JP7333081B2 - 病的タンパク質凝集の検出 - Google Patents

病的タンパク質凝集の検出 Download PDF

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Description

本発明は、細胞外小胞サンプルを使用して、対象におけるタンパク質ミスフォールディング神経変性障害、特にアルファシヌクレイノパチー(パーキンソン病およびレビー小体型認知症が挙げられる)の発症リスクを識別、監視、または判定する新規の方法を提供する。また、細胞外小胞サンプル中の病的プリオン様タンパク質(または1つ以上のセラミド種)の存在について、処置を選択し、かつアッセイする、対応する方法も提供される。
多くの神経変性障害は、タンパク質のミスフォールディング、凝集、および組織蓄積と関連する。本明細書中で「タンパク質ミスフォールディング神経変性障害」と呼ばれる当該障害として、パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、クロイツフェルト・ヤコブ病、アルツハイマー病、タウオパチー(アルツハイマー病、前頭側頭葉変性症、進行性核上性麻痺、および皮質基底核変性症等)、ハンチントン病、運動ニューロン疾患、デンタトパリドルブロルイジアン萎縮症(dentatopallidorubroluysian atrophy)、脊髄小脳失調症、およびその他の多くが挙げられる(Salvadores et al.,2014(非特許文献1))。
臨床症状が現れる前の疾患の初期段階にて、罹患した個体を識別するには、一般的に問題がある。これは、タンパク質ミスフォールディング神経変性障害の発症リスクを識別、監視、かつ評価するための、広く受け入れられており、信頼性があり、感度が高く、かつ客観的な分子診断法がないためである。したがって、そのような疾患の診断は、神経学的かつ神経精神病学的評価に大きく依存するが、これは典型的に、疾患の発症の後期段階でしか診断に役立たない。
一例として、パーキンソン病は、脳の一部が長年にわたって徐々に損傷を受ける容体である。パーキンソン病の主な症状として、身体の特定の部分の不随意の震え(振戦)、動作緩慢、および筋肉の硬直がある。また、パーキンソン病患者は、抑鬱および不安、平衡障害、嗅覚喪失(無嗅覚症)、睡眠障害(不眠症)、ならびに記憶障害が挙げられる、他の様々な身体的症状および心理的症状を経験し得る。
加えて、パーキンソン病に関連する2つのタイプの認知症;パーキンソン病認知症およびレビー小体型認知症がある。パーキンソン病の運動症状が、認知症を経験する前に少なくとも1年間存在する場合には、パーキンソン病認知症として区別される。レビー小体型認知症は、認知症の症状が、パーキンソン病の症状の前またはパーキンソン病の症状と同時に現れる場合に、診断される。パーキンソン病患者は、環境内での注意、見当識(orientation)、環境のネゴシエーション(negotiation of environment)の障害がより大きい傾向がある。また、考え方に柔軟性があまりない。
現在、患者の症状、病歴、および詳細な健康診断に基づいて、診断がなされている。初期段階のパーキンソン病は、症状が通常軽度であるため、診断するのが特に困難である。現在、完全な臨床診断が、高度に専門化された臨床環境において確立されており、そして神経心理学的評価および神経放射線学的評価に基づいている。当該診断は通常、専門家に繰り返し仰ぐ必要があり、これにより診断が遅れるので、処置およびサポートの開始が数ヶ月遅れる。現在、パーキンソン病の治療法はないが、容体の管理に役立つ様々な多くの処置、治療、およびサポートがある。
500人に1人がパーキンソン病に冒されており、これは、英国において、この容体の人が推定127,000人いることを意味する。パーキンソン病のほとんどの患者は、50歳を超えると症状が出始めるが、当該容体の患者の約20人に1人は、40歳未満のときに初めて症状を経験している。男性は女性よりもパーキンソン病に罹る可能性が僅かに高い。国連(UN)の研究によると、2050年までに18億人が60歳を超え、18,000,000人の潜在的な新規患者が予測されると報告されている。
米国では、少なくとも50万人がパーキンソン病に罹患していると考えられており、毎年約5万の新規症例が報告されている。パーキンソン病は、年間144億ドルを費やすと見積もられており、間接的な費用(例えば、雇用の減少)は、控えめに見積もって63億ドル(または1人あたり10,000ドル近く)と推定されている。これらの費用は、2040年までに2倍になると予測されている。英国では、当該費用は、年間4億ポンドから33億ポンドと推定されている。調査によると、パーキンソン病の費用は、早期診断の向上によって大幅に削減でき、この向上は、計画、将来の入院の回避、および臨床管理の向上に役立つであろうと示されている。
分子レベルでは、アルファ-シヌクレイン凝集が、パーキンソン病(PD)、レビー小体型認知症(DLB)、および多系統萎縮症(MSA)の病態において中心的な役割を果たすことが知られている。アルファ-シヌクレインは、エキソソームおよび他の細胞外小胞の内部および外部で検出されてきた140アミノ酸長のタンパク質である(Loov et al.,2016(非特許文献2)にレビュー)。パーキンソン病患者におけるアルファ-シヌクレインレベルの変化(例えば、脳脊髄液(CSF)サンプルにおけるアルファ-シヌクレインレベルの僅かな低下)を示す多くの研究にも拘らず、異なる研究由来のデータは、一貫していない。また、ラボ間でのアルファ-シヌクレインを測定する方法の標準化は、困難であることが判明している。したがって、現在利用可能な方法論を使用すると、対象の生体サンプル(細胞外小胞サンプルが挙げられる)内に存在するアルファ-シヌクレインの総量は、疾患の信頼できるバイオマーカーであると思われない。
その病的状態において、アルファ-シヌクレインは、その本来の構造を失っている。構造的に変化したアルファ-シヌクレインは、二量体および三量体の形成を開始し、続いて可溶性オリゴマーおよびプロトフィブリルを形成し、そしてフィブリルとして堆積し、かつ凝集体として成熟する場合がある。
最近、エキソソームは、パーキンソン病が挙げられる種々の神経変性障害におけるミスフォールドタンパク質の伝播に関係していることが示された。例えば、細胞外アルファ-シヌクレインは最近、病的ニューロンから健康なニューロンへの、病的アルファ-シヌクレインのプリオン様伝達に包含されており、ミスフォールドアルファ-シヌクレインは、可溶性アルファ-シヌクレインの凝集を誘導する種として機能している可能性があった。
リアルタイム震え誘導変換(RT-QuIC)と呼ばれる最近の手法は、プリオンタンパク質が自己凝集を誘導する能力を利用するものであり、最近、DLB患者およびパーキンソン病患者由来のCSFサンプルにおいて、病的アルファ-シヌクレインを検出するのに使用されてきた(Fairfoul et al.,2016(非特許文献3))。また、最近、アルファ-シヌクレイン凝集の存在を検出する代替方法が開発された(「タンパク質ミスフォールディングサイクリック増幅(PMCA)」)(Herva et al.,2014(非特許文献4))。これらの方法は有望であるが、各アッセイを完了するのにかかる時間は長く、分析に必要なサンプル(CSFまたは脳ホモジェネート)は侵襲的な手順を必要とするので、疾患の疑いの指標が高い患者(例えば、臨床症状および疾患の指標がいくつかある、疾患進行の後期段階にある患者)への使用が制限される。
Salvadores et al.,2014 Loov et al.,2016 Fairfoul et al.,2016 Herva et al.,2014
PDまたはDLB等の初期段階のタンパク質ミスフォールディング神経変性障害の診断ツールを向上させる必要がある。
本発明者らは今般、驚くべきことに、PDまたはDLBの患者由来の細胞外小胞サンプルにおける病的アルファ-シヌクレインの存在が、疾患を、そして重要なことには、臨床症状をまだ示していないヒトにおいて疾患を発症するリスクを識別または監視するのに信頼できるマーカーとして使用することができることを発見した。また、PDおよびDLBの患者から得られる細胞外小胞の脂質組成が、対照の脂質組成(特に、細胞外小胞のセラミド組成)とは大きく異なることを実証した。したがって、本発明者らは、疾患を検出、監視、かつ診断する新規の手段を提供した。
本発明者らは、サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)を使用して、病的アルファ-シヌクレインの後の検出に使用される細胞外小胞(EV)サンプルを得た。SECの使用は、小胞の、密度ではなくサイズに基づいてEVを富化するための非常に穏やかな手段であり、タンパク質複合体の形成、小胞の凝集、およびサンプル中に存在する他の脂質の富化のリスクがないため、有利である(Boing et al.,2014にレビュー)。しかしながら、本発明は、他の方法によって得られるEVサンプルにも等しく使用され、その例を以下でより詳細に説明する。
本発明者らは、EVにおける病的アルファ-シヌクレインの存在を、自己凝集を誘導する能力を利用することによって検出した。病的アルファ-シヌクレインを検出する既知の方法を使用して、EVサンプルをアッセイして、より迅速かつより感度の高いアッセイプロトコルを提供することができることを示した。一例として、発明者らは、既知の方法、RT-QuICを使用して、患者サンプル中の病的アルファ-シヌクレインを検出するのに必要な時間を、(方法をさらに最適化せずに)単離されたEVを使用する場合に、約120時間(現在のアッセイ時間)から48~80時間に短縮することができることを確認した。アッセイの更なる洗練により、より迅速なアッセイ法が可能となるであろう。
本発明は、病的アルファ-シヌクレインを検出する手段としてRT-QuICを使用して例示したが、病的アルファ-シヌクレインを検出する他の適切なあらゆる方法が使用されてもよい。代替の非限定的な例として、PMCAが使用されてもよい(Herva et al.,2014)。
発明者らは、いくつかの異なる生体サンプル(病的アルファ-シヌクレインの検出に適していないことが以前に示されたサンプルを含む)から得たEVサンプルが、疾患(または疾患のリスク)を検出、監視、かつ識別するのに確実に使用され得ることを示した。有利には、低侵襲性または非侵襲性の手段によって得ることができる生体サンプル(血液、尿、または唾液等)が今般、病的アルファ-シヌクレインを検出するためのEVの源として使用することができる。したがって、本発明者らは、疾患(または疾患のリスク)を検出、監視、かつ識別するのにより感度の高い手段を開発した。
さらに、本発明者らは、病的アルファ-シヌクレインの検出を使用して、臨床症状が発生する前であっても、前駆アルファシヌクレイノパチーを検出することができることを示した。したがって、本明細書中に記載される方法は、疾患(または疾患のリスク)の初期段階を検出、監視、かつ識別するのに使用することができる。したがって、パーキンソン病またはDLB等のアルファシヌクレイノパチー患者の早期臨床評価のための、疾患の特徴を検出するより感度の高い手段を提供する。
本発明は、PD患者およびDLB患者から得られるEVサンプル中の病的アルファ-シヌクレインを検出することによって、例示された。しかしながら、本発明は、病的状態にある場合に、(例えば、オリゴマーおよびフィブリルに)凝集する他の病的プリオン様タンパク質の検出にも等しく使用される。有利には、これらのプリオン様病的タンパク質のそれぞれの存在は、自己凝集を誘導する能力を利用することによって検出することができる(故に、RT-QuICおよびPMCA(またはその変更バージョン)等の方法を、検出に使用することができる)。
本発明者らはまた、PD患者またはDLB患者のCSFサンプルから得られるEVが、対照と比較して、大きな脂質変化を示すことを確認した。当該データは、患者のEV中の大きな脂質変化が、病状に重要であることを示唆している。特定の理論に拘束されないが、当該脂質変化は、本明細書中に記載される病的アルファ-シヌクレインを検出する方法の高い感度および特異性の一部を構成すると思われる。というのも、アルファ-シヌクレイン凝集アッセイは、双方の改変(セラミド組成の変化、およびシヌクレインフォールディングを誘発する能力)に応答し得るからである。病状におけるセラミドの変化は、非常に重要であり、患者の脳組織において観察される変化と類似する(DLB患者およびパーキンソン病患者の双方について;データ未発表)。有利には、脂質組成の変化は、特にアルファシヌクレイノパチーに関して、より具体的にはPDおよび/またはDLBに関して、疾患(または疾患のリスク)を検出、監視、かつ識別するためのバイオマーカーとして使用することができる。
一態様において、本発明は、対象におけるタンパク質ミスフォールディング神経変性障害を識別または監視するインビトロ方法であって、病的プリオン様タンパク質の存在について、対象由来の細胞外小胞サンプルをアッセイする工程を含み、病的プリオン様タンパク質の存在は、タンパク質ミスフォールディング神経変性障害を示す、方法を提供する。場合によっては、タンパク質ミスフォールディング神経変性障害は、アルファシヌクレイノパチーであり、病的プリオン様タンパク質は、アルファ-シヌクレインである。
別の態様において、本発明は、対象がタンパク質ミスフォールディング神経変性障害を発症するリスクを判定するインビトロ方法であって、病的プリオン様タンパク質の存在について、対象由来の細胞外小胞サンプルをアッセイする工程を含み、病的プリオン様タンパク質の存在は、対象がタンパク質ミスフォールディング神経変性障害を発症する高いリスクを示す、方法を提供する。場合によっては、タンパク質ミスフォールディング神経変性障害は、アルファシヌクレイノパチーであり、病的プリオン様タンパク質は、アルファ-シヌクレインである。
別の態様において、本発明は、タンパク質ミスフォールディング神経変性障害を患っている疑いがある、またはタンパク質ミスフォールディング神経変性障害の発症リスクが高い対象において、病的プリオン様タンパク質の存在を判定するインビトロ方法を提供し、当該方法は、以下の工程を含む:
(a)対象から細胞外小胞サンプルを用意する工程;および
(b)細胞外小胞サンプル中の病的プリオン様タンパク質の存在を判定する工程。場合によっては、タンパク質ミスフォールディング神経変性障害は、アルファシヌクレイノパチーであり、病的プリオン様タンパク質は、アルファ-シヌクレインである。
別の態様において、本発明は、疾患がある対象について処置を選択するインビトロ方法を提供し、当該方法は、対象由来の細胞外小胞サンプル中の病的プリオン様タンパク質の存在を判定する工程を含み、病的プリオン様タンパク質の存在は、対象がタンパク質ミスフォールディング神経変性障害用の処置から利益を得ることとなることを示す。場合によっては、タンパク質ミスフォールディング神経変性障害は、アルファシヌクレイノパチーであり、病的プリオン様タンパク質は、アルファ-シヌクレインである。
適切には;
a)タンパク質ミスフォールディング神経変性障害は、パーキンソン病、レビー小体型認知症、および多系統萎縮症からなる群から選択されるアルファシヌクレイノパチーであり;病的プリオン様タンパク質は、病的アルファ-シヌクレインであり;
b)タンパク質ミスフォールディング神経変性障害は、クロイツフェルト・ヤコブ病であり;病的プリオン様タンパク質は、プリオンタンパク質であり;
c)タンパク質ミスフォールディング神経変性障害は、アルツハイマー病であり;病的プリオン様タンパク質は、病的アミロイドベータであり;
d)タンパク質ミスフォールディング神経変性障害は、アルツハイマー病、前頭側頭葉変性症、進行性核上性麻痺、または皮質基底核変性症からなる群から選択されるタウオパチーであり;病的プリオン様タンパク質は、病的タウタンパク質であり;
e)タンパク質ミスフォールディング神経変性障害は、ハンチントン病であり;病的プリオン様タンパク質は、病的ハンチンチンタンパク質(huntingtin protein)であり;
f)タンパク質ミスフォールディング神経変性障害は、運動ニューロン疾患であり;病的プリオン様タンパク質は、病的スーパーオキシドジスムターゼ、c9orf72、およびバロシン、ならびに運動ニューロン疾患に関連する他のプリオン様タンパク質からなる群から選択され;
g)タンパク質ミスフォールディング神経変性障害は、デンタトパリドルブロルイジアン萎縮症であり;病的プリオン様タンパク質は、病的アトロフィンタンパク質であり;または
h)タンパク質ミスフォールディング神経変性障害は、脊髄小脳失調症であり;病的プリオン様タンパク質は、病的アタキシンであり、場合によっては、病的アタキシンは、アタキシン-1、アタキシン-2、およびアタキシン-3からなる群から選択される。
適切には、対象はヒトである。
適切には、対象は、タンパク質ミスフォールディング神経変性障害を患っている、または患っている疑いがある。場合によっては、タンパク質ミスフォールディング神経変性障害は、アルファシヌクレイノパチーである。
適切には、対象は、タンパク質ミスフォールディング神経変性障害を患っている。場合によっては、タンパク質ミスフォールディング神経変性障害は、アルファシヌクレイノパチーである。
適切には、対象は、初期段階のタンパク質ミスフォールディング神経変性障害を患っている。場合によっては、タンパク質ミスフォールディング神経変性障害は、アルファシヌクレイノパチーである。
適切には、細胞外小胞サンプルは、CSF、血液、脳組織ホモジェネート、尿、唾液、またはそれらの組合せから選択される生体サンプルから得られる。
適切には、血液サンプルは、血漿、血清、血小板、およびバフィーコートからなる群から選択される。
適切には、細胞外小胞サンプルは、サイズ排除クロマトグラフィを使用して得られる。
適切には、当該方法はさらに、以下の工程を含む:
i)対象由来の生体サンプルを用意する工程;および
ii)サイズ排除クロマトグラフィを使用して、生体サンプルから細胞外小胞サンプルを得る工程。
適切には、病的プリオン様タンパク質の存在は、RT-QuICまたはPMCAを使用して検出される。場合によっては、病的プリオン様タンパク質はアルファ-シヌクレインである。
別の態様において、本発明は、対象におけるタンパク質ミスフォールディング神経変性障害の識別もしくは監視のための、または対象におけるタンパク質ミスフォールディング神経変性障害の発症リスクを判定するための、インビトロ細胞外小胞サンプルの使用を提供する。場合によっては、タンパク質ミスフォールディング神経変性障害は、アルファシヌクレイノパチーである。
適切には、当該使用は、本明細書中に記載される特徴のいずれかを含む。
別の態様において、本発明は、対象においてアルファシヌクレイノパチーを識別または監視するインビトロ方法を提供し、以下の工程を含む:
a)対象の細胞外小胞サンプル中の、Cer 32:1、Cer 33:1、Cer 34:1、Cer 34:2、Cer 37:1、Cer 38:1、Cer 38:2、Cer 39:1、Cer 39:2、Cer 40:1、Cer 40:2、Cer 41:1、Cer 41:2、Cer 40:1(OH)、およびCer 40:2(OH)からなる群から選択される少なくとも1つのセラミド種の量を評価する工程;
b)少なくとも1つのセラミド種の評価量を、少なくとも1つのセラミド種についての参照値と比較する工程;
ここで、少なくとも1つのセラミド種についての参照値よりも大きい少なくとも1つのセラミド種の評価量が、アルファシヌクレイノパチーを示す。
別の態様において、本発明は、対象がアルファシヌクレイノパチーを発症するリスクを判定するインビトロ方法を提供し、以下の工程を含む:
a)対象の細胞外小胞サンプル中の、Cer 32:1、Cer 33:1、Cer 34:1、Cer 34:2、Cer 37:1、Cer 38:1、Cer 38:2、Cer 39:1、Cer 39:2、Cer 40:1、Cer 40:2、Cer 41:1、Cer 41:2、Cer 40:1(OH)、およびCer 40:2(OH)からなる群から選択される少なくとも1つのセラミド種の量を評価する工程;
b)少なくとも1つのセラミド種の評価量を、少なくとも1つのセラミド種についての参照値と比較する工程;
ここで、少なくとも1つのセラミド種についての参照値よりも大きい少なくとも1つのセラミド種の評価量が、対象がアルファシヌクレイノパチーを発症するリスクが高いことを示す。
別の態様において、本発明は、アルファシヌクレイノパチーを患っている疑いがある、またはアルファシヌクレイノパチーの発症リスクが高い対象において、Cer 32:1、Cer 33:1、Cer 34:1、Cer 34:2、Cer37:1、Cer 38:1、Cer 38:2、Cer 39:1、Cer 39:2、Cer 40:1、Cer 40:2、Cer 41:1、Cer 41:2、Cer 40:1(OH)、およびCer 40:2(OH)からなる群から選択される少なくとも1つのセラミド種の量を評価するインビトロ方法を提供し、当該方法は、以下の工程を含む:
(a)対象から細胞外小胞サンプルを用意する工程;および
(b)細胞外小胞サンプル中の、Cer 32:1、Cer 33:1、Cer 34:1、Cer 34:2、Cer 37:1、Cer 38:1、Cer 38:2、Cer 39:1、Cer 39:2、Cer 40:1、Cer 40:2、Cer 41:1、Cer 41:2、Cer 40:1(OH)、およびCer 40:2(OH)からなる群から選択される少なくとも1つのセラミド種の量を評価する工程。
別の態様において、本発明は、疾患がある対象について処置を選択するインビトロ方法を提供し、以下の工程を含む:
a)対象の細胞外小胞サンプル中の、Cer 32:1、Cer 33:1、Cer 34:1、Cer 34:2、Cer 37:1、Cer 38:1、Cer 38:2、Cer 39:1、Cer 39:2、Cer 40:1、Cer 40:2、Cer 41:1、Cer 41:2、Cer 40:1(OH)、およびCer 40:2(OH)からなる群から選択される少なくとも1つのセラミド種の量を評価する工程;
b)少なくとも1つのセラミド種の評価量を、少なくとも1つのセラミド種についての参照値と比較する工程;
ここで、少なくとも1つのセラミド種についての参照値よりも大きい少なくとも1つのセラミド種の評価量が、対象がアルファシヌクレイノパチー用の処置から利益を得ることとなることを示す。
適切には、アルファシヌクレイノパチーは、パーキンソン病、レビー小体型認知症、および多系統萎縮症からなる群から選択される。
適切には、対象はヒトである。
適切には、対象は、アルファシヌクレイノパチーを患っている、または患っている疑いがある。
適切には、対象は、アルファシヌクレイノパチーを患っている。
適切には、対象は、初期段階のアルファシヌクレイノパチーを患っている。
適切には、細胞外小胞サンプルは、CSF、血液、脳組織ホモジェネート、尿、唾液、またはそれらの組合せから選択される生体サンプルから得られる。
適切には、血液サンプルは、血漿、血清、血小板、およびバフィーコートからなる群から選択される。
適切には、細胞外小胞サンプルは、サイズ排除クロマトグラフィを使用して得られる。
適切には、当該方法はさらに、以下の工程を含む:
i)対象由来の生体サンプルを用意する工程;および
ii)サイズ排除クロマトグラフィを使用して、生体サンプルから細胞外小胞サンプルを得る工程。
適切には、参照値は、対照サンプルから得られ、または所定の参照値である。
別の態様において、本発明は、対象におけるアルファシヌクレイノパチーの識別もしくは監視のための、または対象におけるアルファシヌクレイノパチーの発症リスクを判定するための、Cer 32:1、Cer 33:1、Cer 34:1、Cer 34:2、Cer37:1、Cer 38:1、Cer 38:2、Cer 39:1、Cer 39:2、Cer 40:1、Cer 40:2、Cer 41:1、Cer 41:2、Cer 40:1(OH)、およびCer 40:2(OH)からなる群から選択される少なくとも1つの細胞外小胞セラミド種の使用を提供する。
適切には、当該使用は、本明細書中に記載される特徴のいずれかを含む。
本明細書の記載および特許請求の範囲を通して、文言「含む」および「含有する」、ならびにそれらの変形は、「含むが、これに限定されない」を意味し、他の部分、付加物、成分、整数、または工程を除外することが意図されない(そして除外しない)。
本明細書の記載および特許請求の範囲を通して、単数形は、文脈上別段の解釈が必要でない限り、複数形を包含する。特に、不定冠詞が用いられる場合、本明細書は、文脈上別段の解釈が必要でない限り、複数性および単数性を意図すると理解されるべきである。
本発明の特定の態様、実施形態、または実施例に関連して記載される特徴、整数、特性、化合物、化学部分、または基は、本明細書中に記載される他のあらゆる態様、実施形態、または実施例に、矛盾しない限り、適用可能であると理解されるべきである。
本発明の種々の態様を、以下でさらに詳細に説明する。
本発明の実施形態は、添付の図面を参照して、以下でさらに説明される。
死後CSFから精製した細胞外小胞の代表的な電子顕微鏡画像を示す。 小胞のサイズおよび濃度を示すTRPS分析結果の代表的な画像を示す。 サンプル中のエキソソームマーカーの存在の、ウエスタンブロット分析および免疫電子顕微鏡観察の代表的な画像を示す。 死後の脳脊髄液から精製した細胞外小胞の膜と関連するアルファ-シヌクレインの免疫金標識を示す。グラフは、アルファ-シヌクレインによって標識した種々の小胞サイズの存在量を表す。データは、全てのサンプルにわたってプールしたため、混合集団を表す。 内部アルファ-シヌクレインの標識、およびアルファ-シヌクレインによって標識した種々の小胞サイズを示す。データは、全てのサンプルにわたってプールしたため、混合集団を表す。 対照と比較した、アルファシヌクレイノパチー患者由来のEV中で確認されたセラミド種の変化を示す。ポジティブイオンモードデータ。 対照と比較した、アルファシヌクレイノパチー患者由来のEV中で確認されたセラミド種の変化を示す。ネガティブイオンモードデータ。 前頭皮質細胞外小胞の精製および分析を示す。 精製した前頭皮質細胞外小胞マーカーのウエスタンブロット分析を示す。カルネキシンおよびポリンの不在は、画分の純度、ならびに細胞およびシナプス物質による夾雑の欠如を示す。LBD-レビー小体病。MT、WT-変異型、野生型。 エキソソームマーカーのウエスタンブロット分析を示す。 溶解した前頭皮質小胞に対するアルファ-シヌクレインELISAの結果を示す。 プロセシング未処理の死後CSF、および精製した細胞外小胞を使用したRT-QUICの結果を示す。死後CSF由来小胞を使用することによって、本発明者らは、臨床症状が発生する前であっても、パーキンソン病の病理を検出することができた(指数線は、疾患の特徴の確実な検出を示す)(前駆シヌクレイノパチーを参照)。PD-パーキンソン病、DLB-レビー小体型認知症、PDD-パーキンソン病認知症。プロセシング未処理の腰椎CSFを使用するオリジナルの方法(Fairfoul et al.2016に提示)と比較して、アッセイの陽性シグナルをより早期に検出することができた。これは、アッセイをより速くする見込みがある(すなわち、120時間(現在のアッセイ時間)と比較して、48~80時間(追加の最適化なし))。 パーキンソン病のプロセシング未処理の血漿、血小板、およびバフィーコートRT-QUICの結果を示す。 精製した血小板小胞によるRT-QUICの結果を示す。 精製した血漿小胞によるRT-QUICの結果を示す。 ヒト尿から精製した細胞外小胞のTEM画像を示す。 超遠心分離を使用してヒト死後CSFから精製した細胞外小胞のTEM画像を示す。 レビー小体型認知症およびパーキンソン病のCSFサンプルについて、超遠心分離によって単離した細胞外小胞を使用したタンパク質凝集アッセイの結果を示す。測定は、115時間にわたって15分毎に行った。 PD-パーキンソン病、DLB-レビー小体型認知症、UC-超遠心分離。 健康対照のサンプルについて、超遠心分離によって単離した細胞外小胞を使用したタンパク質凝集アッセイの結果を示す。C-対照、UC-超遠心分離。 パーキンソン病認知症脳ホモジェネート、レビー小体型認知症前頭皮質細胞外小胞、および対照前頭皮質細胞外小胞を使用したタンパク質凝集アッセイの結果を示す。PDD-パーキンソン病認知症、DLB-レビー小体型認知症、C-対照。 尿細胞外小胞分析の盲検化分析を示す。ドナーを以下のように臨床診断した:尿2-対照;尿4-PSP;尿5-MSA;尿6-PSP。これらのデータは、尿サンプルからアルファシヌクレイノパチーを明確に識別することができることを示す(尿5-MSAを参照。ここでは、双方の反復で、アルファ-シヌクレインタンパク質凝集アッセイにおいて、対照と比較して、陽性の結果が得られた)。尿サンプルは、臨床診断を受けたが神経病理学的診断をまだ実施していない、生きている患者から採取している。図21に示す結果に基づいて、本発明者らは、尿4の患者において、少量のアルファ-シヌクレインの病状が存在すると疑っている。というのも、双方の反復が陽性であるが、シグナルは、MSA尿5と比較して、後に表れているからである。尿6は、反復の1つが陰性である(すなわち、反復が、一貫したパターンを示さない)ため、偽陽性の可能性がある。 尿細胞外小胞の盲検化分析を示す。ドナーを以下のように臨床診断した:尿7-対照;尿9-PSP;尿10-PSP。尿サンプルは、臨床診断を受けたが神経病理学的診断をまだ実施していない、生きている患者から採取している。したがって、一部の対照は、実際には一部の病状があるが、まだ臨床症状を示していない可能性がある(特に、尿7を参照。ここでは、反復の1つが、アルファ-シヌクレインタンパク質凝集アッセイにおいて何らかの陽性シグナルを示した。これに対して、反復の1つが陰性である(すなわち、反復が、一貫したパターンを示さない)ため、これは偽陽性である可能性がある)。
発明の詳細な説明
本発明者らは今般、驚くべきことに、PDまたはDLBの患者由来の細胞外小胞サンプルにおける病的アルファ-シヌクレインの存在が、疾患(または疾患の発症リスク)を識別または監視するのに信頼できるマーカーとして使用することができることを発見した。また、PDおよびDLBの患者から得られる細胞外小胞の脂質組成が、対照の脂質組成(特に、細胞外小胞膜のセラミド組成)とは大きく異なることを実証した。したがって、本発明者らは、疾患を検出、監視、かつ診断する新規の手段を提供した。
対象におけるタンパク質ミスフォールディング神経変性障害を識別または監視するインビトロ方法であって、病的プリオン様タンパク質の存在について、対象由来の細胞外小胞サンプルをアッセイする工程を含み、病的プリオン様タンパク質の存在は、タンパク質ミスフォールディング神経変性障害を示す、方法が本明細書で提供される。
当業者にとって、EVサンプル中に存在する特定の病的プリオン様タンパク質が、特定の(すなわち対応する)タンパク質ミスフォールディング神経変性障害を識別することは明らかである。病的プリオン様タンパク質と、その対応するタンパク質ミスフォールディング神経変性障害との関連は、当該技術分野において周知である。例として、EVサンプル中に存在する特定の病的プリオン様タンパク質がアルファ-シヌクレインである場合、これにより、特定の(すなわち対応する)タンパク質ミスフォールディング神経変性障害が、アルファシヌクレイノパチー、例えばパーキンソン病またはレビー小体型認知症であると識別される。特定の病的プリオン様タンパク質、およびその対応するタンパク質ミスフォールディング神経変性障害の他の例が、本出願の全体にわたって示されている。これは、本明細書中に記載される全ての実施形態にあてはまる。
また、対象がタンパク質ミスフォールディング神経変性障害を発症するリスクを判定するインビトロ方法であって、病的プリオン様タンパク質の存在について、対象由来の細胞外小胞サンプルをアッセイする工程を含み、病的プリオン様タンパク質の存在は、対象がタンパク質ミスフォールディング神経変性障害を発症する高いリスクを示す、方法が本明細書中で提供される。
適切なサンプルの分析からの、対象におけるタンパク質ミスフォールディング神経変性障害の識別は、特に症状の臨床評価および/または対象の神経物理学的評価等の他の診断方法と併せて実行される場合に、容体の診断と等しい。したがって、フレーズ「タンパク質ミスフォールディング神経変性障害の識別」(または相当語句)および「タンパク質ミスフォールディング神経変性障害の診断」(または相当語句)は、本明細書中で互換的に使用される。
対象におけるタンパク質ミスフォールディング神経変性障害の経時的な監視は、疾患の進行(例えば、病状または疾患症状の悪化)の、または(例えば、処置期間にわたる)病状もしくは症状の改善の、可能な限り早期の識別に役立つ。そのような監視は、当然、経時的に繰り返されるサンプルの採取を包含する。したがって、当該方法は、特定の対象について、1つまたは複数の時間間隔にて繰り返されてよく、その結果は、当該対象のタンパク質ミスフォールディング神経変性障害の発生、進行、または改善を経時的に監視するために比較される。ここで、対象のEVサンプル中の病的プリオン様タンパク質の量の変化が、対象におけるタンパク質ミスフォールディング神経変性障害の進行の変化を示す。
疾患の経時的な進行が、2つ以上の時間間隔の結果が比較された場合に検出される病的プリオン様タンパク質の量の増大によって示され得る。言い換えると、当該方法が複数回実行されれば、後の時間間隔にて検出される病的プリオン様タンパク質の量が、より早い時間間隔にて検出される量よりも多い場合に、疾患の進行が示され得る。病的プリオン様タンパク質の量の「増大」は、当該方法が同じ対象(および同等のEVサンプルタイプ)に以前に(すなわち、より早い時間間隔にて)実行された場合に、病的プリオン様タンパク質が検出されなかった(すなわち、検出可能なレベルにて存在しなかった)場合の、後の時間間隔での病的プリオン様タンパク質の検出を包含する。
疾患の進行を監視するのに適した時間間隔が、当業者によって容易に識別され得、そして監視されることとなる特定のタンパク質ミスフォールディング神経変性障害によって決まることとなる。非限定的な例として、当該方法は、パーキンソン病の進行を監視する場合、少なくとも6ヶ月毎、または少なくとも毎年、または少なくとも隔年で繰り返されてもよい。
病状または症状の(例えば、処置期間にわたる)改善が、2つ以上の時間間隔の結果が比較された場合に検出される病的プリオン様タンパク質の量の減少によって示され得る。言い換えると、当該方法が複数回実行されれば、後の時間間隔にて検出される病的プリオン様タンパク質の量が、より早い時間間隔にて検出される量よりも少ない(すなわち、減少している)場合に、病状の改善が示され得る。したがって、病的プリオン様タンパク質の量の「減少」は、病的プリオン様タンパク質が、同じ対象(および同等のEVサンプルタイプ)について、検出されなかった(すなわち、プリオン様タンパク質は、後の時間間隔にて検出できなかった、または不在であった)、初期の時間間隔での病的プリオン様タンパク質の検出に続く、後の時間間隔での当該方法の繰返しを包含する。
病状または症状の(例えば、処置期間にわたる)改善はまた、(同等の期間にわたる処置なしで観察された病的プリオン様タンパク質のレベルと比較した、または同等の対照と比較した)経時的な病的プリオン様タンパク質のゆっくりとした増大、または経時的な病的プリオン様タンパク質レベルの安定化によって示され得る。
病状または症状の(例えば、対象の処置中の)改善を監視するのに適した時間間隔は、当業者によって容易に識別され得、そして監視されることとなる特定のタンパク質ミスフォールディング神経変性障害によって決まることとなる。非限定的な例として、当該方法は、(例えば、パーキンソン病の対象の処置中に)パーキンソン病を監視する場合、少なくとも6ヶ月毎、または少なくとも毎年、または少なくとも隔年で繰り返されてもよい。
対象がタンパク質ミスフォールディング神経変性障害を発症するリスクの判定は、疾患の可能な限り早期の識別に役立つ。
これにより、疾患の進行の初期段階での早期の介入および/または処置の開始が可能となる。また、高リスクの個体(すなわち、疾患を発症する可能性が非常に高い、または可能性がより高い個体)を監視して、処置または予防措置を、最も早い機会に実施できるようにする手段を提供する。この文脈において、本発明者らは、本明細書中に記載される方法を使用して、臨床症状が発生する前であっても、前駆アルファシヌクレイノパチーを首尾よく検出することができることを示した。したがって、本明細書中に記載される方法は、疾患(または疾患のリスク)の初期段階を検出、監視、かつ識別するのに使用することができる。したがって、パーキンソン病等のアルファシヌクレイノパチー患者の早期臨床評価のための、疾患の特徴を検出するより感度の高い手段を提供する。
本明細書中に記載される方法は、対象におけるタンパク質ミスフォールディング神経変性障害を識別もしくは監視する、または対象がタンパク質ミスフォールディング神経変性障害を発症するリスクを判定する新規の手段を提供する。
本明細書中で使用される「タンパク質ミスフォールディング障害」は、あるクラスの障害(プロテイノパチー、プロテオパチー、タンパク質構造障害、またはタンパク質ミスフォールディング疾患としても知られている)を指し、ここで、特定のタンパク質が、構造的に異常となることによって、身体の細胞、組織、および臓器の機能を破壊する。典型的には、当該病的タンパク質は、正常な構成にフォールドせず、このミスフォールド状態において、タンパク質は何らかの方法で毒性になる場合があり(毒性機能の獲得)、または正常な機能を失う場合がある。
本明細書中で使用される「タンパク質ミスフォールディング神経変性障害」は、神経系の、特に脳内のニューロンの変性と関連するタンパク質ミスフォールディング障害のサブセットを指す。この障害群として、パーキンソン病(パーキンソン病認知症を含む)、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、クロイツフェルト・ヤコブ病、アルツハイマー病、タウオパチー(アルツハイマー病、前頭側頭葉変性症、進行性核上性麻痺、および皮質基底核変性症等)、ハンチントン病、運動ニューロン疾患、デンタトパリドルブロルイジアン萎縮症、脊髄小脳失調症、およびその他の多くが挙げられる(Salvadores et al.,2014)。これらのタンパク質ミスフォールディング神経変性障害毎に、特定の病的プリオン様タンパク質が、疾患において中心的な役割を果たすことが確認された。
例えば、アルファシヌクレイノパチーであるタンパク質ミスフォールディング神経変性障害(例えば、パーキンソン病(パーキンソン病認知症を含む)、レビー小体型認知症、および多系統萎縮症)について、病的プリオン様タンパク質は、病的アルファ-シヌクレインであり、これは、ヒトにおいて、NCBI GenBankまたはUniProt(Gene ID:6622;Protein ID:P37840)を使用して識別することができる。
シヌクレイノパチーは、ニューロンおよびグリアの選択的集団内でのアルファ-シヌクレインのフィブリル凝集体の沈着と関連する、一セットの神経変性障害である。当該沈着物は、レビー小体(LB)等のニューロン体細胞内、またはパーキンソン病(PD)もしくはレビー小体型認知症(DLB)等の疾患におけるジストロフィ性神経突起内、または多系統萎縮症(MSA)におけるグリア細胞質封入体内で見出される。パーキンソン病、レビー小体型認知症、および多系統萎縮症等のシヌクレイノパチーは、臨床的に明確に定義されており、それらの詳細は、以下の参考文献内に見出すことができる:DLBについて、McKeith et al.2017;PDについて、Postuma et al.2015;MSAについて、Kim et al.2015。
本明細書で使用される「病的アルファ-シヌクレイン」は、Gallea et al.2014およびTuttle et al.2016に記載されているような、異常な構造コンフォメーションを有するアルファ-シヌクレインタンパク質を指す。
本明細書中の他の場所で説明されているように、病的アルファ-シヌクレインは、ベータ-シートフィブリルに凝集する傾向があり、そして二量体および三量体の形成を開始してから、フィブリルとして沈着し、かつ凝集体として成熟する可溶性オリゴマーおよびプロトフィブリルを形成する場合がある。したがって、病的アルファ-シヌクレインは、アルファ-シヌクレイン凝集体/アルファ-シヌクレイン凝集の存在によって直接検出することができる。当該タンパク質の凝集を検出するいくつかの方法が周知であり、immunoEM、RT-QuIC、およびPMCAが挙げられる。
更なる例として、タンパク質ミスフォールディング神経変性障害がクロイツフェルト・ヤコブ病である場合、病的プリオン様タンパク質は、病的プリオンタンパク質であり、これは、ヒトにおいて、NCBI GenBankまたはUniProt(Gene ID:5621;Protein ID:P04156)を使用して識別することができる。本明細書中で使用される「病的プリオンタンパク質」は、Gallagher-Jones M et al.2018に記載されているような、異常な構造コンフォメーションを有するプリオンタンパク質を指す。病的プリオンタンパク質は、凝集して感染性プリオンを形成する傾向がある自己増殖性コンフォメーションにミスフォールドする。したがって、病的プリオンタンパク質は、プリオンタンパク質凝集体/プリオンタンパク質凝集の存在によって直接検出することができる。当該タンパク質の凝集を検出するいくつかの方法が周知であり、immunoEM、RT-QuIC、およびPMCAが挙げられる。
クロイツフェルト・ヤコブ病は臨床的に明確に定義されており、その詳細は、Zerr et al.2002内に見出すことができる
更なる例として、タンパク質ミスフォールディング神経変性障害がアルツハイマー病である場合、病的プリオン様タンパク質は、病的アミロイドベータであり、これは、ヒトにおいて、NCBI GenBankまたはUniProt(Gene ID:351;Protein ID:P05067)を使用して識別することができる。本明細書で使用される「病的アミロイドベータ」または「Aβ」は、アルツハイマー病患者の脳内に見出されるアミロイド斑の主成分である36~43アミノ酸のペプチドを指す。当該ペプチドは、ベータセクレターゼおよびガンマセクレターゼによって切断されてAβを生成するアミロイド前駆体タンパク質(APP)に由来する。Aβ分子は凝集して、可撓性のある可溶性オリゴマーを形成し、これは、神経細胞に対して毒性がある。アミロイドベータの構造は、Schmidt et al.2015に記載されている。Aβは、Aβ凝集体/Aβ凝集の存在によって直接検出することができる。当該タンパク質の凝集を検出するいくつかの方法が周知であり、immunoEM、RT-QuIC、およびPMCAが挙げられる。
アルツハイマー病は、臨床的に明確に定義されており、その詳細は、Desai et al.2005;McKhann et al.2011;およびDubois et al.2014において見出すことができる。
更なる例として、タンパク質ミスフォールディング神経変性障害がタウオパチー(例えば、アルツハイマー病、前頭側頭葉変性症、進行性核上性麻痺、または皮質基底核変性症)である場合、病的プリオン様タンパク質は、病的タウタンパク質であり、これは、ヒトにおいて、NCBI GenBankまたはUniProt(Gene ID:4137;Protein ID:P10636)を使用して識別することができる。本明細書中で使用される「病的タウタンパク質」は、Fitzpatrick et al.2017に記載されているような、異常な構造コンフォメーションを有するタウタンパク質を指す。病的タウタンパク質は、凝集する傾向がある自己増殖性コンフォメーションにミスフォールドする。したがって、病的タウタンパク質は、タウタンパク質凝集体/タウタンパク質凝集の存在によって直接検出することができる。当該タンパク質の凝集を検出するいくつかの方法が周知であり、immunoEM、RT-QuIC、およびPMCAが挙げられる。
アルツハイマー病、前頭側頭葉変性症、進行性核上性麻痺、または皮質基底核変性症等のタウオパチーは、臨床的に明確に定義されており、その詳細は、例えば、Hoglinger GU et al.2017;Gil et al.,2010(前頭側頭葉変性症について)、およびAlexander et al.,2014(皮質基底核変性症について)において見出すことができる。
更なる例として、タンパク質ミスフォールディング神経変性障害がハンチントン病である場合、病的プリオン様タンパク質は、病的ハンチンチンタンパク質であり、これは、ヒトにおいて、NCBI GenBankまたはUniProt(Gene ID:3064;Protein ID:P42858)を使用して識別することができる。本明細書中で使用される「病的ハンチンチンタンパク質」は、ハンチンチン遺伝子内の不安定な伸長トリヌクレオチドリピートに起因して生成される異常な構造コンフォメーションを有するハンチンチンタンパク質を指し、これは、タンパク質生成物内のポリグルタミンリピートとして翻訳される(Isas et al.,2017に記載)。病的ハンチンチンタンパク質は、凝集する傾向がある自己増殖性コンフォメーションにミスフォールドする。病的ハンチンチンタンパク質は、ハンチンチンタンパク質凝集体/ハンチンチンタンパク質凝集の存在によって直接検出することができる。当該タンパク質の凝集を検出するいくつかの方法が周知であり、immunoEMが挙げられる。
ハンチントン病は、臨床的に明確に定義されており、その詳細は、当業者に周知である(例えば、Pagan et al.,2017を参照)。
更なる例として、タンパク質ミスフォールディング神経変性障害が運動ニューロン疾患である場合、病的プリオン様タンパク質は、病的スーパーオキシドジスムターゼ(SOD1)、c9orf72、およびバロシンからなる群から選択され、これらは、ヒトにおいて、以下のNCBI GenBankまたはUniProt ID番号を使用して識別することができる:SOD1(Gene ID:6647、Protein ID:P00441);c9orf72(Gene ID:203228、Protein ID:Q96LT7);バロシン(Gene ID:7415、Protein ID:P55072)。本明細書中で使用される「病的スーパーオキシドジスムターゼ、c9orf72、およびバロシン」は、以下の参考文献において記載されている異常な構造コンフォメーションを有するスーパーオキシドジスムターゼ、c9orf72、およびバロシンを指す:SOD1:Sangwan et al.2017;c9orf72:Guo et al.2018;およびバロシン:Basso et al.2013。病的スーパーオキシドジスムターゼ、c9orf72、およびバロシンは、凝集する傾向がある自己増殖性コンフォメーションにミスフォールドする。病的スーパーオキシドジスムターゼ、c9orf72、およびバロシンタンパク質は、スーパーオキシドジスムターゼ、c9orf72、およびバロシンタンパク質の凝集体/スーパーオキシドジスムターゼ、c9orf72、およびバロシンタンパク質の凝集の存在によって直接検出することができる。運動ニューロン疾患の他の稀な形態が、当業者に知られている他のプリオン様タンパク質の凝集によって引き起こされる。当該タンパク質の凝集を検出するいくつかの方法が周知であり、immunoEMが挙げられる。
運動ニューロン疾患は、臨床的に明確に定義されており、その詳細は、当業者に周知である(例えば、Traynor et al.,2000を参照)。
更なる例として、タンパク質ミスフォールディング神経変性障害がデンタトパリドルブロルイジアン萎縮症である場合、病的プリオン様タンパク質は、病的アトロフィンタンパク質であり、これは、ヒトにおいて、NCBI GenBankまたはUniProt(Gene ID:1822;Protein ID:P54259)を使用して識別することができる。本明細書中で使用される「病的アトロフィンタンパク質」は、Hinz et al.2012に記載されている異常な構造コンフォメーションを有するアトロフィンタンパク質を指す。病的アトロフィンタンパク質は、凝集する傾向がある自己増殖性コンフォメーションにミスフォールドする。病的アトロフィンタンパク質は、アトロフィンタンパク質凝集体/アトロフィンタンパク質凝集の存在によって直接検出することができる。当該タンパク質の凝集を検出するいくつかの方法が周知であり、immunoEMが挙げられる。
デンタトパリドルブロルイジアン萎縮症は、臨床的に明確に定義されており、その詳細は、当業者に周知である(例えば、Wardle et al.,2009を参照)。
更なる例として、タンパク質ミスフォールディング神経変性障害が脊髄小脳失調症である場合、病的プリオン様タンパク質は、アタキシン-1、アタキシン-2、およびアタキシン-3等の病的アタキシンであり、これらは、ヒトにおいて、NCBI GenBankまたはUniprot(アタキシン1について(Gene ID:6310、Protein ID:P54253);アタキシン2について(Gene ID:6311、Protein ID:Q99700);アタキシン3について(Gene ID:4287、Protein ID:P54252))を使用して識別することができる。本明細書中で使用される「病的アタキシン」は、Ruggeri et al.2015に記載されている異常な構造コンフォメーションを有するアタキシンタンパク質を指す。病的アタキシンタンパク質は、凝集する傾向がある自己増殖性コンフォメーションにミスフォールドする。病的アタキシンタンパク質は、アタキシンタンパク質凝集体/アタキシンタンパク質凝集の存在によって直接検出することができる。当該タンパク質の凝集を検出するいくつかの方法が周知であり、immunoEMが挙げられる。
脊髄小脳失調症は、臨床的に明確に定義されており、その詳細は、当業者に周知である(例えば、van de Warrenburg et al.,2014を参照)。
本明細書で使用される用語「対象」は、哺乳動物を指す。したがって、対象は、例えば、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、モルモット等を指す。対象は、ヒトであってもよい。対象がヒトである場合、対象は、本明細書中で患者と呼ぶ場合がある。用語「対象」、「個体」、および「患者」は、本明細書中で互換的に使用される。
対象は、症候性であってもよいし(例えば、対象は、タンパク質ミスフォールディング神経変性障害と関連する症状を示す)、対象は、無症候性であってもよい(例えば、対象は、タンパク質ミスフォールディング神経変性障害と関連する症状を示さないが、当該障害と関連する軽度の生化学的変化を示す場合がある)。
対象は、タンパク質ミスフォールディング神経変性障害の症状があると診断される場合もあるし、これを発症するリスクがある場合もあるし、この症状を示す場合もある。
対象は、本明細書中に記載されるタンパク質ミスフォールディング神経変性障害を患っている場合もあるし、患っている疑いがある場合もある(例えば、症状もしくは病歴を示す、またはこれらが示唆的である)。
したがって、一部の例において、対象は、タンパク質ミスフォールディング神経変性障害を患っている。特定の例において、対象は、初期段階のタンパク質ミスフォールディング神経変性障害を患っている。疾患の初期段階の例として、対象がタンパク質ミスフォールディング神経変性障害の前駆段階にある場合があり、ここでは疾患の初期症状はあるが、疾患の診断に十分な症状はまだ現れていない。
上述のように、これらの障害はそれぞれ、臨床的に明確に定義されているので、臨床診断のための、または各障害と関連するリスク因子および症状(初期症状を含む)を識別するための少なくとも1つの手段が、当業者に周知である。
本明細書中に記載される方法は、対象由来の細胞外小胞サンプルを提供、取得、アッセイ、かつ/または分析する工程を含む。
細胞外小胞(EV)サンプルは、対象の適切なあらゆる生体サンプルから得ることができる。本明細書中に記載される方法は、(例えば、生検、血液サンプルの取出し、尿または唾液のサンプリング等によって)対象から生体サンプルを得る工程を含んでよい。対象から生体サンプル(例えば、血液サンプル)を得る方法は周知であり、例えば、瀉血に使用される確立された技術が挙げられる。
一般的に、記載される方法は、対象から既に得られているサンプルを使用して実行されるインビトロ方法である(すなわち、サンプルは、当該方法のために提供され、対象からサンプルを得るために実行される工程は、当該方法の一部として含まれない)。
本明細書中で使用される「生体サンプル」または「サンプル」は、対象から得られる、または対象に由来するサンプルを指す。本明細書中に記載される目的のために、サンプルは、組織サンプル(例えば、脳生検等の生検)であってもよいし、液体サンプルであってもよい。適切なサンプルとして、脳脊髄液(CSF)、血液(全血、またはその成分、例えば、血漿、血清、血小板、バフィーコート、もしくはそれらの組合せ)、脳組織ホモジェネート、尿、唾液、または上記のあらゆる組合せが挙げられる。なお、これらのサンプルはそれぞれ、タンパク質ミスフォールディング神経変性障害を検出するのに有用な、または潜在的に有用なサンプルとして示されてきた(例えば;Loov et al.,2016;Mollenhauer et al.,2011;Danzer et al.,2012;およびLuk et al.,2016参照)。対象からこれらのサンプルをそれぞれ得る(または、例えば、血漿、血小板、血清、バフィーコート等の血液成分を全血から単離する)方法は、当該技術分野において周知であり、本明細書中で言及される適切な生体サンプルを得るのにルーチンで使用することができる。
本明細書中に記載される方法は、対象の生体サンプルから得られる細胞外小胞(EV)サンプルの使用に関する。当該方法は、生体サンプルから細胞外小胞サンプルを得る工程を含んでよい。これ以外にも、当該方法は、当該方法に用意されるEVサンプルに実行されてもよく、当該方法の工程それ自体は、生体サンプルから細胞外小胞を得る(例えば、精製、単離、または富化する)工程を含まない。
EVサンプルは、当該技術分野において知られているEVを得る適切な方法のいずれか1つまたは複数によって(方法の一部として、または方法を開始する前に)得られてもよい。EVサンプルを得るのに適した方法の例が、Lobb et al.,2015;およびBoing et al.,2014において要約されている。そこで記載されている適切な方法として、分画遠心分離、密度勾配超遠心分離、およびサイズ排除クロマトグラフィが挙げられる。
したがって、一例において、本明細書中に記載される方法は、以下の工程を含む:
i)対象由来の生体サンプルを用意する工程;および
ii)サイズ排除クロマトグラフィを使用して、生体サンプルから細胞外小胞サンプルを得る工程。次に、細胞外小胞サンプルを、本明細書中の他の場所に記載されているように、病的プリオン様タンパク質の存在についてアッセイする。
本発明者らは、有利には、サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)を使用して、脳組織ホモジェネート、CSF、血漿、または血小板サンプル等の適切な生体サンプルから、EVサンプルを得ることができることを確認した。サイズ排除クロマトグラフィは、EVを単離する最も広く使用されている方法である分画遠心分離および密度勾配超遠心分離に勝る、いくつかの利点がある。Boing et al.,2014において考察されているように、SECでは、タンパク質複合体が形成されたり小胞が凝集するリスクがない。さらに、血漿の高粘度は、分画遠心分離によって単離される小胞の回収に影響を与えるが、SECによる小胞の回収には影響を与えない。密度勾配超遠心分離と比較して、SECは、生理学的浸透圧および生理学的粘度を有するバッファーと適合し、小胞の生物学的特性は、SECによる分離後も影響を受けていないように思われる。さらに、SECは、コレステロール等の、密度が重複する夾雑物の分離を可能にする(これは、密度勾配超遠心分離を使用して可能ではない)。
SECは、サイズに基づいて材料を分離する。例えば、細孔の直径が約75nmであり(Boing et al.,2014にレビュー)、ビーズを通るパスが曲がりくねっている、カラム内のセファロースビーズを使用してもよい。パスの長さが長くなることに起因して、ビーズに入ることができる粒子は、遅くなる。理論的には、細孔径よりも大きい(例えば、この例では75nmよりも大きい)粒子は全て、ビーズに入ることができず、空隙容量流体と共に移動するだけである。この細孔サイズのセファロース(例えば、Sepharose CL-2B)を使用して、当該方法は、(EMによって確認して)直径が70nm以上のEVを、サンプル中のより小さな夾雑物から分離するのに使用することができることが確認された。細孔がより小さなビーズを使用して、より小さなサイズの小胞を単離してもよい(ただし、夾雑の増大が付随する可能性がある)。したがって、ビーズの細孔サイズ(ならびにカラムの高さ、カラムの直径、およびサンプルの容量)は、必要とされる具体的な目的に合わせて調整/最適化されてよい。
サイズ排除クロマトグラフィの適切なあらゆる方法論を使用して、本明細書中に記載されるEVサンプルを得ることができる。適切な方法論の詳細を、非限定的な例として以下に記載する。
注目する生体サンプル(例えば、CSF、血漿、血小板)は、フレッシュであっても、冷蔵されていても、凍結されていてもよい。凍結されている場合、生体サンプルは、サイズ排除クロマトグラフィの前に、例えば氷上で、解凍されてもよい。
生体サンプルが組織サンプル(フレッシュ、冷蔵、凍結、または解凍)であれば、サイズ排除クロマトグラフィの前にホモジェナイズされてもよい。ホモジェナイゼーションに適したプロトコルの詳細が、以下の実施例のセクションに記載されている。
生体サンプルは、サイズ排除クロマトグラフィの前に、(例えば、サンプル中の物質が溶液中に入る、または溶液内に留まるように促すために)ボルテックスされてもよい。
生体サンプルは、遠心分離によってプレクリアリングされてよく、例えば、CSFについて、プレクリアリングは、1500g、3000g、および10,000gの3つの連続工程を含み、各工程の長さは、典型的に10分であり;血漿について、プレクリアリングは、1500g、3000g、および3000gの3つの連続工程を含み、各工程の長さは、典型的に10分である。各工程後、上清(液体部分)が保持されて、次の工程に使用される。
典型的な市販のSECカラムは、最大または最適な液体ローディング容量を有する。プレクリアリングされた生体サンプル(すなわち、プレクリアリング工程の最後に存在する上清)は、容量が、SECカラムの最大または最適ローディング容量よりも大きければ、サンプルは、最適または最大ローディング容量が得られるまで、適切なあらゆる手段(例えば、VivaSpin遠心濃縮器(Sartorius))を使用して濃縮されてもよい。例えば、発明者らは、約500μlのサンプルをSECカラム上にロードした。したがって、500μlを超える、プレクリアリングされたサンプルが入手可能であった場合には、本発明者らは、SECカラム上にロードする前に、VivaSpin遠心濃縮器(Sartorius)を使用して、サンプルを約500μlに濃縮した。
次に、プレクリアリングされた(かつ、場合によっては濃縮された)サンプルは、メーカーの説明書に従って、適切なSECカラム上にロードされてもよい。適切なあらゆるSECカラムが使用されてよい。例として、本明細書中でCSFサンプルおよび血漿サンプルに使用されるqEV(Izon Science)標準500μl SECカラムについて、本発明者らは、各500μlのプレクリアリングされたサンプルを別々のカラム上にロードして、PBSを使用して溶出した。メーカーの説明書に従えば、最初の6x500μl画分(合計3mlの画分として収集)は空隙容量であり、EVは、画分7、8、および9内に含有されている。この例では、3つのEV画分は全て、1本のチューブに収集されてもよい。
EVサンプルは、場合によっては、SECの後に濃縮されてもよい。EVサンプルを濃縮するのに適したあらゆる方法論が使用されてよい。非限定的な例として、本発明者らは、VivaSpin2(Sartorius)を使用して、(約1500μlの)EV画分を500μlに濃縮した。
EVサンプルは、直ぐにアッセイ(または分析)されてもよいし、適切な方法で保存されてもよく、例えば、-80℃にて凍結保存されてもよい。
本明細書中の他の場所に記載されているように、EVサンプルは、生体サンプルから得られる。これは、EVが富化された(すなわち、EVの濃度が、生成元の生体サンプル(例えば、CSF、血液、尿、血漿)中のEVの濃度と比較して、より高い)プロセシング済みサンプルである。この文脈において、「富化された」または「富化」は、生体サンプル内に含有されるEVの割合が、サンプルの他の成分と比較して増大しているサンプルまたはプロセスを指す。富化は、サンプルのプロセシング前後のEVの数を比較することによって測定されてもよく、サンプルの他の成分と比較したEVの相対数のあらゆる増大が、富化とみなされる。富化および/または純度は、EVサンプルが生成された生体サンプル(例えば、プロセシング未処理のサンプル、またはプレクリアリングされたサンプル)と比較して、濃度換算で測定されてもよく、EVの濃度は、生体サンプル(例えば、プロセシング未処理のサンプル、またはプレクリアリングされたサンプル)中のEVの濃度よりも、少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%以上高い。富化および/または純度は、EV分子数換算で測定されてもよく、サンプルは、EVサンプルが生成された生体サンプル(例えば、プロセシング未処理のサンプル、またはプレクリアリングされたサンプル)と比較して、EV中に、約、または少なくとも約2x、3x、4x、5x、10x、15x、20x、25x、30x、35x、40x、45x、50x、55x、60x、65x、70x、75x、80x、85x、90x、95x、100x、110x、120x、130x、140x、150x、160x、170x、180x、190x、200x、210x、220x、230x、240x、250x、260x、270x、280x、290x、300x、325x、350x、375x、400x、425x、450x、475x、500x、525x、550x、575x、600x、625x、650x、675x、700x、725x、750x、775x、800x、825x、850x、875x、900x、925x、950x、975x、1000x、1100x、1200x、1300x、1400x、1500x、1600x、1700x、1800x、1900x、2000x(倍と同じ)、そしてそれらの中で導き出せる全て範囲で、富化される。
富化のレベルは、EMおよび調整可能な抵抗パルスセンシング(TRPS)を使用して求めることができる。
EVサンプル(言い換えると、EVが富化されたサンプル)は、100%純粋な細胞外小胞である必要はない。
好ましくは、EVサンプルは、最小量の夾雑細胞内容物または夾雑細胞外内容物(例えば、EVと結合していない細胞または細胞外のタンパク質、脂質、炭水化物、リポタンパク質)を有する。言い換えると、EVサンプルは、主にEVで構成され得る。この文脈では、「最小量」は、10%(濃度)未満の夾雑物、5%(濃度)未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、0.25%未満、0.1%未満等の夾雑物を含んでもよい。夾雑レベルは、0%である必要はない。夾雑レベルは、EMを使用して求めることができる。
EVサンプルは、実質的に純粋なEVを含有する単離されたサンプルであってもよい。単離されたサンプルは、あらゆるEV含有生体サンプルから単離されてもよい。実質的に純粋なEVを含有する単離されたサンプルを指す場合の用語「実質的に純粋な」または「実質的な純粋」は、集団内のEVのパーセンテージが、(例えば、対象の組織または血流内で)EVサンプルが生成された生体サンプル(例えば、プロセシング未処理のサンプル、またはプレクリアリングされたサンプル)内で見出されるものよりも大幅に高いことを意味する。典型的には、実質的に純粋なEVを含有する単離されたサンプル中のEVのパーセンテージは、総サンプルの少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約60%、70%、75%、より好ましくは少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%である。
細胞外小胞は、当該技術分野において明確に特徴付けられており、そして明確に定義された意味を有する(Andaloussi et al.,2013にレビュー)。細胞外小胞は、いくつかの体液から単離されてきた。細胞外小胞は、幹細胞の維持、免疫監視、および血液凝固が挙げられる生理学的プロセスの調節において、重要な役割を果たすことが示されてきた。また、細胞外小胞は、いくつかの疾患の基礎となる病理において、重要な役割を果たすことが示されてきた。
シナプス小胞とは対照的に、細胞外小胞は、ニューロンから無傷で放出されて、エンドソームに由来する多胞体(MVB)から落とされ(shed)得、または原形質膜から直接芽を出し(bud out)得る。細胞外空間に放出されると、内細胞膜から形成されたか外細胞膜から形成されたかに応じて、エキソソームまたはエクトソーム(または微小胞)と呼ばれ、そしてエンドサイトーシスまたは融合を介して他の細胞によって取り込まれる。
細胞外小胞は、その細胞起源、生物学的機能に従って、またはその生合成に基づいて分類される(Andaloussi et al.,2013にレビュー)。生合成によって決定される細胞外小胞の3つの主要なクラスは、エキソソーム、微小胞、およびアポトーシス小体であり、最初の2つは、生体サンプル内(故に、それに由来するEVサンプル内)で最も支配的である。EVマーカーが、当該技術分野において周知である。エキソソームマーカーの例として、テトラスパニン(TSPAN29およびTSPAN30等)、ESCRTコンポーネント、PDCD6IP、TSG101、フロチリン、およびMFGE8が挙げられる。微小胞マーカーの例として、インテグリン、セレクチン、およびCD40リガンドが挙げられる。
最近の進歩にもかかわらず、用語「エキソソーム」および「微小胞」は、公開されている多くの研究中で、互換的に使用されてきた。本明細書では、用語「細胞外小胞」が、双方の小胞タイプを指すのに使用されている。
本明細書中に記載される方法は、病的プリオン様タンパク質の存在について、対象由来の細胞外小胞サンプルをアッセイする工程を含む。
病的プリオン様タンパク質を検出するのに使用されるアッセイは、そのような検出に適した、当業者に知られているあらゆる種類のものであってよい。適切には、病的プリオン様タンパク質を検出するのに使用されるアッセイは、(例えば、プリオン様タンパク質の凝集速度を経時的に測定することによって、または、サンプル中の凝集したプリオン様タンパク質の存在を判定することによって、もしくはその量を測定することによって)プリオン様タンパク質の凝集を検出することができる。当該アッセイは、(例えば、プリオン様タンパク質の凝集速度の経時的測定によって、または、サンプル中の凝集したプリオン様タンパク質の存在の判定、もしくはその量の測定によって)検出された病的プリオン様タンパク質の、参照レベルとの比較を可能にし得る。参照レベルは、対照サンプルから得られてもよいし、所定の参照レベルであってもよい。対照サンプルまたは所定の参照レベルは、(当該方法が機能していることを確認するための)陽性対照または所定の陽性参照レベルであってもよいし、(陰性対象または所定の陰性参照レベルを超える/上回る病的プリオン様タンパク質のあらゆる陽性シグナルまたは検出が、対象のEVサンプル中の病的プリオン様タンパク質の存在を示すような)陰性対象または所定の陰性参照レベルであってもよい。
immunoEM、RT‐QuIC、およびPMCAが挙げられるがこれらに限定されない、適切な種々のアッセイタイプが当業者に知られている。これらのアッセイのそれぞれについての詳細な方法論が、Fairfoul et al.,2016およびAtarashi et al.,2011(RT-QuICについて);ならびにHerva et al.,2014、Gonzalez-Montalban et al.,2011、およびSalvadore et al.,2014(PMCAについて)からわかるように、当該技術分野において十分に確立されている。
特定の例において、Fairfoul et al.,2016のRT-QuIC法を使用して、本明細書中に記載されるEVサンプル中の病的プリオン様タンパク質の存在について、特にEVサンプル(CSF、脳組織ホモジェネート、血漿、血清、血小板、またはバフィーコートから選択される生体サンプルから得られるEVサンプル等)中の病的アルファ-シヌクレインの存在についてアッセイする。
上記のアッセイ(ならびに、特に先で参照した論文に記載されているRT-QuIC法およびPMCA法)は、対象のEVサンプル中のアルファ-シヌクレイン以外の病的プリオン様タンパク質の存在を判定して、対応するタンパク質ミスフォールディング神経変性障害(すなわち、測定される病的プリオン様タンパク質の存在と対応するタンパク質ミスフォールディング神経変性障害)を発症する等のリスクを識別、監視、判定するするように適合されてもよい。異なる病的プリオン様タンパク質(およびその対応するタンパク質ミスフォールディング神経変性障害)の例が、先で詳細に説明されている。
したがって、タンパク質ミスフォールディング神経変性障害を患っている疑いがある、またはタンパク質ミスフォールディング神経変性障害の発症リスクが高い対象において、病的プリオン様タンパク質の存在を判定するインビトロ方法も提供され、当該方法は、以下の工程を含む:
(a)対象から細胞外小胞サンプルを用意する工程;および
(b)細胞外小胞サンプル中の病的プリオン様タンパク質の存在を判定する工程。
病的プリオン様タンパク質の存在は、先で詳細に説明されるアッセイのいずれかを使用して判定することができる。
細胞外小胞サンプルは、先で詳細に説明される方法のいずれかを使用して用意または取得することができる。
適切な対象、専門用語、および特徴の順列または組合せが、先で詳細に説明されてきた。
疾患がある対象について処置を選択する方法も提供され、当該方法は、対象由来の細胞外小胞サンプル中の病的プリオン様タンパク質の存在を判定する工程を含み、病的プリオン様タンパク質の存在は、対象がタンパク質ミスフォールディング神経変性障害用の処置から利益を得ることとなることを示す。
当該方法は、インビトロ方法であってもよい。
病的プリオン様タンパク質の存在は、先で詳細に説明されるアッセイのいずれかを使用して判定することができる。
細胞外小胞サンプルは、先で詳細に説明される方法のいずれかを使用して用意または取得することができる。
適切な対象、専門用語、および特徴の順列または組合せが、先で詳細に説明されてきた。
当該方法はさらに、病的プリオン様タンパク質が、対象由来のEVサンプル中に存在するならば、タンパク質ミスフォールディング神経変性障害用の処置を対象に施す工程を含んでもよい。
処置のタイプは、存在する特定の病的プリオン様タンパク質(故に、対象の対応する、すなわち、対象が患っている、患っている疑いがある、発症するリスクがある、または発症するリスクがある疑いがあるタンパク質ミスフォールディング神経変性障害)に応じて変わることとなる。
例えば、病的アルファ-シヌクレインタンパク質が存在すると判定され、そして対象が、アルファシヌクレイノパチー、例えば、パーキンソン病、レビー小体型認知症、または多系統萎縮症を患っている、患っている疑いがある、患うリスクがある、または患うリスクがある疑いがあれば、当該対象は、例えばコリンエステラーゼ阻害剤(DLBについて);レボドパ(PDについて)による処置から利益を得ることができる。したがって、当該方法は、コリンエステラーゼ阻害剤(DLBについて);レボドパ(PDについて)を対象に投与する工程を含んでよい。
更なる例として、病的プリオン様タンパク質が存在すると判定され、そして対象が、クロイツフェルト・ヤコブ病を患っている、患っている疑いがある、患うリスクがある、または患うリスクがある疑いがあれば、当該対象は、示される症状を軽減する化合物による処置/示される症状を軽減する処置から利益を得ることができる。したがって、当該方法は、適切な処置化合物を対象に投与する工程を含んでよい。適切な化合物が、当業者に周知であり、そして対象の具体的な症状によって決まる。
更なる例として、病的アミロイドベータタンパク質が存在すると判定され、そして対象が、アルツハイマー病を患っている、患っている疑いがある、患うリスクがある、または患うリスクがある疑いがあれば、当該対象は、コリンエステラーゼ阻害剤による処置から利益を得ることができる。したがって、当該方法は、コリンエステラーゼ阻害剤を対象に投与する工程を含んでよい。
更なる例として、病的タウタンパク質が存在すると判定され、そして対象が、タウオパチー(例えば、アルツハイマー病、前頭側頭葉変性症、進行性核上性麻痺、または皮質基底核変性症)を患っている、患っている疑いがある、患うリスクがある、または患うリスクがある疑いがあれば、対象は、示される症状を緩和する化合物/レジメン(例えば、抗鬱薬または選択的セロトニン再取込み阻害剤(行動症状を処置する)、コリンエステラーゼ阻害剤(精神能力を向上させる)、またはレボドパ(動きに関連する疾患症状について))による処置から利益を得ることができる。したがって、当該方法は、これらの適切な処置のいずれか1つまたは複数を対象に施す工程を含んでよい。他の適切な処置が、当業者に周知であり、そして対象の具体的な症状によって決まる。
更なる例として、病的ハンチンチンタンパク質が存在すると判定され、そして対象は、ハンチントン病を患っている、患っている疑いがある、患うリスクがある、または患うリスクがある疑いがあれば、対象は、示される症状を緩和する化合物/レジメン(例えば、適切な処置として、運動障害を軽減する薬物(例えばテトラベナジン);精神症状を緩和する抗鬱薬、抗精神病薬、および気分安定薬)による処置から利益を得ることができる。したがって、当該方法は、上述の適切な処置のいずれか1つまたは複数を対象に施す工程を含んでよい。他の適切な処置が、当業者に周知であり、そして対象の具体的な症状によって決まる。
更なる例として、病的スーパーオキシドジスムターゼ、c9orf72、またはバロシンタンパク質、および運動ニューロン疾患と関連する他のプリオン様タンパク質が存在すると判定され、そして対象は、運動ニューロン疾患を患っている、患っている疑いがある、患うリスクがある、または患うリスクがある疑いがあれば、対象は、示される症状を緩和する化合物/レジメン(例えば、リルゾールおよびラディカバ(FDA承認薬);または症状を緩和する他の薬物、例えば、抗鬱薬、非ステロイド性抗炎症薬)による処置から利益を得ることができる。したがって、当該方法は、上述の適切な処置の1つまたは複数を対象に施す工程を含んでよい。他の適切な処置が、当業者に周知であり、そして対象の具体的な症状によって決まる。
更なる例として、病的アトロフィンタンパク質が存在すると判定され、そして対象が、デンタトパリドルブロルイジアン萎縮症を患っている、患っている疑いがある、患うリスクがある、または患うリスクがある疑いがあれば、対象は、示される症状を緩和する化合物/レジメン(例えば、抗てんかん薬、向精神薬、またはリルゾール)による処置から利益を得ることができる。したがって、当該方法は、上述の適切な処置の1つまたは複数を対象に施す工程を含んでよい。他の適切な処置が、当業者に周知であり、そして対象の具体的な症状によって決まる。
更なる例として、病的アタキシンタンパク質(アタキシン-1、アタキシン-2、アタキシン-3等)が存在すると判定され、そして対象が、脊髄小脳失調症を患っている、患っている疑いがある、患うリスクがある、または患うリスクがある疑いがあれば、対象は、示される症状を緩和する化合物/レジメン(例えば、理学療法、またはリルゾール)による処置から利益を得ることができる。したがって、当該方法は、上述の適切な処置の1つまたは複数を対象に施す工程を含んでよい。他の適切な処置が、当業者に周知であり、そして対象の具体的な症状によって決まる。
また、対象におけるタンパク質ミスフォールディング神経変性障害の識別もしくは監視のための、または対象におけるタンパク質ミスフォールディング神経変性障害の発症リスクを判定するためのインビトロ細胞外小胞サンプルの使用が提供される。
適切な対象、専門用語、および特徴の順列または組合せが、先で詳細に説明されてきた。
また、タンパク質ミスフォールディング神経変性障害用の処置レジメンの治療効果を判定するインビトロ方法が提供され、当該方法は、以下の工程を含む:
a)病的プリオン様タンパク質の存在について、対象由来の細胞外小胞サンプルをアッセイする工程;
b)処置後に対象から得られる細胞外小胞サンプルを使用して、工程a)を、ある時間間隔で(for a time interval)繰り返す工程;および
c)工程a)において判定された病的プリオン様タンパク質のレベルを、工程b)において判定されたレベルと比較して、処置後に病的プリオン様タンパク質のレベルが低下していれば、処置レジメンが治療効果を有すると確認する工程。
適切な対象、処置、専門用語、および特徴の順列または組合せが、先で詳細に説明されてきた。
また、タンパク質ミスフォールディング神経変性障害用の所定の処置レジメンの、対象の遵守または厳守(adherence)を判定するインビトロ方法が提供され、当該方法は、以下の工程を含む:
a)病的プリオン様タンパク質の存在について、対象由来の細胞外小胞サンプルをアッセイする工程;
b)処置レジメンの所定の開始後に対象から得られる細胞外小胞サンプルを使用して、工程a)を繰り返す工程;および
c)工程a)において判定された病的プリオン様タンパク質のレベルを、工程b)において判定されたレベルと比較して、処置後に病的プリオン様タンパク質のレベルが低下していれば、対象は所定の治療レジメンを順守または厳守してきたと確認する工程。
適切な対象、処置、専門用語、および特徴の順列または組合せが、先で詳細に説明されてきた。
本発明者らはまた、PD患者またはDLB患者のCSFサンプルから得られるEVが、対照と比較して、大きな脂質変化を示すことを確認した。当該データは、患者のEV中の大きな脂質変化が、病状に重要であることを示唆している。特定の理論に拘束されないが、当該脂質変化は、本明細書中に記載される病的アルファ-シヌクレインを検出する方法の高い感度および特異性の一部を構成すると思われる。というのも、アルファ-シヌクレイン凝集アッセイは、双方の改変(セラミドおよびシヌクレインフォールディング)に応答し得るからである。病状におけるセラミドの変化は、非常に重要であり、患者の脳組織において観察される変化と類似する(PD患者およびDLB患者の双方について;データ未発表)。有利には、脂質組成の変化は、特にアルファシヌクレイノパチーに関して、より具体的にはPDおよび/またはDLBに関して、疾患(または疾患のリスク)を検出、監視、かつ識別するためのバイオマーカーとして使用することができる。
したがって、対象においてアルファシヌクレイノパチーを識別または監視するインビトロ方法が提供され、当該方法は、以下の工程を含む:
a)対象の細胞外小胞サンプル中の、Cer 32:1、Cer 33:1、Cer 34:1、Cer 34:2、Cer 37:1、Cer 38:1、Cer 38:2、Cer 39:1、Cer 39:2、Cer 40:1、Cer 40:2、Cer 41:1、Cer 41:2、Cer 40:1(OH)、およびCer 40:2(OH)からなる群から選択される少なくとも1つのセラミド種の量を評価する工程;ならびに
b)少なくとも1つのセラミド種の評価量を、少なくとも1つのセラミド種についての参照値と比較する工程;
ここで、少なくとも1つのセラミド種についての参照値よりも大きい少なくとも1つのセラミド種の評価量が、アルファシヌクレイノパチーを示す。
また、対象がアルファシヌクレイノパチーを発症するリスクを判定するインビトロ方法が提供され、以下の工程を含む:
a)対象の細胞外小胞サンプル中の、Cer 32:1、Cer 33:1、Cer 34:1、Cer 34:2、Cer 37:1、Cer 38:1、Cer 38:2、Cer 39:1、Cer 39:2、Cer 40:1、Cer 40:2、Cer 41:1、Cer 41:2、Cer 40:1(OH)、およびCer 40:2(OH)からなる群から選択される少なくとも1つのセラミド種の量を評価する工程;
b)少なくとも1つのセラミド種の評価量を、少なくとも1つのセラミド種についての参照値と比較する工程;
ここで、少なくとも1つのセラミド種についての参照値よりも大きい少なくとも1つのセラミド種の評価量が、対象がアルファシヌクレイノパチーを発症するリスクが高いことを示す。
本明細書中の他の場所で説明されているように、アルファシヌクレイノパチーは、パーキンソン病(パーキンソン病認知症を含む)、レビー小体型認知症、および多系統萎縮症からなる群から選択されてよい。特に、アルファシヌクレイノパチーは、パーキンソン病であってもレビー小体型認知症であってもよい。
本明細書中の他の場所で説明されているように、当該方法はさらに、以下の工程を含んでもよい:
i)対象由来の生体サンプルを用意する工程;および
ii)サイズ排除クロマトグラフィを使用して、生体サンプルから細胞外小胞サンプルを得る工程。
適切な対象、細胞外小胞サンプル、生体サンプル、細胞外小胞サンプルを得る方法、専門用語、および特徴の組合せまたは順列が、本明細書中の他の場所で説明されており、そして本明細書中に記載されるセラミド態様に等しくあてはまる。
上記のセラミド種の少なくとも1つの量を評価するのに適した方法が、当該技術分野において周知である。非限定的な例として、以下の実施例のセクションで使用される方法が挙げられる;すなわち、例えば、高解像度のThermo Orbitrap Exactiveシステムをポジティブイオンモードおよびネガティブイオンモードで使用する(例えば、C18カラムおよびHILICカラムを使用する)、液体クロマトグラフィ質量分析(LC-MS)。他の適切な方法が、当業者に周知である。
少なくとも1つのセラミド種の評価量は、同セラミド種についての参照値と比較される。例えば、Cer 32:1およびCer 33:1の量が、当該方法の工程a)において評価されれば、当該方法の工程b)は、工程a)由来のCer 32:1の量を、Cer 32:1についての参照値と比較し;そして工程a)由来のCer 33:1の量を、Cer 33:1についての参照値と比較する等の工程を含む。
当該方法は、比較工程(工程b))の間、工程a)における評価量が、対応する参照値よりも大きい場合に、対象におけるアルファシヌクレイノパチーを示す。
当該方法は、上記のセラミド種の少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14種、または15種全ての量を評価してもよい。
複数のセラミド種が、当該方法内で評価されてもよい。この例では、試験したセラミド種の少なくとも1つ(場合によっては全て)の量が、これらのセラミド種についての参照値よりも大きければ、アルファシヌクレイノパチー(または対象がアルファシヌクレイノパチーを発症する高いリスク)を示す。例として、上記のセラミド種の少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14種、または15種全ての量が、これらのセラミド種についての参照値よりも大きければ、アルファシヌクレイノパチー(または対象がアルファシヌクレイノパチーを発症する高いリスク)を示す。
参照値は、対照サンプルから得られてもよいし、所定の参照値であってもよい。
本明細書中で使用される「対照サンプル」は、病的プリオン様タンパク質がないサンプル、例えば、タンパク質ミスフォールディング神経変性障害を患っていない、もしくは患っている疑いがない健康な対象由来のサンプル、または代わりに、生体試験サンプルが得られるのと同じ対象由来のサンプル、例えば、あらゆる臨床症状、もしくはタンパク質ミスフォールディング神経変性障害を発症するリスク因子の前に得られるサンプルを指す。他の適切な対照サンプルが、当業者によって容易に識別され得る。
本明細書で使用される「所定の参照値」は、参照データベースから構成されてよい参照レベル(所定のカットオフ値を生じさせるのに使用されてもよい)を指し、すなわち、症状もしくは疾患、またはその欠如を統計的に予測する診断スコアであってもよいし、標準的な母集団サンプルに基づいた所定の参照レベルであってもよいし、代わりに、対象のベースライン発現レベルに基づいた所定の参照レベルであってもよく、すなわち、あらゆる臨床症状、またはタンパク質ミスフォールディング神経変性障害を発症するリスク因子の前のものである。適切な所定の参照値が、当業者によって容易に識別され得る。
適切な対象、細胞外小胞サンプル、生体サンプル、細胞外小胞サンプルを得る方法、セラミド種の量を評価する方法、分析のためのセラミド種の組合せ、参照レベル、専門用語、および特徴の組合せまたは順列が、本明細書中の他の場所で説明されており、そしてこの態様に等しくあてはまる。
また、アルファシヌクレイノパチーを患っている疑いがある、またはアルファシヌクレイノパチーの発症リスクが高い対象において、Cer 32:1、Cer 33:1、Cer 34:1、Cer 34:2、Cer37:1、Cer 38:1、Cer 38:2、Cer 39:1、Cer 39:2、Cer 40:1、Cer 40:2、Cer 41:1、Cer 41:2、Cer 40:1(OH)、およびCer 40:2(OH)からなる群から選択される少なくとも1つのセラミド種の量を評価するインビトロ方法が提供され、当該方法は、以下の工程を含む:
(a)対象から細胞外小胞サンプルを用意する工程;および
(b)細胞外小胞サンプル中の、Cer 32:1、Cer 33:1、Cer 34:1、Cer 34:2、Cer 37:1、Cer 38:1、Cer 38:2、Cer 39:1、Cer 39:2、Cer 40:1、Cer 40:2、Cer 41:1、Cer 41:2、Cer 40:1(OH)、およびCer 40:2(OH)からなる群から選択される少なくとも1つのセラミド種の量を評価する工程。
少なくとも1つのセラミド種の量は、先で詳細に説明されるアッセイのいずれかを使用して求めることができる。
細胞外小胞サンプルは、先で詳細に説明される方法のいずれかを使用して用意または取得することができる。
適切な対象、専門用語、および特徴の順列または組合せが、先で詳細に説明されてきた。
また、疾患がある対象について処置を選択する方法が提供され、当該方法は、以下の工程を含む:
a)対象の細胞外小胞サンプル中の、Cer 32:1、Cer 33:1、Cer 34:1、Cer 34:2、Cer 37:1、Cer 38:1、Cer 38:2、Cer 39:1、Cer 39:2、Cer 40:1、Cer 40:2、Cer 41:1、Cer 41:2、Cer 40:1(OH)、およびCer 40:2(OH)からなる群から選択される少なくとも1つのセラミド種の量を評価する工程;
b)少なくとも1つのセラミド種の評価量を、少なくとも1つのセラミド種についての参照値と比較する工程;
ここで、少なくとも1つのセラミド種についての参照値よりも大きい少なくとも1つのセラミド種の評価量が、対象がアルファシヌクレイノパチー用の処置から利益を得ることとなることを示す。
当該方法は、インビトロ方法であってもよい。
少なくとも1つのセラミド種の量は、先で詳細に説明されるアッセイのいずれかを使用して求めることができる。
細胞外小胞サンプルは、先で詳細に説明される方法のいずれかを使用して用意または取得することができる。
適切な対象、専門用語、および特徴の順列または組合せが、先で詳細に説明されてきた。
当該方法はさらに、対象由来のEVサンプル中の少なくとも1つのセラミド種の量が、少なくとも1つのセラミド種についての参照値よりも大きければ、アルファシヌクレイノパチーの処置を対象に施す工程を含んでもよい。
例えば、病的アルファ-シヌクレインタンパク質が存在すると判定され、そして対象が、アルファシヌクレイノパチー、例えば、パーキンソン病、レビー小体型認知症、および多系統萎縮症を患っている、患っている疑いがある、患うリスクがある、または患うリスクがある疑いがあれば、当該対象は、コリンエステラーゼ阻害剤(DLBについて)またはレボドパ(PDについて)による処置から利益を得ることができる。したがって、当該方法は、コリンエステラーゼ阻害剤(DLBについて)またはレボドパ(PDについて)を対象に投与する工程を含んでよい。
適切な対象、細胞外小胞サンプル、生体サンプル、細胞外小胞サンプルを得る方法、専門用語、および特徴の組合せまたは順列が、本明細書中の他の場所で説明されており、そして本明細書中に記載されるセラミド態様に等しくあてはまる。
また、対象におけるアルファシヌクレイノパチーの識別もしくは監視のための、または対象におけるアルファシヌクレイノパチーの発症リスクを判定するための、Cer 32:1、Cer 33:1、Cer 34:1、Cer 34:2、Cer37:1、Cer 38:1、Cer 38:2、Cer 39:1、Cer 39:2、Cer 40:1、Cer 40:2、Cer 41:1、Cer 41:2、Cer 40:1(OH)、およびCer 40:2(OH)からなる群から選択される少なくとも1つの細胞外小胞セラミド種の使用が提供される。
適切な対象、専門用語、および特徴の順列または組合せが、先で詳細に説明されてきた。
また、アルファシヌクレイノパチー用の処置レジメンの治療効果を判定するインビトロ方法が提供され、当該方法は、以下の工程を含む:
a)対象の細胞外小胞サンプル中の、Cer 32:1、Cer 33:1、Cer 34:1、Cer 34:2、Cer 37:1、Cer 38:1、Cer 38:2、Cer 39:1、Cer 39:2、Cer 40:1、Cer 40:2、Cer 41:1、Cer 41:2、Cer 40:1(OH)、およびCer 40:2(OH)からなる群から選択される少なくとも1つのセラミド種の量を評価する工程;
b)処置後に対象から得られる細胞外小胞サンプルを使用して、工程a)を、ある時間間隔で繰り返す工程;および
c)工程a)において判定された少なくとも1つのセラミド種の量を、工程b)において判定された量と比較して、処置後に少なくとも1つのセラミド種の量が低下していれば、処置レジメンが治療効果を有すると確認する工程。
適切な対象、処置、専門用語、および特徴の順列または組合せが、先で詳細に説明されてきた。
また、アルファシヌクレイノパチー用の所定の処置レジメンの、対象の遵守または厳守を判定するインビトロ方法が提供され、当該方法は、以下の工程を含む:
a)対象の細胞外小胞サンプル中の、Cer 32:1、Cer 33:1、Cer 34:1、Cer 34:2、Cer 37:1、Cer 38:1、Cer 38:2、Cer 39:1、Cer 39:2、Cer 40:1、Cer 40:2、Cer 41:1、Cer 41:2、Cer 40:1(OH)、およびCer 40:2(OH)からなる群から選択される少なくとも1つのセラミド種の量を評価する工程;
b)処置レジメンの所定の開始後に対象から得られる細胞外小胞サンプルを使用して、工程a)を繰り返す工程;ならびに
c)工程a)において判定された少なくとも1つのセラミド種の量を、工程b)において判定された量と比較して、処置後に少なくとも1つのセラミド種の量が低下していれば、対象は所定の治療レジメンを順守または厳守してきたと確認する工程。
適切な対象、処置、専門用語、および特徴の順列または組合せが、先で詳細に説明されてきた。
本明細書中で示すデータは、細胞外小胞の使用とRTQUIC法を組み合わせることによって、病的タンパク質凝集の検出における当該方法の感度が増すことを示している。
本発明者らは、ルーチンのRTQUICアッセイを使用して、死後の脳脊髄液、血漿、および血小板から精製した細胞外小胞を試験した。アルファ-シヌクレイン病理を検出する際のアッセイの感度は、生の(精製していない)検体の使用と比較して、大幅に増す。
初期分析
死後の脳脊髄液の15のサンプル(11がパーキンソン病+レビー小体型認知症(シヌクレイノパチー)、そして4が対照)。全ての症例を、臨床的かつ神経病理学的に検証した。
細胞外小胞を、サイズ排除クロマトグラフィを使用して、全ての症例から精製した。次に、小胞を、そのサイズおよび濃度(図1および図2)について、調整可能な抵抗パルスセンシング(TRPS)によって、そして受け入れられているマーカーの存在(図3)について、ウエスタンブロットおよび免疫電子顕微鏡によって分析した。
次に、発明者らは、免疫電子顕微鏡法を使用して、アルファ-シヌクレインの存在について、全てのサンプルをスクリーニングした。小胞膜と付随するアルファ-シヌクレイン、および内部アルファ-シヌクレインを検出した。シヌクレインの存在を、患者サンプルおよび対照サンプルにおいて検出した。1つのPDサンプルは、アルファ-シヌクレインの標識を全く示さなかった。アルファ-シヌクレインは、より大きな小胞(平均直径221nm)の膜と付随しているようであったが、内部アルファ-シヌクレインの標識は、より小さな小胞(平均直径122nm)に特徴的であった(図4および図5)。この観察は、患者および対照の小胞に特徴的であった。
本発明者らは、C18カラムおよびHILICカラムを使用する液体クロマトグラフィ-質量分析(LC-MS)を、ポジティブイオンモードおよびネガティブイオンモードで使用して、全小胞の包括的リピドーム分析を実行した。PD患者およびDLB患者由来の小胞中のセラミド種の存在量の有意な変化を、対照小胞と比較して確認した(図6および図7)。
特定のいかなる理論にも拘束されないが、これらのデータの一説明として、EV中で変化するのは、単純にアルファ-シヌクレインではなく、EVの成分それ自体が変化するというもの、そして組成の変化により、RTQUICアッセイの応答の仕方、および/またはEV内のアルファ-シヌクレインが変わるというものがある。
前頭皮質脳組織から精製した細胞外小胞の研究。
本発明者らは、Perez-Gonzalez(2012)によって大幅に変更されたプロトコルを使用して、脳組織からEVを精製した。品質チェック分析を、前述のCSF EVに従って、すなわち、小胞の純度、濃度、およびサイズを検証するためにTRPSおよび透過型電子顕微鏡を使用して、実行した(図8)。小胞マーカーを、ウエスタンブロッティングによって判定した(図9および図10)。カルネキシンの不在は、小胞の純度、および細胞物質による夾雑の欠如を証明している。本発明者らは、いくつかの神経小胞タンパク質の形態、すなわちシナプトフィジンおよびsnap25、ならびに小胞と付随すると思われるごく少量のミトコンドリアタンパク質TFAM(小胞内のミトコンドリア全体の不在を証明する、ミトコンドリア膜マーカーであるポリンの不在に注目)を検出した。免疫電子顕微鏡法を使用して、EVに関する位置(小胞内または結合)を判定することができる。本発明者らは、患者および対照において、小胞画分中のアルファ-シヌクレインを検出して、ELISAを使用して定量化した(図11)。アルファ-シヌクレインレベルの有意な変化は検出されなかった。
RTQUIC
RTQUICアッセイを、精製したCSF小胞およびプロセシング未処理のCSFを使用して実行した。精製した小胞を使用した場合、アッセイは、100%の感度および100%の特異性を示した。さらに、疾患の前駆症状を検出した(臨床的には、パーキンソン症候群も記憶障害もない対照。しかし、軽度の神経病理学的変化が脳に見られ得、これは経時的に、臨床的に明らかな疾患に進行することが示唆されている)。以前にFairfoul 2016に発表されたRTQUICのプロトコル。アッセイの陽性対照を、図13に示す。
血液小胞の進行中の研究
RTQUICを使用した以前の研究では、プロセシング未処理の血漿、血小板、またはバフィーコートを使用した場合に、アルファ-シヌクレインの病理は検出されなかった(図13)。本発明者らは今般、血漿および血小板に由来する精製したEVサンプルにRTQUICを使用した。代表的なデータを図14および図15に示す。血漿由来の細胞外小胞を使用すると、疾患シグナルの検出が大幅に向上した。有利には、本明細書中に記載する方法を使用して、本発明者らは、疾患の臨床前症状であり得る、サンプル由来の陽性シグナルを検出することができる。
更なる例(図16~図22を参照):
以下の臨床的かつ神経病理学的診断を受けた個体由来の、死後CSFの6つのサンプルを試験した:パーキンソン病(PD、1サンプル)、レビー小体型認知症(DLB、3サンプル)、および健康対照(2サンプル)。また、パーキンソン病の脳ホモジェネート、ならびにDLBおよび対照の、前頭皮質から単離した細胞外小胞を試験した。
また、多系統萎縮症(MSA)、皮質基底核症候群(CBS)、進行性核上性麻痺(PSP、Steele-Richardson-Olszewski症候群)、または健康対照のいずれかの、臨床診断を受けた個体由来の7つの尿サンプルを試験した。
SECを使用したヒト尿サンプル、および超遠心分離を使用したヒト死後CSFサンプルから、細胞外小胞を、透過型電子顕微鏡によって確認して、首尾よく精製した(図16および図17)。
タンパク質凝集アッセイの結果は、以下の通りであった:
1 死後CSFサンプル-サンプル毎に分析した全4反復における、レビー小体の病変を検出する際の100%の特異性(図18、図19、および図20)。
2 尿サンプル-病状を盲検化して、サンプルを分析した(図21および図22)。結果は、本発明者らが、双方の反復においてMSAの症例を明確に識別することができたことを示している。
材料および方法:
死後のCSFおよび血漿からの細胞外小胞の精製:
凍結したCSF、血漿、および血小板を氷上で解凍して、激しくボルテックスして、チューブの壁に付着した可能性のあるものを全て、溶液中に戻した。CSFおよび血漿を、遠心分離によってプレクリアリングする;CSF 1500g、3000g、および10,000g、各工程10分;血漿1500g、3000g、3000g、10分の各工程。
500μlを超える原材料が利用可能であれば、サンプルを、VivaSpin遠心濃縮機(Sartorius)を使用して500μlに濃縮することができる。次に、500μlのサンプルを、サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)カラム上にロードする。本研究において、発明者らは、qEV(Izon)標準500μl SECカラムを使用した。CSF/血漿をカラム上にロードして、画分をPBSで溶出した。メーカーの説明書に従えば、最初の6×500μl画分(合計3mlの画分として収集した)は空隙容量であり、小胞は、画分7、8、および9内に含有されている。3つの画分を全て1つのチューブに収集して、VivaSpin 2(Sartorius)を使用して500μlに濃縮した。濃縮した小胞を、凍結融解を避けるためにアリコートにして、-80℃にて保存した。
凍結した前頭皮質細胞外小胞の精製
細胞外小胞を、Perez-Gonzalez et al.2012から大幅に変更されたプロトコルに従って、凍結組織から精製した。最低600mgの凍結した前頭皮質を氷上で解凍して、切開した。組織を、5 mM L-システイン(Sigma)およびパパイン(Sigma、最終濃度20ユニット/ml)を補充したHibernate E(Gibco、ThermoFisher)中で37℃にて15分間、振盪しながら解離させた。プロテアーゼインヒビタカクテル(Roche)を含むHibernate Eを、総容量10mlにまで加えて、10mlセロロジカルピペットに通過させることによって、組織を穏やかにホモジェナイズした。解離した組織を、40μmメッシュフィルタを使用して濾過して、濾液を300g-10分、2000g-10分、そして10,000g-30分にて遠心分離した。各工程で上清を収集した。最終の上清を、0.45μmフィルターを使用してさらに濾過して、VivaSpin Turbo 4遠心濃縮機(Sartorius)を使用して500μlに濃縮した。このサンプルを、SEC qEVカラムにアプライして、EV単離について、CSF EVに従ってプロセシングした。
TRPSが、Izon Scienceによって提供されている。
電子顕微鏡法
PBS中5μlの小胞懸濁液を、グロー放電させた炭素被覆銅グリッドに数秒間アプライした。グリッドを、濾紙に接触させることによって乾燥させて、2%酢酸ウラニルで数秒間染色した。グリッドを乾燥させた。グリッドを、Philips CM 100 Compustage(FEI)透過型電子顕微鏡を使用して調査して、デジタル画像を、AMT CCDカメラ(Deben)を使用して収集した。
ウエスタンブロット
18μlのエキソソーム抽出物を、メーカーの説明書に従って、Invitrogen NuPAGE 4-12% Bis-Trisゲル電気泳動システムを使用して、ウエスタンブロット分析にかけた。CD63およびCD81を、非還元条件下で試験した。全ての抗体をAbcamから購入したが、Alix(Cell Signalling)およびSNAP25(Sigma)を除く。抗体をメンブレンと共に4℃にて一晩、続いて適切な二次抗体(Dako)と室温にて1時間インキュベートして、Pierce ECL Plusウエスタンブロッティング基質またはSuperSignal West Femto Maximum Sensitivity Substrateを使用して現像した。シグナルを、Amersham Imager 600で検出した。
リピドミクス
EV脂質を、クロロホルム/メタノール(2/1、v/v)中に抽出した。C18カラムおよびHILICカラムを使用する高解像度のThermo Orbitrap Exactiveシステムを、ポジティブイオンモードおよびネガティブイオンモードで使用して、包括的(非ターゲット)リピドーム分析を、液体クロマトグラフィ質量分析(LC-MS)によって実行した。データセットを、Non-Linear Dynamics Progenesis QIソフトウェアを使用してプロセシング(アライン、デコンボリューション、および正規化)した。SIMCA-Pソフトウェアを使用して、データセットを多変量データ分析(主成分分析(PCA)および直交部分最小二乗法-判別分析(OPLS-DA))にかけることによって、脂質プロファイルの乱れ(相対変化)を判定した。脂質の識別は、LIPID MAPS(www.lipidmaps.org/)、HMDB(http://www.hmdb.ca/)データベースを検索することによって行った。脂質クラスを、主要な脂質クラスの代表である内部標準との比較によって定量化した。統計分析には、データセットに従って、Shapiro-Wilk正規性検定に続く、一元配置Anova、対応のないt検定、またはノンパラメトリック検定を含めた。
ImmunoEM
St Andrews UniversityのEM施設内で実行した。
小胞を支持体に結合させて、抗アルファ-シヌクレイン抗体(BD Transduction Laboratories)に続いて、電子密度金粒子マーカーで標識して、位置を明らかにした。小胞を、メチルセルロースの薄膜中で重金属と対照して引き立たせてから、電子顕微鏡で画像化した。
アルファ-シヌクレインELISA
ELISAプレートを、抗アルファ-シヌクレイン10D2抗体(Analitik Jena、1:2000)(コーティングバッファー(炭酸-重炭酸バッファー:50mlの0.2M重炭酸ナトリウム+5mlの0.2M炭酸ナトリウム)中)で、ウェルあたり100μlの総容量で4℃にて一晩コーティングした。ウェルを、リン酸緩衝生理食塩水+0.2%Tween(PBST)で3回洗浄した。プレートを、ウェルあたりPBST中1%BSAの200μlでブロックして、ロッキングプレート上で1時間撹拌した。その後、PBSTで1回洗浄した。組換えアルファ-シヌクレイン標準(Sigma-Aldrich;40~0.001ng/μl)およびサンプルを、PBS+0.2%Tween中で調製して、ウェルあたり100μlをロードして、ロッキングプレート上で2時間撹拌した。ウェルをPBSTで3回洗浄した。検出抗体αβシヌクレイン(Abcam、1:1500)(PBST中1%BSA中)を加えて(ウェルあたり100μl)、ロッキングプレート上で1時間撹拌してから、PBSTで3回洗浄した。コンジュゲートヤギ抗ウサギAP(Santa Cruz、1:1000)(PBST中1%BSA中)を、ウェルあたり100μlの総量で加えて、ロッキングプレート上で1時間撹拌してから、PBST中で3回洗浄した。pNPP(p-ニトロフェニルホスファート;Sigma-Aldrich)基質を、基質バッファー(0.05M炭酸ナトリウム+0.001M MgCl2(dH2O中))中1mg/mlにて加えて、ウェルあたり100μlをロードした。プレートを37℃にて30分間インキュベートして、吸光度を412nmにて記録した。
RTQUIC
RTQUICを、Fairfoul at al.2016において以前に発表されたように実行した。
更なる材料および方法(図16~図22を参照):
超遠心分離を用いた、死後の脳脊髄液サンプルからの細胞外小胞の精製。
凍結した死後の脳脊髄液(CSF)サンプル(1ml~1.5ml)を氷上で解凍して、激しくボルテックスして、4℃での、500×gにて10分間、2000×gにて15分間、そして17000×gにて30分間の遠心分離によって、プレクリアリングした(上清を毎回遠心分離にかけた)。TLA 55 S/N 17U1340ローターを使用するOptima Max-XP Ultracentrifuge Beckman Coulter内で、最終の上清を130,000×gにて4℃にて1時間、超遠心分離した。上清を廃棄して、ペレットをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄して、130,000×gにて4℃にて1時間、再度超遠心分離した。上清を廃棄して、ペレットを、プロテアーゼインヒビタカクテル(Roche)を含むPBS中に再懸濁させた。サンプルを、ネガティブ染色、およびHitachi HT7800 120kV電子顕微鏡による透過型電子顕微鏡法を使用して、画像化した。
ヒト尿サンプルからの細胞外小胞の精製。
凍結した尿サンプル(35ml~100ml)を解凍して、激しくボルテックスして、4℃での、1500×gにて10分間、3000×gにて10分間、そして4600×gにて30分間の遠心分離によって、プレクリアリングした(上清を毎回遠心分離にかけた)。最終の上清を、分子量カットオフ100kDaのAmicon限外濾過ユニット(Merck Millipore)を使用して、500μlに濃縮した。濾液を、16100×gにて4℃にて10分間遠心分離して、上清を、メーカーの推奨に従って、qEVオリジナル70nm SECカラム(Izon)を使用したサイズ排除クロマトグラフィ(SEC)にかけた。1500μlの小胞画分を収集して、分子量カットオフ3kDaのAmicon限外濾過ユニット(Merck Millipore)を使用して濃縮した。サンプルを、ネガティブ染色、およびHitachi HT7800 120kV電子顕微鏡による透過型電子顕微鏡法を使用して、画像化した。
アルファ-シヌクレインタンパク質凝集アッセイ。
タンパク質凝集アッセイを、Fairfoul et al.(2016)に以前に記載されるように実行した。ThermoFisher VarioskanLUX Multimodeプレートリーダーを使用して反応を走らせて、蛍光シグナルの測定を、115時間にわたって15時間毎に行った。死後CSFサンプルを、2つの異なる量の小胞を試験する二反復で2回分析した。データを、SkanItソフトウェア(ThermoFisher)を使用して分析した。
本明細書中で別段の定義がない限り、本明細書中で使用する全ての技術用語および科学用語は、本発明が関係する技術の当業者によって一般に理解されているのと同じ意味を有する。例えば、SINGLETON AND SAINSBURY,DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY,2D ED.,JOHN WILEY AND SONS,NY(1 94);およびHALE AND MARHAM,THE HARPER COLLINS DICTIONARY OF BIOLOGY,HARPER PERENNIAL,NY(1991)は、本発明中で使用する多くの用語の一般的な辞書を当業者に提供している。本明細書中に記載するものと類似の、または同等のあらゆる方法および材料が、本発明の実施に用いられるが、好ましい方法および材料を本明細書中に記載している。したがって、直ぐ下で定義する用語は、明細書全体を参照することによって、より完全に説明される。また、本明細書中で使用される単数形の用語「A」、「AN」、および「THE」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数の参照を含む。特に明記しない限り、核酸は、左から右に向けて、5’から3’の向きに書いている;アミノ酸配列は、左から右に向けて、アミノからカルボキシの向きに書いている。本発明は、記載した特定の方法論、プロトコル、および試薬に限定されないことを理解されたい。というのもこれらは、当業者によって使用される文脈に応じて変わり得るからである。
読者は、本出願に関連する本明細書と同時に、または本明細書の前に提出されており、かつ本明細書と共に公衆の閲覧に付された全ての論文および文書に留意し、そのような全ての論文および文書の内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
本明細書(添付の特許請求の範囲、要約、および図面をいずれも含む)に開示される全ての特徴、および/またはそこに開示されるあらゆる方法もしくはプロセスの全ての工程は、そのような特徴および/または工程の少なくとも一部が相互に排他的である組合せを除くあらゆる組合せで組み合わされてもよい。
本明細書(添付の特許請求の範囲、要約、および図面をいずれも含む)に開示される各特徴は、特に明記しない限り、同じ、同等の、または類似の目的に役立つ代替の特徴によって置換されてもよい。ゆえに、特に明記しない限り、開示される各特徴は、一般的な一連の等価の、または類似の特徴の一例に過ぎない。
本発明は、前述のいかなる実施形態の詳細にも制限されない。本発明は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約、および図面をいずれも含む)に開示される特徴の新規なあらゆるもの、または新規なあらゆる組合せ、あるいはそのように開示されるあらゆる方法もしくはプロセスの工程の新規なあらゆるもの、または新規なあらゆる組合せに及ぶ。
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Claims (13)

  1. 対象におけるアルファシヌクレイノパチーを識別または監視するためのインビトロ方法であって、病的アルファ-シヌクレインタンパク質の存在について、Real Time Quaking Induced Conversion(RT-QUIC)法、Protein Misfolding Cyclic Amplification(PMCA)法、又は、それらの変更バージョンを用いて、前記対象由来の細胞外小胞サンプルをアッセイする工程を含み、病的アルファ-シヌクレインタンパク質の前記存在は、前記アルファシヌクレイノパチーを示す、方法。
  2. 対象がアルファシヌクレイノパチーを発症するリスクを判定するためのインビトロ方法であって、病的アルファ-シヌクレインタンパク質の存在について、RT-QUIC法、PMCA法、又は、それらの変更バージョンを用いて、前記対象由来の細胞外小胞サンプルをアッセイする工程を含み、病的アルファ-シヌクレインタンパク質の前記存在は、前記対象が前記アルファシヌクレイノパチーを発症する高いリスクを示す、方法。
  3. アルファシヌクレイノパチーを患っている疑いがある、またはアルファシヌクレイノパチーの発症リスクが高い対象におけるアルファシヌクレイノパチーの存在を判定するためのインビトロ方法であって:
    (a)前記対象から細胞外小胞サンプルを用意する工程と;
    (b)RT-QUIC法、PMCA法、又は、それらの変更バージョンを用いて、前記細胞外小胞サンプル中の病的アルファ-シヌクレインタンパク質の存在を判定する工程と
    を含む、方法。
  4. 疾患がある対象について処置を選択するためのインビトロ方法であって、RT-QUIC法、PMCA法、又は、それらの変更バージョンを用いて、前記対象由来の細胞外小胞サンプル中の病的アルファ-シヌクレインタンパク質の存在を判定する工程を含み、病的アルファ-シヌクレインタンパク質の前記存在は、前記対象がアルファシヌクレイノパチー用の処置から利益を得ることとなることを示す、方法。
  5. 前記アルファシヌクレイノパチーは、パーキンソン病、レビー小体型認知症、および多系統萎縮症からなる群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記対象はヒトである、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記対象は、アルファシヌクレイノパチーを患っている、または患っている疑いがある、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記対象は、アルファシヌクレイノパチーを患っている、請求項7に記載の方法。
  9. 前記対象は、初期段階のアルファシヌクレイノパチーを患っている、請求項8に記載の方法。
  10. 前記細胞外小胞サンプルは、CSF、血液、脳組織ホモジェネート、尿、唾液、またはそれらの組合せから選択される生体サンプルから得られる、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記血液サンプルは、血漿、血清、血小板、およびバフィーコートからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記細胞外小胞サンプルは、サイズ排除クロマトグラフィ、分画遠心分離、又は、密度勾配超遠心分離を使用して得られる、請求項10または11に記載の方法。
  13. 前記方法はさらに:
    i)前記対象由来の生体サンプルを用意する工程と;
    ii)サイズ排除クロマトグラフィを使用して、前記生体サンプルから細胞外小胞サンプルを得る工程と
    を含む、請求項12に記載の方法。
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