対して下記の通りに計算された:gs=8VL/D。これらの方法は、以前に説明されている(18)。
GSH/GSSGサンプル調製:この手順は、全血中のグルタチオンを分析する、以前に公開された方法から変更された(19)。安楽死後、マウスの舌が切除され、液体窒素で瞬間凍結され、そして使用するまで-80℃で保存された。サンプル(~20mg)が
以下でホモジナイズされた:4部(g/体積)のGSHトラップ溶液(20mMのN-エチルマレイミド(NEM;Sigma,St.Louis,MO)、15%のメタノール中、2%のSSA及び2mMのEDTA)、10部(g/体積)の1%のギ酸(Fluka Inc.,St.Louis,MO)及び40秒間、速度5でのFastPrep(Thermo Fisher Scientific,Waltham,MA)ホモジナイザー中、2つの2.5mm Zr-シリカビーズ(Biospec Products Inc.,Bartlesville,OK)。室温で30分間のインキュベート後、500μLのクロロホルムが150μLのホモジネートに添加され、40秒間混合された後、16,000gで5分間遠心分離された。GSH分析について、5μLの上清、1mLの脱イオン水、及び100μLの1μM GSH-NEM-d3(内部標準)が一緒にされ、そして4℃でオートサンプラー内に置かれた。GSSG解析について、20μLの上清と移動相A中の20μLの1μM GSSG-d6が一緒にされて、4℃オートサンプラー内に置かれた。
LC-MS/MS解析:GSH(GSH-NEM誘導体として)及びGSSGの測定は、島津20Aシリーズ液体クロマトグラフィー(LC;Shimadzu Scientific Instruments,Columbia,MD)及びApplied Biosystems/SCIEX API5500 QTrapタンデム質量分析計(MS/MS;Applied Biosystems,Foster City,CA)で行われた。LC条件:カラムAgilent ZORBAX Eclipse Plus,C18 4.6x50mm 1.8μm粒子径(P/N 959941-902)分析カラム(Agilent Technologies,Santa Clara,CA)及びPhenomenex,C18 4x3mmガードカートリッジ(P/N AJ0-4287)、45℃(Phenomenex,Torrance,CA)。移動相溶媒(全てMSグレード):A-0.1%ギ酸水溶液、2%アセトニトリル;B-アセトニトリル。1mL/分での溶出勾配:0~3分 0~50% B,3~3.1分 50~95% B,3.1~3.5分 95% B,3.5~3.6分 95~0% B。実行時間:7分。MS/MS条件:GSH-NEM、GSH-NEM-d3、GSSG及びGSSG-d6のMRM遷移(m/z)はそれぞれ、433~304、436.2~307.1、613.1~355及び619.1~361であった。移動相Aの校正用サンプル(n=6)は、下記の適切な範囲で準備され:GSHについて0.375~6.00mM、及びGSSG解析について1.88~30μM、そして、研究サンプルとともに分析された。定量化は、Analyst 1.6.2ソフトウェアによって実行された。
唾液産生の刺激による口内乾燥症の定量化:マウスは、滅菌リン酸緩衝生理食塩水に溶解された3μgの塩化カルボミルコリン(Sigma)で腹腔内注射された。唾液分泌が注射の2分後に始まった。唾液がピペットで4分間収集された。1 g/mLの密度を想定して、体積が重量測定された。
唾液腺及び舌の組織学並びに線維症の定量化:唾液組織及び舌が安楽死させたマウスから切除され、24時間ホルマリンに入れられ、そしてパラフィン中に入れられた。顎下腺及び舌下腺を通過した切片(4μmの厚さ)は、マッソン(Masson)のトリクロームで染色された。マッソンのトリクローム染色は、線維組織の明るいターコイズ染色と健康な組織の赤色染色とをもたらす。画像がAxioVision 4.7ソフトウェアを搭載したZeiss Imager A.1を使用して得られ、そしてMATLABソフトウェア(MathWorks,Natick,MA,米国)を使用して処理された。各腺の3つの異なる領域から画像が収集され、そして定量化に使用された。舌全体の画像が得られたが、乳頭下の結合組織を染色する青色は、イメージング中の異なる舌の向きを説明する為に、青色:赤色の定量化の解析から除外された。
腫瘍成長遅延研究:FaDu(ヒト咽頭癌)細胞がデューク大学細胞培養施設から入手され、そしてマイコプラズマと既知のげっ歯類病原体がないことが確認された。細胞は、10%のウシ胎仔血清を含むダルベッコの改変イーグル培地で増殖された。マウスは、右脇腹に、100mlの無血清培地に懸濁された3x106個の細胞を皮下注射された。移植の7日後、MnBuOE(0.6mg/kgの負荷投与量とそれに続くt.i.w.0.3mg/kg(負荷/3x毎週維持)MnBuOE又は同等量の生理食塩水のいずれかを受けた治療グループにマウスが無作為に割り付けられた。腫瘍はキャリパーで毎日測定され、そして体積が式V=(A2×B×π)/6(ここで、Aは最短直径であり、且つBは最長直径である)を使用して計算された。腫瘍が200mm3に達すると、それらは、3日間連続して投与される放射線の3つの毎日の分割(6、9、12、15又は17Gy/分割)からなる放射線治療群に無作為に分けられた。シスプラチン(6mg/kg;APP pharmaceuticals,Schaumberg,IL)は、最初の放射線分割の4時間前に腹腔内注射された。偽のマウスは照射なしで麻酔され、そしてシスプラチン注射を受けなかった。
統計:統計解析が、GraphPad Prism 6(GraphPad Software Inc.,La Jolla,CA,米国)を使用して実施された。ログランク検定(Mantel-Cox)が使用されて、個々の放射線量で生理食塩水対MnBuOE処置を比較した。処置効果の探索的解析は、治療群全体での腫瘍の3倍時間の比較に基づいた。しかしながら、3倍の時間を使用した正式な仮説試験は、特に高い放射線量で多くの動物が必要な体積閾値に達していないため困難であることが判明した。これらの(及び他の)動物の抑制効果を捕捉する為に、動的処置効果(DTE:dynamic treatment effect)方法論を使用して、動物特異的な時間変化の腫瘍阻害曲線を推定した(20)。我々は、動物特異的阻害曲線の曲線下面積(AUC:area under the curve)を投与量応答解析の要約尺度として使用した。直線的な投与量応答曲線は、MnBuOEアームの微分勾配及び切片とベースラインとしての対照アームに適合した。MnBuOEの等線量効果が定量化され、そして推定微分勾配の観点から試験された。
結果
粘膜炎の軽減におけるMnBuOEの最小有効量の決定
我々は最初に、MnBuOE投与量応答実験を行って、粘膜炎をなお防止した最小有効線量を決定した(図1)。生理食塩水又は2/1mg/kgのMnBuOEのいずれかを投与された未照射されたマウスは、明らかなNIRシグナルを示さなかった。放射線(1x9Gy)は、非照射対照マウスと比較して、NIRシグナルの有意な(p<0.05)増加を誘発した。MnBuOEで処置された照射されたマウスは、NIRシグナルの低下を示し、MnBuOEの最低レベル(0.6/0.3又は0.2/0.1mg/kgのMnBuOE(p>0.05))を投与されたマウスで最大の減少を示した。
白血球と内皮細胞との相互作用
これまでの研究は、小腸(21)、皮膚(18)、及び耳介を含む照射組織の末端細静脈のローリング白血球の数を直接定量化することによって、RTによって開始される初期炎症反応の大きさを決定するために生体顕微鏡を使用していた(Ashcraft等,準備中の原稿)。白血球と内皮の相互作用を評価する為に、我々は、生理食塩水又はMnBuOE±1x9Gy RTで処置されたマウスにおける舌下血管床のリアルタイム画像を取得した(図2A)。画像が使用されて、RTの24時間後にローリング白血球を定量化した(図2B、パネルi)。白血球のローリングにおける違いがせん断応力における補償的な違いによって隠されているかを判断する為に、我々は、カウントの為に使用される容器内の自由流動白血球の直径及び速度を測定し、各容器についてのせん断速度を計算した(図2B,パネルs ii-iv)。生理食塩水及び9Gyで処置されたマウスは、生理食塩水又はMnBuOEのみで処置されたマウスと比較して、平均速度における有意な増加を有した(p<0.05)。MnBuOE処置単独は、生理食塩水対照マウスと比較して血管径を増加したが、9Gy RTを投与されたMnBuOEで処置されたマウスの血管径は生理食塩水対照マウスと同様の血管径を有した(p=0.52)。血管径における違いは、他の全ての治療群と比較してMnBuOEで処置されたマウスにおけるせん断速度が著しく低いことに寄与した(p<0.05;表1~表3)。
GSH/GSSG酸化ストレスアッセイ
還元型から酸化型へのグルタチオン比(GSH/GSSG)が、複数の組織タイプにおいて使用されて、酸化環境を測定した(19,22,23)。生体イメージング時の酸化ストレスを評価する為に、マウスは、RT(9Gy)の24時間前に0.2mg/kg投与量のMnBuOEを単一投与され、そしてRTの24時間後に安楽死された。我々は、放射線が舌組織のGSH/GSSG比を減少させ、電離放射線によって生成されたROS及びRNSに応答して細胞内の酸化ストレスが増加したことを観察したが、16%の減少は統計的に有意ではなかった。MnBuOE単独の添加は、生理食塩水及び生理食塩水+RT対照と比較してGSH/GSSG比をわずかに増加させ、それはMnBuOE単独による組織における全体的な酸化ストレスの減少を示唆しうる。MnBuOE+RTの組み合わせを投与されたマウスは、生理食塩水対照アームと比較してGSH/GSSGを増加し、0GyのMnBuOE舌レベルよりも平均で4%だけ低かった。
口腔乾燥症
刺激された唾液分泌は、RT後11週間で評価された(図3)。以前の研究に従うと、RTは、生理食塩水で処置されたマウスにおける唾液分泌を有意に減少させた(13,24~26)。これらの研究において、MnBuOEの最低投与量(0.6/0.3又は0.2/0.1mg/kgのMnBuOE)が口腔乾燥症に対する最高レベルの保護を与えた。MnBuOEの0.6/0.3及び0.3/0.1mg/kg投与量の両方について、非照射対照MnBuOEで処置された対照マウスと比較して、マウス唾液分泌に有意な差はなかった。
唾液腺及び舌線維症
唾液腺及び舌における線維症は、RTの12週間後に検査された(図4A)。放射線治療は、唾液腺及び舌の両方で線維症における有意な増加を結果として生じたが、MnBuOEでの処置は唾液腺及び舌の両方においてこの線維症に対して保護し、特にMnBuOEでの処置レベルは低かった。生理食塩水+RTは、唾液腺におけr青:赤のピクセル比を有意に増加させた(p<0.05)(図4B)。青:赤のピクセル比は、RTを受けなかった対照動物と比較して、MnBuOE+RT(MnBuOEの全てのレベル)で処置されたマウス間で有意な差はなかった。舌において(図4C)、RT+0.6/0.3又は0.2/0.1mg/kgのMnBuOEでの処置は、線維症において有意な減少を結果として生じた。
腫瘍成長制御研究
我々は、MnBuOEのより高い投与量が頭頸部腫瘍異種移植片を放射線に感作することを以前に示した(13)。しかしながら、ほとんどの頭頸部癌患者は、化学療法、例えばシスプラチン、を伴うRTを受けるだろう。低投与量でのMnBuOEの効果(RT+シスプラチンと組み合わせて、上記の正常組織で行われたことを模倣する為)を調査した。我々は、腫瘍の成長に対する放射線投与量の有意な効果(p>0.0001)を見つけたが、MnBuOE(0.6mg/kg負荷投与量、それに続く0.3mg/kg維持投与t.i.w.)は、RT/シスプラチンと比較して、腫瘍成長に有意な影響を与えなかった。Kaplan-Meier解析は、MnBuOEと生理食塩水で処理されたマウスの放射線量に有意差は示されませんでした(図5)。Kaplan-Meier解析は、MnBuOEと生理食塩水で処置されたマウスとの間の任意の放射線投与量に有意な差を示さなかった(図5)。処置後90日目までに、3x12Gy、3x15Gy及び3x17Gyの処置群で完全に腫瘍が退縮したマウスの割合は、生理食塩水で処理されたマウスについてそれぞれ14%、40%及び20%であり、MnBuOEで処理されたマウスについてそれぞれ33%、40%及び50%であった。偽の、3x6Gy群又は3x9Gy群では、処置後90日目に腫瘍のないマウスはいなかった。
より詳細な解析として、我々は、動物特異的動的処置効果曲線のAUCによって定量化された腫瘍抑制の投与量応答関係を、対照群とMnBuOE群とにわたって比較した。2群の投与量応答曲線の傾きに有意差はなかった(p値=0.47))。
RTとシスプラチンとの併用処置からの正常な組織保護
最後に、RTとシスプラチンとの併用処置に起因する正常組織損傷はMnBuOEで防御するには大きすぎないことを確認する為に、我々は、1x9Gy+6/mg/kgシスプラチンで処置されたマウスの粘膜炎及び口腔乾燥を比較する為の研究を実施した。MnBuOEがRT後にどのくらい投与されるべきかの質問に答える為に、MnBuOE投与が5週間続けられた(図6A)。予想通り、RT+シスプラチンの併用療法は、未処置の生理食塩水対照と比較して、NIRシグナリングを有意に増加させた(図6B)。0.6mg/kg負荷投与量で処置された後、MnBuOEの0.3mg/kg維持投与量で処置されたt.i.w.マウスは、生理食塩水に加えてRT+シスプラチンで処置されたマウスよりも有意に少ないNIRシグナルを示した。0.6/0.3投与量のMnBuOEを投与されたマウスのNIRシグナルは、非照射対照生理食塩水対照マウスと統計的に違いはなかった。
我々は、RT+シスプラチン後12週間で口腔乾燥を評価することを目指した。しかしながら、RT+シスプラチン群の生理食塩水対照マウスは、口中の潰瘍を出血させることなしに唾液を採取することができなくなるまで悪化し、それによって我々の結果を混乱させた。とりわけ、RT+シスプラチン、生理食塩水マウスは、RT後の週に体重を増やすことに失敗し(図6C)、且つ照射部位における皮膚の重度の湿性落屑が治癒しなかった(図6D,左の群)。RT+シスプラチンに続いてMnBuOEを投与されたマウスは、口内潰瘍が活発に出血することはなく、4匹のうち1匹のみが口及び周囲の皮膚に依然として潰瘍があり、RT後に体重が増加しなかった。この群の追加のマウスは、皮膚の瘢痕を示したが、未処置の対照と同様の体重増加があった(図6D,右の群)。残りの2匹のマウスは白癬のみを示し、体重は正常に増加し、且つ瘢痕又は潰瘍は認められなかった。
MnBuOE保護投与量応答は非線形である
我々のデータは、このモデルにおいて、t.i.w. MnBuOEは、非常に低い投与量(0.2/0.1mg/kg,t.i.w.)で粘膜炎の減少に有効であることを示す。我々は、高レベルのMnBuOE(1.5mg/kg,b.i.d.)が放射線誘発粘膜炎、口内乾燥症、及び唾液腺線維症に対する保護に関連付けられていることを以前に報告した。さらに、MnBuOEのこの高投与量は、MnBuOEが腫瘍を制御する為に必要な放射線の投与量を減らすと同時にRTによる損傷に対する腫瘍抵抗性を増加することによって治療マージンを広げることを示す対照と比較して腫瘍の局所制御率を高めた13。現在の研究は、粘膜炎、口内乾燥症、唾液腺及び舌の線維化の両方の放射線誘発効果に対して、かなりのレベルの保護を示す。
我々は、顎下腺に投与された9~15Gyの単一画分が、RT後の唾液分泌を有意に減少させ、線維症を増加させることを以前に報告した。この研究において、投与スケジュールは、初期負荷投与量の半分の毎週2~3回の投与量に変更された。維持投与のこのパターンは、b.i.d.投与量スケジュールよりもより実用的である。我々はまた、低レベルのMnBuOE投与スケジュールを使用して、舌線維症に対する保護の同様の影響を特定した。私たちの知る限り、これは、放射線防護剤の為の正常組織損傷エンドポイントとして舌線維症を使用する最初の前臨床研究である。
放射線は、急性及び慢性の両方の酸化ストレス及び炎症を誘発する。我々は、RT+シスプラチン投与後5週間でのMnBuOEの中止が後期潰瘍及び持続的な体重減少に対する保護をもたらすことを見つけることが推奨された。マウスの数が少なく且つ口腔粘膜が悪化している故に我々は唾液の生産を十分に定量化することは出来なかったが、我々は、RT+シスプラチン後の最初の5週間、MnBuOEを投与されたマウスにおいて10、11及び12週で口腔乾燥症の減少傾向が実際に見られた(データは示されていない)。
生体顕微鏡検査は、口腔内の白血球と内皮細胞の相互作用及び微小血管特性を非侵襲的に定量化する為に使用されることができる
放射線が、後毛細血管細静脈における白血球と内皮細胞との相互作用(ローリング及び癒着)の増加を引き起こすことは十分に確立されている(18,21)。組織において炎症反応を開始する白血球は、最初に内皮に沿って転がり(roll)、その後に付着して最終的に血管壁を通って実質的に移動する(18,21)。ローリング及び癒着が、放射線への曝露の数分以内に始まるサイトカイン、セレクチン及びインテグリンにおける発現の変化に応じて生じる。モデル系、例えばマウス小腸、においてこの効果は24時間を超えて持続し、通常の状態に戻る前に癒着が増加する期間に先立って、ローリングが通常増加する(21)。
我々は、舌下血管床における白血球と内皮細胞との相互作用を直接測定する為にこの非侵襲的方法を報告した最初の人である。の発見は、2つの重要な点で以前の研究と異なる:1)かなりの程度の白血球接着がなかった、及び2)放射線単独での処置は、RTの24時間後にローリング白血球の量の増加を導かなかった。これらの違いは、血管RT損傷を評価する場合に解剖学的な違いを考慮することの重要性を強調する。MnBuOE処置単独が血管径を有意に増加させ、それはせん断速度を有意に低下させた(図2b iv)。人々は、周辺の白血球は血流の方向に平行な力が弱くなるために、せん断速度の低下は白血球のローリングを促進すると予想するだろう(18)。MnBuOE処理単独が白血球のローリングを増加させることなしにせん断速度を減少させたという観察は、接着分子発現における減少を示唆している可能性がある。
単一の9Gy画分が粘膜炎、口内乾燥症、及び唾液腺線維症を誘発するのに十分であった為に、我々がRTに応答して白血球ローリングの増加を観察しなかったことは驚くべきことである。ローリングの増加は他の組織モデルにおいて24時間持続することが確立されているけれども、ローリングの増加は、イメージングが実施される前に発生し且つ完全に解消した可能性がある(21)。シーケンシャルイメージングを用いたさらなる試験は、最大の白血球ローリングがこのモデルにおいていつ生じるかを決定できうる。我々の研究は、白血球ローリングにおける観察された変化が後のRTを介した正常組織損傷の為の画像ベースのバイオマーカーとして役立つことができることの期待を持って始められた。しかしながら、我々の結果は、口腔粘膜では、後期障害が、測定可能な非常に初期の血管の非存在下で展開されることを示す。
RTが誘発するNF-κBの活性化が長引くことは二次的な酸化ストレスを誘発することによって、細胞環境に対して慢性的な影響を結果として生じる可能性がある(27)。すなわち、NF-κBの活性化を抑制したMnBuOEは、二次的な酸化ストレスが持続する限り、その保護効果を発揮するだろう。傷害のこのメカニズムに対する最適な保護は、MnBuOEの長期間の投与を必要としうる。それ故に、酸化損傷の完全な効果は、我々が生体顕微鏡で調査したタイムスケール内で必ずしも明らかではない。
MnBuOEはRT誘発性線維症を減少させる
口腔乾燥症は、RT後の数週間又は数ヶ月で次第に展開し、唾液腺幹細胞の損傷を反映しており、それは組織の再生能力を低下させる(28)。口内乾燥症はしばしば不可逆的であり、且つ患者の口腔の健康及び全体的な生活の質に重大な長期的影響を及ぼす(2,28,29)。我々の唾液腺線維症の結果はRT後の持続的な損傷を示し、それはMnBuOEによって防止され、且つMnBuOE慢性口腔乾燥症のリスク低下と相関しうる。
MnBuOE腫瘍の放射線増感は投与量依存的である
腫瘍対正常組織の酸化還元環境の本質的な違いに故に(30,31)、Mnポルフィリンはこれらの組織において下記の異なる効果を示す:腫瘍の成長を抑制しながら、正常な治癒をすること。以前の我々の研究において、我々は、MnBuOEの高投与量(1.5mg/kg b.i.d.)がFaDu腫瘍を放射線増感し、TCD50曲線を1.3の投与量変更効果で右にシフトすることを示した(13)。我々は、この研究において、FaDu腫瘍に対するMnBuOEのヌル効果を今報告する。これらの実験において、FaDu腫瘍に対するMnBuOEの異なる反応を説明する可能性のある有意な違いがある。第1に、我々は、本明細書において記載された3つの画分(6~17Gy/画分)とは対照的に、5つの画分(5~10Gy/画分)を以前は使用した。これらの放射線量は意表を突いて選択されていないことに注意されるべきである。腫瘍をα/β=10と仮定すると、この研究の為に選択されたBEDは28.8~137.7の範囲であり、それは以前の研究のBED範囲(37.5~100)の十分なカバーを提供した。BEDは一定であったが、我々の画分を5から3に減らすことが、再酸素化及び再分配に伴う分割の放射線増感効果を減少させた可能性があった。異なる投与量分割スキームの包括的な評価はこの研究の範囲外であったが、将来の実験は、固定されたMnBuOE投与量で異なる放射線アプローチを使用してMnBuOEの有効性を調査することができた。
第2に、MnBuOEが腫瘍細胞を感作すると予測されるメカニズムは、薬剤の投与量が減少するにつれて異なるだろう。b.i.d.で1.5mg/kgの投与は、腫瘍において蓄積する(最終的に、FaDu側腹部異種移植片において約1.5~2μMに達する,データは示されていない)。この原稿の研究は、最近明らかにされた組織半減期情報を使用し、より低い腫瘍MnBuOE濃度の維持を結果として生じたところの更新された薬物動態データに基づいていた。我々の最近の研究は、アポトーシス促進タンパク質チオールS-グルタチオン化の為に、MnBuOEの主要なイン・ビボ(in vivo)作用が本質的に酸化促進性であることを示唆した(32)。そのような酸化的修飾の大きさは、プロセスに関与する主要な反応種であるH2O2及びMnBuOEのレベルに直接関連する我々の以前の研究と比較して、この研究のMnBuOE低い投与量は、そのようなアポトーシス事象を起こらないようにする可能性がある。
最後に、我々の研究の3番目の違いはシスプラチンの追加であり、それは研究の臨床的関連性を高めるために含められた。加えて、シスプラチンはミトコンドリアの酸化ストレスを増加させ(33)、それは、酸化ストレスを減少させることによって改善されることができる正常組織損傷の増加(34,35)に関連付けられている(36)。我々は、シスプラチンによる腫瘍細胞の死滅及び/又は正常組織損傷がMnBuOEの添加によって減少又は抑止されたかどうかを判断しようとした。我々は、低レベルのMnBuOEでの処置が、RT+シスプラチンとの併用療法によって達成される腫瘍制御を阻害することなしに、正常組織へのRT誘発損傷に対して保護することを実証する。
この研究は、MnBuOEが正常な頭頸部組織における保護を以前に報告されているよりも低い投与量で提供できることを示す。保護は、粘膜炎、唾液産生及び組織線維症によって測定されるように、RT後24時間~12週間持続する。最後に、MnBuOEは、分割されたRT+シスプラチンに対する腫瘍の感受性に影響しなかった。総合すると、これらのデータは、頭頸部癌の処置中の正常組織の放射線防護剤としてのMnBuOEの使用をサポートする。
実施例2
この研究は、標準の治療で、RT及びシスプラチンの併用を段階的に増やすことを含む。生検で証明された頭頸部癌(扁平上皮癌)を有する患者は、病歴及び身体検査、造影CT+/マイナスPETスキャン及び/又はMRI、及びQoLアンケートで構成される標準的な病期分類を受ける。強度変調放射線治療(IMRT:Intensity modulated radiotherapy)は、断端陽性又は被膜外リンパ節拡張の証拠を含む高リスク疾患に対して化学放射線を必要とする最終目的又は術後補助患者に1日1回2.0~2.1Gyの分割で送達される。最終的な目的のIMRTを受けている患者は、33~35分割で69.3~70Gyを受ける。術後IMRTは、30~33分割で60~66Gyの投与量範囲で照射される。
シスプラチンは、研究者の選択毎に、100mg/m2 IV q21日x2回,100mg/m2 IV q21日x3回又は30~40mg/m2 IV 毎週x6~7投与量のいずれかで提供される。これらの投与スケジュールの全ては、NCCNガイドラインに従って標準の治療として許容され、NCIが協賛する協同グループ内で利用される。局所的に進行した頭頸部癌の最低3人の対象及び最高48人の対象が、36ヶ月の間にこの研究に登録されるだろう。
第1a相
BMX-001の投与量漸増は、BMX-001の第II相推奨投与量(RP2D:Recommended Phase 2 Dose)を決定する為に、標準投与量強度変調放射線治療(IMRT:intensity modulated radiation therapy)及び同時シスプラチン(CRT:concurrent cisplatin)と組み合わせて実施された。投与量漸増は、継続的再評価法(CRM:Continuous Reassessment Method)設計によって導かれる。放射線に加えてシスプラチンの併用が適切である局所進行(ステージIII-IVB)頭頸頭頚部扁平上皮癌(HNSCC)を有する患者は、下記に記載されるように適格である。対象は、4~0日目に、負荷投与量としてBMX-001を皮下に投与される。CRTの1日目又は2日目から開始して、該患者は、放射線治療の日と放射線の終了後1週間当たり2回、維持投与量(50%の負荷投与量)を投与されるだろう。シスプラチンは、施設の標準の治療慣習に従って投与される。ケア実践の一般的な標準は、RTの1日目から2~3投与量で開始して100mg/m2 IV q21日シスプラチンを投与すること、又は6~7総投与量で、RTの各週の月曜若しくは火曜日に30~40mg/m2 IVでシスプラチンを投与することを含む。患者は、切除を受けたのか又は最後の放射線治療を受けているのかに応じて、累積放射線量が60Gy~70Gyの2.0~2.1Gyの1日1回の日毎分割として投与されるIMRTの連続コースを受ける。計画された放射線処置体積は、少なくとも2つの口腔部位(頬側の粘膜、口底、口腔舌、軟口蓋、硬口蓋、臼後三角部)を含まれなければならず、各部位は最低合計50Gyを投与される。
CRM設計に基づいて、3人の対象のコーホートは、RP2Dが定義されるまで7mg/対象から開始して、投与量漸増を生じるだろう。3人の対象の処置後又は投与量制限毒性の場合、後続の対照の投与量割り当て及び投与量を増やし続けることができるかどうかが決定されるだろう。対象が投与量制限毒性(DLT:dose limiting toxicity)を経験することなしに且つCRT及び4週間の追跡調査を完了する前にプロトコル処置を終了する場合、該対象はDLTの判定について評価することをできず且つ置き換えられる。最大18人の対象が第1a相について必要であると見積もられる。最大耐量(MTD:maximum tolerated dose)は、CRMモデルが0.25のDLTレートを生成する最高の投与量レベルである。提案されている最高投与量でDLTが特定されていない場合(42mg/対象の負荷投与量、その後と10mg/対象の2週毎)、これはRP2D及び第1b相で使用される投与量として受け入れられる。
BMX-001の薬物動態(PK:pharmacokinetics)を評価する為に、血液サンプルが解析用に抜かれるだろう。
第1a相の実装
初期設計/ステージ1:この第1相研究は、2つのステージで実施される。最初のステージにおいて、3人の患者のコーホートが投与量レベル#1から開始して処置される。3人の患者が、4週間の監視期間の後にDLTを経験せずに処置を一旦受けると、3人の患者の次の群の投与量が増やされる。このプロセスは、患者がDLTを経験するか又はDLTに出会うことなしに最大提案投与量が達成されるまで続く。
モデルベースの漸増/ステージ2:ステージ2において、患者が3人の患者のコーホートで研究に集められる。コーホート内の患者に関連付けられる毒性結果が判明するたびに、1つのパラメーターロジスティックモデルが、研究の統計チームによって、利用可能な全てのデータを使用して再推定される。この再推定されたモデルに基づいて、目標DLTレートに最も近いDLTレートを結果として生じる投与量レベルが決定され、投与量漸増制限に対する対象となる次の患者を処置する為に使用される。その制限は、次の患者の為の投与量が現在の患者の投与量よりも1超高くすることはできないことを必要とする。
研究の終了:MTDの決定の為に評価可能な最大18人の患者が研究に集められる。この設計の特性を示すシミュレーションはサンプルサイズが固定であると仮定したが、自然増加終了がまた許されるだろう。
CRMに基づいてDLT率が0.25以下になる最高線量は、最大耐量(MTD)であるだろう。
第1b相
最大耐量が決定された後、最大48人の患者が、MTDを確認する為に第1a相で決定されたこのMTD投与量レベルに登録される。
放射線治療
注:この研究について、IMRT又はVMATが必須である(画像誘導放射線療法(IGRT:Image-Guided Radiotherapy)が必要である;しかしながら、IGRTが使用されている場合でもマージンの軽減は許されない)。
処置計画は、1日分割量の2.0Gy~2.1Gyとして、60Gy~70Gyの累積放射線量で投与されるIMRTの継続的なコースを含むべきである。計画された放射線処置体積は、少なくとも2つの口腔粘膜サブサイト(頬粘膜、臼後三角部、口底、舌、軟口蓋、硬口蓋)を含まれなければならず、各部位の一部は少なくとも50Gyを投与される。
術後照射について、標準の治療は、良好な創傷治癒が達成されるまで放射線療法が開始されず、そして悪性腫瘍の外科的切除後28日以降に開始されるだろうというものである。
臨床的に測定可能な疾病の為の投与量指定
IMRTは、6週間で30~35分割、1計画(SIB)で毎週5分割、又は7週間で35分割、順次計画を使用して毎週5分割で投与されるだろう。個別のIMRT計画を使用した同時ブーストは許されていない。
SIB技術で処置された患者について
休日又は物流的な理由で逃した処置は、週中に追加のBID処置を提供することによって、又はその週の土曜日若しくは日曜日に処置することによって、又は処置の最後に追加することによって補償されることができる。
原発腫瘍及び関連リンパ節(CTV1)は典型的には、潜在的な局所浸潤をカバーする為に腫瘍体積(GTV:gross tumor volume)の0.5~1.5cmの拡張からなり、且つ2GGy/分割、合計70Gy、を処方されるだろう。
原発部位(原発部位CTV2)での潜在的な局所的サブ臨床的浸潤含む高リスクのサブ臨床疾患部位、並びに臨床的又は放射線学的に関与しない最初のエシェロンノード(echelon nodes)(リンパ節CTV2)は、PTV2を作成する為に3~5mm拡大されるべきである。PTV2は、56Gyの総投与量で1.6Gy/分割を受けるべきである。
低リスクのターゲット(PTV3)(例えば、最初のエシェロンノードでなく且つ肉眼的に関与するノードを含むレベルに隣接していないところの頸部リンパ節レベルは、50~52.5Gy(1.43~1.5Gy/分割で,BED2=およそ40~45Gy)を処方される。
高リスクの解剖学的区画を包含するための不均一又はより大きな拡張が必要でありうる。
2つのオプションのいずれかが、ローネック(low neck)の処置の為に許容される。1つ目のオプションは、披裂軟骨の直上のIMRTポータルの下縁に一致する、喉頭ブロックのあるアイソセンタ方式のマッチングAP又はAP-PAフィールドで処置することである。投与量は、22日毎分割量で44Gyの総投与量に対して深さ3cmに処方された1分割当たり2Gyである。ネック全体のIMRTがまた、代替アプローチとして許される。関与するローネックノードは、30分割で少なくとも60Gyを受けとる。これは、AP又はAP-PAフィールドによって、8分割で追加的に16Gyでローネックフィールドをブーストするか、又はIMRTを使用してネック全体を計画することによって達成されることができる。ヴァレキュラ又はローネックの、肉眼的関与の場合、ネック全体のIMRTが考慮されるべきである。レベルIVのノードの大きい関与故に、レベルVIが危険にさらされていると考えられる場合は、ネック全体のIMRTが好ましい場合がある。
連続的な計画技術で処置された患者について
休日又は物流的な理由による不在の治療は、週中に追加のBID処置を提供することによって、又はその週の土曜日若しくは日曜日に処置することによって、又は処置の最後に追加することによって補償されることができる。
原発腫瘍及び関連リンパ節(CTV1)は典型的には、潜在的な局所浸潤をカバーする為に腫瘍体積(GTV)の0.5~1.5cmの拡張からなり、且つ2G Gy/分割、合計70Gy、を処方されるだろう。
原発部位(原発部位CTV2)での潜在的な局所的サブ臨床的浸潤含む高リスクのサブ臨床疾患部位、並びに臨床的又は放射線学的に関与しない最初のエシェロンノード(echelon nodes)(リンパ節CTV2)は、PTV2を作成する為に3~5mm拡大されるべきである。PTV2は、60Gyの総投与量で2Gy/分割を受けるべきである。
低リスクのターゲット(PTV3)(例えば、最初のエシェロンノードでなく且つ肉眼的に関与するノードを含むレベルに隣接していないところの頸部リンパ節レベルは、2Gy分割で、44Gyを処方される。
2つのオプションのいずれかが、ローネック(low neck)の処置の為に許容される。1つ目のオプションは、披裂軟骨の直上のIMRTポータルの下縁に一致する、喉頭ブロックのあるアイソセンタ方式のマッチングAP又はAP-PAフィールドで処置することである。投与量は、22日毎分割量で44Gyの総投与量に対して深さ3cmに処方された1分割当たり2Gyである。ネック全体のIMRTがまた、代替アプローチとして許される。関与するローネックノードは、30分割で少なくとも60Gyを受けとる。これは、AP又はAP-PAフィールドによって、8分割で追加的に16Gyでローネックフィールドをブーストするか、又はIMRTを使用してネック全体を計画することによって達成されることができる。ヴァレキュラ又はローネックの、肉眼的関与の場合、ネック全体のIMRTが考慮されるべきである。レベルIVのノードの大きい関与故に、レベルVIが危険にさらされていると考えられる場合は、ネック全体のIMRTが好ましい場合がある。
全ての計画は、PTV1の体積の95%が70Gyの処方投与量でカバーされるように正規化される必要がある。加えて:
・DVH曲線上の1 cc PTV1容量では、投与量は処方投与量の110%を超えてはならない。
・DVH曲線上のPTV1体積内の0.03ccの体積では、投与量は処方投与量の95%未満であってははならない。
・PTVの外側にある1ccのサイズの組織の体積について、投与量は最後の放射線の74Gyを超えてはならない。
・切除患者について、処方放射線療法投与量が、1日1回の分割サイズで2Gyで60~66Gy(合計30~33分割)であるだろう。2Gyの1日投与量は、PTV60体積の95%が少なくとも60Gyを受け取るように処方されるだろう。PTV56がまた使用され、そしてPTV66(統合ブーストとして与えられる)が任意的に定義されうる。3次元原体照射療法とそれに続く6Gyのブーストは許されていない。
試験薬(シスプラチン)
詳細な薬理学的及び安全性情報については、添付文書を参照。
説明書
シスプラチンは、HNSCC及び唾液腺癌を含む無数の悪性腫瘍、例えばHNSCC及び唾液腺癌を含む悪性腫瘍、の処置に使用される標準的な治療の化学療法剤である。それはDNAを結合し、そして架橋及び付加物を生じることによって機能する。
製剤
各バイアルは、10mgのシスプラチン(DDP)、19mgの塩化ナトリウム、100mgのマンニトール及びpH調整の為の塩酸を含む。一つのバイアルは、10mLの滅菌水で再構成される。pH範囲は、3.5~4.5であろう。シスプラチン注射液がまた、メーカーから水性溶液で入手可能であり、各mLは、1mgのシスプラチン並びに9mgのNaCl及びpHを調整する為のHCL又はNaOHを含む。
貯蔵及び安定性
シスプラチンの再構成された液は、27℃で保管された場合に20時間安定であり、及び6時間以内に使用されない場合には光から保護されるべきである。該バイアル及び注射液は、冷蔵されるべきでない。シスプラチンは、アルミニウム針と反応し、30分以内に黒色の沈殿物を生成することが示されている。
投与
シスプラチンは、頭頸部癌を処置する為に承認されたIV化学療法剤である。シスプラチンは、施設の標準的なケア実践に従って投与される。ケア実践の一般的な標準は、RTの1日目から2~3投与量で開始して100mg/m2 IV q21日シスプラチンを投与すること、又は6~7総投与量で、RTの各週の月曜若しくは火曜日に30~40mg/m2 IVでシスプラチンを投与することを含む。患者は、切除を受けたのか又は最後の放射線治療を受けているのかに応じて、累積放射線量が60Gy~70Gyの2.0~2.1Gyの1日1回の日毎分割として投与されるIMRTの連続コースを受ける。計画された放射線処置体積は、少なくとも2つの口腔部位(頬側の粘膜、口底、口腔舌、軟口蓋、硬口蓋、臼後三角部)を含まれなければならず、各部位は最低合計50Gyを投与される。シスプラチンは、施設のガイドラインに従って注入されるだろう。処置担当の研究者が必要と判断した場合に、21日目に投与することを開始する患者は、毎週の投薬に切り替えうる。施設のガイドラインに従って、患者は激しい水分補給及び電解質の補充を受けるべきである。5-HT3阻害剤及びデキサメタゾンを含む防止的制吐薬の使用がASCOガイドラインに従って必要である。NK1阻害剤、例えばアプレピタント、は、施設のガイドラインに従って使用されうる。
投与量変更
シスプラチンの投与量変更は、各施設の標準診療毎に医者によって実施されるだろう。下記は、意思決定を支援する為のガイドラインである。投与量レベルが一旦低下すると、シスプラチンの漸増は許されない。
試験薬(BMX-001)
名前、分類、及び作用機序
MnTnBuOE-2-PyP5+(マンガンブトキシエチルピリジルポルフィリン)としてまた知られているBMX-001は、抗炎症、抗酸化及び抗腫瘍機能を有するメタロポルフィリン抗酸化物質である。一連のメタロポルフィリンは前臨床評価を受けており、且つBMX-001は、比較的高い親油性に加えて、触媒効果の増加したものであり、血液脳関門全体に分布し、治療濃度で脳実質に蓄積するのに十分である。このクラスの金属ポルフィリンは活性酸素種の不活性化をもたらし、そして酸化ストレスの軽減をもたらす。ほとんどの哺乳類種の脈管構造は酸化シフトに非常に敏感であるため、メタロポルフィリン化合物の研究における血圧モニタリングの懸念がある。Sprague-Dawleyラットの研究は、メタロポルフィリンの静脈内送達が一過性低血圧をもたらす可能性があることを示した。この同じ研究において、マウス、モルモット、イヌ、及びヒヒは、血圧への影響が少ないメタロポルフィリンの静脈内投与を受けた。
医薬品の処方及び製造
医薬品は、BioMimetix JV,LLCによって供給される。原薬(1.2kgの固体)は、Albany Molecular Research,Inc.(AMRI)に従って製造され且つ保管される。
BioMimetix JV,LLCは、AMRI(Glasgow)Ltd.と契約して、注射用の滅菌BMX-001の単回投与バイアルを製造した。製造は、クリーンルームスイート内での無菌GMP製造専用であるAMRIのFlexicon FPC50W充填機で行われるだろう。製造は、AMRI Glasgowの検証済みプロセスに従うバッチ前ろ過及び無菌ろ過並びに充填を含むだろう。
BMX-001は、10mg/mLで0.9%の生理食塩水の溶液として製剤化され、無菌ろ過され、そして5mLのタイプ1の透明なガラスバイアルで2mLに満たされ、20mmのFlurotec血清ストッパーで密封され、そしてアルミニウムオーバーシールを剥がすだろう。窒素オーバーレイが、充填後、栓をする前に、各オーバーレイに適用される。
インプロセス試験(in-process testing)は、ろ過前のバイオバーデン(bioburden)、使用後のフィルターの完全性テスト、及びインプロセスの重量チェックを含む。注射用のBMX-001のリリース試験及び仕様が、臨床バッチの製造を開始する前に確立される。これらは、無菌性(USP<71>)、細菌性エンドトキシン(USP<85>)、粒子状物質(USP<788>)、外観、色及び透明度、pH、浸透圧、アッセイ並びに純度を含む。
医薬品の臨床バッチは安定に置かれ、且つ臨床試験中、その使用の間試験される。
注射用のBMX-001の投与用シリンジ及びラベル、10mg/mL
臨床研究センターの薬剤師は、注射用のBMX-001の適切な投与量、10mg/mLを臨床対象に皮下投与する為に使用される装填済みの1以上の注射器及び1以上の針を準備する。該臨床研究センターの薬剤師は、滅菌製品の調製用の全てのUSP797標準を遵守する。この調製は、USP797準拠のクリーンルームにあるクラスII生物学的安全キャビネット(BSC:Biologic Safety Cabinet)内で実行される。BSC及びクリーンルームのクリーニングは、USP797ガイドラインによって要求される場合に実行される。薬局のスタッフ全員がUSP797のトレーニング及びテストを受けており、且つ毎年のコンプライアンスを維持する。皮下注射針は蓋がされて、そして注射器が使用されるまで室温で保管され、それは2時間以内に行われる。バーコードラベルが該注射器に貼り付けられ、そして診療所の電子医療記録システムにリンクされる。
BMX-001の投与量漸増及び拡張による投与
BMX-001は、同時化学放射線を開始する前に負荷投与量として皮下投与される(患者のスケジュールに応じて、-4日目~0日目)。負荷投与量の後、維持投与量レベルが、8週間、1週毎に、2回与えられる。開始投与量レベルは、7mgの負荷投与量である。BMX-001投与量漸増は、4つの投与量レベルにおいて、7mgの負荷投与量、14mgの負荷投与量、28mgの負荷投与量及び42mgの負荷投与量であるだろう。負荷投与量の後、該BMX-001維持投与量は、週2回、下記にリストされた量で投与される(下記の投与レベル表を参照)。該負荷投与量に関連付けられるBMX-001の対応する容量、注射溶液10mg/mL、は、下記の通りである。
0.7mL/対象の負荷投与量=7mg/対象
1.4mL/対象の負荷投与量=14mg/対象
2.8mL/対象の負荷投与量=28mg/対象
4.2mL/対象の負荷投与量=42mg/対象
該対応する維持投与量は、下記と同等である:
0.35mL/対象の維持投与量=3.5mg/対象
0.7mL/対象の維持投与量=7mg/対象
1.4mL/対象の維持投与量=14mg/対象
2mL/対象の維持投与量=20mg/対象
1.4mL以下の量が1つの注射部位に投与されるべきである。従って、28mg又は20mgの投与量が2つの等しい部分(それぞれ14mg又は10mg)で投与され、異なるバイアルから採られ、2つの異なる部位で別々の注射器及び針を介して注射される。42mgの投与量は、3つの異なるバイアルから採られた3つの14mgの部分で投与され、そして3つの異なる部位から14mgずつ3回投与され、3つの異なる部位で別々の注射器及び針を介して注射される。
BMX-001は、生理食塩水の滅菌10mg/mL溶液の皮下注射によって投与される。該皮下注射は、胴体、上肢又は上腕の任意の最適な部分で行われうる。維持投与量は、負荷投与量のほぼ半分であり、且つ毎週2回投与されるべきである。最初の維持投与量は、負荷投与量の後の3又は4日のいずれかで送達され、そして引き続き、維持投与量が1週毎に平均2回、3~4日間隔で送達される。
処置期間
該処置期間は、6~7週間のBMX-001とのRT及び化学療法の同時投与、それに続く1週間のBMX-001で構成される。
身体検査、バイタルサイン(温度、呼吸数、血圧、及び脈拍)、身長(スクリーニング又はベースラインのみ)、並びに体重は下記で実施されなければならない:
・スクリーニング
・ベースライン
・毎週1~8から
・1年間のRTを完了した後のSOC訪問時
より頻繁な試験が行われうる。
実施例3
これは、新たに診断された高悪性度神経膠腫(HGG)患者の処置における標準の放射線治療(RT)及びテモゾロミド(TMZ)との組み合わせにおけるBMX-001の第1相/第2相の研究である。
第1相
第一目的
新たに診断されたHGG患者における標準RT及びTMZと組み合わせてBMX-001の最大耐量(MTD:maximum tolerated dose)を決定すること。
第二目的
新たに診断されたHGG患者における標準RT及びTMZと組み合わせてBMX-001の安全性及び耐性を評価すること。全生存(OS:overall survival)及び無増悪生存(PFS:progression free survival)に基づいて、新たに診断されたHGG患者における標準RT及びTMZと組み合わせてBMX-001の有効性を評価すること。新たに診断されたHGG患者の処置において、標準RT及びTMZと組み合わせてBMX-001の認知に対する影響を調べること。標準的なRT及びTMZと組み合わせてBMX-001で処置された新たに診断されたHGG患者のレントゲン写真応答を説明すること。新たに診断されたHGG患者においてRT及びTMZと組み合わせて投与された場合のBMX-001の薬物動態プロファイルを特徴付けること。
診査目的
標準RT及びTMZと組み合わせてBMX-001で処置された新たに診断されたHGG患者における健康関連の生活の質(HRQoL:health-related quality of life)の患者報告結果を説明すること。新たに診断されたHGG患者における標準RT及びTMZと組み合わせてBMX-001中の脱毛における変化を説明すること。
第2相
第一目的
新たに診断されたHGG患者における標準的なRT及びTMZのみと比較して、BMX-001における標準的なRT及びTMZの全生存(OS:overall survival)に対する効果を評価すること。
第二目的
新たに診断されたHGG患者における標準的なRT及びTMZのみと比較して、BMX-001における標準的なRT及びTMZの認知に対する影響を評価すること。新たに診断されたHGG患者における標準的なRT及びTMZのみと比較して、BMX-001と組み合わされた標準的なRT及びTMZの安全性及び耐性を評価すること。新たに診断されたHGG患者における標準的なRT及びTMZのみと比較して、BMX-001と組み合わされた標準的なRT及びTMZの無増悪生存(PFS:progression-free survival)に対する影響を評価すること。標準的なRT及びTMZのみと比較して、BMX-001と組み合わされた標準的なRT及びTMZで処置された新たに診断されたHGG患者のレントゲン写真応答を評価すること。新たに診断されたHGG患者におけるRT及びTMZと組み合わせて投与された場合のBMX-001の薬物動態プロファイルを特徴付けること。
診査目的
標準的なRT及びTMZのみと比較して、BMX-001標準的なRT及びTMZで処置された新たに診断されたHGG患者におけるHRQoLの患者報告結果を説明すること。標準的なRT及びTMZのみと比較して、BMX-001と組み合わされた標準的なRT及びTMZで処置された新たに診断されたHGG患者の脱毛における変化を説明すること。標準的なRT及びTMZのみと比較して、BMX-001と組み合わされた標準的なRT及びTMZで処置された新たに診断されたHGG患者における白質の完全性の変化を説明すること。
設計及び手順
第1相
このプロトコルの第1相コンポーネントは、新たに診断されたHGG(WHOグレードIII又はIV)を有する患者におけるBMX-001の毎日のTMZ及びRTの標準投与との組み合わせの投与量漸増研究である。該投与量漸増は、BMX-001の毎日のTMZ及びRTとの同時組み合わせのMTDを決定する為のCRM設計によって案内される。対象は、最初に化学放射線照射開始の0~4日前に負荷投与量としてBMX-001を皮下的に投与され、そして次に8週間にわたり週2回、後続の投与量(負荷投与量の50%)で投与される。投与量が負荷投与量であるか又は維持投与量であるかに関係なく、1週毎に2回のみ投与される。TMZは、42日間、毎日75mg/m2で経口投与され、且つRTは週に5日、6週間、合計59~60Gyで1.82Gyの日毎分割量で投与されるだろう。
3人の対象のコーホートが生じ、そしてMTDが定義されるまで、処置されるだろう。0.1mg/kg投与量レベルの初期投与量レベルでの最初の3人の対象の処置後、後続の対象の投与量割り当てと、投与量が増やされることができるかどうかが決定されるだろう。対象がDLTを経験せずに且つ標準的な化学放射線を完了する前にプロトコル処置を終える場合、次に対象はDLTの判定について評価できず、そして置き換えられるだろう。
最大18人の対象が第1相に必要であると推定される。0.25に最も近い推定DLTレートを持つ投与量として定義される最大耐量(MTD)は、将来の第2相研究で使用される投与量であろう。
現在の化学放射線療法と組み合わせてBMX-001の薬物動態を評価する為に、血液サンプルが解析の為に採取される。BMX-001の最初の投与量は、負荷投与量として朝に皮下投与される。血液は次の日に採取される:負荷投与量日、8日目又は薬剤が投与される次の日、及び36日目又は薬剤が投与される次の日。測定値は次の時間に得られる:投与前、0.5時間、1時間、2時間、6時間、及び24時間。スポンサーによって特定された研究所で検証済みの分析方法を使用して、サンプルがBMX-00について分析される。
第2相
この研究の第2相部分は、新たに診断されたHGG(WHOグレードIII及びIV)を有する患者に、BMX-001とともに毎日同時のTMZ及びRT(Arm A)を毎日同時のTMZ及びRTのみ(Arm B)と比較するランダム化試験である。Arm Aについての負荷投与量は、このプロトコルの第1相コンポーネントからの発見に基づき決定される。毒性及び認知の両方が第1相研究の結果である故に、我々はこの情報を使用して第2相における評価の為の投与量を選択する。対象は、処置アーム割り当て比1:1でランダム化され、且つ48人の患者がこのフェーズの研究(1アーム当たり24人の対象)において登録されるだろう。アームAにおける対象は、最初にA群の被験者には、まず化学放射線照射の開始の0~4日前に負荷投与量としてBMX-001を皮下投与され、そして次に、8週間、週2回、後続の投与量で皮下投与されされるべきである。Arm A及びArm Bにおける対象は、TMZを75mg/m2で毎日42日間経口投与され、そしてRTを6週間、1.8~2Gyの日毎分割量で1週間当たり5日、59.4~60Gy投与される。認知能力が、登録日、RTの終了後2週間、及び腫瘍の進行、死亡、又は研究測定を中止する患者の選択をするまで、全ての標準治療(SOC:standard of care)クリニック訪問(約8週間ごと)で測定されるべきである。
新たに診断されたHGG患者においてRT及びTMZと一緒にされたBMX-001の反復投与薬物動態プロファイルの特性評価を提供する為に、血液サンプルが8日及び36日目のみの研究の第2相部分における6人の患者から引き出されるべきである。測定は、下記の時間に取得されなければならない:前投与、0.5時間、1時間、2時間、6時間及び24時間。サンプルが、検証済みの分析を使用してBMX-001について解析されるべきである。
調査計画
研究設計
この研究は第1相/第2相研究であるので、このプロトコルは、第1相投与量漸増部分とランダム化された第2相部分とを含む。該研究の第1相投与量漸増部分において、BMX-001の投与量は増やされ、一方毎日のTMZ及びRT(化学放射線フェーズ)の投与量は固定されたままであり、その後に補助TMZ(補助フェーズ)が続くだろう。ランダム化された第2相研究コンポーネントは、新たに診断されたHGG患者における毎日のTMZ及び標準RTと比較して、毎日のTMZ及び標準RTと一緒にしてBMX-001の認知に対する影響を評価するだろう。
第1相の固有設計
この研究は、RT及びTMZと一緒にされたBMX-001の漸増投与量の単一部位研究(化学放射線フェーズ)であり、その後に補助TMZ(補助フェーズ)が続くだろう。化学放射線フェーズにおいて、外部ビームRT療法が59~60Gyの総投与量で、30~33分割で7週間未満にわたって与えられる。TMZ(毎日75mg/m2)は、RTの初日に開始され、そして42日間投与される。TMZは、RTの前に毎日与えられる。補助TMZ療法は、RTの完了後2~4週間で開始されるだろう。補助TMZは、28日間サイクルで、最大12日間投与されることができる。TMZは、28日サイクルの1~5日目の夜間に経口投与されるだろう。化学放射線フェーズ及びその2週間後の間に、差異のあるCBCと、CMPとが毎週取得されるだろう。新たに診断されたHGGを有する、最小3人の対象と最大18人の対象とが、12か月の間にこの研究に登録されるだろう。我々は、8~10週間毎に3人の対象を登録することを目指すだろう。3人の患者がBMX-001の全ての投与量の完了後、4週間の監視期間後に、DLTを経験すること無しに処置を一旦受けた後、3人の患者の次の群の投与量が漸増されるだろう。
第1相におけるBMX-001の投与量漸増
BMX-001は、同時化学放射線を開始する前に負荷投与量として皮下投与される(患者
/放射線療法のスケジュールに応じて、-5日目~0日目)。負荷投与量の後、投与量レベルが、8週間、1週毎に、2回与えられる。開始投与量レベルは、7mgの負荷投与量であるだろう。BMX-001投与量漸増は、4つの投与量レベルにおいて、7mgの負荷投与量、14mgの負荷投与量、28mgの負荷投与量及び42mgの負荷投与量であるだろう。負荷投与量の後、該BMX-001投与量は、週2回、下記にリストされた量で投与されるだろう(下記の表5を参照)。該負荷投与量に関連付けられるBMX-001の対応する容量、注射溶液10mg/mL、は、下記の通りである(70kgの成人と同等量がまた与えられる)。
0.7mL/対象の負荷投与量=7mg/対象且つ0.1mg/kgに等価である
1.4mL/対象の負荷投与量=14mg/対象且つ0.2mg/kgに等価である
2.8mL/対象の負荷投与量=28mg/対象且つ0.4mg/kgに等価である
4.2mL/対象の負荷投与量=42mg/対象且つ0.6mg/kgに等価である
該対応する維持投与量は、下記に等価であるだろう:
0.35mL/対象の投与量=3.5mg/対象且つ0.05mg/kgに等価である
0.7mL/対象の投与量=7mg/対象且つ0.1mg/kgに等価である
1.4mL/対象の投与量=14mg/対象且つ0.2mg/kgに等価である
2mL/対象の投与量=20mg/対象且つ0.3mg/kgに等価である
BMX-001は、生理食塩水の滅菌10mg/mL溶液の皮下注射によって投与される。シリンジは、注射の容量に応じて、25ゲージX 5/8インチの針を備えた1mL又は3mLのいずれかである。該皮下注射は、胴体、上肢又は上腕の任意の最適な部分で行われうる。注射部位は、交互にされるべきである。後続の(維持)投与量は、負荷投与量の半分のサイズであり(IV群を除き、後続の投与量は20mgに切り捨てられる)、且つ毎週2回投与されるべきである。最初の維持投与量は、負荷投与量の後の3~5日で送達され、そしてさらなる容量が1週毎に平均2回、3~4日間隔で送達される。BMX-001は、BMX-001RTの前後12時間以内に送達されるだろう。その後の容量のスケジュールは、負荷投与量及び放射線スケジュールの日に依存するだろう。
第2相の固有設計
この研究の第2相部分が、アームAとアームBとを比較するランダム化スクリーニング研究である。アームAはBMX-001とともに毎日のTMZ及びRTで構成され、且つアームBは毎日のTMZ及びRTのみを含む。
第2相試験について、BMX-001が、同時化学放射線を開始する前に負荷投与量として皮下投与される(患者/MRIスケジュールに応じて、-5日目~0日目)。負荷投与量の後、後続の投与量が、8週間、週毎に2回与えられる。患者は、BMX-001を投与される為に又はRT及びTMZのみを進める為に、処置アーム割り当て比1:1でランダム化されるだろう。研究のこのフェーズにおいて登録された48人の患者がいる(アーム当たり24人の対象)。BMX-001負荷投与量が第1相から決定される。毒性及び認知の両方は第1相における結果である故に、この情報は第2相で評価する為の投与量を選択するためのものである。これは、BioMimetix JV,LLC及び我々の生物統計学者の関与により行われるだろう。負荷投与量の後、BMX-001が、BMX-001負荷投与量に対応する表5にリストされた後続の投与量で投与されるだろう。
BMX-001は、生理食塩水の滅菌10mg/mL溶液の皮下注射によって投与される。該皮下注射は、胴体、上肢又は上腕の任意の最適な部分で行われうる。最初の後続の投与量は、負荷投与量の後の1~5日で送達され、そして後続の投与量は、1週毎に平均2回、3~4日間隔で送達される。
テモゾロミド(TMZ)処置計画
TMZは、再発性神経膠腫の処置において単剤として抗腫瘍活性を実証した経口アルキル化剤である。前に述べたように、Stupp等は、原発性悪性神経膠腫の補助処置においてRTと組み合わせたTMZの有効性における増加を実証した。さらに、レジメンは安全であると見なされた。非血液学的グレード2毒性は、下記が含まれていた:疲労(26%)、他の体質的症状(7%)、発疹及び皮膚の副作用(9%)、感染(1%)、視覚(14%)、並びに吐き気及び嘔吐(13%)。グレード3/4非血液学的毒性が<10%で生じた:疲労(7%)、他の体質的症状(2%)、発疹及び皮膚の副作用(1%)、感染(3%)、視覚(1%)、並びに5HT3-RAでの吐き気及び嘔吐(<1%)。従って、この安全で標準的なレジメンは、このプロトコルで利用されるだろう。化学放射線フェーズの間、毎日のTMZ療法が1日当たり体表面積1平方メートル当たり75mgの投与量で計算され、そしてRT療法の最初の週から最後の週まで7日間、すなわち合計42日間投与される。差分を含む毎週CBC及び月間CMPが、標準の治療ごとに取得されるだろう。追加の臨床評価及び検査評価は、RT療法士の裁量で行われる。補助フェーズの間、5日間のTMZ療法が15又は200mg/m2の投与量で計算され、そして28日間のサイクルの最初の5日間投与される。1サイクルは28日である。補助フェーズの間、差分を含むCBCはおよそ21日目と28日目に取得され、且つCMPはおよそ21日目に取得されるべきである。
放射線処置計画
Stuppレジメンによって詳述されている通り、RT療法は、6週間、1週間当たり5日間、合計5960Gyで1.8~2Gyの日毎分割量で分画焦点照射として投与されるだろう。RT療法士及び腫瘍医は、標準的な身体検査を実施し、且つ適格性に必要な実験室作業を取得すべきである。追加の臨床及び検査室での評価は、RT療法士及び腫瘍医の裁量で行うべきである。
投与量の定義及びスケジュール
外部ビームRT療法(RT)計画は、腫瘍のサイズ及び場所に応じて、ローカルのRT療法士の裁量で決定されるべきである。それは、手術後、2~12週間で始まるべきである。1.8~2.0Gyの1回の処置が、合計59~60Gyで、1週間当たり5日間、毎日与えられるだろう(7週間未満で30~33分割)。全てのポータルは、各処置セッション中に処置されるべきである。投与量は、目標体積の95%以上の最大投与量ラインで処方される。
処置は、4~18MV光子の範囲のエネルギーのメガボルテージマシンで行われるべきである。適切な1以上の光子エネルギーの選択は、標的体積内のRT投与量分布の最適化と、非標的正常組織に対する投与量の最小化に基づくべきである。10MV超の光子エネルギーは、10MV未満のエネルギーを持つ少なくとも1つのビームを使用するデュアルエネルギービーム配置でのみ使用されるべきである。SSD技術のソース皮膚距離又はSADテクニックのソース軸距離は、少なくとも80cmでなければならない。
ローカリゼーション、シミュレーション、及び固定化
患者は、病変の部位についての仰向けになった位置又は他の適切な位置において処置されるべきである。X線を透過し且つ適切な固定化を提供するところの頭部保持装置は、再現性を確保する為に計画及び治療中に常に利用されなければならない。
周囲の浮腫が存在しない場合、最初の標的体積は、造影増強病変と2.5cmのマージンを含めるべきである。この主な標的体積は、23~25日毎分割量で45~46Gyy、分割当たりあたり1.8~2.0Gyで処置される。
ブースト体積は、処置計画中に実行される術後MRIに基づくべきである。45~46Gy後、該ブースト体積は、造影増強病変に加えて1.5cmのマージンを含めるべきであり、又は最小限の造影増強病変がMRIの切除腔の一部に存在する場合、外科的欠損に加えて2.0cmのマージンを含めるべきであり、それはMRI画像のそのセグメントで大きい方である。該ブースト体積は、ブーストボリュームは、7~8日毎の分割量でさらに14~14.4Gy、分割当たり1.8~2.0Gyで処置されるべきである。これは、合計目標投与量が30~33分割で59~60Gyになることをもたらす。目標体積の全ての部分が、処方等線量線(prescription isodose line)で少なくとも100%から110%までの投与量を受けることである。
試験薬(BMX-001)
医薬品の処方及び製造
医薬品は、BioMimetix JV、LLCによって供給される。原薬(1.2kgの固体)は、Albany Molecular Research,Inc.(AMRI)に従って製造され且つ保管される。
BioMimetixは、AMRI(Glasgow) Ltd.と契約して、注射用の滅菌BMX-001の単回投与バイアルを製造した。製造は、クリーンルームスイート内での無菌GMP製造専用であるAMRIのFlexicon FPC50W充填機で行われる。製造は、AMRI Glasgowの検証済みプロセスに従うバッチ前ろ過及び無菌ろ過並びに充填を含む。
BMX-001は、10mg/mLで0.9%の生理食塩水の溶液として製剤化され、無菌ろ過され、そして5mLのタイプ1の透明なガラスバイアルで2mLに満たされ、20mmのFlurotec血清ストッパーで密封され、そしてアルミニウムオーバーシールを剥がすだろう。窒素オーバーレイが、充填後、栓をする前に、各オーバーレイに適用される。
インプロセス試験(in-process testing)は、ろ過前のバイオバーデン(bioburden)、使用後のフィルターの完全性テスト、及びインプロセスの重量チェックを含む。注射用のBMX-001のリリース試験及び仕様が現在開発中であり、しかし臨床バッチの製造を開始する前に確立される。これらは、無菌性(USP<71>)、細菌性エンドトキシン(USP<85>)、粒子状物質(USP<788>)、外観、色及び透明度、pH、浸透圧、アッセイ並びに純度を含む。
医薬品の臨床バッチは安定に置かれ、且つ臨床試験中、その使用の間試験される。
注射用のBMX-001の投与用シリンジ及びラベル、10mg/mL
ICSの薬剤師は、注射用のBMX-001の適切な投与量、10mg/mL(表5から)を臨床対象に皮下投与する為に使用される装填済みの1以上の注射器及び1以上の針を準備する。ICSは、滅菌製品の調製用の全てのUSP797標準を遵守する。この調製は、USP797準拠のクリーンルームにあるクラスII生物学的安全キャビネット(BSC:Biologic Safety Cabinet)内で実行されるだろう。BSC及びクリーンルームのクリーニングは、USP797ガイドラインによって要求される場合に実行される。薬局のスタッフ全員がUSP797のトレーニング及びテストを受けており、且つ毎年のコンプライアンスを維持する。皮下注射針は蓋がされて、そして注射器が使用されるまで室温で保管され、それは2時間以内に行われるだろう。バーコードラベルが該注射器に貼り付けられ、そして診療所の電子医療記録システムにリンクされる。
複数回投与キット
1.4mL以下の量が1つの注射部位に投与されるべきである。従って、28mg又は20mgの投与量が、異なるバイアルから採られた2つの等しい部分(それぞれ14mg又は10mg)で投与され、2つの異なる部位で別々の注射器及び針を介して注射される。42mgの投与量は、3つの異なるバイアルから採られた3つの14mgの部分で投与され、そして3つの異なる部位から14mgずつ3回投与され、3つの異なる部位で別々の注射器及び針を介して注射されるだろう。
I群又はII群における臨床対象の複数回投与キットは、注射用(10mg/mL)のBMX-001の20mg(2mL)を含む17個のバイアル(投与の各日に1つ)を含むだろう。I群及びII群に提供されたキット間の唯一の違いは、I群及びII群に提供された前記キットの唯一の違いは、表5に従う負荷投与量及び後続(維持)の投与量として投与されるべき適切な投与量を示すだろうそれらのラベルにあるだろう。
III群における臨床対象の為の複数回投与キットは、負荷投与量の為の2個と維持投与量の為の16個を含む18個のバイアルを含むだろう。IV群における臨床対象の為の複数回投与キットは、負荷投与量の為の3個と維持投与量の為の32個を含む35個のバイアルを含むだろう。これらのキットの為のラベル付けは、表5に従う負荷投与量及び維持投与量で投与される適切な投与量を示すだろう。
第1相試験のステージ2の投与計画は、ステージ1の結果に基づいて決定されるだろう。投与キットは、投与されるべき投与量を示す適切なラベルを付けて、上記の通り調製されるだろう。
複数回投与キットのそれぞれは、1注射(10mg/mL)当たり、適切な数(I群、II群、III群又はIV群について、それぞれ17、17、18又は35)のBMX-001を含む紙箱を含む。
試験薬(TMZ)
説明
8-カルバモイル-3-メチルイミダゾール[5,1-d]-1,2,3,5-テトラジン-4-(3H)-オン,CCRG 81045,M&B 39831)-テモゾロミドは、市販で入手可能であり、この研究には提供されない。
処方
TMZは、250mg、180mg、140mg、100mg、20mg及び5mgの強度において入手可能である。処方の内容については、添付文書を参照。
貯蔵
TMZカプセルは2oC~30oCで保管されるべきである。商業的な供給及び包装が使用されるだろう。
投与
TMZは空腹時に経口投与される。この薬は、約100%生物学的に入手可能である。投与量は、最も近い5mgに丸められるべきである。製品の吸収に対する食物の影響はまだ知られていない。カプセルを開かないでください。食品と混ぜないでください。カプセルを噛まないでください。
毎日75mg/m2の投与量でのTMZは、外部ビームRT(+/マイナス5日間)で開始されるだろう。TMZは、グレード3の血小板減少症、グレード4の好中球減少症、又はTMZに続発するグレード4の非血液毒性の為に保持されるだろう。TMZは、毒性の解消後又はグレード1以下で50mg/m2で再開される。グレード3の血小板減少症、グレード4の好中球減少症、又はTMZに続発するグレード4の非血液毒性が50mg/m2で再発する場合、TMZはRT療法中に保持されるだろうが、患者が処置基準を満たす場合はRT療法後に再開しうる。
実施例4
新たに診断された高悪性度神経膠腫におけるBMX-001のヒト研究は、テモゾロミドと放射線療法を併用し(実施例3に記載されている通り)、その後に補助療法を行う標準の治療レジメンと組み合わせた場合にBMX-001の安全性を評価する為に設計された。BMX-001は、合計17回の投与で8週間(同時化学放射線の間に6週間且つ化学放射線後に2週間)の負荷投与量及びその後の維持投与量として注射により与えられた。4つの異なる負荷投与量が試験され、それは7、14、28及び42mgであり、且つ維持投与量がそれぞれの負荷投与量の半分であった。該負荷投与量は化学放射線療法の前に投与され、且つ処置の期間中、個々の維持投与量が週2回投与された(すなわち、7mgの負荷投与量を投与された患者は、8週間、各週3.5mgの2つの個々の維持投与量を投与された)。この研究の主な焦点は、4つの投与量レベルの最大耐量を決定することである。これまでに、我々は、最初の3つの投与量レベルでそれぞれ3人の対象で9人の対象を処置された。全ての対象は、膠芽腫(WHOグレードIV)の診断を受けており、且つ平均年齢は62.7歳(54歳~80歳の範囲)である。
放射線治療の間の認知機能の保護
処置された9人の対象のうち、8人の対象が、同時化学放射線の前且つ同時化学放射線の後の時点での生活の質の評価及び認知評価を完了した。ホプキンス言語学習テスト改訂版d(HVLT-R:Hopkins Verbal Learning Test-Revised)を含む認知試験は、トレイルメイキングA及びBテスト(Trails Making A and B Tests)、及びコントロールされたオーラルウッド協会試験(COWA:Controlled Oral Wood Association Test)を含む。調査結果は、HVLT-Rに対するパフォーマンスの低下がなく、トレイルメイキングBテスト(Trails Making B Test)でのスコアの高速化によって実証された通りの実行機能の改善を示唆する(図7)。全脳放射線治療後の複数の脳転移患者パフォーマンスの低下を明らかにする主要な認知テストであるために、これらは注目に値する。
放射線治療及びテモゾロミドを受けている高悪性度神経膠腫を有する患者におけるBMX-001による骨髄の化学保護
上記されたヒト臨床試験において、マーク付けされた骨髄保護が、図8に示されている通り観察された。テモゾロミドを受けている患者において、標準の治療は、血小板数が100,000未満の患者の治療を中止することである。BMX-001+テモゾロミドを投与された9人の患者のいずれも、BMX-001+テモゾロミド100,000未満の血小板数を発症しなかった。対照的に、テモゾロミドとの併用でBMX-001を投与しなかった20人の患者のうち9人は、100,000未満の血小板を発症した。
高悪性度神経膠腫患者について化学放射線を受けている対象のおよそ50%において生じる血小板減少症は、テモゾロミドの使用に関する。該データは、BMX-001が、7mg~28mg/対象の投与負荷投与量で、その後2週間に1回の負荷投与量の半分が投与される維持投与量で化学療法誘発骨髄抑制を防止するのに有効であるという結論を裏付けている。
上記したものは本発明の例示であり、且つそれらを制限するもののとして解釈されてはならない。本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義され、その中に含まれる特許請求の範囲と等価である。全ての出版物、特許出願、特許、特許公報、GenBank及び/又はSNP登録番号によって確認される配列、並びに本明細書中に引用された他の文献は、引用が示される文及び/又は段落に関連する教示の為に、それらの全体において参照によって取り込まれる。

Claims (43)

  1. 放射線及び/又は化学療法の曝露の間及び/又はその後に、対象における放射線及び/又は化学療法の曝露に関連付けられる1以上の副作用を処置及び/又は防止する剤であって、該剤が、下記の構造を有する活性剤を含み、
    ここで、Z-は対イオンである、
    該剤が、放射線及び/又は化学療法の曝露の前、その間又はその後に、約0.05mg/kg~約1mg/kgの量の負荷投与量で前記対象に投与され、前記活性剤が、前記負荷投与量における前記活性剤の量よりも約25%~約75%少ない量の維持投与量で前記対象に追加的に投与される、前記剤。
  2. 前記負荷投与量が、約0.1mg/kg~約0.6mg/kgの量で前記対象に投与される、請求項1に記載の剤。
  3. 前記対象が放射線及び/又は化学療法に曝露される約30分~約4日前に又は約1時間~約48時間前に、前記負荷投与量が前記対象に投与される、請求項1又は2のいずれか1項に記載の剤。
  4. 前記対象が放射線及び/又は化学療法に曝露される間及び/又はその後に、前記負荷投与量が前記対象に投与される、請求項1~のいずれか1項に記載の剤。
  5. 前記活性剤が、前記負荷投与量における前記活性剤の量よりも約50%少ない量の維持投与量で前記対象に投与される、請求項1~のいずれか1項に記載の剤。
  6. 前記負荷投与量における前記対象に投与される活性剤の量が、約5mg~約50mg又は約7mg~約42mgである、請求項1~のいずれか1項に記載の剤。
  7. 前記負荷投与量が、初期投与量として1回のみ投与される、請求項1~のいずれか1項に記載の剤。
  8. 前記維持投与量において前記対象に投与される活性剤の量が約5mg/週~約50mg/週の量又は約7mg/週~約40mg/週の量である、請求項1~のいずれか1項に記載の剤。
  9. 前記維持投与量が、1週当たり2又は3回、前記対象に投与される、請求項1~のいずれか1項に記載の剤。
  10. 前記維持投与量が、前記放射線治療の為の最初の放射線処置の後に1回以上投与される、請求項1~のいずれか1項に記載の剤。
  11. 前記維持投与量が、最初の放射線及び/又は化学療法の曝露後に、1週間当たり2又は3回投与される、請求項1~のいずれか1項に記載の剤。
  12. 前記維持投与量が、最初の放射線及び/又は化学療法の曝露後に、2又は3日毎に投与される、請求項1~のいずれか1項に記載の剤。
  13. 前記維持投与量が、最後の放射線及び/又は化学療法の曝露後に、1~8週間、2又は3日毎に投与される、請求項1~のいずれか1項に記載の剤。
  14. 前記対象は放射線治療を受けており、且つ前記放射線治療は、1~10週間、1週間当たり5日投与される少なくとも1つの放射線処置を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の剤。
  15. 前記放射線の曝露は、約5~約100Gy又は約30~約90Gyの総線量を含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の剤。
  16. 前記剤が、前記対象における、放射線で誘発された正常組織損傷を処置及び/又は防止する為に使用される、請求項1~15のいずれか1項に記載の剤。
  17. 前記剤が、炎症による及び/又は炎症によって引き起こされた組織損傷を処置及び/又は防止する為に使用される、請求項1~15のいずれか1項に記載の剤。
  18. 前記剤が、前記対象における、皮膚炎、粘膜炎、口腔乾燥症、記憶喪失、認知機能低下、不快症状、脱毛、骨髄抑制、及び/又は線維症を処置及び/又は防止する為に使用される、請求項1~15のいずれか1項に記載の剤。
  19. 前記剤が、最後の放射線及び/又は化学療法の曝露の1~12ヶ月後に、正常組織損傷を防止する為に使用される、請求項1~15のいずれか1項に記載の剤。
  20. 前記剤が、前記活性剤が投与されなくなった時に及び/又は前記活性剤の半減期後に、前記対象における正常組織損傷を防止する為に使用される、請求項19に記載の剤。
  21. 前記剤が、放射線及び/又は化学療法の曝露に関連付けられる長期的な影響及び/又は有害な副作用を防止する為に使用される、請求項1~20のいずれか1項に記載の剤。
  22. 前記剤が、放射線治療後に、前記対象における口腔粘膜及び/又は唾液腺の機能を処置及び/又は保護する為に使用される、請求項1~21のいずれか1項に記載の剤。
  23. 放射線及び/又は化学療法の曝露後に、前記対象における白血球粘着及び/又は後毛細管小静脈のローリングの増加が観察されないか又は20%未満である、請求項1~22のいずれか1項に記載の剤。
  24. 前記剤が、前記対象における腫瘍の血行再建及び/又は成長を減少又は阻害する為に使用される、請求項1~23のいずれか1項に記載の剤。
  25. 前記対象は癌の処置をされており、且つ前記活性剤は、腫瘍制御及び/又は癌処置を妨害しない、請求項1~24のいずれか1項に記載の剤。
  26. 前記対象は、放射線治療及び補助療法を受けている及び/又は投与される、請求項1~25のいずれか1項に記載の剤。
  27. 前記剤が、前記対象に放射線治療と同時投与される補助療法を弱めない/妨害しない為に使用される、請求項1~26のいずれか1項に記載の剤。
  28. 前記補助療法が、シスプラチン、テモゾロミド、タモキシフェン、トラスツズマブ、フルオロウラシル、マイトマイシン-C及び/又はFOLFOXである、請求項27に記載の剤。
  29. 前記剤が、慣用的な放射線治療及び/又は補助療法と比較して、前記対象に同時投与される放射線治療及び/又は補助療法に関連付けられる1以上の副作用を前記対象において防止し又は減少させる、請求項1~28のいずれか1項に記載の剤。
  30. 前記1以上の副作用が、脱毛症、皮膚炎、疲労、神経症状、吐き気、嘔吐、外耳炎、発作、血小板減少症、骨髄抑制、粘膜炎、食道炎、喉頭機能障害(誤嚥、嗄声を含む)、線維症(膀胱線維症を含む)、骨盤放射線症候群に関連付けられる1以上の症状、認知障害、組織損傷、口腔乾燥症、骨髄抑制、色素増加症、間質性肺炎、肺線維症、ほてり、エコノミー症候群、勃起不全、尿意切迫/尿意頻数、直腸炎、線維性変化(尿道、結腸、直腸、肛門、皮膚、筋肉、及び/又は結合組織に対する線維性変化を含む)、失禁、性欲減退、ビカルタミドビカルタミド有害影響(乳房圧痛及び女性化乳房を含む)、下痢、肝毒性、皮膚破壊、皮膚刺激、疝痛性腹痛、体重減少に導く吸収障害、脂肪便、回腸損傷、胆汁酸再吸収の低下、白血球減少症、血小板減少症、しびれ/うずき、口内炎、皮膚落屑、直腸炎、膀胱炎、急性血液毒性からなる群から選択される、請求項29に記載の剤。
  31. 前記対象が癌を患っているか又は患っている疑いがあり、且つ該癌が、脳癌、頭頸部癌(声帯癌、喉頭癌、咽頭癌、舌癌及び/又は唾液腺癌を含む)、乳癌、前立腺癌、結腸癌、直腸癌及び/又は肛門癌である、請求項1~30のいずれか1項に記載の剤。
  32. 前記対象は、頭及び/又は頚部の扁平上皮癌を患っている又は患っている疑いがある、請求項1~31のいずれか1項に記載の剤。
  33. 前記剤が、慣用的な放射線治療及び/又は補助療法と比較して、前記対象に同時投与される放射線治療及び/又は補助療法に対する対象遵守を増加させる、請求項1~32のいずれか1項に記載の剤。
  34. 前記剤が、慣用的な投与量と比較して、放射線治療で前記対象に投与される放射線の量を増加させる場合、任意的に、放射線の前記増加された投与量は、放射される癌の制御及び/又はその可能性を増加させる、請求項1~33のいずれか1項に記載の剤。
  35. 前記剤が、慣用的な化学療法投与量と比較して、化学療法で前記対象へ投与される化学療法の投与量を増加させる、請求項1~34のいずれか1項に記載の剤。
  36. 前記対象は放射線治療及び化学療法を受けており、且つ前記維持投与量が、最後の放射線処置の後且つ化学療法処置の間、前記対象に投与される、請求項1~35のいずれか1項に記載の剤。
  37. 前記対象は放射線治療及び化学療法を受けており、且つ前記対象は放射線治療及び化学療法の間中、前記維持投与量を投与され、且つ該維持投与量が、最終の化学療法処置後に1~8週間投与される、請求項1~36のいずれか1項に記載の剤。
  38. 前記剤が、慣用的な放射線治療及び/又は補助療法と比較して、前記対象における骨髄抑制の量を減少させ、任意的に、前記剤が、慣用的な放射線治療及び/又は補助療法と比較して、前記対象における白血球数及び/又は血小板数を増加させる、請求項1~37のいずれか1項に記載の剤。
  39. 前記活性剤が医薬的に許容される組成物中にあり、且つ、前記医薬的に許容される組成物が前記対象に投与される、請求項1~38のいずれか1項に記載の剤。
  40. 前記医薬的に許容される組成物が皮下投与用の為の形態である、請求項39に記載の剤。
  41. 前記医薬的に許容される組成物が注射可能な溶液である、請求項39又は40に記載の剤。
  42. 前記活性剤を前記対象に投与することは、前記活性剤を含む医薬的に許容される組成物を前記対象に投与することを含む、請求項1~41のいずれか1項に記載の剤。
  43. 前記医薬的に許容される組成物を前記対象に投与することは、前記医薬的に許容される組成物を前記対象に注射することを含む、請求項42に記載の剤。
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